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Patent Searching and Data


Title:
WATER-REPELLENT/OIL-REPELLENT COMPOSITION, METHOD FOR PRODUCING THE SAME, AND ARTICLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/153075
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a water-repellent/oil-repellent composition having excellent washing durability and excellent stability, which is capable of imparting an article surface with water repellency and oil repellency without deteriorating the texture of the article. Also disclosed are a method for producing such a water-repellent/oil-repellent composition and an article processed with such a water-repellent/oil-repellent composition. Specifically disclosed is a water-repellent/oil-repellent composition characterized by containing a copolymer having a polymerization unit derived from a monomer (a), a polymerization unit derived from a monomer (b) and a polymerization unit derived from a monomer (c). The monomer (a) is a compound represented by the following formula: (Z-Y)nX. In the formula, Z represents a perfluoroalkyl group having 1-6 carbon atoms or the like; Y represents a divalent organic group or a single bond; n represents 1 or 2; and X represents a polymerizable unsaturated group. The monomer (b) is a (meth)acrylate not containing an Rf group, while containing an alkyl group having 12-18 carbon atoms. The monomer (c) is a monomer (c1) not containing an Rf group, while having a blocked isocyanate group, or a monomer (c2) not containing an Rf group, while having two or more polymerizable unsaturated groups.

Inventors:
SUGIYAMA KAZUNORI (JP)
KANEKO KYOUICHI (JP)
OHMORI YUICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/060703
Publication Date:
December 18, 2008
Filing Date:
June 11, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ASAHI GLASS CO LTD (JP)
SUGIYAMA KAZUNORI (JP)
KANEKO KYOUICHI (JP)
OHMORI YUICHI (JP)
International Classes:
C09K3/18; C08F216/12; C08F218/04; C08F220/22; D06M15/277
Domestic Patent References:
WO2002083809A12002-10-24
WO2006022122A12006-03-02
WO2005090423A12005-09-29
WO2002083809A12002-10-24
WO2004035708A12004-04-29
Foreign References:
JPH05214198A1993-08-24
JPH1192752A1999-04-06
JPS62138579A1987-06-22
JP2007333564A2007-12-27
Other References:
See also references of EP 2166059A4
Attorney, Agent or Firm:
SENMYO, Kenji et al. (SIA Kanda Square17, Kanda-konyach, Chiyoda-ku Tokyo 35, JP)
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Claims:
 下記単量体(a)に基づく重合単位の40~60質量%と、
 下記単量体(b)に基づく重合単位の25~59.9質量%と、
 下記単量体(c)に基づく重合単位の0.1~15質量%と、
 を有する共重合体を含む、ことを特徴とする撥水撥油剤組成物。
 単量体(a):下式(1)で表される化合物。
  (Z-Y) n X ・・・(1)
   ただし、Zは、炭素数が1~6のパーフルオロアルキル基、または下式(2)で表される基であり、Yは、2価有機基または単結合であり、nは、1または2であり、Xは、nが1の場合は、下式(3-1)~(3-5)で表される基のいずれかであり、nが2の場合は、下式(4-1)~(4-4)で表される基のいずれかである。
  C i F 2i+1 O(CFX 1 CF 2 O) j CFX 2 - ・・・(2)
   ただし、iは、1~6の整数であり、jは、0~10の整数であり、X 1 およびX 2 は、それぞれ独立にフッ素原子またはトリフルオロメチル基である。
  -CR=CH 2  ・・・(3-1)
  -COOCR=CH 2  ・・・(3-2)
  -OCOCR=CH 2  ・・・(3-3)
  -OCH 2 -φ-CR=CH 2  ・・・(3-4)
  -OCH=CH 2  ・・・(3-5)
   ただし、Rは、水素原子、メチル基またはハロゲン原子であり、φはフェニレン基である。
  -CH[-(CH 2 ) m CR=CH 2 ]-  ・・・(4-1)
  -CH[-(CH 2 ) m COOCR=CH 2 ]- ・・・(4-2)
  -CH[-(CH 2 ) m OCOCR=CH 2 ]- ・・・(4-3)
  -OCOCH=CHCOO-  ・・・(4-4)
   ただし、Rは、水素原子、メチル基またはハロゲン原子であり、mは0~4の整数である。
 単量体(b):ポリフルオロアルキル基を有さず、炭素数が12~18のアルキル基を有する(メタ)アクリレート。
 単量体(c):下記単量体(c1)および/または下記単量体(c2)。
 単量体(c1):ポリフルオロアルキル基を有さず、ブロックドイソシアネート基を有する単量体。
 単量体(c2):ポリフルオロアルキル基を有さず、重合性不飽和基を2つ以上有する単量体(ただし、単量体(c1)を除く。)。
 前記共重合体が、前記単量体(c1)に基づく重合単位および前記単量体(c2)に基づく重合単位を有する、請求項1に記載の撥水撥油剤組成物。
 前記単量体(b)が、ステアリル(メタ)アクリレートである、請求項1または2に記載の撥水撥油剤組成物。
 前記単量体(c1)が、2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレートの3,5-ジメチルピラゾール付加体、または3-(2-ブタノンオキシム)イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシル(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)シアナートである、請求項1~3のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物。
 前記単量体(c2)が、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、またはフェニルグリシジルエチルアクリレートトリレンジイソシアナートである、請求項1~4のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物。
 式(1)で表される化合物が、Zが炭素数1~6のパーフルオロアルキル基であり、Yが炭素数1~4のアルキレン基であり、n=1であって、Xが式(3-3)で表わされる基である化合物である、請求項1~5のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物。
 式(1)で表される化合物が、炭素数4~6のパーフルオロアルキル基を有するメタクリレートである、請求項1~6のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物。
 請求項1~7のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物を用いて処理された物品。
 界面活性剤、重合開始剤の存在下、媒体中にて下記単量体(a)の40~60質量%と下記単量体(b)の25~59.9質量%と下記単量体(c)の0.1~15質量%とを含む単量体混合物を重合する、ことを特徴とする撥水撥油剤組成物の製造方法。
 単量体(a):下式(1)で表される化合物。
  (Z-Y) n X ・・・(1)
   ただし、Zは、炭素数が1~6のパーフルオロアルキル基、または下式(2)で表される基であり、Yは、2価有機基または単結合であり、nは、1または2であり、Xは、nが1の場合は、下式(3-1)~(3-5)で表される基のいずれかであり、nが2の場合は、下式(4-1)~(4-4)で表される基のいずれかである。
  C i F 2i+1 O(CFX 1 CF 2 O) j CFX 2 - ・・・(2)
   ただし、iは、1~6の整数であり、jは、0~10の整数であり、X 1 およびX 2 は、それぞれ独立にフッ素原子またはトリフルオロメチル基である。
  -CR=CH 2  ・・・(3-1)
  -COOCR=CH 2  ・・・(3-2)
  -OCOCR=CH 2  ・・・(3-3)
  -OCH 2 -φ-CR=CH 2  ・・・(3-4)
  -OCH=CH 2  ・・・(3-5)
   ただし、Rは、水素原子、メチル基またはハロゲン原子であり、φはフェニレン基である。
  -CH[-(CH 2 ) m CR=CH 2 ]- ・・・(4-1)
  -CH[-(CH 2 ) m COOCR=CH 2 ]- ・・・(4-2)
  -CH[-(CH 2 ) m OCOCR=CH 2 ]- ・・・(4-3)
  -OCOCH=CHCOO- ・・・(4-4)
   ただし、Rは、水素原子、メチル基またはハロゲン原子であり、mは0~4の整数である。
 単量体(b):ポリフルオロアルキル基を有さず、炭素数が12~18のアルキル基を有する(メタ)アクリレート。
 単量体(c):下記単量体(c1)および/または下記単量体(c2)。
 単量体(c1):ポリフルオロアルキル基を有さず、ブロックドイソシアネート基を有する単量体。
 単量体(c2):ポリフルオロアルキル基を有さず、重合性不飽和基を2つ以上有する単量体(ただし、単量体(c1)を除く。)。
 前記単量体混合物が、前記単量体(c1)および前記単量体(c2)を含む、請求項9に記載の撥水撥油剤組成物の製造方法。
 式(1)で表される化合物が、Zが炭素数1~6のパーフルオロアルキル基であり、Yが炭素数1~4のアルキレン基であり、n=1であって、Xが式(3-3)で表わされる基である化合物である、請求項9または10に記載の撥水撥油剤組成物の製造方法。
 前記界面活性剤として、ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤とを併用する、請求項9~11のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物の製造方法。
Description:
撥水撥油剤組成物、その製造方 および物品

 本発明は、撥水撥油剤組成物、その製造 法および該撥水撥油剤組成物を用いて処理 れた物品に関する。

 物品(繊維製品等。)の表面に撥水撥油性を 与する方法としては、ポリフルオロアルキ 基(以下、本発明ではR f 基と記す。)を有する単量体に基づく重合単 を有する共重合体を媒体に分散させたエマ ションからなる撥水撥油剤組成物を用いて 品を処理する方法が知られている。該撥水 油剤組成物には、繰り返し洗濯を行っても 水撥油性が大きく低下しないこと(洗濯耐久 )が要求される。

