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Patent Searching and Data


Title:
UNIT FOR EJECTOR TYPE REFRIGERATION CYCLE AND REFRIGERATION DEVICE USING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/105391
Kind Code:
A1
Abstract:
A unit for an ejector type refrigeration cycle has an ejector (13), a first evaporator (15) and a second evaporator (16) parallelly connected to the downstream side of an exit (13e) of the ejector (13) and evaporating refrigerant discharged from the exit (13e), and a refrigerant distributer (14, 33-36) for distributing the refrigerant, which is discharge from the exit (13e), to the first evaporator (15) side and to the second evaporator (16) side. The ejector (13) sucks refrigerant from a refrigerant suction opening (13b) by using a high-speed refrigerant flow ejected from a nozzle (13a) for depressurizing and expanding the refrigerant, mixes the refrigerant ejected from the nozzle (13a) and the refrigerant sucked from the refrigerant suction opening (13b), and discharges the mixture from the exit (13e) of the ejector (13). The ejector (13) and the refrigerant distributor (14, 33-36) are interconnected so that the refrigerant discharged from the exit (13e) directly enters the refrigerant distributor (14, 33-36).

Inventors:
SUGIURA TAKAYUKI (JP)
TAKEUCHI HIROTSUGU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/053254
Publication Date:
September 04, 2008
Filing Date:
February 26, 2008
Export Citation:
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Assignee:
DENSO CORP (JP)
SUGIURA TAKAYUKI (JP)
TAKEUCHI HIROTSUGU (JP)
International Classes:
F25B5/04; F25B5/02; F25B41/00
Foreign References:
JP2006292351A2006-10-26
JPH06137695A1994-05-20
Attorney, Agent or Firm:
YAHAGI, Kazuyuki (Takisada Bldg.2-13-19, Nishiki, Naka-k, Nagoya-city Aichi 03, JP)
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Claims:
 冷媒を減圧膨張させるノズル部(13a)から噴射される高速度の冷媒流によって冷媒吸引口(13b)から冷媒を吸引し、前記ノズル部(13a)から噴射された冷媒と前記冷媒吸引口(13b)から吸引された冷媒とを混合して出口部(13e)から吐出するエジェクタ(13)と、
 前記出口部(13e)の下流側に並列に接続され、前記出口部(13e)から吐出された冷媒を蒸発させる第1蒸発器(15)および第2蒸発器(16)と、
 前記出口部(13e)から吐出された冷媒を前記第1蒸発器(15)側と前記第2蒸発器(16)側とに分配する冷媒分配器(14、33~36)とを備え、
 前記出口部(13e)から吐出された冷媒が前記冷媒分配器(14、33~36)に直接流入するように、前記エジェクタ(13)と前記冷媒分配器(14、33~36)とが接続されていることを特徴とするエジェクタ式冷凍サイクル用ユニット。
 前記冷媒分配器(35)は、前記出口部(13e)から吐出された冷媒が直接流入するとともに冷媒を前記第2蒸発器(16)側へ流出させる直線状の第1管状部(35a)と、冷媒を前記第1蒸発器(15)側へ流出させる第2管状部(35b)とで構成され、
 前記第2管状部(14b)は、前記第1管状部(14a)のうち冷媒流れ上流側端部における外周面から前記第1管状部(14a)と直交する方向に向かって突出していることを特徴とする請求項1に記載のエジェクタ式冷凍サイクル用ユニット。
 前記冷媒分配器(33)は、前記出口部(13e)から吐出された冷媒が直接流入するとともに冷媒を前記第2蒸発器(16)側へ流出させる第1管状部(33a)と、冷媒を前記第1蒸発器(15)側へ流出させる第2管状部(33b)とで構成され、
 前記第1管状部(33a)は、冷媒流れ下流側端部が直角に屈曲する形状を有しており、
 前記第2管状部(33b)は、前記第1管状部(33a)のうち冷媒流れ上流側端部における外周面から前記冷媒流れ下流側端部の屈曲方向と反対方向に向かって突出していることを特徴とする請求項1に記載のエジェクタ式冷凍サイクル用ユニット。
 前記冷媒分配器(34)は、前記出口部(13e)から吐出された冷媒が直接流入するとともに冷媒を前記第2蒸発器(16)側へ流出させる第1管状部(34a)と、冷媒を前記第1蒸発器(15)側へ流出させる第2管状部(34b)とで構成され、
 前記第1管状部(34a)は、冷媒流れ下流側端部が直角に屈曲する形状を有しており、
 前記第2管状部(34b)は、前記第1管状部(34a)のうち冷媒流れ方向中間部における外周面から前記冷媒流れ下流側端部の屈曲方向と反対方向に向かって突出していることを特徴とする請求項1に記載のエジェクタ式冷凍サイクル用ユニット。
 前記冷媒分配器(35)は、前記出口部(13e)から吐出された冷媒が直接流入する直線状の第1管状部(35a)と、前記第1管状部(35a)の端部に接続され、冷媒を前記第1蒸発器(15)側および前記第2蒸発器(16)側へ流出させる直線状の第2管状部(35b)とで構成されたT字形状を有していることを特徴とする請求項1に記載のエジェクタ式冷凍サイクル用ユニット。
 前記冷媒分配器(36)は、前記出口部(13e)から吐出された冷媒が直接流入する直線状の第1管状部(36a)と、冷媒を前記第1蒸発器(15)側へ流出させる直線状の第2管状部(36b)と、冷媒を前記第2蒸発器(16)側へ流出させる直線状の第3管状部(36c)とで構成され、
 前記第2管状部(36b)および前記第3管状部(36c)がともに、前記第1管状部(36a)の端部に接続されるとともに、前記第1管状部(36a)と平行に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のエジェクタ式冷凍サイクル用ユニット。
 前記冷媒分配器(14、33~36)から前記第1蒸発器(15)側へと流出した冷媒が前記第1蒸発器(15)に直接流入するように、前記冷媒分配器(14、33~36)と前記第1蒸発器(15)とが接続されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル用ユニット。
 前記冷媒分配器(14、33~36)から前記第2蒸発器(16)側へと流出した冷媒が前記第2蒸発器(16)に直接流入するように、前記冷媒分配器(14、33~36)と前記第2蒸発器(16)とが接続されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル用ユニット。
 冷媒を吸入し圧縮する圧縮機(11)と、
 前記圧縮機(11)から吐出された高圧冷媒の放熱を行う放熱器(12)と、
 前記放熱器(12)から供給される冷媒を減圧し、蒸発させる請求項1ないし8のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル用ユニットとを備えることを特徴とする冷凍サイクル装置。
Description:
エジェクタ式冷凍サイクル用ユ ット及びそれを用いた冷凍サイクル装置

 本発明は、エジェクタを有するエジェク 式冷凍サイクル用ユニットと及びそれを用 た冷凍サイクル装置に関する。冷凍サイク 装置は、車両用空調装置に用いて好適であ 。

 従来、エジェクタを有するエジェクタ式 凍サイクルが特許文献1に開示されている。 この特許文献1のエジェクタ式冷凍サイクル は、エジェクタの下流側に第1蒸発器を配置 、第1蒸発器の下流側に冷媒の気液を分離す る気液分離器を設け、この気液分離器で分離 された気相冷媒を圧縮機に吸入させている。

