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Patent Searching and Data


Title:
UNIT CELL OF FUEL BATTERY
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/069771
Kind Code:
A1
Abstract:
A unit cell of a fuel battery such that the mechanical load on the electrolyte membrane is lightened and an adequate load per unit area can be exerted on the central part. The unit cell comprises a membrane electrode assembly which has an anode electrode provided on one side of a solid polymer electrolyte film and including an anode catalyst layer and a gas diffusing layer and a cathode electrode provided on the other and including a cathode catalyst layer and a gas diffusing layer and a pair of separators. The unit cell is characterized in that at least on one side of the anode and cathode sides of the solid polymer electrolyte film, the anode or cathode catalyst layer has dimensions and a shape a size smaller than those of the solid polymer electrolyte film and the gas diffusion layers, the outer periphery of the solid polymer electrolyte film protruding from the periphery of the anode or cathode catalyst layer is opposed to the outer periphery of the gas diffusing layer, a protective layer having a picture-frame shape and having a first portion interposed between the outer periphery of the solid polymer electrolyte film and the outer periphery of the gas diffusing layer and a second portion placed on the outer periphery of the anode or cathode catalyst layer is provided, and a unit cell thickness adjustment layer is provided in which the thickness of the unit cell thickness adjustment layer in the region where the second portion of the protective layer is present is smaller than the thickness of the unit cell thickness adjustment layer in the central region where the protective layer is not present or the unit cell thickness adjustment layer is not provided so that the thickness of the unit cell in the region where the second portion of the protective layer is present may be the thickness or less of the unit cell in the central region.

Inventors:
SHIZUKU FUMISHIGE (JP)
NISHIYAMA HIROSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/071701
Publication Date:
June 04, 2009
Filing Date:
November 28, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOYOTA MOTOR CO LTD (JP)
SHIZUKU FUMISHIGE (JP)
NISHIYAMA HIROSHI (JP)
International Classes:
H01M4/86; H01M8/02; H01M8/10
Foreign References:
JP2007250432A2007-09-27
JP2004047230A2004-02-12
JP2002093434A2002-03-29
JP2001015127A2001-01-19
JPH06325777A1994-11-25
JPH05242897A1993-09-21
JP2008130357A2008-06-05
Attorney, Agent or Firm:
KISHIMOTO, Tatsuhito et al. (3rd Floor Oak Building Kyobashi,16-10, Kyobashi 1-chom, Chuou-ku Tokyo 31, JP)
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Claims:
 固体高分子電解質膜の一面側にアノード触媒層及びガス拡散層を含むアノード電極を有し、他面側にカソード触媒層及びガス拡散層を含むカソード電極を有する膜・電極接合体と、一対のセパレータとを有する燃料電池の単セルであって、
 前記固体高分子電解質膜のアノード側及びカソード側のうち少なくとも一面側において、前記アノード又はカソード触媒層は、前記固体高分子電解質膜及び前記ガス拡散層よりも一回り小さい寸法及び形状を有し、且つ、当該アノード又はカソード触媒層の外周からはみ出した前記固体高分子電解質膜の外周縁部と、前記ガス拡散層の外周縁部とが対峙しており、
 対峙しあう当該高分子電解質膜の外周縁部と当該ガス拡散層の外周縁部の間に介在する第一の部位、及び、前記アノード又はカソード触媒層の外周と重なる第二の部位を有する枠形状の保護層が設けられ、
 さらに単セル厚さ調整層を有し、且つ、当該単セル厚さ調整層は、前記保護層の第二の部位が存在する領域における単セルの厚さが、当該保護層が存在しない中央部における当該単セルの厚さ以下になるように、前記保護層の第二の部位が存在する領域において前記中央部における前記単セル厚さ調整層の厚さよりも薄いか又は存在しないことを特徴とする、燃料電池の単セル。
 前記単セル厚さ調整層が、前記アノード又はカソード触媒層と前記ガス拡散層との間に介在する撥水層である、請求の範囲第1項に記載の燃料電池の単セル。
 前記単セル厚さ調整層が、前記膜・電極接合体をさらに挟持する多孔質層であり、当該挟持物をさらにガス流路を有しない一対の平板セパレータで挟持する、請求の範囲第1項に記載の燃料電池の単セル。
 前記固体高分子電解質膜のアノード側及びカソード側の両面において、前記単セル厚さ調整層は、前記保護層の第二の部位が存在する領域における単セルの厚さが、当該保護層が存在しない中央部における当該単セルの厚さ以下になるように、前記保護層の第二の部位が存在する領域において前記中央部における前記単セル厚さ調整層の厚さよりも薄いか又は存在しない、請求の範囲第1項乃至第3項のいずれか一項に記載の燃料電池の単セル。
 前記固体高分子電解質膜のアノード側及びカソード側のうち少なくとも一面側において、前記単セル厚さ調整層は、前記保護層の第一及び第二の部位が存在する領域における単セルの厚さが、当該保護層が存在しない中央部における当該単セルの厚さ以下になるように、前記保護層の第一及び第二の部位が存在する領域において前記中央部における前記単セル厚さ調整層の厚さよりも薄いか又は存在しない、請求の範囲第1項乃至第4項のいずれか一項に記載の燃料電池の単セル。
 前記単セル厚さ調整層が、前記撥水層である場合において、前記膜・電極接合体を一対の多孔質層で挟持し、当該挟持物をさらにガス流路を有しない一対の平板セパレータで挟持する、請求の範囲第2項及び第4項及び第5項のいずれか一項に記載の燃料電池の単セル。
 前記多孔質層の多孔度が70%以上であり、且つ、空孔径が20~100nmである、請求の範囲第3項乃至第6項のいずれか一項に記載の燃料電池の単セル。
 前記単セル厚さ調整層が、前記撥水層である場合において、前記保護層の第一及び第二の部位が存在する領域における前記撥水層の厚さが、前記保護層の厚さ以下である、請求の範囲第2項及び請求の範囲第4項乃至第7項のいずれか一項に記載の燃料電池の単セル。
 前記単セル厚さ調整層が、前記撥水層である場合において、前記保護層の第一及び第二の部位が存在する領域において前記撥水層が存在しない、請求の範囲第2項及び請求の範囲第4項乃至第8項のいずれか一項に記載の燃料電池の単セル。
 前記保護層の第一及び第二の部位が存在する領域における前記多孔質層の厚さが、200~600μmである、請求の範囲第3項乃至第9項のいずれか一項に記載の燃料電池の単セル。
 前記請求の範囲第3項乃至第10項のいずれか一項に記載された燃料電池の単セルの製造方法であって、
 アノード側及びカソード側のうち少なくとも一方に設けられる多孔質層の、前記保護層の第一及び第二の部位が存在する領域を削るか、又は潰すかすることによって、前記多孔質層の厚さを位置選択的に薄くする工程を有することを特徴とする、燃料電池の単セルの製造方法。
Description:
燃料電池の単セル

 本発明は、燃料電池の単セルに関する。

 燃料電池は、燃料と酸化剤を電気的に接 された2つの電極に供給し、電気化学的に燃 料の酸化を起こさせることで、化学エネルギ ーを直接電気エネルギーに変換する。火力発 電とは異なり、燃料電池はカルノーサイクル の制約を受けないので、高いエネルギー変換 効率を示す。燃料電池は、通常、電解質膜を 一対の電極で挟持した膜・電極接合体を基本 構造とする単セルを複数積層して構成されて いる。中でも、電解質膜として固体高分子電 解質膜を用いた固体高分子電解質型燃料電池 は、小型化が容易であること、低い温度で作 動すること、などの利点があることから、特 に携帯用、移動体用電源として注目されてい る。

 固体高分子電解質型燃料電池では、水素を 料とした場合、アノード(燃料極)では(1)式 反応が進行する。
 H 2  → 2H +  + 2e -   …(1)
 (1)式で生じる電子は、外部回路を経由し、 部の負荷で仕事をした後、カソード(酸化剤 極)に到達する。そして、(1)式で生じたプロ ンは、水和した状態で、固体高分子電解質 内をアノード側からカソード側に、電気浸 により移動する。

 また、酸素を酸化剤とした場合、カソード は(2)式の反応が進行する。
 2H +  + (1/2)O 2  + 2e -  → H 2 O  …(2)
 カソードで生成した水は、主としてガス拡 層を通り、外部へと排出される。このよう 、燃料電池は、水以外の排出物がなく、ク ーンな発電装置である。

 固体高分子電解質型燃料電池の場合、燃 及び酸化剤は、通常気体状態(燃料ガス、酸 化剤ガス)で燃料電池へ連続的に供給される それらの気体は、導電体である担体に担持 れた触媒粒子及びイオン伝導路を確保する 分子電解質との接面である三相界面まで導 され、前記反応が進行する。従って、通常 料電池の電極には、触媒粒子に均一に高分 電解質を混ぜ合わせた多孔質の触媒層を含 電極を用いることが知られている。

