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Patent Searching and Data


Title:
VIBRATION DAMPING BUSH
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/090594
Kind Code:
A1
Abstract:
An intermediate tube (18) is provided between an inner tube (12) and an outer tube (14), a spherical belt-shaped first swollen section (20) is formed on the inner tube, and a spherical belt-shaped second swollen section (22) surrounding the first swollen section is formed on the intermediate tube. The inner peripheral surface of the second swollen section is formed as a first spherical concave surface (23) corresponding to a first spherical convex surface (21) of the first swollen section. That portion of the inner peripheral surface of the outer tube (14) that surrounds the second swollen section is formed as a second spherical concave surface (25) corresponding to a second spherical convex surface (24) of the outer peripheral surface of the second swollen section.A rubber-like elastic body (16) is constructed from an inner elastic section (26) for connecting the inner tube (12) and the intermediate tube (18) and from an outer elastic section (28) for connecting the intermediate tube (18) and the outer tube (14). In the rubber-like elastic body (16), the axial dimension D1 of the inner elastic section is greater than the axial dimension D2 of the outer elastic section. By this, the spring constant of a vibration damping bush in a twisting direction and prying direction is reduced and spring characteristics of the bush relative to a load input in the direction normal to the axis is close to a linear form.

Inventors:
SUZUKI KEN (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/050912
Publication Date:
July 31, 2008
Filing Date:
January 22, 2007
Export Citation:
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Assignee:
TOYO TIRE & RUBBER CO (JP)
SUZUKI KEN (JP)
International Classes:
F16F15/08; F16F1/38
Foreign References:
JPH09100861A1997-04-15
JPH09100859A1997-04-15
JPH0241736U1990-03-22
JPH0676730U1994-10-28
JP2003226239A2003-08-12
JP2003106359A2003-04-09
JPH0312029U1991-02-07
Attorney, Agent or Firm:
TSUTADA, Akiko et al. (Nissei Bingomachi Bldg.7-10, Bingomachi 1-chome,,Chuo-ku, Osaka-shi, Osaka51, JP)
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Claims:
 軸部材と、前記軸部材を軸平行に取り囲む外筒と、前記軸部材と前記外筒との間に介設されたゴム状弾性体と、を備える防振ブッシュであって、
 前記軸部材と前記外筒の間に前記軸部材を軸平行に取り囲む中間筒が設けられ、
 前記軸部材の軸方向の中央部が、軸直角方向外方側に膨出する球帯状の第1膨出部に形成されるとともに、前記第1膨出部を取り囲む前記中間筒の軸方向の中央部が、軸直角方向外方側に膨出する球帯状の第2膨出部に形成されて、前記第2膨出部の内周面が、前記第1膨出部の第1球状凸面に対応する第1球状凹面に形成され、更に、前記第2膨出部を取り囲む前記外筒の内周面部分が、前記第2膨出部の外周面の第2球状凸面に対応する第2球状凹面に形成され、
 前記ゴム状弾性体が、前記第1球状凸面を含む前記軸部材の外周面と前記第1球状凹面を含む前記中間筒の内周面とにそれぞれ接着されて前記軸部材と前記中間筒を連結する内側弾性部と、前記第2球状凸面を含む前記中間筒の外周面と前記第2球状凹面を含む前記外筒の内周面とにそれぞれ接着されて前記中間筒と前記外筒を連結する外側弾性部とで構成され、前記内側弾性部が前記外側弾性部よりも軸方向寸法が大きく形成された、
 ことを特徴とする防振ブッシュ。
 前記外筒は、前記ゴム状弾性体の加硫成形後に絞り加工されてなるものであり、
 前記外側弾性部は、軸直角方向における厚みが、前記絞り加工前では前記内側弾性部よりも大きく、かつ前記絞り加工により前記内側弾性部と同じ厚みに形成された、
 ことを特徴とする請求項1記載の防振ブッシュ。
 前記内側弾性部の両端部が、前記第1球状凸面よりも軸方向外方側の軸部材部分と前記第1球状凹面よりも軸方向外方側の中間筒部分とを連結するように軸方向外方側に延設され、
 前記外側弾性部の両端部が、前記第2球状凸面よりも軸方向外方側の中間筒部分と前記第2球状凹面よりも軸方向外方側の外筒部分とを連結するように軸方向外方側に延設された、
 ことを特徴とする請求項1記載の防振ブッシュ。
 前記外筒は、外周面の径が軸方向で一定のストレート筒状に形成された、
 ことを特徴とする請求項1記載の防振ブッシュ。
 前記軸部材が筒状をなす内筒により構成され、前記内筒の少なくとも一方の軸方向端部が、前記ゴム状弾性体の加硫成形後における冷間塑性加工により拡径された、
 ことを特徴とする請求項1記載の防振ブッシュ。
 前記外筒の軸方向端部にストッパゴム部が設けられた、
 ことを特徴とする請求項1記載の防振ブッシュ。
Description:
防振ブッシュ

