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Patent Searching and Data


Title:
WAVELENGTH SELECTION FILTER, METHOD OF MANUFACTURING WAVELENGTH SELECTION FILTER, AND DISPLAY DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/175464
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a wavelength selection filter, wherein the thickness of a first high refractive index part is T1, the thickness of a second high refractive index part is T2, the refractive index of the material of a high refractive index layer is n1, the refractive index of the material of an uneven structure layer is n2, the refractive index of the material of an embedded layer is n3, the area ratio of the first high refractive index part is R1, and the area ratio of the second high refractive index part is R2. n1>n2, n1>n3, and R1+R2>1. The value of T1×{n1×R1+n2×(1-R1)} is a first parameter, the value of T2×{n1×R2+n3×(1-R2)} is a second parameter, and the ratio of the second parameter to the first parameter is 0.7-1.3.

Inventors:
KAWASHITA MASASHI (JP)
ODA YUKARI (JP)
YASU YUKI (JP)
ISHIMARU YOSHIKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/007435
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
February 25, 2020
Export Citation:
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Assignee:
TOPPAN PRINTING CO LTD (JP)
International Classes:
F21S2/00; F21V9/20; F21V9/32; G02B5/18; G02B5/20; G02B5/26; G02B5/28; G09F9/30; G09F9/33; H01L27/32; H01L33/50; H01L33/60; H01L51/50; H05B33/02; H05B33/12; F21Y115/10; F21Y115/15
Domestic Patent References:
WO2016012084A12016-01-28
Foreign References:
JP2018063305A2018-04-19
JP2009538937A2009-11-12
Other References:
See also references of EP 3933263A4
Attorney, Agent or Firm:
ONDA Makoto et al. (JP)
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Claims:
\¥02020/175464 51 卩(:17 2020 /007435

請求の範囲

[請求項 1] 凸部または凹部である凹凸要素であって、 サブ波長周期で互いに離 間しつつ二次元格子状に並ぶ複数の前記凹凸要素が構成する凹凸構造 を表面に有する凹凸構造層と、

前記凹凸構造上に位置して当該凹凸構造に追従した表面形状を有す る高屈折率層であって、 前記凹凸構造の底部に位置する第 1高屈折率 部、 および、 前記凹凸構造の頂部に位置する第 2高屈折率部を含む前 記高屈折率層と、

前記高屈折率層の表面の凹凸を埋めている埋込層と、 を備え、 前記第 1高屈折率部の厚さを丁 1、 前記第 2高屈折率部の厚さを丁

2、

前記高屈折率層の材料の屈折率を n 1、 前記凹凸構造層の材料の屈 折率を n 2、 前記埋込層の材料の屈折率を n 3、

前記第 1高屈折率部を含みその厚さ方向と直交する断面にて当該第 1高屈折率部が占める面積比率を 1、 前記第 2高屈折率部を含みそ の厚さ方向と直交する断面にて当該第 2高屈折率部が占める面積比率 を [¾ 2、 とするとき、

门 1>门 2、 门 1>门 3、 かつ、 [¾ 1 +[¾ 2>1であって、

71 X (1 — 81) } の値が第 1パラメータ であり、 72X {门 1 [¾ 2十门 3 (1 -[¾ 2) } の値が第 2パラ メータであり、 前記第 1パラメータに対する前記第 2パラメータの比 が、 〇. 7以上·! . 3以下である

波長選択フィルタ。

[請求項 2] 前記高屈折率層は、 前記第 1高屈折率部と前記第 2高屈折率部との 間で前記凹凸要素の側面に沿って延びる側部高屈折率部を含み、 前記側部高屈折率部を含みその厚さ方向と直交する断面にて当該側 部高屈折率部が占める面積比率を 83とするとき、 1 + [¾ 2 — 1が満たされる \¥0 2020/175464 52 卩(:171? 2020 /007435

請求項 1 に記載の波長選択フィルタ。

[請求項 3] 前記高屈折率層は、 前記第 1高屈折率部と前記第 2高屈折率部との 間で前記凹凸要素の側面に沿って延びる側部高屈折率部を含み、 前記高屈折率層の厚さ方向に沿った方向から見て、 前記第 2高屈折 率部は、 前記側部高屈折率部の外側まで広がる

請求項 1 または 2に記載の波長選択フィルタ。

[請求項 4] 丁 1 =丁 2、 n 2 = n 3、 かつ、

請求項 1〜 3のいずれか一項に記載の波長選択フィルタ。

[請求項 5] 前記第 1高屈折率部および前記第 2高屈折率部と、 これらの高屈折 率部を取り囲む低屈折率領域とから構成される部分が共鳴構造部であ り、

前記波長選択フィルタは、 前記共鳴構造部の厚さ方向に沿って並ぶ 複数の前記共鳴構造部を備え、

前記複数の共鳴構造部には、 第 1共鳴構造部と第 2共鳴構造部とが 含まれ、 前記第 1共鳴構造部が有する前記凹凸要素の配列の周期と、 前記第 2共鳴構造部が有する前記凹凸要素の配列の周期とは、 一致し ており、

前記第 1共鳴構造部での前記第 1パラメータに対する前記第 2パラ メータの比と、 前記第 2共鳴構造部での前記第 1パラメータに対する 前記第 2パラメータの比とは、 一致している

請求項 1〜 4のいずれか一項に記載の波長選択フィルタ。

[請求項 6] 第 1低屈折率材料からなる層の表面に、 サブ波長周期で互いに離間 しつつ二次元格子状に並ぶ複数の凸部または凹部である凹凸要素を形 成することによって、 凹凸構造層を形成することと、 前記第 1低屈折率材料よりも高い屈折率を有する高屈折率材料を用 いて、 前記凹凸構造層の表面に沿って、 当該凹凸構造層が有する凹凸 構造の底部に位置する第 1高屈折率部と、 前記凹凸構造の頂部に位置 する第 2高屈折率部とを含む高屈折率層を形成することと、 \¥02020/175464 53 卩(:171? 2020 /007435

前記高屈折率材料よりも低い屈折率を有する第 2低屈折率材料を用 いて、 前記高屈折率層の表面の凹凸を埋めることにより埋込層を形成 することと、 を含み、

前記第 1高屈折率部の厚さを丁 1、 前記第 2高屈折率部の厚さを丁

2、

前記高屈折率材料の屈折率を〇 1、 前記第 1低屈折率材料の屈折率 を〇 2、 前記第 2低屈折率材料の屈折率を n 3、

前記第 1高屈折率部を含みその厚さ方向と直交する断面にて当該第 1高屈折率部が占める面積比率を 1、 前記第 2高屈折率部を含みそ の厚さ方向と直交する断面にて当該第 2高屈折率部が占める面積比率 を[¾ 2、 とするとき、

门 1>门 2、 门 1>门 3、 かつ、 [¾ 1 +[¾ 2>1であって、

71 X (1 — 81) } の値が第 1パラメータ であり、 I 2 X {门 1 [¾ 2十门 3 (1 -[¾ 2) } の値が第 2パラ メータであり、 前記第 1パラメータに対する前記第 2パラメータの比 が、 〇. 7以上·! . 3以下となるように、 各層を形成する

波長選択フィルタの製造方法。

[請求項 7] 前記高屈折率層を形成することは、 前記高屈折率層が、 前記第 1高 屈折率部と前記第 2高屈折率部との間で前記凹凸要素の側面に沿って 延びる側部高屈折率部を含み、 前記高屈折率層の厚さ方向に沿った方 向から見て、 前記第 2高屈折率部が前記側部高屈折率部の外側まで広 がるように、 物理気相成長法を用いて前記高屈折率層を形成すること を含む

請求項 6に記載の波長選択フィルタの製造方法。

[請求項 8] 第 1波長の光を発する発光部と、

前記発光部上に位置し、 前記第 1波長の光を励起光に用いて前記第 1波長よりも長い第 2波長の光を放出する波長変換部と、

前記波長変換部上に位置する波長選択部であって、 前記波長選択部 \¥0 2020/175464 54 卩(:171? 2020 /007435

における前記第 1波長の光の反射率が 7 0 %以上、 かつ、 前記第 2波 長の光の透過率が 7 0 %以上である、 前記波長選択部と、

を備える表示装置。

[請求項 9] 前記第 1波長は、 の波長であり、 前記第 2波長は、 6 0 0 1^〇!以上 7 0 0 1^ 以下の波長であり、 前記発光部は第 1発光部であり、

前記波長変換部は赤色用波長変換部であり、

前記波長選択部は赤色用波長選択部であり、

5 2 0 n m以上 5 8 0 n 以下の波長が第 3波長であり、 前記第 1波長の光を発する第 2発光部と、

前記第 2発光部上に位置し、 前記第 1波長の光を励起光に用いて前 記第 3波長の光を放出する緑色用波長変換部と、

前記緑色用波長変換部上に位置する緑色用波長選択部であって、 前 記緑色用波長選択部における前記第 1波長の光の反射率が 7 0 %以上 、 かつ、 前記第 3波長の光の透過率が 7 0 %以上である、 前記緑色用 波長選択部と、 をさらに備える

請求項 8に記載の表示装置。

[請求項 10] 前記第 1波長の光を発する第 3発光部と、

前記第 3発光部上に位置し、 前記第 1波長の光を透過する青色透過 部と、 をさらに備える

請求項 9に記載の表示装置。

[請求項 1 1 ] 前記赤色用波長選択部と、 前記緑色用波長選択部とは、 同 _の波長 選択性を有する

請求項 9または 1 0に記載の表示装置。

[請求項 12] 前記波長選択部は、 前記第 1波長および前記第 2波長に対して透明 な複数の層からなる積層体であり、

前記複数の層には、 互いに異なる屈折率を有して隣り合う層が含ま れる \¥0 2020/175464 55 卩(:171? 2020 /007435

請求項 8〜 1 1のいずれか一項に記載の表示装置。

[請求項 13] 前記波長選択部は、

凸部または凹部である複数の凹凸要素がサブ波長周期で並ぶ凹凸構 造を表面に有し、 低屈折率材料から構成された凹凸構造層と、 前記凹凸構造上に位置して前記凹凸構造に追従した形状を有する高 屈折率層と、 を備える

請求項 1 2に記載の表示装置。

[請求項 14] 前記高屈折率層の凹凸を埋める低屈折率材料から構成された埋込層 をさらに備える

請求項 1 3に記載の表示装置。

[請求項 15] 前記凹凸要素は、 1つの方向に沿って延び、

前記凹凸構造では、 複数の凹凸要素が相互に平行に並ぶ

請求項 1 3または 1 4に記載の表示装置。

[請求項 16] 前記凹凸構造では、 複数の前記凹凸要素が二次元格子状に並ぶ 請求項 1 3または 1 4に記載の表示装置。

[請求項 17] 前記高屈折率層と、 前記高屈折率層を取り囲む低屈折率領域とから 構成される部分が共鳴構造部であり、

前記波長選択部は、 前記共鳴構造部の厚さ方向に沿って並ぶ複数の 前記共鳴構造部を備える

請求項 1 3〜 1 6のいずれか一項に記載の表示装置。

[請求項 18] 前記波長変換部は、 前記第 1波長の光を励起光に用いる蛍光物質を 備える

請求項 8〜 1 7のいずれか一項に記載の表示装置。

[請求項 19] 前記波長変換部は、 前記第 1波長の光を励起光に用いる量子ドッ を備える

請求項 8〜 1 8のいずれか一項に記載の表示装置。

[請求項 20] 前記発光部は、 有機発光ダイオードを備える

請求項 8〜 1 9のいずれか一項に記載の表示装置。 \¥0 2020/175464 56 卩(:171? 2020 /007435

[請求項 21 ] 前記発光部は、 青色発光ダイオードを備える

請求項 8〜 2 0のいずれか一項に記載の表示装置。

[請求項 22] 前記発光部下に位置し、 前記第 1波長の光を反射する反射層をさら に備える

請求項 8〜 2 1のいずれか一項に記載の表示装置。

Description:
明 細 書

発明の名称 :

波長選択フィルタ、 波長選択フィルタの製造方法、 および、 表示装置 技術分野

[0001 ] 本開示は、 波長選択フィルタ、 波長選択フィルタの製造方法、 および、 表 示装置に関する。

背景技術

[0002] 物体の微細な構造に起因した光学現象を利用 して光を選別するフィルタと して、 導波モード共鳴現象を利用した波長選択フィ ルタが提案されている。 この波長選択フィルタは、 光の波長よりも小さい周期の回折格子である サブ 波長格子を有する。 当該サブ波長格子に光が入射すると、 入射光を射出した 空間への回折光の射出が抑えられる一方で、 サブ波長格子が位置する領域と 周囲との間の屈折率差等に起因して、 特定の波長域の光が多重反射しながら 伝播することにより共鳴を起こし、 反射光として強く射出される。

[0003] 例えば、 特許文献 1 に記載のカラーフィルタは、 基板上にサブ波長格子を 構成する複数の凸部が配置された構造を有す る。 しかしながら、 こうした構 造において、 取り出される光の強度を高めるため、 すなわち、 波長選択性に 優れた反射光を得るためには、 特許文献 1 に記載のように、 基板を合成石英 から形成し、 かつ、 凸部をシリコンから形成することにより、 基板と凸部と の間の屈折率差を大きく確保して、 光の多重反射による損失を小さくするこ とが望ましい。 そのためには、 合成石英からなる基板上に単結晶の S iが形 成された S〇 Q ( S i l i c o n o n Q u a r t z ) 基板を用いる必要 があるため、 製造コストの増大が生じる。

[0004] これに対し、 特許文献 2に記載の波長選択素子は、 基板と、 サブ波長格子 を構成する凸部との間に、 基板を構成する材料よりも屈折率の高い材料 から 構成された導波層を有している。 こうした構造によれば、 凸部と導波層とが 樹脂から形成されている場合でも、 多重反射する光を導波層内に伝播させる \¥0 2020/175464 2 卩(:171? 2020 /007435

ことにより、 反射光の波長選択性が高められる。 また、 凸部と導波層とを樹 脂から形成する方法として、 ナノインプリント法を用いることが可能であ る ため、 材料費を低減しつつ簡便に製造が可能であり 、 製造コストの削減もで きる。

先行技術文献

特許文献

[0005] 特許文献 1 :特許第 5 0 2 3 3 2 4号明細書

特許文献 2 :特開 2 0 0 9 - 2 5 5 5 8号公報

特許文献 3 :特開 2 0 1 8 - 1 6 0 6 4 6号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006] しかしながら、 特許文献 2の構造において、 導波層における光の伝播モー ドは、 主に導波層の厚みと光の波長とによって決ま るため、 所望の波長域の 光を導波層内で多重反射させて共鳴を起こす には、 導波層の膜厚を精密に制 御する必要がある。 微細な周期の凸部に加えて、 精密な膜厚の導波層を形成 することは、 波長選択フィルタの製造に際しての負荷の増 大を招く。 例えば 、 凸部と導波層とをナノインプリント法を用い て形成する場合には、 基材上 に塗工された樹脂材料のなかで、 凸部を形成するために樹脂材料に押し付け られた凹版と基材との間に挟まれた残膜部分 が導波層となるため、 導波層の 膜厚の精密な制御が困難である。 それゆえ、 導波モード共鳴現象を利用した 波長選択フィルタにおいて、 波長選択性を高めるための構造には、 なお改善 の余地がある。

[0007] また、 例えば、 特許文献 3に記載のように、 青色の光を発する発光素子と 、 青色の光を青色以外の光に変換する変換素子 とを備えた表示装置が知られ ている。 赤色用の変換素子は、 青色光を赤色光に変換する量子ドッ トを備え て、 発光素子が発する光を赤色に変換する。 緑色用の変換素子は、 青色光を 緑色光に変換する量子ドッ トを備えて、 発光素子が発する光を緑色に変換す \¥0 2020/175464 3 卩(:171? 2020 /007435

る。 表示装置は、 発光素子が発する青色光、 赤色用の変換素子が放出する赤 色光、 および、 緑色用の変換素子が放出する緑色光を用いて 、 カラーの画像 表::^する。

[0008] ところで、 変換素子が放出する光は、 変換後の赤色光、 あるいは、 変換後 の緑色光に加えて、 変換されずに透過する青色光を少なからず含 む。 赤色用 の変換素子から漏れる青色光、 および、 緑色の変換素子から漏れる青色光は 、 表示装置が表示する画像に、 本来の色味とは異なる色味を帯びさせてしま う。

[0009] 本開示の第 1の目的は、 取り出される光の強度を高めることのできる 波長 選択フィルタ、 および、 波長選択フィルタの製造方法を提供すること である 本開示の第 2の目的は、 表示される画像での混色を抑制可能にした表 示装 置を提供することである。

