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Title:
ULTRASONIC FLAW DETECTION METHOD FOR CAST STICK AND ULTRASONIC FLAW DETECTION DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/084508
Kind Code:
A1
Abstract:
This object aims to provide a ultrasonic flaw detection method that uses a longitudinal wave as an incident wave for the inspection of a cast stick with a circular cross section and can inspect the overall region of the cast stick. When a plurality of phased array type probes (1) and (2) are arranged at a predetermined angle (α) in a circumferential direction of a cast stick (S) with a circular cross section for ultrasonic flaw detection, the arrangement is made for one arbitrary phased array type probe (1) so that unexamined regions (1A) and (1B) with a longitudinal inclined angle wave and a longitudinal vertical wave of the arbitrary phased array type probe (1) can be complemented with regions examined by the application of a longitudinal inclined angle wave and a longitudinal vertical wave of the other arbitrary phased array type probes (2).

Inventors:
ODASHIMA YASUHIDE (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/073327
Publication Date:
July 09, 2009
Filing Date:
December 22, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SHOWA DENKO KK (JP)
ODASHIMA YASUHIDE (JP)
International Classes:
G01N29/04; B22D11/04; B22D11/16; G01N29/24
Domestic Patent References:
WO2007024000A12007-03-01
Foreign References:
JP2004209516A2004-07-29
JPS633254A1988-01-08
JPH0146027B21989-10-05
JP2007139546A2007-06-07
JP3638814B22005-04-13
JP2922508B11999-07-26
JP3264828B22002-03-11
JPH0278949A1990-03-19
Attorney, Agent or Firm:
SHIMIZU, Yoshihito et al. (4-26 Minamisemba 3-chome,Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 81, JP)
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Claims:
 断面円形の鋳造棒の周方向に、複数のフェイズドアレイ型プローブを所定角度で配置して超音波探傷検査をするに際し、
 任意の1つのフェイズドアレイ型プローブに対し、そのフェイズドアレイ型プローブの縦波斜角波および縦波垂直波による未検査領域を、他のフェイズドアレイ型プローブの縦波斜角波および縦波垂直波による検査領域が補完するように、他のフェイズドアレイ型プローブを配置することを特徴とする鋳造棒の超音波探傷検査方法。
 2つのフェイズドアレイ型プローブを、下記の2つの式
  2×(180°-2θ 23 )≦α≦2θ 234
  180°-〔3θ 3 +3(180°-2θ 2 )〕≧θ 4
   但し、θ 2 :フェイズドアレイ型プローブの有効斜角角度
      θ 3 :OPの中心角
      θ 4 :フェイズドアレイ型プローブの垂直入射波の不感帯の中心角の1/2
      O:フェイズドアレイ型プローブの垂直入射波の入射点
      P:フェイズドアレイ型プローブの走査角度最大時の斜角入射波の入射点
をともに満足する配置角度(α)に配置する請求項1に記載の鋳造棒の超音波探傷検査方法。
 入射波が下方に向かうように2つのフェイズドアレイ型プローブを配置する請求項2に記載の鋳造棒の超音波探傷検査方法。
 複数のフェイズドアレイ型プローブを水平連続鋳造の鋳型出口の近傍に配置し、連続的に鋳出される連続鋳造棒に対して連続的に超音波探傷検査を行う請求項1~3のいずれかに記載の鋳造棒の超音波探傷検査方法。
 前記鋳型出口から下流側に離間して配置した堰状体の貫通孔に連続鋳造棒を遊挿することにより冷却水の流れを妨げ、流れを妨げられた冷却水に前記フェイズドアレイ型プローブを接触させた状態に配置する請求項4に記載の鋳造棒の超音波探傷検査方法。
 断面円形の鋳造棒の周方向に複数のフェイズドアレイ型プローブが配置された超音波探傷検査装置であって、
 任意の1つのフェイズドアレイ型プローブに対し、そのフェイズドアレイ型プローブの縦波斜角波および縦波垂直波による未検査領域が他のフェイズドアレイ型プローブの縦波斜角波および縦波垂直波による検査領域が補完されるように、他のフェイズドアレイ型プローブが配置されていることを特徴とする鋳造棒の超音波探傷検査装置。
 2つのフェイズドアレイ型プローブが、下記の2つの式
  2×(180°-2θ 23 )≦α≦2θ 234
  180°-〔3θ 3 +3(180°-2θ 2 )〕≧θ 4
   但し、θ 2 :フェイズドアレイ型プローブの有効斜角角度
      θ 3 :OPの中心角
      θ 4 :フェイズドアレイ型プローブの垂直入射波の不感帯の中心角の1/2
      O:フェイズドアレイ型プローブの垂直入射波の入射点
      P:フェイズドアレイ型プローブの走査角度最大時の斜角入射波の入射点
をともに満足する配置角度(α)に配置されている請求項6に記載の鋳造棒の超音波探傷検査装置。
 水平連続鋳造の鋳型出口から連続的に鋳出される断面円形の連続鋳造棒に対し、短尺切断、ピーリング、熱処理を任意の順序で行い、さらに続いて鍛造を行う鍛造品の一貫製造方法において、鋳出し直後、または任意の工程間で超音波探傷検査を行うものとし、
 前記超音波探傷検査を、鋳造棒の周方向に、複数のフェイズドアレイ型プローブを所定角度で配置し、任意の1つのフェイズドアレイ型プローブに対し、そのフェイズドアレイ型プローブの縦波斜角波および縦波垂直波による未検査領域を、他のフェイズドアレイ型プローブの縦波斜角波および縦波垂直波による検査領域が補完するように、他のフェイズドアレイ型プローブを配置して行うことを特徴とする鍛造品の一貫製造方法。
 前記超音波探傷検査は、
 2つのフェイズドアレイ型プローブを、下記の2つの式
  2×(180°-2θ 23 )≦α≦2θ 234
  180°-〔3θ 3 +3(180°-2θ 2 )〕≧θ 4
   但し、θ 2 :フェイズドアレイ型プローブの有効斜角角度
      θ 3 :OPの中心角
      θ 4 :フェイズドアレイ型プローブの垂直入射波の不感帯の中心角の1/2
      O:フェイズドアレイ型プローブの垂直入射波の入射点
      P:フェイズドアレイ型プローブの走査角度最大時の斜角入射波の入射点
をともに満足する配置角度(α)に配置して行う、請求項8に記載の鍛造品の一貫製造方法。
Description:
鋳造棒の超音波探傷検査方法お び超音波探傷検査装置

