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Title:
TURBOMOLECULAR PUMP
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/122506
Kind Code:
A1
Abstract:
A turbomolecular pump comprising a base (3); a rotor (4) rotatably supported thereon; a stator (400) disposed around the rotor (4); and a tubular casing (2) designed to accommodate the stator (400). The stator (400) consists of a laminate of multiple stages of fixed blades (43) and spacers (48) superimposed one upon another on a flange surface (31) of the base (3). At least one of the spacers (48) is provided in linked relationship with a circular ring part (483) covering the outer circumferential surface of other spacers (48) inside the casing (2).

Inventors:
YAMAGUCHI TOSHIKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/056350
Publication Date:
October 08, 2009
Filing Date:
March 31, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SHIMADZU CORP (JP)
YAMAGUCHI TOSHIKI (JP)
International Classes:
F04D19/04
Foreign References:
JP2006170217A2006-06-29
JP2003262198A2003-09-19
Attorney, Agent or Firm:
NAGAI, Fuyuki (JP)
Fuyuki Nagai (JP)
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Claims:
 ベースに回転可能に支持されたロータと、
 前記ロータの周囲に配設されたステータと、
 前記ステータが収容される筒状のケーシングとを備え、
 前記ステータは、複数段の固定翼およびスペーサを、前記ベースのフランジ面上に第1段から最終段に至るまで交互に積層してなり、
 少なくとも一の前記スペーサには、前記ケーシングの内側で他の前記スペーサの外周面を覆う円環状のリング部が連設されるターボ分子ポンプ。
 請求項1に記載のターボ分子ポンプにおいて、
 前記ロータと前記ステータとの間の径方向の隙間は、前記リング部と前記ケーシングとの間の径方向の隙間よりも小さいターボ分子ポンプ。
 請求項1または2に記載のターボ分子ポンプにおいて、
 前記リング部は、前記ベースのフランジ面側にかけて延設されるターボ分子ポンプ。
 請求項3に記載のターボ分子ポンプにおいて、
 前記リング部は、前記最終段のスペーサに設けられ、その先端部は前記第1段のスペーサの側方にかけて延設されるターボ分子ポンプ。
 請求項4に記載のターボ分子ポンプにおいて、
 前記ベースのフランジ面上には、前記ケーシングの内側で前記リング部の先端部外周面を覆うように外周押さえ部が設けられるターボ分子ポンプ。
Description:
ターボ分子ポンプ

 本発明は、ターボ分子ポンプに関する。

 ケーシング内で高速回転するロータを有 るターボ分子ポンプにおいては、ロータの 壊によるエネルギーが外側のケーシングに 達されるのを防ぐようにしたものがある(例 えば特許文献1参照)。この特許文献1記載のも のは、外側ケーシングの内側に内側ケーシン グを二重に設けるようにしている。

特開2001-82379号公報(とくに図2)

 しかしながら、上記特許文献1記載のもの は、二重の内側ケーシングをそれぞれ同一の フランジ面上に支持するので、双方の内側ケ ーシングをがたつきなく支持することが困難 である。

 本発明によるターボ分子ポンプは、ベース 回転可能に支持されたロータと、ロータの 囲に配設されたステータと、ステータが収 される筒状のケーシングとを備える。ステ タは、複数段の固定翼およびスペーサを、 ースのフランジ面上に第1段から最終段に至 るまで交互に積層してなり、少なくとも一の スペーサに、ケーシングの内側で他のスペー サの外周面を覆う円環状のリング部が連設さ れる。
 ロータとステータとの間の径方向の隙間を リング部とケーシングとの間の径方向の隙 よりも小さくすることもできる。
 リング部を、ベースのフランジ面側にかけ 延設することもできる。
 この場合、リング部を、最終段のスペーサ 設け、その先端部を第1段のスペーサの側方 にかけて延設することが好ましい。
 ベースのフランジ面上に、ケーシングの内 でリング部の先端部外周面を覆うように外 押さえ部を設けてもよい。

 本発明によれば、一のスペーサにリング を連設して他のスペーサの外周面を覆うよ にしたので、ステータとリング部をベース ケーシングの間でがたつきなく支持するこ ができる。