 洗濯耐久性に優れる撥水撥油剤組成物とし は、たとえば、下記の撥水撥油剤組成物が 案されている。
 (1)下記単量体(a)に基づく重合単位および下 単量体(b)に基づく重合単位から実質的にな 共重合体を必須とする撥水撥油剤組成物(特 許文献1)。
 単量体(a):炭素数が1~6のパーフルオロアルキ ル基(以下、本発明ではR F 基と記す。)を有する単量体等。
 単量体(b):炭素数が15以上のアルキル基を有 る(メタ)アクリレート等。

 (2)下記単量体(a)に基づく重合単位および下 単量体(b)に基づく重合単位を30質量%以上80 量%未満含み、かつ、下記単量体(c)に基づく 合単位を含む共重合体、を必須成分とする 水撥油剤組成物(特許文献2)。
 単量体(a):炭素数が1~6のR F 基を有する単量体等。
 単量体(b):R f 基を有さず、架橋しうる官能基を有する単量 体。
 単量体(c):R f 基を有しない単量体(単量体(b)を除く。)であ て、下記単量体(c1)または下記単量体(c2)を 量体(c)の全量に対して50質量%以上含む少な とも1種の単量体。
 単量体(c1):炭素数が16~40のアルキル基を有す る(メタ)アクリレート等。
 単量体(c2):ホモポリマーのガラス転移点が-5 0~40℃である単量体(単量体(c1)を除く。)。

 しかし、(1)、(2)の撥水撥油剤組成物で処理 れた繊維製品等は、柔軟性が不充分となり 風合いが低下する問題を有する。また、(1) (2)の撥水撥油剤組成物は、激しく撹拌した 、夾雑物(染料等。)を加えたりすると、該 成物のエマルションが不安定になりやすい そのため、機械的安定性および夾雑物安定 を有する撥水撥油剤組成物が求められてい 。

国際公開第02/083809号パンフレット

国際公開第2004/035708号パンフレット

 本発明は、物品の風合いを低下させるこ なく、物品の表面に撥水撥油性を付与でき かつ洗濯耐久性、機械的安定性および夾雑 安定性に優れる撥水撥油剤組成物、その製 方法、および撥水撥油性を有し、洗濯によ 撥水撥油性の低下が少なく、かつ風合いが い物品を提供する。

 本発明の撥水撥油剤組成物は、下記単量体( a)に基づく重合単位の40~60質量%と下記単量体( b)に基づく重合単位の25~59.9質量%と下記単量 (c)に基づく重合単位の0.1~15質量%とを有する 重合体を含むことを特徴とする。
 単量体(a):下式(1)で表される化合物。
  (Z-Y) n X ・・・(1)。
   ただし、Zは、炭素数が1~6のR F 基、または下式(2)で表される基であり、Yは 2価有機基または単結合であり、nは、1また 2であり、Xは、nが1の場合は、下式(3-1)~(3-5) 表される基のいずれかであり、nが2の場合は 、下式(4-1)~(4-4)で表される基のいずれかであ 。
  C i F 2i+1 O(CFX 1 CF 2 O) j CFX 2 - ・・・(2)
   ただし、iは、1~6の整数であり、jは、0~10 の整数であり、X 1 およびX 2 は、それぞれ独立にフッ素原子またはトリフ ルオロメチル基である。
  -CR=CH 2  ・・・(3-1)
  -COOCR=CH 2  ・・・(3-2)
  -OCOCR=CH 2  ・・・(3-3)
  -OCH 2 -φ-CR=CH 2  ・・・(3-4)
  -OCH=CH 2  ・・・(3-5)
   ただし、Rは、水素原子、メチル基また ハロゲン原子であり、φはフェニレン基であ る。
  -CH[-(CH 2 ) m CR=CH 2 ]- ・・・(4-1)
  -CH[-(CH 2 ) m COOCR=CH 2 ]- ・・・(4-2)
  -CH[-(CH 2 ) m OCOCR=CH 2 ]- ・・・(4-3)
  -OCOCH=CHCOO- ・・・(4-4)
   ただし、Rは、水素原子、メチル基また ハロゲン原子であり、mは0~4の整数である。
 単量体(b):R f 基を有さず、炭素数が12~18のアルキル基を有 る(メタ)アクリレート。
 単量体(c):下記単量体(c1)および/または下記 量体(c2)。
 単量体(c1):R f 基を有さず、ブロックドイソシアネート基を 有する単量体。
 単量体(c2):R f 基を有さず、重合性不飽和基を2つ以上有す 単量体(ただし、単量体(c1)を除く。)。

 前記共重合体は、前記単量体(c1)に基づく重 合単位および前記単量体(c2)に基づく重合単 を有することが好ましい。
 式(1)で表される化合物は、Zが炭素数1~6のR F 基であり、Yが炭素数1~4のアルキレン基であ 、n=1であって、Xが式(3-3)で表わされる基で る化合物であることが好ましい。
 本発明の物品は、本発明の撥水撥油剤組成 を用いて処理された物品である。

 本発明の撥水撥油剤組成物の製造方法は、 面活性剤、重合開始剤の存在下、媒体中に 前記単量体(a)の40~60質量%と前記単量体(b)の2 5~59.9質量%と前記単量体(c)の0.1~15質量%とを含 単量体混合物を重合することを特徴とする
 前記単量体混合物は、前記単量体(c1)および 前記単量体(c2)を含むことが好ましい。
 式(1)で表される化合物は、Zが炭素数1~6のR F 基であり、Yが炭素数1~4のアルキレン基であ 、n=1であって、Xが式(3-3)で表わされる基で る化合物であることが好ましい。

 本発明の撥水撥油剤組成物は、単量体(a)に づく重合単位と単量体(b)に基づく重合単位 を特定の割合で含むことにより、物品の風 いを低下させることなく、物品の表面に撥 撥油性を付与できる。さらに、単量体(c)に づく重合単位として、ブロックドイソシア ート基を有する単量体(c1)および/またはR f 基を有さず、重合性不飽和基を2つ以上有す 単量体(c2)を含むことで洗濯耐久性、機械的 定性および夾雑物安定性も向上させること できる。
 本発明の撥水撥油剤組成物の製造方法によ ば、物品の風合いを低下させることなく、 品の表面に撥水撥油性を付与でき、かつ洗 耐久性、機械的安定性および夾雑物安定性 優れる撥水撥油剤組成物を製造できる。
 本発明の物品は、撥水撥油性を有し、洗濯 よる撥水撥油性の低下が少なく、かつ風合 がよい。

 本明細書においては、式(1)で表される化 物を化合物(1)と記す。他の式で表される化 物も同様に記す。また、本明細書において 、式(2)で表される基を基(2)と記す。他の式 表される基も同様に記す。また、本明細書 おける(メタ)アクリレートは、アクリレー またはメタクリレートを意味する。また、 明細書における単量体は、重合性不飽和基 有する化合物を意味する。

<撥水撥油剤組成物>
 本発明の撥水撥油剤組成物は、共重合体を 須成分として含み、必要に応じて、媒体、 面活性剤、添加剤を含む。

(共重合体)
 共重合体は、単量体(a)に基づく重合単位と 単量体(b)に基づく重合単位と、単量体(c)に づく重合単位とを必須構成単位として有し 必要に応じて、さらに単量体(d)に基づく重 単位を有する共重合体である。

単量体(a):
 単量体(a)は、化合物(1)である。
 (Z-Y) n X ・・・(1)。

 Zは、炭素数が1~6のR F 基、または基(2)である。
 C i F 2i+1 O(CFX 1 CF 2 O) j CFX 2 - ・・・(2)。
 ただし、iは、1~6の整数であり、jは、0~10の 数であり、X 1 およびX 2 は、それぞれ独立にフッ素原子またはトリフ ルオロメチル基である。
 R F 基の炭素数は、4~6が好ましい。R F 基は、直鎖状であってもよく、分岐状であっ てもよく、直鎖状が好ましい。
 Zとしては、下記の基が挙げられる。
 F(CF 2 ) 4 -、
 F(CF 2 ) 5 -、
 F(CF 2 ) 6 -、
 (CF 3 ) 2 CF(CF 2 ) 2 -、
 C k F 2k+1 O[CF(CF 3 )CF 2 O] h -CF(CF 3 )-等。
 ただし、kは、1~6の整数であり、hは0~10の整 である。

 Yは、2価有機基または単結合である。
 2価有機基としては、アルキレン基が好まし い。アルキレン基は、直鎖状であってもよく 、分岐状であってもよい。アルキレン基は、 -O-、-NH-、-CO-、-SO 2 -、-CD 1 =CD 2 -(ただし、D 1 、D 2 は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基 である。)等を有していてもよい。

 Yとしては、下記の基が挙げられる。
 -CH 2 -、
 -CH 2 CH 2 -
 -(CH 2 ) 3 -、
 -CH 2 CH 2 CH(CH 3 )-、
 -CH=CH-CH 2 -等。

 nは、1または2である。
 Xは、nが1の場合は、基(3-1)~基(3-5)のいずれ であり、nが2の場合は、基(4-1)~基(4-4)のいず かである。

 -CR=CH 2  ・・・(3-1)、
 -COOCR=CH 2  ・・・(3-2)、
 -OCOCR=CH 2  ・・・(3-3)、
 -OCH 2 -φ-CR=CH 2  ・・・(3-4)、
 -OCH=CH 2  ・・・(3-5)。
 ただし、Rは、水素原子、メチル基またはハ ロゲン原子であり、φはフェニレン基である

