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Title:
VARIABLE SPECTROSCOPIC ELEMENT, SPECTROSCOPIC DEVICE, AND ENDOSCOPE SYSTEM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/099779
Kind Code:
A1
Abstract:
A sensor electrode and a wiring pattern can be formed by less number of steps, and wiring and an optical substrate are easily assembled together without interference between them. A variable spectroscopic element (1) having two optical substrates (3a, 3b) that are spaced from and facing each other and have reflection coatings on the facing faces; an actuator (3c) for changing the distance between the optical substrates (3a, 3b); and a sensor (6) having, on the facing faces, electrodes (6a, 6b) for detecting the distance between the optical substrates (3a, 3b). At least either of the optical substrates (3a, (3b)) has a tilt surface (5), a wiring pattern (6a, (6b)), and a connection pattern (6e, (6f)). The wiring pattern (6a, (6b)) is provided at the outer periphery of the facing face and tilts such that, the farther it extends radially outward, the progressively farther it is in a thickness direction from the other the optical substrates (3b, (3a). The wiring pattern (6a, (6b)) is provided on the tilt surface (5) and is connected to the electrode (6a, (6b)) of the sensor (6). The connection pattern (6e, (6f)) is provided at the radially outside of the wiring pattern (6c, 6(d)), and a wiring (7) for taking out to the outside a signal from the electrode (6a, (6b)) is connected to the connection pattern (6e, (6f)).

Inventors:
YASUDA TOMOAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/052128
Publication Date:
August 21, 2008
Filing Date:
February 08, 2008
Export Citation:
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Assignee:
OLYMPUS CORP (JP)
YASUDA TOMOAKI (JP)
International Classes:
G02B26/00; A61B1/00; A61B1/04; G01B7/14; G01J3/26; G01J3/36; G02B23/24; G02B23/26
Foreign References:
JP2002277758A2002-09-25
JPS6441293A1989-02-13
JP2006303408A2006-11-02
US20060049527A12006-03-09
US20030006493A12003-01-09
Other References:
See also references of EP 2113804A4
Attorney, Agent or Firm:
UEDA, Kunio et al. (3-1 Minatomirai 3-chome,Nishi-ku, Yokohama-shi, Kanagawa 12, JP)
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Claims:
 対向面に反射膜を有し間隔を空けて対向する2つの光学基板と、
 該光学基板の前記間隔を変化させるアクチュエータと、
 前記光学基板の前記間隔を検出するための電極部を前記対向面に有するセンサとを備え、
 少なくとも一方の前記光学基板に、前記対向面の外周部に設けられ、半径方向外方に向かって他方の光学基板から板厚方向に漸次遠ざかる傾斜面と、該傾斜面に設けられ、前記センサの前記電極部に接続する配線パターンと、該配線パターンの半径方向外方に配置され前記電極部からの信号を外部に取り出すための配線を接続する接続パターンとを備える可変分光素子。
 少なくとも一方の光学基板の傾斜面が、全周にわたって設けられている請求項1に記載の可変分光素子。
 両方の光学基板が前記傾斜面を備える請求項1に記載の可変分光素子。
 前記傾斜面の周方向の少なくとも一部に、配線パターンおよび接続パターンの設けられていない領域を備える請求項1に記載の可変分光素子。
 請求項1から請求項3のいずれかに記載の可変分光素子と、
 該可変分光素子により分光された光を撮影する撮像素子とを備える分光装置。
 請求項5に記載の分光装置を備える内視鏡システム。
Description:
可変分光素子、分光装置および 視鏡システム

 本発明は、可変分光素子、分光装置およ 内視鏡システムに関するものである。

 対向面に光学コート層が設けられた2枚の光 学基板を対向させ、その間隔を可変としたエ タロン型の可変分光素子が知られている(例 ば、特許文献1参照。)。
 この可変分光素子は、2枚の光学基板の対向 面に静電容量センサのセンサ電極を備え、静 電容量センサによって光学基板間の間隔寸法 を検出し、平行性を保ちながら間隔を制御す ることができるようになっている。

 そして、特許文献1の可変分光素子は、静電 容量センサを機能させるためにセンサ電極に 接続する配線のスペースを確保するために、 配線を接続するセンサ電極が設けられた光学 基板の外周部に段差を設けたり、対向する光 学基板の外周部を切り欠いたりして、配線ど うしあるいは配線と光学基板とが干渉しない ようにしている。