 図21に示した2つの図は、いずれも一般的 固体高分子電解質型燃料電池の単セル100を す図であって、積層方向に切断した断面を 式的に示した図である。単セル100は、水素 オン伝導性を有する固体高分子電解質膜(以 下、単に電解質膜ということがある)1と、前 電解質膜1を挟んだ一対のカソード電極6及 アノード電極7とでなる膜・電極接合体8を含 み、さらに前記膜・電極接合体8を電極の外 から挟んだ一対のセパレータ9及び10とを有 る。セパレータと電極の境界にはガス流路11 及び12が確保され、アノード側では水素ガス 、カソード側では酸素を含むガス(通常は空 気)がそれぞれ連続的に供給される。通常は 極として、電解質膜側から順に触媒層とガ 拡散層とを有するものが用いられる。すな ち、カソード電極6はカソード触媒層2とガス 拡散層4とを有するものからなり、アノード 極7はアノード触媒層3とガス拡散層5とを有 るものからなる。

 図21(a)に示すように、ガス拡散層には通常 触媒層に面する側に撥水層が設けられる。 なわち、カソード触媒層2とガス拡散層4との 間に撥水層13が、アノード触媒層3とガス拡散 層5との間に撥水層14が、それぞれ設けられる 。撥水層は、通常、炭素粒子や炭素繊維等の 導電性粉粒体、ポリテトラフルオロエチレン (PTFE)等の撥水性樹脂等を含む多孔質構造を有 するものである。撥水層には、触媒層及び電 解質膜内の水分量を適度に保持しつつ、ガス 拡散層の排水性を高めることができる上に、 触媒層とガス拡散層間の電気的接触を改善す ることができるという利点がある。
 なお、図21(b)に示すように、上述した撥水 が存在しない単セルも知られている。

 一対の電極で挟持された電解質膜1は、通 常実際に発電時使用される電極面積、特に触 媒層2及び触媒層3の面積よりも大きく作製さ る。この際、触媒層が塗布されていない電 質膜端部は脆弱であり、特に図22(a)に示す うに、ガス拡散層4及びガス拡散層5を構成す る炭素質多孔質体又は金属多孔質体から生じ る毛羽15が撥水層13及び撥水層14を貫通し、電 解質膜1に突き刺さったり、図22(b)に示すよう に、当該毛羽15が直接電解質膜1に突き刺さっ たりすることにより、電解質膜1が破れ短絡 が起こり、その結果初期電圧の低下などの 題が生じていた。

 このような問題に対し、例えば特許文献1 に挙げられるように、膜・触媒層接合体端部 に補強膜を設けることにより、膜・触媒層接 合体を補強する効果を目的とした技術が既に 知られている。

特開2004-47230号公報

 図23に示した2つの図は、いずれも、従来技 における補強膜を設けた単セル200を示す図 あって、積層方向に切断した断面を模式的 示した図である。図23(a)には撥水層13及び14 設けられている単セルを、図23(b)には当該 水層が設けられていない単セルを、それぞ 示した。
 補強膜は、対峙しあう高分子電解質膜1の外 周縁部とガス拡散層4又は5の外周縁部の間に 在する第一の部位16aのみ設けることは技術 に困難であることから、図23に示すように 実際には補強膜は前記アノード又はカソー 触媒層の外周と重なる第二の部位16bも設け れている。したがって、前記補強膜の第二 部位16bが存在する領域における単セルの厚 17bは、当該補強膜が存在しない中央部にお る当該単セルの厚さ17cと比較して厚くなっ おり、単セルに一定荷重をかけたときの単 面積当たりの荷重は、単セル中央部よりも 記補強膜の第二の部位16bが存在する領域の が大きくなる。
 また、前記補強膜の第一の部位16aが存在す 領域における単セルの厚さ17aは、補強膜16 厚さが触媒層2又は触媒層3の厚さよりも厚い 場合、前記厚さ17aは前記厚さ17cと比較して厚 くなり、単セルに一定荷重をかけたときの単 位面積当たりの荷重は、単セル中央部よりも 前記補強膜の第一の部位16aが存在する領域の 方が大きくなる。
 その結果、複数の単セルをスタックして発 する際に、単セルの外周縁部の単位面積当 りの荷重が増大することにより、電解質膜 かかる力学的負荷が大きくなるという問題 生じた。また、発電において主要な働きを る単セルの中央部に十分な単位面積当たり 荷重がかからず、したがって設計通りの十 な発電を行うことができないという問題も に生じた。
 本発明は、電解質膜にかかる力学的負荷を え、単セルの中央部に十分な単位面積当た の荷重をかけることで、設計通りの十分な 電を行うことができる燃料電池の単セル及 その製造方法を提供することを目的とする

 本発明の燃料電池の単セルは、固体高分 電解質膜の一面側にアノード触媒層及びガ 拡散層を含むアノード電極を有し、他面側 カソード触媒層及びガス拡散層を含むカソ ド電極を有する膜・電極接合体と、一対の パレータとを有する燃料電池の単セルであ て、前記固体高分子電解質膜のアノード側 びカソード側のうち少なくとも一面側にお て、前記アノード又はカソード触媒層は、 記固体高分子電解質膜及び前記ガス拡散層 りも一回り小さい寸法及び形状を有し、且 、当該アノード又はカソード触媒層の外周 らはみ出した前記固体高分子電解質膜の外 縁部と、前記ガス拡散層の外周縁部とが対 しており、対峙しあう当該高分子電解質膜 外周縁部と当該ガス拡散層の外周縁部の間 介在する第一の部位、及び、前記アノード はカソード触媒層の外周と重なる第二の部 を有する枠形状の保護層が設けられ、さら 単セル厚さ調整層を有し、且つ、当該単セ 厚さ調整層は、前記保護層の第二の部位が 在する領域における単セルの厚さが、当該 護層が存在しない中央部における当該単セ の厚さ以下になるように、前記保護層の第 の部位が存在する領域において前記中央部 おける前記単セル厚さ調整層の厚さよりも いか又は存在しないことを特徴とする。

 このような構成の燃料電池の単セルは、 記保護層を設けることによって生じていた 前記保護層の第二の部位が存在する領域に ける単セルの厚さを、当該保護層が存在し い中央部における単セルの厚さ以下にする めに、前記第二の部位が存在する領域にお る前記単セル厚さ調整層の厚さを、前記中 部における前記単セル厚さ調整層の厚さよ も薄くするか又は設置しないことによって 単セルをスタックした際に、電解質膜にか る力学的負荷を抑えることができ、且つ、 セルの中央部に十分な単位面積当たりの荷 がかかり、設計通りの十分な発電を行うこ ができる。

 本発明の燃料電池の単セルの一形態とし は、前記単セル厚さ調整層が、前記アノー 又はカソード触媒層と前記ガス拡散層との に介在する撥水層であるという構成をとる とができる。

 このような構成の燃料電池の単セルは、 記保護層を設けることによって生じていた 前記保護層の第二の部位が存在する領域に ける単セルの厚さを、当該保護層が存在し い中央部における単セルの厚さ以下にする めに、前記第二の部位が存在する領域にお て本来不要である撥水層の厚さを、前記中 部における前記撥水層の厚さよりも薄くす か又は設置しないことによって、単セルを タックした際に、電解質膜にかかる力学的 荷を抑えることができ、且つ、単セルの中 部に十分な単位面積当たりの荷重がかかり 設計通りの十分な発電を行うことができる

 本発明の燃料電池の単セルの一形態とし は、前記単セル厚さ調整層が、前記膜・電 接合体をさらに挟持する多孔質層であり、 該挟持物をさらにガス流路を有しない一対 平板セパレータで挟持するという構成をと ことができる。

 このような構成の燃料電池の単セルは、 ス流路を有しない平板セパレータを用い、 該平板セパレータに接し、且つ、当該平板 パレータより単セルの内側に設置されてい 多孔質層からガスを供給する構造を採用し いるため、多孔質層が有する弾性によって セル内部の膜・電極接合体にかかる圧力を 定にすることができる。また、前記保護層 設けることによって生じていた、前記保護 の第二の部位が存在する領域における単セ の厚さを、当該保護層が存在しない中央部 おける単セルの厚さ以下にするために、前 第二の部位が存在する領域における多孔質 の厚さを、前記中央部における前記多孔質 の厚さよりも薄くすることによって、単セ をスタックした際に、電解質膜にかかる力 的負荷を抑えることができ、且つ、単セル 中央部に十分な単位面積当たりの荷重がか り、設計通りの十分な発電を行うことがで る。

 本発明の燃料電池の単セルは、前記固体 分子電解質膜のアノード側及びカソード側 両面において、前記単セル厚さ調整層は、 記保護層の第二の部位が存在する領域にお る単セルの厚さが、当該保護層が存在しな 中央部における当該単セルの厚さ以下にな ように、前記保護層の第二の部位が存在す 領域において前記中央部における前記単セ 厚さ調整層の厚さよりも薄いか又は存在し いことが好ましい。

