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Title:
VEHICLE BRAKE SYSTEM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2023/089421
Kind Code:
A1
Abstract:
The present invention achieves a vehicle brake system with which it is possible to constrain cost increase. A vehicle brake system 10 according to the present invention comprises: a fluid-pressure control unit 6 for controlling braking force generated in a vehicle 1; a first master chamber (first master cylinder 21a) which is a master chamber for a front wheel 2 of the vehicle 1and which is at least connected to a wheel cylinder 24 of the front wheel 2; and a second master chamber (second master cylinder 21b) which is a master chamber for a rear wheel 3 of the vehicle 1 and which is at least connected to a wheel cylinder 26 of the rear wheel 3. The fluid-pressure control unit 6 controls the braking force generated on one of the front wheel 2 and the rear wheel 3. The first master chamber and the second master chamber are connected to the fluid-pressure control unit 6. Of the first and second master chambers, the master chamber for the other one of the front wheel 2 and the rear wheel 3 is connected to the wheel cylinder of said other wheel without having the fluid-pressure control unit 6 therebetween.

Inventors:
IWATSUKI JUNYA (JP)
KANEKO SHOICHIRO (JP)
Application Number:
PCT/IB2022/060337
Publication Date:
May 25, 2023
Filing Date:
October 27, 2022
Export Citation:
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Assignee:
BOSCH GMBH ROBERT (DE)
International Classes:
B60T13/68; B60T8/17; B60T8/1761; B60T8/26; B60T8/32; B60T13/14; B60T13/66; B62L3/02
Foreign References:
JP2015182685A2015-10-22
US20120200148A12012-08-09
US20100045097A12010-02-25
EP2311701A12011-04-20
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Claims:
【書類名】 請求の範囲

【請求項 1】 車両 ( 1 ) に生じる制動力を制御する液圧制御ユニッ ト ( 6 ) と、 少なく とも前記車両 ( 1 ) の前輪 ( 2) のホイールシリンダ ( 2 4) と連通する前記前輪 ( 2) 用のマスタ室 である第 1マスタ室 ( 2 1 a ) と、 少なく とも前記車両 ( 1 ) の後輪 ( 3 ) のホイールシ リンダ ( 2 6 ) と連通する前記後輪 (3) 用のマスタ室である第 2マスタ室 ( 2 1 b ) と を備える車両用ブレーキシステム ( i o) であって、 前記液圧制御ユニッ ト ( 6 ) は、 前記前輪 ( 2) 及び前記後輪 ( 3) の一方の車輪 ( 2 ) に生じる制動力を制御し、 前記第 1マスタ室 ( 2 1 a ) 及び前記第 2マスタ室 ( 2 1 b ) は、 前記液圧制御ユニッ 卜 ( 6 ) と接続され、 前記第 1マスタ室 ( 2 1 a ) 及び前記第 2マスタ室 ( 2 1 b ) のうち、 前記前輪 ( 2 ) 及び前記後輪 ( 3) の他方の車輪 ( 3) 用のマスタ室は、 前記液圧制御ユニッ ト ( 6 ) を 介さずに、 前記他方の車輪 ( 3) のホイールシリンダ ( 2 6 ) と接続される、 車両用ブレーキシステム。

【請求項 2】 前記液圧制御ユニッ ト ( 6 ) は、 前記一方の車輪 ( 2) のホイールシリンダ ( 2 4) で ある第 1ホイールシリンダ ( 2 4 a、 2 4 c ) 及び第 2ホイールシリンダ ( 2 4 b ) と接 続され、 前記液圧制御ユニッ ト ( 6 ) には、 前記第 1マスタ室 ( 2 1 a ) と前記第 1ホイールシ リンダ ( 2 4 a、 2 4 c ) とを連通する第 1流路 ( 2 7) と、 前記第 1流路 ( 2 7) に設 けられる第 1ポンプ ( 3 4 a ) と、 前記第 2マスタ室 ( 2 1 b ) と前記第 2ホイールシリ ンダ ( 2 4 b ) とを連通する第 2流路 ( 2 8 ) と、 前記第 2流路 ( 2 8 ) に設けられる第 2 ポンプ ( 3 4 ) と、 制御装置 ( 7) によって動作が制御され、 前記第 1ポンプ ( 3 4 a ) 及び前記第 2ポンプ ( 3 4 b ) の両方を駆動する共通の駆動源 ( 3 5) とが設けられ る、 請求項 1に記載の車両用ブレーキシステム。

【請求項 3】 前記第 1流路 ( 2 7 ) は、 前記第 1マスタ室 ( 2 1 a ) と前記第 1ホイールシリンダ ( 2 4 a、 2 4 c ) とを連通し、 第 1込め弁 ( 3 1 a ) が設けられる第 1主流路 ( 2 7 a ) と、 前記第 1ホイールシリンダ ( 2 4 a、 2 4 c ) のブレーキ液を前記第 1主流路 ( 2 7 a ) の途中部 (P 1 ) に逃がし、 第 1弛め弁 ( 3 2 a ) が設けられる第 1副流路 ( 2 7 b ) とを含み、 前記第 2流路 ( 2 8 ) は、 前記第 2マスタ室 ( 2 1 b ) と前記第 2ホイールシリンダ ( 2 4 b ) とを連通し、 第 2込め弁 ( 3 1 b ) が設けられる第 2主流路 ( 2 8 a ) と、 前記 第 2ホイールシリンダ ( 2 4 b ) のブレーキ液を前記第 2主流路 ( 2 8 a ) の途中部 (P 2 ) に逃がし、 第 2弛め弁 ( 3 2 b ) が設けられる第 2副流路 ( 2 8 b ) とを含む、 請求項 2に記載の車両用ブレーキシステム。

【請求項 4 ] 前記制御装置 ( 7) は、 前記一方の車輪 ( 2) のスリ ップ、 又は、 当該スリ ップの可能 性が検知された場合、 前記駆動源 ( 3 5) の駆動に伴って、 前記第 1込め弁 ( 3 1 a ) を 閉状態にして前記第 1弛め弁 ( 3 2 a ) を開状態にする第 1ホイールシリンダ減圧制御、 及び、 前記第 2込め弁 ( 3 1 b ) を閉状態にして前記第 2弛め弁 ( 3 2 b ) を開状態にす る第 2ホイールシリンダ減圧制御の少なく とも一方を実行する、 請求項 3に記載の車両用ブレーキシステム。

【請求項 5 ] 前記車両用ブレーキシステム ( 1 〇) は、 前記第 1マスタ室 ( 2 1 a ) に付設される第 1 ブレーキ操作部 ( 1 1 ) と、 前記第 2マスタ室 ( 2 1 b ) に付設される第 2ブレーキ操 作部 ( 1 3) とを備え、 前記制御装置 ( 7) は、 前記一方の車輪 ( 2) のスリ ップ、 又は、 当該スリ ップの可能 性が検知された場合、 前記駆動源 ( 3 5) の駆動に伴って、 前記第 1ブレーキ操作部 ( 1 1 ) 及び前記第 2ブレーキ操作部 ( 1 3) の操作状態に基づかずに、 前記第 1ホイールシ リンダ減圧制御及び前記第 2ホイールシリンダ減圧制御の双方を実行する、 請求項 4に記載の車両用ブレーキシステム。

【請求項 6 ] 前記車両用ブレーキシステム ( 1 〇 ) は、 前記第 1マスタ室 ( 2 1 a ) に付設される第 1 ブレーキ操作部 ( 1 1 ) と、 前記第 2マスタ室 ( 2 l b ) に付設される第 2ブレーキ操 作部 ( 1 3) とを備え、 前記制御装置 ( 7) は、 前記第 1ブレーキ操作部 ( 1 1 ) 及び前記第 2ブレーキ操作部 ( 1 3) の操作状態に基づいて、 前記第 1ホイールシリンダ減圧制御及び前記第 2ホイー ルシリンダ減圧制御の実行可否を決定する、 請求項 4に記載の車両用ブレーキシステム。

【請求項 7】 前記制御装置 ( 7) は、 前記第 1ブレーキ操作部 ( 1 1 ) を用いたブレーキ操作が前記第 2ブレーキ操作部 ( 1

3 ) を用いたブレーキ操作よりも優位にして行われている場合、 前記第 1ホイールシリン ダ減圧制御を許可して前記第 2ホイールシリンダ減圧制御を禁止し、 前記第 2ブレーキ操作部 ( 1 3 ) を用いたブレーキ操作が前記第 1ブレーキ操作部 ( 1 1 ) を用いたブレーキ操作よりも優位にして行われている場合、 前記第 2ホイールシリン ダ減圧制御を許可して前記第 1ホイールシリンダ減圧制御を禁止する、 請求項 6に記載の車両用ブレーキシステム。

