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Title:
VOLUME PHASE HOLOGRAM RECORDING MATERIAL AND OPTICAL INFORMATION RECORDING MEDIUM USING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/014112
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a volume phase hologram recording material having high sensitivity, high contrast, excellent multiplex recording performance and excellent record holding properties. Also disclosed is a volume phase hologram recording medium using such a volume phase hologram recording material. Specifically disclosed is a volume phase hologram recording material mainly containing a polymer matrix (a), a radically photopolymerizable compound (b) and a radical photopolymerization initiator (c). This volume phase hologram recording material is characterized in that the polymer matrix is a three-dimensionally crosslinked or linear polymer matrix having a thiol group, which is made from a polymer matrix-forming material containing 0.5-50% by weight of an episulfide compound (f), an epoxy compound (g) and a curing agent (h).

Inventors:
TOMARI KOHEI (JP)
FUJIMATSU HIDETAKA (JP)
MASAKI KAZUYOSHI (JP)
SHIMIZU TAKEHIRO (JP)
SHICHIJO YASUJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/063118
Publication Date:
January 29, 2009
Filing Date:
July 22, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON STEEL CHEMICAL CO (JP)
TOMARI KOHEI (JP)
FUJIMATSU HIDETAKA (JP)
MASAKI KAZUYOSHI (JP)
SHIMIZU TAKEHIRO (JP)
SHICHIJO YASUJI (JP)
International Classes:
G03H1/02; C08G75/08; C08L63/00; G11B7/24027; G11B7/24035; G11B7/24044
Foreign References:
JP2007017601A2007-01-25
JP2005084262A2005-03-31
JP2003167331A2003-06-13
Attorney, Agent or Firm:
NARUSE, Katsuo et al. (TKK Nishishinbashi Bldg.11-5, Nishi-shinbashi 2-chome,Minato-k, Tokyo 03, JP)
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Claims:
  (a)ポリマーマトリックス、(b)光ラジカル重合性化合物及び(c)光ラジカル重合開始剤を主成分とする体積位相型ホログラム記録材料であって、(a)ポリマーマトリックスが、
(f)分子中に1つ以上のチイラン環を有するエピスルフィド化合物0.5~50重量%、
(g)分子中に1つ以上のオキシラン環を有し、チイラン環を有さないエポキシ化合物、及び
(h)硬化剤
を含むポリマーマトリックス形成材料から形成されたチオール基を有するポリマーマトリックスであることを特徴とする体積位相型ホログラム記録材料。
 (a)ポリマーマトリックスが、3次元架橋ポリマーマトリックスである請求項1に記載の体積位相型ホログラム記録材料。
 (a)ポリマーマトリックスが、
(f2)分子中に2つ以下のチイラン環を有するエピスルフィド化合物0.5~50重量%、
(g2)分子中に2つ以下のオキシラン環を有し、チイラン環を有さないエポキシ化合物及び
(h2)2官能型硬化剤、
を含むポリマーマトリックス形成材料から形成された2級チオール基を有する線状ポリマーマトリックスである請求項1に記載の体積位相型ホログラム記録材料。
 (f)分子中に1つ以上のチイラン環を有するエピスルフィド化合物が、下記式(1)で表される基を分子内に有し、分子量が800以下の化合物である請求項1に記載の体積位相型ホログラム記録材料。
(式中、R 1 は炭素数1~10の鎖状炭化水素基又は単結合;R 2 、R 3 、及びR 4 はそれぞれ炭素数1~10の鎖状炭化水素基又は水素;YはO又はSである)
  ポリマーマトリックス形成材料が、屈折率差の絶対値が0.05以上となる組合せを含む2種以上の化合物の混合物である請求項1に記載の体積位相型ホログラム記録材料。
  (a)ポリマーマトリックスと相溶する少なくとも1種の(d)非反応性化合物を更に含む請求項1に記載の体積位相型ホログラム記録材料。
 (b)光ラジカル重合性化合物が、ジビニル芳香族化合物とモノビニル芳香族化合物を含むモノマーを重合して得られ、下記式(2)で表されるジビニル芳香族化合物由来の構造単位を10~70モル%、モノビニル芳香族化合物の構造単位10~70モル%を有し、数平均分子量(Mn)が300~30000、分子量分布(Mw/Mn)が10以下である可溶性芳香族共重合体(b1)を0.5~30wt%含む請求項1に記載の体積位相型ホログラム記録材料。
(式中、R 5 は炭素数6~30の芳香族炭化水素基を示す。)
 可溶性芳香族共重合体(b1)を構成するモノビニル芳香族化合物がスチレン、ビニルナフタレン、ビニルビフェニル、インデン、アセナフチレン、ベンゾチオフェン又はそれらの置換体から選ばれる芳香族オレフィンである請求項7に記載の体積位相型ホログラム記録材料。
  請求項1~8いずれかに記載の体積位相型ホログラム記録材料が、1つの支持体上に又は2つの支持体間に形成されてなる体積位相型ホログラム記録用光情報記録媒体。
  ポリマーマトリックス形成材料、(b)光ラジカル重合性化合物及び(c)光ラジカル重合開始剤を主成分とする体積位相型ホログラム記録材料前駆体であって、
ポリマーマトリックス形成材料が、
(f)分子中に1つ以上のチイラン環を有するエピスルフィド化合物0.5~50重量%、
(g)分子中に1つ以上オキシラン環を有し、チイラン環を有さないエポキシ化合物、及び
(h)硬化剤
を含み、且つ光ラジカル重合反応以外の重合反応によって重合してポリマーマトリックスを形成するものであることを特徴とする体積位相型ホログラム記録材料前駆体。
 ポリマーマトリックス形成材料が、
(f2)分子中に2つ以下のチイラン環を有するエピスルフィド化合物0.5~50重量%、
(g2)分子中に2つ以下のオキシラン環を有し、チイラン環を有さないエポキシ化合物、及び
(h2)2官能型硬化剤、
を含み、且つ光ラジカル重合反応以外の重合反応によって重合して反応性の2級チオール基を有する線状ポリマーマトリックスを形成するものである請求項10に記載の体積位相型ホログラム記録材料前駆体。
   請求項10に記載の体積位相型ホログラム記録材料前駆体を、光ラジカル重合反応以外の重合反応によって、チオール基を有する3次元架橋ポリマーマトリックスを形成させることを特徴とする(a)3次元架橋ポリマーマトリックス、(b)光ラジカル重合性化合物及び(c)光ラジカル重合開始剤を主成分とする体積位相型ホログラム記録材料の製造方法。
Description:
体積位相型ホログラム記録材料 びそれを用いた光情報記録媒体

 本発明は、コヒーレントな活性エネルギ 線を用いて情報の記録・再生を行う体積位 型ホログラム記録に適した材料及びそれを いた光情報記録媒体に関する。

 ホログラム情報記録は、情報を2次元のペ ージデータとして記録・再生する方式であり 、DVDなどのビットデータ方式に比べて記録密 度及び転送速度を大幅に向上させることが可 能であることから、次世代光情報記録方式の 一つとして盛んに研究開発が進められている 。

 特に、体積位相型ホログラム記録材料(以 下、単にホログラム記録材料ともいう。)を いた光情報記録媒体(以下、単にホログラム 録媒体ともいう。)は、理論上の最大回折効 率が1と大きく、また、情報の重ね書き(多重 録)が可能であるため、高密度記録を達成で きる情報記録媒体として実用化が期待されて いる。ホログラム記録材料としては、記録媒 体製造の簡便性、原料選択の多様性などが考 慮され、フォトポリマーが用いられる場合が 多い。

