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Title:
UNIAXIALLY ECCENTRIC SCREW PUMP ROTOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/031473
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an uniaxially eccentric screw pump (10) comprising a male screw type rotor (14). This male screw type rotor (14) includes a rotor base member made of an iron-group material, an intermediate layer formed on the surface of the rotor base member and having a higher heat conductivity than that of the rotor base material, and a male screw type rotor (14) formed on the surface of the intermediate layer and having a surface layer made of a DLC film. When the uniaxially eccentric screw pump (10) is driven, the slurry moves toward an exit (22) while being filled in a cavity portion (38) formed between the male screw type rotor (14) and a female screw type stator (12). Even if the temperature near the exit then rises with the increase in the face pressure, it diffuses from the exit side to the entrance side through the intermediate layer of the high heat conductivity of the male screw type rotor (14) so that it is homogenized. Therefore, a transfer liquid can be fed at a substantially constant temperature. Since the male screw type rotor (14) has the DLC film on the outermost surface, moreover, it is hardly influenced by the wear even if it transfers the slurry of a high wearing property.

Inventors:
KITAMURA KAZUMASA (JP)
SAITO TAKAO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/065575
Publication Date:
March 12, 2009
Filing Date:
August 29, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NGK INSULATORS LTD (JP)
KITAMURA KAZUMASA (JP)
SAITO TAKAO (JP)
International Classes:
F04C2/107; F04C13/00; F04C15/00
Foreign References:
JP2007187075A2007-07-26
JP2003239973A2003-08-27
JP2000176704A2000-06-27
JPH08293117A1996-11-05
JPH10154315A1998-06-09
JP2004098580A2004-04-02
Attorney, Agent or Firm:
ITEC INTERNATIONAL PATENT FIRM (9-26 Sakae 2-chome,Naka-ku, Nagoya-shi, Aichi, JP)
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Claims:
 一軸偏心ネジポンプの雌ネジ形のステータ内に嵌挿され、偏心回転することにより移送液を搬送可能な雄ネジ形のロータであって、
 鉄系材質からなるロータ基材と、
 該ロータ基材の表面に形成され前記鉄系材質よりも熱伝導率の高い中間層と、
 該中間層の表面に形成されたDLC膜からなる表層と、
 を備えた一軸偏心ネジポンプ用ロータ。
 前記鉄系材質は、SUS材、SKD材又はSKH材からなる、
 請求項1に記載の一軸偏心ネジポンプ用ロータ。
 前記中間層は、熱伝導率が30~300W/mKである、
 請求項1又は2に記載の一軸偏心ネジポンプ用ロータ。
 前記中間層は、Cr又はNiを主成分とする、
 請求項3に記載の一軸偏心ネジポンプ用ロータ。
 前記中間層は、CVD法によりコートされたTiC膜又はSiC膜である、
 請求項3に記載の一軸偏心ネジポンプ用ロータ。
 前記DLC膜は、厚さが1~20μm、熱伝導率が10W/mK以下、硬度が8GPa以上である、
 請求項1~5のいずれか1項に記載の一軸偏心ネジポンプ用ロータ。
 前記移送液は、SiC粉末又はコージェライト粉末を含むスラリーである、
 請求項1~6のいずれか1項に記載の一軸偏心ネジポンプ用ロータ。
Description:
一軸偏心ネジポンプ用ロータ

 本発明は、一軸偏心ネジポンプ用ロータ 関し、詳しくは一軸偏心ネジポンプの雌ネ 形のステータ内に嵌挿され、偏心回転する とにより移送液を搬送可能な雄ネジ形のロ タに関する。

 従来、この種の一軸偏心ネジポンプ用ロー としては、特許文献1に示すように、アルミ ニウム合金からなるロータ基材の表面に、膜 厚50~100μmのWC(タングステンカーバイド)溶射 膜を介して膜厚0.5~5μmのDLC(ダイアモンドラ クカーボン)膜を形成したものが知られてい 。このロータによれば、比較的摩耗性の少 い移送液を送出する際のロータとステータ 寿命が長くなるという効果が得られる。

