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Title:
TROUBLE-DECIDING DEVICE FOR ELECTRIC OIL PUMP TO BE USED IN TRANSMISSION OF VEHICLE HAVING ENGINE AUTOMATIC-STOP CONTROL DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/147982
Kind Code:
A1
Abstract:
At a stop deciding instant (t1), a first engine automatic-stop control permission decision is made on the basis of an instantly-decidable idle stop permitting condition.  If the first engine automatic-stop control permission decision is "permitted" at t1, a second engine automatic-stop control permission decision is started on the basis of a time-taking idle stop permitting condition, and an electric oil pump ON (drive) command (a test drive command) is issued.  At t2 when it is detected that the electric oil pump performs an actual drive responding to the test drive command, an electric oil pump trouble decision is made "normal" by deciding that the electric oil pump is not troubled by the abnormality of the electric system and by the biting trouble of a foreign matter.  This decision has been ended before t3, at which the second engine automatic-stop control permission decision ends.  At t3, an idle stop ON command is outputted by the "permission" of the second engine automatic-stop control permission decision result and the "normal" of the electric oil pump trouble decision.

Inventors:
MATSUDA TAKASHI
KOGA MASATO
NIHEI HIRONORI
Application Number:
PCT/JP2009/059674
Publication Date:
December 10, 2009
Filing Date:
May 27, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NISSAN MOTOR (JP)
MATSUDA TAKASHI
KOGA MASATO
NIHEI HIRONORI
International Classes:
B60W10/04; F16H61/12; B60W10/06; B60W10/10; B60W10/101; B60W10/107; F02D17/00; F02D29/00; F02D29/02; F16H61/02; F16H61/66; F16H63/40; F16H63/50; F16H59/48; F16H59/68; F16H61/662
Foreign References:
JP2000045807A2000-02-15
JP2004003425A2004-01-08
JP2004092885A2004-03-25
JP2009121518A2009-06-04
JP2000045807A2000-02-15
Other References:
See also references of EP 2282083A4
Attorney, Agent or Firm:
HASHIMOTO, Takeshi et al. (JP)
Hashimoto 剛 (JP)
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Claims:
 エンジンからの動力により変速機を介し走行可能で、該エンジンの運転中は、このエンジンにより駆動されるエンジン駆動オイルポンプからの油圧で前記変速機を変速制御し、停車判定時は所定条件が揃ったところでエンジンを自動的に停止させるエンジン自動停止制御を行うと共に、前記エンジン駆動オイルポンプに代え、専用モータで駆動される電動オイルポンプからの作動油により前記変速機を動力伝達開始直前状態にしておくようにしたエンジン自動停止制御装置付き車両において、
 前記エンジン自動停止制御によるエンジン停止の前に、前記専用モータへポンプ試験駆動指令を発し、前記電動オイルポンプが試験駆動指令に呼応した実駆動を行ったか否かにより電動オイルポンプの故障を判定する電動オイルポンプ故障事前判定手段を設けてなる、エンジン自動停止制御装置付き車両の変速機に用いる電動オイルポンプの故障判定装置。
 請求項1に記載の電動オイルポンプの故障判定装置において、
 エンジン自動停止制御装置は、前記エンジン自動停止制御を許可する前記所定条件が揃ったか否かを判断するエンジン自動停止制御許可判断手段を備え、
 該手段により前記所定条件が揃ったと判断した後において、前記電動オイルポンプ故障事前判定手段が前記電動オイルポンプの試験駆動を試みるよう構成された、エンジン自動停止制御装置付き車両の変速機に用いる電動オイルポンプの故障判定装置。
 請求項2に記載の電動オイルポンプの故障判定装置において、
 前記エンジン自動停止制御許可判断手段は、前記所定条件のうち、瞬時に判断可能な条件が揃ったか否かにより前記エンジン自動停止制御の許可判断を行う第1のエンジン自動停止制御許可判断部と、前記所定条件のうち、判断に時間を要する条件が揃ったか否かにより前記エンジン自動停止制御の許可判断を行う第2のエンジン自動停止制御許可判断部とよりなり、
 第1のエンジン自動停止制御許可判断部がエンジン自動停止制御を許可した後、第2のエンジン自動停止制御許可判断部がエンジン自動停止制御の許可判断を行っている間に、前記電動オイルポンプ故障事前判定手段が前記電動オイルポンプの試験駆動を試みるよう構成された、エンジン自動停止制御装置付き車両の変速機に用いる電動オイルポンプの故障判定装置。
 請求項3に記載の電動オイルポンプの故障判定装置において、第1のエンジン自動停止制御許可判断部が瞬時に判断可能な条件に対しエンジン自動停止制御を許可した場合、前記電動オイルポンプは試験駆動からそのまま引き続き駆動されるように構成された、エンジン自動停止制御装置付き車両の変速機に用いる電動オイルポンプの故障判定装置。
 請求項3に記載の電動オイルポンプの故障判定装置において、第1のエンジン自動停止制御許可判断部が瞬時に判断可能な条件に対しエンジン自動停止制御を許可しない場合、前記電動オイルポンプの試験駆動およびその後の駆動は行わないように構成された、エンジン自動停止制御装置付き車両の変速機に用いる電動オイルポンプの故障判定装置。
 請求項3に記載の電動オイルポンプの故障判定装置において、第1のエンジン自動停止制御許可判断部が瞬時に判断可能な条件に対しエンジン自動停止制御を許可しない場合、第2のエンジン自動停止制御許可判断部によるエンジン自動停止制御の許可判断は行わないように構成された、エンジン自動停止制御装置付き車両の変速機に用いる電動オイルポンプの故障判定装置。
 請求項1に記載の電動オイルポンプの故障判定装置において、前記電動オイルポンプの試験駆動による電動オイルポンプの故障判定を行う前に、電動オイルポンプの電気的故障診断および判定を行い、この両判定で一方でも故障と判定される場合は前記電動オイルポンプは故障であると判定する、エンジン自動停止制御装置付き車両の変速機に用いる電動オイルポンプの故障判定装置。
 請求項3に記載の電動オイルポンプの故障判定装置において、
 前記第1のエンジン自動停止制御許可判断部は、前記瞬時に判断可能な条件がエンジン自動停止制御許可範囲内の値に収まっているのをもって該条件が揃ったと判断し、
 前記第2のエンジン自動停止制御許可判断部は、前記判断に時間を要する条件が停車直後の過渡状態から定常状態に落ち着いた後、エンジン自動停止制御許可範囲内の値に収まったのをもって該条件が揃ったと判断する、エンジン自動停止制御装置付き車両の変速機に用いる電動オイルポンプの故障判定装置。
 請求項8に記載の電動オイルポンプの故障判定装置において、
 前記判断に時間を要する条件が、車両に設けた前後加速度センサにより検出される前後加速度検出値から求める停車路面勾配度である、エンジン自動停止制御装置付き車両の変速機に用いる電動オイルポンプの故障判定装置。
 エンジンからの動力により変速機を介し走行可能で、該エンジンの運転中は、このエンジンにより駆動されるエンジン駆動オイルポンプからの油圧で前記変速機を変速制御し、停車判定時は所定条件が揃ったところでエンジンを自動的に停止させるエンジン自動停止制御を行うと共に、前記エンジン駆動オイルポンプに代え、専用モータで駆動される電動オイルポンプからの作動油により前記変速機を動力伝達開始直前状態にしておくようにしたエンジン自動停止制御装置付き車両において、
 前記エンジン自動停止制御によるエンジン停止の前に、前記専用モータへポンプ試験駆動指令を発し、前記電動オイルポンプが試験駆動指令に呼応した実駆動を行ったか否かにより電動オイルポンプの故障を判定する、エンジン自動停止制御装置付き車両の変速機に用いる電動オイルポンプの故障判定方法。
Description:
エンジン自動停止制御装置付き 両の変速機に用いる電動オイルポンプの故 判定装置

