株式会社ブリヂストン (〒40 東京都中央区京橋1丁目10番1号 Tokyo, 10483, JP)
| 天体の表面上を走行する車両に装着される天体走行車両用車輪において、 回転軸心周りに回転するハブ体と、 前記ハブ体に対して半径方向外方に配置され、前記表面と接触する、前記回転軸心周りに回転する接地体と、 前記ハブ体と前記接地体との間に配置され、半径方向の荷重を支持する荷重支持手段と、を具え、 前記荷重支持手段は、前記ハブ体から半径方向外方に延びて前記接地体の手前で終端する、周方向に複数配置された第1支持体と、 前記接地体から半径方向内方に延びて前記ハブ体の手前で終端する、周方向に複数配置された第2支持体と、 前記第1支持体と前記第2支持体とを互いに連結する弾性体と、を有し、 前記荷重の負荷時に、前記弾性体は弾性変形し、前記第1支持体と前記第2支持体とは互いに近接方向に相対変位することを特徴とする天体走行車両用車輪。 |
| 前記荷重支持手段は、前記接地体の両端部よりも幅方向内側に位置する、請求項1に記載の天体走行車両用車輪。 |
| 前記第2支持体と、該第2支持体の周方向に隣接する他の第2支持体とを周方向に互いに離間させる向きに付勢する付勢手段をさらに具える、請求項1又は2に記載の天体走行車両用車輪。 |
| 前記付勢手段は、U字形状の板ばねである、請求項3に記載の天体走行車両用車輪。 |
| 前記接地体は、周方向に連続して延びる無端ベルトである、請求項1~4の何れか一項に記載の天体走行車両用車輪。 |
| 前記無端ベルトに周方向の張力を付与する張力付与手段をさらに有する、請求項5に記載の天体走行車両用車輪。 |
| 前記接地体は、前記表面と接触する面に幅方向に延びる段差部を有する、請求項1~6の何れか一項に記載の天体走行車両用車輪。 |
| 前記接地体は、前記表面と接触する面に金属繊維を有する、請求項1~7の何れか一項に記載の天体走行車両用車輪。 |
この発明は、惑星及び衛星等の天体の表 上を走行する天体走行車両に装着される車 に関し、特に、かかる車両本来の走行性能 十分に発揮させ得る車輪に関する。
従来、惑星及び衛星といった地球とは異な
周囲環境下で走行する車両に装着される車
としては、特許文献1に記載されたものが知
られている。この文献に記載の車輪は、車軸
に接続される内輪と、天体の表面に接触する
外輪とがスポークを介して互いに連結されて
おり、これら外輪及びスポークには剛体が用
いられていることから、車両からの荷重(半
方向の圧縮力)に対して車輪は極僅かに弾性
形するのみである。このような車輪は、地
と同等若しくはそれ以上の重力を有し、か
比較的固い表面を有する天体にて使用され
場合には走行性能に悪影響を及ぼすおそれ
少ない。
ところが、例えば月面のように地上より 重力が極端に小さく、なおかつその表面が 常に粒径の小さい砂地等で形成されている 体にて使用される場合には、車輪の弾性変 が小さいことに起因して接地長が十分に確 されず車輪の接地圧が局所的に増大する。 地圧の局所的な増大は、車輪の空転を誘発 、ひいては車両を走行不能にするおそれが る。特に、車輪の踏込み端側では接地圧の 大化により砂地が掘削され、車輪が砂地に り込んでしまう傾向にある。このようなこ は、遠隔操作にて走行する車両にとっては 行不能状態から脱出する手段を備えていな 限り致命的な問題となる。
一方で、接地面積を増大させ、車輪が砂 に潜り込むことを防止すべく、車輪の幅方 距離を長くした場合、車輪の構成部品が外 の障害物(例えば、岩石)と接触しかかる構 部品が破損したり、その障害物により車両 走行が阻止されたりする可能性が増大する いう新たな問題がある。
これに対して、幅方向距離の増大を抑制 つつ、低重力環境及び砂地表面を有する天 にて使用される場合でも十分な接地長を確 して上述したような問題を回避可能な駆動 としてクローラが考えられる。クローラは その特性から安定な走行を確実にもたらす 、多数の摺動部分を有することから新たな 題を誘発する。すなわち、走行に伴い舞い がった砂が確実に摺動部分に侵入しかかる 分が早期に損傷するという問題である。特 、上述したような低重力環境下では、一旦 い上がった砂は長時間浮遊することから浮 した砂は摺動部分に一層侵入し易くなる。 のような損傷への懸念により、クローラが 体走行車両に適用された実績はあまりない
それゆえこの発明は、これらの問題点を 決することを課題とするものであり、その 的は、車輪の最大幅が小さいこと及び摺動 分が少ないことを前提に、十分な接地長を 保して車両本来の走行性能を十分に発揮さ ることが可能な天体走行車両用車輪を提供 ることにある。またこの発明の他の目的は 車輪の接地体の改良により、十分なトラク ョン性能を確保しつつ、車輪の空転や砂中 の沈み込みを防止することにある。