 本発明は、断面円形の鋳造棒に対する超 波探傷検査方法、およびこの検査方法を実 するための超音波探傷検査装置に関する。

 一般的に、連続鋳造棒は溶湯から円柱状 角柱状あるいは中空柱状の長尺鋳塊を鋳造 て製造する。鋳造方法にはフロート鋳造法 ダイレクトチル(DC鋳造)法、気体加圧ホット トップ連続鋳造法などがある。鋳造された連 続鋳造棒に対しては、塑性加工時の割れの原 因となる表面の不均一層を除去するとともに 、外周部除去後の表面および内部欠陥の検査 が行われる(特許文献1参照)。

 特許文献1に記載された連続鋳造棒の製造 工程は、連続鋳造工程と外周除去工程との間 に超音波探傷検査による内部の非破壊検査工 程を設けている。超音波探傷検査は、割れ等 の内部欠陥に対して検出能力が高く、また、 検出した電気信号を処理することにより、画 像処理が必要なX線と比較して、欠陥の自動 定が容易に可能となり、検査の精度が高く 定した検査ができるという特長がある。

 鋳造棒における表面近傍の欠陥を検査する 合、入射波として縦波垂直波を用いると底 反射波が疑似欠陥エコーとして検出されて まうため、従来は入射波として斜角波が使 れている。

特開2004-209516号公報

 しかし、従来の超音波探傷プローブで斜 波を得ようとすると横波になってしまい、 波よりも音速の遅い横波で表面近傍の検査 ようとすると、時間軸が長いので疑似欠陥 コーが検出されやすくなるという欠点があ 。

 また、断面円形の鋳造棒に対し、従来の ローブで全領域を検査しようとすれば、プ ーブを連続鋳造棒の周方向に回転させたり 周方向に多数の超音波探傷検査用プローブ 配置することが必要であった。また、多数 プローブを精度良く配置することは困難で り、精度良く配置できないことで検査精度 も難があった。

 本発明は、上述した背景技術に鑑み、断 円形の鋳造棒に対して、入射波として縦波 用いつつ、全領域を検査できる鋳造棒の超 波探傷検査方法、およびこの検査方法を実 するための超音波探傷検査装置の提供を目 とする。

 即ち、本発明は下記[1]~[9]に記載の構成を 有する。

 [1]断面円形の鋳造棒の周方向に、複数のフ イズドアレイ型プローブを所定角度で配置 て超音波探傷検査をするに際し、
任意の1つのフェイズドアレイ型プローブに し、そのフェイズドアレイ型プローブの縦 斜角波および縦波垂直波による未検査領域 、他のフェイズドアレイ型プローブの縦波 角波および縦波垂直波による検査領域が補 するように、他のフェイズドアレイ型プロ ブを配置することを特徴とする鋳造棒の超 波探傷検査方法。