 光ラジカル重合性成分及び光ラジカル重 開始剤を含むホログラム記録媒体の記録層( 以下、単にホログラム記録層ともいう。)に コヒーレントな活性エネルギー線からなる 照光及び情報光を同時に照射して明暗の干 パターンを生じさせると、明部において重 反応が誘起され、重合性成分は重合反応に って生じる濃度勾配を緩和・解消する方向 すなわち干渉パターンの暗部から明部へと 散移動する。一方、非反応性成分は重合性 分の拡散移動を補償する方向、すなわち干 パターンの明部から暗部へと逆拡散移動す 。このようにして、ホログラム記録層中に 渉パターンの光強度の強弱に応じた各成分 濃度分布が生じ、これが屈折率の変調構造 して記録される。

 ホログラム記録媒体の記録容量は、原理 に、ホログラム記録層の厚みに比例する。 たがって、ホログラム記録層は、材料によ 光吸収や重合反応に伴う体積収縮などによ 記録性能への影響を実質的に許容できる範 でなるべく厚く形成されることが有利であ 。ホログラム記録層に実際に求められる厚 は、約200μm~2mmと、従来の光情報記録媒体に 比べて非常に厚いものである。

 特許文献1には、唯一の処理工程として化 学作用放射線に露光すると屈折率像を形成す る実質的に固体の光重合性組成物であって、 本質的にa)25~75%の溶媒可溶性、熱可塑性重合 結合剤、b)5~60%の液体エチレン系不飽和単量 体、c)0.1~10%の化学作用放射線に露光すると不 飽和単量体の重合を活性化する光開始剤系よ りなる組成物が開示されている。ここで、各 成分を均一に溶解させ、また、支持体上に塗 布できる程度に組成物の粘度を下げるために 溶媒を用いている。ホログラム記録層を形成 するためには、該組成物を支持体上に塗布し た後、溶媒を蒸発除去する乾燥工程を必要と するため、記録層の厚みは実質的に100μm以下 に制限されていた。

 ホログラム記録層を形成する際に溶媒を 要とせず、約200μm以上の比較的厚い層を形 できるホログラム記録材料、それを用いた ログラム記録媒体及びその製造方法がこれ でに幾つか開示されている。例えば、ホロ ラム記録層の形成過程(in-situ)で形成させた3 次元架橋ポリマーマトリックスを含むもの( 許文献2~4、非特許文献1など)などがある。

 ここで、3次元架橋ポリマーマトリックス は、ホログラム記録材料に物理的強度を付与 してホログラム記録層としての形状を保持す る役割に加え、重合性化合物の過剰な移動を 抑制し、また、ホログラム記録時の重合に伴 う体積収縮を低減する役割を果たすと考えら れている(非特許文献1)。

 特許文献2には、3次元架橋ポリマーマト ックス及び1種又は複数の光活性モノマーか なり、マトリックスポリマー及び光活性モ マーの重合から生じるポリマーが相溶性で る光学製品が開示されている。そして、3次 元架橋ポリマーマトリックスが、前記光活性 モノマーの存在下で、この光活性モノマーが 重合する反応から独立した重合反応により形 成される光学製品が開示されている。

 この構成によるホログラム記録媒体は、 ログラム記録層を形成する際に溶媒が不要 あり、数100μm~数mm程度の厚い層を比較的容 に形成することができるという利点を有す 。

 ホログラム記録媒体には、また、高い透 性が要求される。したがって、3次元架橋ポ リマーマトリックスは、重合性モノマー及び 該モノマーが重合して生成したポリマーと相 溶性であることが必要である。

 しかしながら、この相溶性の条件を満た マトリックスポリマーとモノマーとの組合 は限られる。また、この相溶性の条件を満 すマトリックスポリマーとモノマーとの組 せであっても、マトリックスポリマーとモ マー、及びモノマーが重合して生成したポ マーとの屈折率差を大きくは取れないとい 問題がある。

 ホログラム情報記録において、干渉パタ ンとして記録されたデータは後露光などの 定化処理を行うことによって完全に固定さ る。大量のデータを連続して記録する場合 は、データが記録され始めてから固定され わるまでの所要時間が長くなるため、一旦 録されたデータがその間に劣化してしまう とが起こり得る。したがって、ホログラム 録媒体には、更に、少なくとも連続記録か 固定化処理までの所要時間内で記録された ータが劣化しないこと(以下、記録保持性と いう。)が要求される。

 しかしながら、上記特許文献で開示され ような光学製品では記録保持性が充分では いという問題がある。

 特許文献3には、複数の反応性基を有する 3次元架橋構造を有するポリマーマトリック であって、コヒーレントな光の干渉により じる干渉縞を屈折率の差によって記録する とができるポリマーマトリックスからなり ホログラムを記録するための構成成分とし 重合性モノマーを有しない体積型ホログラ 記録材料が開示されている。

 特許文献4には、活性メチレン基を1分子 に1以上含む化合物又は活性メチン基を1分子 中に2以上含む化合物、活性メチレン基又は 性メチン基より生成するカルボアニオンが 核付加する基を1分子中に2以上含む化合物、 マイケル反応触媒、光重合性化合物、及び光 重合開始剤系を含有する体積ホログラム記録 用感光性組成物が開示されている。

 これら、特許文献で開示されたホログラ 記録材料は、記録保持性の向上は認められ ものの、感度は未だ充分であるとは言えな 。

 前述のように、ホログラム記録材料とし 、ホログラム記録層の形成過程で形成させ 3次元架橋ポリマーマトリックスを含むもの がこれまでにいくつか開示されているが、高 感度で、高いコントラストが得られ、且つ記 録保持性が高い材料は未だ提供されていない 。

特開平2-3081号公報

特開平11-352303号公報

WO2005/078531号明細書

特開2005-275389号公報

特開2004-123873号公報 Chemistry of Materials, Vol. 12, pp. 1431-1438  (2000). Macromolecules、34, pp. 396-401 (2001).

 本発明は、高感度で、高いコントラスト 得られ、且つ多重記録性と記録保持性に優 た体積位相型ホログラム記録材料及びそれ 用いた体積位相型ホログラム記録媒体を提 することを目的とする。

 本発明は、(a)ポリマーマトリックス、(b)光 ジカル重合性化合物及び(c)光ラジカル重合 始剤を主成分とする体積位相型ホログラム 録材料であって、(a)ポリマーマトリックス 、
(f)分子中に1つ以上のチイラン環を有するエ スルフィド化合物0.5~50重量%、
(g)分子中に1つ以上のオキシラン環を有し、 イラン環を有さないエポキシ化合物、及び
(h)硬化剤
を含むポリマーマトリックス形成材料から形 成されたチオール基を有するポリマーマトリ ックスであることを特徴とする体積位相型ホ ログラム記録材料に関する。

 上記(a)ポリマーマトリックスは、チオー 基を有する3次元架橋ポリマーマトリックス 、又は線状ポリマーマトリックスあることが よい。ここで、線状ポリマーマトリックスは 、(f2)分子中に2つ以下のチイラン環を有する ピスルフィド化合物0.5~50重量%、(g2)分子中 2つ以下のオキシラン環を有し、チイラン環 有さないエポキシ化合物及び(h3)2官能型硬 剤、を含むポリマーマトリックス形成材料(g )から形成することができる。

 (f)分子中に1つ以上のチイラン環を有する エピスルフィド化合物又は(f2)分子中に2つ以 のチイラン環を有するエピスルフィド化合 は、下記式(1)で表される基を分子内に有し 分子量が800以下の化合物であることがよい

(式中、R 1 は炭素数1~10の鎖状炭化水素基又は単結合;R 2 、R 3 、及びR 4 はそれぞれ炭素数1~10の鎖状炭化水素基又は 素;YはO又はSである)

  ポリマーマトリックス形成材料は、屈 率差の絶対値が0.05以上となる組合せを含む2 種以上の化合物の混合物であることが好まし い。また、体積位相型ホログラム記録材料は 、(a)ポリマーマトリックスと相溶する少なく とも1種の(d)非反応性化合物を更に含むこと 望ましい。

