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Patent Searching and Data


Title:
UPPER NOZZLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/113662
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an upper nozzle provided with a bore that is shaped to create a smooth (uniform) molten steel flow with minimal energy loss, thereby making it possible to minimize the formation of deposits. This is achieved by: setting the diameter of the upper end of a bore (11) of the upper nozzle (10), through which molten steel flows, to be 1.5 times the diameter of the lower end; and having a bore wall surface (14) formed as indicated by the formula below. log(r(z))=(1/n)xlog((H+L)/(H+z))+log(r(L)) …(n=1.5−6)

Inventors:
MIZOBE ARITO (JP)
SATO MITSUNOBU (JP)
YASUDA TAKAHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/054877
Publication Date:
September 17, 2009
Filing Date:
March 13, 2009
Export Citation:
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Assignee:
KROSAKIHARIMA CORP (JP)
MIZOBE ARITO (JP)
SATO MITSUNOBU (JP)
YASUDA TAKAHIRO (JP)
International Classes:
B22D41/34; B22D11/10; B22D41/50
Foreign References:
JP2000141001A2000-05-23
JP3639513B22005-04-20
JP2005279729A2005-10-13
Attorney, Agent or Firm:
KOHORI, Susumu et al. (JP)
Kobori Value (JP)
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Claims:
 タンディッシュや取鍋の羽口に嵌合される上ノズルであって、
 ノズル長さをL、計算上のヘッド高さをH、上端部からの距離zにおける半径をr(z)とした時、溶鋼が通過する内孔の軸に沿って切断した内孔壁面の断面形状が、
 log(r(z))=(1/1.5)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))と、
 log(r(z))=(1/6)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))
で表わされる曲線の間のr(z)のz微分が連続する曲線であり、
 前記計算上のヘッド高さHは、
 H=((r(L)/r(0)) n ×L)/(1-(r(L)/r(0)) n ) (n=1.5~6)
であり、
 前記内孔の上端の内径r(0)が下端の内径r(L)の1.5倍以上である
ことを特徴とする上ノズル。
 タンディッシュや取鍋の羽口に嵌合される上ノズルであって、
 ノズル長さをL、計算上のヘッド高さをH、上端部からの距離zにおける半径をr(z)とした時、溶鋼が通過する内孔の軸に沿って切断した内孔壁面の断面形状の少なくとも80%の形状が、
 log(r(z))=(1/1.5)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))と、
 log(r(z))=(1/6)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))
で表わされる曲線の間のr(z)のz微分が連続する曲線であり、
 前記計算上のヘッド高さHは、
 H=((r(L)/r(0)) n ×L)/(1-(r(L)/r(0)) n ) (n=1.5~6)
であり、
 前記内孔の上端の内径r(0)が下端の内径r(L)の1.5倍以上である
ことを特徴とする上ノズル。
 タンディッシュや取鍋の羽口に嵌合される上ノズルであって、
 ノズル長さをL、計算上のヘッド高さをH、上端部からの距離zにおける半径をr(z)とした時、溶鋼が通過する内孔の軸に沿って切断した内孔壁面の断面形状が、
 log(r(z))=(1/n)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L)) (n=1.5~6)
で表わされる曲線であり、
 前記計算上のヘッド高さをHは、
 H=((r(L)/r(0)) n ×L)/(1-(r(L)/r(0)) n ) (n=1.5~6)
であり、
 前記内孔の上端の内径r(0)が下端の内径r(L)の1.5倍以上である
ことを特徴とする上ノズル。
 タンディッシュや取鍋の羽口に嵌合される上ノズルであって、
 ノズル長さをL、計算上のヘッド高さをH、上端部からの距離zにおける半径をr(z)とした時、溶鋼が通過する内孔の軸に沿って切断した内孔壁面の断面形状の少なくとも80%の形状が、
 log(r(z))=(1/n)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L)) (n=1.5~6)
で表わされる曲線であり、
 前記計算上のヘッド高さHは、
 H=((r(L)/r(0)) n ×L)/(1-(r(L)/r(0)) n ) (n=1.5~6)
であり、
 前記内孔の上端の内径r(0)が下端の内径r(L)の1.5倍以上である
ことを特徴とする上ノズル。
Description:
上ノズル

 本発明は、取鍋やタンディッシュの羽口 嵌合される上ノズルであって、特に、付着 の発生を抑えることが可能な上ノズルに関 る。

 タンディッシュや取鍋の羽口に嵌合され 上ノズルでは、溶鋼が通過する内孔内にア ミナなどが付着して付着物となり、流路が 小し、操業を妨げ、時には、流路が完全に がれて操業不可能になる場合もある。そし 、付着物の発生を防止する方法としては、 えば、ガス吹き込み口を設けて不活性ガス 吹き込む方法が提案されている(例えば、特 許文献1又は2参照)。

