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Patent Searching and Data


Title:
WATER PUMP
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/078774
Kind Code:
A1
Abstract:
A water pump (10) so constituted as to perform noncontact transmission of rotation from a drive side rotating body (20), to which rotation of an engine is transmitted, to a driven side rotating body (30) which is provided with a pump impeller (31). The drive side rotating body (20) is provided with a negative pressure chamber (50), and a pair of permanent magnets (26a, 26b) arranged with different poles opposing. The driven side rotating body (30) is provided with an induction ring (32) having inductive portions (32b) interposed between the pair of permanent magnets (26a, 26b) at a predetermined interval. The pair of permanent magnets (26a, 26b) are moved with respect to the inductive portions (32b) in the direction of the axis of rotation by a negative pressure introduced into the negative pressure chamber (50), thus altering the amount of overlap (L1) in the direction of the axis of rotation of the pair of permanent magnets (26a, 26b) and the inductive portions (32b).

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Inventors:
TOGAWA KYOSUKE (JP)
SHIKIDA TAKASUKE (JP)
ADACHI KAZUNARI (JP)
SAKUMOTO TAKASHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/074953
Publication Date:
July 03, 2008
Filing Date:
December 26, 2007
Export Citation:
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Assignee:
TOYOTA MOTOR CO LTD (JP)
TOGAWA KYOSUKE (JP)
SHIKIDA TAKASUKE (JP)
ADACHI KAZUNARI (JP)
SAKUMOTO TAKASHI (JP)
International Classes:
F01P5/12; F01P7/16; F01P7/08; F04D13/02
Foreign References:
JPH0116433A
JP2000257428A2000-09-19
JP2000274241A2000-10-03
JP2001090537A2001-04-03
Other References:
See also references of EP 2055910A4
Attorney, Agent or Firm:
KURAUCHI, Giro et al. (Nishitemma 4-chome Kita-k, Osaka-shi Osaka 47, JP)
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Claims:
 エンジンの回転が伝達される駆動側回転体から、ポンプインペラが設けられる従動側回転体への回転の伝達が非接触の状態で行われるように構成されたウォーターポンプであって、
 前記駆動側回転体および従動側回転体の一方には、異なる極性同士が互いに向き合うように設けられる一対の磁石が備えられるとともに、
 前記駆動側回転体および従動側回転体の他方には、前記一対の磁石の間に所定の間隔を隔てて設けられる誘導体が備えられており、
 前記一対の磁石および誘導体の少なくとも一方を他方に対し回転軸方向に移動させて、前記一対の磁石および誘導体の回転軸方向で互いに重なり合う度合いを変更する可動手段が設けられていることを特徴とするウォーターポンプ。
 請求項1に記載のウォーターポンプにおいて、
 前記可動手段は、前記駆動側回転体および従動側回転体の一方に設けられた負圧室と、この負圧室に導入される負圧に応じて回転軸方向に移動する可動部材とで構成されており、
 前記可動部材には、前記一対の磁石または誘導体が取り付けられていることを特徴とするウォーターポンプ。
 請求項2に記載のウォーターポンプにおいて、
 前記負圧室は、前記可動部材と、この可動部材の回転軸方向への移動をガイドするガイド部材とによって構成されていることを特徴とするウォーターポンプ。
 請求項2または請求項3に記載のウォーターポンプにおいて、
 前記負圧室には、エンジンの吸入負圧が導入されることを特徴とするウォーターポンプ。
Description:
ウォーターポンプ

 本発明は、例えば、車両等に搭載される ンジンに用いられる流量可変型のウォータ ポンプに関する。

 従来、車両等に搭載されるエンジンに用 られる流量可変型のウォーターポンプとし 、例えば、特許文献1に示されるようなもの が提案されている。特許文献1には、ウォー ーポンププーリが固定された第1回転体(駆動 側回転体)と、ポンプインペラが固定された 2回転体(従動側回転体)とが、粘性流体を液 とする湿式多板クラッチを介して連結され いるウォーターポンプが開示されている。 して、冷却水の温度に応じて変形して湿式 板クラッチを断接するための感温部材を冷 水路中に設けたことが示されている。この 許文献1記載のウォーターポンプでは、低水 時にはウォーターポンプの駆動を実質的に 止させて、フリクションの減少、燃費の悪 防止を図るとともに、高水温時にはクラッ を直結状態として、第1回転体の回転を第2 転体に伝達するようにしている。