本発明の第1の実施の形態に係るターボ 分子ポンプの要部構成を示す図。 図1の比較例としてのターボ分子ポンプ の全体構成を概略的に示す図。 図1の変形例を示す図。 本発明の第2の実施の形態に係るターボ 分子ポンプの要部構成を示す図。

-第1の実施の形態-
 以下、図1~3を参照して本発明の第1の実施の 形態について説明する。
 図1(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る ーボ分子ポンプの要部構成を示す断面図で り、図1(b)は図1(a)の要部拡大図である。図2 、図1の比較例としてのターボ分子ポンプの 体構成を概略的に示す断面図である。この ーボ分子ポンプは、例えば半導体製造装置 用いられる真空ポンプであり、まず、図2に よりターボ分子ポンプの概略構成について説 明する。なお、説明の便宜上、以下では図示 のようにターボ分子ポンプの上下方向を定義 する。

 図2に示すようにターボ分子ポンプのポン プ本体1は、略円筒形状の外側ケーシング2と 外側ケーシング2の下部に設けられるベース 3と、外側ケーシング2に収容され、ベース3に 回転可能に支持されるロータ4とを有する。 側ケーシング2の上部フランジ21は、図示し い半導体製造装置側の真空チャンバのフラ ジに、ボルトによって固定される。外側ケ シング2の下端面とベース3の上端面は、Oリ グ26を介してボルト27(図1)により締結されて る。

 ロータ4の外周面には、上下方向に間隔を あけて複数段の回転翼41が形成され、各段の 転翼41の間に固定翼43が交互に挿設されてい る。複数段の固定翼43はスペーサ48を介して 層されている。ロータ4の回転翼41の下方に 回転円筒部42が形成されている。ベース3側 は回転円筒部42に対向して固定円筒部が44が けられ、固定円筒部44の内周面に螺旋状溝 形成されている。以上の回転翼41と固定翼43 タービン翼部を構成し、回転円筒部42と固 円筒部44はモレキュラードラッグポンプ部を 構成する。

 ロータ4は、上下一対のラジアル磁気軸受 け51およびアキシャル磁気軸受け52により非 触支持され、モータ6により回転駆動される モータ6は例えばDCブラシレスモータであり ロータ4のシャフト部45に、永久磁石が内蔵 れたモータロータ61が装着され、ベース3側 、回転磁界を形成するためのモータステー 62が設けられている。

 磁気軸受け51,52には、ロータ4の浮上位置 検出するためのラジアル変位センサ53,54お びスラスト変位センサ55がそれぞれ設けられ ている。シャフト部45の下端にはセンサター ット46が設けられ、センサーターゲット46と 対向する位置にギャップセンサ55が設けられ いる。なお、56,57は、非常用のメカニカル アリングである。

 このようなターボ分子ポンプ1では、ロー タ4の高速回転により吸気口1aからガス分子が 流入する。流入したガス分子はタービン翼部 およびモレキュラードラッグポンプ部のガス 通路をそれぞれ経て排気口1bから排気される このガス分子の流れにより吸気口1a側が高 空状態となる。

 ここで、何らかの原因により高速回転中 ロータ4が破壊すると、遠心力によってロー タ4が周囲に飛散し、その飛散物により外側 ーシング2にはロータ4の回転方向と同方向の 回転トルクが作用する。この回転トルクは上 部のフランジ21を介して真空系のフランジに 用するため、真空系の装置が破損するおそ がある。これを防止するため、本実施の形 では以下のように外側ケーシング2の内側に 略リング状のケーシング部を設ける。

 図1に示すように外側ケーシング2のフラ ジ部21には、周壁22よりも内径側に突出した 出部23が設けられている。この突出部23の下 面には、周方向にわたって凹部24が形成され 凹部24によりフランジ面25が形成されている 。一方、ベース3の上面にはフランジ面31が形 成され、フランジ面31上に周方向にわたって 部32が形成されている。

 スペーサ48は略リング形状をなし、固定 43は周方向に2分割した半割れ形状をなして る。ロータ4および固定翼43はアルミニウム 金により構成され、スペーサ48と外側ケーシ ング2はアルミニウム合金よりも高強度の材 、例えばステンレスにより構成されている

