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Title:
WATER-SOLUBLE COPOLYMER AND AQUEOUS DISPERSING AGENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/120585
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a water-soluble copolymer which enables to sufficiently disperse a dispersoid element having an extremely small particle size and is suitable as an aqueous dispersing agent for ultrafine particles. Also disclosed is an aqueous dispersing agent composed of such a water-soluble copolymer. Specifically disclosed is a water-soluble copolymer which is characterized by being obtained by copolymerizing a monomer composition essentially containing (a) a (meth)acrylic acid (salt), (b) an isoprene sulfonic acid (salt), and (c) at least one compound selected from N-(meth)acryloyl morpholine, N,N-diethyl(meth)acrylamide and N,N-dimethyl(meth)acrylamide.

Inventors:
BESSHO KEIICHI (JP)
SAKIYAMA HIROSHI (JP)
SEKO TOMOAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/055112
Publication Date:
October 09, 2008
Filing Date:
March 19, 2008
Export Citation:
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Assignee:
JSR CORP (JP)
BESSHO KEIICHI (JP)
SAKIYAMA HIROSHI (JP)
SEKO TOMOAKI (JP)
International Classes:
C08F220/28; C08F220/06; C08F220/54; C08F236/14; C09K23/52
Foreign References:
JPH08297353A1996-11-12
JPH0915803A1997-01-17
JPH0922081A1997-01-21
JP2003137857A2003-05-14
JPH0271832A1990-03-12
JPH08269387A1996-10-15
JPH11228940A1999-08-24
JPH06212146A1994-08-02
JPH05269951A1993-10-19
JPH07234533A1995-09-05
Attorney, Agent or Firm:
OHI, Masahiko (4 Kanda Surugadai,3-chome, Chiyoda-k, Tokyo 62, JP)
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Claims:
 (a)(メタ)アクリル酸(塩)と、(b)イソプレンスルホン酸(塩)と、(c)N-(メタ)アクリロイルモルホリン、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミドから選ばれる少なくとも1種の化合物とを必須成分として含有してなる単量体組成物を共重合することによって得られることを特徴とする水溶性共重合体。
 (a)(メタ)アクリル酸(塩)と、(b’)2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸(塩)と、(c)N-(メタ)アクリロイルモルホリン、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミドから選ばれる少なくとも1種の化合物とを必須成分として含有してなる単量体組成物を共重合することによって得られることを特徴とする水溶性共重合体。
 さらに(d)ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレートを含有してなる単量体組成物を共重合することによって得られることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水溶性共重合体。
 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の水溶性共重合体よりなることを特徴とする水性分散剤。
Description:
水溶性共重合体および水性分散

 本発明は、水溶性共重合体および水性分 剤に関し、更に詳しくは水系媒体中に微粒 を分散させるための水性分散剤として好適 用いることができる水溶性共重合体および の水溶性共重合体よりなる水性分散剤に関 る。

 従来、炭酸カルシウム、クレー、酸化チタ 、アルミナなどの無機顔料、無機酸化物、 メント、石膏などの水硬性無機材料、石炭 コークス、ピッチなどの燃料、染料などを えば水系媒体中に分散させるための分散剤 して、水性分散剤が一般に広く用いられて る。このような水性分散剤としては、例え ポリアクリル酸およびその共重合体、エチ ン、イソブチレン、アミレン、ヘキセン、 イソブチレンなどのオレフィン類と無水マ イン酸で代表されるα,β-不飽和ジカルボン 無水物との共重合体、ポリマレイン酸など ポリカルボン酸系重合体などのポリカルボ 酸系分散剤のほか、ナフタレンスルホン酸 縮合物の塩、リグニンスルホン酸ナトリウ 、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムなど スルホン酸系分散剤が知られている。この うに、水溶性高分子は、その特性を利用し 微粒子用の分散剤として工業的に広く利用 れており、近年、さらに超微粒子を分散さ ることが可能な分散剤の要望が高まってい 。
 しかしながら、従来の水溶性高分子よりな 分散剤は、超微粒子に対する分散能がいま 充分なものではない。

 本発明は、以上のような事情に基づいてな れたものであり、その目的は、粒径が極め 小さい分散体を十分に分散させることがで 、超微粒子用の水性分散剤として好適な水 性共重合体を提供することにある。
 本発明の他の目的は、優れた分散性および 散安定性を有する水性分散剤を提供するこ にある。

