Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
WEB TREATMENT METHOD, TREATMENT BATH, CONTINUOUS ELECTROLYTIC PLATING APPARATUS AND METHOD FOR MANUFACTURING PLASTIC FILM HAVING PLATED FILM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/031508
Kind Code:
A1
Abstract:
A treatment bath provided with a noncontact liquid seal section is used. The noncontact liquid seal section is not brought into contact with a web and suppresses liquid leakage.

Inventors:
KAWASHITA MAMORU (JP)
NOMURA FUMIYASU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/065702
Publication Date:
March 12, 2009
Filing Date:
September 02, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
TORAY INDUSTRIES (JP)
TORAY ADVANCED FILM CO LTD (JP)
KAWASHITA MAMORU (JP)
NOMURA FUMIYASU (JP)
International Classes:
C25D7/06; B05C3/15; B05D1/18; C25D21/00
Foreign References:
JPS58174263A1983-10-13
JP2006336082A2006-12-14
JP2006257454A2006-09-28
JPH10102287A1998-04-21
JP2004270003A2004-09-30
JP2003147582A2003-05-21
JPH09263980A1997-10-07
JPH11256393A1999-09-21
Other References:
See also references of EP 2202333A4
Attorney, Agent or Firm:
IWAMI, Tomonori (TORAY INDUSTRIES INC.1-1, Sonoyama 1-chom, Otsu-shi Shiga 58, JP)
Download PDF:
Claims:
側壁にウェブの出入り口となる開口部および該開口部からの処理液の漏出を抑制するための液シール部が設けられた処理槽に入れられた前記処理液中を連続的に前記ウェブを通過させることによって前記ウェブに薬液処理を施す処理方法であって、前記液シール部として、所定の間隙をおいて隔てられ、通過する前記ウェブを挟んで対向している一対の壁面を備え、該一対の壁面の前記ウェブの搬送方向の長さが、前記一対の壁面で形成されるスリットの前記処理槽の深さ方向の長さの5%以上100%以下のものを用いることを特徴とするウェブの処理方法。
前記液シール部から漏れ出す前記処理液の漏出量が、前記液シール部1個につき5L/min以上300L/min以下であることを特徴とする請求項1に記載のウェブの処理方法。
側壁に開口部および該開口部からの処理液の漏出を抑制するための液シール部が設けられたウェブの処理槽であって、前記液シール部として、所定の間隙を有し前記ウェブの搬送経路を挟んで対向している一対の壁面を備え、該一対の壁面の前記ウェブの搬送方向の長さが、前記一対の壁面で形成されるスリットの前記処理槽の深さ方向の長さの5%以上100%以下であることを特徴とするウェブの処理槽。
前記一対の壁面の間隙の前記ウェブ搬送方向の平均値が0.25mm以上10mm以下であることを特徴とする請求項3に記載のウェブの処理槽。
前記所定の間隙を有して配設された壁面が、前記ウェブの搬送経路を挟むようにして向かい合わせに配設された平面を有することを特徴とする請求項3に記載のウェブの処理槽。
前記平面の法線方向の間隙が0.25mm以上10mm以下であることを特徴とする請求項5に記載のウェブの処理槽。
前記液シール部から漏れ出す前記処理液の漏出量が、式1を満たすことを特徴とする請求項3~6のいずれかに記載のウェブの処理槽。
前記壁面の間隙が、上側よりも下側の方を狭いことを特徴とする請求項3~7のいずれかに記載のウェブの処理槽。
前記壁面の前記ウェブの搬送方向の長さが、上側よりも下側の方を長くしたことを特徴とする請求項3~8のいずれかに記載のウェブの処理槽。
あらかじめ導電性薄膜を片面または両面に成膜したプラスチックフィルムを連続的に複数のめっき処理槽に通して電解めっきを施す連続電解めっき装置において、少なくとも1箇所に請求項3~9のいずれかに記載の処理槽を配設してなることを特徴とするウェブの連続電解めっき装置。
ウェブとしてプラスチックフィルムを用い、製造工程の少なくとも一部に請求項1または2に記載の処理方法または請求項3~9のいずれかに記載の処理槽を用いることを特徴とするめっき膜付きプラスチックフィルムの製造方法。
Description:
ウェブの処理方法、処理槽、連 電解めっき装置およびめっき膜付きプラス ックフィルムの製造方法

 本発明は、ウェブの処理方法、処理槽、 続電解めっき装置およびめっき膜付きプラ チックフィルムの製造方法に関する。

 連続的に搬送されるウェブに対し処理液 使用してウェブを処理する装置、例えば、 続的に搬送されるプラスチックフィルムの 面に、処理液としてのめっき液を収容した 数のめっき槽を順次通過させることにより 定のめっき処理を施すようにしたウェブの 理装置においては、各めっき槽にウェブ搬 のための、例えばスリット状の入口、出口 設けられるが、槽内のめっき液が大量に外 に流出しないように、液シールを施すこと 一般的である。