【請求項 8 ] 前記制御装置 ( 7) は、 前記第 1ホイールシリンダ ( 2 4 a、 2 4 c ) の数と前記第 2 ホイールシリンダ ( 2 4 b ) の数との大小関係に基づいて、 前記第 1ホイールシリンダ減 圧制御と前記第 2ホイールシリンダ減圧制御とのいずれを優先して実行するかを決定する 請求項 4〜 7のいずれか一項に記載の車両用ブレーキシステム。

【請求項 9】 前記車両 ( 1 ) は、 モータサイクルである、 請求項 1〜 8のいずれか一項に記載の車両用ブレーキシステム。

【請求項 1 〇】 前記一方の車輪は、 前記前輪 ( 2 ) である、 請求項 9に記載の車両用ブレーキシステム。

Description:
【書類名】 明細書

【発明の名称】 車両用ブレーキシステム

【技術分野】

【。 0 0 1】 この開示は、 コス トの増大を抑制することができる車両用ブレ ーキシステムに関する。

【背景技術】

【。 0 0 2】 従来、 モータサイクル等の車両には、 車輪に生じる制動力を制御するための液圧制 御ユ ニッ トが設けられている。 液圧制御ユニッ トを備える車両用ブレーキシステムでは、 マス タシリンダ等のマスタ室とホイールシリンダ とが、 液圧制御ユニッ トを介して連通する。 そして、 液圧制御ユニッ トに設けられる弁等のコンポーネントの動作 が制御されることに よって、 ホイールシリンダのブレーキ液の圧力が制御 される (例えば、 特許文献 1を参照 ) 。

【先行技術文献】

【特許文献】

【〇 0 0 3】

【特許文献 1】 特開 2 0 1 8 — 8 6 7 4号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【〇 0 0 4】 ところで、 前輪用のマスタ室と後輪用のマスタ室のうち の一方のマスタ室が、 前輪のホ イールシリンダ、 及び、 後輪のホイールシリンダの双方と連通する場 合がある。 例えば、 モータサイクルにおいて、 前輪のホイールシリンダが複数存在し、 前輪用のマスタシリン ダが前輪の一部のホイールシリンダと連通し 、 後輪用のマスタシリンダが前輪の他の一部 のホイールシリンダ、 及び、 後輪のホイールシリンダの双方と連通する場 合がある。 この ような車両に液圧制御ユニッ トを設け、 前輪に生じる制動力と、 後輪に生じる制動力とを それぞれ制御できるようにすることが考えら れる。 しかしながら、 その場合、 液圧制御ユ ニッ トのコンポーネントの数の増大等により、 コス トが増大してしまうおそれがある。

【〇 0 0 5】 本発明は、 上述の課題を背景としてなされたものであり 、 コス トの増大を抑制すること ができる車両用ブレーキシステムを得るもの である。

【課題を解決するための手段】

【〇 0 0 6】 本発明に係る車両用ブレーキシステムは、 車両に生じる制動力を制御する液圧制御ユニ ッ トと、 少なく とも前記車両の前輪のホイールシリンダと連 通する前記前輪用のマスタ室 である第 1マスタ室と、 少なく とも前記車両の後輪のホイールシリンダと連 通する前記後 輪用のマスタ室である第 2マスタ室とを備える車両用ブレーキシステ であって、 前記液 圧制御ユニッ トは、 前記前輪及び前記後輪の一方の車輪に生じる 制動力を制御し、 前記第 1 マスタ室及び前記第 2マスタ室は、 前記液圧制御ユニッ トと接続され、 前記第 1マスタ 室及び前記第 2マスタ室のうち、 前記前輪及び前記後輪の他方の車輪用のマス タ室は、 前 記液圧制御ユニッ トを介さずに、 前記他方の車輪のホイールシリンダと接続さ れる。

【発明の効果】

【〇 0 0 7】 本発明に係る車両用ブレーキシステムは、 車両に生じる制動力を制御する液圧制御ユニ ッ トと、 少なく とも車両の前輪のホイールシリンダと連通す る前輪用のマスタ室である第 1 マスタ室と、 少なく とも車両の後輪のホイールシリンダと連通す る後輪用のマスタ室で ある第 2マスタ室とを備える車両用ブレーキシステ であって、 液圧制御ユニッ トは、 前 輪及び後輪の一方の車輪に生じる制動力を制 御し、 第 1マスタ室及び第 2マスタ室は、 液 圧制御ユニッ トと接続され、 第 1マスタ室及び第 2マスタ室のうち、 前輪及び後輪の他方 の車輪用のマスタ室は、 液圧制御ユニッ トを介さずに、 他方の車輪のホイールシリンダと 接続される。 それにより、 前輪に生じる制動力と、 後輪に生じる制動力とをそれぞれ制御 できるようにする場合と比較して、 液圧制御ユニッ トのコンポーネントの数の増大等を抑 制できる。 ゆえに、 コス トの増大を抑制することができる。

【図面の簡単な説明】

[ 0 0 0 8 ]

【図 1】 本発明の実施形態に係る車両の概略構成を示 す模式図である。

【図 2】 本発明の実施形態に係る車両用ブレーキシス テムの概略構成を示す模式図で ある。

【図 3 j 本発明の実施形態に係る制御装置の機能構成 の一例を示すブロック図である

【図 4】 本発明の実施形態に係る制御装置が行う処理 の流れの一例を示すフローチャ ートである。

【図 5 j 本発明の実施形態に係る第 1ホイールシリンダ減圧制御及び第 2ホイールシ リンダ減圧制御のうち第 1ホイールシリンダ減圧制御のみが実行され いる場合の車両用 ブレーキシステムを示す模式図である。

【図 6 j 本発明の実施形態に係る第 1ホイールシリンダ減圧制御及び第 2ホイールシ リンダ減圧制御のうち第 2ホイールシリンダ減圧制御のみが実行され いる場合の車両用 ブレーキシステムを示す模式図である。

【図 7 j 本発明の実施形態に係る第 1ホイールシリンダ減圧制御及び第 2ホイールシ リンダ減圧制御の双方が実行されている場合 の車両用ブレーキシステムを示す模式図であ る。

【発明を実施するための形態】

[ 0 0 0 9 ] 以下に、 本発明に係る車両用ブレーキシステムについ て、 図面を用いて説明する。

[ 0 0 1 0 ] なお、 以下では、 二輪のモータサイクルに搭載される車両用ブ レーキシステムについて 説明しているが (図 1中の車両 1を参照) 、 本発明に係る車両用ブレーキシステムが搭載 される車両は、 二輪のモータサイクル以外の他の車両 (例えば、 バギー車、 三輪のモータ サイクル、 自転車等の他の鞍乗り型車両、 又は、 四輪の自動車等) であってもよい。 なお 、 鞍乗り型車両は、 ライダーが跨って乗車する車両を意味する。 鞍乗り型車両には、 例え ば、 モータサイクル (自動二輪車、 自動三輪車) 、 自転車、 バギー等が含まれる。 モータ サイクルには、 エンジンを動力源とする車両、 電気モータを動力源とする車両等が含まれ る。 モータサイクルには、 例えば、 オートバイ、 スクーター、 電動スクーター等が含まれ る。 自転車は、 ペダルに付与されるライダーの踏力によって 路上を推進することが可能な 車両を意味する。 自転車には、 普通自転車、 電動アシス ト自転車、 電動自転車等が含まれ る。

[ 0 0 1 1 ] また、 以下で説明する構成及び動作等は一例であり 、 本発明に係る車両用ブレーキシス テムは、 そのような構成及び動作等である場合に限定 されない。

[ 0 0 1 2 ] また、 以下では、 同一の又は類似する説明を適宜簡略化又は省 略している。 また、 各図 において、 同一の又は類似する部材又は部分については 、 符号を付すことを省略している か、 又は同一の符号を付している。 また、 細かい構造については、 適宜図示を簡略化又は 省略している。

[ 0 0 1 3 ] く車両の構成> 図 1〜図 3を参照して、 本発明の実施形態に係る車両 1の構成について説明する。

[ 0 0 1 4 ] 図 1は、 車両 1の概略構成を示す模式図である。 図 2は、 車両用ブレーキシステム 1 0 の概略構成を示す模式図である。 図 3は、 制御装置 7の機能構成の一例を示すブロック図 である。

[ 0 0 1 5 ] 車両 1は、 本発明に係る車両の一例に相当する二輪のモ ータサイクルである。 車両 1は 、 図 1に示されるように、 前輪 2と、 後輪 3と、 前輪車輪速センサ 4と、 後輪車輪速セン サ 5と、 液圧制御ユニッ ト 6と、 制御装置 (E CU) 7とを備える。

[ 0 0 1 6 ] 前輪車輪速センサ 4は、 前輪 2の車輪速 (例えば、 前輪 2の単位時間当たりの回転数 [ r p m] 又は単位時間当たりの移動距離 [km/h1 等) を検出する車輪速センサであり 、 検出結果を出力する。 前輪車輪速センサ 4が、 前輪 2の車輪速に実質的に換算可能な他 の物理量を検出するものであってもよい。 前輪車輪速センサ 4は、 前輪 2に設けられてい る。

