Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
VEHICLE SEAT USED OUTDOORS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/123100
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] A vehicle seat used outdoors, in which entry of water from a sewn section of a surface skin or between a surface skin end section and a bottom plate is prevented. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] The vehicle seat (S) used outdoors is formed by placing a cushion material (20) on the bottom plate (10), covering the cushion material (20) by the surface skin (30), and fixing the surface skin end section (30a) to the bottom plate (10). A highly water absorptive, highly moisture absorptive, and highly expansive member is placed between the surface skin end section (30a) and the bottom plate (10).

Inventors:
HONMA YUICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/055082
Publication Date:
October 16, 2008
Filing Date:
March 19, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
TS TECH CO LTD (JP)
HONMA YUICHI (JP)
International Classes:
B62J1/12; A47C31/02
Foreign References:
JPS63100388U1988-06-29
JP2004330428A2004-11-25
JP2005220449A2005-08-18
JPH0242888U1990-03-23
JPS61176080U1986-11-01
JPH09286364A1997-11-04
Other References:
See also references of EP 2135802A4
Attorney, Agent or Firm:
AKIYAMA, Atsushi et al. (5-1 Toranomon 3-chome, Minato-k, Tokyo 01, JP)
Download PDF:
Claims:
 ボトムプレート上にクッション材を配置して、該クッション材を表皮で被覆し、表皮端末部をボトムプレートに固定して形成された屋外車両用シートにおいて、
 前記表皮端末部と前記ボトムプレートとの間に高吸水高吸湿高膨張部材を介在させたことを特徴とする屋外車両用シート。
 前記ボトムプレートは、裏側の前記表皮端末部と接触する部位に、前記高吸水高吸湿高膨張部材を配置するための膨張部材収容部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の屋外車両用シート。
 ボトムプレート上にクッション材を配置して、該クッション材を表皮で被覆し、表皮端末部をボトムプレートに固定して形成された屋外車両用シートにおいて、
 前記表皮は、クッション材を被覆するための被覆用表皮と、前記ボトムプレートに固定する表皮端末部を構成する継合用表皮と、前記被覆用表皮と継合用表皮を合わせて縫合した縫製部と、を備え、
 前記縫製部に、被覆用端末部と継合用端末部との間に高吸水高吸湿高膨張部材を介在させたことを特徴とする屋外車両用シート。
 前記高吸水高吸湿高膨張部材は、空隙を有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の屋外車両用シート。
 前記高吸水高吸湿高膨張部材は、高吸水高吸湿高膨張材料を繊維化した高吸水高吸湿高膨張繊維を少なくとも含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の屋外車両用シート。
 前記高吸水高吸湿高膨張部材は、高吸水高吸湿高膨張材料の粉末を不織布または粗毛布によって包装したものであることを特徴とする請求項1乃至4に記載のいずれかに屋外車両用シート。
 前記高吸水高吸湿高膨張材料は、架橋ポリアクリル酸ナトリウム塩からなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の屋外車両用シート。
Description:
屋外車両用シート

 本発明は屋外車両用シートに係り、特に の浸入による劣化を防止した屋外車両用シ トに関する。

 従来、オートバイ、水上バイク等、屋外 用いられる車両用シートにおいては、直接 風雨に曝され、或いは水没することによっ 、水がシート内部にまで浸入してしまうこ があった。水がシート内部に浸入すると、 部のクッション材に水が吸収されてしまい シートの全体重量が著しく増加すると共に クッション材の劣化により柔らかな触感が われ、シート機能が低下するという問題が った。

 これらの問題を解決するために、シートの 皮端末部とボトムプレートとの接合部に、 ール部材を介在させる技術が知られている( 例えば、特許文献1参照)。
 特許文献1に記載のシートに用いられる表皮 端末部の止水構造は、図9に示すように、シ トの表皮端末部130aと弾性シール部材150とを 合部160においてミシン縫いによって接合し その弾性シール部材150が接合された表皮端 部130aと、クッション材120を載置したボトム プレート110とをステイプル等の固着具140によ って接合したものである。

