Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
WATER-REPELLENT, OIL-REPELLENT AGENT COMPOSITIONS AND MANUFACTURING METHOD THEREFOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2010/047258
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided are water-repellent, oil-repellent agent compositions that are able to impart ample dynamic water-repellency and post-air-drying water repellency to product surfaces and which have low environmental impact, and a manufacturing method therefor. The water-repellent, oil-repellent agent compositions comprise a copolymer with structural units based on a monomer (a), structural units based on a monomer (b) and structural units based on a monomer (c), and a medium, and the mole ratio ((a)/(b)) of the structural units based on the monomer (a) and the structural units based on the monomer (b) is 1 or more. Monomer (a): vinyl chloride. Monomer (b): a vinyl ether that has no polyfluoroalkyl groups but has functional groups that can cross-link. Monomer (c): a monomer having polyfluoroalkyl groups.

Inventors:
OTOZAWA NOBUYUKI (JP)
OOMORI YUUICHI (JP)
SHIMADA MINAKO (JP)
SHIMADA TOYOMICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/067793
Publication Date:
April 29, 2010
Filing Date:
October 14, 2009
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
ASAHI GLASS CO LTD (JP)
OTOZAWA NOBUYUKI (JP)
OOMORI YUUICHI (JP)
SHIMADA MINAKO (JP)
SHIMADA TOYOMICHI (JP)
International Classes:
C09K3/18; C08F214/06; C09D127/06; C09D129/10; C09D133/16; D06M15/256
Domestic Patent References:
WO2002083809A12002-10-24
Foreign References:
US20050106326A12005-05-19
JP2002322465A2002-11-08
JPH0434084A1992-02-05
JP2007333564A2007-12-27
JP2008274756A2008-11-13
Other References:
See also references of EP 2351807A4
Attorney, Agent or Firm:
SENMYO, Kenji et al. (JP)
Spring name Kenji (JP)
Download PDF:
Claims:
 下記単量体(a)に基づく構成単位、下記単量体(b)に基づく構成単位および下記単量体(c)に基づく構成単位を有する共重合体と、媒体とを含み、
 前記単量体(a)に基づく構成単位と前記単量体(b)に基づく構成単位とのモル比((a)/(b))が、1以上である、ことを特徴とする撥水撥油剤組成物。
 単量体(a):塩化ビニル。
 単量体(b):ポリフルオロアルキル基を有さず、架橋しうる官能基を有するビニルエーテル。
 単量体(c):ポリフルオロアルキル基を有する単量体。
 前記単量体(c)が、下式(1)で表される化合物である、請求項1に記載の撥水撥油剤組成物。
 (Z-Y) n X ・・・(1)。
 ただし、Zは、炭素数が1~6のポリフルオロアルキル基、または下式(2)で表される基であり、Yは、2価有機基または単結合であり、nは、1または2であり、Xは、nが1の場合は、下式(3-1)~(3-5)で表される基のいずれかであり、nが2の場合は、下式(4-1)~(4-4)で表される基のいずれかである。
 C i F 2i+1 O(CFX 1 CF 2 O) j CFX 2 - ・・・(2)。
 ただし、iは、1~6の整数であり、jは、0~10の整数であり、X 1 およびX 2 は、それぞれ独立にフッ素原子またはトリフルオロメチル基である。
 -CR=CH 2  ・・・(3-1)、
 -C(O)OCR=CH 2  ・・・(3-2)、
 -OC(O)CR=CH 2  ・・・(3-3)、
 -OCH 2 -φ-CR=CH 2  ・・・(3-4)、
 -OCH=CH 2  ・・・(3-5)。
 ただし、Rは、水素原子、メチル基またはハロゲン原子であり、φはフェニレン基である。
 -CH[-(CH 2 ) m CR=CH 2 ]- ・・・(4-1)、
 -CH[-(CH 2 ) m C(O)OCR=CH 2 ]- ・・・(4-2)、
 -CH[-(CH 2 ) m OC(O)CR=CH 2 ]- ・・・(4-3)、
 -OC(O)CH=CHC(O)O- ・・・(4-4)。
 ただし、Rは、水素原子、メチル基またはハロゲン原子であり、mは0~4の整数である。
 前記単量体(c)が、炭素数が4~6のパーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートである、請求項1または2に記載の撥水撥油剤組成物。
 前記単量体(b)における架橋しうる官能基が、水酸基、エポキシ基またはアミノ基である、請求項1~3のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物。
 前記共重合体が、下記単量体(d)に基づく構成単位をさらに有する、請求項1~4のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物。
 単量体(d):ポリフルオロアルキル基を有さず、炭素数が12~30のアルキル基を有する(メタ)アクリレート。
 前記共重合体が、下記単量体(e)に基づく構成単位をさらに有する、請求項1~5のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物。
 単量体(e):ポリフルオロアルキル基を有さず、架橋しうる官能基を有する単量体(ただし、単量体(b)を除く。)。
 界面活性剤および重合開始剤の存在下、媒体中にて下記単量体(a)、下記単量体(b)および下記単量体(c)を含む単量体混合物を重合する撥水撥油剤組成物の製造方法であって、
 前記単量体(a)と前記単量体(b)とのモル比((a)/(b))が、1以上である、ことを特徴とする撥水撥油剤組成物の製造方法。
 単量体(a):塩化ビニル。
 単量体(b):ポリフルオロアルキル基を有さず、架橋しうる官能基を有するビニルエーテル。
 単量体(c):ポリフルオロアルキル基を有する単量体。
 前記単量体(c)が、下式(1)で表される化合物である、請求項7に記載の撥水撥油剤組成物の製造方法。
 (Z-Y) n X ・・・(1)。
 ただし、Zは、炭素数が1~6のポリフルオロアルキル基、または下式(2)で表される基であり、Yは、2価有機基または単結合であり、nは、1または2であり、Xは、nが1の場合は、下式(3-1)~(3-5)で表される基のいずれかであり、nが2の場合は、下式(4-1)~(4-4)で表される基のいずれかである。
 C i F 2i+1 O(CFX 1 CF 2 O) j CFX 2 - ・・・(2)。
 ただし、iは、1~6の整数であり、jは、0~10の整数であり、X 1 およびX 2 は、それぞれ独立にフッ素原子またはトリフルオロメチル基である。
 -CR=CH 2  ・・・(3-1)、
 -C(O)OCR=CH 2  ・・・(3-2)、
 -OC(O)CR=CH 2  ・・・(3-3)、
 -OCH 2 -φ-CR=CH 2  ・・・(3-4)、
 -OCH=CH 2  ・・・(3-5)。
 ただし、Rは、水素原子、メチル基またはハロゲン原子であり、φはフェニレン基である。
 -CH[-(CH 2 ) m CR=CH 2 ]- ・・・(4-1)、
 -CH[-(CH 2 ) m C(O)OCR=CH 2 ]- ・・・(4-2)、
 -CH[-(CH 2 ) m OC(O)CR=CH 2 ]- ・・・(4-3)、
 -OC(O)CH=CHC(O)O- ・・・(4-4)。
 ただし、Rは、水素原子、メチル基またはハロゲン原子であり、mは0~4の整数である。
 前記単量体(c)が、炭素数が4~6のパーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートである、請求項7または8に記載の撥水撥油剤組成物の製造方法。
 前記単量体(b)における架橋しうる官能基が、水酸基、エポキシ基またはアミノ基である、請求項7~9のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物。
 前記単量体混合物が、下記単量体(d)をさらに含む、請求項7~10のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物の製造方法。
 単量体(d):ポリフルオロアルキル基を有さず、炭素数が12~30のアルキル基を有する(メタ)アクリレート。
 前記単量体混合物が、下記単量体(e)をさらに含む、請求項7~11のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物の製造方法。
 単量体(e):ポリフルオロアルキル基を有さず、架橋しうる官能基を有する単量体(ただし、単量体(b)を除く。)。
Description:
撥水撥油剤組成物およびその製 方法

 本発明は、撥水撥油剤組成物およびその 造方法に関する。

 物品(繊維製品等。)の表面に撥水撥油性を 与する方法としては、炭素数が8以上のポリ ルオロアルキル基(以下、ポリフルオロアル キル基をR f 基と記す。)を有する単量体に基づく構成単 を有する共重合体を媒体に分散させたエマ ションからなる撥水撥油剤組成物を用いて 品を処理する方法が知られている。
 しかし、最近、EPA(米国環境保護庁)によっ 、炭素数が8以上のパーフルオロアルキル基( 以下、パーフルオロアルキル基をR F 基と記す。)を有する化合物は、環境、生体 で分解し、分解生成物が蓄積する点、すな ち環境負荷が高い点が指摘されている。そ ため、炭素数が6以下のR f 基を有する単量体に基づく構成単位を有し、 炭素数が8以上のR f 基を有する単量体に基づく構成単位をできる だけ減らした撥水撥油剤組成物用の共重合体 が要求されている。

 該共重合体を含む撥水撥油剤組成物として 、たとえば、下記の撥水撥油剤組成物が提 されている。
 下記単量体(a)に基づく構成単位および下記 量体(b)に基づく構成単位から実質的になる 重合体を必須とする撥水撥油剤組成物(特許 文献1参照)。
 単量体(a):炭素数が6以下のR F 基を有する単量体等。
 単量体(b):炭素数が15以上のアルキル基を有 る(メタ)アクリレート等。

 しかし、該撥水撥油剤組成物で処理され 物品は、高所から落下してきた水(降雨)に する撥水性(以下、動的撥水性と記す。)およ び洗濯後に強制的に加熱せずに乾燥した後の 撥水性(以下、風乾後撥水性と記す。)が不充 である。

