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Title:
WATER-SOLUBLE CUTTING FLUID FOR LOOSE ABRASIVE TYPE WIRE SAW SLICING MACHINES, SLURRY AND CUTTING PROCESS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/031515
Kind Code:
A1
Abstract:
The invention provides a water-soluble cutting fluid for loose abrasive type wire saw slicing machines which is free from the problem that during or after the slicing of an ingot into silicon wafers with a loose abrasive type wire saw slicing machine, a part of the wafers fall from a slicing table to break and which attains excellent slicing accuracy; a slurry containing both the cutting fluid and loose abrasive grains; and a process for cutting a brittle material with the slurry. A water-soluble cutting fluid for loose abrasive type wire saw slicing machines which comprises (A) propylene glycol, (B) diethylene glycol, (C) a dicarboxylic acid salt, (D) an adduct of alkylene glycol with alkylene oxide, and (E) water, wherein the (B)/(A) ratio is 1.50 to 1.80; a cutting slurry which comprises the cutting fluid and abrasive grains; and a process for cutting a brittle material with the slurry.

Inventors:
NIWA EIJI (JP)
OOI TSUTOMU (JP)
NOZU TOMOKO (JP)
MUKAI DAI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/065719
Publication Date:
March 12, 2009
Filing Date:
September 02, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KYODO YUSHI (JP)
NIWA EIJI (JP)
OOI TSUTOMU (JP)
NOZU TOMOKO (JP)
MUKAI DAI (JP)
International Classes:
C10M173/02; B24B27/06; B24B37/00; C09K3/14; C10M129/08; C10M129/16; C10M129/52; C10M145/26; H01L21/304; C10N30/00; C10N40/22
Foreign References:
JP2006096951A2006-04-13
JP2003238983A2003-08-27
JP2007031502A2007-02-08
Attorney, Agent or Firm:
KUMAKURA, Yoshio et al. (Shin-Tokyo Bldg.3-1, Marunouchi,3-chome, Chiyoda-ku, Tokyo 55, JP)
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Claims:
(A)プロピレングリコール、(B)ジエチレングリコール、(C)ジカルボン酸塩、(D)アルキレングリコールのアルキレンオキサイド付加物、及び(E)水を含む遊離砥粒ワイヤソー用水溶性加工油剤において、
(A)プロピレングリコールの配合量に対する(B)ジエチレングリコールの配合量が1.50~1.80倍であることを特徴とする遊離砥粒ワイヤソー用水溶性加工油剤。
(A)プロピレングリコール30~33質量%、(B)ジエチレングリコール45~59質量%、(C)ジカルボン酸塩0.5~10質量%、(D)アルキレングリコールのアルキレンオキサイド付加物2~10質量%、(E)水5~22.5質量%を含む請求項1記載の遊離砥粒ワイヤソー用水溶性加工油剤。
(C)ジカルボン酸塩が、炭素数8~20のジカルボン酸とアルカノールアミンの塩である請求項1又は2記載の遊離砥粒ワイヤソー用水溶性加工油剤。
(D)アルキレングリコールのアルキレンオキサイド付加物の分子量が500~5000である請求項1~3のいずれか1項記載の遊離砥粒ワイヤソー用水溶性加工油剤。
 請求項1~4のいずれか1項記載の遊離砥粒ワイヤソー用水溶性加工油剤及び砥粒を含む切断加工用スラリー。
 請求項5記載のスラリーを用いて脆性材料を切断することを特徴とする脆性材料の加工方法。
 脆性材料がシリコン系脆性材料である請求項6記載の方法。
 請求項6又は7記載の脆性材料の加工方法により加工されたシリコン系脆性材料。
Description:
遊離砥粒ワイヤソー用水溶性加 油剤、スラリー及び切断加工方法

 本発明は、遊離砥粒ワイヤソー用水溶性 工油剤、スラリー、これを用いた切断方法 関する。さらに詳細には、脆性材料をワイ ソーで切断加工する際に、被切断材料に供 される油剤と遊離砥粒を含有するスラリー 調製に使用する水溶性加工油剤、該油剤と 離砥粒を含有するスラリー、これを用いた 性材料の切断方法に関する。