特開平9-286364号公報

 しかし、特許文献1に記載のシートに用い られる表皮端末部の止水構造では、弾性シー ル部材150とボトムプレートとの間から水が浸 入することを充分防止できない場合があった 。特に、ボトムプレートのアール部において は、表皮端末部が表皮余りのためにしわ状に して取着されており、図10に示すように、表 130と弾性シール部材150との間に隙間が形成 れてしまうことがあった。そして、雨天時 水没時には、この隙間からシート内部に水 浸入してしまい、シート内部に浸入する水 完全には防止することができず、結果とし シート内部のクッション材に水が吸収され クッション材の劣化によるシート機能の低 という不都合があった。

 本発明の目的は、表皮の縫合部、或いは 皮端末部とボトムプレートとの間から水が 入するのを防止した屋外車両用シートを提 することにある。

 前記課題は、本発明の屋外車両用シート よれば、ボトムプレート上にクッション材 配置して、該クッション材を表皮で被覆し 表皮端末部をボトムプレートに固定して形 された屋外車両用シートにおいて、前記表 端末部と前記ボトムプレートとの間に高吸 高吸湿高膨張部材を介在させたことにより 決される。

 このように、本発明の屋外車両用シートは 表皮端末部とボトムプレートとの間に高吸 高吸湿高膨張材料を介在させているので、 皮端末部とボトムプレートとの間から浸入 た水を迅速に吸収すると共に、その膨張に って隙間を完全に封鎖し、シート内部への の浸入を防止することができる。
 したがって、水がシート内部に浸入するこ により生じるクッション材の劣化によるシ ト機能の低下を防止することができる。

 また、前記ボトムプレートは、裏側の前 表皮端末部と接触する部位に、前記高吸水 吸湿高膨張部材を配置するための膨張部材 容部を形成すると好適である。

 このように、ボトムプレートに膨張部材 容部を形成することで、膨張部材の収容場 を確保すると共に位置決めして固定するこ ができ、製造時における作業性の向上を図 ことができる。

 また前記課題は、本発明の屋外車両用シ トによれば、ボトムプレート上にクッショ 材を配置して、該クッション材を表皮で被 し、表皮端末部をボトムプレートに固定し 形成された屋外車両用シートにおいて、前 表皮は、クッション材を被覆するための被 用表皮と、前記ボトムプレートに固定する 皮端末部を構成する継合用表皮と、前記被 用表皮と継合用表皮を合わせて縫合した縫 部と、を備え、前記縫製部に、被覆用端末 と継合用端末部との間に高吸水高吸湿高膨 部材を介在させたこと、により解決される

 このように、本発明の屋外車両用シート 、縫製部の被覆用端末部と継合用端末部と 間に高吸水高吸湿高膨張部材を介在させた で、縫合部から浸入した水を迅速に吸収す と共に、その膨張によって、さらなる水の 入を完全に封鎖し、シート内部への水の浸 を防止することができる。したがって、水 シート内部に浸入することにより生じるク ション材の劣化によるシート機能の低下を 止することができる。

 また、高吸水高吸湿高膨張部材は、空隙 有していると好ましい。このように、膨張 材が空隙を有していると、膨張に伴う膨張 を空隙で吸収して、膨張部材が縫製部から みだしたりすることを防止でき、端末処理 や縫合部において、膨張部材が膨張して、 定具等が脱落したり縫合部を壊したりする とが防止できる。

 また、前記高吸水高吸湿高膨張部材は、高 水高吸湿高膨張材料を繊維化した高吸水高 湿高膨張繊維を少なくとも含むことが望ま い。
 このように、高吸水高吸湿高膨張材料を繊 化したものを用いることで、基材繊維に容 に接合でき、車両用シートの用途に応じた 状に容易に加工することができる。