国際公開第02/083809号パンフレット

 本発明は、物品の表面に充分な動的撥水 および風乾後撥水性を付与でき、かつ環境 荷が低い撥水撥油剤組成物およびその製造 法を提供することを目的とする。

 本発明の撥水撥油剤組成物は、下記単量体( a)に基づく構成単位、下記単量体(b)に基づく 成単位および下記単量体(c)に基づく構成単 を有する共重合体と、媒体とを含み、前記 量体(a)に基づく構成単位と前記単量体(b)に づく構成単位とのモル比((a)/(b))が1以上であ ることを特徴とする。
 単量体(a):塩化ビニル。
 単量体(b):ポリフルオロアルキル基を有さず 、架橋しうる官能基を有するビニルエーテル 。
 単量体(c):ポリフルオロアルキル基を有する 単量体。

 前記単量体(c)は、下式(1)で表される化合物 あることが好ましい。
 (Z-Y) n X ・・・(1)。
 ただし、Zは、炭素数が1~6のポリフルオロア ルキル基、または下式(2)で表される基であり 、Yは、2価有機基または単結合であり、nは、 1または2であり、Xは、nが1の場合は、下式(3-1 )~(3-5)で表される基のいずれかであり、nが2の 場合は、下式(4-1)~(4-4)で表される基のいずれ である。
 C i F 2i+1 O(CFX 1 CF 2 O) j CFX 2 - ・・・(2)。
 ただし、iは、1~6の整数であり、jは、0~10の 数であり、X 1 およびX 2 は、それぞれ独立にフッ素原子またはトリフ ルオロメチル基である。
 -CR=CH 2  ・・・(3-1)、
 -C(O)OCR=CH 2  ・・・(3-2)、
 -OC(O)CR=CH 2  ・・・(3-3)、
 -OCH 2 -φ-CR=CH 2  ・・・(3-4)、
 -OCH=CH 2  ・・・(3-5)。
 ただし、Rは、水素原子、メチル基またはハ ロゲン原子であり、φはフェニレン基である
 -CH[-(CH 2 ) m CR=CH 2 ]- ・・・(4-1)、
 -CH[-(CH 2 ) m C(O)OCR=CH 2 ]- ・・・(4-2)、
 -CH[-(CH 2 ) m OC(O)CR=CH 2 ]- ・・・(4-3)、
 -OC(O)CH=CHC(O)O- ・・・(4-4)。
 ただし、Rは、水素原子、メチル基またはハ ロゲン原子であり、mは0~4の整数である。

 前記単量体(c)は、炭素数が4~6のパーフルオ アルキル基を有する(メタ)アクリレートで ることが好ましい。
 前記単量体(b)における架橋しうる官能基は 水酸基、エポキシ基またはアミノ基である とが好ましい。
 前記共重合体は、下記単量体(d)に基づく構 単位をさらに有することが好ましい。
 単量体(d):ポリフルオロアルキル基を有さず 、炭素数が12~30のアルキル基を有する(メタ) クリレート。
 前記共重合体は、下記単量体(e)に基づく構 単位をさらに有することが好ましい。
 単量体(e):ポリフルオロアルキル基を有さず 、架橋しうる官能基を有する単量体(ただし 単量体(b)を除く。)。

 本発明の撥水撥油剤組成物の製造方法は 界面活性剤および重合開始剤の存在下、媒 中にて前記単量体(a)、前記単量体(b)および 記単量体(c)を含む単量体混合物を重合する 水撥油剤組成物の製造方法であって、前記 量体(a)と前記単量体(b)とのモル比((a)/(b))が1 以上であることを特徴とする。

 前記単量体(c)は、前記式(1)で表される化合 であることが好ましい。
 前記単量体(c)は、炭素数が4~6のパーフルオ アルキル基を有する(メタ)アクリレートで ることが好ましい。
 前記単量体(b)における架橋しうる官能基は 水酸基、エポキシ基またはアミノ基である とが好ましい。
 前記単量体混合物は、前記単量体(d)をさら 含むことが好ましい。
 前記単量体混合物は、前記単量体(e)をさら 含むことが好ましい。

 本発明の撥水撥油剤組成物は、物品の表面 充分な動的撥水性および風乾後撥水性を付 でき、かつ環境負荷が低い。
 また、本発明の撥水撥油剤組成物の製造方 によれば、物品の表面に充分な動的撥水性 よび風乾後撥水性を付与でき、かつ環境負 が低い撥水撥油剤組成物を製造できる。

 本明細書においては、式(1)で表される化合 を化合物(1)と記す。他の式で表される化合 も同様に記す。また、本明細書においては 式(2)で表される基を基(2)と記す。他の式で される基も同様に記す。また、本明細書に ける(メタ)アクリレートは、アクリレート たはメタクリレートを意味する。また、本 細書における単量体は、重合性不飽和基を する化合物を意味する。また、本明細書に けるR f 基は、アルキル基の水素原子の一部またはす べてがフッ素原子に置換された基であり、R F 基は、アルキル基の水素原子のすべてがフッ 素原子に置換された基である。

<撥水撥油剤組成物>
 本発明の撥水撥油剤組成物は、以下の共重 体(A)と、媒体とを必須成分として含み、必 に応じて、媒体、界面活性剤、添加剤を含 。

(共重合体(A))
 共重合体(A)は、単量体(a)に基づく構成単位 単量体(b)に基づく構成単位および単量体(c) 基づく構成単位を必須構成単位として有し 必要に応じて、単量体(d)に基づく構成単位 単量体(e)に基づく構成単位、単量体(f)に基 く構成単位を有する。

単量体(a):
 単量体(a)は、塩化ビニルである。
 単量体(a)に基づく構成単位を有することに り、共重合体(A)を含む皮膜の強度が向上し また、共重合体(A)を含む皮膜と基材との接 性が向上する。

単量体(b):
 単量体(b)は、R f 基を有さず、架橋しうる官能基を有するビニ ルエーテルである。
 単量体(b)に基づく構成単位を有することに り、末端水酸基の極性モノマーを同等の量 加した場合に比べて性能を阻害することが なく、基材との親和性が高まる;架橋剤を併 用した場合の膜の耐久性を向上させ洗濯や摩 擦等に対する性能低下を防ぐことができる; の特徴が得られる。

 架橋しうる官能基としては、共有結合、イ ン結合または水素結合のうち少なくとも1つ 以上の結合を有する官能基、または、該結合 の相互作用により架橋構造を形成できる官能 基が好ましい。また、分子内に活性な有機基 や、水素、ハロゲン等の元素を有する化合物 であってもよい。
 該官能基としては、水酸基、エポキシ基、 ミノ基、イソシアネート基、ブロックドイ シアネート基、アルコキシシリル基、アル キシメチルアミド基、シラノール基、アン ニウム基、アミド基、オキサゾリン基、カ ボキシル基、アルケニル基、スルホン酸基 が好ましく、水酸基、エポキシ基、アミノ が特に好ましい。

 単量体(b)としては、下記の化合物が挙げら る。
 2-ヒドロキシエチルビニルエーテル、3-ヒド ロキシプロピルビニルエーテル、2-ヒドロキ プロピルビニルエーテル、2-ヒドロキシイ プロピルビニルエーテル、4-ヒドロキシブチ ルビニルエーテル、4-ヒドロキシシクロヘキ ルビニルエーテル、1,6-ヘキサンジオールモ ノビニルエーテル、1,4-シクロヘキサンジメ ノールモノビニルエーテル、ジエチレング コールモノビニルエーテル、トリエチレン リコールモノビニルエーテル、ジプロピレ グリコールモノビニルエーテル、ビニルグ シジルエーテル、2-アミノエチルビニルエー テル、3-アミノプロピルビニルエーテル、2- ミノブチルビニルエーテル。

単量体(c):
 単量体(c)は、R f 基を有する単量体である。
 共重合体(A)は、単量体(c)に基づく構成単位 有さない場合であっても、優れた撥水性ま は耐水性を発現するが、単量体(c)に基づく 成単位を有する場合、共重合体(A)の疎水性 向上し、より優れた耐久撥水性を発現する 考えられる。

 単量体(c)としては、炭素数が1~20のR f 基、または直鎖若しくは分岐のポリフルオロ アルキレン基が酸素原子を介して結合した部 分構造をもつ化合物が好ましい。
 ただし、環境への影響が指摘されているパ フルオロオクタン酸(PFOA)等が含まれる可能 をなくすという観点からは、共重合体(A)は 炭素数が8以上のR F 基を有する単量体に基づく構成単位を有さな いことが好ましい。

 単量体(c)としては、化合物(1)が特に好まし 。なお、式(1)において、ZとYの境界はZの炭 数が最も少なくなるように定める。
 (Z-Y) n X ・・・(1)。

 Zは、炭素数が1~6のR f 基(ただし、該R f 基はエーテル性の酸素原子を含んでいてもよ い。)、または基(2)である。
 C i F 2i+1 O(CFX 1 CF 2 O) j CFX 2 - ・・・(2)。
 ただし、iは、1~6の整数であり、jは、0~10の 数であり、X 1 およびX 2 は、それぞれ独立にフッ素原子またはトリフ ルオロメチル基である。
 R f 基としては、R F 基が好ましい。R f 基は、直鎖状であってもよく、分岐状であっ てもよく、直鎖状が好ましい。
 Zとしては、下記の基が挙げられる。
 F(CF 2 ) 4 -、
 F(CF 2 ) 5 -、
 F(CF 2 ) 6 -、
 (CF 3 ) 2 CF(CF 2 ) 2 -、
 C k F 2k+1 O[CF(CF 3 )CF 2 O] h -CF(CF 3 )-等。
 ただし、kは、1~6の整数であり、hは0~10の整 である。

 Yは、2価有機基または単結合である。 
 2価有機基としては、アルキレン基が好まし い。アルキレン基は、直鎖状であってもよく 、分岐状であってもよい。アルキレン基は、 -O-、-NH-、-CO-、-S-、-SO 2 -、-CD 1 =CD 2 -(ただし、D 1 およびD 2 は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基 である。)等を有していてもよい。

