Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
VULCANIZABLE AQUEOUS ADHESIVE AND USE THEREOF
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/026429
Kind Code:
A1
Abstract:
A vulcanizable aqueous adhesive which does not contain any organic solvent and is free from anxieties about protein allergy, specifically a vulcanizable aqueous adhesive containing a chloroprene polymer latex, sulfur, and zinc oxide. It is preferable that the adhesive contain 2 to 5 parts by mass of sulfur and 3 to 10 parts by mass of zinc oxide per 100 parts by mass of the solid matter of the chloroprene polymer latex. The adhesive is useful in the production of canvas shoes for vulcanization-bonding an outsole, a fabric upper and a foxing tape.

Inventors:
OH SANG-TAEK (KR)
CHUN JAE-HWAN (KR)
WATANABE KOSUKE (JP)
MOCHIZUKI KENJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/065382
Publication Date:
March 06, 2008
Filing Date:
August 06, 2007
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
DENKI KAGAKU KOGYO KK (JP)
OH SANG-TAEK (KR)
CHUN JAE-HWAN (KR)
WATANABE KOSUKE (JP)
MOCHIZUKI KENJI (JP)
International Classes:
C09J111/02; A43B9/12; C09J5/06
Foreign References:
JPH07280038A1995-10-27
JP2006077038A2006-03-23
JPH0666301U1994-09-20
JP2002060711A2002-02-26
Attorney, Agent or Firm:
SENMYO, Kenji et al. (SIA Kanda Square 17, Kanda-konyacho, Chiyoda-k, Tokyo 35, JP)
Download PDF:
Claims:
 クロロプレンラテックス、硫黄、及び酸化亜鉛を含有することを特徴とする加硫型水性接着剤。
 クロロプレンラテックス中の固形分濃度が40~70質量%である請求項1に記載の加硫型水性接着剤。
 クロロプレンラテックス中に乳化剤及び/又は分散剤が、クロロプレン重合体を得るのに用いる全単量体に対して0.5~10質量部含有される請求項1又は2に記載の加硫型水性接着剤。
 クロロプレンラテックス中の固形分100質量部に対して、硫黄2~5質量部と、酸化亜鉛3~7質量部とを含有する請求項1~3のいずれかに記載の加硫型水性接着剤。
 キャンバスシューズの製造に用いられる請求項1~4のいずれかに記載の加硫型水性接着剤。
 キャンバスシューズのゴム製アウトソール、布製アッパー、及びフォクシングテープの2つ以上を加硫接着するために用いられる請求項1~4のいずれかに記載の加硫型水性接着剤。
 請求項1~4のいずれかに記載の加硫型水性接着剤を用いて、ゴム製アウトソール、布製アッパー、及びフォクシングテープの2つ以上を加硫接着することを特徴とするキャンバスシューズの製造方法。
 接着面に対して加硫型水性接着剤を100~300g/cm 2 の塗布量にて塗布し加熱接着する請求項7に記載のキャンバスシューズの製造方法。
 加硫型水性接着剤を塗布し、60~100℃で乾燥し、塗布面を圧着し、100~150℃にて加硫接着する請求項7又は8に記載のキャンバスシューズの製造方法。
Description:
加硫型水性接着剤及びその用途

 本発明は、加硫接着する際に好適に使用 きる加硫型水性接着剤及びその用途に関す ものである。

 キャンバスシューズ等、バルカナイズ式製 によってシューズを製造する際には、クロ プレン溶剤型接着剤や天然ゴムラテックス 着剤が使用されてきた。しかし、溶剤型接 剤については、環境影響や作業員の安全衛 の観点から、また天然ゴムラテックス接着 については、ラテックスの蛋白質アレルギ の問題から、代替接着剤の開発要望が年々 まってきている。(例えば非特許文献1,2参照 )。
日本ゴム協会誌 第78巻,第2号(2005)(55頁;4. 2.1項) 接着の技術Vol.21,No.4(2002)通巻65号(12頁;2.1. 4項)

