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Title:
TUBULAR MOLDING MATERIAL AND HEAT-SHRINKABLE FILM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2010/047285
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a tubular molding material having vinyl aromatic hydrocarbon and conjugate diene as the primary components and having excellent bubble-forming stability in the manufacture of a heat-shrinkable film; further disclosed is a heat-shrinkable film which uses said molding material. (1) A tubular molding material contains a block copolymer comprised of vinyl aromatic hydrocarbon and conjugate diene as the primary components. The tubular molding material contains (a) micro-crystalline wax with a melting point as stipulated in JISK 2235 of 75‑98°C, and (b) a glyceride for which the average degree of polymerization of the glycerin backbone is 1‑10 and the carbon number is 11‑21 for R for the fatty acid ester group represented by the general formula R–COO–. In addition, (2) the tubular molding material contains (a) 0.01‑3 parts by mass of micro-crystalline wax and (b) 0.01‑3 parts by mass of glyceride.

Inventors:
SAWASATO TADASHI (JP)
SATO EIJI (JP)
TOYA HIDEKI (JP)
NAKAZAWA HITOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/067928
Publication Date:
April 29, 2010
Filing Date:
October 16, 2009
Export Citation:
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Assignee:
DENKI KAGAKU KOGYO KK (JP)
SAWASATO TADASHI (JP)
SATO EIJI (JP)
TOYA HIDEKI (JP)
NAKAZAWA HITOSHI (JP)
International Classes:
C08L53/02; B65D65/02; C08J5/18; C08K5/103; C08L91/06
Domestic Patent References:
WO2008078710A12008-07-03
Foreign References:
JPH09302109A1997-11-25
JPH08253655A1996-10-01
JP2002194230A2002-07-10
JP2003155356A2003-05-27
JP2000086811A2000-03-28
Attorney, Agent or Firm:
SONODA Yoshitaka et al. (JP)
Yoshitaka Sonoda (JP)
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Claims:
ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体を主成分として含有するチューブラ成形材料であって、
(イ)JIS K2235に規定される融点が75℃~98℃であるマイクロクリスタリンワックスと、
(ロ)グリセライドのグリセリン骨格の平均重合度が1~10であり、かつ一般式R-COO-で表される脂肪酸エステル基におけるRの炭素数が11~21であるグリセライドと、
を含有するチューブラ成形用材料。
マイクロクリスタリンワックス(イ)を0.01~3質量部、グリセライド(ロ)を0.01~3質量部、含有する請求項1に記載のチューブラ成形用材料。
請求項1又は2に記載のチューブラ成形用材料を用いた熱収縮フィルム。
請求項3に記載の熱収縮フィルムを用いたペットボトル用被覆材。
Description:
チューブラ成形用材料及び熱収 フィルム

 本発明はチューブラ成形用材料、及びそ を用いた熱収縮フィルムに関する。

 シュリンク包装等に用いられる熱収縮性フ ルムには従来塩化ビニルが用いられていた 、近年ではビニル芳香族炭化水素と共役ジ ンからなるブロック共重合体、又はその樹 組成物が用いられるようになっている。そ 熱収縮性フィルムの製造法にはいくつかの 類があり、最も簡便な方法としてチューブ 法と呼ばれる製造方法がある。
 前記のビニル芳香族炭化水素と共役ジエン らなるブロック共重合体又はその樹脂組成 を用いて、チューブラ法で熱収縮性フィル を製造するのは難しく、成形を安定させる めに延伸工程の温度コントロールを厳密に うことが特許文献1に開示されている。さら に、特許文献2には、ある種のビニル芳香族 化水素と共役ジエンからなるブロック共重 体であれば、このチューブラ法に好適であ ことが開示されている。

特開昭50-6673号公報

特開平07-216186号公報

 チューブラ法は、溶融させた樹脂を環状 ダイスよりチューブ状に押出し、そのチュ ブを適当な温度にコントロールした後、チ ーブ内に気体を注入し膨らませ(以下、「バ ブル形成」という。)フィルムの流れ方向と 行する方向に延伸して熱収縮性フィルムを 造する方法である。そのチューブ形成でフ ルムを延伸するのに必要な力は、チューブ に気体を注入することにより、得られるチ ーブの内気圧とチューブの外気圧の差によ 得られる。