特開2002-277758号公報

 しかしながら、特許文献1の可変分光素子に おいては以下の不都合がある。
 すなわち、第1に、静電容量センサのセンサ 電極として、光学基板の表面にアルミニウム 等の金属を蒸着することにより形成されるコ ーティングを利用したものが知られているが 、特許文献1の可変分光素子のように段差が 成された光学基板にセンサ電極を形成する 合、段差の鉛直面にコーティングが形成さ 難いという問題がある。このため、センサ 極に接続する配線パターンが途切れたり、 気抵抗が大きくなったりする不都合がある これを改善するためには、蒸着を2方向から2 工程に分けて行う必要があり、製造工程が複 雑になる不都合がある。

 第2に、平坦面に形成された配線パターン から引き出される配線に対向する光学基板の 外周部に切欠を設ける構造では、2つの光学 板が相互に周方向に相対移動させられると 切欠以外の部分が配線と干渉して断線する どの問題が発生する可能性がある。特に、 視鏡の挿入部先端に配置するような極めて さい可変分光素子の場合には、光学基板自 が極めて小さなものとなるので、一方の光 基板に接続された配線と他方の光学基板の 欠との位相を最初から一致させることは困 であり、組立時等に基板が配線に干渉して 線する不都合が発生する。

 本発明は上述した事情に鑑みてなされた のであって、より少ない工程でセンサ電極 よび配線パターンを形成でき、配線と光学 板とを干渉させることなく容易に組み立て ことができる可変分光素子、分光装置およ 内視鏡システムを提供することを目的とし いる。

 上記目的を達成するために、本発明は以下 手段を提供する。
 本発明の第1の態様は、対向面に反射膜を有 し間隔を空けて対向する2つの光学基板と、 光学基板の前記間隔を変化させるアクチュ ータと、前記光学基板の前記間隔を検出す ための電極部を前記対向面に有するセンサ を備え、少なくとも一方の前記光学基板に 前記対向面の外周部に設けられ、半径方向 方に向かって他方の光学基板から板厚方向 漸次遠ざかる傾斜面と、該傾斜面に設けら 、前記センサの前記電極部に接続する配線 ターンと、該配線パターンの半径方向外方 配置され前記電極部からの信号を外部に取 出すための配線を接続する接続パターンと 備える可変分光素子である。

 上記第1の態様においては、少なくとも一方 の光学基板の傾斜面が、全周にわたって設け られていることとしてもよい。
 また、上記第1の態様においては、両方の光 学基板が前記傾斜面を備えることとしてもよ い。
 また、上記第1の態様においては、前記傾斜 面の周方向の少なくとも一部に、配線パター ンおよび接続パターンの設けられていない領 域を備えることとしてもよい。

 また、本発明の第2の態様は、上記いずれか の可変分光素子と、該可変分光素子により分 光された光を撮影する撮像素子とを備える分 光装置である。
 また、本発明の第3の態様は、上記分光装置 を備える内視鏡システムである。

 本発明によれば、より少ない工程でセン 電極および配線パターンを形成でき、配線 光学基板とを干渉させることなく容易に組 立てることができるという効果を奏する。

本発明の一実施形態に係る可変分光素 を示す縦断面図である。 図1の可変分光素子に備えられる一対の 光学基板を示す斜視図である。 図2の光学基板の変形例を示す斜視図で ある。 図1の可変分光素子の変形例を示す縦断 面図である。 図4の可変分光素子に備えられる一対の 光学基板を示す斜視図である。 図5の光学基板の変形例を示す斜視図で ある。 図1の可変分光素子の他の変形例を示す 縦断面図である。 本発明の一実施形態に係る内視鏡シス ムを示す全体構成図である。 図8の内視鏡システムに備えられる撮像 ユニットを示す縦断面図である。 図9の撮像ユニットを構成する可変分 素子の透過率特性を示す図である。 図1の可変分光素子の製造工程を説明 る図である。 図1の可変分光素子における各部の寸 を示す図である。

符号の説明

 1 可変分光素子
 2 コート層(反射膜)
 3a,3b 光学基板
 3c アクチュエータ
 5 傾斜面
 6 センサ
 6a,6b センサ電極(電極部)
 6c,6d 配線パターン
 6e,6f 接続パターン
 7 配線
 10 内視鏡システム
 12 撮像ユニット(分光装置)
 20 撮像素子

