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Title:
VIBRATION PLATE, SPEAKER, ACOUSTIC SYSTEM AND METHOD OF MANUFACTURING VIBRATION PLATE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/088002
Kind Code:
A1
Abstract:
A vibration plate (1) is made of a vibration member (10) provided with a first area portion and a second area portion that are integrally formed by using an isotropic material. The first area portion includes reinforcing members (13a-13d) obtained by press molding with pressure to be applied stronger to the first area portion than to the second area portion, so that the reinforcing members are higher in Young' modulus than the second area portion.

Inventors:
IINO JUNJI
IMAMURA SATOSHI
KAMIMURA SHINJI
Application Number:
PCT/JP2009/050052
Publication Date:
July 16, 2009
Filing Date:
January 07, 2009
Export Citation:
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Assignee:
VICTOR COMPANY OF JAPAN (JP)
IINO JUNJI
IMAMURA SATOSHI
KAMIMURA SHINJI
International Classes:
H04R7/14; H04R9/02; H04R31/00
Foreign References:
JPS51145312A1976-12-14
JPS6147479B21986-10-20
JP2005223807A2005-08-18
JPS53119023A1978-10-18
JPS62269599A1987-11-24
JP2005286828A2005-10-13
JPH0369999U1991-07-12
JP2001258091A2001-09-21
Other References:
See also references of EP 2239959A4
Attorney, Agent or Firm:
MIYOSHI, Hidekazu et al. (2-8 Toranomon 1-chome,Minato-k, Tokyo 01, JP)
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Claims:
 等方性材料を用いて互いに一体に形成された第1の領域部分と第2の領域部分とを備える振動部材であり、前記第2の領域部分よりも前記第1の領域部分に印加される圧力が強くなるプレス成形により得た、前記第2の領域部分よりもヤング率が高い補強部を前記第1の領域部分に有する振動部材
 を備えることを特徴とする振動板。
 前記振動部材が略円錐形状を有することを特徴とする請求項1に記載の振動板。
 前記補強部は、前記振動部材の小径側から大径側に向かって放射状に帯形状に設けられることを特徴とする請求項2に記載の振動板。
 前記補強部が、
 前記振動部材の中心を通る第1の方向に配置された第1方向補強部と、
 前記振動部材の中心を通り、前記第1の方向とは異なる第2の方向に配置された第2方向補強部と
 を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の振動板。
 前記第1方向補強部の表面積が前記第2方向補強部の表面積に比べて広いことを特徴とする請求項4に記載の振動板。
 前記補強部は、前記第2の領域部分よりも厚さが薄いことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の振動板。
 前記振動部材の開口部を覆うキャップを更に備え、
 前記キャップは、等方性材料を用いて一体に形成された第1のキャップ領域部分と第2のキャップ領域部分とを備え、前記第2のキャップ領域部分よりも前記第1のキャップ領域部分に印加される圧力が強くなるプレス成形により得た、前記第2のキャップ領域部分よりもヤング率が高いキャップ補強部を前記第1のキャップ領域部分に有することを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の振動板。
 等方性材料を用いて互いに一体に形成された第1の領域部分と第2の領域部分とを備える振動部材であり、前記第2の領域部分よりも前記第1の領域部分に印加される圧力が強くなるプレス成形により得た、前記第2の領域部分よりもヤング率の高い補強部を前記第1の領域部分に有する振動部材
 を備えることを特徴とするスピーカ。
 前記振動部材が、略円錐形状を有することを特徴とする請求項8に記載のスピーカ。
 前記補強部は、前記振動部材の小径側から大径側に向かって放射状に帯形状に設けられた補強部であることを特徴とする請求項9に記載のスピーカ。
 前記補強部が、
 前記振動部材の中心を通る第1の方向に配置された第1方向補強部と、
 前記振動部材の中心を通り、前記第1の方向とは異なる第2の方向に配置された第2方向補強部と
 を含むことを特徴とする請求項8~10のいずれか1項に記載のスピーカ。
 前記第1方向補強部の表面積が、前記第2方向補強部の表面積に比べて広いことを特徴とする請求項11に記載のスピーカ。
 前記補強部は、前記第2の領域部分よりも厚さが薄いことを特徴とする請求項8~12のいずれか1項に記載のスピーカ。
 前記振動部材の開口部を覆うキャップを更に備え、
 前記キャップは、等方性材料を用いて互いに一体に形成された第1のキャップ領域部分と第2のキャップ領域部分とを備えたキャップであり、前記第2のキャップ領域部分よりも前記第1のキャップ領域部分に印加される圧力が強くなるプレス成形により得た、前記第2のキャップ領域部分よりもヤング率の高いキャップ補強部を第1のキャップ領域部分に有することを特徴とする請求項8~13のいずれか1項に記載のスピーカ。
 キャビネット前面に互いに並んで配置された第1のスピーカユニット及び第2のスピーカユニットを含むスピーカであって、
 前記第1及び第2のスピーカユニットのそれぞれが、
 等方性材料を用いて互いに一体に形成された第1の領域部分と第2の領域部分とを備える振動部材であって、前記第2の領域部分よりもヤング率が高い帯状の補強部を第1の領域部分に有する振動部材を備え、