特開2006-249931号公報

 ところで、こうした一軸偏心ネジポンプ 利用して、炭化珪素やコージェライトなど 高硬度のセラミックスのスラリー(高摩耗性 スラリー)を送出したいという要望がある。 かしながら、一軸偏心ネジポンプは、構造 に移送液の入口から出口までの距離がロー の直径に比べて長いこと、移送液の出口で ロータに加わる面圧が高いこと、移送液の 出のオンオフ動作が繰り返し実行されるこ 等のために、高摩耗性の移送液を略一定の 度に保ちながら高い精度で定量的に送出す ことは難しかった。また、特許文献1に開示 れたロータを採用した場合には、ロータ基 がヤング率の低いアルミニウム合金である め、摩耗性の高いスラリーによって弾性変 してWC溶射被膜やDLC膜が剥離してしまうと う問題が生じることがあった。

 本発明は、このような課題に鑑みなされ ものであり、高摩耗性の移送液を略一定の 度に保ちながら高い精度で定量的に送出可 な一軸偏心ネジポンプ用ロータを提供する とを主目的とする。

 本発明は、上述の主目的を達成するため 以下の手段を採った。

 本発明のロータは、
 一軸偏心ネジポンプの雌ネジ形のステータ に嵌挿され、偏心回転することにより移送 を搬送可能な雄ネジ形のロータであって、
 鉄系材質からなるロータ基材と、
 該ロータ基材の表面に形成され前記鉄系材 よりも熱伝導率の高い中間層と、
 該中間層の表面に形成されたDLC膜からなる 層と、
 を備えたものである。

 一軸偏心ネジポンプは、移送液の出口付 ではロータに加わる面圧が高いため移送液 高温化する傾向にあるが、本発明のロータ 採用した場合にはロータ基材よりも熱伝導 の高い中間層を介して出口から入口にかけ の均熱化が促進されるため、移送液を一定 温度に保ちながら送出することが可能とな 。また、アルミニウム合金に比べて高硬度 鉄系材質をロータ基材とすると共にロータ 表層に耐摩耗性の高いDLC膜を有しているた 、高摩耗性の移送液を送出したとしても摩 の影響がほとんどなく、高い精度で定量的 移送液を送出することができる。

一軸偏心ネジポンプ10の断面図である 雄ネジ形ロータ14の断面図である。 実施例1,2及び比較例1~4の移送液温度に するグラフである。 実施例1,2及び比較例1~4の移送液量に関 るグラフである。 実施例1,2及び比較例1~4の移送液温度に するグラフである。 実施例1,2及び比較例1~4の移送液量に関 るグラフである。

 次に、本発明の実施の形態を図面に基づ て説明する。図1は一軸偏心ネジポンプ10の 面図、図2は雄ネジ形ロータ14の断面図であ 。

 一軸偏心ネジポンプ10は、モーノポンプ 呼ばれるものであり、雌ネジ形ステータ12と 、この雌ネジ形ステータ12内に偏心回転可能 嵌挿された雄ネジ形ロータ14と、雌ネジ形 テータ12を覆うステータケーシング16と、ス ータケーシング16の後端に取り付けられ移 液の入口18が設けられた入口側ケーシング20 、ステータケーシング16の先端に取り付け れ移送液の出口22が設けられた出口側ケーシ ング24とを備えている。雌ネジ形ステータ12 、ゴム等の弾性材で形成されており、内周 にはダブルピッチの螺旋溝が形成されてい 。雄ネジ形ロータ14は、図2に示すように、 系材質からなるロータ基材14aと、該ロータ 材14aの表面に形成されロータ基材14aよりも 伝導率が高い中間層14bと、該中間層14bの表 に形成されたDLC膜からなる表層14cとを備え いる。この雄ネジ形ロータ14は、第1ユニバ サルジョイント26を介してカップリングロッ ド28の先端に結合されている。また、カップ ングロッド28の後端は、第2ユニバーサルジ イント30を介してドライブシャフト32に結合 されている。ドライブシャフト32は、ボール アリング34によって軸回転可能に支持され おり、第2ユニバーサルジョイント30の近傍 設けられた軸封装置36によって液密に入口側 ケーシング20に取り付けられている。