 本発明は、エンジンからの動力により変速 を介して走行可能で、該エンジンの運転中 、このエンジンにより駆動されるエンジン 動オイルポンプからの油圧で変速機を変速 御し、停車判定時は所定条件が揃ったとこ でエンジンを自動的に停止させるエンジン 動停止制御(アイドルストップと俗称される )を行うと共に、エンジン駆動オイルポンプ 代え電動オイルポンプからの作動油により 速機を動力伝達開始直前状態にしておくよ にしたエンジン自動停止制御装置付き車両 関し、
 特に、上記変速機に用いる電動オイルポン の故障判定技術に係わる。

 車両の燃費を向上させる一手法として、停 時に発進意志のない停車状態が設定時間だ 経過する等の所定条件が揃ったところで、 ンジンを自動的に停止させるエンジン自動 止制御技術がある。
 このエンジン自動停止制御技術においては ブレーキペダルを釈放してブレーキを作動 態から非作動状態にする等の、発進を意図 たと思われる操作を運転者が行った時、エ ジン自動停止制御の解除によりエンジンを 動的に再始動させる。

 ところで上記のエンジン自動停止制御中は エンジンが運転されていないことから、こ により駆動されるエンジン駆動オイルポン からの油圧もなくて、変速機が動力伝達不 状態になっている。
 この状態からエンジン自動停止制御の解除 よりエンジンが始動されると、これにより 動されるエンジン駆動オイルポンプからの 圧が発生して変速機を動力伝達可能状態に るが、
 エンジンの始動によりエンジン駆動オイル ンプが油圧を発生して変速機を動力伝達可 状態にするまでには応答遅れがあり、
 これが車両の再発進応答を悪化させるだけ なく、エンジンの空吹けで再発進ショック 発生したり、変速機の耐久性に悪影響が及 という問題を生ずる。

 そこで従来、例えば特許文献1に記載のごと く、エンジン自動停止制御中はエンジン駆
動オイルポンプに代えて電動オイルポンプを 作動させてこれからの作動油により、変速機 を動力伝達開始直前状態に保っておく技術が 提案されている。

 この技術によれば、エンジン自動停止制御 も電動オイルポンプからの作動油により変 機が動力伝達開始直前状態に保たれるため エンジン自動停止制御の解除によりエンジ が再始動されたとき直ちに、エンジン駆動 イルポンプからの作動油が変速制御用油圧 、上記電動オイルポンプが発生していた油 値から変速機を動力伝達可能状態にする油 値へと上昇させることができ、
 エンジンの始動直後から変速機がスリップ 発生無しに動力伝達を行い得て、車両の再 進応答を改善し得ると共に、再発進ショッ が発生するという問題や、変速機の耐久性 悪影響が及ぶという問題を解消することが きる。

 ところで電動オイルポンプが、それ自身の 障や、電力系および制御系の故障で、ポン 油圧を発生し得ないとか、ポンプ油圧を規 通りに上昇させ得なくなる、電動オイルポ プの故障時は、
 エンジン自動停止制御中に変速機を動力伝 開始直前状態にし得なくなって、上記した 発進応答の改善という本来の目的を達し得 いばかりか、大きな再発進ショックや変速 への悪影響を生ずることから、
 電動オイルポンプの故障時は、特許文献1に も記載されているが、エンジン自動停止制御 を禁止するのがよい。

 特許文献1に記載されている従来の電動オイ ルポンプの故障時におけるエンジン自動停止 制御禁止技術は、
 エンジン自動停止制御時に電動オイルポン の故障を判定し、故障無しの判定時はエン ン自動停止制御を許可して、エンジン自動 止を実行し、故障有りの判定時はエンジン 動停止制御を禁止して、エンジン自動停止 実行しないようにするというものである。

特開2000-045807号公報(図1、第5頁)

 しかし従来は、エンジン自動停止制御時 電動オイルポンプの故障判定を行い、その 定結果に応じエンジン自動停止制御をその ま許可して開始させるか、エンジン自動停 制御を禁止して行わせないかの決定を下す のであるため、以下に説明するような問題 生ずる。

 つまり、電動オイルポンプの故障としては その駆動を司るモータを含む駆動部に係わ 電力系および制御系の断線など、電気系統 故障による電動オイルポンプの駆動不能と
 オイル内に混入した異物を電動オイルポン が噛み込んで物理的に駆動不能になる異物 み込み故障とがある。

 前者の電気系統に係わる故障は、電動オイ ポンプをモータにより回転駆動させること く、電気的な故障診断により故障判定する とができるが、
 後者の異物噛み込み故障は、電動オイルポ プをモータにより実際に試験回転させてみ ければ、故障しているか否かの判定を行う とができない。

 この事実に照らして、従来のように、エン ン自動停止制御を行う時になって電動オイ ポンプの故障判定を行い、故障がなければ ンジン自動停止制御を許可して、エンジン 動停止を行い、故障があればエンジン自動 止制御を禁止して、エンジン自動停止を行 せないようにする技術は、
 特許文献1に電動オイルポンプの故障判定に 関する具体的な記載がないものの、エンジン 自動停止制御時に前者の電気系統に係わる故 障を判定し、当該電気的な故障がなければエ ンジン自動停止制御をそのまま許可して、エ ンジン自動停止を実行させ、当該電気的な故 障があればエンジン自動停止制御を禁止して 、エンジン自動停止を実行させないものであ ると解釈するのが妥当である。

 ちなみに特許文献1の電動オイルポンプは、 その駆動を司るモータがオイルポンプ専用の ものではなく、エンジン始動を司るスタータ モータと兼用する大出力モータであることが 明記されている。
 かようにスタータモータと兼用するほどの 出力モータで電動オイルポンプを駆動する 合、オイル内に混入した程度の小さな異物 電動オイルポンプが噛み込んだとしても電 オイルポンプが駆動不能になることはない

