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Patent Searching and Data


Title:
TURBO MOLECULAR DRAG PUMP
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/028099
Kind Code:
A1
Abstract:
In a turbo molecular drag pump comprising a plurality of stages of rotors arranged such that the outside diameter decreases from the pump intake side toward the pump exhaust side, and a plurality of stages of fixed blade arranged alternately to the plurality of stages of rotors in the direction of the axis of rotation while being divided semicircularly into two, a fixed blade arranged on the downstream side of a rotor having an outside diameter smaller than the maximum outside diameter of the plurality of stages of rotors has an arcuate rib provided on the outer circumferential part of the fixed blade, and an arcuate wall standing from the rib to the pump intake side and opposing the radial tip of the rotor closely thereto, and a spacer having an inside diameter larger than the maximum outside diameter is provided in order to position the fixed blade having a wall at a predetermined position.

Inventors:
OISHI KOUTA (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/067038
Publication Date:
March 05, 2009
Filing Date:
August 31, 2007
Export Citation:
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Assignee:
SHIMADZU CORP (JP)
OISHI KOUTA (JP)
International Classes:
F04D19/04
Foreign References:
JP2007002692A2007-01-11
DE10357547A12005-07-07
JP2003506631A2003-02-18
JP2004036389A2004-02-05
Attorney, Agent or Firm:
NAGAI, Fuyuki (1-1-3 Nishishinbashi,Minato-k, Tokyo ., JP)
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Claims:
 ポンプ吸気側からポンプ排気側に向かって外径が小さくなるように配置された複数段の回転翼と、
 前記複数段の回転翼に対して回転軸方向に交互に配設され、半円状に2分割された複数段の固定翼とを備えるターボ分子ポンプにおいて、
 前記複数段の回転翼の最大外径よりも外径が小さな回転翼の下流側に配置される固定翼は、固定翼外周部に設けられた円弧状のリブと、前記リブからポンプ吸気側へと立設され、前記回転翼の径方向先端に近接して対向する円弧状の壁部とを有し、
 内径が前記最大外径よりも大きく、前記壁部を有する固定翼を所定位置に位置決めするスペーサリングを備えたことを特徴とするターボ分子ポンプ。
 請求項1に記載のターボ分子ポンプにおいて、
 前記壁部の外周面にポンプ吸気側が細くなるように形成された第1のテーパ面と、
 前記第1のテーパ面と同一傾きを有するように前記スペーサリングの内周面に形成され、前記位置決め時に前記第1のテーパ面に当接して前記半円状に2分割された固定翼をそれぞれポンプ回転軸方向に付勢する第2のテーパ面とを備えたことを特徴とするターボ分子ポンプ。
 請求項1または2に記載のターボ分子ポンプにおいて、
 前記スペーサリングは、前記壁部を有する固定翼の全てを一括して位置決めすることを特徴とするターボ分子ポンプ。
 請求項2に記載のターボ分子ポンプにおいて、
 前記リブの厚さ寸法の下限公差域AH、前記第2のテーパ面の大径部直径寸法の公差下限値AD、および前記第1のテーパ面の大径部直径寸法の公差上限値Adは、式「AH≦(AD-Ad)」を満たすことを特徴とするターボ分子ポンプ。
Description:
ターボ分子ポンプ

 本発明は、ターボ分子ポンプに関する。

 近年、ターボ分子ポンプにおいては、高 気性能への要求に応えるために、回転体の 速回転化が進んでいる。しかし、高速回転 すると回転体の内部応力が問題となるため 内部応力を低減するために排気側に近い回 翼の外径を小さくして、遠心力による翼の っ張り応力を低減させる必要がある。また 大きな排気速度を生じさせるためには、吸 口側に近い回転翼を長くする必要がある。 れらのことから、吸気側から排気側にかけ 回転翼の外径を小さくするような翼形状が 準的になりつつある。

 ところが、排気口側の回転翼の外径を小 くすると、従来のように回転体を組み付け 後に、排気口側の固定翼およびスペーサリ グを順に積層することが不可能となる。そ ため、スペーサリングの形状を工夫するこ で、予め装着されたスペーサリング間に、 定翼を組み付けるのに十分な隙間を形成で るようにした構造のターボ分子ポンプが知 れている(例えば、特許文献1参照)。

