Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
WOBBLE PLATE TYPE VARIABLE DISPLACEMENT COMPRESSOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/084395
Kind Code:
A1
Abstract:
A compressor in which pistons are reciprocated via a wobble plate wobbled while being prevented from rotating. A wobble plate rotation prevention mechanism is constructed from an inner ring axially movable relative to a main shaft, an outer ring connected to the wobble plate, balls placed between guide grooves of the inner and outer rings and performing power transmission, and a sleeve axially movably engaged with the inner ring, mounted so as to be axially movable together with the inner ring, and functioning as a center member for wobbling of the wobble plate. The axial cross-sectional profile of a substantially concave spherical surface formed in the inner periphery of the outer ring and the axial cross-sectional profile of a substantially convex spherical surface formed on the outer periphery of the sleeve have different shapes such that the closer to the axial opposite ends of the contact portion between both the surfaces, the greater the clearance between the surfaces. Seizure and abrasion in sliding sections occurring in the wobble plate rotation prevention mechanism using a specific constant velocity universal joint is minimized, and the compressor is highly durable and quiet in operation.

Inventors:
TAGAMI SHINJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/072473
Publication Date:
July 09, 2009
Filing Date:
December 11, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
SANDEN CORP (JP)
TAGAMI SHINJI (JP)
International Classes:
F04B27/08
Foreign References:
US5509346A1996-04-23
JP2004027847A2004-01-29
US5112197A1992-05-12
JP2002332961A2002-11-22
JP2008138637A2008-06-19
US5112197A1992-05-12
US5509346A1996-04-23
US5129752A1992-07-14
JP2006200405A2006-08-03
JP2006327988A2006-12-07
Other References:
See also references of EP 2236826A4
Attorney, Agent or Firm:
BAN, Toshimitsu (Shinko Bldg.1-9, Nishishinjuku 8-chome,Shinjuku-k, Tokyo 23, JP)
Download PDF:
Claims:
 シリンダボア内に往復動可能に挿入されたピストンと、回転主軸とともに回転され該主軸に対し変角可能に支持された斜板と、前記ピストンに連結され前記斜板の回転運動が自身の揺動運動へと変換され該揺動運動を前記ピストンに伝達してピストンを往復動させる揺動板と、該揺動板の回転阻止機構とを備えた揺動板式可変容量圧縮機において、
 前記回転阻止機構を、(a)ハウジング内に回転は阻止されるが軸方向に移動可能に設けられ、内径部において軸受を介して前記回転主軸を相対回転および軸方向に相対移動可能に支持するとともに、動力伝達用に設けられた複数のボールをガイドするための複数のガイド溝を有する内輪と、(b)前記揺動板の揺動運動の揺動中心部材として機能し、前記回転主軸上に該回転主軸に対し相対回転および軸方向に移動可能に設けられ、前記内輪に該内輪とともに軸方向に移動可能に係合されたスリーブと、(c)前記内輪の各ガイド溝に対向する位置に前記ボールをガイドするための複数のガイド溝を有し、前記スリーブに揺動可能に支持され、外周に前記揺動板が固定連結された外輪と、(d)前記内輪および外輪に形成された互いに対向するガイド溝によって保持され、該ガイド溝間で圧縮されることにより動力伝達を行う複数のボールと、を有する機構から構成するとともに、
 前記回転阻止機構における前記遥動板を遥動可能に連結するための遥動部材として機能する前記外輪の内周に形成された略凹球面と、遥動中心部材として機能する前記スリーブの外周に形成された略凸球面との間に、軸方向断面プロファイルにて相対的な形状差を設け、前記略凹球面と略凸球面との接触部の軸方向両端部にいくにしたがって両面間のクリアランスが大きくなるように前記形状差を設定したことを特徴とする揺動板式可変容量圧縮機。
 前記接触部の軸方向両端部におけるクリアランスが20ミクロン以上となるように前記形状差が設定されている、請求項1に記載の揺動板式可変容量圧縮機。
 前記外輪の内周に形成された略凹球面の軸方向断面プロファイルが、円の一部である円弧として形成された軸方向中央部の主円形形状部と、該主円形形状部の軸方向両端部に設けられ主円形形状部に対して接線となる直線形状部とから形成されている、請求項1に記載の揺動板式可変容量圧縮機。
 前記外輪の内周に形成された略凹球面の軸方向断面プロファイルと前記スリーブの外周に形成された略凸球面の軸方向断面プロファイルがともに円の一部である円弧として形成され、外輪側断面プロファイルの円弧の曲率半径がスリーブ側断面プロファイルの円弧の曲率半径よりも大きく設定されているとともに、外輪側断面プロファイルの円弧の曲率中心がスリーブ側断面プロファイルの円弧の曲率中心に対しオフセットされている、請求項1に記載の揺動板式可変容量圧縮機。
 前記外輪の内周に形成された略凹球面の軸方向断面プロファイルが、円の一部である円弧として形成された軸方向中央部の主円形形状部と、該主円形形状部の軸方向両端部に接続されて主円形形状部に対して接円となり、かつ、その接円の曲率半径が主円形形状部の曲率半径より大きくなる接円部とから形成されている、請求項1に記載の揺動板式可変容量圧縮機。
 前記外輪が前記揺動板と一体に形成されている、請求項1に記載の揺動板式可変容量圧縮機。
 前記回転阻止機構の内輪および外輪の互いに対向するガイド溝が、回転主軸の中心軸に対して30~60度の相対角度をもって形成され、かつ一つのボールガイドを構成する、互いに対向するガイド溝が、内輪の軸と外輪の軸との相対角度がゼロの状態にて主軸に垂直でかつ揺動板の揺動中心を通る平面に対し対称形態になるように配置されている、請求項1に記載の揺動板式可変容量圧縮機。
 前記回転阻止機構の複数のボールガイドのうち、隣り合った2つのボールガイドを一対とし、該一対のボールガイドが互いに平行に配置されている、請求項7に記載の揺動板式可変容量圧縮機。
 前記互いに平行に配置された一対のボールガイドが、回転主軸の中心軸を含む平面に対して対称に配置されている、請求項8に記載の揺動板式可変容量圧縮機。
 前記互いに平行に配置された一対のボールガイドのうち一方のボールガイドを形成するガイド溝が、その軸が回転主軸の中心軸を含む平面上に位置するように配置されている、請求項8に記載の揺動板式可変容量圧縮機。
 前記回転阻止機構の複数のボールガイドのうち、回転主軸を間に回転主軸に対しておおよそ対称に配置された2つのボールガイドを一対とし、該一対のボールガイドが互いに平行に配置されている、請求項7に記載の揺動板式可変容量圧縮機。
 前記互いに平行に配置された一対のボールガイドが、それらボールガイドを形成するガイド溝の軸が回転主軸の中心軸を含む平面上に位置するように配置されている、請求項11に記載の揺動板式可変容量圧縮機。
 車両空調装置用圧縮機からなる、請求項1に記載の揺動板式可変容量圧縮機。
Description:
揺動板式可変容量圧縮機

