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Patent Searching and Data


Title:
WELDER FOR ROLLING FACILITY, ROLLING FACILITY, AND ROLLING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/051257
Kind Code:
A1
Abstract:
This aims to provide a welder optimum for use in rolling a sheet, and a rolling method including the most advantageous procedure for the welding operation and the subsequent separation of a leader strip. The rolling facility welder (10) performs a series welding operation with a back bar disposed below a pass line and a welding gun disposed over the pass line, thereby to weld a plurality of points simultaneously. The rolling method joints a leader portion (L) held in an exit welder (4) and the tip of a rolled sheet (A) by the spot welder (10), and the rolled sheet (A) is finished in a pass of an even number toward an entrance winder (3).

Inventors:
KIKKAWA TANEHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/068980
Publication Date:
April 23, 2009
Filing Date:
October 20, 2008
Export Citation:
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Assignee:
JP STEEL PLANTECH CO (JP)
KIKKAWA TANEHIRO (JP)
International Classes:
B21B15/00; B21B1/32; B21C47/26; B23K11/11; B23K101/16
Foreign References:
JPH0623559A1994-02-01
JP2771101B21998-07-02
JP2721716B21998-03-04
JPH11342402A1999-12-14
Other References:
See also references of EP 2221120A4
Attorney, Agent or Firm:
HOSOMI, Yoshio (5th Floor Shosen Mitsui Building, 5, Kaigan-Dori, Chuo-k, Kobe-shi Hyogo 24, JP)
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Claims:
 圧延設備に配置されて圧延板に点溶接を行う圧延設備用溶接機であって、
 パスラインの下に設けられたバックバーと、パスラインより上に設けられた溶接ガンとによってシリーズ溶接を行い、複数点を同時に溶接することを特徴とする圧延設備用溶接機。
 パスラインの下にバックバーが固定配置されているとともに、パスラインの上に上記の溶接ガンと変圧器、および溶接ガンの昇降機が配置されていて、
 溶接ガンは、圧延板の長さ方向に沿った位置が2以上に分布する複数点を溶接するよう構成されている
 ことを特徴とする請求項1に記載の圧延設備用溶接機。
 溶接ガンが、溶接を行わないときパスラインから離れた位置へ待避可能であり、
 圧延板の厚さを計測する厚み計が、パスラインの近傍で当該計測を行うとともに、計測しないときパスラインから離れた位置へ待避し得るものであり、計測中の位置が溶接ガンの溶接時の位置と少なくとも一部で重なる位置関係にて併設されている
 ことを特徴とする請求項1または2に記載の圧延設備用溶接機。
 圧延機の入側および出側に巻取機を備える圧延設備であって、
 出側巻取機に保持させるリーダー片を圧延板の端部に溶接して後に圧延板から分離すべく、入側または出側の巻取機と圧延機との間に、請求項1~3のいずれかに記載の圧延設備用溶接機が、上記分離のための切断機とともに配置されていることを特徴とする圧延設備。
 圧延機とその入側および出側に配置された巻取機とを使用し、往復のパスをさせることにより圧延板を圧延する圧延方法であって、
 出側巻取機に保持させたリーダー片を圧延板の端部に溶接し、その圧延板を、上記端部付近でもリーダー片を介し巻取機から張力付与しながら、リーダー片およびリーダー片との溶接部分を圧延することなく上記圧延機によって可逆圧延し、
 入側巻取機へ向かう偶数回目のパスの終了時に、上記溶接部分を外れた位置でリーダー片を切断し、端部に上記溶接部分が付いた圧延板を、その溶接部分を切り離さない状態のまま入側巻取機に巻き取り、コイルとして払い出す
 ことを特徴とする圧延方法。
 圧延板の端部へのリーダー片の上記溶接とその後に行うリーダー片の上記切断とを、上記圧延機と出側巻取機との間、または上記圧延機と入側巻取機との間に設置した溶接機および切断機によって行うことを特徴とする請求項5に記載の圧延方法。
 上記のとおりリーダー片を切断して圧延板を入側巻取機に巻き取ったのち、その圧延板のコイルから溶接部分を切り離すよりも前に、入側のペイオフリールより別の圧延板を出側に向けて送り出すことを特徴とする請求項5または6に記載の圧延方法。
 複数の圧延板のそれぞれに対して順次に、同一のリーダー片を用いて上記の可逆圧延と払い出しとを行い、出側巻取機から一旦そのリーダー片を払い出したのち、
 リーダー片を使用せずに一の圧延板の端部を直接出側巻取機に保持させたうえ、巻取機から張力付与しながら上記圧延機によってその一の圧延板を可逆圧延し、
 入側巻取機へ向かう偶数回目のパスの終了時に、その一の圧延板を、出側巻取機に保持させた状態で切断し、後に圧延する別の複数の圧延板に対するリーダー片とする
 ことを特徴とする請求項5~7のいずれかに記載の圧延方法。
 上記の溶接を、パスラインの下にバックバーを有するとともにパスラインの上に溶接ガンを有していて複数点を同時にシリーズ溶接する点溶接機によって行うことを特徴とする請求項5~8のいずれかに記載の圧延方法。
Description:
圧延設備用溶接機、圧延設備お び圧延方法

 請求項に係る発明は、圧延機(可逆圧延機 )に対して圧延板(ストリップ等)を往復にパス させることにより行う圧延に関するもので、 圧延設備用溶接機とそれを備える圧延設備、 および圧延方法を提供するものである。

