CHUN JAE-HWAN (KR)
WATANABE KOSUKE (JP)
MOCHIZUKI KENJI (JP)
OH SANG-TAEK (KR)
CHUN JAE-HWAN (KR)
WATANABE KOSUKE (JP)
MOCHIZUKI KENJI (JP)
JPH07280038A | 1995-10-27 | |||
JP2006077038A | 2006-03-23 | |||
JPH0666301U | 1994-09-20 | |||
JP2002060711A | 2002-02-26 |
クロロプレンラテックス、硫黄、及び酸化亜鉛を含有することを特徴とする加硫型水性接着剤。 |
クロロプレンラテックス中の固形分濃度が40~70質量%である請求項1に記載の加硫型水性接着剤。 |
クロロプレンラテックス中に乳化剤及び/又は分散剤が、クロロプレン重合体を得るのに用いる全単量体に対して0.5~10質量部含有される請求項1又は2に記載の加硫型水性接着剤。 |
クロロプレンラテックス中の固形分100質量部に対して、硫黄2~5質量部と、酸化亜鉛3~7質量部とを含有する請求項1~3のいずれかに記載の加硫型水性接着剤。 |
キャンバスシューズの製造に用いられる請求項1~4のいずれかに記載の加硫型水性接着剤。 |
キャンバスシューズのゴム製アウトソール、布製アッパー、及びフォクシングテープの2つ以上を加硫接着するために用いられる請求項1~4のいずれかに記載の加硫型水性接着剤。 |
請求項1~4のいずれかに記載の加硫型水性接着剤を用いて、ゴム製アウトソール、布製アッパー、及びフォクシングテープの2つ以上を加硫接着することを特徴とするキャンバスシューズの製造方法。 |
接着面に対して加硫型水性接着剤を100~300g/cm 2 の塗布量にて塗布し加熱接着する請求項7に記載のキャンバスシューズの製造方法。 |
加硫型水性接着剤を塗布し、60~100℃で乾燥し、塗布面を圧着し、100~150℃にて加硫接着する請求項7又は8に記載のキャンバスシューズの製造方法。 |
本発明は、加硫接着する際に好適に使用 きる加硫型水性接着剤及びその用途に関す ものである。
キャンバスシューズ等、バルカナイズ式製
によってシューズを製造する際には、クロ
プレン溶剤型接着剤や天然ゴムラテックス
着剤が使用されてきた。しかし、溶剤型接
剤については、環境影響や作業員の安全衛
の観点から、また天然ゴムラテックス接着
については、ラテックスの蛋白質アレルギ
の問題から、代替接着剤の開発要望が年々
まってきている。(例えば非特許文献1,2参照
)。
本発明は、有機溶剤を使用せず、かつ蛋 質アレルギーの心配の無い加硫型水性接着 を供することを課題とする。
本発明は、上記目的を達成するために鋭意
究を進めたところ、下記の要旨を有する本
明に到達した。
(1)クロロプレンラテックス、硫黄、及び酸化
亜鉛を含有することを特徴とする加硫型水性
接着剤。
(2)クロロプレンラテックス中の固形分濃度が
、40~70質量%である上記(1)に記載の加硫型水性
接着剤。
(3)クロロプレンラテックス中に乳化剤及び/
は分散剤が、クロロプレン重合体を得るの
用いる全単量体に対して0.5~10質量部含有さ
る上記(1)又は(2)に記載の加硫型水性接着剤
(4)クロロプレンラテックス中の固形分100質量
部に対して、硫黄2~5質量部と、酸化亜鉛3~10
量部とを含有する上記(1)~(3)のいずれかに記
の加硫型水性接着剤。
(5)キャンバスシューズの製造に用いられる上
記(1)~(4)のいずれかに記載の加硫型水性接着
。
(6)キャンバスシューズのゴム製アウトソール
、布製アッパー、及びフォクシングテープの
2つ以上を加硫接着するために用いられる上
(1)~(4)のいずれかに記載の加硫型水性接着剤