 しかし、特許文献1や2に記載の上ノズル 、ガス吹き込みのため構造が複雑であり、 造に手間がかかり、操業にもガスが必要な め、コストアップに繋がっていた。また、 ス吹き込み式のノズルであっても、付着物 発生を完全に防止することは難しかった。

 ところで、上ノズルとしては、例えば、 方に形成されたテーパー部と、下方に形成 れたストレート部とで構成されているもの( 図12(a)参照)や、テーパー部からストレート部 に連続する箇所を円弧状としたもの(図13(a)参 照)が広く用いられている。なお、図2乃至13 おける各図(a)は、上ノズルをスライディン ノズル装置(以下、「SN装置」という)に設置 た状態を示している。そして、一点破線の は、上プレートの内孔である。また、内孔 ずれている個所の下側は、中間プレート又 下プレートの内孔である。

 図12(a)に示した形状の上ノズル(長さ230mm) 内孔を溶鋼が通過する際に、内孔壁面に加 る圧力の分布を計算すると、図12(b)に点線 示すように、内孔形状がテーパーからスト ートに変化する位置(内孔上端から180mm)を超 た付近で圧力が急激に変化していることが 認された。

 また、図13(a)に示した形状の上ノズル(長 230mm)の内孔を溶鋼が通過する際に、内孔壁 に加わる圧力の分布を計算すると、図13(b) 示すように、内孔形状がテーパーからスト ートに変化する図12(a)に示した形状の上ノズ ルに比べて急激な圧力変化が抑えられている ものの、円弧状に圧力が変化しており、圧力 変化が一定ではないことが確認された。なお 、図2乃至13における各図(b)の一点破線から右 側は、上プレート内孔壁面に加わる圧力であ る。

 圧力の急激な変化や円弧状の圧力変化は テーパーからストレートに内孔形状が変化 ることに伴って、溶鋼の流れが変化するた である。また、溶鋼の流れを意図的に変化 せる旋回ノズルでは、溶鋼の流れが変化す 付近で付着物が確認されていることなどか 、溶鋼のスムーズな流れ、すなわち内孔壁 に対する圧力の変化がほぼ一定な溶鋼の流 を生み出すことで、上ノズル内孔内の付着 を抑えることができるものと思慮される。

 溶鋼の流れを一定とするものとしては、転 の出鋼口の内孔形状に関する発明が提案さ ている(例えば、特許文献3参照)。

特開2007-90423号公報

特開2005-279729号公報

特表2008-501854号公報

 しかし、特許文献3は、溶鋼流中心部に真 空部分をつくらないことによって、スラグの 巻き込みや酸素、窒素などの混入を抑制する ものであり、付着物の発生を防止するもので はない。また、特許文献3では、転炉(精錬容 )を対象としており、スラグ巻き込み防止な どの効果が重要となるのは、溶鋼排出末期( 鋼時間を5分とすると末期1分程度)である。 方、取鍋やタンディッシュ(鋳込み容器)にお いて、付着物の発生を防止するためには、溶 鋼排出末期以外で特に効果を発揮する必要が あり、効果の発揮を期待する時期も異なる。

 そこで本発明では、溶鋼流外周部から内 壁への圧力安定化を図ることによって、エ ルギー損失の少ない(スムーズな)溶鋼の流 を作り出し、付着物の発生を抑えることが 能な内孔形状を備えた上ノズルを提供する とを目的とする。

 本発明は、タンディッシュや取鍋の羽口に 合される上ノズルであって、ノズル長さをL 、計算上のヘッド高さをH、上端部からの距 zにおける半径をr(z)とした時、溶鋼が通過す る内孔の軸に沿って切断した内孔壁面の断面 形状が、
 log(r(z))=(1/1.5)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))と
 log(r(z))=(1/6)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))
で表わされる曲線の間のr(z)のz微分が連続す 曲線であり、前記計算上のヘッド高さHは、
 H=((r(L)/r(0)) n ×L)/(1-(r(L)/r(0)) n ) (n=1.5~6)
であり、前記内孔の上端の内径r(0)が下端の 径r(L)の1.5倍以上であることを特徴とする。

 また、本発明においては、溶鋼が通過す 内孔の軸に沿って切断した内孔壁面の断面 状の少なくとも80%の形状が、上記の形状と るようにすることができる。

 さらに本発明では、溶鋼が通過する内孔の に沿って切断した内孔壁面の断面形状が、
 log(r(z))=(1/n)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L)) (n=1.5~6)
で表わされる曲線となるようにすることもで きる。この場合も、内孔壁面の断面形状の少 なくとも80%の形状が、上記曲線となるように することができる。