 本発明は、揺動板式可変容量圧縮機に関 、とくに、新規な揺動板の回転阻止機構を み込んだ揺動板式可変容量圧縮機に関する

 例えば車両空調装置の冷凍回路に設けら る圧縮機として、回転主軸とともに回転さ 主軸に対し変角可能に支持された斜板の回 運動を揺動板の揺動運動に変換し、該揺動 動を、揺動板に連結されたピストンに伝達 てピストンを往復動させるようにした揺動 式可変容量圧縮機が知られている。この揺 板式可変容量圧縮機においては、ピストン 連結された揺動板の回転は阻止される必要 あるので、そのための揺動板の回転阻止機 が組み込まれる。揺動板の回転阻止機構に しては、小型化や耐久性の向上、静粛性の 上、加工の容易化、コストダウン等を目指 て様々な改善が試みられている。

 例えば、特許文献1、3、4には、揺動板回 阻止機構としてバーフィールドタイプの等 ジョイントを設けた構造が記載されている 、この構造では、揺動部品および斜板は、 動板回転阻止機構として設置されたバーフ ールドタイプ等速ジョイントの外輪に支持 れ、等速ジョイント内部部品のケージ(動力 伝達を行う複数のボールの位置を規制するケ ージ)、さらに等速ジョイントの内輪を介し 最終的に主軸に支持されているため、介在 る部品の数が多く累積ガタが大きくなって 振動、騒音、耐久性の面で不十分であると う問題がある。

 また、特許文献1、3、4に記載されるバー ィールドタイプ等速ジョイント機構は、理 的には複数のボールで内外輪間の回転動力 達を行う構造であるが、現実的には過重拘 であり、複数のボールの均等で連続的な接 を得ることは難しく、特定のボールの接触 力が上がってしまう。また、内外輪間の回 動力伝達は、ケージを挟んでそれぞれ内外 に形成されたボールガイド溝により、ボー のせん断方向に行われるため、動力伝達方 に対してボールとガイド溝との接触面が大 な傾きを持つことになる。このため、所定 動力の伝達を行う際に、垂直抗力として発 する接触荷重が高くなる。したがって、十 な伝達能力を確保するにはボールサイズ(ボ ール径)を十分に大きくとる必要があり、こ らの理由より、更なる小型化は難しく、小 量圧縮機には適用が難しい。

 また、特許文献2、3、4に記載される内部 構における圧縮機の回転主軸の支持は、主 構部に対して片側に設けられているため(片 持ち支持されているため)、主軸の振れ回り 大きくなり、耐久性、振動、騒音面で不利 ある。

 また、特許文献3、4に記載される圧縮機 では、等速ジョイントの内輪を回転阻止し 状態で摺動により軸方向に移動可能に支持 るため、ハウジングに設置された主軸の剛 を十分に確保するためには主軸を太くする 要があり、主軸の重量が大きくなって製品 量の増加につながるという問題がある。

 また、特許文献3、4に記載される等速ジ イント機構は、動力伝達として作用する複 のボールの位置を規制するための溝の加工 複雑であり、コスト的に不利であるという 題もある。

 さらに、特許文献2に記載される圧縮機構で は、主機構部の主軸による径方向の支持が無 く、揺動部の径方向の遊びが大きくなりやす く、この遊びによって耐久性、振動、騒音面 で問題となるおそれがある。

