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Patent Searching and Data


Title:
TWO-DIMENSIONAL SCANNING PROJECTOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/118937
Kind Code:
A1
Abstract:
A two-dimensional scanning projector comprises a first deflector for defecting a light flux in a first direction and a scanning optical system disposed between the first deflector and a surface to be scanned. The scanning optical system is so structured that central axes of optical members constituting the scanning optical system are located as the optical axis of the scanning optical system in the same straight line and each of the optical members has power rotationally symmetric about the optical axis. The center of the surface to be scanned is shifted in a second direction from a point of intersection of a plane including the surface to be scanned with the optical axis. The first deflector is disposed with its rotational axis inclined at a first angle in the second direction within a plane including the optical axis and the second direction. The light flux emitted from a light source obliquely enters the first deflector such that the principal ray of the light flux which enters the center of a projected image within the plane including the optical axis and the second direction forms a second angle with the optical axis.

Inventors:
MATSUOKA SHOHEI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/068641
Publication Date:
October 01, 2009
Filing Date:
October 15, 2008
Export Citation:
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Assignee:
HOYA CORP (JP)
MATSUOKA SHOHEI (JP)
International Classes:
G02B26/10; G02B13/00; G02B17/08; G03B21/00
Foreign References:
JP2005157111A2005-06-16
JP2004138719A2004-05-13
JP2007024938A2007-02-01
Attorney, Agent or Firm:
MATSUOKA, SHUHEI (JP)
Shuhei Matsuoka (JP)
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Claims:
 光源から照射された光束を、第一方向および該第一方向に直交する第二方向に走査し、被走査面上に二次元像を投影する二次元走査型投影装置であって、
 前記光束を第一方向に偏向する第一の偏向器と、
 前記第一の偏向器と前記被走査面間に配設される走査光学系と、を有し、
 前記走査光学系は、該走査光学系を構成する各光学部材の中心軸が該走査光学系の光軸として同一直線上に位置し、かつ各光学部材が前記光軸に対して回転対称なパワーを有するように構成され、
 前記被走査面の中心は、該被走査面を含む平面と前記光軸との交点よりも前記第二方向にシフトしており、
 前記第一の偏向器は、該第一の偏向器の回転軸が、前記光軸および前記第二方向を含む面内において、前記第二方向に対して第一の角度だけ傾いて配設され、
 前記光源から照射された光束は、前記光軸および前記第二方向を含む面内において、前記投影画像中心に入射することになる光束の主光線が前記第一の偏向器に、前記光軸に対して第二の角度をなすように斜入射することを特徴とする二次元走査型投影装置。
 請求項1に記載の二次元走査型投影装置において、
 以下の二つの条件、
但し、Hは、前記交点から前記被走査面下方端辺中心までの距離を、
Dは、前記交点から前記被走査面下方端辺の一端までの距離を、
H”は、前記交点から前記被走査面上方端辺中心までの距離を、
D”は、前記交点から前記被走査面上方端辺の一端までの距離を、
fは、前記走査光学系の焦点距離を、
αは、前記第一方向における半画角を、
ρは、前記第一の角度を、
βは、前記第二の角度を、
ωは、前記第二方向における半画角を、それぞれ表す、
を満たすことを特徴とする二次元走査型投影装置。
 請求項2に記載の二次元走査型投影装置において、
 さらに、以下の条件、
但し、H’は、前記交点から前記被走査面中心までの距離を、
D’は、前記交点から前記被走査面側方端辺中心までの距離を、それぞれ表す、
を満たすことを特徴とする二次元走査型投影装置。
 前記光源と前記第一の偏向器の間に配設され、前記光束を第二方向に偏向する第二の偏向器と、
 前記第一の偏向器と前記第二の偏向器の間に配設され、前記第二の偏向器から射出された光束を前記第一の偏向器に導くリレー光学系と、を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の二次元走査型投影装置。
 前記光源は、前記第二方向に対応する方向に配設された複数の発光部を有しており、
 前記二次元走査型投影装置は、前記光源と前記第一偏向器の間に配設され、前記複数の発光部から照射された複数の光束を同時に前記第一の偏向器に入射させる集光光学系を有しており、
 前記被走査面上において、前記複数の光束を同時に第一方向に走査させることにより、二次元走査を実現することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の二次元走査型投影装置。
 請求項1から請求項5のいずれかに記載の二次元走査型投影装置において、
 前記光軸および前記第二方向を含む面内において、前記第一の偏向器に入射される前記主光線と前記第一の偏向器の回転軸に直交する平面とがなす角度が前記第二の角度よりも小さくなるように、前記第一の角度と該第二の角度が共に同符号であることを特徴とする二次元走査型投影装置。
 請求項1から請求項6のいずれかに記載の二次元走査型投影装置において、
 前記走査光学系は、前記被走査面上における走査の等速性の維持に寄与する少なくとも一枚の反射面を有することを特徴とする二次元走査型投影装置。
 請求項1から請求項7のいずれかに記載の二次元走査型投影装置において、
 前記走査光学系は、f(β+ω)≦H”≦ f tan(β+ω)を満足するfθ特性からftanθ特性までの負のディストーションを有することを特徴とする二次元走査型投影装置。
Description:
二次元走査型投影装置