特開2007-2692号公報

 しかしながら、上述したターボ分子ポン では、固定翼を着脱するたびに、先に組み けたスペーサリングを軸方向の一方に寄せ 保持する必要がある。そのため、作業効率 低下を招くとともに、スペーサリング保持 の治具が必要となる。

 本発明によるターボ分子ポンプは、ポンプ 気側からポンプ排気側に向かって外径が小 くなるように配置された複数段の回転翼と 複数段の回転翼に対して回転軸方向に交互 配設され、半円状に2分割された複数段の固 定翼とを備えるターボ分子ポンプにおいて、 複数段の回転翼の最大外径よりも外径が小さ な回転翼の下流側に配置される固定翼は、固 定翼外周部に設けられた円弧状のリブと、リ ブからポンプ吸気側へと立設され、回転翼の 径方向先端に近接して対向する円弧状の壁部 とを有し、内径が最大外径よりも大きく、壁 部を有する固定翼を所定位置に位置決めする スペーサリングを備えた。
 本発明によるターボ分子ポンプおいて、壁 の外周面にポンプ吸気側が細くなるように 成された第1のテーパ面と、第1のテーパ面 同一傾きを有するようにスペーサリングの 周面に形成され、位置決め時に第1のテーパ に当接して半円状に2分割された固定翼をそ れぞれポンプ回転軸方向に付勢する第2のテ パ面とを備えるようにしても良い。
 本発明によるターボ分子ポンプおいて、壁 を有する固定翼の全てをスペーサリングに り一括して位置決めするようにしても良い
 本発明によるターボ分子ポンプおいて、リ の厚さ寸法の下限公差域AH、第2のテーパ面 大径部直径寸法の公差下限値AD、および第1 テーパ面の大径部直径寸法の公差上限値Ad 、式「AH≦(AD-Ad)」を満たすようにすること 好ましい。

 本発明によれば、排気口側の固定翼およ スペーサリングを順に積層することが容易 なり、作業効率の向上を図ることができる

本発明の一実施の形態によるターボ分 ポンプを示す断面図である。 4段目の固定翼11Aから8段目の固定翼11B でを示す拡大図である。 (a)は固定翼11Bの平面図、(b)はC-C断面図 る。 固定翼11Bの組み付けを説明する図であ 。 比較例における固定翼の組み付けを説 する図である。 図5に続く組み付け手順を示す図である 。 第1の実施の形態の変形例を示す図であ る。 スペーサリング100による固定翼11Cの位 決め固定を説明する図である。 ターボ分子ポンプの第2の実施の形態を 示す図である。 第2の実施の形態の変形例を示す図で る。 固定翼11Eとスペーサリング102の組み付 け手順を示す図である。

 以下、図を参照して本発明を実施するため 最良の形態について説明する。
-第1の実施の形態-
 図1は、本発明によるターボ分子ポンプの一 実施の形態を示す図であり、磁気軸受式ター ボ分子ポンプ1の断面図である。ポンプ1のケ シング2の内部には回転体4が設けられ、回 体4には回転軸3がボルト締結されている。回 転軸3は、ベース5のステータコラムに設けら た上下一対のラジアル磁気軸受6およびスラ スト磁気軸受7によって非接触式に支持され モータMにより回転駆動される。回転体4には 、複数段の回転翼8および回転円筒部9が形成 れている。

 一方、ケーシング2内にはリング状のスペ ーサ10が複数積層され、そのスペーサ10によ て上下に挟まれるように複数段の固定翼11A,1 1Bが設けられている。上側の1段目から4段目 では固定翼11Aが設けられ、5段目から8段目ま では固定翼11Bが設けられている。さらに、固 定翼11Bの下方(下流側)には、内周面に螺旋溝 形成された固定円筒部12が設けられている