前記の目的を達成するため、この発明の 体走行車両用車輪は、天体の表面上を走行 る車両に装着される天体走行車両用車輪に いて、回転軸心周りに回転するハブ体と、 記ハブ体に対して半径方向外方に配置され 前記表面と接触する、前記回転軸心周りに 転する接地体と、前記ハブ体と前記接地体 の間に配置され、半径方向の荷重を支持す 荷重支持手段と、を具え、前記荷重支持手 は、前記ハブ体から半径方向外方に延びて 記接地体の手前で終端する、周方向に複数 置された第1支持体と、前記接地体から半径 方向内方に延びて前記ハブ体の手前で終端す る、周方向に複数配置された第2支持体と、 記第1支持体と前記第2支持体とを互いに連結 する弾性体と、を有し、前記荷重の負荷時に 、前記弾性体は弾性変形し、前記第1支持体 前記第2支持体とは互いに近接方向に相対変 することを特徴とするものである。なお、 こでいう「天体」とは、衛星、惑星、小惑 及び彗星を含むものとする。また、ここで う「半径方向」とは車輪の半径方向を意味 、「周方向」とは車輪の周方向を意味する さらに、ここでいう「ハブ体」は車両の車 に直接的に接続されていても良く、ホイー やスポークといった他の部材を介して車両 車軸に間接的に接続されていても良い。
かかる天体走行車両用車輪にあっては、 輪が接地面に接地すると、接地領域内の、 1支持体と第2支持体とを連結する弾性体は 車両の荷重に基づいて弾性変形し、第1支持 と第2支持体は互いに近接方向に変位する。 この結果、接地領域内にある接地体は接地面 の形状に対応して変形し、接地体の接地長は 長くなり接地圧は低減される。
従って、この発明の天体走行車両用車輪 よれば、低重力環境及び砂地表面を有する 体にて使用される場合でも車輪は大きく弾 変形し、十分な接地長を確保することがで 、すなわち車輪の接地圧を低減することが きるので、車輪が空転したり砂地内に沈下 たりするおそれがなく、それゆえ車両は、 来の走行性能を十分に発揮することが可能 ある。また、この発明の車輪は、摺動部分 なく砂や塵の侵入のおそれがないことから 傷や故障の可能性は低い。しかも第2支持体 は半径方向に弾性変位し幅方向変位しないこ とから、走行時においても車輪の最大幅を小 さくすることができ、それゆえ走行時におけ る荷重支持手段の、外部の障害物への接触を 防止することができる。
このようにこの発明の天体車両用車輪は 低重力環境及び砂地表面を有する天体にて 用される場合に特に効果的に用いることが きることから、地上よりも低重力環境であ とともにその表面が砂地等で形成されてい 月面にて使用される月面走行車両用車輪と て用いることが好適である。
なお、この発明の天体走行車両用車輪に いては、荷重支持手段は、接地体の両端部 りも幅方向内側に位置することが好ましい ここでいう「幅方向」とは車輪の幅方向を 味する。
また、この発明の天体走行車両用車輪に いては、第2支持体と、該第2支持体の周方 に隣接する他の第2支持体とを周方向に互い 離間させる向きに付勢する付勢手段をさら 具えることが好ましく、かかる付勢手段は U字形状の板ばねであることがより好ましい 。
さらに、この発明の天体走行車両用車輪 おいては、接地体は、周方向に連続して延 る無端ベルトであることが好ましく、かか 無端ベルトに周方向の張力を付与する張力 与手段をさらに設けることがより好ましい
さらに、この発明の天体走行車両用車輪 おいては、接地体は、天体の表面と接触す 面に幅方向に延びる段差部を有することが ましい。
加えて、この発明の天体走行車両用車輪 おいては、接地体は、天体の表面と接触す 面に金属繊維を有することが好ましい。
また、この発明の他の目的を達成するた 、この発明は、天体表面上を走行する車両 装着される車輪用の接地体であって、前記 体表面と接触する部分に配置された多孔質 材と、該多孔質部材を支持する支持部材と 具えることを特徴とする接地体である。な 、ここでいう「多孔質部材」とは、内部に 数の微小な空孔をもつ部材を指すものとす 。
かかる接地体を天体走行車両に装着する 輪に適用した場合、多孔質部材を含む接地 を砂等で覆われた接地面の表面形状に対応 るよう変形させ、接地圧を均一化及び低減 ることができるので、砂を崩したり掘った することなくトラクション性能を確保する とができる。