 -CH[-(CH 2 ) m CR=CH 2 ]- ・・・(4-1)、
 -CH[-(CH 2 ) m COOCR=CH 2 ]- ・・・(4-2)、
 -CH[-(CH 2 ) m OCOCR=CH 2 ]- ・・・(4-3)、
 -OCOCH=CHCOO- ・・・(4-4)。
 ただし、Rは、水素原子、メチル基またはハ ロゲン原子であり、mは0~4の整数である。

 化合物(1)としては、他の単量体との重合性 共重合体の皮膜の柔軟性、物品に対する共 合体の接着性、媒体に対する溶解性、乳化 合の容易性等の点から、炭素数が1~6のR F 基を有する(メタ)アクリレートが好ましく、 素数が1~6のR F 基を有するメタクリレートがより好ましく、 炭素数が4~6のR F 基を有するメタクリレートが特に好ましい。
 化合物(1)としては、Zが炭素数1~6のR F 基であり、Yが炭素数1~4のアルキレン基であ 、n=1であって、Xが式(3-3)で表わされる基で る化合物が好ましい。

単量体(b):
 単量体(b)は、R f 基を有さず、炭素数が12~18のアルキル基を有 る(メタ)アクリレートである。
 共重合体が単量体(b)に基づく重合単位を有 ることにより、物品の風合いが向上する。

 アルキル基の炭素数が12以上であれば、撥 撥油剤組成物の撥水性が良好となる。アル ル基の炭素数が18以下であれば、風乾性能が 良好となる。アルキル基の炭素数は、16~18が ましい。
 単量体(b)としては、ステアリル(メタ)アク レートが好ましく、ステアリルアクリレー がより好ましい。

単量体(c):
 単量体(c)は、単量体(c1)および/または単量 (c2)である。
 共重合体が単量体(c)に基づく重合単位を有 ることにより、撥水撥油剤組成物の洗濯耐 性が向上する。
 単量体(c)としては、洗濯耐久性の点から、 量体(c1)が好ましい。また、単量体(c2)を併 することにより、加工液の安定性が向上す 。特に酸性染料に対する安定性が向上する め、単量体(c1)および単量体(c2)の併用が好ま しい。

単量体(c1):
 単量体(c1)は、R f 基を有さず、ブロックドイソシアネート基を 有する単量体である。
 単量体(c1)としては、イソシアネート基を活 性水素基含有化合物と反応させて、常温で不 活性化したものが好ましい。
 単量体(c1)としては、(メタ)アクリレートが ましく、イソシアネート基含有(メタ)アク レートのイソシアネート基をブロック化剤 ブロックした(メタ)アクリレートがより好ま しい。

 イソシアネート基含有(メタ)アクリレー としては、2-イソシアナトエチル(メタ)アク レート、またはイソシアネート基と結合し る官能基を有する(メタ)アクリレートとポ イソシアネートとを1個以上のイソシアネー 基が残る割合で反応させて得られる反応生 物が好ましい。

 イソシアネート基と結合しうる官能基を有 る(メタ)アクリレートとしては、水酸基を する(メタ)アクリレートが好ましく、(メタ) クリル酸と多価アルコールとのモノまたは エステルがより好ましい。
 多価アルコールとしては、エチレングリコ ル、ポリエチレングリコール、プロピレン リコール、ポリオキシプロピレングリコー 、グリセリン、トリメチロールプロパンー ルキレンオキシド付加物、ペンタエリスリ ール等が挙げられる。

 ポリイソシアネートとしては、脂肪族ポ イソシアネートが好ましい。脂肪族ポリイ シアネートとしては、ヘキサメチレンジイ シアネート、イソホロンジイソシアネート 4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ ート、シクロヘキシレンジイソシアネート、 ノルボルネンジイソシアネート、該脂肪族ポ リイソシアネートの変性体(ヌレート変性体 プレポリマー変性体、ビュレット変性体等 )または脂肪族ポリイソシアネートの2~3両量 が好ましく、脂肪族ポリイソシアネート、 のヌレート変性体、プレポリマー変性体ま はビュレット変性体が特に好ましい。

 ブロック化剤としては、アルキルケトオ シム類、フェノール類、アルコール類、β- ケトン類、ラクタム類、アミン類、ピラゾ ル類等が好ましく、メチルエチルケトオキ ム、ε-カプロラクタム、フェノール、クレ ール、アセチルアセトン、マロン酸ジエチ 、イソプロピルアルコール、t-ブチルアル ール、3,5-ジメチルピラゾール、マレイミド がより好ましく、メチルエチルケトオキシ 等のアルキルケトオキシム類、ε-カプロラ タム等のラクタム類または3,5-ジメチルピラ ゾール等のピラゾール類がさらに好ましく、 解離温度が100~180℃であるブロック化剤が特 好ましい。

 単量体(c1)としては、下記の化合物が挙げら れる。
 2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、 3-イソシアナトプロピル(メタ)アクリレート 4-イソシアナトブチル(メタ)アクリレート、2 -イソシアナトエチル(メタ)アクリレートの2- タノンオキシム付加体、2-イソシアナトエ ル(メタ)アクリレートのピラゾール付加体、 2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレートの3, 5-ジメチルピラゾール付加体、2-イソシアナ エチル(メタ)アクリレートの3-メチルピラゾ ル付加体、2-イソシアナトエチル(メタ)アク リレートのε-カプロラクタム付加体、3-イソ アナトプロピル(メタ)アクリレートの2-ブタ ノンオキシム付加体、3-イソシアナトプロピ (メタ)アクリレートのピラゾール付加体。

 3-イソシアナトプロピル(メタ)アクリレー トの3,5-ジメチルピラゾール付加体、3-イソシ アナトプロピル(メタ)アクリレートの3-メチ ピラゾール付加体、3-イソシアナトプロピル (メタ)アクリレートのε-カプロラクタム付加 、4-イソシアナトブチル(メタ)アクリレート の2-ブタノンオキシム付加体、4-イソシアナ ブチル(メタ)アクリレートのピラゾール付加 体、4-イソシアナトブチル(メタ)アクリレー の3,5-ジメチルピラゾール付加体、4-イソシ ナトブチル(メタ)アクリレートの3-メチルピ ゾール付加体、4-イソシアナトブチル(メタ) アクリレートのε-カプロラクタム付加体。

 3-(2-ブタノンオキシム)イソシアナトメチル- 3,5,5-トリメチルシクロヘキシル(2-ヒドロキシ エチルメタクリレート)シアナート(例えば、 絹化成社製、テックコートHE-6P)。
 単量体(c1)としては、2-イソシアナトエチル( メタ)アクリレートの3,5-ジメチルピラゾール 加体または3-(2-ブタノンオキシム)イソシア トメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシル(2- ヒドロキシエチルメタクリレート)シアナー が好ましい。

単量体(c2):
 単量体(c2)は、R f 基を有さず、重合性不飽和基を2つ以上有す 単量体(ただし、単量体(c1)を除く。)である
 単量体(c2)としては、(メタ)アクリレート類 ビニルエーテル類、ビニルエステル類、ア ル類、またはアリルエーテル類が好ましい
 単量体(c2)としては、下記の化合物が挙げら れる。

 アリル(メタ)アクリレート、エチレング コールジ(メタ)アクリレート、プロピレング リコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレン リコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピ ングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエ チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポ プロピレングリコールジ(メタ)アクリレー 、ポリオキシエチレングリコールジ(メタ)ア クリレート、ポリオキシプロピレングリコー ルジ(メタ)アクリレート。

 トリメチロールプロパントリ(メタ)アク レート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)ア クリレート、ペンタエリスリトールテトラ( タ)アクリレート、ジトリメチロールプロパ テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリ リトールヘキサ(メタ)アクリレート。

 トリ(メタ)アリルイソシアヌレート(日本化 社製、T(M)AIC)、トリアリルシアヌレート(日 化成社製、TAC)、フェニルグリシジルエチル アクリレートトリレンジイソシアナート(共 社化学社製、AT-600)。
 単量体(c2)としては、トリ(メタ)アリルイソ アヌレート、トリアリルシアヌレートまた フェニルグリシジルエチルアクリレートト レンジイソシアナートが好ましい。
 単量体(c1)および単量体(c2)を併用する場合 単量体(c1)と単量体(c2との比(単量体(c1)/単量 (c2)は、1/40~40/1(質量比)が好ましい。
 また、単量体(c1)および単量体(c2)を併用す 場合、単量体(c1)が2-イソシアナトエチル(メ )アクリレートの3,5-ジメチルピラゾール付 体であり、単量体(c2)がトリアリルシアヌレ トであるのが特に好ましい。

単量体(d):
 共重合体は、基材への密着性や造膜性を向 させ、風合いと撥水性能を持続させること 目的として、単量体(d)を含んでいてもよい
 単量体(d)は、単量体(a)、単量体(b)および単 体(c)を除く単量体である。
 単量体(d)としては、下記の化合物が挙げら る。

 メチルアクリレート、エチルアクリレー 、プロピルアクリレート、ブチルメタクリ ート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート 2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ブチ メタクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレ ート、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ブ テン、イソプレン、ブタジエン、エチレン、 プロピレン、ビニルエチレン、ペンテン、エ チル-2-プロピレン、ブチルエチレン、シクロ ヘキシルプロピルエチレン、デシルエチレン 、ドデシルエチレン、ヘキセン、イソヘキシ ルエチレン、ネオペンチルエチレン、(1,2-ジ トキシカルボニル)エチレン、(1,2-ジプロポ シカルボニル)エチレン、メトキシエチレン 、エトキシエチレン、ブトキシエチレン、2- トキシプロピレン、ペンチルオキシエチレ 、シクロペンタノイルオキシエチレン、シ ロペンチルアセトキシエチレン、スチレン α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、ヘ シルスチレン、オクチルスチレン、ノニル チレン、クロロプレン、テトラフルオロエ レン、塩化ビニル、フッ化ビニリデン、塩 ビニリデン。