 可逆圧延機を用いたストリップ(圧延板) 圧延(可逆圧延)は、圧延機(ミル本体)と、そ 入側に設けられた巻出し機(ペイオフリール )、および入側・出側にそれぞれ配置された 取機等を使用して行われる。ストリップに 力を与えながら圧延を行うことから、第1の スの開始時にストリップの先端部が出側巻 機に2~3巻きされることにより保持され、ま 第2のパスの開始時にストリップの尾端部が 入側巻取機に2~3巻きされて保持される。そう して先端部・尾端部が各巻取機に巻き付けら れた状態のまま、往復に複数パスの圧延が行 われる。所定回数のパスを経てストリップが 所定の厚さになると、そのストリップがいず れかの巻取機からコイルとして取り出される 。ストリップの先端部および尾端部には、圧 延されないために製品とはならない部分(オ ゲージ部分)が含まれるので、巻き取りの直 またはその後の工程で当該部分が切断分離 れ処分される。

 ストリップの長手方向両側の端部に生じ オフゲージ部分は、上記のとおりストリッ の損失となるので、それをできるだけ短く るのが歩留まりの点で有利である。下記の 許文献1には、そのような損失を少なくして 歩留まりを高くするように工夫を施した圧延 方法等が記載されている。

 特許文献1に記載の方法は、出側または入側 の巻取機にリーダー片を保持させ、それを圧 延板の先端部または尾端部に溶接し、その圧 延板を、上記端部付近でもリーダー片を介し 巻取機から張力付与をしながら上記圧延機に よって圧延するものである。具体的には、図 12(a)~(f)のように、巻出し機2上に取り付けた イル(ホットコイル)CR1から圧延板(ストリッ )Aを巻き出し、圧延機1と巻取機3・4の間で圧 延板Aをレバース(可逆)圧延するもので、つぎ の手順にしたがう。
 a) まず、巻出し機2から圧延板Aの先端部(出 側端部)を巻き出し、その先端部が溶接機12’ の位置に達すると、出側巻取機4から巻き出 ておいたリーダー片Yの端部に重ねたうえ、 者を溶接機12’にて点溶接する(図12(a))。
 b) その後、上記の点溶接による溶接部分Yc 圧延機1の近傍まで戻し、そこで圧延機1の ールを閉じて第1パスの圧延を開始する(図12( b))。
 c) 圧延は、巻取機4等にて圧延板Aに張力を 用させながら行い、圧延板の尾端が巻出し 2から外れる際には、ストリッププレス15’ 使用することにより圧延板Aに張力を発生さ せる(図12(c))。
 d) 圧延板Aの尾端部(入側端部)が溶接機11’ 位置まで送られると、入側巻取機3からリー ダー片Xを送り出すことにより、溶接機11’上 で両者を重ね、溶接機11’によって圧延板Aの 尾端部にリーダー片Xを溶接する(図12(d))。
 e) その後、入側巻取機3にて張力を作用さ ながら上記による溶接部分Xcが圧延機1の近 に達するまで圧延を進めると第1パスの圧延 終了するので、第2パス(およびその後の偶 回目のパス)は、出側巻取機4にて張力を作用 させながら圧延板Aとリーダー片Yとの溶接部 Ycが圧延機1の近傍に達するまで行う(図12(e)) 。
 f) 第3パス(およびその後の奇数回目のパス) は、上記と同様、圧延板Aに張力をかけなが 溶接部分Xcが再び圧延機1の近傍に達するま 圧延を行う(図12(f))。 以上のように奇数回 および偶数回目のパスを繰り返すことによ 、圧延板Aが所定の厚みになるまで往復(レバ ース)の圧延を行う。圧延が終了すると、入 または出側の巻取機から圧延板のコイルを い出す。なお、図中の符号13’・14’は切断 である。

 このようにして圧延を行う場合には、圧延 のうち長手方向の端部(すなわち張力を付与 して圧延することが難しい部分)にリーダー を溶接することから、圧延板のうち多くの 分を圧延することができ、損失を少なくす ことができる。また、リーダー片を使用し 巻取機から張力を付与しながら圧延するの 、蛇行しないなど圧延板の送りが安定する か、製品の形状や厚み精度にすぐれるとい た利点がもたらされる。

特開2006-334647号公報

 上記の特許文献1は、可逆圧延機を用いた 板圧延におけるオフゲージ部分の損失を少な くして歩留まりを向上させる手段を提示する ものではあるが、生産性をも考慮した最も有 利な方策を明示するものではなかった。先端 部と尾端部との両方にリーダー片を取り付け ると、歩留まりは格段に向上するが、反面、 コイルの内周側に残るリーダー片の処理に時 間がかかり、生産性が阻害される。つまり従 来は、リーダー片の溶接とその後の分離等に 関連して、生産性等を最大限に高める最適な 手順を見出すまでには至っていなかった。ま た、たとえば、圧延板にリーダー片を溶接す る溶接機等として、具体化を進めた最適なも のを提示することもできなかった。

 請求項に係る発明は、上記のような点か 、板圧延に使用する最適な溶接機等を提供 るとともに、リーダー片の溶接とその後の 離等に関連して板圧延に最も有利な手順を む圧延方法を提供するものである。