 図1に、このような装置の例として、基材 としてのプラスチックフィルム1(例えば、ポ イミドフィルム、以下、単に「フィルム」 呼ぶ。)に銅(Cu)めっきを施す装置の例を示 。図1は、フィルムの処理装置の概略構成を 式的に示した平面図である。巻出部2からフ ィルム搬送方向に搬送されてきたフィルム1 、給電部3で給電(給電工程)された後、めっ 槽4を備えためっき部5でめっき処理(めっき 程)が施される。この給電工程とめっき工程 、複数回順次繰り返され、目標とする厚み めっき層が形成され、所定のめっき層が形 された後、巻取部6で巻き取られる。給電部 3では、例えば図2に示すように、搬送ロール1 1(例えば、表面SUS製)と搬送ロール12(例えば、 表面SUS製)の間に、給電ロール13(例えば、表 銅製)がフィルム1を押圧するように配置され 、フィルム1のめっき面10に給電される。めっ き部5では、例えば図3に示すように、めっき 14(例えば、硫酸銅)および銅塊15を収容した っき槽4内にフィルム1が連続的に通される 、通常、めっき槽4内のめっき液14の外部へ 漏出量を抑えるために、めっき槽4の入口、 口に液シール機構が設けられる。この液シ ル機構に、図3に示すような一対の液シール ロール7を用いることは知られている(例えば 特許文献1)。なお、図1のフィルムの処理装 においては、フィルム1は、巻出部2から巻 部6まで、その幅方向が実質的に鉛直方向に たれながら搬送され、これによって良好な ンドリング性とめっきの均一性を確保する うにしている(以下、フィルム幅方向を略鉛 直方向に保ちながら搬送することを縦型搬送 と呼ぶ)。

  上記処理槽としてのめっき槽4の入口お び/または出口における液シール性を確保す るために、従来、特許文献1で開示されてい 図4に示すような機構が使用されている。す わち、めっき液14が充満されためっき槽4の 口および/または出口のめっき槽4の内側の 面に沿って、または、図4に示した例の如く 入口および/または出口部の外側に、小チャ ンバ31を形成し、その外壁面25の内側に、2個 (一対の)表面がスポンジのロール21が設けら れ、両スポンジロール21が搬送されるフィル 1をニップするとともに、スポンジロール21 壁面A(25)に近接するように配置されて、液 ールが行われるようになっている。(壁面B(26 )との間には、比較的大きな間隙が形成され いる)。そしてこの場合、ロール21間のクリ ランスは固定とされている。なお、壁面A,B は図4において、引き出し線がでている方の を指す。しかしながらこの方法では、ウェ と液シールロールとの間に異物を噛み込ん りしてウェブ表面にキズや打痕を発生させ り、シワや張力ムラを発生させるなどの問 がある場合があった。

 このような問題を避けるため、ウェブに 接触で液漏れを抑制する方法が検討されて る。特許文献2には、一対の液シールロール の間隔をウェブ厚みよりも大きく取ることで 非接触にて液漏れを抑制する方法が開示され ており、この方法によれば液シールロールが 接触することによって発生する様々な問題を 解消することが可能となる。しかしながらこ の方法では、ロール間隔を大きく取ると漏出 量が大きすぎるため処理液の循環装置の能力 を不必要に大きくする必要があり、また被処 理ウェブが樹脂フィルムのような柔軟なウェ ブである場合には漏れ出す液が多いためにウ ェブがばたつく問題も生じ、ばたつきが大き すぎればロールに接触して表面キズが発生す る可能性もある。逆にロール間隔を小さくす ることで漏出量は削減可能であるが、ロール とウェブとの隙間が狭すぎるためウェブの搬 送が少しでも乱れるとロールに接触してキズ が発生する場合があった。この傾向はウェブ が柔軟であればあるほど顕著に現れる。

 また、同様に非接触にて液漏れを抑制する 術として、特許文献3に開示された技術が挙 げられる。特許文献3には、ウェブ(鋼帯)に接 触しないように、めっき槽の開口部に鋼帯が 通過する矩形のスリット部を有するめっき液 流出防止板(鋼帯の通板方向に垂直な方向に けた板)を設ける方法が開示されている。め き液流出防止板のスリット部の間隙は、め きされる鋼帯の厚さの最大値に加えて、通 中の鋼帯のばたつきや形状不良でも鋼帯が リットに接触しないで通板できるように余 代を見込んで決定されると記載されている つまり、通板される鋼帯のばたつきや形状 良に合わせてスリット部の間隙が決定され という技術的思想であって、スリット部の 隙によって通板される鋼帯のばたつきなど 軽減するという技術的思想ではないのであ 。また、特許文献3のめっき液流出防止板の 厚さ(鋼帯の通板方向の長さ)は、実施例にお て、めっき液流出防止板の材質が合成樹脂 場合には10mm、金属板の場合には8mmと記載さ れている。これは、同実施例に記載されてい るように、めっき液流出防止板の寸法が、幅 2200mm、高さ400mmといった細長いものであり、 質によって厚さを変えることによって所定 剛性を持たせようとしているものと考えら る。しかし、このような構成では、特許文 2と同様に、めっき液流出防止板間隙が広い と漏出量が大きくなり、逆に間隙が狭いとウ ェブとめっき液流出防止板が接触してキズを 発生させる問題があるため、柔軟なウェブの 処理装置においては適用が極めて難しい。