 硬度の高い脆性材料の切断加工には、遊離 粒を用いてのワイヤソー、ブレードソー(バ ンドソー)が、加工能率、加工精度の観点か 近年広く使用されている。その際、砥粒と 剤を混合し、調整した液(スラリー)が一般的 に使用されている。
 例えば、(A)多価アルコール、多価アルコー 縮合物、及び多価アルコール誘導体からな 群から選ばれる少なくとも1種の化合物、(B) 芳香族多価カルボン酸塩、(C)アルキレングリ コールのアルキレンオキサイド付加物、及び 水を含有する水溶性切断加工用油剤が提案さ れている(特許文献1)。
 遊離砥粒ワイヤソーを用いてシリコン等の 性材料の切断加工を行う際に、インゴット らシリコンウエーハを切り出す際に、切み 損失(Kerf loss)を低減する目的で最近では砥 の粒度が#1000から#1500、#2500へとより細かく りつつある。その場合、切断中又は切断後 ウエーハの一部がスライス台より落下する 割れ」の現象が起き易い。

特開2006-96951

 本発明の目的は、上記「割れ」の問題がな 、しかも優れた切断精度が得られる遊離砥 ワイヤソー用水溶性加工油剤を提供するこ である。
 本発明の他の目的は、上記油剤と遊離砥粒 含むスラリーを提供することである。
 本発明のさらに他の目的は、上記油剤、ス リーを用いた脆性材料の切断加工方法を提 することである。

 本発明者は、上記課題を解決するために 意検討した結果、プロピレングリコール、 エチレングリコール、ジカルボン酸塩、ア キレングリコールのアルキレンオキサイド 加物及び水を含む油剤において、ジエチレ グリコールの比率が多くなると、剥離試験 剥離荷重が下がり、「割れ」発生の恐れが なくなり、逆にプロピレングリコールの比 が多くなると、切断性が向上すること、ア キレングリコールのアルキレンオキサイド 加物の添加量を調整することにより、「割 」の発生を著しく低減できることを見出し 本発明を完成するに至った。

 本発明は以下に示す遊離砥粒ワイヤソー用 溶性加工油剤、スラリー、これを用いた切 方法を提供するものである。
1.(A)プロピレングリコール、(B)ジエチレング コール、(C)ジカルボン酸塩、(D)アルキレン リコールのアルキレンオキサイド付加物、 び(E)水を含む遊離砥粒ワイヤソー用水溶性 工油剤において、
(A)プロピレングリコールの配合量に対する(B) ジエチレングリコールの配合量が1.50~1.80倍で あることを特徴とする遊離砥粒ワイヤソー用 水溶性加工油剤。
2.(A)プロピレングリコール30~33質量%、(B)ジエ レングリコール45~59質量%、(C)ジカルボン酸 0.5~10質量%、(D)アルキレングリコールのアル キレンオキサイド付加物2~10質量%、(E)水5~22.5 量%を含む上記1記載の遊離砥粒ワイヤソー 水溶性加工油剤。
3.(C)ジカルボン酸塩が、炭素数8~20のジカルボ ン酸とアルカノールアミンの塩である上記1 は2記載の遊離砥粒ワイヤソー用水溶性加工 剤。
4.(D)アルキレングリコールのアルキレンオキ イド付加物の分子量が500~5000である上記1~3 いずれか1項記載の遊離砥粒ワイヤソー用水 性加工油剤。
5.上記1~4のいずれか1項記載の遊離砥粒ワイヤ ソー用水溶性加工油剤及び砥粒を含む切断加 工用スラリー。
6.上記5記載のスラリーを用いて脆性材料を切 断することを特徴とする脆性材料の加工方法 。
7.脆性材料がシリコン系脆性材料である上記6 記載の方法。
8.上記6又は7記載の脆性材料の加工方法によ 加工されたシリコン系脆性材料。

 本発明の(A)プロピレングリコールの配合 に対する(B)ジエチレングリコールの配合量 特定の割合である水溶性加工油剤は、前記 定の割合の範囲外の油剤を使用した場合と 較して、スラリー中の砥粒の分散安定性、 断用ワイヤーへの砥粒付着性(乗り)、剥離 、切断性に優れ、その結果、切断能率が高 、切断加工面の精度が優れている。また、 断加工後のスラリー除去の洗浄工程におい も溶剤等を使用せず容易に水で洗浄でき、 火性の心配もなく、切断加工機の表面や床 にスラリーが飛散、付着堆積しても簡単に 掃ができ、作業環境を悪化させることがな 、生産性の向上に寄与する。

