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Patent Searching and Data


Title:
TURBO TYPE BLOOD PUMP
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/093594
Kind Code:
A1
Abstract:
An impeller (22) has a rotating shaft (7) supported by an upper bearing (9) and a lower bearing (10) to rotate freely at the upper and lower ends, a plurality of vanes (6), an arm (18) for coupling the inner circumferential side of a vane with the rotating shaft, an annular coupling portion (8) coupled to the outer circumferential side of each vane, and a driven magnet portion (12) arranged below the annular coupling portion. A drive magnet portion (16) provided on a rotor (13) and the driven magnet portion (12) oppose each other while holding the bottom wall of the housing between them, and rotation of the rotor is transmitted to the impeller through magnetic coupling. A blockade member (23) is arranged below the vane and the space of a region spread between the rotating shaft and the annular coupling portion is blocked while an opening (24) is left at least around the rotating shaft. In a structure where the rotating shaft of the impeller is supported by upper and lower bearings and the lower portion at the outer circumferential edge part of the vane is coupled by the annular coupling portion, formation of a blood clot in the vicinity of the lower bearing can be suppressed.

Inventors:
OMORI MASAYOSHI
Application Number:
PCT/JP2008/050999
Publication Date:
August 07, 2008
Filing Date:
January 24, 2008
Export Citation:
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Assignee:
JMS CO LTD (JP)
OMORI MASAYOSHI
International Classes:
F04D7/02; A61M1/10; F04D13/02; F04D29/22
Foreign References:
JP2002085554A2002-03-26
JP2006218010A2006-08-24
JPH0276196U1990-06-11
JPH04224760A1992-08-14
JP2002085554A2002-03-26
Attorney, Agent or Firm:
IKEUCHI SATO & PARTNER PATENT ATTORNEYS (OAP TOWER 8-30, Tenmabashi 1-chome, Kita-ku, Osaka-sh, Osaka 26, JP)
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Claims:
 ポンプ室、入口ポートおよび出口ポートを有するハウジングと、
 前記ポンプ室内に回転自在に支持されたインペラと、
 前記インペラを回転駆動するための駆動力伝達要素とを備え、
 前記インペラは、上部軸受けと下部軸受けにより上下端で回転自在に支持された回転軸と、複数のベーンと、少なくとも一部の前記ベーンの内周側を前記回転軸に結合するアームと、前記ベーンの各々の外周側に連結された環状連結部と、前記環状連結部の下部に配置された従動磁石部とを有し、
 前記駆動力伝達要素は、前記ハウジングの外側下部に配置され回動可能なロータに設けられた駆動磁石部と前記インペラの前記従動磁石部とが、前記ハウジングの底部壁を挟んで対向し、磁気結合を介して前記ロータの回転が前記インペラに伝達されることにより構成されたターボ式血液ポンプにおいて、
 前記インペラは、前記回転軸と前記環状連結部の間に亘る領域の前記ベーンの下方に配置された封鎖部材を備え、
 前記封鎖部材は、前記回転軸と前記環状連結部の間に亘る領域の空間を、少なくとも前記回転軸の周囲に開口部を残して封鎖していることを特徴とするターボ式血液ポンプ。
 前記環状連結部及び前記従動磁石部の形成する円筒形内周面に包囲された前記インペラの下部の領域の空間に対応させて、前記ハウジングの底部中央部に上方に突出した円筒形外周面を有する台座が形成され、前記台座に前記下部軸受けが設けられた請求項1に記載のターボ式血液ポンプ。
 前記封鎖部材の開口部は、前記回転軸と同心の円形であり、
 前記封鎖部材の開口部の直径をd、前記台座の円筒形外周面の直径をDとしたとき、前記開口部の直径dは、0.12D≦d≦0.3Dの範囲に設定されている請求項2に記載のターボ式血液ポンプ。
 前記開口部の直径dは、0.12D≦d≦0.225Dの範囲に設定されている請求項3に記載のターボ式血液ポンプ。
 前記封鎖部材の前記開口部は、前記回転軸と同心の円形の領域から放射状に延びた複数の放射状領域を含む請求項3に記載のターボ式血液ポンプ。
Description:
ターボ式血液ポンプ