 以下、本発明の一実施形態に係る可変分光 子1について、図1、図2および図11を参照し 説明する。
 本実施形態に係る可変分光素子1は、図1に されるように、例えば、平行間隔をあけて 置され対向面に反射膜(光学コート層)2が設 られた2枚の円板状の光学基板3a,3bと、該光 基板3a,3bの間隔を変化させるアクチュエータ 3cとを備えるエタロン型の光学フィルタであ 。光学基板3aは、枠部材4に直接固定され、 学基板3bは、アクチュエータ3cを介して枠部 材4に取り付けられている。

 前記2つの光学基板3a,3bには、各対向面の外 部に、全周にわたって形成されたテーパ状 傾斜面5が備えられている。傾斜面5は、半 方向外方に向かって2つの光学基板3a,3bの間 寸法を漸次広げる方向に傾斜している。
 本実施形態の可変分光素子1においては、光 学基板3a,3bに設けられたテーパ状の傾斜面5は 、図11に示すように傾斜角度α=40°にて製作し ている。

 アクチュエータ3cは積層型の圧電素子であ 、光学基板3bの周縁に沿って周方向に等間隔 をあけて4カ所に設けられている。
 この可変分光素子1は、アクチュエータ3cの 動により、光学基板3a,3bの間隔寸法を変化 せ、それによって、軸方向に通過する光の 長帯域を変化させることができるようにな ている。

 前記2つの光学基板3a,3bには、該光学基板3 a,3bの間隔を検出するためのセンサ6が備えら ている。センサ6は、静電容量方式のもので あって、光学基板3a,3bの光学有効径B(図2参照 )外の外周部に備えられ、4対のセンサ電極6a ,6bを有している。

 これらセンサ電極6a,6bは、図2に示される うに、光学基板3aの外周部に周方向に沿っ 等間隔に配置され、相互に対向するように 置されている。また、各センサ電極6a,6bには 、該センサ電極6a,6bに接続する配線パターン6 c,6dと、該配線パターン6c,6dに接続する配線パ ッド(接続パターン)6e,6fとが設けられている これら、センサ電極6a,6b、配線パターン6c,6d よび配線パッド6e,6fは、光学基板3a,3bの表面 にアルミニウム等の材料を蒸着することによ り、一体的にコーティングされている。

 本実施形態においては、配線パターン6c,6 dおよび配線パッド6e,6fが傾斜面5にそれぞれ けられている。配線パッド6e,6fは、配線パタ ーン6c,6dよりも半径方向外方に配置されてい 。これにより、配線パッド6e,6fは、光学基 3a,3bの間隔方向に十分に離れた位置に配置さ れている。

 配線パッド6e,6fは、配線7を、例えばワイ ーボンディング等により接続するために、 線パターン6c,6dと比較して十分に広い面積 有している。また、配線パターン6c(6d)は、 向する配線パターン6d(6c)との間に大きな静 容量を形成しないように、十分に細く、セ サ電極6a,6bからの信号伝達の抵抗とならない 程度の太さに形成されている。

 本実施形態の可変分光素子1においては、各 部位の大きさを以下(図12参照)に示す大きさ 製作している。
・センサ電極6a,6b  :形状:0.5x0.3mm 、厚さ:400n m
・配線パターン6c,6d :形状:0.1x0.25mm 、厚さ:20 0nm
・配線パッド6e,6f  :形状:1.5x0.4mm 、厚さ:200n m

 この条件であれば、前述したように、光 基板3a,3bのテーパ状の傾斜面5の角度α=40°に て製作することで、1回のコーティング工程 、平面部の膜厚約400nm、テーパ部の膜厚約200 nm以上のコーティングが実現でき、本発明の 果を得るセンサを持つ可変分光素子1が製作 可能である。また、平面部とテーパ部とのな す角は130°と鈍角をなしているため、境界部 の配線切れは発生しにくくなっている。

