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Title:
VARIABLE-CAPACITANCE ELEMENT, METHOD FOR CONTROLLING VARIABLE-CAPACITANCE ELEMENT, ELECTRONIC DEVICE AND COMMUNICATION MOBILE APPARATUS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/107488
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a variable-capacitance element which can be applied corresponding to purposes of electronic apparatuses, including various types of electronic devices and communication mobile apparatuses. A method for controlling such variable-capacitance element, and electronic devices and communication mobile apparatuses provided with such variable-capacitance element are also provided. A variable-capacitance element (1) is configured such that a pair of electrodes (3, 4) are formed with a ferroelectric material layer (2) in between, polarization processing of a coercive field of polarization hysteresis characteristics or more is performed to the ferroelectric material layer (2), and an electrostatic capacity is varied corresponding to a control voltage applied to the electrodes (3, 4).

Inventors:
HABU, Kazutaka (Minato-ku Tokyo, 75, 10800, JP)
羽生 和隆 (〒75 東京都港区港南1丁目7番1号 ソニー株式会社内 Tokyo, 10800, JP)
KANNO, Masayoshi (Minato-ku Tokyo, 75, 10800, JP)
管野 正喜 (〒75 東京都港区港南1丁目7番1号 ソニー株式会社内 Tokyo, 10800, JP)
Application Number:
JP2009/052331
Publication Date:
September 03, 2009
Filing Date:
February 12, 2009
Export Citation:
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Assignee:
SONY CORPORATION (1-7-1 Konan, Minato-ku Tokyo, 75, 10800, JP)
ソニー株式会社 (〒75 東京都港区港南1丁目7番1号 Tokyo, 10800, JP)
HABU, Kazutaka (Minato-ku Tokyo, 75, 10800, JP)
羽生 和隆 (〒75 東京都港区港南1丁目7番1号 ソニー株式会社内 Tokyo, 10800, JP)
KANNO, Masayoshi (Minato-ku Tokyo, 75, 10800, JP)
International Classes:
H01G7/06
Attorney, Agent or Firm:
TANABE, Shigemoto et al. (Tokiwa Building 5th Floor 6-4, Osaki 3-chome Shinagawa-ku, Tokyo 32, 14100, JP)
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Claims:
 強誘電体材料層を挟んで対の電極が形成され、
 前記強誘電体材料層に電界による分極のヒステリシス特性の抗電界以上の分極処理が施されて成り、前記電極に印加される制御電圧に応じて静電容量が可変される
 可変容量素子。
 前記分極処理が施された前記強誘電体材料層の分極状態が未飽和状態である
 請求項1記載の可変容量素子。
 分極のヒステリシス特性の抗電界未満において、制御電圧0Vの静電容量を中心として、 印加される制御電圧に応じて静電容量がリニアに可変される
 請求項1記載の可変容量素子。
 印加する前記制御電圧は、正側、負側、または正負にわたる範囲で制御される
 請求項1記載の可変容量素子。
 印加する前記制御電圧は、0Vを中心に±δVで制御される
 請求項4記載の可変容量素子。
 単一極性電源を用い、印加する制御電圧の正負の極性を切り換えて、静電容量を可変さ
 せる
 請求項1記載の可変容量素子。
 分極を減極させる減極電界に対応した電圧から分極反転飽和電界に対応した電圧にて容量をリセットし、容量を再書き込みし、再書き込みにおける電圧の大きさにより、容量値の変化量を制御する
 請求項1記載の可変容量素子。
 分極処理に於ける印加電圧の大きさにより、制御電圧による容量の変化勾配と変化量を制御する
 請求項1記載の可変容量素子。
 強誘電体材料層を挟んで対の電極を有し、前記強誘電体材料層に分極のヒステリシス特性の抗電界以上の分極処理が施された可変容量素子の制御方法であって、
 前記電極に印加する制御電圧を、0Vを中心に±δVで制御して静電容量を可変制御する
 可変容量素子の制御方法。
 強誘電体材料層を挟んで対の電極を有し、前記強誘電体材料層に分極のヒステリシス特性の抗電界以上の分極処理が施された可変容量素子の制御方法であって、
 単一極性電源を用い、前記電極に印加する制御電圧の正負の極性を切り替えて、静電容量を可変制御する
 可変容量素子の制御方法。
 強誘電体材料層を挟んで対の電極が形成され、
 前記強誘電体材料層に分極のヒステリシス特性の抗電界以上の分極処理が施されて成り、
 前記電極に印加される制御電圧に応じて静電容量が可変される可変容量素子
 を備えて成る電子デバイス。
 強誘電体材料層を挟んで対の電極が形成され、
 前記強誘電体材料層に分極のヒステリシス特性の抗電界以上の分極処理が施されて成り、
 前記電極に印加される制御電圧に応じて静電容量が可変される
 可変容量素子
 を備えて成る通信モバイル機器。
Description:
可変容量素子とその制御方法、 子デバイス及び通信モバイル機器

 本発明は、可変容量素子とその制御方法 この可変容量素子を組み込んだ電子デバイ 及び通信モバイル機器に関する。

 近年、デジタル技術の発展により、情報 術(IT)に代表される電子機器の普及が活発化 され、それに伴うエネルギーの消費が問題と なっている。また、上記の情報技術において 、通信によるモバイル機器間の通信技術が活 発化している。

 一般に、簡便な据え置き型の電子機器で 、電源トランスを用いたシリーズレギュレ タの電源回路方式が使われている。この電 方式は、商用電源の100Vを分圧降下させて、 ダイオードブリッジ回路にて整流し、大容量 コンデンサによって波形を平滑にして外部交 流電圧の変動と電子部品のバラツキと出力変 動を安定にさせるために、半導体部品である レギュレータにて、その変動電圧を吸収して 電圧を安定にしている。

 しかし、このレギュレータによる変動電 の吸収は、変動分を余分なジュール熱とし 排出させ、環境問題に悪影響を与えていた 先に本出願人は、後述するように、可変容 コンデンサを利用して余分なジュール熱の 出をより少なくする方法を提案した。

 図17に、従来のセラミックコンデンサの 性、すなわち静電容量のDCバイアス電圧依存 性を示す。セラミックコンデンサでは、図17 示すように、大別して制御電圧であるDCバ アス電圧に対する容量変化の小さいB特性の ンデンサと、DCバイアス電圧に対して容量 化の大きいF特性のコンデンサの2種類に代表 される。図17で示すF特性は、使用温度範囲が -25℃~85℃において容量変化が+30~-80%内の使用 性である。B特性は、使用温度範囲が-25℃~85 ℃において容量変化が±10%の使用特性である 一般に用いられるコンデンサとしては、容 変化しないことが望まれているので、容量 化の小さいB特性のコンデンサが用いられる 。