 本発明は、自動車のサスペンション装置 どに組み込まれて使用される防振ブッシュ 関するものである。

 従来より、自動車のサスペンション装置 おいては、車体とサスペンションとの連結 位等に、振動減衰、緩衝などを目的として 振ブッシュが使用されている。かかる防振 ッシュは、一般に、内筒等の軸部材と、該 部材の外側に間隔をおいて配置された外筒 、前記軸部材と外筒との間に介設されて両 を弾性的に結合するゴム状弾性体とを備え なる。

 この種の防振ブッシュを備えるサスペン ョン装置として、下記特許文献1には、図15 び図16に示すマルチリンク式リヤサスペン ョン装置が開示されている。このサスペン ョン装置は、車輪60を回転可能に支持するア クスル62と、一端部64a,66aがアクスル62に揺動 能に連結され、他端部64b,66bが車体側部材で あるサスペンションメンバー68に揺動可能に 結された前後一対のアッパーリンク64,66と 一端部70a,72aがアクスル62に揺動可能に連結 れ、他端部70b,72bがサスペンションメンバー6 8に揺動可能に連結された前後一対のロアリ ク70,72と、一端部74aがアクスル62に揺動可能 連結され、他端部74bがサスペンションメン ー68に揺動可能に連結されたトーコントロ ルリンク74とを備える。ここで、符号Fは車 前側を示し、符号Hは車体幅方向を示す。

 そして、各リンク64,66,70,72,74の他端部64b,6 6b,70b,72b,74bとサスペンションメンバー68とは それぞれ防振ブッシュ76,78,80,82,84を介して連 結されており、各防振ブッシュの軸心p1,p2,p3, p4,p5が、平面視において、それぞれのリンク 長手方向r1,r2,r3,r4,r5と直交する方向に沿う うに配置されている。

 上記マルチリンク式サスペンション装置 は、図16に示すように、各リンク64,66,70,72,74 が平面視で傾斜姿勢に設定されている。詳細 には、前側のロアリンク70が、平面視におい 、車体幅方向Hで内方側ほど車体前側Fに位 する傾斜姿勢に設定され、後側のロアリン 72が、平面視において、車体幅方向Hで外方 ほど車体前側Fに位置する傾斜姿勢に設定さ 、トーコントロールリンク74が、平面視に いて、車体幅方向Hで外方側ほど車体前側Fに 位置する傾斜姿勢に設定されている。

 そのため、車両の走行中において、主と てロアリンク70,72及びトーコントロールリ ク74に結合された防振ブッシュ80,82,84には、 々の方向の力が入力する。例えば、車体に してサスペンション装置が上下方向に変位 ると、防振ブッシュ80,82,84には、ねじり方 N(図2参照)の力のみならずこじり方向Z(図1参 )の力も加わる。また、車体に対してサスペ ンション装置が左右方向に変位すると、防振 ブッシュ80,82,84には、軸直角方向Y(図1参照)の 力のみならず軸方向X(図1参照)の力も加わる