 チューブラ製膜法はダイよりチューブ状 押出したフィルムが室温まで冷却される前 ピンチロールによって折りたたまれる為、 ィルムの内面同士がブロッキングする問題 あった。これにより、再びフィルム同士を き剥がすことが困難となり安定したフィル 製造ができず、さらには樹脂の軟化温度付 、又はそれ以上の高温でピンチロールによ て折りたたむ形式の製膜機では、安定した 造がより難しくなる場合もあった。

 チューブラ製膜法は、膨らませたチュー を冷却リングに接触させてフィルム幅を固 する場合があり、ビニル芳香族炭化水素と 役ジエンからなる従来の樹脂組成物では、 却リングとの滑り性が悪いなどの理由から 定したフィルム製造が出来ない場合もあっ 。

 よって、ビニル芳香族炭化水素と共役ジ ンからなるブロック共重合体を含有する樹 組成物を用いて、安定したフィルム製造を 能にするべく、耐ブロッキング性と滑り性 兼ね備えたチューブラ成形用材料の開発が まれていた。

 本発明は、熱収縮性フィルムを製造する 合のバブル形成の安定性に優れた、ビニル 香族炭化水素と共役ジエンを主成分とする ューブラ成形用材料、及び該成形材料を用 た熱収縮フィルムを提供することを目的と る。

 即ち、本発明は、以下の要旨を有する。
(1)ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからな るブロック共重合体を主成分として含有する チューブラ成形材料であって、(イ)JIS K2235に 規定される融点が75℃~98℃であるマイクロク スタリンワックスと、(ロ)グリセライドの リセリン骨格の平均重合度が1~10であり、か 一般式R-COO-で表される脂肪酸エステル基に けるRの炭素数が11~21であるグリセライドと を含有するチューブラ成形用材料。
(2)(イ)マイクロクリスタリンワックスを0.01~3 量部と、(ロ)グリセライドを0.01~3質量部、 有する上記(1)に記載のチューブラ成形用材 。
(3)上記(1)又は(2)に記載のチューブラ成形用材 料を用いた熱収縮フィルム。
(4)上記(3)に記載の熱収縮フィルムを用いたペ ットボトル用被覆材。

 本発明のチューブラ成形用材料を用いるこ により、耐ブロッキング性と滑り性が良く り、チューブラ法でフィルムを製膜する際 ニップロールによる圧着等の物理的な要因 よるフィルム同士のブロッキングが解消さ る。
 さらに、冷却リングなどの設備とフィルム の接触による摩擦抵抗が軽減され、外観が 好な熱収縮フィルムを安定的に生産するこ が出来る。

 本発明のチューブラ成形用材料は、ビニ 芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロ ク共重合体を主成分として、(イ)マイクロ リスタリンワックスと、(ロ)グリセライドと 、を含有することを必須とする。

 チューブラ法では、チューブ状のフィル を、ニップロールで折り畳むプロセスを介 ることが多く、フィルム同士が物理的に圧 される為、使用するチューブラ成形用材料 軟化点が低い場合、あるいは、フィルム温 が高い状態でニップロールによって折り畳 れる場合には、フィルム同士が融着してブ ッキングを生じ、良質なフィルムを安定的 生産することができない場合がある。

 このブロッキングは、チューブラ成形用 料のガラス転移点温度を上げることにより 軽減させることが可能だが、一方で延伸性 悪化し、さらには低温での収縮性が損なわ てしまう。そこで、該成形用材料のガラス 移点温度を上げずに、良好なブロッキング 止性能を発現する為には、ブロッキング防 性能を有する充填材、又は添加剤の添加が 須となる。

 ブロッキング防止性能を有する充填材とし は、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、ビ ル芳香族炭化水素-(メタ)アクリル酸エステ 及び/又は(メタ)アクリル酸共重合体の架橋 ーズ、ビニル芳香族炭化水素共重合体の架 ビーズ、シリカビーズ、石英ビーズ等の無 ビーズが挙げられる。
 透明性が良好なフィルム外観が必要とされ 場合、好ましくはHIPS、ビニル芳香族炭化水 素-(メタ)アクリル酸エステル及び/又は(メタ) アクリル酸共重合体の架橋ビーズ、ビニル芳 香族炭化水素共重合体の架橋ビーズを使用す ることが好ましい。これら充填材の配合比は ブロック共重合体の組成物100質量部に対し、 10質量部以下であるが、好ましくは0.05~5質量 、より好ましくは0.1~3質量部である。