 蛍光観察においては、一般に、得られる蛍 強度が微弱なため、光学系の透過効率は非 に重要になる。エタロン型の可変分光素子1 は、反射膜が平行なときに高い透過率が得ら れるが、その平行度調整に誤差があると透過 率が急激に低下する。したがって、蛍光観察 用の撮像ユニットに用いられる可変分光素子 1としては、間隔を変化させたときの2つの光 基板3a,3bの傾き誤差を調整するために、複 のセンサ6を備え、複数のアクチュエータ3c 有していることが望ましい。
 センサ電極6a,6bからの信号をもとに、アク ュエータ3cへの駆動信号のフィードバック制 御を実施することにより、透過率特性の制御 において精度を向上させることができるよう になっている。

 このように構成された本実施形態に係る可 分光素子1の作用について以下に説明する。
 本実施形態に係る可変分光素子1によれば、 平行間隔をあけた2枚の光学基板3a,3bの光学有 効径Bの領域に光を入射させることにより、 学基板3a,3bの間隔寸法に応じて定まる波長の 光のみが2枚の光学基板3a,3bを透過し、残りの 光は反射される。そして、アクチュエータ3c 作動により2枚の光学基板3a,3bの間隔寸法を 化させることにより、該2枚の光学基板3a,3b 透過する光の波長を変更し、これにより所 の波長帯域の光を他の波長帯域の光から分 することができる。

 光学基板3a,3bの対向面にはセンサ電極6a,6b が対向して配置されているので、センサ電極 6a,6b間に形成された静電容量を示す電圧信号 検出され、該電圧信号に応じてセンサ電極6 a,6b間の間隔寸法を検出することができる。 学基板3a,3bの周方向に間隔をあけてセンサ電 極6a,6bが4対設けられているので、各対のセン サ電極6a,6b毎に、対応する位置の光学基板3a,3 bの間隔寸法を検出でき、検出された間隔寸 に基づいてアクチュエータ3cを制御すること により、2枚の光学基板3a,3bを平行状態に維持 しながら、精度よく間隔寸法を調節すること ができる。

 この場合に、本実施形態に係る可変分光 子1においては、光学基板3a,3bの外周部にテ パ状の傾斜面5が設けられ、該傾斜面5に配 パターン6c,6dおよび配線パッド6e,6fが形成さ ているので、配線パッド6e,6fの位置では、 分に間隔が離れており、対向する配線パッ 6e,6f間に形成される静電容量を十分に抑える ことができる。また、配線パターン6c,6dにお ては、相互に近接する部分も存在するが、 の幅寸法を十分に小さく形成しているので 同様にして形成される静電容量を抑えるこ ができる。

 さらに、これら配線パターン6c,6dおよび 線パッド6e,6fを光学基板3a,3bの対向面に隣接 る傾斜面5に設けることにより、センサ電極 6a,6b、配線パターン6c,6dおよび配線パッド6e,6f を、一方向からのアルミニウム蒸着によって 単一の製造工程で一体的に製造することがで きる。この場合に、従来、段差の鉛直面にお いて蒸着が困難であったものと比較すると、 蒸着を容易にすることができ、安定した厚さ 寸法のコーティングを形成することができる 。その結果、断線や電気抵抗の増大を生ずる ことなく、センサ電極6a,6bからの信号を精度 く外部に取り出すことができる。

 また、本実施形態に係る可変分光素子1に よれば、配線7を接続する配線パッド6e,6fが、 光学基板3a,3bの傾斜面5の最外周位置に配置さ れているので、光学基板3a,3bどうしを十分に 接させても、配線パッド6e,6fどうしの間隔 十分に広く確保することができる。したが て、配線パッド6e,6fに接続された配線7どう が干渉することを防止できる。

 特に、両光学基板3a,3bには傾斜面5が全周 わたって形成されているので、光学基板3a,3 bどうしを周方向に相対的に移動させても配 7と光学基板3a,3bとが干渉することもない。 の結果、組立時等に、センサ電極6a,6bが相互 に対向する位置に配置されるように光学基板 3a,3bどうしの位相を調節しても、光学基板3a,3 bや他の配線7との干渉により配線7が損傷して しまうことを防止することができる。