特開2003-147582号公報

特開平9-263980号公報

特開平11-256393号公報

 本発明の目的は、上記の課題を解消し、 ェブの柔軟性に左右されることなく漏出量 抑制し、また、接触に起因するキズなどの 面欠点を発生させないウェブの処理方法、 理槽、電解めっき装置を提供することにあ 。

 上記課題を解決するための本発明の構成は 下の通りである。すなわち、
 本発明によれば、側壁にウェブの出入り口 なる開口部および該開口部からの処理液の 出を抑制するための液シール部が設けられ 処理槽に入れられた前記処理液中を連続的 前記ウェブを通過させることによって前記 ェブに薬液処理を施す処理方法であって、 記液シール部として、所定の間隙をおいて てられ、通過する前記ウェブを挟んで対向 ている一対の壁面を備え、該一対の壁面の 記ウェブの搬送方向の長さが、前記一対の 面で形成されるスリットの前記処理槽の深 方向の長さの5%以上100%以下のものを用いる とを特徴とするウェブの処理方法が提供さ る。

 また、本発明の好ましい形態によれば、 記液シール部から漏れ出す前記処理液の漏 量が、前記液シール部1個につき5L/min以上300 L/min以下であることを特徴とするウェブの処 方法が提供される。

 また、本発明の別の形態によれば、側壁 開口部および該開口部からの処理液の漏出 抑制するための液シール部が設けられたウ ブの処理槽であって、前記液シール部とし 、所定の間隙を有し前記ウェブの搬送経路 挟んで対向している一対の壁面を備え、該 対の壁面の前記ウェブの搬送方向の長さが 前記一対の壁面で形成されるスリットの前 処理槽の深さ方向の長さの5%以上100%以下で ることを特徴とするウェブの処理槽が提供 れる。

 また、本発明の好ましい形態によれば、 記一対の壁面の間隙の前記ウェブ搬送方向 平均値が0.25mm以上10mm以下であることを特徴 とするウェブの処理槽が提供される。

 また、本発明の好ましい形態によれば、 記所定の間隙を有して配設された壁面が、 記ウェブの搬送経路を挟むようにして向か 合わせに配設された平面を有することを特 とするウェブの処理槽が提供される。

 また、本発明の好ましい形態によれば、 記平面の法線方向の間隙が0.25mm以上10mm以下 であることを特徴とするウェブの処理槽が提 供される。

 また、本発明の好ましい形態によれば、 記液シール部から漏れ出す前記処理液の漏 量が、式1を満たすことを特徴とするウェブ の処理槽が提供される。

 また、本発明の好ましい形態によれば、 記壁面の間隙が、上側よりも下側の方を狭 ことを特徴とするウェブの処理槽が提供さ る。

 また、本発明の好ましい形態によれば、 記壁面の前記ウェブの搬送方向の長さが、 側よりも下側の方を長くしたことを特徴と るウェブの処理槽が提供される。

 また、本発明の好ましい形態によれば、 らかじめ導電性薄膜を片面または両面に成 したプラスチックフィルムを連続的に複数 めっき処理槽に通して電解めっきを施す連 電解めっき装置において、少なくとも1箇所 に上記の処理槽を配設してなることを特徴と するウェブの連続電解めっき装置が提供され る。

 また、本発明の別の形態によれば、ウェ としてプラスチックフィルムを用い、製造 程の少なくとも一部に上記のいずれかに記 の処理方法または上記のいずれかに記載の 理槽を用いることを特徴とするめっき膜付 プラスチックフィルムの製造方法が提供さ る。

 本発明において、「ウェブ」とは、紙、 脂フィルム、金属箔などのような、幅に対 て厚さが充分薄く、長さが充分長いものを う。本発明の効果が特に顕著に得られるの 樹脂フィルムや紙のウェブである。樹脂フ ルムの材質としては、ポリイミド樹脂、ポ エステル樹脂が好ましく用いられる。電子 路材料等で使用する銅つきフィルムを形成 る場合には、汎用的なポリエステル樹脂が ましく用いられ、回路IC等の実装でのハン 耐熱性の関係でポリイミド樹脂が好ましく いられる。

 本発明において、「壁面」とは、所定の 積を有する面をいう。例えば、平面や曲面 溝付き平面は「壁面」の範疇に含まれる。

 本発明において、「平面」とは、壁面の ち、JISB0021:1998に規定の平面度が1mm以下の面 をいう。

 本発明において、「平均値」は、壁面の ェブの搬送方向の長さを20等分した20点での 壁面間の間隙を測定し、その平均値を求めて 算出するものである。

 本発明によれば、ウェブが液シール部を 由して概ね非接触で処理槽内に出入りする とが可能となり、そのため接触キズなどの 面欠点を発生させないウェブの処理方法が 供される。

 また本発明の別の形態によれば、ウェブ 搬送経路を挟むようにして向かい合わせに 面を配設することにより、壁面と処理液と 摩擦抵抗による流路抵抗を付与できるため ウェブに概ね非接触で、かつ、漏出量を抑 可能な処理槽が提供される。また液シール の各構造部材がウェブに概ね非接触である め、接触に起因する劣化等が生じにくく、 常に長期間に亘って性能を維持することが 来、定期交換やメンテの必要がなく、交換 品コストや処理停止に伴う稼働率悪化等が じにくい。

