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Patent Searching and Data


Title:
WIRELESS IC TAG AND METHOD FOR MANUFACTURING WIRELESS IC TAG
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/143043
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a wireless IC tag, which has a base material having electrical insulating characteristics, an antenna circuit arranged on a surface of the base material, and an IC chip connected to the antenna circuit. In the wireless IC tag, the antenna circuit is formed of solder, and the IC chip is connected to the antenna circuit with solder. Alternatively, provided is a wireless IC tag, which has a base material having electrical insulating characteristics, an antenna circuit arranged on a surface of the base material, an IC chip connected to the antenna circuit, and a jumper line connected to the antenna circuit. The antenna circuit is formed of solder. The jumper line is coated to be insulated, with a resin composition which vaporizes, decomposes or melts at a soldering temperature or below. Furthermore, the jumper line is arranged on the side of the base material surface whereupon the antenna circuit is arranged.

Inventors:
HONDA KENICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/058697
Publication Date:
November 27, 2008
Filing Date:
May 12, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TATEYAMA KAGAKU INDUSTRY CO LT (JP)
HONDA KENICHI (JP)
International Classes:
G06K19/077; G06K19/07; H01Q1/38; H01Q7/00
Foreign References:
JP2005108259A2005-04-21
JP2001126044A2001-05-11
JPH0722831A1995-01-24
JPS6456595A1989-03-03
JPH06282699A1994-10-07
JP2006122913A2006-05-18
JP2002298109A2002-10-11
Attorney, Agent or Firm:
JODAI, Tetsuji et al. (3-32 Higashikoraibashi,Chuo-ku, Osaka-shi, Osaka, JP)
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Claims:
 電気絶縁性の基材と、前記基材の表面に設けられたアンテナ回路と、前記アンテナ回路に接続されたICチップとを有する無線ICタグであって、前記アンテナ回路が半田により形成されており、かつ、前記ICチップが、前記アンテナ回路と半田により接続されていることを特徴とする無線ICタグ。
 前記基材が、紙製であることを特徴とする請求項1に記載の無線ICタグ。
 前記ICチップが、前記基材のアンテナ回路面側に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無線ICタグ。
 前記基材に、高誘電率材料からなるシートを貼付したことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の無線ICタグ。
 前記基材が、高誘電率材料からなる基材であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の無線ICタグ。
 電気絶縁性の基材の表面に、溶融した半田に対して濡れ性を有する材料を用いて、アンテナ回路と同一のパターンを形成した後、溶融した半田を用いて前記パターン上に前記アンテナ回路を形成することを特徴とする無線ICタグの製造方法。
 前記溶融した半田に対して濡れ性を有する材料が、半田付け可能な樹脂であることを特徴とする請求項6に記載の無線ICタグの製造方法。
 電気絶縁性の基材上に、溶融した半田に対して濡れ性を有する材料で形成されたアンテナ回路を設ける工程、
 前記アンテナ回路上に、半田および接着性熱硬化樹脂を含む半田ペーストを介してICチップを設ける工程、
 前記半田ペーストを半田成分の融点以上の温度で加熱溶融させる工程、
 前記半田成分の融点以下の温度で、前記半田ペーストの接着性熱硬化樹脂を熱硬化させることにより、前記アンテナ回路に前記ICチップを接続する工程
を有することを特徴とする無線ICタグの製造方法。
 電気絶縁性の基材と、前記基材の表面に設けられたアンテナ回路と、前記アンテナ回路に接続されたICチップおよび前記アンテナ回路に接続されたジャンパー線を有する無線ICタグであって、
 前記アンテナ回路が、半田により形成されており、
 かつ前記ジャンパー線が、半田付け温度以下の温度で、蒸発、分解あるいは融解する樹脂組成物により絶縁被覆されており、
 さらに、前記ジャンパー線が、前記アンテナ回路が設けられた基材面側に配置されていることを特徴とする無線ICタグ。
 前記基材が、紙製であることを特徴とする請求項9に記載の無線ICタグ。
 前記ジャンパー線の一端が、前記アンテナ回路の一端に接続され、他端が、前記アンテナ回路の所定の共振周波数が得られる箇所に接続されていることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の無線ICタグ。
 前記ジャンパー線が、導体上に、ポリウレタン樹脂を主体とした絶縁ワニスを焼き付けることにより、絶縁被覆されていることを特徴とする請求項9ないし請求項11のいずれかに記載の無線ICタグ。
 前記基材に、高透磁率材料からなる層が形成されていることを特徴とする請求項9ないし請求項12のいずれかに記載の無線ICタグ。
 前記基材が、高透磁率材料からなる基材であることを特徴とする請求項9ないし請求項12のいずれかに記載の無線ICタグ。
 電気絶縁性の基材上に、半田を用いてアンテナ回路を形成する工程、
 導体の周囲に半田付け温度以下の温度で、蒸発、分解あるいは融解する樹脂組成物により絶縁被覆されているジャンパー線を、前記アンテナ回路が形成された基材面側に配置する工程、
 前記ジャンパー線の加熱により、前記導体を前記アンテナ回路の所定の箇所に接続する工程、
を有することを特徴とする無線ICタグの製造方法。
Description:
無線ICタグおよび無線ICタグの製 造方法

 本発明は、無線ICタグに関する。より詳 くは、通信特性に優れたアンテナ回路を有 る無線ICタグであって、コストの低い、薄型 の無線ICタグに関する。また、簡易な構造で 望の共振周波数に調節された安価な無線IC グに関する。さらに、前記無線ICタグの製造 方法に関する。

 無線ICタグ(無線ICカードを含む。以下、 則として「ICタグ」と記す。)は、一般的に 樹脂フイルム等の絶縁性基材の表面にアン ナ回路が形成されており、前記アンテナ回 が形成された基材上にICチップが搭載されて 、前記ICチップとアンテナ回路とが接続され 構造を有している。

 ICタグは、ICチップを備えているため、記 録できる情報量が、バーコードや識別タグに 比べて桁違いに多く、新たな情報が自由に書 き込めるようにすることも可能である。特に 、平面型のICタグは、持ち運びや、物品への 付けに便利であるため、広く用いられてい 。