米国特許第5112197号公報

米国特許第5509346号公報

米国特許第5129752号公報

特開2006-200405号公報

 上記のような従来技術における問題点に 目し、先に本出願人により、揺動板回転阻 機構として設置される等速ジョイントの内 の径方向および回転方向のガタを小さく抑 ながら、動力伝達用として作用する複数の ールの均等で連続的な接触を実現すること 可能とした、小型で、良好な耐久性、静粛 を有し、かつ加工が容易で安価な等速ジョ ントを用いた揺動板式可変容量圧縮機が提 されている(特願2006-327988号)。

 この提案では、揺動板の回転阻止機構と て、(a)ハウジング内に回転は阻止されるが 方向に移動可能に設けられ、内径部におい 軸受を介して回転主軸を相対回転および軸 向に相対移動可能に支持するとともに、動 伝達用に設けられた複数のボールをガイド るための複数のガイド溝を有する内輪と、( b)揺動板の揺動運動の揺動中心部材として機 し、回転主軸上に回転主軸に対し相対回転 よび軸方向に移動可能に設けられ、前記内 に該内輪とともに軸方向に移動可能に係合 れたスリーブと、(c)前記内輪の各ガイド溝 対向する位置に前記ボールをガイドするた の複数のガイド溝を有し、前記スリーブに 動可能に支持され、外周に揺動板を固定支 し、かつ、斜板を軸受を介して回転可能に 持する外輪と、(d)前記内輪および外輪に形 された互いに対向するガイド溝によって保 され、該ガイド溝間で圧縮されることによ 動力伝達を行う複数のボールと、を有する 構が提供されている。

 この提案により、揺動板式可変容量圧縮 の小型化、耐久性、静粛性の向上、加工性 向上、コストダウン等が可能になったが、 の提案機構にも、さらに改善されるべき余 が残されている。すなわち、回転主軸上に 動板の遥動中心の支持用として設置される リーブと、そのスリーブに遥動可能に組み けられる回転阻止機構の外輪との間の嵌合 (実質的に同一形状の円弧面同士の嵌合部) 、圧縮反力の径方向分力、および回転主軸 ともに回転されるロータ側に設置されたア ム等の接触により伝達される回転トルクの 達の反力を受けつつ、揺動板の遥動運動に う摺動が発生している。したがって、この 動部分は優れた耐久性、静粛性を維持する めに十分に潤滑されることが好ましいが、 の摺動部分が回転部品の中心部に位置する め、十分な潤滑を安定して得ることが難し 。さらに、スリーブ外周の球面と、遥動部 としての外輪内周に形成される球面との接 は、実質的に同一形状の、部分的な球面同 での接触となり、各接触面端部には部分的 過大面圧が発生するおそれがある。これら より、この摺動部分には焼きつきや摩耗が 生するおそれが残されている。

 そこで本発明の課題は、先に本出願人に り提案した、特有の等速ジョイント機構を いた新しい揺動板回転阻止機構における残 れた問題点に着目し、該回転阻止機構の上 摺動部分の焼きつきや摩耗を抑え、さらに れた耐久性、静粛性を有する揺動板式可変 量圧縮機を提供することにある。

 上記課題を解決するために、本発明に係る 動板式可変容量圧縮機は、シリンダボア内 往復動可能に挿入されたピストンと、回転 軸とともに回転され該主軸に対し変角可能 支持された斜板と、前記ピストンに連結さ 前記斜板の回転運動が自身の揺動運動へと 換され該揺動運動を前記ピストンに伝達し ピストンを往復動させる揺動板と、該揺動 の回転阻止機構とを備えた揺動板式可変容 圧縮機において、
 前記回転阻止機構を、(a)ハウジング内に回 は阻止されるが軸方向に移動可能に設けら 、内径部において軸受を介して前記回転主 を相対回転および軸方向に相対移動可能に 持するとともに、動力伝達用に設けられた 数のボールをガイドするための複数のガイ 溝を有する内輪と、(b)前記揺動板の揺動運 の揺動中心部材として機能し、前記回転主 上に該回転主軸に対し相対回転および軸方 に移動可能に設けられ、前記内輪に該内輪 ともに軸方向に移動可能に係合されたスリ ブと、(c)前記内輪の各ガイド溝に対向する 置に前記ボールをガイドするための複数の イド溝を有し、前記スリーブに揺動可能に 持され、外周に前記揺動板が固定連結され 外輪と、(d)前記内輪および外輪に形成され 互いに対向するガイド溝によって保持され 該ガイド溝間で圧縮されることにより動力 達を行う複数のボールと、を有する機構か 構成するとともに、
 前記回転阻止機構における前記遥動板を遥 可能に連結するための遥動部材として機能 る前記外輪の内周に形成された略凹球面と 遥動中心部材として機能する前記スリーブ 外周に形成された略凸球面との間に、軸方 断面プロファイルにて相対的な形状差を設 、前記略凹球面と略凸球面との接触部の軸 向両端部にいくにしたがって両面間のクリ ランスが大きくなるように前記形状差を設 したことを特徴とするものからなる。ここ 、外輪は、斜板を軸受を介して回転可能に 持する構造とすることができる。あるいは 斜板を軸受を介して、遥動板に回転可能に 持させる構造とすることもできる。