従って、この発明の接地体によれば、十 なトラクション性能を確保しつつ、車輪の 転や砂中への沈み込みを防止することがで る。また、この発明の接地体によれば、構 が簡単であるとともに軽量である。
このようにこの発明の接地体は、粒径が 常に小さく、流動性の高い砂地表面を有す 天体にて使用される場合に特に効果的に用 ることができることから、例えば月面にて 用される月面走行車両用車輪に好適に適用 きる。
また、支持部材は板状をなし、接地体は 該板状の支持部材上に多孔質部材を積層し なることが好ましい。
さらに、板状の支持部材は、多孔質部材 積層される面に形成されて接地時の負荷に って該多孔質部材から突き出る突起を有す ことが好ましい。
さらに、多孔質部材は、繊維を三次元的 交絡して形成されるものであり、該繊維は その表面に突起物を有することが好ましい
さらに、多孔質部材の体積空隙率は、0.1% ~50%であることが好ましい。
しかも、多孔質部材の厚みは、0.1mm~10mmで あることが好ましい。
この発明の天体走行車両用車輪によれば 車輪の最大幅が小さいこと及び摺動部分が ないことを前提に、十分な接地長を確保し 車両本来の走行性能を十分に発揮させる天 走行用車輪を提供することが可能となる。 た、この発明の天体走行車両に装着される 輪用の接地体によれば、十分なトラクショ 性能を確保しつつ、車輪の空転や砂中への み込みを防止することができる。
1、21、41、51 車輪
2 ハブ体
3 接地体
3c 段差部
4、22、42 荷重支持手段
5、23 第1支持体
6、24 第2支持体
7、25 コイルばね
8、9、9a、9b、43 U字状の板ばね
100 接地体
101 多孔質部材
102 支持部材
以下、この発明の天体走行車両用車輪の 施形態について図面を参照しつつ詳細に説 する。ここで、図1は、車両に装着する前の 状態の、この発明に従う実施形態の天体走行 車両用車輪(以下、単に「車輪」という。)の 略側面図である。図2は、図1に示す車輪の 部を拡大して示す概略斜視図である。図3は 図1に示す車輪を接地させた状態で示す概略 側面図である。図4は、接地体にバックリン が生じた状態を示す車輪側面輪郭図である
図1において車輪1は、車両の車軸(図示省 )に連結されて、該車軸の回転軸心周りに回 転するハブ体2と、該ハブ体2に対して半径方 外方に配置される接地体3とを備える。接地 体3は、ハブ体2の回転に伴って前記回転軸心 りに回転し、車両走行時に天体の表面に対 て接触(接地)する。ハブ体2と接地体3は、荷 重支持手段4を介して連結される。荷重支持 段4は、車輪1の接地時に、地面に対して車両 側の荷重(半径方向の荷重)を支持する。
ハブ体2は、図2に示すように、環状に形 され、その回転中心が車両の車軸(図示省略) に接続される。接地体3は、例えば無限軌道 用いられるような無端ベルトとして形成さ 、車輪の周方向に連続して延びる。ここで 接地体3は、複数の板状の小ピース3aを互い 連結ピン3bで結合し一本の無端ベルト状に形 成されるが、後述のように、連続した薄いシ ート状の部材(例えば金属帯)で形成しても良 。また、接地体3の外周面には、走行時にお ける接地面とのスリップを抑制するために、 車輪の幅方向に延びる段差部(引掛り部)3cを けることが好ましく、同様の観点から、か る表面に金属繊維(図示省略)を設けることが 好ましい。
ハブ体2の幅方向両端部には、半径方向外 方に張出された一対のフランジ部2aが形成さ る。各フランジ部2aには、第1支持体5がそれ ぞれ設けられている。各第1支持体5は、フラ ジ部2aから半径方向外方に延び、接地体3の 前で終端している。第1支持体5は、車輪周 向に所定のピッチで複数配置される。ここ は、第1支持体5は、特に曲げ剛性を高める観 点からチャンネル状の板材で形成される。第 1支持体5とハブ体2の連結は、ネジを用いて行 い得るが、これに限らず、互いに係合、嵌合 及び溶着しても良い。さらにここでは、第1 持体5とハブ体2の連結箇所における強度を高 めるため、連結箇所における第1支持体5とハ 体2の間には直方体形状の剛体の補強材2bが 嵌される。
一方で、接地体2の内周面には、第2支持 6が設けられている。第2支持体6は、接地体2 内周面から半径方向内方に延び、ハブ体2の 手前で終端している。第2支持体6は、車輪の 方向に複数設けられるとともに、車輪の周 向に隣り合う第1支持体5間に配置される。 こでは、第2支持体6は、平板状の板材で形成 される。第2支持体6は、第1支持体5同様に既 の手法により接地体2に固定される。