 N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、ビニ アルキルエーテル、ハロゲン化アルキルビ ルエーテル、ビニルアルキルケトン、ブチ アクリレート、プロピルメタクリレート、 ンジル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ) アクリレート、デシルメタクリレート、シク ロドデシルアクリレート、3-エトキシプロピ アクリレート、メトキシ-ブチルアクリレー ト、2-エチルブチルアクリレート、1、3-ジメ ルブチルアクリレート、2-メチルペンチル クリレート、アジリジニルエチル(メタ)アク リレート、2-エチルヘキシルポリオキシアル レン(メタ)アクリレート。

 クロトン酸アルキルエステル、マレイン アルキルエステル、フマル酸アルキルエス ル、シトラコン酸アルキルエステル、メサ ン酸アルキルエステル、酢酸アリル、N-ビ ルカルバゾール、マレイミド、N-メチルマレ イミド、側鎖にシリコーンを有する(メタ)ア リレート、ウレタン結合を有する(メタ)ア リレート、末端が炭素数1~4のアルキル基で るポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)ア クリレート等。

 メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、 トキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキ シメチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセト アクリルアミド、γ-メタクリロイルオキシ ロピルトリメトキシシラン、トリメトキシ ニルシラン、ビニルトリメトキシシラン、 メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、 エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジ メチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、( メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリ ロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム クロライド、(メタ)アクリロイルオキシプロ ルトリメチルアンモニウムクロライド、(メ タ)アクリルアミドエチルトリメチルアンモ ウムクロライド、(メタ)アクリルアミドプロ ピルトリメチルアンモニウムクロライド。

 t-ブチル(メタ)アクリルアミドスルホン酸 、(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アク リルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルア ド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド ジアセトン(メタ)アクリルアミド、グリシ ル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル( メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル( タ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ) アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピ メタクリレート、ポリオキシアルキレング コールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アク リル酸、2-(メタ)アクリロイルキシエチルコ ク酸、2-(メタ)アクリロイルキシヘキサヒド フタル酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチ ルアシッドフォスフェート、アリル(メタ)ア リレート、2-ビニル-2-オキサゾリン、2-ビニ ル-4-メチル-(2-ビニルオキサゾリン)ヒドロキ エチル(メタ)アクリレートのポリカプロラ トンエステル。

 単量体(a)に基づく重合単位の割合は、撥水 油剤組成物の撥水撥油性、洗濯耐久性、機 的安定性および夾雑物安定性の点、および 品の風合いの点から、共重合体(100質量)中 40~60質量%である。
 単量体(b)に基づく重合単位の割合は、撥水 油剤組成物の撥水撥油性、洗濯耐久性、機 的安定性および夾雑物安定性の点、および 品の風合いの点から、共重合体(100質量)中 25~59.9質量%であり、35~58質量%が好ましい。
 単量体(c)に基づく重合単位の割合は、撥水 油剤組成物の撥水撥油性、洗濯耐久性、機 的安定性および夾雑物安定性の点、および 品の風合いの点から、共重合体(100質量)中 0.1~15質量%であり、0.1~8質量%が好ましい。
 単量体(d)に基づく重合単位の割合は、撥水 油剤組成物の撥水撥油性、洗濯耐久性、機 的安定性および夾雑物安定性の点、および 品の風合いの点から、共重合体(100質量)中 0~35質量%が好ましく、0~25質量%がより好まし 。
 本発明における単量体に基づく重合単位の 合は、共重合体の製造時の単量体の仕込み に基づいて算出する。

(媒体)
 媒体としては、水、アルコール、グリコー 、グリコールエーテル、ハロゲン化合物、 化水素、ケトン、エステル、エーテル、窒 化合物、硫黄化合物、無機溶剤、有機酸等 挙げられる。なかでも、溶解性、取扱いの 易さの点から、水、アルコール、グリコー 、グリコールエーテルおよびグリコールエ テルからなる群から選ばれた1種以上の媒体 が好ましい。

 アルコールとしては、メタノール、エタ ール、1-プロパノール、2-プロパノール、1- タノール、2-ブタノール、2-メチルプロパノ ール、1,1-ジメチルエタノール、1-ペンタノー ル、2-ペンタノール、3-ペンタノール、2-メチ ル-1-ブタノール、3-メチル-1-ブタノール、1,1- ジメチルプロパノール、3-メチル-2-ブタノー 、1,2-ジメチルプロパノール、1-ヘキサノー 、2-メチル-1-ペンタノール、4-メチル-2-ペン タノール、2-エチル-1-ブタノール、1-へプタ ール、2-へプタノール、3-へプタノール等が げられる。

 グリコール、グリコールエーテルとして 、エチレングリコール、エチレングリコー モノメチルエーテル、エチレングリコール ノエチルエーテル、エチレングリコールモ ブチルエーテル、エチレングリコールモノ チルエーテルアセタート、エチレングリコ ルモノエチルエーテルアセタート、エチレ グリコールモノブチルエーテルアセタート プロピレングリコール、グリコールエーテ としては、プロピレングリコールモノメチ エーテル、プロピレングリコールモノエチ エーテル、プロピレングリコールジメチル ーテル、ジプロピレングリコール、ジプロ レングリコールモノメチルエーテル、ジプ ピレングリコールジメチルエーテル、ジプ ピレングリコールモノエチルエーテル、ト プロピレングリコール、トリプロピレング コールモノメチルエーテル、ポリプロピレ グリコール、ヘキシレングリコール等が挙 られる。

 ハロゲン化合物としては、ハロゲン化炭化 素、ハロゲン化エーテル等が挙げられる。
 ハロゲン化炭化水素としては、ハイドロク ロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカ ボン、ハイドロブロモカーボン等が挙げら る。

 ハロゲン化エーテルとしては、ハイドロフ オロエーテル等が挙げられる。
 ハイドロフルオロエーテルとしては、分離 ハイドロフルオロエーテル、非分離型ハイ ロフルオロエーテル等が挙げられる。分離 ハイドロフルオロエーテルとは、エーテル 酸素原子を介してR F 基またはパーフルオロアルキレン基、および 、アルキル基またはアルキレン基が結合して いる化合物である。非分離型ハイドロフルオ ロエーテルとは、部分的にフッ素化されたア ルキル基またはアルキレン基を含むハイドロ フルオロエーテルである。

 炭化水素としては、脂肪族炭化水素、脂環 炭化水素、芳香族炭化水素等が挙げられる
 脂肪族炭化水素としては、ペンタン、2-メ ルブタン、3-メチルペンタン、ヘキサン、2,2 -ジメチルブタン、2,3-ジメチルブタン、ヘプ ン、オクタン、2,2,4-トリメチルペンタン、2 ,2,3-トリメチルヘキサン、デカン、ウンデカ 、ドデカン、2,2,4,6,6-ペンタメチルヘプタン 、トリデカン、テトラデカン、ヘキサデカン 等が挙げられる。
 脂環式炭化水素としては、シクロペンタン メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、 チルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサ 等が挙げられる。
 芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トル ン、キシレン等が挙げられる。

 ケトンとしては、アセトン、メチルエチル トン、2-ペンタノン、3-ペンタノン、2-ヘキ ノン、メチルイソブチルケトン等が挙げら る。
 エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチ 、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、乳酸 チル、乳酸エチル、乳酸ペンチル等が挙げ れる。
 エーテルとしては、ジイソプロピルエーテ 、ジオキサン、テトラヒドロフラン等が挙 られる。

 窒素化合物としては、ピリジン、N,N-ジメチ ルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド N-メチルピロリドン等が挙げられる。
 硫黄化合物としては、ジメチルスルホキシ 、スルホラン等が挙げられる。
 無機溶剤としては、液体二酸化炭素が挙げ れる。
 有機酸としては、酢酸、プロピオン酸、り ご酸、乳酸等が挙げられる。

 媒体は、1種を単独で用いてもよく、2種 上を混合して用いてもよい。媒体を2種以上 合して用いる場合、水と混合して用いるこ が好ましい。混合した媒体を用いることに り、共重合体の溶解性、分散性の制御がし すく、加工時における物品に対する浸透性 濡れ性、溶媒乾燥速度等の制御がしやすい

(界面活性剤)
 界面活性剤としては、炭化水素系界面活性 またはフッ素系界面活性剤が挙げられ、そ ぞれ、アニオン性界面活性剤、ノニオン性 面活性剤、カチオン性界面活性剤、または 性界面活性剤が挙げられる。
 界面活性剤としては、分散安定性の点から ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活 剤または両性界面活性剤との併用、または アニオン性界面活性剤の単独が好ましく、 ニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性 との併用が好ましい。
 ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活 剤との比(ノニオン性界面活性剤/カチオン 界面活性剤)は、97/3~40/60(質量比)が好ましい
 ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活 剤との特定の組み合わせにおいては、共重 体(100質量%)に対する合計量を、5質量%以下 できるため、物品の撥水性への悪影響を低 できる。