 この発明は、光源から照射された光束を 次元走査することにより生成される画像を 定の被走査面上に拡大投影する二次元走査 投影装置に関する。

 近年、光源から照射された光束を二次元 査することにより生成される画像をスクリ ン等の被走査面上に拡大投影する二次元走 型投影装置が知られている。さらに、この 次元走査型投影装置において、走査光学系 光軸がスクリーンに対して傾くように構成 れた装置が知られている。このように構成 れた二次元走査型投影装置は、スクリーン 部に配設された画像生成部からスクリーン 域へ画像を投影する、いわゆる打ち上げ投 を可能とする。打ち上げ投影可能な装置は 走査光学系の光軸がスクリーンに対して略 交する従前の非打ち上げタイプの投影装置 比べて省スペース化を達成することができ 。

 しかし、上記打ち上げ投影可能な装置に って投影される画像は、非打ち上げタイプ 投影装置に比べてTVディストーションや台 歪みが大きく発生すると言う問題点が指摘 れている。なお、ここでいうTVディストーシ ョンとは、スクリーンに投影された画像の歪 みのこという。具体的には、TVディストーシ ンは、投影された画像の長辺の、短辺方向 の歪みを数値で表す。投影装置において、 TVディストーションを低減させる技術は、 えば特開2004-138719号公報に開示されている。

 特開2004-138719号公報では、光源とスクリ ン間に走査光学系を配設した二次元走査型 影装置が開示されている。該投影装置では 走査光学系を偏心させて配置している。こ により、投影画像にアナモフィックな作用 付与し、TVディストーション等を補正しよう と試みている。

 しかし、特開2004-138719号公報に記載され 投影装置は、走査光学系を偏心させるため 該走査光学系を非常に複雑な構成にせざる 得ない。加えて、各レンズ間における高精 な位置決めが要求される。

 そこで、本発明は上記の事情に鑑み、い ゆる打ち上げ投影が可能な二次元走査型投 装置であって、複雑かつ高い精度が要求さ る構成を採用せずともTVディストーション 台形歪みと言った画質の低下を効果的に補 することが可能な二次元走査型投影装置を 供することを目的とする。

 上記の課題を解決するため、本発明に係 二次元走査型投影装置は、光源から照射さ た光束を第一方向および該第一方向に直交 る第二方向に走査し、被走査面上に二次元 を投影する二次元走査型投影装置であって 光束を第一方向に偏向する第一の偏向器と 第一の偏向器と被走査面間に配設される走 光学系と、を有し、走査光学系は、該走査 学系を構成する各光学部材の中心軸が該走 光学系の光軸として同一直線上に位置し、 つ各光学部材が光軸に対して回転対称なパ ーを有するように構成され、被走査面の中 は、該被走査面を含む平面と光軸との交点 りも第二方向にシフトしており、第一の偏 器は、該第一の偏向器の回転軸が、光軸お び第二方向を含む面内において、第二方向 対して第一の角度だけ傾いて配設され、光 から照射された光束は、光軸および第二方 を含む面内において、投影画像中心に入射 ることになる光束の主光線が第一の偏向器 、光軸に対して第二の角度をなすように斜 射することを特徴とする。