また、車輪周方向に隣り合う第1支持体5 半径方向外端近傍と、これらの第1支持体5間 に配置された第2支持体6の半径方向内端近傍 は、弾性体としての複数のコイルばね7によ り連係されている。これにより第1支持体5と 2支持体6とは互いに弾性的に連結される。 こでは、各第2支持体6は、これに隣接する2 (4つ)の第1支持体5に、8つのコイルばね7によ て連係されている。コイルばね7の個数は、 車両の荷重等の使用条件に応じて適宜変更可 能である。前述した第1支持体5、第2支持体6 びコイルばね7は全体として、ハブ体2と接地 体3との間に配置され、半径方向の荷重を支 する荷重支持手段4を構成する。
次にこの車輪1の作用について説明する。 図3に示すように、この実施形態の車輪1を車 に装着し接地面Gに接地させると、車両から の荷重により接地領域内のコイルばね7は伸 し、第2支持体6は半径方向内方(第1支持体5に 近接する方向)に変位する。つまり、接地領 内の第1支持体5と第2支持体6とは互いに近接 向にかつ半径方向に沿って大きく相対変位 る。この結果、接地領域内にある接地体3は 接地面Gの形状に対応して変形し、接地体3の 地長は長くなり接地圧は低減される。従っ 、低重力環境及び砂地表面を有する天体に 使用される場合でも車輪1は大きく弾性変形 し、十分な接地長を確保することができ、す なわち車輪1の接地圧を低減することができ ので、車輪1が空転したり砂地内に沈下した するおそれがなく、それゆえ車両は、本来 走行性能を十分に発揮することが可能であ 。また、この発明の車輪1は、摺動部分がな く砂や塵の侵入のおそれがないことから損傷 や故障の可能性は低い。しかも、半径方向の 荷重に対して、第2支持体6は半径方向のみに 位し幅方向には変位しないことから、走行 においても車輪1の最大幅を小さくすること ができる。その結果、走行時において荷重支 持手段4が外部の障害物に接触することは防 される。
ところで、この発明において、荷重支持 段4は、接地体3の幅方向両端部よりも幅方 内側に配置することが好ましい。このよう すれば、走行時において、荷重支持手段4が 部の障害物に接触するのを一層確実に防止 きるからである。
またこの発明においては、図1~3に示すよ に、車輪の周方向に隣り合う第2支持体6同 を連結するとともに、これらを周方向に互 に離間する方向に付勢するU字状の板ばね8を 設けることが好ましい。このようにすれば、 車輪1の形状を確実に保持できるとともに、 輪の負荷転動時において、第2支持体6同士が 過剰に接近して接触するのを防ぐことができ るからである。U字状の板ばね8は、第2支持体 6と、該第2支持体6の周方向に隣接する他の第 2支持体6とを車輪周方向に互いに離間させる きに付勢する付勢手段を構成する。
さらに、この発明においては、無端ベルト に形成された接地体3に対して車輪周方向の 張力を付与する複数のU字状の板ばね9を設け ことが好ましい。各板ばね9は、接地体3の 周面上に、その開口側が接地体3の内周面側 向き凸側がハブ体2側を向くよう配置される 。このようにすれば、接地体3に車輪周方向 張力を付加できるので、接地領域における 地体3のバックリング(座屈現象)を抑制でき 。その結果、接地面Gに対する接地体3のスリ ップを一層抑制でき、より安定した走行を車 両に与えることが可能となる。特にこれは、 車輪1が登坂状態にある場合に有利な形態で る。なお、ここでいうバックリングとは、 4の車輪側面輪郭図にて示すように、走行時 接地体3の踏み込み部E in 及び蹴り出し部E out が荷重を支える一方で、接地体3の、踏み込 部E in 及び蹴り出し部E out の間の区間が座屈し接地面Gから浮き上がる 象である。複数のU字状の板ばね9は、無端ベ ルト(接地体3)に車輪周方向の張力を付与する 張力付与手段を構成する。なお、張力付与手 段としては、U字状の板ばね9の他に、コイル ねや平坦な薄板、また可撓性を有する範囲 I型部材等を用いることができる。
次いで、この発明の他の実施形態につい 図面を参照して説明する。ここで、図5は、 この発明の他の実施形態の車輪の斜視図であ る。図6は、図5に示す車輪の半径方向に沿う 分断面図である。なお、先の実施形態の車 を構成する要素と同様のものには同一の符 を付し、その説明を省略する。