 このように構成された揺動板の回転阻止 構においては、まず、回転阻止機構の外輪 スリーブに揺動可能に支持され、スリーブ 回転主軸に対し回転可能でかつ軸方向に移 可能に支持されていることにより、回転主 と揺動機構部全体との間の径方向ガタを小 くすることが可能になり、信頼性の向上、 動、騒音の低減が可能になる。また、内輪 ハウジング内に軸方向移動可能に支持され かつ回転阻止されており、この内輪の内径 に設置された軸受により回転主軸、例えば 転主軸の後端が支持されるようになってい 。したがって、回転主軸は、圧縮主機構部 挟んで両側で回転可能に支持(つまり、両持 ち支持)されることになり、容易に十分に高 剛性が確保でき、主軸の振れ回りも小さく えることが可能になって、主軸の小径化、 頼性の向上、振動、騒音の低減が可能にな 。また、回転主軸の振れ回りが小さく抑え れるため、該主軸とともに回転される斜板 振れを小さく抑えることも可能になり、回 部全体の回転バランスを向上できる。また 内輪および外輪に形成された互いに対向す ガイド溝の形態を最適化することにより、 イド溝間に保持されるボールの均等で連続 な接触が可能となり、信頼性の向上、振動 騒音の低減が可能にななる。さらに、ボー のガイド溝は、離間した一対のガイド溝間 ボールが両ガイド溝の交点の動きに伴って 動できるようにすればよく、溝自体には複 な形状が要求されず、加工も容易になって コスト的にも有利になる。この本発明に係 構成においては、基本的に、動力伝達用と て作用する複数のボールは、ボールを挟み んで向き合ったガイド溝間で圧縮方向に支 され動力伝達を行う。これにより、実態の 触面積を十分に大きく確保でき、接触面圧 低減することが可能になって、信頼性の面 有利となる。また、接触面圧が低減される めボールの球径を小さくすることも可能に り、回転阻止機構全体の小型化も可能とな 。

 そして、上記回転阻止機構における遥動 を遥動可能に連結するための遥動部材とし 機能する外輪の内周に形成された略凹球面 、遥動中心部材として機能するスリーブの 周に形成された略凸球面との間に、軸方向 面プロファイルにて相対的な形状差が設け れ、略凹球面と略凸球面との接触部の軸方 両端部にいくにしたがって両面間のクリア ンスが大きくなるように上記形状差が設定 れることにより、球面同士の接触による揺 運動のための摺動部分の端部(接触面端部) の面圧が緩和され、この端部部分で発生す おそれのあった過大面圧の発生が防止され 。この摺動部分は回転部品の中心部に位置 るため、十分な潤滑を安定して得ることは しいが、過大面圧の発生が防止されること より、焼きつきや摩耗の発生のおそれが除 され、優れた耐久性、静粛性が実現される とになる。

 この本発明に係る揺動板式可変容量圧縮 においては、上記接触部の軸方向両端部に けるクリアランスが20ミクロン(ミクロンメ トル)以上となるように上記形状差が設定さ れていることが好ましい。クリアランスが20 クロン未満では、過大面圧の発生防止効果 十分に得られなくなるおそれが生じるので 確実にこの効果を得るためには20ミクロン 上とすることが好ましい。

 上記のように、本発明において、遥動部 として機能する外輪の内周に形成された略 球面と、遥動中心部材として機能するスリ ブの外周に形成された略凸球面との間に、 方向断面プロファイルにて所望の相対的な 状差を設けるためには、例えば次のような 成を採用することができる。

 すなわち、上記外輪の内周に形成された 凹球面の軸方向断面プロファイルが、円の 部である円弧として形成された軸方向中央 の主円形形状部と、該主円形形状部の軸方 両端部に設けられ主円形形状部に対して接 となる直線形状部とから形成されている構 を採用することができる。この直線形状部 て、スリーブの外周に形成された略凸球面 の間に所望のクリアランスを形成すること 可能になる。

 あるいは、上記外輪の内周に形成された 凹球面の軸方向断面プロファイルと上記ス ーブの外周に形成された略凸球面の軸方向 面プロファイルがともに円の一部である円 として形成され、外輪側断面プロファイル 円弧の曲率半径がスリーブ側断面プロファ ルの円弧の曲率半径よりも大きく設定され いるとともに、外輪側断面プロファイルの 弧の曲率中心がスリーブ側断面プロファイ の円弧の曲率中心に対しオフセットされて る構成を採用することもできる。曲率中心 位置が所定量オフセットされた状態で、外 側断面プロファイルの円弧の曲率半径がス ーブ側断面プロファイルの円弧の曲率半径 りも大きく設定されるので、両球面間で軸 向端部にいくほど曲率半径差に応じてクリ ランスが大きくなっていき、両球面間には 記のような所望のクリアランスを形成され ことになる。

 あるいは、上記外輪の内周に形成された 凹球面の軸方向断面プロファイルが、円の 部である円弧として形成された軸方向中央 の主円形形状部と、該主円形形状部の軸方 両端部に接続されて主円形形状部に対して 円となり、かつ、その接円の曲率半径が主 形形状部の曲率半径より大きくなる接円部 から形成されている構成を採用することも きる。この軸方向両側の接円部にて、スリ ブの外周に形成された略凸球面との間に所 のクリアランスを形成することが可能にな 。