課題を解決するための手段

[0010] 上記第 1の目的を解決する波長選択フィルタは、 凸部または凹部である凹 凸要素であって、 サブ波長周期で互いに離間しつつ二次元格子 状に並ぶ複数 の前記凹凸要素が構成する凹凸構造を表面に 有する凹凸構造層と、 前記凹凸 構造上に位置して当該凹凸構造に追従した表 面形状を有する高屈折率層であ って、 前記凹凸構造の底部に位置する第 1高屈折率部、 および、 前記凹凸構 造の頂部に位置する第 2高屈折率部を含む前記高屈折率層と、 前記高屈折率 層の表面の凹凸を埋めている埋込層と、 を備え、 前記第 1高屈折率部の厚さ を丁 1、 前記第 2高屈折率部の厚さを丁 2、 前記高屈折率層の材料の屈折率 を〇 1、 前記凹凸構造層の材料の屈折率を n 2、 前記埋込層の材料の屈折率 を〇 3、 前記第 1高屈折率部を含みその厚さ方向と直交する 面にて当該第 1高屈折率部が占める面積比率を 1、 前記第 2高屈折率部を含みその厚さ 方向と直交する断面にて当該第 2高屈折率部が占める面積比率を 2、 とす るとき、 门 1>门 2、 门 1>门 3、 かつ、 [¾ 1 + [¾ 2>1であって、 7 1 X { n 1 X R 1 + n 2 X ( 1 —6 1 ) } の値が第 1パラメータであり、 丁 2 X \¥02020/175464 4 卩(:171? 2020 /007435

{n 1 XR 2十 n 3X (1 — [¾ 2) } の値が第 2パラメータであり、 前記第 1パラメータに対する前記第 2パラメータの比が、 〇. 7以上·! . 3以下で ある。

[0011] 上記構成によれば、 厚さ方向と直交する断面に沿う格子領域であ って、 第

1高屈折率部を含む格子領域と、 第 2高屈折率部を含む格子領域とにおいて 、 導波モード共鳴現象によって共鳴を起こす光 の波長域が互いに近くなる。 したがって、 2つの格子領域の各々で強められた近しい波 域の光が反射光 として得られるため、 1つの格子領域のみを有する波長選択フィル と比較 して、 反射光として取り出される光の強度が高めら れる。

[0012] 上記第 1の目的を解決する波長選択フィルタの製造 法は、 第 1低屈折率 材料からなる層の表面に、 サブ波長周期で互いに離間しつつ二次元格子 状に 並ぶ複数の凸部または凹部である凹凸要素を 形成することによって、 凹凸構 造層を形成することと、 前記第 1低屈折率材料よりも高い屈折率を有する高 屈折率材料を用いて、 前記凹凸構造層の表面に沿って、 当該凹凸構造層が有 する凹凸構造の底部に位置する第 1高屈折率部と、 前記凹凸構造の頂部に位 置する第 2高屈折率部とを含む高屈折率層を形成する とと、 前記高屈折率 材料よりも低い屈折率を有する第 2低屈折率材料を用いて、 前記高屈折率層 の表面の凹凸を埋めることにより埋込層を形 成することと、 を含み、 前記第 1高屈折率部の厚さを丁 1、 前記第 2高屈折率部の厚さを丁 2、 前記高屈折 率材料の屈折率を〇 1、 前記第 1低屈折率材料の屈折率を n 2、 前記第 2低 屈折率材料の屈折率を n 3、 前記第 1高屈折率部を含みその厚さ方向と直交 する断面にて当該第 1高屈折率部が占める面積比率を 1、 前記第 2高屈折 率部を含みその厚さ方向と直交する断面にて 当該第 2高屈折率部が占める面 積比率を [¾ 2、 とするとき、 n 1 >n 2、 n 1 >n 3、 かつ、

1であって、 71 X (1 _[¾ 1) } の値が第 1パラメ

—夕であり、 72X {门 1 [¾ 2十门 3 (1 — 82) } の値が第 2パラメ —夕であり、 前記第 1パラメータに対する前記第 2パラメータの比が、 〇.

7以上·! . 3以下となるように、 各層を形成する。 \¥0 2020/175464 5 卩(:171? 2020 /007435

[0013] 上記製法によれば、 格子領域に接する層の精密な膜厚の制御を要 さずに、 反射光として取り出される光の強度が高めら れた波長選択フィルタを製造す ることができる。 したがって、 こうした波長選択フィルタを容易に製造する ことができる。

[0014] 上記第 2の目的を解決する表示装置は、 第 1波長の光を発する発光部と、 前記発光部上に位置し、 前記第 1波長の光を励起光に用いて前記第 1波長よ りも長い第 2波長の光を放出する波長変換部と、 前記波長変換部上に位置す る波長選択部であって、 前記波長選択部における前記第 1波長の光の反射率 が 7 0 %以上、 かつ、 前記第 2波長の光の透過率が 7 0 %以上である、 前記 波長選択部と、 を備える。

[0015] 上記構成によれば、 波長変換部が放出する第 2波長の光と、 発光部が発す る第 1波長の光とが、 波長変換部上で混ざる場合であっても、 波長変換部上 に位置する波長選択部が、 第 1波長の光を反射する。 結果として、 波長変換 部上において表示装置の表側に射出される光 に、 第 1波長の光が混ざること が抑えられるため、 波長選択部を通して出射される光を用いた画 像での混色 が抑制可能となる。

発明の効果

[0016] 本開示によれば、 波長選択フィルタにおいて、 取り出される光の強度を高 めることができる。

本開示によれば、 表示装置において、 表示される画像での混色を抑制する ことができる。

図面の簡単な説明

[0017] [図 1]第 1実施形態の波長選択フィルタの断面構造を す図。

[図 2八]第 1実施形態の波長選択フィルタにおける第 1格子領域の断面構造を 、 波長選択フィルタの断面構造と共に示す図。

[図 28]第 1実施形態の波長選択フィルタにおける第 2格子領域の断面構造を 、 波長選択フィルタの断面構造と共に示す図。

[図 3]第 1実施形態の波長選択フィルタにおける中間 域の断面構造を、 波長 \¥0 2020/175464 6 卩(:171? 2020 /007435

選択フィルタの断面構造と共に示す図。

[図 4]第 1実施形態の波長選択フィルタの製造方法に いて、 凹凸構造層の形 成工程を示す図。

[図 5]第 1実施形態の波長選択フィルタの製造方法に いて、 高屈折率層の形 成工程を示す図。

[図 6]第 1実施形態の波長選択フィルタの製造方法に いて、 埋込層の形成エ 程を示す図。

[図 7]第 1実施形態の波長選択フィルタにおける変形 の断面構造を示す図。 [図 8]第 1実施形態の波長選択フィルタの適用例であ 波長選択デバイスの作 用を示す図。

[図 9]第 1実施形態の波長選択フィルタの適用例であ 表示体の平面構造を示 す図。

[図 10]第 1実施形態の波長選択フイルタの適用例であ 表示体の作用を示す 図。

[図 1 1]第 1実施形態の波長選択フィルタの適用例であ カラーフィルタの平 面構造を示す図。

[図 12]第 1実施形態の波長選択フィルタの適用例であ カラーフィルタの作 用を示す図。

[図 13]第 2実施形態の波長選択フィルタの断面構造の 例を示す図。

[図 14]第 2実施形態の波長選択フィルタの断面構造の 例を示す図。

[図 15]第 2実施形態の波長選択フィルタの製造方法に いて、 凹凸構造体が 向かい合わされた状態を示す図。

[図 16]第 2実施形態の波長選択フィルタの製造方法に いて、 埋込層の形成 工程を示す図。

[図 17]第 3実施形態の表示装置の層構成を示す図。

[図 18]第 3実施形態の表示装置における光学的な作用 示す図。

[図 19]第 3実施形態の波長選択フィルタの他の例の断 構造を、 格子領域の 断面構造とともに示す図。 \¥0 2020/175464 7 卩(:171? 2020 /007435

[図 20]第 3実施形態の波長選択フィルタの他の例の断 構造を示す図。 発明を実施するための形態

[0018] (第 1実施形態)

図 1〜図 1 2を参照して、 第 1実施形態を説明する。 第 1実施形態は、 波 長選択フィルタ、 および、 波長選択フィルタの製造方法の実施形態であ る。 波長選択フィルタは、 波長選択フィルタに入射した光のなかから特 定の波長 域の光を反射、 もしくは、 透過することにより取り出す機能を有する。 波長 選択フィルタの選択対象の波長域は特に限定 されないが、 例えば、 波長選択 フィルタは、 人間の肉眼で視認可能な光、 すなわち、 可視領域の光のなかか ら特定の波長域の光を取り出す。 以下において、 可視領域の光の波長は、 4 0 0 〇!以上 8 0 0 1^〇!以下である。

[0019] [波長選択フィルタの全体構成]

図 1が示すように、 波長選択フィルタ 1 〇は、 基材 1 1、 第 1低屈折率領 域 1 2、 第 1格子領域 1 3、 中間領域 1 4、 第 2格子領域 1 5、 および、 第 2低屈折率領域 1 6を備えている。 第 1低屈折率領域 1 2、 第 1格子領域 1 3、 中間領域 1 4、 第 2格子領域 1 5、 および、 第 2低屈折率領域 1 6の各 々は、 層状に広がっており、 基材 1 1 に近い位置からこの順に並んでいる。 各領域の並ぶ方向が第 1方向であり、 第 1方向は、 すなわち、 各領域および 波長選択フィルタ 1 〇の厚さ方向である。 また、 基材 1 1 に対して第 2低屈 折率領域 1 6の位置する側が波長選択フィルタ 1 0の表面側であり、 第 2低 屈折率領域 1 6に対して基材 1 1の位置する側が、 波長選択フィルタ 1 0の 裏面側である。

[0020] 基材 1 1は板状を有し、 基材 1 1が有する面のうち、 波長選択フィルタ 1

0の表面側に位置する面が基材 1 1の表面である。 波長選択フィルタ 1 〇の 選択対象が可視領域の光である場合には、 基材 1 1 としては、 例えば、 合成 石英基板や、 ポリエチレンテレフタラート、 ポリエチレンナフタレート等の 樹脂からなるフィルムが用いられる。

[0021 ] 第 1低屈折率領域 1 2は、 基材 1 1の表面に接し、 基材 1 1の表面に沿っ \¥0 2020/175464 8 卩(:171? 2020 /007435

て広がっている。 第 1格子領域 1 3は、 第 1高屈折率部 1 3 3 と第 1低屈折 率部 1 3 13とを有する。 基材 1 1の表面と対向する方向から見て、 すなわち 、 第 1方向に沿った方向から見て、 複数の第 1低屈折率部 1 3匕は二次元格 子状に配置され、 第 1高屈折率部 1 3 3 は複数の第 1低屈折率部 1 3匕の間 を埋めている。

[0022] 中間領域 1 4は、 側部高屈折率部 1 4 3 と孤立低屈折率部 1 4匕と外周低 屈折率部 1 4〇とを有する。 第 1方向に沿った方向から見て、 複数の孤立低 屈折率部 1 4匕は二次元格子状に配置され、 各孤立低屈折率部 1 4匕の周り を側部高屈折率部 1 4 3 が囲んでいる。 そして、 複数の側部高屈折率部 1 4 3の間を外周低屈折率部 1 4〇が埋めている。 孤立低屈折率部 1 4匕は、 第 1低屈折率部 1 3匕上に位置する。 側部高屈折率部 1 4 3 は、 第 1高屈折率 部 1 3 3の幅方向における端部上に位置し、 外周低屈折率部 第 1 高屈折率部 1 3 3の幅方向における中央部上に位置する。

[0023] 第 2格子領域 1 5は、 第 2高屈折率部 1 5 3 と第 2低屈折率部 1 5匕とを 有する。 第 1方向に沿った方向から見て、 複数の第 2高屈折率部 1 5 3 は二 次元格子状に配置され、 第 2低屈折率部 1 5匕は複数の第 2高屈折率部 1 5 3の間を埋めている。 第 2高屈折率部 1 5 3は、 孤立低屈折率部 1 4匕上お よび側部高屈折率部 1 4 3 上に位置し、 第 2低屈折率部 1 5匕は、 外周低屈 折率部 1 4〇上に位置する。

[0024] 第 2低屈折率領域 1 6は、 第 2格子領域 1 5に対して中間領域 1 4とは反 対側で第 2格子領域 1 5を覆っている。

波長選択フィルタ 1 〇を構成する上記の各領域において、 第 1方向に沿っ て互いに隣接する領域は、 その一部において互いに連続している。 具体的に は、 第 1低屈折率領域 1 2と第 1低屈折率部 1 3匕とは互いに連続し、 さら に、 第 1低屈折率部 1 3匕と孤立低屈折率部 1 4匕とは互いに連続しており 、 これらは互いに同一の材料から構成される。 また、 第 1高屈折率部 1 3 3 と側部高屈折率部 1 4 3 とは互いに連続し、 さらに、 側部高屈折率部 1 と第 2高屈折率部 1 5 3とは互いに連続しており、 これらは互いに同一の材 \¥0 2020/175464 9 卩(:171? 2020 /007435

料から構成される。 また、 外周低屈折率部

は互いに連続し、 さらに、 第 2低屈折率部 1 5匕と第 2低屈折率領域 1 6と は互いに連続しており、 これらは互いに同一の材料から構成される。

[0025] すなわち、 波長選択フィルタ 1 0は、 基材 1 1 と、 基材 1 1上に位置し、 二次元格子状に配置された複数の凸部 1 7 3が構成する凹凸構造を表面に有 する凹凸構造層 1 7と、 凹凸構造層 1 7の表面に沿って配置されて上記凹凸 構造に追従した表面形状を有する高屈折率層 1 8と、 高屈折率層 1 8の表面 における凹凸を埋める埋込層 1 9とを備える構造体であるとも捉えられる。

[0026] 凹凸構造層 1 7は、 第 1低屈折率領域 1 2と第 1低屈折率部 1 3匕と孤立 低屈折率部 1 4匕とから構成され、 凸部 1 7 3 は、 第 1低屈折率部 1 3匕と 孤立低屈折率部 1 4匕とから構成される。

[0027] 高屈折率層 1 8は、 第 1高屈折率部 1 3 3 と側部高屈折率部 1 4 3 と第 2 高屈折率部 1 5 3 とから構成される。 第 1高屈折率部 1 3 3 は、 複数の凸部 1 7 3 の間、 すなわち、 凹凸構造の底部に位置する。 側部高屈折率部 1 は、 凸部 1 7 3 の側面に接し、 第 1方向に沿った方向から見て互いに隣り合 う第 1高屈折率部 1 3 3 と第 2高屈折率部 1 5 3 との端部間を繫ぐように、 中間領域 1 4の厚さ方向に延びている。 第 2高屈折率部 1 5 3は、 凸部 1 7 3の頂面を覆い、 すなわち、 凹凸構造の頂部に位置する。

[0028] 埋込層 1 9は、 外周低屈折率部 1 4〇と第 2低屈折率部 1 5匕と第 2低屈 折率領域 1 6とから構成され、 第 2低屈折率領域 1 6から基材 1 1 に向けて 外周低屈折率部 1 4〇および第 2低屈折率部 1 5匕が突出した形状を有する

[0029] 高屈折率層 1 8の材料の屈折率は、 凹凸構造層 1 7および埋込層 1 9の各 々の材料の屈折率よりも大きい。 すなわち、 第 1高屈折率部 1 3 3 , 側部高 屈折率部 1 4 3 、 第 2高屈折率部 1 5 3 の各々の屈折率は、 第 1低屈折率領 域 1 2、 第 1低屈折率部 1 3匕、 孤立低屈折率部 1 4匕、 外周低屈折率部 1 4〇, 第 2低屈折率部 1 5 13、 第 2低屈折率領域 1 6の各々の屈折率よりも 大きい。 凹凸構造層 1 7と埋込層 1 9とは、 同一の材料から構成されてもよ \¥0 2020/175464 10 卩(:171? 2020 /007435

いし、 互いに異なる材料から構成されていてもよい 。

[0030] 波長選択フィルタ 1 0の選択対象が可視領域の光である場合には 凹凸構 造層 1 7および埋込層 1 9を構成する低屈折率材料としては、 合成石英等の 無機物や、 紫外線硬化性樹脂、 熱可塑性樹脂、 熱硬化性樹脂等の樹脂材料を 用いることが可能である。 この場合、 高屈折率層 1 8を構成する高屈折率材 料としては、 丁 I 〇 2 (酸化チタン) 、 1\1匕 2 5 (酸化ニオブ) 、 丁 3 2 5 ( 酸化タンタル) 、 「〇 (酸化ジルコニウム) 、 Z n S (硫化亜鉛) 、 丨 丁 〇 (酸化インジウムスズ) 、 八 I (窒化アルミニウム) 等の無機化合物材 料を用いることができる。

[0031 ] [波長選択フィルタの作用]

第 1格子領域 1 3における格子構造の周期、 すなわち、 第 1低屈折率部 1 3匕の配列の周期が、 第 1周期 1であり、 第 1周期 1は、 可視領域の光 の波長よりも小さい。 同様に、 第 2格子領域 1 5における格子構造の周期、 すなわち、 第 2高屈折率部 1 5 3 の配列の周期が、 第 2周期 2であり、 第 2周期 2は、 可視領域の光の波長よりも小さい。 すなわち、 第 1周期 1 および第 2周期 2はサブ波長周期であり、 第 1格子領域 1 3および第 2格 子領域 1 5の各々はサブ波長格子を含む。