 また、前記高吸水高吸湿高膨張部材は、高 水高吸湿高膨張材料の粉末を不織布または 毛布によって包装したものであることが望 しい。
 このように、高吸水高吸湿高膨張材料の粉 を不織布または粗毛布によって包装するこ で、粉末状の高吸水高吸湿高膨張材料を漏 することなく保持することができる。また 高吸水高吸湿高膨張繊維をバインダ等によ て基材繊維に結合させる場合に比べて、粉 状の材料を特段加工することなく利用する とができるので、作業工数を削減できる。

 また、前記高吸水高吸湿高膨張材料は、架 ポリアクリル酸ナトリウム塩からなること 望ましい。
 このように、架橋ポリアクリル酸ナトリウ 塩を使用することで、その高い吸水・吸湿 能、および膨張性能によって、より迅速に を吸収すると共に、その急速な膨張によっ 隙間を完全に封鎖し、シート内部へのさら る水の浸入を確実に防止することができる

 このように、本発明の屋外車両用シート 、表皮端末部とボトムプレートとの間、ま は被覆用表皮と継合用表皮との間に高吸水 吸湿高膨張材料を介在させているので、浸 した水を迅速に吸収すると共に、その膨張 よって隙間を完全に封鎖し、シート内部へ 水の浸入を防止することができる。したが て、水がシート内部に浸入することにより じる、クッション材の劣化によるシート機 の低下を防止することができる。

本発明に係る屋外車両用シートの部分 視図である。 図1のA-A線による部分断面図である。 膨張部材の配置を示す説明図である。 他の例を示す膨張部材の配置を示す説 図である。 他の例を示す膨張部材の配置を示す説 図である。 他の例を示す膨張部材の配置を示す説 図である。 止水の作用を示す説明図である。 他の実施形態を示す部分断面図である 従来例を示す部分断面図である。 従来例の止水の作用を示す説明図であ る。

符号の説明

S  屋外車両用シート
10  ボトムプレート
10a  表皮接触部
10b  表皮固定部
10c  膨張部材収容部
20  クッション材
30  表皮
30a  表皮端末部
31  被覆用表皮
31a  被覆用表皮端末部
32  継合用表皮
32a  継合用表皮端末部
40  固定具
50  膨張部材
51  空隙
52  凸部
53  凹部
54  片
60  表皮合わせ縫製部
110  ボトムプレート
120  クッション材
130  表皮
130a  表皮端末部
140  固着具
150  弾性シール部材
160  縫合部

 以下、本発明の一実施の形態を図面に基 いて説明する。なお、以下に説明する部材 配置等は本発明を限定するものでなく、本 明の趣旨の範囲内で種々改変することがで るものである。

 図1乃至図4は本発明の第1の実施形態を示 ものであり、図1は屋外車両用シートの部分 斜視図、図2は図1のA-A線による部分断面図、 3は膨張部材の配置を示す説明図、図4は他 例を示す膨張部材の配置を示す説明図、図5 他の例を示す膨張部材の配置を示す説明図 図6は他の例を示す膨張部材の配置を示す説 明図、図7は止水の作用を示す説明図である また図8は他の実施形態を示す部分断面図で る。

 本例では、屋外車両用シートSとして、二 輪車用シートに基づいて説明する。なお、本 明細書において、屋外車両用シートSとは、 輪車、すなわち陸上のオートバイ、スクー に用いられるものだけでなく、スノーモー ル、水上バイク用のシートを含み、また三 バギー車等や跨座式乗物、または建機シー に関する乗物用シートを含むものである。

 本例の屋外車両用シートSは、図1及び図2で すように、ボトムプレート10上にクッショ 材20を載置して、表皮30で被覆することによ 形成している。
 また、表皮30の表皮端末部30aは、ボトムプ ート10の裏面側でステイプル等の固定具40に ってボトムプレート10に取着されている。