 従って、特許文献1に記載の電動オイルポン プは、もともと異物噛み込み故障の問題を発 生しないものであり、
 この点においても、特許文献1に記載された 電動オイルポンプ故障判定技術は、電動オイ ルポンプの電気系統に係わる故障の判定を行 ってエンジン自動停止制御を許可するか、禁 止するかの決定を行うものでしかなく、
 特許文献1の技術では、電動オイルポンプの 異物噛み込み故障を判定して、エンジン自動 停止制御を許可するか、禁止するかの決定を 行うことができないこと、明らかである。

 ところで、電動オイルポンプをそれ専用の ータで駆動する場合、モータは電動オイル ンプを駆動するだけの小出力のものでよく
 かかる小出力モータで駆動される電動オイ ポンプは、オイル内に混入した程度の小さ 異物でも、これを噛み込むと駆動不能にな 。
 この場合、特許文献1の技術では、電動オイ ルポンプが異物噛み込みにより駆動不能であ るにもかかわらず、電気系統に係わる故障判 定が故障無しの判定になることから、エンジ ン自動停止制御を実行させてしまい、前記し た諸問題、つまり、再発進応答の改善という 本来の目的を達し得ないばかりか、大きな再 発進ショックや変速機への悪影響を生ずると いう問題の発生を避けられない。

 このため、電動オイルポンプを専用モータ 駆動する場合、電動オイルポンプの異物噛 込み故障を判定して、エンジン自動停止制 を許可するか、禁止するかの決定に資する 要があり、電動オイルポンプの異物噛み込 故障判定技術が不可欠である。
 しかし特許文献1の技術は、上記したところ から明らかなように、かかる要求に応えるこ とができず、上記問題の発生を避けられない 。

 本発明は、上記の問題に鑑み、電動オイ ポンプの異物噛み込み故障を判定可能な装 を提案し、もって上記の要求に応え得るよ にすることを目的とする。

 この目的のため、本発明によるエンジン自 停止制御装置付き車両の変速機に用いる電 オイルポンプの故障判定装置は、次のよう 構成する。
 先ず、本発明の前提となるエンジン自動停 制御装置付き車両を説明するに、これは、
 エンジンからの動力により変速機を介し走 可能で、該エンジンの運転中は、このエン ンにより駆動されるエンジン駆動オイルポ プからの油圧で前記変速機を変速制御し、 車判定時は所定条件が揃ったところでエン ンを自動的に停止させるエンジン自動停止 御を行うと共に、前記エンジン駆動オイル ンプに代え、専用モータで駆動される電動 イルポンプからの作動油により前記変速機 動力伝達開始直前状態にしておくようにし ものである。

 本発明による電動オイルポンプの故障判定 置は、かかるエンジン自動停止制御装置付 車両において、
 前記エンジン自動停止制御によるエンジン 止の前に、前記専用モータへポンプ試験駆 指令を発し、前記電動オイルポンプが試験 動指令に呼応した実駆動を行ったか否かに り電動オイルポンプの故障を判定する電動 イルポンプ故障事前判定手段を設けてなる とを特徴とするものである。

 かかる本発明による電動オイルポンプの故 判定装置においては、
 エンジン自動停止制御によるエンジン停止 前に、電動オイルポンプの専用モータへポ プ試験駆動指令を発し、電動オイルポンプ この試験駆動指令に呼応した実駆動を行っ か否かにより電動オイルポンプの故障を判 するため、
 上記のモータが専用モータであるが故に小 力であって、電動オイルポンプが異物噛み みにより駆動不能になったような故障をも 実に判定することができる。
 従って、当該故障の判定ができずに、エン ン自動停止制御を実行させてしまって、再 進応答の改善という本来の目的を達し得な ばかりか、大きな再発進ショックや変速機 の悪影響を生ずるという問題の発生を回避 ることができる。

 しかも、電動オイルポンプの専用モータへ ンプ試験駆動指令を発して、電動オイルポ プがこの試験駆動指令に呼応した実駆動を ったか否かの故障判定を、エンジン自動停 制御によるエンジン停止の前に実行するた 、
 エンジン自動停止制御によるエンジン停止 開始すべき時にはすでに上記の判定が終了 ており、エンジン自動停止制御によるエン ン停止を開始すべきタイミングを何ら遅延 せることなしに上記の作用効果を達成する とができる。

Vベルト式無段変速機を搭載するエンジ ン自動停止制御装置付き車両用に構成した、 電動オイルポンプの故障判定装置の一実施例 を示すシステム図である。 図1におけるエンジン自動停止コントロ ーラが実行するアイドルストップ制御プログ ラムを示すフローチャートである。 図1におけるエンジン自動停止コントロ ーラのアイドルストップ制御部分に係わる機 能別ブロック線図である。 停車路面勾配度を求めるのに用いる車 前後加速度検出値の停車直後における時系 変化を示すタイムチャートである。 図1~3に示す実施例によるアイドルスト プ制御の動作タイムチャートである。 従来装置によるアイドルストップ制御 動作タイムチャートである。 従来装置に単純に、電動オイルポンプ 異物噛み込み故障判定を付加しただけの場 におけるアイドルストップ制御の動作タイ チャートである。

 以下、本発明の実施の形態を、図面に示す 施例に基づき詳細に説明する。
 図1は、Vベルト式無段変速機を搭載するエ ジン自動停止制御装置付き車両用に構成し 、電動オイルポンプの故障判定装置の一実 例を示す。

 1は、Vベルト式無段変速機のプライマリプ リ、2は、Vベルト式無段変速機のセカンダリ プーリで、これらプライマリプーリ1および カンダリプーリ2は、相互に略同じ軸直角面 に整列配置する。
 そして、これらプライマリプーリ1およびセ カンダリプーリ2間にVベルト3を掛け渡して、 Vベルト式無段変速機の伝動部を構成する。
 プライマリプーリ1には、前後進切り替え機 構(図示せず)内における前進クラッチや後退 レーキなどの発進用摩擦要素F/Eおよびトル コンバータT/Cを介してエンジンEを結合し、 エンジンEからの回転をトルクコンバータT/C よび発進用摩擦要素F/Eによりプライマリプ リ1に入力可能にする。
 プライマリプーリ1の回転はVベルト3を介し セカンダリプーリ2へ伝達し、セカンダリプ ーリ2の回転を駆動車輪へ伝達して車両の走 に供する。

 かかる伝動中Vベルト式無段変速機は、セカ ンダリプーリ2のV溝を形成する対向シーブ面 うち一方のV溝シーブ面(図1では、左側の可 シーブ面)を他方の固定シーブ面に対し接近 、または離間させてV溝幅を小さく、または きくすると同時に、
 プライマリプーリ1の図1中右側におけるV溝 ーブ面(可動シーブ面)を反対側におけるV溝 ーブ面(固定シーブ面)に対し離間、または 近させV溝幅を大きく、または小さくするこ により、
 プライマリプーリ1およびセカンダリプーリ 2に対するVベルト3の巻き掛け円弧径を連続的 に変化させて無段変速を行うものとする。