 このような構成の燃料電池の単セルは、 記アノード側及び前記カソード側の両面に いて、電解質膜にかかる力学的負荷を抑え ことができ、且つ、単セルの中央部に十分 単位面積当たりの荷重をかけることができ 。

 本発明の燃料電池の単セルは、前記固体 分子電解質膜のアノード側及びカソード側 うち少なくとも一面側において、前記単セ 厚さ調整層は、前記保護層の第一及び第二 部位が存在する領域における単セルの厚さ 、当該保護層が存在しない中央部における 該単セルの厚さ以下になるように、前記保 層の第一及び第二の部位が存在する領域に いて前記中央部における前記単セル厚さ調 層の厚さよりも薄いか又は存在しないこと 好ましい。

 このような構成の燃料電池の単セルは、 記第二の部位が存在する領域における前記 セル厚さ調整層の厚さを調節すると共に、 記保護層を設けることによって生じていた 前記保護層の第一の部位が存在する領域に ける単セルの厚さを、当該保護層が存在し い中央部における単セルの厚さ以下にする めに、前記第一の部位が存在する領域にお る前記単セル厚さ調整層の厚さを、前記中 部における前記単セル厚さ調整層の厚さよ も薄くするか又は設置しないことによって 単セルをスタックした際に、電解質膜にか る力学的負荷を抑えることができ、且つ、 セルの中央部に十分な単位面積当たりの荷 がかかり、設計通りの十分な発電を行うこ ができる。

 本発明の燃料電池の単セルは、前記単セ 厚さ調整層が、前記撥水層である場合にお て、前記膜・電極接合体を一対の多孔質層 挟持し、当該挟持物をさらにガス流路を有 ない一対の平板セパレータで挟持すること 好ましい。

 このような構成の燃料電池の単セルは、 えば、溝流路の有無が場所による単位面積 たりの荷重にバラつきを生じさせる溝流路 きセパレータを用いる場合とは異なり、溝 路を有しない平板セパレータを用いること 、板の全面にわたって単位面積当たりの荷 をかけることができる。また、溝流路付き パレータを作製するときにかかる、溝流路 成のコストを削減することができる。さら 、膜・電極接合体と平板セパレータの間に 孔質層を介在させることにより、ガス供給 を向上させることができる。

 本発明の燃料電池の単セルは、前記多孔 層の多孔度が70%以上であり、且つ、空孔径 20~100nmであることが好ましい。

 このような構成の燃料電池の単セルは、 記多孔質層が十分な多孔度及び空孔径を有 ているため、発電時に十分な量の燃料ガス び酸化剤ガスを供給することができる。

 本発明の燃料電池の単セルは、前記単セ 厚さ調整層が、前記撥水層である場合にお て、前記保護層の第一及び第二の部位が存 する領域における前記撥水層の厚さが、前 保護層の厚さ以下であることが好ましい。

 このような構成の燃料電池の単セルは、 記保護層の第一及び第二の部位が存在する 域における適切な前記撥水層の厚さを選択 ることにより、電解質膜にかかる力学的負 を抑えることができ、且つ、単セルの中央 に十分な単位面積当たりの荷重をかけるこ ができる。

 本発明の燃料電池の単セルは、前記単セ 厚さ調整層が、前記撥水層である場合にお て、前記保護層の第一及び第二の部位が存 する領域において前記撥水層が存在しない とが好ましい。

 このような構成の燃料電池の単セルは、 記アノード触媒層又は前記カソード触媒層 外縁部において本来不要な撥水層を設けな ことにより、電解質膜にかかる力学的負荷 抑えることができ、且つ、単セルの中央部 十分な単位面積当たりの荷重をかけること できる。

 本発明の燃料電池の単セルは、前記保護 の第一及び第二の部位が存在する領域にお る前記多孔質層の厚さが、200~600μmであるこ とが好ましい。

 このような構成の燃料電池の単セルは、 セル内部の膜・電極接合体にかかる圧力を 定にするのに十分な弾性を有する多孔質層 厚さを保持することができる。

 本発明の燃料電池の単セルの製造方法は 上記本発明の燃料電池の単セルの製造方法 あって、アノード側及びカソード側のうち なくとも一方に設けられる多孔質層の、前 保護層の第一及び第二の部位が存在する領 を削るか、又は潰すかすることによって、 記多孔質層の厚さを位置選択的に薄くする 程を有することを特徴とする。

 このような構成の燃料電池の単セルの製 方法を用いることによって、本発明に係る 料電池の単セルを得ることができる。また 前記保護層の第一及び第二の部位が存在す 領域における前記多孔質層を削るか、又は すという簡便な手法により、前記保護層の 一及び第二の部位が存在する領域の内少な とも一方における前記多孔質層の厚さを薄 することができる。

 本発明によれば、前記保護層を設けるこ によって生じていた、前記保護層の第二の 位が存在する領域における単セルの厚さを 当該保護層が存在しない中央部における単 ルの厚さ以下にするために、前記第二の部 が存在する領域における前記単セル厚さ調 層の厚さを、前記中央部における前記単セ 厚さ調整層の厚さよりも薄くするか又は設 しないことによって、単セルをスタックし 際に、電解質膜にかかる力学的負荷を抑え ことができ、且つ、単セルの中央部に十分 単位面積当たりの荷重がかかり、設計通り 十分な発電を行うことができる。

電解質膜、触媒層及び保護層の位置関 の例を示す断面模式図である。 単セル厚さ調整層が撥水層である場合 おける、片面の電極のみ積層した本発明に る膜・電極接合体の典型例の断面模式図で る。 単セル厚さ調整層が撥水層である場合 おける、片面の電極のみ積層した本発明に る膜・電極接合体の第2の典型例の断面模式 図である。 単セル厚さ調整層が撥水層である場合 おける、片面の電極のみ積層した本発明に る膜・電極接合体の第3の典型例の断面模式 図である。 単セル厚さ調整層が多孔質層である場 における、電解質膜の片面のみに電極及び 孔質層を積層した典型例を示す断面模式図 ある。 単セル厚さ調整層が多孔質層である場 における、電解質膜の片面のみに電極及び 孔質層を積層した第2の典型例を示す断面模 式図である。 図2に示した撥水層の厚さの調節を、図 1に示した例について応用した膜・電極接合 を示す断面模式図である。 図2に示した撥水層の厚さの調節を、図 1に示した例について応用した膜・電極接合 を示す断面模式図である。 図3に示した撥水層の厚さの調節を、図 1に示した例について応用した膜・電極接合 を示す断面模式図である。 図3に示した撥水層の厚さの調節を、 1に示した例について応用した膜・電極接合 を示す断面模式図である。 図4に示した撥水層の厚さの調節を、 1に示した例について応用した膜・電極接合 を示す断面模式図である。 図4に示した撥水層の厚さの調節を、 1に示した例について応用した膜・電極接合 を示す断面模式図である。 図5に示した多孔質層の厚さの調節を 図1に示した例について応用した積層体を示 断面模式図である。 図5に示した多孔質層の厚さの調節を 図1に示した例について応用した積層体を示 断面模式図である。 図6に示した多孔質層の厚さの調節を 図1に示した例について応用した積層体を示 断面模式図である。 図6に示した多孔質層の厚さの調節を 図1に示した例について応用した積層体を示 断面模式図である。 本発明の単セルの典型例を示した図で ある。 本発明の単セルの第2の典型例を示し 図である。 本発明の単セルの第3の典型例を示し 図である。 本発明の単セルの第4の典型例を示し 図である。 一般的な固体高分子電解質型燃料電池 の単セル100を示す図であって、積層方向に切 断した断面を模式的に示した図である。 一般的な固体高分子電解質型燃料電池 の単セル100を示す模式図であって、毛羽15が 解質膜1に突き刺さる様子を示した図である 。 従来技術における補強膜を設けた単セ ル200を示す図であって、積層方向に切断した 断面を模式的に示した図である。

符号の説明

1…固体高分子電解質膜
2…カソード触媒層
3…アノード触媒層
4,5…ガス拡散層
6…カソード電極
7…アノード電極
8…膜・電極接合体
9,10…セパレータ
11,12…ガス流路
13,14…撥水層
15…毛羽
16…補強膜
16a…補強膜の第一の部位
16b…補強膜の第二の部位
17a…補強膜の第一の部位16aが存在する領域に おける単セルの厚さ
17b…補強膜の第二の部位16bが存在する領域に おける単セルの厚さ
17c…補強膜が存在しない単セル中央部の厚さ
21…固体高分子電解質膜
22…触媒層
23…保護層
23a…保護層の第一の部位
23b…保護層の第二の部位
24…撥水層
24a…保護層の第一の部位23aが存在する領域に おける撥水層の厚さ
24b…保護層の第二の部位23bが存在する領域に おける撥水層の厚さ
24c…保護層が存在しない中央部における撥水 層の厚さ
25…ガス拡散層
26a…保護層の第一の部位23aが存在する領域に おける膜・電極接合体の厚さ
26b…保護層の第二の部位23bが存在する領域に おける膜・電極接合体の厚さ
26c…保護層が存在しない中央部における膜・ 電極接合体の厚さ
27…多孔質層
27a…保護層の第一の部位23aが存在する領域に おける多孔質層27の厚さ
27b…保護層の第二の部位23bが存在する領域に おける多孔質層27の厚さ
27c…中央部における多孔質層27の厚さ
28a…保護層の第一の部位23aが存在する領域に おける積層体の厚さ
28b…保護層の第二の部位23bが存在する領域に おける積層体の厚さ
28c…中央部における積層体の厚さ
29…平板セパレータ
30a…保護層の第一の部位23aが存在する領域に おける単セルの厚さ
30b…保護層の第二の部位23bが存在する領域に おける単セルの厚さ
30c…保護層が存在しない中央部における単セ ルの厚さ
100…単セル
200…補強膜を設けた単セル