 そして、ICタグの更なる利用を図るため 、通信特性が優れると共に、より安価なICタ グが強く求められている。

 これらに関して、例えば、特許文献1には、 銅や銀等の金属や導電性ペーストからなる回 路パターンを有するICタグが開示されている
 また、回路パターンの形成方法について、 覆導線をコイル状に巻く方法、基材にラミ ートされた銅等の導電性金属をエッチング ることによりコイルパターンを形成する方 が開示されている。

 しかし、特許文献1の記載においては、銅 や銀等の金属は高価であり、材料費の低減を 図り難い。一方、導電性ペーストからなる回 路パターンは、蒸着やめっきにより形成され た金属薄膜製のコイルパターンに比べて導電 性が劣り、コイルパターンで消費する電力が 増加し、通信距離が短い、即ち、通信特性が 低下する。この欠点を解消するためにはコイ ルパターンの線幅を広げなければならないが 、線幅拡張に伴う材料費のアップのみならず 、新たに浮遊容量が発生するという問題が生 じる。

 また、被覆導線をコイル状に巻く方法は作 が煩雑であり、製造コストの低減を図り難 。
 そして、絶縁性を有する樹脂の表面に銅の 膜を全面形成させ、さらにエッチングを施 ことによりコイルパターンを形成する方法 、それらの作業のみならず、前処理や廃棄 の処理等の付随する作業も煩雑となり、ま 製造設備も複雑かつ大型となり、さらに使 できる基材も限定されるため、低コスト化 阻害する要因となる。
 また、銅以外にアルミニウムや銀を使用す 方法もあるが、銅を含めこれらの材料には 共通して融点が高く加工し難いという欠点 ある。
 その他、それぞれ、銅に関しては酸化を受 易いので加熱処理に適さないという欠点、 ルミニウムに関しては導電性が低いという 点、銀に関しては展延性に乏しく箔にする が困難であるという欠点がある。

 次に、従来のICタグにつき、図8を用いて説 する。図8は、従来のICタグの構造を示す概 図であり、(a)はその平面図であり、(b)は(a) A-A’における切断面の一部を示す。
 図8において、301はICタグであり、302は電気 縁性の基材である。そして、アンテナ回路 、303~306で構成されており、304および306はア ンテナ回路の末端である。また、307はICチッ であり、ICチップ307の2つの電極(図示せず) 、それぞれアンテナ回路303および305で接続 れている。基材302の一方の面に形成された ンテナ回路の2つの端部304と306から、基材の 方の面に貫通する2つのスルーホール311、312 が形成され、前記スルーホール311、312内に、 例えば半田が充填された後に、前記基材302の 他面側で、導線よりなるジャンパー線310が固 定、接続されている。また、前記半田に代え て鳩目等かしめ機能を有する導電体を用いて ジャンパー線を固定、接続する方法も採用さ れている。

 ところで、上記ICタグの共振周波数は、IC チップ307に固有の静電容量と、スルーホール 311、312を結ぶアンテナ回路303~306の長さより かれるインダクタンスとにより決定される そこで、上記ICタグの共振周波数を調整する 手段として、アンテナ回路内に、コンデンサ や抵抗を設けることにより、静電容量を追加 すること(特許文献2)や、複数のアンテナ回路 を適宜接続、あるいは切断することにより、 アンテナ回路の長さを変化させること(特許 献3)が提案されている。

 しかしながら、特許文献2においては、ア ンテナ回路内に調整用コンデンサや調整用抵 抗を設けた構造となっているため、部品点数 が増加して製造コストの上昇を招く。また、 得られるICタグの通信距離が短くなる可能性 ある。

 また、特許文献3においては、絶縁基材の 表面に電気的に接続された複数のアンテナコ イルを形成しておき、必要に応じて不要なア ンテナ回路の接続を切断することによりアン テナ回路の長さを調節するため、アンテナ回 路の構造が非常に複雑になり、製造コストの 上昇を招く。また、得られるICタグのサイズ 、大きくなる可能性がある。

 このように、従来のICタグにおいては、通 特性が優れると共に、十分に安価なICタグと はいえず、また、共振周波数を、容易かつ安 価に調整する方法がなかった。

特開2006-304184号公報

特開2001-010264号公報

特開2001-251115号公報

 本発明は、上記した従来のICタグにおけ 問題を解決することをその課題とする。即 、本発明の第1の課題は、通信特性が優れる 共に、より安価なICタグとその製造方法を 供することにある。

 また、第2の課題は、新たにコンデンサ等 を追加することのない簡単な構造であって、 アンテナ回路の長さを容易に任意の長さに調 節して、所定の共振周波数を得ることができ る安価なICタグとその製造方法を提供するこ にある。

 本発明は、以上の課題を解決することを 的としてなされたものである。以下、各請 項の発明を説明する。

 請求項1に記載の発明は、
 電気絶縁性の基材と、前記基材の表面に設 られたアンテナ回路と、前記アンテナ回路 接続されたICチップとを有する無線ICタグで あって、前記アンテナ回路が半田により形成 されており、かつ、前記ICチップが、前記ア テナ回路と半田により接続されていること 特徴とする無線ICタグである。

 請求項1の発明により、前記の第1の課題が 成される。即ち、請求項1の発明においては ICタグのアンテナ回路が、アルミニウム、 、銀に比べ安価な半田により形成されてい ため、安価なICタグを提供することができる 。
 また、半田は、従来の導電性ペーストに比 導電性に優れているため、アンテナ回路の 幅を極端に広げることなく、通信特性に優 たICタグを提供することができる。
 さらに、半田は、融点が低く加工性に優れ いるため、製造工程における自由度が高く 複雑な製造設備や大型の製造設備を用いる 要がなく、基材の選択自由度も大きく、製 コストの上昇を招くことなく、容易に、IC グを提供することができる。

 アンテナ回路の形成に用いる半田は、特 限定されるものではなく、例えば通常の鉛 錫合金の半田(融点は、約183℃)の他に、Sn-Ag -Cu系等の鉛フリー半田、銀半田等他の半田を 適用することができる。