 本発明では、溶鋼が通過する上ノズル内 への付着物の発生を抑えることができる。

 以下、本発明を実施するための最良の形 について、添付図面を参照して詳細に説明 る。

 図1は、溶鋼が通過する内孔の軸方向に沿 って本発明に係る上ノズルを切断した断面図 の一例である。同図に示すように本発明に係 る上ノズル10は、溶鋼が通過する内孔11を備 、当該内孔は、タンディッシュや取鍋の羽 に嵌合される大径部12と、溶鋼を排出する小 径部13と、大径部12から小径部13に続く内孔壁 面14とを備えて構成されている。

 そして、本発明における内壁14は、内孔11の 軸方向に切断した断面形状(log(r(z)))が、
log(r(z))=(1/1.5)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L)) …15

log(r(z))=(1/6)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L)) …16
の間の滑らかな面、さらに望ましくは、
log(r(z))=(1/n)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L)) (n:1.5~6)
で表わされる曲線形状である。ここで滑らか な面とは、r(z)に対する微分が連続する曲線 すなわち、曲面と当該曲面の接線とからな 面である。

 本願発明者は、ノズルの内孔壁面圧分布 高さ方向に対して安定にすることで、エネ ギー損失の少ないスムーズ(一定)な溶鋼の れが作り出されると考え、以下に説明する おり内孔壁面の急激な圧力変化が抑えられ 、本発明の内孔形状を見出した。

 まず、上ノズル内孔を流れる溶鋼量は、上 ズルの下部に設置されるSN装置で制御され ものの、溶鋼の流速を得るエネルギーは、 本的にタンディシュ内の溶鋼のヘッドであ ことから、内孔上端から距離zの位置におけ 溶鋼の流速v(z)は、重力加速度をg、溶鋼の ッド高さをH´、流量係数をkとすると、
v(z)=k(2g(H´+z)) 1/2
で表わされる。

 そして、上ノズル内孔を流れる溶鋼の流量Q は、流速vと断面積Aの積であるから、上ノズ の長さをLとし、内孔下端における溶鋼の流 速をv(L)、内孔下端の断面積をA(L)とすると、
Q=v(L)×A(L)=k(2g(H´+L)) 1/2 ×A(L)
で表わされる。

 また、内孔内のどの位置で内孔軸に垂直に 面をとっても流量Qは一定であることから、 内孔上端から距離zの位置における断面積A(z) 、
A(z)=Q/v(z)=k(2g(H´+L)) 1/2 ×A(L)/k(2g(H´+z)) 1/2
で表わされ、両辺をA(L)で割ると、
A(z)/A(L)=((H´+L)/(H´+z)) 1/2
となる。

 ここで、円周率をπとすると、A(z)=πr(z) 2 、A(L)=πr(L) 2 であるから、
A(z)/A(L)=πr(z) 2 /πr(L) 2 = ((H´+L)/(H´+z)) 1/2
r(z)/r(L)=((H´+L)/(H´+z)) 1/4  …(1)
となる。

 従って、内孔の任意の位置の半径r(z)は、
log(r(z))=(1/4)×log((H´+L)/(H´+z))+log(r(L))
で表わされ、内孔壁面の断面形状を当該条件 を満たす形状とすることによって、エネルギ ー損失を最小とすることができる。

 ところで、タンディッシュの湯量は、操 中、ほぼ一定に保たれており、ヘッドの高 は一定である。しかし、溶鋼は、タンディ シュの湯面から上ノズルに直接流れ込むの はなく、タンディッシュ底面から近い位置 ら流れ込むことが知られている。また、取 においても、湯面の高さは変化するものの タンディッシュと同様に、底面から近い位 から溶鋼が流れ込むことが知られている。 お、上ノズル内孔の下端部(内孔小径部)の は、スループットによって決まる。

 本願発明者は、誠意検討を行い、上端部( 内孔大径部)の内径を下端部(内孔小径部)の内 径の1.5倍以上とすることで、内孔上端部近傍 で発生する急激な圧力変化を抑えることがで きることを見出した。これは、上端部の内径 が下端部の内径の1.5倍未満の時、タンディッ シュや取鍋から上ノズルにかけての形状をな だらかにするための距離を十分に確保するこ とが困難であり、当該形状が急激に変化する からである。なお、上端部の内径は、下端部 の内径の2.5倍以下であることが望ましい。上 端部の内径が広いほど、タンディッシュや取 鍋の羽口も広くなるなど、現実的ではないか らである。