 ノニオン性界面活性剤としては、界面活性 s 1 ~s 6 からなる群から選ばれる1種以上が好ましい

界面活性剤s 1 :
 界面活性剤s 1 は、ポリオキシアルキレンモノアルキルエー テル、ポリオキシアルキレンモノアルケニル エーテル、ポリオキシアルキレンモノアルカ ポリエニルエーテル、またはポリオキシアル キレンモノポリフルオロアルキルエーテルで ある。
 界面活性剤s 1 としては、ポリオキシアルキレンモノアルキ ルエーテル、ポリオキシアルキレンモノアル ケニルエーテル、またはポリオキシアルキレ ンモノポリフルオロアルキルエーテルが好ま しい。界面活性剤s 1 は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併 してもよい。

 アルキル基、アルケニル基、アルカポリエ ル基またはポリフルオロアルキル基(以下、 アルキル基、アルケニル基、アルカポリエニ ル基およびポリフルオロアルキル基をまとめ てR s 基と記す。)としては、炭素数が4~26の基が好 しい。R s 基は、直鎖状であってもよく、分岐状であっ てもよい。分岐状のR s 基としては、2級アルキル基、2級アルケニル または2級アルカポリエニル基が好ましい。 R s 基は、水素原子の一部または全てがフッ素原 子で置換されていてもよい。

 R s 基の具体例としては、オクチル基、ドデシル 基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、ステ アリル基(オクタデシル基)、ベヘニル基(ドコ シル基)、オレイル基(9-オクタデセニル基)、 プタデシルフルオロオクチル基、トリデシ フルオロヘキシル基、1H,1H,2H,2H-トリデシル ルオロオクチル基、1H,1H,2H,2H-ノナフルオロ キシル基等が挙げられる。

 ポリオキシアルキレン(以下、POAと記す。 )鎖としては、ポリオキシエチレン(以下、POE 記す。)鎖および/またはポリオキシプロピ ン(以下、POPと記す。)鎖が2個以上連なった が好ましい。POA鎖は、1種のPOA鎖からなる鎖 あってもよく、2種以上のPOA鎖からなる鎖で あってもよい。2種以上のPOA鎖からなる場合 各POA鎖はブロック状に連結されることが好 しい。

 界面活性剤s 1 としては、化合物(s 11 )がより好ましい。
 R 10 O[CH 2 CH(CH 3 )O] s -(CH 2 CH 2 O) r H ・・・(s 11 )。
 ただし、R 10 は、炭素数が8以上のアルキル基または炭素 が8以上のアルケニル基であり、rは、5~50の 数であり、sは、0~20の整数である。R 10 は、水素原子の一部がフッ素原子に置換され ていてもよい。

 rが5以上であれば、水に可溶となり、水系 体中に均一に溶解するため、撥水撥油剤組 物の物品への浸透性が良好となる。rが50以 であれば、親水性が抑えられ、撥水性が良 となる。
 sが20以下であれば、水に可溶となり、水系 体中に均一に溶解するため、撥水撥油剤組 物の物品への浸透性が良好となる。

 rおよびsが2以上である場合、POE鎖とPOP鎖と ブロック状に連結される。
 R 10 としては、直鎖状または分岐状のものが好ま しい。
 rは、10~30の整数が好ましい。
 sは、0~10の整数が好ましい。

 化合物(s 11 )としては、下記の化合物が挙げられる。た し、POE鎖とPOP鎖とはブロック状に連結され 。
 C 18 H 37 O[CH 2 CH(CH 3 )O] 2 -(CH 2 CH 2 O) 30 H、
 C 18 H 35 O-(CH 2 CH 2 O) 30 H、
 C 16 H 33 O[CH 2 CH(CH 3 )O] 5 -(CH 2 CH 2 O) 20 H、
 C 12 H 25 O[CH 2 CH(CH 3 )O] 2 -(CH 2 CH 2 O) 15 H、
 (C 8 H 17 )(C 6 H 13 )CHO-(CH 2 CH 2 O) 15 H、
 C 10 H 21 O[CH 2 CH(CH 3 )O] 2 -(CH 2 CH 2 O) 15 H、
 C 6 F 13 CH 2 CH 2 O-(CH 2 CH 2 O) 15 H、
 C 6 F 13 CH 2 CH 2 O[CH 2 CH(CH 3 )O] 2 -(CH 2 CH 2 O) 15 H、
 C 4 F 9 CH 2 CH 2 O[CH 2 CH(CH 3 )O] 2 -(CH 2 CH 2 O) 15 H。

界面活性剤s 2 :
 界面活性剤s 2 は、分子中に1個以上の炭素-炭素三重結合お び1個以上の水酸基を有する化合物からなる ノニオン性界面活性剤である。
 界面活性剤s 2 としては、分子中に1個の炭素-炭素三重結合 および1個または2個の水酸基を有する化合 からなるノニオン性界面活性剤が好ましい
 界面活性剤s 2 は、分子中にPOA鎖を有してもよい。POA鎖とし ては、POE鎖、POP鎖、POE鎖とPOP鎖とがランダム 状に連結された鎖、またはPOE鎖とPOP鎖とがブ ロック状に連結された鎖が挙げられる。

 界面活性剤s 2 としては、化合物(s 21 )~(s 24 )が好ましい。
 HO-CR 11 R 12 -C≡C-CR 13 R 14 -OH ・・・(s 21 )、
 HO-(A 1 O) u -CR 11 R 12 -C≡C-CR 13 R 14 -(OA 2 ) v -OH ・・・(s 22 )、
 HO-CR 15 R 16 -C≡C-H ・・・(s 23 )、
 HO-(A 3 O) w -CR 15 R 16 -C≡C-H ・・・(s 24 )。

 A 1 ~A 3 は、それぞれアルキレン基である。
 uおよびvは、それぞれ0以上の整数であり、( u+v)は、1以上の整数である。
 wは、1以上の整数である。
 u、v、wが、それぞれ2以上である場合、A 1 ~A 3 は、それぞれ同一であってもよく、異なって いてもよい。
 POA鎖としては、POE鎖、POP鎖、またはPOE鎖とP OP鎖とを含む鎖が好ましい。POA鎖の繰り返し 位の数は、1~50が好ましい。

 R 11 ~R 16 は、それぞれ水素原子またはアルキル基であ る。
 アルキル基としては、炭素数が1~12のアルキ ル基が好ましく、炭素数が1~4のアルキル基が より好ましい。アルキル基としては、メチル 基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソ ブチル基等が挙げられる。

 化合物(s 22 )としては、化合物(s 25 )が好ましい。

 ただし、xおよびyは、それぞれ0~100の整数で ある。
 化合物(s 25 )は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併 用してもよい。
 化合物(s 25 )としては、xおよびyが0である化合物、xとyと の和が平均1~4である化合物、またはxとyとの が平均10~30である化合物が好ましい。

界面活性剤s 3 :
 界面活性剤s 3 は、POE鎖と、炭素数が3以上のオキシアルキ ンが2個以上連続して連なったPOA鎖とが連結 、かつ、両末端が水酸基である化合物から るノニオン性界面活性剤である。
 該POA鎖としては、ポリオキシテトラメチレ (以下、POTと記す。)および/またはPOP鎖が好 しい。

 界面活性剤s 3 としては、化合物(s 31 )または化合物(s 32 )が好ましい。
 HO(CH 2 CH 2 O) g1 (C 3 H 6 O) t (CH 2 CH 2 O) g2 H ・・・(s 31 )、
 HO(CH 2 CH 2 O) g1 (CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 O) t (CH 2 CH 2 O) g2 H ・・・(s 32 )。

 g1は、0~200の整数である。
 tは、2~100の整数である。
 g2は、0~200の整数である。
 g1が0の場合、g2は、2以上の整数である。g2 0の場合、g1は、2以上の整数である。
 -C 3 H 6 O-は、-CH(CH 3 )CH 2 -であってもよく、-CH 2 CH(CH 3 )-であってもよく、-CH(CH 3 )CH 2 -と-CH 2 CH(CH 3 )-とが混在したものであってもよい。
 POA鎖は、ブロック状である。

 界面活性剤s 3 としては、下記の化合物が挙げられる。
 HO-(CH 2 CH 2 O) 15 -(C 3 H 6 O) 35 -(CH 2 CH 2 O) 15 H、
 HO-(CH 2 CH 2 O) 8 -(C 3 H 6 O) 35 -(CH 2 CH 2 O) 8 H、
 HO-(CH 2 CH 2 O) 45 -(C 3 H 6 O) 17 -(CH 2 CH 2 O) 45 H、
 HO-(CH 2 CH 2 O) 34 -(CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 O) 28 -(CH 2 CH 2 O) 34 H。

界面活性剤s 4 :
 界面活性剤s 4 は、分子中にアミンオキシド部分を有するノ ニオン性界面活性剤である。
 界面活性剤s 4 としては、化合物(s 41 )が好ましい。
 (R 17 )(R 18 )(R 19 )N(→O) ・・・(s 41 )。

 R 17 ~R 19 は、それぞれ1価炭化水素基である。
 本発明においては、アミンオキシド(N→O)を 有する界面活性剤をノニオン性界面活性剤と して扱う。
 化合物(s 41 )は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併 用してもよい。

 化合物(s 41 )としては、共重合体の分散安定性の点から 化合物(s 42 )が好ましい。
 (R 20 )(CH 3 ) 2 N(→O) ・・・(s 42 )。

