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Patent Searching and Data


Title:
WIDE RANGE CONSTANT OUTPUT PERMANENT MAGNET MOTOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/014172
Kind Code:
A1
Abstract:
Since a permanent magnet (10) with an arc-shaped outer circumferential surface is buried into an iron core (20), a gap magnetic distribution is not disturbed, there are no apprehensions of increase in torque ripples and voltage ripples, and it is advantageous to the miniaturization of a rotor. In addition, since a hole (40) is made on the inner side of the iron core radial direction of the permanent magnets (10, 11), a d-axis inductance (Ld) can be set to be small and a salient pole ratio (Ld-Lq) can be set to be large in comparison with those in the case of the absence of the hole (40), i.e., a reluctance torque (Tr) can be set to be large.

Inventors:
MATSUHASHI DAIKI
NAKAURA HIROYUKI
KAWAKUBO KENJI
Application Number:
PCT/JP2008/063271
Publication Date:
January 29, 2009
Filing Date:
July 24, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MEIDENSHA ELECTRIC MFG CO LTD (JP)
MATSUHASHI DAIKI
NAKAURA HIROYUKI
KAWAKUBO KENJI
International Classes:
H02K1/27; H02K19/10; H02K21/16
Foreign References:
JP2002345188A2002-11-29
JPH05304737A1993-11-16
JPH11285184A1999-10-15
JP2003061283A2003-02-28
JP2005006484A2005-01-06
Attorney, Agent or Firm:
HASHIMOTO, Takeshi et al. (Ekisaikai Bldg. 1-29, Akashi-cho, Chuo-k, Tokyo 44, JP)
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Claims:
鉄心中に複数の永久磁石を埋め込んだロータを有する永久磁石モータにおいて、前記各永久磁石は、円弧形状の外周面を有し、前記各永久磁石の鉄心の径方向内周側に空孔を設けて、該空孔がない場合に比較してd軸インダクタンスL d を小さくし、かつ、ステータ-ロータ間のギャップ磁束密度分布を略台形状としたことを特徴とする広範囲定出力永久磁石モータ。
前記空孔は、該空孔がない場合に比較してq軸インダクタンスL q を維持するようにq軸磁路を妨げない形状であることを特徴とする請求項1記載の広範囲定出力永久磁石モータ。
前記各永久磁石の外周面は、その内周面と共に、鉄心外周面までの距離が一定となる円弧形状としたことを特徴とする請求項1記載の広範囲定出力永久磁石モータ。
前記空孔は、前記各永久磁石の内周面に沿って略紡錘形状となっていることを特徴とする請求項2記載の広範囲定出力永久磁石モータ。
前記各永久磁石の外周面は、鉄心外周面までの距離が中央ほど短く周方向両端側に行くに従って長くなる凸型円弧形状としたことを特徴とする請求項1項記載の広範囲定出力永久磁石モータ。
 前記各永久磁石の内側面は、磁極の中心を通る径方向に対して垂直な平面であることを特徴とする請求項1項記載の広範囲定出力永久磁石モータ。
 前記各永久磁石の周方向両端側には、それぞれ別の空孔を設けたことを特徴とする請求項1記載の広範囲定出力永久磁石モータ。
 前記各永久磁石は、極毎に周方向に2分割以上に分割し、分割した永久磁石間に積層鋼板のブリッジを設けたことを特徴とする請求の範囲1項記載の広範囲定出力永久磁石モータ。
Description:
広範囲定出力永久磁石モータ

 本発明は、広範囲定出力永久磁石モータ 関する。詳しくは、広い可変速範囲が必要 される用途に適用され得る永久磁石モータ 関する。

発明の背景

 永久磁石モータ(PMモータ)は、直流機やイ ンダクションモータ(IM)、リラクタンスモー (RM)に比べ、小型高効率を可能とする高性能 モータであるが、ロータに永久磁石を使用 ているため、回転数の増加に伴い誘起電圧 増大する。従って、永久磁石モータを高速 転機に適用する際は、ギャップを広くする どの適切な起磁力になるよう設計している

 一般的な永久磁石モータのロータを図9に 示す。図9は、ロータの軸方向に垂直な断面 である。図9に示すロータは、中心部にシャ ト30の貫通する鉄心20の外周部分に永久磁石 11を埋め込んだ形式である。鉄心20の外周面 、シャフト30の中心から一定距離の円形をな すものである。また、永久磁石11は、鉄心20 外周面からの距離が一定な円弧状をなすも である。従って、永久磁石11の曲率と鉄心20 外周面の曲率はほぼ等しくなっている。