 発明の圧延設備用溶接機は、圧延設備に配 されて圧延板に点溶接を行うものであって パスライン(圧延板の通過経路)の下に設け バックバーと、パスラインの上に設けた溶 ガン(電極とそれへの通電部材等を含む溶接 構)とによってシリーズ溶接を行い、複数点 を同時に溶接することを特徴とする。シリー ズ溶接とは、一つの溶接電流回路内に直列に 2以上の溶接点(ナゲット)を含む点溶接で、た とえば、溶接対象とする一組の板の一方の面 に二つの電極を当てるとともに、導電率の高 い金属でできたバックバーを他の側の面に当 てて行うものである。
 上記した圧延設備用溶接機は、これを板圧 に使用して圧延板の溶接を行うとき、つぎ ような好ましい作用効果をもたらす。すな ち、
 ・ 点溶接機であることから設備費用が少 くてすみ、また、溶接所要時間が短いため 延過程全体の生産能率が高くなる。
 ・ 溶接ガンをパスラインの上に設けてシ ーズ溶接を行うので、圧延ロール等に使用 る冷却液(ロールクーラント)が溶接ガンの機 械部分や通電部分に流入しにくい。そのため 、溶接ガンについて防水等のための手段を簡 単化しながらも、冷却液による漏電等のトラ ブルを確実に回避することができる。パスラ インの下にはバックバーを設けるが、バック バーに冷却液が付着または流入しても不都合 はない。
 ・ 上記のようにバックバーを用いてシリ ズ溶接を行うと、少なくとも2点の点溶接を 時に行うことができる。そのため、多数箇 の溶接を迅速に行ううえで都合がよい。圧 板を他の板と接続する際には、その寸法や 械的負荷(張力や曲げが溶接部に作用する) 関係から複数の溶接点を設けて必要な溶接 度をもたせる必要があるが、それを満足す 溶接を能率的に実施できるわけである。

 発明の溶接機については、とくに、パスラ ンの下にバックバーを固定配置するととも 、パスラインの上に、上記の溶接ガンと変 器、および溶接ガンの昇降機を配置し、上 の溶接ガンは、圧延板の長さ方向に沿った 置が2以上に分布する複数点を溶接するよう 構成する(そのような複数点を同時に溶接で る数を配置し、または溶接ガンを移動可能 設ける)のがよい。
 そのようにすると下記の点でさらに有利で る。すなわち、
 ・ 上記した溶接ガンだけでなくその昇降 や変圧器についてもパスラインの上に配置 、パスラインの下にはバックバーのみを固 配置すればよいことから、溶接のためのあ ゆる機械部分や通電部分に対しても前記の 却液が流入しにくい。したがって、防水構 等を簡単化して溶接機のコストを削減する とが容易になる。
 ・ 上記のように配置した溶接ガンにより 圧延板の長さ方向に沿う2位置以上を同時に リーズ溶接するので、溶接した板同士の、 延設備における溶接強度の点で有利である 圧延設備においては、種々のロールに接触 る際にも巻き取りの際にも、圧延板には板 長さ方向に沿って曲げが作用する。板幅方 に多数点を溶接した場合であっても、長さ 向に溶接点が1点のみ(1列配置)である場合に は、上記のように板の長さ方向に作用する曲 げには抗しにくいため溶接が剥がれやすくな りがちである。その点、圧延板の長さ方向に 沿って2点(2列)以上の溶接を行った場合には 圧延設備において生じやすい上記の曲げに しやすく、強度上有利なのである。

 溶接ガンは、溶接を行わないときパスライ から離れた(上方または側方の)位置へ待避 能なものとし、それに、圧延板の厚さを計 するつぎのような厚み計を併設すると好ま い。すなわち、パスラインの近傍で圧延板 厚さを計測するとともに、計測を行わない きパスラインから離れた側方等の位置へ待 し得る厚み計であって、それを、計測中の 置が溶接ガンの溶接時の位置と重なる(厚み の計測中の位置と溶接ガンの溶接時の位置 が少なくとも一部で重なる)ように併設する のがよい。
 上記のような厚み計と溶接機とをそのよう 重なる位置関係に配置すれば、両者の設置 ペースを節約でき、圧延長手方向への広が を抑えたコンパクトな圧延設備を構成でき 。圧延設備について圧延方向への広がりが 制できると、リーダー片を使用しない場合 未圧延のオフゲージ部分が短くなり、製品 歩留まりの点でも有利になる。また、こう て溶接機の設置スペースが節約できると、 設の圧延設備に対しても、巻取機等の位置 変更することなく発明の溶接機を設置する とが可能になる。
 厚み計の計測中の位置と溶接ガンの溶接時 位置とが重なることとなっても、両者の機 には全く差し支えがない。なぜなら、厚み が圧延板の厚さを計測するのは圧延板が送 れてその圧延が行われているときであり、 接機が圧延板の溶接を行うのは圧延板の送 が停止されているときであって、両者は必 異なる時期に上記の位置で計測または溶接 行うからである。そしてそれぞれは、計測 たは溶接を行わない時期にはパスライン(圧 延板)から離れた位置へ待避するため、互い 機能を妨げないのである。

 通常、上記の厚み計は、パスラインから離 た側方等の位置へ待避した状態でその較正( ゼロ点調整等のキャリブレーション)が行わ る。それは、パスラインにある圧延材がな 状態で、予め備えてあるサンプル材によっ 較正するためである。厚み計の較正は、製 厚みの要求精度にもよるが、1コイルにつき1 回行うのが望ましい。較正作業はコイル替え に要する時間に行われるので、圧延の停止時 間は、較正を行わない場合と同等であり、著 しく長くなることはない。
 発明に基づく実際の操業では、特定の圧延 についての圧延の開始前などに上記溶接機 よって圧延板にリーダー片等を溶接し、そ 溶接の間に、パスラインから離れた位置へ 避させた厚み計についてその較正を行うこ ができる。つまり、溶接機による溶接と厚 計の較正とを同時に行えるため、圧延の停 する時間は、溶接・較正を行わない場合と 等で、著しく長くなることはない。さらに この場合、コイル替えに要する時間を大き 短縮できるというメリットが生じる。これ ついては後述する。