図5において、車輪21は、車両(図示省略) 回転軸心周りに回転するハブ体2と、該ハブ 2に対して半径方向外方に配置され、車両走 行時に天体の表面に接触(接地)する、上記回 軸心周りに回転する接地体3と、ハブ体2と 地体3とを連結する荷重支持手段22と、を備 る。図6に示すように、ハブ体2の幅方向両端 部には、棒状に形成された第1支持体23がそれ ぞれ設けられている。各第1支持体23は、一端 がハブ体2に連結されそこから車輪の半径方 外方に延び、接地体3の手前にて終端する。 1支持体23は、車輪周方向に所定のピッチで 数配置される。第1支持体23とハブ体2の連結 は、ネジを用いて行い得るが、これに限らず 、互いに係合、嵌合及び溶着しても良い。
一方で、接地体2の内周面には、開口部を 有する有底円筒状の第2支持体24が複数設けら れている。第2支持体24は、接地体2の内周面 ら半径方向内方に第1支持体23に向かって延 、ハブ体2の手前で終端している。第2支持体 24の開口部には第1支持体23の一部が挿入され 。第2支持体24は、第1支持体23と同様に任意 固定手法を用いて接地体3に固定可能である 。
また、第2支持体24の筒内であって、第1支 持体23の先端(自由端)と第2支持体24の内底部( は接地体3の内面)との間には、コイルばね25 は設けられ、これら第1支持体23と第2支持体24 (又は接地体3)とは弾性的に連係されている。 第2支持体24は、第1支持体23の半径方向への変 位を案内する機能も具える。コイルばね25の 性力は、車両の荷重等の使用条件に応じて 宜変更可能である。
この実施形態の車輪21の作用について説 する。この車輪21を車両に装着し接地面Gに 地させると、図6(b)に示すように、車両から 荷重(図中の矢印参照)により接地領域内の イルばね25が弾性的に収縮し、第1支持体23と 第2支持体24(又は接地体3)とは近接方向にかつ 半径方向に沿って大きく相対変位する。この 結果、接地領域内にある接地体は接地面Gの 状に対応して大きく撓み変形し、接地体3の 地長は長くなり接地圧は低減される。
従って、低重力環境及び砂地表面を有す 天体にて使用される場合でも車輪21は大き 弾性変形し、十分な接地長を確保すること できる。すなわち車輪21の接地圧を低減する ことができるので、車輪21が空転したり砂地 に沈下したりするおそれがない。その結果 車両に対して本来の走行性能を十分に発揮 せることが可能となる。また、この車輪21 、摺動部分が少なく砂や塵の侵入のおそれ ほとんどないことから損傷や故障の可能性 低い。しかも半径方向の荷重に対して、第1 持体23及び第2支持体24は半径方向に変位す のみで幅方向には変位しないことから、走 時においても車輪21の最大幅を小さくするこ とができる。その結果、走行時において荷重 支持手段22が外部の障害物に接触することは 止される。
なお、この発明に従う天体走行車両用車 を構成する各部品の寸法及び材質並びに弾 体(U字状の板ばね8、9及びコイルばね7、25) 弾性係数等を適宜選択することにより、か る車輪を使用される天体の環境(温度や重力 表面状態等)及び車両の形態並びに用途に適 合させることができる。
また、上述したところは、この発明の実 形態の一部を示したにすぎず、この発明の 旨を逸脱しない限り、これらの構成を相互 組み合わせたり、種々の変更を加えたりす ことができる。例えば、この発明の張力付 手段は、接地体に車輪周方向の張力を付与 きるものであれば、上述の形態に限定され ことはなく、その設置位置や個数等に関し も適宜変更することができる。より具体的 は、図7に示すこの発明に従う他の実施形態 の車輪は、張力付与手段としてのU字状の板 ねの設置位置及び個数に関して図1の車輪と なる。図7に示す車輪1では、車輪周方向に 接する各第2支持体6間に、張力付与手段とし ての2つのU字状の板ばね9a、9bが車輪半径方向 に並列に配置されている。このように半径方 向に複数の板ばね9a、9bを配置して張力付与 段を構成すれば、バックリングの抑制効果 より一層高めることができる。そして、こ ように各第2支持体6間に複数の板ばね9a、9b 設けることで、第2支持体6の車輪幅方向への 不必要な動きや捩れをも抑制することができ 、走行安定性も向上させることができる。な お、車輪幅方向への動きや捩れを抑制する観 点では、U字状の板ばね9a、9bをより車輪径方 内側に設ける方が効果的である。また、各 2支持体6間に設ける板ばねは3個以上として 良い(図示省略)。
次いで、天体走行車両用車輪に適用され この発明の接地体について、発明にするに った背景、経緯を含めて詳細に説明する。