 永久磁石モータにおいては、起磁力を弱め と磁石トルクが低下し、最大トルクが低下 てしまうため、永久磁石モータで定出力範 を広くすることは困難であった。
 そのため、起磁力を調節可能な直流機やイ ダクションモータが定出力範囲の広いモー として採用され続けている。
 一方、小型化が可能な永久磁石モータで、 石トルクの低下分をリラクタンストルクの 用により最大トルクを稼ぎ、広範囲定出力 確保する種々の永久磁石モータが提案され いる。

 例えば、特許文献1,2では、永久磁石モー (永久磁石を補助的に採用した永久磁石リラ クタンス型回転電機を含む)で定出力範囲を く取るように、d軸磁路に対向して磁石をV字 型に配置し、q軸磁路を妨げないようにした 石配置としている。また、特許文献1では、V 字型に配置した磁石の上側、つまり、磁石の 鉄心径方向外周側に空孔を配置し、特許文献 2では、V字型に配置した磁石の鉄心径方向外 側における鉄心外周面を直線状にカットし 空隙を形成したものである。

 そのため、特許文献1,2では、下式(1)に示す うに、d軸インダクタンスL d を小さく、q軸インダクタンスL q を大きくして突極比(L d -L q )を大きく取ることができる。即ち、リラク ンストルクT r を大きく取ることができる。
T=T m +T r =P n ψ a i q +P n (L d -L q )i d i q    …(1)

 しかしながら、特許文献1,2のように、V字型 の磁石や、磁石の鉄心径方向外周側に空孔、 空隙を配置すると、ギャップ磁束分布の乱れ を生じさせ、トルクリップル、電圧リップル の増大を招くなど弊害があり、また、磁石を V字型に配置することから、ロータの小型化 も限界が有る。
 なお、図9に示すように、鉄心20の外周面ま の埋込深さが一定となるように円弧状の永 磁石11をロータに埋め込んだ永久磁石型モ タは、ギャップ磁束分布が乱れず、トルク ップル、電圧リップルの増大を招く虞もな 、また、ロータの小型化にも有利なもので る。

特開2001-339922

特開2001-95184

発明の概要

 上述した通り、永久磁石モータは、起磁力 持つ永久磁石をロータ内に有するため、回 速度に比例して誘起電圧が高くなる。永久 石モータの回転速度限界は、ロータに掛か 遠心力の耐機械強度や、無負荷誘起電圧と ンバータなどのモータ駆動装置の電圧制限 により決まる。
 また、トルク上限はシャフトの強度など機 構造あるいはモータ体格によって制限が掛 る。そこで、一定出力で可変速運転を行う 出力範囲を広げるには、回転速度上限にお る無負荷誘起電圧をモータ駆動装置の電圧 限値に抑え、かつ、低速域での最大トルク 十分に得られるような構造にする必要があ 。

 このため、回転速度上限における無負荷誘 電圧を抑えるためには、(2)式で決まるよう 、永久磁石の持つ起磁力によってステータ イルを鎖交する磁束を低減する必要がある
V=dφ/dt  …(2)
 通常、磁石によるステータ鎖交磁束が低下 ると、(1)式に示す磁石トルクT m が低下し、高速回転は可能となるものの、最 大トルクが減少してしまう。
 しかしながら、(1)式中のリラクタンストル T r を有効に活用し、磁石トルクT m の低下分を補うことができれば、定出力範囲 の広い永久磁石モータが可能となる。

 このリラクタンストルクを有効に活用する 造として、特許文献1や特許文献2のような 造が既に考案されている。
 特許文献1,2は、磁石極の鉄心径方向外周側 空孔や空隙を設け、d軸上のモータ磁気回路 における磁気抵抗を増加させることで、磁石 起磁力によるステータコイル鎖交磁束を低減 させ、q軸インダクタンスを維持しつつ、d軸 ンダクタンスの低減を図り、リラクタンス ルクを有効に得るための構造である。なお ここでは磁石磁極の中心をd軸とし、磁石極 間の鉄心部の中心をq軸としているが、特許 献1は、“リラクタンスモータ”に関するも であり、鉄心の凸部分をd軸,凹部分をq軸と てこの凹部分に磁石を配置しているので、 石磁極の中心がq軸となっている。

