Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
WIRELESS IC DEVICE AND METHOD FOR MANUFACTURING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/142068
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a wireless IC device wherein resonance frequency fluctuation due to use conditions is reduced. A method for manufacturing such wireless IC device is also provided. A plurality of insulating sheets (12a-12d) are laminated. Coil electrodes (14a-14d) are arranged to sandwich the insulating sheets (12a-12d) and constitute an antenna coil (L) by being connected to each other. A plurality of coil electrodes (14a-14d) constitute one loop by overlapping each other in planar view from a Z axis direction.

Inventors:
KATO NOBORU (JP)
SASAKI JUN (JP)
ISHINO SATOSHI (JP)
TANIGUCHI KATSUMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/056698
Publication Date:
November 26, 2009
Filing Date:
March 31, 2009
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
MURATA MANUFACTURING CO (JP)
KATO NOBORU (JP)
SASAKI JUN (JP)
ISHINO SATOSHI (JP)
TANIGUCHI KATSUMI (JP)
International Classes:
H01Q7/00; G06K19/07; G06K19/077; H01Q1/38; H01Q23/00
Foreign References:
JPH10193851A1998-07-28
JP2006042097A2006-02-09
JP2008072243A2008-03-27
Attorney, Agent or Firm:
MORISHITA, Takekazu et al. (JP)
Takeichi Morishita (JP)
Download PDF:
Claims:
 絶縁シートと、
 前記絶縁シートを挟んで設けられると共に、互いに接続されることによりアンテナコイルを構成している複数のコイル電極と、
 を備え、
 前記複数のコイル電極は、前記絶縁シートの法線方向から平面視したときに、重なることにより一つの環を構成していること、
 を特徴とする無線ICデバイス。
 前記絶縁シートは、複数積層されており、
 法線方向の両端に位置する前記コイル電極は、前記アンテナコイルのコイル軸の周囲を1周未満の長さで周回していること、
 を特徴とする請求の範囲第1項に記載の無線ICデバイス。
 法線方向の両端に位置する前記コイル電極は、その他の前記コイル電極よりも広い線幅を有していること、
 を特徴とする請求の範囲第2項に記載の無線ICデバイス。
 法線方向の両端に位置する前記コイル電極は、法線方向から平面視したときに、その他の前記コイル電極の少なくとも一部を覆い隠していること、
 を特徴とする請求の範囲第3項に記載の無線ICデバイス。
 法線方向の両端に位置する前記コイル電極以外の前記コイル電極は、前記コイル軸の周囲を1周以上の長さで周回していること、
 を特徴とする請求の範囲第2項ないし請求の範囲第4項のいずれかに記載の無線ICデバイス。
 前記アンテナコイルと接続され、かつ、送受信信号を処理する無線ICを、
 更に備えること、
 を特徴とする請求の範囲第2項ないし請求の範囲第5項のいずれかに記載の無線ICデバイス。
 法線方向の最も上側に位置する前記絶縁シート上において、前記無線IC及び前記コイル電極に接続されている第1の接続部と、
 法線方向の最も上側に位置する前記絶縁シート上において、前記無線ICに接続されている第2の接続部と、
 法線方向から平面視したときに、前記第2の接続部と重なるように、法線方向の最も上側及び下側に位置する前記絶縁シート以外の前記絶縁シート上に設けられている第3の接続部と、
 法線方向の最も下側に位置する前記絶縁シート上において、法線方向から平面視したときに、前記第2の接続部と重なると共に、前記コイル電極に接続されている第4の接続部と、
 を更に備え、
 前記第1の接続部、前記第2の接続部、前記第3の接続部、及び、前記第4の接続部は、法線方向から平面視したときに、同じ位置において接続されていること、
 を特徴とする請求の範囲第6項に記載の無線ICデバイス。
 送受信信号を処理する無線ICと、該無線ICと接続され、かつ、前記アンテナコイルと接続されているインダクタンス素子を含む給電回路基板と、を含む電磁結合モジュールを、
 更に備えること、
 を特徴とする請求の範囲第2項ないし請求の範囲第5項のいずれかに記載の無線ICデバイス。
 法線方向の最も上側に位置する前記絶縁シート上において、前記給電回路基板及び前記コイル電極に接続されている第1の接続部と、
 法線方向の最も上側に位置する前記絶縁シート上において、前記給電回路基板に接続されている第2の接続部と、
 法線方向から平面視したときに、前記第2の接続部と重なるように、法線方向の最も上側及び下側に位置する前記絶縁シート以外の前記絶縁シートに設けられている第3の接続部と、
 法線方向の最も下側に位置する前記絶縁シート上において、法線方向から平面視したときに、前記第2の接続部と重なると共に、前記コイル電極に接続されている第4の接続部と、
 を更に備え、
 前記第1の接続部、前記第2の接続部、前記第3の接続部、及び、前記第4の接続部は、法線方向から平面視したときに、同じ位置において接続されていること、
 を特徴とする請求の範囲第6項に記載の無線ICデバイス。
 前記環の外縁と前記絶縁シートの外縁との距離の最小値は、前記複数のコイル電極間の法線方向の距離よりも大きいこと、
 を特徴とする請求の範囲第1項ないし請求の範囲第9項のいずれかに記載の無線ICデバイス。
 法線方向から平面視したときに、法線方向の両端に位置する前記コイル電極と重なる位置に設けられると共に、前記複数のコイル電極を接続する接続導体を、
 更に備えること、
 を特徴とする請求の範囲第1項ないし請求の範囲10項のいずれかに記載の無線ICデバイス。
 法線方向から平面視したときに、法線方向の最も上側に位置する前記コイル電極又は法線方向の最も下側に位置する前記コイル電極は、前記環の通過領域内において、前記コイル電極と離間して並んでいないこと、
 を特徴とする請求の範囲第1項ないし請求の範囲第11項のいずれかに記載の無線ICデバイス。
 複数の絶縁シート上にコイル電極を形成する工程と、
 前記絶縁シートの法線方向から平面視したときに、前記複数のコイル電極が、重なることにより一つの環を構成するように、前記複数の絶縁シートを積層する工程と、
 を備えること、
 を特徴とする無線ICデバイスの製造方法。
 法線方向の最も上側に位置する前記絶縁シート上において、前記コイル電極に接続されている第1の接続部を形成する工程と、
 法線方向の最も上側に位置する前記絶縁シート上に第2の接続部を形成する工程と、
 法線方向から平面視したときに、前記第2の接続部と重なるように、法線方向の最も上側及び下側に位置する前記絶縁シート以外の前記絶縁シートに第3の接続部を形成する工程と、
 法線方向の最も下側に位置する前記絶縁シート上において、法線方向から平面視したときに、前記第2の接続部と重なると共に、前記コイル電極に接続されている第4の接続部と、
 前記複数の絶縁シートの積層後に、前記第1の接続部、前記第2の接続部、前記第3の接続部、及び、前記第4の接続部を一括して接続する工程と、
 を更に備えること、
を特徴とする請求の範囲第13項に記載の無線ICデバイスの製造方法。
 送受信信号を処理する無線ICを前記第1の接続部及び前記第2の接続部に接続されるように実装する工程を、
 更に備えること、
 を特徴とする請求の範囲第14項に記載の無線ICデバイスの製造方法。
 送受信信号を処理する無線ICと、該無線ICと接続されるインダクタンス素子とを含む給電回路基板を含む電磁結合モジュールを、前記第1の接続部及び前記第2の接続部に接続されるように実装する工程を、
 更に備えること、
 を特徴とする請求の範囲第14項に記載の無線ICデバイスの製造方法。
 前記複数の絶縁シートに前記複数のコイル電極を接続するための接続導体を形成する工程を、
 更に備えること、
 を特徴とする請求の範囲第13項に記載の無線ICデバイスの製造方法。
Description:
無線ICデバイス及びその製造方