 Vベルト式無段変速機の変速制御は、セカン ダリプーリ2の可動シーブ面押し付け油圧を 減することにより実行し、
 この変速制御に際しては、プライマリプー 1に結合されたエンジンにより駆動されるエ ンジン駆動オイルポンプ4からライン圧油路5 の作動油を媒体とし、変速制御回路6(電子 御部および油圧制御部)が当該変速制御を以 のごとくに行うものとする。
 ちなみにエンジン駆動オイルポンプ4は、ロ ータリーベーンポンプなどの、非可逆式のポ ンプ(停止状態において油路5内の作動油をオ ルパンへ流下させることのないポンプ)とす る。

 つまり運転状態検出手段7により、車両の運 転状態を表すエンジンスロットル開度TVOや車 速VSPなどを検出し、変速制御回路6はこれら 転情報をもとに、その内部における図示せ るレギュレータバルブにより、オイルポン 4から油路5への作動油を変速機入力トルク対 応のライン圧P L に調圧する。
 このライン圧P L は、プライマリプーリ圧油路8を経てプライ リプーリ1の可動シーブ面に作用し、これに りプライマリプーリ1の可動シーブ面を変速 機入力トルク対応のスラスト力で固定シーブ 面に向け附勢して、これらシーブ面間にVベ ト3を変速機入力トルク対応の力で挟圧する

 変速制御回路6は更に、上記運転状態検出手 段7で検出したエンジンスロットル開度TVOお び車速VSPなどの運転情報をもとに予定の変 マップから、現在の運転状態に適した目標 力回転数(目標変速比)を求める。
 そして変速制御回路6は、油路5内のライン P L を元圧として、上記の目標入力回転数(目標 速比)が達成されるような変速制御圧Pcを作 出し、この変速制御圧Pcを変速制御圧油路9 よりセカンダリプーリ2の可動シーブ面押し け油圧としてセカンダリプーリ2に供給する 。
 セカンダリプーリ2は、上記の油圧による可 動シーブ面押し付け力と、可動シーブ面を固 定シーブ面に向け附勢するセカンダリプーリ 内蔵バネ(図示せず)によるバネ力とで、両シ ブ面間にVベルトを挟圧することにより、V ルト式無段変速機を、その入力回転数(変速 )が目標入力回転数(目標変速比)に一致する う変速制御する。

 ところで変速制御圧Pcは、外乱などを受け 目標入力回転数(目標変速比)を達成するのに 必要な油圧値からずれ、正確な変速制御に支 障をきたす虞があり、この危惧を排除するた めに以下のフィードバック制御系を付加する 。
 つまり、セカンダリプーリ2の可動シーブ面 押し付け油圧を検出する油圧センサ10を設け この油圧センサ10により検出した可動シー 面押し付け油圧を変速制御回路6にフィード ックする。

 変速制御回路6は、当該フィードバックした セカンダリプーリ2の可動シーブ面押し付け 圧が、目標入力回転数(目標変速比)を達成す るのに必要な変速制御圧Pcの指令値からどの 度乖離しているかを演算し、この乖離が解 されるよう変速制御圧Pcの指令値を変化さ 、
 これにより、外乱などを受けても、変速制 圧Pcが目標入力回転数(目標変速比)を達成す るのに必要な油圧値からずれることのないよ うにし、正確な変速制御を継続的に遂行し得 るようにする。

 変速制御回路6は更に、ライン圧P L を元圧として発進用摩擦要素F/Eの締結を司る 発進要素締結圧Psを作り出し、この発進要素 結圧Psを発進要素締結圧油路17により発進用 摩擦要素F/Eへ供給する。
 ここで発進要素締結圧Psは、発進用摩擦要 F/Eがプライマリプーリ1への入力トルクを伝 可能なトルク容量をもって締結されるよう 値に制御する。

 なお本実施例において、プライマリプーリ1 に結合されたエンジンは燃費向上のためにエ ンジン自動停止制御装置付きとし、車速が停 車判定用の微少設定車速未満となる停車判定 状態であって、この停車判定状態が発進意思 のないまま設定時間に亘って継続する等の所 定条件が揃ったところで、エンジンを自動的 に停止(アイドルストップ)させるものとする
 エンジン自動停止制御の解除は、ブレーキ ダルを釈放してブレーキを作動状態から非 動状態にする等の、発進を意図したと思わ る操作を運転者が行った時、エンジンを自 的に始動させて当該解除を行うものとする

 ところで上記のエンジン自動停止制御中(ア イドルストップ中)は、エンジンが運転され いことから、これにより駆動されるエンジ 駆動オイルポンプ4からの吐出油もなくてラ ン圧P L を発生させ得ないと共に、変速制御回路6が 速制御圧Pcおよび発進用摩擦要素締結圧Psを り出すこともできない。
 よって、プライマリプーリ1の対向シーブ面 間、および、セカンダリプーリ2の対向シー 面間にVベルト3を挟圧することができず、発 進用摩擦要素F/Eを締結させることもできない ことから、Vベルト式無段変速機は動力伝達 能状態にされている。

 この状態から、エンジン自動停止制御の解 によりエンジンが始動されると、
 これにより駆動されるエンジン駆動オイル ンプ4から作動油が吐出されて、ライン圧P L を発生させ得るようになると共に、変速制御 回路6が変速制御圧Pcおよび発進用摩擦要素締 結圧Psを作り出すことができるようになるこ から、
 これら油圧の発生によりVベルト式無段変速 機が動力伝達可能状態にされる。

 ところで、エンジン自動停止制御の解除に うエンジンの始動によりエンジン駆動オイ ポンプ4が作動油を吐出し、これによりライ ン圧P L 、変速制御圧Pcおよび発進用摩擦要素締結圧P sが発生してVベルト式無段変速機を動力伝達 能状態にするまでには応答遅れがあり、
 これが車両の再発進応答を悪化させるだけ なく、エンジンの空吹けで再発進ショック 発生したり、変速機の耐久性に悪影響が及 という問題を生ずる。

 そこで本実施例においては、エンジン自動 止制御中はエンジン駆動オイルポンプ4に代 えて電動オイルポンプ11を作動させ、これか の作動油により後述のごとく、Vベルト式無 段変速機を動力伝達開始直前状態に保ってお くようにする。
 なお電動オイルポンプ11は、専用モータ12に より駆動し、専用モータ12は、電動オイルポ プ11を駆動するのに必要な最小限の出力を した小型のものとする。

