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Patent Searching and Data


Title:
VEHICLE CONTROLLER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/069384
Kind Code:
A1
Abstract:
A controller (3, 40) for controlling a vehicle having a bi-wire range selector (10) for selecting a range of an automatic transmission (2) by means of an actuator (60). If a range selection failure occurs while a range selection of a specific pattern (for example, R→D or D→R) to reverse the present direction of the driving force is carried out, the motion of the vehicle can be diminished as much as possible or prevented. The controller (3, 40) comprises countermeasure means (steps S1, S5) for lowering the output produced by a drive source (1) toward the lower limit when the controller (3, 40) recognizes that the request to select a forward range or a reverse range is of a specific pattern and performing means (steps S2, S4, S6) for controlling the range selector (10) to establish the requested range.

Inventors:
SATO TSUYOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/068220
Publication Date:
June 04, 2009
Filing Date:
October 07, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOYOTA MOTOR CO LTD (JP)
SATO TSUYOSHI (JP)
International Classes:
F16H61/02; F02D29/00; F02D29/02; F16H61/12; F16H61/68; F16H61/684; F16H63/28; F16H63/40; F16H63/50; F16H59/10; F16H59/72; F16H61/686
Foreign References:
JP2004125061A2004-04-22
JP2006336717A2006-12-14
JPH03129162A1991-06-03
JPH0356845U1991-05-31
JP2007100550A2007-04-19
JP2006298011A2006-11-02
Attorney, Agent or Firm:
KURAUCHI, Giro et al. (14-3 Nishitemma,4-chome, Kita-ku,Osaka-shi, Osaka 47, JP)
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Claims:
 自動変速機のレンジ切り替えをアクチュエータで行うバイワイヤ方式のレンジ切替装置が搭載される車両の制御装置であって、
 レンジ切り替えの要求が、現在の駆動力方向を反転させる特定パターンであると認識したときに、当該特定パターンでない場合に比べて駆動力伝達を制限させる度合いを大きくする対処手段を含む、ことを特徴とする車両の制御装置。
 自動変速機のレンジ切り替えをアクチュエータで行うバイワイヤ方式のレンジ切替装置が搭載される車両の制御装置であって、
 レンジ切り替えの要求が、現在の駆動力方向を反転させる特定パターンであると認識したときに、前記車両に搭載される駆動源の出力を下限側に低下させる対処手段と、
 前記要求レンジを成立させるよう前記レンジ切替装置を制御する実行手段とを含む、ことを特徴とする車両の制御装置。
 自動変速機のレンジ切り替えをアクチュエータで行うバイワイヤ方式のレンジ切替装置が搭載されるとともに、駆動源から駆動輪への駆動力伝達を調整する油圧式の動力伝達調整手段が搭載される車両の制御装置であって、
 レンジ切り替えの要求が、現在の駆動力方向を反転させる特定パターンであると認識したときに、前記駆動源の出力を下限側に低下させる対処手段と、
 前記要求レンジを成立させるよう前記レンジ切替装置を制御する実行手段と、
 前記レンジ切り替えの実行によりレンジ切り替えが正常に完了したか、途中で動作不良によるフェールが発生したかを調べる確認手段と、
 この確認手段でフェール発生を検出したときに、前記動力伝達調整手段で駆動力伝達を制限する対策手段とを含む、ことを特徴とする車両の制御装置。
 請求項2または3に記載の車両の制御装置において、
 前記駆動源がエンジンとされ、このエンジンのアイドリング状態が前記駆動源出力の下限側とされる、ことを特徴とする車両の制御装置。
 自動変速機のレンジ切り替えをアクチュエータで行うバイワイヤ方式のレンジ切替装置が搭載されるとともに、駆動源から駆動輪への駆動力伝達を調整する油圧式の動力伝達調整手段が搭載される車両の制御装置であって、
 レンジ切り替えの要求が、現在の駆動力方向を反転させる特定パターンであると認識したときに、前記動力伝達調整手段による駆動力伝達を制限させる対処手段と、
 前記要求レンジを成立させるよう前記レンジ切替装置を制御する実行手段とを含む、ことを特徴とする車両の制御装置。
 請求項5に記載の車両の制御装置において、
 前記レンジ切り替えの実行によりレンジ切り替えが正常に完了したか、途中で動作不良によるフェールが発生したかを調べる確認手段と、
 この確認手段でフェール発生を検出したときに、前記動力伝達調整手段で駆動力伝達を制限する対策手段とをさらに含む、ことを特徴とする車両の制御装置。
 請求項5または6に記載の車両の制御装置において、
 前記対処手段は、特定パターンのレンジ切り替え要求を受け付けることに伴い前記動力伝達調整手段により駆動力伝達を制限させるにあたって、前記自動変速機の作動油温度を検出するための油温検出手段の出力に基づき検出油温が低い場合に高い場合に比べて前記制限度合いを大きくする、ことを特徴とする車両の制御装置。
 請求項3から7のいずれか一つに記載の車両の制御装置において、
 前記動力伝達調整手段は、前記自動変速機に備える摩擦係合要素とされる、ことを特徴とする車両の制御装置。
 請求項1~8のいずれか一つに記載の車両の制御装置において、
 前記レンジ切替装置は、自動変速機に備えるレンジ切り替え用の油圧制御装置の一構成要素であるマニュアルバルブの状態を変更するためのディテント機構と、ディテント機構を駆動するためのアクチュエータとを備え、
 前記ディテント機構は、前記アクチュエータにより変位されるディテント部材と、ディテント部材の停止姿勢を保持する位置決め部材とを含み、
 前記ディテント部材は、前記切り替え対象となるレンジ毎に対応する複数の谷および当該谷間の山からなる波形部を有し、前記位置決め部材は、前記波形部の谷に係合する係合部を有しかつ当該係合部を谷底へ向けて押圧する付勢力を発生するものとされ、
 レンジ切り替えの要求を受けたときに前記アクチュエータを制御して要求レンジを成立させる、ことを特徴とする車両の制御装置。
 請求項9に記載の車両の制御装置において、
 前記アクチュエータは、前記ディテント部材を傾動させるもので、回転動力を発生する電動式のモータと、このモータで発生した回転動力を減速して前記ディテント部材の支軸に同軸かつ一体回転可能に連結される出力軸から出力させる減速機構とを含む、ことを特徴とする車両の制御装置。
 請求項10に記載の車両の制御装置において、
 前記モータのロータの回転角を検出するロータ角検出手段と、前記アクチュエータの出力軸の回転角を検出する出力角検出手段とを備え、
 前記実行手段は、レンジ切り替え要求に応答して、前記要求レンジに対応する谷を前記係合部に係合させるのに必要なモータの目標回転角を設定して、前記ロータ角検出手段の検出出力(実回転角)が前記目標回転角に到達するまで前記モータの駆動をフィードバック制御する処理を行うものとされる、ことを特徴とする車両の制御装置。
 請求項11に記載の車両の制御装置において、
 前記確認手段は、前記モータの駆動停止時に、前記出力角検出手段の出力に基づいて前記要求レンジに対応する谷が前記係合部に係合したか否かを調べることによりフェール発生の有無を判定する、ことを特徴とする車両の制御装置。
Description:
車両の制御装置

 本発明は、自動車等の車両の動作を制御 る制御装置に関する。この制御装置の制御 象となる車両としては、自動変速機のレン 切り替えをアクチュエータで行うバイワイ 方式のレンジ切替装置が搭載された構成を 提としている。

 エンジン(内燃機関)を搭載した車両にお て、エンジンが発生するトルク及び回転速 を車両の走行状態に応じて適切に駆動輪に 達する変速機として、エンジンと駆動輪と 間の変速比を自動的に最適設定する自動変 機が知られている。

 車両に搭載される自動変速機としては、 えば、複数のクラッチ及びブレーキと遊星 車機構とを用いて多数の変速段(ギヤ段)を る遊星歯車式変速機や、変速比を無段階に 整するベルト式無段変速機(CVT :Continuously Va riable Transmission)等が知られている。

 遊星歯車式の自動変速機が搭載された車 においては、一般的に、車速とスロットル 度(またはアクセル開度)に応じた最適な変 段を得るための変速線(ギヤ段の切り替えラ ン)を有する変速マップが車両の制御装置の メモリに記憶されており、車速及びスロット ル開度に基づいて変速マップを参照して目標 変速段を算出し、その目標変速段に基づいて 、摩擦係合要素であるクラッチ、ブレーキ及 びワンウェイクラッチなどを、所定の状態に 係合または解放することによって変速段を自 動的に設定している。