 本発明は、無線IC(Integrated Circuit)デバイ 及びその製造方法に関し、より特定的には RFID(Radio Frequency Identification)システムに用い られる無線ICを有する無線ICデバイス及びそ 製造方法に関する。

 入退室管理、定期券、クレジットカード に使用される無線ICデバイスとしては、例 ば、特許文献1に記載の非接触ICカードが知 れている。図17(a)は、特許文献1に記載の非 触ICカード100の上面図であり、図17(b)は、特 文献1に記載の非接触ICカード100の下面図で る。

 図17に示す非接触ICカード100では、基板102 の主面上に複数回だけ渦巻状に周回するアン テナコイル104が形成され、該アンテナコイル 104に調整用抵抗(図17には図示せず)及び調整 コンデンサ108が接続されている。また、ア テナコイル104には、IC106が接続されている。 該非接触ICカードによれば、調整用抵抗及び 整用コンデンサ108の一部を製造時に切断す ことにより、非接触ICカード100の抵抗値及 容量値を調整して、共振周波数や先鋭度(Q) 調整することができる。

 しかしながら、前記非接触ICカード100で 、以下に図面を参照しながら説明するよう 、使用時に共振周波数が変動してしまうこ を本願発明者は発見した。図18(a)は、非接触 ICカード100のアンテナコイル及び基板のB-Bに ける断面構造図であり、図18(b)は、非接触IC カード100の等価回路図である。図18(a)には、 板102及びアンテナコイル104が記載されてい 。また、図18(b)には、アンテナコイル104の ンダクタンスL100、IC106の抵抗R100及びアンテ コイル104の容量C100が記載されている。

 前記非接触ICカード100では、アンテナコ ル104が基板102の主面上において複数回だけ 巻状に周回している。このような非接触ICカ ード100では、図18(a)に示すように、アンテナ イル104を構成する配線が、主面上において 接して並んでいる。近接した配線に電流が れると、配線間の電位差により、矢印に示 ように配線間を繋ぐ電気力線E100が発生し、 配線間において容量C100を発生する。このよ な容量C100は、図18(b)に示すように、インダ タンスL100と抵抗R100との間に並列に接続され た状態となっている。そして、非接触ICカー 100では、所望の共振周波数となるインダク ンスL100及び容量C100が得られるように、ア テナコイル104の形状が設計されている。

 しかしながら、所望の共振周波数を得る とができるようにアンテナコイル104の形状 設計したとしても、非接触ICカード100の共 周波数が、使用状況によってばらついてし うことを本願発明者は発見した。そこで、 願発明者は、実験及びコンピュータシミュ ーションを行って、非接触ICカード100の共振 周波数がばらつく原因を調査した。その結果 、共振周波数がばらつく原因として、以下に 説明する現象が非接触ICカード100に発生して ることを発見した。

 より詳細には、非接触ICカード100は、例 ば、入退室管理、定期券、クレジットカー 等として用いられる。このような非接触ICカ ード100は、通常、人の手により保持された状 態で専用のリーダライタに近づけて用いられ る。そのため、図18(a)に示すように、使用時 は、アンテナコイル104の近くに人の手が位 し、該人の手の中を電気力線E100が通過して いる。人の手の誘電率は、空気の誘電率より もはるかに大きいため、人の手がアンテナコ イル104の配線間に近づくと、アンテナコイル 104の配線間に発生している容量C100が増加す 。その結果、非接触ICカード100の共振周波数 が、所望の共振周波数よりも低くなってしま う。

 ここで、非接触ICカード100の保持の仕方は 使用状況によって異なっていることが多い め、アンテナコイル104の配線と人の手との 置関係は、一定ではない。そのため、容量C1 00の増加量も使用状況によってばらついてし い、非接触ICカード100の共振周波数の低下 も使用状況によってばらついてしまう。す わち、非接触ICカード100の共振周波数が使用 状況によってばらついてしまう。このように 、非接触ICカード100の共振周波数がばらつく 、もはや、調整用コンデンサの一部を製造 に切断して、共振周波数を調整することで 対応できない。

特開2001-10264号公報

 そこで、本発明の目的は、使用状況によ て共振周波数がばらつくことを低減できる 線ICデバイス及びその製造方法を提供する とである。

 本発明の一形態である無線ICデバイスは 絶縁シートと、前記絶縁シートを挟んで設 られると共に、互いに接続されることによ アンテナコイルを構成している複数のコイ 電極と、を備え、前記複数のコイル電極は 前記絶縁シートの法線方向から平面視した きに、重なることにより一つの環を構成し いること、を特徴とする。

 また、前記無線ICデバイスの製造方法は 複数の絶縁シート上にコイル電極を形成す 工程と、前記絶縁シートの法線方向から平 視したときに、前記複数のコイル電極が、 なることにより一つの環を構成するように 前記複数の絶縁シートを積層する工程と、 備えること、を特徴とする。

 本発明の一形態である無線ICデバイス及 その製造方法によれば、複数のコイル電極 、絶縁シートの法線方向から平面視したと に、重なることにより一つの環を構成して る。したがって、該無線ICデバイスでは、絶 縁シートの主面が広がる方向にコイル電極が 近接した状態で並ばない。これにより、コイ ル電極間に発生する電気力線が無線ICデバイ の外部に漏れることが抑制される。その結 、無線ICデバイスの保持の仕方によりコイ 電極に発生する容量が変化して無線ICデバイ スの共振周波数がばらつくことが抑制される 。