 ブロッキング防止性能を有する添加剤と ては、滑剤、防曇剤、帯電防止剤等が挙げ れ、特に一般的なものとして滑剤が挙げら る。滑剤としては、脂肪酸、脂肪酸エステ 、脂肪酸アマイド、グリセリン脂肪酸エス ル(グリセライド)、ソルビタン脂肪酸エス ル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコ ル脂肪酸エステル等の他、ポリエチレンワ クス、ポリプロピレンなどのポリオレフィ ワックス、パラフィンワックス、マイクロ リスタリンワックス、ペトロラタム等が挙 られる。

 チューブラ法では、ダイスより溶融した樹 をチューブ状に吐出した後、充分に冷え切 ない状態で直ちにニップロールで折り畳む 、ブロッキング防止性能が押出後、直ちに 現されることが必要となる他、その後のプ セスにおいては、延伸温度に設定された熱 槽の中でニップロールにより折り畳む場合 ある為、より高温でのブロッキング防止性 が発現されることも必要となる。
 高温でのブロッキング防止性能を発現させ 為には、前述するブロッキング防止性能を する充填剤を添加する手段の他、より高融 の炭化水素系ワックス、例えばポリエチレ ワックス、ポリプロピレンワックス、マイ ロクリスタリンワックス、パラフィンワッ ス、ペトロラタム等の使用が好適である。 り好ましくは、ポリエチレンワックス、ポ プロピレンワックス、マイクロクリスタリ ワックスであり、マイクロクリスタリンワ クスが最も好ましい。

 マイクロクリスタリンワックスの融点は、J IS K2235-5.3.2に準拠した方法で、75℃~98℃が好 しい。マイクロクリスタリンワックスの融 が75℃未満では、マイクロクリスタリンワ クスが容易にフィルム表面へ移行し過ぎて まいフィルム外観の悪化を招く他、フィル への印刷性の低下を生じる場合がある。一 、マイクロクリスタリンワックスの融点が98 ℃を超えると、フィルム表面への移行速度が 十分ではなく、即効的なブロッキング防止性 能が得られない場合がある。十分な移行速度 を確保すべく、フィルムの温度を上げる方法 があるが、安定したチューブ形成が難しくな る場合がある。
 ここで、上記JIS K2235-5.3.2の規格は、ASTM D13 21の規格に相当する。

 本発明におけるマイクロクリスタリンワッ スの融点は、下記の方法で測定される。
装置名:融点試験器(株式会社メイテック社製 商品名:自動ワックス融点試験器 WMP-104型)
試験法:JIS K2235-5.3.2に準拠して、融点測定用 度計の水銀球部に溶融試料を付着固化させ 規定条件で加熱し、その初滴が温度計から 下したときの温度を測定する。

 マイクロクリスタリンワックスの添加量は ブロック共重合体100質量部に対して0.01~3質 部、好ましくは0.03~1質量部、より好ましく 0.1~0.3質量部である。マイクロクリスタリン ワックスが0.01質量部未満では十分なブロッ ング防止性能が発現され難い場合がある。 方、マイクロクリスタリンワックスが3質量 を超えると押出機による押出しが安定しな 場合がある。
 高融点の炭化水素系ワックスを単体で使用 る場合、フィルム表面への移行速度は十分 はいえず、即効性に優れたブロッキング防 性能は得られない場合がある。高温でのブ ッキング防止性能を、溶融樹脂を吐出した 、直ちに発現させるには、移行性の高い滑 を併用して使用することが好ましい。