 これらのコンデンサは、DCバイアス電圧に って容量変化が生じるチタン酸バリウム(BaTi O 3 )系の強誘電体材料で作成される。この容量 化が外部電圧によって変化する現象は、コ デンサの容量に起因する分極電荷と、その 極のドメインの挙動が電場に作用されてい と考えられる。この系の材料は、添加元素 焼結条件によってキュリー点を変えたり、 子サイズを変えて容量を大きく(非特許文献1 参照)すれば、その容量変化を大きくできる しかし、一般のコンデンサの利用では電圧 加えることで容量が変化してしまうので、 まり好まれない。

 コンデンサの強誘電体材料として、チタ 酸バリウム系、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT) 用いることは、特許文献1,2などに開示され いる。

特開平10-223475号公報

特開2000-101345号公報 Landolt-Bornstein Vol.16,Ferroelectrics and Related  Substances(1981)

 ところで、前述した本出願人が提案した電 回路における方法は、余分なジュール熱の

排出をより少なくするために、電圧変動に対 応した電圧降下を可変コンデンサを介して制 御しジュール熱の発生を低減させる方法であ る。この方法は、コンデンサによる電圧降下 では、交流の虚数部に関与して電流の位相と 電圧の位相がずれる為に電力損失が発生しな い原理を利用している。このような電源回路 で用いる可変コンデンサは、容量とその容量 変化が大きい程、大きな電圧変動に対応した 大きな電力損失を抑えることができるので望 ましい。

 強誘電体系材料の容量変化は、強誘電体 料であるがために、DCバイアス電圧の大き とその印加電圧の極性によってヒステリシ 特性を持つ特徴がある。また、分極処理を ていないチタン酸バリウム材料系では、図18 に示されるようなDCバイアス電圧の原点(0V)か らずれた容量変化のピークをもち、ピークを 越えた領域では緩やかな減少変化を描いた曲 線の容量変化を持っている。従って、このチ タン酸バリウム材料系では、容量変化のピー クを越えた場合、このヒステリシス特性の降 下のため、同じDCバイアス電圧でも容量変化 が異なる不都合が生じていた。例えば、DC イアス電圧を印加しない零ボルトでも、DCバ イアス電圧の極性と大きさで容量が異なって しまう。その為、使用する領域を単調減少領 域の狭い領域に限定するか、ピークを越えた 場合に特性を配慮した回路を組む必要があっ た。また、単調減少する領域に限定しても、 容量変化ではリニア性が劣るため、回路設計 の煩わしさがあった。また、一般に極性の正 の制御電圧に対して、負の容量変化の特性の 利用は、回路の制御的な煩わしさがあった。

 一方、近年、電気製品機器における消費 力の増大と、移動モバイル機器の通信の高 化が進んでおり、消費電力の省力化と電波 信の高機能な周波数のチューニングが求め れている。モバイル機器のアンテナ通信に り機器の電波周波数のチューニングは、バ キャップ半導体が検討されているが、大き 容量が得られないこと、半導体であるため 圧が低いなどの問題があった。

 本発明は、上述の点に鑑み、電源回路用、 バイル機器用、その他の電子機器の用途に じて、対応可能な可変容量素子とその制御 法を提供するものである。
 また、本発明は、上記可変容量素子を備え 電子デバイス、通信モバイル機器を提供す ものである。

 本発明に係る可変容量素子は、強誘電体 料層を挟んで対の電極が形成され、強誘電 材料層に分極のヒステリシス特性の抗電界 上の分極処理が施されて成り、電極に印加 れる制御電圧に応じて静電容量が可変され 構成とする。

 本発明の可変容量素子では、その強誘電 材料層に抗電界以上の分極処理を施し、制 電圧に応じて静電容量を可変させるように 成することにより、大きな容量が得られる 共に、リニア性のよい容量可変が得られる また、同じ制御電圧であれば、一定の同じ 量変化値が得られる。

 本発明に係る可変容量素子の制御方法は 強誘電体材料層を挟んで対の電極を有し、 誘電体材料層に抗電界以上の分極処理が施 れた可変容量素子の制御方法であって、電 に印加する制御電圧を、0Vを中心に±δVで制 御して静電容量を可変制御する。

 本発明に係る可変容量素子の制御方法に れば、0Vを中心に±δVの範囲で静電容量を可 変制御するので、電圧を印加しないときには 常に静電容量は0Vに対応した所要値に維持さ る。

 本発明に係る可変容量素子の制御方法は 強誘電体材料層を挟んで対の電極を有し、 誘電体材料層に分極のヒステリシス特性の 電界以上の分極処理が施された可変容量素 の制御方法であって、前記電極に印加する 御電圧の正負の極性を切り替えることより 単一極性電源でも、静電容量を可変制御す 。

 本発明の可変容量素子の制御方法では、 加する制御電圧の正負の極性を切り換える とにより、例えば、正極性であれば容量が 少して可変され、負極性であれば容量が増 して可変され、単一極性電源を用いても大 な容量可変範囲が得られ、リニア性のよく 量可変させることができる。

 本発明に係る電子デバイスは、強誘電体 料層を挟んで対の電極が形成され、強誘電 材料層に分極のヒステリシス特性の抗電界 上の分極処理が施されて成り、電極に印加 れる制御電圧に応じて静電容量が可変され 可変容量素子を備えて成る。

 本発明の電子デバイスでは、上記本発明 よる可変容量素子を備えるので、電子デバ スの性能を高めることができる。

 本発明に係る通信モバイル機器は、強誘 体材料層を挟んで対の電極が形成され、強 電体材料層に分極のヒステリシス特性の抗 界以上の分極処理が施されて成り、電極に 加される制御電圧に応じて静電容量が可変 れる可変容量素子を備えて成る。

 本発明の通信モバイル機器では、上記本 明による可変容量素子を備えるので、通信 バイル機器の性能を高めることができる。

 本発明に係る可変容量素子によれば、大 な容量が得られると共に、リニア性のよい 量可変が得られ、また同じ制御電圧であれ 同じ容量変化値が得られえることにより、 g子デバイス用、通信モバイル機器用、その 他の電子機器の用途に応じて、対応する可変 容量素子を提供することができる。

 本発明に係る可変容量素子の制御方法に れば、0Vを中心に±δVの範囲で容量変化を制 御でき、あるいは単一極性電源で大きな容量 変化を制御できるので、電子デバイス、通信 モバイル機器用、その他の電子機器の用途に 応じて利便性を高めることができる。

