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Patent Searching and Data


Title:
VEHICLE BRAKING SYSTEM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/117660
Kind Code:
A1
Abstract:
Intended is to prevent the operation feel of a brake pedal from becoming worse. Provided is a vehicle braking system equipped with an electric motor (30) for generating a wheel driving force or a regenerative wheel braking force. The vehicle braking system comprises mechanical wheel braking force generating means having a working fluid pressure adjusting unit (or a brake actuator (67)) for transmitting the pressure of the working fluid, as generated by the transmission of the operation pressure of the driver on a brake pedal (63), either as it is or as increased/decreased, to individual wheels (10FL, 10FR, 10RL and 10RR), thereby to generate a mechanical wheel braking force. Further comprised is external braking force generating means (or running resistance generating means (90)) for causing an external braking force other than the regenerative vehicle braking force by the electric motor (30) and the mechanical vehicle braking force by the mechanical wheel braking force generating means, to act on the vehicle. Still further comprised is brake control means (or a synthetic ECU (70) and a running resistance varying ECU (91)) for compensating the braking force corresponding to the drop of the conversion efficiency of the electric motor (30) into an electric energy, with the external braking force so as to satisfy the required vehicle braking force of the driver at the dropping time of the conversion efficiency.

Inventors:
OHBAYASHI MOTONARI (JP)
MAKI KAZUYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/054408
Publication Date:
October 02, 2008
Filing Date:
March 11, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOYOTA MOTOR CO LTD (JP)
OHBAYASHI MOTONARI (JP)
MAKI KAZUYA (JP)
International Classes:
B60T8/17; B60K6/44; B60L7/10; B60L7/24; B60L7/26; B60L50/16; B60W20/00
Foreign References:
JPH1198608A1999-04-09
JPH1023603A1998-01-23
JPH0999820A1997-04-15
Attorney, Agent or Firm:
SAKAI, Hiroaki (Kasumigaseki Building2-5, Kasumigaseki 3-chom, Chiyoda-ku Tokyo 20, JP)
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Claims:
 車輪に回生制動による第1車輪制動力を作用させる第1車輪制動力発生手段と、運転者によるブレーキペダルへの操作圧力が伝わって発生した作動流体の圧力を調圧し、該圧力を夫々の前記車輪へと伝達させて当該車輪に第2車輪制動力を作用させる第2車輪制動力発生手段と、を備え、運転者の前記ブレーキペダルの操作に応じた要求車輪制動力を前記第1車輪制動力と前記第2車輪制動力とによって前記車輪に作用させる車輌の制動装置において、
 前記第1車輪制動力と前記第2車輪制動力以外の第3車輪制動力を前記車輪に作用させる第3車輪制動力発生手段と、前記第1車輪制動力を前記車輪に作用させている状況下で回生制動時の電気エネルギへの変換効率が低下して当該第1車輪制動力が減少したときに、該第1車輪制動力の減少分に相当する制動力を前記第3車輪制動力発生手段の第3車輪制動力で補填させる制動制御手段と、
 を備えたことを特徴とする車輌の制動装置。
 前記制動制御手段は、前記第2車輪制動力発生手段を制御して前記第2車輪制動力により車輌に生じる制動力を一定に保持させるよう構成したことを特徴とする請求項1記載の車輌の制動装置。
 前記第3車輪制動力発生手段は、前記車輪にエンジンブレーキを作用させるエンジンブレーキ制御手段とオルタネータと前記車輪に制動力として作用する走行抵抗を発生させる走行抵抗発生手段の内の少なくとも1つであり、
 前記制動制御手段は、前記第3車輪制動力発生手段がエンジンブレーキ制御手段であればエンジンブレーキトルクを発生又は増加させ、前記第3車輪制動力発生手段がオルタネータであれば当該オルタネータを駆動させ又は発電量若しくは充電量を増加させ、前記第3車輪制動力発生手段が走行抵抗発生手段であれば走行抵抗を増加させるように構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の車輌の制動装置。
 前記制動制御手段は、前記第3車輪制動力発生手段と前記第1車輪制動力発生手段を制御し、車速の低下に従って前記第3車輪制動力による前記車輌への制動力を減少させると共に当該第3車輪制動力により減少した車輌への制動力に応じて前記第1車輪制動力による前記車輌への制動力を増加させるよう構成したことを特徴とする請求項1,2又は3に記載の車輌の制動装置。
Description:
車輌の制動装置

 本発明は、車輪駆動力又は回生車輪制動 を発生させる電動機を備えた車輌の制動装 に関する。

 従来、駆動源としての電動機を備えた車 について種々知られている。一般に、この の車輌においては、夫々の車輪に油圧の力 車輪制動力(油圧車輪制動力)を発生させる 圧車輪制動力発生手段(所謂油圧ブレーキシ テム)と、駆動輪に回生車輪制動力を発生さ せるべく発電機として作動可能な電動機と、 によって制動装置が構築されている。通常、 このような制動装置においては、運転者のブ レーキペダルの操作に応じた要求車輌制動力 を車輌に働かせるように油圧車輪制動力と回 生車輪制動力とが調節される。従って、その 油圧車輪制動力発生手段には、運転者による ブレーキペダルへの操作圧力が伝わって発生 した油圧をそのまま又は増減して夫々の車輪 に伝達させる作動流体圧力調節部(所謂ブレ キアクチュエータ)が用意されている。

 例えば、かかる車輌としては、前輪をエ ジン(原動機)で駆動させ、後輪をモータ(電 機)で駆動させる下記の特許文献1に開示さ たハイブリッド車輌がある。また、下記の 許文献2には、前輪と後輪の内の一方をエン ン(原動機)で駆動し、その内の他方をモー (電動機)で駆動するハイブリッド車輌につい て開示されている。

 尚、下記の特許文献3には、エンジンで駆 動される車輌において、後輪先ロックを回避 すべく前輪にエンジンブレーキを働かせて前 輪の制動力を増加させる技術について開示さ れている。また、下記の特許文献4には、回 制動力とエンジンブレーキ力の和が所定の 又は運転者の要求制動力を上回らない範囲 回生発電量が最大となるように変速手段の 速比又は変速点の制御を行う技術が開示さ ている。