 発明の圧延設備は、圧延機の入側および出 に巻取機を備えるもの(可逆圧延設備)にお て、出側巻取機に保持させるリーダー片を 延板の端部に溶接して後に圧延板から分離 べく、入側または出側の巻取機と圧延機と 間に、上記いずれかの溶接機と、上記分離 ための切断機とを配置したことを特徴とす 。
 なお、ここにいう「圧延機」は、1スタンド または複数スタンドのもの、少なくとも1基 らなる圧延機群をさし、形式やロール数な は問わない。また、「入側」とは、最初に イルを取り付けて圧延板を巻き出す側をさ 、「出側」とは、圧延機をはさんで入側と 対の側をさす。
 こうした圧延設備では、上記した発明の溶 機を使用してリーダー片と圧延板とを適切 溶接することができる。リーダー片は出側 取機に保持させることとするので、入側に かう偶数回目のパスを最終パスとするよう 延を行ったのち、圧延板を入側巻取機から イルとして払い出すこととすれば、圧延板 出側端部付近に生じる損失が少なくなるう 、能率的な操業ができる。能率的であるの 、出側端部に溶接したリーダー片は、出側 取機につねに保持させておけばよく、その 取機上にある状態のまま、次の圧延板の出 端部に溶接して使用することができるから ある。つまり、そのリーダー片を出側巻取 から取り外したり、再びその巻取機(の巻取 軸)に保持させたりする必要がないため、操 能率の点できわめて有利である。

 発明の圧延方法は、圧延機とその入側およ 出側に配置された巻取機とを使用し、往復 パスをさせることにより圧延板を圧延する 法であって、
 ・ 出側巻取機に保持させたリーダー片を 延板の端部に溶接し、その圧延板を、上記 部付近でもリーダー片を介し巻取機から張 付与しながら、リーダー片およびリーダー との溶接部分を圧延することなく上記圧延 によって可逆圧延し、
 ・ 入側巻取機へ向かう偶数回目のパスの 了時に、上記溶接部分を外れた位置でリー ー片を切断(分断)し、端部に上記溶接部分が 付いた圧延板を、その溶接部分を切り離さな い状態のまま入側巻取機に巻き取り、コイル として払い出す
 ことを特徴とする。
 この圧延方法によると、図12に示す従来の 延方法と同様、圧延板の長手方向端部にリ ダー片を溶接して使用することから、圧延 のうち多くの部分を圧延することができて 延板の損失を少なくすることができる。リ ダー片を介し巻取機から張力を付与しなが 圧延するので、圧延板の送りが安定するほ 、製品の形状や厚み精度等の点でも有利で る。
 この方法ではとくに、入側巻取機へ向かう 数回目のパスを最終パスとし、当該パスの 了時に上記のリーダー片を切断し分離する で、圧延板の出側端部付近に生じる損失が なくなるだけでなく能率的な操業ができる 上のようにすると、出側巻取機へ向かう奇 回目のパスを最終パスとする場合とは違っ 、出側端部に溶接したリーダー片を出側巻 機につねに保持させておけばよく、その巻 機上にある状態のまま、次の圧延板の出側 部に溶接して使用できるからである。つま 、そのリーダー片を出側巻取機から取り外 たり、再びその巻取機(の巻取軸)に保持さ たりする必要はなく、操業能率の点できわ て有利である。
 しかもこの方法は、リーダー片の切断を、 延板との溶接部分を外れたリーダー片上で い、端部に上記溶接部分が付いた圧延板を その溶接部分を切り離さない状態のまま入 巻取機に巻き取って払い出すことから、と に下記のような効果をももたらす。すなわ 、a)圧延ライン上に溶接部分の処理設備を 置する必要がなく、圧延設備を短くて簡単 ものに構成できるうえ、b)溶接部分の処理を 圧延ライン上ではなくオフラインで行うため 、当該処理中にも次の圧延板を圧延ライン上 に通して圧延(またはその準備)を行うことが き、生産性の向上がはかれる。たとえば、 接部分が付いた圧延板のコイルを入側巻取 から払い出したのち、コイルカー等に載せ 状態で溶接部分の分離等をし、そうした作 を行っている間に次の圧延板をペイオフリ ルから圧延ラインに供給するようにすれば 溶接部分の分離作業のために圧延が滞るこ がなく、明らかに好ましい。

 圧延板の端部へのリーダー片の上記溶接と の後に行うリーダー片の上記切断とは、上 圧延機と出側巻取機との間、または上記圧 機と入側巻取機との間に設置した溶接機お び切断機によって行うとよい。
 上記の溶接と切断とを圧延機と出側巻取機 の間で行う場合には、圧延板の端部(先端部 )にリーダー片を溶接したのち、溶接後の圧 板をほとんど送ることなく短時間で圧延を 始することができ、また、切断したリーダ 片をほとんど送ることなく次の圧延板の端 に溶接することができる(後述する図1の例を 参照)。一方、溶接と切断とを圧延機と入側 取機との間で行う場合には、圧延ずみの圧 板をリーダー片の切断後に入側巻取機に巻 取る作業を短時間で行うことができ、また 切断後のそのリーダー片に溶接するための の圧延板の送りの距離が短くてすむ。その うな理由により、いずれの場合にも圧延能 を高めることが可能である。