 従って、この種の防振ブッシュにおいて 乗り心地性と操縦安定性を向上させるため は、軸直角方向と軸方向におけるばね定数 大きくしつつ、ねじり方向やこじり方向に けるばね定数を小さくすることが求められ 。

 このような要求に対し、軸直角方向におけ ばね定数を大きくしつつ、こじり方向にお るばね定数を小さくするため、内筒の軸方 中央部に軸直角方向に膨出する膨出部を設 た、いわゆるバルジタイプの防振ブッシュ 開発されている(下記特許文献2参照)。そし 、軸直角方向におけるばね定数を更に高め ため、下記特許文献3には、上記バルジタイ プの防振ブッシュにおいて、内筒と外筒との 間に中間筒を設けた構成が開示されている。

日本国特開2005-112258号公報

日本国特開平09-100859号公報

日本国特開平09-100861号公報

 上記特許文献3に開示の防振ブッシュでは 、内筒に球帯状の膨出部を設けるとともに、 中間筒にも該膨出部に対応する膨出部を設け て、中間筒の内側と外側のゴム状弾性体に、 先端が上記膨出部にまで達するすぐり部をそ れぞれ設け、これにより、軸直角方向におけ る剛性を高くしつつ、こじり方向の剛性を低 くしている。

 しかしながら、同文献の開示の防振ブッ ュでは、上記内側と外側のゴム状弾性体の 方向寸法が同じであることから、次のよう 問題がある。すなわち、この種の防振装置 は、ゴム状弾性体の加硫成形後に、成形歪 を解消するために外筒に絞り加工が施され が、中間筒を備えたものでは、中間筒より 外側のゴム状弾性体は圧縮されるものの、 間筒がほとんど縮径されないので、中間筒 りも内側のゴム状弾性体は圧縮されない。 のため、外側のゴム状弾性体は、圧縮によ 軸直角方向におけるばね定数が、内側のゴ 状弾性体よりも高くなる。このように外側 内側とでゴム状弾性体のばね定数が異なる 、防振ブッシュに対して軸直角方向に荷重 入力したとき、ばね定数の低い内側のゴム 弾性体により、荷重-撓み曲線の初期の立ち 上がりが緩やかで、その後該曲線の勾配がき つくなるように、非線形なばね特性となって しまい、優れた防振特性が得られない。

 また、同文献に開示の防振ブッシュでは 外筒の内周面に中間筒の膨出部に対応する 状凹面が設けられておらず、また上記すぐ 部が膨出部にまで達していることから、外 の絞り加工時に、ゴムを軸方向で均等に圧 することができず、耐久性を損なうことが えられる。

 本発明は、以上の点に鑑みてなされたも であり、軸直角方向と軸方向におけるばね 数を確保しつつ、ねじり方向やこじり方向 おけるばね定数を小さくすることができ、 かも軸直角方向における荷重入力に対して ね特性を線形に近づけることができる防振 ッシュを提供することを目的とする。