 本発明は、血液を搬送するための血液ポ プ、特に、インぺラの回転によって血液に 心力を与えて流動させる方式のターボ式血 ポンプに関する。

 血液ポンプは、人工心肺装置等における 外血液循環を行うために不可欠である。血 ポンプの一つとして、ターボ式血液ポンプ 知られている。ターボ式血液ポンプは、入 および出口ポートを有するポンプ室内でイ ペラ(羽根車)を回転させることにより、遠 力により、血液を送液するための差圧を発 させる。

 ターボ式血液ポンプは、血液ポンプの小 化、軽量化、低コスト化が可能である。ま 、ローラポンプ型の血液ポンプのようにチ ーブの損傷などがなく、血液ポンプの耐久 に優れているので、長時間の連続運転に好 に使用することができる。したがって、タ ボ式血液ポンプは、人工心肺装置や開心術 の心補助装置の体外循環回路用の血液ポン として、主流になりつつある。

 例えば特許文献1に記載されているターボ 式血液ポンプの例では、インペラは、円錐形 の台座の円錐面上に複数個の羽根が放射状に 設けられた構造を有する。この台座の底面は 、ハウジングの底面のほぼ全体を覆う程度の 面積を有するので、台座近傍における渦流の 発生がなく、渦流による溶血の問題はない。

 しかし、台座の下面とハウジングとの間 必然的に存在する間隙に、血液が滞留する み部が形成され、インペラの軸受け部に発 した熱が淀み部の血液に蓄積される。そし 、インペラの回転による剪断力と合わせた 響により、淀み部において溶血が生じると う問題を発生する。これを解決するために 許文献1では、台座に、上面から下面まで貫 通する血液流通孔が設けられている。それに より、淀み部の血液は軸受け部の近傍を通過 し血液流通孔を通つて台座の上面に達し、羽 根車の外径方向に向かってスムーズに流れ、 滞留防止効果を得ることができる。

 一方、特許文献1のターボ式血液ポンプで は、インペラの駆動力をハウジング壁を介し て磁気結合により、外部から付与する構造が 用いられている。すなわちインペラの円錐形 台座の下部に磁石が装着され、ハウジングの 外部下方に駆動用の磁石が配置されてインペ ラの磁石と対向している。駆動用の磁石はモ ータにより回転駆動され、磁気結合によりイ ンペラの磁石を介してインペラが回転駆動さ れる。

 ところが、インペラを回動自在に支持す ための構造、すなわち軸受け構造は、イン ラの下端部に配置されているだけである。 た、円錐形台座の底面は、ハウジングの底 のほぼ全体を覆うような大きさを有するた 、インペラを回転させるために外部から与 る駆動力は大きなものとなる。その結果、 動力を与えるための磁気結合による引力が 用すると、下端部のみの支持構造のために ンペラの支持状態が不安定になり易い。

 この問題を解消するために、特許文献2に 記載されたターボ式血液ポンプでは、図6に すような横断面構造を有する。同図におい 、1はハウジングであり、血液を通過させ流 させるためのポンプ室2を形成し、ポンプ室 2の上部に連通する入口ポート3と、ポンプ室2 の側部に連通する出口ポート4が設けられて る。ポンプ室2内にはインペラ5が配置されて いる。インペラ5の上面図を図7に示す。イン ラ5は、6枚のベーン6、回転軸7、及びリング 状の環状連結部8を有する。

 図7に示すように、6枚のベーン6は、大き ベーン6aと小さいベーン6bの2種類の形状の のを含み、それらが交互に配置されている 大きいベーン6aは、中心側端部がアーム18に り回転軸7に結合され、周縁側端部が環状連 結部8に結合されている。小さいベーン6bは、 中心側端部が回転軸7には結合されず自由端 なっており、周縁側端部のみが環状連結部8 結合されている。ベーン6の全てを回転軸7 結合すると、アーム18の数が多くなって流路 の妨げになるため、好ましくないからである 。アーム18はインペラの回転を回転軸7に伝え るために必要な、最小限の数を有していれば 良い。図から判るように、インペラ5は、環 連結部8の内側の領域に空間19を有し、ベー 6の間を上下に貫通する流路が形成される。