 [2]2つのフェイズドアレイ型プローブを、下 記の2つの式
  2×(180°-2θ 2 3 )≦α≦2θ 2 3 4
  180°-〔3θ 3 +3(180°-2θ 2 )〕≧θ 4
   但し、θ 2 :フェイズドアレイ型プローブの有効斜角角
      θ 3 :OPの中心角
      θ 4 :フェイズドアレイ型プローブの垂直入射波 不感帯の中心角の1/2
      O:フェイズドアレイ型プローブの垂 入射波の入射点
      P:フェイズドアレイ型プローブの走 角度最大時の斜角入射波の入射点
をともに満足する配置角度(α)に配置する前 1に記載の鋳造棒の超音波探傷検査方法。

 [3]入射波が下方に向かうように2つのフェ イズドアレイ型プローブを配置する前項2に 載の鋳造棒の超音波探傷検査方法。

 [4]複数のフェイズドアレイ型プローブを 平連続鋳造の鋳型出口の近傍に配置し、連 的に鋳出される連続鋳造棒に対して連続的 超音波探傷検査を行う前項1~3のいずれかに 載の鋳造棒の超音波探傷検査方法。

 [5]前記鋳型出口から下流側に離間して配 した堰状体の貫通孔に連続鋳造棒を遊挿す ことにより冷却水の流れを妨げ、流れを妨 られた冷却水に前記フェイズドアレイ型プ ーブを接触させた状態に配置する前項4に記 載の鋳造棒の超音波探傷検査方法。

 [6]断面円形の鋳造棒の周方向に複数のフェ ズドアレイ型プローブが配置された超音波 傷検査装置であって、
 任意の1つのフェイズドアレイ型プローブに 対し、そのフェイズドアレイ型プローブの縦 波斜角波および縦波垂直波による未検査領域 が他のフェイズドアレイ型プローブの縦波斜 角波および縦波垂直波による検査領域が補完 されるように、他のフェイズドアレイ型プロ ーブが配置されていることを特徴とする鋳造 棒の超音波探傷検査装置。

 [7]2つのフェイズドアレイ型プローブが、下 記の2つの式
   2×(180°-2θ 2 3 )≦α≦2θ 2 3 4
   180°-〔3θ 3 +3(180°-2θ 2 )〕≧θ 4
    但し、θ 2 :フェイズドアレイ型プローブの有効斜角角
       θ 3 :OPの中心角
      θ 4 :フェイズドアレイ型プローブの垂直入射波 不感帯の中心角の1/2
      O:フェイズドアレイ型プローブの垂 入射波の入射点
      P:フェイズドアレイ型プローブの走 角度最大時の斜角入射波の入射点
をともに満足する配置角度(α)に配置されて る前項6に記載の鋳造棒の超音波探傷検査装 。

 [8]水平連続鋳造の鋳型出口から連続的に鋳 される断面円形の連続鋳造棒に対し、短尺 断、ピーリング、熱処理を任意の順序で行 、さらに続いて鍛造を行う鍛造品の一貫製 方法において、鋳出し直後、または任意の 程間で超音波探傷検査を行うものとし、
 前記超音波探傷検査を、鋳造棒の周方向に 複数のフェイズドアレイ型プローブを所定 度で配置し、任意の1つのフェイズドアレイ 型プローブに対し、そのフェイズドアレイ型 プローブの縦波斜角波および縦波垂直波によ る未検査領域を、他のフェイズドアレイ型プ ローブの縦波斜角波および縦波垂直波による 検査領域が補完するように、他のフェイズド アレイ型プローブを配置して行うことを特徴 とする鍛造品の一貫製造方法。

 [9]前記超音波探傷検査は、
 2つのフェイズドアレイ型プローブを、下記 の2つの式
  2×(180°-2θ 2 3 )≦α≦2θ 2 3 4
  180°-〔3θ 3 +3(180°-2θ 2 )〕≧θ 4
   但し、θ 2 :フェイズドアレイ型プローブの有効斜角角
      θ 3 :OPの中心角
      θ 4 :フェイズドアレイ型プローブの垂直入射波 不感帯の中心角の1/2
      O:フェイズドアレイ型プローブの垂 入射波の入射点
      P:フェイズドアレイ型プローブの走 角度最大時の斜角入射波の入射点
をともに満足する配置角度(α)に配置して行 、前項8に記載の鍛造品の一貫製造方法。

 上記[1]に記載の超音波探傷検査方法によ ば、断面円形の鋳造棒に対し、フェイズド レイ型プローブにより縦波斜角波および縦 垂直波を入射して、表面近傍を含む全領域 超音波探傷検査することができる。また、 速の速い縦波では疑似欠陥エコーが探傷画 に現れにくく、かつ一つのプローブで広範 の探傷が可能であるため、高い検査精度が られる。