 本発明に係る防振ブッシュは、軸部材と、 記軸部材を軸平行に取り囲む外筒と、前記 部材と前記外筒との間に介設されたゴム状 性体と、を備える防振ブッシュであって、 前記軸部材と前記外筒の間に前記軸部材を 平行に取り囲む中間筒が設けられ、
 前記軸部材の軸方向の中央部が、軸直角方 外方側に膨出する球帯状の第1膨出部に形成 されるとともに、前記第1膨出部を取り囲む 記中間筒の軸方向の中央部が、軸直角方向 方側に膨出する球帯状の第2膨出部に形成さ て、前記第2膨出部の内周面が、前記第1膨 部の第1球状凸面に対応する第1球状凹面に形 成され、更に、前記第2膨出部を取り囲む前 外筒の内周面部分が、前記第2膨出部の外周 の第2球状凸面に対応する第2球状凹面に形 され、
 前記ゴム状弾性体が、前記第1球状凸面を含 む前記軸部材の外周面と前記第1球状凹面を む前記中間筒の内周面とにそれぞれ接着さ て前記軸部材と前記中間筒を連結する内側 性部と、前記第2球状凸面を含む前記中間筒 外周面と前記第2球状凹面を含む前記外筒の 内周面とにそれぞれ接着されて前記中間筒と 前記外筒を連結する外側弾性部とで構成され 、前記内側弾性部が前記外側弾性部よりも軸 方向寸法が大きく形成された、
 という構成を具備するものである。

 上記構成において、前記外筒は、前記ゴ 状弾性体の加硫成形後に絞り加工して形成 ることができ、その際、前記外側弾性部は 軸直角方向における厚みが、前記絞り加工 では前記内側弾性部よりも大きく、かつ前 絞り加工により前記内側弾性部と同じ厚み 形成されてもよい。

 また、前記内側弾性部の両端部が、前記 1球状凸面よりも軸方向外方側の軸部材部分 と前記第1球状凹面よりも軸方向外方側の中 筒部分とを連結するように軸方向外方側に 設され、前記外側弾性部の両端部が、前記 2球状凸面よりも軸方向外方側の中間筒部分 前記第2球状凹面よりも軸方向外方側の外筒 部分とを連結するように軸方向外方側に延設 されてもよい。

 また、前記外筒は、外周面の径が軸方向 一定のストレート筒状に形成されているこ が好ましい。

 また、前記軸部材が筒状をなす内筒によ 構成され、前記内筒の少なくとも一方の軸 向端部が、前記ゴム状弾性体の加硫成形後 おける冷間塑性加工により拡径されていて よい。

 また、前記外筒の軸方向端部にストッパ ム部が設けられていてもよい。

 本発明の防振ブッシュであると、こじり 向における変位時、軸部材の第1球状凸面と 中間筒の第1球状凹面との間の内側弾性部、 び、中間筒の第2球状凸面と外筒の第2球状凹 面との間の外側弾性部が主として剪断変形を 受けるようになるので、こじり方向における ばね定数を効果的に低減することができる。 また、軸方向における変位に対しては、各球 状凸面と球状凹面との間でゴム状弾性体は剪 断変形だけでなく圧縮変形も受けるようにな るので、軸方向におけるばね定数を上げるこ とができる。

 また、中間筒を設けたことで、軸直角方 におけるばね定数が大きくなる。従って、 直角方向におけるばね定数を中間筒を設け い場合と同等に設定する場合、ゴム状弾性 としてより軟らかいものを用いることがで 、これにより、ねじり方向のばね定数を下 ることができる。

 更に、中間筒よりも外側の外側弾性部は 外筒の絞り加工により圧縮されてばね定数 高くなるが、該絞り加工により圧縮されな 内側弾性部の軸方向寸法を大きく設定した とで、外側弾性部の絞り加工によるばね定 の上昇分を補うことができ、よって、軸直 方向における荷重入力に対してばね特性を 形に近づけることができる。

 以下に本発明の実施形態について図面を 照して説明する。

 第1実施形態に係る防振ブッシュ10は、上 した図15及び図16に示すマルチリンク式サス ペンション装置に用いられるものであり、よ り詳細には、前側のロアリンク70の他端部70b サスペンションメンバー68とを連結する防 ブッシュ80、後側のロアリンク72の他端部72b サスペンションメンバー68とを連結する防 ブッシュ82、及び、トーコントロールリンク 74の他端部74bとサスペンションメンバー68と 連結する防振ブッシュ84として用いられる。 サスペンション装置の全体構成としては、上 記の通りであり、説明は省略する。