 また、請求項1の発明においては、ICチッ とアンテナ回路とが、半田により接続され いるため、従来のように、極めて高価な異 導電性ペースト(ACP)を用いる方法(特開2006-30 4184号公報)や、超音波溶融による方法によりI Cチップとアンテナ回路とを接続する必要が い。そのため、より安価なICタグを提供する ことができる。

 前記アンテナ回路とICチップ(の電極)との接 続は、アンテナ回路を構成している半田を溶 融させ直に接続してもよいし、電極を接合し ようとする部分に接合用半田を載せ、電極を 当接させた状態で半田を加熱溶融させること によっても容易に接続することができる。
 前記接合用半田は、特に限定されないが、 ンテナ回路に損傷を生じさせないためには 各種半田の内でも特に融点の低いBi-Sn系半 等、アンテナ回路形成に用いた半田の融点 超えない融点を有する半田を用いることが ましい。

 請求項1の発明においては、アンテナ回路 の形成、アンテナ回路の電気的接続のための 処置が可能な限り基材の材質を問わない。ア ンテナ回路を融点の低い半田で形成するので 、耐熱性が十分とはいえない紙製、合成樹脂 製、ガラス製等の基材を用いることができる 。この内、前記基材にガラスを用いる場合は 、特殊フラックスや超音波半田付け法等の方 法により基材表面に直接アンテナ回路を形成 することができる。

 また、請求項1の発明においては、基材上 に直接アンテナ回路を形成するのではなく、 別の下地上に形成させたアンテナ回路を基材 上に移設してもよい。

 請求項2に記載の発明は、
 前記基材が、紙製であることを特徴とする 求項1に記載の無線ICタグである。

 請求項2の発明においては、基材として安価 な紙を使用しているので、材料コストをより 低減させることができる。
 また、紙は薄い材料を入手することが容易 ため、容易により薄いICタグとすることが きる。

 また、紙製の基材は、合成樹脂製の基材と なり、回路パターン形成において、ペース 状のパターン材料を印刷する際に、特に表 の粗面化処理を施していなくても、パター 材料が周囲へ流れ出たりしないため、正確 パターンの形成が容易であり加工性に優れ 。また、塗布されたペースト状のパターン 料は、紙の内部に染込むため、接着性も良 となる。
 さらに、樹脂に比較して紙は一般的に耐熱 が優れている。このため、基材が紙製であ ば、溶融半田を用いてアンテナ回路を形成 る際の作業がより容易となる。

 なお、ここでいう「紙製」とは、特に限定 れず、純粋な紙(セルロース、樹脂パルプ) みならず、樹脂を含浸していたり、表面に らかの加工等が施されていたりしていても い。
 また、紙製の基材の中でも、グラシン紙(パ ラフィン紙)を使用すると、半田製のアンテ 回路を正確にかつ容易に形成することがで るので好ましい。
 なお、ここでいうグラシン紙にはグラシン の表面にシリコン加工を施した平滑耐熱紙 含まれる。

 請求項3に記載の発明は、
 前記ICチップが、前記基材のアンテナ回路 側に設けられていることを特徴とする請求 1または請求項2に記載の無線ICタグである。

 請求項3に記載の発明においては、ICチッ が基材のアンテナ回路面側に設けられてい ので、より厚さの薄いICタグとすることが きる。

 請求項4に記載の発明は、
 前記基材に、高誘電率材料からなるシート 貼付したことを特徴とする請求項1ないし請 求項3のいずれかに記載の無線ICタグである。

 請求項4の発明においては、高誘電率材料 からなるシートを貼付するという簡単な構造 でICタグの薄さを確保しながら、金属体に装 した場合にも通信特性に優れたICタグとす ことができる。

 請求項5に記載の発明は、
 前記基材が、高誘電率材料からなる基材で ることを特徴とする請求項1ないし請求項3 いずれかに記載の無線ICタグである。

 請求項5の発明においては、前記の基材に 高誘電率材料からなるシートを貼付する代わ りに、基材自体を、高誘電率材料からなる基 材とするため、通信特性に優れたより薄いIC グとすることができる。

 請求項6に記載の発明は、
 電気絶縁性の基材の表面に、溶融した半田 対して濡れ性を有する材料を用いて、アン ナ回路と同一のパターンを形成した後、溶 した半田を用いて前記パターン上に前記ア テナ回路を形成することを特徴とする無線I Cタグの製造方法である。

 請求項6の発明においては、予め基材の表 面に、溶融した半田に対して濡れ性を有する 材料を用いてアンテナ回路と同一のパターン を形成しているため、基材表面にパターン通 りに半田を付着させることができ、容易にア ンテナ回路を形成することができる。

 前記溶融した半田との濡れ性を有する材 は、特に限定されないが、例えば種々の金 粒子を用いることができる。その内でも、 面を銀でコートしたニッケル粒子または銅 子が溶融半田の濡れ性が良く好ましい。

 このような金属粒子を用いる場合、金属 子でアンテナ回路と同一のパターンを形成 る方法は特に限定されない。例えば、蒸着 の方法が適用できるが、好ましくはスクリ ン印刷により接着樹脂製の塗膜を形成した 、前記金属粒子をまぶし付け、接着樹脂に 着していない金属粒子を払い落とすことに り余分の金属粒子を除去する方法が適用で る。この方法によれば金属粒子の使用量を 力少なくすることができ、かつ容易に薄い ターンを形成することができる。

 前記金属粒子からなるパターンの上に半 製のアンテナ回路を形成する方法は、例え 、耐水性のない通常の紙製の基材を用いる 合には、クリーム状態の半田を印刷で基材 面に塗布し、その後加熱溶融させて導電性 地の表面に濡れ広がらせ、他の箇所のボー 状となっている溶融した半田を窒素で吹飛 すクリーム半田リフロー法が好ましい。な 、耐水性がある紙であれば、溶融半田槽に 漬するフローディップを採用することも可 である。