 このような自動変速機を制御する制御装 として、自動変速機のシフトレンジの位置 センサによって電気的に検出し、この検出 号に基づいてシフト切替用の電動モータ等 アクチュエータを駆動して自動変速機のマ ュアルバルブを切り替えることにより、P( ーキング)、R(リバース)、N(ニュートラル)、D (ドライブ)などのシフトポジションを切り替 る、いわゆるバイワイヤ方式のレンジ切替 置がある(例えば、特許文献1参照)。

 バイワイヤ方式のレンジ切替装置では、 般的な機械操作方式のレンジ切替装置、つ り運転者によるシフトレバー操作をワイヤ 介して直接ディテント機構を動作させるこ により自動変速機のレンジ切り替えを行う このレンジ切替装置は、シフトレバーとデ テント機構とをワイヤで機械的に連結する 要がないので、これらの各部を車両に搭載 る際のレイアウト上に制限がなく、設計の 由度を高めることができるとともに、車両 の組み付け作業も簡単に行うことができる いう利点がある。

 このようなバイワイヤ方式のレンジ切替 置が搭載された車両では、レンジ切り替え 異常が発生した際のフェールセーフが必要 なる。このフェールセーフ制御については 特許文献2に記載されている。

 この特許文献2に記載の技術では、バイワ イヤ方式の制御を用いた自動変速機において 、運転者によるシフトスイッチの操作で選択 された変速レンジ位置(目標レンジ位置)と自 変速機の実レンジ位置とを比較し、両者が 一致となった場合に自動変速機に異常が発 したと判断する。そして、自動変速機が異 と判断した場合には、エンジンのクランク ャフトから自動変速機を介して駆動輪へと るまでの間の動力伝達経路を遮断すること 、運転者が選択したレンジ位置とは異なる ンジ位置での車両移動を防止している。    

 なお、この特許文献2に記載の技術では、例 えば、自動変速機の前進用の摩擦係合要素( ラッチ)または後進用の摩擦係合要素(クラッ チ及びブレーキ)を解放することで動力伝達 路を遮断している。

特開2000-170905号公報

特開2004-125061号公報

 ところで、バイワイヤ方式のレンジ切替 置が搭載された車両においては、上記した うに、レンジ切り替えフェール(例えば実レ ンジが目標レンジと不一致)が発生した際に 記動力伝達経路を遮断するフェールセーフ 御を行っているものの、レンジ切り替えフ ールが発生したことを検出した後でフェー セーフ制御を行うようにしている関係によ 、フェールセーフ制御を行うことの効果が 十分なことが懸念される。ここに従来技術 おける改良の余地がある。

 本発明は、自動変速機のレンジ切り替え アクチュエータで行うバイワイヤ方式のレ ジ切替装置が搭載された車両の制御装置に いて、現在の駆動力方向を反転させるよう 特定パターンのレンジ切り替えを行う過程 、万一、レンジ切り替えフェールが発生し も、車両の動きを可及的に抑制または防止 能とすることを目的としている。

 また、本発明は、自動変速機のレンジ切 替えをアクチュエータで行うバイワイヤ方 のレンジ切替装置が搭載された車両の制御 置において、現在の駆動力方向を反転させ ような特定パターンのレンジ切り替えを行 過程で、万一、レンジ切り替えフェールが 生しても、車両の動きを可及的に抑制また 防止可能としたうえで、前記特定パターン 外のレンジ切り替えが正常に完了した場合 運転者の加速要求に対する応答性を良好に つことを可能とすることを目的としている

 本発明は、自動変速機のレンジ切り替え アクチュエータで行うバイワイヤ方式のレ ジ切替装置が搭載される車両の制御装置で って、レンジ切り替えの要求が、現在の駆 力方向を反転させる特定パターンであると 識したときに、当該特定パターンでない場 に比べて駆動力伝達を制限させる度合いを きくする対処手段を含む、ことを特徴とし いる。

 この構成によれば、仮に、レンジ切り替 フェールが発生して要求レンジを成立でき い状態になったときに、駆動輪に対する駆 力伝達が制限されるから、車両の動きを抑 できるようになる。

 なお、この構成では、前記特定パターン ある場合のみならず、前記特定パターンで い場合も、前記のような駆動力を制限する とが可能であると言える。また、前記特定 ターンでない場合、駆動力伝達を制限しな ようにすることも可能であると言える。い れにしても、前記特定パターンである場合 、前記特定パターンでない場合に比べて、 動力制限の度合いを大きくすればよいので る。

 本発明は、自動変速機のレンジ切り替え アクチュエータで行うバイワイヤ方式のレ ジ切替装置が搭載される車両の制御装置で って、レンジ切り替えの要求が、現在の駆 力方向を反転させる特定パターンであると 識したときに、前記車両に搭載される駆動 の出力を下限側に低下させる対処手段と、 記要求レンジを成立させるよう前記レンジ 替装置を制御する実行手段とを含む、こと 特徴としている。

 この構成によれば、仮に、レンジ切り替 フェールが発生して要求レンジを成立でき い状態になったときに、駆動源で発生する 限側出力による駆動力が駆動輪に伝達され 程度で済むから、車両の動きを抑制できる うになる。

 しかも、前記特定パターン以外のレンジ り替え要求を受けたときに、前記のような 動源の出力を下限側に低下させる対処をし いようにすれば、前記レンジ切り替えが正 に完了した場合には、当該レンジ切り替え 前後に運転者による加速要求を受けたとき 、即座にそれに見合った駆動力を駆動輪に 達することが可能になる。これにより、レ ジ切り替えが正常なときの加速要求に対す 応答性が良好に保たれるようになる。

 また、本発明は、自動変速機のレンジ切 替えをアクチュエータで行うバイワイヤ方 のレンジ切替装置が搭載されるとともに、 動源から駆動輪への駆動力伝達を調整する 圧式の動力伝達調整手段が搭載される車両 制御装置であって、レンジ切り替えの要求 、現在の駆動力方向を反転させる特定パタ ンであると認識したときに、前記駆動源の 力を下限側に低下させる対処手段と、前記 求レンジを成立させるよう前記レンジ切替 置を制御する実行手段と、前記レンジ切り えの実行によりレンジ切り替えが正常に完 したか、途中で動作不良によるフェールが 生したかを調べる確認手段と、この確認手 でフェール発生を検出したときに、前記動 伝達調整手段で駆動力伝達を制限する対策 段とを含む、ことを特徴としている。

 この構成によれば、仮に、レンジ切り替 フェールが発生して要求レンジを成立でき い状態になったときに、フェール対策を行 ときに懸念される動作遅れを加味しても、 の遅れ期間において、駆動源で発生する下 側出力による駆動力が駆動輪に伝達される 度で済むから、車両の動きを抑制できるよ になる。

 しかも、前記特定パターン以外のレンジ り替え要求を受けたときには、前記のよう 駆動源の出力を下限側に低下させる対処を ないので、前記レンジ切り替えが正常に完 した場合には、当該レンジ切り替えの前後 運転者による加速要求を受けたときに、即 にそれに見合った駆動力を駆動輪に伝達す ことが可能になる。これにより、レンジ切 替えが正常なときの加速要求に対する応答 が良好に保たれるようになる。

 好ましくは、上記制御装置において、前 駆動源がエンジンとされ、このエンジンの イドリング状態が前記駆動源出力の下限側 される。

 このようにすれば、前記遅れ期間におい 、駆動輪に伝達される駆動力が無視できる ベルとなり、車両の動きを抑制または防止 るうえで有利となる。

 さらに、本発明は、自動変速機のレンジ り替えをアクチュエータで行うバイワイヤ 式のレンジ切替装置が搭載されるとともに 駆動源から駆動輪への駆動力伝達を調整す 油圧式の動力伝達調整手段が搭載される車 の制御装置であって、レンジ切り替えの要 が、現在の駆動力方向を反転させる特定パ ーンであると認識したときに、前記動力伝 調整手段による駆動力伝達を制限させる対 手段と、前記要求レンジを成立させるよう 記レンジ切替装置を制御する実行手段とを む、ことを特徴としている。