 また、(b)光ラジカル重合性化合物が、ジ ニル芳香族化合物とモノビニル芳香族化合 を含むモノマーを重合して得られ、下記式( 2)で表されるジビニル芳香族化合物由来の構 単位を10~70モル%、モノビニル芳香族化合物 構造単位10~70モル%を有し、数平均分子量(Mn) が300~30000、分子量分布(Mw/Mn)が10以下である可 溶性芳香族共重合体(b1)を0.5~30wt%含むことが ましい。ここで、可溶性芳香族共重合体(b1) 構成するモノビニル芳香族化合物としては スチレン、ビニルナフタレン、ビニルビフ ニル、インデン、アセナフチレン、ベンゾ オフェン又はそれらの置換体から選ばれる 香族オレフィンが適する。

(式中、R 5 は炭素数6~30の芳香族炭化水素基を示す。)

 また、本発明は、上記の体積位相型ホロ ラム記録材料が、1つの支持体上に又は2つ 支持体間に形成されてなる体積位相型ホロ ラム記録用光情報記録媒体に関する。

 更に、本発明は、ポリマーマトリックス 成材料、(b)光ラジカル重合性化合物及び(c) ラジカル重合開始剤を主成分とする体積位 型ホログラム記録材料前駆体であって、ポ マーマトリックス形成材料が、(f)分子中に1 つ以上のチイラン環を有するエピスルフィド 化合物0.5~50重量%、(g)分子中に1つ以上オキシ ン環を有し、チイラン環を有さないエポキ 化合物及び(h)硬化剤を含み、且つ光ラジカ 重合反応以外の重合反応によって重合して リマーマトリックスを形成するものである とを特徴とする体積位相型ホログラム記録 料前駆体に関する。

 上記体積位相型ホログラム記録材料前駆 において、ポリマーマトリックス形成材料 、(f2)分子中に2つ以下のチイラン環を有す エピスルフィド化合物0.5~50重量%、(g2)分子中 に2つ以下のオキシラン環を有し、チイラン を有さないエポキシ化合物及び(h2)2官能型硬 化剤を含み、且つ光ラジカル重合反応以外の 重合反応によって重合して反応性の2級チオ ル基を有する線状ポリマーマトリックスを 成するものであるポリマーマトリックス形 材料(g)であることができる。

  更に本発明は、上記の体積位相型ホロ ラム記録材料前駆体を、光ラジカル重合反 以外の重合反応によって、チオール基を有 る3次元架橋ポリマーマトリックスを形成さ ることを特徴とする体積位相型ホログラム 録材料の形成方法に関する。

図1は、本発明の体積位相型ホログラム 記録材料のFT-IR測定結果を示す。

 本発明に係る体積位相型ホログラム記録 料は、(a)ポリマーマトリックス、(b)光ラジ ル重合性化合物及び(c)光ラジカル重合開始 を主成分とする。本発明に係る体積位相型 ログラム記録材料前駆体は、ポリマーマト ックス形成材料、(b)光ラジカル重合性化合 及び(c)光ラジカル重合開始剤を主成分とす 。

 ポリマーマトリックスはバインダーとし の機能も有するので、バインダーというこ もできる。ポリマーマトリックスは3次元架 橋型のポリマーマトリックスであることもで きるし、線状のポリマーマトリックスである こともできる。線状のポリマーマトリックス を得る場合は、エピスルフィド化合物、エポ キシ化合物及び硬化剤の官能基の数はいずれ も2以下である。3次元架橋型のポリマーマト ックスとを得る場合は、エピスルフィド化 物、エポキシ化合物及び硬化剤の官能基の は平均して2を超える。

 以下、ポリマーマトリックスを(a)成分と いい、ポリマーマトリックス形成材料を(A) 分ともいい、光ラジカル重合性化合物を(b) 分ともいい、光ラジカル重合開始剤を(c)成 ともいう。また、(a)成分は、次の(f)~(h)成分 を含む。(f)成分:分子中に1つ以上のチイラン を有するエピスルフィド化合物。(g)成分:分 子中に1つ以上のオキシラン環を有し、チイ ン環を有さないエポキシ化合物。(h)成分:硬 剤。そして、(f)成分をエピスルフィド化合 ともいい、(g)成分をエポキシ化合物ともい 。そして、エポキシ化合物とエピスルフィ 化合物の一方又は両者を、エポキシ化合物( エピスルフィド化合物)ともいう。(h)成分を 化剤ともいい、硬化剤はエポキシ化合物(エ スルフィド化合物)を硬化させるものである 。なお、ポリマーマトリックスが線状のポリ マーマトリックスである場合は、ポリマーマ トリックスは、(f2)分子中に2つ以下のチイラ 環を有するエピスルフィド化合物、(g2)分子 中に2つ以下のオキシラン環を有し、チイラ 環を有さないエポキシ化合物及び(h2)2官能型 硬化剤を含むポリマーマトリックス形成材料 から形成される。これらを上記と同様に同様 に(f2)、(g2)、及び(h2)成分という。(f2)、(g2)、 び(h2)成分は、いずれも(f)、(g)、及び(h)成分 の下位概念であると理解される。以下、ポリ マーマトリックスについての説明は、共通す る場合は3次元架橋ポリマーマトリックスで 表して説明し、次に線状のポリマーマトリ クスである場合について説明する。

 本発明の体積位相型ホログラム記録材料 、本発明の体積位相型ホログラム記録材料 駆体(以下、ホログラム記録材料前駆体とも いう)を、光ラジカル重合反応以外の重合反 によって、光ラジカル重合反応性基を有す 上記3次元架橋ポリマーマトリックスを形成 せることにより製造することが有利である

 本発明において、3次元架橋ポリマーマト リックスは、ホログラム記録層の形成過程(in -situ)で形成させることが好ましい。有利には 、ホログラム記録材料前駆体を使用してホロ グラム記録層を形成させる際、3次元架橋ポ マーマトリックスを形成させることが好ま い。この場合は、マトリックス形成材料の に、(b)成分の光ラジカル重合性化合物と(c) 分の光ラジカル重合開始剤が共存する状態 3次元架橋ポリマーマトリックスが生成する この際、(b)成分のラジカル重合反応性基が 時に反応してしまうと、ホログラム記録材 としての性能が低下するので、(c)成分の共 下においても、(b)成分の光ラジカル重合反 性基を可及的に減少させることなく形成さ ることが好ましい。なお、本明細書でいう 合は不飽和基が関与する重合の他、縮合、 付加を含む。また、光ラジカル重合は光重 開始剤の存在する状態で重合する場合を含 、光ラジカル重合反応性基も同様である。 して、光重合性官能基としては、オレフィ 性二重結合を有する官能基が適する。また 光ラジカル重合を、ラジカル重合と略称す ことがある。

 光ラジカル重合反応性基を実質的に減少 せることなく3次元架橋ポリマーマトリック スを形成させるための反応の例としては、光 ラジカル重合とは別の反応形態で重合が進行 するエポキシ(エピスルフィド)-アミン重付加 反応、エポキシ(エピスルフィド)-チオール重 付加反応などが挙げられる。有利には、エポ キシ(エピスルフィド)-チオール重付加反応で ある。しかし、これに限らない。光ラジカル 重合反応性基を実質的に減少させることなく 3次元架橋ポリマーマトリックスを形成させ ためには、光ラジカル重合とは別の反応形 での重合が優先的に生じるように、反応触 等を配合したり、反応温度を調整したりす ことがよい。

 エポキシ(エピスルフィド)-チオール重付 反応で得られるエポキシ樹脂(エピスルフィ ド樹脂)が3次元架橋ポリマーマトリックスと る場合を例として説明すると、エピスルフ ド化合物、エポキシ化合物及び硬化剤(有利 には、ポリチオール化合物)が、マトリック 形成材料となる。なお、3次元架橋ポリマー トリックスとなるためには、エピスルフィ 化合物、エポキシ化合物、又は硬化剤の少 くとも1が平均して2より多いエポキシ基、 ピスルフィド基又はチオール基を有する。 応性チオール基含有の線状ポリマーマトリ クスとなるためには、エピスルフィド化合 、エポキシ化合物が平均して2のエポキシ基 はエピスルフィド基を有し、且つ硬化剤は2 官能の反応性基を有することがよい。