 しかしながら、特許文献1,2は、図6аに示 ように、鉄心20中に磁石100,101をV字型に配置 し、磁石における上記鉄心の径方向外周側に 空孔や空隙を設けているため、ステータ-ロ タ間のギャップ磁束密度分布は図6Bに示すよ うに、正弦波からは程遠いものとなってしま い、トルクリップルの増大、ひいては振動- 音の増加という問題を抱えていた。

 本発明は、特許文献1,2のように磁気抵抗 なる空孔や空隙を磁石の上記鉄心径方向外 側に設けるのではなく、磁石の鉄心径方向 周側に設けることによって、同様な広範囲 出力特性を得ながら、ギャップ磁束密度分 を図7Bに示すように表面磁石型同期電動機(S PMモータ)並のなだらかな分布とする事でトル クリップルの低減、振動-騒音の低減を図れ 永久磁石モータを提供することを目的とす ものである。

 上記目的を達成するための本発明の請求項1 に係る広範囲定出力永久磁石モータは、鉄心 中に複数の永久磁石を埋め込んだロータを有 する永久磁石モータにおいて、前記各永久磁 石は、円弧形状の外周面を有し、前記各永久 磁石の鉄心の径方向内周側に空孔を設けて、 該空孔がない場合に比較してd軸インダクタ スL d を小さくし、かつ、ステータ-ロータ間のギ ップ磁束密度分布を略台形状としたことを 徴とする。

 上記目的を達成するための本発明の請求項2 に係る広範囲定出力永久磁石モータは、請求 項1において、前記空孔は、該空孔がない場 に比較してq軸インダクタンスL q を維持するようにq軸磁路を妨げない形状で ることを特徴とする。

 上記目的を達成するための本発明の請求 3に係る広範囲定出力永久磁石モータは、請 求項1において、前記各永久磁石の外周面は その内周面と共に、鉄心外周面までの距離 一定となる円弧形状としたことを特徴とす 。

上記目的を達成するための本発明の請求項 4に係る広範囲定出力永久磁石モータは、請 項2において、前記空孔は、前記各永久磁石 内周面に沿って略紡錘形状となっているこ を特徴とする。

上記目的を達成するための本発明の請求項 5に係る広範囲定出力永久磁石モータは、請 項1において、前記各永久磁石の外周面は、 心外周面までの距離が中央ほど短く周方向 端側に行くに従って長くなる凸型円弧形状 したことを特徴とする。

上記目的を達成するための本発明の請求項 6に係る広範囲定出力永久磁石モータは、請 項1において、前記各永久磁石の内側面は、 極の中心を通る径方向に対して垂直な平面 あることを特徴とする。

上記目的を達成するための本発明の請求項 7に係る広範囲定出力永久磁石モータは、請 項1において、前記各永久磁石の周方向両端 には、それぞれ別の空孔を設けたことを特 とする。

上記目的を達成するための本発明の請求項 8に係る広範囲定出力永久磁石モータは、請 項1において、前記各永久磁石は、極毎に周 向に2分割以上に分割し、分割した永久磁石 間に積層鋼板のブリッジを設けたことを特徴 とする。

 本発明に係る広範囲定出力永久磁石モータ 、鉄心中に円弧形状の外周面を有する永久 石を埋め込んだので、ギャップ磁束分布が れず、トルクリップル、電圧リップルの増 を招く虞もなく、また、ロータの小型化に 有利なものである他、永久磁石の鉄心径方 内周側に空孔を設けたので、その空孔がな 場合に比較してd軸インダクタンスL d を小さくできるという効果を奏する。

 また、各永久磁石の鉄心径方向内周側に設 る空孔の形状として、q軸磁路を妨げない形 状とすれば、空孔がない場合に比較して、q インダクタンスL q を維持できるという効果も奏する。

 そのため、本発明においては、上式(1)に示 ように、d軸インダクタンスL d を小さくでき、また、q軸インダクタンスL q が維持されるため、突極比(L d -L q )を大きく取ることができ、つまり、リラク ンストルクT r を大きく取ることができる。