 このような構成を備えた一軸偏心ネジポ プ10の使用例について説明する。一軸偏心 ジポンプ10のドライブシャフト32を図示しな モータによって駆動して定速で軸回転させ がら、入口18から移送液として高摩耗性の ラリーを導入する。ドライブシャフト32の軸 回転に伴って雄ネジ形ロータ14も回転するた 、雄ネジ形ロータ14と雌ネジ形ステータ12の 螺旋溝との間に形成される空洞部38が出口22 向かって移動していく。この空洞部38には入 口18から導入されたスラリーが充填されるた 、スラリーは空洞部38の移動に伴って移送 れ、出口22から外部へ吐出される。このよう にして、入口18から導入されたスラリーは出 22から外部へ一定の流量で(つまり定量的に) 吐出される。

 以上詳述した本実施形態の一軸偏心ネジ ンプ10によれば、スラリーを移送している ちに出口付近が面圧の上昇によって高温に ったとしても、その熱は雄ネジ形ロータ14の 熱伝導性の高い中間層14bを介して出口側から 入口側へと拡散するため均熱化される。した がって、移送液を略一定の温度で供給するこ とができる。また、最表面に高い耐摩耗性を 有するDLC膜を有しているため、高摩耗性のス ラリーを移送したとしても摩耗の影響がほと んどなく、高い精度で定量的にスラリーを移 送することができる。更に、上述したように 雄ネジ形ロータ14を均熱化することによりロ タ内部の熱による歪みが低減されるため、 の点でも定量性が向上する。

 ここで、ロータ基材14aは、鉄系材質とし SUS材、SKD材(ダイス鋼)又はSKH材(ハイスピー 鋼)からなることが好ましい。SUS材としては 、例えば鉄-クロム-ニッケル系のSUS304やSUS316 鉄-クロム系のSUS410やSUS430などが挙げられる 。SUS材の熱伝導率は概ね15~30W/mKである。SKD材 としては、例えばSKD11やSKD61などが挙げられ 。SKD材の熱伝導率は概ね30W/mK前後である。SK H材としては、例えばSKH2,SKH10,SKH51,SKH55などが げられる。SKH材の熱伝導率は概ね25~27W/mKで る。なお、SUS材やSKD材、SKH材のヤング率は2 30GPa前後(ちなみにアルミニウムのヤング率は 70GPa)、硬度はHRC40~70である。ロータ基材14aの 質は、SKD材が靭性に富む点及び割れにくい で特に好ましい。

 中間層14bは、熱伝導率がロータ基材14aよ も高ければ特に限定されないが、熱伝導率 30~300W/mKであることが好ましい。また、中間 層14bは、Cr(Crめっきの場合で熱伝導率94W/mK)又 はNi(Niめっきの場合で熱伝導率91W/mK)を主成分 とする膜としてもよい。Crを主成分とする膜 中間層14bとする場合には、ロータ基材14aの 面に電解めっきを施すことにより形成する とができる。また、Niを主成分とする膜を 間層14bとする場合には、ロータ基材14aの表 に無電解めっきにより形成することができ 。このようなCr又はNiの中間層14bの厚さは50~1 00μmが好ましい。50μm未満ではロータの全長 わたって均熱化することが難しくなること 高摩耗性スラリーを移送した場合にロータ 材まで弾性変形し摩耗が進むことから好ま くなく、100μmを超えるとめっき時間が長く り高コストになるため好ましくない。

 あるいは、中間層14bは、CVD法によりコー されたTiC膜又はSiC膜としてもよい。CVD法に るコーティングは、700℃以上で行うことが ましい。このようなTiC膜又はSiC膜の厚さは1 ~10μmが好ましい。1μm未満ではロータの全長 わたって均熱化することが難しくなること ら好ましくなく、10μmを超えるとCVDの時間が 長くなり高コストになるため好ましくない。 なお、TiC膜やSiC膜は、Cr膜やNi膜に比べて硬 が高く耐摩耗性に優れていることやDLC膜と 相性がよいこと等から、薄くすることがで る。また、TiC膜やSiC膜の熱伝導率は、膜の 密性等によって変化するが、ロータ基材14a 熱伝導率より高くなるように調整すればよ 。