 (f)成分となるエピスルフィド化合物として 、分子中に1以上のチイラン環を有するエピ スルフィド化合物が使用される。好ましくは 、上記式(1)で表される基を分子内に有する分 子量800以下の化合物である。式(1)において、 R 1 は炭素数1~10の2価の鎖状炭化水素基又は単結 を示す。鎖状炭化水素基としては、炭素数1 ~3のアルキレン基が好ましく、より好ましく メチレンである。R 2 、R 3 、及びR 4 はそれぞれ独立に炭素数1~10の1価の鎖状炭化 素基又は水素を示す。好ましくは水素であ 。鎖状炭化水素基としては、炭素数1~3のア キル基が好ましい。YはO又はSを示す。

 エピスルフィド化合物の具体例としては (g)成分として下記に例示するエポキシ化合 のO/S変換反応により容易に得ることが可能 あり、その中から広範囲なエピスルフィド 合物を使用することができる。好ましく用 られるエピスルフィド化合物としては、例 ば、トリプロピレングリコールジグリシジ エーテル、ビスフェノールA型ジグリシジル エーテル、ビス-2,2-ヒドロキシシクロヘキシ プロパンジグリシジルエーテル、ビスフェ ールフルオレンジグリシジルエーテルをO/S 換したエピスルフィド化合物などが挙げら る。これらのエピスルフィド化合物は、単 で用いても2種以上を組み合わせて用いても よい。オキシラン環の酸素を硫黄に変換して チーラン環とする反応は公知の条件を採用で きる。この場合、オキシラン環の酸素の一部 が硫黄に変換する条件であっても差し支えな いが、原料のエポキシ化合物1分子当たり、1 以上の酸素が硫黄に変換するようにするこ がよい。なお、未反応のエポキシ化合物が まれる場合は、それはエポキシ化合物とし 計算される。なお、(f2)成分となるエピスル フィド化合物としては、分子中に2以下のチ ラン環を有するエピスルフィド化合物が使 される。

 また、(a)成分中の(f)成分のエピスルフィ 化合物の使用割合は0.5~50重量%であることが 必要で、好ましくは7~20重量%である。使用割 が0.5重量%未満であると記録保持性の向上が 見られないため好ましくない。50重量%を超え ると感度が低下するため好ましくない。

 (g)成分となるエポキシ化合物としては、 子中に2つ以上のオキシラン環を有する多官 能エポキシ化合物が適する。多官能エポキシ 化合物としては、例えば、1,6-ヘキサンジオ ルジグリシジルエーテル、エチレングリコ ルジグリシジルエーテル、ジエチレングリ ールジグリシジルエーテル、トリエチレン リコールジグリシジルエーテル、テトラエ レングリコールジグリシジルエーテル、プ ピレングリコールジグリシジルエーテル、 プロピレングリコールジグリシジルエーテ 、トリプロピレングリコールジグリシジル ーテル、テトラプロピレングリコールジグ シジルエーテル、ネオペンチルグリコール グリシジルエーテル、ネオペンチルグリコ ルヒドロキシヒバリン酸エステルのジグリ ジルエーテル、トリメチロールプロパンジ リシジルエーテル、トリメチロールプロパ トリグリシジルエーテル、グリセロールジ リシジルエーテル、グリセロールトリグリ ジルエーテル、ジグリセロールジグリシジ エーテル、ジグリセロールトリグリシジル ーテル、ジグリセロールテトラグリシジル ーテル、ペンタエリスリトールジグリシジ エーテル、ペンタエリスリトールトリグリ ジルエーテル、ペンタエリスリトールテト グリシジルエーテル、ジペンタエリスリト ルテトラグリシジルエーテル、ソルビトー テトラグリシジルエーテル、トリス(2-ヒド キシエチル)イソシアネートのジグリシジル ーテル、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシ アネートのトリグリシジルエーテル等の脂肪 族エポキシ化合物、イソホロンジオールジグ リシジルエーテル、水添ビスフェノールA型 グリシジルエーテル等の脂環式エポキシ化 物、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテ 、ビスフェノールF型ジグリシジルエーテル 、オルトフタル酸ジグリシジルエーテル、フ ェノールノボラックポリグリシジルエーテル 、クレゾールノボラックポリグリシジルエー テル等の芳香族エポキシ化合物等が挙げられ る。これらのエポキシ化合物は、単独で用い ても2種以上を組み合わせて用いてもよい。

 このうち、1,6-ヘキサンジオールジグリシ ジルエーテル、ジエチレングリコールジグリ シジルエーテル、トリエチレングリコールジ グリシジルエーテル、トリプロピレングリコ ールジグリシジルエーテル等の脂肪族エポキ シ化合物、もしくは、水添ビスフェノールA ジグリシジルエーテル等の脂環式エポキシ 合物を好ましく用いることができる。

 なお、(g2)成分となるエポキシ化合物とし ては、分子中に2つ以下のオキシラン環を有 るエポキシ化合物が適する。エポキシ化合 としては、例えば、1,6-ヘキサンジオールジ リシジルエーテル、エチレングリコールジ リシジルエーテル、ジエチレングリコール グリシジルエーテル、トリエチレングリコ ルジグリシジルエーテル、テトラエチレン リコールジグリシジルエーテル、プロピレ グリコールジグリシジルエーテル、ジプロ レングリコールジグリシジルエーテル、ト プロピレングリコールジグリシジルエーテ 、テトラプロピレングリコールジグリシジ エーテル、ネオペンチルグリコールジグリ ジルエーテル、ネオペンチルグリコールヒ ロキシヒバリン酸エステルのジグリシジル ーテル、トリメチロールプロパンジグリシ ルエーテル、グリセロールジグリシジルエ テル、ジグリセロールジグリシジルエーテ 、ペンタエリスリトールジグリシジルエー ル、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアネ ートのジグリシジルエーテル等の脂肪族エポ キシ化合物、イソホロンジオールジグリシジ ルエーテル、水添ビスフェノールA型ジグリ ジルエーテル等の脂環式エポキシ化合物、 スフェノールA型ジグリシジルエーテル、ビ フェノールF型ジグリシジルエーテル、オル トフタル酸ジグリシジルエーテル等の芳香族 エポキシ化合物等が挙げられるが、これらの みに限定されるものではない。また、これら のエポキシ化合物は、単独で用いても2種以 を組み合わせて用いてもよい。

 このうち、1,6-ヘキサンジオールジグリシ ジルエーテル、ジエチレングリコールジグリ シジルエーテル、トリエチレングリコールジ グリシジルエーテル、トリプロピレングリコ ールジグリシジルエーテル等の脂肪族エポキ シ化合物、もしくは、水添ビスフェノールA ジグリシジルエーテル等の脂環式エポキシ 合物を好ましく用いることができる。

 また、(a)成分中の(g)成分のエポキシ化合 の使用割合は40~90重量%、好ましくは50~80重 %である。

 (h)成分となる硬化剤としては、一般的な ポキシ硬化剤から選ぶことができる。ただ 、本発明においては、(c)成分である光ラジ ル重合性化合物のラジカル重合反応性基を 質的に減少させることなく3次元架橋ポリマ ーマトリックスを形成させるために、なるべ く低温(約80℃以下)で硬化可能な化合物を用 る必要がある。好ましくは、アミン化合物 ポリチオール化合物、酸無水物である。よ 好ましくは、ポリチオール化合物である。 リチオール化合物としては、分子中に2以上 チオール基を有するポリチオール化合物又 その混合物が使用される。例えば、トリメ ロールプロパントリス(3-メルカプトプロピ ネート)、ペンタエリスリトールテトラキス (3-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエ スリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピ ネート)、トリス〔(3-メルカプトプロピオニ キシ)-エチル〕イソシアヌレートなどが挙 られる。これらのチオール化合物は、単独 用いても2種以上を組み合わせて用いてもよ 。