 防振ブッシュ10は、図1,2に示すように、 部材としての内筒12と、これを軸平行かつ同 軸状に取り囲む外筒14と、内筒12と外筒14との 間に介設された筒状のゴム状弾性体16と、内 12と外筒14の中間位置において内筒12を軸平 かつ同軸状に取り囲む中間筒18を備えてな 。そして、図10に示すように、内筒12は、そ 両端面がサスペンションメンバーのブラケ ト1に挟まれた状態で、ボルトなどの不図示 の締結部材で締め付けることによりブラケッ ト1に固定され、また、外筒14は、ロアリンク 70等の筒状のホルダ3内に圧入することにより 固定され、これにより、防振ブッシュ10はロ リンク70等とサスペンションメンバー側の ラケット1とを防振的に連結する。

 内筒12は、金属製の円筒状部材であり、 4,5に示すように、軸方向Xの中央部に軸直角 向外方Y1側に向けて全周にわたって膨出す 球帯状の第1膨出部20を備える。第1膨出部20 外周面は球状凸面21(第1球状凸面という。)を なしている。詳細には、第1球状凸面21は、内 筒12の軸心A上に中心Pを持つ球面の軸方向中 部を構成する球帯状をなし、内筒12の軸方向 両端部における一般筒部(外径が一定のスト ート筒状部)の外周面12Aからなだらかに連続 て形成されている。

 中間筒18は、内筒12及び外筒14よりも薄肉 金属製の円筒状部材であり、図1,8,9に示す うに、第1膨出部20を取り囲む軸方向Xの中央 が、軸直角方向外方Y1側に向けて全周にわ って膨出する球帯状の第2膨出部22に屈曲形 されている。第2膨出部22の内周面は、第1膨 部20の第1球状凸面21と同心状(即ち、共通の 心Pを持つ。)の球状凹面23(第1球状凹面とい 。)をなしている。また、第2膨出部22の外周 面は、第1膨出部20の第1球状凸面21と同心状の 球状凸面24(第2球状凸面という。)をなしてい 。第1球状凹面23は、中間筒18の軸方向両端 における一般筒部(内外径が一定のストレー 筒部)の内周面18Aからなだらかに連続して形 成されている。また、第2球状凸面24は、中間 筒18の上記一般筒部の外周面18Bからなだらか 連続して形成されている。

 外筒14は、金属製の円筒状部材であり、 6,7に示すように、外形が断面円形状をなし 外周面14Aの径が軸方向Xで一定のストレート 状に形成されている。図1に示すように、上 記第2膨出部22を取り囲む外筒14の内周面部分 、第2膨出部22の外周面側の第2球状凸面24と 心状の球状凹面25(第2球状凹面という。)に 成されている。詳細には、後述する絞り加 後の形状において、上記第2球状凸面24に一 の間隔をおいて沿うように、外筒14の中央部 における内周面14Bが、軸直角方向外方Y1側に んだ球状凹面25に凹設されている。第2球状 面25は、球面の中央部を構成する球帯状を し、外筒12の軸方向両端部における一般筒部 (内径が一定のストレート筒状部)の内周面14B らなだらかに連続して形成されている。

 そして、かかる第2球状凹面25が設けられ ことで、外筒14は、軸方向中央部が両端部 りも薄肉に形成されている。なお、図7に示 ように、絞り加工前の状態では、第2球状凹 面25は厳密な球帯ではなく、中心Pが外筒14の 心A上から軸直角方向Yにずれた位置にあり 縮径方向に絞り加工することで、図1に示す うに中心Pが軸心A上に位置する球帯状に形 される。

 図1に示すように、ゴム状弾性体16は、内 12と中間筒18を連結する内側弾性部26と、中 筒18と外筒14を連結する外側弾性部28とで構 されており、両者は、同一のゴム材料から り、中間筒18の第2膨出部22において周方向 複数設けられた連通孔30を介して互いに連結 されている。