 このような本発明に係る揺動板式可変容 圧縮機においては、上記揺動板の回転阻止 構における外輪が揺動板と一体に形成され いる構成とすることが可能である。この一 化により、部品点数のさらなる削減が可能 なり、かつ、製造、組立コスト的にも有利 なる。

 また、上記回転阻止機構の内輪および外 の互いに対向するガイド溝が、回転主軸の 心軸に対して30~60度の相対角度をもって形 され、かつ一つのボールガイドを構成する 互いに対向するガイド溝が、内輪の軸と外 の軸との相対角度がゼロの状態にて主軸に 直でかつ揺動板の揺動中心を通る平面に対 対称形態になるように配置されている構成 することが可能である。互いに対向するガ ド溝が、所定の範囲内の交差角をもって配 され、かつ、互いに交差する方向に形成さ た両ガイド溝が、揺動板の揺動中心を通る 面に対し対称形態に配置されることで、ガ ド溝間に保持されているボールが、両ガイ 溝に対して均等にかつ連続的に接触するこ が可能になり、この部位での振動、騒音の 幅な低減が可能になるとともに、信頼性の 幅な向上が可能になる。

 また、この構成においては、上記回転阻 機構の複数のボールガイドのうち、隣り合 た2つのボールガイドを一対とし、該一対の ボールガイドが互いに平行に配置されている 構成とすることができる。このような構成と することにより、回転阻止機構部の回転方向 ガタは、内、外輪に設置された一組のガイド 溝底間距離とボール球径の関係で概ね決まる ため、ガイド溝底とボールとの実態のクリア ランスの設定、管理が容易になり、適正なク リアランスの設定によりガタを小さく抑える ことが可能となる。

 そしてこの構成においては、上記互いに 行に配置された一対のボールガイドが、回 主軸の中心軸を含む平面に対して対称に配 されている構成とすることもできるし、上 互いに平行に配置された一対のボールガイ のうち一方のボールガイドを形成するガイ 溝が、その軸が回転主軸の中心軸を含む平 上に位置するように配置されている構成と ることもできる。前者の構成では、回転方 を選ばない回転阻止機構として構成できる ともに、ボールの接触荷重の低減をはかる とが可能になり、後者の構成では、特定の 力伝達方向に特定してさらに接触荷重を低 することが可能になる。

 また、上記回転阻止機構においては、複 のボールガイドのうち、回転主軸を間に回 主軸に対しておおよそ対称に配置された2つ のボールガイドを一対とし、該一対のボール ガイドが互いに平行に配置されている構成と することもできる。この構成により、回転阻 止機構部における回転方向ガタは、内、外輪 に設置された一組のガイド溝底間距離とボー ル球径の関係で概ね決まることから、対称に 配置された2つのボールガイドを互いに平行 配置しておくことにより、両ボールガイド おける実態のクリアランスを所望のクリア ンスに同時に設定、管理することが可能に る。その結果、このクリアランスの設定、 理が容易になって、ガタを小さく抑えるこ が可能となる。

 この構成においては、上記互いに平行に 置された一対のボールガイドが、それらボ ルガイドを形成するガイド溝の軸が回転主 の中心軸を含む平面上に位置するように配 されていることが好ましい。一対のボール イドが回転主軸の中心軸を含む平面上に設 されていると、動力伝達方向を選ばずにボ ル接触荷重の最小化が可能になる。

 上記のような本発明に係る揺動板式可変 量圧縮機は、あらゆる分野で使用される揺 板式可変容量圧縮機として適用できるが、 くに小型化、信頼性の向上、耐久性、静粛 の改善、コストダウンの要求が高い車両用 圧縮機、中でも、車両空調装置用圧縮機と て好適なものである。

 このように、本発明に係る揺動板式可変 量圧縮機によれば、従来の等速ジョイント 用いた揺動板回転阻止機構に比べ、ガタを さく抑えながら、動力伝達用として作用す 複数のボールの均等で連続的な接触を実現 ることができ、小型で、優れた耐久性、静 性を有し、回転バランスが良く、かつ加工 容易で安価な回転阻止機構を実現でき、従 技術では達成できなかった優れた性能の揺 板式可変容量圧縮機を提供できる。そして この圧縮機の揺動板回転阻止機構における 動部材として機能する外輪の内周に形成さ た略凹球面と、遥動中心部材として機能す スリーブの外周に形成された略凸球面との に、軸方向断面プロファイルにて相対的な 状差が持たせて軸方向両端部にいくにした って両面間のクリアランスが大きくなるよ に設定することにより、揺動運動のための 動部分の端部部分での過大面圧の発生を効 的に防止でき、焼きつきや摩耗の発生のお れを除去して、さらに優れた耐久性、静粛 を実現することが可能になる。