 前記第1のスピーカユニットの少なくとも一部の前記補強部と前記第2のスピーカユニットの少なくとも一部の前記補強部とがそれぞれ同一の方向を向くように、前記第1及び第2のスピーカユニットを配置して成ることを特徴とするスピーカ。
 前記補強部が、
 前記振動部材の中心を通る第1の方向に配置された第1方向補強部と、
 前記振動部材の中心を通り、前記第1の方向とは異なる第2の方向に配置された第2方向補強部と
 を含むことを特徴とする請求項15に記載のスピーカ。
 前記第1のスピーカユニットの前記第1方向補強部と前記第2のスピーカユニットの前記第1方向補強部とがそれぞれ同一の方向を向くように、前記第1及び前記第2のスピーカユニットを配置して成ることを特徴とする請求項16に記載のスピーカ。
 前記第1のスピーカユニットの前記第2方向補強部と前記第2のスピーカユニットの前記第2方向補強部とがそれぞれ同一の方向を向くように、前記第1及び前記第2のスピーカユニットを配置して成ることを特徴とする請求項17に記載のスピーカ。
 前記第1方向補強部の表面積が、前記第2方向補強部の表面積に比べて広いことを特徴とする請求項16~18のいずれか1項に記載のスピーカ。
 前記第1の方向が、載置面に対して略垂直方向を含むことを特徴とする請求項16~19のいずれか1項に記載のスピーカ。
 前記補強部は、前記第2の領域部分よりも厚さが薄いことを特徴とする請求項15~20のいずれか1項に記載のスピーカ。
 前記振動部材の開口部を覆うキャップを更に備え、
 前記キャップは、等方性材料を用いて互いに一体に形成された第1のキャップ領域部分と第2のキャップ領域部分とを備え、前記第2のキャップ領域部分よりもヤング率の高いキャップ補強部を前記第1のキャップ領域部分に有することを特徴とする請求項15~21のいずれか1項に記載のスピーカ。
 キャビネット前面に配置され、略円錐形状を有し、等方性材料を用いて互いに一体に形成された第1の領域部分と第2の領域部分とを備え、前記第1の領域部分に前記第2の領域部分よりもヤング率の高い第1の補強部を有する第1の振動部材を備える第1のスピーカユニットと、
 前記キャビネット前面に前記第1のスピーカユニットと並んで配置され、略円錐形状を有し、等方性材料を用いて互いに一体に形成された第3の領域部分と第4の領域部分とを備え、前記第3の領域部分に前記第4の領域部分よりもヤング率の高い第2の補強部を有する第2の振動部材を備える第2のスピーカユニットと、
 を含むスピーカであって、
 少なくとも一部の前記第1の補強部と、少なくとも一部の前記第2の補強部とがそれぞれ同一の方向を向くように、前記第1及び第2のスピーカユニットを配置して成ることを特徴とするスピーカ。
 前記第1及び第2の補強部は、前記振動部材の小径側から大径側に向かって放射状に帯形状に設けられた複数の補強部であることを特徴とする請求項23に記載のスピーカ。
 前記第1の補強部が、
 前記第1の振動部材の中心を通る第1の方向に配置された第1方向補強部と、
 前記第1の振動部材の中心を通り、前記第1の方向とは異なる第2の方向に配置された第2方向補強部とを含み、
 前記第2の補強部が、
 前記第2の振動部材の中心を通る第3の方向に配置された第3方向補強部と、
 前記第2の振動部材の中心を通り、前記第3の方向とは異なる第4の方向に配置された第4方向補強部とを含む
 ことを特徴とする請求項23又は24に記載のスピーカ。
 前記第1方向補強部と前記第3方向補強部とがそれぞれ同一の方向を向くように、前記第1及び前記第2のスピーカユニットを配置して成ることを特徴とする請求項25に記載のスピーカ。
 前記第2方向補強部と前記第4方向補強部とがそれぞれ同一の方向を向くように、前記第1及び前記第2のスピーカユニットを配置して成ることを特徴とする請求項26に記載のスピーカ。
 前記第1方向補強部の表面積が前記第2方向補強部の表面積に比べて広く、前記第3方向補強部の表面積が前記第4方向補強部の表面積に比べて広いことを特徴とする請求項25~27のいずれか1項に記載のスピーカ。
 前記第1の補強部は、前記第2の領域部分よりも厚さが薄く、前記第2の補強部は、前記第4の領域部分よりも厚さが薄いことを特徴とする請求項23~28のいずれか1項に記載のスピーカ。
 前記第1及び第2の振動部材の開口部を覆うキャップをそれぞれ更に備え、
 前記キャップのそれぞれが、等方性材料を用いて互いに一体に形成された第1のキャップ領域部分と第2のキャップ領域部分とを備え、前記第2のキャップ領域部分よりもヤング率の高いキャップ補強部を前記第1のキャップ領域部分に有することを特徴とする請求項23~29のいずれか1項に記載のスピーカ。
 前記第1のスピーカユニットに対してサラウンド音声信号及びセンタチャンネル音声信号が入力され、前記第2のスピーカユニットに対してフロントチャンネル音声信号が入力されることを特徴とする請求項15~30のいずれか1項に記載のスピーカ。
 前記第1及び前記第2のスピーカユニットに対してそれぞれ同一の音声信号が入力されることを特徴とする請求項15~30のいずれか1項に記載のスピーカ。
 音声信号を増幅する増幅手段と、
 前記増幅手段から前記音声信号が供給される請求項15~30のいずれか1項に記載の第1及び第2のスピーカとを備え、
 前記第1のスピーカは、第1のスピーカユニットに対して左チャンネル用サラウンド音声信号及びセンタチャンネル音声信号が前記増幅手段から供給され、前記第2のスピーカユニットに対して左チャンネル用フロント音声信号が前記増幅手段から供給されるスピーカであり、
 前記第2のスピーカは、第1のスピーカユニットに対して右チャンネル用サラウンド音声信号及びセンタチャンネル音声信号が前記増幅手段から供給され、前記第2のスピーカユニットに対して右チャンネル用フロント音声信号が前記増幅手段から供給されるスピーカである
 ことを特徴とする音響システム。
 音声信号を増幅する増幅手段と、
 前記増幅手段から前記音声信号が供給される請求項15~30のいずれか1項に記載の第1及び第2のスピーカとを備え、
 前記第1のスピーカは、第1及び第2のスピーカユニットに対して同一の左チャンネル用音声信号が前記増幅手段から供給されるスピーカであり、
 前記第2のスピーカは、第1及び第2のスピーカユニットに対して同一の右チャンネル用音声信号が前記増幅手段から供給されるスピーカである
 ことを特徴とする音響システム。
 等方性材料で形成されたワークの特定位置に印加される圧力が、前記特定位置の周辺部に印加される圧力よりも強くなるプレス成形により、前記特定位置に前記周辺部よりもヤング率の高い補強部を形成し、振動板を成形することを特徴とする振動板の製造方法。
 前記補強部の形成は、
 前記ワークの中心を通る第1の方向及び前記第1の方向とは異なる第2の方向にそれぞれ帯状の前記補強部を選択的に形成することを含むことを特徴とする請求項35に記載の振動板の製造方法。
Description:
振動板、スピーカ、音響システ および振動板の製造方法