特開2001-234774号公報

特開2004-52625号公報

特開2005-145430号公報

特開2003-74685号公報

 ところで、電動機は、その特性として、 る時点から高回転になればなるほど軸出力 ルクの最大値が低下していく傾向にある。 まり、電動機が発生させることのできる回 制動力の最大値は、図6に示す如く、その特 性に応じた高車速域で車速が高くなるにつれ て低下していってしまう。従って、従来の制 動装置においては、その高車速域でも要求車 輌制動力を発生させる為に、全て又は幾つか の車輪の油圧車輪制動力を増加させ、図6に す如く、回生車輌制動力の減少分に相当す 油圧車輌制動力を車輌に働かせなければな ない。

 しかしながら、運転者の負担(運転者によ るブレーキペダルのペダル踏力の増大等)を やすことなく油圧車輌制動力を増加させる には作動流体圧力調節部を駆動させる必要 あり、その際には、ブレーキ液が油圧調節 から車輪側に供給されるので、その作動流 圧力調節部よりも上流の油路に発生した負 によってブレーキペダルが吸い込まれてし う。つまり、高車速域において回生車輌制 力の減少分を油圧車輌制動力で補ったとき は、運転者がペダル踏力を増していないに 拘わらずブレーキペダルが足から離れて奥 と入り込んでしまう。

 一方、その高車速域においては、図6に示 すように車速が低下するにつれて電動機の発 生させ得る回生車輌制動力の最大値が大きく なっていく。例えば、その際にバッテリの蓄 電残存量が少なくなっているときには、可能 な限り大きな回生車輌制動力を発生させ、そ のバッテリの蓄電量を早めに増やしておくべ きである。従って、そのときには、最大の回 生車輌制動力が働くように電動機の駆動制御 を行うことが望ましい。

 しかしながら、従来の制動装置において 、そのときに要求車輌制動力よりも大きな 動力が車輌に働いてしまうので油圧車輌制 力を減少させるが、その際には、車輪側の レーキ液が作動流体圧力調節部側に戻され ので、その作動流体圧力調節部よりも上流 油路の油圧が増加してブレーキペダルを押 出してしまう。つまり、高車速域の制動中 おいて車速が低下した際に回生車輌制動力 増加させたときには、運転者の踏んでいる レーキペダルが押し戻されてしまう。

 このように、従来の制動装置は、所定の 車速域において油圧車輌制動力の変動が油 を介してブレーキペダルに伝わり、そのブ ーキペダルの吸い込みや押し戻しが起きる で、運転者によるブレーキペダルの操作感 悪化を招いてしまう。

 そこで、本発明は、かかる従来例の有す 不都合を改善し、回生制動を行う電動機を えた車輌においてブレーキペダルの操作感 悪化を防ぐことのできる車輌の制動装置を 供することを、その目的とする。

 上記目的を達成する為、請求項1記載の発 明では、車輪に回生制動による第1車輪制動 を作用させる第1車輪制動力発生手段と、運 者によるブレーキペダルへの操作圧力が伝 って発生した作動流体の圧力を調圧し、こ 圧力を夫々の車輪へと伝達させて当該車輪 第2車輪制動力を作用させる第2車輪制動力 生手段と、を備え、運転者のブレーキペダ の操作に応じた要求車輪制動力を前記第1車 制動力と前記第2車輪制動力とによって車輪 に作用させる車輌の制動装置において、その 第1車輪制動力と第2車輪制動力以外の第3車輪 制動力を車輪に作用させる第3車輪制動力発 手段と、第1車輪制動力を車輪に作用させて る状況下で回生制動時の電気エネルギへの 換効率が低下して当該第1車輪制動力が減少 したときに、この第1車輪制動力の減少分に 当する制動力を第3車輪制動力発生手段の第3 車輪制動力で補填させる制動制御手段と、を 備えている。

 この請求項1記載の車輌の制動装置は、第 1車輪制動力発生手段のエネルギ変換効率の 下が起きたときに作動流体圧力の変動が抑 られるので、ブレーキペダルの吸い込みや し戻しの発生を防ぐことができる。

 ここで、その制動制御手段は、請求項2記 載の発明の如く、第2車輪制動力発生手段を 御して第2車輪制動力により車輌に生じる制 力を一定に保持させるよう構成することが ましい。これにより、この請求項2記載の車 輌の制動装置は、作動流体圧力の変動を回避 できるので、ブレーキペダルの吸い込みや押 し戻しの発生を的確に防ぐことができる。

 また、請求項3記載の発明の如く、第3車 制動力発生手段は、車輪にエンジンブレー を作用させるエンジンブレーキ制御手段と ルタネータと車輪に制動力として作用する 行抵抗を発生させる走行抵抗発生手段の内 少なくとも1つで構成することができる。そ て、制動制御手段は、その第3車輪制動力発 生手段がエンジンブレーキ制御手段であれば エンジンブレーキトルクを発生又は増加させ 、その第3車輪制動力発生手段がオルタネー であれば当該オルタネータを駆動させ又は 電量若しくは充電量を増加させ、その第3車 制動力発生手段が走行抵抗発生手段であれ 走行抵抗を増加させるように構成すること できる。

 また、制動制御手段は、請求項4記載の発 明の如く、第3車輪制動力発生手段と第1車輪 動力発生手段を制御し、車速の低下に従っ 第3車輪制動力による車輌への制動力を減少 させると共に当該第3車輪制動力により減少 た車輌への制動力に応じて第1車輪制動力に る車輌への制動力を増加させるよう構成す ことが好ましい。これにより、この請求項4 記載の車輌の制動装置においては、要求車輌 制動力を満足させながら、更に、ブレーキペ ダルの押し戻しを防ぎながらも第1車輪制動 発生手段のエネルギ回収効率を高めること できる。

 本発明に係る車輌の制動装置は、第1車輪 制動力発生手段のエネルギ変換効率が低下し てもその低下分に相当する制動力を第1車輪 動力や第2車輪制動力とは異なる別の第3車輪 制動力で補い、これにより第2車輪制動力を 生させる作動流体圧力の変動が抑制される で、ブレーキペダルの吸い込みや押し戻し 発生を防ぐことができ、運転者によるブレ キペダルの操作感の悪化の回避が可能にな 。

図1は、本発明に係る車輌の制動装置の 構成を示すブロック図である。 図2は、実施例1の制動装置の動作につ て説明するフローチャートである。 図3は、車速に応じた運転者による要求 車輌制動力と要求油圧車輌制動力と回生車輌 制動力と要求外的車輌制動力との関係の一例 を示す図である。 図4は、車速に応じた運転者による要求 車輌制動力と要求油圧車輌制動力と回生車輌 制動力と要求外的車輌制動力との関係の他の 例を示す図である。 図5は、実施例2の制動装置の動作につ て説明するフローチャートである。 図6は、従来の車速に応じた運転者によ る要求車輌制動力と要求油圧車輌制動力と回 生車輌制動力との関係の一例を示す図である 。