第1の実施形態に係る無線ICデバイスの 解斜視図である。 図2(a)は、図1の無線ICデバイスをz軸方 から平面視した図である。図2(b)は、図2(a)に 示す無線ICデバイスのA-Aにおける断面構造図 ある。 図1に示す無線ICデバイスの等価回路図 ある。 図4(a)は、第1のサンプルの損失特性を したグラフであり、図4(b)は、第2のサンプル の損失特性を示したグラフである。 第2の実施形態に係る無線ICデバイスの 解斜視図である。 図5の無線ICデバイスのzy平面における 面構造図である 第3の実施形態に係る無線ICデバイスの 解斜視図である。 図7の無線ICデバイスのzy平面における 面構造図である。 第4の実施形態に係る無線ICデバイスの 解斜視図である。 図9の無線ICデバイスの接続部近傍のzy 面における断面構造図である。 図11(a)は、第5の実施形態に係る無線IC バイスの上面図である。図11(b)は、第5の実 形態に係る無線ICデバイスの下面図である 第6の実施形態に係る無線ICデバイスの 分解斜視図である。 図12の無線ICデバイスの電磁結合モジ ール近傍のxz平面における断面構造図である 。 給電回路基板の分解斜視図である。 図1の無線ICデバイスのコイル電極の拡 大図である。 無線ICカードの分解斜視図である。 図17(a)は、特許文献1に記載の非接触IC ードの上面図であり、図17(b)は、特許文献1 記載の非接触ICカードの下面図である。 図18(a)は、非接触ICカードのアンテナ イル及び基板のB-Bにおける断面構造図であ 、図18(b)は、非接触ICカードの等価回路図で る。

符号の説明

 b1~b3,b11~b13,b21,b22 ビアホール導体
 10a~10f 無線ICデバイス
 12a~12d 絶縁シート
 14a~14d,24a,24d,34b,54a,54b コイル電極
 16,20a~20d,40c,40d,42b,42c,56 接続部
 60 電磁結合モジュール
 70 給電回路基板
 80 無線ICカード

 以下に、本発明の実施形態に係る無線IC バイス及びその製造方法について図面を参 しながら説明する。なお、各図において、 通する部品、部分は同じ参照符号を付し、 複する説明は省略する。

(第1の実施形態)
 以下に、本発明の第1の実施形態に係る無線 ICデバイスについて図面を参照しながら説明 る。図1は、第1の実施形態に係る無線ICデバ イス10aの分解斜視図である。図1において、x は、無線ICデバイス10aの長辺方向であり、y は、無線ICデバイス10aの短辺方向であり、z は、無線ICデバイス10aの積層方向である。 2(a)は、無線ICデバイス10aをz軸方向から平面 した図である。図2(b)は、図2(a)に示す無線IC デバイス10aのA-Aにおける断面構造図である。 図2において、人の手が記載されているが、 際よりもはるかに小さく記載してある。図3 、図1に示す無線ICデバイス10aの等価回路図 ある。

 無線ICデバイス10aは、13.56MHzの共振周波数 を有し、電磁誘導方式によりリーダライタと の間で送受信信号を伝達する。無線ICデバイ 10aは、図1に示すように、絶縁シート12a~12d コイル電極14a~14d、接続部16、無線IC18、接続 20a,20d、及び、ビアホール導体b1~b3,b11~b13を えている。以下、個別の構成要素を示す場 には、参照符号の後ろにアルファベットや 字を付し、構成要素を総称する場合には、 照符号の後ろのアルファベットや数字を省 する。

 絶縁シート12は、絶縁性材料からなる長 形状のシートであり、例えば、塩化ビニー やポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂シー トで作製される。絶縁シート12の法線方向は z軸方向と一致している。

 コイル電極14a~14dはそれぞれ、絶縁シート 12a~12d上に銅箔やアルミ箔などの金属箔によ 同じ線幅を有するように形成され、互いに 続されることにより旋廻しながらz軸方向に 行する螺旋状のアンテナコイルLを構成して いる。より詳細には、コイル電極14は、絶縁 ート12の各辺に沿って延びる4本の線状電極 接続されて円環(長方形)の一部が切り欠か た形状を有している。すなわち、コイル電 14は、アンテナコイルLのコイル軸の周囲を1 未満の長さで周回している。

 更に、コイル電極14a~14dは、図2(a)に示す うに、z軸方向から平面視したときに、互い 重なることにより一つの長方形状の環を構 している。すなわち、コイル電極14a~14dは、 z軸方向から平面視したときに、互いにxy平面 内において近接した状態で並ばないように構 成されて、図2(b)に示すように、絶縁層12(図2 は絶縁層12a)を挟んで対向するように設けら れている。なお、接続部16,20は、コイル電極1 4と無線IC18とを接続したり、コイル電極14同 を接続したりする性質上、アンテナコイルL 内部又は外部に引き出す必要がある。この 、接続部16,20は、コイル電極14とxy平面内に いて近接した状態で並んでしまう。しかし がら、この程度の近接は、共振周波数に大 な影響を及ぼさないため、本実施形態に係 無線ICデバイス10aでは、許容される。

 ビアホール導体b1は、絶縁シート12aを貫 するように形成された接続導体であり、コ ル電極14aとコイル電極14bとを接続している ビアホール導体b2は、絶縁シート12bを貫通す るように形成された接続導体であり、コイル 電極14bとコイル電極14cとを接続している。ビ アホール導体b3は、絶縁シート12cを貫通する うに形成された接続導体であり、コイル電 14cとコイル電極14dとを接続している。これ より、コイル電極14a~14dは、電気的に接続さ れてアンテナコイルLを構成している。なお ビアホール導体b1~b3は、z軸方向から平面視 たときに、図1に示すように、コイル電極14a, 14dと重なる位置に設けられていることが好ま しい。

 無線IC18は、絶縁シート12a上に実装され、 リーダライタとの間でやり取りされる送受信 信号を処理するための集積回路である。該無 線IC18は、無線ICデバイス10aが定期券として用 いられる場合には、定期券の利用可能な区間 に関する情報や定期券の持ち主に関する情報 を記憶している。これらの情報は、書き換え 可能であっても良く、また、リーダライタ及 び無線ICデバイス10aからなるRFIDシステム以外 の情報処理機能を有していてもよい。

 接続部16は、z軸方向の最も上側に位置す 絶縁シート12a上に金属箔により形成され、 線IC18に接続されている。

 接続部20aは、z軸方向の最も上側に位置す る絶縁シート12a上に金属箔により形成され、 コイル電極14a及び無線IC18に接続されている より詳細には、接続部20aの一端は、コイル 極14aのビアホール導体b1が接続されていない 方の端部に接続されており、接続部20aの他端 は、無線IC18に接続されている。

 接続部20dは、z軸方向の最も下側に位置す る絶縁シート12d上に金属箔により形成され、 コイル電極14dに接続されている。より詳細に は、接続部20dの一端は、コイル電極14dのビア ホール導体b3が接続されていない方の端部に 続されている。また、接続部20dの他端は、z 軸方向から平面視したときに、接続部16と重 っている。

 ビアホール導体b11~b13はそれぞれ、絶縁シ ート12a~12dを貫通するように形成された接続 体であり、接続部16と接続部20dとを接続して いる。該ビアホール導体b11~b13は、z軸方向か 平面視したときに同じ位置に設けられてい 。

 図1に示す複数の絶縁シート12a~12dが積層 れることにより、無線ICデバイス10aが構成さ れている。これにより、無線ICデバイス10aは 図3に示すような等価回路を構成する。より 詳細には、アンテナコイルLのインダクタン L10aと無線IC18の抵抗R10aとの間に、コイル電 14の容量C10aが並列に接続されている。なお 図3では、無線IC18の有する寄生容量について は省略してある。