 上記[2]に記載の超音波探傷検査方法によ ば、2つのフェイズドアレイ型プローブの互 いの未検査領域を補完できるプローブの配置 角度(α)が導かれる。

 上記[3]に記載の超音波探傷検査方法によ ば、水中を伝播した超音波は水面に到達す 以前に十分に減衰するため、疑似欠陥信号 発生が抑えられ、高精度の探傷が可能であ 。

 上記[4]に記載の超音波探傷検査方法によ ば、水平連続鋳造と超音波探傷検査とを連 して行うので検査効率が良く、検査結果を の工程に反映させたり、鋳造条件にフィー バックさせることができる。しかも、検査 象部分に端面がないので端面における不感 もなく、検査後に切断された短尺材は端面 で検査済みとなる。

 上記[5]に記載の超音波探傷検査方法によ ば、簡単な装置で水平連続鋳造に連続して 音波探傷検査を行うことができる。

 上記[6][7]に記載の超音波探傷装置によれ 、上記超音波探傷検査を実施することがで る。

 上記[8][9]に記載の鍛造品の一貫製造方法 よれば、工程間で上記超音波探傷検査が行 れるので、効率良く高品質の鍛造品を製造 ることができる。

断面円形の鋳造材の超音波探傷検査に いて、フェイズドアレイ型プローブの未検 領域を示す説明図である。 本発明の鋳造材の超音波探傷検査にお る超音波の伝播を示すとともに、2つのフェ イズドアレイ型プローブの配置角度を説明す る図である。 図2の要部拡大図である。 本発明の超音波探傷検査装置の一実施 形態を模式的に示す正面図である。 図4Aの超音波探傷検査装置の側面図で る。 本発明の超音波探傷検査装置の他の実 形態を模式的に示す一部断面を含む斜視図 ある。 本発明の超音波探傷検査装置を用いる 検査工程を組み入れた、鋳造から鍛造までの 鍛造品の一貫製造方法における工程フロー図 である。 本発明の超音波探傷検査装置を用いる 検査工程を組み入れた、鋳造から鍛造までの 鍛造品の一貫製造方法における工程フロー図 である。 本発明の超音波探傷検査装置を用いる 検査工程を組み入れた、鋳造から鍛造までの 鍛造品の一貫製造方法における工程フロー図 である。

符号の説明

1,2…フェイズドアレイ型プローブ
1A、2A…走査外領域(未検査領域)
1B、2B…不感帯(未検査領域)
10,40…超音波探傷検査装置
33…鋳型
35…冷却水
41…貫通孔
42…堰状体
S…鋳造棒(連続鋳造棒)

 本発明で用いるフェイズドアレイ型プロ ブは、複数の探触子が並列するもの(プロー ブブロック)であり、フォーカス点を電子的 制御するため、探傷中のマルチフォーカス( 直探傷と斜角探傷の組合せ)が可能であり、 広い領域の検査が可能である。また、横波よ りも音速の速い縦波では疑似欠陥エコーが探 傷画面に現れにくいので検査精度が高い。一 つのプローブブロックで広範囲の探傷が可能 であるため、従来のシングルプローブを周方 向に多数個配置する場合に生じる位置精度の 低下による検査精度の低下がないので、高い 検査精度が得られる。

 前記フェイズドアレイ型プローブは、縦 斜角(垂直を含む)で広い領域を探傷するこ ができるが、それでも不可避的に未検査領 が生じる。本発明においては、断面円形の 造棒に対し、周方向に所定角度をもって複 のフェイズドアレイ型プローブを配置し、 いの未検査領域を補完し合うことによって 面近傍を含む全領域をくまなく検査するこ ができる。

 図1は、断面円形の鋳造棒(S)に対して、2 のフェイズドアレイ型プローブ(1)(2)を配置 た例である。

 第1フェイズドアレイ型プローブ(1)に対し 、(1A)(1A)は最大走査範囲から外れた走査外領 であり、(1B)は入射光が垂直方向に入射した ときに現れる底面エコーが欠陥エコーと分類 できないために発生する不感帯である。これ らの領域(1A)(1A)(1B)は、第1フェイズドアレイ プローブ(1)による探傷ができない未検査領 である。前記走査外領域(1A)(1A)は走査範囲を 拡大することによって小さくなるが、検査対 象が断面円形であるために完全に無くすこと はできない。また、前記不感帯(1B)も不可避 に生じる領域である。同様に、第2フェイズ アレイ型プローブ(2)に対して、(2A)(2A)は最 走査範囲から外れた走査外領域であり、(2B) 疑似欠陥エコーによる不感帯であり、第2フ ェイズドアレイ型プローブ(2)による探傷がで きない未検査領域である。