 本発明の燃料電池の単セルは、固体高分 電解質膜の一面側にアノード触媒層及びガ 拡散層を含むアノード電極を有し、他面側 カソード触媒層及びガス拡散層を含むカソ ド電極を有する膜・電極接合体と、一対の パレータとを有する燃料電池の単セルであ て、前記固体高分子電解質膜のアノード側 びカソード側のうち少なくとも一面側にお て、前記アノード又はカソード触媒層は、 記固体高分子電解質膜及び前記ガス拡散層 りも一回り小さい寸法及び形状を有し、且 、当該アノード又はカソード触媒層の外周 らはみ出した前記固体高分子電解質膜の外 縁部と、前記ガス拡散層の外周縁部とが対 しており、対峙しあう当該高分子電解質膜 外周縁部と当該ガス拡散層の外周縁部の間 介在する第一の部位、及び、前記アノード はカソード触媒層の外周と重なる第二の部 を有する枠形状の保護層が設けられ、さら 単セル厚さ調整層を有し、且つ、当該単セ 厚さ調整層は、前記保護層の第二の部位が 在する領域における単セルの厚さが、当該 護層が存在しない中央部における当該単セ の厚さ以下になるように、前記保護層の第 の部位が存在する領域において前記中央部 おける前記単セル厚さ調整層の厚さよりも いか又は存在しないことを特徴とする。

 本発明の燃料電池の単セルの一形態とし は、前記単セル厚さ調整層が、前記アノー 又はカソード触媒層と前記ガス拡散層との に介在する撥水層であるという構成をとる とができる。

 本発明の燃料電池の単セルの他の一形態 しては、前記単セル厚さ調整層が、前記膜 電極接合体をさらに挟持する多孔質層であ 、当該挟持物をさらにガス流路を有しない 対の平板セパレータで挟持するという構成 とることができる。

 本発明においては、設計及び製造の観点 ら、固体高分子電解質膜、アノード触媒層 びカソード触媒層、ガス拡散層、保護層並 にセパレータは、全面にわたって略均一な さを有するものとし、単セル厚さ調整層の 単セルの領域による厚さの調節を行うもの する。また、固体高分子電解質膜、アノー 触媒層及びカソード触媒層、ガス拡散層、 護層並びにセパレータは、全面にわたって 切れることなく連続であるものとする。

 本発明において、単セル厚さ調整層とは、 該調整層自体の厚さを単セルの部位によっ 変化させることにより、従来技術において 単セルの外縁部に保護層を設けることによ て増加していた単セルの外縁部の厚さを、 セルの中央部の厚さ以下にすることができ 層のことである。このように単セルの厚さ 調整することにより、単セルをスタックし 際に、電解質膜にかかる力学的負荷を抑え ことができ、且つ、単セルの中央部に十分 単位面積当たりの荷重がかかり、設計通り 十分な発電を行うことができる。
 単セル内の発電に直接的または間接的に寄 する層の他に、新たに単セル厚さ調整層を えてもよいが、単セル内の発電に直接的ま は間接的に寄与する層を単セル厚さ調整層 する方が好ましい。すなわち、単セル内の 電に直接的または間接的に寄与する層を、 電に影響を及ぼすことのない程度において 分的に削ったり、潰したり、面積を減らし りすることによって、単セル全体の厚さを 整することが好ましい。
 単セル厚さ調整層としては、具体的には、 述する撥水層、多孔質層等が挙げられる。
 なお、一つの単セル内に一種類の単セル厚 調整層のみを設けることに必ずしも限定さ るわけではなく、一つの単セル内に複数種 の単セル厚さ調整層が設けられていてもよ 。このように複数種類の単セル厚さ調整層 設けられる場合、各々の層が独立に本発明 効果を奏するように設置されていてもよい 、各々の層が協働して本発明の効果を奏す ように設置されていてもよい。

 高分子電解質膜とは、燃料電池において 用される高分子電解質膜であり、ナフィオ (商品名)に代表されるパーフルオロカーボ スルホン酸樹脂のようなフッ素系高分子電 質を含むフッ素系高分子電解質膜の他、ポ エーテルエーテルケトン、ポリエーテルケ ン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレ スルフィド、ポリフェニレンエーテル、ポ パラフェニレン等のエンジニアリングプラ チックや、ポリエチレン、ポリプロピレン ポリスチレン等の汎用プラスチック等の炭 水素系高分子にスルホン酸基、カルボン酸 、リン酸基、ボロン酸基等のプロトン酸基( ロトン伝導性基)を導入した炭化水素系高分 子電解質を含む炭化水素系高分子電解質膜等 が挙げられる。

 触媒層は、触媒、導電性材料及び高分子電 質を含有する触媒インクを用いて形成する とができる。
 触媒としては、通常、触媒成分を導電性粒 に担持させたものが用いられる。触媒成分 しては、燃料極の燃料の酸化反応又は酸化 極の酸化剤の還元反応に対して触媒活性を しているものであれば、特に限定されず、 体高分子型燃料電池に一般的に用いられて るものを使用することができる。例えば、 金、又はルテニウム、鉄、ニッケル、マン ン、コバルト、銅等の金属と白金との合金 を用いることができる。
 触媒担体である導電性粒子としては、カー ンブラック等の炭素粒子や炭素繊維のよう 導電性炭素材料、金属粒子や金属繊維等の 属材料も用いることができる。導電性材料 、触媒層に導電性を付与するための導電性 料としての役割も担っている。

 触媒層の形成方法は特に限定されず、例 ば、触媒インクをガス拡散層シートの表面 塗布、乾燥することによって、ガス拡散層 ート表面に触媒層を形成してもよいし、或 は、電解質膜表面に触媒インクを塗布、乾 することによって、電解質膜表面に触媒層 形成してもよい。或いは、転写用基材表面 触媒インクを塗布、乾燥することによって 転写シートを作製し、該転写シートを、電 質膜又はガス拡散シートと熱圧着等により 合した後、転写シートの基材フィルムを剥 する方法で、電解質膜表面上に触媒層を形 するか、ガス拡散層シート表面に触媒層を 成してもよい。

 触媒インクは上記のような触媒と電極用 解質とを、溶媒に溶解又は分散させて得ら る。触媒インクの溶媒は、適宜選択すれば く、例えば、メタノール、エタノール、プ パノール等のアルコール類、N-メチル-2-ピ リドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の 有機溶媒、又はこれら有機溶媒の混合物やこ れら有機溶媒と水との混合物を用いることが できる。触媒インクには、触媒及び電解質以 外にも、必要に応じて結着剤や撥水性樹脂等 のその他の成分を含有させてもよい。

 触媒インクの塗布方法、乾燥方法等は適宜 択することができる。例えば、塗布方法と ては、スプレー法、スクリーン印刷法、ド ターブレード法、グラビア印刷法、ダイコ ト法などが挙げられる。また、乾燥方法と ては、例えば、減圧乾燥、加熱乾燥、減圧 熱乾燥などが挙げられる。減圧乾燥、加熱 燥における具体的な条件に制限はなく、適 設定すればよい。
 触媒インクの塗布量は、触媒インクの組成 、電極触媒に用いられる触媒金属の触媒性 等によって異なるが、単位面積当りの触媒 分量が、0.01~2.0mg/cm 2 程度となるようにすればよい。また、触媒層 の膜厚は、特に限定されないが、1~50μm程度 すればよい。