 Yとしては、下記の基が挙げられる。
 -CH 2 -、
 -CH 2 CH 2 -
 -(CH 2 ) 3 -、
 -CH 2 CH 2 CH(CH 3 )-、
 -CH=CH-CH 2 -、
 -S-CH 2 CH 2 -、
 -CH 2 CH 2 -S-CH 2 CH 2 -、
 -CH 2 CH 2 -SO 2 -CH 2 CH 2 -、
 -W-OC(O)NH-A-NHC(O)O-(C p H 2p )-等。
 ただし、pは、2~30の整数である。
 Aは、分岐のない対照的なアルキレン基、ア リレン基またはアラルキレン基であり、-C 6 H 12 -、-φ-CH 2 -φ-、-φ-(ただし、φはフェニレン基である。) が好ましい。
 Wは、下記の基のいずれかである。
 -SO 2 N(R 1 )-C d H 2d -、
 -CONHC d H 2d -、
 -CH(R F1 )-C e H 2e -、
 -C q H 2q -。
 ただし、R 1 は、水素原子または炭素数1~4のアルキル基で あり、dは、2~8の整数であり、R F1 は、炭素数1~20のパーフルオロアルキル基で り、eは、0~6の整数であり、qは、1~20の整数 ある。R F1 としては、炭素数1~6のパーフルオロアルキル 基が好ましく、炭素数4または6のパーフルオ アルキル基がより好ましい。

 nは、1または2である。
 Xは、nが1の場合は、基(3-1)~基(3-5)のいずれ であり、nが2の場合は、基(4-1)~基(4-4)のいず かである。

 -CR=CH 2  ・・・(3-1)、
 -C(O)OCR=CH 2  ・・・(3-2)、
 -OC(O)CR=CH 2  ・・・(3-3)、
 -OCH 2 -φ-CR=CH 2  ・・・(3-4)、
 -OCH=CH 2  ・・・(3-5)。
 ただし、Rは、水素原子、メチル基またはハ ロゲン原子であり、φはフェニレン基である

 -CH[-(CH 2 ) m CR=CH 2 ]- ・・・(4-1)、
 -CH[-(CH 2 ) m C(O)OCR=CH 2 ]- ・・・(4-2)、
 -CH[-(CH 2 ) m OC(O)CR=CH 2 ]- ・・・(4-3)、
 -OC(O)CH=CHC(O)O- ・・・(4-4)。
 ただし、Rは、水素原子、メチル基またはハ ロゲン原子であり、mは0~4の整数である。

 化合物(1)としては、他の単量体との重合性 共重合体(A)を含む皮膜の柔軟性、物品に対 る共重合体(A)の接着性、媒体に対する溶解 、乳化重合の容易性等の点から、炭素数が4 ~6のR F 基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。
 化合物(1)としては、Zが炭素数4~6のR F 基であり、Yが炭素数1~4のアルキレン基であ 、nが1であり、Xが基(3-3)である化合物が好ま しい。

単量体(d):
 単量体(d)は、R f 基を有さず、炭素数が12~30のアルキル基を有 る(メタ)アクリレートである。アルキル基 炭素数が12以上であれば、動的撥水性、風乾 後撥水性が良好となる。アルキル基の炭素数 が30以下であれば、相対的に融点が低く、ハ ドリングしやすい。
 単量体(d)としては、炭素数が18~30のアルキ 基を有する(メタ)アクリレートが好ましく、 炭素数が20~30のアルキル基を有する(メタ)ア リレートがより好ましく、ステアリル(メタ) アクリレートまたはベヘニル(メタ)アクリレ トがさらに好ましく、ベヘニルアクリレー が特に好ましい。

単量体(e):
 単量体(e)は、R f 基を有さず、架橋しうる官能基を有する単量 体(ただし、単量体(b)を除く。)である。
 単量体(e)に基づく構成単位を有することに り、摩擦耐久性がさらに向上する。

 架橋しうる官能基としては、共有結合、イ ン結合または水素結合のうち少なくとも1つ 以上の結合を有する官能基、または、該結合 の相互作用により架橋構造を形成できる官能 基が好ましい。また、分子内に活性な有機基 や、水素、ハロゲン等の元素を有する化合物 であってもよい。
 該官能基としては、複数の不飽和二重結合 水酸基、イソシアネート基、ブロックドイ シアネート基、アルコキシシリル基、アミ 基、アルコキシメチルアミド基、シラノー 基、アンモニウム基、アミド基、エポキシ 、オキサゾリン基、カルボキシル基、アル ニル基、スルホン酸基等が好ましく、水酸 、ブロックドイソシアネート基、アミノ基 エポキシ基が特に好ましい。

 単量体(e)としては、(メタ)アクリレート類 アクリルアミド類、ビニルエーテル類(ただ 、単量体(b)を除く。)、ビニルエステル類ま たはアリルエーテル類が好ましい。
 単量体(e)としては、下記の化合物が挙げら る。

 2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレート 、3-イソシアナトプロピル(メタ)アクリレー 、4-イソシアナトブチル(メタ)アクリレート 2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレートの 2-ブタノンオキシム付加体、2-イソシアナト チル(メタ)アクリレートのピラゾール付加体 、2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレート 3,5-ジメチルピラゾール付加体、2-イソシア トエチル(メタ)アクリレートの3-メチルピラ ール付加体、2-イソシアナトエチル(メタ)ア クリレートのε-カプロラクタム付加体、3-イ シアナトプロピル(メタ)アクリレートの2-ブ タノンオキシム付加体、3-イソシアナトプロ ル(メタ)アクリレートのピラゾール付加体

 3-イソシアナトプロピル(メタ)アクリレー トの3,5-ジメチルピラゾール付加体、3-イソシ アナトプロピル(メタ)アクリレートの3-メチ ピラゾール付加体、3-イソシアナトプロピル (メタ)アクリレートのε-カプロラクタム付加 、4-イソシアナトブチル(メタ)アクリレート の2-ブタノンオキシム付加体、4-イソシアナ ブチル(メタ)アクリレートのピラゾール付加 体、4-イソシアナトブチル(メタ)アクリレー の3,5-ジメチルピラゾール付加体、4-イソシ ナトブチル(メタ)アクリレートの3-メチルピ ゾール付加体、4-イソシアナトブチル(メタ) アクリレートのε-カプロラクタム付加体。

 メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、 トキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキ シメチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセト アクリルアミド、γ-メタクリロイルオキシ ロピルトリメトキシシラン、トリメトキシ ニルシラン、ビニルトリメトキシシラン、 メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、 エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジ メチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、( メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリ ロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム クロライド、(メタ)アクリロイルオキシプロ ルトリメチルアンモニウムクロライド、(メ タ)アクリルアミドエチルトリメチルアンモ ウムクロライド、(メタ)アクリルアミドプロ ピルトリメチルアンモニウムクロライド、モ ノクロロ酢酸ビニル、トリメトキシビニルシ ラン、トリエトキシビニルシラン。

 t-ブチル(メタ)アクリルアミドスルホン酸 、(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アク リルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルア ド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド ジアセトン(メタ)アクリルアミド、グリシ ル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル( メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル( タ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ) アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピ メタクリレート、ポリオキシアルキレング コールモノ(メタ)アクリレート(アルキレン リコールは1種類の繰り返し単位を有してい てもよく、複数の種類の繰り返し単位を有し ていてもよい。)、(メタ)アクリル酸、2-(メタ )アクリロイルオキシエチルコハク酸、2-(メ )アクリロイルオキシヘキサヒドロフタル酸 2-(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッド フォスフェート、アリル(メタ)アクリレート 2-ビニル-2-オキサゾリン、2-ビニル-4-メチル -(2-ビニルオキサゾリン)ヒドロキシエチル(メ タ)アクリレートのポリカプロラクトンエス ル。

 トリ(メタ)アリルイソシアヌレート(T(M)AIC、 日本化成社製)、トリアリルシアヌレート(TAC 日本化成社製)、フェニルグリシジルエチル アクリレートトリレンジイソシアナート(AT-60 0、共栄社化学社製)、3-(メチルエチルケトオ シム)イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチル クロヘキシル(2-ヒドロキシエチルメタクリ ート)シアナート(テックコートHE-6P、京絹化 社製)。ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー のポリカプロラクトンエステル(プラクセル FA、FMシリーズ、ダイセル化学工業社製)。
 アリルビニルエーテル、1,4-ブタンジオール ジビニルエーテル、ノナンジオールジビニル エーテル、シクロヘキサンジオールジビニル エーテル、シクロヘキサンジメタノールジビ ニルエーテル、トリエチレングリコールジビ ニルエーテル、トリメチロールプロパントリ ビニルエーテル、ペンタエリスルトールテト ラビニルエーテル。
 アリルアルコール、アリロキシエタノール アリルグリシジルエーテル、アリル2,3-ジヒ ドロキシプロピルエーテル、アデカリアソー プER-10、ER-20、ER-30、ER-40(アデカ社製)、アク ロンRN-10、RN-20、RN-30、RN-50、RN2025(第一工業 薬社製)。

 単量体(e)としては、N-メチロール(メタ)ア クリルアミド、2-ヒドロキシエチル(メタ)ア リレート、グリシジル(メタ)アクリレート、 3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルメタクリレー 、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの リカプロラクトンエステル(プラクセルFA、FM シリーズ ダイセル化学工業社製)が好ましい 。

単量体(f):
 単量体(f)は、単量体(a)、単量体(b)、単量体( c)、単量体(d)および単量体(e)を除く単量体で る。

 単量体(f)としては、下記の化合物が挙げら る。
 メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア クリレート、プロピル(メタ)アクリレート、 チル(メタ)メタクリレート、シクロヘキシ (メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ )アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレー 、ベンジル(メタ)アクリレート、オクチル( タ)アクリレート、デシルメタクリレート、 3-エトキシプロピルアクリレート、メトキシ- ブチルアクリレート、2-エチルブチルアクリ ート、1、3-ジメチルブチルアクリレート、2 -メチルペンチルアクリレート。

 酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ブテン イソプレン、ブタジエン、エチレン、プロ レン、ビニルエチレン、ペンテン、エチル- 2-プロピレン、ブチルエチレン、シクロヘキ ルプロピルエチレン、デシルエチレン、ド シルエチレン、ヘキセン、イソヘキシルエ レン、ネオペンチルエチレン、(1,2-ジエト シカルボニル)エチレン、(1,2-ジプロポキシ ルボニル)エチレン、メトキシエチレン、エ キシエチレン、ブトキシエチレン、2-メト シプロピレン、ペンチルオキシエチレン、 クロペンタノイルオキシエチレン、シクロ ンチルアセトキシエチレン、スチレン、α- チルスチレン、p-メチルスチレン、ヘキシル スチレン、オクチルスチレン、ノニルスチレ ン、フッ化ビニリデン、塩化ビニリデン。
 n-プロピルビニルエーテル、イソプロピル ニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、イ ソブチルビニルエーテル、2-エチルヘキシル ニルエーテル、オクタデシルビニルエーテ 、シクロヘキシルビニルエーテル。

 N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、ビニ アルキルエーテル、ハロゲン化アルキルビ ルエーテル、ビニルアルキルケトン、アジ ジニルエチル(メタ)アクリレート、2-エチル ヘキシルポリオキシアルキレン(メタ)アクリ ート、ポリオキシアルキレンジ(メタ)アク レート。

 クロトン酸アルキルエステル、マレイン アルキルエステル、フマル酸アルキルエス ル、シトラコン酸アルキルエステル、メサ ン酸アルキルエステル、トリアリルシアヌ ート、酢酸アリル、N-ビニルカルバゾール マレイミド、N-メチルマレイミド、側鎖にシ リコーンを有する(メタ)アクリレート、ウレ ン結合を有する(メタ)アクリレート、末端 炭素数1~4のアルキル基であるポリオキシア キレン鎖を有する(メタ)アクリレート、アル キレンジ(メタ)アクリレート等。

 単量体(a)に基づく構成単位と単量体(b)に づく構成単位とのモル比((a)/(b))は、1以上で あり、1.2以上が好ましく、1.5以上が特に好ま しい。該比が1以上であることにより、動的 水性と風乾後撥水性の両方を兼ね備えるこ ができる。

 単量体(a)に基づく構成単位の割合は、動的 水性および風乾後撥水性の点から、全ての 量体に基づく構成単位(100質量%)のうち、5~60 質量%が好ましく、5~50質量%がより好ましく、 5~40質量%が特に好ましい。
 単量体(b)に基づく構成単位の割合は、動的 水性および風乾後撥水性の点から、全ての 量体に基づく構成単位(100質量%)のうち、0.1~ 30質量%が好ましく、0.1~25質量%がより好まし 、0.5~20質量%が特に好ましい。
 単量体(c)に基づく構成単位の割合は、全て 単量体に基づく構成単位(100質量%)のうち、 重合体(A)の疎水性を向上し、より優れた耐 撥水性を発現するという観点から、0質量% が好ましく、1~95質量%がより好ましく、5~80 量%がさらに好ましく、10~70質量%が特に好ま い。

 単量体(d)に基づく構成単位の割合は、全て 単量体に基づく構成単位(100質量%)のうち、0 ~80質量%が好ましく、動的撥水性、風乾後撥 性の点から、5~80質量%がより好ましく、10~70 量%が特に好ましい。
 単量体(e)に基づく構成単位の割合は、全て 単量体に基づく構成単位(100質量%)のうち、0 ~20質量%が好ましく、摩擦耐久性の点から、0. 1~15質量%がより好ましく、0.5~10質量%が特に好 ましい。
 単量体(f)に基づく構成単位の割合は、全て 単量体に基づく構成単位(100質量%)のうち、0 ~30質量%が好ましく、0~20質量%がより好ましい 。
 単量体(a)に基づく構成単位の割合が30質量% 上の場合、単量体(c)に基づく構成単位の割 /単量体(b)に基づく構成単位の割合の質量比 は、0~2が好ましく、0~1がより好ましい。
 単量体(a)に基づく構成単位の割合が30質量% 満の場合、単量体(c)に基づく構成単位の割 /単量体(b)に基づく構成単位の割合の質量比 は、0.05超30以下が好ましく、0.1超25以下がよ 好ましい。

 本発明における単量体に基づく構成単位 割合は、NMR(nuclear magnetic resonance)分析およ 元素分析から求める。なお、NMR分析および 素分析から求められない場合は、撥水撥油 組成物の製造時の単量体の仕込み量に基づ て算出してもよい。

 共重合体(A)の質量平均分子量(Mw)は、1000~100 が好ましく、3000~100万が特に好ましい。
 共重合体(A)の質量平均分子量(Mw)は、ゲルパ ーミエイションクロマトグラフィ(GPC)で測定 れる、ポリスチレン換算の分子量である。

(媒体)
 媒体としては、水、アルコール、グリコー 、グリコールエーテル、ハロゲン化合物、 化水素、ケトン、エステル、エーテル、窒 化合物、硫黄化合物、無機溶剤、有機酸等 挙げられる。なかでも、溶解性、取扱いの 易さの点から、水、アルコール、グリコー 、グリコールエーテルおよびグリコールエ テルからなる群から選ばれた1種以上の媒体 が好ましい。

 アルコールとしては、メタノール、エタ ール、1-プロパノール、2-プロパノール、1- タノール、2-ブタノール、2-メチルプロパノ ール、1,1-ジメチルエタノール、1-ペンタノー ル、2-ペンタノール、3-ペンタノール、2-メチ ル-1-ブタノール、3-メチル-1-ブタノール、1,1- ジメチルプロパノール、3-メチル-2-ブタノー 、1,2-ジメチルプロパノール、1-ヘキサノー 、2-メチル-1-ペンタノール、4-メチル-2-ペン タノール、2-エチル-1-ブタノール、1-へプタ ール、2-へプタノール、3-へプタノール、1,4- ブタンジオール等が挙げられる。

 グリコール、およびグリコールエーテル しては、エチレングリコール、エチレング コールモノメチルエーテル、エチレングリ ールモノエチルエーテル、エチレングリコ ルモノブチルエーテル、エチレングリコー モノメチルエーテルアセタート、エチレン リコールモノエチルエーテルアセタート、 チレングリコールモノブチルエーテルアセ ート、プロピレングリコール、グリコール ーテルとしては、プロピレングリコールモ メチルエーテル、プロピレングリコールモ エチルエーテル、プロピレングリコールジ チルエーテル、ジプロピレングリコール、 プロピレングリコールモノメチルエーテル ジプロピレングリコールジメチルエーテル ジプロピレングリコールモノエチルエーテ 、トリプロピレングリコール、トリプロピ ングリコールモノメチルエーテル、ポリプ ピレングリコール、ヘキシレングリコール が挙げられる。

 ハロゲン化合物としては、ハロゲン化炭化 素、ハロゲン化エーテル等が挙げられる。
 ハロゲン化炭化水素としては、ハイドロク ロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカ ボン、ハイドロブロモカーボン等が挙げら る。

 ハロゲン化エーテルとしては、ハイドロフ オロエーテル等が挙げられる。
 ハイドロフルオロエーテルとしては、分離 ハイドロフルオロエーテル、非分離型ハイ ロフルオロエーテル等が挙げられる。分離 ハイドロフルオロエーテルとは、エーテル 酸素原子を介してR F 基またはパーフルオロアルキレン基、および 、アルキル基またはアルキレン基が結合して いる化合物である。非分離型ハイドロフルオ ロエーテルとは、部分的にフッ素化されたア ルキル基またはアルキレン基を含むハイドロ フルオロエーテルである。

 炭化水素としては、脂肪族炭化水素、脂環 炭化水素、芳香族炭化水素等が挙げられる
 脂肪族炭化水素としては、ペンタン、2-メ ルブタン、3-メチルペンタン、ヘキサン、2,2 -ジメチルブタン、2,3-ジメチルブタン、ヘプ ン、オクタン、2,2,4-トリメチルペンタン、2 ,2,3-トリメチルヘキサン、デカン、ウンデカ 、ドデカン、2,2,4,6,6-ペンタメチルヘプタン 、トリデカン、テトラデカン、ヘキサデカン 等が挙げられる。
 脂環式炭化水素としては、シクロペンタン メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、 チルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサ 等が挙げられる。
 芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トル ン、キシレン等が挙げられる。

 ケトンとしては、アセトン、メチルエチル トン、2-ペンタノン、3-ペンタノン、2-ヘキ ノン、メチルイソブチルケトン等が挙げら る。
 エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチ 、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、乳酸 チル、乳酸エチル、乳酸ペンチル等が挙げ れる。
 エーテルとしては、ジイソプロピルエーテ 、ジオキサン、テトラヒドロフラン(以下、 THFと記す。)等が挙げられる。

 窒素化合物としては、ピリジン、N,N-ジメチ ルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド N-メチルピロリドン等が挙げられる。
 硫黄化合物としては、ジメチルスルホキシ 、スルホラン等が挙げられる。
 無機溶剤としては、液体二酸化炭素が挙げ れる。
 有機酸としては、酢酸、プロピオン酸、り ご酸、乳酸等が挙げられる。

 媒体は、1種を単独で用いてもよく、2種 上を混合して用いてもよい。媒体を2種以上 合して用いる場合、水と混合して用いるこ が好ましい。混合した媒体を用いることに り、共重合体(A)の溶解性、分散性の制御が やすく、加工時における物品に対する浸透 、濡れ性、溶媒乾燥速度等の制御がしやす 。

(界面活性剤)
 界面活性剤としては、炭化水素系界面活性 またはフッ素系界面活性剤が挙げられ、そ ぞれ、アニオン性界面活性剤、ノニオン性 面活性剤、カチオン性界面活性剤、または 性界面活性剤が挙げられる。
 界面活性剤としては、分散安定性の点から ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活 剤または両性界面活性剤との併用、または アニオン性界面活性剤の単独の使用が好ま く、ノニオン性界面活性剤とカチオン性界 活性剤との併用がより好ましい。
 ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活 剤との比(ノニオン性界面活性剤/カチオン 界面活性剤)は、97/3~40/60(質量比)が好ましく 90/3~40/60がより好ましく、85/3~40/60がさらに ましい。
 ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活 剤との特定の組み合わせにおいては、共重 体(A)(100質量%)に対する界面活性剤の合計量 、5質量%以下にできるため、物品の撥水性 の悪影響を低減できる。