 図6に示すように、回転軸7は、ハウジン 1に設けた上部軸受け9及び下部軸受け10によ 、回転自在に支持されている。環状連結部8 には、磁石ケース11が設けられ、磁石ケース1 1には従動磁石12が埋設され、固定されている 。従動磁石12は、円柱状であり、環状連結部8 の周方向に6個、一定間隔をもって配置され いる。環状連結部8及び磁石ケース11は円筒 内周面を形成している。

 ハウジング1の下部には、ロータ13が配置 れている。ロータ13は、駆動軸14と、略円柱 状の磁気結合部15を有し、両者は互いに結合 れている。駆動軸14は、図示しないが、回 自在に支持されるとともに、モータ等の回 駆動源に連結されて回転駆動される。また ロータ13とハウジング1とは、図示しないが 相互の位置関係が一定に保持される。磁気 合部15の上面部には駆動磁石16が埋設され、 定されている。駆動磁石16は円柱状であり 周方向に6個、一定間隔をもって配置されて る。

 駆動磁石16は、ハウジング1の壁を挟んで 動磁石12と対向する位置関係となるように 置されている。従って、ロータ13とインペラ 5との間は、磁気的に連結された状態が形成 れ、ロータ13を回転させることにより、イン ペラ5が磁気結合を介して回転駆動される。

 ハウジング1の底部の中央部には、上方、 すなわちポンプ室2内部に突出した円筒形外 面を有する台座20が形成されている。台座20 、インペラ5の下部の、従動磁石12および環 連結部8の内側の領域の空間19を埋めるよう 形成され、空間の体積を最少限に制限して る。それにより、ポンプ室2内の血液充填量 が低減される。

 上部軸受け9は、入口ポート3の下方であ て、ポンプ室2に入り込んだ位置に配置され いる。入口ポート3の下端部内面に3本の軸 け支柱17が設けられ、斜め下方に延びてポン プ室2内に入り込み、入口ポート3の流路断面 中心部においてその先端に上部軸受け9が支 持されている。下部軸受け10は、台座20の上 部中央に設けられている。

 以上のような構造のターボ式血液ポンプ 、インペラ5が上部軸受け9と下部軸受け10に より、上下で支持されている。そのため、イ ンペラ5の支持状態は安定し、安定した血液 給機能を得ることができる。しかも、環状 結部8は、特許文献1における円錐形台座のよ うにハウジング1の底面全体を覆う大きさで なく、インペラ5は、回転軸7と環状連結部8 間に亘る領域に空間を有する。したがって インペラ5は軽量であり、駆動力が小さくて む。

 また、回転軸7と環状連結部8の間に亘る領 に、ベーン6の間を上下に貫通する流路が形 されるので、特許文献1における血液流通孔 の作用と同様に、インペラ5の下部に形成さ る淀み部の血液は、下部軸受け10の近傍を通 過してインペラ5の上部に達し、羽根車の外 方向に向かって流れる。

特開平4-224760号公報

特開2002-85554号公報

 しかしながら、特許文献2に開示された従 来例の血液ポンプの構造の場合、回転軸7の 辺、例えば台座20の上面の下部軸受け10の近 に、血栓の形成が多く見られることが判明 た。

 実験の結果、インペラ5とハウジング1底 の間の間隙における血液は、インペラ5の中 に向かって流動するものの、環状連結部8の 内側の間隙部21においては血液流の流速が小 くなり、特に、台座20の上面の下部軸受け10 の近傍では十分な速度の血液流が形成されな いことが判った。そのため血液が滞留し、下 部軸受け10の発生する熱が主要な原因となっ 、溶血が発生する。また、前記滞留により 下部軸受け近傍では、血栓を形成し易い状 になっている。