 また本発明の好ましい形態によれば、ウ ブの搬送経路を挟むようにして向かい合わ に2つの平面を配設し、この2つの平面の間 空間を処理液の流路とすることにより、不 定な圧力分布が生じにくいため、ウェブの たつき等に起因する搬送乱れを抑制するこ が可能となる。

 また本発明の好ましい形態によれば、液 ール部からの漏出量を小さく抑えることが 能であるため、処理液の循環系設備の処理 量を小さく設計することが可能となり、低 スト化に大きく寄与することが可能となる

 連続電解めっき装置は一般的に複数の処 槽を有するため、本発明による低コスト化 恩恵が大きく、またウェブに非接触である め接触に起因する様々な表面欠点が発生し い利点を最大限に活用できる。

本発明が適用可能なフィルムのめっき 置の概略平面図である。 図1の装置の給電部の拡大平面図である 。 図1の装置の従来のめっき部の拡大概略 横断面図である。 従来の技術における液シール部の概略 成図である。 本発明の一実施形態に係るウェブのめ き装置のめっき部の拡大概略横断面図であ 。 図5の液シール部を拡大した概略構成 である。 壁面形状の一例(平行平面)の概念図で る。 壁面形状の一例(曲面)の概念図である 壁面形状の一例(円柱)の概念図である 壁面曲線の接線とフィルム搬送方向と のなす角度の解説図である。 本発明の一実施形態による液シール部 縦型搬送方式のめっき槽に適用したときの 略側面図である。 本発明の一実施形態による液シール部 縦型搬送方式のめっき槽に適用したときの 略側面図である。 本発明の一実施形態による液シール部 縦型搬送方式のめっき槽に適用したときの 略正面図である。

符号の説明

1 フィルム
2 巻出部
3 給電部
4 処理槽としてのメッキ槽
5 メッキ部
6 巻取部
7 シールロール
10 メッキ面
11、12 搬送ロール
13 給電ロール
14 処理液としてのメッキ液
15 銅塊
16 回収ゾーン
21 スポンジロール
22 基材
24 小チャンバ
25 壁面A
26 壁面B
27 壁面C
28a,28b スリット
29a,29b 整流部材
30 液シール部から漏れる処理液
31 小チャンバ
32 開口部
θ  点Aにおける接線とフィルム搬送方向と なす角度

 以下、本発明の最良の実施形態の例とし 、処理槽をウェブであるポリイミドフィル (以下、単にフィルムと呼ぶ。)の縦型搬送 連続電解銅めっき装置に適用した場合を例 とって、図面を参照しながら説明する。

 図1は、本発明が適用可能なフィルムのめ っき装置の概略平面図である。巻出部2から ィルム搬送方向に搬送されてきたフィルム1 、給電部3で給電(給電工程)された後、めっ 槽4を備えためっき部5でめっき処理(めっき 程)が施される。この給電工程とめっき工程 が、複数回順次繰り返され、目標とする厚み のめっき層が形成され、所定のめっき層が形 成された後、巻取部6で巻き取られる。給電 3では、例えば図2に示すように、搬送ロール 11(例えば、表面SUS製)と搬送ロール12(例えば 表面SUS製)の間に、給電ロール13(例えば、表 銅製)がフィルム1を押圧するように配置さ 、フィルム1のめっき面10に給電される。図5 本発明の一実施形態に係るフィルムのめっ 装置のめっき部の拡大概略横断面図である 図1に示すめっき部5では、図5に示すように めっき液14および銅塊15を収容しためっき槽 4内にフィルム1が連続的に通されるが、めっ 槽4内のめっき液14の外部への漏出量を抑え ために、めっき槽4の入口、出口に液シール 部7が設けられている。液シール部7はめっき 4の入口、出口の側壁に密接して設けられて おり、めっき液14は液シール部7とめっき槽4 側壁の間からはほとんど流出しないように 成されている。液シール部7とめっき槽4の側 壁の間には、その間からの漏れを防ぐための シール部材を設けてもよいし、設けなくても よい。この間からの漏れがフィルムの搬送に 影響を与えない程度であれば、シール部材は 設けなくてもよい。

 図6aに、図5の液シール部7を拡大した概略 構成図を示す。液シール部7は、めっき液14を 収容しためっき槽4の出入り口にて、フィル 1の搬送経路を挟んで対向するように整流部 29a,29bを配設して構成される。整流部材29a,29 bの材質としては、めっき液に耐性のある材 を用いるのが好ましい。例えば硫酸銅めっ 浴であれば、塩化ビニルやポリエステル系 脂が好適に用いられる。図6aではめっき槽4 部に整流部材29a,29bを配設しているが、めっ 槽4外部であってもかまわない。図7に、本 明の一実施形態による液シール部を縦型搬 方式のめっき槽に適用したときの概略側面 を示す。図7に示すように、整流部材29a,29bの 深さ方向の長さはめっき槽4の側壁に設けら たフィルム出入り口となる開口部32の深さ方 向長さと同じか、開口部32の長さよりも長く るのが好適である。整流部材29a,29bの上面は 、おおよそめっき液面の高さと同じになるよ うに構成するのがよいが、特に制約するもの ではない。整流部材29a,29bの上面が液面下に っても、液面上にあってもよい。