 一方、気液分離器で分離された液相冷媒 第2蒸発器に流入させ、第2蒸発器から流出 た冷媒をエジェクタの冷媒吸引口に吸引さ ている。

 また、特許文献1のエジェクタ式冷凍サイク ルでは、第1、第2蒸発器を一体化するととも 、この一体化した第1、第2蒸発器の外側に ジェクタを配置して、第1、第2蒸発器および エジェクタを冷媒配管により接続している。

特開平6-137695号公報

 ところで、特許文献1のエジェクタ式冷凍 サイクルでは、気液分離器で分離された液相 冷媒を第2蒸発器に流入させるようになって るので、気液分離器で冷媒の気液を分離す 際に冷媒の運動エネルギーが損失してしま 、分離後の液相冷媒の動圧がほとんどなく ってしまう。そのため、第2蒸発器に流入す 冷媒流れが弱くなってしまい、第2蒸発器が 冷凍能力を十分に発揮できないという問題が ある。

 そこで、本出願人は先に、特願2006-292347 (以下、先願例と言う。)にて、第2蒸発器の 凍能力を向上させたエジェクタ式冷凍サイ ルを提案している。

 この先願例では、エジェクタの下流側に ジェクタ流出冷媒を第1蒸発器側と第2蒸発 側とに分配する冷媒分配器を設け、冷媒分 器と圧縮機との間に第1蒸発器を配置し、冷 分配器とエジェクタの冷媒吸引口との間に 2蒸発器を配置している。

 この先願例によると、エジェクタ流出冷 の動圧を利用して第2蒸発器へ冷媒を流入さ せることができるので、第2蒸発器の冷凍能 を向上させることができる。

 しかしながら、この先願例によると、エ ェクタと冷媒分配器とを冷媒配管によって 続する必要があり、さらに、冷媒分配器と 1、第2蒸発器とを冷媒配管によって接続す 必要があるので、冷媒配管が複雑化してし い、ひいてはエジェクタ式冷凍サイクルの 成が複雑化してしまうという問題がある。

 特に、エジェクタ式冷凍サイクルを車両 空調装置に適用する場合には、搭載スペー が制約されることから、エジェクタ式冷凍 イクルの構成が複雑化することは搭載上大 な問題となる。

 本発明は、上記点に鑑み、冷凍サイクル 置の構成を簡素化できるエジェクタ式冷凍 イクル用ユニットを提供することを一つの 的とする。

 本発明のもう一つの目的は、冷凍サイク 装置の構成を簡素化しながら、第1及び第2 発器の冷凍能力を向上できるエジェクタを する冷凍サイクル装置を提供する。

 上記目的を達成するため、本発明の一例と て、エジェクタ式冷凍サイクル用ユニット 、冷媒を減圧膨張させるノズル部(13a)から 射される高速度の冷媒流によって冷媒吸引 (13b)から冷媒を吸引し、ノズル部(13a)から噴 された冷媒と冷媒吸引口(13b)から吸引され 冷媒とを混合して出口部(13e)から吐出するエ ジェクタ(13)と、
 出口部(13e)の下流側に並列に接続され、出 部(13e)から吐出された冷媒を蒸発させる第1 発器(15)および第2蒸発器(16)と、
 出口部(13e)から吐出された冷媒を第1蒸発器( 15)側と第2蒸発器(16)側とに分配する冷媒分配 (14、33~36)とを備え、
 出口部(13e)から吐出された冷媒が冷媒分配 (14、33~36)に直接流入するように、エジェク (13)と冷媒分配器(14、33~36)とが接続されてい ことを特徴とする。

 これによると、出口部(13e)から吐出され 冷媒が冷媒分配器(14、33~36)に直接流入する うに、エジェクタ(13)と冷媒分配器(14、33~36) が接続されているので、エジェクタ(13)と冷 媒分配器(14、33~36)とを冷媒配管によって接続 する必要がない。このため、エジェクタ式冷 凍サイクルの構成を簡素化できる。

 例えば、冷媒分配器(14)は、出口部(13e)から 出された冷媒が直接流入するとともに冷媒 第2蒸発器(16)側へ流出させる直線状の第1管 部(14a)と、冷媒を第1蒸発器(15)側へ流出させ る第2管状部(14b)とで構成され、
 第2管状部(14b)は、第1管状部(14a)のうち冷媒 れ上流側端部における外周面から第1管状部 (14a)と直交する方向に向かって突出している

 これにより、エジェクタ流出冷媒の動圧 利用して第2蒸発器(16)へ冷媒を流入させる とができるので、第2蒸発器(16)の冷凍能力を 向上させることができる。

 なお、本発明における「直交する方向」 は、厳密に直交する方向のみを意味するも ではなく、略直交する方向をも含む意味で る。

 あるいは、冷媒分配器(33)は、出口部(13e)か 吐出された冷媒が直接流入するとともに冷 を第2蒸発器(16)側へ流出させる第1管状部(33a )と、冷媒を第1蒸発器(15)側へ流出させる第2 状部(33b)とで構成され、
 第1管状部(33a)は、冷媒流れ下流側端部が直 に屈曲する形状を有しており、
 第2管状部(33b)は、第1管状部(33a)のうち冷媒 れ上流側端部における外周面から下流側端 の屈曲方向と反対方向に向かって突出して てもよい。

 なお、「直角に屈曲する」とは、厳密に 角に屈曲することのみを意味するものでは く、略直角に屈曲することをも含む意味で る。また、本発明における「反対方向に向 って突出する」とは、厳密に反対方向に向 って突出することのみを意味するものでは く、略反対方向に向かって突出することを 含む意味である。

 あるいは、冷媒分配器(34)は、出口部(13e)か 吐出された冷媒が直接流入するとともに冷 を第2蒸発器(16)側へ流出させる第1管状部(34a )と、冷媒を第1蒸発器(15)側へ流出させる第2 状部(34b)とで構成され、第1管状部(34a)は、冷 媒流れ下流側端部が直角に屈曲する形状を有 しており、
 第2管状部(34b)は、第1管状部(34a)のうち冷媒 れ方向中間部における外周面から冷媒流れ 流側端部の屈曲方向と反対方向に向かって 出していてもよい。

 なお、「直角に屈曲する」とは、厳密に 角に屈曲することのみを意味するものでは く、略直角に屈曲することをも含む意味で る。また、本発明における「反対方向に向 って突出する」とは、厳密に反対方向に向 って突出することのみを意味するものでは く、略反対方向に向かって突出することを 含む意味である。

 あるいは、冷媒分配器(35)は、出口部(13e) ら吐出された冷媒が直接流入する直線状の 1管状部(35a)と、第1管状部(35a)の端部に接続 れ、冷媒を第1蒸発器(15)側および第2蒸発器( 16)側へ流出させる直線状の第2管状部(35b)とで 構成されたT字形状を有している。