[0032] 波長選択フィルタ 1 0において、 領域ごとの平均屈折率は、 各領域におけ る高屈折率部と低屈折率部との体積比率に応 じて、 高屈折率部の屈折率と低 屈折率部の屈折率とを均した値に近似される 。 第 1格子領域 1 3における第 1高屈折率部 1 3 3 の割合、 および、 第 2格子領域 1 5における第 2高屈折 率部 1 5 3 の割合の各々よりも、 中間領域 1 4における側部高屈折率部 1 4 3の割合は小さい。 したがって、 中間領域 1 4の平均屈折率は、 第 1格子領 域 1 3の平均屈折率、 および、 第 2格子領域 1 5の平均屈折率の各々よりも 小さい。 すなわち、 波長選択フィルタ 1 〇は、 第 1格子領域 1 3および第 2 格子領域 1 5の各々に位置するサブ波長格子が、 低屈折率の領域に埋め込ま れた構造を有している。

[0033] 上記波長選択フィルタ 1 0の表面側から波長選択フィルタ 1 0に光が入射 \¥0 2020/175464 1 1 卩(:171? 2020 /007435

すると、 第 2格子領域 1 5のサブ波長格子が低屈折率の領域に埋め込 れて いることから、 第 2格子領域 1 5では、 表面側への回折光の射出が抑えられ 、 導波モード共鳴現象が発生する。 すなわち、 特定の波長域の光が第 2格子 領域 1 5を多重反射しつつ伝播して共鳴を起こし、 この特定の波長域の光が 、 波長選択フィルタ 1 〇の表面側に反射光として射出される。

[0034] 第 2格子領域 1 5を透過し、 さらに中間領域 1 4を透過した光は、 第 1格 子領域 1 3に入る。 第 1格子領域 1 3に光が入射すると、 第 1格子領域 1 3 のサブ波長格子が低屈折率の領域に埋め込ま れていることから、 第 1格子領 域 1 3でも、 導波モード共鳴現象が発生する。 すなわち、 特定の波長域の光 が第 1格子領域 1 3を多重反射しつつ伝播して共鳴を起こし、 この特定の波 長域の光が、 波長選択フィルタ 1 0の表面側に反射光として射出される。

[0035] 第 1格子領域 1 3を透過した光は、 第 1低屈折率領域 1 2および基材 1 1 を透過して、 波長選択フィルタ 1 〇の裏面側に出る。

結果として、 波長選択フィルタ 1 〇の表面側には、 第 2格子領域 1 5で強 められた波長域の光と、 第 1格子領域 1 3で強められた波長域の光とが射出 される。 そして、 波長選択フィルタ 1 〇への入射光に含まれる波長域のなか で、 上記反射光として射出された波長域を除く波 長域の光が、 透過光として 波長選択フィルタ 1 〇の裏面側に射出される。

[0036] なお、 波長選択フィルタ 1 0の裏面側から波長選択フィルタ 1 0に光が入 射した場合には、 第 2格子領域 1 5で強められた波長域の反射光と、 第 1格 子領域 1 3で強められた波長域の反射光とが、 波長選択フィルタ 1 0の裏面 側に射出される。 そして、 入射光に含まれる波長域のなかで、 上記反射光と して射出された波長域を除く波長域の光が、 透過光として波長選択フィルタ 1 0の表面側に射出される。

[0037] [波長選択フィルタの詳細構成]

上述の波長選択フィルタ 1 0において、 波長選択性を高めるため、 すなわ ち、 反射光における特定の範囲の波長域の強度を 高めるための構成について 説明する。 \¥0 2020/175464 12 卩(:171? 2020 /007435

[0038] 波長選択フィルタ 1 0において、 第 1格子領域 1 3で共鳴を起こす光の波 長域と、 第 2格子領域 1 5で共鳴を起こす光の波長域とが一致してい ば、 波長選択フィルタ 1 〇から反射光として射出される波長域の光の 強度が大き くなり、 反射光の波長選択性が高められる。

[0039] 例えば、 第 2格子領域 1 5で特定の波長域の光が共鳴を起こしたとき 第

2格子領域 1 5と中間領域 1 4との屈折率の差が小さい場合等には、 上記特 定の波長域の光の一部が、 第 2格子領域 1 5内での反射ごとに、 中間領域 1 4に漏れ出る。 こうした場合にも、 第 1格子領域 1 3と第 2格子領域 1 5と で共鳴を起こす光の波長域が一致していれば 、 中間領域 1 4に漏れ出た上記 特定の波長域の光が第 1格子領域 1 3に入って共鳴を起こし、 反射光として 射出される。 したがって、 1つの格子領域のみを有する波長選択フィル と 比較して、 波長選択フィルタ 1 〇から反射光として射出される上記特定の波 長域の光の強度は大きくなり、 反射光の波長選択性が高められる。

[0040] 第 1格子領域 1 3と第 2格子領域 1 5とで共鳴を起こす光の波長域を一致 させるためには、 第 1格子領域 1 3と第 2格子領域 1 5とにおいて、 平均屈 折率と膜厚とを乗じた値として表されるパラ メータである光学膜厚を一致さ せればよい。 つまり、 第 1格子領域 1 3と第 2格子領域 1 5とにおいて、 光 学膜厚が近いほど、 共鳴を起こす光の波長域が近くなり、 反射光の波長選択 性が高められる。 本願の発明者は、 シミュレーションによって、 反射光につ いての良好な波長選択性を得られる第 1格子領域 1 3と第 2格子領域 1 5と の光学膜厚の比の範囲を見出した。 以下、 この内容について詳細に説明する

[0041 ] 図 2八は、 第 1格子領域 1 3における第 1方向と直交する断面を、 波長選 択フィルタ 1 〇の断面とともに示す図であり、 図 2巳は、 第 2格子領域 1 5 における第 1方向と直交する断面を、 波長選択フィルタ 1 〇の断面とともに 示す図である。 第 2方向と第 3方向とは、 基材 1 1の表面に沿った方向であ って、 第 2方向と第 3方向との各々は、 第 1方向と直交する。 第 2方向と第 3方向とは、 互いに直交する。 \¥0 2020/175464 13 卩(:171? 2020 /007435

[0042] 図 2八が示すように、 第 1格子領域 1 3において、 複数の第 1低屈折率部

1 3匕は、 二次元格子状に配置されている。 二次元格子の種類は特に限定さ れず、 互いに異なる方向に延びる 2つの平行線群が交差することによって構 成される格子の格子点に第 1低屈折率部 1 3匕が位置していればよい。 例え ば、 第 1低屈折率部 1 3匕が構成する二次元格子は、 正方格子であってもよ いし、 六方格子であってもよい。 第 1格子領域 1 3における格子構造の周期 である第 1周期 1は、 二次元格子が延びる各方向において一致して いる。

[0043] 第 1方向に沿った方向から見て、 第 1低屈折率部 1 3匕の形状は特に限定 されないが、 例えば第 1低屈折率部 1 3匕が正方形であると、 第 1格子領域 1 3の平均屈折率を規定する体積比率の設定が 易である。

[0044] 第 1格子領域 1 3の全体に対する第 1高屈折率部 1 3 3の体積比率は、 第

1方向に沿った方向から見た平面視での第 1格子領域 1 3の全体に対する第 1高屈折率部 1 3 3 の面積比率に等しい。 当該面積比率は、 言い換えれば、 第 1高屈折率部 1 3 3を含みその厚さ方向と直交する断面にて第 1高屈折率 部 1 3 3が占める面積比率である。 断面の位置によって第 1高屈折率部 1 3 3の面積が変化する場合には、 第 1高屈折率部 1 3 3 の面積が最大となる断 面での第 1高屈折率部 1 3 3の面積比率が採用される。

[0045] とするとき、 上記断面におけ る第 1低屈折率部 1 3匕の面積比率は で表される。

高屈折率層 1 8の材料の屈折率を n 1、 凹凸構造層 1 7の材料の屈折率を n 2とするとき (n 1 > n 2) 、 第 1格子領域 1 3の平均屈折率 八 1は、 下記式 ( 1) によって表される。

[0046] そして、 第 1格子領域 1 3の光学膜厚〇丁 1 (第 1パラメータ) は、 第 1 格子領域 1 3の平均屈折率 八 1および厚さ丁 1 を用いて、 下記式 (2) に よって表される。

〇丁 1 =丁 1 X 八 1

= 7 ] X 4 1 X 8 1 十门 2 (1 - [¾ 1) } 2 \¥0 2020/175464 14 卩(:171? 2020 /007435

[0047] 図 2巳が示すように、 第 2格子領域 1 5において、 複数の第 2高屈折率部

1 5 3は、 第 1格子領域 1 3と一致した二次元格子状に配置されている 第 2格子領域 1 5における格子構造の周期である第 2周期 2は、 第 1格子領 域 1 3における第 1周期 1 と一致している。

[0048] ただし、 第 1方向に沿った方向から見て、 第 2格子領域 1 5において点在 する第 2高屈折率部 1 5 3 は、 第 1格子領域 1 3において点在する第 1低屈 折率部 1 3匕よりも大きい。 言い換えれば、 第 2方向および第 3方向の各々 において、 第 2高屈折率部 1 5 3 の幅は、 第 1低屈折率部 1 3匕の幅よりも 大きい。 したがって、 第 2低屈折率部 1 5匕の幅は、 第 1高屈折率部 1 3 3 の幅よりも小さい。 第 1方向に沿った方向から見て、 第 2高屈折率部 1 5 3 は、 第 1低屈折率部 1 3匕の形状に準じた形状を有する。

[0049] 第 2格子領域 1 5の全体に対する第 2高屈折率部 1 5 3の体積比率は、 第

1方向に沿った方向から見た平面視での第 2格子領域 1 5の全体に対する第 2高屈折率部 1 5 3 の面積比率に等しい。 当該面積比率は、 言い換えれば、 第 2高屈折率部 1 5 3を含みその厚さ方向と直交する断面にて第 2高屈折率 部 1 5 3が占める面積比率である。 断面の位置によって第 2高屈折率部 1 5 3の面積が変化する場合には、 第 2高屈折率部 1 5 3 の面積が最大となる断 面での第 2高屈折率部 1 5 3 の面積比率が採用される。

[0050] 第 2高屈折率部 1 5 3の上記面積比率を 2とするとき、 上記断面におけ る第 2低屈折率部 1 5匕の面積比率は で表される。

高屈折率層 1 8の材料の屈折率を n 1、 埋込層 1 9の材料の屈折率を n 3 とするとき (n 1 > n 3) 、 第 2格子領域 1 5の平均屈折率 八 2は、 下記 式 (3) によって表される。

八2 =门 1 [¾ 2十门 3 (1 - [¾ 2) - (3)

[0051 ] そして、 第 2格子領域 1 5の光学膜厚〇丁 2 (第 2パラメータ) は、 第 2 格子領域 1 5の平均屈折率 八 2および厚さ丁 2を用いて、 下記式 (4) に よって表される。

〇丁 2 =丁 2 八2 \¥02020/175464 15 卩(:171? 2020 /007435

= 72X 4 1 X82十门 3 (1 -[¾ 2) } - (4)

[0052] 第 1格子領域 1 3の光学膜厚〇丁 1 に対する第 2格子領域 1 5の光学膜厚 〇丁 2の比 (〇丁 2/〇丁 1) が、 〇. 7以上·! . 3以下であれば、 波長選 択フィルタ 1 0において、 反射光についての良好な波長選択性が得られ るこ とが確認された。

[0053] 特に、 第 1格子領域 1 3の厚さ丁 1 と第 2格子領域 1 5の厚さ丁 2とが等 しく、 凹凸構造層 1 7の材料の屈折率 n 2と埋込層 1 9の材料の屈折率 n 3 とが等しい場合には、 第 1高屈折率部 1 3 3 の面積比率 1 と第 2高屈折率 部 1 53の面積比率 とが等しいと、 光学膜厚〇丁 1 と光学膜厚〇丁 2と が一致するため好ましい。

[0054] 上述のように、 第 1方向に沿った方向から見て、 第 2高屈折率部 1 53は 第 1低屈折率部 1 3匕よりも大きくなる。 それゆえ、 本実施形態では、 第 1 高屈折率部 1 3 3 の面積比率 1 と第 2高屈折率部 1 5 3 の面積比率 2と を近づけるために、 第 1格子領域 1 3にて第 1低屈折率部 1 3匕の面積比率 を第 1高屈折率部 1 33の面積比率よりも小さく し、 第 2格子領域 1 5にて 第 2高屈折率部 1 5 3 の面積比率を第 2低屈折率部 1 5匕の面積比率よりも 大きく している。 したがって、 第 1高屈折率部 1 33の面積比率 1 と第 2 高屈折率部 1 53の面積比率 2との各々は、 〇. 5よりも大きく、 [¾ 1 + よりも大きくなる。

[0055] 面積比率[¾ 1 , 5よりも大きいことにより、 面積比率 1 ,

2が〇. 5以下である形態と比較して、 各格子領域 1 3, 1 5の平均屈折率 が高くなるため、 各格子領域 1 3, 1 5の平均屈折率と、 当該領域に隣接す る各領域 1 2, 1 4, 1 6の平均屈折率との差が大きくなる。 その結果、 各 格子領域 1 3, 1 5にて生じる多重反射での損失が小さくなる め、 格子領 域 1 3, 1 5から射出される反射光の強度が高められる

[0056] 図 3は、 中間領域 1 4における第 1方向と直交する断面を、 波長選択フィ ルタ 1 0の断面とともに示す図である。 図 3が示すように、 中間領域 1 4に おいて、 複数の孤立低屈折率部 1 4匕は、 第 1格子領域 1 3と一致した二次 \¥0 2020/175464 16 卩(:171? 2020 /007435

元格子状に配置されている。 中間領域 1 4における孤立低屈折率部 1 4匕の 配列の周期である第 3周期 3は、 第 1格子領域 1 3における第 1周期 1 と一致している。 第 1方向に沿った方向から見て、 孤立低屈折率部 1 4匕の 大きさは、 第 1低屈折率部 1 3匕と一致する。 側部高屈折率部 1 4 3 は孤立 低屈折率部 1 4匕を 1つずつ取り囲んでおり、 互いに隣接する側部高屈折率 部 1 4 3 の間を外周低屈折率部 1 4〇が埋めている。

[0057] ここで、 第 1方向に沿った方向から見た平面視での中間 域 1 4の全体に 対する側部高屈折率部 1 4 3 の面積比率は、 第 2高屈折率部 1 5 3の上記面 積比率と第 1低屈折率部 1 3 の上記面積比率との差以下であることが好ま しい。 すなわち、 上記側部高屈折率部 1 4 3 の面積比率を 3とするとき、 は、 下記式 (5) を満たすことが好ましい。 なお、 側部高屈折率部 1 4 3の面積比率は、 言い換えれば、 側部高屈折率部 1 4 3 を含みその厚さ方向 と直交する断面にて側部高屈折率部 1 4 3 が占める面積比率である。 断面の 位置によって側部高屈折率部 1 4 3 の面積が変化する場合には、 側部高屈折 率部 1 4 3の面積が最大となる断面での側部高屈折率 1 4 3の面積比率が 探用される。

[0058] 上記式 (5) が満たされているとき、 第 1方向に沿った方向から見て、 第

2高屈折率部 1 5 3は、 孤立低屈折率部 1 4匕および側部高屈折率部 1 4 3 の外側まで広がっている。 詳細には、 第 1方向に沿った方向から見て、 第 2 高屈折率部 1 5 3が位置する領域が、 孤立低屈折率部 1 4匕および側部高屈 折率部 1 4 3が位置する領域と一致するとき、 側部高屈折率部 1 4 3 の上記 面積比率 3は、 右辺と一致し、 となる。 そして、 第 1方向 に沿った方向から見て、 第 2高屈折率部 1 5 3 が位置する領域が、 孤立低屈 折率部 1 4匕および側部高屈折率部 1 4 3が位置する領域よりも大きいとき 、 言い換えれば、 側部高屈折率部 1 4 3 が第 2高屈折率部 1 5 3の外縁より も内側の領域に位置するとき、 上記面積比率 3は、 よりも 小さくなる。 \¥0 2020/175464 17 卩(:171? 2020 /007435

[0059] 上述のように、 導波モード共鳴現象によって各格子領域 1 3 , 1 5から射 出される反射光の強度を高めるためには、 各格子領域 1 3 , 1 5の平均屈折 率と、 当該格子領域 1 3 , 1 5を挟む各領域 1 2 , 1 4 , 1 6の平均屈折率 との差が大きいことが望ましい。 したがって、 中間領域 1 4の平均屈折率は 小さいほど好ましく、 すなわち、 側部高屈折率部 1 4 3 の面積比率が小さい ほど好ましい。 上記式 (5) が満たされていれば、 側部高屈折率部 1 4 3 の 幅が、 第 2高屈折率部 1 5 3よりも外側まで広がらない程度に抑えられ た め、 側部高屈折率部 1 4 3 の面積比率が大きくなりすぎない。 したがって、 各格子領域 1 3 , 1 5からの反射光の強度が良好になる。