本発明の一実施態様に係る揺動板式可 容量圧縮機の縦断面図である。 図1の揺動板式可変容量圧縮機の別の運 転状態における縦断面図である。 図1の揺動板式可変容量圧縮機の揺動板 回転阻止機構を含む要部の分解斜視図である 。 図1の揺動板式可変容量圧縮機の一形態 例を示す部分縦断面図(図4(A))および部分正面 図(図4(B))である。 図1の揺動板式可変容量圧縮機の別の形 態例を示す部分正面図である。 図1の揺動板式可変容量圧縮機における 揺動板回転阻止機構の一例を示す概略部分断 面図である。 図1の揺動板式可変容量圧縮機における 揺動板回転阻止機構の別の例を示す概略部分 断面図である。 図1の揺動板式可変容量圧縮機における 揺動板回転阻止機構のさらに別の例を示す概 略部分断面図である。 図1の揺動板式可変容量圧縮機のさらに 別の形態例を示す部分正面図である。 図1の揺動板式可変容量圧縮機のさら 別の形態例を示す部分正面図であり、図10(A) および図10(B)は互いに異なる例を示している 図1の揺動板式可変容量圧縮機のさら 別の形態例を示す部分正面図であり、図11(A) および図11(B)は互いに異なる例を示している

符号の説明

1 揺動板式可変容量圧縮機
2 ハウジング
3 フロントハウジング
4 リアハウジング
5 回転主軸
5a 中心軸
6 ロータ
7 ヒンジ機構
8 斜板
9 シリンダボア
10 ピストン
11 コネクティングロッド
12 揺動板
13 吸入室
14 バルブプレート
15 吸入孔
16 吐出孔
17 吐出室
21 揺動板の回転阻止機構
22、23、29、33 軸受
24、24a、24b、24c スリーブ
25 ボール
26 内輪のガイド溝
27 内輪
28 外輪のガイド溝
30、30a、30b、30c 外輪
31、32 スラスト軸受
41 ボールガイド
42、43 ガイド溝の軸
44 揺動中心を通る平面
45 一対のボールガイド
46 内、外輪に形成されたガイド溝の軸
47 回転主軸の中心軸を含む平面
51a、51b、51c 外輪の略凹球面
52 主円形形状部
53 直線形状部
54a、54b、54c スリーブの略凸球面
55 揺動中心を含む面
56 主円形形状部
57 主円形形状部の範囲
58 接円部
61 一対のボールガイド
62 外輪動力伝達方向
63 一方のボールガイド
64 ガイド溝の軸
65 回転主軸の中心軸を含む平面
66 内輪動力伝達方向
71 一対のボールガイド
72 ガイド溝の軸
81 一対のボールガイド
82 ガイド溝の軸
83 回転主軸の中心軸を含む平面
84 外輪が一体形成された揺動板

 以下に、本発明の望ましい実施の形態を、 面を参照しながら説明する。
 まず、本発明のに係る揺動板式可変容量圧 機の全体構成例について図1~図5を参照して 明し、次に図6~図8を参照して、揺動板回転 止機構における遥動部材として機能する外 の内周に形成された略凹球面と、遥動中心 材として機能するスリーブの外周に形成さ た略凸球面との間に、軸方向断面プロファ ルにて相対的な形状差が持たせる構成例に いて説明する。

 図1は、本発明の一実施態様に係る揺動板 式可変容量圧縮機を示しており、その最大吐 出容量時の運転状態における全体構造を示し ている。図2は、図1の揺動板式可変容量圧縮 の最小吐出容量時の運転状態を示しており 図3は、図1の揺動板式可変容量圧縮機にお る、揺動板回転阻止機構を含む要部を分解 視図にて示している。

 図1、図2において、揺動板式可変容量圧 機1は、ハウジングとして、中央部に配置さ たハウジング2と、その両側に配置されたフ ロントハウジング3およびリアハウジング4を し、ハウジング2部分からフロントハウジン グ3を貫通して延びる位置までにわたって、 部から回転駆動動力が入力される回転主軸5 設けられている。回転主軸5には、ロータ6 主軸5と一体回転可能に固定されており、ロ タ6には、ヒンジ機構7を介して、斜板8が変 可能にかつ回転主軸5とともに回転可能に連 結されている。各シリンダボア9内にはそれ れピストン10が往復動可能に挿入されており 、ピストン10は、コネクティングロッド11を して揺動板12に連結されている。斜板8の回 運動が揺動板12の揺動運動へと変換され、該 揺動運動がコネクティングロッド11を介して ストン10に伝達されることにより、ピスト 10が往復動される。リアハウジング4内に形 された吸入室13から被圧縮流体(例えば、冷 ガス)が、ピストン10の往復動に伴って、バ ブプレート14に形成された吸入孔15(吸入弁は 図示略)を通してシリンダボア9に吸入され、 入された被圧縮流体が圧縮された後、圧縮 体が吐出孔16(吐出弁は図示略)を通して吐出 室17内に吐出され、そこから外部回路へと送 れる。

 上記揺動板12は、回転が阻止された状態 揺動運動する必要がある。以下に、この揺 板12の回転阻止機構を主体に、上記圧縮機1 残りの部位について、図1~図3を参照しなが 説明する。