 上記のとおりリーダー片を切断して圧延板 入側巻取機に巻き取ったのちは、その圧延 のコイルから溶接部分を切り離すよりも前 、入側のペイオフリールより別の圧延板を 側に向けて(圧延機とその先の出側巻取機に 向けて)送り出すのがよい。
 発明の圧延方法によれば、前述のとおり、 部に溶接部分が付いたままの圧延板を入側 取機に巻き取って払い出すことから、溶接 分の処理を圧延ライン上ではなくオフライ で行い、設備面および能率面でメリットが る。しかし、能率面の効果は、ここに記載 たように、入側巻取機に巻き取ったコイル ら溶接部分を切り離すよりも前に、入側の イオフリールより圧延ライン上に別の圧延 を送り出すことによって顕著になる。その うにすれば、溶接部分の処理とは無関係に 前の圧延板の圧延が終了してリーダー片を 断したのち、極めて短時間のうちに次の圧 板の圧延を開始できるからである。圧延板 先端を、図3に示す渡しテーブルの先端付近 (前の圧延板の圧延に支障を及ぼさない出側 りの位置)まで送っておくなど予め準備して くと、次の圧延板の圧延を迅速に開始でき 点でさらに有利である。

 発明の圧延方法については、
 ・ 複数の圧延板のそれぞれに対して順次 、同一のリーダー片を用いて上記の可逆圧 と払い出しとを行い、(リーダー片を使い切 たときまたはロール交換のとき等のタイミ グで)出側巻取機から一旦そのリーダー片を 払い出したのち、
 ・ リーダー片を使用せずに一の圧延板の 部を直接出側巻取機に保持させたうえ、巻 機(出側および入側)から張力付与しながら上 記圧延機によってその一の圧延板を可逆圧延 し、
 ・ 入側巻取機へ向かう偶数回目のパスの 了時に、その一の圧延板を、出側巻取機に 持させた状態で切断し、後に圧延する別の 数の圧延板に対するリーダー片とする
 のがとくに有利である。リーダー片を使用 ずに圧延する上記一の圧延板としては、広 (使用する圧延機において圧延可能な最大幅 またはそれに近い幅)の板とするのが、圧延 ールおよび圧延板の平滑性維持の点で好ま い。また、その一の圧延板は、後に圧延す 多くの圧延板に対しリーダー片として使用 きるよう、上記の溶接と切断とを数十回程 繰り返すことのできる長さ(たとえば十数メ トル)を出側巻取機に保持させた状態で切断 するのがよい。
 上のように一の圧延板を圧延し切断してリ ダー片とするなら、発明の圧延方法におい 使用するリーダー片とその取扱いに要する ストが削減される。すなわち、リーダー片 する板をわざわざ手配する必要がないうえ その板を出側巻取機に保持させて最初の圧 板の先端部に溶接するという作業が不要に る。またその後も、複数の圧延板に対しリ ダー片として繰り返し使用するので、損失 減らして生産性を高めるというメリットを り返し発揮することになる。
 広幅の圧延は、最初2.5mm厚を1.0mm厚×1219mm幅 4パス仕上げするなど厚物の圧延が行われる 。その場合、最終パス前(3パス目)は1.2~1.6mm厚 に圧延されており、リーダー片としてはこの 厚みのものが使用される。リーダー片と圧延 板との溶接の強度に関して示す後述の表1よ 、リーダー片の板厚が1.2~1.6mmであると溶接 度が高いので、溶接箇所の数を板厚ごとに 更しない場合には安全率が高くなり、有利 ある。1.2~1.6mm厚のリーダー片を使うことは 2.5mm厚のもの等を使う場合に比べて歩留まり の点でも有利である。

 発明の圧延方法において行う上記の溶接は パスラインの下にバックバーを有するとと にパスラインの上に溶接ガンを有していて 数点を同時にシリーズ溶接する点溶接機に って行うのが好ましい。
 そのようにすると、前記した圧延設備用溶 機が有する利点を生かして、リーダー片と 延板の端部との間に圧延に適した好ましい 接を施すことができる。

図1(a)~(g)は、発明の実施例に関し圧延 備とともに圧延方法を順を追って説明する 念図である。 図2は、図1の圧延方法のうち重要部分 基本コンセプトを示す概念図である。 図3は圧延設備の全体について構造を例 示する図である。 圧延機1と溶接機10、厚み計20および切 機6等に関する詳細図であって、図4(a)は溶接 機10の溶接ガン11等が上方へ待避した状態、 (b)は、溶接ガン11等が圧延板Aに接近した状 をそれぞれ示している。 圧延機1と溶接機10、厚み計20等に関す 詳細図であって、図5(a)は図4(a)におけるVa-Va 視図、図5(b)は図4(b)におけるVb-Vb矢視図であ る。 図4(a)におけるVI部を示す詳細図である 図5(b)におけるVII-VII矢視図である。 溶接機10等を圧延機1とともに示す斜視 である。 発明の圧延方法に基づく未圧延部の低 効果を説明する図である。 通常圧延による偶数パスで仕上げる場 合の単位時間当たりの生産量(T/H)を示す図で る。 4パス・6パス仕上げに発明の圧延方法 適用した場合と通常圧延の5パス時とについ て、単位時間当たりの生産量(T/H)の比較を示 図である。 出側または入側の巻取機にリーダー片 を保持させて圧延を行う、特許文献1に記載 従来の圧延方法を示す概念図である。