 従って、内孔大径部と内孔小径部の比は、 記した式(1)より、
r(0)/r(L)=((H+L)/(H+0)) 1/4 =1.5~2.5
で表わされることから、上端部と下端部の内 径と、両内径の比が決まれば、計算上のヘッ ド高さHを求めることができる。すなわち計 上のヘッド高さをHは、
 H=((r(L)/r(0)) 4 ×L)/(1-(r(L)/r(0)) 4
で表わされる。

 そこで、本願発明者は、
log(r(z))=(1/4)×log((H´+L)/(H´+z))+log(r(L))
において、溶鋼のヘッド高さH´に代えて計算 上のヘッド高さHを用いると共に、
log(r(z))=(1/n)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))
として、nの値を変更した断面形状の壁面を えた内孔形状の上ノズルであれば、n=4以外 あっても、従来に比べてスムーズな溶鋼の れが形成されるのではないかと考え、nの値 異なる壁面形状の内孔を備えた上ノズルに いて、内孔壁面に発生する圧力を検証した
 また、この時、計算上のヘッド高さHにおい ても同様に変数nを適用して、
H=((r(L)/r(0)) n ×L)/(1-(r(L)/r(0)) n
とした。
r(0)/r(L)=((H+L)/(H+0)) 1/n =1.5~2.5
で表わされることから、上端部と下端部の内 径と、両内径の比が決まれば、nの値に応じ 計算上のヘッド高さHを求めることができる

 以下、実施例を用いて本発明をさらに詳 に説明する。なお、各実施例は、本願発明 一態様に過ぎず、下記実施例に限定される のではない。

 本実施例では、長さ230mm、内孔大径部の直 140mm、内孔小径部の直径70mm、内孔壁面の形 (log(r(z))=(1/n)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L)))がn=1.5(実 例1)のとき、つまり、
log(r(z))=(1/1.5)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))
で表わされる図2(a)に示す上ノズルを用いて タンディッシュや取鍋のヘッドの高さが1000m mの時に内孔壁面に加わる圧力の分布を計算 た。計算結果を、従来のノズルである図11記 載の上ノズルの内孔上端の内壁に加わる圧力 を0として、図2(b)に示す。また、n=2(実施例2) n=4(実施例3)、n=5(実施例4)、n=6(実施例5)、n=7( 比較例1)、n=8(比較例2) n=1(比較例3)の時、す わち、
log(r(z))=(1/2)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L)) 
で表わされる図3(a)の上ノズル(実施例2)、
log(r(z))=(1/4)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L)) 
で表わされる図4(a)の上ノズル(実施例3)、
log(r(z))=(1/5)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L)) 
で表わされる図5(a)の上ノズル(実施例4)、
log(r(z))=(1/6)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L)) 
で表わされる図6(a)の上ノズル(実施例5)、
log(r(z))=(1/7)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L)) 
で表わされる図7(a)の上ノズル(比較例1)、
log(r(z))=(1/8)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L)) 
で表わされる図8(a)の上ノズル(比較例2)、
log(r(z))=(1/1)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))
で表わされる図9(a)の上ノズル(比較例3)を用 て実施例1と同様に内孔壁面に加わる圧力分 を計算した。計算結果を各図の(b)に示す。

 実施例1乃至3(n=1.5~4)では、内孔上端から 端にかけて徐々に圧力が変化していること 確認された。急激な圧力変化が発生してい いことから、溶鋼の流れがほぼ一定である とが分かる。

 実施例4及び5(n=5、6)では、内孔上端部近 で大きな圧力変化が確認されたものの、そ 後は、徐々に圧力が変化していることが確 された。口径が広く、付着物によって問題 発生し難い内孔上端部付近以外は、溶鋼の れがほぼ一定であることが分かる。

 比較例1及び2(n=7、8)では、内孔上端部近 で約100ps又は約200psから大きく圧力が変化し いる。すなわち、図11に示した従来の上ノ ルよりも内孔上端部近傍で大きな圧力が発 した後、非常に大きく圧力が変化すること 確認された。この比較例1及び2では、内孔上 端部近傍で内孔の径が急激に減少しており、 口径が狭く、付着物によって問題が発生し易 い個所で、溶鋼の流れが急激に変化している ことが分かる。

 比較例3(n=1)では、内孔壁面形状がテーパ であり、上プレートとの接触部に角が形成 れており、上ノズル内の圧力変化は少ない のの、例えば、図2(b)と図9(b)とを比較すれ 明らかなように、上ノズルから上プレート 溶鋼が流れ込んだ後に急激な圧力変化が起 っていることが確認された。