符号の説明

 10FL,10FR,10RL,10RR 車輪
 20 原動機
 21 原動機ECU
 22 オルタネータ
 30 電動機
 31 電動機ECU
 40 変速機
 41 変速機ECU
 42 クラッチ
 61FL,61FR,61RL,61RR 油圧制動手段
 62FL,62FR,62RL,62RR,66 油圧配管
 63 ブレーキペダル
 64 制動倍力手段
 65 マスタシリンダ
 67 ブレーキアクチュエータ
 68 油圧制動ECU
 70 総合ECU
 81 ペダル踏力センサ
 82 車速センサ
 90 走行抵抗発生手段
 91 走行抵抗可変ECU

 以下に、本発明に係る車輌の制動装置の 施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚 この実施例によりこの発明が限定されるも ではない。

 本発明に係る車輌の制動装置の実施例1を 図1から図4に基づいて説明する。

 最初に、本実施例1の制動装置の適用対象 となる車輌の一例を図1に基づいて説明する この図1に示す車輌は、前輪10FL,10FRを内燃機 等の原動機20で駆動させ、後輪10RL,10RRを電 機30で駆動させる所謂ハイブリッド車輌であ る。

 先ず、このハイブリッド車輌においては 原動機20の動作を制御する電子制御装置(以 、「原動機ECU」という。)21が用意されてお 、この原動機ECU21によって原動機20の始動制 御や出力制御等が実行される。例えば、原動 機20がガソリン燃料で動く内燃機関であれば この原動機20は、その原動機ECU21によって吸 入空気量や燃料噴射量、点火時期等が制御さ れ、要求値に応じた軸出力トルクを発生させ る。このハイブリッド車輌においては、その 軸出力トルクが差動装置も含む変速機(所謂 ランスアクスル)40を介して前輪10FL,10FRに伝 される。この変速機40は、有段無段を問わぬ 自動変速機や自動変速モード付きの手動変速 機等の様な変速比を自動で変更できるもので あり、その変速動作を制御する電子制御装置 (以下、「変速機ECU」という。)41によって要 値に応じた変速段又は変速比への変速制御 実行される。

 尚、近年においては原動機ECU21に変速機EC U41の機能を持たせて統合させることがあるの で、かかる場合には、原動機ECU21によって変 機40の変速制御が実行される。

 更に、このハイブリッド車輌においては 電動機30の動作を制御する電子制御装置(以 、「電動機ECU」という。)31が用意されてお 、この電動機ECU31によって電動機30の軸出力 制御が実行される。一般に、電動機30は出力 能な軸出力の最大値が決められているので その電動機ECU31は、その最大値までの範囲 で要求値に応じた軸出力を発生させるよう 電動機30の駆動制御を行う。この電動機30は 図1に示す高電圧バッテリ50からの供給電力 発電時のオルタネータ22からの供給電力に って駆動する。ここでは、これ1つで左右夫 の後輪10RL,10RRに駆動力を発生させる電動機3 0について例示する。これが為、この車輌に 、その電動機30の軸出力トルクを減速して左 右夫々の後輪10RL,10RRに伝える動力伝達手段32 用意されている。例えば、この動力伝達手 32は、減速ギヤやディファレンシャルギヤ 備えている。

 ここで、本実施例1の電動機(第1車輪制動 発生手段)30は、発電機として作動させるこ によって運動エネルギを電気エネルギに変 し、後輪10RL,10RRに回生車輪制動力(第1車輪 動力)を発生させることができる。つまり、 こでは、その電動機30が本車輌の制動装置 一端を担っている。従って、電動機ECU31は、 制動要求時等、後輪10RL,10RRに制動力を働かせ る必要があるときに、電動機30を発電機とし 作動させ、その後輪10RL,10RRに対して回生車 制動力を働かせることができる。その際に 生した電力は、高電圧バッテリ50に蓄電さ る。尚、その高電圧バッテリ50にはオルタネ ータ22からの供給電力も蓄電され、そのオル ネータ22の供給電力は、図1に示す低電圧バ テリ51にも蓄電される。その低電圧バッテ 51の電力は、例えば、原動機20のスタータを 動させる際に使用される。

 本車輌の制動装置は、上述した回生制動 の電動機30だけでなく、一般的な車輌に搭 されている制動力発生手段{即ち、全ての車 10FL,10FR,10RL,10RRに機械的な車輪制動力(第2車 制動力)を働かせる機械車輪制動力発生手段 (第2車輪制動力発生手段)}も備えている。例 ば、本実施例1の機械車輪制動力発生手段と ては、油圧の力により夫々の車輪10FL,10FR,10R L,10RRに機械的な制動トルクを付与して機械車 輪制動力を発生させる所謂油圧ブレーキを例 示する。これが為、以下においては、この機 械車輪制動力発生手段を「油圧車輪制動力発 生手段」といい、この油圧車輪制動力発生手 段により発生させられた機械車輪制動力を「 油圧車輪制動力」という。

 具体的に、ここで例示する油圧車輪制動 発生手段は、夫々の車輪10FL,10FR,10RL,10RRに配 設したキャリパーやブレーキパッド、ディス クロータ等からなる油圧制動手段61FL,61FR,61RL, 61RRと、これら各油圧制動手段61FL,61FR,61RL,61RR キャリパーに対して各々に油圧(即ち、ブレ ーキ液)を供給する油圧配管62FL,62FR,62RL,62RRと 運転者により操作されるブレーキペダル63 、このブレーキペダル63に入力された運転者 の操作圧力(ペダル踏力)を倍化させる制動倍 手段(ブレーキブースタ)64と、この制動倍力 手段64により倍化されたペダル踏力を作動流 たるブレーキ液の液圧(油圧)へと変換する スタシリンダ65と、その変換された油圧配管 66内の油圧をそのまま又は調節して各油圧配 62FL,62FR,62RL,62RRに伝える作動流体圧力調節部 (以下、「ブレーキアクチュエータ」という )67と、を備えている。

 本実施例1においては、夫々の油圧配管62F L,62FR,62RL,62RRの油圧を個別に調節可能なブレ キアクチュエータ67について例示する。つま り、本実施例1の制動装置においては、各々 車輪10FL,10FR,10RL,10RRに対して夫々独立した大 さの油圧車輪制動力を発生させることがで る。例えば、そのブレーキアクチュエータ6 7は、オイルリザーバ,オイルポンプ,夫々の油 圧配管62FL,62FR,62RL,62RRの油圧を各々に増減す 為の増減圧制御弁の如き種々の弁装置等を み、その弁装置等を電子制御装置(油圧制動E CU)68に駆動制御させることによって所謂ABS制 やブレーキアシスト制御等が行われるよう 構成されている。