 本発明は、本発明は振動板、スピーカ、 響システムおよび振動板の製造方法に関す 。

 紙、プラスチック、金属等の材料は比較 安価で加工が容易であることから、音響機 の振動板材料として広く用いられてきてい 。しかしながら、これらの材料は、振動や の伝搬速度があらゆる方向で等しいため、 動板を製造する場合には定在波が発生しや く、音響特性に種々の悪影響を及ぼす場合 ある。

 定在波の発生を抑制する振動板として、 搬速度が繊維方向と非繊維方向でそれぞれ なる木材を振動板材料とするウッドコーン の振動板が知られている。ボイスコイルの 置を振動板の中心からずらすことにより、 面形状を非対称としたオブリコーン型の振 板も知られている。

 紙、プラスチック、金属等で形成された 動板の表面にレーザ光を照射し、振動板素 の一部を改質させることによって伝搬速度 異方性を持たせる振動板も知られている(例 えば、特許文献1参照)。

 しかしながら、ウッドコーン型の振動板 、製造方法が複雑で製造コストが高くなる 合がある。オブリコーン型の振動板は、指 性に偏りを持っているため、どちらかとい ば音が前方に出にくく、場合によっては高 度の音場表現が楽しめないこともある。

 振動板の表面にレーザ光を照射する方法で 、改質部分の材料を痛めるため、改質部分 周囲に比べて脆くなり、製品不良を招きや い。

特開2001-258091号公報

 上記問題点を鑑み、本発明は、製造が容 で製品歩留まりが高く、定在波の発生を抑 でき、音場表現に優れた振動板、スピーカ 音響システムおよび振動板の製造方法を提 する。

 上記問題点を解決するために、本発明の 様は、等方性材料を用いて互いに一体に形 された第1の領域部分と第2の領域部分とを える振動部材であり、第2の領域部分よりも 1の領域部分に印加される圧力が強くなるプ レス成形により得た、第2の領域部分よりも ング率が高い補強部を第1の領域部分に有す 振動部材を備えることを特徴とする振動板 提供する。

 本発明の他の態様は、等方性材料を用い 互いに一体に形成された第1の領域部分と第 2の領域部分とを備える振動部材であり、第2 領域部分よりも第1の領域部分に印加される 圧力が強くなるプレス成形により得た、第2 領域部分よりもヤング率の高い補強部を第1 領域部分に有する振動部材を備えるスピー を提供する。

 本発明の他の態様は、キャビネット前面 互いに並んで配置された第1のスピーカユニ ット及び第2のスピーカユニットを含むスピ カであって、第1及び第2のスピーカユニット のそれぞれが、等方性材料を用いて互いに一 体に形成された第1の領域部分と第2の領域部 とを備える振動部材であって、第2の領域部 分よりもヤング率が高い帯状の補強部を第1 領域部分に有する振動部材を備え、第1のス ーカユニットの少なくとも一部の補強部と 2のスピーカユニットの少なくとも一部の補 強部とがそれぞれ同一の方向を向くように、 第1及び第2のスピーカユニットを配置して成 スピーカを提供する。

 本発明の他の態様は、キャビネット前面 配置され、略円錐形状を有し、等方性材料 用いて互いに一体に形成された第1の領域部 分と第2の領域部分とを備え、第1の領域部分 第2の領域部分よりもヤング率の高い第1の 強部を有する第1の振動部材を備える第1のス ピーカユニットと、キャビネット前面に第1 スピーカユニットと並んで配置され、略円 形状を有し、等方性材料を用いて互いに一 に形成された第3の領域部分と第4の領域部分 とを備え、第3の領域部分に第4の領域部分よ もヤング率の高い第2の補強部を有する第2 振動部材を備える第2のスピーカユニットと を含むスピーカであって、少なくとも一部 第1の補強部と、少なくとも一部の第2の補 部とがそれぞれ同一の方向を向くように、 1及び第2のスピーカユニットを配置して成る スピーカを提供する。

 本発明の他の態様は、音声信号を増幅す 増幅手段と、増幅手段から音声信号が供給 れる第1及び第2のスピーカとを備え、第1の ピーカは、第1のスピーカユニットに対して 左チャンネル用サラウンド音声信号及びセン タチャンネル音声信号が増幅手段から供給さ れ、第2のスピーカユニットに対して左チャ ネル用フロント音声信号が増幅手段から供 されるスピーカであり、第2のスピーカは、 1のスピーカユニットに対して右チャンネル 用サラウンド音声信号及びセンタチャンネル 音声信号が増幅手段から供給され、第2のス ーカユニットに対して右チャンネル用フロ ト音声信号が増幅手段から供給されるスピ カである音響システムを提供する。