 これにより、第2蒸発器(16)のみならず第1 発器(15)にも、エジェクタ流出冷媒の動圧を 利用して冷媒を流入させることができるので 、第1蒸発器(15)の冷凍能力を向上させること できる。

 なお、「T字形状を有している」とは、厳 密にT字形状を有していることのみを意味す ものではなく、略T字形状を有していること も含む意味である。

 あるいは、冷媒分配器(36)は、出口部(13e)か 吐出された冷媒が直接流入する直線状の第1 管状部(36a)と、冷媒を第1蒸発器(15)側へ流出 せる直線状の第2管状部(36b)と、冷媒を第2蒸 器(16)側へ流出させる直線状の第3管状部(36c) とで構成され、
 第2管状部(36b)および第3管状部(36c)がともに 第1管状部(36a)の端部に接続されるとともに 第1管状部(36a)と平行に配置されていてもよ 。

 ここで、「平行に配置される」とは、厳 に平行に配置されることのみを意味するも ではなく、略平行に配置されることを含む 味である。

 また、冷媒分配器(14、33~36)から第1蒸発器 (15)側へと流出した冷媒が第1蒸発器(15)に直接 流入するように、冷媒分配器(14、33~36)と第1 発器(15)とが接続されてもよい。

 これにより、冷媒分配器(14、33~36)と第1蒸 発器(15)とを冷媒配管によって接続する必要 ないので、エジェクタ式冷凍サイクルの構 をより簡素化できる。

 また、冷媒分配器(14、33~36)から第2蒸発器 (16)側へと流出した冷媒が第2蒸発器(16)に直接 流入するように、冷媒分配器(14、33~36)と第2 発器(16)とが接続されてもよい。

 これにより、冷媒分配器(14、33~36)と第2蒸 発器(16)とを冷媒配管によって接続する必要 ないので、エジェクタ式冷凍サイクルの構 をより簡素化できる。

 また、エジェクタ式冷凍サイクル用ユニ トは冷凍サイクル装置に用いてよい。この 合、冷凍サイクル装置は、冷媒を吸入し圧 する圧縮機(11)と、圧縮機(11)から吐出され 高圧冷媒の放熱を行う放熱器(12)と、放熱器( 12)から供給される冷媒を減圧し、蒸発させる 上述した本発明によるエジェクタ式冷凍サイ クル用ユニットとを備える。

 これにより、上述した本発明による作用 果を発揮できる冷凍サイクル装置を構成で る。

 (第1実施形態)
 以下、本発明の第1実施形態について図1~図3 に基づいて説明する。図1は本発明のエジェ タ式冷凍サイクル装置10を車両用空調装置に 適用した例の全体構成図である。まず、エジ ェクタ式冷凍サイクル装置10において、圧縮 11は冷媒を吸入し圧縮して吐出するもので プーリおよびベルトを介して車両走行用エ ジン(図示せず)から駆動力が伝達されて回転 駆動される。

 この圧縮機11としては、吐出容量の変化 より冷媒吐出能力を調整できる可変容量型 縮機、あるいは電磁クラッチの断続により 縮機作動の稼働率を変化させて冷媒吐出能 を調整する固定容量型圧縮機のいずれを採 してもよい。また、圧縮機11として電動圧縮 機を使用すれば、電動モータの回転数調整に より冷媒吐出能力を調整できる。

 圧縮機11の冷媒吐出側には、放熱器12が接 続されている。放熱器12は、圧縮機11から吐 された高圧冷媒と図示しない冷却ファンに り送風される外気(車室外空気)とを熱交換さ せて、高圧冷媒を放熱させる放熱用熱交換器 である。

 なお、本実施形態のエジェクタ式冷凍サ クル装置10では、冷媒として、フロン系の 媒を採用しており、高圧側冷媒圧力が冷媒 臨界圧力を超えない亜臨界サイクルを構成 ている。従って、放熱器12は冷媒を凝縮させ る凝縮器として作用する。さらに、放熱器12 出口側には、冷媒の気液を分離してサイク 内の余剰液相冷媒を溜める受液器(図示せず )が設けられており、この受液器から液相冷 が下流側へ導出される。

 また、放熱器12として、冷媒流れ上流側 位置する凝縮用熱交換部と、この凝縮用熱 換部からの冷媒を導入して冷媒の気液を分 する受液器と、この受液器からの飽和液相 媒を過冷却する過冷却用熱交換部とを有す 、いわゆるサブクールタイプの凝縮器を採 してもよい。

 放熱器12の下流側には、エジェクタ13が接 続されている。このエジェクタ13は冷媒を減 する減圧手段であるとともに、高速で噴射 る冷媒流の吸引作用によって冷媒の循環を う冷媒循環手段でもある。

 具体的には、エジェクタ13は、放熱器12か ら流出した高圧の冷媒の通路面積を小さく絞 って、冷媒を減圧させるノズル部13aと、ノズ ル部13aの冷媒噴射口と連通するように配置さ れて、後述する第2蒸発器16から流出した冷媒 を吸引する冷媒吸引口13bを有している。

 さらに、ノズル部13aおよび冷媒吸引口13b 冷媒流れ下流側部位には、ノズル部13aから 射する高速度の冷媒流と冷媒吸引口13bから 吸引された吸引冷媒とを混合する混合部13c 有し、混合部13cの冷媒流れ下流側には昇圧 をなすディフューザ部13dを有している。

 ディフューザ部13dは冷媒の通路面積を徐 に大きくする形状に形成されており、冷媒 れを減速して冷媒圧力を上昇させる作用、 まり、冷媒の速度エネルギーを圧力エネル ーに変換する作用を果たす。

 エジェクタ13の下流側、具体的には、デ フューザ部13dの出口部13e側には、冷媒の流 を分岐して、第1蒸発器15側と第2蒸発器16側 に分配する冷媒分配器14が接続されている。

 冷媒分配器14は、ディフューザ部13dの出 部13eから吐出された冷媒が直接流入すると もに冷媒を第2蒸発器16側へ流出させる円管 の第1管状部14aと、冷媒を第1蒸発器15側へ流 させる円管状の第2管状部14bとで構成されて いる。

 冷媒分配器14の第2管状部14bの下流側に接 される第1蒸発器15は、冷媒分配器14にて分 された一方の冷媒と空気とを熱交換させて 低圧冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させ 吸熱用熱交換器である。さらに、第1蒸発器1 5の出口側は、アキュムレータ17の入口側に接 続され、アキュムレータ17の出口側には、圧 機11の冷媒吸引側が接続されている。

 アキュムレータ17は、冷媒の気液を分離 て、分離された気相冷媒を圧縮機11吸入側へ 流出させる気液分離器である。なお、第1蒸 器15から流出する冷媒の乾き度が高く、第1 発器15から流出する冷媒がほぼ気相冷媒にな る場合には、アキュムレータ17を廃止しても い。