 本発明の水溶性共重合体は、(a)(メタ)ア リル酸(塩)と、(b)イソプレンスルホン酸(塩) 、(c)N-(メタ)アクリロイルモルホリン、N,N- エチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル( タ)アクリルアミドから選ばれる少なくとも 1種の化合物とを必須成分として含有してな 単量体組成物を共重合することによって得 れることを特徴とする。

 また、本発明の水溶性共重合体は、(a)(メ タ)アクリル酸(塩)と、(b’)2-アクリルアミド- 2-メチル-1-プロパンスルホン酸(塩)と、(c)N-( タ)アクリロイルモルホリン、N,N-ジエチル( タ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アク ルアミドから選ばれる少なくとも1種の化合 物とを必須成分として含有してなる単量体組 成物を共重合することによって得られること を特徴とする。

 本発明の水溶性共重合体においては、さ に(d)ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレー を含有してなる単量体組成物を共重合する とによって得られるものであることが好ま い。

 本発明の水性分散剤は、上記の水溶性共 合体よりなることを特徴とする。

 本発明の水溶性共重合体は、無機顔料、 属酸化物、有機顔料などの微粒子を水系媒 中に十分に分散させることができ、超微粒 用の水性分散剤として好適なものである。

 本発明の水溶性共重合体は、以下の(a)成分 (b)成分若しくは(b’)成分および(c)成分を必 成分として含有する単量体組成物を共重合 ることによって得られるものである。
 (a)成分は、(メタ)アクリル酸および/または の塩からなる成分であって、その具体例と ては、下記一般式(1)で表される(メタ)アク ル酸およびそのアルカリ金属塩若しくはア モニウム塩が挙げられる。
 (b)成分は、イソプレンスルホン酸(2-メチル- 1,3-ブタジエン-1-スルホン酸)および/またはそ の塩よりなる成分であって、その具体例とし ては、下記一般式(2)で表されるイソプレンス ルホン酸およびそのアルカリ金属塩若しくは アンモニウム塩が挙げられる。
 (b’)成分は、2-アクリルアミド-2-メチル-1- ロパンスルホン酸および/またはその塩より る成分であって、その塩の具体例としては アルカリ金属塩若しくはアンモニウム塩が げられる。
 (c)成分は、下記一般式(3-1)で表されるN,N-ジ チル(メタ)アクリルアミド、下記一般式(3-2) で表されるN,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド 、および下記一般式(3-3)で表されるN-(メタ)ア クリロイルモルホリンから選ばれる少なくと も1種の化合物からなる成分である。
 ここで、(b)成分および(b’)成分では、より い分散性が得られる点で(b)成分が好ましい
 また、本発明においては、単量体組成物中 、(d)成分として、下記一般式(4)で表される ドロキシルエチル(メタ)アクリレートを含 させることができる。

〔一般式(1)中、R は水素原子またはメチル基を示し、A は、水素、ナトリウム、カリウム、リチウム 、アンモニウムを示す。〕

〔一般式(2)中、A は、水素原子、ナトリウム、カリウム、リチ ウム、アンモニウムを示す。〕


〔一般式(3-1)乃至一般式(3-3)中、R 、R およびR は、水素原子またはメチル基を示す。〕

〔一般式(4)中、R は、水素原子またはメチル基を示す。〕

 単量体組成物における全単量体成分中の(a) 分、(b)成分若しくは(b’)成分および(c)成分 含有割合は、(a)成分が20~95モル%、(b)成分若 くは(b’)成分が3~50モル%、(c)成分が1~40モル% であることが好ましい。各成分のいずれかが 上記の範囲をはずれると、分散体の種類にも よるが、得られる共重合体は、分散能が低い ものとなることがあるため好ましくない。
 また、単量体組成物に(d)成分を含有させる 合には、当該(d)成分の含有割合は全単量体 分中の30モル%以下であることが好ましく、 り好ましくは5~20モル%である。