 更に、各永久磁石の外周面として、鉄心 周面までの距離が一定となる円弧形状とす 場合に比較し、鉄心外周面までの距離が中 ほど短く周方向両端側に行くに従って長く る凸型円弧形状とすると、磁石磁極の中心 ステータとの距離を最小とすることが出来 。そのため、磁石磁極の中心が最も磁束が り易く磁束密度分布が最大となり、中心か 両側に向かうに従い磁石磁極とステータと 距離が大きくなるので磁束密度分布が減少 る。このため、正弦波に近い磁束密度分布 なり、より一層の振動と騒音の低減を図る とが出来る。

 更に、各永久磁石の内周面として、磁極 中心を通る径方向に対し垂直な平面とする 、磁石磁極中心の磁石厚が厚くなり、磁石 極中心の磁束密度分布が増えるので、磁石 が一定の場合に比較し、正弦波に近い磁束 度分布となる利点がある。その他、請求項 記載の特徴は、種々の効果を有する。

本発明に係る第1の実施例における広範 囲定出力永久磁石モータの断面図である。 本発明に係る第2の実施例における広範 囲定出力永久磁石モータの断面図である。 本発明に係る第3の実施例における広範 囲定出力永久磁石モータの断面図である。 本発明に係る第4の実施例における広範 囲定出力永久磁石モータの断面図である。 ステータ-ロータ間のギャップ磁束密 分布を示すグラフである。 無負荷誘導電圧を示すグラフである。 トルク特性を示すグラフである。 鉄心中に磁石をV字型に配置したロー の断面図である。 鉄心中に磁石をV字型に配置したロー を有するPMモータのステータ-ロータ間のギ ップ磁束密度分布を示すグラフである。 本発明に係る広範囲定出力永久磁石モ ータにおけるロータの断面図である。 本発明に係る広範囲定出力永久磁石モ ータにおけるロータのステータ-ロータ間の ャップ磁束密度分布を示すグラフである。 実施例1,2を対比してステータ-ロータ間 のギャップ磁束密度分布を示すグラフである 。 従来の一般的な永久磁石モータの断面 である。 本発明に係る第5の実施例における広 囲定出力永久磁石モータの断面図である。 本発明に係る第5の実施例における広 囲定出力永久磁石モータのステータ-ロータ 間のギャップ磁束密度分布を示すグラフであ る。 本発明に係る第6の実施例における広 囲定出力永久磁石モータの断面図である。 本発明に係る第6実施例における広範 定出力永久磁石モータのステータ-ロータ間 のギャップ磁束密度分布を示すグラフである 。 本発明に係る第7実施例における広範 定出力永久磁石モータの断面図である。

 高回転時の誘起電圧を低減させるためには 図5Aの点線のように磁束密度分布を低減さ る必要がある。
 そのため、従来は、特許文献1及び2のよう 磁石極の鉄心径方向外周側に空孔や空隙を け、誘起電圧の低減により電圧制限値での 回転化(図5Bの点線)による広範囲出力(図5Cの 線)を実現するものであった。
 しかし、図6Aに示すロータ形状では、図6Bに 示すように、ギャップ磁束密度分布が正弦波 とならずに、振動や騒音の原因となっていた 。

 これに対し、本発明は、図7Aに示すよう 鉄心20に埋め込む磁石10を円弧形状とし、磁 10の鉄心径方向内周側に空孔40を設けること で、誘起電圧の低減により電圧制限値での高 回転化(図5Bの点線)による広範囲出力(図5Cの 線)を実現すると共に、図7Bに示すように、 面磁石型同期電動機並みに磁石密度分布が だらかになり、振動や騒音を低減すること できるロータ形状である。

 また、本発明と同様に磁石を円弧形状と 、かつ磁石厚みを薄くすることでd軸の磁束 密度分布を低減させる方法もあるが、磁石を 薄くすると減磁し易くなるという問題がある 。なお、本発明は、円弧形状の磁石の鉄心径 方向内周側に空孔を設けるという点に特徴が ある。

 本発明の第1の実施例に係る広範囲定出力永 久磁石モータを図1に示す。図1は、ロータの 方向に垂直な断面図である。
 図1に示すように、本実施例においては、中 心部にシャフト30の貫通する鉄心20の外周部 に、円弧状の永久磁石10を埋め込んでいる。
 鉄心20の外周面は、シャフト30の中心から一 定距離の円形をなすものであり、鉄心外周面 を直線状にカットしている特許文献2とは異 る。