[0060] 上記反射光の強度を高めるためには、 第 1格子領域 1 3の平均屈折率と、 第 1低屈折率領域 1 2および中間領域 1 4の各々の平均屈折率との差は、 い ずれも〇. 1 よりも大きいことが好ましい。 同様に、 第 2格子領域 1 5の平 均屈折率と、 中間領域 1 4および第 2低屈折率領域 1 6の各々の平均屈折率 との差は、 いずれも〇. 1 よりも大きいことが好ましい。

[0061 ] なお、 本実施形態においては、 サブ波長格子を構成する要素が二次元格子 状に並ぶが、 例えば、 サブ波長格子を構成する要素が、 第 2方向あるいは第 3方向に帯状に延びる形態であっても、 導波モード共鳴現象を生じさせるこ とはできる。 しかしながら、 上記要素が 1つの方向に延びている場合、 当該 要素を有する格子領域では、 当該要素の配列方向に依存する特定の方向へ 偏 光した光のみが多重反射して共鳴を起こし、 反射光として射出される。 これ に対し、 本実施形態のように、 上記要素が二次元格子状に並ぶ形態であれば 、 互いに異なる方向へ偏光している光をそれぞ れ共鳴させることができる。 したがって、 様々な方向への偏光成分を含む入射光に対し て、 効率的に反射 光が出射されるため、 反射光の強度がより高められる。

[0062] 特に、 上記要素が六方格子状に並ぶ形態であれば、 上記要素が正方格子状 に並ぶ形態と比較して、 格子領域にて共鳴可能な偏光の方向が多くな るため 、 様々な方向への偏光成分を含む入射光に対し て、 より効率的に反射光を出 射することができる。 \¥0 2020/175464 18 卩(:17 2020 /007435

[0063] [波長選択フィルタの製造方法]

図 4〜図 6を参照して、 波長選択フィルタ 1 0の製造方法について説明す る。

図 4が示すように、 まず、 基材 1 1の表面に、 低屈折率材料からなる層を 形成し、 この層の表面に凹凸構造を形成することによ って、 凹凸構造層 1 7 を形成する。 凹凸構造層 1 7は、 基材 1 1 に沿って広がる平坦部 1 と、 平坦部 1 7〇から突き出た複数の凸部 1 7 3 とを有するとともに、 凸部 1 7 3間に位置する部分である複数の凹部 1 7匕を有する。 複数の凸部 1 7 3 は 互いに離間しており、 凹部 1 7匕は連続する 1つの凹部を構成している。

[0064] 凹凸構造の形成には、 ナノインプリント法やドライエッチング法等 の公知 の微細加工技術が用いられる。 なかでも、 ナノインプリント法は、 微細な凸 部 1 7 3および凹部 1 7匕を簡便に形成できるため好ましい。

[0065] 例えば、 低屈折率材料として紫外線硬化性樹脂を用い 、 光ナノインプリン 卜法によって凹凸構造層 1 7を形成する場合、 まず、 基材 1 1の表面に、 紫 外線硬化性樹脂を塗工する。 次いで、 この紫外線硬化性樹脂からなる塗工層 の表面に、 形成対象の凸部 1 7 3および凹部 1 7匕からなる凹凸の反転され た凹凸を有する凹版である合成石英モールド を押し当て、 塗工層および凹版 に紫外線を照射する。 続いて、 硬化した紫外線硬化性樹脂を凹版から離型す る。 これによって、 凹版の有する凹凸が紫外線硬化性樹脂に転写 されて凸部 1 7 3および凹部 1 7匕が形成されるとともに、 凸部 1 7 3および凹部 1 7 匕と基材 1 1 との間には、 紫外線硬化性樹脂からなる残膜として、 平坦部 1 7〇が形成される。

[0066] 次に、 図 5が示すように、 凹凸構造層 1 7の表面に、 高屈折率材料からな る高屈折率層 1 8を形成する。 高屈折率層 1 8の形成方法としては、 真空蒸 着法やスパッタリング法等の公知の成膜技術 が用いられる。 高屈折率層 1 8 の厚さは、 凸部 1 7 3の高さよりも小さく、 所望の厚さ丁 1および厚さ丁 2 に応じて設定される。

[0067] 真空蒸着法やスパッタリング法を含む物理気 相成長法を用いて高屈折率層 \¥0 2020/175464 19 卩(:171? 2020 /007435

1 8を形成する場合、 凹凸構造層 1 7の凸部 1 7 3 上には、 凸部 1 7 3 より も広がるように膜が形成される。 すなわち、 第 2高屈折率部 1 5 3の幅が、 凸部 1 7 3 である第 1低屈折率部 1 3匕および孤立低屈折率部 1 4匕の幅よ りも大きく形成される。 したがって、 物理気相成長法が採用される場合に、 凹凸構造層 1 7の表面における凸部 1 7 3 と凹部 1 7匕との面積比率を 1対 1 に設定したとしても、 第 1高屈折率部 1 3 3の面積比率と第 2高屈折率部 1 5 3の面積比率との間にはずれが生じてしまう

[0068] また、 成膜中に第 2高屈折率部 1 5 3 の幅が拡大していくと、 凹部 1 7匕 上に蒸着材料の粒子が付着し難くなるため、 第 1高屈折率部 1 3 3の厚さ丁 1 と第 2高屈折率部 1 5 3の厚さ丁 2との間にずれが生じる場合がある。

[0069] こうした第 2高屈折率部 1 5 3の幅の拡大に起因した面積比率や厚さのず れを補填しつつ、 上記光学膜厚〇丁 1 に対する光学膜厚〇丁 2の比が、 〇.

7以上·! . 3以下となるように、 凸部 1 7 3と凹部 1 7匕との面積比率を設 定することが望ましい。 本実施形態のように、 凸部 1 7 3 が二次元格子状に 並ぶ形態であれば、 凸部 1 7 3の大きさや配置についての自由度が高いた 、 凸部 1 7 3 と凹部 1 7匕との面積比率の設定に際しての細かな調 が容易 である。

[0070] また、 物理気相成長法を用いて高屈折率層 1 8を形成する場合、 凹凸構造 層 1 7の凸部 1 7 3 の側面にも高屈折率材料が付着する場合 が多く、 側部高 屈折率部 1 4 3 の形成は避け難い。 そこで、 上述のように、 上記式 (5) が 満たされるように、 側部高屈折率部 1 4 3の幅を制御することで、 側部高屈 折率部 1 4 3 が形成される製造方法を採用しながらも 、 各格子領域 1 3 , 1 5からの反射光の強度を良好に得ることがで る。

[0071 ] 側部高屈折率部 1 4 3 の幅は、 成膜方法や成膜の条件によって制御するこ とが可能である。 例えば、 真空蒸着法とスパッタリング法とでは、 粒子の飛 来方向についての角度依存性が異なるため、 いずれの方法を用いるかによっ て、 側部高屈折率部 1 4 3の幅を変えることができる。 また、 高屈折率層 1 8の形成後にエッチングを行うことによって 側部高屈折率部 1 4 3 の幅を \¥0 2020/175464 20 卩(:171? 2020 /007435

縮小させてもよい。

[0072] 次に、 図 6が示すように、 凹凸構造層 1 7と高屈折率層 1 8とからなる構 造体の表面を覆うように、 低屈折率材料からなる埋込層 1 9を形成して、 高 屈折率層 1 8の表面の凹凸を第 2高屈折率部 1 5 3 上まで埋める。

[0073] 埋込層 1 9の形成方法としては、 各種の塗布法等の公知の成膜技術が用い られる。 例えば、 低屈折率材料として紫外線硬化性樹脂を用い る場合、 まず 、 高屈折率層 1 8の表面に紫外線硬化性樹脂を塗工する。 次いで、 この紫外 線硬化性樹脂からなる塗工層の表面に、 紫外線を透過する材料で構成された 平板を押し当て、 塗工層に紫外線を照射する。 続いて、 硬化した紫外線硬化 性樹脂を平板から離型する。

[0074] 上述のように、 波長選択フィルタ 1 0では、 第 1格子領域 1 3で強められ た波長域の光と、 第 2格子領域 1 5で強められた波長域の光とが射出される ことにより、 得られる反射光の強度が大きくなる。 そのため、 第 1格子領域 1 3や第 2格子領域 1 5に接する層の精密な膜厚の制御を要さずに 具体的 には、 ナノインプリント法を用いて波長選択フィル タ 1 0を形成する場合に は、 残膜の膜厚の精密な制御を要さずに、 波長選択性の高められた波長選択 フィルタ 1 0を製造することができる。 したがって、 波長選択フィルタ 1 0 の製造が容易である。

[0075] また、 波長選択フィルタ 1 0は、 光ナノインプリント法と真空蒸着法等と を組み合わせた製造方法によって形成可能で あるため、 口ール · トゥ · 口一 ル法による製造に適している。 したがって、 波長選択フィルタ 1 〇の構造は 、 大量生産にも適している。

[0076] なお、 上述の製造方法において、 紫外線硬化性樹脂に代えて熱硬化性樹脂 や熱可塑性樹脂を用いて、 ナノインプリント法により凹凸構造層 1 7を形成 してもよい。 熱硬化性樹脂を用いる場合、 紫外線の照射を加熱に変更すれば よく、 熱可塑性樹脂を用いる場合、 紫外線の照射を、 加熱および冷却に変更 すればよい。

[0077] ただし、 熱可塑性樹脂を用いて凹凸構造層 1 7を形成した場合、 埋込層 1 \¥0 2020/175464 21 卩(:171? 2020 /007435

9の形成に際して、 凹凸構造層 1 7が加熱されて変形することを抑えるため に、 熱可塑性樹脂とは異なる材料を用いて埋込層 1 9を形成することが好ま しい。 例えば、 凹凸構造層 1 7を熱可塑性樹脂から形成し、 埋込層 1 9を紫 外線硬化性樹脂から形成してもよい。

[0078] また、 図 7が示すように、 波長選択フィルタ 1 0は、 基材 1 1 を備えてい なくてもよい。 この場合、 低屈折率材料からなる基材の表面に凹凸構造 を形 成することによって、 凹凸構造層 1 7を形成する。 例えば、 熱可塑性樹脂か らなるシートを用いて、 当該シートの表面に凹凸構造を形成してもよ いし、 合成石英からなる基板を用いて、 当該基板の表面に凹凸構造を形成してもよ い。 合成石英基板に対する凹凸構造の形成には、 ドライエッチング法等の公 知の技術が用いられればよい。

[0079] [波長選択フィルタの適用例]

上述した波長選択フィルタ 1 〇の具体的な適用例について説明する。

<波長選択デバイス>

波長選択フィルタ 1 0の第 1の適用例は、 波長選択フィルタ 1 〇を波長選 択デバイスに用いる形態である。 図 8が示すように、 波長選択デバイスに 5 〇は、 複数の波長の光を含む入射光丨 1 を受けたとき、 特定の波長域の光丨 2を反射し、 この特定の波長域の光を除く波長域の光丨 3を透過する。 波長 選択デ/《イス 5 0には波長選択フィルタ 1 0の構成が適用されており、 例え ば波長選択フィルタ 1 〇の表面側から光が入射するように配置され ている。 光丨 2および光 I 3の波長域は、 第 1格子領域 1 3および第 2格子領域 1 5 が有するサブ波長格子の周期および厚さの設 定によって調整可能である。

[0080] 波長選択デバイス 5 0は、 反射光である光丨 2を利用する形態で用いられ てもよいし、 透過光である光丨 3を利用する形態で用いられてもよいし、 光 I 2と光 I 3との双方を利用する形態で用いられてもよ 。 例えば、 波長選 択デバイス 5 0は、 色分解を要する装置や、 照明等を構成する部材として用 いられる。

[0081 ] 上述のように、 第 1実施形態の波長選択フィルタ 1 〇によれば波長選択性 \¥0 2020/175464 22 卩(:171? 2020 /007435

が高められるため、 波長選択フィルタ 1 0の構成が適用されることによって 、 波長選択性の高められた波長選択デバイス 5 0が実現できる。

[0082] <表示体 >

波長選択フィルタ 1 〇の第 2の適用例は、 波長選択フィルタ 1 0を表示体 に用いる形態である。 表示体は、 物品の偽造の困難性を高める目的で用いら れてもよいし、 物品の意匠性を高める目的で用いられてもよ いし、 これらの 目的を兼ねて用いられてもよい。 物品の偽造の困難性を高める目的としては 、 表示体は、 例えば、 パスポートや免許証等の認証書類、 商品券や小切手等 の有価証券類、 クレジッ トカードやキャッシュカード等の力ード類、 紙幣等 に貼り付けられる。 また、 物品の意匠性を高める目的としては、 表示体は、 例えば、 身に着けられる装飾品や、 使用者に携帯される物品、 家具や家電等 のように据え置かれる物品、 壁や扉等の構造物等に取り付けられる。

[0083] 図 9が示すように、 表示体 6 0は、 表面 6 0 と、 表面 6 0 とは反対側 の面である裏面 6 0 とを有し、 表面 6 0 と対向する方向から見て、 表示 体 6 0は、 第 1表示領域 6 1 と第 2表示領域 6 1 巳と第 3表示領域 6 1 〇 とを含んでいる。 第 1表示領域 6 1 八は、 複数の第 1画素 6 2八が配置され ている領域であり、 第 2表示領域 6 1 巳は、 複数の第 2画素 6 2巳が配置さ れている領域であり、 第 3表示領域 6 1 ( 3は、 複数の第 3画素 6 2 ( 3が配置 されている領域である。 換言すれば、 第 1表示領域 6 1 八は、 複数の第 1画 素 6 2八の集合から構成されており、 第 2表示領域 6 1 巳は、 複数の第 2画 素 6 2巳の集合から構成されており、 第 3表示領域 6 1 ( 3は、 複数の第 3画 素 6 2 ( 3の集合から構成されている。

[0084] 第 1表示領域 6 1 と第 2表示領域 6 1 巳と第 3表示領域 6 1 ( 3との各々 は、 これらの領域単独、 もしくは、 これらの領域の 2以上の組み合わせによ って、 文字、 記号、 図形、 模様、 絵柄、 これらの背景等を表現する。 一例と して、 図 9に示す構成では、 第 1表示領域 6 1 によって円形の図形が表現 され、 第 2表示領域 6 1 巳によって三角形の図形が表現され、 第 3表示領域 6 1 <3によって背景が表現されている。 \¥0 2020/175464 23 卩(:171? 2020 /007435

[0085] 第 1画素 6 2八と、 第 2画素 6 2巳と、 第 3画素 6 2〇との各々には、 波 長選択フィルタ 1 〇の構成が適用されている。 第 1画素 6 2八と、 第 2画素 6 2巳と、 第 3画素 6 2〇との各々は、 第 2方向と第 3方向とが表示体 6 0 の表面 6 0 に沿った方向になるように配置されている。 例えば、 これらの 画素 6 2 , 6 2巳, 6 2 ( 3は、 波長選択フィルタ 1 0の表面側が表示体 6 0の表面側となる向きに配置されている。

[0086] 第 1画素 6 2八と、 第 2画素 6 2巳と、 第 3画素 6 2〇とにおいて、 導波 モード共鳴現象による共鳴が起こる波長域は 互いに異なる。 各画素 6 2八, 6 2巳, 6 2〇における共鳴が起こる波長域は、 画素 6 2八, 6 2巳, 6 2 〇ごとに、 第 1格子領域 1 3および第 2格子領域 1 5が有するサブ波長格子 の周期の調整等によって、 所望の波長域に設定されている。 したがって、 複 数の波長の光を含む入射光を受けたとき、 第 1画素 6 2 から射出される反 射光の波長域と、 第 2画素 6 2巳から射出される反射光の波長域と、 第 3画 素 6 2 ( 3から射出される光の波長域とは、 互いに異なる。 また、 上記入射光 を受けたとき、 第 1画素 6 2八から射出される透過光の波長域と、 第 2画素 6 2巳から射出される透過光の波長域と、 第 3画素 6 2 ( 3から射出される透 過光の波長域とは、 互いに異なる。

[0087] すなわち、 図 1 0が示すように、 表示体 6 0の外側から表示体 6 0の表面

6 0 に向けて入射光丨 1が照射されているとき、 表示体 6 0の表面側には 、 第 1画素 6 2 から反射光丨 4が射出され、 第 2画素 6 2巳から反射光丨 5が射出され、 第 3画素 6 2 ( 3から反射光丨 6が射出される。 したがって、 表面側から表示体 6 0の表面 6 0 を見ると、 第 1表示領域 6 1 には反射 光丨 4の波長域に応じた色相の色が視認され、 第 2表示領域 6 1 巳には反射 光丨 5の波長域に応じた色相の色が視認され、 第 3表示領域 6 1 <3には反射 光丨 6の波長域に応じた色相の色が視認される。 反射光丨 4の波長域と、 反 射光丨 5の波長域と、 反射光丨 6の波長域とは互いに異なるため、 第 1表示 領域 6 1 と第 2表示領域 6 1 巳と第 3表示領域 6 1 <3とは互いに異なる色 相の色に見える。 \¥0 2020/175464 24 卩(:171? 2020 /007435