(7)上記(1)~(4)のいずれかに記載の加硫型水性
着剤を用いて、ゴム製アウトソール、布製
ッパー、及びフォクシングテープの2つ以上
加硫接着することを特徴とするキャンバス
ューズの製造方法。
(8)接着面に対して加硫型水性接着剤を100~300g/
cm 2
の塗布して加熱接着する上記(7)に記載のキャ
ンバスシューズの製造方法。
(9)加硫型水性接着剤を塗布し、60~100℃で乾燥
し、塗布面を圧着し、100~150℃にて加硫接着
る上記(7)又は(8)に記載のキャンバスシュー
の製造方法。
本発明の加硫型水性接着剤は、有機溶剤 含有していないことから、環境や人体に優 く、かつ合成ゴムラテックスを原料として ることから蛋白質アレルギーの心配の無い 着剤である。また、加硫後には充分な接着 度を発現することから、キャンバスシュー 等に用いられる加硫型接着剤として好適に 用することができる。
クロロプレンラテックスは、クロロプレ 重合体を乳化剤及び/又は分散剤(以下、乳 剤/又は分散剤ともいう)を介して水中に乳化 /分散したものである。クロロプレンラテッ ス中の固形分濃度は、特に限定するもので ないが、作業性やクロロプレンラテックス 体の安定性を向上させるという観点から、 ましくは40~70質量%の範囲に、より好ましく 50~60質量%の範囲に設定するとよい。
クロロプレン重合体は、2-クロロ-1,3-ブタ ジエン(以下、クロロプレンと記す)を重合し 得られた単独重合体、またはクロロプレン びクロロプレンと共重合可能な単量体を重 して得られた共重合体である。共重合体中 おけるクロロプレンの重合単位の含有量は ましくは80モル%以上、特には90モル%以上が ましい。
クロロプレンと共重合可能な単量体とし は、特に限定するものではないが、例えば 2,3-ジクロロ-1,3-ブタジエン、1-クロロ-1,3-ブ タジエン、ブタジエン、イソプレン、スチレ ン、アクリロニトリル、アクリル酸又はその エステル類、メタクリル酸又はそのエステル 類等を挙げることができ、必要に応じてこれ らの2種類以上を併用してもよい。なかでも 共重合可能な単量体としては、好ましくは2, 3-ジクロロ-1,3-ブタジエンである。
クロロプレン重合体の構造は、特に限定 れるものではないが、重合温度、重合開始 、連鎖移動剤、重合停止剤、最終重合率等 適切に選定、制御することで、分子量、分 量分布、ゲル含有量、分子末端構造、結晶 速度等を調整することが可能である。
クロロプレンラテックスを製造する際に用
られる乳化/分散剤は、特に限定されるもの
ではなく、通常のクロロプレンの乳化重合に
使用されているアニオン型、ノニオン型、カ
チオン型など各種のものが使用できる。
アニオン型の乳化/分散剤としては、カルボ
ン酸型、硫酸エステル型等があり、例えば、
ロジン酸のアルカリ金属塩、炭素数が8~20個
アルキルスルホネート、アルキルアリール
ルフェート、ナフタリンスルホン酸ナトリ
ムとホルムアルデヒドの縮合物、アルキル
フェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム
が挙げられる。
ノニオン型の乳化/分散剤としては、例えば
、ポリビニルアルコール(以下PVA)またはその
重合体(例えば、アクリルアミドとの共重合
体)、ポリビニルエーテルまたはその共重合
(例えば、マレイン酸との共重合体)、ポリビ
ニルピロリドンまたはその共重合体(例えば
酢酸ビニルとの共重合体)、あるいは、これ
(共)重合体を化学修飾したもの、あるいは
ルロース系誘導体(ヒドロキシエチルセルロ
ス)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
,ポリオキシエチレンアルキルアリールエー
ル,ポリオキシエチレンスチリルフェニルエ