 本発明に係る電子デバイス、通信モバイ 機器によれば、本発明に係る可変容量素子 備えることにより、利便性を高めることが きる。

本発明に係る可変容量素子の一実施の 態を示す断面図である。 a,b 本発明に係る可変容量素子の他の 施の形態を示す上面図及び断面図である。 図2と同じ構成の容量素子に対して、分 極を行わないときの、容量のDCバイアス依存 を示す特性図である。 a,b 本発明に係る容量素子の説明に供 る容量のDCバイアス電圧依存性を示す試料及 び特性図である。 本発明に係る容量素子の説明に供するD Cバイアス履歴特性図である。 a,b 本発明に係る容量素子の説明に供 るDCバイアス履歴特性図である。 本発明に係る可変容量デバイスの一例 示す構成図である。 図7の可変容量デバイスの容量-制御電 特性図である。 本発明の説明に供する分極のヒステリ ス特性図である。 本発明の説明に供する再書き込みに係 る容量-書き込み電圧特性図である。 本発明の説明に供する再書き込み処理 電圧による書き込み電圧と容量変化の特性図 である。 本発明の説明に供する分極処理と前処 理後における容量のDCバイアス電圧依存性を す特性図である。 図12の容量変化を、前処理電圧0Vを基 に相対変化させた特性図である。 本発明の説明に供する書き込みの前処 理電圧による容量のDCバイアス電圧依存性を す特性図である。 本発明の可変容量素子を適用した電源 装置の例を示す等価回路図である。 図15の電源回路に用いられる電圧制御 変コンデンサの構成図である。 従来のチタン酸バリウムを用いた容量 素子の特性図である。 従来のチタン酸バリウムを用いた容量 素子の特性図である。

符号の説明

 1・・可変容量素子
 2・・強誘電体材料層
 3、4・・電極
 5・・容量素子(可変容量素子)
 6・・電極層
 6A,6B・・電極
 7・・シート状体
 8,9,10・・特性
 21・・可変容量デバイス
 22・・可変容量素子
 23~24・・DCカット用容量素子
 25・・極性切り換えスイッチング素子
 26・・単一極性電源
 27a。27b・・可動接点
 28{28a,28b}、29[29a,29b]・・固定接点
 311,321・・特性
 211・・電圧制御可変コンデンサ
 31~35・・可変容量素子
 36・・AC入力端子
 37・・AC出力端子
 38,39・・制御端子
 51・・AC回路
 52・・AC電源
 53・・電源トランス
 54・・スタビライザー
 55・・DC回路
 56・・整流回路
 57・・定電圧回路
 58・・差動増幅回路
 59・・出力端子

 以下、図面を参照して本発明の実施形態 ついて説明する。

 まず、本実施形態に係る可変容量素子に いて説明する。本実施形態に係る可変容量 子は、強誘電体材料層を挟んで両面に対を す電極が形成され、両電極間に電圧を印加 て強誘電体材料層を分極させた後、両電極 に印加する制御電圧に応じて、静電容量を 変できるように構成される。容量変化の制 電圧は、ACバイアスでも同様に変化するが 本発明ではDCバイアス電圧の場合で説明する 。本実施形態に係る可変容量素子は、以下に 説明する特性を備えている。

 本実施形態に係る可変容量素子の特性を 証するために、本実施形態では、試料とし 、強誘電体材料としてチタン酸ジルコン酸 (PZT)を用いて構成された容量素子を用いる 基本的には、PZT材料層を挟んで両面に対の 極を形成して構成されるが、本例では、図2a (上面図),図2b(断面図)に示すように、PZT材料 を用いた積層型の容量素子5を作成した。試 に係る容量素子5は、PZT材料層による強誘電 体材料層2の一方の面に電極層6を形成したシ ト状体7を複数枚、本例では6枚積層し、奇 層の電極層6A同士、偶数層の電極層6B同士を れぞれ電気的に接続して構成される。最下 または最上層のいずれか一方の強誘電体材 層2の両面には電極層6が形成される。この 量素子5は、後述で明らかとなるように、本 施の形態に係る可変容量素子の一例となる

 具体例としては、次のようにして試料とな 容量素子5が作成される。酸化チタンと、酸 化ジルコニウムと、酸化鉛からなるパウダー を所要の配合比で混合し、厚さ60μmに成形し セラミックシートを2枚重ねて、仮焼きをす る。次に、パラジウム(Pd)系の電極粉を塗布 て電極層6を形成したシート状体7を作成する 。この2層のセラミックシート上に電極層6を 成したシート状体4を単位として6枚積層し 焼成する。次に、銀(Ag)を含む導電性ペース を、積層体の一方の面に露出する例えば奇 層の電極層6に接続するように塗布し、また 積層体の他方の面に露出する例えば偶数層の 電極層6に接続するように塗布する。そして 処理して対の電極6A,6Bを形成して可変容量素 子5を作成する。焼成して作成された容量素 5のサイズは、5×30mm 2 の面に対して厚さが約0.3mmの板状素子である

 この容量素子5におけるDCバイアス電圧の静 容量の変化を測定した。
 まず、図3に、ポーリング処理(分極処理)を わない容量素子5のDCバイアス電圧による容 依存性を示す。この容量素子は、焼成され ままの分極処理されていない素子である。 の容量素子のDCバイアス電圧における容量 化の特性を測定した。容量変化の特性評価 は、インストロン社製のインピーダンスア ライザ1260系システムを用いた。評価条件は 周波数が1000Hzで印加AC電圧は1000mVp-pにて、 加DC電圧を0Vから14Vまで印加した。その結果 図2の特性10で示すように、容量素子の容量 0.227μFであったが、容量変化はなかった。

 図4に、電圧を印加して強誘電体材料層2 分極を一方向に揃えるポーリング処理を行 た容量素子5のDCバイアス電圧による容量依 性を示す。試料となる容量素子5に対して、 4(a)に示すように、電極6Bをプラスとし、電 6Aをマイナスとして電圧V、本例では100Vを数 十秒間印加してポーリング処理する。そして 、図3で説明したと同じ評価器システムを用 て、DCバイアス電圧による容量素子の容量変 化の特性を調べた。印加したDCバイアス電圧 極性の方向は図4(a)に示す方向であり、分極 Pの方向(矢印)とDCバイアス電圧印加による電 Eの方向(矢印)を一致させている。分極後のD Cバイアス電圧の極性を正(電極6Bがプラス、 極6Aがマイナスとなるように電源11を接続し) にして、DCバイアス電圧を正から負に極性を えて容量変化させたときの特性8を図4(b)に す。この特性8は右下がりである。

 次に、分極Pの極性方向を変えず同じ分極 の方向Pを有する容量素子5に対して、DCバイ ス電圧の極性を逆の負(電極6Aがプラス、電 6Bがマイナスとなるように電源11を切替えて 続し)に切り替えて、DCバイアス電圧を正か 負に極性を変えたときの容量変化を示した が図4(b)の特性9である。この特性9は右上が である。