[0088] その結果、 表示体 6 0の外側から表面 6 0 に向けて入射光丨 1が照射さ れている状態で、 表示体 6 0の表面側から表面 6 0 を観察する表面反射観 察によれば、 互いに異なる色の第 1表示領域 6 1 八と第 2表示領域 6 1 巳と 第 3表示領域 6 1 ( 3とから構成される像が視認される。

[0089] また、 表示体 6 0の外側から表示体 6 0の表面 6 0 に向けて入射光丨 1 が照射されているとき、 表示体 6 0の裏面側には、 第 1画素 6 2 から透過 光丨 7が射出され、 第 2画素 6 2巳から透過光丨 8が射出され、 第 3画素 6 2〇から透過光丨 9が射出される。 したがって、 裏面側から表示体 6 0の裏 面 6 0 を見ると、 第 1表示領域 6 1 には透過光丨 7の波長域に応じた色 相の色が視認され、 第 2表示領域 6 1 巳には透過光 I 8の波長域に応じた色 相の色が視認され、 第 3表示領域 6 1 ( 3には透過光 I 9の波長域に応じた色 相の色が視認される。 透過光丨 7の波長域と、 透過光 I 8の波長域と、 透過 光丨 9の波長域とは互いに異なるため、 第 1表示領域 6 1 と第 2表示領域 6 1 巳と第 3表示領域 6 1 〇とは互いに異なる色相の色に見える。

[0090] その結果、 表示体 6 0の外側から表面 6 0 に向けて入射光丨 1が照射さ れている状態で、 表示体 6 0の裏面側から裏面 6 0 を観察する裏面透過観 察によっても、 互いに異なる色の第 1表示領域 6 1 と第 2表示領域 6 1 巳 と第 3表示領域 6 1 ( 3とから構成される像が視認される。

[0091 ] さらに、 反射光丨 4の波長域と透過光 I 7の波長域とは異なるため、 表面 側から表示体 6 0を見たときと、 裏面側から表示体 6 0を見たときとで、 第 1表示領域 6 1 に視認される色の色相は異なる。 裏面側から見える色は、 表面側から見える色の補色に相当する色であ る。 同様に、 表面側から表示体 6 0を見たときと、 裏面側から表示体 6 0を見たときとで、 第 2表示領域 6 1 巳に視認される色の色相は異なり、 第 3表示領域 6 1 ( 3に視認される色の 色相も異なる。

[0092] したがって、 表面反射観察と裏面透過観察とで、 表示体 6 0には互いに異 なる色彩の像が視認される。 それゆえ、 表示体 6 0を備える物品にて、 偽造 の困難性や意匠性がより高められる。 また、 表示体 6 0の表裏の識別も容易 \¥0 2020/175464 25 卩(:171? 2020 /007435

である。

[0093] そして、 上述のように、 第 1実施形態の波長選択フィルタ 1 0によれば波 長選択性が高められるため、 波長選択フィルタ 1 〇の構成が各画素 6 2八,

6 2巳, 6 2〇に適用されることによって、 各表示領域 6 1 八, 6 1 巳, 6 1 〇に視認される色の鮮明さや明るさが高めら れる。 それゆえ、 表示体 6 0 が形成する像の視認性が高められる。 また、 第 1実施形態の波長選択フィル 夕 1 0では、 樹脂フィルムのように可撓性のある基材 1 1 を用いることが可 能であるため、 形状の変形についての自由度が高い表示体 6 0の実現も可能 である。

[0094] 第 1画素 6 2八と第 2画素 6 2巳と第 3画素 6 2〇との間で、 基材 1 1、 第 1低屈折率領域 1 2、 第 1格子領域 1 3、 中間領域 1 4、 第 2格子領域 1 5、 および、 第 2低屈折率領域 1 6の各々は連続している。 すなわち、 第 1 画素 6 2八と第 2画素 6 2巳と第 3画素 6 2〇とは、 共通した 1つの基材 1 1 と、 これらの画素間で相互に連続した凹凸構造層 1 7と、 これらの画素間 で相互に連続した高屈折率層 1 8と、 これらの画素間で相互に連続した埋込 層 1 9とを有している。

[0095] 第 1画素 6 2八と第 2画素 6 2巳と第 3画素 6 2〇との各々における凹凸 構造層 1 7は、 例えば、 ナノインプリント法を利用して、 各画素 6 2八, 6 2巳, 6 2 ( 3に対応する部分で凹凸の周期を変えた 成石英モールドを用い ることによって、 同時に形成することができる。 また、 高屈折率層 1 8およ び埋込層 1 9も、 各画素 6 2 , 6 2巳, 6 2 ( 3に対応する部分を同時に形 成することができる。 したがって、 互いに異なる色を呈する画素 6 2八, 6 2巳, 6 2〇を容易に形成することができる。

[0096] なお、 表示体 6 0が含む表示領域の数、 すなわち、 波長選択フィルタ 1 0 の構成が適用された画素が配置されて、 互いに異なる色相の色を呈する表示 領域の数は特に限定されず、 表示領域の数は、 1つであってもよいし、 4つ 以上であってもよい。 また、 表示体 6 0は、 波長選択フィルタ 1 0の構成と は異なる構成を有する領域、 例えば、 基材 1 1 に低屈折率材料からなる平坦 \¥0 2020/175464 26 卩(:171? 2020 /007435

な層のみが積層された構造を有する領域等 を有していてもよい。

[0097] さらに、 表示領域には、 波長選択フィルタ 1 〇の構成が適用された表示要 素が含まれればよく、 表示要素は、 ラスタ画像を形成するための繰返しの最 小単位である画素に限らず、 ベクタ画像を形成するためのアンカを結んだ 領 域であってもよい。

[0098] <カラーフィルタ >

波長選択フィルタ 1 〇の第 3の適用例は、 波長選択フィルタ 1 0をカラー フィルタに用いる形態である。

[0099] 図 1 1が示すように、 カラーフィルタ 7 0は、 マトリクス状に並ぶ複数の 画素 7 1 を備え、 各画素 7 1は、 赤色用副画素 緑色用副画素 7 1 ◦と、 青色用副画素 7 1 巳との 3つの副画素から構成されている。

[0100] カラーフィルタ 7 0は、 反射型のカラーフィルタであって、 表示装置に備 えられる。 カラーフィルタ 7 0に対して、 表示装置の表示面を見る観察者の 位置する側が、 カラーフィルタ 7 0の表面側であり、 カラーフィルタ 7 0に 対して、 表面側と反対の側が、 カラーフィルタ 7 0の裏面側である。 カラー フィルタ 7 0には、 表面側から、 光が照射される。 カラーフィルタ 7 0に照 射される光の強度は、 副画素ごとに、 液晶装置等によって変更可能に構成さ れている。

[0101 ] 赤色用副画素 7 1 は、 赤色用副画素 7 1 に入射した光を赤色の光に変 換して反射する。 緑色用副画素 7 1 〇は、 緑色用副画素 7 1 〇に入射した光 を緑色の光に変換して反射する。 青色用副画素 7 1 巳は、 青色用副画素 7 1 巳に入射した光を青色の光に変換して反射す る。

[0102] 赤色用副画素 7 1 と、 緑色用副画素 7 1 〇と、 青色用副画素 7 1 巳との 各々には、 波長選択フィルタ 1 〇の構成が適用されている。 赤色用副画素 7 緑色用副画素 7 1 〇と、 青色用副画素 7 1 巳との各々は、 第 2方向 と第 3方向とがカラーフィルタ 7 0の表面に沿った方向になるように配置さ れている。 例えば、 これらの副画素 7 1 7 1 0 , 7 1 巳は波長選択フィ ルタ 1 0の表面側がカラーフィルタ 7 0の表面側となる向きに配置されてい \¥02020/175464 27 卩(:17 2020 /007435

る。

[0103] 図 1 2が示すように、 赤色用副画素 カラーフィルタ 70の表面 側から複数の波長の光を含む入射光丨 1 を受けたとき、 赤色の反射光丨 「を 表面側に射出するように、 サブ波長格子の周期等が設定されている。 緑色用 副画素 7 1 ◦は、 入射光丨 1 を受けたとき、 緑色の反射光丨 9を表面側に射 出するように、 サブ波長格子の周期等が設定されている。 青色用副画素 7 1 巳は、 入射光丨 1 を受けたとき、 青色の反射光丨 匕を表面側に射出するよう に、 サブ波長格子の周期等が設定されている。 副画素 7 1 7 1 0, 7 1 巳ごとに入射光の強度が変更されることによ って、 画素 7 1 として視認され る色が変更され、 画素 7 1の集合によって表示装置の表示する像が形 され る。

[0104] 上述のように、 第 1実施形態の波長選択フィルタ 1 〇によれば波長選択性 が高められるため、 波長選択フィルタ 1 〇の構成が各副画素 7 1 7 1 0 , 7 1 巳に適用されることによって、 各副画素 7 1 7 1 0, 7 1 巳にお ける色の鮮明さや輝度が高められる。

[0105] また、 上述の表示体 60と同様に、 赤色用副画素 7 1 と緑色用副画素 7

1 〇と青色用副画素 7 1 巳との間で、 基材 1 1、 第 1低屈折率領域 1 2、 第 1格子領域 1 3、 中間領域 1 4、 第 2格子領域 1 5、 および、 第 2低屈折率 領域 1 6の各々は連続している。 すなわち、 赤色用副画素 7 1 と緑色用副 画素 7 1 〇と青色用副画素 7 1 巳とは、 共通した 1つの基材 1 1 と、 これら の副画素間で相互に連続した凹凸構造層 1 7と、 これらの副画素間で相互に 連続した高屈折率層 1 8と、 これらの副画素間で相互に連続した埋込層 1 9 とを有している。

[0106] 赤色用副画素 7 1 と緑色用副画素 7 1 〇と青色用副画素 7 1 巳との各々 における凹凸構造層 1 7は、 例えば、 ナノインプリント法を用いて、 各副画 素 7 1 7 1 0, 7 1 巳に対応する部分で凹凸の周期を変えた合成 石英モ —ルドを用いることによって、 同時に形成することができる。 また、 高屈折 率層 1 8および埋込層 1 9も、 各副画素 7 1 0, 7 1 巳に対応する \¥0 2020/175464 28 卩(:171? 2020 /007435

部分を同時に形成することができる。 したがって、 3種類の色の副画素 7 1 7 1 0 , 7 1 巳を有するカラーフィルタ 7 0を容易に形成することがで きる。

[0107] 以上、 第 1実施形態によれば、 以下に列挙する効果が得られる。

( 1 ) 第 1格子領域 1 3の光学膜厚〇丁 1 に対する第 2格子領域 1 5の光 学膜厚〇丁 2の比が、 〇. 7以上·! . 3以下であることにより、 2つの格子 領域 1 3 , 1 5の各々で強められた近しい波長域の光が反 光として得られ る。 それゆえ、 1つの格子領域のみを有する波長選択フィル と比較して、 反射光として取り出される光の強度が大きく なり、 波長選択性が高められる

[0108] ( 2 ) 中間領域 1 4における側部高屈折率部 1 4 3 の面積比率 3につい て、 側部高屈折率部 1 4 3 の幅が小さく抑えられるため、 中間領域 1 4の平均屈折率が過度に大きくな ることが抑えられる。 したがって、 各格子領域 1 3 , 1 5とその隣接領域と の間の平均屈折率の差が良好に確保されるた め、 導波モード共鳴現象によっ て得られる各格子領域 1 3 , 1 5からの反射光の強度が良好になる。

[0109] また、 第 1方向に沿った方向から見て、 第 2高屈折率部 1 5 3 が側部高屈 折率部 1 4 3の外側まで広がっていることにより、 側部高屈折率部 1 4 3の 幅が小さく抑えられるため、 上記と同様に、 各格子領域 1 3 , 1 5からの反 射光の強度が良好になる。

[01 10] ( 3 ) 第 1格子領域 1 3の厚さ丁 1 と第 2格子領域 1 5の厚さ丁 2とが等 しく、 凹凸構造層 1 7の材料の屈折率 n 2と埋込層 1 9の材料の屈折率 n 3 とが等しい場合において、 第 1高屈折率部 1 3 3の面積比率 1 と第 2高屈 折率部 1 5 3 の面積比率 とが等しいことにより、 光学膜厚〇丁 1 と光学 膜厚〇丁 2とが一致するため、 波長選択性が特に高められる。

[01 1 1 ] ( 4 ) 低屈折率材料からなる凹凸構造層 1 7を形成する工程と、 凹凸構造 層 1 7の表面に高屈折率層 1 8を形成する工程と、 高屈折率層 1 8の表面に 、 低屈折率材料からなる埋込層 1 9を形成する工程とによって、 上記波長選 \¥0 2020/175464 29 卩(:171? 2020 /007435

択フィルタ 1 0が形成される。 したがって、 サブ波長格子に接する層の精密 な膜厚の制御を要さずに、 波長選択フィルタ 1 〇の波長選択性が高められる ため、 波長選択フィルタ 1 0を容易に製造することができる。

[01 12] 特に、 低屈折率材料として樹脂を用い、 樹脂からなる塗工層に凹版を押し 付けて樹脂の硬化によって凹凸構造層 1 7を形成する製法では、 ナノインプ リント法を用いて凹凸構造層 1 7の形成が行われるため、 微細な凹凸を有す る凹凸構造層 1 7を好適に、 かつ、 簡便に形成することができる。

[01 13] ( 5 ) 高屈折率層 1 8の形成に真空蒸着法を用いる場合において 第 1方 向に沿った方向から見て第 2高屈折率部 1 5 3が側部高屈折率部 1 4 3 の外 側まで広がるように、 高屈折率層 1 8を形成する。 こうした製法によれば、 凸部 1 7 3の側面に側部高屈折率部 1 4 3が形成される方法を採用しながら も、 側部高屈折率部 1 4 3 の幅が小さく抑えられるため、 各格子領域 1 3 ,

1 5からの反射光の強度が良好になる。

[01 14] (第 2実施形態)

図 1 3〜図 1 6を参照して、 第 2実施形態を説明する。 第 2実施形態は、 波長選択フィルタ、 および、 波長選択フィルタの製造方法の実施形態であ る 。 以下では、 第 2実施形態と第 1実施形態との相違点を中心に説明し、 第 1 実施形態と同様の構成については同じ符号を 付してその説明を省略する。

[01 15] [波長選択フィルタの構成]

図 1 3および図 1 4を参照して、 第 2実施形態の波長選択フィルタの構成 について説明する。 図 1 3が示すように、 第 2実施形態の波長選択フィルタ 2 0は、 第 1実施形態にて説明した第 1低屈折率領域 1 2、 第 1格子領域 1 3、 中間領域 1 4、 第 2格子領域 1 5、 および、 第 2低屈折率領域 1 6から なる構造体である共鳴構造部 2 1 を、 2つ備えている。

[01 16] 2つの共鳴構造部 2 1である第 1共鳴構造部 2 1 八と第 2共鳴構造部 2 1 巳とは、 第 1方向に隣り合っており、 2つの共鳴構造部 2 1 八, 2 1 巳は、

2つの基材 1 1で挟まれている。 換言すれば、 第 2実施形態の波長選択フィ ルタ 2 0は、 第 1実施形態の 2つの波長選択フィルタ 1 0が、 第 2低屈折率 \¥0 2020/175464 30 卩(:171? 2020 /007435

領域 1 6同士が向かい合うように接合された構造を する。 すなわち、 第 2 実施形態の波長選択フィルタ 2 0は、 第 1方向に間をあけて並ぶ 4つのサブ 波長格子を有し、 これらのサブ波長格子が低屈折率材料に埋め 込まれた構造 を有している。 なお、 一方の基材 1 1 に対する他方の基材 1 1の側が波長選 択フィルタ 2 0の表面側であり、 他方の基材 1 1 に対する _ 方の基材 1 1の 側が波長選択フィルタ 2 0の裏面側である。

[01 17] 第 1共鳴構造部 2 1 八と第 2共鳴構造部 2 1 巳とは、 これらの境界部分で 、 低屈折率領域を共有していてもよい。 例えば、 図 1 3が示す例では、 第 1 共鳴構造部 2 1 八の備える第 2低屈折率領域 1 6と、 第 2共鳴構造部 2 1 巳 の備える第 2低屈折率領域 1 6とは連続しており、 これらの領域の境界は存 在しない。