 また、流量可変型のウォーターポンプと て、駆動側回転体から従動側回転体への回 の伝達を非接触の状態で行うものも提案さ ている。このウォーターポンプの駆動側回 体から従動側回転体への回転の伝達に関わ 部分を図4に示している。

 図4に示すように、駆動側回転体101と従動 側回転体103との間は、隔壁105によって仕切ら れている。そして、駆動側回転体101に取り付 けられた永久磁石102と、従動側回転体103に取 り付けられた誘導リング104とが、所定の間隔 を隔てて対向して設けられている。誘導リン グ104は、鉄芯104aの外周にアルミニウム製の ング部材104bが取り付けられた構造になって る。駆動側回転体101が回転すると、誘導リ グ104に作用する永久磁石102の磁界が変化す 。これにより、誘導リング104のリング部材1 04bには、その磁界の変化を妨げる方向への誘 導電流が発生する。この誘導電流の発生にと もなって誘導リング104のリング部材104bには ルクが発生する。その結果、従動側回転体10 3が回転して、ウォーターポンプが駆動する

 そして、駆動側回転体101の永久磁石102と誘 リング104のリング部材104bとの軸方向(回転 方向)のオーバーラップ量(軸方向で互いに重 なり合っている度合い)L2を変更することで、 従動側回転体103への伝達トルクが変更される 。これにより、ウォーターポンプのポンプ流 量が変更可能になっている。

特開2001-90537号公報

 しかし、上記特許文献1記載のウォーター ポンプでは、第1回転体と第2回転体との間に たって湿式多板クラッチを設けなければな なかった。また、この湿式多板クラッチを 接するための感温部材を設けなければなら かった。さらに、第1回転体と第2回転体と 間でシールを施さなければならない構造に っていた。このため、ウォーターポンプの 型化を招くという問題があった。

 また、図4に示すような駆動側回転体101か ら従動側回転体103への回転の伝達を非接触の 状態で行うウォーターポンプでは、永久磁石 102からの磁界は、誘導リング104のリング部材 104bだけに及んでいるのではなく、その周囲 も及んでおり、磁束漏れが発生している。 まり、永久磁石102からの磁力線がこの永久 石102よりも軸方向の外側へ拡がるように発 している。このため、従動側回転体103への ルクの伝達効率が損なわれることになる。 らに、オーバーラップ量L2を「0」にした場 でも、その磁束漏れによって、従動側回転 103の誘導リング104に誘導電流が発生し、従 側回転体103への伝達トルクが発生して、ウ ーターポンプが駆動することになる。した って、ウォーターポンプの駆動を停止する は、オーバーラップ量L2を「0」にしただけ は十分ではなく、永久磁石102と、誘導リン 104のリング部材104bとを軸方向に所定の距離 けオフセットさせることが必要になる。そ 結果、ウォーターポンプが軸方向に拡大し 、ウォーターポンプが設置される箇所(例え ば、エンジンフロント側)の搭載性が悪化す ことになる。

 本発明は、そのような問題点を鑑みてな れたものであって、小型化を図ることがで るような流量可変型のウォーターポンプを 供することを目的とする。

 本発明は、上述の課題を解決するための 段を以下のように構成している。すなわち 本発明は、エンジンの回転が伝達される駆 側回転体から、ポンプインペラが設けられ 従動側回転体への回転の伝達が非接触の状 で行われるように構成されたウォーターポ プであって、前記駆動側回転体および従動 回転体の一方には、異なる極性同士が互い 向き合うように設けられる一対の磁石が備 られるとともに、前記駆動側回転体および 動側回転体の他方には、前記一対の磁石の に所定の間隔を隔てて設けられる誘導体が えられており、前記一対の磁石および誘導 の少なくとも一方を他方に対し回転軸方向 移動させて、前記一対の磁石および誘導体 回転軸方向で互いに重なり合う度合い(オー バーラップ量)を変更する可動手段が設けら ていることを特徴としている。