 永久磁石10は、鉄心外周面からの距離が一 な円弧形状の外周面を有し、永久磁石11の外 周面の曲率と鉄心20の外周面の曲率はほぼ等 い。また、永久磁石10の磁石厚は一定とな ている。
 そのため、本実施例の永久磁石モータは、 述した特許文献1,2に比較し、ギャップ磁束 布が乱れず、トルクリップル、電圧リップ の増大を招く虞もなく、また、ロータの小 化にも有利なものである。

 更に、本実施例では、円弧状である永久磁 10の鉄心径方向内周側に空孔40を設けて、こ の空孔40がない場合に比較してd軸インダクタ ンスL d を小さくしたものである。 即ち、鉄心20中 おいては、永久磁石10が存在する箇所は磁束 の通り難いd軸磁路であるところ、永久磁石10 の鉄心径方向内周側に空孔40を配置すること より、更に磁束が通り難くなることから、 の空孔40がない場合に比較してd軸インダク ンスL d が更に小さくなるのである。

 しかも、鉄心20中において、永久磁石10と 永久磁石10との間、つまり、永久磁石の存在 ない箇所は磁束の通り易いq軸磁路であると ころ、空孔40の形状はq軸磁路を妨げないよう に、永久磁石10の中心から両側に行くに従っ 隙間が小さくなる紡錘形状となっている。 い換えると、永久磁石10の両側ほど、磁路 なる鉄心20の領域が広く確保されている。

 そのため、本実施例においては、上式(1)に すように、d軸インダクタンスL d を小さくでき、また、q軸インダクタンスL q が維持されるため、突極比(L d -L q )を大きく取ることができ、リラクタンスト クT r を大きく取ることができる。その結果、磁石 磁束が低減することから、高速回転時におけ る誘起電圧を抑えることができ、高速回転が 可能となるという利点がある。

 本発明の第2の実施例に係る広範囲定出力 永久磁石モータを図2に示す。図2は、ロータ 軸方向に垂直な断面図である。本実施例は 実施例1に比較して更に磁石磁束を低減し、 高速回転を可能とした構造である。

 即ち、磁石磁束を低減するためには、磁 を薄くする方法があるが、磁石が薄くなる 減磁耐力が低下し、広範囲定出力運転を行 場合は弱め界磁制御を多用するため、減磁 可能性が高くなり、得策ではない。そこで 本実施例では、磁石厚を確保しつつ、磁石 で磁束量を低減するべく、実施例1の永久磁 石10よりも幅の狭い、つまり、周方向の長さ 短い永久磁石11を鉄心20内に埋め込むもので ある。永久磁石11の厚さ、つまり、半径方向 長さは、実施例1の永久磁石10と等しい。

 一方、実施例1に比較して、d軸インダクタ スL d を同程度に確保するため、永久磁石11の周方 両端側にもそれぞれ空孔41を設けたのであ 。そのため、永久磁石11の鉄心径方向内周側 に空孔40、永久磁石11の周方向両端側に2つの 孔41、41合計3つの空孔が配置されることに る。
 但し、永久磁石11の固定が不安定とならな よう、永久磁石11の鉄心径方向内周面の両角 部を支える磁石押さえ部21を設けている。ま 、この様に空孔41を永久磁石11の周方向両端 側に設けた分永久磁石の周方向長さが短くな っている。

 このように、本実施例は、実施例1の永久 磁石10よりも幅が狭く厚さが等しい永久磁石1 1を鉄心20内に埋め込むので、減磁耐力の低下 を回避しつつ、磁石幅で磁束量を低減するこ とができる。そのため、図8に破線で示す通 、実施例1に比較して磁束密度分布の幅が狭 なるので、総磁束量が抑えられ無負荷誘起 圧が実施例1より低減するという効果を奏す る。本実施例においても、その他の構成は、 前述した実施例1と同様であり、同様な効果 奏する。

 本発明の第3の実施例に係る広範囲定出力 永久磁石モータを図3に示す。図3は、ロータ 軸方向に垂直な断面図である。本実施例は 実施例2において磁石押さえ部21で永久磁石1 1における鉄心の径方向内周面の両角部を支 るのに代えて、磁石11における鉄心の径方向 外周面の両角部を左右から挟み込むガイド状 の凸部22を設けたものである。