 図6aに示すように、フィルム1は整流部材2 9aとC1だけ離れ、整流部材29bとC2だけ離れて、 整流部材29aと整流部材29bの間を非接触で搬送 され、めっき液14はフィルム1に沿って整流部 材29aとフィルム1との間(すなわちC1)、整流部 29bとフィルム1との間(すなわちC2)から、そ ぞれ漏れ出す(液シール部から漏れる処理液3 0)。整流部材29aとフィルム1との間、整流部材 29bとフィルム1との間をそれぞれ流れる液の 流を安定化させる観点から、整流部材29a,29b フィルム1側にあたる面は互いに平行な平面 であることが好ましい。なお、このときの処 理液30の漏出量は、理論的には以下の式2で導 かれる。

 ここで、整流部材29aと整流部材29bの間を 接触で安定して搬送されるメカニズムにつ て説明する。C1(整流部材29aとフィルム1との 間)=C2(整流部材29bとフィルム1との間)となる うな状態でフィルムが搬送されている場合 は、フィルム1の両面から圧力が同じように 用するため、安定した状態で搬送されるこ になる。一方、C1=C2といった安定した状態 ら、フィルム1に何らかの外力が作用してフ ルム1が整流部材29a側に偏った場合には、C2 の流路が拡大(C1<C2)するため、整流部材29b とフィルム1との間(C2)の流路抵抗が減少して 力が低下する。その結果フィルム1は整流部 材29b側に吸い寄せられ、元に戻ろうとする力 が働く。逆に整流部材29b側にフィルム1が偏 た場合は整流部材29a側に寄せられる方向に が働く。このようなメカニズムでフィルム1 整流部材29a,29bに接触しにくい状態で安定し て搬送されるのである。なお、このメカニズ ムが有効に作用するためには、搬送する対象 物は薄く、軽い方がよい。したがって、厚み が10μm以上100μm以下のウェブが好適であり、 にプラスチックフィルムは軽く、しかも柔 なので、上記作用が有効に働きやすく好ま い。またウェブの搬送張力は、50N/m以上500N/ m以下とするのが好ましい。これは50N/mを下回 った場合は液シール部から漏れ出す液流によ ってウェブがあおられてばたつきを生じ、500 N/mを超えた場合は見かけ上ウェブの剛性が上 がったような作用をするため上記メカニズム が有効に作用しにくくなるためである。

 整流部材29aと整流部材29bとの間隙(すなわ ち、整流部材29aと整流部材29bのフィルム側の 壁面のフィルムの搬送経路の面の法線方向の 間隙)C1+C2は、処理液30の漏出量を削減する観 から10mm以下とするのが好ましい。ただし余 りに小さすぎるとフィルム1が整流部材29a,29b に接触しやすくなるため、0.25mm以上とする が好ましい。なお、フィルム1に沿って処理 液30が漏れ出すため、漏出量が大きすぎると 5に示す回収ゾーン16のフィルム搬送方向の さを長くする必要がある。このため、回収 ーン16のフィルム搬送方向の長さを短くし なおかつ、フィルム1の接触を防いで安定搬 させるためには、整流部材29aと整流部材29b の間隙C1+C2を1mm~3mmの範囲内とするのがより ましい。

 ここで整流部材の壁面の形状は、平面で 曲面でも良い。曲面の場合、整流部材29aと 流部材29bとの間隙C1+C2は、フィルム搬送方 に関する間隙の平均値で近似すれば良い。 6b、図6c、図6dに壁面形状の一例を示す。図6b のような2つの平行平面である場合、C1+C2は平 行平面の間隙そのものとなる。図6cのような 面の場合、フィルム搬送方向の位置によっ C1+C2が変化する。このような場合は先に述 た通り、C1+C2のフィルム搬送方向に関する平 均値を、壁面のウェブ搬送方向長さLを20等分 して20点の間隙C1+C2を平均して求めれば良い 図6dのように2つの円柱を並べたような形状 場合も、同様にフィルム搬送方向の位置に ってC1+C2が変化するため、フィルム搬送方向 に関する平均値をとる。ここで注意しなけれ ばならないのは、C1+C2を変化させるために円 の外径を変化させると、同時に壁面のウェ 搬送方向長さLも変化してしまう点である。 Lの役割、期待効果については後で詳述する 、基本的にLが大きいほど流量が削減できる しかし、流量を削減しようとLを大きくする と、自動的にC1+C2も大きくなる。C1+C2は小さ ほど流量が削減できるのでこの部分はトレ ドオフの関係にあり、最適化が極めて困難 ある。それゆえ、本発明の実施にあたって 図6dに示すような円柱を2つ並べたような形 で構成することは避けるべきである。

 また、壁面曲線のうち、壁面曲線の接線 ウェブ搬送方向とのなす角度(接線とウェブ 搬送方向とが平行のときを0度とする。図6e参 照。図6eは壁面曲線の接線とフィルム搬送方 とのなす角度の解説図である。)が-20度以上 20度以下となる部分が壁面全体の40%を超える とが流量削減の観点から好ましく、壁面曲 の接線とウェブ搬送方向とのなす角度が-20 以上20度以下となる部分が壁面全体の70%を えていれば、極めて滑らかな壁面を形成で るので液流が安定するため、より好ましい