 電動オイルポンプ11の吐出ポートを電動オ ルポンプ油路13により、ライン圧油路5に接 し、
 電動オイルポンプ油路13中に、ライン圧油 5からの油流を阻止する向きに配した逆止弁1 4を挿置する。
 この逆止弁14は、エンジン駆動オイルポン 4から作動油が吐出される時、この作動油が 動オイルポンプ11を経てオイルパンに向け れ、ライン圧P L を発生させ得なくなるのを防止するためのも のである。

 かかる構成によれば、エンジン自動停止制 中は電動オイルポンプ11からの作動油を媒 として変速制御回路6が、油路5,9,17を含む変 制御油路内に、変速機を以下のごとく動力 達開始直前状態にする油圧を発生させるこ ができる。
 つまり変速制御回路6は油路5,9内に、Vベル 3をプライマリプーリ1の対向シーブ面間、お よび、セカンダリプーリ2の対向シーブ面間 丁度隙間がなくなるよう挟んでおく油圧を じさせると共に、
 油路17内に、発進用摩擦要素F/E(前後進切り え機構内の前進クラッチや、後退ブレーキ) が内蔵リターンスプリングに抗して、締結容 量を持ち始める直前状態に作動するのに必要 な油圧を発生させ、
 これらによりVベルト式無段変速機を動力伝 達開始直前状態に保っておくことができる。

 従って、エンジン自動停止制御の解除によ エンジンが再始動されたとき直ちに、エン ン駆動オイルポンプ4からの作動油を媒体と して変速制御回路6が変速制御用油圧を、電 オイルポンプ11からの作動油を媒体として発 生させていた上記の動力伝達開始直前状態達 成油圧値から、変速機を動力伝達可能状態に する油圧値へと上昇させることができ、
 エンジンの始動直後からVベルト式無段変速 機がスリップ無しに動力伝達を行い得て車両 の再発進応答を改善し得ると共に、エンジン の空吹けで再発進ショックが発生したり、変 速機の耐久性に悪影響が及ぶという問題を回 避することができる。

 ところで電動オイルポンプ11が、それ自身 専用モータ12の故障、或いは、モータ電力系 および制御系の故障で、作動油を吐出し得な いとか、作動油を吐出しても変速機を動力伝 達開始直前状態にし得る吐出油量でなくなる 、電動オイルポンプ11の故障時は、
 エンジン自動停止制御中にVベルト式無段変 速機を動力伝達開始直前状態にし得なくなっ て、上記した再発進応答の改善という本来の 目的を達し得ないばかりか、エンジンの空吹 けで再発進ショックが発生したり、変速機の 耐久性に悪影響が及ぶことから、エンジン自 動停止制御を禁止するのがよい。

 この要求を満足するために電動オイルポン 11の故障判定を行うべく、また、前記した ンジン自動停止制御(アイドルストップ)のON, OFFおよび電動オイルポンプ11(専用モータ12)の ON,OFFを行うために、本実施例においては図1 示すエンジン自動停止コントローラ15を設け る。
 そして当該エンジン自動停止コントローラ1 5には、アイドルストップ許可条件検出部16か らの信号と、前記した油圧センサ10からの信 とを入力する。

 アイドルストップ許可条件検出部16が検出 るアイドルストップ許可条件としては、図3 例示したが、Vベルト式無段変速機のプーリ 1,2間における回転速度比であるプーリ比αや 変速機作動油温や、ブレーキ作動状態や、 速VSPや、アクセル開度APOや、停車路面の勾 度θなどがある。
 ちなみに、プーリ比αは最ロー変速比近辺 領域におけるプーリ比であることが、アイ ルストップを許可される条件であり、
 変速機作動油温は暖機運転終了後の温度域 あることが、アイドルストップを許可され 条件であり、
 ブレーキが作動状態であることが、アイド ストップを許可される条件であり、
 車速VSPが零近辺の領域における値であるこ が、アイドルストップを許可される条件で り、
 アクセル開度APOが零近辺の領域における値 あることが、アイドルストップを許可され 条件であり、
 停車路面の勾配度θは零近辺の領域におけ 平坦路勾配であることが、アイドルストッ を許可される条件である。

 エンジン自動停止コントローラ15は、上記 入力情報をもとに、図2に示す制御プログラ を実行して、図3に示すブロック線図に沿っ た処理を行うことにより、
 以下のごとくに、電動オイルポンプ11の故 判定、エンジン自動停止制御(アイドルスト プ)のON,OFF制御、および電動オイルポンプ11( 専用モータ12)のON,OFF制御を行う。

 図2のステップS11(図3のエンジン自動停止制 許可判断手段21内における第1のエンジン自 停止制御許可判断部21a)においては、
 前記の検出部16(図3も参照)で検出したアイ ルストップ許可条件である、プーリ比α、変 速機作動油温、ブレーキ作動状態、車速VSP、 アクセル開度APO、および路面勾配度θのうち
 検出を瞬時に行うことができると共に、検 値がアイドルストップ許可領域内にあるか かだけで瞬時にエンジン自動停止制御の許 判断を行い得るため、瞬時に許可判断が可 な条件(プーリ比α、変速機作動油温、ブレ キ作動状態、車速VSP、およびアクセル開度A PO)に基づく、第1のエンジン自動停止制御許 判断を行い、エンジン自動停止制御(アイド ストップ)を許可すべきか、禁止すべきかを 判断する。

 ステップS11(第1のエンジン自動停止制御許 判断部21a)での、瞬時に判断が可能な条件に づく、第1のエンジン自動停止制御許可判断 が「許可」でない場合(「禁止」である場合)
 図1のコントローラ15は、図2のステップS12に おいて(図3のエンジン自動停止制御許可判断 段21により)、アイドルストップOFF指令をエ ジン側に発すると共に、電動オイルポンプ1 1(専用モータ12)へ電動オイルポンプOFF指令を する。

 ステップS11(第1のエンジン自動停止制御許 判断部21a)での、瞬時に判断が可能な条件に づく、第1のエンジン自動停止制御許可判断 が「許可」である場合、
 図1のコントローラ15は、図2のステップS13に おいて(図3のエンジン自動停止制御許可判断 段21により)、アイドルストップON,OFF指令の 定の前に、先ず電動オイルポンプ11(専用モ タ12)へ電動オイルポンプON指令(電動オイル ンプ試験駆動指令)を発する。

 図2のステップS14においては(図3の電動オイ ポンプ故障判定部24においては)、電動オイ ポンプ11(専用モータ12)の故障判定を以下の うに行う。
 すなわち、図3の電動オイルポンプ故障瞬時 判定手段22で、電動オイルポンプ11(専用モー 12)に係わる電力系および制御系の断線など 電気的な故障診断により瞬時に判定可能な 気系統などの故障判定を行い、また、
 図3の電動オイルポンプ故障事前判定手段23 は、電動オイルポンプ11が作動油内に混入 ている異物を噛み込んだことにより、小出 の専用モータ12によっては、ステップS13での 電動オイルポンプ試験駆動指令によっても、 電動オイルポンプ11が実際は駆動され得ない 態を、油圧センサ10(図1参照)による油圧検 値から判定して当該異物噛み込み故障の判 を行う。