 ノニオン性界面活性剤としては、界面活性 s 1 ~s 6 からなる群から選ばれる1種以上が好ましい

界面活性剤s 1 :
 界面活性剤s 1 は、ポリオキシアルキレンモノアルキルエー テル、ポリオキシアルキレンモノアルケニル エーテル、ポリオキシアルキレンモノアルカ ポリエニルエーテル、またはポリオキシアル キレンモノポリフルオロアルキルエーテルで ある。
 界面活性剤s 1 としては、ポリオキシアルキレンモノアルキ ルエーテル、ポリオキシアルキレンモノアル ケニルエーテル、またはポリオキシアルキレ ンモノポリフルオロアルキルエーテルが好ま しい。界面活性剤s 1 は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併 してもよい。

 アルキル基、アルケニル基、アルカポリエ ル基またはポリフルオロアルキル基(以下、 アルキル基、アルケニル基、アルカポリエニ ル基およびポリフルオロアルキル基をまとめ てR s 基と記す。)としては、炭素数が4~26の基が好 しい。R s 基は、直鎖状であってもよく、分岐状であっ てもよい。分岐状のR s 基としては、2級アルキル基、2級アルケニル または2級アルカポリエニル基が好ましい。 R s 基は、水素原子の一部または全てがフッ素原 子で置換されていてもよい。

 R s 基の具体例としては、オクチル基、ドデシル 基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、ステ アリル基(オクタデシル基)、ベヘニル基(ドコ シル基)、オレイル基(9-オクタデセニル基)、 プタデシルフルオロオクチル基、トリデシ フルオロヘキシル基、1H,1H,2H,2H-トリデシル ルオロオクチル基、1H,1H,2H,2H-ノナフルオロ キシル基等が挙げられる。

 ポリオキシアルキレン(以下、POAと記す。 )鎖としては、ポリオキシエチレン(以下、POE 記す。)鎖および/またはポリオキシプロピ ン(以下、POPと記す。)鎖が2個以上連なった が好ましい。POA鎖は、1種のPOA鎖からなる鎖 あってもよく、2種以上のPOA鎖からなる鎖で あってもよい。2種以上のPOA鎖からなる場合 各POA鎖はブロック状に連結されることが好 しい。

 界面活性剤s 1 としては、化合物(s 11 )がより好ましい。
 R 10 O[CH 2 CH(CH 3 )O] s -(CH 2 CH 2 O) r H ・・・(s 11 )。
 ただし、R 10 は、炭素数が8以上のアルキル基または炭素 が8以上のアルケニル基であり、rは、5~50の 数であり、sは、0~20の整数である。R 10 は、水素原子の一部がフッ素原子に置換され ていてもよい。

 rが5以上であれば、水に可溶となり、水系 体中に均一に溶解するため、撥水撥油剤組 物の物品への浸透性が良好となる。rが50以 であれば、親水性が抑えられ、撥水性が良 となる。
 sが20以下であれば、水に可溶となり、水系 体中に均一に溶解するため、撥水撥油剤組 物の物品への浸透性が良好となる。

 rおよびsが2以上である場合、POE鎖とPOP鎖と ブロック状に連結される。
 R 10 としては、直鎖状または分岐状のものが好ま しい。
 rは、10~30の整数が好ましい。
 sは、0~10の整数が好ましい。

 化合物(s 11 )としては、下記の化合物が挙げられる。た し、POE鎖とPOP鎖とはブロック状に連結され 。
 C 18 H 37 O[CH 2 CH(CH 3 )O] 2 -(CH 2 CH 2 O) 30 H、
 C 18 H 35 O-(CH 2 CH 2 O) 30 H、
 C 16 H 33 O[CH 2 CH(CH 3 )O] 5 -(CH 2 CH 2 O) 20 H、
 C 12 H 25 O[CH 2 CH(CH 3 )O] 2 -(CH 2 CH 2 O) 15 H、
 (C 8 H 17 )(C 6 H 13 )CHO-(CH 2 CH 2 O) 15 H、
 C 10 H 21 O[CH 2 CH(CH 3 )O] 2 -(CH 2 CH 2 O) 15 H、
 C 6 F 13 CH 2 CH 2 O-(CH 2 CH 2 O) 15 H、
 C 6 F 13 CH 2 CH 2 O[CH 2 CH(CH 3 )O] 2 -(CH 2 CH 2 O) 15 H、
 C 4 F 9 CH 2 CH 2 O[CH 2 CH(CH 3 )O] 2 -(CH 2 CH 2 O) 15 H。

界面活性剤s 2 :
 界面活性剤s 2 は、分子中に1個以上の炭素-炭素三重結合お び1個以上の水酸基を有する化合物からなる ノニオン性界面活性剤である。
 界面活性剤s 2 としては、分子中に1個の炭素-炭素三重結合 および1個または2個の水酸基を有する化合 からなるノニオン性界面活性剤が好ましい
 界面活性剤s 2 は、分子中にPOA鎖を有してもよい。POA鎖とし ては、POE鎖、POP鎖、POE鎖とPOP鎖とがランダム 状に連結された鎖、またはPOE鎖とPOP鎖とがブ ロック状に連結された鎖が挙げられる。

 界面活性剤s 2 としては、化合物(s 21 )~(s 24 )が好ましい。
 HO-C(R 11 )(R 12 )-C≡C-(CR 13 )(R 14 )-OH ・・・(s 21 )、
 HO-(A 1 O) u -(CR 11 )(R 12 )-C≡C-C(R 13 )(R 14 )-(OA 2 ) v -OH ・・・(s 22 )、
 HO-C(R 15 )(R 16 )-C≡C-H ・・・(s 23 )、
 HO-(A 3 O) w -C(R 15 )(R 16 )-C≡C-H ・・・(s 24 )。

 A 1 ~A 3 は、それぞれ独立にアルキレン基である。
 uおよびvは、それぞれ0以上の整数であり、( u+v)は、1以上の整数である。
 wは、1以上の整数である。
 u、v、wが、それぞれ2以上である場合、A 1 ~A 3 は、それぞれ同一であってもよく、異なって いてもよい。
 POA鎖としては、POE鎖、POP鎖、またはPOE鎖とP OP鎖とを含む鎖が好ましい。POA鎖の繰り返し 位の数は、1~50が好ましい。

 R 11 ~R 16 は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル 基である。
 アルキル基としては、炭素数が1~12のアルキ ル基が好ましく、炭素数が1~4のアルキル基が より好ましい。アルキル基としては、メチル 基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソ ブチル基等が挙げられる。

 化合物(s 22 )としては、化合物(s 25 )が好ましい。

 ただし、xおよびyは、それぞれ0~100の整数で ある。
 化合物(s 25 )は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併 用してもよい。
 化合物(s 25 )としては、xおよびyが0である化合物、xとyと の和が平均1~4である化合物、またはxとyとの が平均10~30である化合物が好ましい。

界面活性剤s 3 :
 界面活性剤s 3 は、POE鎖と、炭素数が3以上のオキシアルキ ンが2個以上連続して連なったPOA鎖とが連結 、かつ両末端が水酸基である化合物からな ノニオン性界面活性剤である。
 該POA鎖としては、ポリオキシテトラメチレ (以下、POTと記す。)および/またはPOP鎖が好 しい。

 界面活性剤s 3 としては、化合物(s 31 )または化合物(s 32 )が好ましい。
 HO(CH 2 CH 2 O) g1 (C 3 H 6 O) t (CH 2 CH 2 O) g2 H ・・・(s 31 )、
 HO(CH 2 CH 2 O) g1 (CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 O) t (CH 2 CH 2 O) g2 H ・・・(s 32 )。

 g1は、0~200の整数である。
 tは、2~100の整数である。
 g2は、0~200の整数である。
 g1が0の場合、g2は、2以上の整数である。g2 0の場合、g1は、2以上の整数である。
 -C 3 H 6 O-は、-CH(CH 3 )CH 2 O-であってもよく、-CH 2 CH(CH 3 )O-であってもよく、-CH(CH 3 )CH 2 O-と-CH 2 CH(CH 3 )O-とが混在したものであってもよい。
 POA鎖は、ブロック状である。

 界面活性剤s 3 としては、下記の化合物が挙げられる。
 HO-(CH 2 CH 2 O) 15 -(C 3 H 6 O) 35 -(CH 2 CH 2 O) 15 H、
 HO-(CH 2 CH 2 O) 8 -(C 3 H 6 O) 35 -(CH 2 CH 2 O) 8 H、
 HO-(CH 2 CH 2 O) 45 -(C 3 H 6 O) 17 -(CH 2 CH 2 O) 45 H、
 HO-(CH 2 CH 2 O) 34 -(CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 O) 28 -(CH 2 CH 2 O) 34 H。

界面活性剤s 4 :
 界面活性剤s 4 は、分子中にアミンオキシド部分を有するノ ニオン性界面活性剤である。
 界面活性剤s 4 としては、化合物(s 41 )が好ましい。
 (R 17 )(R 18 )(R 19 )N(→O) ・・・(s 41 )。

 R 17 ~R 19 は、それぞれ独立に1価炭化水素基である。
 本発明においては、アミンオキシド(N→O)を 有する界面活性剤をノニオン性界面活性剤と して扱う。
 化合物(s 41 )は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併 用してもよい。

 化合物(s 41 )としては、共重合体(A)の分散安定性の点か 、化合物(s 42 )が好ましい。
 (R 20 )(CH 3 ) 2 N(→O) ・・・(s 42 )。