 この構成によれば、仮に、レンジ切り替 フェールが発生して要求レンジを成立でき い状態になったときに、駆動輪に対する駆 力伝達が制限されるから、車両の動きを抑 できるようになる。

 しかも、前記特定パターン以外のレンジ り替え要求を受けたときに、前記のような 動力伝達を制限させる対処をしないように れば、前記レンジ切り替えが正常に完了し 場合には、当該レンジ切り替えの前後に運 者による加速要求を受けたときに、即座に れに見合った駆動力を駆動輪に伝達するこ が可能になる。これにより、レンジ切り替 が正常なときの加速要求に対する応答性が 好に保たれるようになる。

 この制御装置は、前記レンジ切り替えの 行によりレンジ切り替えが正常に完了した 、途中で動作不良によるフェールが発生し かを調べる確認手段と、この確認手段でフ ール発生を検出したときに、前記動力伝達 整手段で駆動力伝達を制限する対策手段と さらに含むことが好ましい。

 この構成によれば、仮に、レンジ切り替 フェールが発生して要求レンジを成立でき い状態になったときに、フェール対策を行 ときに懸念される動作遅れを加味しても、 の遅れ期間において、駆動輪に対する駆動 伝達が制限されるから、車両の動きを抑制 きるようになる。

 しかも、前記特定パターン以外のレンジ り替え要求を受けたときには、前記のよう 駆動力を制限させる対処をしないので、前 レンジ切り替えが正常に完了した場合には 当該レンジ切り替えの前後に運転者による 速要求を受けたときに、即座にそれに見合 た駆動力を駆動輪に伝達することが可能に る。これにより、レンジ切り替えが正常な きの加速要求に対する応答性が良好に保た るようになる。

 また、前記対処手段は、特定パターンの ンジ切り替え要求を受け付けることに伴い 記動力伝達調整手段により駆動力伝達を制 させるにあたって、前記自動変速機の作動 温度を検出するための油温検出手段の出力 基づき検出油温が低い場合に高い場合に比 て前記制限度合いを大きくする構成とする とが好ましい。

 そもそも、油圧式の動力伝達調整手段の 作は、作動油温度が高い場合だと作動油の 度が低いために応答性がよいが、作動油温 が低い場合には作動油の粘度が高いために 答性が悪いと言える。

 そのため、作動油温度が低い場合は、動 伝達調整手段の応答性が悪くなる点を考慮 、作動油温度が高い場合に比べて動力伝達 整手段による制限度合いを大きくしている ら、駆動力制限の動作遅れ(例えばクラッチ 解放遅れ)を低減することが可能になる。但 、作動油温度が高い場合には、動力伝達調 手段の応答性が良いので、レンジ切り替え ェールを検出した後で駆動力制限を行って 、動作遅れが生じにくい。

 好ましくは、前記動力伝達調整手段は、 記自動変速機に備える摩擦係合要素とされ 。このようにすれば、動力伝達調整手段と て新たに設置する必要がないから、イニシ ルコストや車両重量の増加を抑えるうえで 利となる。

 好ましくは、上記全ての制御装置の制御 象となる車両に備えるレンジ切替装置につ ては、自動変速機に備えるレンジ切り替え の油圧制御装置の一構成要素であるマニュ ルバルブの状態を変更するためのディテン 機構と、ディテント機構を駆動するための クチュエータとを備え、前記ディテント機 は、前記アクチュエータにより変位される ィテント部材と、ディテント部材の停止姿 を保持する位置決め部材とを含み、前記デ テント部材は、前記切り替え対象となるレ ジ毎に対応する複数の谷および当該谷間の からなる波形部を有し、前記位置決め部材 、前記波形部の谷に係合する係合部を有し つ当該係合部を谷底へ向けて押圧する付勢 を発生するものとされる。このような構成 レンジ切替装置の場合、制御装置は、レン 切り替えの要求を受けたときに前記アクチ エータを制御して要求レンジを成立させる のとされることが好ましい。

 このように、上記全ての制御装置の制御 象となる車両に備えるレンジ切替装置の構 を例示することができる。

 好ましくは、前記アクチュエータは、前 ディテント部材を傾動させるもので、回転 力を発生する電動式のモータと、このモー で発生した回転動力を減速して前記ディテ ト部材の支軸に同軸かつ一体回転可能に連 される出力軸から出力させる減速機構とを む、ものとされる。

 このように、ディテント部材の動作形態 アクチュエータで発生する動力形態等を特 すれば、レンジ切替装置の構成を明確にす ことができる。

 さらに、前記特定したレンジ切替装置を える車両の制御装置の場合には、前記モー のロータの回転角を検出するロータ角検出 段と、前記アクチュエータの出力軸の回転 を検出する出力角検出手段とを備え、前記 行手段は、レンジ切り替え要求に応答して 前記要求レンジに対応する谷を前記係合部 係合させるのに必要なモータの目標回転角 設定して、前記ロータ角検出手段の検出出 (実回転角)が前記目標回転角に到達するま 前記モータの駆動をフィードバック制御す 処理を行うものとすることが好ましい。 こ のように、傾動するタイプのディテント部材 を用いる場合において、レンジ切り替えの制 御形態を明確にすることができる。

 上記構成において、前記特定したレンジ 替装置を備える車両の制御装置の場合には 前記確認手段は、前記モータの駆動停止時 、前記出力角検出手段の出力に基づいて前 要求レンジに対応する谷が前記係合部に係 したか否かを調べることによりフェール発 の有無を判定するものとすることが好まし 。

 このように、傾動するタイプのディテン 部材を用いる場合におけるレンジ切り替え ェールの形態を明確にすることができる。

 本発明によれば、現在の駆動力方向を反 させるような特定パターンのレンジ切り替 を行う過程で、万一、レンジ切り替えフェ ルが発生しても、車両の動きを可及的に抑 または防止することが可能になる。

 また、本発明によれば、前記効果に加え 、前記特定パターン以外のレンジ切り替え 正常に完了した場合に運転者の加速要求に する応答性を良好に保つことが可能になる

本発明に係る車両の制御装置の一実施 態で、概略構成を示すブロック図である。 図1のレンジ切替装置に用いるシフトレ バーのレンジ切り替えパターンを示す斜視図 である。 図1の自動変速機の一実施形態で、概略 構成を示すスケルトン図である。 図3に示す自動変速機の作動表である。 図1のレンジ切替装置の概略構成を示す 斜視図である。 図1のアクチュエータの出力軸とディテ ントプレートの支軸との連結部分を断面にし て示す側面図である。 図1の制御装置による動作説明に用いる フローチャートである。 本発明に係る車両の制御装置の他実施 態で、動作説明に用いるフローチャートで る。

符号の説明

      1   エンジン(駆動源)
      2   自動変速機
  C1~C4   クラッチ(動力伝達調整手段)
  B1~B4   ブレーキ(動力伝達調整手段)
      3   ENG_ECU
      4   ECT_ECU
     10   レンジ切替装置
     11   パーキングスイッチ
     12   シフトレバー
     13   シフトスイッチ
     14   ロータ角検出手段
     15   出力角検出手段
     16   ブレーキスイッチ
     17   車速センサ
     27   油圧制御回路
     28   マニュアルバルブ
     28b  マニュアルバルブのスプール
     30   パーキング機構
     33   パーキングロッド
     40   SBW_ECU
     50   ディテント機構
     51   ディテントプレート(ディテン 部材)
     52   ディテントプレートの支軸
     53   ディテントスプリング(位置決 部材)
     54   ディテントプレートの波形部
     57   ディテントローラ(係合部)
     60   アクチュエータ
     61   アクチュエータのモータ
     62   アクチュエータの減速機構
     63   アクチュエータの出力軸                                      

 以下、本発明の最良の実施形態について 面を参照して詳細に説明する。図1から図7 、本発明の一実施形態を示している。

 ここで、本発明の特徴を適用した部分の 明に先立ち、本発明に係る制御装置の制御 象となる車両の前提構成について、図1から 図4を参照して説明する。

 図1において、1は駆動源としてのエンジ (内燃機関)、2は自動変速機、10はレンジ切替 装置である。

 自動車等の車両に搭載されるエンジン1は 、例えばガソリンエンジン、ディーゼルエン ジン、LPGエンジンなどが適用可能であり、燃 料と空気の混合気を気筒内で燃焼させ、その 熱エネルギを回転運動エネルギに変換して出 力するものである。このエンジン1の動作は ENG-ECU(Electronic control Unit )3によって制御さ る。