 本発明に係る二次元走査型投影装置によれ 、具体的には、以下の二つの条件を満たす うに構成することが望ましい。但し、Hは交 点から被走査面下方端辺中心までの距離を、 Dは交点から被走査面下方端辺の一端までの 離を、H”は交点から被走査面上方端辺中心 での距離を、D”は交点から被走査面上方端 辺の一端までの距離を、fは走査光学系の焦 距離を、αは第一方向における半画角を、ρ 第一の角度を、βは第二の角度を、ωは第二 方向における半画角を、それぞれ表す。

 さらに、本発明に係る二次元走査型投影装 によれば、以下の条件を満たすことが望ま い。但し、H’は交点から被走査面中心まで の距離を、D’は交点から被走査面側方端辺 心までの距離を、それぞれ表す。

 また、本発明に係る二次元走査型投影装 によれば、光源と第一の偏向器の間に配設 れ、光束を第二方向に偏向する第二の偏向 と、第一の偏向器と第二の偏向器の間に配 され、第二の偏向器から射出された光束を 一の偏向器に導くリレー光学系と、を有す 構成にすることができる。

 また、本発明に係る二次元走査型投影装 によれば、光源は、第二方向に対応する方 に配設された複数の発光部を有しており、 該二次元走査型投影装置は、光源と第一偏 器の間に配設され、複数の発光部から照射 れた複数の光束を同時に第一の偏向器に入 させる集光光学系を有する構成にしても良 。この場合、被走査面上において、複数の 束を同時に第一方向に走査させることによ 、二次元走査が実現される。

 本発明に係る二次元走査型投影装置によ ば、光軸および第二方向を含む面内におい 、第一の偏向器に入射される主光線と、第 の偏向器の回転軸に直交する平面とがなす 度が第二の角度よりも小さくなるように、 一の角度と第二の角度が共に同符号である とが望ましい。

 本発明に係る二次元走査型投影装置によ ば、上記走査光学系は、被走査面上におけ 走査の等速性の維持に寄与する少なくとも 枚の反射面を有してもよい。

 なお、本発明に係る二次元走査型投影装 に搭載される走査光学系は、f(β+ω)≦H”≦ f tan(β+ω)を満足するfθ特性からftanθ特性ま の負のディストーションを有することが望 しい。

 本発明に係る二次元走査型投影装置によ ば、打ち上げ投影型の投影装置であっても 従来のように複雑かつ高精度な走査光学系 用いることなく、TVディストーションや台 歪みを効果的に抑えることが可能になる。

本発明の実施形態の二次元走査型投影 置の構成を概略的に示す副走査断面図であ 。 本発明の実施形態の二次元走査型投影 置の光路を展開して示す図である。 本発明の実施形態の二次元走査型投影 置が満たす条件に関するパラメータを説明 る図である。 本発明の実施形態の二次元走査型投影 置が満たす条件を導出するための説明図で る。 本発明の実施形態の二次元走査型投影 置が満たす条件を導出するための説明図で る。 本発明の実施形態の二次元走査型投影 置が満たす条件を導出するための説明図で る。 本発明の実施形態の二次元走査型投影 置が満たす条件を導出するための説明図で る。 比較例の二次元走査型投影装置の光路 展開して示す図である。 本発明の実施例1の二次元走査型投影装 置により投影される画像の歪曲状態を示す図 である。 本発明の実施例2の二次元走査型投影 置により投影される画像の歪曲状態を示す である。 比較例の二次元走査型投影装置により 投影される画像の歪曲状態を示す図である。 図2の横方向偏向器周辺の光学系を拡 して示す図である。 本発明の変形例の二次元走査型投影装 置の光路を展開して示す図である。

 図1は本発明の実施形態の打ち上げ投影型 の二次元走査型投影装置100の概略構成を示す 図である。投影装置100は、ハウジング50内に 投影光学システム10、第一ミラーM1、第二ミ ラーM2、スクリーンSを有する。

 図2は、二次元走査型投影装置100における 光路を展開して示す図である。但し、図2で 第一ミラーM1と第二ミラーM2の反射面による 射光路を展開して図示している。図2に示す ように、投影光学システム10は、光源部1、第 二偏向器2、リレー光学系3、第一偏向器4、走 査光学系5を有する。一点鎖線で示す軸AXは、 走査光学系5の光軸である。