 請求項7に記載の発明は、
 前記溶融した半田に対して濡れ性を有する 料が、半田付け可能な樹脂であることを特 とする請求項6に記載の無線ICタグの製造方 である。

 半田付け可能な樹脂は、基材上にスクリー 印刷等の印刷によって容易にパターンを形 することができる。このため、請求項7の発 明においては、容易に所定のパターンを有す る半田製のアンテナ回路を形成することがで きる。
 また、半田付け可能な樹脂は、基材との密 性に優れているので、アンテナ回路をより 固に基材に固定することができる。

 本発明に適用する半田付け可能な樹脂は 特に限定されるものではないが、金属粉末 樹脂バインダー及び不飽和脂肪酸を有機溶 中に含有したもの等を挙げることができる 金属粉末としては、銀粉末、銅粉末、ニッ ル粉末、アルミ粉末、銀コート銅粉末、銀 ートニッケル粉末、銀銅合金粉末などが挙 られるが、半田付け性からは、銀コートニ ケル粉末、銀コート銅粉末もしくはこれら 粉末と銀粉末との混合粉末が好ましい。

 また、前記樹脂バインダーには、エポキシ 脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリ ミド樹脂などの熱硬化性樹脂が適用できる 、塗膜特性からはエポキシ樹脂、フェノー 樹脂が好ましい。このうち熱硬化性樹脂に いては、基材への加熱の影響をできるだけ 制できるところから低温(200℃以下)硬化型 樹脂が好ましい。
 さらに、前記半田付け可能な樹脂には、オ イン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽 脂肪酸を溶解させてもよい。これらのうち 金属粉末表面の酸化防止及び出来た酸化皮 破壊を助長する点からは、オレイン酸が好 しい。

 半田付け可能な樹脂を印刷に適したペー ト状にするために用いる有機溶媒としては 熱硬化性樹脂を該ペースト中に均一に分散 せるものであれば特に限定されないが、例 ば、ブチルカルビトール、メチルカルビト ル、ソルベッソ150等の有機溶媒が挙げられ 。

 なお、半田付け可能な樹脂の前記金属粉 と樹脂の混合比は、半田との接合が可能な うに適宜決定されればよく、特に限定され い。なお、前記金属粉末を含み半田付け可 な導電性樹脂としては、市販品を使用して よい。

 請求項8の発明は、
 電気絶縁性の基材上に、溶融した半田に対 て濡れ性を有する材料で形成されたアンテ 回路を設ける工程、
 前記アンテナ回路上に、半田および接着性 硬化樹脂を含む半田ペーストを介してICチ プを設ける工程、
 前記半田ペーストを半田成分の融点以上の 度で加熱溶融させる工程、
 前記半田成分の融点以下の温度で、前記半 ペーストの接着性熱硬化樹脂を熱硬化させ ことにより、前記アンテナ回路に前記ICチ プを接続する工程
を有することを特徴とする無線ICタグの製造 法である。

 請求項8の発明においては、溶融した半田 に対して濡れ性を有する材料で形成されたア ンテナ回路上にICチップを設けるに際し、半 および接着性熱硬化樹脂を含む半田ペース を塗布した後、半田ペーストを半田成分の 点以上の温度で加熱溶融させた後に、半田 分の融点以下の温度で、半田ペーストの接 性熱硬化樹脂を熱硬化させるという極めて 便な手段で、ICチップを、アンテナ回路お び基板に強固に接着することができる。

 本発明者は、半田成分の融点以上の温度 加熱溶融させた半田ペーストにおいて、半 ペーストに含まれる接着性熱硬化性樹脂成 が未硬化の間に、溶融した半田成分がICチ プの電極部分に集まり、半田成分がリッチ 部分と接着性熱硬化性樹脂がリッチな部分 生じ、その際、ICチップがアンテナ回路の接 合部の位置に対して精度良く装着されていな くても、この現象によって適切な位置へ自己 移動することを見いだして、本請求項の発明 に至った。即ち、半田成分がリッチな部分は 、ICチップをアンテナ回路に接合させ、接着 熱硬化性樹脂がリッチな部分は、ICチップ 基材に強固に固定させ、その際ICチップを適 切な位置へ自己移動させる役割を果たす。

 なお、請求項8の発明において、接着性熱 硬化樹脂は特に限定されず、例えば前記エポ キシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、 ポリイミド樹脂などの熱硬化樹脂が適用でき る。なお、低温硬化型の樹脂を用いるとアン テナ回路や基材に損傷を与えることなく容易 に硬化させることができるので好ましい。

 また、前記半田成分の半田も特に限定さ るものではないが、アンテナ回路に損傷を じさせないためには、例えばIn-Sn系半田(融 118℃)やBi-Sn系半田(融点132℃)等の低融点の 田が好ましく、そのうちBi-Sn系半田が安価で あり特に好ましい。

 前述したように、ICチップをアンテナ回 に固定する手段として、従来は、極めて高 な異方導電性ペースト(ACP)を用いる方法や、 超音波溶融による方法が用いられ、又、ICチ プの電極及び電極間隔は非常に微細な為、I Cチップを装着する際には非常に高精度な位 決めを必要としていた。これに対して、請 項8の発明においては、安価な材料と手段を いてICチップを固定することができるため より安価にICタグを提供することができる。

 請求項9に記載の発明は、
 電気絶縁性の基材と、前記基材の表面に設 られたアンテナ回路と、前記アンテナ回路 接続されたICチップおよび前記アンテナ回 に接続されたジャンパー線を有する無線ICタ グであって、
 前記アンテナ回路が、半田により形成され おり、
 かつ前記ジャンパー線が、半田付け温度以 の温度で、蒸発、分解あるいは融解する樹 組成物により絶縁被覆されており、
 さらに、前記ジャンパー線が、前記アンテ 回路が設けられた基材面側に配置されてい ことを特徴とする無線ICタグである。

 請求項9の発明により、第2の課題が達成 れる。即ち、請求項9の発明においては、ジ ンパー線がアンテナ回路が設けられた基材 側に配置されているため、容易に、ジャン ー線をアンテナ回路上の任意の位置で接続 ることができる。そして、ジャンパー線が 脂組成物により絶縁被覆されているため、 ャンパー線の中間部において、アンテナ回 を短絡させることがない。この結果、簡易 構造で、アンテナ回路の長さを自由に調整 ることができ、所定の共振周波数を有するI Cタグを、容易かつ安価に提供することがで る。