 上記構成によれば、駆動側回転体の一対 磁石間には、磁界が発生している。そして エンジンの回転が伝達されて駆動側回転体 回転すると、誘導体に作用する磁界が変化 る。これにより、誘導体には、その磁界の 化を妨げる方向への誘導電流が発生する。 の誘導電流の発生にともなって誘導体には ルクが発生する。その結果、従動側回転体 回転して、ウォーターポンプが駆動する。 らに、可動手段によってオーバーラップ量 変更されると、誘導体に発生する誘導電流 変化し、従動側回転体への伝達トルクが変 する。これにより、ウォーターポンプのポ プ流量が変更される。

 そして、一対の磁石が異なる極性同士が いに向き合うように設けられているので、 対の磁石の一方から他方へ向かってほぼ直 的に延びる磁力線が発生している。このた 、一対の磁石の周囲への磁束の漏れがほと ど発生していない。これにより、オーバー ップ量を「0」よりも大きくしてウォーター ポンプを駆動する場合、トルクを従動側回転 体に効率よく伝達することができ、磁束の漏 れにともなう駆動損失を低減できる。一方、 オーバーラップ量を「0」とすれば、磁力線 一対の磁石よりも回転軸方向の外側へほと ど拡がることなく発生しているので、従動 回転体への伝達トルクがほぼ「0」になり、 ォーターポンプの駆動を停止させることが きる。したがって、一対の磁石および誘導 の回転軸方向のオフセット量を確保する必 がなくなり、ウォーターポンプが回転軸方 に拡大することがなく、その小型化を図る とができる。そして、ウォーターポンプが 置される箇所の搭載性が悪化することを回 できる。

 本発明のウォーターポンプにおいて、前 可動手段は、前記駆動側回転体および従動 回転体の一方に設けられた負圧室と、この 圧室に導入される負圧に応じて回転軸方向 移動する可動部材とで構成されており、前 可動部材には、前記一対の磁石または誘導 が取り付けられていることが好ましい。こ 構成では、負圧室に導入される負圧に応じ 可動部材が回転軸方向に移動すると、この 動部材に取り付けられた一対の磁石または 導体の回転軸方向の位置が変更され、オー ーラップ量が変更される。したがって、負 室に導入される負圧に応じてオーバーラッ 量が設定されるようになっており、これに もなって、ウォーターポンプのポンプ流量 連続的に変更されるようになっている。

 本発明のウォーターポンプにおいて、前 負圧室は、前記可動部材と、この可動部材 回転軸方向への移動をガイドするガイド部 とによって構成されていることが好ましい また、負圧室に導入される負圧としては、 えば、エンジンの吸入負圧(吸気管負圧)を 用することが好ましい。このように、エン ンの吸入負圧を利用することで、例えば、 間時に冷却水をあまり循環させずに暖機を 進する状況において、強い加速要求があっ 場合、ポンプインペラを回す側に制御され オーバーヒートを防止することが可能にな 。

 本発明によれば、一対の磁石および誘導 の回転軸方向で互いに重なり合っている度 い(オーバーラップ量)を「0」よりも大きく てウォーターポンプを駆動する場合、トル を従動側回転体へ効率よく伝達することが き、磁束の漏れにともなう駆動損失を低減 きる。一方、オーバーラップ量を「0」とす れば、従動側回転体への伝達トルクがほぼ「 0」になり、ウォーターポンプの駆動を停止 せることができる。したがって、一対の磁 および誘導体の回転軸方向のオフセット量 確保する必要がなくなり、ウォーターポン が回転軸方向に拡大することがなく、その 型化を図ることができる。そして、ウォー ーポンプが設置される箇所の搭載性が悪化 ることを回避できる。

図1は、本発明の流量可変型のウォータ ーポンプの一実施形態を示す断面図である。 図2は、図1のウォーターポンプの駆動 回転体から従動側回転体への回転の伝達に わる部分を示す図であり、負圧室に負圧を 入していないときの状態を示す図である。 図3は、図1のウォーターポンプの駆動 回転体から従動側回転体への回転の伝達に わる部分を示す図であり、負圧室に負圧を 入しているときの状態を示す図である。 図4は、従来のウォーターポンプの駆動 側回転体から従動側回転体への回転の伝達に 関わる部分を示す図2相当図である。

符号の説明

 10      ウォーターポンプ
 11      ハウジング
 20      駆動側回転体
 21      ウォーターポンププーリ
 24      ブラケットガイド部材
 25      マグネットブラケット
 26      マグネットカップリング
 26a,26b 永久磁石
 30      従動側回転体
 31      ポンプインペラ
 32      誘導リング
 32b     誘導部
 40      隔壁
 50      負圧室
 L1      オーバーラップ量