 この図4から、分極処理をすることにより、 容量素子5の容量変化が観測され、DCバイアス 電圧を印加しない(いわゆる0Vの)ときは、約46 0nFの容量を示した。このDCバイアス電圧を±15 V印加してその容量変化を調べると、その変 は、市販されているB特性、F特性のものとは 異なり、リニアな変化を示した。すなわち、 ポーリング処理による分極方向の極性に対し て、印加するDCバイアスの極性を変えること より、静電容量の増減の極性が変化するこ 、つまり静電容量が増加変化、並びに減少 化することを見出した。
 さらに、ポーリング処理による分極の極性 向を固定して、印加するバイアス電圧の極 を変えることにより、容量変化を大きく変 ることが確認された。

 更に、検討を重ねることにより、図2と同 様にして作成した試料、つまりPZT材料による 強誘電体材料層2を有する容量素子5に大きな 圧を印加することにより、図5に示すような 静電容量のDCバイアス依存性をもつ特性が得 れた。この特性の試料(容量素子5)を用いて 強誘電体材料層2の分極と電場のヒステリシ ス特性を測定したところ、図6に示すような 性が得られ、容量変化がリニアに変化する 域が、強誘電体材料層の抗電界Ec(絶対値)以 、すなわちEcと-Ecの間の電圧に対応してい ことが確かめられた。

 図5の特性は、ポーリング処理が施されて いない試料(容量素子5)による特性である。図 5において、横軸のDCバイアス電圧の大きさは 、単位厚さ当たりの電圧として、印加電場の DCバイアス電界の大きさで規格化してある。 加した電圧は、最大±250Vである。また縦軸 容量変化は、DCバイアス電圧を印加して250V ら戻って来たときの電圧印加0Vのときを基 にして容量変化率で規格化してある。評価 、大きなDCバイアス電圧を印加できる評価器 にて評価した。本評価器は、ブリッジ回路に て試料に外部電圧を印加して評価できること を特徴としている。

 図5では、DCバイアス電圧0Vのスタートか フラットの位置(+Ec)までが、分極のヒステリ シス曲線のゼロから飽和途上のEcまでの部分 対応する。ここの曲線の微分係数が容量値 対応する。したがって、スタートからEcま は容量変化がない。

 図5に示すように、試料(容量素子5)に対す るバイアス電圧の印加を、バイアス電圧0Vか スタートして行う。バイアス電圧印加に対 る容量変化は、始めは一定で変化しないが 電界が0.4V/μm~0.5V/μmのところで減少の変化 現れる。250V印加の1.3V/μmから、電界を下げ と容量は増大し、電界の大きさが、-0.4V/μm~- 0.5V/μmのところで急激に減少してその後、な らかに減少に転じる。さらに、印加バイア 電圧を上げて戻すと、緩やかな増大から、 び0.4V/μm~0.5V/μmのところで、急激に容量変 が下がり、緩やかな減少に転じ、原点(0V)を 称にしたヒステリシス特性を示す。

 一方、図6の特性は、ポーリング処理が施 された後の試料(容量素子5)に対しての特性で ある。図6bにおける横軸及び縦軸は、図5で示 したと同様の規格化された電界及び容量変化 率を示す。図6bの特性は、図5の特性と同じ特 性を有している。ここでは、図5で測定評価 た試料(容量素子5)をポーリング処理し、図6a の電界Eと分極Pにて示すヒステリシス特性を 価した。ヒステリシス測定は、ソーヤタワ 回路を用いた評価器を用いた。評価器の使 性能上、印加バイアス電圧は115Vp-pで、周波 数は50Hzの評価であった。この評価の抗電界Ec は0.47V/μmであり、図5で評価した容量変化のDC バイアス依存性において、急激に容量変化す る電界の大きさが0.4V/μm~0.5V/μmであることか 、この値が抗電界に相当する値であること 示された。

 上述の図4、図6から明らかなように、可 容量素子として、DCバイアス電圧に依存した 領域の容量変化の特性、特にリニアに変化す る領域の容量変化の特性を使うことにより、 回路的に制御しやすい利便性が確かめられた 。すなわち、容量変化がDCバイアス電圧に対 てリニア性に優れていること、DCバイアス 圧の原点(0V)が一定の同じ容量値であること 利便性を高める。また、或る一方向に分極 理をして、印加するDCバイアス電圧の極性 変えることにより、容量変化をおおよそ2倍 変化量として大きな容量変化範囲で利用す ことができ、利便性を高めることができる

 本実施形態で用いる強誘電体材料は、抗 界Ec以下の電場に対応した電圧制御の容量 化を利用している。そして、本実施形態で 、有限の抗電界Ecをもつ誘電体材料であれば 、分極処理し、抗電界Ec以下の電圧を使用す ことにより、容量変化がリニアな領域で電 の制御において、中心(起点)の容量値がず ることなく、可変容量素子に応用すること できる長所を見出した。但し、有限な抗電 Ecをもつ領域は、材料的には、ヒステリシス 相をもつ温度領域の強誘電体相に限定される 。この可変容量素子は、電源回路に利用する 場合、温度上昇が想定されるので、使用でき る温度領域が広いほど望ましい。

 本実施形態の可変容量素子で用いる強誘電 材料層の材料としては、イオン分極による 誘電体材料、及び電子分極による強誘電体 料を用いることができる。イオン分極によ 強誘電体材料は、イオン結晶材料からなり プラスのイオンとマイナスのイオンの原子 変位することで、電気的に分極している強 電体材料である。この材料には、原子Aと原 子Bが、ABO 3 の化学式で表され、ペレブスカイト構造をも つ例えばチタン酸バリウム(TiBaO 3 )、KNbO 3 、PbTiO 3 などがある。また本実施形態の一つに用いら れたPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)は、チタン酸 (PbTiO 3 )にジルコン酸鉛(PbZrO 3 )を混ぜ合わせた強誘電体材料である。

 電子分極による強誘電体材料は、プラスの 荷に偏った部分とマイナスの電荷に偏った 分に分かれて電気双曲子モーメントが生じ 分極が生じている材料である。この強誘電 材料としては、Fe 2+ の電荷面とFe 3+ の電荷面の形成により分極を形成している強 誘電体的特性を示す希土類酸化物が報告され ている。この系は希土類(RE)と鉄族(TM)にて、( RE)・(TM)2・O4なる分子式で表され、以下の元 からなる材料が、高誘電率をもつことが報 されている。