 本発明は、インペラの回転軸が上下の軸 けで支持され、ベーンの外周縁部の下部が 状連結部により連結された構造を有し、下 軸受けの近傍における血栓の形成が抑制さ たターボ式血液ポンプを提供することを目 とする。

 本発明のターボ式血液ポンプは、ポンプ 、入口ポートおよび出口ポートを有するハ ジングと、前記ポンプ室内に回転自在に支 されたインペラと、前記インペラを回転駆 するための駆動力伝達要素とを備える。前 インペラは、上部軸受けと下部軸受けによ 上下端で回転自在に支持された回転軸と、 数のベーンと、少なくとも一部の前記ベー の内周側を前記回転軸に結合するアームと 前記ベーンの各々の外周側に連結された環 連結部と、前記環状連結部の下部に配置さ た従動磁石部とを有する。前記駆動力伝達 素は、前記ハウジングの外側下部に配置さ 回動可能なロータに設けられた駆動磁石部 前記インペラの前記従動磁石部とが、前記 ウジングの底部壁を挟んで対向し、磁気結 を介して前記ロータの回転が前記インペラ 伝達されることにより構成される。

 上記課題を解決するために、前記インペ は、前記回転軸と前記環状連結部の間に亘 領域の前記ベーンの下方に配置された封鎖 材を備え、前記封鎖部材は、前記回転軸と 記環状連結部の間に亘る領域の空間を、少 くとも前記回転軸の周囲に開口を残して封 している。

 上記構成によれば、インペラとハウジン 底面の間の間隙における血液は、封鎖部材 下面に沿ってインペラの中心に向かって流 した後、封鎖部材の開口を通って上昇する 封鎖部材の開口面積は限定されているため 下部軸受けに隣接し回転軸に沿って十分な 度の血液流が形成され、血液の滞留を発生 せることがない。従って、従来例の構造で 、血液が滞留して下部軸受けの発生する熱 より血栓が形成され易かった領域も、常に い流される状態になるため、血栓の形成が 制される。また、当該部位では、上述した 液の流れにより、下部軸受けが発生する熱 よる血液の温度上昇も抑制される。

本発明の実施の形態1におけるターボ式 血液ポンプの断面図 図1のターボ式血液ポンプのインペラの 上面図 同インペラの断面図 図1のターボ式血液ポンプにおける血栓 形成を抑制する効果を試験した実験結果を示 す図 本発明の実施の形態2におけるターボ式 血液ポンプのインペラを示す上面図 従来例のターボ式血液ポンプの断面図 図6のターボ式血液ポンプのインペラの 上面図

符号の説明

 1 ハウジング
 2 ポンプ室
 3 入口ポート
 4 出口ポート
 5、22、25 インペラ
 6 ベーン
 6a 大きいベーン
 6b 小さいベーン
 7 回転軸
 8 環状連結部
 9 上部軸受け
 10 下部軸受け
 11 磁石ケース
 12 従動磁石
 13 ロータ
 14 駆動軸
 15 磁気結合部
 16 駆動磁石
 17 軸受け支柱
 18 アーム
 19 空間
 20 台座
 21 間隙部
 23、26 封鎖部材
 24 開口部
 27 円形の領域
 28 放射状領域

 本発明のターボ式血液ポンプは、上記構 を基本として、以下のように変更された態 をとることができる。

 すなわち、前記環状連結部及び前記従動 石部の形成する円筒形内周面に包囲された 記インペラの下部の領域の空間に対応させ 、前記ハウジングの底部中央部に上方に突 した円筒形外周面を有する台座が形成され 前記台座に前記下部軸受けが設けられた構 とすることが好ましい。

 前記封鎖部材の開口部は、前記回転軸と 心の円形であり、前記封鎖部材の開口部の 径をd、前記台座の円筒面の直径をDとした き、前記開口部の直径dは、0.12D≦d≦0.3Dの範 囲に設定されていることが好ましい。より好 ましくは、前記開口部の直径dは、0.12D≦d≦0. 225Dの範囲に設定される。