符号の説明

 1 圧延機(ミル本体)
 2 巻出し機(ペイオフリール)
 3 入側巻取機(テンションリール)
 4 出側巻取機(テンションリール)
 5 ピンチロール
 5B 渡しテーブル
 6 切断機(シャー、せん断機)
 7 ストリッププレス
 10 溶接機
 11 溶接ガン
 12 トランス
 13 昇降機(リトラクトシリンダ)
 16 バックバー
 20 厚み計
 30 板押さえ
 A 圧延板(ストリップ)
 L リーダー片(リーダーストリップ)
 Lc 溶接部分

 発明の実施のための一形態として、普通 の冷間可逆圧延に関する圧延方法および圧 設備につき図1~図11を示す。図1は、発明の 施例について圧延方法と圧延設備とを概念 に示す図であり、図2はその圧延方法のうち 要部分の基本コンセプトを示す図、図3は圧 延設備の全容を例示する図である。図4~図7は 、圧延設備のうち溶接機10またはその周辺の 造を示す詳細図、図8は、当該溶接機10等を 延機1とともに示す斜視図である。また図9~ 11は、図示の圧延方法・圧延設備による効 を説明する図である。

 例示の設備には、図1に示すように、圧延 機(ミル本体)1やペイオフリール(巻戻機)2、入 側巻取機(テンションリール)3、出側巻取機( ンションリール)4を含む圧延ラインに、矯正 機5、切断機(自動せん断機、シャー)6、スト ッププレス7とともに、溶接機10と厚み計20と を配置している。切断機6と溶接機10および厚 み計20の配置位置は、図1および図4等に示す うに圧延機1と出側巻取機4との間(図3の例で 、圧延機1と入側巻取機3との間)としている 溶接機10は、圧延長手方向に沿った2箇所を 時にシリーズ溶接する点溶接機(図1にイメ ジを表示し、図4~図8に詳細を示す)である。

 この設備では、出側巻取機4にリーダー片 (リーダーストリップ)Lを保持させ、これを溶 接機によって圧延板(ストリップ)Aの先端部に 接合し、偶数回のパスで仕上げる圧延方法を 実施する。それにより、未圧延部(オフゲー 部分)を減らして歩留まりを向上させるとと に生産性を高めるのがねらいである。

 実施する圧延方法は、図1(a)~(g)に示すもの ある。すなわち、
 1) あらかじめ出側巻取機4に保持させたリ ダー片L(の自由端)と、ペイオフリール2から 給される圧延板Aの先端部とを、溶接機10に って溶接接合する(図1(a))。その溶接部分Lc ついては、圧延板Aの幅にもよるが、上記し シリーズ溶接を板幅方向の12箇所に行うこ により合計24点の点溶接を行うものとする。
 2) 溶接部分Lcは、一たん圧延機1のミルバイ ト近傍まで戻し、そこで所定位置(溶接部分Lc に近い圧延板A上の位置。図2における位置1P) 圧下を行う(図1(b))。圧延機1から各リール2 4間の張力が確立してから1パス目の圧延が始 まることになる。圧延中は、厚み計20を用い 圧延板Aの厚さを継続的に計測・監視する。
 3) 1パス目の尾端は、従来の通常の圧延と 様にストリッププレス7を用いてオフゲージ 低減させ、2パス目以降の圧延は、やはり従 来の通常の圧延と同様、圧延板Aの尾端部を 側巻取機3に取り付けて実施する(図1(c)~(e))。
 4) 圧延板Aの送りの向きを順次変更して複 パスの圧延を行ったのち、圧延板Aは、偶数 目のパスを最終パスとして、溶接部分Lcを まないリーダー片L上の位置(図2に示す「自 カット」位置)で切断機6により切断し、入側 巻取機3に巻き取る(図1(f))。
 5) 圧延板Aを入側巻取機3で巻き取ったのち 、板先端が渡しテーブル5Bの先端に位置す (図3参照)よう既に準備ずみの次の圧延板Aを すぐにペイオフリール2から供給し、出側で 待機しているリーダー片Lとの溶接を始める( 1(g))。次の圧延板Aについて圧延ライン上で のような準備作業とそれに続く本来の圧延 を行う間に、上記で巻き取った先の圧延板A についてオフラインで、搬出作業や上記溶接 部分Lcの分離作業等を行う。その後、圧延ラ ン上で上記の手順(図1(a)~(g))を繰り返し、複 数の圧延板Aを続けて生産する。

 なお、多数の圧延板Aについて圧延を繰り 返すことによりリーダー片Lが短くなると、 側巻取機からリーダー片を払い出したのち 広幅の圧延板Aを、リーダー片Lを使用しない 通常の方式で圧延し、偶数パスで仕上げたう え、最終パスの終了時に10m余り(10~20m)を出側 取機4に残して切断するとよい。そうすると 、別途リーダー片Lを手配して出側巻取機4に 持させる等の手間をかけなくとも、その10m りの圧延板Aを以後はリーダー片Lとして使 し、その後に数十の圧延板Aを上記1)~5)の手 で圧延することが可能になる。