 本発明の油剤中、(A)プロピレングリコール 配合量に対する(B)ジエチレングリコールの 合量は1.50~1.80倍である。この範囲外では、 エーハの一部がスライス台より落下する「 れ」の現象が起こり易くなったり、切断用 イヤーへの砥粒付着性(乗り)が劣ってくる 向がある。
 本発明の油剤中、成分(A)のプロピレングリ ールの含有量は好ましくは30~33質量%である 30質量%未満では切断用ワイヤーへの砥粒付 性(乗り)が劣ってくる傾向があり、33質量% 超えると「割れ」が発生し易くなる傾向が る。
 本発明の油剤中、成分(B)のジエチレングリ ールの含有量は好ましくは45~59質量%である 45質量%未満では「割れ」が発生し易くなる 向があり、59質量%を超えると切断用ワイヤ への砥粒付着性(乗り)が劣ってくる傾向が る。

 本発明に使用する成分(C)のジカルボン酸塩 、スラリーにした場合の、砥粒の分散性、 分散性、ワイヤーへの砥粒の付着性等に寄 している。本発明に使用されるジカルボン 塩の好ましい例としては、炭素原子数8~20の ジカルボン酸と炭素原子数2~12のアルカノー アミンの塩が挙げられる。ジカルボン酸は ましくは芳香族ジカルボン酸であり、具体 としては、フタル酸、イソフタル酸、テレ タル酸が挙げられる。アルカノールアミン 具体例としてはモノエタノールアミン、ジ タノールアミン、トリエタノールアミン、 ノイソプロパノールアミン、ジイソプロパ ールアミン、トリイソプロパノールアミン モノメチルエタノールアミン、ジエチルエ ノールアミン等が挙げられる。
 本発明に使用するジカルボン酸塩の水に対 る溶解度は20℃において5g/100g水以上である とが望ましい。5g/100g水未満では、ジカルボ ン酸塩が折出しやすく、好ましくない。
 本発明の油剤中、ジカルボン酸塩の含有量 好ましくは0.5~10質量%、さらに好ましくは0.5 ~5質量%、最も好ましくは0.5~2質量%である。0.5 質量%未満では、スラリー中の砥粒の分散性 上効果が充分でなく、又10質量%を超えても 分散性向上効果が飽和し、経済的に不利で る。

 本発明に使用される、成分(D)のアルキレン リコールのアルキレンオキサイド付加物と ては、エチレングリコール及び/又はプロピ レングリコールの、エチレンオキサイド及び /又はプロピレンオキサイド付加物が挙げら る。付加モル数は好ましくは5~100、さらに好 ましくは10~80であり、分子量は好ましくは500~ 5000、さらに好ましくは1000~2000である。
 上記アルキレングリコールのアルキレンオ サイド付加物の水に対する溶解度は5g/100g水 以上であることが望ましい。
 本発明の油剤中、成分(D)のアルキレングリ ールのアルキレンオキサイド付加物の含有 は、好ましくは2~10質量%、さらに好ましく 3~10質量%である。含有量が2質量%未満では、 粒のワイヤーに対する付着性向上効果が低 、10質量%を超えても効果が飽和し、不経済 ある。

 本発明の油剤を使用して切断加工するの 適した被加工材料の例としては、電子産業 野で広く使用されている脆性材料が挙げら 、具体例としては、シリコン(単結晶、多結 晶)、ガリウム砒素等の半導体、アルミナ、 化ジルコニウム等のセラミックス、石英ガ ス、ケイ酸ガラス等のガラスが挙げられる 脆性材料が、シリコン系である場合は、油 のpHは5~9とすることが望ましい。この場合、 塩基性物質としては、無機塩基性物質より有 機塩基性物質を使用することが望ましい。特 に、塩基性のマイルドなトリエタノールアミ ン、トリイソプロパノールアミン等の第3級 ルカノールアミンが望ましい。

 本発明の油剤に使用する水としては、超 水、蒸留水、イオン交換水、水道水、市水 工業用水等のいずれを用いても良く、水の 有量は好ましくは5~22.5質量%である。水の含 有量が22.5質量%を超えると、スラリーの粘度 低くなり過ぎて、切断加工性能が低下する とがある。又、5質量%未満では、切断加工 の熱の発生によりスラリー中の水分(油剤中 水分)が蒸発し、油剤自身に引火性を生じ水 溶性油剤としての特性が失なわれるおそれが ある。

 本発明の油剤は、成分(A)~(E)を、適当な温度 条件下、例えば、40~70℃程度で混合溶解させ ことにより容易に製造できる。その際、必 に応じて、界面活性剤(アニオン系、ノニオ ン系)、水溶性増粘剤、防腐剤、防カビ剤、 鉄金属防食剤、pH緩衝剤等を適宜添加含有さ せても良い。
 本発明の油剤は、通常は油剤と砥粒(例えば GC 緑色炭化珪素砥粒)を質量比で油剤:砥粒=1. 0:0.8~1.0:1.5(例えば、1.0:0.9)で混合して脆性材 の切断加工用スラリーとして使用される。