 また、前記封鎖部材の前記開口部は、前 回転軸と同心の円形の領域から放射状に延 た複数の放射状領域を含む構成とすること できる。

 以下、本発明の実施形態におけるターボ 血液ポンプについて、図面を参照しながら 明する。

 (実施の形態1)
 本発明の実施の形態1におけるターボ式血液 ポンプの基本的な構造は、図6および図7に示 た従来例のものと同様である。従って、図6 および図7に示した要素と同様の要素につい は、同一の参照符号を付して、説明の繰り しを簡略化する。

 図1は、本実施の形態におけるターボ式血 液ポンプを示す断面図である。ハウジング1 ポンプ室2を形成し、ポンプ室2の上部に入口 ポート3が、ポンプ室2の側部に出口ポート4が 設けられている。インペラ22は、ベーン6がア ーム18を介して回転軸7に取り付けられ、ベー ン6の周縁部側が環状連結部8に結合された構 を有する。

 図2にインペラ22の上面図、図3に同断面図 を示す。図2に示すように、6枚のベーン6は、 大きいベーン6aと小さいベーン6bからなり、 互に配置されている。大きいベーン6aは、中 心側端部がアーム18により回転軸7に結合され 、小さいベーン6bは、中心側端部が回転軸7に は結合されず自由端となっており、周縁側端 部のみが環状連結部8に結合されている。

 図1に示すように、回転軸7は、ハウジン 1に設けた上部軸受け9及び下部軸受け10によ 、回転自在に支持されている。環状連結部8 には、磁石ケース11が設けられ、磁石ケース1 1には従動磁石12が埋設、固定されている。ハ ウジング1の下部には、互いに結合された駆 軸14と略円柱状の磁気結合部15を有するロー 13が配置されている。磁気結合部15の上面部 には駆動磁石16が埋設、固定されている。駆 磁石16は、ハウジング1の壁を挟んで従動磁 12と対向する位置関係となるように配置さ 、ロータ13とインペラ22との間は、磁気的に 結された状態が形成される。

 従動磁石12が設置された環状連結部8の面 、回転軸7に対して直交せず、所定の角度を 有する傾斜面である。同様に駆動磁石16が設 された磁気結合部15の上面も傾斜面である このように、従動磁石12と駆動磁石16とが、 ンペラ22の回転軸に対して傾斜した面にお て磁気結合を形成していることにより、イ ペラ22とロータ13の間に作用する磁気吸引力 、インペラ22の回転軸に対して傾斜した方 に発生する。その結果、下部軸受け10に対す る下向きの負荷が軽減される。従って、下部 軸受け10の摩耗が緩和され、磁気結合の強さ 十分な大きさにすることができる。

 図3に示すように、インペラ22は、環状連 部8の内側の領域に空間19を有する。環状連 部8および磁石ケース11の内周面は、円筒面 形成している。図1に示すように、ハウジン グ1の底部の中央部には、上方、すなわちポ プ室2内部に突出した円筒形外周面を有する 座20が形成されている。台座20は、インペラ 22の下部の、従動磁石12および環状連結部8の 側の領域の空間19を埋めるように形成され 空間の体積を最少限に制限している。

 上部軸受け9は、入口ポート3の下端部内 に設けられた3本の軸受け支柱17の先端に支 されている。下部軸受け10は、台座20の上面 中央に設けられている。

 図2、図3に明瞭に示されるように、イン ラ11は、回転軸7と環状連結部8の間に亘る領 のベーン6の下方に配置された封鎖部材23を する。封鎖部材23は、回転軸7と環状連結部8 の間に亘る領域の空間からベーン6の間を通 て貫通する流路を、回転軸7の周囲に一部の 口部24を残して封鎖している。封鎖部材23を 設けることにより、回転軸7の周辺、例えば 台座20の上面の下部軸受け10の近傍における 血栓の形成を以下に説明するとおり抑制す ことができる。