 また、単量体組成物中には、上記の(a)成分~ (d)成分以外に、これらの化合物と共重合可能 な他の単量体(以下、「他の単量体」という )を1種または2種以上含有させることができ 。
 このような他の単量体の具体例としては、 リルアルコール、メチルビニルアルコール エチルビニルアルコール、ビニルグリコー 酸などの不飽和アルコール類、ヒドロキシ ロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレン リコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロ ピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、 リセロールモノ(メタ)アクリレート、グリ ロールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメ チレングリコールモノ(メタ)アクリレート、 リテトラメチレングリコールジ(メタ)アク レート、ブタンジオール(メタ)アクリレート 、ヘキサンジオール(メタ)アクリレートなど 水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類、 チレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエ 、pーメチルスチレンなどの芳香族ビニル化 物、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ ル酸エチル、(メタ)アクリル酸オクチルなど (メタ)アクリル酸アルキルエステル類、ブ ジエン、イソプレン、2-クロル-1,3-ブタジエ 、1-クロル-1,3-ブタジエンなどの脂肪族共役 ジエン、(メタ)アクリロニトリルなどのビニ シアン化合物などが挙げられる。
 単量体組成物における全単量体成分中の他 単量体の含有割合は、30モル%以下であるこ が好ましい。

 本発明の水溶性共重合体は、例えば以下の うにして製造することができる。
 すなわち、(a)成分、(b)成分若しくは(b’)成 、(c)成分並びに必要に応じて用いられる(d) 分および他の単量体を含有してなる単量体 成物を、適宜の溶媒中において、例えば、 酸化水素、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリ ムなどの公知のラジカル重合開始剤の存在 で、反応温度が、通常20~200℃、好ましくは4 0~150℃で、反応時間が0.1~20時間の条件で、共 合反応させることにより、本発明の水溶性 重合体を得ることができる。
 ここで、ラジカル重合開始剤の使用量は、 単量体成分100重量部に対し、通常、0.001~20 量部、好ましくは0.01~10重量部である。

 上記の共重合反応において、反応を円滑に うために、適宜の重合反応溶媒を用いるこ ができる。かかる重合反応溶媒としては、 、有機溶剤、または水と混合可能な有機溶 と水との混合物などを用いることができる
 重合反応溶媒として用いることができる有 溶剤の具体例としては、メタノール、エタ ール、プロピルアルコール、ブタノールな のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キ レン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水 、n-ペンタン、n-ヘキサン、シクロヘキサン 、n-ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水 、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン 1,4-ジオキサンなどのエーテル類などが挙げ られる。
 重合反応溶媒の使用量は、得られる水溶性 重合体の固形分重量の0.5~100倍である。

 以上において、反応条件、特に重合反応 媒の量、重合開始剤の種類およびその量、 応温度などを制御することにより、得られ 共重合体の分子量を調整することができる  また、共重合反応において、重合反応に される単量体組成物の全量を反応器に一括 仕込んで重合反応を行っても、あるいは、 量体組成物の一部または全部を逐次的に添 しながら重合反応を行っても良い。

 本発明の水溶性共重合体は、その重量平 分子量が2000~20万であることが好ましい。こ の重量平均分子量が2000以下である場合には 十分な分散性能が得られないことがあり、 方、この重量平均分子量が20万を超える場合 には、分散安定性が低下することがあり、好 ましくない。

 本発明の水溶性共重合体においては、その ルホン酸基およびカルボン酸基のカチオン は、特に限定されるものではないが、水溶 のものとするためには、水素、アルカリ金 、アルカリ土類金属、アンモニウム、アミ などが好ましい。
 上記アルカリ金属の具体例としては、ナト ウム、カリウムなどが挙げられる。
 上記アルカリ土類金属の具体例としては、 ルシウム、マグネシウムなどが挙げられる
 上記アミンの具体例としては、メチルアミ 、エチルアミン、プロピルアミン、ジメチ アミン、ジエチルアミン、トリエチルアミ 、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブ ルアミンなどのアルキルアミン、エチレン アミン、ジエチレントリアミン、トリエチ ンテトラミンなどのポリアミン、モルホリ 、ピペリジンなどが挙げられる。
 これらの中では、水素、ナトリウム、カリ ムが特に好ましい。
 本発明の水溶性共重合体においては、その ルホン酸基およびカルボン酸基のカチオン は、種々のイオン交換技法により他種のカ オン種と相互に交換することが可能である

 本発明の水溶性共重合体は、赤外線吸収ス クトル法によって、1,300~1,350cm -1 におけるスルホン酸基の吸収、1,700~1,800cm -1 におけるカルボン酸基の吸収、1670cm -1 付近におけるアクリルアミド系モノマ-の吸 や、NMR測定によってその構造を確認するこ ができ、またスルホン酸量およびカルボン 量の測定並びに元素分析を行うことによっ 、その構造単位の組成比を確認することが きる。