 なお、以下の説明では、走査光学系5の光 軸AXと第一偏向器4の回転軸を含む断面上にあ る走査光学系5の光軸の法線方向を縦方向、 軸AXと、前記法線に共に直交する方向を横方 向と定義する。例えば、全体の外形を略直方 体と見立てた二次元走査型投影装置100を、水 平面上に載置した状態を想定すると、横方向 は二次元走査型投影装置100が載置された水平 面と平行な方向にあり第一方向と一致する、 縦方向は鉛直方向に一致し、第二方向と一致 する。以下の説明では、第一偏向器4は横方 偏向器4、第二偏向器2は縦方向偏向器2と呼 。

 図1、図2では、横方向をY方向、縦方向をZ 方向で表す。また、Y、Zの各方向と直交する 向つまり被走査面であるスクリーンSに直交 する装置の奥行き方向をX方向と定義する。

 なお、実際の投影装置100では、ハウジン 50の形状や他の部材との位置関係によって 第一ミラーM1と第二ミラーM2だけでなく、さ に投影光学システム10内の図示しないミラ を配設して光路を折り曲げることもある。 かし以下では、上記各ミラーによる光路の り曲げは考慮せず、光路を展開した状態を 定して各部材の説明を行う。

 図2に示す光源部1は、外部から送信され 画像信号等に応じてオン、オフ変調された ーザー光を照射する。光源部1から照射され レーザー光は、縦方向偏向器2に入射する。

 縦方向偏向器2は、図2紙面に直交する中 軸周りに回転自在に構成される。つまり、 方向偏向器2は、入射したレーザー光をスク ーンSにおいて縦方向に走査させるための偏 向器である。

 縦方向偏向器2の偏向面で偏向したレーザ ー光は、リレー光学系3を介して横方向偏向 4に入射する。なお図2では、図示の便宜上、 横方向偏向器4の中心軸のみ示す。本実施形 のリレー光学系3は、レンズL31~L34の前群とレ ンズL35~L38の後群から構成される。図2中リレ 光学系3の中央近傍における破線は中間像形 成位置を示す。本実施形態では、リレー光学 系3における軸上光束がスクリーンSの略中心 入射する。つまり、リレー光学系3における 軸上光束が投影画像の中心領域を生成する。

 横方向偏向器4は、図2紙面に平行な中心 周りに回転自在に構成される。つまり、横 向偏向器4は、入射するレーザー光をスクリ ンSにおいて横方向に走査させるための偏向 器である。

 レーザー光は、横方向偏向器4の回転状態 に応じた角度で連続して偏向されつつ、走査 光学系5に入射する。なお、本実施形態では 査光学系5は4枚のレンズL51~L54から構成され 全体としてほぼfθ特性を有する。但し、走 光学系5を構成するレンズの枚数は、あくま 一例である。走査光学系5の各レンズL51~L54 、偏心していない。つまり、各レンズの中 軸は互いに一致し、走査光学系5の光軸AXを す。また、各レンズL51~L54は、それぞれ、光 AXを基準として回転対称なパワーを有する

 走査光学系5から射出された各レーザー光 は、スクリーンS上を横方向に走査する。こ で、上記の通り、本実施形態の二次元走査 投影装置100は、打ち上げ投影型として構成 れる。従って、図2に示すように、スクリー Sの中心Scは、走査光学系5の光軸AXとスクリ ンSを含む面(Y-Z平面)との交点Pよりも縦方向 (つまりZ方向)にシフトした位置にある。

 二次元走査型投影装置100では、横方向偏 器4による横方向への走査一回につき、縦方 向偏向器2が所定量回転するように構成され 。所定量は、スクリーンSの走査に同時使用 れるレーザー光の本数に、該レーザー光に ってスクリーンS上に形成されるスポットサ イズを乗じた長さに対応する量として定義さ れる。これを繰り返すことにより、スクリー ンS上に二次元画像が形成される。つまり、 実施形態における被走査面であるスクリー Sは、回動自在な感光ドラム等とは異なり、 査光学系5に対して不動である。