 自動変速機2は、例えば車両運転席近傍に 設置されるパーキングスイッチ11やシフトレ ー12等を運転者が手動操作することに応答 て、例えばパーキングレンジP,リバースレン ジR,ニュートラルレンジN,ドライブレンジD等 成立するようになっている。この自動変速 2の動作は、ECT(Electronic Controlled automatic Tra nsmission)_ECU4によって制御される。

 図2を参照して、パーキングスイッチ11や フトレバー12の形態を説明する。

 パーキングスイッチ11は、人的な押動操 の度に、パーキングレンジPに対応する信号 、非パーキングレンジNPに対応する信号と 交互に出力するものであって、例えば運転 近傍に設置されるシフト台9の所定位置に設 されている。

 このパーキングスイッチ11は、人的な押 操作の度に、二つの状態を切り替える、い ゆるトグルスイッチ等とされる。

 シフトレバー12は、シフト台9においてパ キングスイッチ11の近傍に設置されており 人的な傾動操作を受けることに伴い、シフ センサ13から適宜の信号(ニュートラルレン Nに対応する信号、リバースレンジRに対応す る信号、ドライブレンジDに対応する信号等) 出力させるようになっている。

 このシフトレバー12は、いわゆるモーメ タリータイプとされていて、シフト台9のシ トゲート9a内におけるホームポジションHを 点にしてニュートラルポジションN、リバー スポジションR、ドライブポジションD、エン ンブレーキポジションBへと傾動操作可能に なっているとともに、ホームポジションHか 、ニュートラルポジションN、リバースポジ ョンR、ドライブポジションD、エンジンブ ーキポジションBに傾動操作した後は、自動 にホームポジションHに戻るようになってい る。

 なお、シフトセンサ13は、シフトレバー12 がホームポジションHから横方向一方に倒さ てニュートラルポジションNに傾動操作され ときにニュートラルレンジNに対応する信号 を出力し、また、ニュートラルポジションN ら前方向のリバースポジションRに向けて傾 操作されたときにリバースレンジRに対応す る信号を出力し、さらに、ニュートラルポジ ションNから後方向のドライブポジションDに けて傾動操作されたときにドライブレンジD に対応する信号を出力し、そして、ホームポ ジションHから後方向のエンジンブレーキポ ションBに向けて傾動操作されたときにエン ンブレーキを効かせるための信号を出力す ようになっている。

 図3および図4を参照して自動変速機2の概 構成を説明する。なお、図3に示す自動変速 機2は、FR(フロントエンジン・リヤドライブ) 式の車両に搭載されるタイプとされている この自動変速機2は、中心線に対して略対称 的に構成されているので、図3では中心線の 半分を省略している。

 自動変速機2は、トルクコンバータ21、ダ ルピニオン型の第1遊星歯車装置22、シング ピニオン型の第2遊星歯車装置23、及び、シ グルピニオン型の第3遊星歯車装置24を備え いる。自動変速機2のアウトプットシャフト 26から出力される動力は、プロペラシャフト デファレンシャルギヤ及びドライブシャフ 等を介して駆動輪に伝達される。

 自動変速機2の第1遊星歯車装置22のサンギ ヤS1はクラッチC3を介してインプットシャフ 25に選択的に連結される。また、サンギヤS1 、ワンウェイクラッチF2及びブレーキB3を介 してハウジングに選択的に連結され、逆方向 (インプットシャフト25の回転と反対方向)の 転が阻止される。第1遊星歯車装置22のキャ アCA1は、ブレーキB1を介してハウジングに選 択的に連結されるとともに、そのブレーキB1 並列に設けられたワンウェイクラッチF1に り、常に逆方向の回転が阻止される。第1遊 歯車装置22のリングギヤR1は、第2遊星歯車 置23のリングギヤR2と一体的に連結されてお 、ブレーキB2を介してハウジングに選択的 連結される。

 第2遊星歯車装置23のサンギヤS2は、第3遊 歯車装置24のサンギヤS3と一体的に連結され ており、クラッチC4を介してインプットシャ ト25に選択的に連結される。また、サンギ S2は、ワンウェイクラッチF0及びクラッチC1 介してインプットシャフト25に選択的に連結 され、そのインプットシャフト25に対して相 的に逆方向へ回転することが阻止される。

 第2遊星歯車装置23のキャリアCA2は、第3遊 星歯車装置24のリングギヤR3と一体的に連結 れており、クラッチC2を介してインプットシ ャフト25に選択的に連結されるとともに、ブ ーキB4を介してハウジングに選択的に連結 れる。また、キャリアCA2は、ブレーキB4と並 列に設けられたワンウェイクラッチF3によっ 、常に逆方向の回転が阻止される。そして 第3遊星歯車装置24のキャリアCA3はアウトプ トシャフト26に一体的に連結されている。

 以上の自動変速機2のクラッチC1~C4、ブレ キB1~B4、及び、ワンウェイクラッチF0~F3の係 合・解放状態を図3の作動表に示す。図4の作 表において「○」は「係合」を表し、「空 」は「解放」を表している。また、「◎」 「エンジンブレーキ時の係合」を表し、「 」は「動力伝達に関係しない係合」を表し いる。

 図3に示すように、この例の自動変速機2 おいて、前進段(D)の1速(1S)では、クラッチC1 係合され、ワンウェイクラッチF0,F3が作動 る。前進段の2速(2nd)では、クラッチC1及び第 3ブレーキB3が係合され、ワンウェイクラッチ F0,F1,F2が作動する。

 前進段の3速(3速段:3rd)では、クラッチC1,C3 が係合されるとともに、ブレーキB3が係合さ 、第1ワンウェイクラッチF0,F1が作動する。 進段の4速(4th)では、クラッチC1,C2,C3が係合 れるとともに、ブレーキB3が係合され、ワン ウェイクラッチF0が作動する。

 前進段の5速(5th)では、クラッチC1,C2,C3が 合されるとともに、ブレーキB1,B3が係合され る。前進段の6速(6th)では、クラッチC1,C2が係 されるとともに、ブレーキB1,B2,B3が係合さ る。

 一方、後進段(Rev)では、クラッチC3が係合 されるとともに、ブレーキB4が係合され、ワ ウェイクラッチF1が作動する。

 このように、この例の自動変速機2では、 摩擦係合要素であるクラッチC1~C4、ブレーキB 1~B4、及び、ワンウェイクラッチF0~F3などが、 所定の状態に係合または解放されることによ ってギヤ段(変速段)が設定される。クラッチC 1~C4、ブレーキB1~B4の係合・解放は油圧制御回 路27によって制御される。

 油圧制御回路27には、レンジ切替装置10に よって駆動されるマニュアルバルブ28や、図 していないリニアソレノイドバルブ及びオ オフソレノイドバルブ等が設けられており 各ソレノイドバルブの励磁・非励磁の制御 あるいは、レンジ切替装置10によるマニュ ルバルブ28の切替制御によって油圧制御回路 27が切り替えられることにより、自動変速機2 のクラッチC1~C4、ブレーキB1~B4の係合・解放 制御することができる。

 油圧制御回路27のリニアソレノイドバル 及びオンオフソレノイドバルブの励磁・非 磁は、ECT_ECU4からのソレノイド制御信号(指 油圧信号)によって制御される。

 なお、ECT_ECU4は、自動変速機2の油圧制御 路27にソレノイド制御信号(油圧指令信号)を 出力する。このソレノイド制御信号に基づい て、油圧制御回路27のリニアソレノイドバル やオンオフソレノイドバルブなどが制御さ 、所定の変速ギヤ段(1速~6速)を構成するよ に、クラッチC1~C4、ブレーキB1~B4、及び、ワ ウェイクラッチF0~F3などが、所定の状態に 合または解放される。

 また、ECT_ECU4は、下記するSBW_ECU40から適 のクラッチ解放指令を受信したときには、 動変速機2の摩擦係合要素を解放してエンジ 1から駆動輪への動力伝達を遮断する。具体 的には、現在のシフトレンジが「ドライブレ ンジD」である場合、クラッチC1を解放して自 動変速機2をニュートラル状態(動力伝達遮断 態)にする。また、現在のシフトレンジが「 リバースレンジR」である場合、クラッチC3及 びブレーキB4を解放して自動変速機2をニュー トラル状態(動力伝達遮断状態)にする。