 第1蒸発器15は、圧縮機→放熱器→減圧手 →蒸発器を環状に接続して構成される通常 蒸気圧縮式冷凍サイクルにおいて、減圧手 に対して直列的に接続される蒸発器に相当 る。第1蒸発器15は減圧手段であるエジェク 13に対して直列に接続されている。

 一方、第2蒸発器16は、冷媒分配器14にて 岐された他方の冷媒と空気とを熱交換させ 、低圧冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮さ る吸熱用熱交換器である。

 第2蒸発器16の入口側は、絞り機構18を介 て冷媒分配器14の第1管状部14aの下流側に接 されており、第2蒸発器16の出口側はエジェ タ13の冷媒吸引口13bに接続されている。

 第1蒸発器15および第2蒸発器16のそれぞれ 、2つのヘッダ部と、それらの間を連通する 複数のチューブと、それらチューブ間に設け られたフィンとによって構成されることがで きる。例えば、ヘッダアンドチューブ型、ド ロンカップ型といった形式の熱交換器によっ て構成することができる。

 さらに、第1蒸発器15および第2蒸発器16は それらを構成する少なくとも一部の部材が 有された一体構造として提供されうる。第1 蒸発器15および第2蒸発器16のヘッダ部は、所 の蛇行冷媒流れを提供するために、複数の ンク部に分割されうる。

 各タンク部は、複数のチューブへの冷媒 分配、複数のチューブからの冷媒の集合、 るいはそれら両方の機能を与えられる。そ らのうちのひとつの動圧タンク部には、エ ェクタ13の噴流方向の出口が直接に連通さ る。

 動圧タンク部には、エジェクタ13からの 流が、まだその動圧を充分に残したまま吹 込まれる。動圧タンク部は、噴流の動圧を 複数のチューブの入口にも作用させること 許容する。

 一方で、他のひとつの静圧タンク部は、 ジェクタ13の噴流方向から外れて位置付け れる。また、静圧タンク部には、エジェク 13の噴流方向と直交する開口を通して冷媒が 導入される。この結果、静圧タンク部には、 冷媒が専ら吸い込まれることで導入され、冷 媒が静かに流入する。静圧タンク部は、複数 のチューブに冷媒を分配するが、これら複数 のチューブにも、冷媒は専ら吸い込まれてゆ く。

 絞り機構18は第2蒸発器16への冷媒流量の 節作用をなす減圧手段である。図2の例では 絞り機構18を先細ノズルで構成しているの 、減圧膨張過程で冷媒の流速が低下しにく 。従って、第2蒸発器16入口側冷媒の動圧が 下しにくくなるとともに、冷媒を等エント ピ的に減圧膨張させることができる。

 絞り機構18は、冷媒分配器14の出口部分に 直接に装着されている。絞り機構18は、エジ クタ13の噴流方向の延長上に位置している 絞り機構18が区画する流路の軸は、エジェク タ13の噴流軸の延長上に一致している。

 本実施形態では、第1、第2蒸発器15、16を 述の構成により一体構造に組み付けるよう なっている。この第1、第2蒸発器15、16を図 しないケース内に収納し、そして、このケ ス内に構成される空気通路に共通の電動送 機19により空気(被冷却空気)を矢印Aのごと 送風し、この送風空気を第1、第2蒸発器15、1 6で冷却するようになっている。

 第1、第2蒸発器15、16で冷却された冷風を 通の冷却対象空間(図示せず)に送り込み、 れにより、第1、第2蒸発器15、16にて共通の 却対象空間を冷却するようになっている。 こで、第1、第2蒸発器15、16のうち、エジェ タ13に対して直列に接続される第1蒸発器15を 空気流れAの上流側(風上側)に配置し、エジェ クタ13の冷媒吸引口13bに接続される第2蒸発器 16を空気流れAの下流側(風下側)に配置してい 。

 なお、本実施形態のエジェクタ式冷凍サ クル装置10を車両空調用冷凍サイクル装置 適用する場合は車室内空間が冷却対象空間 なる。また、本実施形態のエジェクタ式冷 サイクル装置10を冷凍車用冷凍サイクル装置 に適用する場合は冷凍車の冷凍冷蔵庫内空間 が冷却対象空間となる。

 ところで、本実施形態では、エジェクタ1 3、冷媒分配器14、第1、第2蒸発器15、16および 絞り機構18を1つの一体化ユニット20として組 付けている。次に、この一体化ユニット20 具体例を図2、図3により説明すると、図2は の一体化ユニット20の全体構成の概要を示す 斜視図で、図3は第1、第2蒸発器15、16の上側 ンク部の断面図である。

 この図2の例では、第1、第2蒸発器15、16が 完全に1つの蒸発器構造として一体化される うになっている。そのため、第1蒸発器15は1 の蒸発器構造のうち空気流れAの上流側領域 を構成し、そして、第2蒸発器16は1つの蒸発 構造のうち空気流れAの下流側領域を構成す ようになっている。

 第1蒸発器15および第2蒸発器16の基本的構 は同一であり、それぞれ熱交換コア部15a、1 6aと、この熱交換コア部15a、16aの上下両側に 置するタンク部15b、15c、16b、16cとを備えて る。

 ここで、熱交換コア部15a、16aは、それぞ 上下方向に延びる複数のチューブ21を備え 。これら複数のチューブ21の間には、被熱交 換媒体、この実施形態では冷却される空気が 通る通路が形成される。これら複数のチュー ブ21相互間には、フィン22を配置し、チュー 21とフィン22とを接合することができる。

 熱交換コア部15a、16aは、チューブ21とフ ン22との積層構造からなる。このチューブ21 フィン22は熱交換コア部15a、16aの左右方向 交互に積層配置される。他の実施形態では フィン22を備えない構成を採用することがで きる。

 なお、図2では、チューブ21とフィン22の 層構造の一部のみ図示しているが、熱交換 ア部15a、16aの全域にチューブ21とフィン22の 層構造が構成され、この積層構造の空隙部 電動送風機19の送風空気が通過するように っている。

 チューブ21は冷媒通路を構成するもので 断面形状が空気流れ方向Aに沿って扁平な扁 チューブよりなる。フィン22は薄板材を波 に曲げ成形したコルゲートフィンであり、 ューブ21の平坦な外面側に接合され空気側伝 熱面積を拡大する。

 熱交換コア部15aのチューブ21と熱交換コ 部16aのチューブ21は互いに独立した冷媒通路 を構成し、第1蒸発器15の上下両側のタンク部 15b、15cと、第2蒸発器16の上下両側のタンク部 16b、16cは互いに独立した冷媒通路空間を構成 する。

 第1蒸発器15の上下両側のタンク部15b、15c 熱交換コア部15aのチューブ21の上下両端部 挿入され、接合されるチューブ嵌合穴部(図 せず)を有し、チューブ21の上下両端部がタ ク部15b、15cの内部空間に連通するようにな ている。

 同様に、第2蒸発器16の上下両側のタンク 16b、16cは熱交換コア部16aのチューブ21の上 両端部が挿入され、接合されるチューブ嵌 穴部(図示せず)を有し、チューブ21の上下両 部がタンク部15b、15cの内部空間に連通する うになっている。