 図1より、第1フェイズドアレイ型プロー (1)と第2フェイズドアレイ型プローブ(2)の未 査領域が重複しないように配置すれば全領 の検査が可能である。具体的には、第1フェ イズドアレイ型プローブ(1)の走査外領域(1A) 第2フェイズドアレイ型プローブ(2)の走査外 域(2A)との間のマージン(C)、および第2フェ ズドアレイ型プローブ(2)の走査外領域(2A)と 1フェイズドアレイ型プローブ(1)の不感帯(1B )との間のマージン(D)が確保されていれば全 域を検査できる。

 以下に、上述した考え方に沿って、マー ン(C)=0とした時に、マージン(D)≧0となって2 つのフェイズドアレイ型プローブ(1)(2)の未検 査領域が重ならない条件を求める方法につい て、図2の超音波伝播経路図を参照しつつ説 する。

 図2はマージン(C)=0の状態を示しており、 1フェイズドアレイ型プローブ(1)の走査外領 域(1A)と第2フェイズドアレイ型プローブ(2)の 査外領域(2A)が重ならない状態で接している 。また、2つのフェイズドアレイ型プローブ(1 )(2)は同一の機能を有するものであり、共通 符号を用いて説明する。

 図2における符号は以下のとおりである。 なお、図2において鋳造棒(S)の左半分の伝播 路のみを示し、右半分の伝播経路の図示は 略している。

 α:2つのフェイズドアレイ型プローブの配置 角度
 θ 1 :フェイズドアレイ型プローブの最大走査角
 θ 2 :フェイズドアレイ型プローブの有効斜角角
 θ 3 :OPの中心角
 θ 4 :フェイズドアレイ型プローブの垂直入射波 よる不感帯の中心角の1/2
 θ 5 :マージン(D)の中心角
 O:フェイズドアレイ型プローブの垂直入射 の入射点
 P:フェイズドアレイ型プローブの走査角度 大時の斜角入射波の入射点
 Q:鉛直線
 r:鋳造棒の半径
 図2より、マージン(C)=0のときの2つのフェイ ズドアレイ型プローブ(1)(2)の配置角度(α)は(i )式となり、かつ第1フェイズドアレイ型プロ ブ(1)の不感帯(1B)と第2フェイズドアレイ型 ローブ(2)の走査外領域(1A)が重ならないため 不感帯(1B)の中心角(θ 4 )は(ii)式を満たす必要がある。

  α=2×(180°-2θ 2 3 ) …(i)
  180°-〔3θ 3 +3(180°-2θ 2 )〕≧θ 4  …(ii)
 上記(i)式は2つのフェイズドアレイ型プロー ブ(1)(2)の配置角度(α)の最小値(α min )であるから、
  α min =2×(180°-2θ 2 3 ) …(iii)
 また、(ii)式より、マージン(D)の中心角(θ 5 )は下記(iv)式となる。

  θ 5 =180°-〔3θ 3 +3(180°-2θ 2 )〕-θ 4  …(iv)
 前記配置角度(α)はマージン(D)=0となるまで 大することができるから、配置角度(α)の最 大値(α max )は下記(v)となる。

  α max min 5
     =2θ 2 3 4  …(v)
 従って、鋳造棒(S)の全領域を検査するため 配置角度(α)の取り得る範囲は、上記(ii)式 満たし、上記(iii)式で表される最小値(α min )から(v)式で表される最大値(α max )までの範囲となる。即ち、下記の2つの式を 足すように2つのフェイズドアレイ型プロー ブ(1)(2)を配置すれば、断面円形の鋳造棒(S)の 全領域を検査することができる。

 180°-〔3θ 3 +3(180°-2θ 2 )〕≧θ 4
 2×(180°-2θ 2 3 )≦α≦2θ 2 3 4
 次に、上記各式における記号に代入すべき 値について説明する。

 最大走査角度(θ 1 )はフェイズドアレイ型プローブの仕様によ て決定される角度である。

 有効斜角角度(θ 2 )は屈折角度と前記最大走査角度(θ 1 )で決定される角度であり、好ましくは超音 の減衰の程度と検出したい欠陥サイズとを 慮する。

 OPの中心角(θ 3 )は、図3に参照されるように、OP間の距離(x 1 )および鋳造棒(S)の半径(r)から下記(vi)式で表 ことができる。

  θ 3 =Sin -1 (x 1 /r) …(vi)
 但し、OP間の距離(x 1 )の実測が困難である場合は、(x 1 )がフェイズドアレイ型プローブの大きさ(x 2 )とx 1 ≒x 2 の関係にあることから、実測した(x 2 )により下記(vi’)により(θ 3 )を求めることができる。