 RE;Y,Er,Yb,Lu、・・(等にYと重希土類元素)
 TM;Fe,Co,Ni(特にFe)
  ・ErFe2O4
  ・LuFe2O4
  ・YFe2O4

 本発明の実施の形態に係る可変容量素子 、上述したように、強誘電体材料層の分極 理した後の特性を利用して構成される。本 明の基本的な構成に係る実施の形態の可変 量素子は、単層型構造または積層型構造で 成することができる。例えば単層型構造で れば、本可変容量素子1は、図1に示すよう 、強誘電体材料層2を挟んで両面にそれぞれ をなす電極3及び4が形成されて成る。積層 構造であれば、本可変容量素子5は、図2に示 すように、電極6A,強誘電体材料層2、電極6B、 強誘電体材料層2が交互に積層され、最終的 各強誘電体材料層2を電極6A,6Bで挟んで構成 れる。積層型構造の場合には並列接続、あ いは直列接続の構成を採り得る。

 強誘電体材料層2は、ヒステリシス特性を 持つ強誘電体相材料で形成され、分極のヒス テリシス特性の抗電界Ec(絶対値)以上の分極 理が施されている。ここでの分極処理とし は、分極が飽和まで行っている状態、また 分極が飽和まで行っていない状態、いわゆ 未飽和の状態の、いずれかの状態を含む。 して、本可変容量素子1、5は、ヒステリシス 特性を有する強誘電体相の温度領域において 、電極3及び4間、あるいは電極6A及び6B間に印 加される制御電圧、すなわちDCバイアス電圧 応じて静電容量が可変されるように構成さ る。

 本実施の形態に係る可変容量素子によれ 、前述した特性検証で示すように、抗電界E c(絶対値)の大きさ以上の分極処理を行い、ヒ ステリシス特性を有する強誘電体相の温度領 域において、DCバイアス電圧を可変させるこ により、大きな容量が得られると共に、容 を可変させることができる。また、同じ制 電圧であれば、一定の同じ容量変化値が得 れる。そして抗電界Ec未満の領域を利用す ときは、DCバイアス電圧の制御において、リ ニア性のよい容量可変が得られる。さらに容 量の可変範囲も大きくとれる。分極処理を飽 和状態まで行った場合には、可変の範囲は大 きくとれる。

 本発明の他の実施の形態に係る可変容量 子としては、誘電体材料層2に対して未飽和 状態の分極処理を施しても構成することとが できる。すなわち、分極処理が施された強誘 電体材料層2の分極状態が未飽和状態である 成とすることができる。

 本発明の他の実施の形態に係る可変容量 子としては、分極のヒステリシス特性の抗 界Ec未満において、零バイアス電圧の静電 量を中心として、対の電極間に印加されるDC バイアス電圧に応じて静電容量を、リニア( 線的)に変化するように構成することができ 。零バイアス電圧を中心に静電容量が正側 負側にリニアに変化するので、大きな容量 化範囲を得ることができる。また零バイア 電圧の静電容量を中心とすることで、電子 器の回路設計を容易にする。例えば、後述 る携帯電話やICカードなどの通信モバイル 器における中心周波数のずれを回避するこ ができる。

 本発明の他の実施の形態に係る可変容量 としては、対の電極間に印加するバイアス 圧を、0Vを含むまたは0Vを含まない正側、0V 含むまたは0Vを含まない負側、または0Vを含 んで正負にわたる範囲で制御して、静電容量 を可変するように構成することができる。こ の構成では、分極のヒステリシス特性の抗電 界Ec未満で使用するときは、静電容量をリニ に可変することができる。抗電界Ec以上で うときは、静電容量をリニア性が悪いゆる かな曲線に沿って可変することができる。 わゆる静電容量は、リニア性、ゆるやかな 線を含む単調増加、あるいは単調減少で変 させることができる。

 さらに、本発明の他の実施の形態に係る 変容量素子としては、印加するDCバイアス 圧を、0Vを中心に±δVで制御するように構成 ることができる。

 上述したように本発明の実施の形態に係 可変容量素子によれば、有限の抗電界Ecを したヒステリシス特性をもつ強誘電体材料 用い、例えば抗電界Ec未満に対応したDCバイ ス電圧による制御で、容量変化させること より、容量変化のリニア性を得ると共に、0 V(起点)における容量のずれを無くすことがで きる。また、分極方向を固定して印加するDC イアス電圧の極性を反転することにより、 量変化領域を増大することができる。本実 の形態の可変容量素子は、このような長所 有することにより、例えば消費電力削減の 路を容易に設計することができ、回路にお る消費電力削減の効率向上に寄与すること できる。

 本実施の形態に係る可変容量素子は、容 変化をリニアに制御することができ、しか 、その静電容量とその容量変化を大きく変 ることができるので、消費電力削減を要す 回路、モバイル機器、その他の電子機器の 途に応じて対応が可能となり、各種用途に 用することができる。

 電圧による容量変化の制御において、制 電圧の無印加状態の起点(0V)の固定容量値か らの制御が容易にできる。このことから、本 実施の形態の可変容量素子は、省エネルギー 用の例えば電源回路ばかりでなく、IT機器に して開発が活発化しているモバイル機器の ンテナ通信の電波の周波数のチューニング 路にも可変容量素子として応用することが きる。

 一方、チタン酸バリウム系のDCバイアス 存性によるピークの電圧(電界)も、抗電界Ec 対応していることが分かった。抗電界Ecの 現は、材料の格子歪みによる構造にも起因 ているので、例えば、チタン酸バリウムも 抗電界を大きくするような界面の歪みを利 した構造のものを造れば、本実施の形態の 変容量素子に利用することが可能である。

 本実施の形態に係る強誘電体材料は、構 的にはペロブスカイト系のPZT系材料にて検 したが、このハード的な抗電界Ecを発現さ る強誘電体材料であれば、他のペロブスカ ト系を含めて、前述したイオン分極による 誘電体材料でも、電子分極による強誘電体 料でも本実施の形態の可変容量素子に利用 ることができる。

 そして、本検討で得られた材料は、強誘 体材料で酸化物系であるので、強誘電体材 層の厚さを耐圧に見合った厚さに容易に設 することができ、可変容量素子を容易に製 することができる。

 図7、図8に、本発明のさらに他の実施の 態を示す。本実施の形態に係る可変容量素 は、単一極性電源を用い、可変容量素子の 端に印加する制御電圧となるDCバイアス電圧 の極性を切り替えて、静電容量の増減幅を大 きくとれるように構成される。本実施の形態 では、図7に示すように、上述と同様の構成 有する可変容量素子22と、その両端にDCカッ 用容量素子23,24が直列接続された可変容量 バイス21として構成される。この可変容量デ バイス21における可変容量素子22の両端に極 切り換えスイッチン素子25を介して制御電圧 (DCバイアス電圧)を供給する単一極性電源26が 接続される。極性切り換えスイッチング素子 25は、可変容量素子22の両端から導出された 子t1,t2に接続される可動接点27a,27bと、対を す2組の固定接点28[28a,28b]及び29[29a,29b]を有し て成る。それぞれに対をなす固定接点28,29の れぞれの一方28aと29aが単一極性電源のプラ 側に接続され、他方28bと29bが単一極性電源2 6のマイナス側に接続される。