[ 0 0 1 7 ] 後輪車輪速センサ 5は、 後輪 3の車輪速 (例えば、 後輪 3の単位時間当たりの回転数 [ r p m: 又は単位時間当たりの移動距離 [km/h] 等) を検出する車輪速センサであり 、 検出結果を出力する。 後輪車輪速センサ 5が、 後輪 3の車輪速に実質的に換算可能な他 の物理量を検出するものであってもよい。 後輪車輪速センサ 5は、 後輪 3に設けられてい る。

[ 0 0 1 8 ] 液圧制御ユニッ ト 6は、 車両 1に生じる制動力を制御する機能を担うユニ トである。 例えば、 液圧制御ユニッ ト 6は、 マスタシリンダとホイールシリンダとを接続 する油路上 に設けられ、 ホイールシリンダのブレーキ液の圧力を制御 するためのコンポーネント (例 えば、 制御弁及びポンプ) を含む。 液圧制御ユニッ ト 6のコンポーネントの動作が制御さ れることによって、 車輪に生じる制動力が制御される。 なお、 液圧制御ユニッ ト 6を含む 車両用ブレーキシステム 1 〇の詳細については、 後述する。

[ 0 0 1 9 ] 制御装置?は、 液圧制御ユニッ ト 6の動作を制御する。 例えば、 制御装置 ?の一部又は 全ては、 マイコン、 マイクロプロセッサユニッ ト等で構成されている。 また、 例えば、 制 御装置 7の一部又は全ては、 ファームウェア等の更新可能なもので構成さ れてもよく、 C PU 等からの指令によって実行されるプログラム モジュール等であってもよい。 制御装置 7 は、 例えば、 1つであってもよく、 また、 複数に分かれていてもよい。 図 1の例では、 制御装置 7は、 液圧制御ユニッ ト 6に含まれる。 ただし、 制御装置 7は、 液圧制御ユニッ 卜 6に含まれなくてもよい。 なお、 制御装置 7の機能構成の詳細については、 後述する。

[ 0 0 2 0 ] ここで、 図 2を参照して、 車両 1の車両用ブレーキシステム 1 0の詳細について説明す る。 車両用ブレーキシステム 1 0は、 図 2に示されるように、 第 1ブレーキ操作部 1 1 と 、 少なく とも第 1ブレーキ操作部 1 1に連動して少なく とも前輪 2を制動する前輪制動機 構 1 2と、 第 2ブレーキ操作部 1 3と、 少なく とも第 2ブレーキ操作部 1 3に連動して少 なく とも後輪 3を制動する後輪制動機構 1 4とを備える。 前輪制動機構 1 2は、 前輪 2及 び後輪 3のうち前輪 2のみを制動する。 後輪制動機構 1 4は、 前輪 2及び後輪 3の双方を 制動する。

[ 0 0 2 1 ] また、 車両用ブレーキシステム 1 0は、 液圧制御ユニッ ト 6を備え、 前輪制動機構 1 2 の一部、 及び、 後輪制動機構 1 4の一部は、 液圧制御ユニッ ト 6に含まれる。 液圧制御ユ ニッ ト 6は、 前輪制動機構 1 2によって前輪 2に付与される制動力、 及び、 後輪制動機構 1 4によって前輪 2に付与される制動力を制御する機能を担う ニッ トである。 このよう に、 液圧制御ユニッ ト 6は、 前輪 2及び後輪 3のうちの一方の車輪である前輪 2に生じる 制動力を制御する。

[ 0 0 2 2 ] 以下では、 液圧制御ユニッ ト 6が前輪 2及び後輪 3のうち前輪 2に生じる制動力を制御 する例について説明する。 ただし、 後述するように、 液圧制御ユニッ ト 6が前輪 2及び後 輪 3のうち後輪 3に生じる制動力を制御してもよい。 この場合には、 前輪制動機構 1 2が 前輪 2及び後輪 3の双方を制動し、 後輪制動機構 1 4が前輪 2及び後輪 3のうち後輪 3の みを制動する。

[ 0 0 2 3 ] 第 1ブレーキ操作部 1 1は、 例えば、 車両 1のハンドルに設けられており、 ライダーの 手によって操作される。 第 1ブレーキ操作部 1 1は、 例えば、 ブレーキレバーである。 第 2 ブレーキ操作部 1 3は、 例えば、 車両 1の胴体の下部に設けられており、 ライダーの足 によって操作される。 第 2ブレーキ操作部 1 3は、 例えば、 ブレーキペダルである。 ただ し、 スクーター等のブレーキ操作部のように、 第 1ブレーキ操作部 1 1及び第 2ブレーキ 操作部 1 3の双方がライダーのそれぞれの手によって 作されるブレーキレバーであって もよい。

[ 0 0 2 4 ] 第 1ブレーキ操作部 1 1には、 第 1マスタシリンダ 2 1 aが付設されている。 第 1マス タシリンダ 2 1 aには、 第 1 リザーバ 2 2 aが付設されている。 第 2ブレーキ操作部 1 3 には、 第 2マスタシリンダ 2 1 bが付設されている。 第 2マスタシリンダ 2 1 には、 第 2 リザーバ 2 2 bが付設されている。

[ 0 0 2 5 ] 前輪 2には、 車両 1の胴体に保持され、 ブレーキパッ ド (図示省略) を有しているブレ 、ーキキャリパ 2 3が設けられている。 ブレーキキャリパ 2 3には、 前輪 2のホイールシリ ンダ 2 4として、 ホイールシリンダ 2 4 a、 2 4 b、 2 4 cが設けられている。 ホイール シリンダ 2 4 a、 2 4 b、 2 4 cのうちホイールシリンダ 2 4 a、 2 4 cを第 1ホイール シリンダ 2 4 a、 2 4 c とも呼ぶ。 ホイールシリンダ 2 4 a、 2 4 b、 2 4 cのうちホイ ールシリンダ 2 4 bを第 2ホイールシリンダ 2 4 bとも呼ぶ。

[ 0 0 2 6 ] 前輪 2のホイールシリンダ 2 4 a、 2 4 b、 2 4 cは、 例えば、 前輪 2の周方向に間隔 を空けてこの順に並んでいる。 ゆえに、 第 1ホイールシリンダ 2 4 a、 2 4 cの間に第 2 ホイールシリンダ 2 4 bが配置されている。 ただし、 第 1ホイールシリンダと第 2ホイー ルシリンダとの位置関係はこの例に限定され ない。 また、 第 1ホイールシリンダの数、 及 び、 第 2ホイールシリンダの数はこの例に限定され い。 例えば、 第 1ホイールシリンダ の数は、 1つ、 又は 3つ以上であってもよい。 第 2ホイールシリンダの数は、 2つ以上で あってもよい。 第 1ホイールシリンダの数が第 2ホイールシリンダの数より多くてもよく 、 一致してもよく、 少なくてもよい。

[ 0 0 2 7 ] 後輪 3には、 車両 1の胴体に保持され、 ブレーキパッ ド (図示省略) を有しているブレ ーキキャリパ 2 5が設けられている。 ブレーキキャリパ 2 5には、 後輪 3のホイールシリ ンダ 2 6が設けられている。

[ 0 0 2 8 ] 第 1マスタシリンダ 2 1 aは、 少なく とも前輪 2のホイールシリンダ 2 4と連通する前 輪 2用のマスタ室である第 1マスタ室の一例に相当する。 第 2マスタシリンダ 2 1 bは、 少なく とも後輪 3のホイールシリンダ 2 6 と連通する後輪 3用のマスタ室である第 2マス タ室の一例に相当する。 第 1マスタシリンダ 2 1 a及び第 2マスタシリンダ 2 1 bは、 液 圧制御ユニッ ト 6と接続される。 液圧制御ユニッ ト 6は、 前輪 2のホイールシリンダ 2 4 である第 1ホイールシリンダ 2 4 a、 2 4 c及び第 2ホイールシリンダ 2 4 bと接続され る。

[ 0 0 2 9 ] ここで、 液圧制御ユニッ ト 6には、 第 1マスタシリンダ 2 1 a と第 1ホイールシリンダ 2 4 a、 2 4 c とを連通する第 1流路 2 7と、 第 2マスタシリンダ 2 1 bと第 2ホイール シリンダ 2 4 bとを連通する第 2流路 2 8 とが設けられる。 ゆえに、 第 1マスタシリンダ 2 1 aは、 液圧制御ユニッ ト 6を介して、 前輪 2のホイールシリンダ 2 4のうちの第 1ホ イールシリンダ 2 4 a、 2 4 c と接続される。 一方、 第 2マスタシリンダ 2 1 bは、 液圧 制御ユニッ ト 6を介して、 前輪 2のホイールシリンダ 2 4のうちの第 2ホイールシリンダ 2 4 bと接続される。