テル,ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル,ポリオキシアルキレンアルキルエ
テル,ポリオキシエチレン-アセチレングリコ
ールエーテル,ソルビタン脂肪酸エステル等
挙げることができる。
カチオン型の乳化/分散剤としては、例えば
、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム
等があり、例えば、オクタデシルトリメチ
アンモニウムクロリド、ドデシルトリメチ
アンモニウムクロリド、ジラウリルジメチ
アンモニウムクロリド等が挙げられる。
これらの乳化剤や分散剤の中でも、アニオ
型のものが好ましく、ロジン酸塩の使用が
に好ましい。ロジン酸としては、ウッドロ
ン酸、ガムロジン酸、トール油ロジン酸、
たはこれらを不均化した不均化ロジン酸の
れも使用可能である。
ロジン酸塩を用いる場合、クロロプレンラ
ックスに充分な安定性を付与するために、
酸塩系やスルホン酸塩系のアニオン系乳化
や分散剤を併用することが好ましい。
乳化剤/分散剤の使用量は、クロロプレン重
合体を得るのに用いる全単量体100質量部に対
し、0.5~10質量部が好ましく、2~6質量部がより
好ましい。
硫黄は、特に限定するものではないが、 ムの加硫剤として一般に用いられている粉 硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄等が用いら る。分散性を考慮すると微粉硫黄の使用が ましい。クロロプレンラテックスへ添加す 際のハンドリングを考えると、硫黄は水性 散体として使用することが更に好ましい。 黄を水性分散体とする方法については、例 ば、接着Vol.36,No.8(1992)通巻388号(第343頁;3項) に記載されている通常の方法が使用できる
硫黄の含有量は、特に限定するものでは いが、クロロプレンラテックス中の固形分1 00質量部に対して1~10質量部が好ましく、更に 好ましくは2~5質量部である。硫黄の添加量を この範囲に設定すると、加硫接着後の接着強 度が十分になるとともに、硫黄のブルームが 発生し難くなる。
酸化亜鉛は、特に限定するものではない 、ゴム用配合薬品として一般に用いられて る何れの酸化亜鉛も使用が可能である。具 的には、1種、2種、3種、活性亜鉛華等があ 。酸化亜鉛についても水性分散体として使 することが好ましいが、水性分散体の調製 法は硫黄の場合と同様に接着Vol.36,No.8(1992) 巻388号(第343頁;3項)等に記載されている通常 方法が使用できる。また、酸化亜鉛の水性 散体として市販されている製品も使用可能 ある。
酸化亜鉛の含有量は、特に限定するもの はないが、クロロプレンラテックス中の固 分100質量部に対して1~10質量部が好ましく、 更に好ましくは3~10質量部であり、特に好ま くは3~7質量部である。酸化亜鉛の添加量を の範囲に設定すると、加硫接着後の接着強 が十分になるとともに、接着剤自体の分離 し難くなる。
加硫型水性接着剤には、要求性能に合わ て、粘着付与樹脂、増粘剤、酸化亜鉛以外 金属酸化物、充填剤、造膜助剤、紫外線吸 剤、酸化防止剤、可塑剤、硫黄以外の加硫 、加硫促進剤、消泡剤等を任意に添加する とができる。
加硫型水性接着剤の用途は、特に限定す ものではないが、セメント、モルタル、ス ート、布類、木材、合成ゴム素材、ポリウ タン系素材、ポリ塩化ビニル系素材、ポリ レフィン系素材等の種々の材料を接着する に好適に使用できる。特に、キャンバスシ ーズを製造する際の加硫型接着剤として好 に使用できる。
加硫型水性接着剤にて、キャンバスシュー
を製造するには、次のようにすればよい。
先ず、布製アッパー部品を縫製、糊付け等
てアッパーとする。次いで、所謂ラスティ
グ作業によりアッパーを中底に貼り合わせ