 その増減圧制御弁は、ABS非制御時等の通 時には運転者による要求車輌制動力に応じ 油圧を各油圧配管62FL,62FR,62RL,62RRに伝える。 その要求車輌制動力とは、運転者がブレーキ ペダル63の操作によって得たい車輌減速度を 輌に働かせる為の総制動力のことであり、 スタシリンダ65の油圧、つまりペダル踏力 ンサ81により検出された倍化後のペダル踏力 に基づいて求めることができる。一方、この 増減圧制御弁は、ABS制御時等のように必要に 応じて油圧制動ECU68によってデューティ比制 され、運転者による要求車輌制動力や各車 10FL,10FR,10RL,10RRのスリップ率等に応じた油圧 を各油圧配管62FL,62FR,62RL,62RRに発生させる。

 ここで、本実施例1のハイブリッド車輌は 、全ての車輪10FL,10FR,10RL,10RRに常時駆動力を かせる四輪駆動車(所謂フルタイム4WD車)であ ってもよく、通常は前輪10FL,10FRのみに駆動力 を働かせ、その前輪10FL,10FRのスリップ率等を 観ながら必要に応じて後輪10RL,10RRにも駆動力 を働かせる四輪駆動車(所謂スタンバイ式4WD )であってもよい。尚、そのスタンバイ式4WD の前輪10FL,10FRと後輪10RL,10RRの関係は逆であ てもよい。また、このハイブリッド車輌は 高電圧バッテリ50や低電圧バッテリ51の蓄電 量、要求駆動力等に応じて原動機20を停止さ 、電動機30のみで駆動させるものであって よい。これが為、ハイブリッド車輌におい は、その何れの場合であっても、車輌の挙 安定化等の観点から前輪10FL,10FRと後輪10RL,10R Rの駆動力の関係を総合的に判断して夫々に 適な車輪駆動力を発生させる必要がある。 た、車輌の挙動を安定させる為には、原動 20の軸出力トルクや夫々の車輪10FL,10FR,10RL,10R Rの制動力の協調制御が行われることが好ま い。このようなことから、本実施例1のハイ リッド車輌には、原動機20や電動機30、変速 機40や油圧車輪制動力発生手段(ブレーキアク チュエータ67)の協調制御を実行させる電子制 御装置(以下、「総合ECU」という。)70が用意 れている。この総合ECU70は、原動機ECU21,電動 機ECU31,変速機ECU41及び油圧制動ECU68の夫々の で制御指令や制御要求値、各種センサの検 信号等の授受を行い、最適な車輌駆動力制 や車輌制動力制御等を実行させる。ここで 、この総合ECU70と電動機ECU31と油圧制動ECU68 よって制動制御手段を構成する。

 ところで、本実施例1の制動装置の一端を 担っている電動機30は、その特性により高回 になると運動エネルギから電気エネルギへ 変換効率が低下していくので、高車速域に いては車速が高くなるにつれて回生制動力 最大値(最大限界値)が低くなっていってし う。ここでは、その電気エネルギへの変換 率の低下が見受けられるまでの車速域を通 車速域と称し、その電気エネルギへの変換 率の低下が見受けられる車速域を高車速域 称する。従って、運転者による要求車輌制 力が同じ場合には、高車速域において車速 高いほど要求車輌制動力に対する実際の車 制動力が小さくなるので、その差を埋める きさの車輌制動力を電動機30以外から発生さ せなければならない。尚、本実施例1におい は、回生制動力を発生させる際に電動機ECU31 が電動機30を回生制動力の最大値で駆動させ いるものとする。

 ここで、本実施例1の油圧車輪制動力発生 手段は、マスタシリンダ65と夫々の油圧制動 段61FL,61FR,61RL,61RRのキャリパーとの間が油圧 配管62FL,62FR,62RL,62RR,66やブレーキアクチュエ タ67内の油路で繋がっている。つまり、この 油圧車輪制動力発生手段においては、ブレー キアクチュエータ67で増減されはするが、マ タシリンダ65を出た油圧配管66の油圧が油圧 配管62FL,62FR,62RL,62RRを介して夫々の油圧制動 段61FL,61FR,61RL,61RRのキャリパーに伝えられる

 従って、要求車輌制動力と実際の車輌制 力の差を埋めるべくブレーキアクチュエー 67に油圧配管62FL,62FR,62RL,62RRの増圧制御を実 させた場合には、その増圧の為に必要な作 油(ブレーキ液)が上流側の油圧配管66やマス タシリンダ65から増圧対象の油圧配管62FL,62FR, 62RL,62RRへと送られるので、運転者がペダル踏 力(換言すれば、ペダル踏み込み量)を一定に っているにも拘わらず、その油圧配管66や スタシリンダ65の減圧(負圧)によってブレー ペダル63が奥へと吸い込まれてしまう。

 そこで、本実施例1においては、電動機30 回生車輪制動力と油圧車輪制動力発生手段 油圧車輪制動力以外の制動力(以下、「外的 制動力」という。)を車輌に働かせる外的制 力発生手段を用意し、各々の車輪10FL,10FR,10RL ,10RRの油圧車輪制動力により車輌に働く油圧 輌制動力を一定に保ちつつ外的制動力発生 段を以て高車速域における車輌制動力の不 分を補填させる。つまり、その外的制動力 生手段は、外的制動力を車輌に作用させる とによって夫々の車輪10FL,10FR,10RL,10RRに回生 車輪制動力や油圧車輪制動力とは異なる外的 車輪制動力(第3車輪制動力)を作用させるもの であり、外的車輪制動力発生手段(第3車輪制 力発生手段)ともいえる。例えば、その外的 制動力発生手段としては、エンジンブレーキ 制御手段(原動機ECU21及び変速機ECU41)、オルタ ネータ22、走行抵抗発生手段90等が考えられ その内の少なくとも1つを利用する。