[ 0 0 3 0 ] また、 第 1マスタシリンダ 2 1 a及び第 2マスタシリンダ 2 1 bのうち、 後輪 3用のマ スタ室に相当する第 2マスタシリンダ 2 1 bは、 液圧制御ユニッ ト 6を介さずに、 後輪 3 のホイールシリンダ 2 6と接続される。 具体的には、 第 2マスタシリンダ 2 1 bは、 液圧 制御ユニッ ト 6のうち少なく とも後述する基体 6 aを介さずに、 後輪 3のホイールシリン ダ 2 6と接続される。 図 2の例では、 第 2マスタシリンダ 2 1 bと接続されるブレーキ液 の流路が分岐して液圧制御ユニッ ト 6及びホイールシリンダ 2 6とそれぞれ接続されてい る。 ただし、 第 2マスタシリンダ 2 l bと液圧制御ユニッ ト 6とを接続する流路と、 第 2 マスタシリンダ 2 1 b とホイールシリンダ 2 6 とを接続する流路とが別々に第 2マスタシ リンダ 2 1 b と接続されていてもよい。

[ 0 0 3 1 ] 前輪制動機構 1 2は、 第 1ブレーキ操作部 1 1 と、 第 1マスタシリンダ 2 1 a と、 第 1 リザーバ 2 2 a と、 前輪 2のブレーキキャリパ 2 3と、 前輪 2のホイールシリンダ 2 4の うちの第 1ホイールシリンダ 2 4 a、 2 4 c と、 第 1流路 2 7とを備える。 第 1流路 2 7 は、 第 1主流路 2 7 a と、 第 1副流路 2 7 とを含む。

[ 0 0 3 2 ] 第 1主流路 2 7 aは、 第 1マスタシリンダ 2 1 a と第 1ホイールシリンダ 2 4 a、 2 4 c とを連通する。 第 1主流路 2 7 aには、 第 1込め弁 3 1 aが設けられている。 第 1副流 路 2 7 bは、 第 1ホイールシリンダ 2 4 a、 2 4 cのブレーキ液を第 1主流路 2 7 aの途 中部 P !に逃がす。 第 1副流路 2 7 bは、 第 1主流路 2 7 aのうちの、 第 1込め弁 3 1 a に対する第 1ホイールシリンダ 2 4 a、 2 4 c側と第 1マスタシリンダ 2 1 a側との間を バイパスする。 第 1副流路 2 7 bには、 上流側から順に、 第 1弛め弁 3 2 a と、 第 1アキ ュムレータ 3 3 a と、 第 1ポンプ 3 4 a とが設けられている。

[ 0 0 3 3 ] 後輪制動機構 1 4は、 第 2ブレーキ操作部 1 3と、 第 2マスタシリンダ 2 1 b と、 第 2 リザーバ 2 2 bと、 前輪 2のブレーキキャリパ 2 3と、 前輪 2のホイールシリンダ 2 4の うちの第 2ホイールシリンダ 2 4 bと、 後輪 3のブレーキキャリパ 2 5と、 後輪 3のホイ ールシリンダ 2 6と、 第 2流路 2 8とを備える。 第 2流路 2 8は、 第 2主流路 2 8 a と、 第 2副流路 2 8 bとを含む。

[ 0 0 3 4 ] 第 2主流路 2 8 aは、 第 2マスタシリンダ 2 1 bと第 2ホイールシリンダ 2 4 bとを連 通する。 第 2主流路 2 8 aには、 第 2込め弁 3 1 bが設けられている。 第 2副流路 2 8 b は、 第 2ホイールシリンダ 2 4 bのブレーキ液を第 2主流路 2 8 aの途中部 P 2に逃がす 。 第 2副流路 2 8 bは、 第 2主流路 2 8 aのうちの、 第 2込め弁 3 1 bに対する第 2ホイ ールシリンダ 2 4 b側と第 2マスタシリンダ 2 1 b側との間をバイパスする。 第 2副流路 2 8 bには、 上流側から順に、 第 2弛め弁 3 2 bと、 第 2アキュムレータ 3 3 b と、 第 2 ポンプ 3 4 b とが設けられている。

[ 0 0 3 5 ] 第 1込め弁 3 1 a及び第 2込め弁 3 1 bは、 例えば、 非通電状態で開き、 通電状態で閉 じる電磁弁である。 第 1弛め弁 3 2 a及び第 2弛め弁 3 2 bは、 例えば、 非通電状態で閉 じ、 通電状態で開く電磁弁である。

[ 0 0 3 6 ] 液圧制御ユニッ ト 6には、 第 1ポンプ 3 4 a及び第 2ポンプ 3 4 bの両方を駆動する共 通の駆動源 3 5が設けられている。 駆動源 3 5は、 例えば、 電動モータである。 駆動源 3 5 の動作は、 制御装置 7によって制御される。

[ 0 0 3 7 ] 液圧制御ユニッ ト 6には、 第 1マスタシリンダ圧センサ 3 6 a と、 第 2マスタシリンダ 圧センサ 3 6 bとが設けられている。 なお、 液圧制御ユニッ ト 6には、 第 1マスタシリン ダ圧センサ 3 6 a及び第 2マスタシリンダ圧センサ 3 6 bが設けられていなくてもよい。

[ 0 0 3 8 ] 第 1マスタシリンダ圧センサ 3 6 aは、 第 1マスタシリンダ 2 1 aのブレーキ液の圧力 である第 1マスタシリンダ圧を検出し、 検出結果を出力する。 第 1マスタシリンダ圧セン サ 3 6 aが、 第 1マスタシリンダ圧に実質的に換算可能な他 物理量を検出するものであ ってもよい。

[ 0 0 3 9 ] 第 2マスタシリンダ圧センサ 3 6 bは、 第 2マスタシリンダ 2 1 bのブレーキ液の圧力 である第 2マスタシリンダ圧を検出し、 検出結果を出力する。 第 2マスタシリンダ圧セン サ 3 6 bが、 第 2マスタシリンダ圧に実質的に換算可能な他 物理量を検出するものであ ってもよい。

[ 0 0 4 0 ] 液圧制御ユニッ ト 6は、 第 1込め弁 3 1 a、 第 1弛め弁 3 2 a、 第 1アキュムレータ 3 3 a と、 第 1ポンプ 3 4 a、 第 2込め弁 3 1 b、 第 2弛め弁 3 2 b、 第 2アキュムレータ

3 3 b、 第 2ポンプ 3 4 b及び駆動源 3 5を含むブレーキ液の圧力を制御するための ン ポーネントと、 それらのコンポーネントが設けられ、 第 1流路 2 7及び第 2流路 2 8を構 成するための流路が内部に形成されている基 体 6 aを含む。

[ 0 0 4 1 ] なお、 基体 6 aは、 1つの部材によって形成されていてもよく、 複数の部材によって形 成されていてもよい。 また、 基体 6 aが複数の部材によって形成されている場合 各コン ポーネントは、 異なる部材に分かれて設けられていてもよい 。

[ 0 0 4 2 ] 液圧制御ユニッ ト 6の上記のコンポーネントの動作は、 制御装置 7によって制御される 。 それにより、 前輪 2に生じる制動力、 及び、 後輪 3に生じる制動力が制御される。

[ 0 0 4 3 ] 通常時 (つまり、 ライダーによるブレーキ操作に応じた制動力 を車輪に生じさせるよう に設定している時) には、 制御装置 7によって、 第 1込め弁 3 1 a及び第 2込め弁 3 1 b が開放され、 第 1弛め弁 3 2 a及び第 2弛め弁 3 2 が閉鎖される。 その状態で、 第 1ブ レーキ操作部 1 1が操作されると、 前輪制動機構 1 2において、 第 1マスタシリンダ 2 1 a のピス トン (図示省略) が押し込まれて、 前輪 2の第 1ホイールシリンダ 2 4 a、 2 4 c のブレーキ液の圧力が増加し、 前輪 2のブレーキキャリパ 2 3のブレーキパッ ド (図示 省略) が前輪 2のロータ 2 aに押し付けられて、 前輪 2に制動力が生じる。

[ 0 0 4 4 ] 一方、 第 2ブレーキ操作部 1 3が操作されると、 後輪制動機構 1 4において、 第 2マス タシリンダ 2 1 bのピス トン (図示省略) が押し込まれて後輪 3のホイールシリンダ 2 6 のブレーキ液の圧力が増加し、 後輪 3のブレーキキャリパ 2 5のブレーキパッ ド (図示省 略) が後輪 3のロータ 3 aに押し付けられて、 後輪 3に制動力が生じる。 また、 第 2ブレ ーキ操作部 1 3が操作されると、 後輪制動機構 1 4において、 第 2マスタシリンダ 2 1 b のピス トン (図示省略) が押し込まれることによって、 前輪 2の第 2ホイールシリンダ 2

4 bのブレーキ液の圧力も増加し、 前輪 2のブレーキキャリパ 2 3のブレーキパッ ド (図 示省略) が前輪 2のロータ 2 aに押し付けられて、 前輪 2にも制動力が生じる。