 この圧延方法における重要なコンセプト 、a)出側巻取機4に保持させたリーダー片Lと 圧延板Aの先端部とを点溶接機10によってつな ぎ、圧延板Aの圧延を入側巻取機3に向かう偶 パスで仕上げること、および、b)点溶接さ た溶接部分Lcは、偶数パスの圧延終了後に切 断機6にてリーダー片L上の位置で切り離し、 延板Aのコイルに付けたまま入側巻取機3か 搬出し、オフラインで処理することである 図2はこのようなコンセプトを示す概念図で る。図中の符号1P、3P、4Pは、第1、第3、第4 各パスの開始点または終了点を示し、「2t 「1.4t」等の数値は圧延後の各部の板厚を例 している。図2の例では、溶接部分Lcを含む さ約800mmが、一つの圧延板Aにおけるオフゲ ジ部分となる。同部分は長さが短いために 量も軽く、したがって切り離された後のハ ドリングも容易である。

 図1の各図に模式的に示した圧延設備を構 造的に示すと図3のようになる。図1における 構成部分と同じ部分には同一の符号を付け いる。ただし、溶接機10は圧延機1の入側に っても生産性の改善を図れるため、図3の例 では、他の図のものと異なり、圧延機1と入 巻取機3との間にそれらを設置している。ま 、切断機6はこの例では圧延機1の入側に配 している。入側・出側の各巻取機3・4の下に は、圧延板Aのコイルを載せて搬出できるコ ルカー8を配置している。コイルカー8のうち 上部昇降台の上端にはクレードルロール8aが り付けられているので、載せたコイルを適 に回転させ、端部の溶接部分Lcをハンドカ ターで切断しやすい箇所まで送り出すこと 容易である。

 図4および図5には、圧延機1とその隣接位 (出側)に設けた溶接機10、厚み計20および切 機6等の詳細を示す。図4(a)は、溶接機10の溶 接ガン11等が圧延板Aから離れた上方へ待避し 厚み計20が圧延板Aに接近してその厚み計測を 行っている状態を示し、同(b)は、厚み計20が 延板Aの測方へ待避して溶接ガン11等が圧延 Aに接近した状態を示している。図5(a)は図4( a)におけるVa-Va矢視図、図5(b)は図4(b)における Vb-Vb矢視図である。

 溶接機10は、前述のとおりシリーズ溶接を う点溶接機である。図4のとおり圧延板Aのパ スラインの上方には、電極とその押付け手段 や通電部材等を含む溶接ガン11のほか、トラ ス(変圧器)12、溶接ガン11用の昇降機(リトラ クトシリンダ)13などを配置している。エアシ リンダ駆動にて電極の押付けをする溶接ガン 11は、シリーズ溶接によって圧延方向に2列を 含む溶接を行うよう、圧延方向2列×幅方向6 に12基を配置し、6台のトランス12に接続して いる。溶接ガン11(の駆動用電磁弁)およびト ンス12は、機械部品と電機部品とを内蔵した 各ケーシングの内部に配置しエアパージをす ることとして、ロールクーラントの水滴や蒸 気から部品を保護している。
 溶接ガン11とトランス12とは、昇降機13によ 、図4(a)のように圧延板Aのラインから上方 離れた待避位置と、図4(b)のような機能位置 の間で上昇・下降させることができる。ま 溶接ガン11や昇降機13を含む全体を、図5に すシフトシリンダ16と案内部材17とを含む移 機構により、測方(圧延ラインの駆動側)へ フトできるようにもしている。
 そしてその一方、図6のようにパスラインの すぐ下には、シリーズ溶接に不可欠な高導電 性のクロム銅にてなるバックバー16を固定配 している。パスラインより下にはロールク ラント等の液体が流れ落ちるため、溶接機1 0の構成部分のうちこのバックバー16のみをパ スラインの下に配置し、他の構成部分はパス ラインより上に設けている。

 リーダー片Lと圧延板Aとを溶接する際に 、上記6列に配置した溶接ガン11によって同 に6箇所(12点)の点溶接(シリーズ溶接)をし、 らにシフトシリンダで数十ミリだけ溶接ガ 11を測方(幅方向)へ移動させて他の6箇所(12 )を溶接する。それにより、圧延長手方向に2 列を有する12箇所(24点)によって、リーダー片 Lに圧延板Aの端部を溶接する。

 厚み計20はX線厚み計であって(γ線または 線式の厚み計とすることもできる)、図5(a)に 示すように発信部20aと受信部20bとをコの字形 フレームの上下各部分に設けたものである。 これら発信部20aと受信部20bとで圧延板Aをは み、X線を用いてその圧延板Aの厚さを測定す る。厚み計20は、そのフレームに取り付けた 輪21と、測方(圧延ラインの駆動側)に延ばし て設けたレール22等により、圧延板Aをはさん でその厚さ計測をする機能位置(図5(a))から、 その測方の待避位置(図5(b))までシフトするこ とができる。

 溶接機10と厚み計20とをコンパクトに配置 するために、厚み計20が厚さ計測をする上記 能位置は、溶接ガン11が下降して圧延板Aに 接を行う機能位置と重なっている(圧延方向 における各中心線の位置が同芯である)。た し、厚み計20が圧延板Aの厚さを計測するの 、圧延板Aが送られてその圧延が行われてい 間であり、溶接ガン11が圧延板Aの溶接を行 のは、圧延板Aの送りが停止されているとき であるため、両者は必ず異なる時期に上記機 能位置で計測または溶接を行う。そしてそれ ぞれは、計測または溶接を行わない時期には 圧延板Aから離れた上記の各待避位置へ移動 る。溶接ガン11が待避位置に上昇しまたはそ の測方にシフトした状態では、電極交換等の メンテナンスを行うことができ、厚み計20が 方に待避した状態では、その較正(ゼロ点調 整等)を行うことができる。

