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Title:
VESSEL FOR MOLTEN METAL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/116425
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a vessel for a molten metal comprising a vessel body formed of an alumina-silica material and a protective layer that is provided on the inner surface of the vessel body and is formed of a silicon nitride-alumina material. The material for the vessel body is regulated so that the value of (content of alumina based on 100 parts by weight in total of alumina and silica × amount (parts by weight)) is in the range of 72 to 95. The material for the protective layer is regulated so that the content (y parts by weight) of silicon nitride based on 100 parts by weight in total of silicon nitride and alumina satisfies a predetermined relationship with x parts by weight. According to the above constitution, the vessel for a molten metal possesses good durability and corrosion resistance against a high-temperature molten metal.

Inventors:
OHASHI HIDEAKI (JP)
OKA NOBUYUKI (JP)
ASADA HIROKAZU (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/054507
Publication Date:
September 24, 2009
Filing Date:
March 10, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON CRUCIBLE CO (JP)
OHASHI HIDEAKI (JP)
OKA NOBUYUKI (JP)
ASADA HIROKAZU (JP)
International Classes:
B22D41/02; C04B35/101; C04B41/87; F27B14/10
Foreign References:
JPH09182957A1997-07-15
JPH10249513A1998-09-22
JPH0551278A1993-03-02
Attorney, Agent or Firm:
Saegusa & Partners et al. (JP)
Patent business corporation 3 Edakuni [Hajime] patent firm (JP)
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Claims:
アルミナ-シリカ系材料からなる容器本体と、前記容器本体の内面に形成された窒化珪素-アルミナ系材料からなる保護層とを備える溶湯容器であって、
 前記容器本体の材料は、アルミナ及びシリカの合計100重量部に対するアルミナの含有量x重量部が、72~95の範囲に調整されており、
 前記保護層の材料は、窒化珪素及びアルミナの合計100重量部に対する窒化珪素の含有量y重量部が、下式(1)及び(2)を満たすように調整されている溶湯容器。
 y < -1.1x+ 128 ・・・ (1)
 y > -0.5x+ 62.5 ・・・ (2)
Description:
溶湯容器

本発明は、各種金属溶湯を貯留する溶湯容 器に関する。

 溶解炉や保持炉などのように溶湯を生成 保持する溶湯容器においては、容器本体の 傷を防止するために、容器本体の内面に内 材を形成して保護することが従来から行わ ている。

 例えば、特許文献1には、マグネシア質材及 びアルミナ質材を含む誘導炉の内張用耐火物 が開示されており、スピネル化により体積収 縮の改善や異物の浸透抑制が図られている。  

特開平10-148475号公報

ところが、上記のような従来の溶湯容器に おいては、耐熱性、耐食性、浸透防止性など の観点から内張材の材料自体については種々 の検討がなされているものの、内張材が容器 本体から剥離するという問題が十分解消され ていないのが現状である。特に、近年におい ては、溶湯品質を向上させることのニーズが 高まっており、溶湯添加物だけでなく過酷な 温度条件にも曝されやすいことから、内張材 の剥離がより顕著になっており、耐久性の低 下が問題となっていた。

 そこで、本発明は、高温の溶湯に対する 久性及び耐食性が良好な溶湯容器の提供を 的とする。

 本発明の前記目的は、アルミナ-シリカ系 材料からなる容器本体と、前記容器本体の内 面に形成された窒化珪素-アルミナ系材料か なる保護層とを備える溶湯容器であって、 記容器本体の材料は、アルミナ及びシリカ 合計100重量部に対するアルミナの含有量x重 部が、72~95の範囲に調整されており、前記 護層の材料は、窒化珪素及びアルミナの合 100重量部に対する窒化珪素の含有量y重量部 、下式(1)及び(2)を満たすように調整されて る溶湯容器により達成される。

 y < -1.1x+ 128 ・・・ (1)
 y > -0.5x+ 62.5 ・・・ (2)

 本発明によれば、高温の溶湯に対する耐 性及び耐食性が良好な溶湯容器を提供する とができる。

 以下、本発明の実施の形態について、添 図面を参照して説明する。図1は、本発明の 一実施形態に係る溶湯容器の一例として示す 誘導炉の縦断面図である。この誘導炉1は、 、銅合金、アルミニウム、特殊鋼、各種用 の金属シリコン等の溶解に広く用いること できる。