 図1に示すターボ分子ポンプ1では、軸方 に交互に配置された複数段の回転翼8と複数 の固定翼11A,11Bとによりタービン翼部が構成 され、回転円筒部9と固定円筒部12とによりモ レキュラードラッグポンプ部が構成される。 回転円筒部9は固定円筒部12の内周面に近接し て設けられており、固定円筒部12の内周面に 螺旋溝が形成されている。モレキュラード ッグポンプ部では、固定円筒部12の螺旋溝 高速回転する回転円筒部9とにより、粘性流 よる排気作用が発生する。

 図1に示すタービン翼部とモレキュラード ラッグポンプ部とを結合させたターボ分子ポ ンプ1は、広域型ターボ分子ポンプと称され いる。吸気口13から流入したガスはタービン 翼部によって図示下方(下流側)へと叩き飛ば れ、下流側に向かって排気される。そのガ は、さらにモレキュラードラッグポンプ部 よって圧縮され、排気口14から排出される

 図2は、図1の4段目の固定翼11Aから8段目の 固定翼11Bまでを示す拡大図である。固定翼11A は、同一厚さを有する円弧状の外側リブ部110 および内側リブ部111と、リブ110,111の間に形 された複数のタービンブレード112を有して る。これらの固定翼11Aは、外側リブ部110を 対のスペーサリング10で上下から挟み込むこ とにより位置決め固定される。

 1段目から4段目までの回転翼8は外形寸法 全て等しく、それらの径方向先端は、僅か 隙間を介してスペーサリング10の内周面に 向している。この隙間はガスの逆流の要因 なるので、小さければ小さいほど良い。ま 、5および6段目の回転翼8の外径寸法は4段目 回転翼8よりも小さく、7段目および8段目と がるにつれて回転翼8の外径寸法は順に小さ くなっている。

 5~8段目の回転翼8に対応する固定翼11Bの外 側リブ部113には、内側リブ部111と同一厚さの 被挟持部113aと、吸気口側(図示上側)に突出す るように厚くなったステータ壁部113bとが形 されている。固定翼11Bは、被挟持部113aを一 のスペーサリング10で上下から挟み込むこ により位置決め固定される。

 一方、位置決め固定された固定翼11Bのス ータ壁部113bは、僅かな隙間を介して固定翼 8の先端に対向する。すなわち、ステータ壁 113bの内周面は、1~4段目の回転翼8の先端が対 向するスペーサリング内周面と同様の機能を 果たしており、隙間を小さく保つことにより ガス逆流の抑制を図っている。固定翼8の先 隙間はどの段も等しく設定されているので ステータ壁部113bの径方向厚さt1は、6,7,8段と 下段になるほど厚くなっている。また、ステ ータ壁部113bの軸方向(上下方向)の高さt2は、 定翼11Bの翼間隙間より若干小さく設定され いる。

 図3は固定翼11Bを示す図であり、(a)は一対 の固定翼11Bの平面図、(b)は固定翼11BのC-C断面 図である。固定翼11Bは、回転翼8間に径方向 ら差し込むように組み付けるために、半円 状に2分割されている。符号Eで示される隙間 領域は固定翼11Bを2分割した際の分割代であ 、カッティングソーの厚さにほぼ等しい寸 である。このように、固定翼11Bは2分割構造 あるため、一対の固定翼11Bをスペーサリン 10で位置決め固定した際に、最大で分割隙 Eだけの隙間が生じた状態で固定されてしま おそれがある。

 図4は、スペーサリング10および固定翼11B 組み付け手順を説明する図である。先ず、 ータ4が締結された回転軸3をベース5のステ タコラムに取り付ける。この際、後述する うにポンプ全体を逆さにして回転軸3をベー ス5に取り付ける。次いで、ポンプ全体を正 状態(図1に示す状態)に戻し、図4(a)に示すよ に、最下段(8段目)の固定翼11Bを、ロータ4の 側方から回転翼間に挿入するようにベース5 に載置する。

 次に、図4(b)に示すように、リング状のス ペーサリング10をロータ4に外挿するように下 方に移動し、ロータ4の上方から固定翼11Bの 側リング部113に形成された被挟持部113a上に 置する。すなわち、ポンプ吸気口側から装 することができる。図4(c)に示すように、7 目の固定翼11Bも8段目と同様にロータ4の側方 から挿入するようにスペーサリング10上に載 する。その後、スペーサリング10を上方か 側方から挿入するように固定翼11Bの被挟持 113a上に載置する。