 ボトムプレート10は、剛性を確保するた に、たとえばPP(ポリプロピレン)、ABS樹脂等 ら射出成型される。また、繊維強化樹脂で るPPG(ガラス繊維入りポリプロピレン)、PPT( ェラー入りポリプロピレン)を使用して成型 されたボトムプレート10を使用することによ 、ボトムプレート10の重量を増加させるこ がなく剛性を確保することができる。PPTに 、強化繊維として、たとえばカーボン繊維 混入されている。

 またクッション材20は、柔軟フォーム材 たとえばウレタンフォーム、PP(ポリプロピ ン)フォーム、PE(ポリエチレン)フォームから 形成されており、ボトムプレート10上に載置 れている。

 表皮30は、例えば、塩化ビニル樹脂(PVC)レ ザー、人工レザー、天然皮革等からなる。な お、本例のように、二輪車用シート等、屋外 で使用される屋外車両用シートの場合には、 塩化ビニル樹脂レザーや人工レザー等から形 成することが好ましい。

 上記したボトムプレート10は、表皮接触部10 aと、表皮固定部10bと、膨張部材収容部10cと 備えており、表皮接触部10aはボトムプレー 10の裏面側と表面側の間(端部)に形成され、 皮固定部10bはボトムプレート10の裏側で上 表皮接触部10aから所定距離の場所としてい が、ボトムプレート10の表皮接触部10aと表皮 固定部10bとの間には、膨張部材収容部10cがボ トムプレート10の周縁に沿って形成されてい 。この膨張部材収容部10cは、裏側面よりク ション材20側に屈曲させて段部として形成 れている。
 従って、表皮30は表皮接触部10aの部分で接 して裏側へ向かい、上記膨張部材収容部10c 経て、表皮30の表皮端末部30aを表皮固定部10b で固定するように形成されている。

 本例に係る膨張部材50は、図2及び図3に示す ように、前述の膨張部材収容部10cに、一枚の 帯状に形成された膨張部材50を配置させ、表 30の表皮端末部30aで被覆した後に、ステイ ル等の固定具40によってボトムプレート10に 定することによって、同時に固定される。
 このように、ボトムプレート10の膨張部材 容部10cに膨張部材50を配置し、表皮端末部30a で被覆して、表皮端末部30aと共に固定してい るので、膨張部材50を固定するために新たな 定具を用いることなく、膨張部材50を位置 めして固定することができる。また、その み立てに伴う部品点数や作業工数を削減す ことができる。

 なお、本例に限らず、あらかじめ表皮端末 30aに接着剤等によって一枚の帯状に形成さ た膨張部材50を接着させた後、膨張部材50を ボトムプレート10の膨張部材収容部10cに接着 、ステイプル等の固定具40で固定してもよ 。
 このように、表皮端末部30aに接着された膨 部材50を、ボトムプレート10の膨張部材収容 部10cに着接させることで、表皮30を位置決め て、容易に固定することができる。

 また、膨張部材50の配設は、あらかじめボ ムプレート10の膨張部材収容部10cに接着剤等 によって膨張部材50を接着させた後、表皮30 被覆し、ステイプル等の固定具40で固定して もよい。
 このように、あらかじめボトムプレート10 膨張部材収容部10cに膨張部材50を接着させる ことにより、表皮端末部30aを固定する際に、 膨張部材50が位置ずれすることなく、容易に 業することができる。

 さらに、本例においては、膨張部材50とし 、一枚の帯状に形成されたものを用いたが この帯状のものは、図4に示すように、膨張 材50に空隙51を設けたものであってもよい。
 このように、膨張部材50に空隙51を設けるこ とで、膨張部材50の使用量を削減することが きると共に、膨張に伴う膨張量を空隙で吸 して、膨張部材が縫製部からはみだしたり ることを防止でき、端末処理部や縫合部に いて、膨張部材が膨張し、固定具が脱落し り縫合部を壊したりすることを防止できる