 本発明の他の態様は、音声信号を増幅す 増幅手段と、増幅手段から音声信号が供給 れる請求項15~30のいずれか1項に記載の第1及 び第2のスピーカとを備え、第1のスピーカは 第1及び第2のスピーカユニットに対して同 の左チャンネル用音声信号が増幅手段から 給されるスピーカであり、第2のスピーカは 第1及び第2のスピーカユニットに対して同 の右チャンネル用音声信号が増幅手段から 給されるスピーカである音響システムを提 する。

 本発明の他の態様は、等方性材料で形成 れたワークの特定位置に印加される圧力が 特定位置の周辺部に印加される圧力よりも くなるプレス成形により、特定位置に周辺 よりもヤング率の高い補強部を形成し、振 板を成形する振動板の製造方法を提供する

 本発明によれば、製造が容易で製品歩留 りが高く、定在波の発生を抑制でき、音場 現に優れた振動板、スピーカ、音響システ および振動板の製造方法が提供できる。

図1は、本発明の実施の形態に係るスピ ーカユニットを示す断面図である。 図2(a)は、本発明の実施の形態に係る振 動板を示す平面図であり、図2(b)は、図2(a)のA -A方向からみた場合の断面図である。 図3は、本発明の実施の形態に係る補強 部と標準部の伝搬速度を示すグラフである。 図4は、本発明の実施の形態に係る補強 部と標準部の内部損失を示すグラフである。 図5(a)~図5(d)は、本発明の実施の形態に る補強部の配置例を示す平面図である。 図6(a)~図6(f)は、本発明の実施の形態に る補強部の形状例を示す平面図である。 図7は、本発明の実施の形態に係る振動 部材の特性を説明する説明図である。 図8(a)は、8kHz指向特性の測定結果、図8( b)は、10kHz指向特性の測定結果を表すグラフ ある。 図9(a)は、比較例の周波数特性を示すグ ラフ、図9(b)は、本発明の実施の形態に係る ピーカの周波数特性を示すグラフである。 図10(a)~図10(g)は、本発明の実施の形態 係る振動板の製造方法を示す工程断面図又 平面図である。 図11は、本発明の第1変形例に係る振動 板を示す平面図である。 図12(a)~図12(c)は、キャップの補強領域 形状例を示す平面図である。 図13は、本発明の第2変形例に係るスピ ーカの説明図である。 図14は、本発明の第3変形例に係るオー ディオシステムを示す図である。 図15は、図14に示すスピーカにおける ピーカユニットの他の配置例を示す図であ 。 図16は、本発明の第4変形例に係るスピ ーカユニットを示す断面図である。 図17(a)は、第4変形例に係る振動板の平 面図、図17(b)は、図17(a)をB-B方向からみた場 の断面図である。

 以下図面を参照して、本発明の実施の形 を説明する。以下の図面の記載においては 同一又は類似の部分には同一又は類似の符 を付している。以下に示す実施の形態は、 の発明の技術的思想を具体化するための装 や方法を例示するものであって、この発明 技術的思想は、構成部品の構造、配置等を 記のものに特定するものではない。

 本発明の実施の形態に係るスピーカユニ ト(電気音響変換器)3は、図1に示すように、 磁気回路34と、磁気回路34上に配置されたフ ーム33と、フレーム33に固定された振動板1を 備える。磁気回路34は、ドーナツ状のプレー 35、プレート35の下に設けられたドーナツ状 のマグネット36及びポールピース30を備える

 プレート35とポールピース30との間の磁気 ギャップ37には、ボイスコイル31aが遊挿され いる。ダンパー32は、ボイスコイルボビン31 b及びフレーム33に接着されている。

 振動板1は、断面がコーン(円錐)形状を有 る振動部材10と、振動部材10の外周部(エッ )の全周に渡って取り付けられたゴムエッジ1 4を有する。ゴムエッジ14は、ガスケット39を してフレーム33に固定されている。

 図2(a)に示すように、振動板1は中心に開 部11を有する。開口部11には、ボイスコイル3 1aへの異物の侵入を防ぐためのキャップ38(図1 参照)が取り付けられる。

 振動部材10は、等方性材料(均一材料)で形 成されている。ここで「等方性材料(均一材 )」とは、繊維方向と非繊維方向によって音 伝搬速度が異なる木材等とは異なり、振動 内のあらゆる方向において音の伝搬速度が ぼ等しい(等方性の)材料を意味する。例え 、本実施形態において「等方性材料」とは パルプなどの紙、ポリプロピレンなどのプ スチック、アルミニウムなどの金属等を包 が、これらに限定されるものではない。

 振動部材10は、図2(a)及び図2(b)に示すよう に、標準部12と、標準部12と一体化し、開口 11から外周側へ向けて放射状に配置された帯 形状の補強部13a~13dを有する。

 補強部13a~13dは、後述する振動部材10の製造 程において標準部12(第2の領域部分)よりも くプレスされる領域(第1の領域部分)である そのため、補強部13a~13dは、標準部12に比べ 約10~100%程度、材料密度が高い。材料密度は 使用する材料によってそれぞれ異なる。例 ば、振動部材10として紙を用いる場合は、 準部12の材料密度が約0.4~0.7g/cm 3 であり、補強部13a~13dの材料密度が、約0.5~1.0g /cm 3 である。

 補強部13a~13dは、振動部材10の製造過程に いて標準部12よりも強くプレスされること より、標準部12に比べて剛性が高くなるよう に形成した領域である。補強部13a~13dは、標 部12に比べて、ヤング率が約5~15%程度高くな ように制御されている。ヤング率は、使用 る材料によってそれぞれ異なるが、例えば 動部材10として紙を用いた場合は、標準部12 のヤング率が約1.2~2.0Paであり、補強部13a~13d ヤング率が約1.3~2.5Paである。