 本発明を実施するための最良の形態につ て添付図面を参照しながら説明する。

 以下では、本発明を車両用のエンジンに いられるウォーターポンプに適用した例に いて説明する。図1は、流量可変型のウォー ターポンプの一実施形態を示す断面図、図2 図3は、図1のウォーターポンプの駆動側回転 体から従動側回転体への回転の伝達に関わる 部分を拡大して示す図である。なお、図2に 、負圧室に負圧を導入していないときのウ ーターポンプの状態を示し、図3には、負圧 に負圧を導入しているときのウォーターポ プの状態を示している。

 図1~図3に示すように、ウォーターポンプ1 0は、ウォーターポンププーリ21が設けられた 駆動側回転体20と、ポンプインペラ31が設け れた従動側回転体30と、駆動側回転体20と従 側回転体30との間を仕切る隔壁40とを備えて いる。そして、駆動側回転体20から従動側回 体30への回転の伝達が、後述するように、 接触の状態で行われるようになっている。

 駆動側回転体20および従動側回転体30は、 エンジンのハウジング11に対し回転自在に設 られている。駆動側回転体20は、ウォータ ポンププーリ21、取付プレート22、駆動軸部 23、ブラケットガイド部材24、マグネットブ ラケット25、および、マグネットカップリン 26を備えており、これらが軸線A1まわりに一 体的に回転するように構成されている。駆動 側回転体20は、軸線A1まわりにほぼ回転対称 形状になっている。

 一方、従動側回転体30は、ポンプインペ 31および誘導体を有する誘導リング32を備え おり、これらが軸線B1まわりに一体的に回 するように構成されている。従動側回転体30 は、軸線B1まわりにほぼ回転対称な形状にな ている。なお、軸線A1および軸線B1は、同軸 上に設けられている。

 次に、ウォーターポンプ10の駆動側回転 20、従動側回転体30、および、隔壁40につい 詳しく説明する。

 まず、駆動側回転体20について説明する 駆動側回転体20の駆動軸部材23は、ベアリン 13を介して、ハウジング11に固定された支持 ケース12のボス部12aに回転可能に支持されて る。駆動軸部材23は、軸方向(回転軸方向)に 沿って延びる円筒状の軸部23aと、この軸部23a から径方向外側に設けられるフランジ部23bと を備えている。軸部23aの内部空間は、後述す る負圧室50に負圧を導入するための負圧導入 52となっている。

 駆動軸部材23には、取付プレート22および ブラケットガイド部材24が一体的に取り付け れている。取付プレート22は、軸部23aの軸 向一端部(図1の左端部)に固定されている。 付プレート22には、ウォーターポンププーリ 21がボルト28によって固定されている。ウォ ターポンププーリ21は、例えば、Vベルト等 介して、エンジンのクランクシャフトのプ リに連結される。

 取付プレート22の中心軸側には、負圧導 管51が設けられている。取付プレート22の中 軸側の部分と負圧導入管51との間には、エ シール14およびベアリング15が介装されてい 。負圧導入管51の一端側は、負圧発生源か 延びる負圧供給路に連通されている。負圧 入管51の他端側は、上述の負圧導入路52に連 されている。

 ブラケットガイド部材24は、マグネット ラケット25の軸方向への移動をガイドするも ので、一対の内ガイド部24aおよび外ガイド部 24bを備えている。内ガイド部24aおよび外ガイ ド部24bは、所定の間隔を隔てて対向して設け られている。そして、両ガイド部24a,24bおよ マグネットブラケット25によって囲まれた空 間が負圧室50となっている。つまり、ブラケ トガイド部材24の両ガイド部24a,24bおよびマ ネットブラケット25が負圧室50の壁体を構成 している。

 負圧室50は、駆動側回転体20内に形成され た軸方向に延びるほぼ円環状の密閉された空 間であって、マグネットブラケット25の軸方 の一方側(図1のY1方向側)に設けられている 負圧室50は、ブラケットガイド部材24に設け れた負圧導入孔24cのみを介してその外部(こ の場合、負圧導入路53)に連通されている。負 圧導入孔24cは、ブラケットガイド部材24の円 方向の複数箇所に形成されている。負圧導 路53は、駆動軸部材23のフランジ部23bとブラ ケットガイド部材24の内ガイド部24aとによっ 形成された空間となっており、この負圧導 路53を介して、負圧室50が負圧導入路52に連 されている。