 また、請求項9の発明によれば、アンテナ回 路が、半田により形成されているため、ジャ ンパー線の導体との接続を容易に行うことが できる。
 また、半田は、アルミニウム、銅、銀に比 安価であるため、安価なICタグを提供する とができる。さらに、半田は、融点が低く 工性に優れているため、製造工程における 由度が高く、複雑な製造設備や大型の製造 備を用いる必要がなく、基材の選択自由度 大きく、製造コストの上昇を招くことなく より安価に、ICタグを提供することができる 。

 さらに、請求項9の発明によれば、樹脂組 成物が、半田付け温度、即ち半田付けをする ときの温度以下の温度で蒸発、分解する樹脂 組成物の場合、ジャンパー線とアンテナ回路 との接続予定の箇所を、半田付け温度に加熱 するだけで、ジャンパー線の絶縁被覆が消滅 して、酸化されていない導体金属が剥き出し になると共に、アンテナ回路の半田が融解し て、剥き出しになった導体と半田とを直接接 続することができる。

 また、樹脂組成物が、半田付け温度以下 温度で融解する樹脂組成物の場合、ジャン ー線とアンテナ回路との接続予定の箇所を 半田付け温度に加熱するだけで、ジャンパ 線の絶縁被覆が除去され、酸化されていな 導体金属が剥き出しになると共に、アンテ 回路の半田が融解して、剥き出しになった 体と半田とを直接接続することができる。 お、融解された樹脂組成物は、導体金属に 着したままになり易いため、加熱と同時に 音波をかけると、ジャンパー線の絶縁被覆 よりスムーズに除去される。

 このように、ジャンパー線の導体を予め き出しにすることなく、直接ジャンパー線 アンテナ回路とを接続することができるた 、より効率的な作業ができ、安価にICタグ 提供することができる。

 このように、請求項9の発明によれば、半 田により形成されたアンテナ回路と、半田付 け温度以下の温度で、蒸発、分解あるいは融 解する樹脂組成物により絶縁被覆されたジャ ンパー線とが、同じ基材面上に配置されてい るため、アンテナ回路の長さを容易に任意の 長さに調節して、所定の共振周波数を得るこ とができるICタグを安価に提供することがで る。

 請求項9の発明において、電気絶縁性の基 材としては、アンテナ回路の形成、アンテナ 回路の電気的接続のための処置が可能な限り 基材の材質を問わない。請求項1の発明にお ては、アンテナ回路をアルミニウム、銅、 に比べ非常に融点の低い半田で形成するの 、耐熱性が十分とはいえない紙製、合成樹 製、ガラス製等の基材も用いることができ 。この内、前記基材にガラスを用いる場合 、特殊フラックスや超音波半田付け法等の 法により基材表面に直接アンテナ回路を形 することができる。

 アンテナ回路の形成に用いる半田は、特 限定されるものではなく、例えば、通常の と錫合金の半田(融点は、約183℃)の他に、Sn -Ag-Cu系等の鉛フリー半田、銀半田等を使用す ることができる。

 半田を用いたアンテナ回路の形成方法は、 に限定されるものではなく、溶融した半田 用いて、基材上に直接アンテナ回路を形成 る他に、例えば、溶融した半田に対して濡 性を有する材料を用いて、基材表面にアン ナ回路と同一のパターンを形成した後、そ 表面を溶融した半田でコートする方法等を いることができる。
 また、基材上に直接アンテナ回路を形成す のではなく、別の下地上に形成させたアン ナ回路を基材上に移設してもよい。

 ジャンパー線における導体の材質として 、通常の絶縁電線に用いられる種々の金属 用いることができ、特に限定されるもので ないが、柔軟性、導電性に優れかつ半田付 にも適する点より銅が好ましい。

 導体を被覆する樹脂組成物としては、ア テナ回路の形成に用いる半田付け温度以下 温度で、蒸発、分解あるいは融解する樹脂 成物を用いる。具体的には、例えば、ポリ チレン等のポリオレフィン樹脂や、ポリウ タン樹脂等の熱可塑性樹脂を挙げることが きる。

 絶縁被覆厚さは、特に限定されるもので ないが、ICタグの肉厚および被覆線の柔軟 を確保する点からは、薄い方が好ましい。

 請求項10に記載の発明は、
 前記基材が、紙製であることを特徴とする 求項9に記載の無線ICタグである。

 請求項10の発明においては、基材として 価な紙を使用しているため、材料コストを り低減させることができる。また、紙は、 い材料を入手することが容易なため、容易 より薄いICタグとすることができる。

 また、紙製の基材は、合成樹脂製の基材と なり、回路パターン形成において、ペース 状のパターン材料を印刷する際に、特に表 の粗面化処理を施していなくても、パター 材料が周囲へ流れ出たりしないため、正確 パターンの形成が容易であり加工性に優れ 。また、塗布されたペースト状のパターン 料は、紙の内部に染込むため、接着性も良 となる。
 さらに、樹脂に比較して紙は一般的に耐熱 が優れている。このため、基材が紙製であ ば、溶融半田を用いてアンテナ回路を形成 る際の作業がより容易となる。

 なお、ここでいう「紙製」とは、特に限定 れず、純粋な紙(セルロース、樹脂パルプ) みならず、樹脂を含浸していたり、表面に らかの加工等が施されていたりしていても い。
 また、紙製の基材の中でも、グラシン紙(パ ラフィン紙)を使用すると、耐熱性及び平滑 の観点から、半田製のアンテナ回路を容易 形成することができるので好ましい。
 なお、ここでいうグラシン紙にはグラシン の表面にシリコン加工を施した平滑耐熱紙 含まれる。

 請求項11に記載の発明は、
 前記ジャンパー線の一端が、前記アンテナ 路の一端に接続され、他端が、前記アンテ 回路の所定の共振周波数が得られる箇所に 続されていることを特徴とする請求項9また は請求項10に記載の無線ICタグである。