  θ 3 =Sin -1 (x 2 /r) …(vi’)
 前記不感帯(1B)の大きさを表すOPの中心角の1 /2(θ 4 )は、不感帯の大きさを表すものであり、実 によって求めることができる。

 よって、実測値、(iii)式、(iv)式、(vi’)式 より、全領域を検査できる2つのフェイズド レイ型プローブ(1)(2)の配置角度(α)を決定す ことができる。

 なお、上述した配置角度(α)を算出する計算 式は同一仕様の2つのフェイズドアレイ型プ ーブに基づいたものであるが、異なる仕様 フェイズドアレイ型プローブを用いる場合 、各プローブの入射位置や諸角度に基づい 配置角度を求めることができる。さらに3個 上のフェイズドアレイ型プローブを用いる 合は、隣接するプローブのスキャン外領域 重ならず、かつ一つのプローブの不感帯が のプローブのスキャン外領域に重ならない うに配置すれば良い。
〔2つのフェイズドアレイ型プローブの配置 度の例〕
 半径(r)が215mmの鋳造棒(S)の超音波探傷検査 おいて、フェイズドアレイ型プローブ(1)(2) 有効斜角角度(θ 2 )=40°、フェイズドアレイ型プローブ(1)(2)の大 きさ(x 2 )が28.7mm、不感帯の大きさ(θ 4 )が17.5°のとき、(vi’)式より(θ 3 )=7.6°が算出される。

 そして、(iii)式、(v)式により、α min =95.2°、α max =114.9°となる。従って、2つのフェイズドアレ イ型プローブ(1)(2)を配置角度(α):95.2~114.9°の 囲内に設置すれば全領域を検査することが きる。但し、検査中の鋳造棒(S)の走行ゆれ 考慮し、(α min )および(α max )を避けて上記範囲の中間点または中間点の 傍に配置することが好ましい。

 また、複数のフェイズドアレイ型プロー は、互いの未検査領域を補完し合う角度に 置すれば良いので、フェイズドアレイ型プ ーブが鋳造棒の周方向のどこに在っても良 。しかし、後述の超音波探傷検査装置(10)(40 )のように、鋳造棒(S)の斜め上方にフェイズ アレイ型プローブ(1)(2)を配置し、上方から 方に向かって超音波を入射する方が好まし 。下方から上方に向かって超音波を照射す と、鋳造棒(S)に入射されなかった超音波が 面に反射し、そのエコーが疑似欠陥信号と て検出されることがあるが、上方から下方 入射すれば水面を伝播する超音波は水面に 達する以前に十分に減衰するため、エコー 疑似欠陥信号として検出されることがない で高精度の探傷が可能となるためである。 た、鋳造棒(S)が位置ずれしてもフェイズド レイ型プローブ(1)(2)との位置関係が保持さ るように倣い機構を付ける場合に、プロー を鋳造棒(S)の上方に配置する方が配置上の 約が少ないので、この点でも上方配置が好 しい。

 また、鋳造棒(S)とフェイズドアレイ型プ ーブ(1)(2)との間の距離(WD)は、表面波の繰り 返しエコーが疑似欠陥エコーにならないよう に十分な距離とすることが好ましい。

 また、検査用水槽の壁面の反射エコーが 似欠陥信号になることがあるため、疑似欠 信号を回避するために水槽は十分に大きい とが好ましい。鋳造棒(S)の周面から水槽の 面までは、水中を伝播する超音波が十分に 衰するだけの距離があることが好ましい。 た、水槽壁面に吸音材を配し、疑似欠陥エ ーの原因となる音波をなくすことでも対応 きる。

 なお、図1~3においては、説明の都合上、第1 フェイズドアレイ型プローブ(1)を真上に配置 したものあり、鋳造棒(S)のフェイズドアレイ 型プローブ(1)(2)最適位置を示すものではない 。後述の超音波探傷装置(10)(40)においては、 2および図3の(Q)が鉛直線となるようにフェ ズドアレイ型プローブ(1)(2)が配置されてい 。
〔超音波探傷検査装置〕
 (第1実施形態)
 図4Aおよび図4Bに示す超音波探傷検査装置(10 )は、水槽(11)と2つのフェイズドアレイ型プロ ーブ(1)(2)とを備え、鋳造棒(S)を移動させなが ら検査を行うものである。

 水槽(11)において、鋳造棒(S)の進行方向の 壁には鋳造棒(S)を通過させるための貫通孔(12 )(13)が設けられ、これらの貫通孔(12)(13)より 十分に高い水位まで接触媒質である水(14)が 留されている。2つのフェイズドアレイ型プ ローブ(1)(2)は、支持装置の垂直アーム(15)の 端に取り付けた水平アーム(16)の両端にブラ ット(17)を介して角度調節自在に取り付けら れ、下方を移動する鋳造棒(S)に対して斜め上 方から超音波を照射するものとなされている 。前記水平アーム(15)の左右方向の中間部に 鋳造棒(S)に接触する倣いローラ(18)が取付け れ、鋳造棒(S)の位置ずれに対応してアーム( 15)(16)の動きを制御することにより、鋳造棒(S )とフェイズドアレイ型プローブ(1)(2)とが常 一定の位置関係となるようになされている