 本発明は、有機溶剤を使用せず、かつ蛋 質アレルギーの心配の無い加硫型水性接着 を供することを課題とする。

 本発明は、上記目的を達成するために鋭意 究を進めたところ、下記の要旨を有する本 明に到達した。
(1)クロロプレンラテックス、硫黄、及び酸化 亜鉛を含有することを特徴とする加硫型水性 接着剤。
(2)クロロプレンラテックス中の固形分濃度が 、40~70質量%である上記(1)に記載の加硫型水性 接着剤。
(3)クロロプレンラテックス中に乳化剤及び/ は分散剤が、クロロプレン重合体を得るの 用いる全単量体に対して0.5~10質量部含有さ る上記(1)又は(2)に記載の加硫型水性接着剤
(4)クロロプレンラテックス中の固形分100質量 部に対して、硫黄2~5質量部と、酸化亜鉛3~10 量部とを含有する上記(1)~(3)のいずれかに記 の加硫型水性接着剤。
(5)キャンバスシューズの製造に用いられる上 記(1)~(4)のいずれかに記載の加硫型水性接着 。
(6)キャンバスシューズのゴム製アウトソール 、布製アッパー、及びフォクシングテープの 2つ以上を加硫接着するために用いられる上 (1)~(4)のいずれかに記載の加硫型水性接着剤
(7)上記(1)~(4)のいずれかに記載の加硫型水性 着剤を用いて、ゴム製アウトソール、布製 ッパー、及びフォクシングテープの2つ以上 加硫接着することを特徴とするキャンバス ューズの製造方法。
(8)接着面に対して加硫型水性接着剤を100~300g/ cm 2 の塗布して加熱接着する上記(7)に記載のキャ ンバスシューズの製造方法。
(9)加硫型水性接着剤を塗布し、60~100℃で乾燥 し、塗布面を圧着し、100~150℃にて加硫接着 る上記(7)又は(8)に記載のキャンバスシュー の製造方法。

 本発明の加硫型水性接着剤は、有機溶剤 含有していないことから、環境や人体に優 く、かつ合成ゴムラテックスを原料として ることから蛋白質アレルギーの心配の無い 着剤である。また、加硫後には充分な接着 度を発現することから、キャンバスシュー 等に用いられる加硫型接着剤として好適に 用することができる。

 クロロプレンラテックスは、クロロプレ 重合体を乳化剤及び/又は分散剤(以下、乳 剤/又は分散剤ともいう)を介して水中に乳化 /分散したものである。クロロプレンラテッ ス中の固形分濃度は、特に限定するもので ないが、作業性やクロロプレンラテックス 体の安定性を向上させるという観点から、 ましくは40~70質量%の範囲に、より好ましく 50~60質量%の範囲に設定するとよい。

 クロロプレン重合体は、2-クロロ-1,3-ブタ ジエン(以下、クロロプレンと記す)を重合し 得られた単独重合体、またはクロロプレン びクロロプレンと共重合可能な単量体を重 して得られた共重合体である。共重合体中 おけるクロロプレンの重合単位の含有量は ましくは80モル%以上、特には90モル%以上が ましい。

 クロロプレンと共重合可能な単量体とし は、特に限定するものではないが、例えば 2,3-ジクロロ-1,3-ブタジエン、1-クロロ-1,3-ブ タジエン、ブタジエン、イソプレン、スチレ ン、アクリロニトリル、アクリル酸又はその エステル類、メタクリル酸又はそのエステル 類等を挙げることができ、必要に応じてこれ らの2種類以上を併用してもよい。なかでも 共重合可能な単量体としては、好ましくは2, 3-ジクロロ-1,3-ブタジエンである。

 クロロプレン重合体の構造は、特に限定 れるものではないが、重合温度、重合開始 、連鎖移動剤、重合停止剤、最終重合率等 適切に選定、制御することで、分子量、分 量分布、ゲル含有量、分子末端構造、結晶 速度等を調整することが可能である。