 R 20 は、炭素数が6~22のアルキル基、炭素数が6~22 アルケニル基、炭素数が6~22のアルキル基が 結合したフェニル基、炭素数が6~22のアルケ ル基が結合したフェニル基、または炭素数 6~13のフルオロアルキル基である。R 20 としては、炭素数が8~22のアルキル基、炭素 が8~22のアルケニル基、炭素数が4~9のポリフ オロアルキル基が好ましい。

 化合物(s 42 )としては、下記の化合物が挙げられる。
 [H(CH 2 ) 12 ](CH 3 ) 2 N(→O)、
 [H(CH 2 ) 14 ](CH 3 ) 2 N(→O)、
 [H(CH 2 ) 16 ](CH 3 ) 2 N(→O)、
 [H(CH 2 ) 18 ](CH 3 ) 2 N(→O)、
 [F(CF 2 ) 6 (CH 2 ) 2 ](CH 3 ) 2 N(→O)、
 [F(CF 2 ) 4 (CH 2 ) 2 ](CH 3 ) 2 N(→O)。

界面活性剤s 5 :
 界面活性剤s 5 は、ポリオキシエチレンモノ(置換フェニル) ーテルの縮合物またはポリオキシエチレン ノ(置換フェニル)エーテルからなるノニオ 性界面活性剤である。
 置換フェニル基としては、1価炭化水素基で 置換されたフェニル基が好ましく、アルキル 基、アルケニル基またはスチリル基で置換さ れたフェニル基がより好ましい。

 界面活性剤s 5 としては、ポリオキシエチレンモノ(アルキ フェニル)エーテルの縮合物、ポリオキシエ レンモノ(アルケニルフェニル)エーテルの 合物、ポリオキシエチレンモノ(アルキルフ ニル)エーテル、ポリオキシエチレンモノ( ルケニルフェニル)エーテル、またはポリオ シエチレンモノ[(アルキル)(スチリル)フェ ル〕エーテルが好ましい。

 ポリオキシエチレンモノ(置換フェニル) ーテルの縮合物またはポリオキシエチレン ノ(置換フェニル)エーテルとしては、ポリオ キシエチレンモノ(ノニルフェニル)エーテル ホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチ ンモノ(ノニルフェニル)エーテル、ポリオ シエチレンモノ(オクチルフェニル)エーテル 、ポリオキシエチレンモノ(オレイルフェニ )エーテル、ポリオキシエチレンモノ[(ノニ )(スチリル)フェニル]エーテル、ポリオキシ チレンモノ[(オレイル)(スチリル)フェニル] ーテル等が挙げられる。

界面活性剤s 6 :
 界面活性剤s 6 は、ポリオールの脂肪酸エステルからなるノ ニオン性界面活性剤である。
 ポリオールとは、グリセリン、ソルビタン ソルビット、ポリグリセリン、ポリエチレ グリコール、ポリオキシエチレングリセリ エーテル、ポリオキシエチレンソルビタン ーテル、ポリオキシエチレンソルビットエ テルを表わす。

 界面活性剤s 6 としては、ステアリン酸とポリエチレングリ コールとの1:1(モル比)エステル、ソルビット ポリエチレングリコールとのエーテルとオ イン酸とのl:4(モル比)エステル、ポリオキ エチレングリコールとソルビタンとのエー ルとステアリン酸との1:1(モル比)エステル、 ポリエチレングリコールとソルビタンとのエ ーテルとオレイン酸との1:1(モル比)エステル ドデカン酸とソルビタンとの1:1(モル比)エ テル、オレイン酸とデカグリセリンとの1:1 たは2:1(モル比)エステル、ステアリン酸とデ カグリセリンとの1:1または2:1(モル比)エステ が挙げられる。

界面活性剤s 7 :
 界面活性剤がカチオン性界面活性剤を含む 合、該カチオン性界面活性剤としては、界 活性剤s 7 が好ましい。
 界面活性剤s 7 は、置換アンモニウム塩形のカチオン性界面 活性剤である。

 界面活性剤s 7 としては、窒素原子に結合する水素原子の1 以上が、アルキル基、アルケニル基または 端が水酸基であるPOA鎖で置換されたアンモ ウム塩が好ましく、化合物(s 71 )がより好ましい。
 [(R 21 ) 4 N + ]・X -  ・・・(s 71 )。

 R 21 は、水素原子、炭素数が1~22のアルキル基、 素数が2~22のアルケニル基、炭素数が1~9のフ オロアルキル基、または末端が水酸基であ POA鎖である。4つのR 21 は、同一であってもよく、異なっていてもよ いが、4つのR 21 は同時に水素原子ではない。
 R 21 としては、炭素数が6~22の長鎖アルキル基、 素数が6~22の長鎖アルケニル基、または炭素 が1~9のフルオロアルキル基が好ましい。
 R 21 が長鎖アルキル基以外のアルキル基の場合、 R 21 としては、メチル基またはエチル基が好まし い。
 R 21 が、末端が水酸基であるPOA鎖の場合、POA鎖と しては、POE鎖が好ましい。

 X - は、対イオンである。
 X - としては、塩素イオン、エチル硫酸イオン、 または酢酸イオンが好ましい。

 化合物(s 71 )としては、モノステアリルトリメチルアン ニウムクロリド、モノステアリルジメチル ノエチルアンモニウムエチル硫酸塩、モノ( テアリル)モノメチルジ(ポリエチレングリ ール)アンモニウムクロリド、モノフルオロ キシルトリメチルアンモニウムクロリド、 (牛脂アルキル)ジメチルアンモニウムクロ ド、ジメチルモノココナッツアミン酢酸塩 が挙げられる。

界面活性剤s 8 :
 界面活性剤が両性界面活性剤を含む場合、 両性界面活性剤としては、界面活性剤s 8 が好ましい。
 界面活性剤s 8 は、アラニン類、イミダゾリニウムベタイン 類、アミドベタイン類または酢酸ベタインで ある。

 疎水基としては、炭素数が6~22の長鎖アルキ ル基、炭素数が6~22の長鎖アルケニル基、ま は炭素数が1~9のフルオロアルキル基が好ま い。
 界面活性剤s 8 としては、ドデシルベタイン、ステアリルベ タイン、ドデシルカルボキシメチルヒドロキ シエチルイミダゾリニウムベタイン、ドデシ ルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミ ドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が 挙げられる。

界面活性剤s 9 :
 界面活性剤として、界面活性剤s 9 を用いてもよい。
 界面活性剤s 9 は、親水性単量体と炭化水素系疎水性単量体 および/またはフッ素系疎水性単量体との、 ロック共重合体、ランダム共重合体、また 親水性共重合体の疎水性変性物からなる高 子界面活性剤である。

 界面活性剤s 9 としては、ポリエチレングリコール(メタ)ア リレートと長鎖アルキルアクリレートとの ロックまたはランダム共重合体、ポリエチ ングリコール(メタ)アクリレートとフルオ (メタ)アクリレートとのブロックまたはラン ダム共重合体、酢酸ビニルと長鎖アルキルビ ニルエーテルとのブロックまたはランダム共 重合体、酢酸ビニルと長鎖アルキルビニルエ ステルとのブロックまたはランダム共重合体 、スチレンと無水マレイン酸との重合物、ポ リビニルアルコールとステアリン酸との縮合 物、ポリビニルアルコールとステアリルメル カプタンとの縮合物、ポリアリルアミンとス テアリン酸との縮合物、ポリエチレンイミン とステアリルアルコールとの縮合物、メチル セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル ロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース 等が挙げられる。

 界面活性剤s 9 の市販品としては、クラレ社製のMPポリマー( 商品番号:MP-103、MP-203)、エルフアトケム社製 SMAレジン、信越化学社製のメトローズ、日 触媒社製のエポミンRP、セイミケミカル社 のサーフロン(商品番号:S-381、S-393)等が挙げ れる。

 界面活性剤s 9 としては、媒体が有機溶剤の場合または有機 溶剤の混合比率が多い場合、界面活性剤s 91 が好ましい。
 界面活性剤s 91 :親油性単量体とフッ素系単量体とのブロッ 共重合体またはランダム共重合体(そのポリ ルオロアルキル変性体)からなる高分子界面 活性剤。

 界面活性剤s 91 としては、アルキルアクリレートとフルオロ (メタ)アクリレートとの共重合体、アルキル ニルエーテルとフルオロアルキルビニルエ テルとの共重合体等が挙げられる。
 界面活性剤s 91 の市販品としては、セイミケミカル社製のサ ーフロン(商品番号:S-383、SC-100シリーズ)が挙 られる。

 界面活性剤の組み合わせとしては、撥水撥 剤組成物の撥水性、耐久性に優れる点、得 れた乳化液の安定性の点から、界面活性剤s 1 と界面活性剤s 2 と界面活性剤s 7 との組み合わせ、または界面活性剤s 1 と界面活性剤s 3 と界面活性剤s 7 との組み合わせ、または界面活性剤s 1 と界面活性剤s 2 と界面活性剤s 3 と界面活性剤s 7 との組み合わせが好ましく、界面活性剤s 7 が化合物(s 71 )である上記の組み合わせがより好ましい。
 界面活性剤の合計量は、共重合体(A)(100質量 部)に対して1~10質量部が好ましく、1~7質量部 より好ましい。

(添加剤)
 添加剤としては、浸透剤、消泡剤、吸水剤 帯電防止剤、制電性重合体、防皺剤、風合 調整剤、造膜助剤、水溶性高分子(ポリアク リルアミド、ポリビニルアルコール等。)、 硬化剤(メラミン樹脂、ウレタン樹脂、トリ ジン環含有化合物、イソシアネート系化合 等。)、エポキシ硬化剤(イソフタル酸ジヒ ラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバチ 酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジ 、1,6-ヘキサメチレンビス(N,N-ジメチルセミ ルバジド)、1,1,1’,1’-テトラメチル-4,4’-( チレン-ジ-パラ-フェニレン)ジセミカルバジ 、スピログリコール等。)、熱硬化触媒、架 橋触媒、合成樹脂、繊維安定剤、無機微粒子 等が挙げられる。