 図6に示すように、バックバー16の上面に するパスラインのすぐ上には、溶接時に圧 板Aを押さえるための板押さえ30を設けてい 。板押さえ30は、前後の端部をややに上に けた平板で、昇降シリンダ31の作用で上方へ 持ち上げることができる。厚み計20が圧延板A の厚さを計測する際は、当該上方の位置で厚 み計20を保護する機能をはたす。なお、板押 え30には、図7に示すように、厚み計20のX線 通すための孔30aと、溶接ガン11の各電極を すことができる孔30bとを形成している。そ ほか、パスラインの下に固定した、やはり 板状のバックバー16の中央部分にも、厚み計 20のX線を通すための孔を設けている。

 板押さえ30の前後には、図6のように別の昇 用シリンダ35・36をも配置している。これら は、圧延板Aの端部とリーダー片Lの端部とを 接前に重ね合わせる際、いずれかを持ち上 て各端部同士が突き当たらないようにする めのものである。
 なお、図6中に表示される符号6a・6bは、切 機6のそれぞれ上刃および下刃である。また 図4に示される符号9は、圧延板A用の押さえ ールである。

 図8は、以上に述べた溶接機10と厚み計20 の構造と位置関係を、圧延ラインの駆動側 あって圧延機1の出側から見て示す斜視図で る。圧延ラインに沿った方向への占有スペ スが最小限になるよう、溶接機10と厚み計20 とをコンパクトに配置していることが確認さ れる。

 溶接機10によってリーダー片Lを圧延板Aの端 部に溶接するに関しては、あらかじめ溶接部 分Lcの強度と耐久性につきパイロットライン( 図示せず)にて試験を行った。試験では、巻 取り・巻き戻しおよび引張強度を考慮した90 0mm幅材の必要溶接箇所数を求めた。その結果 は表1に示すとおりである。

 ここでは、必要圧延張力を一部のパスでテ パーテンションを採用するものとして60kNと した。表1により、各ケースで12箇所(24点)以 あればよいことが分かる。
 また、圧延油が介在するときの溶接強度を 認するため、ギヤ油をハケ塗りしての試験 行ったが、溶接強度の劣化は確認できなか た。これは、溶接時のアークで油分が瞬時 バーンアウトするためと考えられる。

 発明に基づく未圧延部の低減効果を図9に 示す。図中の左端には、リーダー片を使用し ない通常圧延(以下、リーダー片を使用しな 従来の圧延を「通常圧延」と呼ぶ)でのオフ ージ率を示し、中央にはストリッププレス みを使用した場合のオフゲージ率(下部)と 善効果(上部)を示している。そして右端には 、以上に説明した設備・方法によるオフゲー ジ率(下部)と改善効果(上部)を示している。 の右端のケースは、オフゲージ率が0.7%であ 、通常圧延に比較して1.4%改善したこと、お よびストリッププレスを使用した通常圧延に 比較しても0.9%の改善があることを示してい 。年産25万トンの圧延設備では、年間2250ト ~3500トンのホットコイルを使わなくてもよい ことになり、大きなメリットとなる。また、 先端から張力を付加して圧延できるため、上 記の方法では、他のオフゲージ低減方法と比 較して通板安定性や板厚精度、板形状につい て優れるといえる。

 圧延板Aの1コイルあたりの処理時間(圧延時 を除く)について、測定結果を表2に示す。

 表2に示すように、上記圧延方法によれば 、圧延ずみコイルのオフラインへの払い出し を待つことが不要であり、次の圧延板Aを出 巻取機4に通板のうえ保持させて数周巻くこ が不要であるため、リーダー片を使用しな 通常圧延に比べると、点溶接に時間を要し も1コイル当たりの処理時間(圧延時間を除 )が短縮できることが分かる。また、未圧延 からなる小コイル(Pup coil)が発生しないの 、バンドがけして取り出していた従来の手 も省ける。

 圧延板Aの圧延を偶数パスで仕上げる場合の 生産能力について、図10および図11を示す。 10は、ある製鉄所での各板幅ごとの製品平均 ゲージを、通常圧延の4パス、5パスおよび6パ スでそれぞれ仕上げた場合の単位時間当たり の生産量(T/H)を示している。同じ仕事量なが 、多パスになるほど、パス切り替えや加減 の時間が増えるなどで生産性が低下する。
 そして図11に、4パスと6パス仕上げ時に上記 圧延方法を適用した場合と通常圧延の5パス との比較を示す。上記方法の適用により、4 ス時はさらに生産性が向上し、6パスであっ ても1コイル当たりの処理時間の短縮が貢献 て、通常の5パス圧延よりも生産性が向上す ことが分かる。

 以上の点から、上記方法の採用により、4 パス時で約10%、6パス時で約2%生産性が向上す ると予想される。ただし、実際の操業におい て偶数パスで運用する場合、全てを減パスに することはできず、約半数を増パスにする必 要がある。それを考慮した年産25万トンミル 場合の試算では、上記圧延方法の採用によ 、通常圧延で年間5402時間の操業時間が5096 間となり、6%生産性が向上した。発明の圧延 方法の採用によって、未圧延部の低減(歩留 り向上)のみならず生産性の向上も期待でき といえる。

 発明の圧延設備用溶接機、圧延設備およ 圧延方法は、圧延板(ストリップ等)を往復 パスさせることにより行う圧延技術に関し 産業上利用することができる。