 また、無線ICデバイス10aでは、絶縁シー 12a~12dが積層された状態では、図2(a)に示すコ イル電極14により形成される環の外縁と絶縁 ート12の外縁との距離の最小値は、コイル 極14間のz軸方向の距離よりも大きい。より 体的には、図2(b)に示すように、コイル電極1 4の外縁と絶縁シート12の外縁との距離D1は、 イル電極14間のz軸方向の距離D2よりも大き 形成されている。

(効果)
 以上のような無線ICデバイス10aによれば、 下に説明するように、使用状況によって共 周波数がばらつくことを低減できる。

 より詳細には、従来の非接触ICカード100 は、アンテナコイル104が基板102の主面上に いて複数回だけ渦巻状に周回しているため 図18(a)に示すように、アンテナコイル104を構 成する配線が、主面上において近接して並ん でいる。近接した配線に電流が流れると、配 線間の電位差により、矢印に示すように配線 間を繋ぐ電気力線E100が発生し、配線間にお て容量C100を発生する。このような電気力線E 100は、非接触ICカード100の主面よりも上側を るように発生している。そのため、非接触I Cカード100を保持すると、人の手の中を電気 線E100が通過するようになる。人の手の誘電 は、空気の誘電率よりもはるかに大きいた 、人の手がアンテナコイル104の配線間に近 くと、アンテナコイル104の配線間に発生し いる容量C100が増加する。その結果、非接触 ICカード100の共振周波数が、所望の共振周波 よりも低くなってしまう。

 そして、非接触ICカード100の保持の仕方 、使用状況によって異なっていることが多 ため、アンテナコイル104の配線と人の手と 位置関係は、一定ではない。そのため、容 C100の増加量も使用状況によってばらついて まい、非接触ICカード100の共振周波数の低 量も使用状況によってばらついてしまう。 なわち、非接触ICカード100の共振周波数が使 用状況によってばらついてしまう。

 一方、無線ICデバイス10aでは、コイル電 14a~14dは、図2(a)に示すように、z軸方向にお て、互いに重なり合っている。したがって アンテナコイルLに電流が流れると、図2(b)に 示すように、互いに対向するコイル電極14同 の間(図2(b)では、コイル電極14aとコイル電 14bとの間)に、図3の容量C10aの形成に寄与す 電気力線E10aが発生する。すなわち、電気力 E10aは、コイル電極14aよりもz軸方向の上側 は発生しない。その結果、図2(b)に示すよう 、コイル電極14aに人の手Fin1が近づいてきて も、電気力線E10aが人の手Fin1を通過すること ない。故に、容量C10aは、無線ICデバイス10a 保持の仕方によってばらつくことがなくな 、無線ICデバイス10aの共振周波数が使用状 によってばらつくことが抑制される。

 以上のような効果をより明確にするため 、本願発明者は、以下に示す実験を行った 具体的には、図18に示す非接触ICカード100の サンプル(第1のサンプル)を作製すると共に、 図1に示す無線ICデバイス10aのサンプル(第2の ンプル)を作製した。第1のサンプルのアン ナコイル104の線幅を1mmとし、第2のサンプル コイル電極14の線幅を3mmとした。これら第1 サンプル及び第2のサンプルにおいて、手を 当てた状態での共振周波数と手を当てていな い状態での共振周波数とを計測した。図4(a) 、第1のサンプルの損失特性を示したグラフ あり、図4(b)は、第2のサンプルの損失特性 示したグラフである。縦軸は挿入損失(dB)で り、横軸は周波数(MHz)である。

 図4に示すように、手を当てていない状態 での共振周波数は、第1のサンプル及び第2の ンプル共に、13.56MHzよりやや高い周波数と っていることが理解できる。ここで、第1の ンプル及び第2のサンプルに手を当てると、 第1のサンプルでは、約1.8MHzだけ共振周波数 低下している。一方、第2のサンプルでは、 振周波数は、殆ど(約0.11MHz)低下していない これにより、従来の非接触ICカード100では 手を当てることにより共振周波数が低下す のに対して、本実施形態に係る無線ICデバイ ス10aでは、手を当てても殆ど共振周波数が低 下しないことが理解できる。

 以上より、無線ICデバイス10aでは、手に り保持されている状態と、手により保持さ ていない状態とで殆ど共振周波数が変化し いことを、理論的にも実験的にも明らかに ることができた。更に、手により保持され いる状態と、手により保持されていない状 とで無線ICデバイス10aの共振周波数が殆ど変 化しないことより、無線ICデバイス10aの保持 仕方によって、無線ICデバイス10aの共振周 数がばらつくことがなくなることも理解で る。

 また、無線ICデバイス10aによれば、以下 説明するように、オーバーレイシートの材 によって、共振周波数のばらつきが発生し くい。より詳細には、非接触ICカード100や無 線ICデバイス10aは、一般的に、図柄が印刷さ たオーバーレイシートにより上下から挟ま た状態で使用される。オーバーレイシート 、例えば、樹脂や紙等により作製されるの 、空気よりも大きな誘電率を有する。した って、従来の非接触ICカード100では、オー ーレイシートが貼り付けられると、容量C100 形成に寄与する電気力線E100がオーバーレイ シートを通過するようになるので、非接触IC ード100の容量C100が大きくなり、非接触ICカ ド100の共振周波数が低下してしまう。そこ 、従来の非接触ICカード100では、所望の共 周波数が得られるように、所望の共振周波 よりも少しだけ高い共振周波数となるよう 設計されていた。

 しかしながら、オーバーレイシートは、 脂や紙等の誘電率の異なる種々の材質によ 作製され得るので、オーバーレイシートの 電率は材質によりばらつく。したがって、 接触ICカード100では、オーバーレイシート 材質により、共振周波数がばらついてしま 、所望の共振周波数を得ることができない 合があった。

 これに対して、無線ICデバイス10aでは、 量C10aの形成に寄与する電気力線E10aは、図2(b )に示すように、無線ICデバイス10aの外部に漏 れることなく、互いに対向するコイル電極14 のみに発生している。故に、オーバーレイ ートが貼り付けられたとしても、電気力線E 10aがオーバーレイシート内を通過することが ないため、オーバーレイシートの貼り付けの 前後において共振周波数が変化することが抑 制される。すなわち、無線ICデバイス10aによ ば、オーバーレイシートの材質による共振 波数のばらつきが発生しにくい。

 更に、無線ICデバイス10aによれば、オー ーレイシートを貼り付ける前後において共 周波数が殆ど変化しないので、オーバーレ シートによる共振周波数の低下を予測して 線ICデバイス10aの設計を行う必要がなくなる 。その結果、無線ICデバイス10aの設計が容易 なり、無線ICデバイス10aの設計コストを低 することが可能となる。

 また、無線ICデバイス10aでは、オーバー イシートを貼り付ける前後において共振周 数が殆ど変化しないので、特許文献1に記載 非接触ICカード100のように、調製用コンデ サ108を製造時に切断して共振周波数を調整 る必要もない。調整用コンデンサ108の切断 、例えば、レーザービームを照射して調整 コンデンサ108を焼き切ることによって行わ ることが多いため、絶縁シートに孔が空い しまい、コンデンサがショートすることで 品不良となるなどの問題があった。しかし がら、無線ICデバイス10aでは、調整用コンデ ンサ108が不要であるので、このような問題は 生じない。