[ 0 0 4 5 ] ここで、 図 3を参照して、 制御装置 7の機能構成の詳細について説明する。 制御装置 7 は、 図 3に示されるように、 例えば、 取得部 7 1 と、 実行部 7 2とを備える。 また、 制御 装置 7は、 車両 1の各装置と通信する。

[ 0 0 4 6 ] 取得部 7 1は、 車両 1の各装置から情報を取得し、 実行部 7 2へ出力する。 例えば、 取 得部 7 1は、 前輪車輪速センサ 4、 後輪車輪速センサ 5、 第 1マスタシリンダ圧センサ 3 6 a、 及び、 第 2マスタシリンダ圧センサ 3 6 bから情報を取得する。 なお、 本明細書に おいて、 情報の取得には、 情報の抽出又は生成等が含まれ得る。 [ 0 0 4 7 ] 実行部 7 2は、 液圧制御ユニッ ト 6の各コンポーネントの動作を制御する。 例えば、 実 行部 7 2は、 第 1込め弁 3 1 a、 第 1弛め弁 3 2 a、 第 2込め弁 3 1 b、 第 2弛め弁 3 2 b 及び駆動源 3 5の動作を制御する。

[ 0 0 4 8 ] 上述したように、 通常時には、 実行部 7 2は、 ライダーによるブレーキ操作に応じた制 動力が車輪に生じるように、 液圧制御ユニッ ト 6の各コンポーネントの動作を制御する。 一方、 特定の場合に、 実行部 7 2は、 アンチロックブレーキ制御を実行する。 アンチロッ クブレーキ制御では、 車輪の制動力が、 ロックを回避し得るような制動力に調整され る。 なお、 アンチロックブレーキ制御における車両用ブ レーキシステム 1 〇の動作については 、 後述する。

[ 0 0 4 9 ]

<車両用ブレーキシステムの動作> 図 4〜図 7を参照して、 本発明の実施形態に係る車両用ブレーキシス テム 1 〇の動作に ついて説明する。

[ 0 0 5 0 ] 上述したように、 制御装置 7の実行部 7 2は、 アンチロックブレーキ制御を実行できる 。 以下、 制御装置 7が行うアンチロックブレーキ制御に関する 理について、 図 4のフ口 ーチャート等を参照して説明する。

[ 0 0 5 1 ] 図 4は、 制御装置 7が行う処理の流れの一例を示すフローチャ トである。 図 4におけ るステップ S 1 0 1は、 図 4に示される制御フローの開始に対応する。 図 4に示される制 御フローが開始された際には、 アンチロックブレーキ制御が実行されていな い状態となっ ている。

[ 0 0 5 2 ] 図 4に示される制御フローが開始されると、 ステップ S 1 0 2において、 実行部 7 2は 、 前輪 2のスリ ップ、 又は、 スリ ップの可能性が検知されたか否かを判定する 。 実行部 7 2 は、 例えば、 前輪車輪速センサ 4及び後輪車輪速センサ 5の検出結果を用いて、 前輪 2 のスリ ップ、 又は、 スリ ップの可能性を検知できる。

[ 0 0 5 3 ] 例えば、 実行部 7 2は、 前輪車輪速センサ 4及び後輪車輪速センサ 5の検出結果に基づ いて、 車両 1の車速を取得する。 そして、 実行部 7 2は、 前輪 2のスリ ップ率が目標スリ ップ率を超えた場合に、 前輪 2のスリップ、 又は、 スリ ップの可能性があると判定する。 つまり、 この場合が、 前輪 2のスリ ップ、 又は、 スリ ップの可能性が検知された場合に相 当する。 なお、 スリ ップ率は、 車輪が路面に対して滑っている度合いを示す 指標であり、 例えば、 車速と車輪速との差を車速で除算して得られ る値である。

[ 0 0 5 4 ] 前輪 2のスリ ップ、 又は、 スリ ップの可能性が検知されていないと判定され た場合 (ス テップ S ! 〇 2 / N O ) 、 ステップ S 1 0 2が繰り返される。 一方、 前輪 2のスリ ップ、 又は、 スリ ップの可能性が検知されたと判定された場合 (ステップ S ! 〇 2 / Y E S ) 、 ステップ S 1 〇 3に進み、 ステップ S 1 〇 3において、 実行部 7 2は、 アンチロツクブレ ーキ制御を実行する。

[ 0 0 5 5 ] アンチロックブレーキ制御では、 液圧制御ユニッ ト 6の各コンポーネントの動作が制御 されることによって、 前輪 2のホイールシリンダ 2 4のブレーキ液の圧力を減圧させる減 圧制御が行われる。 それにより、 前輪 2の制動力が、 ロックを回避し得るような制動力に 調整される。 なお、 詳細には、 アンチロックブレーキ制御では、 減圧制御と、 前輪 2のホ イールシリンダ 2 4のブレーキ液の圧力を保持する液圧保持制 と、 前輪 2のホイールシ リンダ 2 4のブレーキ液の圧力を増大させる増圧制御 が、 この順に繰り返し実行される 〇 アンチロックブレーキ制御の減圧制御の詳細 については、 後述する。 [ 0 0 5 6 ] ステップ S ! 〇 3の次に、 ステップ S 1 〇 4において、 実行部 7 2は、 アンチロックブ レーキ制御の終了条件が満たされたか否かを 判定する。 アンチロックブレーキ制御の終了 条件は、 前輪 2のロックが回避されたと判断できる条件で ればよく、 種々の条件が用い られ得る。

[ 0 0 5 7 ] アンチロックブレーキ制御の終了条件が満た されていないと判定された場合 (ステップ S 1 0 4 / N O ) 、 ステップ S 1 〇 3に戻る。 一方、 アンチロックブレーキ制御の終了条 件が満たされたと判定された場合 (ステップ S ! 〇 4 / Y E S ) 、 ステップ S 1 0 5に進 み、 ステップ S 1 0 5において、 実行部 7 2は、 アンチロックブレーキ制御を終了し、 ス テップ S ! 〇 2に戻る。

[ 0 0 5 8 ] 上述したように、 制御装置 7は、 アンチロックブレーキ制御において、 前輪 2のホイー ルシリンダ 2 4のブレーキ液の圧力を減圧させる減圧制御 実行する。 車両用ブレーキシ ステム 1 0では、 制御装置 7は、 前輪 2のスリ ップ、 又は、 スリ ップの可能性が検知され た場合に、 減圧制御として、 第 1ホイールシリンダ減圧制御及び第 2ホイールシリンダ減 圧制御の少なく とも一方を実行する。

[ 0 0 5 9 ] 図 5は、 第 1ホイールシリンダ減圧制御及び第 2ホイールシリンダ減圧制御のうち第 1 ホイールシリンダ減圧制御のみが実行されて いる場合の車両用ブレーキシステム 1 〇を示 す模式図である。

[ 0 0 6 0 ] 図 5に示されるように、 制御装置 7は、 第 1ホイールシリンダ減圧制御において、 第 1 込め弁 3 1 aを閉状態にして第 1弛め弁 3 2 aを開状態にする。 そして、 この状態で、 制 御装置 7は、 駆動源 3 5を駆動させる。 それにより、 第 1ポンプ 3 4 aが駆動され、 第 1 ホイールシリンダ 2 4 a、 2 4 cのブレーキ液の圧力が減少する。 ゆえに、 前輪 2に生じ る制動力が減少する。 第 1ホイールシリンダ減圧制御では、 第 1ホイールシリンダ 2 4 a 、 2 4 cから第 1アキュムレータ 3 3 aに流れ込んだブレーキ液が、 第 1ポンプ 3 4 aに よって、 第 1副流路 2 7 bを介して第 1主流路 2 7 aに戻される。

[ 0 0 6 1 ] 上記のように、 第 1ホイールシリンダ減圧制御は、 第 1込め弁 3 1 aを閉状態にして第 1 弛め弁 3 2 aを開状態にする減圧制御である。 第 1ホイールシリンダ減圧制御は、 駆動 源 3 5の駆動に伴って実行される。 なお、 駆動源 3 5の駆動の開始タイミングは、 第 1込 め弁 3 1 aを閉状態にして第 1弛め弁 3 2 aを開状態にするタイミングよりも前でもよ 、 一致してもよく、 後でもよい。

[ 0 0 6 2 ] 図 6は、 第 1ホイールシリンダ減圧制御及び第 2ホイールシリンダ減圧制御のうち第 2 ホイールシリンダ減圧制御のみが実行されて いる場合の車両用ブレーキシステム 1 〇を示 す模式図である。

[ 0 0 6 3 ] 図 6に示されるように、 制御装置 7は、 第 2ホイールシリンダ減圧制御において、 第 2 込め弁 3 1 bを閉状態にして第 2弛め弁 3 2 bを開状態にする。 そして、 この状態で、 制 御装置 7は、 駆動源 3 5を駆動させる。 それにより、 第 2ポンプ 3 4 bが駆動され、 第 2 ホイールシリンダ 2 4 bのブレーキ液の圧力が減少する。 ゆえに、 前輪 2に生じる制動力 が減少する。 第 2ホイールシリンダ減圧制御では、 第 2ホイールシリンダ 2 4 bから第 2 アキュムレータ 3 3 bに流れ込んだブレーキ液が、 第 2ポンプ 3 4 bによって、 第 2副流 路 2 8 を介して第 2主流路 2 8 aに戻される。