 前記超音波探傷装置(10)は、移動中の鋳造 棒(S)に対し、鋳造棒(S)の長短に関係なく検査 することができる。例えば、水平連続鋳造装 置の鋳型から鋳造されてくる連続鋳造棒(S)に 対して、鋳造速度で連続的に検査を行うこと ができる。また、切断した鋳造棒に対しても 、移動装置によって鋳造棒(S)を所定速度で移 動させることによって検査することができる 。このように水槽中(11)で鋳造棒(S)を移動さ ることによって、検査対象の長さに関係な 検査することができる。勿論、検査対象が 槽よりも小さい場合は、検査対象を固定し フェイズドアレイ型プローブを移動させる ともできる。

 前記フェイズドアレイ型プローブ(1)(2)は 図外の制御装置により制御され、鋳造棒(S) 探傷を行い、フェイズドアレイ型プローブ( 1)(2)から発せられた信号は信号処理部(20)に出 力され、所定の処理を行った後に超音波検査 判定装置(21)に出力される。超音波検査判定 置(21)においては、入力した信号に基づいて 陥や傷の有無を判定し、鋳造棒(S)の良否を 断する。また、水平連続鋳造装置の鋳型か 鋳造されてくる連続鋳造棒(S)の連続検査で れば、効率良く検査を行える上に、判定結 を鋳造条件にフィードバックさせたり、欠 部分をスプレー等でマーキングしておき、 段に設置した切断装置(図示省略)において 尺に切断した後に欠陥部分を除去すること できる。また、検出した欠陥位置を記憶し おき、切断装置において欠陥部分のみを切 除去しつつ、定尺に切断することもできる

 また、前記超音波探傷装置(10)において、 連続鋳造棒(S)は移動しながら超音波探傷検査 受けることができるので、検査対象部分に端 面がないので端面における不感帯もなく、検 査後に切断された短尺材は端面まで検査済み となる。

 (第2実施形態)
 第1実施形態の超音波探傷検査装置(10)は水 を用いるものであって、鋳造棒の水没が容 で十分な量の接触媒質を確保できる点が有 である。

 しかし、本発明の超音波探傷検査方法は 水槽を用いることなく、水平連続鋳造装置 鋳型から鋳造棒に供給される冷却水を利用 て検査を行うこともできる。冷却水を利用 ることによって簡単な構造の検査装置とな 。

 図5は水平連続鋳造装置(30)と、鋳型の直 に配置された超音波探傷検査装置(40)を示し いる。

 前記連続鋳造装置(30)において、溶湯(M)は タンディッシュ(31)から注湯用ノズル(32)を経 筒状の鋳型(33)に流入する。前記鋳型(33)の 口には連続鋳造棒(S)の周囲へ冷却水(35)を供 する冷却水供給路(34)が設けられ、その吐出 口(34a)は、連続鋳造棒(S)を囲む環状に形成さ 、かつ連続鋳造棒(S)の鋳出方向に向けて設 られている。そして、吐出口(34)から噴出し た冷却水(35)は、連続鋳造棒(S)の周方向全体 供給され、連続的に鋳出される連続鋳造棒(S )の表面上を鋳出方向に流れて、連続鋳造棒(S )を冷却する。

 前記超音波探傷検査装置(40)は、連続鋳造 棒(S)が遊挿される貫通孔(41)を有する環状の 状体(42)と2つのフェイズドアレイ型プローブ (1)(2)とを備えている。前記堰状体(40)は連続 造棒(S)の高さに支持脚(43)によって台上に固 され、貫通孔(41)の内径は連続鋳造棒(S)の外 径よりも大きく形成されている。従って、連 続的に鋳出される連続鋳造棒(S)は貫通孔(41) 接触することなく孔(41)内を進んで行き、連 鋳造棒(S)の外周面と貫通孔(41)の周面の間の 隙間には冷却水(35)が流れる。

 前記内部検査装置(40)において、前記吐出 口(34a)から吐出し連続鋳造棒(S)の表面上を鋳 方向に流れる冷却水(35)は、前記堰状体(40) 当たって流れを妨げられてその一部は堰状 (42)の上流側に貯留され、残りは貫通孔(41)内 に流れていく。