 また、無線ICデバイス10aでは、図2に示す イル電極14により形成される環の外縁と絶 シート12の外縁との距離D1の最小値は、コイ 電極14間のz軸方向の距離D2よりも大きくな ている。これにより、以下に説明するよう 、無線ICデバイス10aの使用状況による共振周 波数のばらつきをより効果的に抑制できる。

 より詳細には、無線ICデバイス10aは、例 ば、図2(a)の長辺又は短辺を挟むように保持 れる場合がある。この場合、図2(b)に示すよ うに、人の手Fin2が無線ICデバイス10aの側面に 位置する。ここで、図2(b)に示すように、電 力線E10aは、コイル電極14aとコイル電極14bと 間において直線的に発生しているものの他 、コイル電極14aとコイル電極14bとに挟まれ 領域から外にはみ出しているものも僅かに 在する。そのため、コイル電極14により形 される環の外縁と絶縁シート12の外縁との距 離が小さい場合には、絶縁シート12外に電気 線E10aがはみ出してしまうおそれがある。そ の結果、人の手Fin2の存在により、容量C10が 化してしまい、無線ICデバイス10aの共振周波 数が変化してしまうおそれがある。

 そこで、無線ICデバイス10aでは、図2に示 ように、距離D1を距離D2よりも大きくするこ とにより、コイル電極14間に挟まれた領域外 び無線ICデバイス10a外に電気力線E10aがはみ ることを抑制している。これにより、無線I Cデバイス10aが長辺又は短辺を挟むように保 されたとしても、電気力線E10aが人の手Fin2を 通過することが抑制される。その結果、無線 ICデバイス10aの保持状態による共振周波数の らつきをより効果的に抑制できる。

 また、無線ICデバイス10aでは、ビアホー 導体b1~b3は、z軸方向から平面視したときに 図1に示すように、コイル電極14a,14dと重なる 位置に設けられている。そのため、ビアホー ル導体b1~b3とコイル電極14との間で発生し無 ICデバイス10a外へと向かう電気力線は、コイ ル電極14により遮蔽されるようになる。その 果、無線ICデバイス10aの使用状況による共 周波数のばらつきを抑制できる。

(第2の実施形態)
 以下に、本発明の第2の実施形態に係る無線 ICデバイスについて図面を参照しながら説明 る。図5は、第2の実施形態に係る無線ICデバ イス10bの分解斜視図である。図5において、x は、無線ICデバイス10bの長辺方向であり、y は、無線ICデバイス10bの短辺方向であり、z は、無線ICデバイス10bの積層方向である。 6は、無線ICデバイス10bのzy平面における断面 構造図である。なお、図5及び図6において、 1及び図2と同じ構成については同じ参照符 が付してある。

 無線ICデバイス10aと無線ICデバイス10bとの 相違点は、コイル電極14a,14dがコイル電極24a,2 4dに置き換えられている点である。より詳細 は、コイル電極24a,24dの線幅は、コイル電極 14a,14bの線幅よりも広く形成されている。こ により、z軸方向の両端に位置するコイル電 24a,24dは、その他のコイル電極14b,14cよりも い線幅を有するようになる。

 更に、コイル電極24a,24dは、z軸方向から 面視したときに、その他のコイル電極14b,14c 少なくとも一部を、線幅方向において覆い している。一例として、コイル電極24aとコ ル電極14bとについて説明する。図6に示すよ うに、コイル電極14bは、線幅方向において、 その両端がコイル電極24a内に収まってはみ出 さないように設けられている。これにより、 コイル電極24aとコイル電極14bとの間に発生し ている電気力線E10bは、z軸方向から平面視し ときに、コイル電極24a外にはみ出しにくく る。その結果、図2(b)を用いて説明したよう に、無線ICデバイス10bが長辺又は短辺を挟む うに保持されたとしても、人の手を電気力 E10bが通過しにくくなる。その結果、無線IC バイス10bの使用状況による共振周波数のば つきをより効果的に抑制できる。

 なお、コイル電極24a,24dが、z軸方向から 面視したときに、その他のコイル電極14b,14c 少なくとも一部を覆い隠していると説明し 。この「少なくとも一部を覆い隠している とは、例えば、コイル電極14bのz軸方向の上 側にコイル電極24aが設けられていない部分( 5のαの部分)が存在するため、コイル電極24a コイル電極14bを完全に覆い隠していなくて よいことを意味している。

 なお、無線ICデバイス10bのその他の構成 ついては、無線ICデバイス10aと同様であるの で、説明を省略する。

(第3の実施形態)
 以下に、本発明の第3の実施形態に係る無線 ICデバイスについて図面を参照しながら説明 る。図7は、第3の実施形態に係る無線ICデバ イス10cの分解斜視図である。図7において、x は、無線ICデバイス10cの長辺方向であり、y は、無線ICデバイス10cの短辺方向であり、z は、無線ICデバイス10cの積層方向である。 8は、無線ICデバイス10cのzy平面における断面 構造図である。なお、図7及び図8において、 5及び図6と同じ構成については同じ参照符 が付してある。

 無線ICデバイス10bと無線ICデバイス10cとの 相違点は、絶縁シート12cが設けられていない 点、及び、コイル電極14bがコイル電極34bに置 き換えられている点である。

 より詳細には、無線ICデバイス10bは、絶 シート12を4枚重ねて構成されていたのに対 て、無線ICデバイス10cは、図7に示すように 絶縁シート12を3枚重ねて構成されている。 のため、無線ICデバイス10cでは、無線ICデバ ス10bよりもコイル電極14,34の数が1つ少ない そこで、無線ICデバイス10cでは、コイル電 34bの長さを2周分とすることにより、無線IC バイス10cのアンテナコイルLの巻き数を無線I Cデバイス10bのアンテナコイルLの巻き数と等 くしている。

 なお、無線ICデバイス10cのその他の構成 ついては、無線ICデバイス10bと同様であるの で、説明を省略する。

 以上のように、z軸方向の両端に位置する コイル電極24a,24dが、アンテナコイルLのコイ 軸の周囲を1周未満の長さで周回してさえい れば、コイル電極24a,24d以外のコイル電極34b 、アンテナコイルLのコイル軸の周囲を1周以 上の長さで周回していてもよい。無線ICデバ ス10cが以上のような構成を有することによ 、以下に説明するように、使用状況によっ 共振周波数がばらつくことを低減でき、か 、少ない積層数でもアンテナコイルLの巻き 数を多くすることが可能となる。

 より詳細には、コイル電極34bは、図7に示 すようにコイル軸の周りを複数回周回してい るので、コイル電極34b同士は、図8に示すよ に、絶縁シート12b上において近接した状態 並んでしまう。そのため、アンテナコイルL 電流が流れると、コイル電極34bのz軸方向の 上下方向において、電気力線E10cが発生して まう。