 補強部13a~13dは、振動部材10の製造過程に いて標準部12よりも強くプレスされること より、標準部12とは約10~75%程度、厚さが異な っている。厚さは使用する材料によってそれ ぞれ異なる。例えば、図2(b)に示す振動部材10 では、標準部12の厚さT1が約0.3mm~0.35mmであり 補強部13a~13dの厚さT2が約0.2mm~0.25mmである。

 図3は、振動部材10の材料として紙を用い 場合の標準部12と補強部13a~13dの伝搬速度の 較を示す。補強部13a~13dの伝搬速度(m/s)は、 準部12の伝搬速度に比べて5~10%程度高くなる ように形成されている。

 図4は、振動部材10の材料として紙を用い 場合の標準部12と補強部13a~13dの内部損失を している。補強部13a~13dの内部損失(tanδ)は 標準部12の伝搬速度に比べて3~10%高くなるよ に形成されている。

 図2(a)に示すように、補強部(第1方向補強 )13a、13bは、振動部材10の中心を通る第1の方 向(紙面上下方向)に並んで配置されている。 強部(第2方向補強部)13c、13dは、振動部材10 中心を通り、第1の方向とは異なる第2の方向 (紙面左右方向)に並んで配置されている。図2 (a)においては、第1の方向及び第2の方向が、 動部材10の中心でほぼ垂直に交わるように 定されているが、これに限定されない。

 補強部13a~13dの数は、振動部材10を搭載す スピーカシステムの特性に応じて種々に変 可能である。例えば、図5(a)に示すように、 2個の補強部13a、13bを紙面上下方向に配置す だけでもよいし、図5(b)に示すように、紙面 め方向に沿って4個の補強部13a~13dを配置し もよい。図5(c)に示すように、半月状の補強 13a~13dを配置してもよいし、図5(d)に示すよ に、開口部11から外周に向かって放射状に延 びる3個の補強部13a~13cを配置してもよい。

 補強部13a、13bの形状は、図6(a)~図6(f)に示 ような形状を採用することができる。例え 、図6(a)~図6(c)に示すように、長手方向の幅 、開口部11側から外周側(図示せず)へ向かっ て次第に細くなる形状を採用することにより 、補強部13a、13bを伝わる振動(音)の伝搬速度 変化が加わる。その結果、聴感上、再生音 より広がりが感じられるようになる。

 このように、本発明の実施の形態に係る 動板1によれば、振動部材10に、標準部12に べてヤング率及び内部損失が高く、伝搬速 が速い補強部13a~13dを配置される。即ち、図7 に例示するように、補強部13a~13dの長手方向( 印方向)に沿って、標準部12より音速が速い 域が形成されるため、聴覚上、音がより前 に出てくるような印象が得られ、音場表現 豊かにすることができる。

 更に、補強部13a~13dは、後述するプレス成 形において標準部12と一体に一括形成される このため、補強部13a~13dが振動部材10から剥 れ落ちることがなく、レーザ光で表面加工 る場合のように、振動部材10の一部が痛む ともない。また、振動部材10の材料として、 紙、プラスチック、金属等の等方性材料を用 いることにより、安価で製造が簡単な振動板 が提供できるとともに、等方性材料を用いる 場合に生じる定在波の発生による出力エネル ギーの損失を抑制できる。

 補強部13a~13dの大きさ(面積)は、すべて同 でなくてもよい。例えば、図7の紙面下側を 載置面とする場合には、補強部13a、13bの表面 積を補強部13c、13dの表面積をよりも大きく形 成することにより、載置面に対して垂直方向 の音速が早くなるため、音がより前方へ出て くるような聴感が得られる。一方、補強部13a 、13bの面積を補強部13c、13dの面積よりも小さ くした場合には、載置面に対して水平方向に 音が広がる聴感が得られる。

 図8(a)及び図8(b)に、本実施形態に係る振 板を用いたスピーカの指向感度特性試験の 価結果を表す。指向感度特性試験において 、補強部を有さない振動板を用いたスピー を「比較例」として用いている。比較例と 実施形態に係るスピーカをそれぞれターン ーブル上に載せ、ターンテーブルの中心か 半径1m離れたところにマイクロホンを置く。 スピーカの前面を0度として、時計回りにタ ンテーブルを360度回転させて評価している

 図8(a)に示すように、測定周波数を8kHzと た場合は、比較例に比べて、本実施形態に るスピーカの方が、全方向に渡って音域レ ルが上昇していることがわかる。図8(b)に示 ように、測定周波数を10kHzとした場合は、 実施形態に係る振動板を用いたスピーカの 方側から出力される音域レベルが、比較例 比べて大きく上昇していることが分かる。

 図9(a)に、補強部13a~13dを有さない場合の 動板(比較例)の周波数特性を示し、図9(b)に 実施形態に係る振動板の周波数特性の例を す。点線で示す部分、即ち、300~1000kHzの周波 数帯域で比較した場合、本実施例に係るスピ ーカ(図9(b)参照)の音圧が、比較例(図9(a)参照) に比べて約1dB程度高くなっていることが分か る。周波数特性を示す曲線を観察すると、比 較例としての図9(a)の2~3kHzの帯域にはディッ が形成されている。一方、本実施形態とし の図9(b)に示す場合には、図9(a)に比べて曲線 が平坦になり、ピーク(ディップ)の発生が抑 されていることが分かる。

 このように、本実施形態に係る振動板1に よれば、補強部13a~13dを配置することにより ヴォーカル成分が多く含む中音域の出力レ ルを上げることが可能となる。また、ピー (ディップ)の発生が抑制できていることから 、本実施形態に係る振動板1によれば、中音 の音質が特に優れたスピーカが提供できる

 次に、本実施形態に係る振動板1の製造方 法を、図10(a)~図10(g)を用いて説明する。なお 以下に示す製造方法は一例であり、これ以 にも種々の方法により製造可能であること 勿論である。