 請求項11の発明においては、ジャンパー の一端がアンテナ回路の一端に接続され、 端がアンテナ回路の所定の共振周波数が得 れる箇所に接続された構造であるため、簡 な手段で、広い共振周波数にわたって所定 共振周波数を得ることができ、容易にかつ 価にICタグを提供することができる。

 請求項12に記載の発明は、
 前記ジャンパー線が、導体上に、ポリウレ ン樹脂を主体とした絶縁ワニスを焼き付け ことにより、絶縁被覆されていることを特 とする請求項9ないし請求項11のいずれかに 載の無線ICタグである。

 請求項12の発明においては、ジャンパー として、導体上にポリウレタン樹脂を主体 した絶縁ワニスを焼き付けたジャンパー線 特定している。これは、ポリウレタン樹脂 主体とした絶縁ワニスを焼き付けたジャン ー線が、一般的に、マグネットワイヤーやUE Wとして従来より使用されて実績があること また入手し易いことによる。

 請求項13に記載の発明は、
 前記基材に、高透磁率材料からなる層が形 されていることを特徴とする請求項9ないし 請求項12のいずれかに記載の無線ICタグであ 。

 請求項13の発明においては、基材に高透 率材料からなる層が形成されているという 単な構造でICタグの薄さを確保しながら、金 属体に装着した場合にも通信特性に優れたIC グとすることができる。

 高透磁率材料からなる層を形成する方法 しては、例えば、高透磁率フェライトシー を基材に貼付する方法、高透磁率材料から るペースト(インク)を印刷する方法、高透 率材料をめっきコーティングする方法等を げることができる。

 なお、高透磁率材料からなる層がアンテ 回路形成面と反対側の面に形成されている 合には、層の形成後であっても、必要に応 てジャンパー線のアンテナ回路との接続位 を修正して、共振周波数を正確に所望の値 設定することができる。

 請求項14に記載の発明は、
 前記基材が、高透磁率材料からなる基材で ることを特徴とする請求項9ないし請求項12 いずれかに記載の無線ICタグである。

 請求項14の発明においては、前記の基材 高透磁率材料からなる層を形成する代わり 、基材自体を、高透磁率材料からなる基材 するため、通信特性に優れたより薄いICタグ とすることができる。

 請求項15に記載の発明は、
 電気絶縁性の基材上に、半田を用いてアン ナ回路を形成する工程、
 導体の周囲に半田付け温度以下の温度で、 発、分解あるいは融解する樹脂組成物によ 絶縁被覆されているジャンパー線を、前記 ンテナ回路が形成された基材面側に配置す 工程、
 前記ジャンパー線の加熱により、前記導体 前記アンテナ回路の所定の箇所に接続する 程、
を有することを特徴とする無線ICタグの製造 法である。

 請求項15の発明は、請求項9の発明を、製 方法の面より捉えたものである。

 本発明によれば、通信特性が優れると共 、より安価なICタグおよびその製造方法を 供することができる。

 また、本発明により、新たにコンデンサ を追加することのない簡単な構造であって アンテナ回路の長さを容易に任意の長さに 節して、所定の共振周波数を得ることがで る安価なICタグおよびその製造方法を提供 ることができる。

本発明の第1の実施の形態にかかるICタ の概念図である。 本発明の第1の実施の形態にかかるアン テナ回路のパターンを示す図である。 本発明におけるICチップの搭載の様子 概念的に示す図である。 本発明の第2の実施の形態にかかるアン テナ回路のパターンを示す図である。 本発明の第3の実施の形態にかかるアン テナ回路のパターンを示す図である。 本発明の第4の実施の形態にかかるICタ の概念図である。 本発明の第4の実施の形態にかかるICタ のジャンパー位置調整後の概念図である。 従来のICタグの構造を示す概念図であ 。

符号の説明

1、301        ICタグ
2、302        基材
3、5、303、305  アンテナ回路
4、6、304、306  アンテナ回路の末端
7、307        ICチップ
8、310        ジャンパー線
11           半田ペースト
12、13        電極
14           半田リッチな部分
15           接着性熱硬化樹脂成分リッ チな部分
311、312      スルーホール

 以下、本発明をその最良の実施の形態に づいて説明する。なお、本発明は、以下の 施の形態に限定されるものではない。本発 と同一および均等の範囲内において、以下 実施の形態に対して種々の変更を加えるこ が可能である。

 (第1の実施の形態)
 (ICタグの構成)
 以下図面に基づいて本実施の形態を説明す 。図1は本実施の形態にかかるICタグの概念 である。
 図1において、1はICタグであり、2は基材(リ テック社製グラシン紙)である。そして、ア ンテナ回路は、3~6で構成されており、4およ 6はアンテナ回路の両末端部である。また、7 はICチップ(PHILIPS社製、I-CODE SLI)であり、ICチ ップ7の2つの電極(図示せず)は、それぞれア テナ回路3および5で接続されている。アンテ ナ回路の末端4および6は、ジャンパー線(直径 0.05mmポリウレタン被覆線、皮膜厚さ5μm以上 理研電線社製)8によって接続されている。
 そして、最終的に、図1に示すICタグを、市 のラミネート装置(110℃設定)を用い、表面 PETフィルム(市販品:図示せず)でラミネート ることにより、製品としてのICタグが完成す る。
 以下に、図2~3を用いて、より詳しく説明す 。

 (アンテナ回路の形成)
 図2は、図1に示したICタグにおけるアンテナ 回路のパターンを示す図である。
 アンテナ回路3および5は、Sn-Ag-Cu系半田(Sn-3. 5Ag-0.5Cu)で形成されている。アンテナ回路3お び5は、以下の手順で形成される。
 静電気を利用してグラシン紙(グラシンF133kg )を固定し、基材とする。その上に、図2に示 パターンを、半田付け可能な樹脂(A-5050、日 本ペイント社製)を用いて、スクリーン印刷( 刷条件:ST325mesh+乳剤厚み10μm)した後、160℃ て30分間加熱し樹脂を硬化させた。なお、パ ターンは、ライン幅が0.75mm、およびライン間 隔が0.25mmとなるように調節した。