 なお、壁面曲線は、壁面のマクロ的なプ ファイルを表すものであって、いわゆる粗 曲線のようなミクロ的な曲線は含まないも とする。

 整流部材29aとフィルム1との間、整流部材 29bとフィルム1との間をそれぞれ流れる液流 フィルム1を整流部材29a,29bに接触させないよ うにする機能を有する。このため、処理液30 漏出量は5L/min以上であることが好ましい。 た、この漏出量が多すぎる場合、めっき液1 4を循環させるためのポンプの能力や、めっ 液14をストックしておく貯槽の容量が大きく なったりするため、これらを適正範囲に抑え る観点から、300L/min以下であることが好まし 。

 なお、本実施形態の液シール部7の構造は 、縦型搬送方式のめっき槽に好適に用いるこ とが出来る。図7に示すように、整流部材29a,2 9bのフィルム搬送方向の長さLは、処理液30の 出量を削減する観点から、整流部材29a,29bに て形成されるスリットの深さ方向長さの5%以 とするのが好ましい。これは、式2に示した ように、処理液30の種類、整流部材29aと整流 材29bとの間隙C1+C2、スリットの上側端部か 液面までの距離H1、スリットの下側端部から 液面までの距離H2が決まってしまえば、整流 材29a,29bのフィルム搬送方向長さLが長いほ 、整流部材29a,29bの壁面により圧力損失が生 、めっき槽4からの処理液30の漏出量は少な なるためである。また、整流部材29a,29bのフ ィルム搬送方向長さLがあまりにも長すぎる 合はフィルム1が整流部材29a,29bに接触してし まうリスクが高まる。さらに漏出量は前述の とおり式2により算出できるので、フィルム 送方向長さLがある程度以上大きくなると漏 量削減効果は小さくなる。このため、漏出 削減効果と接触のリスクとのバランスを勘 し、100%以下とするのが好ましい。さらに好 ましくは、70%以下、さらに好ましくは50%以下 とするのがよい。なお、漏出量削減効果は、 スリット深さ方向長さが大きい、広幅ウェブ 用の処理槽において特に顕著に現れる。この ためウェブ幅が300mmを超えるようなウェブの 理槽には特に好適に用いることが出来る。

 なお、整流部材29a,29bのフィルム側の壁面 が平行である場合には、処理液30の漏出量は めっき槽上側は少なく、下側は多くなる。 れは、水頭差によってめっき槽4内の処理液 30の圧力が場所によって異なるためである。 っき槽上側は圧力水頭が小さく、間隙から 出する処理液の流量が少ないが、めっき槽 側は圧力水頭が大きく、間隙から漏出する 理液の流量が多いのである。このため、図8 に示すように整流部材29a,29bのフィルム搬送 向の長さLは、上側よりも下側の方を、液面 らスリット上端までの距離と液面からスリ ト下端までの距離との比に応じて適宜長く ることが好ましい。図8は本発明の一実施形 態による液シール部を縦型搬送方式のめっき 槽に適用したときの概略側面図である。この ような構成にすることにより、整流部材29aと 整流部材29bとの間隙において、漏出する処理 液の流量の整流部材29a,29bにて形成されるス ットの深さ方向のばらつきを抑制すること できる。その結果、深さ方向の位置に関わ ず、フィルムの搬送位置を安定化しようと る前述の作用が一定になりやすいので、フ ルムの全幅に渡って整流部材29a,29bの壁面に ィルムを接触させることなく、フィルムを 定して搬送することができるようになるの ある。

 また図9に示すように下側の整流部材29aと整 流部材29bとの間隙C1+C2を上側のそれよりも小 くすることが好ましい。図9は本発明の一実 施形態による液シール部を縦型搬送方式のめ っき槽に適用したときの概略正面図である。 このような構成にすることにより、整流部材 29aと整流部材29bとの間隙において、漏出する 処理液の流量の整流部材29a,29bにて形成され スリットの深さ方向のばらつきを抑制する とができ、整流部材29a,29bの壁面にフィルム 接触させることなく、フィルムを安定して 送することができるようになるのである。 局、深さ方向のC 3 ×H/Lの最大値と最小値の比が8倍以下であるこ とが好ましい。
なお、整流部材29a,29bをこのような構成にし とき、めっき槽4の側壁に設けられたフィル 出入り口となる開口部は、整流部材29a,29bの フィルム搬送経路側の壁面で形成されるスリ ットの形状に合うように形成してもよいし、 整流部材29a,29bのめっき槽4側の面より大きく らない範囲でスリットの形状より大きく形 されていてもよい。また、開口部の下端は 流部材29a,29bの下端に合うように形成されて いる。

 整流部材29a,29bは、スリット内部と外部と の圧力差を受けてたわむことが考えられるが 、式1に示すとおり、スリットからの漏出量 スリット間隙の3乗に比例するため、小さな 位が大きな漏出量の差となる。このため部 の厚みtを大きくしてたわみを出来るだけ小 さくすることが好ましい。また整流部材29a,29 bのめっき槽内側端部のフィルム1側の角から5 ~20mmの範囲には、槽内の液流によってフィル 1が大きくあおられても整流部材29a,29bに接 しないように少し広げておくことが好まし 。あまりに広すぎると流路抵抗が小さくな ため漏出量が増加し、また液流が不安定に るため、10mm~100mmの曲面加工を施すことがよ 好ましい。なお、曲面加工を施した部分は 密に言えばスリット間隙が広がることにな が、上記範囲内の曲面加工であれば、図6a 示すように曲面加工部分を含めた長さを壁 のフィルム搬送方向長さLとしてもかまわな 。