 エンジンブレーキ制御手段を利用すると には、エンジンブレーキトルクを発生又は 加させるように総合ECU70が原動機ECU21や変速 機ECU41に指示を与え、そのエンジンブレーキ ルクによって車輌に外的制動力(外的車輌制 動力)が働くようにする。例えば、原動機20と 変速機40との間のクラッチ42が切れている場 には、そのクラッチ42を繋ぐことによってエ ンジンブレーキトルクを発生させる。一方、 クラッチ42が繋がって既にエンジンブレーキ 働いている場合には、変速機40をダウンシ ト制御することによってエンジンブレーキ ルクを増加させる。ここで、その何れの場 においても、原動機20が駆動していればこれ を停止させる。このときの外的車輌制動力に ついては、例えば、機関回転数や変速段又は 変速比をパラメータとするマップデータを予 め用意しておき、このマップデータから求め させるようにすればよい。

 また、オルタネータ22は、一般に図示し いベルトやプーリを介して原動機20のクラン ク軸に連結されており、これが駆動すれば原 動機20の負荷となるので、結果的にエンジン レーキトルクを増加させることになる。例 ば、オルタネータ22がクランク軸の回転に み連動するものである場合には、総合ECU70が 原動機ECU21や変速機ECU41に指示を与えて上記 如くエンジンブレーキトルクを発生又は増 させればよく、これによりオルタネータ22を 外的制動力発生手段として利用することがで きる。この場合のオルタネータ22によって発 する外的車輌制動力については、例えば、 関回転数をパラメータとするマップデータ 予め用意しておき、このマップデータから めさせるようにすればよい。更に、オルタ ータ22がクランク軸の回転に依存すること く駆動又は停止させることのできるもので る場合には、オルタネータ22を駆動させ又は 発電量若しくは充電量を増加させるように総 合ECU70が原動機ECU21に指示を与え、負荷を増 してエンジンブレーキトルクの増加を図れ よい。この場合のオルタネータ22によって発 生する外的車輌制動力については、例えば、 機関回転数やオルタネータ22の回転数をパラ ータとするマップデータを予め用意してお 、このマップデータから求めさせるように ればよい。

 次に、走行抵抗発生手段90としては、車 の空気抵抗を増加させることの可能な空気 抗可変手段が考えられ、例えば電動機等の クチュエータの駆動力で出し入れや角度変 が可能なフラップを備えたフロントバンパ 、そのようなアクチュエータの駆動力でフ ップ角度の変更が可能なリアウイング等が る。この種の走行抵抗発生手段90の場合には 、走行抵抗発生手段90を作動させる電子制御 置(以下、「走行抵抗可変ECU」という。)91に 対して総合ECU70が車輌の空気抵抗を増加させ よう指示を与え、その増加した空気抵抗に り車輌に働く力を車輌への外的制動力とし 働かせる。例えば、上記のフロントバンパ であれば、格納されているフラップを出さ る又は空気抵抗が大きくなるようにフラッ 角度を変更させ、上記のリアウイングであ ば、空気抵抗が大きくなるようにフラップ 度を変更させる。この場合の外的車輌制動 については、例えば、車速とフラップ角度 パラメータとするマップデータを予め用意 ておき、このマップデータから求めさせる うにすればよい。

 また、走行抵抗発生手段90としては、車 10FL,10FR,10RL,10RRの路面へのグリップ力を増や て路面抵抗の増加が可能な路面抵抗可変手 が考えられ、例えば電動機等のアクチュエ タを作動させて減衰力の変更ができるサス ンションのダンパー(所謂エアサスペンショ ン等)、そのようなアクチュエータを作動さ てサスペンションのキャンバー角の変更が 能なスタビライザー等がある。この種の走 抵抗発生手段90の場合には、路面抵抗を増加 させるよう総合ECU70が走行抵抗可変ECU91に指 を与え、その増加した路面抵抗により車輌 働く力を車輌への外的制動力として働かせ 。例えば、上記のダンパーであれば減衰力 大きくし、上記のスタビライザーであれば ャンバー角をネガティブキャンバー側へと 更する。この場合の外的車輌制動力につい は、例えば、上記のダンパーであればその 衰力をパラメータとし、上記のスタビライ ーであればキャンバー角をパラメータとす マップデータを予め用意しておき、このマ プデータから求めさせるようにすればよい

 以下に、この本実施例1の制動装置の動作 の一例を図2のフローチャートに基づいて説 する。

 先ず、総合ECU70は、車輌が現在制動中で るのか否かについて判断する(ステップST1)。 かかる判断は、例えば、ペダル踏力センサ81 検出信号を受信したか否かを観ることによ て行うことができる。

 この総合ECU70は、制動中であれば、運転者 よる要求車輌制動力F driver と電動機30の通常車速域における回生車輌制 力の最大値F motor 0の算出を行う(ステップST2,ST3)。ここで、そ 要求車輌制動力F driver は、運転者の制動要求が反映されているペダ ル踏力センサ81の検出値に基づいて設定させ 。一方、その通常車速域における回生車輌 動力の最大値F motor 0とは、本実施例1の電動機30が通常車速域に いて夫々の後輪10RL,10RRに働かせる回生車輪 動力の最大値の総和であり、その電動機30の 性能に依存する固有値として予め設定してお くこともできる。従って、ここでの例示とは 異なり各後輪10RL,10RRに1つずつ電動機(所謂イ ホイールモータ等)が配されている場合には 、その夫々の電動機が通常車速域において各 々に発生させる回生車輪制動力の最大値の総 和をステップST3にて算出させればよい。尚、 この総合ECU70は、上記ステップST1にて制動中 ないと判断したのであれば、本処理を一旦 えてステップST1の判断を繰り返す。

 続いて、この総合ECU70は、例えば車速セ サ82の検出値に基づき取得した現在の車速V 閾値たる所定の基準車速V0以上になっている のか否かについての判定を行う(ステップST4) その基準車速V0とは、電動機30の電気エネル ギへの変換効率の低下が起こる最低車速のこ とであり、上述した通常車速域と高車速域と の境界の車速のことをいう。つまり、このス テップST4においては、現在の車速Vが高車速 に達しているのか否かを判断している。

 このステップST4で否定判定されて現在の車 Vが電動機30の通常車速域にあると判断され 場合、総合ECU70は、上記要求車輌制動力F driver と電動機30の通常車速域における回生車輌制 力の最大値F motor 0を下記の式1に代入して要求油圧車輌制動力F brake を求める(ステップST5)。ここでは、図3に示す 如く、通常車速域における回生車輌制動力の 最大値F motor 0が車輌に働くよう電動機30を駆動させた際の 要求車輌制動力F driver に対する不足分としての要求油圧車輌制動力 F brake 0が算出される。

 F brake =F driver -F motor 0 … (1)