 R 20 は、炭素数が6~22のアルキル基、炭素数が6~22 アルケニル基、炭素数が6~22のアルキル基が 結合したフェニル基、炭素数が6~22のアルケ ル基が結合したフェニル基、または炭素数 6~13のフルオロアルキル基である。R 20 としては、炭素数が8~22のアルキル基、また 炭素数が8~22のアルケニル基、または炭素数 4~9のポリフルオロアルキル基が好ましい。

 化合物(s 42 )としては、下記の化合物が挙げられる。
 [H(CH 2 ) 12 ](CH 3 ) 2 N(→O)、
 [H(CH 2 ) 14 ](CH 3 ) 2 N(→O)、
 [H(CH 2 ) 16 ](CH 3 ) 2 N(→O)、
 [H(CH 2 ) 18 ](CH 3 ) 2 N(→O)、
 [F(CF 2 ) 6 (CH 2 ) 2 ](CH 3 ) 2 N(→O)、
 [F(CF 2 ) 4 (CH 2 ) 2 ](CH 3 ) 2 N(→O)。

界面活性剤s 5 :
 界面活性剤s 5 は、ポリオキシエチレンモノ(置換フェニル) ーテルの縮合物またはポリオキシエチレン ノ(置換フェニル)エーテルからなるノニオ 性界面活性剤である。
 置換フェニル基としては、1価炭化水素基で 置換されたフェニル基が好ましく、アルキル 基、アルケニル基またはスチリル基で置換さ れたフェニル基がより好ましい。

 界面活性剤s 5 としては、ポリオキシエチレンモノ(アルキ フェニル)エーテルの縮合物、ポリオキシエ レンモノ(アルケニルフェニル)エーテルの 合物、ポリオキシエチレンモノ(アルキルフ ニル)エーテル、ポリオキシエチレンモノ( ルケニルフェニル)エーテル、またはポリオ シエチレンモノ[(アルキル)(スチリル)フェ ル〕エーテルが好ましい。

 ポリオキシエチレンモノ(置換フェニル) ーテルの縮合物またはポリオキシエチレン ノ(置換フェニル)エーテルとしては、ポリオ キシエチレンモノ(ノニルフェニル)エーテル ホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチ ンモノ(ノニルフェニル)エーテル、ポリオ シエチレンモノ(オクチルフェニル)エーテル 、ポリオキシエチレンモノ(オレイルフェニ )エーテル、ポリオキシエチレンモノ[(ノニ )(スチリル)フェニル]エーテル、ポリオキシ チレンモノ[(オレイル)(スチリル)フェニル] ーテル等が挙げられる。

界面活性剤s 6 :
 界面活性剤s 6 は、ポリオールの脂肪酸エステルからなるノ ニオン性界面活性剤である。
 ポリオールとは、グリセリン、ソルビタン ソルビット、ポリグリセリン、ポリエチレ グリコール、ポリオキシエチレングリセリ エーテル、ポリオキシエチレンソルビタン ーテルまたはポリオキシエチレンソルビッ エーテルを表わす。

 界面活性剤s 6 としては、ステアリン酸とポリエチレングリ コールとの1:1(モル比)エステル、ソルビット ポリエチレングリコールとのエーテルとオ イン酸とのl:4(モル比)エステル、ポリオキ エチレングリコールとソルビタンとのエー ルとステアリン酸との1:1(モル比)エステル、 ポリエチレングリコールとソルビタンとのエ ーテルとオレイン酸との1:1(モル比)エステル ドデカン酸とソルビタンとの1:1(モル比)エ テル、オレイン酸とデカグリセリンとの1:1 たは2:1(モル比)エステル、ステアリン酸とデ カグリセリンとの1:1または2:1(モル比)エステ が挙げられる。

界面活性剤s 7 :
 界面活性剤がカチオン性界面活性剤を含む 合、該カチオン性界面活性剤としては、界 活性剤s 7 が好ましい。
 界面活性剤s 7 は、置換アンモニウム塩形のカチオン性界面 活性剤である。

 界面活性剤s 7 としては、窒素原子に結合する水素原子の1 以上が、アルキル基、アルケニル基または 端が水酸基であるPOA鎖で置換されたアンモ ウム塩が好ましく、化合物(s 71 )がより好ましい。
 [(R 21 ) 4 N + ]・X -  ・・・(s 71 )。

 R 21 は、水素原子、炭素数が1~22のアルキル基、 素数が2~22のアルケニル基、炭素数が1~9のフ オロアルキル基、または末端が水酸基であ POA鎖である。4つのR 21 は、同一であってもよく、異なっていてもよ いが、4つのR 21 は同時に水素原子ではない。
 R 21 としては、炭素数が6~22の長鎖アルキル基、 素数が6~22の長鎖アルケニル基、または炭素 が1~9のフルオロアルキル基が好ましい。
 R 21 が長鎖アルキル基以外のアルキル基の場合、 R 21 としては、メチル基またはエチル基が好まし い。
 R 21 が、末端が水酸基であるPOA鎖の場合、POA鎖と しては、POE鎖が好ましい。

 X - は、対イオンである。
 X - としては、塩素イオン、エチル硫酸イオン、 または酢酸イオンが好ましい。

 化合物(s 71 )としては、モノステアリルトリメチルアン ニウムクロリド、モノステアリルジメチル ノエチルアンモニウムエチル硫酸塩、モノ( テアリル)モノメチルジ(ポリエチレングリ ール)アンモニウムクロリド、モノフルオロ キシルトリメチルアンモニウムクロリド、 (牛脂アルキル)ジメチルアンモニウムクロ ド、ジメチルモノココナッツアミン酢酸塩 が挙げられる。

界面活性剤s 8 :
 界面活性剤が両性界面活性剤を含む場合、 両性界面活性剤としては、界面活性剤s 8 が好ましい。
 界面活性剤s 8 は、アラニン類、イミダゾリニウムベタイン 類、アミドベタイン類または酢酸ベタインで ある。

 疎水基としては、炭素数が6~22の長鎖アルキ ル基、炭素数が6~22の長鎖アルケニル基、ま は炭素数が1~9のフルオロアルキル基が好ま い。
 界面活性剤s 8 としては、ドデシルベタイン、ステアリルベ タイン、ドデシルカルボキシメチルヒドロキ シエチルイミダゾリニウムベタイン、ドデシ ルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミ ドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が 挙げられる。

界面活性剤s 9 :
 界面活性剤として、界面活性剤s 9 を用いてもよい。
 界面活性剤s 9 は、親水性単量体と炭化水素系疎水性単量体 および/またはフッ素系疎水性単量体との、 ロック共重合体、ランダム共重合体、また 親水性共重合体の疎水性変性物からなる高 子界面活性剤である。

 界面活性剤s 9 としては、ポリエチレングリコール(メタ)ア リレートと長鎖アルキルアクリレートとの ロックまたはランダム共重合体、ポリエチ ングリコール(メタ)アクリレートとフルオ (メタ)アクリレートとのブロックまたはラン ダム共重合体、酢酸ビニルと長鎖アルキルビ ニルエーテルとのブロックまたはランダム共 重合体、酢酸ビニルと長鎖アルキルビニルエ ステルとのブロックまたはランダム共重合体 、スチレンと無水マレイン酸との重合物、ポ リビニルアルコールとステアリン酸との縮合 物、ポリビニルアルコールとステアリルメル カプタンとの縮合物、ポリアリルアミンとス テアリン酸との縮合物、ポリエチレンイミン とステアリルアルコールとの縮合物、メチル セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル ロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース 等が挙げられる。

 界面活性剤s 9 の市販品としては、クラレ社のMPポリマー(商 品番号:MP-103、MP-203)、エルフアトケム社のSMA ジン、信越化学社のメトローズ、日本触媒 のエポミンRP、セイミケミカル社のサーフ ン(商品番号:S-381、S-393)等が挙げられる。

 界面活性剤s 9 としては、媒体が有機溶剤の場合または有機 溶剤の混合比率が多い場合、界面活性剤s 91 が好ましい。
 界面活性剤s 91 :親油性単量体とフッ素系単量体とのブロッ 共重合体またはランダム共重合体(そのポリ ルオロアルキル変性体)からなる高分子界面 活性剤。

 界面活性剤s 91 としては、アルキルアクリレートとフルオロ (メタ)アクリレートとの共重合体、アルキル ニルエーテルとフルオロアルキルビニルエ テルとの共重合体等が挙げられる。
 界面活性剤s 91 の市販品としては、セイミケミカル社のサー フロン(商品番号:S-383、SC-100シリーズ)が挙げ れる。

 界面活性剤の組み合わせとしては、撥水撥 剤組成物の撥水性、耐久性に優れる点、得 れた乳化液の安定性の点から、界面活性剤s 1 と界面活性剤s 2 と界面活性剤s 7 との組み合わせ、または界面活性剤s 1 と界面活性剤s 3 と界面活性剤s 7 との組み合わせ、または界面活性剤s 1 と界面活性剤s 2 と界面活性剤s 3 と界面活性剤s 7 との組み合わせが好ましく、界面活性剤s 7 が化合物(s 71 )である上記の組み合わせがより好ましい。
 界面活性剤の合計量は、共重合体(100質量部 )に対して1~6質量部がより好ましい。