 各スペーサ48の上下面には、それぞれ周 向にわたって段部481,482が形成され、各固定 43の外周縁部には、それぞれ周方向にわた てフランジ部が431形成されている。ベース3 フランジ面31には所定厚さのスペーサ48と固 定翼43のフランジ部431とが交互に積層され、 体で積層体400(ステータ)が形成されている 積層体400は、ボルト27の締結力によりベース 3のフランジ面31と外側ケーシング2のフラン 面25との間に挟持されている。

 ベース3の凸部32には最下段のスペーサ48 下側段部482が嵌合し、ベース3に対してスペ サ48が位置決めされている。スペーサ48の上 側段部481には固定翼43のフランジ部431が嵌合 、スペーサ48を介して固定翼43が位置決めさ れている。最上段のスペーサ48の段部481には 外側ケーシング2の凹部24が嵌合し、スペー 48を介して外側ケーシング2が位置決めされ いる。

 最上段のスペーサ48には、円筒形状のケ シング部483が一体に設けられている。ケー ング部483は他のスペーサ48よりも大径であり 、ベース3のフランジ面31にかけて下方に延設 され、ケーシング部483により積層体400の外周 全体が覆われている。

 ケーシング部483とその内側の積層体400と 間、ケーシング部483とその外側の外側ケー ング2との間、およびケーシング部483とその 先端のベース3との間にはそれぞれ隙間a1~a3が 設けられている。これによりスペーサ48の取 の際のケーシング部483と周囲の部品との干 が防止される。なお、ケーシング部483とベ ス3のフランジ面31との間の隙間a3は、少な とも最下段のスペーサ48の高さよりも小さく なるように、例えばケーシング部483の下端面 が凸部32の上面よりも下方に至るように設定 れている。

 積層体400の高さ方向中央部に配置された ペーサ48には、径方向に貫通孔484が開口さ ている。貫通孔484は隙間a1~a3内に溜まったガ スを積層体400の内側のガス通路に排気するた めのものであり、下流側のガス通路と隙間a1~ a3は貫通孔484を介して連通している。

 ポンプ本体1を組み立てる場合には、まず 、ベース3にロータ4を回転可能に支持し、ベ ス3のフランジ面31上に最下段のスペーサ48 設置する。次いで、段部481,482とフランジ部4 31を互いに嵌合しつつ、固定翼43とスペーサ48 を交互に積層する。最上段のスペーサ48を積 し終えると、フランジ部483により固定翼43 スペーサ48の外周が覆われる。さらに、外側 ケーシング2を積層体400の上方から覆い被せ 外側ケーシング2の下端面をベース3のフラン ジ面31にボルト27で締結する。これによりス ーサ48と固定翼43からなる積層体400がベース3 のフランジ面31と外側ケーシング2のフランジ 面25との間に挟持される。

 第1の実施の形態に係るターボ分子ポンプの 主要な動作を説明する。
 何らかの原因により高速回転中のロータ4が 破壊すると、その破壊による飛散物が固定翼 43やスペーサ48を介してケーシング部431の内 面に衝突する。これによりケーシング部431 変形、あるいはケーシング部431がロータ4の 散物からのトルクによって外側ケーシング2 に対し相対回転し、ロータ破壊のエネルギー がケーシング部431で吸収される。このケーシ ング部431の機能により、ロータ4の破壊によ 回転トルクが外側ケーシング2に伝達される とを抑制することができ、真空系の装置の 損を防止できる。

 以上の実施の形態によれば次のような作用 果を奏することができる。
(1)最上段のスペーサ48に大径のケーシング部4 83を連設し、ケーシング部483により固定翼43 スペーサ48の外周を覆うようにした。これに よりロータ4の破壊による衝撃が外側ケーシ グ2に伝達されることを抑制できるとともに ケーシング部483をがたつきなく支持できる すなわち、仮にケーシング部483をスペーサ4 8とは別体に設けてベース3のフランジ面31上 支持する場合、スペーサ48とケーシング部483 をベース3と外側ケーシング2の間に別々に挟 するため、ケーシング部483の取付位置にが つきが生じやすい。これに対し本実施の形 では、ケーシング部483をスペーサ48と一体 設けているので、ケーシング部483を別に挟 する必要がなく、ケーシング部483のがたつ を防ぐことができる。