 マグネットブラケット25は、マグネット ップリング26を支持する支持部材であるとと もに、負圧室50に導入される負圧に応じて軸 向に移動する可動部材である。マグネット ラケット25は、負圧室50の壁体の一部を構成 している。マグネットブラケット25は、径方 の内外で所定間隔を隔てて平行に設けられ 一対の内筒部25aおよび外筒部25bを備えてい 。マグネットブラケット25は、ブラケット イド部材24の両ガイド部24a,24b内に、軸方向 摺動可能な状態で収容されている。そして マグネットブラケット25は、負圧室50に導入 れる負圧に応じて両ガイド部24a,24bに沿って 軸方向に移動して、その軸方向位置を変更可 能な状態で設けられている。この例では、マ グネットブラケット25の軸方向位置(マグネッ トブラケット25のY1方向側の端部の軸方向位 )は、X1(図3に示す状態)とX2(図2に示す状態)と の間で連続的に変更可能になっている。また 、マグネットブラケット25の軸方向位置のX1 X2との間の距離は、後述するオーバーラップ 量L1の最大値と等しくなっている。

 内筒部25aの内周側には、ブラケットガイ 部材24の内ガイド部24aに向けて延び、この ガイド部24aの外周面に接する複数(この例で 3つ)の突条25cが形成されている。また、外 部25bの外周側には、ブラケットガイド部材24 の外ガイド部24bに向けて延び、この外ガイド 部24bの内周面に接する複数(この例では3つ)の 突条25dが形成されている。これらの突条25c、 25dによって、負圧室50がほぼ気密な状態に維 されている。

 負圧室50内にはスプリング54が配設されて いる。このスプリング54の弾性力によって、 グネットブラケット25が軸方向の他方側(図1 のY2方向側)へ付勢されている。また、マグネ ットブラケット25のY2方向側への移動を規制 るためのストッパー29がブラケットガイド部 材24に設けられている。

 負圧室50へは、負圧導入管51、負圧導入路 52,53、および、負圧導入孔24cを介して、負圧 生源からの負圧が導入される。負圧発生源 しては、例えば、エンジンの吸入負圧(吸気 管負圧)が利用される。エンジンの吸入負圧 、例えば、圧力制御弁等を介してエンジン 吸気配管等から負圧室50に導入される。そし て、制御装置からのエンジンの運転状態に応 じた制御信号にしたがい圧力制御弁の開閉制 御が行われることで、負圧室50に導入される 圧が制御される。エンジンの吸入負圧を利 することで、例えば、冷間時に冷却水をあ り循環させずに暖機を促進する状況におい 、強い加速要求があった場合、ポンプイン ラ31を回す側に制御され、オーバーヒート 防止することが可能になる。なお、エンジ の吸入負圧以外の負圧発生源を利用して、 圧室50に負圧を導入する構成としてもよい。 例えば、バキュームポンプによる負圧を利用 することも可能である。

 マグネットカップリング26は、軸方向(長 方向)の幅が等しい一対の円環状の永久磁石 26a,26bからなる。マグネットカップリング26の 永久磁石26a,26bは、径方向の内外で所定の間 を隔てて対向して設けられている。内側に 置される小径の永久磁石26aと外側に配置さ る大径の永久磁石26bとの対向部分の極性は いに異なっている。そして、内側の永久磁 26aは、マグネットブラケット25の内筒部25aの 外周面に固定されている。外側の永久磁石26b は、マグネットブラケット25の外筒部25bの内 面に固定されている。

 次に、従動側回転体30について説明する 従動側回転体30は、冷却水が流通する冷却水 路W内に収容されている。この従動側回転体30 のポンプインペラ31は、水中軸受18を介して ハウジング11に固定された軸部材17に回転可 に支持されている。このポンプインペラ31 回転にともなって、冷却水路W内の冷却水が 部に吐出される。