 図5を参照してレンジ切替装置10を説明す 。

 レンジ切替装置10は、いわゆるバイワイ 方式と呼ばれるものであり、運転者により ーキングスイッチ11あるいはシフトレバー12 が手動操作されることにより要求されたシ トレンジ(P,R,N,D)を成立させるために、自動 速機のレンジ切り替え用のマニュアルバル 28およびパーキング機構30を作動させるもの であって、主として、SBW_ECU(Shift by Wire Elect ronic Control Unit )40と、ディテント機構50と、 アクチュエータ60とを含んで構成されている

 マニュアルバルブ28は、上述しているよ に、自動変速機2に備える油圧制御装置27の 成要素の一つであり、シフトレバー12の操作 に応答して作動されたときに、前記各リニア ソレノイドバルブに対する作動油供給経路が 変更されることによって、前記操作に対応す るレンジを成立させるものである。このマニ ュアルバルブ28は、一般的に公知のスプール ルブタイプであり、主として、バルブボデ 28aと、スプール28bとを含んだ構成になって る。

 バルブボディ28aは、自動変速機2のケース 内の適宜場所に固定されかつ適宜の給油ポー トや排出ポートを有している。スプール28bは 、バルブボディ28aに軸方向変位可能に収納さ れている。

 パーキング機構30は、自動変速機2のアウ プットシャフト26を回転不可能なロック状 あるいは回転可能なアンロック状態に切り えるもので、主として、パーキングギヤ31と 、パーキングロックポール32と、パーキング ッド33とを含んだ構成になっている。

 パーキングギヤ31は、自動変速機のアウ プットシャフト26に一体回転可能に外装固定 されている。

 パーキングロックポール32は、パーキン ギヤ31の近傍に一端側を支点として傾動自在 となるように配置されている。このパーキン グロックポール32の長手方向途中には、パー ングギヤ31の歯間に係入または離脱可能と れる爪32aが設けられている。なお、パーキ グロックポール32は、図示省略のばねによっ てパーキングギヤ31から引き離される方向に 時付勢されている。

 パーキングロッド33は、自動変速機のア トプットシャフト26と略平行に前端側または 後端側に変位されるように配置されている。

 このパーキングロッド33の前端は、図1お び図2に示すように、下記するディテントプ レート51に連結されていて、このディテント レート51の傾動動作によって押し引きされ 。

 また、パーキングロッド33の後端には、 ーキングロックポール32を傾動させるための テーパコーン37が設けられている。このテー コーン37は、コイルスプリング38によりパー キングギヤ31側へ押圧されている。このコイ スプリング38は、パーキングロッド33に外装 されており、その一端がパーキングロッド33 係止固定されている止め輪39によって受け められている。

 SBW_ECU40は、レンジ切替装置10の動作を統 的に制御するものであって、少なくとも、 ーキングスイッチ11から入力される信号に応 答してシフトレンジをパーキングレンジPと パーキングレンジPとに切り替える処理と、 フトセンサ13から入力される信号に応答し 、要求されるレンジ(R,N,D)に切り替える処理 を行う。   

 このSBW_ECU40は、主として、パーキングス ッチ11、シフトセンサ13、ロータ角検出手段 14、出力角検出手段15、油温センサ16、ブレー キスイッチ17、車速センサ18等が図示してい い入力インタフェースを介して接続されて るとともに、アクチュエータ60のモータ61等 図示していない出力インタフェースを介し 接続されており、少なくとも、必要に応じ アクチュエータ60のモータ61を制御すること によって自動変速機2を要求の変速段に切り える変速処理を実行する。

 この実施形態では、SBW_ECU40に接続される 成要素について本発明の特徴に関連するも のみにして、本発明の特徴に直接的に関連 ないものについての記載や説明を割愛して る。

 なお、油温センサ16は、自動変速機2の作 油(ATF)の温度を検出するもので、ブレーキ イッチ17は、図示していないフットブレーキ が踏み込まれていない状態でオフ、踏み込ま れたときにオン信号を出力するもので、さら に、車速センサ18は、車両の走行速度を検出 るものである。

 また、ロータ角検出手段14および出力角 出手段15は、従来公知の構成(例えば特許文 2参照)であるので、詳細な図示や説明を割愛 し、簡単に説明する。これらの検出手段14,17 、下記する以外の適宜の構成とすることも 能である。

 ロータ角検出手段14は、モータ61のロータ の回転角を検出するものであって、ロータの 外周に設置される磁石あるいはロータの外周 に交互に反対の極性で磁化される磁極と、磁 気検出用のホールICとで構成され、ロータの 転量に応じた数のパルスを出力するデジタ エンコーダ等とされる。

 出力角検出手段15は、アクチュエータ60の 出力軸63の回転角を検出するものであって、 力軸63の外面側の所定回転角範囲に設置さ かつ円周方向一方へ向けて断面積が漸増す 磁石と、リニア出力ホールICとで構成され、 出力軸63の回転角に応じた前記磁石の磁力を 出し、その検出磁力に応じたリニアなアナ グ信号(電圧)を出力するアナログ磁気セン とされる。このアナログ磁気センサとして 、例えば非接触式のニュートラルスイッチ(N SW)等と呼ばれるものとされる。

 そして、上述した各ECU3,4,40は、詳細に図 していないが、一般的なECUと同様に、CPU、R OM、RAMならびにバックアップRAM等を含んで構 されるものとされ、それぞれ互いに必要な 報を双方向で送受可能に接続されている。R OMは、各種制御プログラムや、それら各種制 プログラムを実行する際に参照されるマッ 等が記憶されている。CPUは、ROMに記憶され 各種制御プログラムやマップに基づいて各 の演算処理を実行する。RAMは、CPUでの演算 果や各センサから入力されたデータ等を一 的に記憶するメモリである。バックアップR AMは、例えばエンジン1の停止時にその保存す べきデータ等を記憶する不揮発性のメモリで ある。

 ディテント機構50は、マニュアルバルブ28 のスプール28bやパーキング機構30のパーキン ロッド33を段階的に押し引きして位置決め るものであって、主として、ディテントプ ート51と、支軸(マニュアルシャフトとも言 )52と、ディテントスプリング53とを含んだ構 成になっている。

 ディテントプレート51は、アクチュエー 60により傾動されることでマニュアルバルブ 28のスプール28bやパーキング機構30のパーキ グロッド33を押し引きするものである。

 このディテントプレート51は、外形が扇 に形成されており、その傾動中心となる領 には、当該ディテントプレート51と別体の支 軸52が貫通する状態で一体回転可能に固定さ るようになっている。

 具体的に、ディテントプレート51と支軸52 との連結は、例えばディテントプレート51の 動支点部分に円筒ボス部(図示省略)を設け とともに、この円筒ボス部の内孔に支軸52を 嵌合し、例えばスプリングピン等(図示省略) 打ち込むことにより連結する形態になって るが、その他の形態でもよい。

 これにより、支軸52が回転されると、そ と一体にディテントプレート51が回転(また 傾動)するようになる。なお、ディテントプ ート51と支軸52とを一体に形成してもよい。

 支軸52の軸方向一端側は、アクチュエー 60の出力軸63に同軸かつ一体回転可能に連結 れており、また、支軸52の軸方向他端は、 示していないが、例えば自動変速機ケース3 に回動可能に支持される。

 このディテントプレート51の支軸52とアク チュエータ60の出力軸63との連結は、例えば プライン嵌合とされている。つまり、支軸52 の一端側外周には、オススプライン(符号省 )が設けられており、また、アクチュエータ6 0の出力軸63には、その内径側の横穴部分の内 周面にメススプライン(符号省略)が設けられ いる。これにより、アクチュエータ60でも て支軸52を正逆両方向に所定角度回転駆動す ると、ディテントプレート51が傾動されるよ になるのである。

 そして、ディテントプレート51の所定位 には、マニュアルバルブ28のスプール28bの前 端が連結されているとともに、パーキング機 構30のパーキングロッド33の前端が連結され いる。これにより、ディテントプレート51を 傾動させると、マニュアルバルブ28のスプー 28bが軸方向に変位させられるとともに、パ キングロッド33が軸方向に変位させられる うになる。

 なお、ディテントプレート51に対するス ール28bの連結形態については、ディテント レート51の所定位置に支軸52と平行に取り付 られるピン58を、スプール28bの外端部分に けられている二枚の円板の間に介装させる うにしている。