 なお、本実施形態に係る可変分光素子1にお いては、傾斜面5として単一の傾斜角度を有 るテーパ面状に形成したものを採用したが これに代えて、傾斜角度が漸次変化する曲 形状を有する傾斜面5を採用してもよい。
 また、本実施形態に係る可変分光素子1にお いては、2枚の光学基板3a,3bのいずれもが、外 周部に全周にわたって形成された傾斜面5を えることとしたが、これに代えて、図3に示 れるように、一方の光学基板3bが配線パッ 6fを形成する部分に部分的に傾斜面5を有す こととしてもよい。この場合、他方の光学 板3aについては全周にわたる傾斜面5が設け れていることが好ましい。光学基板3a,3bは入 れ替えてもよい。また、両方の光学基板3a,3b 、いずれも部分的な傾斜面5を有するものに してもよい。

 また、配線パッド6e,6fは必ずしも傾斜面5に けられている必要はなく、センサ電極6a,6b 配線パッド6e,6fとを接続する配線パターン6c, 6dが傾斜面5に設けられていればよい。
 また、センサ電極6a,6bとして、光学基板3a,3b の周方向に間隔をあけて4カ所に設けること したが、これに代えて、3カ所以上の任意の だけ設けられていてもよい。3カ所以上にす ることで、光学基板3a,3bの平面を規定するこ ができ、2つの光学基板3a,3bどうしの平行度 容易に精度よく達成することができる。

 また、図4~図6に示されるように、一方の 学基板3bに全周にわたる傾斜面5を設ける場 には、他方の光学基板3aには傾斜面5を設け くてもよい。このようにすることで、他方 光学基板3aについては平坦なままで済むの 、さらに簡易に製造することができる。な 、光学基板3a,3bは入れ替えてもよい。

 この場合には、センサ電極6a,6bのみが対 配置されていればよく、配線パターン6c,6dお よび配線パッド6e,6fについては、むしろ対向 ていない方が好ましい。特に、配線パッド6 e,6fについては接続される配線7どうしの干渉 回避するために、図5に示されるように位相 をずらして配置することが好ましい。

 さらに、図6に示されるように、一方の光 学基板3aに設けるセンサ電極6aとして、他方 光学基板3bに設けられた全てのセンサ電極6b 対向する大きさおよび形状の単一のセンサ 極6aを採用することとしてもよい。この場 には、光学基板3a,3bどうしの相対的な周方向 のズレを気にすることなく組み立てることが でき、組み立て作業をさらに容易にすること ができるとともに、配線7どうしを遠ざけて ロストークノイズや、寄生容量の発生を防 することができる。

 対向するセンサ電極6a,6bの個数が異なっ も、センサ電極6aは光学基板3bに設けられた4 個のセンサ電極6bに対して1つの共通電極とす ることができる。よって、センサ電極6aを4個 設けた時と同様に4極のセンサ6として機能す ことができ、これにより、駆動自由度、す わち、アクチュエータ3cの個数と同じ4つの 圧信号を検出することができる。

 したがって、2枚の光学基板3a,3bの間隔寸 に一意的に対応した静電容量を示す、アク ュエータ3cの個数と同数の電圧信号に基づ て2つの光学基板3a,3b間の間隔を精度よく制 し、所望の波長帯域の光を精度よく分光す ことができるという効果がある。

 また、この場合に、例えば、図4において 、アクチュエータ3cの駆動により変位させら る光学基板3bに設けられたセンサ電極6bの個 数を、枠部材4に直接固定される光学基板3aに 設けられたセンサ電極6aの個数よりも少なく ることにより、アクチュエータ3cの駆動時 動く配線7の数を少なくして、配線7間の容量 変化に伴うノイズの発生を低減することがで きる。

 また、本実施形態に係る可変分光素子1に おいては、光学基板3a,3bの間隔を検出するた センサ6として、静電容量方式のセンサを採 用し、光学基板3a,3bの外周部にセンサ電極6a,6 bを備えることとしたが、これに代えて、渦 流方式のセンサを採用し、光学基板3a,3bの外 周部にセンサコイル6a,6bを備えることができ 。

 また、光学基板3a,3bの対向面に設けられ 反射膜2を導電性の材料により構成し、該反 膜2自体を、静電容量を形成するためのセン サ電極6a,6bとして兼用してもよい。