 得られたパターン上に、φ0.6mmのフラックス 含有糸半田(Sn-Ag-Cu系)を、半田こてを使用し コートした(設定温度:325℃)。パターン以外 場所に載った半田を除去した後、ジャンパ 線の両端をそれぞれアンテナ回路3および5の 末端4および6に半田付けした。
 その後、フラックス洗浄し、乾燥させて、 ンテナ回路3および5を形成した。

 (ICチップの搭載)
 次いで、ICチップ7を搭載した。図3は、ICチ プ7を基材2の上に搭載する様子を概念的に す図であり、順に(a)から(c)へと進む。図3(a) 示すように、アンテナ回路3および5の間に デイスペンサーを用いて半田および接着性 硬化性樹脂を含む半田ペースト(TYCAP-5401-11、 タムラ化成社製、Sn-Bi系半田ペースト)11を所 量塗布する。その後、図3(b)に示すように、 ICチップ7の2つの電極12、13がそれぞれアンテ 回路3および5に当接するよう基板の上に仮 せする。

 160℃で10秒間加熱して、半田ペーストに まれる半田成分を溶融させる。その後、温 を130℃に下げ30分間保持して接着性熱硬化性 樹脂を熱硬化させる。

 このとき、接着性熱硬化性樹脂成分が未 化の間に、溶融した半田成分が、半田成分 対して濡れ性の良い電極12、13および半田層 からなるアンテナ回路3、5の表面近傍に集ま 、半田リッチな部分14が生成する。一方、 極12と電極13の中間には、接着性熱硬化性樹 成分リッチな部分15が生成する。

 この時、ICチップの仮載せは手置きで行 たため、所定の位置に対して精度良い位置 は装着されていない状態であったにも関わ ず、半田リッチな部分14、および接着性熱硬 化性樹脂成分リッチな部分15が生成する事に って発生する力のバランスが、ICチップを 切な位置へ自己移動することが確認された

 この状態で半田ペースト11が固化して、 極12、13とアンテナ回路3、5は、半田リッチ 部分14によって接合される。このとき、アン テナ回路3とアンテナ回路5は、短絡すること なく、また、ICチップ7の本体は、接着性熱 化性樹脂成分リッチな部分15によって、基 2と強固に接着されていた。

 (ICタグの動作確認)
 次いで、作製したICタグについて動作確認 行った。具体的には、インピーダンスの測 の他に、リーダーライター(ウエルキャット 製、EFG-310-01)を用いた通信距離の測定、Dip ータ(三田無線研究所社製、DMC-230S2)を用いた 表面ラミネート前後の共振周波数の測定を行 った。

 (動作確認結果)
 第1の実施の形態におけるICタグの動作確認 果は以下の通りであった。
  (イ)インピーダンス:13~15ω
  (ロ)共振周波数(ラミネート前):14.20~14.30MHz
     共振周波数(ラミネート後):13.90~14.10MHz
  (ハ)通信距離(ラミネート後、空中):60~65mm

 (第2の実施の形態)
 (ICタグの構成)
 基材にグラシン紙(グラシンW87.5kg)を用い、 ンテナ回路パターンとして、図4に示す2個 りパターンのうちの1個を用いた以外は、第1 の実施の形態と同様にして、ICタグを作製し 動作確認を行った。

 (動作確認結果)
 第2の実施の形態におけるICタグの動作確認 果は以下の通りであった。
  (イ)インピーダンス:12~17ω
  (ロ)共振周波数(ラミネート前):13.80~13.90MHz
     共振周波数(ラミネート後):13.40~13.60MHz
  (ハ)通信距離(ラミネート後、空中):40~45mm

 (第3の実施の形態)
 アンテナ回路パターンを図5に示すパターン とした以外は、第1の実施の形態と同様にし 、ICタグを作製し、動作確認を行った。

 (動作確認結果)
 第3の実施の形態におけるICタグの動作確認 果は以下の通りであった。
  (イ)インピーダンス:14~16ω
  (ロ)共振周波数(ラミネート前):14.50~14.60MHz
     共振周波数(ラミネート後):14.10~14.30MHz
  (ハ)通信距離(ラミネート後、空中):35~40mm

 上記の動作確認結果より、第1の実施の形 態~第3の実施の形態にかかるICタグは、アン ナ回路の形成およびICチップとアンテナ回路 との接続が良好であり、充分に小さいインピ ーダンスが達成され、通信距離において良好 な特性が得られた。また、ICチップが基材に 固に固定されていることが確認できた。

 (高誘電率材料のシートを貼付したICタグの 製)
 ただし、第1の実施の形態~第3の実施の形態 かかるICタグを、金属体上に実装したとこ 通信が極めて困難であることが分かった。 こで、ICタグの裏面(アンテナ回路形成面と 対側の面)に高誘電率材料製のシート(厚さ150 μm、初誘磁率30のフェライトシート)を貼付し て、動作確認を行ったところ、金属体上に実 装した場合にも動作可能なICタグとすること できた。

 (第4の実施の形態)
 (ICタグの構成)
 図6は本実施の形態に係るICタグの概念図で る。
 図6において、1はICタグであり、2は基材(リ テック社製、グラシン紙)である。そして、 アンテナ回路は、3、5で構成されており、4お よび6は両方のアンテナ回路の末端である。 た、7はICチップ(PHILIPS社製、I-CODE SLI)であり 、ICチップ7の2つの電極(図示せず)は、それぞ れアンテナ回路3および5に接続されている。 ンテナ回路の末端4および6は、ジャンパー (直径0.05mmポリウレタン被覆線、皮膜厚さ5μm 以上、理研電線社製)8によって接続されてい 。