 ポンプインペラ31には、このポンプイン ラ31を回転させるための誘導リング32が固定 れている。誘導リング32は、ポンプインペ 31へ取り付けるための取付部32aと、この取付 部32aの外端部から軸方向に沿ってY1方向側へ びる円環状の誘導部32bとを備えている。こ 誘導部32bは、従動側回転体30への伝達トル を駆動側回転体20の回転にともなって発生さ せるための誘導電流の発生部分(誘導体)とし 設けられている。この誘導リング32のうち なくとも誘導部32bを含む部分は、アルミニ ムで形成されている。なお、アルミニウム 外の金属によって誘導リング32の誘導部32bを 含む部分を形成してもよい。

 誘導部32bは、駆動側回転体20のマグネッ カップリング26の永久磁石26a,26bと平行に設 られている。そして、誘導部32bは、マグネ トカップリング26の永久磁石26a,26bの径方向 ほぼ中央位置に配置されている。また、誘 部32bは、マグネットブラケット25の軸方向位 置がX1のときを除いて、マグネットカップリ グ26の永久磁石26a,26bと軸方向の位置が互い 重なり合う(オーバーラップする)ような位 に配置されている。

 誘導部32bと、マグネットカップリング26 永久磁石26a,26bとの間は、隔壁40の断面U字状 屈曲部40aによって仕切られている。したが て、誘導部32bの径方向の内外両側に、隔壁4 0の屈曲部40aが所定の間隔を隔てて配置され おり、さらに、隔壁40の屈曲部40aの径方向の 内外両側に、マグネットカップリング26の永 磁石26a,26bが所定の間隔を隔てて配置されて いる。

 そして、駆動側回転体20と従動側回転体30 との間の部分には、隔壁40が設けられている 隔壁40は、ハウジング11に固定されている。 隔壁40は、駆動側回転体20と従動側回転体30と の間の部分の形状に応じた形状になっており 、上述した屈曲部40aを有している。この隔壁 40によって駆動側回転体20と従動側回転体30と の間が隔離されており、駆動側回転体20側へ 冷却水の浸入が防止されるようになってい 。したがって、駆動側回転体20から従動側 転体30への回転の伝達は、非接触の状態で行 われる。この駆動側回転体20から従動側回転 30への回転の伝達について、以下に説明す 。

 上述のように構成された駆動側回転体20 、エンジン駆動時、クランクシャフトの回 がウォーターポンププーリ21に伝達されるこ とによって回転駆動される。ここで、駆動側 回転体20のマグネットカップリング26の永久 石26a,26b間には、磁界が発生している。そし 、この場合、マグネットカップリング26の 久磁石26a,26bの一方から他方へ向かってほぼ 線的に延びる磁力線が発生している。つま 、磁力線が永久磁石26a,26bよりも軸方向の外 側へほとんど拡がることなく発生している。 このため、永久磁石26a,26bよりも軸方向の外 への磁束の漏れがほとんど発生していない

 したがって、マグネットブラケット25の 方向位置がX1ではないときには、マグネット カップリング26の永久磁石26a,26bによる磁界が 、マグネットカップリング26の永久磁石26a,26b 間に挟まれた従動側回転体30の誘導リング32 誘導部32bに作用している。

 この状態で、駆動側回転体20が回転する 、誘導リング32の誘導部32bに作用する磁界が 変化する。これにより、誘導リング32の誘導 32b中には、その磁界の変化を妨げる方向へ 誘導電流が発生する。この誘導電流の発生 ともなって誘導リング32の誘導部32bにはト クが発生する。その結果、誘導リング32およ びポンプインペラ31、つまり、従動側回転体3 0が回転して、冷却水路W内の冷却水が外部へ 出される。

 一方、マグネットブラケット25の軸方向 置がX1のときには、誘導リング32の誘導部32b はマグネットカップリング26の磁界がほと ど作用しなくなるので、誘導部32bには誘導 流がほとんど発生しなくなり、誘導部32bに トルクはほとんど発生しない。このため、 動側回転体30は回転せず、ウォーターポンプ 10は駆動しないようになっている。

 この例では、マグネットカップリング26 永久磁石26a,26bを誘導リング32の誘導部32bに し軸方向に移動させて、マグネットカップ ング26の永久磁石26a,26bと、誘導リング32の誘 導部32bとの軸方向のオーバーラップ量(軸方 で互いに重なり合っている度合い)L1を変更 る可動手段が設けられている。そして、可 手段によるオーバーラップ量L1の変更によっ て従動側回転体30へ伝達されるトルクが変更 れるようになっている。これにより、従動 回転体30の回転数が変更され、ウォーター ンプ10による冷却水の吐出量(ポンプ流量)が 更される。