 また、ディテントプレート51に対するパ キングロッド33の連結形態としては、ディテ ントプレート51の長手方向一端側に設けられ 貫通孔59に、パーキングロッド33の先端屈曲 部を挿入してから、この先端屈曲部に図示省 略のスナップリングや係止ピン等を装着した り、あるいは先端屈曲部を塑性変形したりす ることによって抜け止め固定するようになっ ている。

 このディテントプレート51は、シフトレ ー12により選択されるシフトレンジ(例えば ーキングレンジP、リバースレンジR、ニュー トラルレンジNならびにドライブレンジD)に対 応して例えば四段階に傾動されて、その傾動 姿勢に応じてマニュアルバルブ28のスプール2 8bを軸方向に四段階に変位させるようになっ いる。

 そのために、ディテントプレート51の上 側には、波形部54が設けられている。

 この波形部54は、シフトレバー12における 四段階のシフトレンジ(パーキングレンジP、 バースレンジR、ニュートラルレンジNなら にドライブレンジD)に対応する数(四つ)の谷( 符号省略)を有している。そして、図2に示す うに、ディテントプレート51において四つ 谷の近傍には、「P,R,N,D」というマークが付 されている。

 ディテントスプリング53は、ディテント レート51の四段階の傾動姿勢を個別に位置決 め保持するもので、可撓性を有する帯状の板 ばねからなり、その先端の二股部分に、係合 部としてのディテントローラ57を回動可能に 持させた構成になっている。

 なお、ディテントローラ57は、詳細に図 していないが、中空形状であり、その中心 に支軸が挿通され、この支軸の軸方向両端 ディテントスプリング53の二股部分に固定さ れている。

 このディテントスプリング53の一端側は この実施形態においてマニュアルバルブ28の バルブボディ28a等に固定されている。また、 ディテントローラ57は、ディテントプレート5 1の波形部54におけるいずれかの谷に係合され るものであるが、その状態において、ディテ ントスプリング53そのものが若干弾性変形し 反った姿勢となるように設置することによ て、ディテントスプリング53の弾性復元力 もってディテントローラ57を谷の底に押し付 けるように作用させて、係合状態を強くする 形態としている。

 アクチュエータ60は、ディテント機構50を 駆動するものであって、詳細に図示していな いが、電動式のモータ61と、減速機構62と、 力軸63とを含んだ構成になっている。

 このアクチュエータ60は、図示していな が、例えば自動変速機2のケース等にボルト 取り付けられる、外付けタイプとされてい 。

 モータ61は、例えば永久磁石を用いない ラシレスのSR(スイッチド・リラクタンス)モ タとされ、図示していないが、回転自在に 持されるロータと、このロータの回転中心 同軸上に配置されるステータとで構成され 。

 減速機構62は、詳細に図示していないが 例えば、サイクロイドギヤを用いる機構や 複数の歯車を組み合わせた歯車機構や、遊 歯車機構等のいずれかとされる。この減速 構62の入力部材(図示省略)は、モータ61のロ タ(図示省略)に連結されており、また、減速 機構62の出力軸(図示省略)に、出力軸63が一体 に設けられている。この出力軸63には、図6に 示すように、ディテントプレート51の支軸52 例えばスプライン嵌合により連結されてい 。

 次に、上述した構成のレンジ切替装置10 基本的な動作を説明する。

 そもそも、運転者がパーキングスイッチ1 1またはシフトレバー12を手動操作することに より、自動変速機2のパーキングレンジ(P),リ ースレンジ(R),ニュートラルレンジ(N),ドラ ブレンジ(D)等のいずれかが選択されると、SB W_ECU40は、パーキングスイッチ11やシフトセン サ13からの出力に基づき前記選択されたレン ポジションを認識する。

 SBW_ECU40は、前記認識した結果に応じて、 クチュエータ60の出力軸63を正回転または逆 回転させるよう駆動し、支軸52およびディテ トプレート51を適宜、回転(傾動)させる。詳 しくは、SBW_ECU40は、要求レンジに対応する目 標回転角(目標パルスカウント値)を設定して モータ61への通電を開始し、モータ61の検出 回転角(実パルスカウント値)が目標回転角と 致する位置で停止させるようにモータ61を ィードバック制御する。

 ところで、ディテントプレート51の傾動 伴い、その波形部54の山がディテントローラ 57に当接したときにディテントスプリング53 一旦上向きに弾性変形されるので、ディテ トローラ57が波形部54の目標となる谷に係合 たときにディテントスプリング53の弾性復 力(付勢力)によりディテントローラ57が谷に し付けられるので、ディテントプレート51 不動に位置決め保持される。

 このディテントプレート51の傾動により ニュアルバルブ28のスプール28bが軸方向にス ライドされ、マニュアルバルブ28が「R」,「N ,「D」のうちの選択されたレンジポジショ へと切り替えられる。これにより、油圧制 装置27が適宜に駆動されて自動変速機2にお る適宜の変速段を成立することになる。

 なお、SBW_ECU40は、出力角検出手段15の出 信号(電圧値)を読み込んで、その出力信号に 基づいて現在の出力軸63の回転角(マニュアル バルブ28の操作量)、つまり、現在のレンジ( レンジ)がパーキングレンジP、リバースレン ジR、ニュートラルレンジN、ドライブレンジD のいずれであるかを認識し、この認識した現 在のレンジ(実レンジ)と要求レンジ(目標レン ジ)とを対比することによりレンジ切り替え 正常に行われたか否かを判断する。

 そして、パーキングレンジPが選択された 場合には、マニュアルバルブ28が「P」ポジシ ョンに切り替えられるとともに、パーキング 機構30のパーキングロッド33が軸方向にスラ ドされ、パーキングロックポール32の爪32aを パーキングギヤ31に係合させるようになる。 れにより、自動変速機2のアウトプットシャ フト26が回転不可能なロック状態にされる。

 また、パーキングレンジPの位置からそれ 以外のレンジが選択された場合には、SBW_ECU40 は、アクチュエータ60を駆動することにより 支軸52を所定方向に所定角度回転させるこ により、ディテントプレート51が傾動される ことになり、それに伴いパーキングロッド33 よびテーパコーン37が前記と逆向きに軸方 にスライドされて、テーパコーン37によるパ ーキングロックポール32の押し上げ力を解除 る。

 これにより、パーキングロックポール32 下向きに下がって、その爪32aがパーキング ヤ31の歯間から抜け出るので、アウトプット シャフト26が回転可能なアンロック状態にさ る。それと同時に、マニュアルバルブ28の プール28bが目標の位置に変位されて、油圧 御装置27において適宜の作動油供給経路を作 成する。

 次に、本発明の特徴を適用した部分につ て詳細に説明する。

 要するに、この実施形態では、運転者に るパーキングスイッチ11やシフトレバー12の 操作によってレンジ切り替え要求を受けたと きに、当該レンジ切り替え要求が、現在の駆 動力方向を反転させる特定パターン(例えば バースレンジRからドライブレンジDへの切り 替えあるいはドライブレンジDからリバース ンジRへの切り替え)である場合に、レンジ切 り替えの実行開始前、あるいはレンジ切り替 えの実行開始直後に、エンジン1の発生出力 下限側、例えばアイドリング状態に低下さ るように工夫している。

 具体的に、本発明の特徴を適用したレン 切り替え制御について、図7に示すフローチ ャートを参照して説明する。図7に示すフロ チャートは、SBW_ECU40による処理を主体とし 記載している。

 図に示すフローチャートには、運転者に るパーキングスイッチ11やシフトレバー12の 操作に伴い、パーキングレンジP,リバースレ ジR,ニュートラルレンジN,ドライブレンジD のいずれかが選択されたときに、パーキン スイッチ11やシフトセンサ13から出力される 号に基づき、前記レンジ切り替えの要求を 識したときに、エントリーされる。

 まず、ステップS1において、実レンジ(現 レンジ)と目標レンジ(要求レンジ)とを照合 、レンジ切り替え要求が、駆動力方向を反 させるような特定パターン、例えばリバー レンジRからドライブレンジDへの切り替え あるいはドライブレンジDからリバースレン Rへの切り替えであるか否かを判定する。こ こでは、制御装置40の内部メモリに一時的に 憶されている実レンジを読み出し、前記認 した目標レンジと照合する。