 なお、(h2)成分となる2官能型硬化剤とし は、一般的なエポキシ硬化剤から選ぶこと できる。ただし、本発明においては、(c)成 である光ラジカル重合性化合物のラジカル 合反応性基を実質的に減少させることなく 応性チオール基含有バインダーを形成させ ために、なるべく低温(約80℃以下)で硬化可 な化合物を用いる必要がある。好ましくは アミン化合物、一級チオール化合物、酸無 物である。より好ましくは、一級チオール 合物である。一級チオール化合物としては 分子中に2以下の一級チオール基を有するチ オール化合物又はその混合物が使用される。 例えば、エチレングリコールビスチオグリコ レート(EGTG)、ブタンジオールビスチオグリコ レート(BDTG)、エチレングリコールビスチオプ ロピオネート(EDTP)、ブタンジオールビスチオ プロピオネート(BDTP)、ジメルカプトトリエチ レンジスルフィド(DMTDS)、ジメルカプトジエ レンスルフィド(DMDS)、1,10-デカンジチオール 、m-キシリレンジチオール、p-キシリレンジ オール等が挙げられるが、これらのみに限 されるものではない。また、これらの硬化 は、単独で用いても2種以上を組み合わせて いてもよい。

 (a)成分中の(h)成分の硬化剤の配合は、(f) 分と(g)成分の合計に対し、40:60~60:40の当量 となるよう配合することが好ましく、特に45 :55~55:45の比率が好ましい。

 また、(f)成分、(g)成分及び(h)成分となる 合物は2種以上使用することができるが、こ れらの化合物の1以上の組合せは屈折率差が0. 05以上となることが好ましい。

 本発明の体積位相型ホログラム記録材料 、露光された部分と露光されていない部分 屈折率コントラストを利用して情報を記録 ることを目的としており、この材料からな 体積位相型ホログラム記録媒体では、露光 れた部分と露光されていない部分の屈折率 ントラストの少なくとも一部は、露光後に 部の(b)成分の光ラジカル重合性化合物が露 された領域に拡散することにより形成され 。この屈折率コントラストが高いと、ホロ ラムの読み出し時の信号強度が高くなるの 、基本的には高い屈折率コントラストが得 れるよう拡散する光重合性モノマーとマト ックスポリマーとの屈折率差が大きいもの 望ましい。しかし、この光ラジカル重合性 合物が低分子量のモノマーのみからなる場 、記録に必要な露光を止めたあとも徐々に 散してしまい、ホログラムとして重要な記 保持性や多重記録性が悪化してしまう。

 本発明においては、ポリマーマトリック 形成材料の一部にエピスルフィド化合物を いることでポリマーマトリックス内にチオ ル基を任意の割合で導入することができる このマトリックス内のチオール基がホログ ム記録時にチイルラジカルを発生し光ラジ ル重合性化合物と結合あるいは連鎖移動剤 して働くことで、この3次元架橋ポリマーマ トリックスポリマーと光ラジカル重合性化合 物との親和性が高まり、これらの反応混合物 の屈折率差が近づくこととなる。そのため、 読み出し時の信号強度が高くなりすぎること が調節され、多重記録性を高め、かつ、長時 間にわたり濁りが発生しない状態にコントロ ールすることができる。

 また、本発明の体積位相型ホログラム記 材料からなる体積位相型ホログラム記録媒 では、露光された部分と露光されていない 分の屈折率コントラストの少なくとも一部 、露光後に一部の光ラジカル重合性化合物 露光された領域に拡散することにより形成 れる。この屈折率コントラストが高いと、 ログラムの読み出し時の信号強度が高くな ので、高い屈折率コントラストが得られる う拡散する光ラジカル重合性化合物とポリ ーマトリックスとの屈折率差が大きいもの 望ましい。しかし、このポリマーマトリッ スと光ラジカル重合性化合物との屈折率差 大きすぎると界面での散乱が大きくなり濁 が生じ記録性が低下する。本発明において ポリマーマトリックス形成材料に、屈折率 の絶対値が0.05以上となる組合せを含む2種 は3種以上の化合物の混合物を用いることで ポリマーマトリックスの屈折率を調整する とができ、このポリマーマトリックスと光 ジカル重合性化合物との屈折率差を読み出 時の信号強度がより高く、かつ、濁りが発 しない状態にコントロールすることができ ものである。

 ラジカル重合反応性基を実質的に減少さ ることなくポリマーマトリックスを形成さ るための反応は、適当な触媒を用いること よって促進させることができる。3級アミン 類、3級アミノフェノール類、ボレート類、 ミダゾリウム塩、スルホニウム塩、ヨード ウム塩、ホスホニウム塩、リン化合物など 利用可能である。例えば、エポキシ(エピス フィド)-チオール重付加反応の触媒として 、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノ ールなどのフェノール化合物、1,4-ジアザビ クロ[2,2,2]オクタン(DABCO)、イミダゾール誘導 体、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェ ール、N,N-ジメチルベンジルアミンなどの三 級アミン化合物などを用いることができる。 これらの触媒は、単独で用いても2種以上を み合わせて用いてもよい。

 硬化触媒の使用割合は、エピスルフィド 合物とエポキシ化合物の合計100重量部に対 て0.01~15重量部、好ましくは0.1~10重量部であ る。

 上記(f)、(g)及び(h)の各成分を含む材料か 、反応性の2級チオール基を有する線状ポリ マーマトリックスとするには、上記(f)成分及 び(g)の成分中のエポキシ基を選択的に(h)成分 の硬化剤と反応させる。エポキシ基及び硬化 剤が実質的に2官能であれば線状ポリマーマ リックスとすることができる。なお、反応 て得られる線状ポリマーマトリックスは2級 ヒドロキシ基及びチオール基を有するが、 れは反応性が低いため、実質的に反応しな 。この線状ポリマーマトリックスがポリマ マトリックスとなる。

 本発明のホログラム記録材料には、上記( a)成分の他に、(b)成分の光ラジカル重合性化 物と(c)成分の光ラジカル重合開始剤が配合 れる。光が照射されることにより(a)成分の オール基と(c)成分からラジカルを発生して (b)成分の重合を生じさせる。そして、(b)成 から生じるポリマー又は(b)成分は、(a)成分 ポリマーマトリックスと相溶して高い透明 を示すことが望ましい。そして、(b)成分と て適切なものを使用することによってホロ ラム記録材料の感度や記録データのコント ストを更に高めることができる。

 (b)成分のラジカル重合性化合物としては ホログラム記録に用いるコヒーレントな活 エネルギー線により開始されるラジカル重 反応を起こし、3次元架橋ポリマーマトリッ クスと相溶するものとして、例えば、アクリ ロイル基、メタクリロイル基、ビニル基又は イソプロペニル基を有する化合物などが挙げ られる。また、光ラジカル重合性化合物の一 部として、可溶性芳香族共重合体(b1)を含む とがよい。