 実施例2では磁石押さえ部21が,図2中に太線 示すように、狭小ではあるが磁石の鉄心径 向外周面側から磁石の鉄心径方向内周面側 部を通り、d軸磁路上に磁束が通り易い磁路 形成するものであるが、本実施例では、磁 押さえ部21を廃止するので、d軸インダクタ スL d の増大を抑えられる利点がある。
 なお、本実施例では、磁石押さえ部21の廃 に伴い、永久磁石11の鉄心径方向内周側から 横方向に連なる広い空孔40が形成される。す わち、実施例2における空孔41、41と一体と る空孔40が形成されることとなる。

 このように、本実施例では、磁石11の鉄心 方向外周面を左右から挟み込むガイド状の 部22を設けて、磁石押さえ部21を廃止するの 、d軸磁路上の磁束が通り難くなり、実施例 2よりd軸インダクタンスL d を低減する、すなわち、リラクタンストルク T r を有効に活用できるという効果を奏する。
 本実施例においても、その他の構成は、前 した実施例1と同様であり、同様な効果を奏 する。

 本発明の第4の実施例に係る広範囲定出力永 久磁石モータを図4に示す。図4は、ロータの 方向に垂直な断面図である。
 本実施例は、実施例3において磁石11の鉄心 方向外周面側の両角部を左右から挟み込む イド状の凸部22を設けることに加え、磁石11 の鉄心径方向内周面側を全面的に支える弧状 支持部材23を設けたものである。従って、永 磁石11の左右両側の鉄心20は弧状支持部材23 より繋がることになる。

 このようにすると、実施例1に比較して、図 4中に太線で示すように、狭小ではあるが磁 の鉄心の径方向外周面側から弧状支持部材23 に戻るd軸磁路を形成するため、d軸インダク ンスL d が若干増大するが、弧状支持部材23を縦断す q軸磁路を形成するため、q軸インダクタン L q の増大を促す効果がある。なお、磁石11にお る鉄心径方向外周面側の両角部を左右から み込むガイド状の凸部22を設けるのに代え 、磁石11における鉄心の径方向内周面側を全 面的に支える弧状支持部材23上に磁石11にお る鉄心の径方向内周面側を左右から挟み込 ガイド状の凸部(図示省略)を設けても良いし 、磁石11の周方向両端側の空孔41を省略した 計とすることも可能である。

 このように本実施例4は、弧状支持部材23に りd軸インダクタンスL d も増加するが、同時にq軸インダクタンスL q も増加するので、前記実施例と同様に突極比 (L d -L q )を大きくでき広範囲定出力特性を保ちつつ 高回転時の誘起電圧を低減でき、かつ磁石11 の固定が確実な形状となる利点がある。本実 施例においても、その他の構成は、前述した 実施例1と同様であり、同様な効果を奏する

 本発明の第5の実施例に係る広範囲定出力 永久磁石モータを図10Aおよび図10Bに示す。図 10Aは、ロータの軸方向に垂直な断面図、図10B はステータ-ロータ間のギャップ磁束密度分 を示すグラフである。

 図10Aに示すように、鉄心20に埋め込まれ 永久磁石10の外周面は、鉄心外周面までの距 離が中央ほど短く、周方向両端側に行くに従 って長くなる凸型円弧形状としたものである 。つまり、ロータ外径より磁石円弧の曲率が 小さく、ロータ外径より磁石10の外周面の方 凸形状になっている。また、永久磁石10の 石厚は一定となっている。このように本実 例では、永久磁石10の外周面を鉄心外周面よ りも凸型とした円弧形状としたため、磁石磁 極の中心とステータとの距離が最小となり、 磁石磁極中心の磁束密度を最大とすることが でき、中心から両端部に向かうに従い磁石の 上記径方向外周面側の鉄心が厚くなり、この 厚い部分の漏れ磁束の増加により磁石磁極の 中心に比べて両端部の磁束密度が減少する。

 このため、図10Bに示すように、実施例1に比 べてより正弦波に近い磁束密度分布となり、 より一層の振動と騒音の低減を図ることが出 来る。
 さらに、本実施例の構造は、磁石の鉄心径 向外周面側の周方向両端側の鉄心が厚くな ので、耐遠心力も増大し、より一層の高速 転による広範囲定出力を実現するものであ 。
 本実施例においても、その他の構成は、前 した実施例1と同様であり、同様な効果を奏 する。

  本発明の第6の実施例に係る広範囲定出 永久磁石モータを図11A,11Bに示す。図11Aは、 ロータの軸方向に垂直な断面図、図11Bは、ス テータ-ロータ間のギャップ磁束密度分布を すグラフである。