 同様にして、図2に示す6段目および5段目 固定翼11Bを、順に組み付ける。5段目よりも 上側の4段目から1段目の固定翼11Aは従来のタ ボ分子ポンプと同様の構造であり、組み付 手順の説明は省略する。固定翼11A,11Bおよび スペーサリング10の組み付けが済んだならば ケーシング2をベース5にボルト締結する。 の結果、スペーサリング10により固定翼11A,11 Bが所定の位置に位置決め固定される。

《比較例》
 図5および図6は、本実施の形態のターボ分 ポンプに対する比較例を示す図である。こ では、上述した特開2007-2692号公報に記載さ ているターボ分子ポンプと同様の構造とし 場合の、組み付け手順を示した。図5(a)に示 ように、5~8段目の回転翼8bの外径寸法は1~4 目の回転翼8aよりも小さくなっている。一方 、固定翼11に関しては、本実施形態と異なり 形寸法が全て同一となっており、本実施の 態のようにステータ壁部113bは形成されてい ない。そして、5~8段目の固定翼11は、スペー リング30a~30dによって位置決め固定される。

 この構造のターボ分子ポンプでは、ベー 5のステータコラムにロータ4が締結された 転軸3を取り付けた後では、スペーサリング3 0a~30dを組み付けることができない。そこで、 ベース5に回転軸3を取り付ける前に、図5(b)に 示すように、スペーサリング30a~30dをベース5 に載置する。その後、回転軸3をベース5の テータコラムに挿入し、図6(a)のようにポン 全体を逆さにして回転軸3をベース5に取り ける。

 ポンプ全体を逆さにすると、ベース5上に 載置したスペーサリング30a~30dは、スペーサ ング30a~30dの内径寸法よりも大きな外形寸法 有する4段目の回転翼8a上に積み重なるよう なる。そして、スラストディスク15を回転 3の下端部分に装着してナット16で固定した 、下側のスラスト電磁石17をベース5に装着 、回転数センサが取り付けられたプレート18 をベース5に固定する。最後に、プレート18を 覆う裏蓋19をベース5にボルト固定する。

 回転軸3のベース5への取り付けが済んだ らば、ポンプ全体を図6(b)のように正立させ 最下段(8段目)の固定翼11を組み付ける。8段 の固定翼11を組み付ける際には、スペーサ ング30a~30dを破線矢印のように上方に持ち上 てスペーサリング30dとベース5との間に隙間 を形成し、半割の固定翼11を側方から差し込 でベース5上に載置する。スペーサリング30a ~30dの内周寸法と回転翼8bの外形寸法との差は 僅かであるため、回転翼8bと干渉しないよう スペーサリング30a~30dを上方に移動させるた めの治具等が必要になる。

 7段目の固定翼11を組み付ける場合には、 ペーサリング30a~30cを上方に持ち上げてスペ ーサリング30cおよび30d間に隙間を形成し、半 割の固定翼11を側方から差し込むようにする 6および5段目の固定翼11に関しても、同様に 組み付ける。4段目以上の固定翼11に関しては 、内径が回転翼8aの外径よりも大きなスペー リング10で固定するので、固定翼11、スペー サリング10、固定翼11、スペーサリング10のよ うに順に積み重ねれば良い。

 このように、図5,6に示した従来のターボ 子ポンプでは、スペーサリング30a~30dの内径 寸法が回転翼8aの外形寸法よりも小さいため 回転軸3をベース5に取り付ける前にスペー リング30a~30dを装着する必要がある。さらに 下段の固定翼11を組み付ける際に、固定翼8b に干渉しないようにスペーサリング30a~30dを 方に移動させて固定翼挿入のための隙間を る必要があり、作業性が悪い。また、スペ サリング30a~30dは上下に移動可能なため、ポ プ逆転時に、スペーサリング30a~30dが回転翼 8aに積み重なるように当接した際に、衝撃や みで回転翼が変形するおそれがある。