 さらに、この例では、上記可動手段が、 圧室50と、この負圧室50に導入される負圧に 応じて軸方向に移動する可動部材としてのマ グネットブラケット25とで構成されている。 して、負圧室50に導入される負圧に応じて マグネットブラケット25が軸方向に沿って移 動され、これにともなって、オーバーラップ 量L1が設定されるようになっている。

 ここで、ウォーターポンプ10におけるオ バーラップ量L1の変更、および、このオーバ ーラップ量L1の変更にともなう従動側回転体3 0への伝達トルクの変更について説明する。

 負圧室50に負圧が導入されていない場合 は、マグネットブラケット25は、スプリング 54の弾性力によってY2方向側へ付勢されて、 トッパー29によって規制される位置まで移動 している。具体的には、マグネットブラケッ ト25のY1方向側の端部の軸方向位置がX2の位置 となっている。この状態では、オーバーラッ プ量L1は、永久磁石26a,26bの軸方向の幅と等し くなっており、最大になっている。したがっ て、この状態では、誘導リング32に発生する 導電流が最大になるので、従動側回転体30 の伝達トルクが最大になる。これにより、 ォーターポンプ10のポンプ流量が最大になる 。

 次に、負圧室50に負圧を導入すると、そ 負圧の導入にともなう吸引力がマグネット ラケット25に作用する。これにより、マグネ ットブラケット25が軸方向に沿って移動して マグネットブラケット25の軸方向への移動 離に応じてオーバーラップ量L1が変化する。

 この場合、負圧室50に導入する負圧を大 くするほど、マグネットブラケット25がスプ リング54の弾性力に抗してY1方向側へ移動し オーバーラップ量L1が小さくなる。そして、 オーバーラップ量L1が小さくなると、誘導リ グ32に発生する誘導電流が小さくなり、従 側回転体30への伝達トルクが小さくなる。こ れにより、従動側回転体30の回転数が減少し 、ウォーターポンプ10のポンプ流量が減少 る。したがって、例えば、エンジンの始動 のような冷間時には、オーバーラップ量L1を 小さくして、ウォーターポンプ10のポンプ流 を減少させて、早期暖機を図ることが可能 なる。

 逆に、負圧室50に導入する負圧を小さく るほど、マグネットブラケット25がY2方向側 移動してオーバーラップ量L1が大きくなる オーバーラップ量L1が大きくなると、誘導リ ング32に発生する誘導電流が大きくなり、従 側回転体30への伝達トルクが大きくなる。 れにより、従動側回転体30の回転数が増大し て、ウォーターポンプ10のポンプ流量が増大 る。したがって、例えば、エンジンの暖機 の温間時には、オーバーラップ量L1を大き して、ウォーターポンプ10のポンプ流量を増 大させて、冷却効率を向上させることが可能 になる。

 そして、負圧によってマグネットブラケ ト25のY1方向側の端部が負圧導入孔24cの設け られた位置(軸方向位置がX1の位置)まで移動 ると、オーバーラップ量L1が「0」になる。 の状態では、マグネットカップリング26の磁 界が誘導リング32の誘導部32bにほとんど作用 なくなるので、誘導リング32に発生する誘 電流がほぼ「0」になる。これにより、従動 回転体30への伝達トルクがほぼ0になり、従 側回転体30の回転が停止する。したがって ウォーターポンプ10の駆動が停止してそのポ ンプ流量が「0」になる。

 以上のように、ウォーターポンプ10にお て、オーバーラップ量L1が変更されると、誘 導リング32の誘導部32bに発生する誘導電流が 化し、従動側回転体30への伝達トルクが変 する。これにより、従動側回転体30の回転数 が変更され、ウォーターポンプ10のポンプ流 が変更される。つまり、この例では、ウォ ターポンプ10は、負圧室50に導入される負圧 に応じて設定されるオーバーラップ量L1に応 てポンプ流量が連続的に変更可能なように 成されている。そして、この例では、ウォ ターポンプ10において、駆動側回転体20のマ グネットカップリング26によって、従動側回 体30の誘導リング32に作用させる磁界を発生 させて、従動側回転体30への伝達トルクを発 させるようにしている。