 内側弾性部26は、第1球状凸面21を含む内 12の外周面12Aと第1球状凹面23を含む中間筒18 内周面18Aとにそれぞれ加硫接着されている また、外側弾性部28は、第2球状凸面24を含 中間筒18の外周面18Bと第2球状凹面25を含む外 筒14の内周面14Bとにそれぞれ加硫接着されて る。

 内側弾性部26は、第1球状凸面21と第1球状 面23との間に充填されているだけでなく、 の両端部26A,26Aが、第1球状凸面21よりも軸方 外方X1側の内筒部分12Bと第1球状凹面23より 軸方向外方X1側の中間筒部分18Cとを連結する ように軸方向外方X1側に延設されている。外 弾性部28についても同様に、第2球状凸面24 第2球状凹面25との間に充填されているだけ なく、その両端部28A,28Aが、第2球状凸面24よ も軸方向外方X1側の中間筒部分18Cと第2球状 面25よりも軸方向外方X1側の外筒部分14Cとを 連結するように軸方向外方X1側に延設されて る。

 そして、両弾性部26,28の軸方向端面には 軸方向内方X2側に向かって断面円弧状に陥没 する環状のすぐり部32,34が設けられている。 側弾性部26のすぐり部32の方が、外側弾性部 28のすぐり部34よりも軸方向Xの深さが浅く形 されており、これにより、内側弾性部26の 方向寸法D1が、外側弾性部28の軸方向寸法D2 りも大に形成されている(即ち、D1>D2)。

 また、両弾性部26,28の軸直角方向Yにおけ 厚みに関しては、図3に示す外筒14の絞り加 前では、内側弾性部26の厚みE1よりも外側弾 性部28の厚みE2の方が大に設定されている(即 、E1<E2)。そして、図1に示す絞り加工後で は、絞り加工により外側弾性部28が軸直角方 Yに圧縮されることで、内側弾性部26の厚みE 1と外側弾性部28の厚みE2が実質上同じ厚みに るように設定されている(即ち、E1=E2)。

 この防振ブッシュ10を製造するに際して 、まず、図4,5に示すように第1膨出部20を備 た内筒12と、図6,7に示すように内周面14Bに第 2球状凹面25を持つ外筒14と、図8,9に示すよう 第2膨出部22を備えた中間筒18を、それぞれ 製する。

 次いで、上記の内筒12と外筒14と中間筒18 不図示の成形型に配置し、該成形型内にゴ 材料を注入することで、内筒12と外筒14との 間に内側弾性部26と外側弾性部28とからなる ム状弾性体16を加硫成形する。これにより、 図3に示す絞り加工前の加硫成形体が得られ 。

 その後、上記加硫成形体の外筒14に絞り 工を施して、外筒14を縮径することにより、 図1に示す防振ブッシュ10が得られる。該絞り 加工により、外側弾性部28は軸直角方向Yに圧 縮されてばね定数が高くなる。一方、内側弾 性部26については、外側弾性部28の存在によ 中間筒18が縮径されないことから、軸直角方 向Yに圧縮されない。しかしながら、内側弾 部26は外側弾性部28よりも軸方向寸法が大に 定されているため(D1>D2)、上記絞り加工に よるばね定数の上昇分を補うことができ、軸 直角方向Yにおけるばね定数を内側弾性部26と 外側弾性部28とで同等に設定することができ 。よって、防振ブッシュ10に対する軸直角 向Yでの荷重入力に対してばね特性を線形に づけることができ、所望の防振特性を発揮 ることができる。また、内外のばね定数を 等にすることで、軸直角方向Yにおける荷重 入力に対する防振ブッシュ10の耐久性を向上 ることができる。