 本実施形態によるめっき槽を、プラスチ クフィルムの連続電解めっき装置に用いれ 、微小なキズやザラなどの発生を抑制する とができ、またニップロール方式の接触回 シール方式に対してメンテナンスフリーで 用できるため、ランニングコストを削減す ことも可能となるので好ましい。フレキシ ル回路基板用基材など、高品位と低コスト 同時に強く要求されるような用途において 特に好適に用いることができる。

 なお、本実施形態では、処理槽をポリイ ドフィルムの縦型搬送式連続電解銅めっき 置に適用した場合を例にとって説明したが 処理槽はその他の用途、例えば、ウェブの 浄槽や無電解めっき槽などのウェブのウェ ト処理槽全般に適用できる。

 以下に具体的な実施例をもって本発明を詳 に説明する。なお、本発明はこれらの具体 な実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
 縦型搬送方式のめっき槽内側に図6a、図7に すような構成の液シール部を設けた。すな ち、整流部材29a,29bの壁面が平行であり、ま た、整流部材29a,29bのフィルム搬送方向長さL スリット深さ方向に同じ長さである液シー 部を設けている。整流部材29a,29bは硬質塩化 ビニルにて製作した。整流部材29aと整流部材 29bとの間隙C1+C2は2mmとした。整流部材29a,29bの フィルム搬送方向長さLは75mmとした。整流部 29a,29bの部材の厚みtは30mmとした。スリット さ方向長さは600mmとした(整流部材29a,29bのフ ィルム搬送方向長さLは、スリット深さ方向 さの12.5%となる)。また、図6aに示すように、 整流部材29a,29bのめっき槽内側端部には、図 横方向に関して整流部材のフィルム側表面 ら50mmだけ基材と反対方向、図の縦方向に関 て整流部材下側端部から10mm上にオフセット した位置と中心とした半径50mmの円弧を描く うな曲面加工を施した。

 上記のように構成しためっき槽に市水を 容して液漏れ確認を行った。めっき槽内の 面を一定に保つために必要なポンプ吐出量 、循環系配管内に設置されたフロート式流 計にて測定した。液面から液面下にあるス ット上端部までの距離が50mm、液面からスリ ット下端部までの距離が650mmで、スリットの さ方向の長さは700mmである。フィルムとし 片面に銅を厚さ0.1μmスパッタリング法にて 膜した厚さ38μm、幅520mmのポリイミドフィル を用いた。その結果、液シール部1箇所につ き、約100L/minの漏出量であることを確認した

 上記構成を縦型搬送の連続電解銅めっき 置に適用して銅めっき膜付きポリイミドフ ルムの製造実験を行った。めっき装置には1 0個のめっき槽があり、それぞれの入り口側 よび出口側に液シール部を設置した(合計20 所)。原反には片面に厚さ0.1μmの銅膜をスパ タリング法にて成膜した厚さ38μm、幅520mmの ポリイミドフィルムを使用した。張力は最初 のめっき槽の入り口で40N/全幅、最後のめっ 槽の出口側で190N/全幅となるよう漸増させる 設定とした。電流密度は、最後のめっき槽を 出たフィルムの銅膜厚が8.5μmとなるように適 宜設定した。なおこれらの条件は、液シール 部に従来技術であるニップロール方式の接触 回転シールを用いるときと同じ条件である( 較例1参照)。このようにして銅めっき膜付き ポリイミドフィルムを製造した結果、スリキ ズやザラの非常に少ない、高品位なめっき膜 を得ることができた。

 条件および結果をまとめたものを表1に示 す。

[実施例2]
 実施例と同様のめっき槽にて、整流部材29a 整流部材29bとの間隙C1+C2を3mmとしたものを いて実施例1と同様の実験を行った。

 漏出量は液シール部1箇所につき約180L/min あった。

 めっき実験も実施例1と同様の方法で実施し 、スリキズやザラの非常に少ない、高品位な めっき膜を得ることができた。条件および結 果をまとめたものを表1に示す。
[実施例3]
 実施例と同様のめっき槽にて、整流部材29a 整流部材29bとの間隙C1+C2を上側3mm、下側2mm し、中間部は一定の勾配で変化するように たものを用いて実施例1と同様の実験を行っ 。

 漏出量は液シール部1箇所につき約130L/min あった。

 めっき実験も実施例1と同様の方法で実施し 、スリキズやザラの非常に少ない、高品位な めっき膜を得ることができた。条件および結 果をまとめたものを表1に示す。
[実施例4]
 実施例と同様のめっき槽にて、整流部材29a 整流部材29bとの間隙C1+C2を上側3mm、下側2mm し、中間部は一定の勾配で変化するように 、整流部材の搬送方向長さLを45mmとしたもの (整流部材のフィルム搬送方向長さLは、スリ ト深さ方向長さの7.5%となる)を用いて実施 1と同様の実験を行った。