 移行性が高い滑剤としては、チューブラ成 用材料への溶解性が適度に低い滑剤を選定 ることが好ましい。ビニル芳香族炭化水素 共役ジエンからなるブロック共重合体を主 分とするチューブラ成形用材料にあっては 親水性が適度に高い滑剤、例えばグリセリ 脂肪酸エステル(グリセライド)、ソルビタ 脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂 酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の多 アルコールの脂肪酸エステルを使用するこ が好ましく、より好ましくはグリセライド ある。
 グリセライドの添加量は、ブロック共重合 100質量部に対して0.01~3質量部、好ましくは 0.03~1質量部、より好ましくは0.1~0.5質量部で ある。グリセライドが0.01質量部未満ではサ ジングリングとの滑り性が十分に発現され い場合がある。一方、グリセライドが3質量 を超えると押出しが安定しない場合がある

 グリセライドは、R-COO-で表される脂肪酸エ テル基のRの炭素数が11~21である事が好まし 、より好ましくは、17~21である。
 グリセライドのRの炭素数が11未満では、炭 水素系ワックスとの相溶性が低下し、炭化 素系ワックス由来のブロッキング防止性能 発現速度が低下する他、チューブラ成形用 料に適度な溶解性を付与させることが難し 。23以上では、親水性が低下しすぎてしま 、冷却リングとの十分な滑り性が発現され くい場合がある。

 また、グリセライドは、グリセリン骨格の 均重合度が1~10であることが好ましく、より 好ましくは1~4である。
 グリセリン骨格の平均重合度が10を超える 、親水性が増加しすぎてしまい、ビニル芳 族炭化水素と共役ジエンからなるブロック 重合体を主成分とするチューブラ成形用材 に適度な溶解性を付与させることが難しく る。グリセライドの親水性を表す指標には HLB値が一般的に用いられるが、本発明のチ ーブラ成形用材料に使用するのに好適なグ セライドのHLB値は3~16であり、より好ましく 4~12である。グリセライドのHLB値が3未満で 、親水性が低下しすぎてしまい、冷却リン との滑り性が十分に得られない場合がある 一方、グリセライドのHLB値が16を超えると、 チューブラ成形用材料への相溶性が低下しす ぎてしまい、樹脂中に分散させることが困難 になる場合がある。

 本発明のブロック共重合体の製造に用い れるビニル芳香族炭化水素としては、例え スチレン、o‐メチルスチレン、p‐メチル チレン、p‐tert‐ブチルスチレン、2,4‐ジメ チルスチレン、2,5‐ジメチルスチレン、α‐ チルスチレン、ビニルナフタレン、ビニル ントラセン等が挙げられ、中でもスチレン 好ましい。

 本発明のブロック共重合体の製造に用い れる共役ジエンとしては、1,3‐ブタジエン, 2‐メチル‐1,3‐ブタジエン(イソプレン)、2,3 ‐ジメチル‐1,3‐ブタジエン、1,3‐ペンタジ エン、1,3‐ヘキサジエン等が挙げられ、中で も1,3‐ブタジエン,イソプレンが好ましい。

 本発明で使用されるブロック共重合体は 脱水した有機溶媒中、有機リチウム化合物 開始剤として、必要に応じてランダム化剤 共存させてビニル芳香族炭化水素及び共役 エンのモノマーを重合することにより製造 きる。有機溶媒としてはブタン、ペンタン ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オク ン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素、シ ロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチ シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ある はベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、 シレン等の芳香族炭化水素などが使用でき 。

 有機リチウム化合物は、分子中に1個以上 のリチウム原子が結合した化合物であり、例 えばエチルリチウム、n-プロピルリチウム、n -ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert- チルリチウムなどのような単官能有機リチ ム化合物の他、ヘキサメチレンジリチウム ブタジエニルジリチウム、イソプレニルジ チウムなどのような多官能有機リチウム化 物も使用することができる。

 ランダム化剤としては、主としてテトラヒ ロフラン(THF)が用いられるが、その他に、 ーテル類、アミン類、チオエーテル類、ホ ホルアミド、アルキルベンゼンスルホン酸 、カリウム又はナトリウムのアルコキシド も使用できる。
 エーテル類は、例えば、ジメチルエーテル ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、 エチレングリコールジメチルエーテル、ジ チレングリコールジブチルエーテル等が挙 られる。アミン類は、第三級アミン例えば トリメチルアミン、トリエチルアミン、テ ラメチルエチレンジアミンの他、内環状ア ン等も使用できる。その他にトリフェニル スフィン、ヘキサメチルホスホルアミド、 ルキルベンゼンスルホン酸カリウム又はナ リウム、カリウム又はナトリウムブトキシ 等がランダム化剤として用いることができ 。