 また、本実施形態のような可変分光素子 おいては、分光器としての機能上、光学基 の対向面の間隔が非常に狭く、また、各光 基板の対向面の面精度も良いものである。 って、その組立調整時や使用時に、光学基 の対向面に形成されたコート層どうしが接 して密着状態となる、いわゆるオプティカ コンタクトが発生することがある。この状 になると、通常圧電素子のストローク量は 常に小さいため、その電気的なストローク けでは前記状態を解消することができない 本実施形態に係る可変分光素子1においては 、光学基板3a,3bの傾斜面5に配線パターン6c,6d よび配線パッド6e,6fが形成されていない領 が設けられている。したがって、図7に示さ るように、この配線パターン6c,6dのない領 に楔形状の治具8を半径方向に差し込むこと より、両者の密着状態を容易に解消して、 離することが可能となる。また、配線パタ ン6c,6dが設けられていないので、治具8の挿 により配線パターン6c,6dが損傷することも い。この場合、図7に示されるように枠部材4 には半径方向に貫通する開口部9が設けられ いることとすればよい。

 次に、本発明の一実施形態に係る内視鏡シ テム10について、図8~図10を参照して説明す 。
 本実施形態に係る内視鏡システム10は、図8 示されるように、生体の体腔内に挿入され 挿入部11と、該挿入部11内に配置される撮像 ユニット(分光装置)12と、複数種の光を発す 光源ユニット13と、前記撮像ユニット12およ 光源ユニット13を制御する制御ユニット14と 、撮像ユニット12により取得された画像を表 する表示ユニット15とを備えている。

 前記挿入部11は、生体の体腔に挿入できる めて細い外形寸法を有し、その内部に、前 撮像ユニット12と、前記光源ユニット13から 光を先端11aまで伝播するライトガイド16と 備えている。
 前記光源ユニット13は、体腔内の観察対象A 照明し、観察対象Aにおいて反射して戻る反 射光を取得するための照明光を発する照明光 用光源17と、該照明光用光源17を制御する光 制御回路18とを備えている。

 前記照明光用光源17は、例えば、図示し いキセノンランプおよびバンドパスフィル を組み合わせたもので、バンドパスフィル の50%透過域は、430nm以上700nm以下である。す わち、照明光用光源17は、波長帯域430nm以上 700nm以下の照明光を発生するようになってい 。

 前記撮像ユニット12は、図9に示されるよ に、挿入部11の先端部に配置され、観察対 Aから入射される光を集光するための第1のレ ンズ19aおよび第2のレンズ19bを含む撮像光学 19と、制御ユニット14の作動により分光特性 変化させられる前記可変分光素子1と、撮像 光学系19により集光された光を撮影して電気 号に変換する撮像素子20とを備えている。

 可変分光素子1は、図10に示されるように、 御ユニット14からの制御信号に応じて2つの 態に変化するようになっている。
 第1の状態は、可視光の緑の領域である波長 530nm以上560nm以下の帯域の光を通過させる(透 波長帯域は、透過率50%となる波長として定 。)。
 また、第2の状態は、可視光の赤の領域であ る波長630nm以上660nm以下の帯域の光を通過さ るようになっている。

 前記制御ユニット14は、図8に示されるよう 、撮像素子20を駆動制御する撮像素子駆動 路21と、可変分光素子1を駆動制御する可変 光素子制御回路22と、撮像素子20により取得 れた画像情報を記憶するフレームメモリ23 、該フレームメモリ23に記憶された画像情報 を処理して表示ユニット15に出力する画像処 回路24とを備えている。
 撮像素子駆動回路21および可変分光素子制 回路22は、前記光源制御回路18に接続され、 源制御回路18による照明光用光源17の作動に 同期して可変分光素子1および撮像素子20を駆 動制御するようになっている。

 具体的には、可変分光素子制御回路22が 変分光素子1を第1の状態としたときに、撮像 素子駆動回路21が撮像素子20から出力される 像情報を第1のフレームメモリ23aに出力させ ようになっている。また、可変分光素子制 回路22が可変分光素子1を第2の状態としたと きに、撮像素子駆動回路21が撮像素子20から 力される画像情報をフレームメモリ23bに出 させるようになっている。

 また、画像処理回路24は、例えば、緑の 域の反射光画像情報を第1のフレームメモリ2 3aから受け取って、表示ユニット15の第1のチ ネルに出力するようになっている。また、 像処理回路24は、赤の帯域の反射光画像情 を第2のフレームメモリ23bから受け取って表 ユニット15の第2のチャネルに出力するよう なっている。