 本実施形態の防振ブッシュ10であると、 た、こじり方向Zにおける変位時、内筒12の 1球状凸面21と中間筒18の第1球状凹面23との間 の内側弾性部26、及び、中間筒18の第2球状凸 24と外筒14の第2球状凹面25との間の外側弾性 部28が、主として剪断変形を受けるようにな 。そのため、こじり方向Zにおけるばね定数 を効果的に低減することができる。

 また、軸方向Xにおける変位に対しては、 球状凸面21,24と球状凹面23,25との間でゴム状 性体16は剪断変形だけでなく圧縮変形も受け るようになる。そのため、軸方向Xにおける ね定数を上げることができる。

 また、中間筒18を設けたことで、軸直角 向Yにおけるばね定数が大きくなる。そのた 、軸直角方向Yにおけるばね定数を中間筒を 設けない場合と同等に設定する場合、ゴム状 弾性体16としてより軟らかいものを用いるこ ができ、これにより、ねじり方向Nのばね定 数を下げることができる。

 以上より、この防振ブッシュ10であると 軸方向Xと軸直角方向Yにおけるばね定数を確 保しながら、こじり方向Zとねじり方向Nにお るばね定数を効果的に小さくすることがで る。よって、サスペンション装置の左右方 におけるばね定数を大きく確保しながら、 下方向におけるばね定数を効果的に小さく ることができるので、操縦安定性を確保し がら、乗り心地性を大幅に向上させること できる。

 また、この防振ブッシュ10であると、内 弾性部26の軸方向寸法D1を、外側弾性部28の 方向寸法D2よりも大に形成したので、周長の 短い内側弾性部26において内筒12との接着面 をその分大きく確保することができ、耐久 を向上することができる。

 また、こじり方向Zの変位時におけるばね 定数は軸方向寸法の短い外側弾性部28の寄与 大きいが、同心状に設けられた各球状凸面2 1,24及び球状凹面23,25との間では、外側弾性部 28が連結する外周側の第2球状凸面24及び第2球 状凹面25の方が、内周側の第1球状凸面21及び 1球状凹面23よりも、図1に示す軸方向断面で の円弧長が長い。そのため、こじり方向Zの 位時に、外側弾性部28にてより主体的に剪断 変形させるようにして、こじり方向Zのばね 数を低減することができる。

 また、この防振ブッシュ10では、絞り加 後に内側弾性部26の厚みE1と外側弾性部28の みE2を同等にするようにしたので、軸直角方 向Yにおけるばね定数を内側弾性部26と外側弾 性部28とでより同等に近づけることができ、 形なばね特性に近づけることができる。

 また、中間筒18の第2膨出部22を取り囲む 筒14内周面の凹設部が球面状の第2球状凹面25 であり、かつ、外側弾性部28の両端部28A,28Aが 第2球状凹面25よりも外側まで延設されている ので、外筒14の絞り加工時に外側弾性部28を 方向Xで均等に圧縮することができ、耐久性 向上することができる。

 また、外筒14は内周面14Bに第2球状凹面25 持つものでありながら、外周面14Aの径を軸 向で一定のストレート筒状としたので、筒 ホルダ3との間で圧入のための十分な軸方向 法を確保することができ、筒状ホルダ3から の抜け力を向上することができる。

 図11~13は、第2実施形態に係る防振ブッシ 10Aを示したものである。この実施形態では 内筒12の軸方向Xにおける両端部12C,12Cが、ゴ ム状弾性体16の加硫成形後における冷間塑性 工により拡径されることで、拡径部36,36と て構成されたことを特徴とする。

 すなわち、第2実施形態では、図11に示す うにゴム状弾性体16を加硫成形して絞り加 前の加硫成形体を得た後、外筒14を絞り加工 して図12に示した防振ブッシュ10Aを得る。次 で、この防振ブッシュ10Aの内筒12の両端部12 C,12Cの各端面に対して不図示の圧接治具を軸 向Xに圧接して、図13に示すように、内筒12 端部12Cの肉厚がその軸方向内側部分の肉厚 りも大となる拡径部36を形成する。このよう な冷間塑性加工による拡径は、例えば特開200 3-106359号公報に開示されており、同公報に開 の方法を用いることができる。