 (b)成分として使用されるラジカル重合性 合物としては、所謂ラジカル重合性モノマ 又はオリゴマーが好ましく、1分子中に芳香 環又は硫黄原子を有する高屈折率のラジカル 重合性モノマー(あるいはオリゴマー)を用い ことがさらに好ましい。かかる化合物とし は、例えば、スチレン、クロロスチレン、 ロモスチレン、α-メチルスチレン、ジビニ ベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン、ビ ルナフタレン、ジビニルナフタレン、ビニ ビフェニル、ジビニルビフェニル、インデ 、アセナフチレン、N-ビニルカルバゾール N-ビニルピロリドン、フェニル(メタ)アクリ ート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェ キシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシ エチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェ ル(メタ)アクリレート、トリブロモフェノ シエチル(メタ)アクリレート、アルキレンオ キシド変性ビスフェノールAのジ(メタ)アクリ レート、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フル レンのジ(メタ)アクリレート、9,9-ビス(4-ヒ ロキシ-3-メチルフェニル)フルオレンのジ( タ)アクリレート、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエ トキシ)フェニル)フルオレンのジ(メタ)アク レート、ビス(2-メタクリロイルチオエチル) ルフィド、ビス(4-メタクリロイルチオフェ ル)スルフィドなどが挙げられる。これらの ラジカル重合性モノマー(あるいはオリゴマ )は、単独で用いても2種以上を組み合わせて 用いてもよい。

  可溶性多官能芳香族共重合体(b1)は、ジビ ル芳香族化合物の構造単位とモノビニル芳 族化合物の構造単位を有し、上記式(2)で表 れる構造単位を10~70モル%含有し、この構造 位からなる可溶性芳香族共重合体を単に共 合体(b1)ともいう。上記式(2)で表される構造 単位は、ジビニル芳香族化合物に由来する。 したがって、使用されるジビニル芳香族化合 物を説明することによって、式(2)におけるR 1 が理解される。なお、ジビニル芳香族化合物 は、式(2)で表される構造単位を与える他、分 岐又は架橋構造単位などの他のいくつかの構 造単位を与えることが知られているが、架橋 構造が多くなると可溶性を与えなくなるので 、式(2)で表される構造単位が主となるように 反応条件が制御される。このような可溶性多 官能芳香族ビニル共重合体の製造方法は特許 文献5及び非特許文献2等に記載されている。

  有利には、共重合体(b1)は上記式(2)で表 れるジビニル芳香族化合物の構造単位を10~7 0モル%、モノビニル芳香族化合物の構造単位1 0~70モル%を有し、数平均分子量(Mn)が300~30000、 分子量分布(Mw/Mn)が10以下である。

  共重合体(b1)の基本骨格は、ジビニル芳 族化合物とモノビニル芳香族化合物を含む 合原料を触媒の存在下、好ましくはルイス の触媒の存在下で、重合させることによっ 得られる。使用割合は、ジビニル芳香族化 物20~90モル%、好ましくは40~80モル%、モノビ ル芳香族化合物10~80モル%、好ましくは20~60 ル%、である。なお、必要により30モル%以下 好ましくは10モル%以下の他のオレフィン化 物を使用してもよい。ここで、構造単位と モノマー1個から生ずるポリマー中の単位を いう。

  ジビニル芳香族化合物としては、例え 、m-、p-ジビニルベンゼン、1,2-ジイソプロペ ニルベンゼン、1,3-ジビニルナフタレン、4,4 -ジビニルビフェニル、1,2-ジビニル-3,4-ジメ ルベンゼン等を用いることができるが、こ らに制限されるものではない。これらは単 で又は2種以上を組合せて用いることができ る。

  モノビニル芳香族化合物としては、ス レン、ビニルナフタレン、ビニルビフェニ 等の他、これらの誘導体がある。誘導体と ては、芳香族環にアルキル基、アルコキシ 、ハロゲン、フェニル基、水酸基等の置換 が置換した化合物の他、ビニル基のα位又は β位に上記置換基が置換した化合物がある。 た、ビニル基を環構成炭素中に有するモノ ニル芳香族化合物も使用でき、かかるモノ ニル芳香族化合物としては、インデン、ア ナフチレン、ベンゾチオフェン等の芳香族 レフィン及びその誘導体がある。

  モノビニル芳香族化合物はこれらに制 されるものではない。これらのモノビニル 香族化合物の中で、重合時に共重合体の骨 中におけるインダン構造の生成量が大きい いう点で、核アルキル置換芳香族ビニル化 物、α‐アルキル置換芳香族ビニル化合物が 好ましい。好適な具体例としては、コスト及 び得られたポリマーの耐熱性の点でエチルビ ニルベンゼン(m-及びp-異性体の両方)、エチル ビニルビフェニル(各異性体を含む)及びエチ ビニルナフタレン(各異性体を含む)がある

  共重合体(b1)は、上記のようなジビニル 香族化合物とモノビニル芳香族化合物を共 合させて得られるが、必要により他のカチ ン重合性モノマーを使用してもよい。かか 他のモノマーとしてはトリビニル芳香族化 物やブタジエン、イソプレンなどのジエン 合物、アルキルビニルエーテル、イソブテ 、ジイソブチレン又は硫黄原子を有するビ ル化合物等を挙げることができる。

  共重合体(b1)を製造するための重合方法 、基本的にはルイス酸触媒を用いる一般的 カチオン重合による方法で合成することが き、例えば、非特許文献2に記載の方法が好 ましい例として挙げられる。

  共重合体(b1)の数平均分子量Mn(ゲル浸透 ロマトグラフィーを用いて得られる標準ポ スチレン換算による。)は300~30000が好ましい 。より好ましくは500~5000である。Mnが300未満 あると共重合体(b1)の粘度が低すぎるため、 工性がよくないので好ましくない。また、M nが30000以上であると、ホログラム記録時の速 やかな物質移動が阻害されるので好ましくな い。また、分子量分布(Mw/Mn)は10以下であるこ とがよい。10を越えると、共重合体(b1)の加工 特性の悪化、ゲルの発生といった問題点を生 ずる恐れがある。

 (b)成分のラジカル重合性モノマーの配合 は、(a)成分に対し0.5~30重量%であることが好 ましく、1~10重量%がより好ましい。さらに、 重合体(b1)の配合量は(b)成分全体の0.5~70重量 %であることが好ましく、5~30重量%がより好ま しい。ラジカル重合反応性基の濃度が多過ぎ ると、ホログラム記録に伴うホログラム記録 層の体積変化(収縮)が許容範囲より大きくな て記録データが劣化したり、ホログラム記 に伴うホログラム記録層の硬化が進み過ぎ 感度が、特に多重記録時において損なわれ ことがある。一方、ラジカル重合反応性基 少な過ぎると、充分な回折効率が得られな ったり、記録保持性が低下する場合がある

 (b)成分のラジカル重合性化合物の配合量 、(a)成分に対し0.5~30重量%であることが好ま しく、1~10重量%がより好ましい。ラジカル重 反応性基の濃度が多過ぎると、ホログラム 録に伴うホログラム記録層の体積変化(収縮 )が許容範囲より大きくなって記録データが 化したり、ホログラム記録に伴うホログラ 記録層の硬化が進み過ぎて感度が、特に多 記録時において損なわれることがある。一 、ラジカル重合反応性基が少な過ぎると、 分な回折効率が得られなかったり、記録保 性が低下する場合がある。

 (c)成分の光ラジカル重合開始剤としては、 知である種々の光ラジカル重合開始剤を用 ることができ、ホログラム記録に用いるコ ーレントな活性エネルギー線の波長に応じ 適宜選択して用いることがよい。好ましい ラジカル重合開始剤としては、例えば、ビ (η 5 -2,4-シクロペンタジエン-1-イル)ビス(2,6-ジフ オロ-3-(1H-ピロール-1-イル)フェニル)チタニ ム、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェ ルフォスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチ ベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサ ドなどが挙げられる。

 光ラジカル重合開始剤の添加量は、使用 る光ラジカル重合開始剤の種類、ポリマー トリックスに導入されるラジカル重合反応 基の濃度及びラジカル重合性化合物の添加 によって異なるため一概には決められない 、ホログラム記録材料全体に対して0.05~10重 量%の範囲が好ましく、0.1~5重量%の範囲がよ 好ましい。