 一方、本実施の形態のターボ分子ポンプ は、固定翼11Bに形成されたステータ壁部113b がスペーサリング30a~30dの内周面と同様の機 を有していて、固定翼11Bの位置決め固定す スペーサリング10の内径寸法は固定翼11Aの外 形寸法よりも大きく設定されている。そのた め、ポンプ全体を正立させた状態で、ポンプ 吸気口側から固定翼11Bを着脱することができ 、ロータ4が締結された固定軸をベース5に取 付ける際に下段のスペーサリング10を予め 着しておく必要もないので、作業性の向上 図ることができる。

 なお、図2の符号Dで示す部分においては 上下一対のスペーサリング10は嵌め合い構造 となっている。そのため、図3(a)に示すよう 外側リブ部113に隙間が生じていても、この 間からスペーサリング10の外周側にガスが逆 流することはない。

[変形例]
 図7は、上述した第1の実施の形態の変形例 示す図である。図7に示す変形例では、図2の 固定翼11Bの代わりに固定翼11Cを用い、固定翼 11Cを位置決め固定するスペーサリング10をス ーサリング100で置き換えた。固定翼11Cは、 テータ壁部113bの外周側にテーパ面113Tを形 した点が固定翼11Bと異なり、その他の形状 固定翼11Bと同じである。一方、スペーサリ グ100には、固定翼11Cのテーパ面113Tと当接す テーパ面100Tが形成されている。テーパ面113 Tとテーパ面100Tとは、同一テーパ形状を有し いる。

 図8はテーパ面113T,100Tの作用効果を説明す る図である。図8(a)は、固定翼11C上に載置さ た状態のスペーサリング100を示す。一方、 8(b)は、スペーサリング100により固定翼11Cが 置決め固定された状態を示しており、ケー ング12をベース5にボルト締結すると、積層 れたスペーサリング100がベース方向(図示下 方)に押圧される。

 図8(a)に示すように、固定翼11Cに形成され たテーパ面113Tの大径部の寸法dは、スペーサ ング100に形成されたテーパ面100Tの大径部の 寸法Dよりも大きく設定されている。そのた 、位置決め固定時にスペーサリング100が下 に押し下げられると、図8(b)に示すように、 ーパ面113T,100Tの作用により一対の固定翼11C 中心方向(回転軸方向)に寄せられることに る。その結果、固定翼11C間の隙間の寸法を さくすることができ、軸方向のガス逆流を えることができる。

 なお、位置決め固定時におけるスペーサリ グ100の軸方向位置は、スペーサリング100の 持面100bと固定翼11Cの被挟持部113aの上面と 当接することにより決まる。このときの固 翼11Cの中心方向の移動量は寸法差(d-D)なので 、挟持面100bと被挟持部113aの上面との間に隙 を生じさせないでそれらを確実に当接させ ためには、次式(1)を満たすことが必要であ 。Hは被挟持部113aの寸法である。
  (Hの下限公差域)≦(Dの公差下限値)-(dの公 上限値)

 もちろん、寸法差(d-D)を分割隙間Eよりも 干小さく設定して隙間の発生を許容し、挟 面100bと被挟持部113aの上面との確実な当接 図るようにしても良い。この場合も、隙間 小さく抑えることでガス逆流を低減するこ ができる。さらに、固定翼11Cを積層する際 、分割隙間部分の位相をずらしながら積層 ることで、ガス逆流の影響を低減すること できる。なお、テーパ面113T,100Tの角度αにつ いては、容易に固定翼11Cの中心方向への移動 が容易にできるように、45°~90°程度に設定す るのが好ましい。

-第2の実施の形態-
 図9は、本発明によるターボ分子ポンプの第 2の実施の形態を説明する図であり、図2の場 と同様に4段目から8段目までの固定翼を示 拡大図である。なお、図9に示す部分以外の 成は第1の実施の形態と同様であり、以下で は説明を省略する。第2の実施の形態では、5 目の固定翼には第1の実施の形態と同一形状 の固定翼11Bが用いられ、6~8段目には固定翼11D が用いられている。