 図11Aに示すように、鉄心20に埋め込まれ 永久磁石10の外周面は、鉄心外周面までの距 離が中央ほど短く、周方向両端側に行くに従 って長くなる凸型円弧形状としたものである 。永久磁石10の外周面については、実施例5と 同様である。 本実施例においては、更に、 久磁石10の内側面を径方向に対して垂直な 面としたものである。言い換えると、永久 石10を“かまぼこ”形状のように磁石10の内 面を平らにして、磁石磁極中心の磁石厚を くしたものである。

 そのため、本実施例においても、磁石磁極 心の磁束密度分布が増えるので、正弦波に い磁束密度分布となる利点がある。
 本実施例においても、その他の構成は、前 した実施例5と同様であり、同様な効果を奏 する。

 本発明の第7の実施例に係る広範囲定出力永 久磁石モータを図12に示す。図12は、ロータ 軸方向に垂直な断面図である。
 本実施例は、極毎に永久磁石10を周方向に2 割以上に分割し、分割した永久磁石10a,10b,10 c間に積層鋼板のブリッジ52,53を設けて遠心力 への耐力を向上させる事で、広い定出力範囲 を確保するだけでなく高速回転時の遠心力へ の耐力をも向上させた構造である。
 即ち、中心部にシャフト30の貫通する鉄心20 の外周部分に、永久磁石10を周方向に三つに 割して、永久磁石10a,10b,10cとして埋め込む 共にこれら永久磁石10a,10b,10cの間には積層鋼 板よりなるブリッジ52,53を介装したものであ 。
 また、本実施例も他の実施例同様、d軸の磁 気抵抗を大きく保つため、磁石の鉄心径方向 内周側には空孔を設けている。
 即ち、永久磁石10a,10b,10cの鉄心径方向内周 には空孔40a,40b,40cを各々設けて、これら空孔 40a,40b,40cがない場合に比較してd軸インダクタ ンスL d を小さくしたものである。
 更に、永久磁石10a,10b,10cの周方向両側にも リッジ51,54を間に挟んでそれぞれ空孔41を設 たのである。

 上述した実施例1~6は、極毎の磁石10,11を埋 込む挿入孔が1つのため、回転時に磁石10,11 働く遠心力を支えるのは磁石における鉄心 径方向外周面側の鋼板のみとなる。従って 広範囲定出力の特性を有しながら、磁石に ける鉄心径方向外周面側の鋼板の角部での 力限界が高速回転の性能の制約となってし う。
 これに対し、本実施例は、永久磁石10を周 向に三つの永久磁石10a,10b,10cに分割して遠心 力を分散させ、これらの永久磁石10a,10b,10cの 及び両側にブリッジ51,52,53,54を設け、高速 転の際の遠心力に耐える構造としている。

 本実施例のように、ブリッジ51,52,53,54を設 ると、d軸の磁気抵抗が小さくなってしまう 、ここで設けるブリッジは遠心力に耐える めの物であるので細くする事が可能で磁気 和させて磁束を通りにくくする事ができる
 即ち、磁石間のブリッジ52,53は、磁石間で 気的に短絡状態にあるので、磁気飽和によ て比透磁率は低くなり、d軸の磁束が通りに くなり、d軸インダクタンスL d の増加を最小限におさえる事ができる。従っ て、実施例3に近い大きな突極比を保つこと 出来るので、広範囲定出力特性となりえる

なお、第1実施例から第7実施例までにおい 、図面では、鉄心(20)の内部には永久磁石(10 ,10а、10b、10c、11)が単一又は分割したものを しているが、鉄心20の周方向に沿ってq軸磁 を有するべく所定間隔を持って設けられて ることは勿論である。又、第1実施例から第 6実施例までにおいて示す永久磁石(10,11)のN極 は鉄心の径方向外周側に配置されS極は鉄心 径方向内周側に配置されており、隣接する 久磁石(10,11)は、逆に、そのN極は、鉄心の径 方向内周側に配置され、そのS極は鉄心の径 向外周側に配置されている。分割された永 磁石(10,10а、10b、10c)については、各分割さ た永久磁石(10,10а、10b、10c)のN極は、鉄心の 方向外周側に配置されそのS極は、鉄心の径 方向内周側に配置されている。