 以上のような構成の二次元走査型投影装 100において、横方向偏向器4は、図2に示す うに、X-Z平面において、該偏向器4の中心軸4 aがZ方向に対して傾くように配設される。つ り、横方向偏向器4は、自身の中心軸とZ方 がなす角(以下、第一の角度ρという)が0°以 の値となるように配置される。但し、Z方向 と一致する場合を0°とし、次の図12において 印で示した方向(反時計回り方向)を正とす 。図12は、図2の横方向偏向器4周辺の光学系 拡大して示す図である。

 また、二次元走査型投影装置100は、リレ 光学系3を介した光束が横方向偏向器4に対 て斜入射するように構成される。詳しくは 二次元走査型投影装置100は、横方向偏向器4 入射する光束のうち、スクリーンSの中心Sc 通ることになる光束の主光線Lが、X-Z平面に おいて横方向偏向器4に入射する際に光軸AXに 対して第二の角度βをなすように構成される 但し、第二の角度βは0°以外の値を採る。 た、横方向偏向器4に入射する主光線LがX-Y平 面に含まれる場合を0°とし、図12において矢 で示した方向(反時計回り方向)を正とする

 このように、本実施形態の二次元走査型 影装置100は、横方向偏向器4を傾けて配置す ると共に、光束を横方向偏向器4に対して斜 射させている。これにより、以下のような 果が得られる。

 第一に、打ち上げ投影型の投影装置で発 してしまうTVディストーションを非打ち上 投影型と略同程度まで良好に抑えることが 能になる。一般的に、横方向偏向器4の中心 と直交する平面(便宜上、回転断面という) で走査された光束は、走査線湾曲が発生し い。特に、光軸AXを含む回転断面上で走査さ れた光束であれば、縦方向の湾曲も発生しな い。そこで横方向偏向器4を傾けることによ 、当該回転断面とスクリーンS上に投影され 像とが接近することになる。つまり、投影 が光学的に良好とされる回転断面近傍で走 された光束により生成されることになるた 、TVディストーションが良好に抑えられる 別の表現によれば、横方向偏向器4を図12の の方向(反時計回り方向)に角度ρ傾けた分だ 、横方向偏向器4(回転断面)に対する主光線L の入射角を第二の角度βに対して小さくする とができるため、走査線湾曲が良好に抑え れ、TVディストーションの小さい画像がス リーンSに投影されることになる。

 第二に、打ち上げ投影型の投影装置で発 してしまう台形歪みも非打ち上げ投影型と 同程度まで良好に抑えることが可能になる 具体的には、横方向偏向器4を傾けることに より、横方向偏向器4を介して形成される像( 方向偏向器4による反射像)も傾きを生じる つまり、適切な角度で横方向偏向器4を傾け ことにより、打ち上げ投影に起因する台形 みを打ち消すような歪みを像に与えること 可能になる。

 第三に、横方向偏向器4を傾けることによ り、見かけ上の画角を大きくすることができ る。これにより、傾けていない横方向偏向器 4を使用した場合に比べて所定高さでのスク ーンS上での走査幅を広げることが可能にな 。

 第四に、光束を横方向偏向器4に斜入射さ せたことにより生じるいくつかの現象を抑制 することができる。一般に、光束を横方向偏 向器4に斜入射させる量、つまり横方向偏向 4での入射角が大きくなればなるほど、入射 た光束により横方向偏向器4の偏向面に形成 されるスポットの径が大きくなる。また、ス ポット径が大きくなるため、反射の際のビー ムローテーション(横方向偏向器4により偏向 れる光束の偏向角に応じてスクリーンSに形 成されるビームスポットが回転する現象)が きく発生する。そこで、横方向偏向器4を傾 て配置させることにより、光束の横方向偏 器4での入射角を負担させることができる。 これにより、上記の各現象を効果的に抑制す ることができる。

 なお、本実施形態の二次元走査型投影装 100は、上記第四の効果の実効性を高めるた に、第一の角度ρと第二の角度βが同符号を 採るように構成される。

 以上のような効果を奏するために、二次元 査型投影装置100は、以下の条件(1)および条 (2)を満たすように構成される。但し、Hは交 点PからスクリーンS下方端辺中心までの距離 、Dは交点PからスクリーンS下方端辺の一端 での距離を、H”は交点PからスクリーンS上 端辺中心までの距離を、D”は交点Pからス リーンS上方端辺の一端までの距離を、fは走 査光学系5の焦点距離を、αは横方向における 半画角を、ρは第一の角度を、βは第二の角 を、ωは縦方向における半画角を、それぞれ 表す。図3は、各パラメータを示した模式図 ある。