 これにより、上下両側のタンク部15b、15c 16b、16cは、それぞれ対応する熱交換コア部1 5a、16aの複数のチューブ21へ冷媒流れを分配 たり、複数のチューブ21からの冷媒流れを集 合する役割を果たす。

 2つの上側タンク15b、16b、および2つの下 タンク15c、16cは隣接しているので、2つの上 タンク15b、16b同士、および2つの下側タンク 15c、16c同士を一体成形することができる。も ちろん、2つの上側タンク15b、16b、および2つ 下側タンク15c、16cをそれぞれ独立の部材と て成形してもよい。

 エジェクタ13を収納するための別タンク23 は、第1蒸発器15および第2蒸発器16の一部分を 構成するものであり、第1蒸発器15の上側タン ク15bと第2蒸発器16の上側タンク16bとの中間部 位に配置されている。別タンク23は、両タン 15b、16bの長手方向に延びる円筒形状のもの 、本例ではこの別タンク23を上側タンク15b 16bと一体成形している。

 チューブ21、フィン22、タンク部15b、15c、 16b、16c、23等の蒸発器構成部品の具体的材質 しては、熱伝導性やろう付け性に優れた金 であるアルミニウムが好適であり、このア ミニウム材にて各部品を成形することによ 、第1、第2蒸発器15、16の全体構成を一体ろ 付けにて組み付けることができる。

 これに対し、エジェクタ13はノズル部13a 高精度な微小通路を形成しているので、エ ェクタ13を第1、第2蒸発器15、16とともに一体 ろう付けすると、ろう付け時の高温度(アル ニウムのろう付け温度:600℃付近)にてノズル 部13aが熱変形して、ノズル部13aの通路形状、 寸法等を所期の設計通りに維持できないとい う不具合が生じる。

 そこで、エジェクタ13については、第1、 2蒸発器15、16の一体ろう付けを行った後に 蒸発器側に組み付けするようにしてある。 みに、エジェクタ13は、蒸発器側に組み付け される前に、冷媒分配器14および絞り機構18 一体に組み付けするようになっている。

 より具体的に、エジェクタ13、冷媒分配 14、絞り機構18および第1、第2蒸発器15、16の み付け構造を説明する。

 別タンク23には、図1に示す一体化ユニッ 20の1つの冷媒入口24が形成され、、第1蒸発 15の上側タンク15bには、図1に示す一体化ユ ット20の1つの冷媒出口25が形成されている

 仕切板26は、第2蒸発器16の上側タンク16b 内部空間の長手方向の略中央部に配置され 側タンク16bの内壁面にろう付けされる部材 ある。この仕切板26は、上側タンク16bの内部 空間をタンク長手方向の2つの空間、すなわ 、左側空間27と右側空間28とに仕切る役割を たす。

 第1蒸発器15の上側タンク15bの内部空間の 手方向の略中央部には仕切板30が配置され この仕切板30によって上側タンク15bの内部空 間が長手方向の2つの空間、すなわち、左側 間31と右側空間32とに仕切られている。

 エジェクタ13は、ノズル部13aと、ノズル 13a以外の部位であるボディ部13fとを別体に 形した後に、ノズル部13aをボディ部13fの内 に挿入して、ボディ部13fに対してノズル部13 aを圧入固定やかしめ固定等によって固定す ことによって形成されている。

 より具体的には、エジェクタ14のうち、 ズル部13aはステンレス、黄銅等の金属材料 形成されている。ボディ部13fは銅、アルミ ウムといった金属材料にて形成するが、樹 材料(非金属材料)で形成してもよい。

 本例では、冷媒分配器14は、蒸発器部品 同様にアルミニウム材にて成形されており 第1管状部14aと第2管状部14bとを溶接等の接合 手段にて接合することによって形成されてい る。

 図4の例では、第2管状部14bは、第1管状部1 4aのうち冷媒流れ上流側端部(図4の左端部)に ける外周面から第1管状部14aと直交する方向 に向かって突出しているが、必ずしも第1管 部14aと厳密に直交する方向に向かって突出 る必要はなく、第1管状部14aと略直交する方 に向かって突出していてもよい。

 なお、第1、第2管状部14a、14bを樹脂にて 形し、第1、第2管状部14a、14bを接着にて接合 してもよい。また、冷媒分配器14を第1管状部 14aのみによって形成してもよい。すなわち、 第1管状部14aの外周面に貫通穴を設け、この 通穴から冷媒を第1蒸発器15側へ流出させる うにすれば、第2管状部14bを設けることなく 媒分配器14を構成することができる。

 さらに、冷媒分配器14を、直方体状の金 ブロックや樹脂ブロックに複数の冷媒通路 設けることで形成してもよい。

 本例では、絞り機構(先細ノズル)18もアル ミニウム材にて成形されており、エジェクタ 13、冷媒分配器14および絞り機構18をろう付け 、溶接等の接合手段によって一体に接合して いる。この場合には、ノズル部13aの熱変形を 防止するために、エジェクタ13のノズル部13a ボディ部13fに組み付ける前に、冷媒分配器1 4および絞り機構18を接合するのが望ましい。

 もちろん、エジェクタ13、冷媒分配器14お よび絞り機構18をネジ等の締結手段によって 体に締結してもよい。また、エジェクタ13 ボディ部13f、冷媒分配器14および絞り機構18 樹脂製の場合には、接着によって一体に接 してもよい。また、冷媒分配器14をエジェ タ13のボディ部13fと一体成形してもよいし、 冷媒分配器14と絞り機構18とを一体成形して よい。

 そして、一体化されたエジェクタ13、冷 分配器14および絞り機構18は、第1、第2蒸発 15、16等を一体ろう付けする組み付け工程(ろ う付け工程)の終了後に、冷媒入口24を貫通し て上側タンク16bの内部に差し込まれる。

 一体化されたエジェクタ13、冷媒分配器14 および絞り機構18と円筒状の別タンク23は、 3に示すように両タンク15b、16bの仕切板30、24 よりも奥側(右側)まで延びている。

 図3に模式的に示すように、別タンク23に 貫通穴23a~23cが形成されている。図5、図6は 1、第2蒸発器15、16の上側タンク部をその長 方向と垂直に切断した断面を示す断面図で る。図5は貫通穴23aの形成部位における断面 を示し、図6は貫通穴23bの形成部位における 面を示している。

 貫通穴23a~23cは、いずれも別タンク23の円 壁を貫通する横穴である。絞り機構18の出 部は、貫通穴23aを介して第2蒸発器16の上側 ンク16bの右側空間28内に連通している。

 同様に、冷媒分配器14の第2管状部14bの下 側開口部は貫通穴23bを介して第1蒸発器15の 側タンク15bの右側空間32内に連通しており エジェクタ13の冷媒吸引口13bは貫通穴(横穴)2 3cを介して第2蒸発器16の上側タンク16bの左側 間27内に連通している。

 エジェクタ13の長手方向の左端部(図3の左 端部)は図1のノズル部13aの入口部に相当する 分であり、この左端部は図示しないシール 構(Oリング等)を用いて冷媒入口24の内壁面 嵌合し、シール固定される。