整形する。整形した布製アッパー、ゴム製
ウトソール、ゴム製フォクシングテープの
れぞれ接着する面に加硫型水性接着剤を塗
する。この際の塗布量は、十分な接着強度
確保するとともに、境界面からのはみ出し
防止するため、好ましくは100~300g/cm 2
、特に好ましくは150~250g/cm 2
の範囲に設定するとよい。これら加硫型水性
接着剤を塗布した材料を60~100℃、好ましくは
70~90℃で、5~30分間乾燥させ、塗布面同士が接
するように貼り合わせ、充分に圧着した後、
100~150℃、好ましくは120~140℃で0.5~2時間加硫
せて完了するのが好適である。
以下、実施例及び比較例により本発明を らに具体的に説明するが、これらの実施例 本発明の解釈を限定するものではない。な 、以下の説明において特に断りのない限り および%は質量基準で表す。
「実施例1」
[重合例1]
内容積3リットルの反応器を用いて、窒素雰
囲気中、水100部に不均化ロジン酸5部、水酸
ナトリウム0.5部、水酸化カリウム0.8部、ホ
ムアルデヒド-ナフタレンスルホン酸縮合物
ナトリウム塩0.5部、亜硫酸水素ナトリウム0
.5部を溶解した。攪拌しながらクロロプレン
量体100部とn-ドデシルメルカプタン0.14部を
えた。窒素雰囲気下、10℃で、過硫酸カリ
ムを開始剤として重合を行い、重合率が90%
達したところでフェノチアジンの乳濁液を
え、重合を停止した。減圧下で加熱し、未
応の単量体を除去し、次いで固形分が50%と
る様に濃縮し、クロロプレンラテックスを
た。
[硫黄水性分散体の調製]
粉末硫黄100部、ドデシルベンゼンスルホン
ナトリウムの20質量%水溶液5部、ベントナイ
ト1部、5質量%水酸化ナトリウム水溶液10部、
水184部をボールミルに入れ、一昼夜撹拌混
し、硫黄の33質量%水性分散体を調製した。
[加硫型水性接着剤の調製]
重合例1で得られたクロロプレンラテックス
200部(ドライ基準100部)に、上記で得た硫黄の
性分散体3部(ドライ基準1部)、酸化亜鉛の水
性分散体(大崎工業社製AZ-SW、酸化亜鉛50質量%
含有)2部(ドライ基準1部)を添加した。次いで
クリル系増粘剤(東亞合成社製アロンA-20L)を
加え、粘度を約3,000mPa・sに調製し、接着剤と
した。
[接着試験]
得られた接着剤を、天然ゴム製の未加硫ゴ
シート(20×120mm)及びキャンバス(20×120mm)に塗
布した。90℃で2分間乾燥後、未加硫ゴムシー
トとキャンバスを貼り合せた。貼り合せた被
着体は、加硫釜中で120℃、1時間加硫させた
加硫後の被着体は、24時間室温で放置後、20
0mm/minの引っ張り速度で剥離強度を測定した
[実施例2~5]
硫黄の水性分散体、及び酸化亜鉛の水性分
体の使用量を表1に記載の通り変更した以外
は実施例1と同様に試験を実施し、実施例2~5
した。
[比較例1]
硫黄の水性分散体、及び酸化亜鉛の水性分
体の使用量を表1に記載の通り変更した以外
は実施例1と同様に試験を実施し、比較例1~3
した。
表1に示す実施例と比較例の比較から、本 発明の加硫型水性接着剤は、優れた接着強度 を示すことが判る。
表1中、MFはゴムシートの材料破壊が確認 れたこと、mfはゴムシートの一部に材料破 が確認されたこと、ACは接着面の界面剥離や 凝集破壊が確認されたことを表す。
本発明によって得られる加硫型水性接着剤
、有機溶剤を含有せず、かつ天然ゴムラテ
クスによる蛋白質アレルギーの危険性も抑
られたなかで、充分な接着強度を発現する
のであり、キャンバスシューズ等に用いら
る加硫型接着剤として好適に使用出来る。
なお、2006年8月28日に出願された日本特許出
願2006‐230000号に記載の明細書、特許請求の
囲、図面及び要約書の全内容をここに引用
、本発明の明細書の開示として取り入れる
のである。