 また、その用途に応じて、空隙51の数、 隔を適宜変更することで、膨張部材50による 水の吸収量や膨張率を調節することができる 。たとえば、屋外車両用シートの先端部分や 、着座者の着席による荷重が最もかかる部分 など、表皮及びクッション材が圧迫される箇 所においては、空隙51の数を減らすことが望 しい。一方で、水が吸収されにくい箇所に いては、空隙51の数を増やし、膨張部材50の 使用量を調節することができる。

 また、膨張部材収容部10cにより形成され 空間の広さに応じて、その数を調節するこ ができる。たとえば、表皮端末部30aを膨張 材収容部10cにより近接した位置で固定した 合には、膨張部材収容部10cにより形成され 空間が狭くなるので、少ない膨張で封鎖す ことができる。つまり、その分、空隙51を やことができ、膨張部材50の使用量を削減す ることができる。

 また、図4で示す例に限らず、図5に示すよ に、膨張部材50を複数の凸部52と凹部53とか 形成したものであってもよい。さらに、図6 示すように、膨張部材50を複数の片54に分割 し、所定間隔を空けて配置させたものであっ てもよい。なお、この間隔は常に一定である 必要はなく、その用途に応じて適宜変更でき る。
 このように、凸部52と凹部53の数や、分割し た片54を配置する間隔、数を適宜調節するこ により、前記と同様の効果を得ることがで る。

 膨張部材50は、水による膨張性の高いもの あれば特に限定しないが、本例では、水と 触することにより、その水を吸収し膨張す 高吸水高吸湿高膨張繊維を、少なくとも含 する不織布、粗毛布を使用している。
 なお、前記高吸水高吸湿高膨張繊維を少な とも含有する不織布、粗毛布としては、た えば、樹脂製の基材繊維と、高吸水高吸湿 膨張材料を繊維化して得られた高吸水高吸 高膨張繊維とを、加工時の熱で軟化して互 に結合させて不織布化したもの、または、 脂製の基材繊維と、高吸水高吸湿高膨張材 を繊維化して得られた高吸水高吸湿高膨張 維とを、加工時の熱で溶解したバインダを することにより各繊維を結合して不織布化 たもの等が使用できる。

 基材繊維としては、たとえばPET(ポリエチ レンテレフタレート)繊維やPE(ポリエチレン) 維が使用できる。また、高吸水高吸湿高膨 繊維としては、架橋ポリアクリル酸ナトリ ム塩系繊維や、アクリル繊維の表面を後加 により加水分解した繊維等が利用できる。 らに、バインダとしては、加工時の熱で溶 する低融点PETなどが使用できる。

 なお、本例においては、高吸水高吸湿高 張繊維として、イオン浸透圧により多量の を吸収、保持することができ、荷重や外力 加わっても離水の少ない架橋ポリアクリル ナトリウム塩系繊維を使用している。この 橋ポリアクリル酸ナトリウム塩繊維は、生 食塩水下において自重の45倍の吸収性能を また95%の相対湿度下で150%の吸湿性能を有し 木綿の約7倍、B型シリカゲルの約2倍の吸湿 力がある。

 ここで、この架橋ポリアクリル酸ナトリ ム塩による吸水、膨張の原理としては、以 の通りである。この架橋ポリアクリル酸ナ リウム塩は、その末端基にカルボン酸ナト ウム(COONa)を有する塩である。架橋ポリアク リル酸ナトリウム塩に水が接触すると、末端 基を構成するカルボキシル基とナトリウムが 解離しイオン化する。このとき、ナトリウム イオンの濃度差によって生じる浸透圧により 吸水を始めると同時に、マイナスにイオン化 したカルボキシル基同士が反発しあって分子 間が膨張する。