 まず、図10(a)に示すように、パルプ溶解 20中に、抄紙装置21を入れる。抄紙装置21の 面には、予め中心部分をコーン形状(円錐台 状)に形成した網22が載せてある。網22はシ チュウなどの金属で形成できるが、これに らず耐熱性のある強固な素材であれば用い ことができる。

 パルプ溶解液20としては、例えば、リン ー(木綿繊維)10wt%+NBKPパルプ(針葉樹繊維をク フト法にてパルプ化し、パルプ化した繊維 漂白したもの)90wt%の混合繊維物を水中に分 させたパルプ溶解液が利用可能である。抄 装置21には、抄紙時に余分な液体を網22の下 側から排出するための開口部23が設けられて る。

 次に、図10(b)に示すように、抄紙装置21を パルプ溶解液20上へ徐々に引き上げゆき、網2 2上に抄紙物24を堆積させる。その後、網22上 抄紙物24から水分を除去するために、抄紙 24上に熱風等を吹き付けてもよい。抄紙物24 乾燥させた後、抄紙物24を網22から外す。

 網22から外した抄紙物24を、図10(c)及び図1 0(d)に示すように、加熱された雄型27と雌型26 からなるプレス機28の間に挟み、雄型27の上 部から所定の圧力でプレスする。この際、雄 型27の一部には、突部27a、27bが選択的に形成 れているため、突部27a、27bと接する抄紙物2 4の一部の領域は、それ以外の周囲の領域に べて強くプレスされる。プレス圧は、高く すぎると抄紙物24に破損を生じさせたり、抄 紙物24の持つ音の伝搬速度等の種々の物理的 性に影響を及ぼしたりする場合がある。本 施形態の場合、例えば、プレス圧は3~5kPa程 とすることが好ましい。

 図10(e)に示すように、所定の形状に成形 れたワーク25の外周部25aを切削にて切り出す 。引き続き、図10(f)に示すように、ワーク25 周部の全周に渡ってゴムエッジ14を取り付け 、内周部15を打ち抜く。図10(g)に示すように 振動部材10の中心に開口部11、外周部にゴム ッジ14を取り付けた振動板1を作製する。

 本実施形態に係る振動板1によれば、図10( c)及び図10(d)に示すプレス成型工程により、 紙物24の特定部分のプレス圧が強くなるよう に一括プレスし、標準部12と、補強部13a~13dと を有する振動部材10を製造する。そのため、 ーザ光などにより振動板を加工する場合に べて、製造が容易で、製品の歩留まりも高 振動板を製造することができる。

(第1変形例)
 図11に示すように、第1変形例に係る振動板1 00は、開口部11にキャップ38が取り付けられて いる点が、図2(a)及び図2(b)に示す振動板1と異 なる。他は図2(a)及び図2(b)に示す振動板1と実 質的に同様であるので記載を省略する。

 キャップ38は、補強部13a、13bと同一方向 長手方向を有する帯状の補強領域(キャップ 強部)38aと補強領域38aの周囲の標準領域38bと からなる。キャップ38の材料は、紙、プラス ック、金属等の等方性材料が好適である。 強領域38aと標準領域38bは、プレス成形によ それぞれ一体となるように形成されている

 補強領域38aは、標準領域38bよりも強くプレ された領域(第1のキャップ領域部分)であり 標準領域38b(第2のキャップ領域部分)に比べ 約10~100%程度、材料密度が高い。キャップ38 材料として紙を用いた場合は、標準領域38b 材料密度は、約0.4~0.7g/cm 3 であり、補強領域38aの材料密度は、約0.5~1.0g/ cm 3 である。補強領域38aのヤング率は、標準領域 38bに比べて約5~15%程度高くなっている。キャ プ38の材料として紙を用いた場合は、標準 域38bのヤング率は約1.2~2.0Paであり、補強領 38aのヤング率は約1.3~2.5Paである。

 また、補強領域38aは、製造時のプレス加 過程において標準領域38bよりも強くプレス れることにより、標準領域38bとは厚さが異 っている。図11に示す振動部材10としては、 標準領域38bの厚さが約0.3mm~0.35mmであり、補強 領域38aの厚さが約0.2mm~0.25mmである。

 補強領域38aの形状は特に限定されない。 えば、図12(a)に示すように、補強領域38aを キャップ38の中心を通る第1の方向に延伸す 帯状に形成してもよい。図12(b)に示すように 、Vの字型の補強領域38aを形成してもよいし 図12(c)に示すように、十字型の補強領域38aを 形成してもよい。

 第1変形例に係る振動板1によれば、振動 材10に加えてキャップ38に対しても補強領域3 8a及び標準領域38bを配置する。これにより、 ャップ38を伝わる音の音速を位置によって 化させることができるので、等方性部材を 用した場合にみられる定在波の発生を抑制 き、より豊かな音場表現が実現可能となる

(第2変形例)
 図13は、図11に示す振動板を上下に2つ並べ タイプのスピーカ4a、4bの例を示している。 強部13a、13bは載置面に対してほぼ垂直方向 並んで配置されている。補強部13c、13dは載 面に対してほぼ水平方向に並んで配置され いる。キャップ38に設けられた補強領域38a 、補強部13a、13bと同一方向に沿って配置さ ている。

 図13に示すスピーカによれば、補強部13a 13b及び補強領域38aを有することにより、定 波を防ぐとともに、中音域の出力をより強 して、音が前方に出てくるような聴感を利 者に与えることができる。また、補強部13c 13dを配置することにより、載置面に水平方 にも音の広がり感が得られるため、より濃 な音場表現を実現可能なスピーカが提供で る。