[ 0 0 6 4 ] 上記のように、 第 2ホイールシリンダ減圧制御は、 第 2込め弁 3 1 bを閉状態にして第 2 弛め弁 3 2 bを開状態にする減圧制御である。 第 2ホイールシリンダ減圧制御は、 駆動 源 3 5の駆動に伴って実行される。 なお、 駆動源 3 5の駆動の開始タイミングは、 第 2込 め弁 3 1 bを閉状態にして第 2弛め弁 3 2 を開状態にするタイミングよりも前でもよく 、 一致してもよく、 後でもよい。

[ 0 0 6 5 ] 図 7は、 第 1ホイールシリンダ減圧制御及び第 2ホイールシリンダ減圧制御の双方が実 行されている場合の車両用ブレーキシステム 1 〇を示す模式図である。

[ 0 0 6 6 ] 図 7に示されるように、 制御装置 7は、 前輪 2のスリ ップ、 又は、 スリ ップの可能性が 検知された場合に、 駆動源 3 5の駆動に伴って、 第 1ホイールシリンダ減圧制御及び第 2 ホイールシリンダ減圧制御の双方を実行して もよい。 この場合、 第 1ホイールシリンダ 2 4 a、 2 4 cのブレーキ液の圧力と、 第 2ホイールシリンダ 2 4 bのブレーキ液の圧力と がともに減少する。

[ 0 0 6 7 ] 制御装置 7は、 第 1ホイールシリンダ減圧制御及び第 2ホイールシリンダ減圧制御の実 行可否を種々の方法によって決定し得る。 以下、 第 1ホイールシリンダ減圧制御及び第 2 ホイールシリンダ減圧制御の実行可否の決定 に関する各種の例について説明する。

[ 0 0 6 8 ] 制御装置 7は、 前輪 2のスリ ップ、 又は、 スリ ップの可能性が検知された場合に、 駆動 源 3 5の駆動に伴って、 第 1ブレーキ操作部 1 1及び第 2ブレーキ操作部 1 3の操作状態 に基づかずに、 第 1ホイールシリンダ減圧制御及び第 2ホイールシリンダ減圧制御の双方 を実行してもよい。

[ 0 0 6 9 ] ここで、 制御装置 7は、 第 1マスタシリンダ圧センサ 3 6 aの検出結果を用いて、 第 1 ブレーキ操作部 1 1の操作状態を取得でき、 第 2マスタシリンダ圧センサ 3 6 bの検出結 果を用いて、 第 2ブレーキ操作部 1 3の操作状態を取得できる。 各ブレーキ操作部の操作 状態は、 例えば、 各ブレーキ操作部が操作されているか否かの 他に、 各ブレーキ操作部の 操作量がどの程度か等の状態を含み得る。

[ 0 0 7 0 ] しかしながら、 第 1マスタシリンダ圧センサ 3 6 a及び第 2マスタシリンダ圧センサ 3 6 bが設けられていない場合等には、 制御装置 7は、 第 1ブレーキ操作部 1 1及び第 2ブ レーキ操作部 1 3の操作状態を取得できない場合もある。 このような場合には、 どちらの ブレーキ操作部を用いたブレーキ操作によっ て前輪 2のスリ ップ、 又は、 スリ ップの可能 性が生じているのかを判断することが困難で ある。 ゆえに、 第 1ホイールシリンダ減圧制 御及び第 2ホイールシリンダ減圧制御の双方を実行す ことによって、 前輪 2のロックを 適切に回避できる。

[ 0 0 7 1 ] また、 制御装置 7は、 第 1ブレーキ操作部 1 1及び第 2ブレーキ操作部 1 3の操作状態 に基づいて、 第 1ホイールシリンダ減圧制御及び第 2ホイールシリンダ減圧制御の実行可 否を決定してもよい。

[ 0 0 7 2 ] 具体的には、 第 1ブレーキ操作部 1 1を用いたブレーキ操作が第 2ブレーキ操作部 1 3 を用いたブレーキ操作よりも優位にして行わ れている場合、 制御装置 7は、 第 1ホイール シリンダ減圧制御を許可して第 2ホイールシリンダ減圧制御を禁止してもよ 。 例えば、 制御装置 7は、 第 2ブレーキ操作部 1 3を用いたブレーキ操作が行われておらず、 第 1ブ レーキ操作部 1 1を用いたブレーキ操作のみが行われている 合に、 第 1ホイールシリン ダ減圧制御を許可して第 2ホイールシリンダ減圧制御を禁止してもよ 。 また、 例えば、 制御装置 7は、 第 1ブレーキ操作部 1 1の操作量が第 2ブレーキ操作部 1 3の操作量より も大きい場合に、 第 1ホイールシリンダ減圧制御を許可して第 2ホイールシリンダ減圧制 御を禁止してもよい。

[ 0 0 7 3 ] 一方、 第 2ブレーキ操作部 1 3を用いたブレーキ操作が第 1ブレーキ操作部 1 1を用い たブレーキ操作よりも優位にして行われてい る場合、 制御装置 7は、 第 2ホイールシリン ダ減圧制御を許可して第 1ホイールシリンダ減圧制御を禁止してもよ 。 例えば、 制御装 置 7は、 第 1ブレーキ操作部 1 1を用いたブレーキ操作が行われておらず、 第 2ブレーキ 操作部 1 3を用いたブレーキ操作のみが行われている 合に、 第 2ホイールシリンダ減圧 制御を許可して第 1ホイールシリンダ減圧制御を禁止してもよ 。 また、 例えば、 制御装 置 7は、 第 2ブレーキ操作部 1 3の操作量が第 1ブレーキ操作部 1 1の操作量よりも大き い場合に、 第 2ホイールシリンダ減圧制御を許可して第 1ホイールシリンダ減圧制御を禁 止してもよい。

[ 0 0 7 4 ] 第 1ホイールシリンダ減圧制御及び第 2ホイールシリンダ減圧制御の実行可否を上 の ように決定することによって、 第 1ブレーキ操作部 1 1を用いたブレーキ操作によって前 輪 2のスリ ップ、 又は、 スリ ップの可能性が生じている場合には、 第 1ホイールシリンダ 減圧制御のみによって前輪 2のロックを回避できる。 一方、 第 2ブレーキ操作部 1 3を用 いたブレーキ操作によって前輪 2のスリ ップ、 又は、 スリ ップの可能性が生じている場合 には、 第 2ホイールシリンダ減圧制御のみによって前 2のロックを回避できる。 それに より、 第 1ホイールシリンダ減圧制御及び第 2ホイールシリンダ減圧制御の双方が不要に 実行されることが抑制され、 減圧制御によるブレーキ操作部の振動の発生 等に起因してラ イダーの快適性が損なわれることが抑制され る。

[ 0 0 7 5 ] なお、 制御装置 7は、 第 1ブレーキ操作部 1 1及び第 2ブレーキ操作部 1 3の操作状態 以外の情報に基づいて、 第 1ホイールシリンダ減圧制御及び第 2ホイールシリンダ減圧制 御の実行可否を決定してもよい。 例えば、 制御装置 7は、 第 1ホイールシリンダ 2 4 a、 2 4 cによって前輪 2に付与される制動力 (具体的には、 推定値) と、 第 2ホイールシリ ンダ 2 4 bによって前輪 2に付与される制動力 (具体的には、 推定値) との比較結果に基 づいて、 第 1ホイールシリンダ減圧制御及び第 2ホイールシリンダ減圧制御の実行可否を 決定してもよい。 この場合において、 例えば、 制御装置 7は、 第 1ホイールシリンダ 2 4 a 、 2 4 cによって前輪 2に付与される制動力が第 2ホイールシリンダ 2 4 bによって前 輪 2に付与される制動力よりも大きい場合に、 第 1ホイールシリンダ減圧制御を許可して 第 2ホイールシリンダ減圧制御を禁止してもよ 。 一方、 制御装置 7は、 第 2ホイールシ リンダ 2 4 bによって前輪 2に付与される制動力が第 1ホイールシリンダ 2 4 a、 2 4 c によって前輪 2に付与される制動力よりも大きい場合に、 第 2ホイールシリンダ減圧制御 を許可して第 1ホイールシリンダ減圧制御を禁止してもよ 。

[ 0 0 7 6 ] また、 制御装置 7は、 第 1ホイールシリンダ 2 4 a、 2 4 cの数と第 2ホイールシリン ダ 2 4 bの数との大小関係に基づいて、 第 1ホイールシリンダ減圧制御と第 2ホイールシ リンダ減圧制御とのいずれを優先して実行す るかを決定してもよい。 上記の例では、 第 1 ホイールシリンダ 2 4 a、 2 4 cの数が 2つであり、 第 2ホイールシリンダ 2 4 bの数が 1 つである。 ゆえに、 第 1ホイールシリンダ 2 4 a、 2 4 cの数が第 2ホイールシリンダ 2 4 bの数よりも多い。