 これらのランダム化剤の添加量としては 仕込みモノマー100質量部に対し、10質量部 下であり、0.001~8質量部が好ましい。添加時 は重合反応の開始前でも良いし、重合途中 も良い。又、必要に応じて追加添加するこ もできる。

 このようにして得られたブロック共重合 溶液は、水、アルコール、二酸化炭素など 重合停止剤を、活性末端を不活性化させる に十分な量を添加することによりブロック 重合体が不活性化される。このブロック共 合体溶液からブロック共重合体を回収する 法としては、メタノール等の貧溶媒にこの 液を投入して析出させる方法、加熱ロール により溶媒を蒸発させて析出させる方法(ド ラムドライヤー法)、濃縮器により溶液を濃 した後にベント式押出機で溶媒を除去する 法、溶液を水に分散させ、水蒸気を吹き込 で溶媒を加熱除去する方法(スチームストリ ピング法)等、任意の方法が使用される。

 本発明のチューブラ成形用材料は、この うにして得られたブロック共重合体を単独 使用することも、複数種のブロック共重合 を混ぜ合わせて使用することもできる。又 さらに、別種の重合体、例えばビニル芳香 炭化水素重合体、ビニル芳香族炭化水素重 体と共役ジエンとのグラフト共重合体、ビ ル芳香族炭化水素と(メタ)アクリル酸エス ルとの共重合体、ポリオレフィンなどと混 合わせて使用することもでき、その配合比 ブロック共重合体の組成物100質量部に対し 30質量部以下であることが好ましい。混合に は、押出機で溶融させながら混合する方法、 各成分の溶液をブレンドした後、上記方法で 脱溶剤する方法等が主に用いられる。

 添加剤としては、前述の滑剤、防曇剤、 電防止剤の他に、主に熱安定剤、耐侯性向 剤等がある。熱安定剤としては、例えば、2 -tert-ブチル-6-(3-tert-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メ ルベンジル)-4-メチルフェニルアクリレート 、2-[1-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ペンチルフェ ル)エチル]-4,6-ジ-tert-ペンチルフェニルアク レート、n-オクタデシル-3-(4-ヒドロキシ-3,5- ジ-tert-ブチルフェニル)プロピオネート等の ェノール系酸化防止剤や、2,2’-メチレンビ (4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)オクチルフォス ァイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル) ォスファイト等のリン系酸化防止剤等が用 られる。

 耐侯性向上剤としては、例えば、2-(2-ヒ ロキシ-3-tert-ブチル-5-メチルフェニル)-5-ク ロベンゾトリアゾールなどのベンゾトリア ール系紫外線吸収剤やテトラキス(2,2,6,6-テ ラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラ ルボキシレートなどのヒンダートアミン型 侯性向上剤が例として挙げられる。さらに ワイトオイルや、シリコーンオイルなども えることができる。

 これらの添加剤は、ブロック共重合体組 物中に5質量部以下の範囲で含まれることが 好ましい。

 本発明のチューブラ成形用材料を使用した 収縮フィルムは、熱収縮性ラベル、熱収縮 キャップシール等で利用されることが特に ましく、その他、包装フィルム等にも適宜 用することができる。
 以上、本発明のチューブラ成形用材料、及 それを用いた熱収縮フィルムについて説明 たが、これらは本発明の一実施形態であり 本発明はこれらに限定されるものではない

 以下に、実施例に基づいて、本発明をよ 詳細に説明するが、本発明はこれらの実施 により限定されるものではない。

[参考例1]
(1)反応容器中に490kgのシクロヘキサンを仕込 だ。
(2)35.7kgのスチレンモノマーを添加し攪拌を行 いながら、内温30℃で1600mLのn-ブチルリチウ (10質量%シクロヘキサン溶液)を添加し重合さ せた。
(3)内温を40℃まで下げ、69.3kgのスチレンモノ ーと8.9kgのブタジエンモノマーを一括添加 た後、これを十分に重合させた。
(4)内温を60℃とし、69.3kgのスチレンと26.8kgの タジエンを一括添加し、重合を完結させた