 また、本発明の撥水撥油剤組成物は、必 に応じて、共重合体(A)以外の、撥水性およ /または撥油性を発現できる共重合体(たと ば、市販の撥水剤、市販の撥油剤、市販の 水撥油剤、市販のSR(soil release)剤等。)、フ 素原子を有さない撥水性化合物等を含んで てもよい。フッ素原子を有さない撥水性化 物としては、パラフィン系化合物、脂肪族 マイド系化合物、アルキルエチレン尿素化 物、シリコーン系化合物等が挙げられる。

(撥水撥油剤組成物の製造方法)
 本発明の撥水撥油剤組成物は、下記(i)また (ii)の方法で製造される。
 (i)界面活性剤、および重合開始剤の存在下 媒体中にて単量体(a)および単量体(b)を含み 必要に応じて単量体(c)~(f)を含む単量体混合 物を重合して共重合体(A)の溶液、分散液また はエマルションを得た後、必要に応じて、他 の媒体、他の界面活性剤、添加剤等を加える 方法。
 (ii)界面活性剤、および重合開始剤の存在下 、媒体中にて単量体(a)および単量体(b)を含み 、必要に応じて単量体(c)~(f)を含む単量体混 物を重合して共重合体(A)の溶液、分散液ま はエマルションを得た後、共重合体(A)を分 し、共重合体(A)に媒体、界面活性剤、必要 応じて添加剤等を加える方法。

 重合法としては、分散重合法、乳化重合法 懸濁重合法等が挙げられ、乳化重合が好ま い。また、一括重合であってもよく、多段 合であってもよい。
 撥水撥油剤組成物の製造方法としては、界 活性剤および重合開始剤の存在下、単量体( a)および単量体(b)を含み、必要に応じて単量 (c)~(f)を含む単量体混合物を乳化重合して共 重合体(A)のエマルションを得る方法が好まし い。
 共重合体の収率が向上する点から、乳化重 の前に、単量体、界面活性剤および水系媒 からなる混合物を前乳化することが好まし 。たとえば、単量体、界面活性剤および水 媒体からなる混合物を、ホモミキサーまた 高圧乳化機で混合分散する。

 重合開始剤としては、熱重合開始剤、光重 開始剤、放射線重合開始剤、ラジカル重合 始剤、イオン性重合開始剤等が挙げられ、 溶性または油溶性のラジカル重合開始剤が ましい。
 ラジカル重合開始剤としては、アゾ系重合 始剤、過酸化物系重合開始剤、レドックス 開始剤等の汎用の開始剤が、重合温度に応 て用いられる。ラジカル重合開始剤として 、アゾ系化合物が特に好ましく、水系媒体 で重合を行う場合、アゾ系化合物の塩がよ 好ましい。重合温度は20~150℃が好ましい。
 重合開始剤の添加量は、単量体混合物の100 量部に対して、0.1~5質量部が好ましく、0.1~3 質量部がより好ましい。

 単量体混合物の重合の際には、分子量調整 を用いてもよい。分子量調整剤としては、 香族系化合物、メルカプトアルコール類ま はメルカプタン類が好ましく、アルキルメ カプタン類が特に好ましい。分子量調整剤 しては、メルカプトエタノール、n-オクチ メルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、t- デシルメルカプタン、ステアリルメルカプ ン、α-メチルスチレンダイマ(CH 2 =C(Ph)CH 2 C(CH 3 ) 2 Ph、Phはフェニル基である。)等が挙げられる
 分子量調整剤の添加量は、単量体混合物の1 00質量部に対して、0.01~5質量部が好ましく、0 .1~3質量部がより好ましい。

 また、ジエチレングリコールビス(3-メル プトブチレート)、ペンタエリスリトールテ トラキス(3-メルカプトブチレート)、2,4,6-ト メルカプトトリアジン、1,3,5-トリス(3-メル プトブチルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2, 4,6(1H,3H,5H)-トリオン等の多官能メルカプト化 物の存在下で、単量体混合物を重合しても い。

 単量体(a)と単量体(b)とのモル比((a)/(b))は 1以上であり、1.2以上が好ましく、1.5以上が 特に好ましい。該比が1以上であることによ 、動的撥水性と風乾後撥水性の両方を兼ね えることができる。

 単量体(a)の割合は、動的撥水性および風乾 撥水性の点から、単量体混合物(100質量%)の ち、5~60質量%が好ましく、5~50質量%がより好 ましく、5~40質量%が特に好ましい。
 単量体(b)の割合は、動的撥水性および風乾 撥水性の点から、単量体混合物(100質量%)の ち、0.1~30質量%が好ましく、0.1~25質量%がよ 好ましく、0.5~20質量%が特に好ましい。
 単量体(c)の割合は、単量体混合物(100質量%) うち、共重合体(A)の疎水性を向上し、より れた耐久撥水性を発現するという観点から 0質量%超が好ましく、1~95質量%がより好まし く、5~80質量%がさらに好ましく、10~70質量%が に好ましい。

 単量体(d)の割合は、単量体混合物(100質量%) うち、0~80質量%が好ましく、動的撥水性、 乾後撥水性の点から、5~80質量%がより好まし く、10~70質量%が特に好ましい。
 単量体(e)の割合は、単量体混合物(100質量%) うち、0~20質量%が好ましく、摩擦耐久性の から、0.1~15質量%がより好ましく、0.5~10質量% が特に好ましい。
 単量体(f)の割合は、単量体混合物(100質量%) うち、0~30質量%が好ましく、0~20質量%がより 好ましい。
 単量体(a)の割合が30質量%以上の場合、単量 (c)の割合/単量体(b)の割合の質量比は、0~2が 好ましく、0~1がより好ましい。
 単量体(a)の割合が30質量%未満の場合、単量 (c)の割合/単量体(b)の割合の質量比は、0.05 30以下が好ましく、0.1超25以下がより好まし 。

 本発明の撥水撥油剤組成物は、共重合体( A)が媒体中に粒子として分散していることが ましい。共重合体(A)の平均粒子径は、10~1000 nmが好ましく、10~300nmがより好ましく、10~250nm が特に好ましい。平均粒子径が該範囲であれ ば、界面活性剤、分散剤等を多量に用いる必 要がなく、撥水性が良好であり、染色された 布帛類を処理した場合に色落ちが発生せず、 媒体中で分散粒子が安定に存在できて沈降す ることがない。共重合体(A)の平均粒子径は、 動的光散乱装置、電子顕微鏡等により測定で きる。

 エマルションの固形分濃度は、撥水撥油 組成物の製造直後は、エマルション(100質量 %)中、20~40質量%が好ましい。なお、該固形分 度は、共重合体(A)の他、乳化剤も含む濃度 ある。エマルションにおける共重合体(A)の 有割合は、撥水撥油剤組成物の製造直後は 18~40質量%が好ましい。

 本発明の撥水撥油剤組成物の固形分濃度は 物品の処理時は、撥水撥油剤組成物(100質量 %)中、0.2~5質量%が好ましい。
 エマルションまたは撥水撥油剤組成物の固 分濃度は、加熱前のエマルションまたは撥 撥油剤組成物の質量と、120℃の対流式乾燥 にて4時間乾燥した後の質量とから計算され る。

 以上説明した本発明の撥水撥油剤組成物 あっては、単量体(a)に基づく構成単位と単 体(b)に基づく構成単位とを有し、かつ単量 (a)に基づく構成単位の割合の多い共重合体( A)を含むため、物品の表面に充分な動的撥水 および風乾後撥水性を付与できる。

 また、本発明の撥水撥油剤組成物にあって 、単量体(c)に基づく構成単位を有さない場 、または、単量体(c)として化合物(1)を用い 場合、または、炭素数が8以上のR F 基を有する場合であっても共重合体(A)の精製 度合いと重合反応の度合い(conversion)が極めて 高い場合は、環境への影響が指摘されている 、パーフルオロオクタン酸(PFOA)やパーフルオ ロオクタンスルホン酸(PFOS)およびその前駆体 、類縁体の含有量(固形分濃度20%とした場合 含有量)を特願2007-333564に記載の方法によるLC -MS/MS(高速液体クロマトグラフ質量分析計)の 析値として検出限界以下にすることができ 。

<物品>
 本発明の撥水撥油剤組成物は、物品の撥水 油処理に用いられる。
 本発明の撥水撥油剤組成物で処理される物 としては、繊維(天然繊維、合成繊維、混紡 繊維等。)、各種繊維製品、不織布、樹脂、 、皮革、金属、石、コンクリート、石膏、 ラス等が挙げられる。

 処理方法としては、たとえば、公知の塗工 法によって物品に撥水撥油剤組成物を塗布 たは含浸した後、乾燥する方法が挙げられ 。
 さらに、帯電防止加工、柔軟加工、抗菌加 、消臭加工、防水加工等を行ってもよい。
 防水加工としては、防水膜を付与する加工 挙げられる。防水膜としては、ウレタン樹 やアクリル樹脂から得られる多孔質膜、ウ タン樹脂やアクリル樹脂から得られる無孔 膜、ポリテトラフルオロエチレン膜、また これらを組み合わせた透湿防水膜が挙げら る。

 本発明の撥水撥油剤組成物を用いて物品 処理すると、高品位な撥水撥油性を物品に 与できる。また、基材表面への接着性に優 、低温でのキュアリングでも撥水撥油性を 与できる。また、摩擦や洗濯による性能の 下が少なく、加工初期の性能を安定して維 できる。また、紙へ処理した場合は、低温 乾燥条件でも、優れたサイズ性、撥水撥油 を紙に付与できる。樹脂、ガラスまたは金 表面などに処理した場合には、物品への密 性が良好で造膜性に優れた撥水撥油性皮膜 形成できる。

 以下、実施例によって本発明を詳細に説明 るが、本発明はこれらに限定されない。
 例2、3、5~7、9~12、および15~22は実施例であ 、例1、4、8、14、および23は比較例であり、 13は参考例である。