 ここで、横方向における半画角αは、以下 式により求まる。但し、Ysは、スクリーンS Y方向長さを表す。
  α=(Ys/f)/cos(β+ρ)
また、縦方向における半画角ωは、以下の式 より求まる。但し、Zsは、スクリーンSのZ方 向長さを表す。
  ω=Zs/f

 条件(1)は、スクリーンSの上方端辺に位置 する走査線が直線状あるいは中心Scに向かっ 凸となる湾曲を持つように設計するための 件である。また、条件(2)は、スクリーンSの 下方端辺に位置する走査線が直線状あるいは 中心Scに向かって凸となる湾曲を持つように 計するための条件である。より具体的には 各条件(1)、(2)双方が等号の関係を持つとき 投影画像は矩形状を有する。つまり、下方 辺に位置する走査線および上方端辺に位置 る走査線が共に略直線状となる。それ以外 とき、投影画像はいわゆる糸巻き状を有す 。投影画像が矩形状または糸巻き状であれ 、スクリーンには、走査線が存在しない領 つまり非表示領域を生じることがない、該 クリーンSに対応する矩形状(長方形状)の画 を投影することができる。

 さらに、以下の条件(3)を満たすことにより 上記の諸効果の実効性を高めることができ 。但し、H’は交点PからスクリーンS中心ま の距離を、D’は交点PからスクリーンS側方 辺中心までの距離を、それぞれ表す。

 条件(3)は、スクリーンS中央でのTVディス ーションを低減するための条件である。条 (3)を満たすことにより、打ち上げ投影型の 置100であっても非打ち上げ型に近い高画質 画像を投影することが可能になる。さらに 件(3)を満たす範囲内で第一の角度ρを大き 取れば、より大きな画角を確保して装置の 型化や薄型化を図る、あるいは台形歪みの 正効果を高めることも可能になる。

 以上の各条件(1)~(3)が導出される過程を図 4~図7に示す模式図を参照しつつ以下説明する 。図4は、回転断面4pが水平面に平行な状態で 配設された横方向偏向器4を示す。つまり、 4において、横方向偏向器4は、中心軸4aがZ方 向に平行となるように配設されている。そし て、横方向偏向器4により反射した光束が横 向偏向器4の回転断面4pに対して角度(β+ω)を って進む状態を想定する。なお、横方向偏 器4は回転していないものとする。つまり、 光束は横方向偏向器4によって偏向されてお ず、走査光学系5の光軸AXを含むX-Z平面上を むものとする。

 図4に示す模式図において、光束の光路にお いて、横方向偏向器4から一定距離(例えば、1 とする)だけ離れた点Aを想定する。点Aの座標 (X,Y,Z)は、
  X…cos(β+ω)
  Y…0
  Z…sin(β+ω)
と表される。

 図4に示す状態から、横方向偏向器4を一定 回転させ、光束を角度α(つまり横方向の半 角分)だけ偏向した状態を図5に示す。図5に すように、光束が角度αだけ偏向されると、 点Aは点A’まで移動する。点A’の座標(X,Y,Z) 、
  X…cosαcos(β+ω)
  Y…sinαcos(β+ω)
  Z…sin(β+ω)
と表される。

 図5に示す状態を維持しつつ、横方向偏向 器4を所定量傾かせた状態を図6に示す。詳し は、図6に示す横方向偏向器4は、X-Z平面に いて、該偏向器4の中心軸4aがZ方向に対して 一の角度ρだけ傾くように配設される。従 て、傾いた状態の横方向偏向器4における回 断面4p’は、回転断面(水平面)4pに対してρ け傾いた状態にある。なお、図6において、 記X、Y、Zの各方向に対応する方向をそれぞ x、y、z方向と定義する。

 図6に示すように、横方向偏向器4が傾いて 設されている場合、点A’の座標(X,Y,Z)は、
  X…cosρcosαcos(β+ω)-sinρsin(β+ω)
  Y…sinαcos(β+ω)
  Z…sinρcosαsin(β+ω)+cosρsin(β+ω)
と表される。