 一方、上記ステップST4で肯定判定されて現 の車速Vが電動機30の高車速域にあると判断 れた場合、総合ECU70は、その高車速域の車 Vに応じた電動機30の現在の回生車輌制動力 最大値F motor 1を算出する(ステップST6)。ここでは、例えば 、これらの対応関係をマップデータとして用 意しておき、このマップデータを利用してそ の回生車輌制動力の最大値F motor 1を求める。

 そして、この総合ECU70は、通常車速域と高 速域の夫々の回生車輌制動力の最大値F motor 0,F motor 1を下記の式2に代入して要求外的車輌制動力 暫定値F etc-pro を求める(ステップST7)。その要求外的車輌制 力とは、上述した種々の外的制動力発生手 の内の少なくとも1つを作動させることによ って車輌に働かせる外的車輌制動力の要求値 である。ここでは、通常車速域における回生 車輌制動力の最大値F motor 0に対してのエネルギ変換効率の低下に相当 る減少分たる図3に示す要求外的車輌制動力F etc 0が算出される。

 F etc-pro =F motor 0-F motor 1 … (2)

 更に、本実施例1の総合ECU70には、上述した 々の外的制動力発生手段の全てを同時に作 させることによって車輌に対して発生可能 外的車輌制動力の最大値F etc 1を演算させる(ステップST8)。

 続いて、この総合ECU70は、その外的車輌制 力の最大値F etc 1が要求外的車輌制動力の暫定値F etc-pro 以上であるのか否かを判定する(ステップST9) つまり、ここでは、本車輌の外的制動力発 手段が要求外的車輌制動力の暫定値F etc-pro を車輌に働かせることができるのか否かにつ いての判断が為される。

 このステップST9で肯定判定されて本車輌の 的制動力発生手段によって要求外的車輌制 力の暫定値F etc-pro を満たすことができると判った場合、総合ECU 70は、その暫定値F etc-pro (=F etc 0)を要求外的車輌制動力F etc として設定し(ステップST10)、その要求外的車 輌制動力F etc (=F etc 0)と運転者による要求車輌制動力F driver と電動機30の高車速域における現在の回生車 制動力の最大値F motor 1を下記の式3に代入して要求油圧車輌制動力F brake を求める(ステップST11)。つまり、ここでは、 図3に示す如く、通常車速域における上記の 求油圧車輌制動力F brake 0が高車速域においても一定に保たれるよう 要求外的車輌制動力F etc (=F etc 0)の設定が為されている。

 F brake =F driver -F etc 0-F motor 1 … (3)

 一方、上記ステップST9で否定判定されて本 輌の外的制動力発生手段では要求外的車輌 動力の暫定値F etc-pro を発生させることができないと判った場合、 総合ECU70は、その外的制動力発生手段により 生させることのできる外的車輌制動力の最 値F etc 1を要求外的車輌制動力F etc として設定し(ステップST12)、その要求外的車 輌制動力F etc (=F etc 1)と運転者による要求車輌制動力F driver と電動機30の高車速域における現在の回生車 制動力の最大値F motor 1を下記の式4に代入して要求油圧車輌制動力F brake を求める(ステップST13)。つまり、ここでは、 図4に示す如く、最大限の回生車輌制動力F motor 1と要求外的車輌制動力F etc (=F etc 1)を電動機30と外的制動力発生手段で発生さ 、要求車輌制動力F driver に対する残りを油圧車輪制動力発生手段から 発生させるように要求油圧車輌制動力F brake (=F brake 1)が設定される。

 F brake =F driver -F etc 1-F motor 1 … (4)

 本実施例1の総合ECU70は、上述したが如く求 られた要求外的車輌制動力F etc と要求油圧車輌制動力F brake が車輌に働くよう走行抵抗可変ECU91と油圧制 ECU68に対して指示を与える(ステップST14,ST15) 。

 例えば、通常車速域の場合には、油圧制動E CU68が上記ステップST5の要求油圧車輌制動力F brake (=F brake 0)を車輌に働かせることの可能な夫々の車輪1 0FL,10FR,10RL,10RRの要求油圧車輪制動力を算出し 、その各要求油圧車輪制動力を発生させるよ う油圧車輪制動力発生手段のブレーキアクチ ュエータ67を駆動制御する。これにより、こ 通常車速域の場合には、その要求油圧車輌 動力F brake (=F brake 0)と回生車輌制動力の最大値F motor 0を発生させ、車輌に運転者の要求車輌制動 F driver を働かせることができる。尚、その際、夫々 の車輪10FL,10FR,10RL,10RRにおいては、各々の要 油圧車輪制動力と要求回生車輪制動力が作 して運転者のブレーキペダル63の操作に応じ た各々の要求車輪制動力が働く。そして、車 輌には、その各車輪10FL,10FR,10RL,10RRに働く要 車輪制動力によって要求油圧車輌制動力F brake が作用する。

 ここで、この場合の各要求油圧車輪制動 は、例えば、夫々の車輪10FL,10FR,10RL,10RRに対 して均等に配分してもよく、車輌の挙動安定 化等を考慮に入れて前輪10FL,10FRに多めに配分 してもよい。

 また、高車速域で且つ本車輌の外的制動力 生手段によって要求外的車輌制動力F etc (=F etc 0)を発生させることができる場合には、走行 抗可変ECU91が上記ステップST10の要求外的車 制動力F etc (=F etc 0)を車輌に働かせることの可能なリアウイン のフラップ角度等を求め、これに基づいて 的制動力発生手段の駆動制御を行う。更に この場合には、油圧制動ECU68が上記ステッ ST11の要求油圧車輌制動力F brake (=F brake 0)を車輌に働かせることの可能な夫々の車輪1 0FL,10FR,10RL,10RRの要求油圧車輪制動力を算出し 、その各要求油圧車輪制動力を発生させるよ う油圧車輪制動力発生手段の駆動制御を行う 。これにより、この場合には、その要求油圧 車輌制動力F brake (=F brake 0)と回生車輌制動力の最大値F motor 1と要求外的車輌制動力F etc (=F etc 0)とを発生させ、車輌に運転者の要求車輌制 力F driver を働かせることができる。つまり、ここでは 、電動機30のエネルギ変換効率の低下に拘わ ず、ブレーキアクチュエータ67を要求車輌 動力F driver に応じた通常車速域と同じ大きさの要求油圧 車輌制動力F brake (=F brake 0)となるよう駆動制御すればよい。従って、 の場合には、それ以上ブレーキアクチュエ タ67を駆動制御させる必要が無く、油圧車 制動力発生手段における油路(油圧配管66等) 油圧変化が生じないので、ブレーキペダル6 3の吸い込みを的確に防ぐことができる。尚 その際、夫々の車輪10FL,10FR,10RL,10RRにおいて 、各々の要求油圧車輪制動力と要求回生車 制動力と要求外的車輪制動力が作用して運 者のブレーキペダル63の操作に応じた各々 要求車輪制動力が働く。そして、車輌には その各車輪10FL,10FR,10RL,10RRに働く要求車輪制 力によって要求油圧車輌制動力F brake が作用する。