[参考例2]
(1)反応容器中に500kgのシクロヘキサンを仕込 だ。
(2)8.0kgのスチレンモノマーを添加し攪拌を行 ながら、内温30℃で1280mLのn-ブチルリチウム (10質量%シクロヘキサン溶液)を添加し重合さ た。
(3)内温を80℃に保ちながら、総量110.0kgのスチ レンモノマー、及び総量13.4kgのブタジエンモ ノマーを、それぞれ87.8kg/h、10.7kg/hの一定添 速度で両者を同時に添加させ、添加終了後 十分な時間その状態を保った。
(4)ブタジエンガスが完全に消費された後、内 温を75℃で18.6kgのブタジエンを一括添加して き続きこれを重合させた。
(5)さらに50.0kgのスチレンモノマーを一括添加 し、重合を完結させた。

[参考例3]
(1)反応容器中に500kgのシクロヘキサンを仕込 だ。
(2)4.0kgのスチレンモノマーを添加し攪拌を行 ながら、内温30℃で1950mLのn-ブチルリチウム (10質量%シクロヘキサン溶液)を添加し重合さ た。
(3)内温を80℃に保ちながら、総量119.0kgのスチ レンモノマー、及び総量11.8kgのブタジエンモ ノマーを、それぞれ100.8kg/h、10.0kg/hの一定添 速度で両者を同時に添加させ、添加終了後 十分な時間その状態を保った。
(4)ブタジエンガスが完全に消費された後、内 温を70℃で36.4kgのブタジエンを一括添加して き続きこれを重合させた。
(5)さらに28.8kgのスチレンモノマーを一括添加 し、重合を完結させた。

 このようにして得られた参考例1~3のブロ ク共重合体の特徴を表1に示した。なお、表 中のAはポリスチレンブロック、Bはポリブタ エンブロック、Cはランダムブロック、Dは ーパーブロックを表す。

 参考例1~3のブロック共重合体を、参考例1 /参考例2/参考例3=33.3質量%/33.3質量%/33.4質量% 配合で混合して混合樹脂組成物とした。そ て、該混合樹脂組成物100質量部に対して、 らに表2~表4に示した配合で各種滑剤を添加 た。そして、単軸押出機を用いて200℃で溶 混練し、実施例1~11、比較例1~8のチューブラ 形材料を得た。なお、マイクロクリスタリ ワックスの融点は、JIS K2235-5.3.2に記載の方 法に従い測定した。

 表5及び表6に示した実施例と比較例のチ ーブラ成形用材料を、一般的な水槽による 伸予熱方式のチューブラ製膜機(YI-CHEN社製、 型式:MCE-50)を用いて、以下の方法に従い製膜 験を実施するとともに、その状態を観察し 得られた熱収縮性フィルムも後述する方法 従い評価した。その結果を表5及び表6に示 た。

(1)表5及び表6に示した配合比のチューブラ成 用材料を押出機に投入し200℃で溶融混練し 十分に可塑化させた後、チューブ状に吐出 せた。続いて、チューブに気体を注入し、 チューブの外側からは、チューブが安定的 膨らむよう適度な風で冷却を行いながら任 のチューブ径とした。
(2)ダイスより任意の高さに位置させたニップ ロールでチューブを折り畳み、得られるフィ ルムの平均厚みが約0.1mmとなるよう、必要に じてダイスの隙間間隔、スクリュー回転数 ニップロール速度を調節した。なお、ニッ ロールの圧着力は、1段目チューブ内の気体 がニップロール以降にもれない必要最低限の 力に調節した。
(3)ニップロールで折り畳んだ後のフィルムを 採取し、フィルム同士のブロッキングについ て下記の基準に従って評価した。