 しかしながら、コイル電極34bは、z軸方向 の両端に位置するコイル電極ではないので、 コイル電極34bから無線ICデバイス10c外まで十 な距離がある。故に、図8に示すように、コ イル電極34b間に発生する電気力線E10cは、無 ICデバイス10cからはみ出すことは殆どない。 そのため、無線ICデバイス10cが人の手により 持された場合に、電気力線E10cが人の手を通 過することにより、アンテナコイルLの容量 変化することが抑制される。

 特に、図8に示すように、コイル電極24a,24 dが、z軸方向から平面視したときに、その他 コイル電極34bの少なくとも一部を、線幅方 に覆い隠すことにより、以下に説明するよ に、無線ICデバイス10cの使用状況による共 周波数のばらつきをより効果的に抑制でき 。より詳細には、図8に示すように、コイル 極34bは、線幅方向において、その両端がコ ル電極24a,24d(コイル電極24dについては図8に 示せず)内に収まってはみ出さないように設 けられている。これにより、電気力線E10cは コイル電極24a,24dにより遮蔽され、無線ICデ イス10c外にはみ出すことがより効果的に抑 されるようになる。その結果、無線ICデバイ ス10cの保持状態による共振周波数のばらつき をより効果的に抑制できる。なお、コイル電 極24aとコイル電極34bとの間にも電気力線が発 生するが、第1の実施形態および第2の実施形 と同様にコイル電極24a外にはみ出しにくい め、共振周波数のばらつきを抑制すること できる。

(第4の実施形態)
 以下に、本発明の第4の実施形態に係る無線 ICデバイスについて図面を参照しながら説明 る。図9は、第4の実施形態に係る無線ICデバ イス10dの分解斜視図である。図9において、x は、無線ICデバイス10dの長辺方向であり、y は、無線ICデバイス10dの短辺方向であり、z は、無線ICデバイス10dの積層方向である。 10は、無線ICデバイス10dの接続部16近傍のzy平 面における断面構造図である。なお、図9及 図10において、図1及び図2と同じ構成につい は同じ参照符号が付してある。

 無線ICデバイス10aと無線ICデバイス10dとの 相違点は、無線ICデバイス10dでは、ビアホー 導体bでコイル電極14同士が接続される代わ にパウチング処理によりコイル電極14同士 接続される点である。以下にかかる相違点 ついて説明する。

 パウチング処理とは、絶縁シートを挟ん 対向している2つ以上の電極を接続するため の処理である。具体的には、一方の電極に対 して針又は刃を押し付けることにより、該一 方の電極及び絶縁シートを貫通する小さな孔 を形成する。この際、該一方の電極は、孔の 内周に沿って他方の電極まで到達するように 塑性変形する。その結果、絶縁シートを挟ん だ2つの電極が接続される。

 ここで、パウチング処理では、絶縁シー 12に針を貫通させる。そのため、接続対象 なっていないコイル電極14を傷つけないため に、無線ICデバイス10dでは、図9に示すように 、接続部20b,20c,20d,40c,40d,42b,42cが設けられてい る。

 より詳細には、接続部20bは、コイル電極1 4bに接続され、コイル電極14a,14c,14dとz軸方向 おいて重ならないように、コイル電極14bの 側へと延在している。接続部20cは、コイル 極14cに接続され、コイル電極14a,14b,14dとz軸 向において重ならないように、コイル電極1 4cの内側へと延在している。接続部20bと接続 20cとの端部は、z軸方向において重なってお り、パウチング処理により形成された接続部 c2により接続されている。

 また、接続部40cは、コイル電極14cに接続 れ、コイル電極14a,14b,14dとz軸方向において ならないように、コイル電極14cの内側へと 在している。接続部40dは、コイル電極14dに 続され、コイル電極14a,14b,14cとz軸方向にお て重ならないように、コイル電極14dの内側 と延在している。接続部40cと接続部40dとの 部は、z軸方向において重なっており、パウ チング処理により形成された接続部c3により 続されている。

 また、接続部16は、z軸方向の最も上側に 置する絶縁シート12a上において、無線IC18に 接続されている。接続部42b,42cはそれぞれ、z 方向から平面視したときに、接続部16と重 るように、z軸方向の最も上側及び下側に位 する絶縁シート12a,12d以外の絶縁シート12b,12 c上に設けられている。更に、接続部20dは、z 方向の最も下側に位置する絶縁シート12d上 おいて、z軸方向から平面視したときに、接 続部16と重なると共に、コイル電極14dに接続 れている。そして、接続部16,42b,42c,20dは、 10に示すように、パウチング処理により形成 された接続部c11,c12,c13により、z軸方向から平 面視したときに、同じ位置において一括して 接続されている。

 なお、無線ICデバイス10dのその他の構成 ついては、無線ICデバイス10aと同様であるの で、説明を省略する。

 以上のような無線ICデバイス10dによって 、無線ICデバイス10aと同様に、使用状況によ って共振周波数がばらつくことを低減できる 。

 更に、無線ICデバイス10dでは、接続部16,42 b,42c,20dは、z軸方向から平面視したときに、 いに重なるように設けられている。そのた 、これらを1度のパウチング処理により接続 ることが可能となる。その結果、無線ICデ イス10dの製造工程を減らすことができ、該 線ICデバイス10dの製造コストを低減すること が可能となる。

(第5の実施形態)
 以下に、本発明の第5の実施形態に係る無線 ICデバイスについて図面を参照しながら説明 る。図11(a)は、第5の実施形態に係る無線IC バイス10eの上面図である。図11(b)は、第5の 施形態に係る無線ICデバイス10eの下面図であ る。図11において、x軸は、無線ICデバイス10e 長辺方向であり、y軸は、無線ICデバイス10e 短辺方向であり、z軸は、x軸及びy軸に直交 る方向である。なお、図11において、図1と じ構成については同じ参照符号が付してあ 。

 本発明の実施形態に係る無線ICデバイス 、無線ICデバイス10a~10dにおいて説明したよ に、複数の絶縁シート12により構成されてい る必要はない。すなわち、図11に示す無線IC バイス10eに示すように、一枚の絶縁シート12 により構成されていてもよい。以下に、該無 線ICデバイス10eについて説明する。

 無線ICデバイス10eは、絶縁シート12、接続 部16,20a、無線IC18、コイル電極54a,54b、接続部5 6、及び、ビアホール導体b21,b22を備えている 絶縁シート12、接続部16,20a及び無線IC18は、 線ICデバイス10aの絶縁シート12、接続部16,20a 及び無線IC18と同じであるので説明を省略す 。

 コイル電極54aは、図11に示すように、絶 シート12のz軸方向の上側の主面上に形成さ ている。コイル電極54bは、図11に示すように 、絶縁シート12のz軸方向の下側の主面上に形 成されている。すなわち、コイル電極54a,54b 、絶縁シート12を挟むように設けられている 。そして、コイル電極54a,54bは、z軸方向から 面視したときに、互いに重なることにより つの環を構成している。