[ 0 0 7 7 ] このように、 第 1ホイールシリンダ 2 4 a、 2 4 cの数が第 2ホイールシリンダ 2 4 b の数よりも多い場合、 制御装置 7は、 第 1ホイールシリンダ減圧制御を第 2ホイールシリ ンダ減圧制御よりも優先して実行してもよい 。 例えば、 制御装置 7は、 前輪 2のスリ ップ 、 又は、 スリ ップの可能性が検知された場合に、 まず、 第 1ホイールシリンダ減圧制御を 実行する。 そして、 第 1ホイールシリンダ減圧制御のみによっては 輪 2のロックの回避 が困難である場合に限り、 第 1ホイールシリンダ減圧制御に加えて第 2ホイールシリンダ 減圧制御を実行する。

[ 0 0 7 8 ] ここで、 ホイールシリンダの数が多いほど、 発生可能な制動力が大きくなる。 ゆえに、 第 1ホイールシリンダ減圧制御と第 2ホイールシリンダ減圧制御とのいずれを優 して実 行するかを上記のように決定することによっ て、 第 1ホイールシリンダ減圧制御及び第 2 ホイールシリンダ減圧制御の一方のみによっ て前輪 2のロックを回避できる状況が生じ得 る。 それにより、 第 1ホイールシリンダ減圧制御及び第 2ホイールシリンダ減圧制御の双 方が不要に実行されることが抑制され、 減圧制御によるブレーキ操作部の振動の発生 等に 起因してライダーの快適性が損なわれること が抑制される。

[ 0 0 7 9 ] 上記では、 第 1ホイールシリンダ減圧制御を第 2ホイールシリンダ減圧制御よりも優先 して実行する場合の一例として、 制御装置 7が第 1ホイールシリンダ減圧制御を第 2ホイ ールシリンダ減圧制御よりも早期に実行する 例を説明した。 ただし、 第 1ホイールシリン ダ減圧制御を第 2ホイールシリンダ減圧制御よりも優先して 行する制御は、 この例に限 定されない。 例えば、 第 1ホイールシリンダ減圧制御を第 2ホイールシリンダ減圧制御よ りも優先して実行する場合において、 制御装置 7は、 第 1ホイールシリンダ減圧制御にょ る第 1ホイールシリンダ 2 4 a、 2 4 cのブレーキ液の圧力の減少量を、 第 2ホイールシ リンダ減圧制御による第 2ホイールシリンダ 2 4 bのブレーキ液の圧力の減少量よりも大 きく してもよい。

[ 0 0 8 0 ] なお、 上記の例と異なり、 第 2ホイールシリンダの数が第 1ホイールシリンダの数より 多い場合には、 制御装置 7は、 第 2ホイールシリンダ減圧制御を第 1ホイールシリンダ減 圧制御よりも優先して実行してもよい。

[ 0 0 8 1 ] 上記では、 液圧制御ユニッ ト 6が前輪 2及び後輪 3のうちの一方の車輪である前輪 2に 生じる制動力を制御する例について説明した 。 ただし、 液圧制御ユニッ ト 6が前輪 2及び 後輪 3のうち後輪 3に生じる制動力を制御してもよい。 この場合には、 後輪 3のホイール シリンダ 2 6が複数設けられる。 第 1マスタシリンダ 2 1 a及び第 2マスタシリンダ 2 1 b は、 上記の例と同様に、 液圧制御ユニッ ト 6 と接続される。 液圧制御ユニッ ト 6は、 後 輪 3の複数のホイールシリンダ 2 6と接続される。 そして、 第 1マスタシリンダ 2 l a及 び第 2マスタシリンダ 2 1 bのうち、 前輪 2用のマスタ室に相当する第 1マスタシリンダ 2 1 aは、 液圧制御ユニッ ト 6を介さずに、 前輪 2のホイールシリンダ 2 4と接続される 。 ゆえに、 第 1マスタシリンダ 2 1 aを含む前輪制動機構 1 2が前輪 2及び後輪 3の双方 を制動し、 第 2マスタシリンダ 2 1 bを含む後輪制動機構 1 4が前輪 2及び後輪 3のうち の後輪 3のみを制動する。

[ 0 0 8 2 ] 上記では、 図 2等を参照して、 液圧制御ユニッ ト 6の第 1流路 2 7及び第 2流路 2 8の 構成の例を説明した。 ただし、 第 1流路 2 7及び第 2流路 2 8の構成は、 上記の例に限定 されない。 例えば、 第 1流路 2 7が、 第 1マスタシリンダ 2 1 aのブレーキ液を第 1副流 路 2 7 における第 1弛め弁 3 2 a と第 1ポンプ 3 4 aの間に供給する供給流路をさらに 含んでもよい。 また、 第 2流路 2 8が、 第 2マスタシリンダ 2 1 bのブレーキ液を第 2副 流路 2 8 bにおける第 2弛め弁 3 2 bと第 2ポンプ 3 4 bの間に供給する供給流路をさら に含んでもよい。

[ 0 0 8 3 ]

<車両用ブレーキシステムの効果> 本発明の実施形態に係る車両用ブレーキシス テム 1 〇の効果について説明する。

[ 0 0 8 4 ] 車両用ブレーキシステム 1 〇は、 車両 1に生じる制動力を制御する液圧制御ユニッ ト 6 と、 少なく とも車両 1の前輪 2のホイールシリンダ 2 4と連通する前輪 2用のマスタ室で ある第 1マスタ室に相当する第 1マスタシリンダ 2 1 a と、 少なく とも車両 1の後輪 3の ホイールシリンダ 2 6 と連通する後輪 3用のマスタ室である第 2マスタ室に相当する第 2 マスタシリンダ 2 1 b とを備える。 車両用ブレーキシステム 1 〇において、 液圧制御ユニ ッ ト 6は、 前輪 2及び後輪 3のうちの一方の車輪である前輪 2に生じる制動力を制御し、 第 1マスタシリンダ 2 1 a及び第 2マスタシリンダ 2 1 bは、 液圧制御ユニッ ト 6と接続 され、 第 1マスタシリンダ 2 1 a及び第 2マスタシリンダ 2 1 bのうち、 前輪 2及び後輪 3 のうちの他方の車輪である後輪 3用のマスタ室に相当する第 2マスタシリンダ 2 1 bは 、 液圧制御ユニッ ト 6を介さずに、 上記の他方の車輪である後輪 3のホイールシリンダ 2 6 と接続される。

[ 0 0 8 5 ] それにより、 前輪 2に生じる制動力と、 後輪 3に生じる制動力とをそれぞれ制御できる ようにする場合と比較して、 液圧制御ユニッ ト 6のコンポーネントの数の増大等を抑制で きる。 例えば、 前輪 2に生じる制動力と、 後輪 3に生じる制動力とをそれぞれ制御できる ようにする場合には、 上記の他方の車輪である後輪 3のホイールシリンダ 2 6のブレーキ 液の圧力の減圧等を行うためのコンポーネン トが液圧制御ユニッ ト 6に設けられる。 一方 、 本実施形態では、 そのようなコンポーネントが不要となる。 ゆえに、 コス トの増大を抑 制することができる。

[ 0 0 8 6 ] ただし、 上述したように、 上記の一方の車輪が後輪 3であって、 上記の他方の車輪が前 輪 2であってもよい。 その場合にも、 上記と同様の効果が奏される。

[ 0 0 8 7 ] 好ましくは、 車両用ブレーキシステム 1 0において、 液圧制御ユニッ ト 6は、 一方の車 輪に相当する前輪 2のホイールシリンダ 2 4である第 1ホイールシリンダ 2 4 a、 2 4 c 及び第 2ホイールシリンダ 2 4 b と接続され、 液圧制御ユニッ ト 6には、 第 1マスタ室に 相当する第 1マスタシリンダ 2 1 a と第 1ホイールシリンダ 2 4 a、 2 4 c とを連通する 第 1流路 2 7と、 第 1流路 2 7に設けられる第 1ポンプ 3 4 a と、 第 2マスタ室に相当す る第 2マスタシリンダ 2 1 bと第 2ホイールシリンダ 2 4 b とを連通する第 2流路 2 8と 、 第 2流路 2 8に設けられる第 2ポンプ 3 4 と、 制御装置 7によって動作が制御され、 第 1ポンプ 3 4 a及び第 2ポンプ 3 4 bの両方を駆動する共通の駆動源 3 5とが設けられ る。 それにより、 共通の駆動源 3 5を駆動させることによって、 第 1流路 2 7及び第 2流 路 2 8の両方においてブレーキ液を各ポンプによ 送出できる。 ゆえに、 共通の駆動源 3 5 を用いて、 第 1ホイールシリンダ 2 4 a、 2 4 c及び第 2ホイールシリンダ 2 4 bの両 方について、 ブレーキ液の圧力を制御できる。