 上述したように、マグネットカップリン 26の永久磁石26a,26bは、異なる極性同士が互 に向き合うように設けられているので、永 磁石26a,26bの一方から他方へ向かってほぼ直 線的に延びる磁力線が発生しており、永久磁 石26a,26bよりも軸方向の外側への磁束の漏れ ほとんど発生していない。これにより、オ バーラップ量L1を0よりも大きくしてウォー ーポンプ10を駆動する場合、トルクを従動側 回転体30へ効率よく伝達することができ、磁 の漏れにともなう駆動損失を低減できる。

 一方、オーバーラップ量L1を「0」とすれ 、従動側回転体30への伝達トルクがほぼ「0 になり、ウォーターポンプ10の駆動を停止 せることができる。ここで、例えば、図4に す場合等のように、周囲への磁束の漏れが 生している状況下では、オーバーラップ量L 1を「0」にしたとしても、その磁束漏れによ て、従動側回転体30の誘導リング32に誘導電 流が発生するので、従動側回転体30への伝達 ルクが発生して、ウォーターポンプ10が駆 することになる。したがって、ウォーター ンプ10の駆動を停止させるには、オーバーラ ップ量L1を「0」にしただけでは十分ではなく 、マグネットカップリング26の永久磁石26a,26b と、誘導リング32の誘導部32bとを軸方向に所 の距離だけオフセットさせることが必要に る。

 これに対し、この例では、そのような磁 漏れがほとんど発生しないので、オーバー ップ量L1の0とき、ウォーターポンプ10の駆 を停止させることができる。したがって、 のような軸方向のオフセット量を確保する 要がなくなる。これにより、ウォーターポ プ10が軸方向に拡大することがなく、その小 型化を図ることができる。そして、ウォータ ーポンプ10が設置される箇所(例えば、エンジ ンフロント側など)の搭載性が悪化すること 回避できる。

 以上、本発明のウォーターポンプの実施 態について説明したが、ここに示した実施 態はさまざまに変形することが可能である

 駆動側回転体20から従動側回転体30への回 転の伝達が非接触の状態で可能な構成であれ ば、駆動側回転体20、従動側回転体30、およ 、隔壁40の構成部材や、それらの形状、配置 箇所等は、上述した場合だけに限定されず、 さまざまに変更することが可能である。ここ で、マグネットカップリング26の永久磁石26a, 26bと誘導リング32の誘導部32bとの間隔が狭い ど、従動側回転体30へのトルク伝達効率を 上させることができる。

 オーバーラップ量L1を変更可能な構成で れば、駆動側回転体20のマグネットブラケッ ト25や負圧室50、負圧導入路52,53等の構成部材 や、それらの形状、配置箇所等は、上述した 場合だけに限定されず、さまざまに変更する ことが可能である。ここで、負圧室50に導入 る負圧を大きくするほど、オーバーラップ L1が大きくなるように構成してもよい。ま 、負圧以外を利用して、オーバーラップ量 変更するように構成してもよい。例えば、 圧の代わりに正圧を利用することができる また、油圧アクチュエータや、電動アクチ エータ等を利用することも可能である。

 上述の例では、駆動側回転体20にマグネ トカップリング26が設けられ、従動側回転体 30に誘導リング32が設けられる構成としたが この場合とは逆に、駆動側回転体に誘導リ グを設け、従動側回転体にマグネットカッ リングを設ける構成としてもよい。また、 述の例では、マグネットカップリング26が軸 方向に移動する構成としたが、この場合とは 逆に、誘導リング32を軸方向に移動させる構 としてもよい。

 なお、本発明は、その精神または主要な 徴から逸脱することなく、他のいろいろな で実施することができる。そのため、上述 実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎ 、限定的に解釈してはならない。本発明の 囲は請求の範囲によって示すものであって 明細書本文には、なんら拘束されない。さ に、請求の範囲の均等範囲に属する変形や 更は、全て本発明の範囲内のものである。

 本出願は、2006年12月27日に日本で先に出 された特願2006-351938号に基づく優先権を請求 する。これに言及することにより、その先の 出願の内容は全て本出願に組み込まれるもの である。また、本明細書に引用された文献は これに言及することにより、その全部が具体 的に組み込まれるものである。