 固定翼11Dの外側リブ部113には、固定翼11B 設けられていた被挟持部113aが形成されてお らず、ステータ壁部123bだけが形成されてい 。固定翼11Bの場合には、ステータ壁部123bの 方向高さは固定翼間隔H2よりも小さく設定 れているが、固定翼11Dの場合には固定翼間 H2と等しく設定されている。すなわち、ステ ータ壁部123bの軸方向高さによって固定翼間 H2が決まる。

 さらに、積層された4段分の固定翼11B,11D 、スペーサリング101とベース5との間に一括 て位置決め固定される。この場合、4段分の 固定翼11B,11Dをロータ側方から一括して差し むようにベース5上に載置した後、吸気口側 らスペーサリング101を組み付けるだけで、4 段分の固定翼の組み付けることができる。そ のため、部品点数の削減とともに、組み付け 作業の効率化が図れる。

[変形例]
 図10は、第2の実施の形態の変形例を示す図 ある。図9のスペーサリング101に代えて、内 周面にテーパ面102Tが形成されたスペーサリ グ102を用い、固定翼11Eのステータ壁部123bの 周面にテーパ面123Tを形成した。図9の場合 同様に4段分の固定翼11Eはスペーサリング102 挟持部102bとベース5との間に挟持され位置 め固定される。

 図7の場合と同様に、スペーサリング102を 押し下げたとき各固定翼11Eのテーパ面123Tに ーパ面102Tが当接し、各固定翼11Eが中心方向 移動する。その結果、一対の半割固定翼11E 間の隙間が縮小され(図8参照)、この隙間を したガス逆流を抑制することができる。

 スペーサリング101に下端部分には、ベー 5の外周面と嵌め合う垂直部102aが形成され いる。この垂直部102aの内周面とベース5の外 周面とが嵌め合うことにより、スペーサリン グ101はベース5のステータコラム中心軸と同 に位置決めされる。また、この嵌め合い構 により、上述したカット部の隙間を介して ペーサリング102の外周側にガスが漏れ出る を防止することができる。

 図11は、組み付け手順を示したものであ 。初めに、図11(a)に示すように4段分の固定 11Eをロータ側方から差し込むようにベース5 上に載置する。このとき、各ステータ壁部1 23bの外周垂直面123Eがベース5の外周面とほぼ 致するように載置する。

 次に、図11(b)に示すように、スペーサリ グ102を吸気口側から組み付け、スペーサリ グ102のテーパ面102Tをステータ壁部123bのテー パ面123Tに当接させる。スペーサリング102を し下げると、上側の固定翼11Eから順に中心 に移動する。そして、挟持部102bが固定翼11E ステータ壁部123bの上面に当接するまで、ス ペーサリング102を押し下げる。その後、より 上段の固定翼11およびスペーサリング10を吸 口側から順に積層し、ケーシング12を装着し てベース5に締結すると、スペーサリング10,10 2により全ての固定翼が位置決め固定される

 上述したように、本発明によるターボ分 ポンプでは、2分割された固定翼にステータ 壁部を形成し、全てのスペーサリングの内径 を回転翼の最大外径よりも大きく設定してい るので、ポンプを正立させた状態で、全ての 固定翼およびスペーサリングの組み付け作業 を行うことができる。その結果、ポンプ組み 立ての作業効率の向上を図ることができる。 また、ステータ壁部の外周およびスペーサリ ング内周に互いに当接するテーパ面を形成し たことにより、スペーサリングによる固定翼 の位置決め固定時に欠く固定翼が中心方向に 付勢され、分割隙間の低減を図ることができ る。その結果、分割隙間を通したガス逆流の 低減を図ることができ、ポンプ性能の向上が 図れる。

 上述した実施の形態では、ステータ部が 成された固定翼をスペーサリングで位置決 固定するようにしたが、スペーサリングを いる代わりに、ボルトやテープや接着剤な により固定するようにしても良い。

 なお、上述した実施の形態では磁気軸受 のターボ分子ポンプを例に説明したが、磁 軸受式に限らず種々のターボ分子ポンプに して本発明を同様に適用することができる さらに、モレキュラードラッグポンプ部を さない全翼タイプのターボ分子ポンプにも 様に適用することができる。また、本発明 特徴を損なわない限り、本発明は上記実施 形態に何ら限定されるものではない。