 本発明の水溶性共重合体は、(a)成分、(b) 分若しくは(b’)成分および(c)成分の各単量 に由来する構造単位が導入されることによ 、分散剤分子の広がりや、有機材料および 機材料への吸着能力が制御されることなど 作用が得られ、種々の材料において分散性 が改善される。

 本発明の水溶性共重合体は、水性分散剤と て、種々の分散体の分散に好適に用いるこ ができる。この分散体としては、固形燃料 セメント、染料および/または顔料、金属酸 化物等の無機材料を用いることができる。
 このような分散体の具体例としては、カー ンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛、 炭粉、炭素繊維、鉄、銀、銅、鉛、ニッケ 、炭化ケイ素、酸化スズ、酸化鉄、酸化チ ン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化セ ウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム 酸化アンチモンフェライト、アルミナ、水 化アルミニウム、水酸化マグネシウム、チ ン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン 、ジルコン酸鉛、ホウ酸亜鉛、炭酸亜鉛、 イカ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、硫 モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン( テフロン)粉、タルク、アスベスト、シリカ ーズ、ガラス粉、ハイドロタルサイト、鉄 タロシアニン、ゼオライト、セピオライト ゾノトライト、活性白土、ポリマービーズ どが挙げられる。

 本発明の水溶性共重合体と上記分散体とを 合する際には、溶媒として、水を使用する とが好ましいが、必要に応じて少量の有機 剤を添加してもよい。ここで、有機溶剤の 体例としては、単量体組成物の共重合反応 用いられる重合反応溶媒として例示したも を挙げることができる。
 また、本発明の水溶性共重合体と各種分散 とを混合分散する方法としては、特に制限 なく、撹拌機、サンドミル、ペントコンデ ショナー、ボールミルなどによる公知の方 を利用することができる。
 使用可能な分散体の粒子径は、用途によっ 異なり、一概に定義できないが、通常、0.01 ~10μmの範囲である。

 本発明の水溶性共重合体と分散体との割 は、応用する用途、使用方法および分散体 粒子径などによって異なり、一概に定義で ないが、水溶性共重合体の使用量は、固形 換算で、分散体に対して、通常、0.01~200重 %、好ましくは0.1~100重量%である。

 分散処理においては、分散剤として本発明 水溶性共重合体を単独で用いることができ が、他の水溶性重合体あるいは水分散重合 等を併用することもできる。他の重合体の 体例としては、ポリエステル系樹脂、アク ル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニ 樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリエチ ン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタ 樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ酢酸ビニル樹 、ポリビニルアルコール樹脂、エポキシ樹 、フェノール樹脂、セルロース系樹脂、ポ オルガノシロキサン樹脂、ポリイミド樹脂 ポリサルフォン樹脂などの水溶性重合体、 系エマルジョン樹脂が挙げられる。
 また、任意の添加剤として、公知の難燃剤 熱安定剤、酸化防止剤、光安定化剤、離型 、可塑剤、着色剤、滑剤、発泡剤なども併 することができる。 

 本発明の水溶性共重合体は、分散体に対 る高い分散性能、高い分散安定性を有する め、分散体スラリ-に対して低粘度化および 長期間の静置安定性を付与することができ、 各種特性の性能向上および長期間の使用にあ たってもその性能を維持できるという特徴が ある。

 本発明の水溶性共重合体と分散体とを組 合わせることにより、種々用途に適用可能 ある。例えば、一般塗料、回路基板用塗料 導電性材料、電池材料、電池電極材料、電 波シールド材料、帯電防止塗料、面状発熱 、電気化学的反応電極板、電気接点材料、 擦材、抗菌材料、摺動材、研磨材料、磁気 録媒体、感熱記録材料、エレクトロクロミ ク材料、光拡散フィルム、通信ケーブル用 水材、遮光フィルム、遮音シート、プラス ック磁石、X線増感スクリーン、印刷インキ 、農薬粒剤、電子写真トナー、合成ゴムある いは合成樹脂用エマルジョン乳化剤、化粧品 用界面活性剤などの用途に有用である。