 この可変容量素子22の制御動作を説明す 。極性切り換えスイッチング素子25の一方の 固定接点28a、28bに可動接点27a,27bを接続して 制御電圧を0Vから正側に可変させる。このと きの制御電圧の可変範囲は、図4、図6で示し 静電容量がリニアに可変される範囲とする とが望ましい。制御電圧を0Vから正側に可 させることにより、静電容量は図8の特性311 示すように増大する。すなわち、静電容量 、制御電圧0Vのときの容量C0から容量C0+δCへ 増大する。

 次に、制御電圧を0V以下にして静電容量 さらに下げたいときには、可変容量素子22に 印加する制御電圧の極性を切り換える。すな わち、極性切り換えスイッチング素子25の可 接点27a,27bを固定接点29a,29bに切り換える。 れによって、単一極性電源26かの制御電圧の 極性が切り換わって可変容量素子22に印加さ る。このときの制御電圧の可変範囲も、図4 、図6で示した静電容量がリニアに可変され 範囲とすることが望ましい。制御電圧を0Vか ら正側に可変させることにより、静電容量は 図8の特性321に示すように減少する。すなわ 、静電容量は、制御電圧0Vのときの容量C0か 容量C0-δCへ減少する。

 本実施の形態に係る可変容量素子22によ ば、単一極性電源25、いわゆる片電源のみで 、可変容量素子22の静電容量をC0±δCの制御が できる。また、低電圧で容量変化を増大する ことができる。極性を切り換えないときは、 容量変化=(C0+δC)/C0。極性を切り換えたときは 、容量変化=(C0-δC)/(C0-δC)。

 本実施形態に係る可変容量素子は、静電 量の再書き込みが可能である。図10に、書 込み電圧Vを印加していったときの容量値の 化を示す。この容量値は、その時の書き込 電圧を一旦0Vにした時の値である。試料は 強誘電体材料としてPZTを用いて分極処理さ た容量素子を、電気双極子モーメントの総 が最小となるようにキュリー温度以上に加 処理、本例ではシリコンのオイルバスに240 の加熱処理をして得られたものを出発評価 料としている。分極が消去された処女状態 試料を使用した。分極を消去するには2つの 法がある。加熱処理により電気双極子モー ントの総和(いわゆる分極の総和)を最小に る温度消去と電圧により電気双極子モーメ トの総和を最小にする電圧消去あるいは電 的消去がある。試料の可変容量素子に対す 書き込み容量の測定は、DCの再書き込み電圧 を印加した後、一旦、印加電圧を0Vに戻して ら測定したものである。

 図10における特性Cap1は、書き込み電圧Vを0V ら110Vまで増加させていき、極性を反転して -110Vまで減少させていったときの可変容量素 の容量値の変化を示す。
 図10おける特性Cap2は、Cap1と同様に書き込み 電圧Vを0Vから110Vまで増加させていき、反転 て-110まで減少させていったときの可変容量 子の容量値の変化を示し、Cap1の再現性を示 す。再現性がよいことがわかる。
 次に、図10における特性Cap3は、書き込み電 Vを0Vからおよそ40Vまで増加させていき、そ で一旦、書き込み電圧の大きさと極性を変 て-110Vまで減少させていったときの可変容 素子の容量値の変化を示す。
 図10から書き込み電圧に対応した容量が書 込まれて保持されていることが分かる。

 図10に示す特性Cap1,2から分かるように、 き込み電圧を110Vから0Vまで減少させていく 程では、容量値がほぼ一定に保持される。 らに負の書き込み電圧を印加していくと、 量値は穏やかに上昇し、書き込み電圧がが-2 0Vのときに、容量値は下がり始める。このと の電圧を減極電界に対応した容量値が下が 始める書き込み電圧Vを減極電圧と定義する 。この減極電圧においては、分極のドメイン が反転し始めて強誘電体材料層内の分極率が 下がるため、容量値も減少し始める。容量値 の最小値は、書き込み電圧Vが-32.5Vのときで り、さらに書き込み電圧を減少させていく 、容量値は再び上昇に転じ、書き込み電圧 -60Vで容量値はほぼ飽和値になる。

 この容量値変化は、図9の分極のヒステリ シス特性の曲線bに対応する。容量値が最小 なる-32.5Vの書き込み電圧Vは、このヒステリ ス特性の抗電界Ecに対応する。抗電界Ecにお いては、電気双極子モーメントの総和が最小 となり、容量値が最小となる。-60Vの書き込 電圧Vは、上記ヒステリシス特性のマイナス の飽和電界-Epに相当する。飽和電界に相当 る書き込み電圧Vが印加されたとき、強誘電 体層内の電気双極子モーメントの総和が最大 となり、容量値が最大となる。

 書き込まれた大きな容量(飽和状態の容量 )に対して、容量の再書き込みをするには、 加電圧の極性を負に変えて所望の電圧を印 すれば、容量の再書き込みができる。電圧 負の領域で、特に減極電圧から、容量が最 になる負の抗電界-Ecに相当する電圧-Vcの前 を通じて容量が飽和する電圧領域までの電 で容量の再書き込みができる。

 図10において、印Q1は温度消去による容量 値、印Q2は電気的消去による容量値を示す。 のQ1,Q2の容量値から分かるように、再書き み時の容量を最小にするには、温度消去し 場合より、電気的消去となる電圧を-Vcにす 電圧制御の方が容量を最小にできる。すな ち、電圧(-Vc)消去での容量Cは、C(-Vc)=320nF程 であり、温度消去での容量は、C0=350nF程度で あった。温度消去より電圧書き込み消去の方 が容量を小さくすることができる。

 図11に、前処理電圧(再書き込み処理電圧) による書き込み電界と容量変化の関係を示す 。図11は、上記試料となる可変容量素子を、+ 110Vの分極処理の前処理(前処理1)をした後、 の前処理(前処理2)電圧を+110V、-110V、-50V、-40 V,-30V,-20Vとし、そこから、それぞれ正の書き み電圧を印加していったときの容量値を測 している。図11において、横軸は書き込み 界(V/μm)、縦軸は容量値(nF)を示す。

 特性Cap+110Vは、110Vで前処理2をした後、書き 込み電圧Vを+110Vから-110Vまで減少させ、次い 正側に増加させていったときの容量値の変 を示す。
 特性Cap-110Vは、-110Vで前処理2した後、-110Vか ら書き込み電圧Vを正側に増加させていった きの容量値の変化を示す。
 特性Cap-50Vは、-50Vで前処理2をした後、書き み電圧Vを零から正側に増加させていったと きの容量値の変化を示す。
 特性Cap-40Vは、-40Vで前処理2をした後、書き み電圧Vを零から正側に増加させていったと きの容量値の変化を示す。
 特性Cap-30Vは、-30Vで前処理2をした後、書き み電圧Vを零から正側に増加させていったと きの容量値の変化を示す。
 特性Cap-20Vは、-20Vで前処理2をした後、書き み電圧Vを零から正側に増加させていったと きの容量値の変化を示す。
 いずれも、前処理は印加電圧を10秒間加え 量を固定し、その後、電圧を変化させてい 。