 2つのフェイズドアレイ型プローブ(1)(2)は 支持部材(図示省略)に支持されて、先端部が 記堰状体(42)の上流側に貯留されて水深が深 くなった部分に所定の配置角度(α)で挿入さ ている。検査結果は、信号処理部(20)に出力 れ、さらに超音波検査判定装置(21)に出力さ れる。超音波検査判定装置(21)においては、 力した信号に基づいて欠陥や傷の有無を判 し、連続鋳造棒(S)の良否を判断するととも 、判定結果を鋳造条件にフィードバックさ る。

 前記超音波探傷検査装置(40)は、鋳型(33) 冷却水を接触媒質として利用するものであ 、検査装置への搬送設備も不要であるから 検査のための周辺装置を簡略化できる。

 また、前記堰状体(40)の貫通孔(41)の周面に ェイズドアレイ型プローブ(1)(2)を取り付け 超音波探傷検査を行うこともできる。
〔一貫連続運転における超音波探傷検査〕
 本発明の超音波探傷検査方法は、鋳造直後 連続鋳造棒の検査のみならず、連続鋳造棒 切断、熱処理、ピーリング等の種々の工程 経て出荷形態となるまでの一貫連続運転に ける任意の工程間において実施できる。さ には、鋳造後に鍛造を実施し、連続鋳造か 鍛造品の製造までを一貫して行う際に、鋳 直後、または任意の工程間においても超音 探傷検査を行うことができる。

 図6A~図6Cは、鋳造から鍛造品までの一貫製 の工程フローを示している。
(図6A)
 水平連続鋳造した長尺の連続鋳造棒を複数 短尺材に切断し、短尺材に熱処理を施して 質化した後に、ピーリングを行って表層部 黒皮を除去する。黒皮を除去した短尺材は 要すれば外観検査を行った後、出荷する。 るいは、外観検査後の短尺材に対して、鍛 工程を実施する。前記鍛造工程には、切断( 予備成形品の製作)、予備加熱、鍛造成形が まれている。

 上記一貫連続運転において、どの工程の間 も超音波探傷検査を行うことができ、1箇所 でも複数箇所でも検査することができる。(K) は、水平連続鋳造装置の鋳型から鋳出されて くる移動中の連続鋳造棒に検査を行う工程を 示し、水槽を備えた超音波探傷検査装置(10) よび鋳型の冷却水を利用する超音波検査装 (40)のどちらによっても検査することができ 。また、(L)は長尺の連続鋳造棒を短尺材に 断して黒皮の付いた状態で検査する工程を している。(M)はピーリング後の黒皮を除去 た短尺材に対して検査を行う工程を示して る。(L)および(M)の工程では、水槽を備えた 音波探傷検査装置(10)を用いることができる 。
(図6B)
 水平連続鋳造した長尺の連続鋳造棒を複数 短尺材に切断し、ピーリングを行って表層 の黒皮を除去する。黒皮を除去した短尺材 均質化のための熱処理を行い、さらに予熱 て鍛造工程を実施する。

 上記一貫連続運転において、工程間の1箇所 または複数箇所で超音波探傷検査を行うこと ができる。図6B中の(K)(L)(M)は図6A中の(K)(L)(M) 検査工程と同じである。
(図6C)
 水平連続鋳造した長尺の連続鋳造棒を複数 短尺材に切断し、均質化のための熱処理を った後に、ピーリングを行って表層部の黒 を除去する。黒皮を除去した短尺材に対し 鍛造工程を実施する。

 上記一貫連続運転において、工程間の1箇 所または複数箇所で超音波探傷検査を行うこ とができる。図CB中の(K)(L)(M)は図6A中の(K)(L)(M )の検査工程と同じである。

 以上のように、連続鋳造から鍛造までの 貫製造において超音波探傷検査を行うこと より、効率良く高品質の鍛造品を製造する とができる。

 本発明の連続鋳造棒の検査方法は、全て 金属の鋳造に適用できる。例えばアルミニ ムまたはアルミニウム合金の連続鋳造に適 できる。

 本願は、2007年12月27日に出願された日本 特許出願の特願2007-336453号の優先権主張を伴 うものであり、その開示内容はそのまま本願 の一部を構成するものである。

 ここに用いられた用語および表現は、説 のために用いられたものであって限定的に 釈するために用いられたものではなく、こ に示されかつ述べられた特徴事項の如何な 均等物をも排除するものではなく、この発 のクレームされた範囲内における各種変形 も許容するものであると認識されなければ らない。

 本発明の鋳造棒の超音波探傷検査方法は 入射光として縦波斜角波および縦波垂直波 用い、複数のフェイズドアレイ型プローブ 互いの未検査領域を補完し合うものである ら、断面円形の鋳造棒の全領域を検査する とができる。この検査方法を利用すること より健全な鋳造棒を効率良く製造すること できる。