 接続部56は、コイル電極54bに接続されて り、コイル電極54bの内側へと延びている。 アホール導体b21は、コイル電極54aとコイル 極54bとを接続している。ビアホール導体b22 、接続部16と接続部56とを接続している。

 以上のような無線ICデバイス10eによって 、無線ICデバイス10aと同様に、使用状況によ って共振周波数がばらつくことを低減できる 。

(第6の実施形態)
 以下に、本発明の第6の実施形態に係る無線 ICデバイスについて図面を参照しながら説明 る。図12は、第6の実施形態に係る無線ICデ イス10fの分解斜視図である。図12において、 x軸は、無線ICデバイス10fの長辺方向であり、 y軸は、無線ICデバイス10fの短辺方向であり、 z軸は、無線ICデバイス10fの積層方向である。 図13は、無線ICデバイス10fの電磁結合モジュ ル60近傍のxz平面における断面構造図である なお、図12及び図13において、図1及び図2と じ構成については同じ参照符号が付してあ 。

 無線ICデバイス10aでは、無線IC18は、接続 16,20aに対して直接に接続されていたのに対 て、無線ICデバイス10fでは、図12に示すよう に、無線IC18は、給電回路基板70を介して、接 続部16,20aに対して接続されている。無線ICデ イス10fにおいて、無線IC18と給電回路基板70 は電磁結合モジュール60を構成している。

 より詳細には、図13に示すように、無線IC 18の下面には、接続用電極58が設けられてい 。無線IC18は、該接続用電極58を介して給電 路基板70に実装されている。給電回路基板70 、無線IC18と接続されているインダクタンス 素子を含んでおり、下面に接続用電極79a,79b 備えている。接続用電極79a,79bはそれぞれ、 続部16,20aに接続されている。

 次に、給電回路基板70の詳細について、 14を参照しながら説明する。図14は、給電回 基板70の分解斜視図である。

 給電回路基板70は、誘電体からなるセラ ックシート71A~71Hを積層、圧着、焼成したも で、シート71Aには接続用電極72a,72bと電極72c ,72dとビアホール導体73a,73bが形成され、セラ ックシート71Bにはキャパシタ電極78aと導体 ターン75a,75bとビアホール導体73c~73eが形成 れ、セラミックシート71Cにはキャパシタ電 78bとビアホール導体73d~73fが形成されている 更に、セラミックシート71Dには導体パター 76a,76bとビアホール導体73e,73f,74a,74b,74dが形 され、セラミックシート71Eには導体パター 76a,76bとビアホール導体73e,73f,74a,74c,74eが形成 され、セラミックシート71Fにはキャパシタ電 極77と導体パターン76a,76bとビアホール導体73e ,73f,74f,74gが形成され、セラミックシート71Gに は導体パターン76a,76bとビアホール導体73e,73f, 74f,74gが形成され、セラミックシート71Hには 体パターン76a,76bとビアホール導体73fが形成 れている。

 以上のセラミックシート71A~71Hを積層する ことにより、ビアホール導体74c,74d,74gで螺旋 に接続された導体パターン76aにてインダク ンス素子L1が構成され、ビアホール導体74b,7 4e,74fで螺旋状に接続された導体パターン76bに てインダクタンス素子L2が構成され、キャパ タ電極78a,78bにてキャパシタンス素子C1が構 され、キャパシタ電極78b,77にてキャパシタ ス素子C2が構成される。

 インダクタンス素子L1の一端はビアホー 導体73d、導体パターン75a、ビアホール導体73 cを介してキャパシタ電極78bに接続され、イ ダクタンス素子L2の一端はビアホール導体74a を介してキャパシタ電極77に接続される。ま 、インダクタンス素子L1,L2の他端は、セラ ックシート71H上で一つにまとめられ、ビア ール導体73e、導体パターン75b、ビアホール 体73aを介して接続用電極72aに接続されてい 。更に、キャパシタ電極78aはビアホール導 73bを介して接続用電極72bに電気的に接続さ ている。

 また、接続用電極72a~72dは、接続用電極58 介して無線IC18と接続されている。

 また、給電回路基板70の下面には外部電 79a,79bが導体ペーストの塗布などで設けられ 外部電極79aはインダクタンス素子L(L1,L2)と 界により結合し、外部電極79bはビアホール 体73fを介してキャパシタ電極78bに電気的に 続される。

 なお、この共振回路において、インダク ンス素子L1,L2は2本の導体パターン76a,76bを並 列に配置した構造としている。2本の導体パ ーン76a,76bはそれぞれ線路長が異なっており 異なる共振周波数とすることができ、無線I Cデバイスを広帯域化できる。

 なお、各セラミックシート71A~71Hは磁性体 のセラミック材料からなるシートであっても よく、給電回路基板70は従来から用いられて るシート積層法、厚膜印刷法などの多層基 の製作工程により容易に得ることができる

 また、前記セラミックシート71A~71Hを、例 えば、ポリイミドや液晶ポリマなどの誘電体 からなるフレキシブルなシートとして形成し 、該シート上に厚膜形成法などで電極や導体 を形成し、それらのシートを積層して熱圧着 などで積層体とし、インダクタンス素子L1,L2 キャパシタンス素子C1,C2を内蔵させてもよ 。

 前記給電回路基板70において、インダク ンス素子L1,L2とキャパシタンス素子C1,C2とは 面透視で異なる位置に設けられ、インダク ンス素子L1,L2により外部電極79aと磁界的に 合し、外部電極79bはキャパシタンス素子C1を 構成する一方の電極となっている。

 したがって、給電回路基板70上に前記無 IC18を搭載した電磁結合モジュール60は、図 しないリーダライタからの高周波信号をア テナコイルLで受信し、アンテナコイルLを介 して外部電極79a,79bと磁界結合している共振 路を共振させ、所定の周波数帯の受信信号 みを無線IC18に供給する。一方、この受信信 から所定のエネルギーを取り出し、このエ ルギーを駆動源として無線IC18にメモリされ ている情報を、共振回路にて所定の周波数に 整合させた後、外部電極79a,79b及びアンテナ イルLを介してリーダライタに送信、転送す 。

 給電回路基板70においては、インダクタ ス素子L1,L2とキャパシタンス素子C1,C2で構成 れた共振回路にて共振周波数特性が決定さ る。アンテナコイルLからの信号の周波数は 、共振回路の自己共振周波数によって実質的 に決まる。

 なお、無線ICデバイス10fのその他の構成 ついては、無線ICデバイス10aと同様であるの で、説明を省略する。また、給電回路基板70 、無線ICデバイス10a以外の無線ICデバイス10b ~10eに対しても適用可能である。

 以上のような無線ICデバイス10fによって 、無線ICデバイス10aと同様に、使用状況によ って共振周波数がばらつくことを低減できる 。

(その他の実施形態)
 本発明の実施形態に係る無線ICデバイスは 第1の実施形態ないし第6の実施形態において 説明した無線ICデバイス10a~10fに限らず、その 要旨の範囲内において変更可能である。

 なお、コイル電極14が1周未満の長さであ とは、実質的に1周未満の長さであることを 意味する。故に、使用状況によって無線ICデ イス10の共振周波数がばらつかない程度で コイル電極14の長さが僅かに1周を越えてい ことは許容される。