 図11より、始めに飽和容量値が得られる+1 10V,-110Vの前処理電圧を印加した場合の方が、 それよりも絶対値の小さい前処理電圧を始め に印加した場合よりも、書き込み電圧のよる 容量変化の変化幅、すなわち容量値の最小値 から最大値までの変化量δCが大きくなる。

 図11から明らかなように、負のDC印加電圧 による前処理において、飽和した容量が分極 のヒステリシス特性の抗電界-Ecに相当する電 圧-Vcに向って下がり始める減極電圧のところ から、分極反転させた飽和電圧まで、再書き 込みの前処理は可能である。但し、この場合 、負の前処理電圧は、-Vcより大きな電圧を印 加する場合の方が、次の正の電圧で容量を書 き込む場合、幅、すなわち変化量δCが大きく 取れる。再書き込みの処理領域は、-Vcより、 容量が上がりきる、すなわち容量変化の電界 微分が零になる領域の電圧(V=V(dC/dV=0))までが 現実的には有効である。

 容量を再書き込みするには、前に書き込 れた容量に対応する書き込み電圧より大き 電圧を印加することにより、前に書き込ま た容量より大きい容量に再書き込みするこ ができる。一方、容量の再書き込みに際し 、実際には前の書き込み状態が分からない で、一旦大きな電圧を印加して分極処理し その状態から、書き込み電圧を制御すれば 所要の容量値を容易に利便的に書き込むこ ができる。

 本発明の実施の形態に係る可変容量素子 しては、上記図10、図11の特性を利用して、 所要分極率が得られる分極処理による分極電 圧の大きさを選定することにより、制御電圧 (DCバイアス電圧)にて容量値の変化量δCを任 に制御できるように構成することができる 例えば、強誘電体材料層に対してポーリン 処理された可変容量素子において、そのポ リング処理による分極方向とは異なる逆極 の電圧を印加して、所要の分極率を有する 分極処理を行う。その再分極処理での印加 圧の大きさにより、再書き込みの容量の変 量δCを制御、すなわち再書き込みの容量の 減勾配と増減幅を任意に制御できるように 本実施の形態に係る可変容量素子を構成す ことができる。

 本発明の実施の形態に係る可変容量素子 、分極を減極させる減極電界に対応した電 から分極反転飽和電界に対応した電圧にて 量をリセットし、容量を再書き込みし、再 き込みにおける電圧の大きさにより、容量 の変化量を制御するように構成することが きる。

 図12に、分極処理と負の前処理電圧-Vdcを 加した処理後における容量値のDCバイアス 圧依存性を示す。PZTを用いた容量素子によ 試料に、前述の図4aで示される電圧の方向で +110Vを印加して分極処理を行う。次に、前処 として、負の前処理電圧(DC電圧)-Vdcをパラ ータとして振り、その各前処理後の容量変 によるDCバイアス電圧を測定した。測定の交 流条件は、120Hz、500mVacである。なお、前処理 電圧の極性とDCバイアス電圧の極性は、分極 方向の正を基準にしている。

 図12では、前処理2電圧Vdcを、0V、-25V,-30V -31.5V、-50V,-110V、+32Vにおける、それぞれの容 量のDCバイアス特性変化を測定した。負の前 理電圧を大きくすることで、はじめ右上が でリニアで大きな容量変化を示すが、負の 処理電圧を大きくすると容量変化が小さく り、電圧-Vcに相当するVdc=-31.5Vで容量の変化 しないプロット領域が現れた。各容量のリニ アな変化は、抗電界より小さい電圧領域で電 圧を印加しているからである。またVdcの容量 が変化しないプロット領域の出現は、ここで は、電圧の制御であるが、温度処理で分極を 消去し、DCバイアス電圧で容量が変化しないV c以下のDCバイアス特性の変化に対応している 。

 この負の抗電界(-Vc)に相当する電圧を越 る前処理電圧を印加すると、今度は容量変 の増減の極性が変わり、左下がりの変化に ずる。更に負の前処理電圧を大きくすると 量変化の割合が大きく変化する特性が得ら る。すなわち、0Vを含み負の前処理電圧の大 きさで容量変化の勾配(傾き)θと容量の変化 δCを変えられることができる。

 図13は、容量変化の絶対値変化を、負の 処理電圧を0Vの容量を基準に相対変化させて 表示にした図である。測定するDCバイアス電 の極性を変えれば、容量の増減変化する極 (容量の右上がり、左下がりの変化)は電圧 対して反転していることが分かる。

 図14に、負の前処理電圧による容量のDCバ イアス依存性の概要を示す。図14は、図12と 13から、前処理電圧による容量変化を、特に 、各負の前処理電圧に対応した容量とその前 処理後においてDCバイアス電圧による容量変 を、視覚的な特性変化として示した概要図 ある。容量のDCバイアス特性による変化量 その変化勾配は、負の前処理電圧を印加し い0Vの時が左上がりで一番大きく、負の前処 理電圧を印加して行くと、その容量変化量と 傾きは小さくなりV=-Vcにて極小容量で容量変 は零となる。そしてV=-Vcを越えると再び、 量の増減変化の極性を変えて変化し、増大 て行くことが分かる。

 本実施の形態に係る可変容量素子として 、上記図12から図14に示す特性を利用して、 所要分極率が得られる分極処理による分極電 圧の大きさを選定することにより、制御電圧 (DCバイアス電圧)による容量の変化の傾きθ、 容量値の変化量δC″を任意に制御できるよう に構成することができる。例えば、強誘電体 材料層に対してポーリング処理された可変容 量素子において、そのポーリング処理による 分極方向とは異なる逆極性の電圧を印加して 、所要分極率を有する再分極処理を行う。そ の再分極処理での印加電圧の大きさにより、 制御電圧による容量の変化の傾きθ、変化量 C″を任意に制御できるように、本実施の形 に係る可変容量素子を構成することができ 。

 上述の本発明の実施の形態に係る可変容 素子は、例えば後述する電源回路などの各 の用途に応じた電子デバイスに適用するこ ができる。このため、本発明では、上述し 特性を有する可変容量素子を備えた電子デ イスを構成することができる。