 このとき、レンジ切り替え要求が、前記 定パターン以外のパターン(P→R,R→P,R→N,N R,N→D,D→N等)であれば、前記ステップS1で否 判定して、ステップS2に移行してから、下 ステップS6に飛ぶ。

 このステップS2では、目標レンジに対応 るモータ61の目標回転角(目標カウント値)を 定し、モータ61のフィードバック制御を実 開始することにより、ディテントプレート51 を傾動開始させる。ここでは、要するに、ロ ータ角検出手段14からの出力(実パルスカウン ト値)を目標回転角(目標カウント値)に一致さ せるまでモータ61の駆動を継続する。

 ところで、前記レンジ切り替え要求が、 記特定パターンであれば、前記ステップS1 肯定判定して、ステップS3へ移行する。

 このステップS3では、前記レンジ切り替 要求が運転者によるシフトレバー12の誤操作 によって受信したのか否かを判定する。

 一般的に、前記特定パターンのレンジ切 替え要求は、停車またはほぼ停車に近い車 のときに行われることが多い。そこで、停 またはほぼ停車に近い車速であるか、所定 上の車速での走行中であるかを調べること より、誤操作か否かを確認することができ 。そのために、車速センサ18から入力され 信号(実車速値)が予め設定される閾値S0以下 あるか否かを判定する。この閾値S0は、例 ば10km/h等、略停車に近い速度に設定される 、任意である。

 そして、実車速値>S0の場合、つまり誤 作であると判断した場合には、前記ステッ S3で肯定判定して、このフローチャートを ける。

 一方、実車速値≦S0の場合、つまり誤操 でないと判断した場合には、前記ステップS3 で否定判定して、続くステップS4に移行する

 このステップS4では、前記ステップS2と同 様、目標レンジに対応するモータ61の目標回 角(目標カウント値)を設定し、モータ61のフ ィードバック制御を実行開始することにより 、ディテントプレート51を傾動開始させる。

 引き続き、ステップS5において、ENG_ECU3に エンジン出力低下対策の実行指令を出力して から、下記ステップS6に移行する。なお、前 のエンジン出力低下対策とは、例えばエン ン1をアイドリング状態にさせるための処理 とすることができる。したがって、ENG_ECU3は エンジン出力低下対策の実行指令を受信す と、エンジン1をアイドリング状態とするよ うに、エンジン1への燃料供給系(図示省略)に よる燃料供給量を制御する。

 次いで、ステップS6では、モータ61が停止 したか否かを判定する。ここでの判定は、ロ ータ角検出手段14からの出力(実回転角)が目 回転角に一致して正常に停止した場合だけ なく、モータ61や減速機構62の動作不良が発 して目標回転角まで駆動できずに異常停止 た場合も含まれる。モータ61の停止は、ロ タ角検出手段14からの出力(実回転角)に基づ て認識できる。

 ここで、モータ61が停止していない場合 は、ステップS6で否定判定して当該ステップ S6を繰り返すが、停止した場合には、前記ス ップS6で肯定判定して下記ステップS7に移行 する。

 ステップS7では、実レンジ(現在レンジ)と 目標レンジ(要求レンジ)とを照合し、実レン が目標レンジになっているか否かを判定す 。ここでは、出力角検出手段15からの出力( 電圧値)が、目標レンジに対応する目標電圧 範囲に入っているか否かを調べるようにする 。

 そして、実レンジが目標レンジになった 合には、レンジ切り替えが正常に完了した とを意味しているので、前記ステップS7で 定判定してステップS8に移行する。このステ ップS8では、ENG_ECU3にエンジン出力低下対策 終了させるための指令を出力してから、こ フローチャートを抜ける。

 しかし、実レンジが目標レンジになって ない場合には、レンジ切り替え過程で異常 発生したことを意味しているので、前記ス ップS7で否定判定してステップS9に移行する 。

 このステップS9では、レンジ切り替えフ ール発生有りと認識して、ECT_ECU4に駆動力遮 断対策の実行指令を出力する。この駆動力遮 断対策とは、自動変速機2のアウトプットシ フト26から駆動力を出力させないニュートラ ル状態、つまり自動変速機2の各クラッチや レーキを解放させるための処理とすること できる。

 なお、ECT_ECU4は、SBW_ECU40からの駆動力遮 対策の実行指令を受信した時点で、自動変 機2の指示油圧をクラッチ解放油圧に設定し 自動変速機2の各クラッチを解放させる処理 を行う。例えば、現在レンジがリバースレン ジRである場合、自動変速機2のクラッチC3及 ブレーキB4を解放し、自動変速機2をニュー ラル状態にしてアウトプットシャフト26から の駆動力出力を遮断する。この後、このフロ ーチャートを抜ける。

 ところで、上述した動作説明から明らか ように、ステップS5、S8、S9においてSBW-ECU40 ENG-ECU3やECT-ECU4と連携するようになっている ので、本発明に係る車両の制御装置は、ENG-EC U3とECT-ECU4とSBW-ECU40とを含んで構成されてい と言える。

 但し、ENG-ECU3とECT-ECU4とSBW-ECU40とを別々と せずに、単一の総括制御装置としている場合 には、この統括制御装置が、本発明に係る車 両の制御装置に相当することになる。

 以上説明したように、本発明の特徴を適 した実施形態によれば、レンジ切り替え要 がリバースレンジRからドライブレンジDへ 切り替え要求またはドライブレンジDからリ ースレンジRへの切り替え要求といった現在 の駆動力方向を反転させるような特定パター ンである場合に、レンジ切り替えの実行開始 と略同時に、エンジン1の出力をアイドリン 状態とするようにしている。

 これにより、前記特定パターンのレンジ り替え過程で、万一、レンジ切替装置10が 作不良となるレンジ切り替えフェールが発 したときでも、動力伝達経路を遮断すると ったフェールセーフ制御を実行するときに 念される動作遅れを加味して、その遅れ期 において、エンジン1のアイドリング状態に るクリープ力が車両の駆動輪に伝達される 度で済むから、車両がほとんど動かずに済 。仮に、万一車両が動いたとしても、その きは可及的に遅くかつ短くなる。

 しかも、前記特定パターン以外のレンジ り替え要求を受けたときには、前記のよう エンジン1をアイドリング状態にさせるとい った対処をしないので、前記レンジ切り替え が正常に完了した場合には、当該レンジ切り 替えの前後に運転者による加速要求を受けた ときに、即座にそれに見合った駆動力を駆動 輪に伝達することが可能になる。参考までに 、例えばニュートラルレンジNで運転者がア セル開度を全開側にしてエンジン1を空吹か 状態にしておいてから、ドライブレンジDや リバースレンジRに切り替える場合(いわゆるN レーシング後のDスタート)があるが、このよ なときに、急加速発進が可能になる。この うに、レンジ切り替えが正常なときの加速 求に対する応答性は良好に保たれるように る。

 ちなみに、例えばニュートラルレンジNか らドライブレンジDやリバースレンジRへの切 替え要求があった場合は、レンジ切り替え ェールが発生してニュートラルレンジNが保 持されたとすると、駆動力は駆動輪に伝達さ れなくて済む。

 なお、本発明は、上記実施形態のみに限 されるものではなく、特許請求の範囲内お び当該範囲と均等の範囲で包含されるすべ の変形や応用が可能である。以下、本発明 他の実施形態を例に挙げる。

 (1)上記実施形態では、FR(フロントエンジ ・リヤドライブ)方式の車両を、本発明に係 る制御装置の適用対象とした例を挙げている 。しかし、本発明に係る制御装置は、それに 限定されることなく、FF(フロントエンジン・ フロントドライブ)方式の車両、MR(ミッドエ ジン・リヤドライブ)方式の車両、RR(リヤエ ジン・リヤドライブ)方式の車両、あるいは 4WD(4ホイールドライブ)方式の車両を、適用対 象とすることが可能である。

 (2)本発明に係る制御装置の適用対象とな 車両は、エンジン1のみを駆動源とする車両 のみに限定されず、例えばエンジンとモータ ・ジェネレータ等の電動機とを併用するハイ ブリッド車両であってもよい。

 (3)本発明に係る制御装置の適用対象とな 車両は、遊星歯車機構と複数の摩擦係合要 (クラッチC1~C4やブレーキB1~B4)とを用いて変 比を設定する自動変速機が搭載されたもの 例に挙げている。しかし、本発明に係る制 装置の適用対象となる車両は、それに限定 れることなく、ベルト式無段変速機(CVT)な 無段変速機が搭載された車両であってもよ 。