 このように構成された本実施形態に係る内 鏡システム10の作用について、以下に説明 る。
 本実施形態に係る内視鏡システム10を用い 、生体の体腔内の撮影対象Aを撮像するには 挿入部11を体腔内に挿入し、その先端11aを 腔内の撮影対象Aに対向させる。この状態で 光源ユニット13および制御ユニット14を作動 させ、光源制御回路18の作動により、照明光 光源17を作動させて照明光を発生させる。

 光源ユニット13において発生した照明光は ライトガイド16を介して挿入部11の先端11aま 伝播され、挿入部11の先端11aから撮影対象A 向けて照射される。
 照明光は撮影対象Aの表面において反射され 、第1のレンズ19aにより略平行光に変換され 可変分光素子1に入射される。そして、可変 光素子1を透過した反射光が第2のレンズ19b より撮像素子20の撮像面に結像されて、反射 光画像情報が取得される。

 この場合に、緑の帯域の反射光画像を取 するには、可変分光素子制御回路22を作動 せて可変分光素子1を第1の状態に切り替える ことにより、撮像素子20に到達する反射光の 長帯域を530nm以上560nm以下に制限する。これ により取得された反射光画像情報は第1のフ ームメモリ23aに記憶され、表示ユニット15の 第1のチャネルに出力されて表示される。

 また、赤の反射光画像を取得する場合には 可変分光素子制御回路22を作動させて可変 光素子1を第2の状態に切り替えることにより 、撮像素子20に到達する反射光の波長帯域を6 30nm以上660nm以下に制限する。これにより取得 された反射光画像情報は第2のフレームメモ 23bに記憶され、表示ユニット15の第2のチャ ルに出力されて表示される。
 このように、本実施形態に係る内視鏡シス ム10によれば、反射光の異なる波長帯域に する画像情報を使用者に提供することがで る。

 この場合において、本実施形態に係る内 鏡システム10によれば、可変分光素子1にセ サ6が設けられているので、第1の状態およ 第2の状態に切り替えられた際に、センサ6に より2枚の光学基板3a,3bの間隔寸法が検出され 、アクチュエータ3cに加える電圧信号がフィ ドバック制御される。これにより、挿入部1 1の先端11aの小径化を図ることができ、小型 ありながら光学基板3a,3bの間隔寸法を精度よ く制御して、高精度に所望の波長帯域の光を 分光し、鮮明な蛍光画像および反射光画像を 得ることができる。

 さらに、本実施形態においては、光学基板3 a,3bの外周部に傾斜面5が設けられ、該傾斜面5 に、センサ電極6a,6bに接続する配線パターン6 c,6dおよび配線パッド6e,6fが設けられているの で、対向する光学基板3a,3bに設けられた配線 ッド6e,6fが十分に遠ざけられているので、 配線パッド6e,6fに接続された配線7どうしを 渉させることなく、光学基板3a,3bどうしを十 分に近接させることができる。
 そして、配線7どうしの近接を防止して、ク ロストークノイズの発生を抑制することがで きる。

 なお、本実施形態に係る内視鏡システム10 おいては、可変分光素子1として、図1~図7の ずれかに示されたものを採用することとし もよい。
 また、アクチュエータの内側に第2のレンズ 19bおよび撮像素子20を配置したが、これに限 されるものではない。
 また、撮像素子20としては、C-MOS、フォトダ イオード、電子増倍CCD(EMCCD)、電子打ち込み CCD(EBCCD)など、任意の方式のものを採用する とができる。

 また、アクチュエータとしては、圧電素子 代えて、磁歪素子を用いることとしてもよ 。
 また、本実施形態に係る内視鏡システム10 おいては、反射光画像を取得するシステム ついて説明したが、これに代えて、蛍光画 と反射光画像を取得するなど他の観察手法 用いることもできる。

 また、本実施形態においては屈曲部を有 る軟性鏡のみならず、硬性鏡に適用しても い。また、観察対象Aとしては生体に限らな い。配管や機械、構造物などの内部を対象と する工業用内視鏡にも適用できる。

 また、本実施形態においては、撮像ユニ ト12に可変分光素子1を備える内視鏡システ 10について説明したが、これに代えて、挿 部11の先端に配置された光源ユニットに可変 分光素子1を備える内視鏡システムとしても い。