(A)チューブ内面同士の剥離強度試験
 採取したチューブを、チューブが流れる方 (以後、「MD方向」と略す。)と、チューブと 直交する方向(以後、「TD方向」と略す。)を 準として、MD方向長さ15mm、TD方向長さ15cmに り出し試験片を採取した。次に、試験片のTD 方向の端部から4cmの場所に標線を引き、これ を境界線として、長さが短い側のフィルム同 士を剥がし、剥がしたフィルムを各々標線で 90°折り曲げ、T字状の試験片とした。これを 株式会社エー・アンド・デイ社製 テンシ ン引張試験機 RTC-1210を用い、剥がした側の れぞれのフィルム両端をチャックで固定し 引張速度200mm/分で引っ張ったときの剥離強 [N]を測定した。測定値は、引張開始後15秒~6 0秒までの測定値を平均し、さらに同じ操作 10回繰返し、平均値Z[N]を算出した。

(4)ニップロール通過後のフィルムは85℃の 水槽内を通過させ延伸予熱を行い、再び任 のチューブ径になるようチューブ径方向の イズ固定用冷却リング(以後、このリングを サイジングリングという)に十分接触するま 気体を注入し膨らましバブルを形成させた( 後、この操作をサイジングという)。なお、 バブル形成安定性については、下記の基準に 従って評価した。

(B)気体注入性
 「気体注入性」は、気体の注入によりチュ ブ内面同士の表面状態を、目視で判定し、 の評価基準で評価した。
良 :気体の注入により、チューブ内面同士が 容易に引き剥がされるもの。
可 :気体の注入により、チューブ内面同士が 引き剥がされるが、抵抗がありチューブ内面 同士の開放時に音がする、もしくは不安定な 振動を伴うもの。
不良:チューブ内面同士がブロッキングして り、開放時にフィルム切れを起こす、又は 全にブロッキングしており気体注入操作が 来ないもの。

(C)サイジングリングとの滑り性
 「サイジングリングとの滑り性」は、チュ ブ外面がサイジングリングに十分接触する で気体注入した際、フィルムとサイジング ングとの滑り性を、目視で判定し、次の評 基準で評価した。
良 :チューブとサイジングリングとの滑りに おいて、引き摺り由来の音がせず安定してい るもの。
可 :チューブとサイジングリングとの滑りに おいて、引き摺り由来の音がしやや不安定で あるもの。
不良:チューブがサイジングリングに引っ掛 り、チューブの著しい変形、もしくは破裂 伴うもの。

(5)バブル形成後のフィルムを引取り、熱収縮 性フィルムを得た。
(D)熱収縮率の測定
熱収縮性フィルムの熱収縮率は、以下の方法 で測定した。
(1)延伸フィルムから、MD方向が100mm、TD方向が 100mmの試験片を切り出した。
(2)この試験片を100℃の温水中に10秒間漬けて り出し、直ちに水冷し水分を拭った後、試 片のMDならびにTDの長さL(mm)を測定した。
(3)次式により熱収縮率を算出した。
熱収縮率(%)={(100.0-L)/100.0}×100

 表5及び表6の結果から、本発明のチュー ラ成形用材料は、高温でフィルム同士をニ プロールにより圧着しても、フィルム同士 ブロッキングせず容易に開放できることか 、チューブラ製膜法によるバブル形成が安 し、且つ熱収縮性に優れた熱収縮性フィル が得られることが分かる。

 一方、本発明で主張する構造外のマイクロ リスタリンワックスとグリセライドを含有 た比較例1~比較例4,及び異種の滑剤を含有し た比較例5~8は、フィルム同士の耐ブロッキン グ性とサイジングリングとの滑り性が十分に 発現されず、バブル形成の安定性に欠き、良 質なフィルムを採取することができなかった 。
 さらに、マイクロクリスタリンワックス、 はグリセライドの含有量が規定の範囲を上 るものは、著しく押し出し安定性に欠け、 、規定の範囲より下回るものについても、 ロッキング防止効果、ならびにサイジング ングとの滑り性が殆ど発現されず、安定し 製膜に供せないものであった。

 以上のように、本発明のチューブラ成形 材料は、チューブラ法による熱収縮性フィ ムの製造に適した材料であり、この材料を 用したフィルムはボトル用ラベル、キャッ シール等に適応できる。さらに、本発明の ューブラ材料は、チューブラ製膜法以外の 温で耐ブロッキング性が要求される各種用 にも好適に使用することができる。




 
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