 表層14cのDLC膜は、厚さが1~20μm、熱伝導率 が10W/mK以下、硬度が8GPa以上であることが好 しい。厚さが1μm未満だと耐摩耗性が不十分 なるおそれがあるため好ましくなく、20μm 超えると膜形成に要する時間が長くなり高 スト化の原因になるため好ましくない。ま 、熱伝導率が10W/mKを超えるとロータ温度の 熱化よりも移送液への放熱が進むため好ま くない。更に、硬度が8GPa未満だと耐摩耗性 十分得られないことがあるため好ましくな 。

 一軸偏心ネジポンプ10において、移送液 、SiC粉末又はコージェライト粉末を含むス リーとしてもよい。このような高摩耗性ス リーを移送液とした場合においても、雄ネ 形ロータ14は摩耗の影響がほとんどなく、一 軸偏心ネジポンプ10により高い精度で定量的 移送液を送出することができる。なお、SiC 末と同程度の硬度を有する粉末やコージェ イト粉末と同程度の硬度を有する粉末を含 スラリーを移送液として用いた場合でも、 様にして本発明の効果を得ることができる

[実施例1]
 SUS304(ヤング率193kN/mm 2 、熱伝導率16.3W/mK、硬さ160HV)からなるロータ 材に70μmのCrめっきを行うことにより中間層 を形成し、その上に5μmのDLC膜を形成するこ により、全長122mm、主軸径φ5mmの雄ネジ形ロ タとした。ここで、Crめっきは、以下のよ にして行った。すなわち、ロータ表面を酸 洗浄後、無水クロム酸200g/L及び硫酸2g/Lが混 した薬液中に投入し、20A/cm 2 の電流を流すことでめっきを行った。めっき 時間は約6時間であった。このようにして得 れたCr膜の硬さは800HV以上、熱伝導率は94W/mK あった。また、DLC膜の形成は、以下のよう して行った。すなわち、ロータ基材をプラ マCVD用のチャンバに入れ、チャンバ内の真 度が1.0Paとなるように真空ポンプを用いて 整した。続いて、アルゴンガスを用いた表 スパッタリング及びテトラメチルシランガ を用いたSiCの中間層(厚さ0.1μm)のコートを行 った。続いて、チャンバ内にアセチレンガス を導入し、ロータ基材に導体を介してプラズ マ発生用電源によりパルス電圧を印加した。 このとき、パルス電圧の周波数を10kHz、立ち がり時間を500nsec、パルス継続時間(オンオ の繰り返しからなるパルス電圧においてパ スが連続する時間)を1200nsecとした。また、 ルスの電圧値及び電流値はそれぞれ10kV及び1 0Aとした。このパルス電圧を印加して120分間 電を行い、DLC膜を形成した。このようにし 得られたDLC膜は、硬度が17GPa、熱伝導率が0. 1W/mKであった。

[実施例2]
 HRc55に硬度を制御したSKD11(ヤング率206kN/mm 2 、熱伝導率29W/mK)からなるロータ基材にCVD法 よるTiC膜を5μmコートすることにより中間層 形成し、その上に5μmのDLC膜を形成すること により、全長122mm、主軸径φ5mmの雄ネジ形ロ タとした。ここで、CVD法によるTiC膜の形成 、以下のようにして行った。すなわち、ロ タ基材を熱CVD用のチャンバに入れ、チャン 内の温度が1000℃、真空度が1000Paとなるよう ヒータ及び真空ポンプにて調整した。その 、塩素ガスを用い30分間表面クリーニング 行った後、圧力を10000Paに設定し、四塩化チ ンガスとメタンガス、水素ガスを同時に流 、TiC膜を成膜した。成膜時間は2時間であっ た。このようにして得られたTiC膜の硬度は35G Pa、熱伝導率は40W/mKであった。また、DLC膜の 成は実施例1と同様にして行った。

[比較例1]
 アルミニウムからなるロータ基材にWC溶射 50μm行うことによりWC層を形成し、その上に5 μmのDLC膜を形成することにより、全長122mm、 軸径φ5mmの雄ネジ形ロータとした。

[比較例2]
 SUS304からなるロータ基材に500℃にて約50μm ラジカル窒化を行うことにより窒化層を形 し、その上に5μmのDLC膜を形成することによ 、全長122mm、主軸径φ5mmの雄ネジ形ロータと した。なお、ラジカル窒化については特開200 6-249931号公報の段落0040~0042の記載に準じて行 た。