 かかる拡径部36を設けたことで、第2実施 態によれば、ゴム状弾性体16、特に内側弾 部26の端部26Aでの自由長を確保して耐久性を 向上させながら、しかも内筒12の端面の面積 大きくして、ブラケット1との締結による内 筒12の端面の面圧を小さくすることができる その他の構成及び作用効果は上記第1実施形 態と同様であり、説明は省略する。

 図14は、第3実施形態に係る防振ブッシュ1 0Bを示したものである。この実施形態では、 筒14の一方の軸方向端部14Dに軸直角方向外 Y1側に延びるフランジ部38が設けられ、該フ ンジ部38の軸方向外側面38Aに、不図示のブ ケットとの間でストッパ作用を発揮するス ッパゴム部40が設けられたことを特徴とする 。また、外筒14の他方の軸方向端部14Eには、 ランジ部を設けることなく、端面に直接ス ッパゴム部42が設けられている。

 フランジ部38は、外筒14の軸方向端部14Dに おいて全周にわたって環状に設けられており 、ストッパゴム部40もフランジ部38に沿って 周にわたって環状に設けられている。他端 のストッパゴム部42も外筒14の軸方向端部14E 全周にわたって環状に設けられている。両 トッパゴム部40,42は、上記ゴム状弾性体16か ら連なるゴムにより一体に設けられている。

 このように外筒14の両端部14D,14Eにストッ ゴム部40,42を設けたことにより、内筒12を保 持するブラケットとの間でストッパ作用を発 揮して、外筒14の軸方向Xにおける過大変位を 制限することができる。その他の構成及び作 用効果は上記第1実施形態と同様であり、説 は省略する。

 本発明は、自動車のサスペンション装置 組み込まれて使用される防振ブッシュや、 ンジンマウントとしての筒形の防振ブッシ など、各種防振ブッシュに利用できる。

第1実施形態に係る防振ブッシュの断面 図(図2のI-I線断面図)。 同防振ブッシュの側面図。 同防振ブッシュの絞り加工前の断面図 同防振ブッシュの内筒の側面図。 図4のV-V線断面図。 同防振ブッシュの外筒の側面図。 図6のVII-VII線断面図。 同防振ブッシュの中間筒の側面図。 図8のIX-IX線断面図。 同防振ブッシュの組み付け状態を示す 断面図。 第2実施形態に係る防振ブッシュの絞 加工前の断面図。 同防振ブッシュの絞り加工後の断面図 。 同防振ブッシュの拡径後の断面図。 第3実施形態に係る防振ブッシュの断 図。 サスペンション装置の斜視図である。 サスペンション装置の平面図である。

符号の説明

10,10A,10B…防振ブッシュ、
12…内筒(軸部材)、12A…外周面、12B…軸方向 方側の内筒部分、12C…軸方向端部、
14…外筒、14A…外周面、14B…内周面、14C…軸 向外方側の外筒部分、14D,14E…軸方向端部、
16…ゴム状弾性体、
18…中間筒、18A…内周面、18B…外周面、18C… 方向外方側の中間筒部分、
20…第1膨出部、
21…第1球状凸面、
22…第2膨出部、
23…第1球状凹面、
24…第2球状凸面、
25…第2球状凹面、
26…内側弾性部、26A…端部、
28…外側弾性部、28A…端部、
36…拡径部、
40,42…ストッパゴム部、
D1…内側弾性部の軸方向寸法、D2…外側弾性 の軸方向寸法、
E1…内側弾性部の軸直角方向での厚み、E2… 側弾性部の軸直角方向での厚み、
X…軸方向、X1…軸方向外方、
Y…軸直角方向、Y1…軸直角方向外方




 
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