上述したように、惑星及び衛星といった 球とは異なる周囲環境下で走行する車両に 着される車輪としては、特開平08-002204号公 に記載されたものが知られている。この文 に記載の車輪には、車輪本体の外輪に周方 に所定の間隔をもって配設され、弾性機構 よって外径方向に弾性力が付与された粉塵 制部材が設けられている。そして、かかる 材により、惑星表面に対するトラクション 能の向上をも図っている。また、旧ソ連に って打ち上げられた月面車(ルノホート)の 輪には、トラクション性能を確保する観点 ら、図8に示すように、その外周部205(接地体 )にスパイク状の突起部205aが所定の間隔に設 られている。
ところが、かかる車輪が月面のように、 径が非常に小さく、流動性の高い砂地等で の表面が覆われている天体にて使用される 合には、このような粉塵規制部材やスパイ 状の突起部が逆に走行の妨げになる場合が る。例えば、ルノホートにおいては、月面 クレータ付近で車輪が空転したり砂中に沈 込んだりし、走行に多大な困難を伴ったと 報告がなされている。これはつまり、車輪 転時にスパイク状の突起部がシャベルのよ に作用し、車輪自らをアリ地獄のごとく砂 に潜り込ませてしまうからである。また、 のような問題は、車輪の接地体に局所的な 荷の加わる砂斜面にて使用する場合にさら 顕著となり、無人で走行することを前提と た天体走行車両にとっては走行不能状態か 脱出する手段を備えていない限り致命的な 題となる。
この発明の接地体は、このような従来の 題点を解決するためになされたものであり 車輪の接地体の改良により、十分なトラク ョン性能を確保しつつ、車輪の空転や砂中 の沈み込みを防止することにある。
図9~12に示す車輪1は、基本的な構造は図1 示す車輪1と同じであり、接地体の構成のみ 異なる。すなわち、この車輪1に適用される の発明の接地体100は、図10に詳細を示すよう に、天体表面と接触する部分に配置される所 定厚みの多孔質部材101と、該多孔質部材101を その内面側から支持する支持部材102とを備え る。支持部材102は、薄い板状に形成され、か つ、車輪周方向に連続して延びる。支持部材 102は、その内面側が車輪1の第2支持体6に連結 固定される。多孔質部材101は、支持部材102の 外周面上に積層し接着剤にて接着できる他、 リベットやクリップ等により固着できるが、 何れにせよ車輪転動時の接地体の屈曲(弾性 形)を妨げないよう留意する必要がある。多 質部材101としては、繊維を機械的又は化学 に処理し三次元的に絡ませたフェルト状の 材や海綿状の多孔構造を有するスポンジ状 部材、さらには短繊維やフィラメントを機 的、熱的、又は化学的に絡ませて形成した 織布状の部材等を適用できる。これら部材 構成する素材としては、耐熱性及び耐久性 考慮すると金属やセラミック、ガラス、樹 等を好適に利用できるがこれらに限定され 、使用環境に応じて種々のものを選択でき 。
この接地体100を適用した車輪1を車両(図 省略)に装着し接地面Gに接地させると、図12 示すように、車両からの荷重により接地領 内のコイルばね7が伸長し、第2支持体6は車 半径方向内方に変位する。つまり、接地領 内にある第1支持体5と第2支持体6とは車輪半 径方向に沿ってかつ近接方向に大きく相対変 位する。この結果、接地領域内にある接地体 100は接地面Gの形状に対応して大きく撓み変 し、接地体100の接地長は長くなり接地圧は 減される。そして、接地体100は多孔質部材10 1を含むことから、接地時には接地面Gの表面 状に対応して大きく変形する。従って、接 体100の接地圧は均一化及び低減され、すな ち局所的な接地圧の増大が抑制されるので 砂を崩したり掘ったりすることなくトラク ョン性能は確保される。また、この実施形 の接地体100のように、接地体100の踏面に、 を入り込ませる空孔が露出している場合に エッジ効果がより高まり、トラクション性 はより向上する。
さらに、接地領域内の接地体100は、U字状 の板ばね9により張力が付与され伸長状態と るので、負荷転動時においてもかかる接地 100に、図4に示すようなバックリング(座屈) 生じて接地体100が接地面Gから浮き上がるこ はなく、接地体100は接地面Gに常時均一に押 し付けられる。
ここで、この発明に従ったより好適な接 体につき説明する。図13は、この発明の好 な接地体の一部を拡大して示す模式図であ 。図14は、この発明の他の好適な接地体を示 す断面図であり、(a)は接地前の状態を、(b)は 接地後の状態をそれぞれ示している。図13に すように、この接地体100の多孔質部材101は 繊維101aを三次元的に交絡して形成されてお り、該繊維101aはその表面に砥粒状の突起物10 1bを有するものである。これによれば、砂地 面を走行するときには、多孔質部材101を含 接地体100を砂地路面の表面形状に対応する う変形させ接地圧を均一化及び低減するこ ができる。一方で、砂地以外の路面、例え 岩塊上を走行するときには突起物101bをスパ イクとして機能させ、安定した走行を実現す ることができる。またこの例では、多孔質部 材101の空孔内に砂を入り込ませることができ るので、トラクション性能をさらに向上させ ることができる。