 ちなみに後者の電動オイルポンプ故障事前 定手段23による電動オイルポンプ11の異物噛 み込み故障判定は、
 電動オイルポンプ11が上記の試験駆動指令 受けて対応する駆動を実際に行ったか否か 対応する油圧の有無により判定するため、
 瞬時に行うことができず、故障判定に所定 時間がかかる。

 図2のステップS14においては(図3の電動オイ ポンプ故障判定部24においては)、
 電動オイルポンプ故障瞬時判定手段22によ 電気系統などの故障判定結果、および、電 オイルポンプ故障事前判定手段23による電動 オイルポンプ11の異物噛み込み故障判定結果 共に故障無しの判定結果である場合、電動 イルポンプ11が正常であると判定し、
 電動オイルポンプ故障瞬時判定手段22によ 電気系統などの故障判定結果、および、電 オイルポンプ故障事前判定手段23による電動 オイルポンプ11の異物噛み込み故障判定結果 一方でも故障有りの判定結果である場合、 動オイルポンプ11が故障であると判定する

 図2のステップS14においては更に、第2のエ ジン自動停止制御許可判断を以下のように う。
 この判断に際しては、図3のエンジン自動停 止制御許可判断手段21内における第2のエンジ ン自動停止制御許可判断部21bにおいて、
 アイドルストップ許可条件検出部16(図1も参 照)で検出したアイドルストップ許可条件の ち、
 検出を瞬時に行うことができないため、ま 、検出を瞬時に行うことができても検出値 アイドルストップ許可条件を満たしている 否かを瞬時に判断できないため、瞬時にエ ジン自動停止制御の許可判断を行い得ない イドルストップ許可条件に基づく、第2のエ ンジン自動停止制御許可判断を行う。

 ここで、瞬時にエンジン自動停止制御の許 判断を行い得ないアイドルストップ許可条 は、例えば前記した停車路面勾配度θがそ に相当する。
 つまり停車路面勾配度θは、車両に設けた 後加速度センサにより検出される前後加速 検出値Gから求めるが、この前後加速度検出 Gは図4に例示するように、車速VSPが零にな 停車瞬時t1から或る時間が経過する瞬時t3ま の間は、サスペンション装置の弾性などに 因して振動する過渡状態であり、停車直後 振動している前後加速度検出値Gからは停車 路面勾配度θを読み取ることができない。

 従って、前後加速度検出値Gが振動しなくな って定常状態に落ち着く瞬時t3に至ってはじ て、この時における前後加速度検出値Gから 停車路面勾配度θを読み取ることができ、こ 停車路面勾配度θが、エンジン自動停止制 許可範囲内の値に収まっている場合に、ア ドルストップ許可判断を下してエンジン回 数を零にするエンジン自動停止制御を実行 ることができる。
 このことから明らかなように、停車路面勾 度θは瞬時にエンジン自動停止制御の許可 断を行い得ず、これに基づくエンジン自動 止制御の許可判断は、瞬時t1~t3間の判断時間 を必要とする。

 そこで本実施例においては、上記の停車路 勾配度θに代表されるような、瞬時にエン ン自動停止制御の許可判断を行い得ないア ドルストップ許可条件に基づく、上記した 2のエンジン自動停止制御許可判断が図3の判 断部21bで行われている時間t1~t3中の例えば瞬 t1において、
 ステップS14での電動オイルポンプ故障瞬時 定手段22(図3参照)による電気系統などの故 判定、および、電動オイルポンプ故障事前 定手段23(図3参照)による異物噛み込み故障判 定(電動オイルポンプ11が、ステップS13での試 験駆動指令に呼応した駆動を実際に行ったか 否かの判定)、並びに、これら判定結果に基 いて行う電動オイルポンプ故障判定部24(図3 照)による電動オイルポンプ11の最終故障判 を開始し、
 電動オイルポンプ11が上記試験駆動指令に 応した駆動を実際に開始した瞬時t2に、電動 オイルポンプ11が正常であるとの最終判定を う。

 図2のステップS14においては、電動オイルポ ンプ故障判定部24(図3参照)による電動オイル ンプ11の最終故障判定が「電動オイルポン 11=正常」であるとの判定結果であり、且つ 第2のエンジン自動停止制御許可判断部21b(図 3参照)による、瞬時に判断を行い得ないアイ ルストップ許可条件(停車路面勾配度θ)に基 づくエンジン自動停止制御許可判断が「エン ジン自動停止制御許可」の判断結果である時 、エンジン自動停止制御(アイドルストップ) 許可すべきとして制御をステップS15に進め
 上記2要件の1つでも欠けるとき、つまり「 動オイルポンプ11=故障」または「エンジン 動停止制御=不許可」である時、エンジン自 停止制御(アイドルストップ)を許可すべき ないとして制御をステップS12に進める。

 ステップS14でエンジン自動停止制御(アイド ルストップ)を許可すべきと判定するとき、 1のコントローラ15は、図2のステップS15にお て(図3のエンジン自動停止制御許可判断手 21により)、アイドルストップON指令をエンジ ン側に発し、エンジンを自動停止させる。
 なお、ステップS13で既に電動オイルポンプ1 1(専用モータ12)へ電動オイルポンプON指令が 力されていることから、電動オイルポンプ11 は前記の試験駆動後も引き続き駆動され、上 記のアイドルストップ後も電動オイルポンプ 11からの作動油により前記したごとくVベルト 式無段変速機を動力伝達開始直前状態にして おくことができる。

 ステップS14でエンジン自動停止制御(アイド ルストップ)を許可すべきでないと判定する き、図1のコントローラ15は、図2のステップS 12において(図3のエンジン自動停
止制御許可判断手段21により)、アイドルスト ップOFF指令をエンジン側に発し、エンジンを 自動停止させるアイドルストップを実行させ ないと同時に、電動オイルポンプ11(専用モー タ12)へ電動オイルポンプOFF指令を発して、ス テップS13で発した電動オイルポンプ11の試験 動指令を解除する。

 以下、上記実施例の時系列作動を図5にもと づき説明する。
 瞬時t1の停車判定時において、瞬時に判断 可能なエンジン自動停止制御許可条件に基 く、第1のエンジン自動停止制御許可判断が われ(ステップS11、第1のエンジン自動停止 御許可判断部21a)、判断結果が「許可」であ ば、直ちに電動オイルポンプON(駆動)指令( 験駆動指令)を発する(ステップS13、自動停止 制御許可判断手段21)。

 第1のエンジン自動停止制御許可判断結果が 「許可」であれば、この許可判断時t1に更に 瞬時にエンジン自動停止制御の許可判断を い得ないアイドルストップ許可条件に基づ 、第2のエンジン自動停止制御許可判断をも 開始させる(ステップS14、第2のエンジン自動 止制御許可判断部21b)。
 しかし、この許可判断には図4につき前述し たような許可判断時間が必要であり、瞬時t3 ないと当該第2のエンジン自動停止制御許可 判断は終了しない。