 なお、エジェクタ13の長手方向の固定は 例えば、図示しないねじ止め固定手段を用 て行えばよい。

 以上の構成において一体化ユニット20全 の冷媒流路を図2~図4により具体的に説明す と、冷媒入口24から流入する冷媒はまず、エ ジェクタ13(ノズル部13a→混合部13c→ディフュ ーザ部13d)を通過して減圧され、この減圧後 低圧冷媒は第1管状部14aの上流側開口部から 媒分配器14に流入する。冷媒分配器14に流入 した冷媒は、分岐部Zで分岐されて、第1管状 14aの下流側開口部および第2管状部14bの下流 側開口部から流出する。

 この際、第1管状部14aがディフューザ部13d と同軸上に形成されているので、第1管状部14 aの上流側開口部から流入した冷媒は、不必 に流速を低下させることなく第1管状部14aの 流側開口部から流出する。これにより、冷 分配器14の分岐部Zにおいて冷媒の流れが分 されるものの、第1管状部14aの下流側開口部 から流出する冷媒においてはディフューザ部 13d流出冷媒の動圧が維持される。

 ここで、第2管状部14bの下流側開口部の開 口面積および第1管状部14aの下流側開口部の 口面積を適切な値に設計することで、第1蒸 器15に流入する冷媒流量と第2蒸発器16に流 する冷媒流量との流量比を適切に調整する とができる。従って、第1蒸発器15および第2 発器16にて適切な流量の冷媒を供給できる

 第2管状部14bの下流側開口部から流出した 冷媒は、別タンク23の貫通穴23bを経て矢印aの ように第1蒸発器15の上側タンク15bの右側空間 32に流入する。

 この右側空間32の冷媒は熱交換コア部15a 右側部の複数のチューブ21を矢印bのように 降して下側タンク15c内の右側部に流入する この下側タンク15c内には仕切板が設けてな ので、この下側タンク15cの右側部から冷媒 矢印cのように左側部へと移動する。

 この下側タンク15cの左側部の冷媒は熱交 コア部15aの左側部の複数のチューブ21を矢 dのように上昇して上側タンク15bの左側空間3 1に流入し、さらに、ここから冷媒は矢印eの うに上側タンク15bの冷媒出口25から流出す 。

 これに対し、第1管状部14aの下流側開口部 から流出した冷媒はまず絞り機構18を通過し 減圧され、この減圧後の低圧冷媒は別タン 23の貫通穴23aを経て矢印fのように第2蒸発器 16の上側タンク16bの右側空間28に流入する。

 この右側空間28の冷媒は熱交換コア部16a 右側部の複数のチューブ21を矢印gのように 降して下側タンク16c内の右側部に流入する この下側タンク16c内には仕切板が設けてな ので、この下側タンク16cの右側部から冷媒 矢印hのように左側部へと移動する。

 この下側タンク16cの左側部の冷媒は熱交 コア部16aの左側部の複数のチューブ21を矢 iのように上昇して上側タンク16bの左側空間2 7に流入する。この左側空間27にエジェクタ13 冷媒吸引口13bが別タンク23の貫通穴23cを介 て連通しているので、この左側空間27内の冷 媒は冷媒吸引口13bからエジェクタ13内に吸引 れる。

 一体化ユニット20は以上のような冷媒流 構成を持つため、一体化ユニット20全体とし て冷媒入口24を別タンク23に1つ設けるだけで く、また冷媒出口25も上側タンク15bに1つ設 るだけでよい。

 次に、第1実施形態の作動を説明する。圧 縮機11を車両エンジンにより駆動すると、圧 機11で圧縮され吐出された高温高圧状態の 媒は放熱器12に流入する。放熱器12では高温 冷媒が外気により冷却されて凝縮する。放 器12から流出した高圧冷媒はエジェクタ13に 流入し、エジェクタ13に流入した冷媒流れは ズル部13aで減圧され膨張する。従って、ノ ル部13aで冷媒の圧力エネルギーが速度エネ ギーに変換され、このノズル部13aの噴出口 ら冷媒は高速度となって噴出する。この際 冷媒圧力低下により、冷媒吸引口13bから第2 蒸発器16通過後の冷媒(気相冷媒)を吸引する

 ノズル部13aから噴出した冷媒と冷媒吸引 13bに吸引された冷媒は、ノズル部13a下流側 混合部13cで混合してディフューザ部13dに流 する。このディフューザ部13dでは通路面積 拡大により、冷媒の速度(膨張)エネルギー 圧力エネルギーに変換されるため、冷媒の 力が上昇する。

 そして、エジェクタ13のディフューザ部13 dから流出した冷媒は冷媒分配器14で分岐され て第2管状部14bの下流側開口部および第1管状 14aの下流側開口部から流出する。第2管状部 14bの下流側開口部から流出した冷媒は、第1 発器15における図2の矢印a~eの冷媒流路を流 る。この間に、第1蒸発器15の熱交換コア部15 aでは、低温の低圧冷媒が矢印A方向の送風空 から吸熱して蒸発する。この蒸発後の気相 媒は、1つの冷媒出口25から圧縮機11に吸入 れ、再び圧縮される。

 一方、第1管状部14aの下流側開口部から流 出した冷媒流れは絞り機構18で減圧されて低 冷媒となり、この低圧冷媒が第2蒸発器16に ける図2の矢印f~iの冷媒流路を流れる。この 間に、第2蒸発器16の熱交換コア部16aでは、低 温の低圧冷媒が、第1蒸発器15通過後の送風空 気から吸熱して蒸発する。この蒸発後の気相 冷媒は冷媒吸引口13bからエジェクタ13内に吸 される。

 以上のごとく、本実施形態によると、エ ェクタ13のディフューザ部13dの下流側冷媒 冷媒分配器14によって第1、第2蒸発器15、16に 分配して供給できるので、第1、第2蒸発器15 16で同時に冷却作用を発揮できる。そのため 、第1、第2蒸発器15、16の両方で冷却された冷 風を冷却対象空間に吹き出して、冷却対象空 間を冷房(冷却)できる。

 さらに、本実施形態では、エジェクタ13 出冷媒の動圧を利用して第2蒸発器16に冷媒 循環させることができる。

 つまり、第1管状部14aの下流側開口部から 流出する冷媒、すなわち第2蒸発器16側に分配 される冷媒においてディフューザ部13d流出冷 媒の動圧が維持されるように冷媒分配器14を 成するとともに、絞り機構18を先細ノズル 構成することによって絞り手段18で動圧の低 下を抑制しつつ冷媒を減圧しているので、第 2蒸発器16の内部にエジェクタ13流出冷媒の動 を作用させることができる。

 これにより、第2蒸発器16へ冷媒を流入さ る際に、ディフューザ部13d下流側冷媒の静 と冷媒吸引口13bにおける冷媒の静圧との圧 差のみならず、ディフューザ部13d下流側冷 の動圧をも作用させることができるので、 2蒸発器16へ冷媒を確実に流入させることが きる。