 触媒層の電解質膜への形成前、形成途中又 形成後に、枠形状の保護層を形成すること できる。
 保護層は、厚さが5~100μmの膜であり、材料 しては、シリコンゴム、EPDM、SBRゴム、フッ ゴム等のゴム類や、ナフィオン(商品名)膜 に代表されるパーフルオロカーボンスルホ 酸樹脂のようなフッ素系高分子電解質を含 フッ素系高分子電解質膜、その他にもPENフ ルム、PTFE、PET、ポリイミドフィルム、ポリ ロピレンフィルム等を用いることができる
 図1は、電解質膜、触媒層及び保護層の位置 関係の例を示す断面模式図である。なお、こ の図においては位置関係を明確に示すために 、触媒層22、保護層23は断続して示されてい が、同じ模様で示されている層は実際には 続した層をなしているものである。また、 の右側と左側に分かれて示されている保護 23は、実際には触媒層22の外周を取り巻く枠 状を有しており、したがってこれらも1つの 連続した層をなしているものである。保護層 23は、高分子電解質膜21の外周縁部が存在す 領域のみに設けることは技術的に困難であ ことから、実際には前記保護層23の内周端部 は触媒層22の外周とも重なって設けられてい 。
 図1(a)~(b)は、電解質膜21の片面に触媒層22及 保護層23を設けた例を示す図である。触媒 及び保護層を設ける順序は、(a)電解質膜21の 片面に触媒層22を設けた後、保護層23を形成 る、(b)電解質膜21の片面に保護層23を設けた 、触媒層22を形成する、の2通りがある。ど らの場合も、前記触媒層22と前記保護層23と が重なる部位を設けることになる。
 図1(c)~(e)は、電解質膜21の両面に触媒層22及 保護層23を設けた例を示す図である。触媒 及び保護層を設ける順序は、(c)電解質膜21の 両面に触媒層22を設けた後、両面に保護層23 形成する、(d)電解質膜21の両面に保護層23を けた後、両面に触媒層22を形成する、(e)電 質膜21の片面は(a)の順序で、もう一方の面は (b)の順序で触媒層22及び保護層23を形成する の3通りがある。
 なお、保護層23は絶縁性を有し、発電には 与しないという理由から、図1(f)~(h)に示すよ うに、両面が連続した構造を取っていてもよ い。すなわち、(f)電解質膜21の両面に触媒層2 2を設けた後、両面に連続した保護層23を形成 する、(g)電解質膜21の両面に連続した保護層2 3を設けた後、両面に触媒層22を形成する、(h) 電解質膜21の片面に触媒層22を設けた後、両 に連続した保護層23を形成し、もう一方の面 に触媒層22を設ける、の3通りである。
 また、上述した触媒層の形成方法に記され いる通り、ガス拡散層シート表面に触媒層 形成する手法等もあり、それらの手法を用 た際には、結果的に電解質膜、触媒層及び 護層の位置関係が図1(a)~(h)のいずれかであ ばよい。

 ガス拡散層を形成するガス拡散層シート しては、触媒層に効率良くガスを供給する とができるガス拡散性、導電性、及びガス 散層を構成する材料として要求される強度 有するもの、例えば、カーボンペーパー、 ーボンクロス、カーボンフェルト等の炭素 多孔質体や、チタン、アルミニウム、銅、 ッケル、ニッケル-クロム合金、銅及びその 合金、銀、アルミ合金、亜鉛合金、鉛合金、 チタン、ニオブ、タンタル、鉄、ステンレス 、金、白金等の金属から構成される金属メッ シュ又は金属多孔質体等の導電性多孔質体か らなるものが挙げられる。導電性多孔質体の 厚さは、50~500μm程度であることが好ましい。

 ガス拡散層シートは、上記したような導電 多孔質体の単層からなるものであってもよ が、触媒層に面する側に撥水層を設けるこ もできる。撥水層は、通常、炭素粒子や炭 繊維等の導電性粉粒体、ポリテトラフルオ エチレン(PTFE)等の撥水性樹脂等を含む多孔 構造を有するものである。撥水層は、触媒 及び電解質膜内の水分量を適度に保持しつ 、ガス拡散層の排水性を高めることができ 上に、触媒層とガス拡散層間の電気的接触 改善することができるという利点がある。
 撥水層を導電性多孔質体上に形成する方法 特に限定されない。例えば、炭素粒子等の 電性粉粒体と撥水性樹脂、及び必要に応じ その他の成分を、エタノール、プロパノー 、プロピレングリコール等の有機溶剤、水 はこれらの混合物等の溶剤と混合した撥水 インクを、導電性多孔質体の少なくとも触 層に面する側に塗布し、その後、乾燥及び/ 又は焼成すればよい。撥水層の厚さは、通常 、1~50μm程度でよい。撥水層インクを導電性 孔質体に塗布する方法としては、例えば、 クリーン印刷法、スプレー法、ドクターブ ード法、グラビア印刷法、ダイコート法等 挙げられる。
 また、導電性多孔質体は、触媒層と面する に、ポリテトラフルオロエチレン等の撥水 樹脂をバーコーター等によって含浸塗布す ことによって、触媒層内の水分がガス拡散 の外へ効率良く排出されるように加工され いてもよい。
 上記したような方法によって触媒層を形成 た電解質膜及びガス拡散層シートは、適宜 重ね併せて熱圧着等し、互いに接合するこ で、膜・電極接合体が得られる。

 作製された膜・電極接合体は、さらにセ レータで挟持され、単セルを形成する。セ レータとしては、導電性及びガスシール性 有し、集電体及びガスシール体として機能 うるもの、例えば、炭素繊維を高濃度に含 し、樹脂との複合材からなるカーボンセパ ータや、金属材料を用いた金属セパレータ を用いることができる。金属セパレータと ては、耐腐食性に優れた金属材料からなる のや、表面をカーボンや耐腐食性に優れた 属材料等で被覆し、耐腐食性を高めるコー ィングが施されたもの等が挙げられる。

 なお、上述した膜・電極接合体は、さらに 対の多孔質層で挟持し、当該挟持物をさら ガス流路を有しない一対の平板セパレータ 挟持して、単セルを形成するのが好ましい
 この時、多孔質層としては、発電時にガス 散、電子導電及び吸排水の役割を果たすこ から、チタンやニッケルからなる発泡焼結 等を用いることができる。これらは剛性が く、高い面圧下でもガス拡散性を維持でき ガス流路を有するセパレータと比較して面 均一に荷重をかけられる利点を有する。な 、この時用いる多孔質層としては、多孔度 60%以上であり、空孔径が10~1000nm、及び厚さ 50~500μmである、チタンの発泡焼結体を用い のが好ましい。これは、前記多孔質層が十 な多孔度及び空孔径を有しているため、発 時に十分な量の燃料ガス及び酸化剤ガスを 給することができるからである。なお、前 多孔度が70%以上であり、空孔径が20~100nmで るのがより好ましく、さらに、前記多孔度 80%以上であり、空孔径が40~80nmであるのが最 好ましい。
 また、平板セパレータとしては、発電時に 子導電の役割を果たすことから、SUS、チタ 材、カーボン等を用いることができる。特 チタン材等は耐食性が高く、燃料電池の性 低下を引き起こすイオン溶出が少ない。な 、この時用いる平板セパレータとしては、 さが50~800μmのチタン薄板を用いるのが好ま い。

 図2は、単セル厚さ調整層が撥水層である場 合における、片面の電極のみ積層した本発明 に係る膜・電極接合体の典型例の断面模式図 である。具体的には、図1(a)に示した状態か 、さらに、撥水層24を触媒層22側に設けたガ 拡散層25を、前記触媒層22側が面する側に積 層した様子を示した図である。なお、膜・電 極接合体の右側半分は省略して描いているた め、図2において右端は膜・電極接合体の中 部、左端は膜・電極接合体の面方向外側と る。
 図2に示すように、対峙しあう高分子電解質 膜21の外周縁部とガス拡散層25の外周縁部の に介在する第一の部位23a、及び、触媒層22の 外周と重なる第二の部位23bを有する枠形状の 保護層が設けられている。
 また、保護層23が存在しない中央部におい 前記触媒層22と前記ガス拡散層25との間に介 する撥水層24が設けられ、且つ、前記保護 の第二の部位23bが存在する領域における膜 電極接合体の厚さ26bが、当該保護層23が存在 しない中央部における膜・電極接合体の厚さ 26c以下になるように、前記保護層の第二の部 位が存在する領域における撥水層24の厚さ24b 、前記中央部における撥水層の厚さ24cより 薄く形成されている。なお、厚さ24bが0であ る場合、すなわち、前記保護層の第二の部位 が存在する領域における撥水層24が存在しな 場合があってもよい。この場合、前記保護 の第二の部位23bが存在する領域だけでなく 第一の部位23aが存在する領域においても撥 層24は存在しない。
 このような構成をとることにより、もう片 の面に同様に電極を設け、さらにセパレー を有した単セル完成時において、単セルを タックした際に、電解質膜にかかる力学的 荷を抑えることができ、且つ、単セルの中 部に十分な単位面積当たりの荷重がかかり 設計通りの十分な発電を行うことができる
 なお、保護層の第二の部位23bが存在する領 においては、前記触媒層22と前記ガス拡散 25とはもともと前記保護層の第二の部位23bで 分離されていることから、供給されるガスが 前記触媒層22まで届くことはなく、それゆえ 極反応の生成物である水が発生することは い。したがって、上述した様に前記領域に いて撥水層の厚さを調節しても、完成した セル全体における撥水性に関して悪影響を ぼすことはない。