 図1に示すように、誘導炉1は、坩堝状の 器本体2の内周面に保護層3が形成されており 、容器本体2の外側には誘導コイル4が配置さ ている。容器本体2と誘導コイル4との間に 、珪砂などのバックサンド(不定形材)5が介 されており、誘導コイル4の内周面には断熱 6が配置されている。容器本体2は、円筒状 角筒状など任意の形状とすることができる

 容器本体2は、アルミナ(Al2O3)-シリカ(SiO2) の材料からなり、アルミナ及びシリカの合 100重量部に対して、アルミナの含有量がム イト組成を含む72~95重量部の範囲に調整さ ている。アルミナの含有量が72重量部より少 ない(すなわち、シリカの含有量が多い)と、 分な耐熱性を得にくくなる一方、アルミナ 含有量が95重量部より多い(すなわち、シリ の含有量が少ない)と、耐熱衝撃性の低下や 溶湯の浸透が生じやすくなる。容器本体2は アルミナ及びシリカの粉体を所定の混合比 混合し、若干のバインダーを加えて静水圧 形機で成形した後、約1500℃で焼成して製造 ることができる。

 アルミナ及びシリカの合計重量は、容器 体2の強度及び熱的安定性を確保するため、 バインダーなどを含む容器本体2の全体重量 90%以上であることが好ましい。アルミナ及 シリカの合計重量がこの範囲に含まれてい 限り、アルミナの一部は、SiC、MgO、ZrO2など の耐火材成分により置換可能であり、更に FeOやNa2Oなどの不可避成分を含んでいてもよ い。

 また、保護層3は、窒化珪素-アルミナ系 材料からなる。窒化珪素及びアルミナの合 重量は、容器本体2に対する密着性及び耐食 を確保するため、バインダーなどを含む保 層3の全体重量の90%以上であることが好まし い。窒化珪素の含有量が少ない(すなわち、 ルミナの含有量が多い)と、溶湯に含まれる 加剤のアルカリ成分に対して十分な耐食性 得にくくなる一方、窒化珪素の含有量が多 (すなわち、アルミナの含有量が少ない)と 十分な強度が得にくくなり、溶湯撹拌によ 損耗が大きくなる。保護層3は、窒化珪素及 アルミナの粉体を所定の混合比で混合し、 ガラス等のバインダーを加えて作成したス リーを、容器本体2の内面にスプレーや刷毛 などで塗布した後、約120℃で20時間以上熱処 を施して、形成することができる。保護層 厚みは、薄すぎると耐食性が低下する一方 厚すぎると密着性が低下する傾向にあるた 、0.2~1.0cmが好ましく、0.3~0.6cmがより好まし 。

 本発明においては、容器本体2及び保護層 3の材質面での最適化に加え、容器本体2及び 護層3の熱膨張が整合するようにそれぞれの 組成が調整されており、これによって保護層 3が容器本体2から剥離するのを効果的に防止 ている。

 具体的には、貯留される溶湯温度を、実用 に最も過酷な条件と考えられる1600℃と仮定 し、容器本体2及び保護層3の厚みを、一般的 値である45mm、6mmにそれぞれ設定して、各素 材の熱伝導率から容器本体2及び保護層3の平 温度を算出すると、容器本体2が約1391℃、 護層3が約1558℃となる。したがって、容器本 体2及び保護層3の熱膨張量がほぼ等しくなる めには、容器本体2の熱膨張係数をαr、保護 層3の熱膨張係数をαcとすると、1391×αr=1558× cとなるから、
 αc=0.89×αr  ・・・(3)
となる。

 また、容器本体2の熱膨張量は、主成分と なるアルミナ及びシリカの重量比によって変 動する。アルミナ及びシリカの重量比を横軸 、熱膨張係数を縦軸としたときの測定結果を 、図2に示す。また、保護層3の熱膨張量も、 成分となる窒化珪素及びアルミナの重量比 よって変動することから、窒化珪素及びア ミナの重量比を横軸、熱膨張係数を縦軸と たときの測定結果を、図3に示す。図2及び 3のグラフと上記数式(3)を用いることにより 容器本体2または保護層3の一方の組成が定 れば、熱膨張量がほぼ等しくなるような他 の組成も自ずと定まることになる。