 このように本発明では、上ノズル内孔を 鋼が通過する際に、内孔壁面に加わる圧力 変化がほぼ一定であることから、溶鋼の流 がエネルギー損失の少ない一定の流れであ ことが分かる。なお、取鍋では、湯面が約4 000mmから徐々に下がり、タンディッシュにお ても、湯面が500mm程度のものもある。しか 、先ほども述べたように、羽口に流れ込む 鋼は、タンディッシュや取鍋の底面に近い 置にある溶鋼であり、湯面の高さが変化す ことによって、圧力の値こそ変化するもの 、圧力分布は、上記各実施例、比較例と同 である。

「実施例6」
 本実施例では、長さ230mm、内孔小径部の直 が70mm、内孔大径部の直径が内径下端(内孔小 径部)の径Dの1.5倍(1.5D)である108mm、内孔壁面 形状がn=4のとき、つまり、
log(r(z))=(1/4)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L)) 
で表わされる、図10(a)の上ノズルを用いて実 例1と同様に内孔壁面に加わる圧力分布を計 算した。計算結果を図10(b)に示す。

「比較例4」
 本比較例では、長さ230mm、内孔小径部の直 が70mm、内孔大径部の直径が内径下端(内孔小 径部)の径Dの約1倍(1.06D)である73mm、内孔壁面 形状がn=4のとき、つまり、
log(r(z))=(1/4)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L)) 
で表わされる、図11(a)の上ノズルを用いて実 例1と同様に内孔内壁に加わる圧力分布を計 算した。計算結果を図11(b)に示す。

 内孔の径の比が約1倍(1.06D)である比較例4 は、内孔上端部近傍の圧力変化が激しいが 内孔の径の比が1.5倍(1.5D)である実施例6や、 2倍(2D)である実施例3では、内孔上端部近傍で もほぼ一定の圧力変化であることが確認され た。内孔壁面の形状が上記log(r(z))で表わされ る場合、内孔の径が広がるにつれて、タンデ ィッシュや取鍋から上ノズルに続く壁面はな だらかとなることから、内孔上端の径を内孔 下端の径の1.5倍以上とすることで、内孔上端 部近傍の急激な圧力変化を抑えることができ ることが分かる。

 また、従来のノズルや、比較例1乃至4おけ 圧力変化から、角や角に近い形状があると 急激な圧力変化が確認されることから、
log(r(z))=(1/1.5)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))と、
log(r(z))=(1/6)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))の間の形状 あって、
内孔壁面に角が形成されていない滑らかな断 面形状、すなわちr(z)のzに対する微分(d(d(z))/d z)が連続する断面形状とすることで、溶鋼の れを一定とし、付着物の発生を抑えること できることが分かる。

 なお、内孔上端部近傍の形状は、ストッパ どの要因で決まることもあり、また、内孔 端部近傍は、内径が大きく、付着物による 響が小さい。一方、内孔下端部近傍は、製 時に器具を挿入するため、直胴部にせざる 得ないといった製造上の関係などで形状が まる場合もある。従って、内孔壁面の少な とも80%が、
log(r(z))=(1/n)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L)) (n=1.5~6)
で示される断面形状であればよく、また、Ar スなどを吹き込むバブリング構造を備えて よい。

本発明に係る上ノズルの一例を示す縦 面図である。 n=1.5の上ノズルの形状及び溶鋼通過時 圧力分布を示す図である。 n=2の上ノズルの形状及び溶鋼通過時の 力分布を示す図である。 n=4の上ノズルの形状及び溶鋼通過時の 力分布を示す図である。 n=5の上ノズルの形状及び溶鋼通過時の 力分布を示す図である。 n=6の上ノズルの形状及び溶鋼通過時の 力分布を示す図である。 n=7の上ノズルの形状及び溶鋼通過時の 力分布を示す図である。 n=8の上ノズルの形状及び溶鋼通過時の 力分布を示す図である。 n=1の上ノズルの形状及び溶鋼通過時の 力分布を示す図である。 n=4、1.5Dの上ノズルの形状及び溶鋼通 時の圧力分布を示す図である。 D=1の上ノズルの形状及び溶鋼通過時の 圧力分布を示す図である。 従来の上ノズルの形状及び溶鋼通過時 の圧力分布を示す図である。 従来の上ノズルの形状及び溶鋼通過時 の圧力分布を示す図である。

符号の説明

 10…上ノズル、11…内孔、12…大径部、13 小径部、14…内孔壁面、15…n=1.5の時の内孔 面、16…n=6の時の内孔壁面。