 ここで、この場合の各要求油圧車輪制動力 、例えば、上記の通常車速域のときと同じ 分にすればよい。また、この場合の要求外 車輌制動力F etc (=F etc 0)は、前輪10FL,10FRと後輪10RL,10RRの双方又はそ 何れか一方に車輌の挙動安定化等を考慮に れて発生させればよい。例えば、車輌の挙 安定化を重視して前輪10FL,10FRにのみ要求外 車輌制動力F etc (=F etc 0)を働かせるのであれば、本車輌においては エンジンブレーキ、フロントバンパーのフ ップ角度、フロントサスペンションにおけ ダンパーの減衰力やキャンバー角を駆動制 する。一方、後輪10RL,10RRにのみ要求外的車 制動力F etc (=F etc 0)を働かせるのであれば、本車輌においては リアウイングのフラップ角度、リアサスペ ションにおけるダンパーの減衰力やキャン ー角を駆動制御する。

 また、高車速域で且つ本車輌の外的制動力 生手段によって要求外的車輌制動力F etc (=F etc 0)を発生させることができない場合には、走 抵抗可変ECU91が上記ステップST12の要求外的 輌制動力F etc (=F etc 1)を車輌に働かせることの可能なリアウイン のフラップ角度等を求め、これに基づいて 的制動力発生手段の駆動制御を行う。更に この場合には、油圧制動ECU68が上記ステッ ST13の要求油圧車輌制動力F brake (=F brake 1)を車輌に働かせることの可能な夫々の車輪1 0FL,10FR,10RL,10RRの要求油圧車輪制動力を算出し 、その各要求油圧車輪制動力を発生させるよ う油圧車輪制動力発生手段の駆動制御を行う 。これにより、この場合には、その要求油圧 車輌制動力F brake (=F brake 1)と回生車輌制動力の最大値F motor 1と要求外的車輌制動力F etc (=F etc 1)とを発生させ、車輌に運転者の要求車輌制 力F driver を働かせることができる。つまり、ここでは 、仮に要求外的車輌制動力F etc (=F etc 0)が予期していた以上に大きかったとしても 油圧車輪制動力発生手段の油圧車輌制動力 要求車輌制動力F driver への不足分を補うことができるので、車輌減 速度不足を運転者に感じさせずに済む。

 ここで、この場合の各要求油圧車輪制動力 ついても、例えば、上記の通常車速域等の きと同様にして配分すればよい。また、こ 場合の要求外的車輌制動力F etc (=F etc 1)についても、上記と同様に、前輪10FL,10FRと 輪10RL,10RRの双方又はその何れか一方に発生 せればよい。

 ところで、本車輌は制動開始と共に車速Vが 低下していくので、高車速域においては、電 動機30による回生車輌制動力の最大値F motor 1が増えていく。本実施例1においては、この うな場合でも、要求油圧車輌制動力F brake (=F brake 0)が一定に保持されたままその回生車輌制動 の最大値F motor 1の増加分だけ小さくなった要求外的車輌制 力F etc (=F etc 1)を設定して、運転者の要求車輌制動力F driver を満足させる。つまり、ここでは、このよう な場合においてもブレーキアクチュエータ67 油圧配管62FL,62FR,62RL,62RRの減圧制御を行わな いので、その減圧に要する作動油(ブレーキ )が下流側の減圧対象の油圧配管62FL,62FR,62RL,6 2RRから油圧配管66やマスタシリンダ65へと送 れることがない。これが為、ここでは、そ 油圧配管66等の増圧が生じないので、その増 圧に伴ったブレーキペダル63の運転者のペダ 踏力に抗する押し戻しを防ぐことができる また、ここでは、要求車輌制動力F driver を満たすべく外的車輌制動力を減少させつつ 回生車輌制動力を増加させているので、その 要求車輌制動力F driver を満足させながら、更に、ブレーキペダル63 押し戻しを防ぎながらも電動機30を最大限 エネルギ回収効率の状態で運転することが きる。

 このように、本実施例1の制動装置によれば 、油圧車輪制動力発生手段における油路(油 配管66等)の油圧変化を最小限に抑えてブレ キペダル63の吸い込みや押し戻しの発生を防 ぐことができるので、要求車輌制動力F driver を満足させ、更に電動機30のエネルギ回収効 を高めながらも、運転者によるブレーキペ ル63の操作感の悪化が回避される。

 次に、本発明に係る車輌の制動装置の実 例2を図5に基づいて説明する。

 一般に、制動制御指令されてから実際に 動力が発生するまでの応答性は、油圧車輌 動力や前述した実施例1の外的車輌制動力よ りも電動機による回生車輌制動力の方が優れ ている。従って、油圧車輪制動力発生手段, 的制動力発生手段及び電動機30に対して同時 に制動制御指令が行われた場合には、油圧車 輌制動力や外的車輌制動力が回生車輌制動力 よりも遅れて車輌に働く。

 そこで、本実施例2においては、そのよう な応答性の遅れを解消すべく制御装置を構成 する。本実施例2の制動装置は、前述した実 例1と同じハイブリッド車輌に対して適用さ たものであり、その実施例1の制御装置と以 下に示す点を除いて同様に構成されたものを 例示する。

 具体的に、本実施例2においては、回生車 輌制動力よりも応答性に劣る外的車輌制動力 の予測値を早い段階で発生させておき、余剰 分が出た場合には外的車輌制動力の大きさを 別途調節するように構成する。尚、本車輌に おける油圧車輌制動力は、運転者によるブレ ーキペダル63の操作によって発生するもので り、更に、後で微調整を行うと油圧変化に うブレーキペダル63の操作感や操作性の悪 を招いてしまう。これが為、油圧車輌制動 については、予測値による制御対象とはし い。

 例えば、この本実施例2の制動装置は、図5 フローチャートに示しているように制御す 。尚、電動機30の通常車速域の場合には、実 施例1と同様にして要求油圧車輌制動力F brake (=F brake 0)を算出させる。これが為、以下においては 実施例1と同じステップST1~ST5の動作説明を 略する。