[01 18] 第 1共鳴構造部 2 1 八における凸部 1 7 3の配列の周期である構造周期 第 2共鳴構造部 2 1 巳における凸部 1 7 3の配列の周期である構造周 期 1<とは、 図 1 3が示すように同一であってもよいし、 図 1 4が示すよう に互いに異なっていてもよい。 構造周期 1<は、 第 1格子領域 1 3における 第 1周期 1 と一致する。

[01 19] 第 1共鳴構造部 2 1 八と第 2共鳴構造部 2 1 巳との各々において、 第 1格 子領域 1 3の光学膜厚〇丁 1 に対する第 2格子領域 1 5の光学膜厚〇丁 2の 比は、 〇. 7以上·! . 3以下である。 2つの共鳴構造部 2 1 八, 2 1 巳が同 一の構造周期 を有する形態においては、 第 1共鳴構造部 2 1 八と第 2共 鳴構造部 2 1 巳とで、 上記比が一致していることが好ましい。

[0120] なお、 2つの共鳴構造部 2 1 八, 2 1 巳において、 サブ波長格子を構成す る要素が並ぶ方向、 言い換えれば、 二次元格子の延びる方向は、 一致してい てもよいし、 異なっていてもよい。 2つの共鳴構造部 2 1 八, 2 1 巳におけ る二次元格子の延びる方向が異なる構成では 、 偏光に関し、 より多くの方向 に対応して反射光を射出することができる。

[0121 ] [波長選択フィルタの作用]

2つの共鳴構造部 2 1 , 2 1 巳が同一の構造周期 !<を有する場合、 波 \¥0 2020/175464 31 卩(:171? 2020 /007435

長選択フィルタ 2 0が有する 4つの格子領域 1 3 , 1 5において、 共鳴を起 こす光の波長域が互いに近くなる。 4つの格子領域 1 3 , 1 5の各々で強め られた波長域の反射光が波長選択フィルタ 2 0の表面側に射出されることに より、 第 1実施形態の波長選択フィルタ 1 〇と比較して、 波長選択フィルタ 2 0からの反射光において、 特定の範囲の波長域の強度がより大きくなり 、 反射光の波長選択性がより高められる。 このとき、 上述のように、 第 1共鳴 構造部 2 1 と第 2共鳴構造部 2 1 巳とで、 光学膜厚〇丁 1 に対する光学膜 厚〇丁 2の比が一致している構成であれば、 4つの格子領域 1 3 , 1 5にお ける光学膜厚のばらつきが小さくなり、 各格子領域 1 3 , 1 5で共鳴を起こ す光の波長域がより近くなるため好ましい。

[0122] 一方、 2つの共鳴構造部 2 1 八, 2 1 巳が互いに異なる構造周期 を有 する構成では、 第 1共鳴構造部 2 1 八の格子領域 1 3 , 1 5にて共鳴を起こ す光の波長域と、 第 2共鳴構造部 2 1 巳の格子領域 1 3 , 1 5にて共鳴を起 こす光の波長域とは、 互いに異なる。 その結果、 波長選択フィルタ 2 0の表 面側には、 第 1共鳴構造部 2 1 八の格子領域 1 3 , 1 5にて強められた波長 域の光と、 第 2共鳴構造部 2 1 巳の格子領域 1 3 , 1 5にて強められた波長 域の光とを含む反射光が射出される。

[0123] そして、 波長選択フィルタ 2 0の裏面側には、 波長選択フィルタ 2 0への 入射光に含まれる波長域のなかで、 上記反射光として射出された波長域を除 く波長域の光が透過光として射出される。 こうした構成によれば、 波長選択 フィルタ 2 0にて、 格子領域が 1つである場合と比較して反射光の強度を高 めつつ反射光に含まれる波長域を拡げること 、 および、 透過光に含まれる波 長域を狭めることが可能である。 したがって、 反射光や透過光として観察さ れる色相の調整の自由度を高めることができ る。

[0124] [波長選択フィルタの適用例]

第 2実施形態の波長選択フィルタ 2 0の構成は、 第 1実施形態で示した適 用例と同様に、 波長選択デバイス 5 0に適用されてもよいし、 表示体 6 0が 備える表示要素に適用されてもよいし、 カラーフィルタ 7 0が備える副画素 \¥0 2020/175464 32 卩(:171? 2020 /007435

に適用されてもよい。

[0125] 例えば、 2つの共鳴構造部 2 1 八, 2 1 巳が同一の構造周期 1<を有する 構成が適用された場合、 波長選択デバイス 5 0においては、 反射光の波長選 択性がより高められる。 また、 表示体 6 0においては、 表面反射観察にて各 表示領域 6 1 八, 6 1 巳, 6 1 〇に視認される色の鮮明さや明るさが高めら れることにより、 像の視認性が高められる。 また、 カラーフィルタ 7 0にお いては、 各副画素 7 1 7 1 0 , 7 1 巳における色の鮮明さや輝度が高め られ、 単色性の高い反射光を射出する各副画素 7 7 1 巳, 7 1 〇を備 えた反射型のカラーフィルタ 7 0が実現される。

[0126] また例えば、 2つの共鳴構造部 2 1 八, 2 1 巳が互いに異なる構造周期

1<を有する構成が適用された場合、 波長選択デバイス 5 0においては、 反射 光や透過光として観察される色相の調整の自 由度が高められる。 また、 表示 体 6 0においては、 表面反射観察と裏面透過観察とにおいて視認 される像の 色相の調整の自由度が高められる。 また、 カラーフィルタ 7 0としては、 透 過型のカラーフィルタ、 すなわち、 カラーフィルタの裏面側からカラーフィ ルタに光が照射され、 観察者が、 カラーフィルタの表面側から、 カラーフィ ルタを透過した透過光を見る形態で用いられ るカラーフィルタの実現が可能 である。

[0127] 具体的には、 緑色用副画素 7 1 ◦は、 第 1共鳴構造部 2 1 八にて赤色の波 長域の光が強められて裏面側に反射光として 射出され、 第 2共鳴構造部 2 1 巳にて青色の波長域の光が強められて裏面側 に反射光として射出されるよう に構成される。 こうした構成によれば、 カラーフィルタ 7 0の裏面側から白 色の入射光を受けたとき、 カラーフィルタ 7 0の表面側には、 緑色の透過光 が射出されるため、 カラーフィルタ 7 0の表面側から見て、 緑色用副画素 7 1 ◦には、 緑色が視認される。 同様に、 赤色用副画素 7 1 は赤色の波長域 の透過光を射出し、 青色用副画素 7 1 巳は青色の波長域の透過光を射出する ように構成される。 これにより、 単色性の高い透過光を射出する各副画素 7 7 1 巳, 7 1 〇を備えた透過型のカラーフィルタ 7 0が実現される。 \¥0 2020/175464 33 卩(:171? 2020 /007435

[0128] [波長選択フィルタの製造方法]

図 1 5および図 1 6を参照して、 第 2実施形態の波長選択フィルタ 2 0の 製造方法について説明する。 まず、 第 2実施形態の波長選択フィルタ 2 0の 製造に際しては、 第 1実施形態と同様に、 基材 1 1上に凹凸構造層 1 7と高 屈折率層 1 8とが順に形成される。

[0129] 続いて、 図 1 5が示すように、 基材 1 1 と凹凸構造層 1 7と高屈折率層 1

8とからなる構造体である 2つの凹凸構造体 2 2を、 高屈折率層 1 8同士が 向かい合うように対向させ、 図 1 6が示すように、 2つの凹凸構造体 2 2の 間の領域を低屈折率材料で埋めることによっ てこれらの凹凸構造体 2 2を接 合する。 これにより、 波長選択フィルタ 2 0が形成される。

[0130] 図 1 6が示すように、 低屈折率材料による埋め込みによって、 2つの凹凸 構造体 2 2の間に形成される部分が埋込層 1 9である。 第 1実施形態と同様 に、 埋込層 1 9を構成する低屈折率材料は、 高屈折率層 1 8を構成する高屈 折率材料よりも屈折率の低い材料であれば、 凹凸構造層 1 7を構成する材料 とは異なる材料であってもよい。 また、 2つの凹凸構造体 2 2において、 凹 凸構造層 1 7を構成する低屈折率材料や高屈折率層 1 8を構成する高屈折率 材料は互いに異なっていてもよい。

[0131 ] なお、 2つの凹凸構造体 2 2を対向させた状態において、 第 2高屈折率部

1 5 3同士が向かい合ってもよいし、 一方の凹凸構造体 2 2における第 1高 屈折率部 1 3 3 と、 他方の凹凸構造体 2 2における第 2高屈折率部 1 5 3 と が向かい合ってもよい。 あるいは、 一方の凹凸構造体 2 2における第 1高屈 折率部 1 3 3 は、 他方の凹凸構造体 2 2における第 1高屈折率部 1 3 3 の一 部および第 2高屈折率部 1 5 3の一部と向かい合っていてもよい。

[0132] 例えば、 2つの凹凸構造体 2 2として、 凸部 1 7 3 の周期が同一である凹 凸構造体 2 2を接合することによって、 2つの共鳴構造部 2 1 八, 2 1 巳が 同一の構造周期 !<を有する波長選択フィルタ 2 0が形成できる。 また例え ば、 2つの凹凸構造体 2 2として、 凸部 1 7 3 の周期が互いに異なる凹凸構 造体 2 2を接合することによって、 巳が互い \¥0 2020/175464 34 卩(:171? 2020 /007435

に異なる構造周期 1<を有する波長選択フィルタ 2 0が形成できる。

[0133] なお、 波長選択フィルタ 2 0は、 第 1方向に並ぶ 3以上の共鳴構造部 2 1 を備えていてもよい。 波長選択フィルタ 2 0が複数の共鳴構造部 2 1 を備え る場合、 これらの共鳴構造部 2 1 における構造周期 が同一であれば、 共 鳴構造部 2 1の数が多いほど、 反射光の強度は高められる。 また、 複数の共 鳴構造部 2 1 に、 構造周期 !<が同一である共鳴構造部 2 1 と、 構造周期 が互いに異なる共鳴構造部 2 1 とが含まれてもよい。 こうした構成によれ ば、 波長選択フィルタ 2 0から出射される反射光や透過光の色の細か 調整 も可能となる。

[0134] 3以上の共鳴構造部 2 1 を備える波長選択フィルタ 2 0の製造に際しては

、 凹凸構造体 2 2の基材 1 1 と凹凸構造層 1 7とが、 凹凸構造層 1 7から基 材 1 1 を剥離可能な材料から形成される。 そして、 2つの凹凸構造体 2 2が 低屈折率材料によって接合されたのち、 一方の基材 1 1が剥離され、 露出さ れた凹凸構造層 1 7と他の凹凸構造体 2 2とがさらに低屈折率材料を挟んで 接合されることが繰り返されることによって 、 6以上のサブ波長格子を有す る波長選択フィルタ 2 0が形成される。

[0135] 以上、 第 2実施形態によれば、 第 1実施形態の ( 1 ) 〜 ( 5 ) の効果に加 えて、 下記の効果が得られる。

( 6 ) 波長選択フィルタ 2 0が、 第 1方向に並ぶ複数の共鳴構造部 2 1 を 備えることにより、 波長選択フィルタ 1 0が 4つ以上の格子領域 1 3 , 1 5 を備えるため、 波長選択フィルタ 2 0の波長選択性をさらに高めることや、 反射光と透過光とに含まれる波長域の調整の 自由度を高めることが可能であ る。

[0136] ( 7 ) 複数の共鳴構造部 2 1 において構造周期 が等しいことにより、 各共鳴構造部 2 1の格子領域 1 3 , 1 5で共鳴を起こす光の波長域が互いに 近くなる。 したがって、 各共鳴構造部 2 1の各格子領域 1 3 , 1 5で強めら れた近しい波長域の光が反射光として射出さ れるため、 反射光において特定 の範囲の波長域の強度がより大きくなり、 反射光の波長選択性がより高めら \¥0 2020/175464 35 卩(:171? 2020 /007435

れる。

[0137] ( 8 ) 第 1共鳴構造部 2 1 八と第 2共鳴構造部 2 1 巳とで、 光学膜厚〇丁

1 に対する光学膜厚〇丁 2の比が一致することにより、 4つの格子領域 1 3 , 1 5において、 光学膜厚のばらつきが小さくなり、 すなわち、 各格子領域 1 3 , 1 5において共鳴を起こす光の波長域がより近 なる。 したがって、 反射光の波長選択性がより高められる。

[0138] ( 9 ) 第 1共鳴構造部 2 1 八の構造周期 1<と、 第 2共鳴構造部 2 1 巳の 構造周期 とが互いに異なることにより、 第 1共鳴構造部 2 1 八の各格子 領域 1 3 , 1 5にて共鳴を起こす光の波長域と、 第 2共鳴構造部 2 1 巳の各 格子領域 1 3 , 1 5にて共鳴を起こす光の波長域とは、 互いに異なる。 した がって、 波長選択フィルタ 2 0にて、 格子領域が 1つである場合と比較して 反射光の強度を高めつつ反射光に含まれる波 長域を拡げること、 および、 透 過光に含まれる波長域を狭めることが可能で ある。 それゆえ、 反射光や透過 光として観察される色相の調整の自由度を高 めることができる。

[0139] ( 1 0 ) 波長選択フィルタ 2 0は、 2つの凹凸構造体 2 2を、 高屈折率層

1 8同士が向かい合うように対向させ、 2つの凹凸構造体 2 2の間の領域を 低屈折率材料で埋めることによって形成され る。 これによれば、 複数の共鳴 構造部 2 1 を備える波長選択フィルタ 2 0を容易に形成することができる。

[0140] [第 1 , 第 2実施形態の変形例]

上記各実施形態は、 以下のように変更して実施することが可能で ある。 各格子領域 1 3 , 1 5において、 格子構造の周期は、 二次元格子が延び る方向によって異なっていてもよい。 こうした構成によれば、 二次元格子が 延びる方向によって共鳴を起こす波長域を異 ならせて、 反射光に含まれる波 長域や偏光に対する応答性を調整することが 可能である。

[0141 ] 上記実施形態では、 凹凸構造層 1 7の凹凸構造が、 互いに離間した複数 の凸部 1 7 3と、 これらの凸部 1 7 3の間で連続している単一の凹部 1 7匕 とから構成されている。 これに代えて、 凹凸構造層 1 7の凹凸構造は、 互い に離間した複数の凹部と、 これらの凹部の間で連続している単一の凸部 とか \¥0 2020/175464 36 卩(:171? 2020 /007435

ら構成されてもよい。 すなわち、 凹凸構造層 1 7の凹凸構造は、 凸部もしく は凹部である複数の凹凸要素が互いに離間し つつ二次元格子状に並ぶことに より形成されていればよい。

[0142] (第 3実施形態)

図 1 7および図 1 8を参照して、 第 3実施形態を説明する。 第 3実施形態 は、 表示装置の実施形態である。

[0143] [表示装置の構成]

図 1 7が示すように、 表示装置 1 0 0は、 反射層 1、 光源層 2、 波長変換 層 3、 波長選択層 4、 および、 駆動部 5を備えている。 光源層 2上に波長変 換層 3が位置し、 さらに、 波長変換層 3上に波長選択層 4が位置する。 反射 層 1は、 光源層 2下、 すなわち、 光源層 2に対して波長変換層 3と反対側に 位置する。 駆動部 5は光源層 2に接続されている。 光源層 2に対して波長選 択層 4の位置する側が表示装置 1 0 0の表側であり、 光源層 2に対して反射 層 1の位置する側が表示装置 1 0 0の裏側である。 表示装置 1 0 0の利用者 は、 波長選択層 4と対向する位置から、 表示装置 1 0 0を見る。

[0144] 波長変換層 3は、 複数の画素 3 0 を備えている。 画素 3 0 は、 赤色用 副画素 3 「と、 緑色用副画素 3 9と、 青色用副画素

ら構成されている。 3つの副画素 3 「, 3 9 , 3 は、 各画素 3◦ 内にお いて所定の順番で並んでいる。 赤色用副画素 3 「と緑色用副画素 3 9とは隣 り合っていることが好ましい。 複数の画素 3 0 は、 例えば、 マトリクス状 に並び、 画素 3◦ の配列に応じて、 3つの副画素 3 「, 3 9 , 3 1〇も、 所 定の順番での並びを繰り返しつつ配列されて いる。

[0145] 赤色用副画素 3 「は、 赤色用波長変換部として機能し、 青色光を赤色光に 変換して放出する。 緑色用副画素 3 9は、 緑色用波長変換部として機能し、 青色光を緑色光に変換して放出する。 青色用副画素 3匕は、 青色透過部とし て機能し、 青色光を透過する。 本実施形態においては、 青色光は、 4 0 0 n 以上 5 0 0 n 以下の波長域である青色波長域に強度ピーク を有する光 ( 第 1波長の光) であり、 緑色光は、 5 2 0 n m以上 5 8 0 n 以下の波長域 \¥0 2020/175464 37 卩(:171? 2020 /007435

である緑色波長域に強度ピークを有する光 (第 3波長の光) であり、 赤色光 は、 6 0 0 n 以上 7 0 0 n 以下の波長域である赤色波長域に強度ピーク を有する光 (第 2波長の光) である。