 クロロプレンラテックスを製造する際に用 られる乳化/分散剤は、特に限定されるもの ではなく、通常のクロロプレンの乳化重合に 使用されているアニオン型、ノニオン型、カ チオン型など各種のものが使用できる。
 アニオン型の乳化/分散剤としては、カルボ ン酸型、硫酸エステル型等があり、例えば、 ロジン酸のアルカリ金属塩、炭素数が8~20個 アルキルスルホネート、アルキルアリール ルフェート、ナフタリンスルホン酸ナトリ ムとホルムアルデヒドの縮合物、アルキル フェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム が挙げられる。
 ノニオン型の乳化/分散剤としては、例えば 、ポリビニルアルコール(以下PVA)またはその 重合体(例えば、アクリルアミドとの共重合 体)、ポリビニルエーテルまたはその共重合 (例えば、マレイン酸との共重合体)、ポリビ ニルピロリドンまたはその共重合体(例えば 酢酸ビニルとの共重合体)、あるいは、これ (共)重合体を化学修飾したもの、あるいは ルロース系誘導体(ヒドロキシエチルセルロ ス)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル ,ポリオキシエチレンアルキルアリールエー ル,ポリオキシエチレンスチリルフェニルエ テル,ポリオキシエチレンアルキルフェニル エーテル,ポリオキシアルキレンアルキルエ テル,ポリオキシエチレン-アセチレングリコ ールエーテル,ソルビタン脂肪酸エステル等 挙げることができる。
 カチオン型の乳化/分散剤としては、例えば 、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム 等があり、例えば、オクタデシルトリメチ アンモニウムクロリド、ドデシルトリメチ アンモニウムクロリド、ジラウリルジメチ アンモニウムクロリド等が挙げられる。

 これらの乳化剤や分散剤の中でも、アニオ 型のものが好ましく、ロジン酸塩の使用が に好ましい。ロジン酸としては、ウッドロ ン酸、ガムロジン酸、トール油ロジン酸、 たはこれらを不均化した不均化ロジン酸の れも使用可能である。
 ロジン酸塩を用いる場合、クロロプレンラ ックスに充分な安定性を付与するために、 酸塩系やスルホン酸塩系のアニオン系乳化 や分散剤を併用することが好ましい。
 乳化剤/分散剤の使用量は、クロロプレン重 合体を得るのに用いる全単量体100質量部に対 し、0.5~10質量部が好ましく、2~6質量部がより 好ましい。

 硫黄は、特に限定するものではないが、 ムの加硫剤として一般に用いられている粉 硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄等が用いら る。分散性を考慮すると微粉硫黄の使用が ましい。クロロプレンラテックスへ添加す 際のハンドリングを考えると、硫黄は水性 散体として使用することが更に好ましい。 黄を水性分散体とする方法については、例 ば、接着Vol.36,No.8(1992)通巻388号(第343頁;3項) に記載されている通常の方法が使用できる

 硫黄の含有量は、特に限定するものでは いが、クロロプレンラテックス中の固形分1 00質量部に対して1~10質量部が好ましく、更に 好ましくは2~5質量部である。硫黄の添加量を この範囲に設定すると、加硫接着後の接着強 度が十分になるとともに、硫黄のブルームが 発生し難くなる。

 酸化亜鉛は、特に限定するものではない 、ゴム用配合薬品として一般に用いられて る何れの酸化亜鉛も使用が可能である。具 的には、1種、2種、3種、活性亜鉛華等があ 。酸化亜鉛についても水性分散体として使 することが好ましいが、水性分散体の調製 法は硫黄の場合と同様に接着Vol.36,No.8(1992) 巻388号(第343頁;3項)等に記載されている通常 方法が使用できる。また、酸化亜鉛の水性 散体として市販されている製品も使用可能 ある。

 酸化亜鉛の含有量は、特に限定するもの はないが、クロロプレンラテックス中の固 分100質量部に対して1~10質量部が好ましく、 更に好ましくは3~10質量部であり、特に好ま くは3~7質量部である。酸化亜鉛の添加量を の範囲に設定すると、加硫接着後の接着強 が十分になるとともに、接着剤自体の分離 し難くなる。

 加硫型水性接着剤には、要求性能に合わ て、粘着付与樹脂、増粘剤、酸化亜鉛以外 金属酸化物、充填剤、造膜助剤、紫外線吸 剤、酸化防止剤、可塑剤、硫黄以外の加硫 、加硫促進剤、消泡剤等を任意に添加する とができる。

 加硫型水性接着剤の用途は、特に限定す ものではないが、セメント、モルタル、ス ート、布類、木材、合成ゴム素材、ポリウ タン系素材、ポリ塩化ビニル系素材、ポリ レフィン系素材等の種々の材料を接着する に好適に使用できる。特に、キャンバスシ ーズを製造する際の加硫型接着剤として好 に使用できる。