[ 0 0 8 8 ] 好ましくは、 車両用ブレーキシステム 1 〇において、 第 1流路 2 7は、 第 1マスタ室に 相当する第 1マスタシリンダ 2 1 a と第 1ホイールシリンダ 2 4 a、 2 4 c とを連通し、 第 1込め弁 3 1 aが設けられる第 1主流路 2 7 a と、 第 1ホイールシリンダ 2 4 a、 2 4 c のブレーキ液を第 1主流路 2 7 aの途中部 P !に逃がし、 第 1弛め弁 3 2 aが設けられ る第 1副流路 2 7 bとを含み、 第 2流路 2 8は、 第 2マスタ室に相当する第 2マスタシリ ンダ 2 1 bと第 2ホイールシリンダ 2 4 b とを連通し、 第 2込め弁 3 1 bが設けられる第 2 主流路 2 8 a と、 第 2ホイールシリンダ 2 4 bのブレーキ液を第 2主流路 2 8 aの途中 部 P 2に逃がし、 第 2弛め弁 3 2 bが設けられる第 2副流路 2 8 bとを含む。 それにより 、 第 1ホイールシリンダ 2 4 a、 2 4 c及び第 2ホイールシリンダ 2 4 bの両方について 、 ブレーキ液の圧力を減圧させる減圧制御を実 行することができる。

[ 0 0 8 9 ] 好ましくは、 車両用ブレーキシステム 1 0において、 制御装置 7は、 上記の一方の車輪 である前輪 2のスリ ップ、 又は、 スリップの可能性が検知された場合、 駆動源 3 5の駆動 に伴って、 第 1込め弁 3 1 aを閉状態にして第 1弛め弁 3 2 aを開状態にする第 1ホイー ルシリンダ減圧制御、 及び、 第 2込め弁 3 1 bを閉状態にして第 2弛め弁 3 2 bを開状態 にする第 2ホイールシリンダ減圧制御の少なく とも一方を実行する。 それにより、 前輪 2 のホイールシリンダ 2 4のブレーキ液の圧力を減圧させ、 前輪 2に生じる制動力を減少さ せることができ、 前輪 2のロックを回避できる。

[ 0 0 9 0 ] 好ましくは、 車両用ブレーキシステム 1 0は、 第 1マスタ室に相当する第 1マスタシリ ンダ 2 1 aに付設される第 1ブレーキ操作部 1 1 と、 第 2マスタ室に相当する第 2マスタ シリンダ 2 1 bに付設される第 2ブレーキ操作部 1 3とを備え、 制御装置 7は、 上記の一 方の車輪である前輪 2のスリ ップ、 又は、 スリ ップの可能性が検知された場合、 駆動源 3 5 の駆動に伴って、 第 1ブレーキ操作部 1 1及び第 2ブレーキ操作部 1 3の操作状態に基 づかずに、 第 1ホイールシリンダ減圧制御及び第 2ホイールシリンダ減圧制御の双方を実 行する。 それにより、 第 1マスタシリンダ圧センサ 3 6 a及び第 2マスタシリンダ圧セン サ 3 6 bが設けられていない場合等においても、 前輪 2のロツクを適切に回避できる。

[ 0 0 9 1 ] 好ましくは、 車両用ブレーキシステム 1 0は、 第 1マスタ室に相当する第 1マスタシリ ンダ 2 1 aに付設される第 1ブレーキ操作部 1 1 と、 第 2マスタ室に相当する第 2マスタ シリンダ 2 1 bに付設される第 2ブレーキ操作部 1 3とを備え、 制御装置 7は、 第 1ブレ ーキ操作部 1 1及び第 2ブレーキ操作部 1 3の操作状態に基づいて、 第 1ホイールシリン ダ減圧制御及び第 2ホイールシリンダ減圧制御の実行可否を決 する。 それにより、 第 1 ホイールシリンダ減圧制御及び第 2ホイールシリンダ減圧制御の双方が不要に 行される ことが抑制され、 減圧制御によるブレーキ操作部の振動の発生 等に起因してライダーの快 適性が損なわれることが抑制される。

[ 0 0 9 2 ] 好ましくは、 車両用ブレーキシステム 1 〇において、 制御装置 7は、 第 1ブレーキ操作 部 1 1を用いたブレーキ操作が第 2ブレーキ操作部 1 3を用いたブレーキ操作よりも優位 にして行われている場合、 第 1ホイールシリンダ減圧制御を許可して第 2ホイールシリン ダ減圧制御を禁止し、 第 2ブレーキ操作部 1 3を用いたブレーキ操作が第 1ブレーキ操作 部 ! 1を用いたブレーキ操作よりも優位にして行 れている場合、 第 2ホイールシリンダ 減圧制御を許可して第 1ホイールシリンダ減圧制御を禁止する。 それにより、 第 1ホイー ルシリンダ減圧制御及び第 2ホイールシリンダ減圧制御の双方が不要に 行されることが より適切に抑制され、 減圧制御によるブレーキ操作部の振動の発生 等に起因してライダー の快適性が損なわれることがより適切に抑制 される。

[ 0 0 9 3 ] 好ましくは、 車両用ブレーキシステム 1 0において、 制御装置 7は、 第 1ホイールシリ ンダ 2 4 a、 2 4 cの数と第 2ホイールシリンダ 2 4 bの数との大小関係に基づいて、 第 1 ホイールシリンダ減圧制御と第 2ホイールシリンダ減圧制御とのいずれを優 して実行 するかを決定する。 それにより、 第 1ホイールシリンダ減圧制御及び第 2ホイールシリン ダ減圧制御の一方のみによって前輪 2のロックを回避できる状況が生じ得る。 ゆえに、 第 1 ホイールシリンダ減圧制御及び第 2ホイールシリンダ減圧制御の双方が不要に 行され ることが抑制され、 減圧制御によるブレーキ操作部の振動の発生 等に起因してライダーの 快適性が損なわれることが抑制される。

[ 0 0 9 4 ] 好ましくは、 車両用ブレーキシステム i oにおいて、 車両 1は、 モータサイクルである 。 それにより、 モータサイクルに搭載される車両用ブレーキ システム 1 0のコス トの増大 を抑制することができる。 さらに、 モータサイクルでは、 四輪の自動車等と比較して、 液 圧制御ユニッ ト 6の搭載スペースが限られているので、 液圧制御ユニッ ト 6の構成が簡易 化され、 液圧制御ユニッ ト 6が小型化されることで、 液圧制御ユニッ ト 6の配置の自由度 が向上する。

[ 0 0 9 5 ] 好ましくは、 車両 1がモータサイクルである場合において、 上記の一方の車輪は、 前輪 2 である。 モータサイクルでは、 前輪 2に生じる制動力が、 後輪 3に生じる制動力に比べ て基本的に大きい。 ゆえに、 前輪 2のロックを回避する必要性が高い。 ゆえに、 液圧制御 ユニッ ト 6によって前輪 2に生じる制動力を制御することによって、 モータサイクノレの挙 動を安定化できる。

[ 0 0 9 6 ] 本発明は実施形態の説明に限定されない。 例えば、 実施形態の一部のみが実施されても よい

【符号の説明】

[ 0 0 9 7 ]

1 車両、 2 前輪、 2 a ロータ、 3 後輪、 3 a ロータ、 4 前輪車輪速センサ 、 5 後輪車輪速センサ、 6 液圧制御ユニッ ト、 6 a 基体、 7 制御装置、 1 0 車 両用ブレーキシステム、 1 1 第 1ブレーキ操作部、 1 2 前輪制動機構、 1 3 第 2ブ レーキ操作部、 1 4 後輪制動機構、 2 1 a 第 1マスタシリンダ、 2 1 b 第 2マスタ シリンダ、 2 2 a 第 1 リザーバ、 2 2 b 第 2 リザーバ、 2 3 ブレーキキャリパ、 2 4 ホイールシリンダ、 2 4 a 第 1ホイールシリンダ、 2 4 b 第 2ホイールシリンダ 、 2 4 c 第 1ホイールシリンダ、 2 5 ブレーキキャリパ、 2 6 ホイールシリンダ、 2 7 第 1流路、 2 7 a 第 1主流路、 2 7 b 第 1副流路、 2 8 第 2流路、 2 8 a 第 2主流路、 2 8 b 第 2副流路、 3 1 a 第 1込め弁、 3 1 第 2込め弁、 3 2 a 第 1弛め弁、 3 2 b第 2弛め 弁、 3 3 a 第 1アキュムレータ、 3 3 b 第 2アキュム レータ、 3 4 a 第 1ポンプ、 3 4 b 第 2ポンプ、 3 5 駆動源、 3 6 a 第 1マスタ シリンダ圧センサ、 3 6 b 第 2マスタシリンダ圧センサ、 7 1 取得部、 7 2 実行部 、 P ! 途中部、 P 2 途中部。