 (アンテナ回路の形成)
 アンテナ回路3、5は、Sn-Ag-Cu系半田(Sn-3.5Ag-0. 5Cu)で形成され、以下の手順で形成した。
 静電気を利用してグラシン紙(グラシンF133kg )を固定し、基材とした。その上に、図6に示 パターン(縦34.0mm、横41.0mm)を、半田付け可 な樹脂(A-5050、日本ペイント社製)を用いて、 スクリーン印刷(印刷条件:ST325mesh+乳剤厚み10 m)した後、160℃にて30分間加熱し樹脂を硬化 せた。なお、パターンは、ライン幅が0.75mm およびライン間隔が0.25mmとなるように調節 た。

 得られたパターン上に、φ0.6mmのフラックス 含有糸半田(Sn-Ag-Cu系)を、半田こてを使用し コートした(設定温度:325℃)。パターン以外 場所に載った半田を除去した後、前記半田 てにて、ジャンパー線8の両端をそれぞれア テナ回路3および5の末端4および6に手半田付 けして、圧着した。
 その後、フラックス洗浄し、乾燥させて、 ンテナ回路3および5を形成した。

 (ICチップの搭載)
 次いで、ICチップ7を搭載した。手順を以下 説明する。
 アンテナ回路3および5の間に、デイスペン ーを用いて半田および接着性熱硬化性樹脂 含む半田ペースト(TYCAP-5401-11、タムラ化成社 製、Sn-Bi系半田ペースト)を所定量塗布した。 その後、ICチップ7の2つの電極がそれぞれア テナ回路3および5に当接するよう基板の上に 仮載せした。

 160℃で10秒間加熱して、半田ペーストに含 れる半田成分を溶融させた。その後、温度 130℃に下げ30分間保持して接着性熱硬化性樹 脂を熱硬化させた。
 このとき、接着性熱硬化性樹脂が未硬化の に、溶融した半田成分が、半田成分に対し 濡れ性の良いICチップ7の2つの電極および半 田製のアンテナ回路3、5の表面近傍に集まり 半田リッチな部分が生成し、一方ICチップ7 2つの電極の中間には接着性熱硬化性樹脂成 分リッチな部分が生成した。そして、接着性 熱硬化性樹脂を硬化させた後では、ICチップ7 の電極とアンテナ回路3、5は半田によって接 され、かつICチップ7は、接着性熱硬化性樹 によって基材2に接着された。

 (ICタグの動作確認)
 次いで作製したICタグについて動作確認を った。具体的には、インピーダンスの測定 他に、リーダーライター(ウエルキャット社 、EFG-310-01)を用いた通信距離の測定、デジ ルディップメーター(三田無線研究所社製、D MC-230S2)を用いた空中での共振周波数の測定を 行った。

 (動作確認結果)
 得られたICタグのインピーダンス、空中で 共振周波数およびICタグを空中に置いた場合 と金属をベースとする物体上(以下金属上と 載する)に装着した場合の通信距離を測定し 。
 得られたICタグの動作確認結果は以下の通 であった。
  (イ)インピーダンス:14~16ω
  (ロ)空中での共振周波数:14.5MHz
  (ハ)通信距離:空中:30mm
          金属上:0mm
 上記のように、空中での共振周波数は所望 13.56MHzに比べて高かったが、空中において 、良好な通信距離を確保できた。しかし、 信が一般的に困難とされる金属上に装着し 場合には適切な通信距離が得られなかった

 (第5の実施の形態)
 (高透磁率材料のシートを貼付したICタグの 製)
 上記結果の通り、第4の実施の形態で得られ たICタグは、金属上では、適切な通信距離が られなかった。そして、後述するフェライ シートと同じ厚さの紙を、金属上に敷き、 の上にICタグを配置しても、通信距離を向 させることができなかった。
 そこで、第4の実施の形態で得られたICタグ 裏面(アンテナ回路形成面と反対側の面)に 透磁率材料製のシート(厚さ150μm、初透磁率1 00のフェライトシート)を貼付して、動作確認 を行った。

 (動作確認結果)
 動作確認結果は以下の通りであった。
  (イ)空中での共振周波数:12.8MHz
  (ロ)通信距離:空中:20mm
          金属上:10mm
 裏面にフェライトシートが添付されている いう簡易な構造で金属上に装着させた場合 も通信可能なICタグとすることが確認でき 。ただし、フェライトシートを貼付したこ により、空中での共振周波数が所望の13.56MHz に比べて低くなったため、空中での通信距離 が第4の実施の形態の30mmに比べて低下した。

 (第6の実施の形態)
 本実施の形態は、第5の実施の形態の改良で ある。
 (ジャンパー位置を調整したICタグの作製)
 第5の実施の形態において、フェライトシー ト貼付状態での空中での共振周波数を所望の 13.56MHzに近づける為に、図7に示すように、ジ ャンパー線のアンテナ回路との外周接続部が 、外周1巻分内側になるよう、手半田付けし 、圧着した。その後、フェライトシートを 付し、動作確認を行った。

 (動作確認結果)
 動作確認結果は以下の通りであった。
  (イ)空中での共振周波数(フェライトシー 貼付前):15.4MHz
     空中での共振周波数(フェライトシー 貼付後):13.7MHz
  (ロ)通信距離:空中:35mm
          金属上:20mm

 上記結果に示すように、第6の実施の形態 においてはフェライトシート貼付後の共振周 波数を所望の値に近づけることができた。こ のため、上記したように第2の実施の形態で20 mmに低下した空中での通信距離を35mmにまで回 復させることができた。また、金属上の通信 距離を20mmと第5の実施の形態の2倍に向上させ ることができた。本実施の形態においては、 このようにアンテナ回路をパターン変更して 再度最初から作成することなく、容易に共振 周波数を調節することができ、通信距離を向 上させることができることが確認された。

 なお、図7に示した例ではジャンパー線8 一方(外側)の先端を切除して、ジャンパー線 8のアンテナ回路3との外周接続部を外周1巻分 内側に移動させたが、ジャンパー線8の一方 先端を切除せずに、半田こてをジャンパー の外周1巻分内側に押し当てて、新たにジャ パー線8とアンテナ回路3とを接続すること よっても、同様の共振周波数の調整結果を ることができた。

 以上記載したように、本発明に係るICタ は、簡易な構造を有し、容易かつ安価に共 周波数を調節することができるICタグである ことが確認できた。