[0146] 波長変換層 3における光の色の変換、 すなわち、 波長の変換には、 変換後 の波長の単色性が高い観点から、 量子ドッ トが利用されることが好ましい。 すなわち、 赤色用副画素 3 内および緑色用副画素 3 9内には、 量子ドッ ト が分散されている。 赤色用副画素 3 「が備える量子ドッ トは、 青色光を吸収 して赤色光を放出するように、 その粒径等が調整されている。 緑色用副画素 3 9が備える量子ドッ トは、 青色光を吸収して緑色光を放出するように、 そ の粒径等が調整されている。 青色用副画素 3匕は、 量子ドッ トを備えず、 青 色光を透過する材料から構成されていればよ い。

[0147] また、 波長変換層 3における光の波長の変換に、 量子ドッ トとは異なる蛍 光物質が利用されてもよい。 この場合、 赤色用副画素 3 「は、 青色光を吸収 して赤色光を放出する蛍光物質を備え、 緑色用副画素 3 9は、 青色光を吸収 して緑色光を放出する蛍光物質を備える。 青色用副画素 3匕は、 蛍光物質を 備えず、 青色光を透過する材料から構成されていれば よい。

[0148] 要は、 赤色用副画素 3 「は、 青色光を励起光として利用したエネルギー状 態の遷移に起因して赤色光を放出するように 構成され、 緑色用副画素 3 9は 、 青色光を励起光として利用したエネルギー状 態の遷移に起因して緑色光を 放出するように構成され、 青色用副画素 3匕は、 青色光を透過するように構 成されていればよい。

[0149] 光源層 2は、 青色光を発する複数の発光部 2匕を備えている。 複数の発光 部 2匕は、 1つの副画素 3 「, 3 9 , 3匕に 1つの発光部 2匕が対向するよ うに配置されている。 すなわち、 1つの画素 3◦ と対向する単位領域 2◦ には、 3つの発光部 2匕 (第 1発光部、 第 2発光部、 第 3発光部) が並ん でいる。 そして、 複数の単位領域 2◦ が複数の画素 3◦ の並びに合わせ て並ぶように、 複数の発光部 2匕が配列されている。

[0150] 発光部 2匕が備える発光素子は、 青色光を放出する素子であれば特に限定 \¥0 2020/175464 38 卩(:171? 2020 /007435

されない。 単色性の高い青色光の放出が可能であること 、 および、 低電力で の駆動が可能であることから、 発光素子としては、 青色発光ダイオードが用 いられることが好ましく、 なかでも、 有機発光ダイオードが用いられること が好ましい。

[0151 ] 発光部 2匕には、 各発光部 2匕の発光を互いに独立して制御可能に駆動

5が接続されている。 駆動部 5は、 表示装置 1 0 0に表示させる画像のデー 夕に基づき、 発光部 2 13における発光の有無および発光の強度を制 する信 号を生成する回路を含む。 駆動部 5は、 当該回路により生成した上記信号を 、 各発光部 2 に供給する。

[0152] 波長選択層 4は、 複数のフィルタ部 4 1と複数の透過部 4匕とを備えてい る。 フィルタ部 4 1:は、 赤色用副画素 3 および緑色用副画素 3 9と対向す る位置に配置されており、 透過部 4匕は、 青色用副画素 3 と対向する位置 に配置されている。 すなわち、 1つの画素 3◦ と対向する単位領域 4◦ には、 1つのフィルタ部 4 1:と 1つの透過部 4 とが並んでいる。 そして、 複数の単位領域 4◦ が複数の画素 3◦ の並びに合わせて並ぶように、 複 数のフィルタ部 4 1と複数の透過部 4匕とが配列されている。

[0153] フィルタ部 4 Iは、 赤色用波長選択部および緑色用波長選択部と して機能 し、 赤色光と緑色光とを透過する一方で、 青色光を反射する。 透過部 4匕は 、 青色透過部として機能し、 青色光を透過する。

[0154] 詳細には、 フィルタ部 4 1は、 赤色用副画素 3 「が放出する波長域の赤色 光と緑色用副画素 3 9が放出する波長域の緑色光との各々を 7 0 %以上透過 する一方で、 発光部 2匕が発する波長域の青色光を 7 0 %以上反射する。 例 えば、 フィルタ部 4 は、 上述した赤色波長域と上述した緑色波長域と の光 を 7 0 %以上透過する光透過性を有するとともに、 上述した青色波長域の光 を 7 0 %以上反射する光反射性を有するように構成 れていればよい。 透過 部 4匕は、 発光部 2匕が発する波長域の青色光を 7 0 %以上透過する。 例え ば、 透過部 4匕は、 上述した青色波長域の光を 7 0 %以上透過する光透過性 を有するように構成されていればよい。 透過部 4匕は、 青色以外の波長域の \¥0 2020/175464 39 卩(:171? 2020 /007435

光を透過してもよいし、 透過しなくてもよい。

[0155] フィルタ部 4 1:は、 赤、 緑、 青の各波長域の光に対して透明な複数の層か らなる積層構造を有する。 上記複数の層には、 互いに異なる屈折率を有して 隣り合う層が含まれ、 こうした屈折率の差に基づく反射等の光学現 象に起因 して、 フィルタ部 4 Iの波長選択性が実現される。 上記互いに異なる屈折率 を有して隣り合う層の可視領域での屈折率の 差は、 〇. 0 5以上であること が好ましい。 こうしたフィルタ部 4 1を備える波長選択層 4の具体的な構造 は後述する。

[0156] 反射層 1は、 各発光部 2匕と対向し、 青色光を反射する。 反射層 1は、 例 えば、 発光部 2匕が発する波長域の青色光を 7 0 %以上反射する。 反射層 1 は、 少なくとも上記青色波長域の光を反射するよ うに構成されていればよい が、 赤、 緑、 青の各波長域を反射することが好ましい。

[0157] [表示装置の作用]

図 1 8を参照して、 表示装置 1 0 0において生じる光学的な作用を説明す る。

まず、 駆動部 5からの信号に応じて、 光源層 2の各発光部 2匕が、 各発光 部 2 に対向する副画素 3 「, 3 9 , 3 13に向けて、 青色光 I 〇を放出する 。 赤色用副画素 3 「は、 入射した青色光 I 〇を吸収して、 赤色光丨 「を、 赤 色用副画素 3 に対向するフィルタ部 4 1:に向けて放出する。 緑色用副画素 3 9は、 入射した青色光丨 〇を吸収して、 緑色光丨 9を、 緑色用副画素 3 9 に対向するフィルタ部 4 1:に向けて放出する。 青色用副画素 3 13は、 入射し た青色光丨 〇を透過して、 青色光丨 匕として、 青色用副画素 3匕に対向する 透過部 4 13に向けて放出する。

[0158] 波長選択層 4のフィルタ部 4 Iは、 赤色用副画素 3 「から入射した赤色光

I 「を透過して、 赤色光 I として表側に射出する。 また、 フィルタ部 4 1 は、 緑色用副画素 3 9から入射した緑色光 I 9を透過して、 緑色光丨 〇とし て表側に射出する。 波長選択層 4の透過部 4匕は、 青色用副画素 3 から入 射した青色光丨 匕を透過して、 青色光丨 巳として表側に射出する。 \¥0 2020/175464 40 卩(:171? 2020 /007435

[0159] これにより、 表示装置 1 0 0の利用者〇匕には、 赤色用副画素 3 に対応 する領域から射出された赤色光丨 が視認され、 緑色用副画素 3 9に対応す る領域から射出された緑色光丨 ◦が視認され、 青色用副画素 3匕に対応する 領域から射出された青色光丨 巳が視認される。 駆動部 5によって発光部 2匕 ごとの発光の有無および強度が制御されるこ とにより、 画素 3◦ に視認さ れる色が制御され、 画素 3◦ の集合によって表示装置 1 0 0の表示する画 像が形成される。

[0160] ここで、 赤色用副画素 3 が放出する光には、 赤色光 I に加えて、 発光 部 2匕が発した光のうち、 波長が変換されずに赤色用副画素 3 「を透過する 青色光丨 日匕が含まれ得る。 また、 緑色用副画素 3 9が放出する光には、 緑 色光丨 9に加えて、 発光部 2匕が発した光のうち、 波長が変換されずに緑色 用副画素 3 9を透過する青色光 I 日匕が含まれ得る。

[0161 ] フィルタ部 4 1は、 赤色光と緑色光とを透過する一方で、 青色光を反射す るため、 赤色用副画素 3 から放出された青色光丨 巳 13は、 フィルタ部 4 1 にて裏側に反射され、 緑色用副画素 3 9から放出された青色光 I 日匕もまた 、 フィルタ部 4 1:にて裏側に反射される。 したがって、 赤色用副画素 3 「お よび緑色用副画素 3 9に対応する領域から、 波長選択層 4よりも表側に青色 光丨 巳匕が射出されることが抑えられる。

[0162] これにより、 利用者〇匕に、 赤色用副画素 3 「上に赤色光丨 「とは異なる 色の光が混じった光が視認されることが抑え られ、 また、 緑色用副画素 3 9 上に緑色光丨 9とは異なる色の光が混じった光が視認され ことが抑えられ る。 その結果、 各副画素 3 「, 3 9 , 3匕に対応する領域の色が鮮明となり 、 表示装置 1 0 0が表示する画像が、 本来の色味とは異なる色味を帯びるこ と、 すなわち、 表示される画像での混色が抑制される。

[0163] また、 光源層 2から裏側に漏れ出る青色光 I !_匕は、 反射層 1で反射され て、 波長変換層 3に入る。 これにより、 発光部 2 が発した光のうち、 波長 変換層 3で利用されない光の割合を減少させること できるため、 表示装置 1 0 0から射出される光丨 I 0 , I 巳の生成効率が高められる。 \¥0 2020/175464 41 卩(:171? 2020 /007435

[0164] また、 フィルタ部 4 1にて反射された青色光丨 巳匕は、 赤色用副画素 3 「 や緑色用副画素 3 9に入射して、 赤色光丨 「や緑色光 I 9の生成に利用され る。 特に、 反射層 1がすべての波長域の光を反射可能に構成さ ていれば、 フィルタ部 4 1にて反射された青色光丨 巳匕を励起光として赤色用副画素 3 「および緑色用副画素 3 9から裏側に放出された光も、 反射層 1 によって表 側に反射される。 これによっても、 表示装置 1 0 0から射出される光丨 I 0 , I 巳の生成効率が高められる。

[0165] [波長選択層の構成]

波長選択層 4の構造の一例として、 フィルタ部 4 1には、 第 1実施形態、 第 2実施形態、 および、 その変形例の波長選択フィルタの構造が適用 される ことが好ましい。 フィルタ部 4 1に適用された波長選択フィルタは、 表面も しくは裏面を波長変換層 3に向けて配置される。

[0166] 上記波長選択フィルタがフィルタ部 4 Iに適用される場合、 高屈折率層 1

8の材料の屈折率は、 1 . 6以上であることが好ましく、 凹凸構造層 1 7お よび埋込層 1 9の材料の屈折率は、 1 . 5以下であることが好ましい。 また 、 第 1格子領域 1 3における格子構造の周期である第 1周期 1 と、 第 2格 子領域 1 5における格子構造の周期である第 2周期 2とは、 同一とされる 。 第 2実施形態の波長選択フィルタが適用される 合には、 複数の共鳴構造 部 2 1 における構造周期 は相互に同一とされる。

[0167] 上記波長選択フィルタにおいては、 第 1格子領域 1 3および第 2格子領域

1 5にて共鳴を起こす波長域が、 青色波長域となるように、 第 1周期 1お よび第 2周期 2や、 格子領域 1 3 , 1 5の厚さ等が設定される。 これによ り、 波長選択フィルタ 1 〇は、 青色光を反射し、 赤色光および緑色光を透過 するフィルタ部 4 1:として機能する。

[0168] なお、 第 1格子領域 1 3と第 2格子領域 1 5とは、 第 1格子領域 1 3で共 鳴を起こす光の波長域と、 第 2格子領域 1 5で共鳴を起こす光の波長域とを 合わせることによって、 青色波長域の全体が反射されるように構成さ れても よいが、 第 1格子領域 1 3および第 2格子領域 1 5にて共鳴を起こす波長域 \¥0 2020/175464 42 卩(:171? 2020 /007435

がより近い方が好ましい。 第 1格子領域 1 3の光学膜厚〇丁 1 に対する第 2 格子領域 1 5の光学膜厚〇丁 2の比 (〇丁 2 /〇丁 1) が、 〇. 7以上·! .

3以下であれば、 フィルタ部 4 1:において、 反射光である青色光の強度が良 好に得られる。 第 1格子領域 1 3および第 2格子領域 1 5にて共鳴を起こす 波長域が近いほど、 表側への青色光の漏れを抑えやすく、 また、 反射光とし て射出される青色光の強度が大きくなるため 、 この反射光を波長変換層 3に て励起光として用いることにより、 表示装置 1 〇〇から射出される光の生成 効率も高められる。

[0169] 波長選択層 4における透過部 4匕は、 凹凸構造層 1 7の表面が凹凸を有さ ずに平坦とされた状態で、 フィルタ部 4 1と同様の層構成を有していればよ い。 この場合、 透過部 4匕はサブ波長格子を有さず、 青色光を透過する。 あ るいは、 透過部 4匕は、 フィルタ部 4 1とは異なる層構成で青色光を透過す るように構成されていてもよい。

[0170] なお、 第 1実施形態および第 2実施形態においては、 サブ波長格子を構成 する要素が二次元格子状に並んでいるが、 サブ波長格子を構成する要素が、 第 2方向あるいは第 3方向に帯状に延びる波長選択フィルタを、 フィルタ部 4 1:に適用してもよい。 すなわち、 波長選択フィルタにおけるサブ波長格子 は、 一次元格子状の配列を有していてもよい。 こうした波長選択フィルタで あっても、 導波モード共鳴現象を生じさせることはでき る。

[0171 ] また、 第 2高屈折率部 1 5 3 が、 平面視にて凸部 1 7 3 の頂面と同程度の 大きさに形成される場合であれば、 凹凸構造層 1 7における平面視での凸部 1 7 3の面積比率は〇. 5であってもよい。 この場合、 第 1高屈折率部 1 3 3の面積比率 [¾ 1、 および、 第 2高屈折率部 1 5 3の面積比率 2の各々は 、 〇. 5である。 さらに、 高屈折率層 1 8は、 側部高屈折率部 1 4 3 を有し ていなくてもよい。

[0172] 図 1 9を参照して、 サブ波長格子を構成する要素が帯状に延びる 形態を説 明する。 図 1 9においては、 波長選択フィルタ 2 0の断面構造を示すととも に、 第 1方向と直交する方向における第 1格子領域 1 3の断面構造と第 2格 \¥0 2020/175464 43 卩(:171? 2020 /007435

子領域 1 5の断面構造とを、 これらの領域を一部破断させて示している。

[0173] 図 1 9が示すように、 波長選択フィルタ 3 0の第 1格子領域 1 3において 、 第 1高屈折率部 1 3 3 と第 1低屈折率部 1 3匕との各々は、 第 1方向に沿 った方向から見て、 第 3方向に沿って延びる帯形状を有している。 そして、 第 1高屈折率部 1 3 3と第 1低屈折率部 1 3匕とは、 第 2方向に沿って交互 に並んでいる。 同様に、 波長選択フィルタ 3 0の第 2格子領域 1 5において 、 第 2高屈折率部 1 5 3 と第 2低屈折率部 1 5匕との各々は、 第 1方向に沿 った方向から見て、 第 3方向に沿って延びる帯形状を有している。 そして、 第 2高屈折率部 1 5 3 と第 2低屈折率部 1 5匕とは、 第 2方向に沿って交互 に並んでいる。 第 1方向に沿った方向から見て、 第 2高屈折率部 1 5 3は、 第 1低屈折率部 1 3匕と重なり、 第 2低屈折率部 1 5匕は、 第 1高屈折率部 1 3 3と重なる。 すなわち、 波長選択フィルタ 3 0においては、 凹凸構造層 1 7の複数の凸部 1 7 3 は、 1つの方向である第 3方向に沿って延び、 相互 に平行に並んでいる。

[0174] 図 1 9においては、 第 1高屈折率部 1 3 3の面積比率[¾ 1、 および、 第 2 高屈折率部 1 5 3の面積比率 2の各々が〇. 5である形態を示している。 すなわち、 第 1高屈折率部 1 3 3 , 第 1低屈折率部 1 3匕、 第 2高屈折率部 1 5 3、 第 2低屈折率部 1 5匕の各々の第 2方向に沿った幅はすべて等しい 。 これに限らず、 第 1高屈折率部 1 3 3 の面積比率[¾ 1、 および、 第 2高屈 折率部 1 5 3の面積比率 2の各々は、 〇. 5でなくてもよく、 第 2高屈折 率部 1 5 3 の幅は、 第 1低屈折率部 1 3匕の幅、 すなわち、 凸部 1 7 3 の幅 よりも大きくてもよい。

[0175] いずれの場合であれ、 第 1実施形態の式 ( 2 ) , ( 4 ) に従って算出した 第 1格子領域 1 3の光学膜厚〇丁 1 と第 2格子領域 1 5の光学膜厚〇丁 2と について、 光学膜厚〇丁 1 に対する光学膜厚〇丁 2の比が、 〇. 7以上 1 .