 以上を踏まえ、スクリーンSに投影される 画像がTVディストーションや台形歪みを持た い高画質な画像をスクリーンSに投影するた めの条件(1)を導出する。図7は条件(1)を導出 るための説明図である。図7において、点A’ は、スクリーンS上方端辺の一端近傍に位置 ると想定する。

 図7に示す角度θは、スクリーンの法線(つま り光軸AX)と点A’に向かう光線のなす角とし 定義される。ここで、角度θは以下の式(4)に より求まる。
  θ=D”/f…(4)

 また、tanθは、以下の式(5)により求まる。

 ここで、交点PからY方向に延ばした仮想線i1 と点A’からZ方向におろした仮想線i2の交点Q 点A’間の距離をhとおく。距離hは、以下の (6)により求まる。

 式(6)におけるZ/Xは、図6を参照しつつ求めた 座標より、以下の式(7)で表すことができる。

 上記式(6)に、式(5)および式(7)で求められた を代入すると、hに関する式(8)が得られる。

 ここで、距離hが交点PからスクリーンS上方 辺中心までの距離H”と等しければ、走査線 は直線状となる。また、距離hが距離H”より 小さくなると、スクリーンS上方端辺の一端 には走査線が行き届かない。つまり、スクリ ーンS上方端辺の一端に非表示領域が発生し しまう。従って、TVディストーションを低減 し非表示領域の発生を防ぐためには、以下の 関係が成立するように距離hと距離H”を設定 ればよい。
  h≧H”

 上記関係に、式(8)の値を代入し、両辺にt an(D”/f)/D”を乗じると、上記条件(1)が得られ る。

 条件(2)、(3)についても、図7に示す点A’ 位置を変えて上記条件(1)と同様に導出する とができる。

 以下、上記実施形態の二次元走査型投影 置100の具体的実施例について2例説明する。 各実施例の二次元走査型投影装置100は、図2 示される。

 各実施例1、2の投影光学システム10を構成 するリレー光学系3の具体的数値構成は表1に される。また、各実施例1、2の投影光学シ テム10を構成する走査光学系5の具体的数値 成は表2に表される。

 表1、表2において、rは光学部材の各面の 率半径(単位:mm)、dは光学部材厚または光学 材間隔(単位:mm)、nは屈折率を表す。

 実施例1、2における縦方向偏向器2は、入 した光束を、リレー光学系3の光軸を中心に 縦方向に±30.2°の範囲で偏向する。

 実施例1における横方向偏向器4は、リレ 光学系3の光軸と直交する基準軸を想定した 合、該基準軸に対して中心軸4aが17°傾くよ に配設されている。また、実施例2における 横方向偏向器4は、該基準軸に対して中心軸4a が11°傾くように配設されている。

 また、実施例1における横方向偏向器4は X-Z平面において走査光学系5の光軸AXと直交 る基準軸を想定した場合、該基準軸に対し 中心軸4aが8°傾くように配設されている。ま た、実施例2における横方向偏向器4は、該基 軸に対して中心軸4aが14°傾くように配設さ ている。

 上記のように構成された実施例1の二次元 走査型投影装置100における、上記各条件に関 するパラメータを表3に示す。また、実施例2 二次元走査型投影装置100における、上記各 件に関するパラメータを表4に示す。

 表3に示すように、実施例1の二次元走査 投影装置100は、条件(1)、(2)を共に満たす。 た、表4に示すように、実施例2の二次元走査 型投影装置100は、条件(1)~(3)を全て満たす。

 次いで、上記実施例1、2の二次元走査型 影装置100の効果を検証するために、比較例 二次元走査型投影装置300を提示する。比較 の二次元走査型投影装置300は、図8に示す。 較例の二次元走査型投影装置300は、横方向 向器4の中心軸4aが走査光学系5の光軸AXに対 て直交する、つまり横方向偏向器4が傾いて いない点以外は、実施例1、2と同一の構成で る。従って、図8では、図2に示す部材と同 部材には同一符号を付している。また、比 例の二次元走査型投影装置300を構成する投 光学システムの具体的数値構成は上記表1、 2を参照する。