(第3変形例)
 図14は、図13に示すスピーカ4a、4bと、スピ カ4a、4bに接続されたアンプ6とを備えるオー ディオシステムの一例を示している。紙面左 側のスピーカ4aのキャビネットの前面には、2 つのスピーカユニット41、42が配置されてい 。紙面右側のスピーカ4bのキャビネットの前 面には、2つのスピーカユニット43、44が配置 れている。

 スピーカユニット41~44のそれぞれは、標 部12と補強部(第1方向補強部13a、13b及び第2方 向補強部13c、13d)を有する振動板10と、振動板 10の開口部に配置されたキャップ38とを有し いる。

 第1方向補強部13a、13bは、載置面に対して 略垂直方向に配置されている。これにより、 定在波が抑制されるともに、中音域の出力を より強くして、垂直方向に音の広がりを持ち 、音がより前方に出てくるような聴感を利用 者に与えることができる。第2方向補強部13c 13dは、載置面に対して略水平方向に配置さ ている。第2方向補強部13c、13dにより、水平 向にも音の広がり感が得られる。

 第1方向補強部13a、13bの短手方向の幅を、 第2方向補強部13c、13dの短手方向の幅よりも きくすることによって、垂直方向の音の広 り感が強くなるため、例えば、音楽鑑賞用 スピーカに好適となる。逆に、第2方向補強 13c、13dの短手方向の幅を第1方向補強部13a、 13bの短手方向の幅よりも大きくすることによ って、水平方向の音の広がり感が強くなるた め、例えば、臨場感が求められるホームシア タースピーカとしての利用に好適となる。な お、図14に示すスピーカ4a、4bにおいては、第 1方向補強部13a、13bの短手方向の幅が、第2方 補強部13c、13dの短手方向の幅に比べて約5~20 %程度大きくなるように形成されている。こ により、音楽鑑賞用のスピーカとして高品 なスピーカを提供するとともに、臨場感の るホームシアタースピーカとしても十分に 用できる。

 キャップ38には、載置面にほぼ垂直方向 長手方向を有する補強領域38aが配置されて る。補強領域38aの向きを第1方向補強部13a、1 3bと同一方向に揃えることにより、垂直方向 音の広がり感を持たせることができる。例 ば、音楽鑑賞を主目的としたスピーカに対 て、図12(a)のキャップ38を用いる場合は、補 強領域38aの向きを第1方向補強部13a、13bと同 方向(即ち、載置面に対して垂直方向)となる ように配置することが好ましい。

 図12(b)のキャップを用いる場合は、補強 域38aの向きを、上側のスピーカユニット41に 対しては、図12(b)を反時計回りに90°回転させ て「V字型」となるように配置する。下側の ピーカユニット42に対しては、図12(b)のキャ プを時計回りに90°回転させて、「山型(逆V 型)」となるように配置することもできる。 これにより、上下のスピーカユニット41、42 ら発せられる音に一体感が生まれる。

 図12(b)のキャップをスピーカユニット43、 44に搭載し、図12(b)のキャップを左右反転さ たものをスピーカユニット41、42に搭載する とにより、水平方向に音の広がり感が得ら るため、例えば、スピーカ4a、4bを近接して 配置する場合においても、従来の装置に比べ て音の広がり感が得られる。

 図12(c)のキャップを用いる場合は、補強 域38aの十字の向きを、第1方向補強部13a、13b び第2方向補強部13c、13dの向きと揃えること によって、より臨場感のある音が再現できる ようになる。

 図14に示すように、スピーカユニット41は 、ラインL1を介してアンプ6に接続されている 。スピーカユニット42は、ラインL2を介して ンプ6に接続されている。スピーカユニット4 3は、ラインL3を介してアンプ6に接続されて る。スピーカユニット44は、ラインL4を介し アンプ6に接続されている。

 なお、図14に示すオーディオシステムを 2chのステレオ再生用システムとして利用す 場合は、スピーカユニット41、42には互いに じ左チャンネル音声信号(Lch)が、アンプ6か ラインL1、L2を介して入力される。スピーカ 43、44には、互いに同じ右チャンネル音声信 (Rch)が、アンプ6からラインL3、L4を介して入 される。この際、上下のスピーカユニット4 1、42に一体感を持たせて再生するためには、 第1方向補強部13a、13b、補強領域38aの向きを 置面に垂直方向に揃えるように配置するこ が望ましい。

 さらに、上下のスピーカユニット41、42で 第1方向補強部13a、13bの向きを揃えると共に ピーカユニット41、42で第2方向補強部13c、13d の向きを揃えることが、2chのステレオ再生用 システムとして利用する場合に一体感を持た せて再生するためには望ましい。

 図14に示すオーディオシステムを、5chサ ウンド信号の再生システムとして利用する 合は、スピーカユニット41には、アンプ6か ラインL1を介して左チャンネル用サラウンド 信号(surround L ch)及びセンタチャンネル信号( center ch)が入力される。スピーカユニット42 は、左チャンネル用フロント信号(front L ch) が、アンプ6からラインL2を介して入力される 。スピーカユニット43には、アンプ6からライ ンL3を介して右チャンネル用サラウンド信号( surround R ch)及びセンタチャンネル信号(center ch)が入力される。スピーカユニット42には、 右チャンネル用フロント信号(front R ch)が、 ンプ6からラインL4を介して入力される。

 この際、上下のスピーカユニット41、42に 一体感を持たせて再生するには、第1方向補 部13a、13b、補強領域38aの向きを載置面に垂 方向に揃えるように配置することが望まし 。なお、スピーカ4a、4bの上部に取り付けら ているスピーカユニット41、43に対しては、 サラウンド効果を生じさせるために、載置面 に垂直方向に音速の速い部位(補強部)を積極 に配置することにより、垂直方向に広がり 持ち、スピーカ4a、4bの前方へ迫り出てくる ような臨場感のある音が再生できる。