<共重合体の物性>
 下記の回収方法にて回収された共重合体に いて、分子量の測定を行った。
(回収方法)
 以下に記載の例1~23において得られたエマル ションの6gを、2-プロパノール(以下、IPAと記 。)の60gに滴下し、撹拌して固体を析出させ た。3000rpmで5分間遠心分離した後、得られた 体をデカントした。再度、IPAの12gを加えて く撹拌した。3000rpmで5分間遠心分離した後 得られた固体を上澄み液から分離し、35℃で 一晩真空乾燥して共重合体を得た。

(分子量)
 回収した共重合体を、0.5質量%のTHF溶液とし 、0.45μmのフィルタに通し、分析サンプルと た。該サンプルについて、数平均分子量(Mn) よび質量平均分子量(Mw)を測定した。測定条 件は下記のとおりである。

 装置:東ソー社製、HLC-8220GPC、
 カラム:TSKgel superHZ4000、superHZ3000、superHZ2500 superHZ2000の4種類を直列でつなげたものであ 。
 測定温度:40℃、
 注入量:40μL、
 流出速度:0.35mL/分、
 溶離液:THF、
 標準試料:Polymer laboratories社製、EasiCal PS-2

<試験布の評価>
(撥水性)
 試験布について、JIS L1092-1992のスプレー試 にしたがって撥水性を評価した。撥水性は 1~5の5段階の等級で表した。点数が大きいほ ど撥水性が良好であることを示す。3等級以 であるものを撥水性が発現しているものと なす。等級に+(-)を記したものは、当該等級 標準的なものと比べてそれぞれの性質がわ かに良い(悪い)ことを示す。

(洗濯耐久性)
 試験布について、JIS L0217別表103の水洗い法 にしたがって、洗濯を20回繰り返した。洗濯 、室温25℃、湿度60%の部屋で一晩風乾させ 後、前記撥水性を評価した。

(撥油性)
 試験布について、AATCC-TM118-1966の試験方法に したがって撥油性を評価した。撥油性は、表 1に示す等級で表した。等級に+(-)を記したも は、それぞれの性質がわずかに良い(悪い) とを示す。

(動的撥水性)
 試験布について、JIS L1092(C)法に記載の方法 (ブンデスマン試験)にしたがって、降雨量を1 00cc/分、降雨水温を20℃、降雨時間10分とする 条件で降雨させ、撥水性を評価した。撥水性 は、1~5の5段階の等級で表した。点数が大き ほど撥水性が良好であることを示す。3等級 上であるものを撥水性が発現しているもの みなす。等級に+(-)を記したものは、それぞ れの性質がわずかに良い(悪い)ことを示す。

(洗濯耐久性)
 試験布について、JIS L0217別表103の水洗い法 にしたがって、洗濯を5回または20回繰り返し た。洗濯後、室温25℃、湿度50%の部屋で一晩 乾させた後、前記動的撥水性を評価した。

(機械的安定性)
 撥水撥油剤組成物の250gを温浴槽で30℃に加 し、ホモミキサー(日本精機製作所社製、バ イオミキサー)を用いて3000rpmで5分間攪拌した 後、茶色ドスキン布にてろ過した。ドスキン 布の表面に残った痕跡を観察した。痕跡のな いものを5点とし、1点までの5段階で評価した 。点数が低いほど機械的安定性が悪いことを 示す。

(夾雑物安定性)
 撥水撥油剤組成物の250gに、スミカロンレッ ドSE-RPD(住化ケムテックス社製、表中:分散染 R)を、濃度が0.05g/Lとなるように添加した。 液を、温浴槽で30℃に加温し、ホモミキサ (日本精機製作所社製、バイオミキサー)を用 いて3000rpmで5分間攪拌した後、茶色ドスキン にてろ過した。ドスキン布の表面に残った 跡を観察した。痕跡のないものを5点とし、 1点までの5段階で評価した。点数が低いほど 雑物安定性が悪いことを示す。
 スミカロンレッドSE-RPDを、ナイロサンブル N-BLN(クラリアント社製、表中:酸性染料B)に 更し、同様にして夾雑物安定性を評価した

(略号)
単量体(a):
 VCM:塩化ビニル。

単量体(b):
 HBVE:4-ヒドロキシブチルビニルエーテル。

単量体(c):
 CmFA:F(CF 2 ) m CH 2 CH 2 OC(O)CH=CH 2 (mが6~16の混合物であり、mが8以上のものが99 量%以上であり、mの平均値は9である。)、
 C6FMA:C 6 F 13 C 2 H 4 OC(O)C(CH 3 )=CH 2

単量体(a):
 BeA:ベヘニルアクリレート、
 STA:ステアリルアクリレート。

単量体(d):
 HEMA:2-ヒドロキシエチルメタクリレート、
 D-BI:2-イソシアネートエチルメタクリレート の3,5-ジメチルピラゾール付加体(下式(5))、
 NMAM:N-メチロールアクリルアミド。

単量体(f):
 VdCl:塩化ビニリデン、
 DOM:ジオクチルマレエート。

界面活性剤s 1 :
 PEO-20:ポリオキシエチレンオレイルエーテル (花王社製、エマルゲンE430、エチレンオキシ 約26モル付加物。)の10質量%水溶液、
 SFY465:2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオ ルエチレンオキシド付加物(日信化学工業社 、サーフィノール465、エチレンオキシド付 モル数10)の10質量%水溶液。

界面活性剤s 7 :
 TMAC:トリメチルアンモニウムクロリド(ライ ン社製、アーカード18-63)の10質量%水溶液。

界面活性剤s 3 :
 P-204:エチレンオキシドプロピレンオキシド 合物(日本油脂社製、プロノン204、エチレン オキシドの割合は40質量%。)の10質量%水溶液

分子量調整剤:
 nDOSH:n-ドデシルメルカプタン。

重合開始剤:
 VA-061A:2,2'-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル )プロパン](和光純薬社製、VA-061)の酢酸塩の10 質量%水溶液。

媒体:
 DPG:ジプロピレングリコール、
 BD:1,4-ブタンジオール、
 水:イオン交換水。

〔例1〕
 ガラス製ビーカーに、BeAの121.93g、HBVEの16.10 g、nDOSHの2.30g、PEO-20の57.52g、SFY465の11.50g、TMAC の11.50g、DPGの69.02g、および水の356.60gを入れ 60℃で30分間加温した後、ホモミキサー(日本 精機製作所社製、バイオミキサー)を用いて 合して混合液を得た。

 得られた混合液を、60℃に保ちながら高 乳化機(APVラニエ社製、ミニラボ)を用いて、 40MPaで処理して乳化液を得た。得られた乳化 をステンレス製反応容器に入れ、40℃以下 なるまで冷却した。次いで、VA-061Aの10.74gを えて、気相を窒素置換した後、VCMの85.89gを 入し、撹拌しながら60℃で15時間重合反応を 行い、共重合体のエマルションを得た。各単 量体に基づく構成単位の割合を表4に示す。

〔例2~22〕
 各原料の仕込み量を表2および表3に示す量 変更した以外は、例1と同様にして共重合体 エマルションを得た。各単量体に基づく構 単位の割合を表4および表5に示す。
例16および19の共重合体については、分子量 測定を行った。回収率、共重合体の分子量 表6に示す。

〔例23〕
 ガラス製ビーカーに、C6FMAの184.05g、HEMAの2.3 0g、nDOSHの2.30g、PEO-20の57.52g、SFY465の11.50g、TMA Cの11.50g、DPGの69.02g、および水の356.60gを入れ 55℃で30分間加温した後、ホモミキサー(日 精機製作所社製、バイオミキサー)を用いて 合して混合液を得た。

 得られた混合液を、50℃に保ちながら高 乳化機(APVラニエ社製、ミニラボ)を用いて、 40MPaで処理して乳化液を得た。得られた乳化 をガラス製反応器に入れ、30℃以下に冷却 た。次いで、VdClの40.80g、およびVA-061Aの10.74g を加えて、気相を窒素置換した後、撹拌しな がら65℃で15時間重合反応を行い、共重合体 エマルションを得た。各単量体に基づく構 単位の割合を表5に示す。

<試験布の評価>
 例1~23の共重合体のエマルションを蒸留水で 希釈し、固形分濃度を1.0質量%に調整した後 熱硬化剤であるトリメチロールメラミン樹 (DIC社製、ベッカミンM-3)および熱硬化触媒で ある有機アミン塩触媒(DIC社製、キャタリス ACX)を、それぞれの濃度が0.3質量%となるよう に添加し、さらに、併用助剤であるブロック ドイソシアネート(明成化学工業社製、メー ネートTP-10)を、濃度が0.75質量%となるように 添加し、撥水撥油剤組成物を得た。

 撥水撥油剤組成物に、染色済みナイロン または染色済みポリエステル布を浸漬し、 ェットピックアップがそれぞれ42質量%、95 量%となるように絞った。これを110℃で90秒 乾燥した後、170℃で60秒間乾燥したものを試 験布とした。該試験布について、撥水性(風 後撥水性)、撥油性、動的撥水性を評価した 結果を表7および表8に示す。例19の撥水撥油 剤組成物については、機械的安定性、夾雑物 安定性も評価した。結果を表9に示す。

 本発明の撥水撥油剤組成物は、繊維製品(衣 料物品(スポーツウェア、コート、ブルゾン 作業用衣料、ユニフォーム等。)、かばん、 業資材等。)、不織布、皮革製品、石材、コ ンクリート系建築材料、等の撥水撥油剤とし て有用である。また、濾過材料用コーティン グ剤、表面保護剤として有用である。さらに 、ポリプロピレン、ナイロン等と混合して成 形、繊維化することにより撥水撥油性を付与 する用途にも有用である。

 なお、2008年10月24日に出願された日本特許 願2008-274756号の明細書、特許請求の範囲、及 び要約書の全内容をここに引用し、本発明の 明細書の開示として、取り入れるものである 。




 
Previous Patent: SULFONE COMPOUND

Next Patent: RADIAL TURBINE SCROLL STRUCTURE