 以下、本発明について実施例を挙げて具体 に説明するが、本発明は以下の実施例に限 されるものではない。なお、以下の実施例 の%および部は、特に断らない限り重量基準 である。
 また、実施例中の重量平均分子量(Mw)は、ゲ ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC) よって判定した結果を、ポリスチレンスル ン酸ナトリウムを標準サンプルとして作成 た検量線を用いて換算したものである。
 ここで、GPCの測定条件は、下記のとおりで る。
 カラム1;G3000PWXL〔東ソー(株)製〕
 カラム2;GMPWXL〔東ソー(株)製〕
 カラム3;GMPWXL〔東ソー(株)製〕
 カラムを1~3の順に直列につなぎ、カラム1側 より試料を導入する。
 検出器;示差屈折計RI-8021〔東ソー(株)製〕
 溶離液;水/アセトニトリル/硫酸ナトリウム= 2,100/900/15(重量比) 流速 ;1.0ml/分
 温度  ;40℃
 サンプル濃度;0.2%
 サンプル注入量;400μl

 参考例1
 1Lビーカ-に、80%濃度のアクリル酸〔(a)成分 水溶液203g、40%濃度の2-メチル-1,3-ブタジエ -1-スルホン酸ナトリウム〔(b)成分〕水溶液13 7g、およびアクリロイルモリホリン〔(c)成分 91gを入れて混合し、単量体組成物を調製し 。内容積1Lの耐圧容器に、水300gおよび30%過 化水素水10gを仕込み、内温が90℃になった 点で、調製した単量体組成物を耐圧容器に 加し始め、内温を90~100℃に維持した状態で 拌しながら、1時間後に単量体組成物の添加 終了した。添加終了後、攪拌を継続しなが 、90~100℃で4時間の条件で、単量体組成物の 共重合処理を行うことにより、水溶性共重合 体を得た。

 参考例2~8
 単量体組成物の調製において、表1に示す配 合処方に従って各単量体の種類および量を変 更したこと以外は、参考例1と同様にして水 性重合体を得た。

 参考例A~D
 単量体組成物の調製において、表1に示す配 合処方に従って各単量体の種類および量を変 更したこと以外は、参考例1と同様にして水 性重合体を得た。

 表1において、数字の単位はgである。
 また、AAはアクリル酸、IPSは2-メチル-1,3-ブ ジエン-1-スルホン酸ナトリウム、ACMOはアク リロイルモルホリン、DMAAはジメチルアクリ アミド、DEAAはジエチルアクリルアミド、HEMA はヒドロキシエチルアクリレ-ト、AMPSは2-ア リルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸 トリウムを示す。

 参考例1~8および参考例A~Dで得られた水溶 共重合体の各々のモノマ-組成(モル%)および 重量平均分子量(Mw)を表2に示す。


 実施例1~8および比較例1~5
 参考例1~8および参考例A~Dで得られた水溶性 重合体を分散剤として用い、当該分散剤を 加した水100gに、四三酸化鉄〔和光純薬(株) の試薬,一次粒子径約100nm〕10gを入れ、10分 振とうし、振とう直後の分散液における固 分濃度(X)を測定した。その後、分散液を100cc の共栓付きメスシリンダ-に入れ、24時間静置 し、分散液の上層部を注射器で静かにサンプ リングし、その固形分濃度(Y)を測定した。そ して、下記の式で、分散安定性の尺度となる (Z)を算出した。ここで、Zの値が100%に近いほ 、分散性および分散安定性は良好なもので る。
 式 Z(%)=Y/X ×100
 結果を表3に示す。

 表3の結果から明らかなように、本発明の水 溶性共重合体を分散剤として使用した実施例 1~8においては、得られた分散液の分散安定性 が、優れた分散安定性が得られることが理解 される。
 これに対し、比較例1~5においては、本発明 水溶性共重合体を分散剤として使用してい いため、得られた分散液の分散安定性が低 ものあった。

 実施例9~16および比較例6~10
 参考例1~8および参考例A~Dで得られた水溶性 重合体を分散剤として用い、当該分散剤を 加した水100gに、酸化チタン(ルチル型酸化 タン、一次粒子径180nm)10gを入れ、5,000rpmで5 間撹拌した後、分散液中における酸化チタ の平均粒径を測定することにより、分散性 評価した。なお、粒径はレーザー粒径解析 ステム;LPA-3000/3100〔大塚電子(株)製〕で測定 た。
 結果を表4に示す。

 表4の結果から明らかなように、本発明の水 溶性共重合体を分散剤として使用した実施例 9~16においては、分散液中の分散体の粒子径 小さく、粒径が小さい分散体に対しても優 た分散性が得られることが理解される。
 これに対し、比較例6~10においては、本発明 の水溶性共重合体を分散剤として使用してい ないため、分散液中の分散体の粒子径が大き く、粒径が小さい分散体に対して十分な分散 能が得られなかった。