 なお、図14に示す例においては、2つのス ーカ4a、4bを配置する例を示したが、スピー カ4a、4bと同等の複数のスピーカをアンプ6に 続する、或いはウーハーやツィータを追加 る等して、5.1ch、7.1chのオーディオシステム を構築することも可能である。また、スピー カユニット41~44の搭載数を、例えば1台のスピ ーカ4aに対して3個以上並べて配置してもよい 。

 図15(a)~図15(e)に、図14に示すスピーカ4a、4 bのその他の配置例を示す。

 図15(a)に示すように、上下のスピーカユ ット41、42の第1方向補強部13a、13b及び補強領 域38aの長手方向の向きを、スピーカ4aの載置 と略水平方向になるように配置することに り、水平方向の音速が、他の領域に比べて くなる。この結果、水平方向の音の広がり 重視した音場を作り出せる。図15(a)のスピ カユニット41、42に同一の音声信号を入力す ば、スピーカ4aから発せられる音に一体感 持たせることもできる。

 図15(b)に示すように、上下のスピーカユ ット41、42の第1方向補強部13a、13b及び補強領 域38aの向きを、スピーカ4aの載置面と略垂直 向になるように配置することにより、垂直 向の音速が他の領域に比べて速くなる。こ 結果、図15(b)のスピーカユニット41に例えば 5chサラウンド信号の再生システムの左チャン ネル用サラウンド信号を入力した場合には、 スピーカ4aの前方へ音が迫り出て来るような 感を利用者に与えることができる。一方、2 chのステレオ再生用スピーカとして図15(b)の ピーカ4aを利用する場合には、スピーカユニ ット41、42に同一の信号を入力することによ て、各スピーカユニット41、42から発せられ 再生音に一体感を持たせることができる。

 図15(c)に示すように、スピーカ4a、4bに対 、下側のスピーカユニット42、44の構成を図 14と同様とし、上側のスピーカユニット41、43 の第1方向補強部13a、13b及び補強領域38aの向 を載置面に対して斜めに傾けるように配置 る。これにより、水平方向と斜め方向に拡 した音場を作り出すことができる。

 図15(d)に示すように、下側のスピーカユ ット42の構成を図14の構成と同様とし、上側 スピーカユニット41の第1方向補強部13a、13b び補強領域38aの向きを載置面に対して水平 向に向けることにより、水平方向の音の広 りを重視した音場を作り出すことができる

 図15(e)に示すように、下側のスピーカユ ット42の構成を図14の構成と同様とし、上側 スピーカユニット41の第1方向補強部13a、13b び補強領域38aの向きを載置面に対して垂直 向に向けることにより、垂直方向の音の広 りを重視した音場を作り出すことができる

(第4変形例)
 上述のように、図1~図15においては、円錐状 (コーン形状)の振動部材10を例に説明したが 図16及び図17に示すように、断面がドーム形 の振動部材50を用いることもできる。図16に 示すスピーカユニット9は、磁気回路91と、磁 気回路91を収納する収納部92と、磁気回路91上 に配置された振動板5と、振動板5を固定する レーム93とを備える。

 なお、図16は第4変形例に係るスピーカユ ットを示す断面図であり、図17(a)は、第4変 例に係る振動板の平面図、図17(b)は、図17(a) をB-B方向からみた場合の断面図である。

 振動板5は、断面がドーム形状の振動部材 50と、振動部材50の外周部に全周に形成され エッジ54を有する。振動部材50としては、上 の等方性材料や、シルク、綿、麻、化学繊 、樹脂フィルム等を用いることができる。

 振動部材50は、標準部50bと、中心部に帯状 設けられた補強部50aとを有する。補強部50a 、製造過程において標準部50bよりも強くプ スされた領域であり、標準部50bに比べて材 密度が高い。振動部材50の材料として紙を用 いた場合は、標準部50bの材料密度は約0.4~0.7g/ cm 3 であり、補強部50aの材料密度は約0.5~1.0g/cm 3 である。補強部50aのヤング率は、標準部50bに 比べて約5~15%程度高くなっている。標準部50b ヤング率は約1.2~2.0Paであり、補強部50aのヤ グ率は約1.3~2.5Paである。また、標準部50bの さが約0.04mm~0.3mmであり、補強部50aの厚さが 0.020mm~0.25mmである。

 補強部50aの形状は特に限定されない。例 ば、図12(a)~図12(c)に示す補強領域38aと実質 に同様な形状が採用できる。

 振動部材50のドーム部分の曲率は比較的 きいため、例えば、一般的な振動板の表面 に振動板材料よりも音速の早い素材を貼り ける場合にあっては剥離が生じやすい。第3 形例に係る振動板によれば、補強部50aと標 部50bとがプレス成形により一体化している で、補強部50aが、振動部材50の表面から剥 れ落ちることがない。また、プレスにより 成することによって、薬液やレーザ等によ 振動部材50の表面を加工する場合に比べて振 動部材50が痛まない。よって、長期間安定し 品質を維持した振動板5が得られる。

 本発明は上記の実施の形態によって記載 たが、この開示の一部をなす論述及び図面 この発明を限定するものであると理解すべ ではない。2008年1月7日に出願された特願P200 8-000345および2008年2月22日に出願された特願P20 08-042113、P2008-042115、P2008-042118、P2008-042122の全 体は、本書に組み込まれる。本発明はここで は記載していない様々な実施の形態等を含む ことは勿論であり、この開示から当業者には 様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術 が明らかとなろう。

 本発明は、定在波の発生を抑制でき、音 表現に優れ、製造が容易で製品歩留まりが い振動板、スピーカ、音響システムおよび 動板の製造方法に適用できる。