また、図14に示す接地体100は、板状の支 部材102の、多孔質部材101が積層される面に 利な突起103が設けられ、この突起103は車輪 接地面Gの接地した時の負荷荷重によって多 質部材101から突き出るよう構成されている これによれば、車輪接地時に突起103をスパ クとして機能させることができる。なお、 起103は、自ら伸張可能なものとし、車輪接 時に多孔質部材101から突き出るようにして 良い。あるいは、突起103の圧縮変形率を、 孔質部材101の圧縮変形率よりも大きくして 車輪接地時に多孔質部材101が優先的に押し されることにより突起103が突出する構成と ても良い。
なお、多孔質部材101の体積空隙率は、0.1% ~50%とすることが好ましい。多孔質部材101の 積空隙率が0.1%未満の場合は、接地体100を接 面Gの表面形状に十分に対応させることがで きないおそれがあり、50%を超えるとトラクシ ョン性能が十分でなくなるおそれがあるから である。また接地体100の踏面に露出した空孔 に砂を取り込ませることによるトラクション 性能のさらなる向上を図る観点からは、空孔 の平均孔径は、走行する天体表面を覆う平均 砂径の100%~500%であることが好ましい。
また、多孔質部材101の厚みは、0.1mm~10mmと することが好ましい。多孔質部材101の厚みが 0.1mm未満の場合は、接地体100を接地面Gの表面 形状に十分に対応させることができなくなる おそれがあり、10mmを超えると走行時に多孔 部材101が千切れたり破損したりするおそれ あるからである。
加えて、本発明の接地体を適用した車輪 おいては、その平均接地圧が1kPa~2kPaとする とが好適である。平均接地圧が1kPa未満の場 合は、トラクション性能が十分でなくなるお それがあるからであり、2kPaを超えると空孔 潰れ接地体を接地面の表面形状に十分に対 させることができなくなるおそれがあるか である。
次いで、この発明による接地体100を適用 た他の車輪を例示する。ここで、図15は、 の発明の接地体100を図5と同様の構成を有す 車輪21に適用した例を示した車輪の概略斜 図である。図16は、図15の車輪の車輪半径方 に沿う部分断面図であり、(a)は接地前の状 を、(b)は接地後の状態を示すものである。
さらに図17は、この発明の接地体100を適 したさらに他の車輪の概略斜視図である。 の図において、車輪41は、円盤形状のハブ体 2と、このハブ体2の車輪半径方向外方に配置 れた接地体100と、これらハブ体2と接地体100 とを連結する薄い板状の板ばね部材42と、を する。接地体100は、先の実施形態と同様、 輪周方向に連続した薄板状の支持部材102に 所定厚みの多孔質部材101を貼付したもので る。ハブ体43と接地体105の間に配置された ばね部材42は、車両の重量に基づいてこれら ハブ体43と接地体105とでなす距離を縮めつつ 輪幅方向外方に弾性的に突出変形する荷重 持手段を構成する。なお、図17では、板ば 部材42は、一部を実線で、残りを仮想線で省 略して示しているものの、板ばね部材42は、 19に示すように車輪全周にわたって配置さ る。
板ばね部材42は、ハブ体2の幅方向の一端 から車輪半径方向外方に延びた後に接地体1 00の内周面に沿って延び、さらにハブ体2の幅 方向の他端部に向けて車輪半径方向内方に延 びてそこに固定されている。板ばね部材42は 車輪全周に適宜のピッチで配置することが きるが、走行時に車輪周方向に隣接する板 ね部材42同士が接触して板ばね部材42の弾性 変形を阻害しないよう留意して配置すべきで ある。板ばね部材42は、車輪半径方向の荷重 基づいて車輪幅方向外方に突出変形するよ 、図18(a)に示すように、ハブ体2と接地体100 間が車輪幅方向に予め凸に湾曲している。 って、板ばね部材42は、ハブ体2と接地体100 を互いに連結するとともに車輪半径方向の 重を支持する。なお、図示例では、予め湾 した板ばね部材42を示したが、車輪41の接地 時に車輪幅方向外方へ復元可能に屈曲するよ う予め屈曲した板ばね部材(図示省略)を用い も良い。また、図示例では、ハブ体2の幅方 向の一端部から接地体100の内周面上を通って 他端部に延びる板ばね部材42は、一本の連続 た部材で形成されているが、ハブ体2の幅方 向の一端部及び他端部からそれぞれ接地体100 の内周面まで延びる分割された一対の板ばね 部材(図示省略)で形成できる。この場合、こ ら別個の分割された板ばね部材は、車輪周 向における位置を異ならせることができる