 また、上述の本発明の実施の形態に係る 変容量素子は、ICカードや携帯電話などの 信モバイル機器に適用することができる。 って、本発明は、上述した特性を有する可 容量素子を備えた通信モバイル機器を構成 ることができる。特に、モバイル機器にお るアンテナ通信の電波の周波数を選択する ューニング回路の容量素子に適用すること できる。このときは、制御電圧を、0Vを中心 に正負にわたる範囲で制御してリニアに容量 が可変される可変容量素子を組み込むことが 好ましい。

 本実施の形態に係る通信モバイル機器に れば、例えば制御電圧を、0Vを中心に正負 わたる範囲で制御して静電容量を可変でき 可変容量素子をチューニング回路に組み込 構成とすることにより、静電容量の可変範 が増大すると共に、電圧が加わっていない きにも、モバイル機器における中心周波数 ずれることがない。因みに、従来の0Vから正 側、例えば5Vまでの間で容量変化させる可変 量素子を用いて、機器における周波数を合 せる際、センターの2.5Vのとき中心周波数と し、0Vのときマイナス周波数、5Vのときプラ 周波数としなければならない。この機器で 電圧を加えないときには中心周波数がずれ しまう。例えば、ICカードでは、電圧が無い 不使用の状態から使用する際には周波数がず れたところから始まることになる。本実施の 形態に組み込まれる可変容量素子は0Vを中心 正負にわたり容量を可変できるので、電圧 印加しないときでも常に0Vを中心周波数と ることができ、利便性が高い。携帯電話、IC カードなどの通信モバイル機器に適用して好 適である。

 図15に、本発明に係る電子デバイスの一例 ある電源回路すなわち電源装置を示す。
 本実施の形態に係る電源装置は、シリーズ ギュレータ方式の電源装置である。本実施 形態においては、AC回路51の電源トランス53 2次側に、上述した本発明に係る可変容量素 子からなるスタビライザー54(図16に於いて電 制御可変コンデンサ211)を有して構成される 。

 先に、電圧制御可変コンデンサ211の構成 説明する。電圧制御可変コンデンサ211は、 えば、図16で示すように、4つの可変容量素 32(C1)、33(C2)、34(C3)、35(C4)がブリッジに接続 れる。そして、電圧制御可変コンデンサ211 、ブリッジに接続された一方の対向する接 端のそれぞれにAC入力端子36及びAC接続端子3 7を導出し、他方の対向する接続端のそれぞ に正(+)制御端子38及び負(-)制御端子39を導出 て構成される。

 電圧制御可変コンデンサ211の動作を説明 る。AC入力端子36にAC入力電圧が供給される 、可変容量素子32~35の各電極間に電界が発 し、この電界により発生した電位によるAC出 力がAC出力端子37に出力される。一方、制御 子38にDCの制御信号の+電位が、制御端子39に 御信号のー電位が、それぞれ抵抗器Rを介し て供給される。+電位、-電位の制御信号が供 されると、各可変容量素子32~35の容量が可 し、全体として電圧制御可変コンデンサ211 容量が可変する。この可変された容量とAC入 力電位に応じてAC出力端子37から出力されるAC 出力電位が制御される。この電圧制御可変コ ンデンサ211は、制御端子38,39間に供給される+ 電位,-電位の制御信号の絶対値が同じで、か 逆極性とする作動方式としている。これに り、AC入出力端子36,37に生じる制御信号の電 圧成分が相殺され常にゼロ電位となる。従っ て、AC入力、AC出力の信号への影響はなくす とができる。

 さて、上記電源装置においては、AC電源 して交流100Vの商用電源52が電源トランス53の 1次巻線の両端間に接続される。

 この電源トランス53は商用電源52を約交流 9Vに降圧するように構成される。電源トラン 53の2次巻線は、その一端がスタビライザー5 4を介してDC回路55のダイオードブリッジより る整流回路56の一方の入力端子に接続され 他端が整流回路の他方の入力端子に接続さ る。すなわち、スタビライザー54では、AC入 端子36が電源トランス53の2次巻線の一端で 続され、AC出力端子37が整流回路56の一方の 力端子に接続される。

 スタビライザー54の制御信号入力端子(+)38 は、エラーアンプを構成する差動増幅回路58 非反転出力端子に接続される。スタビライ ー54の制御信号入力端子(-)39は、差動増幅回 路58の反転出力端子に接続される。本例では スタビライザー54の制御信号入力端子(+)38及 び制御信号入力端子(-)39に、差動増幅回路58 非反転出力端子及び反転出力端子から絶対 が同じで極性が異なる差動方式の制御信号 供給される。

 整流回路56の一方及び他方の出力端子間 は、平滑用コンデンサCが接続される。

 整流回路56及び平滑用コンデンサCで平滑さ た直流電圧V UNREG は、3端子の8Vの定電圧回路(レギュレータ)57 介して直流電圧の一方及び他方の出力端子59 に供給される。この一方及び他方の出力端子 59間に平滑用コンデンサCが接続される。

 本例においては、この整流回路56の出力側 得られる平滑直流電圧V UNREG がエラーアンプを構成する差動増幅回路58の 方の入力端子に供給される。これと共にこ 差動増幅回路58の他方の入力端子が基準電 例えば9Vの電池を介して接地される。

 本実施の形態に係る電源装置では、整流回 56の出力側の平滑直流電圧V UNREG が差動増幅回路58により基準電圧と比較され 。この比較結果は片電源動作可能な差動増 回路58により差動増幅され、スタビライザ 54の制御信号入力端子(+)及び制御信号入力端 子(-)にフィードバックされる。

 このスタビライザー54により、整流回路56の 出力側の平滑直流電圧V UNREG が安定した基準電圧の9Vになるように制御さ る。
 ここで、3端子定電圧回路57における電力損 は、数1式で表される。

[数1]
  (V UNREG -8)V×I L

 また、スタビライザー54を設けないとき、 流出力電圧V UNREG は、9V<V UNREG <16Vの範囲で変動する。スタビライザー54を 設けることにより、整流出力電圧V UNREG は、9V<V UNREG <9.4Vの範囲に収束する。
 従って、損失改善分は、数2式で表される。

[数2]
  (16-9.4)V×I L (I L =0.26A)

 すなわち、従来の電源装置では本実施の形 に係るスタビライザー54が設けられていな ので、電源トランス53の出力電圧は、交流100 V入力時、整流出力電圧V UNREG で16VI L =0.26A)である。この場合、設計マージンを考 しなければならないために最大定格時に、 3式で示す電力損失PWが3端子定電圧回路57で じてしまう。

[数3]
  (16-8)V×0.26A=2.08W

 これに対し、本実施の形態では、整流回 56の出力側を9.0Vになるようにスタビライザ 54で制御しているので、設計マージンを考 して、この電力損失PWは、数4式で示すもの なる。

[数4]
  (9.4-8)V×0.26A=0.364W

 従って、本実施の形態に係る電源装置に れば、約1.7Wの大幅な省エネが達成できる。