 すなわち、封鎖部材23を設けることによ 、インペラ22とハウジング1底面の間の間隙 おける血液は、封鎖部材23の下面に沿いイン ペラ5の中心に向かって流動した後、封鎖部 23の開口部24を通って上昇する。そのとき、 口部24の面積が制限されているので、下部 受け10に隣接し回転軸7に沿って、十分な速 の血液流が形成され、血液の滞留を発生さ ることがない。従って、従来例の構造では 液が滞留して血栓が形成された領域も、常 洗い流される状態になるため、血栓の形成 抑制されるものと考えられる。

 封鎖部材23により得られる効果を確認す ための実験の結果について、図4に示す。血 形成の評価用の試験液として、油絵具とオ ルを6:4の重量比で混合した液体を用いた。 1に示すターボ式血液ポンプの構造における 、封鎖部材23の開口部24の直径を変えながら 試験液をポンプ駆動により循環させて、台 20の上面に形成された油膜の大きさを検査し た。ポンプ流量は2.0L/min、回転数は4000min-1、 環時間は2分とした。

 図4に示すグラフにおいて、横軸は、封鎖 部材23の開口部24の直径dである。縦軸は、形 された油膜(残存油膜)の直径の、台座20の直 径に対する割合(%)を示す。但し、台座20の直 は、台座20の円筒面の直径D(=20mm)で表す。回 転軸7の直径は2mm、環状連結部8の内周面の直 は22mmである。従って、開口部24の直径dは、 2mm~22mmの間で変化させた。

 開口部24の直径dを22mm(封鎖部材23なし)か 小さくするのに伴い、13mm付近から残存油膜 割合が減少し始める。そして、直径d=6mmに ると、直径dを小さくすることによる残存油 の減少の効果が緩やかになる。直径d=2.4mm~4. 5mmの範囲で、残存油膜の減少の効果が最も大 きかった。2.4mmより小さくなると、逆に残存 膜の割合は増大した。これは血液の流路が さくなりすぎるためである。

 以上のとおり、開口部24の直径dは、血栓 形成を抑制するためには2.4mm~4.5mmの範囲と ることが最適である。一方、他の条件を考 して、開口部24の直径dを上記の最適な範囲 りも大きめ、すなわち4.5mmを超えて6mmまでの 大きさにしても、血栓の形成を抑制する効果 は、実用上は十分に得られる。なお、開口部 24の直径dの適当な範囲は、ターボ式血液ポン プの寸法によって若干変わるが、通常用いら れる範囲のターボ式血液ポンプであれば、以 下のように規格化した範囲とすれば、所望の 効果を得ることが可能である。

 すなわち、台座20の円筒面の直径Dに対し 、開口部24の直径dは、0.12D≦d≦0.3Dの範囲、 好ましくは、0.12D≦d≦0.225Dの範囲に設定すれ ばよい。

 (実施の形態2)
 本発明の実施の形態2におけるターボ式血液 ポンプについて、図5に示すインペラ25の上面 図を参照して説明する。本実施の形態におけ るターボ式血液ポンプの構造は、概ね実施の 形態1におけるものと同様である。

 本実施の形態においては、図5に示すよう に、インペラ25の封鎖部材26の形状のみが、 施の形態1とは相違する。すなわち、封鎖部 26の開口部は、回転軸7と同心の円形の領域2 7を有するとともに、更に、円形の領域27から 放射状に延びた複数の放射状領域28を含む。

 封鎖部材26の開口部をこのような形状に ても、円形の領域27による血栓の形成を抑制 する効果を、実用上十分な程度に得ることが 可能である。加えて、放射状領域28を設ける とにより、プライミングの効率を向上させ ことが可能である。但し、放射状領域28の 口率を大きくしすぎると、血栓の形成を抑 する効果が減少する影響が出る。従って、 部分の形状・寸法に合わせ、両方の効果の ランスを考慮して放射状領域28の開口率を決 定することが望ましい。

 本発明のターボ式血液ポンプによれば、 ンペラが上下の軸受けで支持され、ベーン 外周縁部の下部が環状連結部により連結さ た構造における、下部軸受けの近傍におけ 血栓の形成が抑制され、人工心肺装置等に ける体外血液循環を行うための血液ポンプ して好適である。