[比較例3]
 SUS304からなるロータ基材に70μmのCrめっきを 行うことにより、全長122mm、主軸径φ5mmの雄 ジ形ロータとした。

[比較例4]
 SUS304からなるロータ基材に5μmのCrめっきを うことにより、全長122mm、主軸径φ5mmの雄ネ ジ形ロータとした。

[実施例1,2及び比較例1~4の評価-その1]
 以上のようにして作製した実施例1,2及び比 例1~4の雄ネジ形ロータをそれぞれ一軸偏心 ジポンプ(型番3NDPL、兵神装備社製)に組み込 み、ドライブシャフトの駆動を40秒オフした と20秒オンするというサイクルで2ヶ月間繰 返した。なお、20秒オンしている期間に出 から排出される移送液は、30℃、120gとなる うにした。移送液には、摩耗性が非常に高 スラリー、具体的には、炭化珪素粉末39重量 %、アルミシリケート繊維32重量%、コロイダ シリカ19重量%、水10重量%からなるスラリー 用いた。このスラリーの粘度は回転粘度計 測定したところ、35パスカル秒であった。こ うしたサイクル試験を行ったときの移送液温 度とそのバラツキを図3に、移送液量とその ラツキを図4に示した。

 図3及び図4から明らかなように、移送液 度及び移送量のいずれも、比較例1~4ではバ ツキが大きかったのに対し、実施例1,2では ラツキが極めて小さかった。特に移送量に しては、ヤング率の低いアルミニウムから るロータ基材を採用した比較例1では、摩耗 の高いスラリーによってロータ基材が弾性 形してWC膜やDLC膜が剥離してしまうという 題が生じた。また、比較例2では窒化層とDLC との接着性が不十分なためDLC膜の剥離が生 た。更に、比較例3,4では表層がCrめっきで り耐摩耗性が不十分なため、途中で移送液 漏れが生じた。これに対して、実施例1,2で 中間層やDLC膜の剥離は見られず、移送液の れも生じなかった。

[実施例1,2及び比較例1~4の評価-その2]
 実施例1,2及び比較例1~4の雄ネジ形ロータを れぞれ前出の一軸偏心ネジポンプに組み込 、ドライブシャフトの駆動を40秒オフした と20秒オンするというサイクルで2ヶ月間繰 返した。なお、20秒オンしている期間に出口 から排出される移送液は、30℃、80gとなるよ にした。移送液には、摩耗性が非常に高い ラリー、具体的には、コージェライト粉末6 0重量%、シリカゾル(コロイダルシリカ)18重量 %、セラミックスファイバ3重量%、分散剤0.6重 量%、有機バインダ0.2重量%、防腐剤0.2重量%、 水18重量%からなるスラリーを用いた。また、 コージェライト粉末のタップかさ密度は1.3~1. 5g/cm 3 、平均粒子径は20~55μm、44μm以下粉末成分含 割合(A,B)が45~80重量%のものを使用した。詳し くは、特開2004-231506号公報参照。このスラリ の粘度は回転粘度計で測定したところ、30 スカル秒であった。こうしたサイクル試験 行ったときの移送液温度とそのバラツキを 5に、移送液量とそのバラツキを図6に示した 。

 図5及び図6から明らかなように、移送液 度及び移送量のいずれも、比較例1~4ではバ ツキが大きかったのに対し、実施例1,2では ラツキが極めて小さかった。特に移送量に しては、ヤング率の低いアルミニウムから るロータ基材を採用した比較例1では、摩耗 の高いスラリーによってロータ基材が弾性 形してWC膜やDLC膜が剥離してしまうという 題が生じた。また、比較例2では窒化層とDLC との接着性が不十分なためDLC膜の剥離が生 た。更に、比較例3,4では表層がCrめっきで り耐摩耗性が不十分なため、途中で移送液 漏れが生じた。これに対して、実施例1,2で 中間層やDLC膜の剥離は見られず、移送液の れも生じなかった。

 本出願は、2007年9月3日に出願された日本 特許出願第2007-227778号を優先権主張の基礎 しており、引用によりその内容の全てが本 細書に含まれる。

 本発明は、炭化珪素やコージェライトな の高硬度のセラミックスのスラリー(高摩耗 性スラリー)を送出するときなどに利用可能 ある。