図18(b)及び図19(b)に示すように、車輪41を 両に装着し、接地面Gに接地させると、接地 領域内の板ばね部材42は、車両からの荷重に り押し潰され、湾曲状に撓む。すなわち、 18(a)及び図19(a)に示すような接面領域に入る 前の、ハブ体2と接地体100との間の板ばね部 42は、接面領域に入ると図18(b)及び図19(b)の うに車輪半径方向に圧縮されて湾曲状に撓 を発生し幅方向外方に大きく突出変形する そして、接地体100は多孔質部材101を含むこ から、接地時には接地面Gの表面形状に対応 て大きく変形する。従って、接地体100の接 圧は均一化及び低減され、すなわち局所的 接地圧の増大が抑制されるので、砂を崩し り掘ったりすることなくトラクション性能 確保される。また、この実施形態の接地体1 00のように、接地体100の踏面に、砂を入り込 せる空孔が露出している場合には、トラク ョン性能はより向上する。
また、接地体100の内周面上には、張力付 手段としてのU字状の板ばね9が周方向に隣 合う板ばね部材42の間に2つずつ配置されて る。これによれば、接地体100は、板ばね部 9により車輪周方向に張力が付与され伸長状 となるので、負荷転動時においてもかかる 地体100に、図4に示すようなバックリングが 生じて接地体100が接地面Gから浮き上がるこ はない。その結果、接地体100は接地面Gに常 均一に押し付けられる。
図20は、この発明の接地体を適用したさ に他の車輪である。この車輪51は、円盤形状 のハブ体2と、このハブ体2の車輪半径方向外 に配置された接地体100とを有する。接地体1 00は、先の実施形態とは異なり、車輪周方向 分割した薄板状の支持部材102に多孔質部材1 01をそれぞれ貼付し、複数の分割セグメント して構成したものである。ハブ体2と接地体 100との間には、車両の重量に基づいてこれら ハブ体2と接地体100とでなす距離を縮めつつ 輪幅方向外方に弾性的に突出変形する荷重 持手段としての薄い板ばね部材42が設けられ ている。図20では、板ばね部材42は、一部を 線で、残りを仮想線で示されているが、板 ね部材42は、車輪全周にわたって配置される )。
またこの車輪51には、車輪周方向に隣接 る各分割セグメント間にU字状の板ばね43が けられている。板ばね43は、その凸側を車輪 半径方向内方へ指向させ、その開口側をハブ 体2側へ指向させて配置される。板ばね43は、 車輪周方向に隣接する分割セグメント100間に 図20の矢印方向の付勢力(すなわち車輪周方向 に隣接する分割セグメント100を離間させる力 )を与える。このようにすれば、U字状の板ば 43によって、接地体100全体に張力を付与す ことができるので、走行時における分割セ メント同士の過剰な接近及び接触が抑制さ る。その結果、図4に示すようなバックリン が接地体100に発生するのを防止できる。さ に、板ばね43は、分割セグメント同士を連 し、車輪41の形状を保持するものとしても機 能する。よって、ここでの板ばね43は、接地 に所定の張力を付与する張力付与手段を構 するともに、車輪周方向に隣り合う荷重支 手段を離間させる付勢手段を構成する。
なお、前記実施形態の車輪において、車 の負荷転動時にて、車輪の周長に対する接 長の比率は、おおよそ10%以上であることが ましい。これによれば、張力付与手段によ バックリングを抑制しつつ、十分な長さの 地長をより確実に確保できるので、車輪の ラクション性能をより確実に発揮させるこ ができる。
また上述したところは、この発明の接地 のほんの一例を示したに過ぎず、この発明 趣旨を逸脱しない限り、これらの構成を相 に組み合わせたり、種々の変更を加えたり ることができる。例えば、接地体の多孔質 材は図示例のものに限らず、接地体を砂地 面の表面形状に対応するよう変形させ接地 を均一化及び低減することができるもので ればどのような形態のものであっても良く 接地体の踏面にて砂を取り込める空孔を有 るものが好ましい。
この発明により、車輪の最大幅が小さい と及び摺動部分が少ないことを前提に、十 な接地長を確保して車両本来の走行性能を 分に発揮させ得る天体走行用車輪を提供す ことが可能となった。