 比較例の二次元走査型投影装置300では、 方向偏向器4は、リレー光学系3の光軸と直 する基準軸を想定した場合、該基準軸に対 て中心軸4aが25°傾くように配設されている また、比較例における横方向偏向器4は、中 軸4aが走査光学系5の光軸AXと直交するよう 配設されている。

 以上説明した比較例について、上記各条 に関するパラメータを表5に示す。

 表5に示すように、比較例の二次元走査型 投影装置300は、共に満たさなければならない 条件(1)、(2)の一方(条件(2))しか満たしていな 。

 図9~図11は、順に、各実施例1、2の二次元 査型投影装置100と比較例の二次元走査型投 装置300を用いて投影された画像の歪曲状態 示す図である。各図において、実線が各例 投影装置100、300を用いて投影された画像の 曲状態を示す。また、破線が各例の投影光 システムの光軸がスクリーン中心で該スク ーンと略直交するような非打ち上げ型の投 装置を用いて投影された画像の歪曲状態を す。

 図9、図10と図11を比較すれば分かるよう 、各実施例1、2の二次元走査型投影装置100を 用いた場合には、非打ち上げ型の投影装置使 用時と遜色ない程度まで十分にTVディストー ョンが低減された画像が得られる。これに して、比較例の二次元走査型投影装置300で 、TVディストーションや台形歪みが大きく 生してしまっていることが分かる。

 以上が本発明の実施形態である。本発明 係る二次元走査型投影装置は、上記実施形 の構成に限定されるものではなく、以下の うな変形を行っても上記と同様の効果を奏 る。

 例えば、上記実施形態では、走査光学系5 を全てレンズで構成している。本発明に係る 二次元走査型投影装置は、fθミラーのように 入射光束の等速性の維持に寄与する反射面を 含むような走査光学系を採用しても良い。本 発明のような打ち上げ型の場合、少なからず 光路を折り返すための反射面が必須となる。 従って、走査光学系の一部をfθミラーとする ことにより、部品を共通化して部品点数を減 らすことができる。これにより、装置全体の 生産性の向上を図ることができる。

 また、横方向偏向器4を傾けることによる TVディストーション補正の効果は、fθ特性を つ走査光学系5との関係において、やや過剰 気味にもなる。そのため、該補正効果の範囲 内で走査光学系5をfθ特性よりも小さな負の 曲収差を持つ光学系とする、例えば走査光 系5をf(β+ω)≦H”≦ f tan(β+ω)を満足するfθ 性からftanθ特性までの負のディストーショ を有する構成とすることにより、TVディス ーション補正効果を維持しつつ、大きな負 歪曲レンズを持つ走査光学系特有の大きな 角が必要になるという問題を抑制できるの 、走査光学系全体の小型化を図ることがで る。

 さらに上記実施形態では、二次元走査を つの偏向器によって実現している。本発明 係る二次元走査型投影装置は、このような 成に限定されるものではない。図13に、本 明に係る二次元走査型投影装置の変形例で って、二次元走査を一つの偏向器によって 現する二次元走査型投影装置100zの構成を示 。図13は、図2と同様に、二次元走査型投影 置100zにおける光路を展開して示す。図13で 、図2に示す部材と同一または同様の部材に は同一または同様の符号を付している。図13 示されるように、二次元走査型投影装置100z が有する投影光学システム10zは、アレイ光源 1’、横方向偏向器4、走査光学系5、集光光学 系6を有する。アレイ光源1’は、例えば、ス リーンSにおける縦方向に対応する方向に沿 って配設された複数の発光部からなる光源で ある。また、集光光学系6は、アレイ光源1’ ら照射された複数の光束を横方向偏向器4に もれなく入射させるように構成、配置される 。そして、縦方向にアレイされた各発光部か ら照射された光束は、集光光学系6、横方向 向器4、および走査光学系5を介してスクリー ンS上で、スクリーンS上方端辺近傍から下方 辺近傍に至る縦一列のビームスポットを形 する。このため各発光部から照射された光 が横方向偏向器4により横方向に一回走査さ れるだけで、スクリーンS上に、投影される き画像全体が投影されることになる。この うな構成であっても二次元走査が可能にな 。