 しかも、第1蒸発器15下流側に圧縮機11吸 側を接続しているので、圧縮機11の吸入作用 によって第1蒸発器15にも確実に冷媒を流入さ せることができる。従って、第1、第2蒸発器1 5、16の両方において適切に冷凍能力を発揮さ せることができるので、サイクル全体として の冷凍能力も向上できる。

 また、第1蒸発器15下流側を圧縮機11吸入 に接続しているので、エジェクタ13のディフ ューザ部13dで昇圧された冷媒を圧縮機11に吸 させることができる。これにより、圧縮機1 1の吸入圧を上昇させることができるので、 縮機11の駆動動力を低減できる。その結果、 サイクル効率(COP)を向上できる。

 また、第2管状部14bの下流側開口部の開口 面積および第1管状部14aの下流側開口部の開 面積によって第1蒸発器15に流入する冷媒流 と第2蒸発器16へ流入する冷媒流量との流量 を調整しているので、簡素なサイクル構成 サイクル全体の循環冷媒流量を調整できる ともに、第1、第2蒸発器15、16へ冷媒を適切 分配できる。

 また、エジェクタ13のディフューザ部13d 冷媒分配器14、第1蒸発器15および第2蒸発器16 は、配管を介することなく直接接続されてい る。このように接続されることで、より一層 、冷媒の流れが分岐される際に、エジェクタ 13流出冷媒の動圧が維持される。

 また、絞り機構18の減圧作用によって、 2蒸発器16の冷媒蒸発圧力(冷媒蒸発温度)を、 第1蒸発器17の冷媒蒸発圧力(冷媒蒸発温度)に して、効果的に低下させることができる。 た、絞り機構18で冷媒を等エントロピ的に 圧膨張させているので、第2蒸発器16の入口 出口冷媒間のエンタルピ差を拡大して、よ 一層、第2蒸発器18の冷凍能力を向上できる

 さらに、エジェクタ13、冷媒分配器14、第 1、第2蒸発器15、16、絞り機構18を図2に示すよ うに1つの構造体、すなわち一体化ユニット20 として組み付け、それにより、一体化ユニッ ト20全体として冷媒入口24および冷媒出口25を それぞれ1つ設けるだけで済むようにしてい 。

 その結果、エジェクタ式冷凍サイクル装 10の車両への搭載時には、上記各種部品(13 14、15、16、18)を内蔵する一体化ユニット20全 体として、1つの冷媒入口24を放熱器12の出口 に接続し、1つの冷媒出口25を圧縮機11の吸 側に接続するだけで、配管接続作業を終了 きる。

 これと同時に、蒸発器タンク部内にエジ クタ13、冷媒分配器14および絞り機構18を内 する構成を採用することにより一体化ユニ ト20全体の体格を小型、簡潔にまとめるこ ができ、搭載スペースを低減できる。

 そのため、各種部品(13、14、15、16、18)相 間を配管によって接続するものと比較して 複数の蒸発器15、16を有するエジェクタ式冷 凍サイクル装置10の車両への搭載性を大幅に 上できる。そして、サイクル部品点数を減 してコスト低減を図ることができる。

 さらに、一体化ユニット20の採用により 既存の膨張弁サイクルの蒸発器を一体化ユ ット20に交換するだけで、既存の膨張弁サイ クルをエジェクタ式冷凍サイクルに変更する ことができるので、実用上極めて有利である 。

 しかも、一体化ユニット20全体として冷 入口24および冷媒出口25をそれぞれ1つ設ける だけで済むようにしているので、既存の膨張 弁サイクルの蒸発器を一体化ユニット20に交 する作業が極めて簡単である。

 さらに、一体化ユニット20の採用により のごとき冷却性能向上等の付随効果をも発 できる。すなわち、一体化ユニット20による と、上記各種部品(13、14、15、16、18)相互間の 接続通路長さを微少量に短縮できるので、冷 媒流路の圧損を低減できると同時に、低圧冷 媒と周辺雰囲気との熱交換を効果的に縮小で きる。これにより、第1、第2蒸発器15、16の冷 却性能を向上できる。

 特に、第2蒸発器16では、その出口側とエ ェクタ冷媒吸引口13bとの間の接続配管の廃 による圧損低減分だけ第2蒸発器16の蒸発圧 を引き下げることができるので、第2蒸発器 16の冷却性能を圧縮機動力の増加なしで効果 に向上できる。

 また、エジェクタ13を蒸発器タンク部内 低温雰囲気に配置しているから、エジェク 13の断熱処理(断熱材の貼り付け)を廃止でき 。

 なお、本実施形態では、絞り機構18とし 先細ノズルを採用しているが、冷媒通路の 中に通路面積が最も縮小した喉部および喉 以降に内径が徐々に拡大する末広部を有す ラバールノズルを採用してもよい。

 (第2実施形態)
 上記第1実施形態では、冷媒分配器14の第1管 状部14aが直線状であるが、本第2実施形態で 、図7に示すように、冷媒分配器33の第1管状 33aは、冷媒流れ下流側端部が直角に屈曲す 形状を有している。

 また、第2管状部33bは、第1管状部33aの下 側端部の屈曲方向(図7の下方向)と反対方向( 7の上方向)に向かって突出している。

 なお、本実施形態では、絞り機構18を廃 している。また、図示を省略しているが、 実施形態では、別タンク23の貫通穴23aが第1 状部33aの下流側開口部と対向配置されてい 。

 これにより、上記第1実施形態と比較して 、第1管状部33aの下流側開口部と貫通穴23aと 間の距離を短縮できるので、第1管状部33aの 流側開口部と貫通穴23aとの間における冷媒 動圧の低下を抑制できる。このため、第2蒸 発器16へ冷媒をより確実に流入させることが きる。

 なお、第1管状部33aは、必ずしも厳密に直 角に屈曲している必要はなく、略直角に屈曲 していてもよい。

 (第3実施形態)
 上記第2実施形態では、冷媒分配器33の第2管 状部33bが、第1管状部33aのうち冷媒流れ上流 端部における外周面から突出しているが、 第3実施形態では、図8に示すように、冷媒分 配器34の第2管状部34bが、第1管状部34aのうち 媒流れ方向中間部における外周面から突出 ている。

 本実施形態においても、上記第2実施形態 と同様の効果を発揮することができる。

 (第4実施形態)
 本第4実施形態では、図9に示すように、冷 分配器35がT字形状を有している。より具体 には、冷媒分配器35は、エジェクタ13の出口 13eから吐出された冷媒が直接流入する直線 の第1管状部35aと、冷媒を第1蒸発器15側およ び第2蒸発器16側へ流出させる直線状の第2管 部35bとで構成されている。第2管状部35bは、 1管状部35aの端部にて、第1管状部35aと直角 接続されている。

 本実施形態によると、第1蒸発器15側に分 される冷媒および第2蒸発器16側に分配され 冷媒の両方においてディフューザ部13d流出 媒の動圧が維持されるので、第2蒸発器16の ならず第1蒸発器15の内部にもエジェクタ13 出冷媒の動圧を作用させることができる。