 揺動板12の回転阻止機構21は、(a)ハウジン グ2内に回転は阻止されるが軸方向に移動可 に設けられ、内径部において軸受22(ラジア 軸受)を介して回転主軸5を相対回転および軸 方向に相対移動可能に支持するとともに、動 力伝達用に設けられた複数のボール25をガイ するための複数のガイド溝26を有する内輪27 と、(b)揺動板12の揺動運動の揺動中心部材と て機能し、回転主軸5上に軸受23(ラジアル軸 受)を介して回転主軸に対し相対回転および 方向に移動可能に設けられ、内輪27に該内輪 27とともに軸方向に移動可能に係合されたス ーブ24と、(c)内輪27の各ガイド溝26に対向す 位置にボール25をガイドするための複数の イド溝28を有し、スリーブ24に揺動可能に支 され、外周に揺動板12を固定連結され、か 、斜板8を軸受29(ラジアル軸受)を介して回転 可能に支持する外輪30と、(d)内輪27および外 30に形成された互いに対向するガイド溝26、2 8によって保持され、該ガイド溝26、28間で圧 されることにより動力伝達を行う複数のボ ル25と、を有する機構から構成されている 揺動板12と斜板8との間、および、ロータ6と ロントハウジング3との間には、それぞれ、 スラスト軸受31、32が介装されている。また 内輪27はハウジング9内に軸方向移動可能に 持されるが、回転阻止されている。回転阻 の手段としては、キーやスプライン等一般 な回転規制手段を用いればよい(図示略)。さ らに、内輪27の内径部に設置された軸受22に り回転主軸5の後端が支持されているが、回 主軸5は圧縮主機構部を挟んでフロントハウ ジング3側でも軸受33(ラジアル軸受)を介して 転可能に支持されているので、両側で径方 に支持(両持ち支持)されている。

 上記のように構成された揺動板12の回転 止機構21においては、外輪30は球面接触を介 てスリーブ24に揺動可能に支持され(この部 の詳細構造については後述する)、スリーブ 24は回転主軸5に回転可能にかつ軸方向に移動 可能に支持されていることにより、回転主軸 5と揺動機構部全体との間の径方向ガタを小 くすることが可能であり、信頼性の向上、 動、騒音の低減が可能となる。

 また、上記実施態様では、回転主軸5は、 内輪27の内径部に設置された軸受22と、圧縮 機構部を挟んでフロントハウジング3側に設 られた軸受33とで両持ち支持されているの 、比較的小径の主軸5であっても十分に高い 性を確保でき、主軸5の振れ回りも小さく抑 えることが可能であり、容易に小型化をはか ることが可能になるとともに、信頼性の向上 、振動、騒音の低減が可能となる。また、回 転主軸5の振れ回りが小さく抑えられる結果 回転主軸5とともに回転される回転部位全体 振れ回りも小さく抑えられ、回転部全体の 転バランスは極めて良くなる。なお、上記 構成においては、回転主軸5を後方に延長し 、軸受を介してハウジング2に直接支持され 構造に置き換えることも可能である。

 また、上記実施態様では、内輪27の内径 に形成された球面(凹球面)と、スリーブ24の 径側に形成された球面(凸球面)との係合に り、両者の間で相互支持が行われており、 の支持部のクリアランスを調整することに り、動力伝達用として作用する複数のボー のガイド溝位置のバラツキによる内、外輪 相対的な振れ回りを吸収することが可能で り、それによって一層ボール25の均等で連続 的な接触が可能となり、信頼性、振動、騒音 面で一層有利となっている。

 なお、上記実施態様では、外輪30と揺動 12とを別部材に構成し、それらを互いに固定 することとしたが、これらは一体に形成する こともできる。この一体化により、更なる部 品点数の削減と、組立の容易化をはかること ができる。

 図4は、揺動板12の回転阻止機構21におい 、内、外輪の相対角度がゼロの状態を示し いる。図4(A)に示すように、回転阻止機構21 内輪27および外輪24に形成されるガイド溝26 28が回転主軸5の中心軸に対して相対角度(30~6 0度の範囲内の相対角度)をもって配置されて る。そして、一つのボールガイド41を構成 、互いに対向する、内輪27に形成されたガイ ド溝26(ガイド溝26の軸は42で表示)と外輪30に 成されたガイド溝28(ガイド溝28の軸は43で表 )とが、内輪27の軸と外輪30の軸との相対角 がゼロの状態にて回転主軸5に垂直でかつ揺 板12の揺動中心を通る平面44に対し対称形態 になるように配置されている。このガイド溝 26の軸42とガイド溝28の軸43との交点上にボー 25が規制、支持される。また、図4(B)に示す うに、回転阻止機構21の複数のボールガイ 41のうち、隣り合った2つのボールガイドを 対とし、該一対のボールガイド45におけるそ れぞれのボールガイド41が、換言すれば、こ 部分における内、外輪に形成されたガイド の軸46が、互いに平行に配置されている構 とすることができる。この構成により、前 の如く、回転阻止機構部の回転方向ガタは 内、外輪に設置された一組のガイド溝底間 離とボール球径の関係で概ね決まるため、 態のクリアランスの設定、管理が容易とな 、適正なクリアランスの設定によりガタを さく抑えることが可能となる。そして、動 伝達用として作用する複数のボール25は、各 ボール25を挟み込んで向き合ったガイド溝26 28間で圧縮方向に支持され動力伝達を行う。 ボール25は、向き合ったガイド溝26、28に抱き 抱えられるように保持されて両ガイド溝26、2 8に接触するので、ボール25とそれぞれのガイ ド溝26、28間の接触面積を十分に大きく確保 きるようになり、接触面圧を低減すること 可能になって、信頼性、振動、静粛性の面 極めて有利な構造となる。また、ボール25の 球径を小さくすることも可能で、回転阻止機 構全体の小型化が可能となる。