 漏出量は液シール部1箇所につき約170L/min あった。

 めっき実験も実施例1と同様の方法で実施し 、スリキズやザラの非常に少ない、高品位な めっき膜を得ることができた。条件および結 果をまとめたものを表1に示す。
[実施例5]
 実施例1の構成のめっき槽において、整流部 材29aと整流部材29bとの間隙C1+C2を20mmにしたと ころ、スリキズやザラの非常に少ない、高品 位なめっき膜を得ることができたものの、ス リットからの液漏れ量が多すぎて、ポンプ能 力の大きい装置が必要となった。条件および 結果をまとめたものを表1に示す。
[実施例6]
 実施例1の構成のめっき槽において、整流部 材29aと整流部材29bとの間隙C1+C2を0.1mmにし、 施例1と同様の銅めっき膜付きポリイミドフ ルムの製造実験を行ったところ、スリット らの液漏れ量は少なくなったものの、多少 リキズが発生した。条件および結果をまと たものを表1に示す。
[比較例1]
 実施例1の構成のめっき槽において、液シー ル部を図4に示す構成とした。スポンジロー 21の材質は塩化ビニルを用いた。ロール径は 直径40mmとし、2つのロールの軸間距離を38mmと してニップさせる構造とした。

 上記構成を縦型搬送の連続電解銅めっき装 に適用して実施例1と同様の銅めっき膜付き ポリイミドフィルムの製造実験を行った。そ の結果、表面に微小なスリキズが発生してい ることを確認した。またスポンジロール表面 が汚れているものを使用した場合はさらにめ っき膜への汚れの転写が発生し、さらに微小 ザラやスリキズの発生も確認された。このよ うに高品位のめっき膜を得ることは非常に難 しかった。条件および結果をまとめたものを 表1に示す。
[比較例2]
 実施例1の構成のめっき槽において、整流部 材29a,29bのフィルム搬送方向長さLを10mmにした ところ(整流部材のフィルム搬送方向長さLは スリット深さ方向長さの約1.7%となる)、ス ットからの漏出量が多すぎて、ポンプ能力 大きい装置が必要となった。また、スリッ からの液漏れ量が多く、流速が高いため、 っき槽のすぐ外側でフィルムが大きくばた いていることが確認され、搬送が安定しな ことがわかった。条件および結果をまとめ ものを表1に示す。
[比較例3]
 実施例1の構成のめっき槽において、整流部 材29a,29bのフィルム搬送方向長さLを10mm、整流 部材29aと整流部材29bとの間隙C1+C2を0.4mmに設 した。

 上記のように構成しためっき槽に市水を 容して液漏れ確認を行った。めっき槽内の 面を一定に保つために必要なポンプ吐出量 、循環系配管内に設置されたフロート式流 計にて測定した。液面からスリット上端部 での距離が50mm、液面からスリット下端部ま での距離が650mmで、フィルムとして片面に銅 厚さ0.1μmスパッタリング法にて成膜した厚 38μm、幅520mmのポリイミドフィルムを用いた 。その結果、液シール部1箇所につき、約180L/ minの液漏れ量であることを確認した。

 上記構成を縦型搬送の連続電解銅めっき装 に適用して実施例1と同様の銅めっき膜付き ポリイミドフィルムの製造実験を行った。そ の結果、表面にスリキズが発生していること を確認した。まためっき槽のすぐ外側でフィ ルムがばたついていることが確認され、搬送 が安定しないことがわかった。条件および結 果をまとめたものを表1に示す。
[比較例4]
 実施例1の構成のめっき槽において、整流部 材29a,29bに替えて直径30mmの丸棒を用い、その 棒同士の隙間を2mmに設定した。この場合、 流部材29a,29bのフィルム搬送方向長さLに相 する長さはゼロである。

 上記のように構成しためっき槽に市水を 容して液漏れ確認を行った。めっき槽内の 面を一定に保つために必要なポンプ吐出量 、循環系配管内に設置されたフロート式流 計にて測定した。液面からスリット上端部 での距離が50mm、液面からスリット下端部ま での距離が650mmで、フィルムとして片面に銅 厚さ0.1μmスパッタリング法にて成膜した厚 38μm、幅520mmのポリイミドフィルムを用いた 。その結果、液シール部1箇所につき、約200L/ minの液漏れ量であることを確認した。

 上記構成を縦型搬送の連続電解銅めっき 置に適用して実施例1と同様の銅めっき膜付 きポリイミドフィルムの製造実験を行った。 その結果、表面にスリキズが発生しているこ とを確認した。まためっき槽のすぐ外側でフ ィルムがばたついていることが確認され、搬 送が安定しないことがわかった。条件および 結果をまとめたものを表1に示す。

 本発明は、ウェブに非接触で安定搬送可 な構造であるため、ウェブ自体が非常に柔 で、かつ、非常に厳しい表面品位を要求さ るフレキシブル回路基板用基材としてのプ スチックフィルムの連続電解めっき装置に いて好適であるが、プラスチックフィルム 連続電解めっき装置に限らず、その他のウ ブの連続電解めっき装置や電解処理装置等 薬液を用いてウェブを処理する装置全般に 用することができるが、その応用範囲が、 れらに限られるものではない。