 図3は、単セル厚さ調整層が撥水層である場 合における、片面の電極のみ積層した本発明 に係る膜・電極接合体の第2の典型例の断面 式図である。高分子電解質膜21、触媒層22、 護層23及びガス拡散層25の構成は図2に示す ・電極接合体と同様である。
 図3に示すように、前記撥水層は、前記保護 層の第一の部位23a及び第二の部位23bが存在す る領域における膜・電極接合体の厚さ26a及び 26bが、当該保護層が存在しない中央部におけ る膜・電極接合体の厚さ26c以下になるように 、前記保護層の第一の部位23a及び第二の部位 23bが存在する領域における厚さ24a及び24bが、 それぞれ前記中央部における撥水層の厚さ24c よりも薄いことが好ましい。
 なお、触媒層22の厚さが保護層23の厚さより も厚いか又は厚さが略等しい時は、前記厚さ 24aと前記厚さ24cは略等しくても構わない。そ れは、触媒層22の厚さが保護層23の厚さより 厚いか又は厚さが略等しい時は、前記厚さ26 aは自然と前記厚さ26c以下になり、したがっ 本発明の効果が得られるからである。また 前記厚さ24aと前記厚さ24b、及び前記厚さ26a 前記厚さ26bとは、それぞれ互いに独立した である。
 さらに、厚さ24aが0である場合、すなわち、 前記保護層の第一の部位が存在する領域にお ける撥水層24が存在しない場合があってもよ 。
 なお、保護層の第一の部位23aが存在する領 においては、触媒層が存在しないため電極 応に関与しないことから、生成物である水 発生することはない。それ故前記領域にお て、特に単セルの中央部よりも撥水層を厚 設ける必要はないことから、上述のように 水層の厚さを調節しても、完成した単セル 体における撥水性に関して悪影響を及ぼす とはない。

 図4は、単セル厚さ調整層が撥水層である場 合における、片面の電極のみ積層した、本発 明に係る膜・電極接合体の第3の典型例の断 模式図である。高分子電解質膜21、触媒層22 保護層23及びガス拡散層25の構成は図2に示 膜・電極接合体と同様である。
 図4に示すように、撥水層24は、前記保護層 第一の部位23a及び第二の部位23bが存在する 域において、存在しないことがより好まし 。このような構成をとることによって、前 保護層の第一の部位23a及び第二の部位23bが 在する領域における膜・電極接合体の厚さ2 6a及び26bが、当該保護層が存在しない中央部 おける膜・電極接合体の厚さ26c以下にする とができる。
 なお上述したように、保護層の第一の部位2 3a及び第二の部位23bが存在する領域において 、撥水層を設ける必要はないことから、前 領域において撥水層を除去しても、完成し 単セル全体における撥水性に関して悪影響 及ぼすことはない。

 図5は、単セル厚さ調整層が多孔質層である 場合における、電解質膜の片面のみに電極及 び多孔質層を積層した典型例を示す断面模式 図である。具体的には、図1(a)に示した状態 ら、さらに、ガス拡散層25及び多孔質層27を に、触媒層22側が面する側に積層した様子 示した図である。なお、積層体の右側半分 省略して描いているため、図5において右端 積層体の中央部、左端は積層体の面方向外 となる。また、図5においては、撥水層はガ ス拡散層の一部であるか、又は撥水層が設け られていないかのいずれかであるとし、特に 撥水層を図示しない。
 図5に示すように、対峙しあう高分子電解質 膜21の外周縁部とガス拡散層25の外周縁部の に介在する第一の部位23a、及び、触媒層22の 外周と重なる第二の部位23bを有する枠形状の 保護層が設けられている。
 また、前記多孔質層27は、前記保護層の第 の部位23bが存在する領域における積層体の さ28bが、当該保護層23が存在しない中央部に おける積層体の厚さ28c以下になるように、前 記保護層の第二の部位23bが存在する領域にお いて、前記中央部における前記多孔質層の厚 さ28cよりも薄く形成されている。すなわち、 28b≦28cとなるように、27b<27cに設定されて る。
 このような構成をとることにより、もう片 の面に同様に電極を設け、さらにセパレー を有した単セル完成時において、単セルを タックした際に、電解質膜にかかる力学的 荷を抑えることができ、且つ、単セルの中 部に十分な単位面積当たりの荷重がかかり 設計通りの十分な発電を行うことができる
 なお、保護層の第二の部位23bが存在する領 においては、前記触媒層22と前記ガス拡散 25とはもともと前記保護層の第二の部位23bで 分離されていることから、供給されるガスが 前記触媒層22まで届くことはなく、それ故、 護層の第二の部位23bが存在する領域におい は、特に単セルの中央部よりも多孔質層を く設ける必要はない。したがって、上述し ように多孔質層の厚さを調節しても、完成 た単セル全体におけるガス供給性に関して 影響を及ぼすことはない。

 図6は、単セル厚さ調整層が多孔質層である 場合における、電解質膜の片面のみに電極及 び多孔質層を積層した第2の典型例を示す断 模式図である。高分子電解質膜21、触媒層22 保護層23及びガス拡散層25の構成は図5に示 積層体と同様である。また、図6においても 上記図5と同様の理由から、特に撥水層を図 示しない。
 図6に示すように、前記保護層の第一の部位 23a及び第二の部位23bが存在する領域における 積層体の厚さ28a及び28bが、それぞれ当該保護 層が存在しない中央部における積層体の厚さ 28c以下になるように、前記保護層の第一の部 位23a及び第二の部位23bが存在する領域におけ る多孔質層の厚さ27a及び27bが、それぞれ前記 中央部における多孔質層の厚さ27cよりも薄い ことが好ましい。すなわち、28a≦28c且つ28b≦ 28cとなるように、27a<27c且つ27b<27cに設定 れているのが好ましい。
 なお、触媒層22の厚さが保護層23の厚さより も厚いか又は厚さが略等しい時は、前記厚さ 27aと前記厚さ27cは略等しくても構わない。そ れは、触媒層22の厚さが保護層23の厚さより 厚いか又は厚さが略等しい時は、前記厚さ28 aは自然と前記厚さ28c以下になり、したがっ 本発明の効果が得られるからである。また 前記厚さ27aと前記厚さ27b、及び前記厚さ28a 前記厚さ28bとは、それぞれ互いに独立した である。
 なお、保護層の第一の部位が存在する領域 おいては、触媒層が存在しないため電極反 に関与しない。それ故前記領域において、 に単セルの中央部よりも多孔質層を厚く設 る必要はないことから、上述したように多 質層の厚さを調節しても、完成した単セル 体におけるガス供給性に関して悪影響を及 すことはない。

 図2、図3及び図4に示した撥水層の厚さの調 、及び図5及び図6に示した多孔質層の厚さ 調節は、図1に示した全ての例において応用 ることができる。
 図7及び図8は、図2に示した撥水層の厚さの 節を、図1に示した例について応用した膜・ 電極接合体を示す断面模式図である。なお、 これらの図においては図1同様、同じ模様で されている層は実際には連続した層をなし いるものである。
 図7(a)~(b)は、電解質膜21の片面に電極を設け た例を示す断面模式図である。図7(a)は図1(a) 、図7(b)は図1(b)に、それぞれ図2に示した厚 の調節を行った撥水層24と、ガス拡散層25と を設けたものであり、図7(a)と図2は、同一の について示したものである。図7(c)~(e)及び 8(a)~(c)は、電解質膜21の両面に電極を設けた を示す断面模式図である。図7(c)は図1(c)に 図7(d)は図1(d)に、図7(e)は図1(e)に、図8(a)は図 1(f)に、図8(b)は図1(g)に、図8(c)は図1(h)に、そ ぞれ図2に示した厚さの調節を行った撥水層 24と、ガス拡散層25とを設けたものである。
 図7(a)~(e)及び図8(a)~(c)のいずれの場合も、前 記保護層の第二の部位23bが存在する領域にお ける膜・電極接合体の厚さ26bが、当該保護層 23が存在しない中央部における膜・電極接合 の厚さ26c以下になっていることから、これ の膜・電極接合体を用いた単セルは、前記 護層23の第二の部位23bが存在する領域にお る単セルの厚さが、当該保護層23が存在しな い中央部における当該単セルの厚さ以下にな るという構成をとることができる。したがっ て、単セルをスタックした際に、電解質膜に かかる力学的負荷を抑えることができ、且つ 、単セルの中央部に十分な単位面積当たりの 荷重がかかり、設計通りの十分な発電を行う ことができる。
 なお、図7(a)~(b)の場合は、電解質膜21のもう 一方の面に保護層を有しない電極を設けるこ ともできる。その場合は、もう一方の面の撥 水層の厚さを調節する必要なく、保護層を有 する面における撥水層の厚さのみを上述の様 に調節するだけで、本発明の効果が得られる 。