(添加剤)
 本発明の撥水撥油剤組成物は、必要に応じ 各種の添加剤を含有していてもよい。
 添加剤としては、浸透剤、消泡剤、吸水剤 帯電防止剤、防皺剤、風合い調整剤、造膜 剤、水溶性高分子(ポリアクリルアミド、ポ リビニルアルコール等。)、熱硬化剤(メラミ 樹脂、ウレタン樹脂等。)、エポキシ硬化剤 (イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジ ドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、ドデ ン二酸ジヒドラジド、1,6-ヘキサメチレンビ (N,N-ジメチルセミカルバジド)、1,1,1’,1,’- トラメチル-4,4’-(メチレン-ジ-パラ-フェニ ン)ジセミカルバジド、スピログリコール等 。)、熱硬化触媒、架橋触媒、合成樹脂、繊 安定剤、その他のフッ素系撥水撥油剤、非 ッ素系の撥水剤などが挙げられる。

(撥水撥油剤組成物の製造方法)
 本発明の撥水撥油剤組成物は、たとえば、 記(i)または(ii)の方法で製造できる。
 (i)界面活性剤、重合開始剤の存在下、媒体 にて単量体(a)~(c)、必要に応じて単量体(d)を 含む単量体混合物を重合して共重合体の溶液 、分散液またはエマルションを得た後、必要 に応じて、他の媒体、他の界面活性剤、添加 剤を加える方法。
 (ii)界面活性剤、重合開始剤の存在下、媒体 中にて単量体(a)~(c)、必要に応じて単量体(d) 含む単量体混合物を重合して共重合体の溶 、分散液またはエマルションを得た後、共 合体を分離し、共重合体に媒体、界面活性 、必要に応じて添加剤を加える方法。
 重合法としては、分散重合法、乳化重合法 懸濁重合法等が挙げられる。

 撥水撥油剤組成物の製造方法としては、界 活性剤、重合開始剤の存在下、水系媒体中 単量体(a)~(c)、必要に応じて単量体(d)を乳化 重合して共重合体のエマルションを得る方法 が好ましい。
 共重合体の収率が向上する点から、乳化重 の前に、単量体、界面活性剤および水系媒 からなる混合物を前乳化することが好まし 。たとえば、単量体、界面活性剤および水 媒体からなる混合物を、ホモミキサーまた 高圧乳化機で混合分散する。

 重合開始剤としては、熱重合開始剤、光重 開始剤、放射線重合開始剤、ラジカル重合 始剤、イオン性重合開始剤等が挙げられ、 溶性または油溶性のラジカル重合開始剤が ましい。
 ラジカル重合開始剤としては、アゾ系重合 始剤、過酸化物系重合開始剤、レドックス 開始剤等の汎用の開始剤が、重合温度に応 て用いられる。ラジカル重合開始剤として 、アゾ系化合物が特に好ましく、水系媒体 で重合を行う場合、アゾ系化合物の塩がよ 好ましい。重合温度は20~150℃が好ましい。
 重合開始剤の添加量は、単量体の合計量100 量部に対して、0.1~5質量部が好ましく、0.1~3 質量部がより好ましい。

 単量体の重合の際には、分子量調整剤を用 てもよい。分子量調節剤としては、芳香族 化合物、メルカプトアルコール類またはメ カプタン類が好ましく、アルキルメルカプ ン類が特に好ましい。分子量調整剤として 、メルカプトエタノール、n-オクチルメル プタン、n-ドデシルメルカプタン、t-ドデシ メルカプタン、ステアリルメルカプタン、 -メチルスチレンダイマ(CH 2 =C(Ph)CH 2 C(CH 3 ) 2 Ph、Phはフェニル基である。)等が挙げられる
 分子量調節剤の添加量は、単量体の合計量1 00質量部に対して、0.01~5質量部が好ましく、0 .1~3質量部がより好ましい。

 単量体(a)の割合は、撥水撥油剤組成物の撥 撥油性、洗濯耐久性、機械的安定性および 雑物安定性の点、および物品の風合いの点 ら、単量体混合物(100質量)中、40~60質量%で る。
 単量体(b)の割合は、撥水撥油剤組成物の撥 撥油性、洗濯耐久性、機械的安定性および 雑物安定性の点、および物品の風合いの点 ら、単量体混合物(100質量)中、25~59.9質量%が 好ましく、35~58質量%が好ましい。
 単量体(c)の割合は、撥水撥油剤組成物の撥 撥油性、洗濯耐久性、機械的安定性および 雑物安定性の点、および物品の風合いの点 ら、単量体混合物(100質量)中、0.1~15質量%が ましく、0.1~8質量%が好ましい。
 単量体(d)の割合は、撥水撥油剤組成物の撥 撥油性、洗濯耐久性、機械的安定性および 雑物安定性の点、および物品の風合いの点 ら、単量体混合物(100質量)中、0~35質量%が好 ましく、0~25質量%がより好ましい。

 本発明の撥水撥油剤組成物は、共重合体 媒体中に粒子として分散していることが好 しい。共重合体の平均粒子径は、10~1000nmが ましく、10~300nmがより好ましく、10~200nmが特 に好ましい。平均粒子径が該範囲であれば、 界面活性剤、分散剤等を多量に用いる必要が なく、撥水撥油性が良好であり、染色された 布帛類を処理した場合に色落ちが発生せず、 媒体中で分散粒子が安定に存在できて沈降す ることがない。共重合体の平均粒子径は、動 的光散乱装置、電子顕微鏡等により測定でき る。

 本発明の撥水撥油剤組成物の固形分濃度は 撥水撥油剤組成物の製造直後は、撥水撥油 組成物(100質量%)中、25~40質量%が好ましい。
 本発明の撥水撥油剤組成物の固形分濃度は 物品の処理時は、撥水撥油剤組成物(100質量 %)中、0.2~5質量%が好ましい。
 撥水撥油剤組成物の固形分濃度は、加熱前 撥水撥油剤組成物の質量と、120℃の対流式 燥機にて4時間乾燥した後の質量とから計算 される。

 以上説明した本発明の撥水撥油剤組成物に っては、特定の重合単位の組み合わせから り、かつ各重合単位を特定の割合で有する 重合体を含むため、物品の風合いを低下さ ることなく、物品の表面に撥水撥油性を付 でき、かつ洗濯耐久性、機械的安定性およ 夾雑物安定性に優れる。
 また、本発明の撥水撥油剤組成物は、炭素 が6以下のR F 基を有する単量体(a)を原料としているため、 環境への影響が指摘されている、パーフルオ ロオクタン酸(PFOA)、パーフルオロオクタンス ルホン酸(PFOS)およびその前駆体、類縁体の含 有量(撥水撥油剤組成物中の固形分濃度が20質 量%である場合の含有量)を、特願2007-333564号 記載の方法によるLC-MS/MSの分析値として検出 限界以下にすることができる。

<物品>
 本発明の物品は、本発明の撥水撥油剤組成 を用いて処理された物品である。
 本発明の撥水撥油剤組成物で処理される物 としては、繊維(天然繊維、合成繊維、混紡 繊維等。)、各種繊維製品、不織布、樹脂、 、皮革、金属、石、コンクリート、石膏、 ラス等が挙げられる。
 処理方法としては、たとえば、公知の塗工 法によって物品に撥水撥油剤組成物を塗布 たは含浸した後、乾燥する方法が挙げられ 。

 本発明の撥水撥油剤組成物を用いて物品 処理すると、皮膜が柔軟であるため繊維製 においてはその風合いが柔軟になり、高品 な撥水撥油性を物品に付与できる。また、 面の接着性に優れ、低温でのキュアリング も撥水撥油性を付与できる。また、摩擦や 濯による性能の低下が少なく、加工初期の 能を安定して維持できる。また、紙へ処理 た場合は、低温の乾燥条件でも、優れたサ ズ性、撥水性および耐油性を紙に付与でき 。樹脂、ガラスまたは金属表面などに処理 た場合には、物品への密着性が良好で造膜 に優れた撥水撥油性皮膜を形成できる。

 以下、実施例によって本発明を詳細に説明 るが、本発明はこれらに限定されない。
 例1~9は実施例であり、例10~13は比較例であ 。

(撥水性)
 試験布について、JIS L1092のスプレー試験に したがって撥水性を評価した。撥水性は、表 1に示す等級で表した。等級に+(-)を記したも は、それぞれの性質がわずかに良い(悪い) とを示す。

(撥油性)
 試験布について、AATCC-TM118-1966の試験方法に したがって撥油性を評価した。撥油性は、表 2に示す等級で表した。等級に+(-)を記したも は、それぞれの性質がわずかに良い(悪い) とを示す。

(洗濯耐久性)
 試験布について、JIS L0217別表103の水洗い法 にしたがって、洗濯を5回繰り返した。洗濯 、室温25℃、湿度60%の部屋で一晩乾燥させた 後、前記撥水性を評価した。

(機械的安定性)
 撥水撥油剤組成物の250gを温浴槽で30℃に加 し、ホモミキサー(日本精機製作所社製、バ イオミキサー)を用いて3000rpmで5分間攪拌した 後、茶色ドスキン布にてろ過した。ドスキン 布の表面に残った痕跡を観察した。痕跡のな いものを5点とし、1点までの5段階で評価した 。点数が低いほど機械的安定性が悪いことを 示す。