3以下であればよい。

[0176] また、 図 1 9においては、 高屈折率層 1 8が、 側部高屈折率部 1 4 3 を有 していない形態、 すなわち、 中間領域 1 4が側部高屈折率部 1 4 3 を有して \¥0 2020/175464 44 卩(:171? 2020 /007435

いない形態を示しているが、 中間領域 1 4が側部高屈折率部 1 4 3 を有して いてもよい。 中間領域 1 4が側部高屈折率部 1 4 3 を有している場合、 側部 高屈折率部 1 4 3 の面積比率 について、 第 1実施形態の式 (5) が満た されることが好ましい。

[0177] また、 第 2実施形態のように、 複数の共鳴構造部 2 1 を有する波長選択フ ィルタがフィルタ部 4 1に適用される場合にも、 サブ波長格子を構成する要 素が帯状に延びる形態が採用されてもよい。 波長選択フィルタが、 サブ波長 格子を構成する要素が帯状に延びる共鳴構造 部 2 1 を 2つ備えている場合、

2つの共鳴構造部 2 1 八, 2 1 巳において、 サブ波長格子を構成する要素が 並ぶ方向は直交することが好ましい。 例えば、 共鳴構造部 2 1 では、 当該 要素が第 2方向に沿って延び、 共鳴構造部 2 1 巳では、 当該要素が第 3方向 に沿って延びることが好ましい。 こうした構成によれば、 配列方向ごとに、 互いに異なる方向に偏光している光をそれぞ れ共鳴させることができる。 し たがって、 様々な方向への偏光成分を含む入射光に対し 、 複数の方向への偏 光成分に対応して反射光が出射されるため、 表側への青色光の漏れが抑えら れるとともに、 反射光の強度がより高められる。

[0178] なお、 格子領域 1 3 , 1 5では、 サブ波長格子を構成する要素の配列方向 に依存する特定の方向へ偏光した光が配列方 向に沿って多重反射して共鳴を 起こし、 反射光として射出される。 上記要素が二次元格子状に並ぶ場合のよ うに配列方向が複数の方向を含む形態では、 配列方向ごとに異なる方向に偏 光している光をそれぞれ共鳴させることがで きる。 したがって、 上記要素が 1つの方向に延びている場合のように配列方 が 1つの方向である形態と、 配列方向が複数の方向を含む形態とを比較す ると、 配列方向が複数の方向を 含む形態の方が、 発光ダイオードが発する光のように様々な方 向への偏光成 分を含む入射光に対して、 効率的に反射光を射出できる。 したがって、 表側 への青色光の漏れが抑えられるとともに、 反射光の強度がより高められる。

[0179] 特に、 上記要素が六方格子状に並ぶ形態であれば、 上記要素が正方格子状 に並ぶ形態と比較して、 格子領域 1 3 , 1 5にて共鳴可能な偏光の方向が多 \¥0 2020/175464 45 卩(:171? 2020 /007435

くなるため、 様々な方向への偏光成分を含む入射光に対し て、 より効率的に 反射光を出射することができる。

[0180] [波長選択層の他の形態]

上記においては、 複数のサブ波長格子を有する波長選択フィル タを例示し たが、 フィルタ部 4 1:に適用される波長選択フィルタが有するサ 波長格子 は、 1つであつてもよい。

[0181 ] また、 フィルタ部 4 1は、 導波モード共鳴現象に代えて、 多層膜干渉が利 用されることにより、 赤色光と緑色光とを透過する一方で、 青色光を反射す るように構成されていてもよい。 具体的には、 図 2 0が示すように、 フィル 夕部 4 1に適用される波長選択フィルタ 4 0は、 基材 4 1 と、 複数の誘電体 薄膜の積層体である多層膜層 4 2とを備える。 多層膜層 4 2は、 高屈折率層 4 2 3と低屈折率層 4 2匕とが交互に積層された構造を有する。 基材 4 1、 高屈折率層 4 2 3、 および、 低屈折率層 4 2 13の各々は、 赤、 緑、 青の各光 の波長域に対して透明な材料から構成される 。 高屈折率層 4 2 3の屈折率が 、 低屈折率層 4 2匕の屈折率よりも高い構成であれば、 これらの層の材料は 限定されないが、 高屈折率層 4 2 3 と低屈折率層 4 2匕との間の屈折率の差 が大きいほど、 少ない積層数で高い強度の反射光が得られる 。 例えば、 高屈 折率層 4 2 3 と低屈折率層 4 2匕とを無機材料から構成する場合、 高屈折率 層 4 2 3は二酸化チタンから構成され、 低屈折率層 4 2匕は二酸化珪素から 構成される。 基材 4 1は、 例えば、 樹脂フィルムである。

[0182] こうしたフィルタ部 4 Iに光が入射すると、 高屈折率層と低屈折率層との 各界面で反射した光が干渉を起こすことによ り、 特定の波長域の光が反射さ れる。 高屈折率層および低屈折率層の各々の膜厚が 、 転送行列法等を用いて 設計されることにより、 フィルタ部 4 1は、 青色波長域の光の反射率が他の 波長域での反射率よりも高いように構成され る。

[0183] フィルタ部 4 1:が多層膜層からなる場合、 波長選択層 4における透過部 4 匕は、 空気層であってもよいし、 波長選択層 4を覆う保護層や保護層の積層 のための接着層として機能する樹脂材料等に よって充填されていてもよい。 \¥0 2020/175464 46 卩(:171? 2020 /007435

要は、 透過部 4匕は青色光を透過するように構成されてい ばよい。

[0184] フィルタ部 4 1を、 導波モード共鳴現象を利用した構造とする方 が、 フィ ルタ部 4 を構成する層の積層数が少ないため、 製造が容易である。 一方で 、 フィルタ部 4 1:が多層膜層からなる場合、 反射光として得られる波長域の 調整の自由度が高く、 また、 観察角度の変化による反射光の色の変化が小 さ いという利点がある。

[0185] 以上、 第 3実施形態によれば、 以下に列挙する効果が得られる。

( 2 1 ) 赤色用副画素 3 「上と緑色用副画素 3 9上とにフィルタ部 4 Iが 配置されることによって、 赤色用副画素 3 I"上と緑色用副画素 3 9上とにお いて表示装置 1 〇〇の表側に射出される光に、 青色光が混ざることが抑えら れる。 したがって、 波長選択層 4を通して射出される光を用いた画像での混 色を抑制することができる。

[0186] ( 2 2 ) 青色用副画素 3匕および透過部 4匕が、 発光部 2匕からの青色光 を透過するため、 発光部 2匕が発した青色光と、 赤色用副画素 3 「から放出 された赤色光と、 緑色用副画素 3 9から放出された緑色光とが画像の生成に 利用される。 したがって、 混色が好適に抑制された状態でカラー表示が 可能 である。

[0187] ( 2 3 ) 赤色用副画素 3 上と緑色用副画素 3 9上とで、 フィルタ部 4 1 が、 同一の構造を有して同一の波長選択性を有す る。 そのため、 赤色用副画 素 3 「上と緑色用副画素 3 9上とで、 フィルタ部 4 1が互いに異なる構造で 互いに異なる波長選択性を有する形態と比較 して、 表示装置 1 0 0の構造の 簡略化が可能である。

[0188] ( 2 4 ) フィルタ部 4 1:が、 赤、 緑、 青の各色の波長域に対して透明な複 数の層からなる積層体であり、 当該複数の層に、 互いに異なる屈折率を有し て隣り合う層が含まれる。 こうした構成によれば、 屈折率の差に基づく光学 現象に起因して、 フィルタ部 4 1の波長選択性が実現される。

[0189] ( 2 5 ) フィルタ部 4 1が、 サブ波長周期で並ぶ凹凸構造を表面に有する 凹凸構造層 1 7と、 凹凸構造層 1 7の凹凸構造に追従した形状を有する高屈 \¥0 2020/175464 47 卩(:171? 2020 /007435

折率層 1 8とを備える形態であれば、 導波モード共鳴現象によって、 青色光 を反射するフィルタ部 4 1が実現される。 したがって、 波長選択性の高い反 射光が得られ、 反射光の強度も高められる。 また、 高屈折率層 1 8の凹凸が 埋込層 1 9で埋められることにより、 2つのサブ波長格子が、 低屈折率材料 で埋め込まれるため、 反射光の強度がさらに高められる。

[0190] ( 2 6 ) フィルタ部 4 Iの凹凸構造層 1 7において、 複数の凹凸要素が 1 つの方向に沿って延び、 相互に平行に並ぶ形態であれば、 凹凸要素が二次元 格子状に並ぶ形態と比較して、 凹凸構造層 1 7における凹凸構造の精密な形 成が容易である。

[0191 ] ( 2 7 ) フィルタ部 4 Iの凹凸構造層 1 7において、 複数の凹凸要素が二 次元格子状に並ぶ形態であれば、 様々な方向への偏光成分を含む入射光に対 し、 複数の方向への偏光成分に対応して反射光が 出射されるため、 表側への 青色光の漏れがより抑えられるとともに、 反射光の強度がより高められる。

[0192] ( 2 8 ) フィルタ部 4 1が複数の共鳴構造部 2 1 を備える形態であれば、 フィルタ部 4 1が 4以上のサブ波長格子を有するため、 反射光の強度や偏光 に対する応答性の向上が可能である。

[0193] ( 2 9 ) 赤色用副画素 3 「および緑色用副画素 3 9が青色光を励起光に用 いる蛍光物質および量子ドッ トの少なくとも一方を備える形態であれば、 励 起を利用した波長の変換が好適に可能となる 。 特に、 赤色用副画素 3 「およ び緑色用副画素 3 9が量子ドッ トを備える形態であれば、 変換後の光として 、 単色性の高い光が得られる。

[0194] ( 3 0 ) 発光部 2匕が、 青色発光ダイオードを備える形態であれば、 単色 性の高い光の放出が可能であるとともに、 低電力での駆動が可能である。

( 3 1 ) 表示装置 1 0 0が反射層 1 を備えるため、 発光部 2匕から発光部 2 13下に漏れる青色光が反射されて、 波長の変換や画像の表示に用いられる 。 したがって、 表示装置 1 0 0における画像の表示に用いられる有色光の 成の効率が高められる。

[0195] [第 3実施形態の変形例] \¥0 2020/175464 48 卩(:171? 2020 /007435

上記第 3実施形態は、 以下のように変更して実施することが可能で ある。 上記第 3実施形態では、 赤色用副画素 3 「上に配置されるフィルタ部 4 1:と、 緑色用副画素 3 9上に配置されるフィルタ部 4 1:とは、 同一の構造を 有して互いに連続し、 同一の波長選択性、 すなわち、 同一の反射特性および 透過特性を有している。 これに代えて、 赤色用副画素 3 「上に配置されるフ ィルタ部 4 1:と、 緑色用副画素 3 9上に配置されるフィルタ部 4 1:とは、 互 いに異なる構造を有して互いに異なる波長選 択性を有していてもよい。 例え ば、 赤色用副画素 3 「上に配置されるフィルタ部 4 1は、 少なくとも青色光 を反射して赤色光を透過すればよく、 青色光とともに緑色光を反射してもよ いし、 緑色用副画素 3 9上に配置されるフィルタ部 4 1:は、 少なくとも青色 光を反射して緑色光を透過すればよく、 青色光とともに赤色光を反射しても よい。

[0196] 例えば、 2つの共鳴構造部 2 1 を備える波長選択フィルタにおいて、 2つ の共鳴構造部 2 ^ 巳が互いに異なる構造周期 を有する構成とさ れ、 第 1共鳴構造部 2 1 の格子領域 1 3 , 1 5にて青色光が共鳴を起こし 、 第 2共鳴構造部 2 1 巳の格子領域 1 3 , 1 5にて緑色光が共鳴を起こすよ うに設定される。 こうした構成によれば、 青色光と緑色光とを反射して赤色 光を透過するフィルタ部 4 1が実現される。

[0197] 赤色用副画素 3 「と緑色用副画素 3 9とにおける青色光の透過率に差が ある場合等には、 フィルタ部 4 1:は、 赤色用副画素 3 上のみに配置されて もよいし、 緑色用副画素 3 9上のみに配置されてもよい。 また、 表 / 」、装置 1 0 0が備える副画素の色は、 赤、 緑、 青の三色でなくてもよいし、 発光部 2 匕が発する光は青色とは異なる色の光であっ てもよい。 要は、 波長変換層 3 において、 発光部 2 13が発する光に含まれる第 1波長の光を励起光に用いて 第 1波長よりも長い第 2波長の光が放出され、 波長選択層 4において、 第 1 波長の光が反射されるとともに第 2波長の光が透過されれば、 少なくともこ うした波長選択が行われる領域にて、 発光部 2匕からの光の混入による画像 の混色は抑えられる。 \¥0 2020/175464 49 卩(:171? 2020 /007435

[0198] [実施例]

上述した第 2実施形態の波長選択フィルタおよびその製 方法について、 具体的な実施例を用いて説明する。

[0199] <波長選択フィルタの製造 >

まず、 光ナノインプリント法で用いる凹版であるモ ールドを用意した。 具 体的には、 光ナノインプリント法において照射する光と して、 3 6 5 の 波長の光を用いたため、 この波長の光を透過する合成石英をモールド の材料 として用いた。 モールドの形成に際しては、 まず、 合成石英基板の表面に、

〇 「からなる膜をスパッタリング法により成膜 し、 電子線リソグラフィ法に よって電子線レジストバターンを〇 「膜上に形成した。 使用したレジストは ポジ型であり、 膜厚は 1 5 0 n とした。 電子線により描画したバターンは 、 一辺が 3〇 の正方形領域内に、 一辺が 2 1 0 n の正方形を正方格子状 に周期 3 0 0 n で配置したバターンであり、 電子線を描画した領域は上記 正方形の内側領域である。 次に、 塩素と酸素との混合ガスに高周波を印加し て発生させたプラズマにより、 レジストから露出した領域の〇 「膜をエッチ ングした。 続いて、 六弗化エタンガスに高周波を印加して発生さ せたプラズ マによりレジストおよび <3 「膜から露出した領域の合成石英基板をエッ チン グした。 これによりエッチングした合成石英基板の深 さは 2 0 0 n mであっ た。 残存したレジストおよび <3 「膜を除去し、 離型剤としてオプツール 1 ~ 1 0 - 1 1 0 0 (ダイキンエ業製) を塗布して、 正方形が正方格子状に並ぶ二次 元格子状のパターンが正方形領域内に形成さ れたモールドを得た。

[0200] 次に、 上記モールド上の二次元格子状のパターンが 形成された正方形領域 内に紫外線硬化性樹脂を塗工し、 易接着処理が施されたポリエチレンテレフ タラートフィルムでモールド表面を覆った。 口ーラーを用いて上記紫外線硬 化性樹脂が上記正方形領域内の全面に広がる ように延ばし、 3 6 5 n の紫 外線を照射して、 紫外線硬化性樹脂を硬化した後、 モールドからポリエチレ ンテレフタラートフイルムを剥離した。 これにより、 表面に二次元格子状の パターンが形成された紫外線硬化性樹脂から なる凹凸構造層とポリエチレン \¥0 2020/175464 50 卩(:171? 2020 /007435

テレフタラートフィルムである基材との積 層体を得た。 上記工程を繰り返し 、 凹凸構造層と基材との積層体を 2つ作製した。 なお、 3 6 5 n mの紫外線 の照射量は とした。

[0201 ] 次に、 上記 2つの積層体の表面の各々に、 真空蒸着法を用いて膜厚 1 0 0

n mの丁 丨 〇 2 膜を成膜することにより、 丁 丨 〇 2 からなる高屈折率層を形成 した。 続いて、 2つの積層体のうちの、 一方の積層体の表面の二次元格子状 のパターンが位置する領域に紫外線硬化性樹 脂を塗工し、 塗工された紫外線 硬化性樹脂に他方の積層体の表面が接し、 かつ、 二次元格子状のパターンが 位置する領域同士が重なるように、 2つの積層体を向かい合わせた。 口ーラ 一を用いて上記紫外線硬化性樹脂が二次元格 子状のパターンの位置する領域 内の全面に広がるように延ばし、 3 6 5 n〇!の紫外線を照射して、 紫外線硬 化性樹脂を硬化して埋込層を形成した。 これにより、 実施例の波長選択フィ ルタを得た。 なお、 3 6 5 の紫外線の照射量は 5 2 とした。

[0202] <波長選択フィルタの評価 >

実施例の波長選択フィルタの反射分光測定を 実施したところ、 4 5 0 n〇! 程度に中心波長を有する反射スペクトルが観 測された。