 図7は、止水の作用を示す説明図である。図 7(a)に示すように、表皮30には、ボトムプレー ト10の前後のアール部を被覆するときに、表 端末部の余りが生じるため、余りの部分を せ集めて表皮端末部が重複する(しわを生じ させる)ようにして固定されるため、表皮30と ボトムプレート10との間に隙間が形成される とになる。
 そして、この隙間から水が浸入することに り、膨張部材50に水が吸水される。本例に いては、前記の通り、膨張部材50として、架 橋ポリアクリル酸ナトリウム塩を使用してい る。つまり、イオン濃度の差による浸透圧と マイナスイオン同士の反発によって、膨張部 材が浸入してきた水をより迅速に吸収すると ともに、表皮30との間に形成された隙間を封 すべく急速に膨張する。
 これにより、図7(b)に示すように表皮30とボ ムプレート10との間に形成された隙間を完 に封鎖し、シート内部への水の浸入を確実 防止することができる。

 以上のように、表皮30とボトムプレート10と の間に、膨張部材50を介在させることで、シ ト内部への水の浸入を防止し、シート全体 量の増加、および、シート機能の低下を防 することができる。
 また、ボトムプレート10の膨張部材収容部10 cと表皮端末部30aによって形成された収容場 に膨張部材50を収容することで、膨張部材50 固定するための新たな固定具を用いること く、膨張部材50を位置決めして固定するこ ができる。
 さらに、膨張部材として、高吸水高吸湿高 張繊維を少なくとも含有する不織布、粗毛 を用いることで、迅速な吸水膨張によって 表皮に生じたしわよって形成された隙間を り迅速に封鎖し、シート内部への水の浸入 確実に防止することができる。

 図8は、第2の実施形態を示すものであり、 の第2の実施形態において、上記第1の実施形 態と同一部材等には同一符号を付して、その 説明を省略する。
 本例は、膨張部材50を、屋外車両用シート 表皮合わせ縫製部60に用いた例である。本例 における表皮30は、クッション材20を被覆す ための被覆用表皮31の被覆用表皮端末部31aと 、ボトムプレート10にステイプル等の固定具4 0で固定された継合用表皮32の継合用表皮端末 部32aとを、表皮合わせ縫製部60において互い 重なり合うようにして縫い合わせるように て形成されている。
 このとき、被覆用表皮端末部31aと継合用表 端末部32aとの間に、それらの重なり部分に って膨張部材50を介在させ、被覆用表皮端 部31aと継合用表皮端末部32a、そして膨張部 50をそれぞれ一体にしてミシン縫い等により 縫製している。

 このように、被覆用表皮31と継合用表皮32と の間に、膨張部材50を介在させることで、シ ト内部への水の浸入を防止し、シート機能 低下を防止することができる。
 また、被覆用表皮端末部31aと継合用表皮端 部32a、そして膨張部材50をそれぞれ一体に て表皮合わせ縫製部60で縫製しているので、 膨張部材50を被覆用表皮端末部31aと継合用表 端末部32aとの重なり部分に確実に固定する とができる。
 また、被覆用表皮端末部31aと継合用表皮端 部32a、そして膨張部材50とを、ステイプル の固定具を用いることなく、表皮合わせ縫 部60においてミシン縫い等で強固に固定して いるので、膨張部材50が膨張したことによる 定具の脱落を防止することができる。

 なお、前記第1、第2の実施形態においては 膨張部材として高吸水高吸湿高膨張繊維を インダ等によって基材繊維に結合させたも を利用した。
 しかし、架橋ポリアクリル酸ナトリウム塩 の高吸水高吸湿高膨張材料の粉末を不織布 たは粗毛布等の通気性素材によって包装し ものでもよい。このように、不織布または 毛布等の通気性素材によって包装すること 、粉末状の高吸水高吸湿高膨張材料を漏出 ることなく保持できる。また、高吸水高吸 高膨張繊維をバインダ等によって基材繊維 結合させる場合に比べて、粉末状の材料を 段加工することなく利用できるので、作業 数の削減が可能である。

 ここで使用される不織布または粗毛布等 通気性素材は、粉末状の高吸水高吸湿高膨 材料の漏出を防止しつつ、侵入してくる水 水蒸気の通過を許すものであればよいので 通常の植物性繊維、動物性繊維、再生繊維 合成繊維などの不織布、または各種樹脂で くられた発泡シートなどを使用することが きる。