 図9及び図10は、図3に示した撥水層の厚さの 調節を、図1に示した例について応用した膜 電極接合体を示す断面模式図である。なお これらの図においては図1同様、同じ模様で されている層は実際には連続した層をなし いるものである。
 図9(a)~(b)は、電解質膜21の片面に電極を設け た例を示す断面模式図である。図9(a)は図1(a) 、図9(b)は図1(b)に、それぞれ図3に示した厚 の調節を行った撥水層24と、ガス拡散層25と を設けたものであり、図9(a)と図3は、同一の について示したものである。図9(c)~(e)及び 10(a)~(c)は、電解質膜21の両面に電極を設けた 例を示す断面模式図である。図9(c)は図1(c)に 図9(d)は図1(d)に、図9(e)は図1(e)に、図10(a)は 1(f)に、図10(b)は図1(g)に、図10(c)は図1(h)に、 それぞれ図3に示した厚さの調節を行った撥 層24と、ガス拡散層25とを設けたものである
 図9(a)~(e)及び図10(a)~(c)のいずれの場合も、 記保護層の第一の部位23a及び第二の部位23b 存在する領域における膜・電極接合体の厚 26a及び26bが、当該保護層が存在しない中央 における膜・電極接合体の厚さ26c以下にな ていることから、これらの膜・電極接合体 用いた単セルは、前記保護層23の第一の部位 23a及び第二の部位23bが存在する領域における 単セルの厚さが、当該保護層23が存在しない 央部における当該単セルの厚さ以下になる いう構成をとることができる。したがって 単セルをスタックした際に、電解質膜にか る力学的負荷を抑えることができ、且つ、 セルの中央部に十分な単位面積当たりの荷 がかかり、設計通りの十分な発電を行うこ ができる。
 なお、図9(a)~(b)の場合は、電解質膜21のもう 一方の面に保護層を有しない電極を設けるこ ともできる。その場合は、もう一方の面の撥 水層の厚さを調節する必要なく、保護層を有 する面における撥水層の厚さのみを上述の様 に調節するだけで、本発明の効果が得られる 。

 図11及び図12は、図4に示した撥水層の厚さ 調節を、図1に示した例について応用した膜 電極接合体を示す断面模式図である。なお これらの図においては図1同様、同じ模様で 示されている層は実際には連続した層をなし ているものである。
 図11(a)~(b)は、電解質膜21の片面に電極を設 た例を示す断面模式図である。図11(a)は図1(a )に、図11(b)は図1(b)に、それぞれ図4に示した さの調節を行った撥水層24と、ガス拡散層25 とを設けたものであり、図11(a)と図4は、同一 の例について示したものである。図11(c)~(e)及 び図12(a)~(c)は、電解質膜21の両面に電極を設 た例を示す断面模式図である。図11(c)は図1( c)に、図11(d)は図1(d)に、図11(e)は図1(e)に、図1 2(a)は図1(f)に、図12(b)は図1(g)に、図12(c)は図1( h)に、それぞれ図4に示した厚さの調節を行っ た撥水層24と、ガス拡散層25とを設けたもの ある。
 図11(a)~(e)及び図12(a)~(c)のいずれの場合も、 記保護層の第一の部位23a及び第二の部位23b 存在する領域における膜・電極接合体の厚 26a及び26bが、当該保護層が存在しない中央 における膜・電極接合体の厚さ26c以下にな ていることから、これらの膜・電極接合体 用いた単セルは、前記保護層23の第一の部 23a及び第二の部位23bが存在する領域におけ 単セルの厚さが、当該保護層23が存在しない 中央部における当該単セルの厚さ以下になる という構成をとることができる。したがって 、単セルをスタックした際に、電解質膜にか かる力学的負荷を抑えることができ、且つ、 単セルの中央部に十分な単位面積当たりの荷 重がかかり、設計通りの十分な発電を行うこ とができる。
 なお、図11(a)~(b)の場合は、電解質膜21のも 一方の面に保護層を有しない電極を設ける ともできる。その場合は、もう一方の面の 水層の厚さを調節する必要なく、保護層を する面における撥水層の厚さのみを上述の に調節するだけで、本発明の効果が得られ 。

 図13及び図14は、図5に示した多孔質層の厚 の調節を、図1に示した例について応用した 層体を示す断面模式図である。なお、これ の図においては図1同様、同じ模様で示され ている層は実際には連続した層をなしている ものである。
 図13(a)~(b)は、電解質膜21の片面に電極及び 孔質層を設けた例を示す断面模式図である 図13(a)は図1(a)に、図13(b)は図1(b)に、それぞ 図5に示した厚さの調節を行ったガス拡散層2 5と、多孔質層27とを設けたものであり、図13( a)と図5は、同一の例について示したものであ る。図13(c)~(e)及び図14(a)~(c)は、電解質膜21の 面に電極及び多孔質層を設けた例を示す断 模式図である。図13(c)は図1(c)に、図13(d)は 1(d)に、図13(e)は図1(e)に、図14(a)は図1(f)に、 14(b)は図1(g)に、図14(c)は図1(h)に、それぞれ 5に示した厚さの調節を行ったガス拡散層25 、多孔質層27とを設けたものである。
 図13(a)~(e)及び図14(a)~(c)のいずれの場合も、 記保護層の第二の部位23bが存在する領域に ける積層体の厚さ28bが、当該保護層23が存 しない中央部における積層体の厚さ28c以下 なっていることから、これらの積層体を用 た単セルは、前記保護層23の第二の部位23bが 存在する領域における単セルの厚さが、当該 保護層23が存在しない中央部における当該単 ルの厚さ以下になるという構成をとること できる。したがって、単セルをスタックし 際に、電解質膜にかかる力学的負荷を抑え ことができ、且つ、単セルの中央部に十分 単位面積当たりの荷重がかかり、設計通り 十分な発電を行うことができる。
 なお、図13(a)~(b)の場合は、電解質膜21のも 一方の面に保護層を有しない電極を設ける ともできる。その場合は、もう一方の面の 孔質層の厚さを調節する必要なく、保護層 有する面における多孔質層の厚さのみを上 の様に調節するだけで、本発明の効果が得 れる。

 図15及び図16は、図6に示した多孔質層の厚 の調節を、図1に示した例について応用した 層体を示す断面模式図である。なお、これ の図においては図1同様、同じ模様で示され ている層は実際には連続した層をなしている ものである。
 図15(a)~(b)は、電解質膜21の片面に電極及び 孔質層を設けた例を示す断面模式図である 図15(a)は図1(a)に、図15(b)は図1(b)に、それぞ 図6に示した厚さの調節を行ったガス拡散層2 5と、多孔質層27とを設けたものであり、図15( a)と図6は、同一の例について示したものであ る。図15(c)~(e)及び図16(a)~(c)は、電解質膜21の 面に電極及び多孔質層を設けた例を示す断 模式図である。図15(c)は図1(c)に、図15(d)は 1(d)に、図15(e)は図1(e)に、図16(a)は図1(f)に、 16(b)は図1(g)に、図16(c)は図1(h)に、それぞれ 6に示した厚さの調節を行ったガス拡散層25 、多孔質層26とを設けたものである。
 図15(a)~(e)及び図16(a)~(c)のいずれの場合も、 記保護層の第一の部位23a及び第二の部位23b 存在する領域における積層体の厚さ28a及び2 8bが、それぞれ当該保護層が存在しない中央 における積層体の厚さ28c以下になっている とから、これらの積層体を用いた単セルは 前記保護層23の第一の部位23a及び第二の部 23bが存在する領域における単セルの厚さが それぞれ当該保護層23が存在しない中央部に おける当該単セルの厚さ以下になるという構 成をとることができる。したがって、単セル をスタックした際に、電解質膜にかかる力学 的負荷を抑えることができ、且つ、単セルの 中央部に十分な単位面積当たりの荷重がかか り、設計通りの十分な発電を行うことができ る。
 なお、図15(a)~(b)の場合は、電解質膜21のも 一方の面に保護層を有しない電極を設ける ともできる。その場合は、もう一方の面の 孔質層の厚さを調節する必要なく、保護層 有する面における多孔質層の厚さのみを上 の様に調節するだけで、本発明の効果が得 れる。

 片面のみに保護層を有し、当該面の単セ 厚さ調整層の厚さを調節したものより、図7 (c)~(e)、図8(a)~(c)、図9(c)~(e)、図10(a)~(c)、図11(c )~(e)、図12(a)~(c)、図13(c)~(e)、図14(a)~(c)、図15(c )~(e)、図16(a)~(c)に示すように、両面の電極が に保護層及び単セル厚さ調整層(この場合は 、撥水層又は多孔質層)を有し、前記単セル さ調整層は、前記保護層の第二の部位が存 する領域における、膜・電極接合体の厚さ は膜・電極接合体と多孔質層を有する積層 の厚さが、当該保護層が存在しない中央部 おける当該膜・電極接合体の厚さ又は当該 層体の厚さ以下になるように、前記保護層 第二の部位が存在する領域において前記中 部における単セル厚さ調整層の厚さよりも いか又は存在しないことが好ましい。これ 、アノード電極側及びカソード電極側のい れにおいても、完成した単セルにおいて電 質膜にかかる力学的負荷を抑えることがで 、且つ、当該単セルの中央部に十分な単位 積当たりの荷重をかけることができること よって本発明の効果が得られるからである