 なお、共振周波数がばらつく原因として 人の手が無線ICデバイス10に触れることを挙 げたが、共振周波数がばらつく原因はこれに 限らない。例えば、無線ICデバイス10がカー ケース等に入れて用いられる場合には、カ ドケース等が無線ICデバイス10に触れること よっても、共振周波数はばらつく。

 なお、絶縁シート12の形状は、必ずしも 方形状である必要はないが、アンテナコイ Lの内側に大きな孔や切り欠きなどが形成さ ていないことが好ましい。アンテナコイルL の内側に大きな孔や切り欠きが絶縁シート12 設けられていると、例えば、孔や切り欠き 介して、図2(b)の左側から人の手Fin3が近づ て、電気力線E10aが人の手を通過してしまう それがあるからである。

 なお、無線ICデバイス10a~10fでは、コイル 極14,24,34は、z軸方向から平面視したときに 線幅方向に一致するように設けられている しかしながら、z軸方向の下側のコイル電極 14,24,34は、z軸方向から平面視したときに、z 方向の上側のコイル電極14,24,34から少しだけ はみ出していてもよい。ただし、コイル電極 14,24,34のはみ出している量は、共振周波数に 響を及ぼさない程度である必要がある。

 特に、前記のようにコイル電極14,24,34が らして配置される場合には、図15に示す無線 ICデバイス10aのコイル電極14aの拡大図のよう 、z軸方向から平面視したときに、z軸方向 最も上側に位置しているコイル電極14aは、 イル電極14a~14dにより構成される環の通過領 内において、絶縁シート12を挟んで、コイ 電極14a~14dと離間して並んでいてはいけない 図15のように、コイル電極14が並んでいると 、コイル電極14間において、無線ICデバイス10 a外にはみ出す電気力線が発生してしまうか である。また、同様の理由により、z軸方向 ら平面視したときに、z軸方向の最も下側に 位置しているコイル電極14dは、コイル電極14a ~14dにより構成される環の内部において、絶 シート12を挟んで、コイル電極14a~14dと離間 て並んでいてはいけない。また、図15では、 無線ICデバイス10aを例にとって説明したが、 線ICデバイス10b~10fについても同様のことが える。

(無線ICデバイスの製造方法)
 本発明の一実施形態に係る無線ICデバイス 製造方法について、図面を参照しながら説 する。以下では、本発明の一実施形態に係 無線ICデバイスの一例として、無線ICデバイ 10dの製造方法について説明する。併せて、 線ICデバイス10dが適用された無線ICカード80 製造方法についても説明する。図16は、無 ICカード80の分解斜視図である。

 ガラスエポキシ基盤、ポリイミド、塩化 ニール、ポリエチレンテレフタレート(PET) PET-G、液晶ポリマー樹脂等の絶縁シート12を 備する。絶縁シート12のそれぞれに、図9に すコイル電極14を形成する。コイル電極14が 銅箔である場合には、該コイル電極14は、例 ば、エッチング処理により形成される。

 また、前記コイル電極14の形成と同時に 接続部16,20a,20b,20c,20d,40c,40d,42b,42cも、例えば エッチング処理により形成する。より詳細 は、絶縁シート12a上において、コイル電極1 4aと接続される接続部20aを形成すると共に、 続部20aから無線IC18が実装される領域だけ離 れた位置に接続部16を形成する。更に、絶縁 ート12b,12c上に、絶縁シート12a~12dが積層さ た場合において、z軸方向から平面視したと に、接続部16と重なるように、接続部42b,42c 形成する。また、絶縁シート12b,12c上には、 接続部42b,42cの形成と同時に、コイル電極14b,1 4cに接続される接続部20b、20cが形成される。 に、絶縁シート12d上において、z軸方向から 平面視したときに、接続部16と重なると共に コイル電極14dに接続される接続部20dを形成 る。絶縁シート12d上には、該接続部20dの形 と同時に、コイル電極14dに接続される接続 40dも形成される。

 なお、コイル電極14a~14d及び接続部16,20a,20 b,20c,20d,40c,40d,42b,42cは、導電性ペーストを塗 するスクリーン印刷法によっても形成可能 ある。

 次に、z軸方向から平面視したときに、複 数のコイル電極14a~14dが、重なることにより つの環を構成するように、複数の絶縁シー 12a~12dを位置合わせして積層する。このとき z軸方向から平面視したときに、接続部16,42b ,42c,20dも互いに重なっている。絶縁シート12a~ 12dの積層が完了すると、これらを加熱・圧着 する。

 次に、コイル電極14aとコイル電極14b、接 部20bと接続部20c、接続部40cと40d、及び、接 部16と接続部42bと接続部42cと接続部20dの4箇 を、パウチング処理により接続する。この 、接続部16と接続部42bと接続部42cと接続部20 dは、z軸方向から平面視したときに重なって るので、一度のパウチング処理により一括 て接続される。

 次に、絶縁シート12aの接続部16,20a上に無 IC18を実装する。具体的には、異方性導電フ ィルム(ACF)を用いたフリップチップ実装法に り、無線IC18を実装する。この際、無線IC18 接続部16,20aに接続されるように位置合わせ て仮貼りを行った後、熱圧をかけて無線IC18 本接着する。以上の工程により、無線ICデ イス10dが完成する。

 無線ICデバイス10dが完成したら、図16に示 すように、オーバーレイシート82a,82bを接着 ート84a,84bを用いて貼り付けて無線ICカード80 を作製する。より詳細には、無線ICデバイス1 0dのz軸方向の上側に接着シート84a及びオーバ ーレイシート82aを積層し、無線ICデバイス10d 下側に接着シート84b及びオーバーレイシー 82bを積層する。そして、これらを加熱・圧 する。これにより、無線ICカード80が完成す る。

 なお、前記無線ICデバイスの製造方法で 、無線ICデバイス10dの製造方法について説明 したが、無線ICデバイス10a~10cについても、略 同様の製造方法により製造可能である。ただ し、無線ICデバイス10a~10cでは、パウチング処 理ではなくビアホール導体bによりコイル電 14,24,34が接続されている。したがって、パウ チング処理が施される工程の代わりに、各絶 縁シート12に対して、ビアホール導体bを形成 する工程が行われる。ビアホール導体bは、 縁シート12に対してレーザービームが照射さ れてビアホールが形成され、該ビアホールに 導電性ペーストが充填されることにより形成 される。特に、スクリーン印刷法によりコイ ル電極14,24,34が形成される場合には、ビアホ ルに対して導電性ペーストを充填する工程 同時に、絶縁シート12に導電性ペーストを 布してコイル電極14,24,34を形成することが可 能である。

 なお、無線ICデバイス10fの製造の際には 無線IC18の代わりに、無線IC18及び給電回路基 板70からなる電磁結合モジュール60が実装さ る。

 本発明は、無線ICデバイス及びその製造 法に有用であり、特に、使用状況によって 振周波数がばらつくことを低減できる点に いて優れている。