 第1のエンジン自動停止制御許可判断結果が 「許可」であれば、この許可判断時t1に更に
 電動オイルポンプ11(専用モータ12)に係わる 気系統などの故障判定(ステップS14、電動オ イルポンプ故障瞬時判定手段22)を行うと共に 、電動オイルポンプ11が瞬時t1での上記試験 動指令に呼応して実駆動したか否かのオイ ポンプ実駆動判定、つまり電動オイルポン 11の異物噛み込みによる駆動不能判定を開始 し(ステップS14、電動オイルポンプ故障事前 定手段23)、
 同時に、これらの判定結果に基づいて行う 動オイルポンプ11の最終故障判定を開始す (ステップS14、電動オイルポンプ故障判定部2 4)。

 前者の電動オイルポンプ11(専用モータ12)に わる電気系統などの故障判定(ステップS14、 電動オイルポンプ故障瞬時判定手段22)は、実 行と同時の瞬時t1に完了する。
 しかし、後者の電動オイルポンプ11に係わ 異物噛み込み故障判定は、瞬時t1での試験駆 動指令(ステップS13)の後、電動オイルポンプ1 1がこれに呼応した実駆動を行う瞬時t2に至っ てはじめて終了する。
 従って、これら前者の判定結果および後者 判定結果に基づいて、これらが共に故障無 の判定結果であるときに電動オイルポンプ1 1が正常であるとする最終故障判定(ステップS 14、電動オイルポンプ故障判定部24)も、電動 イルポンプ11の実駆動判定が終了する瞬時t2 に至ってはじめて終了する。

 瞬時にエンジン自動停止制御の許可判断を い得ないアイドルストップ許可条件に基づ 、第2のエンジン自動停止制御許可判断(ス ップS14、第2のエンジン自動停止制御許可判 部21b)が瞬時t3に終了して、その判断結果が 許可」である場合、
 それよりも前の瞬時t2に既に、電動オイル ンプ11が正常であるとの最終故障判定(ステ プS14、電動オイルポンプ故障判定部24)が下 れていることから、
 これら両者の判定結果の両立を受けて、エ ジン自動停止制御(アイドルストップ)を許 すべくアイドルストップON指令を発する(ス ップS15、エンジン自動停止制御許可判断手 21)。

 一方で、瞬時t1に出力を開始された電動オ ルポンプON(駆動)指令(ステップS13、自動停止 制御許可判断手段21)は、
 瞬時t3において第2のエンジン自動停止制御 可判断(ステップS14、第2のエンジン自動停 制御許可判断部21b)による判断結果が「許可 であること、且つ、同じく瞬時t3において 動オイルポンプ11の最終故障判定(ステップS1 4、電動オイルポンプ故障判定部24)が「正常 であることにより、
 瞬時t3以降も引き続き、同様に出力され続 る。
 よって、上記のエンジン自動停止(アイドル ストップ)瞬時t3の後も電動オイルポンプ11は 用モータ12により駆動され続け、これから 作動油によりVベルト式無段変速機を動力伝 開始直前状態にしておくことができる。

 図5につき上記した動作は、第1のエンジン 動停止制御許可判断結果が「許可」であり 且つ、第2のエンジン自動停止制御許可判断 果も「許可」であり、更に、電動オイルポ プ11の最終故障判定が正常である場合の動 であるが、
 エンジン自動停止制御によるエンジン停止 時t3の前に、電動オイルポンプ11の専用モー タ12へポンプ試験駆動指令を発し、電動オイ ポンプ11がこの試験駆動指令に呼応した実 動を行ったか否かにより電動オイルポンプ 故障を判定するため、
 上記のモータ12が専用モータであるが故に 出力であって、電動オイルポンプ11が異物噛 み込みにより駆動不能になったような故障を も確実に判定することができる。
 従って、このような異物噛み込みによる駆 不能の判定ができずに、エンジン自動停止 御(アイドルストップ)を実行させてしまっ 、再発進応答の改善という本来の目的を達 得ないばかりか、大きな再発進ショックや 速機への悪影響を生ずるという問題の発生 回避することができる。

 しかも本実施例においては、電動オイルポ プ11の専用モータ12へポンプ試験駆動指令を 発して、電動オイルポンプ12がこの試験駆動 令に呼応した実駆動を行ったか否かの故障 定を、エンジン自動停止制御によるエンジ 停止(アイドルストップ)瞬時t3の前に実行す るため、
 エンジン自動停止制御によるエンジン停止 開始すべき瞬時t3にはすでに上記の判定が 了しており、エンジン自動停止制御による ンジン停止を開始すべきタイミングt3を何ら 遅延させることなしに上記の作用効果を達成 することができる。

 ちなみに、特許文献1に記載の従来のエンジ ン自動停止制御(アイドルストップ)にあって 、前記したとおり電動オイルポンプに係わ 電力系および制御系などの電気系統が正常 あれば、電動オイルポンプが異物噛み込み より駆動不能になっても、図6に示すごとく 電動オイルポンプ故障判定が常に「正常」で あるとの判定を行う。
 このため、停車判定瞬時t1に開始されたエ ジン自動停止制御許可判断が瞬時t2に終了し て、その判断結果が「許可」である場合、こ の瞬時t2に、アイドルストップON指令が出力 れてエンジン停止が実行されると共に、電 オイルポンプON指令が出力されて電動オイル ポンプの駆動が指令される。

 しかし、本発明が前提とするシステムのよ に小出力の専用モータ12で電動オイルポン 11を駆動するシステムにあっては、電動オイ ルポンプが異物を噛み込むと専用モータでこ れを駆動させることができなくなる。
 この場合、瞬時t2の電動オイルポンプON指令 (電動オイルポンプ駆動指令)によっても、電 オイルポンプは駆動不能により作動油を吐 することができず、アイドルストップ中に いてVベルト式無段変速機を前記したような 動力伝達開始直前状態になし得ない。

 かように、電動オイルポンプが異物噛み込 により駆動不能になってVベルト式無段変速 機を動力伝達開始直前状態になし得ないのに 、エンジン自動停止制御(アイドルストップ) 実行させてしまうと、
 エンジン自動停止制御(アイドルストップ) 解除による再発進時に、再発進応答の改善 いう本来の目的を達し得ないばかりか、大 な再発進ショックや変速機への悪影響を生 るが、
 本実施例によれば前記した作用により、当 問題の発生を回避することができる。

 なお参考までに、電動オイルポンプの異物 み込みによる駆動不能を、本実施例と同様 要領で判定するようにした処理を図6に付加 した場合の作用を、図7にもとづき以下に説 する。
 図6の瞬時t2におけると同様、図7の瞬時t2に ンジン自動停止制御許可判断が終了して、 の判断結果が「許可」である場合、この瞬 t2に、電動オイルポンプON指令により電動オ イルポンプの駆動を指令する。