 以下、実施例および比較例により、本発明 水溶性油剤を更に詳細に説明するが、本発 はこれらに限定されるものではない。
1.油剤の性状測定方法
(a) pH測定
 各油剤をイオン交換水にて2倍に希釈して、 JIS-Z-8802ガラス電極法により測定した。
2.スラリーの性状測定試験法
 各油剤のスラリー(質量比で油剤:GC#1500砥粒= 1.0:0.9)を下記の試験条件・試験方法により測 した。
(a) 砥粒分散安定性試験
 各油剤のスラリーを100mlのメスシリンダー 移し、室温で12時間放置し、砥粒分散安定性 を肉眼で観察した。
評価は以下の基準に従った。
  ○:分離油分量 10ml未満
  ×:分離油分量 10ml超
(b) ワイヤへの砥粒付着性試験
容器に入れたスラリーにワイヤを5秒間浸漬 た後、引き上げて10秒間垂直にした状態で放 置した後、顕微鏡で観察して評価する。
評価は以下の基準に従った。
  ○:ワイヤ上に砥粒が良く付着している
  ×:ワイヤ上に砥粒が少し付着している-殆 付着していない

(c) 剥離性試験
 シリコンウエーハ(Silicon Wafer 直径:3インチ 、厚さ:0.8mm)を各油剤のスラリーに浸漬し、15 分間垂直に放置する。次いで、これら2枚の エーハの重ね位置を少しずらし、水平にし 重りをのせ、16時間重ね合わせる。16時間後 重ね合わせた2枚のウエーハを垂直にダブル クリップにてつるし、1枚のウエーハに10gず 段階的に重りをのせてゆき、重なったウエ ハが剥離した時の荷重を記録する。
評価は以下の基準に従った。
  ○:剥離荷重10g以下(割れ難い)
  ×:剥離荷重20g以上(割れ易い) 

(d) 切断性試験
 3インチインゴット切断用ワイヤソーで切断 を行った。
切断装置   :マルチワイヤソー MS-34(タカト リ製)
切断材料   :単結晶シリコンインゴット
材料寸法   :φ3インチ×60mmL
ワイヤ径   :0.14mm
ワイヤ線速度 :200mm/min
新線供給量  :8m/min
 評価は、加工面のWarp(うねり)を測定した。W arpは、小さい値の方が加工精度は良好である ことを示している。
評価
  7μm以下:合格(○)
  7μm超:不合格(×)

総合評価 
  合格 (○):全て○の場合
  不合格(×):×がある場合
結果を表1及び2に示す。

※1:アルキレングリコールのアルキレンオキ イド付加物A:
  エチレングリコールのエチレンオキサイ 付加物(分子量1000)
※2:アルキレングリコールのアルキレンオキ イド付加物B:
  プロピレングリコールのエチレンオキサ ド付加物(分子量2000)
※3:アルキレングリコールのアルキレンオキ イド付加物C:
  エチレングリコールのエチレンオキサイ ・プロピレンオキサイド付加物
  (分子量2000)
イソフタル酸トリエタノールアミン塩はイソ フタル酸とトリエタノールアミンの1:2モル比 の塩

 比較例6及び7は市販水溶性切断加工油剤で る。
 (A)プロピレングリコールの配合量に対する( B)ジエチレングリコールの配合量が1.50~1.80倍 範囲内にある本発明の実施例1~5のスラリー 分散安定性、砥粒付着性、剥離性、及び切 性に優れている。
 (A)プロピレングリコールの配合量に対する( B)ジエチレングリコールの配合量が1.50倍未満 である比較例1及び2のスラリーは分散安定性 砥粒付着性、及び切断性は優れているが、 離性が劣っている。
 (A)プロピレングリコールの配合量に対する( B)ジエチレングリコールの配合量が1.80倍を超 える比較例3及び4のスラリーは剥離性は優れ いるが、分散安定性、砥粒付着性、及び切 性が劣っている。
 (D)アルキレングリコールのアルキレンオキ イド付加物を含まない比較例5のスラリーは 剥離性は優れているが、分散安定性、砥粒付 着性、及び切断性が劣っている。
 市販油剤を使用したスラリーは、分散安定 、砥粒付着性、剥離性及び切断性が劣って る。