 本発明のホログラム記録材料又はその前 体には、上記成分の他にポリマーマトリッ スと相溶し、上記成分とは反応しない非反 性化合物を(d)成分として配合することがで る。ここで、非反応性化合物とは、ポリマ マトリックスを形成させるための反応及び ログラム記録時の光ラジカル重合反応のい れにも実質的に関与しないものを指し、ポ マーマトリックスと相溶するものの中から ばれる。かかる非反応性化合物としては、 えば、可塑剤、粘度調整剤、消泡剤などが げられる。好ましくは、可塑剤である。可 剤の役割としては、ホログラム記録材料中 おけるラジカル重合性成分の拡散を助け、 ログラム記録時の屈折率の変調構造形成に する時間を短縮することなどが考えられる

 可塑剤として適切な屈折率を有するもの 選ぶことによって、記録データのコントラ トを改善することができる。例えば、ラジ ル重合性モノマーとして1分子中に芳香環又 は硫黄原子を有する高屈折率化合物を用いる 場合、可塑剤としては、前記高屈折率のラジ カル重合性モノマーの屈折率に対して0.05以 低い屈折率を有するものが好ましい。例え 、ジメチルセバケート、ジエチルセバケー 、ジブチルセバケート、ビス(2-エチルヘキ ル)セバケート等のセバシン酸エステル類;ジ メチルアジペート、ジエチルアジペート、ジ ブチルアジペート、ビス(2-エチルヘキシル) ジペート等のアジピン酸エステル類;ジメチ フタレート、ジエチルフタレート、ジブチ フタレート、ビス(2-エチルヘキシル)フタレ ート、ジイソデシルフタレート等のフタル酸 エステル類;トリメチルホスフェート、トリ チルホスフェート、トリブチルホスフェー 、(2-エチルヘキシル)ホスフェート、トリフ ニルホスフェート、クレジルジフェニルホ フェート、トリクレジルホスフェート等の リン酸エステル類;等の公知の可塑剤を用い ることができる。その他、例えば非プロトン 性極性溶媒である1,3-ジメチル-2-イミダゾリ ノン等の溶媒も可塑剤として好適に使用さ る。

 その他、増感剤、連鎖移動剤、安定化剤 どの添加剤を必要に応じて更に含んでも良 。

 本発明の体積位相型ホログラム記録材料 駆体は、ポリマーマトリックス形成材料、( b)光ラジカル重合性化合物及び(c)光ラジカル 合開始剤を主成分とする体積位相型ホログ ム記録材料前駆体である。ここで、ポリマ マトリックス形成材料、(b)光ラジカル重合 化合物及び(c)光ラジカル重合開始剤は、体 位相型ホログラム記録材料で説明したと同 である。

 本発明の体積位相型ホログラム記録材料 駆体から、体積位相型ホログラム記録材料 形成することは、体積位相型ホログラム記 材料前駆体を光ラジカル重合反応以外の重 反応によって重合してポリマーマトリック を形成することによってなされる。

 本発明の体積位相型ホログラム記録媒体 、体積位相型ホログラム記録材料を1つの支 持体上に又は2つの支持体間に形成すること より得られる。有利には、液状の体積位相 ホログラム記録材料前駆体を1つの支持体上 積層させ又は2つの支持体間に層を所定厚み に形成させ、次に、記録材料前駆体中のポリ マーマトリックス形成材料を光ラジカル重合 反応以外の重合反応によって重合してポリマ ーマトリックスとすることにより、体積位相 型ホログラム記録材料を形成して、体積位相 型ホログラム記録用光情報記録媒体とする。

 本発明の体積位相型ホログラム記録媒体 光を照射してホログラムを形成したのちは これを硬化させて記録を固定する。硬化の 法は特に限定されるものでなく光硬化、熱 化いずれの硬化方法でも適用できる。

 本発明の体積位相型ホログラム記録媒体 、ホログラム記録材料を基材上に形成して 用する。具体的には、1つの支持体上に又は 2つの支持体間に形成して使用する。

 本発明の体積位相型ホログラム記録媒体 作製は、液状の体積位相型ホログラム記録 料前駆体組成物を、支持体が一枚の場合は えば、組成物をスピンコーター、ロールコ ター、バーコーターなどの公知の塗工手段 用いて、ガラス板やポリカーボネート板、 リメチルメタクリレート板、ポリエステル ィルムなどの基材上に塗布し、重合させ、 ラジカル重合反応性基を実質的に減少させ ことなくポリマーマトリックスを形成させ 方法が適する。この際、感光性樹脂組物層 には酸素遮断膜として保護層を設けても良 。保護層には、例えば上記の基板と同等な の、あるいはポリオレフィン、ポリ塩化ビ ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアル ール又はポリエチレンテレフタレートなど フィルムやガラスなどを用いることができ 。

 支持体が2枚の場合は体積位相型ホログラ ム記録材料前駆体組成物を、透明支持体中に 注入する方法が挙げられる。透明支持体中に 注入する方法としては具体的には、できあが った記録層の両側に透明支持体が設けられる ように2枚一組の透明支持体を配置しておき 2枚の透明支持体の間に組成物を注入する方 、または、箱状の透明支持体に注入孔を設 ておき、ここから組成物を注入する方法、 るいは、箱状の透明支持体の一面を開放し おき、組成物を注入あるいは滴下してから 開放した一面に透明支持体を被せて封じる 法等が挙げられる。

 前述のように作製された体積位相型ホロ ラム記録媒体は、従来から知られている方 により干渉露光を行って体積位相型ホログ ムを形成することができる。例えば、レー 光やコヒーレンス性(可干渉性)の優れた光( えば、波長300~1200nmの光)による通常のホロ ラフィ露光装置による二光束干渉縞露光に りその内部に干渉縞が記録される。この段 で、記録された干渉縞による回折光が得ら 、ホログラムとすることができる。本発明 ホログラム記録材料に適した光源としては He-Neレーザ(633nm)、Arレーザ(515、488nm)、YAGレ ザ(532nm)、He-Cdレーザ(442nm)、あるいは青色DPSS レーザ(405nm)等が利用できる。また、上記レ ザ等によるホログラム記録後に、キセノン ンプ、水銀ランプ、メタルハライドランプ による紫外線(UV)全面照射、あるいは60℃程 の熱を光記録用組成物膜に加えることによ 、未反応のまま残っている一部ラジカル重 性化合物の重合、物質移動に伴う相分離が 進され、よりホログラム特性に優れたホロ ラムが得られる。

 以下、実施例により本発明を具体的に説 するが、本発明はこれら実施例に限定され ものではない。なお、実施例中で用いる単 体等の記号は次の通りである。 

DGEPPG:プロピレングリコール型エポキシ樹脂( 本薬品製 SR-TPG)
HDEEBA:水添ビスフェノールA型エピスルフィド 脂(ジャパンエポキシレジン製 YL-7007)
ESF-300S:ビスフェノールフルオレン型エピスル フィド樹脂(新日鐵化学製 ESF-300S)
PETMP:ペンタエリトリトールテトラ(3-メルカプ トプロピオナート)
TDMAMP:2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェ ノール
DVBP:3,3’-ジビニルビフェニル
MPV:ビス(4-ビニルチオフェニル)スルフィド
DMI:1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン
DEEBA:ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂( ャパンエポキシレジン製:YL-7000)
HDGEBA:水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東 都化成製:ST-3000)
SR-TPG:トリプロピレングリコールジグリシジ エーテル
BDTP:ブタンジオールビスチオプロピオネート
DBU:1,8ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7

 なお、本実施例におけるホログラムなら に感光性樹脂組成物の評価は、パルステッ 工業社製のSHOT-500、SHOT-500GPを用いて行った

<ホログラムの評価>
*最大回折効率(SHOT-500による測定)
  透過型ホログラムの回折効率は、直線偏 型He-Neレーザ(633nm)による回折光及び透過光 光パワーメーターで読み取った値を用いて 次式により算出した。
  回折効率(%)=〔回折光強度/(透過光強度+回 光強度)〕×100
 また、最大回折効率を得るのに要した露光 を感度とした。