 加硫型水性接着剤にて、キャンバスシュー を製造するには、次のようにすればよい。
 先ず、布製アッパー部品を縫製、糊付け等 てアッパーとする。次いで、所謂ラスティ グ作業によりアッパーを中底に貼り合わせ 整形する。整形した布製アッパー、ゴム製 ウトソール、ゴム製フォクシングテープの れぞれ接着する面に加硫型水性接着剤を塗 する。この際の塗布量は、十分な接着強度 確保するとともに、境界面からのはみ出し 防止するため、好ましくは100~300g/cm 2 、特に好ましくは150~250g/cm 2 の範囲に設定するとよい。これら加硫型水性 接着剤を塗布した材料を60~100℃、好ましくは 70~90℃で、5~30分間乾燥させ、塗布面同士が接 するように貼り合わせ、充分に圧着した後、 100~150℃、好ましくは120~140℃で0.5~2時間加硫 せて完了するのが好適である。

 以下、実施例及び比較例により本発明を らに具体的に説明するが、これらの実施例 本発明の解釈を限定するものではない。な 、以下の説明において特に断りのない限り および%は質量基準で表す。

「実施例1」
 [重合例1]
 内容積3リットルの反応器を用いて、窒素雰 囲気中、水100部に不均化ロジン酸5部、水酸 ナトリウム0.5部、水酸化カリウム0.8部、ホ ムアルデヒド-ナフタレンスルホン酸縮合物 ナトリウム塩0.5部、亜硫酸水素ナトリウム0 .5部を溶解した。攪拌しながらクロロプレン 量体100部とn-ドデシルメルカプタン0.14部を えた。窒素雰囲気下、10℃で、過硫酸カリ ムを開始剤として重合を行い、重合率が90% 達したところでフェノチアジンの乳濁液を え、重合を停止した。減圧下で加熱し、未 応の単量体を除去し、次いで固形分が50%と る様に濃縮し、クロロプレンラテックスを た。

[硫黄水性分散体の調製]
 粉末硫黄100部、ドデシルベンゼンスルホン ナトリウムの20質量%水溶液5部、ベントナイ ト1部、5質量%水酸化ナトリウム水溶液10部、 水184部をボールミルに入れ、一昼夜撹拌混 し、硫黄の33質量%水性分散体を調製した。

[加硫型水性接着剤の調製]
 重合例1で得られたクロロプレンラテックス 200部(ドライ基準100部)に、上記で得た硫黄の 性分散体3部(ドライ基準1部)、酸化亜鉛の水 性分散体(大崎工業社製AZ-SW、酸化亜鉛50質量% 含有)2部(ドライ基準1部)を添加した。次いで クリル系増粘剤(東亞合成社製アロンA-20L)を 加え、粘度を約3,000mPa・sに調製し、接着剤と した。

[接着試験]
 得られた接着剤を、天然ゴム製の未加硫ゴ シート(20×120mm)及びキャンバス(20×120mm)に塗 布した。90℃で2分間乾燥後、未加硫ゴムシー トとキャンバスを貼り合せた。貼り合せた被 着体は、加硫釜中で120℃、1時間加硫させた
 加硫後の被着体は、24時間室温で放置後、20 0mm/minの引っ張り速度で剥離強度を測定した

[実施例2~5]
 硫黄の水性分散体、及び酸化亜鉛の水性分 体の使用量を表1に記載の通り変更した以外 は実施例1と同様に試験を実施し、実施例2~5 した。

[比較例1]
 硫黄の水性分散体、及び酸化亜鉛の水性分 体の使用量を表1に記載の通り変更した以外 は実施例1と同様に試験を実施し、比較例1~3 した。

 表1に示す実施例と比較例の比較から、本 発明の加硫型水性接着剤は、優れた接着強度 を示すことが判る。

 表1中、MFはゴムシートの材料破壊が確認 れたこと、mfはゴムシートの一部に材料破 が確認されたこと、ACは接着面の界面剥離や 凝集破壊が確認されたことを表す。

 本発明によって得られる加硫型水性接着剤 、有機溶剤を含有せず、かつ天然ゴムラテ クスによる蛋白質アレルギーの危険性も抑 られたなかで、充分な接着強度を発現する のであり、キャンバスシューズ等に用いら る加硫型接着剤として好適に使用出来る。
 
 なお、2006年8月28日に出願された日本特許出 願2006‐230000号に記載の明細書、特許請求の 囲、図面及び要約書の全内容をここに引用 、本発明の明細書の開示として取り入れる のである。