 かかる電動オイルポンプON指令に呼応して 動オイルポンプが実際に駆動を開始した瞬 t3に、電動オイルポンプ故障判定を「不明」 から「正常」に切り替え、かかる電動オイル ポンプ故障判定結果の「正常」と、エンジン 自動停止制御許可判断結果の「許可」とによ り、アイドルストップON指令を出力してエン ン停止を実行する。
 この場合、瞬時t2~t3間において電動オイル ンプの噛み込み故障判定が行われ、電動オ ルポンプが異物噛み込みにより駆動不能に ると、電動オイルポンプ故障判定が「不明 のままであることによって、アイドルスト プON指令が出力されないこととなり、
 電動オイルポンプが異物噛み込みにより駆 不能であるにもかかわらず、エンジン自動 止制御(アイドルストップ)が実行されて前 の問題を生ずるという事態の発生を回避す ことができる。

 しかし図7の場合は、図6ではアイドルスト プの開始が瞬時t2であったのに、それよりも 遅い瞬時t3でないとアイドルストップが開始 れないこととなり、
 アイドルストップの開始遅れによって燃費 善効果が薄れるという問題を生ずる。

 しかるに本実施例においては図5につき前述 した通り、電動オイルポンプ11の試験駆動指 に応じた実駆動判定を、エンジン自動停止 御によるエンジン停止(アイドルストップ) 時t3の前に終わらせるため、
 エンジン自動停止制御によるエンジン停止 開始すべき瞬時t3にはすでに上記の判定が 了しており、エンジン自動停止制御による ンジン停止を開始すべきタイミングt3を何ら 遅延させることなしに前記した格別な作用効 果を達成することができる。
 従って本実施例によれば、図7につき上述し たアイドルストップの開始遅れ、および、こ れに伴う燃費改善効果の低下に関する問題を 生ずることもない。

 更に本実施例においては、第1のエンジン自 動停止制御許可判断(ステップS11、第1のエン ン自動停止制御許可判断部21a)により「許可 」の判断結果が出された後に、電動オイルポ ンプ11の試験駆動(ステップS13)による異物噛 込み故障判定(ステップS14、電動オイルポン 故障事前判定手段23)を行うようにしたため
 エンジン自動停止制御(アイドルストップ) 始の第1条件が整った後に電動オイルポンプ1 1の異物噛み込み故障判定を実行することと り、
 当該判定を必要な場合においてのみ行うこ ができ、この判定が無駄に行われて電力損 が大きくなるのを回避することができる。

 しかもこの際、第1のエンジン自動停止制御 許可判断(ステップS11、第1のエンジン自動停 制御許可判断部21a)により「許可」の判断結 果が出された後、第2のエンジン自動停止制 許可判断(ステップS14、第2のエンジン自動停 止制御許可判断部21b)が行われている間に、 動オイルポンプ11の試験駆動(ステップS13)に る異物噛み込み故障判定(ステップS14、電動 オイルポンプ故障事前判定手段23)を行うよう にしたため、
 時間のかかる第2のエンジン自動停止制御許 可判断中に、同じく時間のかかる電動オイル ポンプ11の試験駆動による異物噛み込み故障 定を終わらせることができ、
 電動オイルポンプ11の試験駆動による異物 み込み故障判定に要する比較的長い時間が エンジン自動停止制御によるエンジン停止( イドルストップ)の開始タイミングを何ら遅 延させることがない。
 従って本実施例では、電動オイルポンプ11 試験駆動による異物噛み込み故障判定を付 するといえども、これがアイドルストップ 開始遅れを生ずることがないし、これに伴 燃費改善効果の低下に関する問題を生ずる ともない。

 また本実施例によれば、第1のエンジン自動 停止制御許可判断(ステップS11、第1のエンジ 自動停止制御許可判断部21a)による許可判断 は、瞬時に許可判断が可能なアイドルストッ プ許可条件(図示例では、プーリ比α、変速機 作動油温、ブレーキ作動状態、車速VSP、およ びアクセル開度APO)が許可範囲に収まってい か否かで当該許可判断を行い、
 第2のエンジン自動停止制御許可判断(ステ プS14、第2のエンジン自動停止制御許可判断 21b)は、瞬時に許可判断が不能なアイドルス トップ許可条件(図示例では、停車路面勾配 θ)が停車直後の過渡状態から定常状態に落 着いた後、許可範囲に収まっているか否か 当該許可判断を行うこととしたため、
 瞬時に許可判断が可能なアイドルストップ 可条件と、瞬時に許可判断が不能なアイド ストップ許可条件とを分けて、エンジン自 停止制御許可判断に資することとなる。
 従って、瞬時に決まる第1のエンジン自動停 止制御許可判断結果が「不許可」である場合 、時間を要する第2のエンジン自動停止制御 可判断が終了するのを待つことなく、エン ン自動停止制御(アイドルストップ)の不許可 を指令して、このエンジン自動停止制御(ア ドルストップ)を速やかに行わせないように ることができる。

 なお、判断に時間を要するアイドルストッ 許可条件が図示例のごとく、車両に設けた 後加速度センサにより検出される前後加速 検出値Gから求める停車路面勾配度θである 合、
 この前後加速度検出値Gが、停車直後から比 較的長い時間に亘って図4につき前述した振 を発生するといえども、これによる影響を 除しつつ狙ったエンジン自動停止制御(アイ ルストップ)を高精度に遂行することができ る。

 なお、上記では変速機がVベルト式無段変 速機である場合について述べたが、変速機が 有段式自動変速機や、マニュアルトランスミ ッションを自動変速化させた自動マニュアル トランスミッションなどである場合も、本発 明の前記した着想はそのまま適用して同様な 作用効果を奏し得ること勿論である。

  E エンジン
 T/C トルクコンバータ
 F/E 発進用摩擦要素
 1 プライマリプーリ
 2 セカンダリプーリ
 3 Vベルト
 4 エンジン駆動オイルポンプ
 5 ライン圧油路
 6 変速制御回路
 7 運転状態検出手段
 8 プライマリプーリ圧油路
 9 変速制御圧油路
 10 油圧センサ
 11 電動オイルポンプ
 12 専用モータ
 13 電動オイルポンプ油路
 14 逆止弁
 15 エンジン自動停止コントローラ
 16 アイドルストップ許可条件検出部
 17 発進用摩擦要素締結圧油路
 21 エンジン自動停止制御許可判断手段
 21a 第1のエンジン自動停止制御許可判断部
 21b 第2のエンジン自動停止制御許可判断部
 22 電動オイルポンプ故障瞬時判定手段
 23 電動オイルポンプ故障事前判定手段
 24 電動オイルポンプ故障判定部