 本実施例2の総合ECU70は、ステップST4で肯定 定されて現在の車速Vが電動機30の高車速域 あると判断された場合、実施例1と同様にし て、その高車速域の車速Vに応じた電動機30の 現在の回生車輌制動力の最大値F motor 1を算出する(ステップST6)。

 更に、この総合ECU70は、通常車速域と高車 域の夫々の回生車輌制動力の最大値F motor 0,F motor 1を下記の式5に代入して要求外的車輌制動力F etc 0を求める(ステップST21)。尚、この要求外的 輌制動力F etc 0は、実施例1の要求外的車輌制動力の暫定値F etc-pro と同じものである。

 F etc 0=F motor 0-F motor 1 … (5)

 そして、この総合ECU70は、本車輌における 々の外的制動力発生手段の内の少なくとも1 によって発生させる外的車輌制動力の予測 F etc 2を演算し、これを発生させるよう走行抵抗 変ECU91に指示を与える(ステップST22)。その予 測値F etc 2は、実施例1のステップST8で求めた外的車輌 動力の最大値F etc 1であってもよく、車速Vや要求車輌制動力F driver に応じて算出させた値であってもよい。例え ば、本車輌においては、車速Vが高いほど、 た、要求車輌制動力F driver が大きいほどに外的車輌制動力による補填量 が多くなると考えられるので、車速Vが高く また、要求車輌制動力F driver が大きいほどに予測値F etc 2を大きくする。

 続いて、この総合ECU70は、その外的車輌制 力の予測値F etc 2が要求外的車輌制動力F etc 0以上であるのか否かを判定する(ステップST23 )。つまり、ここでは、外的制動力発生手段 よって発生させられている外的車輌制動力 予測値F etc 2の要求外的車輌制動力F etc 0に対する過不足を判断している。

 このステップST23で肯定判定された場合とは 、外的車輌制動力の予測値F etc 2が丁度要求外的車輌制動力F etc 0になっている又はその予測値F etc 2が要求外的車輌制動力F etc 0に対して余っていると判断される場合であ 、本車輌の外的制動力発生手段によって要 外的車輌制動力F etc 0を満たすことができる場合に相当する。こ が為、この場合の総合ECU70は、その予測値F etc 2と要求外的車輌制動力F etc 0を下記の式6に代入して外的車輌制動力補正 F etc-cor を求め(ステップST24)、その分だけ外的車輌制 動力を減少させるよう走行抵抗可変ECU91に指 を与える(ステップST25)。これにより、本車 の外的制動力発生手段は、要求外的車輌制 力F etc 0を車輌に働かせる。

 そして、総合ECU70は、その要求外的車輌制 力F etc 0と運転者による要求車輌制動力F driver と電動機30の高車速域における現在の回生車 制動力の最大値F motor 1を実施例1の式3に代入して要求油圧車輌制動 力F brake を求める(ステップST26)。つまり、ここでは、 実施例1のステップST11と同じく、通常車速域 同じ要求油圧車輌制動力F brake 0が高車速域において設定される。尚、外的 輌制動力の予測値F etc 2と要求外的車輌制動力F etc 0が一致しているときには、上記ステップST24, ST25を省略してステップST26に進めばよい。

 一方、上記ステップST23で否定判定された場 合とは、外的車輌制動力の予測値F etc 2が要求外的車輌制動力F etc 0に対して不足していると判断される場合で り、本車輌の外的制動力発生手段では要求 的車輌制動力F etc 0を発生させることができない場合に相当す 。これが為、この場合の総合ECU70は、その全 ての外的制動力発生手段により同時に発生さ せることのできる外的車輌制動力の最大値F etc 1を求め(ステップST27)、この最大値F etc 1となるよう走行抵抗可変ECU91に指示を与える (ステップST28)。尚、このステップST27,ST28は、 上記ステップST22で求めた外的車輌制動力の 測値F etc 2が外的車輌制動力の最大値F etc 1でないときにのみ実行させればよい。

 そして、総合ECU70は、その外的車輌制動力 最大値F etc 1と運転者による要求車輌制動力F driver と電動機30の高車速域における現在の回生車 制動力の最大値F motor 1を実施例1の式4に代入して要求油圧車輌制動 力F brake を求める(ステップST29)。つまり、ここでは、 実施例1のステップST13と同じく、最大限の回 車輌制動力F motor 1と外的車輌制動力F etc 1を電動機30と外的制動力発生手段で発生させ 、要求車輌制動力F driver に対する残りを油圧車輪制動力発生手段から 発生させるように要求油圧車輌制動力F brake (=F brake 1)が設定される。

 本実施例1の総合ECU70は、上述したが如く求 られた要求油圧車輌制動力F brake が車輌に働くよう油圧制動ECU68に対して指示 与える(ステップST30)。

 ここで、本実施例2においても、実施例1 ときと同様に、夫々の車輪10FL,10FR,10RL,10RRに しての要求油圧車輪制動力の配分や要求外 車輌制動力の配分を決めればよい。

 このように、本実施例2の制動装置によれ ば、実施例1と同様の効果を得るのみならず 外的車輌制動力の応答性が向上されるので 車輌制動力の全体の応答性を高めることが きる。

 尚、上述した各実施例1,2においては前輪1 0FL,10FRを原動機20で駆動させ、後輪10RL,10RRを 動機30で駆動させるハイブリッド車輌につい て例示したが、本発明に係る制動装置は、少 なくとも一輪に対して回生車輪制動力を働か せる電動機と油圧車輪制動力等の機械車輪制 動力を働かせる機械車輪制動力発生手段とを 備えた車輌であれば如何様な車輌にも適用す ることができる。例えば、上述した制動装置 は、前輪10FL,10FRを電動機で駆動又は回生制動 させ、後輪10RL,10RRを原動機で駆動させるハイ ブリッド車輌,前輪10FL,10FRと後輪10RL,10RRの双 又はその何れか一方を原動機と電動機で駆 させると共にその電動機で回生制動させる イブリッド車輌等に適用してもよい。また この制動装置は、そのようなハイブリッド 輌に限ることなく、例えば、前輪10FL,10FRと 輪10RL,10RRの双方又はその何れか一方を電動 で駆動又は回生制動させる電気自動車に適 してもよい。

 以上のように、本発明に係る車輌の制動 置は、回生制動が行われる車輌においての 転者によるブレーキペダルの操作感の悪化 防ぐ技術に有用である。