 前記単セル厚さ調整層が、前記撥水層で る場合において、前記保護層の第一及び第 の部位が存在する領域における前記撥水層 厚さが、前記保護層の厚さ以下であること 好ましい。これは、前記保護層の第一及び 二の部位が存在する領域における適切な前 撥水層の厚さを選択することにより、電解 膜にかかる力学的負荷を抑えることができ 且つ、単セルの中央部に十分な単位面積当 りの荷重をかけることができるからである

 前記単セル厚さ調整層が、前記撥水層で る場合において、前記保護層の第一及び第 の部位が存在する領域において前記撥水層 存在しないことが好ましい。これは、前記 ノード触媒層又は前記カソード触媒層の外 部において本来不要な撥水層を設けないこ により、電解質膜にかかる力学的負荷を抑 ることができ、且つ、単セルの中央部に十 な単位面積当たりの荷重をかけることがで るからである。

 前記保護層の第一及び第二の部位が存在す 領域における前記多孔質層の厚さが、200~600 μmであることが好ましい。
 特に、前記保護層の厚さを考慮すると、前 保護層の第二の部位が存在する領域におい は、前記多孔質層の厚さが、200~500μmである のがより好ましい。これは、前記多孔質層の 厚さが、500μmを超えると、前記保護層の第二 の部位が存在する領域における単セルの厚さ が、単セル中央部の厚さを超えるからであり 、また、前記多孔質層の厚さが、200μm未満で あると、単セル内部の膜・電極接合体にかか る圧力を一定にするのに十分な弾性を有する 多孔質層の厚さを保持することができないか らである。さらに、前記保護層の第二の部位 が存在する領域において前記多孔質層の厚さ が、200~400μmであるのが最も好ましい。
 また特に、前記保護層の厚さを考慮すると 前記保護層の第一の部位が存在する領域に いては、前記多孔質層の厚さが、200~500μmで あるのがより好ましい。これは、前記多孔質 層の厚さが、500μmを超えると、前記保護層の 第一の部位が存在する領域における単セルの 厚さが、単セル中央部の厚さを超えるからで あり、また、前記多孔質層の厚さが、200μm未 満であると、単セル内部の膜・電極接合体に かかる圧力を一定にするのに十分な弾性を有 する多孔質層の厚さを保持することができな いからである。さらに、前記保護層の第一の 部位が存在する領域において前記多孔質層の 厚さが、200~500μmであるのが最も好ましい。
 なお、前記保護層が存在しない中央部にお る前記多孔質層の厚さは、300~600μmであるこ とが好ましい。これは、単セル内部の膜・電 極接合体にかかる圧力を一定にするのに十分 な弾性を有する厚さであるからである。

 図17は本発明の単セルの典型例を示した図 ある。なお図17においては、単セルの部位に よる厚みの違いを強調するため、平板セパレ ータのたわみを誇張して描いている。
 本典型例の単セルは、図11(c)に示した膜・ 極接合体を一対の多孔質層27で挟持し、当該 挟持物をさらにガス流路を有しない一対の平 板セパレータ29で挟持して形成したものであ 。前記多孔質層27及び前記平板セパレータ29 の厚さは単セルの部位に依らずそれぞれ略均 一であることから、前記平板セパレータ29は 持の際に、膜・電極接合体の部位による厚 の違いによってたわむことになる。このと 、前記保護層の第一の部位23a及び第二の部 23bが存在する領域において前記撥水層24が 在しない膜・電極接合体を採用しているこ により、前記保護層の第一の部位23a及び第 の部位23bが存在する領域における単セルの さ30a及び30bが、それぞれ当該保護層が存在 ない中央部における当該単セルの厚さ30c以 である構成をとることができる。したがっ 、単セルをスタックした際に、電解質膜に かる力学的負荷を抑えることができ、且つ 単セルの中央部に十分な単位面積当たりの 重がかかり、設計通りの十分な発電を行う とができる。

 図18は本発明の単セルの第2の典型例を示し 図である。なお図18においても図17同様に、 単セルの部位による厚みの違いを誇張して描 いている。
 本第2の典型例の単セルは、図8(a)に示した ・電極接合体を一対の多孔質層27で挟持し、 当該挟持物をさらにガス流路を有しない一対 の平板セパレータ29で挟持して形成したもの ある。この場合、前記撥水層24の厚さが、 記保護層の第二の部位23bが存在する領域に いて前記中央部における前記撥水層24の厚さ よりも薄い膜・電極接合体を採用しているこ とにより、前記保護層の第二の部位23bが存在 する領域における単セルの厚さ30bが、当該保 護層が存在しない中央部における当該単セル の厚さ30c以下である構成をとることができる 。したがって、単セルをスタックした際に、 電解質膜にかかる力学的負荷を抑えることが でき、且つ、単セルの中央部に十分な単位面 積当たりの荷重がかかり、設計通りの十分な 発電を行うことができる。

 図19は本発明の単セルの第3の典型例を示し 図である。なお図19においても図17同様に、 単セルの部位による厚みの違いを強調するた め、平板セパレータのたわみを誇張して描い ている。
 本第3の典型例の単セルは、図13(c)に示した 層体を、ガス流路を有しない一対の平板セ レータ29で挟持して形成したものである。 お、単セルの外縁部における多孔質層27は、 削ることによって当該多孔質層27の厚さを薄 した。平板セパレータ29の厚さは単セルの 位に依らずそれぞれ略均一であり、前記平 セパレータ29は挟持の際に、積層体の部位に よる厚みの違いによってたわむ。この際、前 記多孔質層27の厚さが、前記保護層の第二の 位23bが存在する領域において前記中央部に ける前記多孔質層27の厚さよりも薄い積層 を採用していることにより、前記保護層の 二の部位23bが存在する領域における単セル 厚さ30bが、当該保護層が存在しない中央部 おける当該単セルの厚さ30c以下である構成 とることができる。したがって、単セルを タックした際に、電解質膜にかかる力学的 荷を抑えることができ、且つ、単セルの中 部に十分な単位面積当たりの荷重がかかり 設計通りの十分な発電を行うことができる

 図20は本発明の単セルの第4の典型例を示し 図である。なお図20においても図17同様に、 平板セパレータのたわみを強調して描いてい る。
 本第4の典型例の単セルは、図16(a)に示した 層体を、ガス流路を有しない一対の平板セ レータ29で挟持して形成したものである。 お、単セルの外縁部における多孔質層27は、 潰すことによって当該多孔質層27の厚さを薄 した。前記平板セパレータ29の厚さは単セ の部位に依らずそれぞれ略均一であり、前 平板セパレータ29は挟持の際に、膜・電極接 合体の部位による厚みの違いによってたわむ 。この際、前記多孔質層27の厚さが、前記保 層の第一の部位23a及び第二の部位23bが存在 る領域において前記中央部における前記多 質層27の厚さよりもそれぞれ薄い積層体を 用していることにより、前記保護層の第一 部位23a及び第二の部位23bが存在する領域に ける単セルの厚さ30a及び30bが、それぞれ当 保護層が存在しない中央部における当該単 ルの厚さ30c以下である構成をとることがで る。したがって、単セルをスタックした際 、電解質膜にかかる力学的負荷を抑えるこ ができ、且つ、単セルの中央部に十分な単 面積当たりの荷重がかかり、設計通りの十 な発電を行うことができる。

 本発明によれば、保護層を設けることに って生じていた、保護層の第二の部位が存 する領域における単セルの厚さを、当該保 層が存在しない中央部における単セルの厚 以下にするために、第二の部位が存在する 域における単セル厚さ調整層の厚さを、中 部における単セル厚さ調整層の厚さよりも くするか又は設置しないことによって、単 ルをスタックした際に、電解質膜にかかる 学的負荷を抑えることができ、且つ、単セ の中央部に十分な単位面積当たりの荷重が かり、設計通りの十分な発電を行うことが きる。

 本発明の燃料電池の単セルの製造方法は 上記本発明の燃料電池の単セルの製造方法 あって、アノード側及びカソード側のうち なくとも一方に設けられる多孔質層の、前 保護層の第一及び第二の部位が存在する領 を削るか、又は潰すかすることによって、 記多孔質層の厚さを位置選択的に薄くする 程を有することを特徴とする。

 多孔質層以外の単セルの構成要素である 固体高分子電解質膜、触媒層、保護層、ガ 拡散層、撥水層及び平板セパレータに用い れる材料及び形成方法は上述した通りであ 。また、前記多孔質層に用いられる材料に しても上述の通りである。

 前記多孔質層を位置選択的に削る方法とし は、一般的なカッター等による切削により 工するという方法が挙げられる。
 前記多孔質層を位置選択的に潰す方法とし は、所定の荷重をかけたプレスにより加工 るという方法が挙げられる。

 このような構成の燃料電池の単セルの製 方法を用いることによって、本発明に係る 料電池の単セルを得ることができる。また 保護層の第一及び第二の部位が存在する領 における多孔質層を削るか、又は潰すとい 簡便な手法により、保護層の第一及び第二 部位が存在する領域における多孔質層の厚 を薄くすることができる。