(2)ケーシング部483をスペーサ48と一体に設け ので、部品点数の増加を防止することがで 、コストを抑えることができるとともに、 ンプ本体1の組立性も容易である。
(3)積層体400の外側に円筒形状のケーシング部 483を配設するので、その分、外側ケーシング 2の周壁22の内径側の肉厚を薄くしても、ケー シング全体の強度を確保することができる。 このため外側ケーシング2の外径を大きくす 必要がなく、ポンプ本体1の大型化を防ぐこ ができる。
(4)ケーシング部483を下側に向けて延設するの で、スペーサ48を容易に積層することができ 。

(5)ケーシング部483を最上段のスペーサ48から ース3にかけて延設し、ケーシング部48によ 積層体400の全体を覆うようにしたので、ロ タ破壊のエネルギーをケーシング部48で確 に吸収することができる。
(6)スペーサ48に径方向にかけて貫通孔484を開 するので、隙間a1~a3に溜まったガスをガス 路の下流側へと流すことができ、吸気口1a側 を高真空状態に維持できる。
(7)ケーシング部483の周囲に隙間a1~a3を設ける うにしたので、ケーシング部483が他の部品 干渉することがなく、ポンプ本体1を容易に 組み立てることができる。

 上記実施の形態では、ケーシング部483の 方向内側および外側にそれぞれ隙間a1,a2を けるようにしたが、図3に示すように外側の 間a2を内側の隙間a1より大きくしてもよい。 これによりロータ破壊時の飛散物の衝突によ り、ケーシング部483が外側ケーシング2の内 で径方向外側に大きく変形可能となり、ロ タ破壊のエネルギーを効率よく吸収できる

-第2の実施の形態-
 図4を参照して本発明の第2の実施の形態に いて説明する。
 図4は、第2の実施の形態に係るターボ分子 ンプの要部構成を示す断面図である。なお 図2(b)と同一の箇所には同一の符号を付し、 下ではその相違点を主に説明する。

 第2の実施の形態が第1の実施の形態と異 るのは、ベース3のフランジ面31の形状であ 。すなわちフランジ面31には、凸部32の径方 外側にさらに全周にわたって凸部33が設け れている。凸部33の上端面は、ケーシング部 483の下端面よりも上方に位置し、ケーシング 部483と凸部33の間には径方向に隙間a4が設け れている。隙間a4は、ケーシング部483と外側 ケーシング2の間の隙間a2よりも小さく形成さ れている。

 これによりロータ4の破壊によりケーシン グ部483が外側に変形すると、ケーシング部483 は外側ケーシング2の周壁22に接触する前に凸 部33に接触する。このためケーシング部483の 形が凸部33により抑えられ、ケーシング部48 3と外側ケーシング2の接触を防ぐことができ 。

 なお、上記実施の形態では、スペーサ48 ステンレスにより構成したが、ケーシング 483を有する最上部のスペーサ48のみをステン レスにより構成し、他のスペーサ48を固定翼4 3と同様、アルミ等で形成してもよい。段部48 1,482を介してスペーサ48と固定翼43を積層した が、ステータとしての積層体400の構成はこれ に限らない。例えばスペーサ48の上面にピン 突設し、ピンを介してスペーサ48と固定翼43 を位置決めしながら積層してもよい。

 ロータ4を回転可能に支持するベース3の 成、および積層体400を収容するケーシング しての外側ケーシング2の構成は上述したも に限らない。最上段(最終段)のスペーサ48に ケーシング部483を設けるようにしたが、少な くとも他のスペーサ48の外周面を覆うように 環状に形成されるのであれば、リング部の 成はこれに限らない。最上段以外のスペー 48にケーシング部483を設けてもよく、ケー ング部483を複数のスペーサ48に設けてもよい 。

 ケーシング部483を最下段(第1段)のスペー 48の側方にかけて延設するようにしたが、 ーシング部483の先端位置をこれより上に設 してもよい。ケーシング部483を積層体400の 側ではなく上側に向けて延設してもよい。 ング部483の先端外周面を覆うように凸部33を 設けたが(図4)、外周押さえ部の形状はこれに 限らない。すなわち本発明の特徴、機能を実 現できる限り、本発明は実施の形態のターボ 分子ポンプに限定されない。