(夾雑物安定性)
 撥水撥油剤組成物の250gに、スミカロンレッ ドSE-RPD(住化ケムテックス社製)を、濃度が0.05 g/Lとなるように添加した。該液を、温浴槽で 30℃に加温し、ホモミキサー(日本精機製作所 社製、バイオミキサー)を用いて3000rpmで5分間 攪拌した後、茶色ドスキン布にてろ過した。 ドスキン布の表面に残った痕跡を観察した。 痕跡のないものを5点とし、1点までの5段階で 評価した。点数が低いほど夾雑物安定性が悪 いことを示す。
 スミカロンレッドSE-RPDを、ナイロサンブル N-BLN(クラリアント社製)に変更し、同様にし て夾雑物安定性を評価した。

(風合い)
 試料布を、室温20℃±2℃、湿度65%±2%の恒温 湿室に1昼夜静置した後、5人のパネラーに る官能評価で、柔軟性を判定した。判定は 1:堅い、2:ふつう、3:柔らかい、の3段階で実 し、5人の平均値を評価結果とした。

〔例1〕
 ガラス製ビーカーに、単量体(a)であるC 6 F 13 C 2 H 4 OCOC(CH 3 )=CH 2 (以下、C6FMAと記す。)の61.4g、単量体(b)である ステアリルアクリレート(以下、STAと記す。) 43.1g、単量体(c1)である2-イソシアナトエチ メタクリレートの3,5-ジメチルピラゾール付 体(下式(5)、以下D-BIと記す。)の3.2g、界面活 性剤s 1 であるポリオキシエチレンオレイルエーテル (エチレンオキシド約26モル付加物、花王社製 、エマルゲン-430、以下PEO-30と記す。)の10質 %水溶液の32.3g、界面活性剤s 7 (化合物(s 71 ))であるモノステアリルトリメチルアンモニ ムクロリド(以下、STMCと記す。)の10質量%水 液の10.8g、アルキルC 8 -C 18 トリメチルアンモニウムクロリド(ライオン アクゾ社製、アーカードC-50、以下AC-50と記 。)の10質量%水溶液の10.8g、界面活性剤s 3 であるエチレンオキシドプロピレンオキシド 重合物(エチレンオキシド40質量%付加物、PPG 均分子量1000、日本油脂社製、プロノン-102、 以下P-102と記す。)の10質量%水溶液の21.5g、イ ン交換水の50.6g、ジプロピレングリコール( 下、DPGと記す。)の64.6g、n-ドデシルメルカ タン(以下、nDOSHと記す。)の0.8gを入れ、60℃ 30分間加温した後、ホモミキサー(日本精機 作所社製、バイオミキサー)を用いて混合し て混合液を得た。

 得られた混合液を、60℃に保ちながら高 乳化機(APVラニエ社製、ミニラボ)を用いて、 40MPaで処理して乳化液を得た。得られた乳化 の250gをステンレス製反応容器に入れ、40℃ 下となるまで冷却した。重合開始剤である2 ,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロ ン](和光純薬社製、VA061)の酢酸塩(以下、VA061 Aと記す。)の10質量%水溶液の5.8gを加えて、気 相を窒素置換した後、撹拌しながら60℃で15 間重合反応を行い、固形分濃度36.8質量%の共 重合体のエマルションを得た。各単量体に基 づく重合単位の割合を表4に示す。

(評価)
 共重合体のエマルションを蒸留水で固形分 度20質量%に希釈し、該固形分濃度20質量%の マルションを1質量%となるように調整し、 水撥油剤組成物を得た。該撥水撥油剤組成 に、ポリエチレンテレフタレート(以下、PET 記す。)布を浸漬し、絞り率が86質量%となる ようにマングルローラーで絞った。これを110 ℃で90秒間乾燥し、170℃で60秒間キュアし、 温25℃、湿度60%の部屋で一晩放置したものを 試験布とした。該試験布について、撥水性を 評価した。結果を表5に示す。

 共重合体のエマルションを蒸留水で固形 濃度20質量%に希釈し、該固形分濃度20質量% エマルションを3質量%となるように調整し 撥水撥油剤組成物を得た。該撥水撥油剤組 物に、PET布を浸漬し、絞り率が86質量%とな ようにマングルローラーで絞った。これを11 0℃で90秒間乾燥し、170℃で60秒間キュアし、 温25℃、湿度60%の部屋で一晩放置したもの 試験布とした。該試験布について、撥水性 よび撥油性を評価した。結果を表5に示す。

 共重合体のエマルションを蒸留水で固形 濃度20質量%に希釈し、該固形分濃度20質量% エマルションを3質量%となるように調整し のち、熱硬化剤であるスミテックスレジンM- 3(住友化学工業社製)および熱硬化触媒である スミテックスアクセラレータACX(住友化学工 社製)を、それぞれの濃度が0.3質量%となるよ うに添加し、撥水撥油剤組成物を得た。該撥 水撥油剤組成物に、PET布を浸漬し、絞り率が 86質量%となるようにマングルローラーで絞っ た。これを110℃で90秒間乾燥し、170℃で60秒 キュアし、室温25℃、湿度60%の部屋で一晩放 置したものを試験布とした。該試験布につい て、撥水性および洗濯耐久性を評価した。結 果を表5に示す。

 共重合体のエマルションを蒸留水で固形 濃度20質量%に希釈し、該固形分濃度20質量% エマルションを2質量%となるように調整し 撥水撥油剤組成物を得た。該撥水撥油剤組 物に、綿ブロードを浸漬し、絞り率が60質量 %となるようにマングルローラーで絞った。 れを110℃で90秒間乾燥し、170℃で60秒間キュ し、室温25℃、湿度60%の部屋で一晩放置し ものを試験布とした。該試験布について、 水性を評価した。結果を表5に示す。

 共重合体のエマルションを蒸留水で固形 濃度20質量%に希釈し、該固形分濃度20質量% エマルションを5質量%となるように調整し 撥水撥油剤組成物を得た。該撥水撥油剤組 物に、綿ブロードを浸漬し、絞り率が60質量 %となるようにマングルローラーで絞った。 れを110℃で90秒間乾燥し、170℃で60秒間キュ し、室温25℃、湿度60%の部屋で一晩放置し ものを試験布とした。該試験布について、 水性および撥油性を評価した。結果を表5に す。

 共重合体のエマルションを蒸留水で固形 濃度20質量%に希釈し、該固形分濃度20質量% エマルションを5質量%となるように調整し のち、熱硬化剤であるメーカネートMF(明成 学工業社製)を、濃度が1.0質量%となるように 添加し、撥水撥油剤組成物を得た。該撥水撥 油剤組成物に、綿ブロードを浸漬し、絞り率 が60質量%となるようにマングルローラーで絞 った。これを110℃で90秒間乾燥し、170℃で60 間キュアし、室温25℃、湿度60%の部屋で一晩 放置したものを試験布とした。該試験布につ いて、撥水性および洗濯耐久性を評価した。 結果を表5に示す。

 共重合体のエマルションを蒸留水で固形 濃度20質量%に希釈し、該固形分濃度20質量% エマルションを3質量%となるように調整し 撥水撥油剤組成物を得た。該撥水撥油剤組 物について、機械的安定性および夾雑物安 性を評価した。結果を表6に示す。

 共重合体のエマルションを蒸留水で希釈 、固形分濃度を1質量%に調整し、撥水撥油 組成物を得た。該撥水撥油剤組成物に、綿 ロードを浸漬し、絞り率が60質量%となるよ にマングルローラーで絞った。これをピン ンターで110℃で90秒間乾燥し、170℃で60秒間 ュアしたものを試験布とした。該試験布に いて、風合いを評価した。結果を表6に示す 。

〔例2~13〕
 各原料の仕込み量を表3に示す量に変更した 以外は、例1と同様にして共重合体のエマル ョンを得た。各単量体に基づく重合単位の 合を表4に示す。
 該エマルションを用いた以外は、例1と同様 にして撥水撥油剤組成物を得た。
 該撥水撥油剤組成物を用いた以外は、例1と 同様にして試験布を得た。
 該撥水撥油剤組成物および試験布について 例1と同様にして評価した。結果を表5およ 表6に示す。

 表3および表4における略号は、下記の通り ある。
(単量体(c1))
 HE-6P:3-(2-ブタノンオキシム)イソシアナトメ ル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシル(2-ヒドロ キシエチルメタクリレート)シアナート(京絹 成社製、テックコートHE-6P)。
(単量体(c2))
 TAC:トリアリルシアヌレート(日本化成社製)
 AT-600:フェニルグリシジルエチルアクリレー トトリレンジイソシアナート(共栄社化学社 )。

(単量体(d))
 NMAM:N-メチロールアクリルアミド。
 GMA:グリシジルメタクリレート。
 PLC FA2D:ヒドロキシエチルアクリレートのポ リカプロラクトン(2量体)エステル(ダイセル 学工業社製)。
 VCM:塩化ビニル。

 本発明の撥水撥油剤組成物は、繊維製品(衣 料物品(スポーツウェア、コート、ブルゾン 作業用衣料、ユニフォーム等。)、かばん、 業資材等。)、不織布、皮革製品、石材、コ ンクリート系建築材料等の撥水撥油剤として 有用である。また、有機溶媒液体またはその 蒸気存在下で用いられる濾過材料用コーティ ング剤、表面保護剤、エレクトロニクス用コ ーティング剤、防汚コーティング剤として有 用である。さらに、ポリプロピレン、ナイロ ン等と混合して成形、繊維化することにより 撥水撥油性を付与する用途にも有用である。
 
 なお、2007年6月12日に出願された日本特許出 願2007-155450号の明細書、特許請求の範囲、及 要約書の全内容をここに引用し、本発明の 細書の開示として、取り入れるものである