 図4は、容器本体2におけるアルミナ及び リカの合計100重量部に対するアルミナの含 量を横軸にとり、保護層3における窒化珪素 びアルミナの合計100重量部に対する窒化珪 の含有量を縦軸にとったときの、両者の好 しい関係を示している。図4から明らかなよ うに、両者の関係は直線的となる。

 実際の誘導炉1においては、容器本体2と 護層3との間に若干の熱膨張量の差が存在し も、剥離防止の効果は得られることから、 4の結果を基に、容器本体2及び保護層3の各 成をパラメータとして、実際の誘導炉1によ り約900kgの鋼(S45C)について1600℃で5時間の溶 処理を行い、保護層3のクラックの有無を観 した。この結果を表1に示す。溶湯には炭酸 ナトリウムを1kg添加して、耐食性の確認も併 せて行った。

 表1に示すように、容器本体2の組成によ て、クラックが発生しない保護層3の組成範 は変化している。図5は、表1の結果に基づ クラックが発生しない領域(適正領域)を示す グラフであり、太線で囲まれた領域が適正領 域に相当する。図4に示す計算値も、この領 内に存在している。

 容器本体2におけるアルミナ及びシリカの 合計100重量部に対するアルミナの含有量をx 量部とし、保護層3における窒化珪素及びア ミナの合計100重量部に対する窒化珪素の含 量をy重量部とすると、72≦x≦95の範囲にお て、下記の数式(1)及び(2)が成立する範囲が 図5の適正領域に相当する。

 y < -1.1x+ 128 ・・・ (1)
 y > -0.5x+ 62.5 ・・・ (2)

 また、クラックの発生しなかったこの適 領域の各ポイントについて、引き続き上記 件での溶解処理を毎日1回行ったところ、20 経過後では、溶湯の浸透も含めて、表2のよ うな結果であった。

 表2に示すように、窒化珪素の割合が多く なると、時間の経過により髪の毛状の小さな クラック(ヘアークラック)が発生し、溶湯が 透し易くなって、耐久性が低下する傾向に る。表2の結果から、72≦x≦95の範囲におい 、下記の数式(2)及び(3)が成立する範囲が、 久性及び耐食性のより優れる領域であり(図 5の斜線部)、この斜線部の領域は、72≦x≦85 範囲において、更に耐久性及び耐食性が優 るものとなる。

 y > -0.5x+ 62.5 ・・・ (2)
 y < -0.9x+ 103 ・・・ (3)

 このように、本実施形態の誘導炉1は、容 器本体2が機械的特性、耐熱性、熱的安定性 優れたアルミナ-シリカ系材料からなり、溶 中に含まれる添加剤等による化学的損傷や 溶湯の撹拌流動に伴う物理的損傷を、窒化 素-アルミナ系材料からなる保護層3により 効に防止することができる。更に、容器本 2及び保護層3の組成比を、熱膨張量がほぼ等 しくなるように調整しているので、高温の溶 湯を貯留した場合でも保護層3の剥離を効果 に抑制することができる。これらの結果、 導炉1の耐久性及び耐食性を良好に維持する とができ、誘導炉1の寿命を大幅に改善する ことができる。

 本発明の溶湯容器は、上記のような誘導 以外に、例えば、抵抗炉など他の電気炉や 燃焼炉であっても良く、溶湯を貯留可能な 器であれば特に限定されるものではない。

本発明の一実施形態に係る溶湯容器の 断面図である。 容器本体の組成と熱膨張係数との関係 示す図である。 保護層の組成と熱膨張係数との関係を す図である。 容器本体の組成と保護層の組成との好 しい関係を計算により求めた結果を示す図 ある。 容器本体の組成と保護層の組成との好 しい関係を実験により求めた結果を示す図 ある。

符号の説明

 1 誘導炉
 2 容器本体
 3 保護層
 4 誘導コイル
 5 バックサンド
 6 断熱材