 このため、第1蒸発器15へ冷媒を流入させ 際に、圧縮機11の吸入作用のみならず、デ フューザ部13d下流側冷媒の動圧をも作用さ ることができるので、第1蒸発器15へ冷媒を 実に流入させることができる。

 なお、冷媒分配器35は、必ずしも厳密なT 形状である必要はなく、略T字形状であって もよい。例えば、第2管状部35bを第1管状部35a 略直角に接続してもよい。

 (第5実施形態)
 本第5実施形態では、図10に示すように、冷 分配器36が、出口部13eから吐出された冷媒 直接流入する直線状の第1管状部36aと、冷媒 第1蒸発器15側へ流出させる直線状の第2管状 部36bと、冷媒を第2蒸発器16側へ流出させる直 線状の第3管状部36cとで構成されている。

 そして、第2管状部36bおよび第3管状部36c ともに、第1管状部36aの端部に接続され、か 、第1管状部36aと平行に配置されている。

 図示を省略しているが、別タンク23の内 空間のうち第2管状部36bおよび第3管状部36cよ りも下流側の空間を第1蒸発器15側の空間と第 2蒸発器16側の空間の2つの空間に仕切り、第1 発器15側の空間に貫通穴23bを配置し、第2蒸 器16側の空間に貫通穴23aを配置している。

 したがって、第2管状部36bから流出した冷 媒が貫通穴23bを経て第1蒸発器15の上側タンク 15bの右側空間32に流入し、第3管状部36cから流 出した冷媒が貫通穴23aを経て第2蒸発器16の上 側タンク16bの右側空間28に流入する。

 本実施形態においても、上記第4実施形態 と同様の効果を発揮することができる。

 なお、第2管状部36bおよび第3管状部36cは 必ずしも第1管状部36aと厳密に平行に配置さ ている必要はなく、第1管状部36aと略平行に 配置されていてもよい。

 (他の実施形態)
 なお、本発明は上述の実施形態に限定され ことなく、以下述べるごとく種々変形可能 ある。

 (1)第1実施形態では、別タンク23内にエジ クタ13、冷媒分配器14および絞り機構18を配 しているが、第2蒸発器16の上側タンク16b内 冷媒分配器14および絞り機構18を配置しても よい。この場合には、第2管状部14bの下流側 口部から流出した冷媒を第1蒸発器15の上側 ンク15bの右側空間32に流入させるために、第 2蒸発器16の上側タンク16bの右側空間28と第1蒸 発器15の上側タンク15bの右側空間32とを連通 せる連通路を設ける必要がある。

 (2)また、第1蒸発器15の上側タンク15b内に ジェクタ13、冷媒分配器14および絞り機構18 配置してもよい。この場合には、第1管状部 14aの下流側開口部から流出した冷媒を第2蒸 器16の上側タンク16bの右側空間28に流入させ ために、第1蒸発器15の上側タンク15bの右側 間32と第2蒸発器16の上側タンク16bの右側空 28とを連通させる連通路を設ける必要がある 。

 さらに、第2蒸発器16の上側タンク16bの左 空間27に流入した冷媒をエジェクタ13の冷媒 吸引口13bに吸引させるための冷媒通路を、第 2蒸発器16の上側タンク16bの左側空間27とエジ クタ13の冷媒吸引口13bとの間に設ける必要 ある。

 (3)また、エジェクタ13、冷媒分配器14およ び絞り機構18を第1、第2蒸発器15、16の外部に 置してもよい。この場合には、エジェクタ1 3、冷媒分配器14および絞り機構18側の冷媒出 と、第1、第2蒸発器15、16との間を配管接続 る必要がある。

 (4)第1実施形態では、一体化ユニット20の 部材を一体に組み付けるに際して、第1蒸発 器15、第2蒸発器16を一体ろう付けしているが これらの部材の一体組み付けは、ろう付け 外に、ねじ止め、かしめ、溶接、接着等の 々な固定手段を用いて行うことができる。

 また、第1実施形態では、エジェクタ13の 定手段としてねじ止めを例示しているが、 変形の恐れのない固定手段であれば、ねじ め以外の手段を用いることができる。具体 には、かしめ、接着等の固定手段を用いて ジェクタ13の固定を行ってもよい。

 (5)上述の各実施形態では、冷媒として高 圧力が臨界圧力を超えないフロン系、HC系 の冷媒を用いる蒸気圧縮式の亜臨界サイク について説明したが、冷媒として二酸化炭 (CO2)のように高圧圧力が臨界圧力を超える冷 媒を用いる蒸気圧縮式の超臨界サイクルに本 発明を適用してもよい。

 (6)上述の各実施形態では、エジェクタ13 して、通路面積が一定のノズル部13aを有す 固定エジェクタを例示しているが、エジェ タ13として、通路面積を調整可能な可変ノズ ル部を有する可変エジェクタを用いてもよい 。

 なお、可変ノズル部の具体例としては、 えば、可変ノズル部の通路内にニードルを 入し、このニードルの位置を電気的アクチ エータにより制御して通路面積を調整する 構とすればよい。

 (7)第1実施形態等では、車室内冷房用と冷 凍冷蔵庫内の冷却とを行う冷凍サイクルに本 発明を適用した例を示したが、冷媒蒸発温度 が高温側となる第1蒸発器15と冷媒蒸発温度が 低温側となる第2蒸発器16の両方をともに車室 内の異なる領域(例えば、車室内前席側領域 車室内後席側領域)の冷房に用いてもよい。

 また、冷媒蒸発温度が高温側となる第1蒸 発器15と冷媒蒸発温度が低温側となる第2蒸発 器16の両方をともに冷凍冷蔵庫内の冷却に用 てもよい。つまり、冷媒蒸発温度が高温側 なる第1蒸発器15により冷凍冷蔵庫内の冷蔵 を冷却し、冷媒蒸発温度が低温側となる第2 蒸発器16により冷凍冷蔵庫内の冷凍室を冷却 るようにしてもよい。

 (8)上述の各実施形態では、車両用の冷凍 イクルについて説明したが、車両用に限ら 、定置用等の冷凍サイクルに対しても本発 を同様に適用できることはもちろんである 例えば、業務用冷蔵庫、家庭用冷蔵庫、自 販売機用冷却装置、冷蔵機能付きショーケ ス等に適用できる。

本発明の第1実施形態による車両用エジ ェクタ式冷凍サイクルの冷媒回路図である。 第1実施形態による一体化ユニットの概 略構成を示す斜視図である。 図2の一体化ユニットの蒸発器タンク部 の断面図である。 図2の一体化ユニットの冷媒分配器の概 略構成を示す断面図である。 図2の一体化ユニットの蒸発器タンク部 の断面図である。 図2の一体化ユニットの蒸発器タンク部 の断面図である。 第2実施形態による冷媒分配器の概略構 成を示す断面図である。 第3実施形態による冷媒分配器の概略構 成を示す断面図である。 第4実施形態による冷媒分配器の概略構 成を示す断面図である。 第5実施形態による冷媒分配器の概略 成を示す断面図である。