*多重記録性M#および体積収縮率(SHOT-500による 測定)
  ホログラム記録材料の多重記録性の指標 あるダイナミックレンジ(M#)ならびに体積収 率(シュリンケージ)は次式より算出できる
ダイナミックレンジ :M/#=σ√(回折効率)
シュリンケージ(%):ホログラム記録時の角度 再生時の角度の差(デチューン角度)から計算 。

*記録保持性(SHOT-500GPによる測定)
 記録したページデータの600秒経過後におけ SNR変化率を求め、A:変化率が5%以内、B:変化 が5~20%、C:変化率が20%以上とした。

実施例1
 下記の通りの成分を配合して、体積位相型 ログラム記録材料前駆体を作製した。
 まず、TDMAMP 0.11gとDVBP 0.28gとDMI 0.28gとを混 合させておき、これにビス(エタ(5)シクロペ タジエニル)-ビス-(2,6-ジフルオロ-3-(ピロー 1-イル)フェニル)チタニウム(Irgacure784、チバ スペシャルティ・ケミカルズ社製)を0.02g溶 させた。続いて、HDEEBA 0.15gとDGEPPG 1.21gそ てPETMP 0.82gを溶解させて、感光性組成物溶 を得た。この液体は、体積位相型ホログラ 記録材料前駆体である。
  この感光性組成物溶液を30mm×30mm、厚み1.2m mのガラス基板(両面反射防止膜付き)の片面に ディスペンサーを使用して塗布した。続いて 、真空下で気泡がなくなるまで脱泡し、これ にもう一枚のガラスをかぶせて、50℃に設定 た窒素雰囲気のイナートブン内で24時間硬 させ、エポキシ・エピスルフィド樹脂系ポ マーマトリックスを有する厚みが200μmとな 体積位相型ホログラム記録材料層を有する 光板を作製した。これを体積位相型ホログ ム記録媒体とした。

 ホログラム記録・再生には連続発振全固体 ーザ(波長:532nm)光による二光束干渉露光法 用いて空間周波数約2500本/mmの干渉縞を発生 せ、これを記録評価媒体の一方のガラス側 ら入射して体積位相型ホログラムを記録し 。透過型ホログラムの露光は、感光板上で 1つの光強度を7mW/cm 2 とし、最大回折効率を示すまで行った。得ら れた体積位相型ホログラムは、最大回折効率 90%であった。また、該体積位相型ホログラム 記録媒体に角度多重記録(49多重)行った時の ダイナミックレンジ(M/#)は3.5、硬化収縮率は 0.6%以下であった。

 実施例2~4及び比較例1~4
  配合組成を表1に示すとおりとした以外は 施例1と同様にして、感光性樹脂組成物溶液 を得て、これから体積位相型ホログラム記録 材料及びホログラム記録用光情報記録媒体を 得て、ホログラムを記録し、評価を行った。 組成及び評価結果を表1にまとめた。また、 録材料のFT-IR測定結果を図1に示した。図1か エピスルフィド化合物の配合による三次元 橋ポリマーマトリックス内への反応性チオ ル基形成と、エピスルフィド化合物の配合 に応じてチオール基の導入量が調整できる とが読み取れる。

合成例
  ジビニルベンゼン1.83モル(270.7ml)、エチル ニルベンゼン1.38モル(197.8ml)、2-ヒドロキシ チルメタクリレート(1.07mol)及びトルエン(誘 電率:2.4)2011mlを3000mlのフラスコ内に投入して5 0℃に保持した。さらに、1.05molの酢酸エチル さらに、1.13molの三フッ化ホウ素ジエチルエ ーテル錯体(BF 3 ・OEt 2 )141.9mlを添加し、3時間反応させた。重合反応 をメタノールで停止させた後、分液漏斗を用 いて0.1Mの水酸化ナトリウム水溶液により分 することにより、未反応の開始剤ならびに 媒を除去した。その後、室温で有機層を大 のメタノールに投入し、末端に-O-C 2 H 4 -OOC-C(CH 3 )=CH 2 基を有する可溶性芳香族共重合体を析出させ た。得られた共重合体をメタノールで洗浄し 、濾別、乾燥、秤量して、メタクリロイル基 含有可溶性芳香族共重合体(b1)159.9g(収率:45.2wt %)を得た。得られた共重合体(b1)のMwは6200、Mn 3700、Mw/Mnは1.67であった。また、NMR分析結果 より式(2)の構造単位の含有量は58%であった。

実施例5
 下記の通りの成分を配合して、体積位相型 ログラム記録材料前駆体を作製した。
 まず、DBU 0.15gと合成例で得た共重合体(b1)1. 81gとMPV1.81gと安息香酸ブチル3.61gとを混合さ ておき、これにビス(エタ(5)シクロペンタジ ニル)-ビス-(2,6-ジフルオロ-3-(ピロール1-イ )フェニル)チタニウム(Irgacure784、チバ・スペ シャルティ・ケミカルズ社製)を0.27g溶解させ た。続いて、HDEEBAを1.87gとSR-TPGを15.4gそしてBD TP11.3gを溶解させて、感光性組成物溶液を得 。この液体は、体積位相型ホログラム記録 料前駆体である。

  この感光性組成物溶液を30mm×30mm、厚み1 .2mmのガラス基板(両面反射防止膜付き)の片面 にディスペンサーを使用して塗布した。続い て、真空下で気泡がなくなるまで脱泡し、こ れにもう一枚のガラスをかぶせて、50℃に設 した窒素雰囲気のイナートブン内で24時間 化させ、エポキシ-エピスルフィド樹脂系の 状ポリマーマトリックス(バインダー)を有 る厚みが200μmとなる体積位相型ホログラム 録材料層を有する感光板を作製した。これ 体積位相型ホログラム記録媒体とした。

 ホログラム記録・再生には連続発振全固体 ーザ(波長:532nm)光による二光束干渉露光法 用いて空間周波数約1800本/mmの干渉縞を発生 せ、これを記録評価媒体の一方のガラス側 ら入射して体積位相型ホログラムを記録し 。透過型ホログラムの露光は、感光板上で 1つの光強度を7mW/cm 2 とし、最大回折効率を示すまで行った。得ら れた体積位相型ホログラムは、最大回折効率 55%であった。また、該体積位相型ホログラム 記録媒体に角度多重記録(49多重)行った時の ダイナミックレンジ(M/#)は2.1、硬化収縮率は 0.6%以下であった。

実施例6~9及び比較例5
  配合組成を表2に示すとおりとした以外は 施例5と同様にして、感光性樹脂組成物溶液 を得て、これから体積位相型ホログラム記録 媒体を得て、ホログラムを記録し、評価を行 った。組成及び評価結果を表2にまとめた。

産業上の利用の可能性

 ポリマーマトリックス形成材料の一部と て、エピスルフィド化合物を含有すること 、あらかじめ光ラジカル重合反応以外の重 反応によって形成されるポリマーマトリッ ス内にチオール基を任意の割合で導入でき 。このポリマーマトリックス内のチオール は、ホログラム記録時に光ラジカル重合性 合物と結合し、あるいは連鎖移動剤として 用する。また、光ラジカル重合性化合物の 部に可溶性芳香族ビニル共重合体を添加し おくことにより、記録した干渉パターンを く固定できる。本発明の体積位相型ホログ ム記録材料及びそれを用いた体積位相型ホ グラム記録媒体は、感度が高く、高いコン ラストが得られ、且つ記録保持性に優れ得 。さらに、溶媒を使用せずにポリマーマト ックスを導入できるため、厚膜が形成でき 溶剤の残存による記録性への影響を防止で る。また、記録材料前駆体の安定性に優れ 線状ポリマーマトリックス形成材料と、記 材料の安定性に優れる3次元架橋ポリマーマ トリックス形成材料を使い分けることにより 、多くの要求に応える体積位相型ホログラム 記録材料を得ることができる。