 (4)上記実施形態では、アクチュエータ60 出力軸63の回転角を出力角検出手段15で検出 るようにした例を挙げている。しかし、本 明は、それに限定されることなく、ディテ トプレート51の傾動角度を直接的に検出す 検出手段(アナログ磁気センサ等)を用いるこ とが可能であるとともに、例えばマニュアル バルブ28のスプール28bの操作量等を検出する 出手段を用いることも可能である。

 (5)上記実施形態では、車両に搭載された 圧駆動式の自動変速機2に備える摩擦係合要 素(クラッチC1~C4やブレーキB1~B4)を解放するこ とにより前記駆動力遮断対策を行うようにし た例を挙げている。しかし、本発明は、それ に限定されることなく、エンジン1のクラン シャフト(出力軸)から駆動輪(図示省略)に至 までの動力伝達経路に、油圧式の動力遮断 段(例えばクラッチ)を自動変速機2とは別に け、その油圧式の動力遮断手段の作動によ て上記駆動力遮断対策を行うようにしても い。

 (6)図8に、本発明の他の実施形態を示して いる。図8のフローチャートにおいて、図7の ローチャートとの相違は、ステップS2の後 、ステップS10を追加したことであり、その は基本的に図7と同じである。

 この実施形態では、レンジ切り替え要求 リバースレンジRからドライブレンジDへの り替え要求またはドライブレンジDからリバ スレンジRへの切り替え要求といった現在の 駆動力方向を反転させるような特定パターン である場合に、レンジ切り替えの実行開始と 略同時に、エンジン1の出力を低下させる第1 ンジン出力低下対策(図8のステップS5)を行 ことに加えて、前記特定パターン以外のレ ジ切り替え要求があった場合、つまり図8の テップS1で否定判定された場合には、図8の テップS2に続くステップS10において、レン 切り替えの実行開始と略同時に、エンジン1 出力を低下させる第2エンジン出力低下対策 を行うようにしている。

 但し、第1エンジン出力低下対策での低下 度合いは、第2エンジン出力低下対策での低 度合いに比べて、大きく設定される。

 (7)上記実施形態において、図7のステップ S5や、図8のステップS5およびS10でのエンジン 力低下対策は、例えばエンジン1から駆動輪 への駆動力の伝達を低下させる側に調整する 駆動力制限対策に替えることも可能である。

 この駆動力制限対策では、例えば自動変 機2に備える摩擦係合要素(クラッチC1~C4やブ レーキB1~B4等)を油圧式の動力伝達調整手段と して利用し、その係合、解放の度合いを調整 するように制御することで対応できる。

 そして、駆動力制限対策の場合には、自 変速機2の作動油温度の高低を考慮して駆動 力の制限度合いを調整することができる。

 具体的には、ECT_ECU4が図7のステップS5や 図8のステップS5およびS10でSBW_ECU40からエン ン出力低下対策の代わりに駆動力制限対策 実行指令を受けたときに、まず、自動変速 2の作動油の温度を油温センサ16からの出力 基づき調べる。

 ここで、油温センサ16の出力(実際の作動 温度)に基づいて、実際の作動油温度(実油 )が所定の閾値THO以上と判定した場合(実油温 ≧THO)には、駆動力制限対策での制限度合い 予め設定した固定値とする。一方、実油温 所定の閾値THOより低いと判定した場合(実油 <THO)には、駆動力制限対策での制限度合 を、検出油温≧THOである場合に比べて大き する。

 このようにしている理由について説明す 。

 そもそも、油圧式の動力伝達調整手段と ての自動変速機2に備える摩擦係合要素(ク ッチC1~C4やブレーキB1~B4等)の係合、解放の切 り替え動作は、自動変速機2の作動油温度が 値THO以上である場合だと作動油の粘度が高 ために応答性がよいが、自動変速機2の作動 温度が閾値THOより低い場合には作動油の粘 が高いために応答性が悪いと言える。

 つまり、作動油温度が高い場合には、前 摩擦係合要素の応答性が良いので、レンジ り替えフェールを検出した後で駆動力制限 行っても、動作遅れが生じにくいので、駆 力制限の度合いが小さくてもよいと言える しかし、作動油温度が低い場合は、動力伝 調整手段の応答性が悪くなるので、そのこ を考慮し、作動油温度が高い場合に比べて 動力制限度合いを大きくすることにより、 動力制限の動作遅れ(例えばクラッチ解放遅 れ)を低減させるようにしているのである。

 なお、前記の駆動力制限とは、エンジン1 から駆動輪への駆動力の伝達をゼロとする場 合、言い換えれば、エンジン1から駆動輪ま の動力伝達経路を遮断する場合も含まれて る。

 このように、レンジ切り替え要求がリバ スレンジRからドライブレンジDへの切り替 要求またはドライブレンジDからリバースレ ジRへの切り替え要求といった現在の駆動力 方向を反転させるような特定パターンである 場合のみ、レンジ切り替えの実行開始と略同 時に、エンジン1から駆動輪への駆動力伝達 制限することができる。

 この場合には、前記特定パターンのレン 切り替え過程で、万一、レンジ切替装置10 動作不良となるレンジ切り替えフェールが 生したときでも、動力伝達経路を遮断する いったフェールセーフ制御を実行するとき 対応が素早く行えるようになるから、上記 施形態のようなフェールセーフ制御の動作 れを無くすことが可能になる。そのため、 ンジ切り替えフェールが発生している状態 運転者が加速要求したとしても、駆動力が 両の駆動輪に伝達されずに済むから、車両 全く動かずに済む。

 但し、図8のステップS5の第1エンジン出力 低下対策や、ステップS10の第2エンジン出力 下対策を、上述した駆動力制限対策に替え 場合には、図8のステップS5の第1駆動力制限 策による制限度合いは、ステップS10の第2駆 動力制限対策による制限度合いに比べて、大 きく設定される。

 (8)上記(7)で説明した駆動力制限対策にお ては、車輪制動用の電子制御式ブレーキシ テム(ECB:Electronic Controlled Brake system)を用い て制動力を調整することによって、エンジン から駆動輪への駆動力伝達を制限することが 可能である。

 このブレーキシステムは、図示していな が、一般的に公知のブレーキアシスト機能 アンチロックブレーキ機能等を実現するた に、例えば油圧作動式のマスターシリンダ らブレーキキャリパに至る油圧経路の途中 ブレーキ油圧制御回路を設け、このブレー 油圧制御回路をECB_ECU等の制御装置でもって 適宜に制御するようになっている。   

 そして、レンジ切り替えの要求が、現在 駆動力方向を反転させるような特定パター (例えばR→D,D→R)であると認識したときに、 当該特定パターンでない場合に比べて前記ブ レーキシステムによる車両の制動力を調整す ることによりエンジンから駆動輪への駆動力 伝達を制限させる度合いを大きくすることが できる。

 この場合も上記実施形態と基本的に同様 作用、効果が得られる。

  本発明は、その精神または主要な特徴 ら逸脱することなく、他のいろいろな形で 施することができる。そのため、上述の実 例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限 的に解釈してはならない。本発明の範囲は 許請求の範囲によって示すものであって、 細書本文には、なんら拘束されない。さら 、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形 変更は、全て本発明の範囲内のものである

 本発明は、自動変速機のシフトレンジを クチュエータによって切り替えるバイワイ 方式のシフト切替装置が搭載された車両の 御装置に有用であり、シフト切替フェール の動力伝達の遮断を適切なタイミングで行 ことができ、しかも動力遮断手段の作動油 温度状態に大きく左右されることない点で 益である。

 また、本発明は、自動変速機のレンジ切 替えをアクチュエータで行うバイワイヤ方 のレンジ切替装置が搭載された車両の制御 置に有用であり、現在の駆動力方向を反転 せるような特定パターンのレンジ切り替え 行う過程で、万一、レンジ切り替えフェー が発生しても、車両の動きを可及的に抑制 たは防止可能とする点で有益である。さら 、このように車両の動きを可及的に抑制ま は防止可能としたうえで、前記特定パター 以外のレンジ切り替えが正常に完了した場 に運転者の加速要求に対する応答性を良好 保つ点でも有益である。