 また、回転主軸5を中心としたモーメント として与えられるボール25にかかる負荷は、 接触面の垂直抗力として発生する。モーメ トの方向に対する接触面法線の傾きが小さ ほど、接触荷重が小さくなり、上記の如く 行に配置された一対のボールガイド45が、 5に示すように、回転主軸5の中心軸5aを含む 面47に対し対称に配置されていることによ 、換言すれば、内、外輪に形成された2組の イド溝の軸46が回転主軸5の中心軸5aを含む 面47に対し対称に配置されていることにより 、回転方向を選ばない回転阻止機構として、 ボール接触荷重を最小とすることが可能であ る。

 本発明においては、遥動板回転阻止機構2 1における遥動板12を遥動可能に連結するため の遥動部材として機能する外輪30の内周に形 された略凹球面と、遥動中心部材として機 するスリーブ24の外周に形成された略凸球 との間に、軸方向断面プロファイルにて相 的な形状差が設けられ、これら略凹球面と 凸球面との接触部の軸方向両端部にいくに たがって両面間のクリアランスが大きくな ように上記形状差が設定される。接触部の 方向両端部における両面間のクリアランス 、20ミクロン以上に設定される。このような 形状差を持たせるための具体的な構成例を、 外輪とスリーブとの関係のみを説明用に図示 した図6~図8を参照しながら説明する。

 図6に示す例では、揺動部材として機能す る外輪30aの内周に形成された略凹球面51aの軸 方向断面プロファイルが、円の一部である円 弧として形成された軸方向中央部の主円形形 状部52と、該主円形形状部52の軸方向両端部 設けられ主円形形状部52に対して接線となる 直線形状部53とから形成されている。この直 形状部53にて、揺動中心部材として機能す スリーブ24aの外周に形成された略凸球面54a の間に所望のクリアランスを形成すること 可能になる。この場合、直線形状部53以外の 外輪30aの主円形形状部52の曲率半径R1とスリ ブ24aの略凸球面54aの曲率半径R2は実質的に同 じでよく、それらの曲率中心C1の位置も同じ 置でよい。このような構成においては、略 球面51aの主円形形状部52の両側に直線形状 53を形成することで、該直線形状部53とスリ ブ24aの略凸球面54aとの間のクリアランスを 方向両端部にいくにしたがって大きくなる うに設定することができ、このクリアラン を適切に設定することにより、揺動運動の めの摺動部分の端部部分での過大面圧の発 を効果的に防止でき、焼きつきや摩耗の発 を除去して、耐久性、静粛性に優れた圧縮 を実現できる。

 図7に示す例では、揺動部材として機能す る外輪30bの内周に形成された略凹球面51bの軸 方向断面プロファイルと、揺動中心部材とし て機能するスリーブ24bの外周に形成された略 凸球面54bの軸方向断面プロファイルが、とも に円の一部である円弧として形成され、外輪 側断面プロファイルの円弧の曲率半径R3がス ーブ側断面プロファイルの円弧の曲率半径R 4よりも大きく設定されているとともに、外 側断面プロファイルの円弧の曲率中心C2がス リーブ側断面プロファイルの円弧の曲率中心 C3に対し、揺動中心を含む面55内の同軸上でδ だけオフセットされている。曲率中心C2の位 が所定量δだけオフセットされた状態で、 輪側断面プロファイルの円弧の曲率半径R3が スリーブ側断面プロファイルの円弧の曲率半 径R4よりも大きく設定されるので、両球面間 軸方向端部にいくほど曲率半径差に応じて リアランスが大きくなっていくことになり 両球面間には、本発明で目標とするクリア ンスを形成されることになる。このクリア ンスを適切に設定することにより、揺動運 のための摺動部分の端部部分での過大面圧 発生を効果的に防止でき、焼きつきや摩耗 発生を除去して、耐久性、静粛性に優れた 縮機を実現できる。

 図8に示す例では、揺動部材として機能す る外輪30cの内周に形成された略凹球面51cの軸 方向断面プロファイルが、円の一部である円 弧として形成された軸方向中央部の主円形形 状部56(この主円形形状部56の範囲を符号57で してある)と、該主円形形状部56の軸方向両 部に接続されて主円形形状部56に対して接円 となり、かつ、その接円の曲率半径R5が主円 形状部56の曲率半径R6より大きくなる接円部 58とから形成されている。図示例では、主円 形状部56の曲率中心と、揺動中心部材とし 機能するスリーブ24cの外周に形成された略 球面54cの曲率半径R7の中心(曲率中心)とが同 曲率中心C4の位置とされ、接円部58の曲率中 心C5が、揺動中心を含む面55内の同軸上で所 量オフセットされている。ただし、接円部58 の曲率中心C5は、必ずしも曲率中心C4に対し 動中心を含む面55内の同軸上に位置している 必要はない。この主円形形状部56の軸方向両 の接円部58にて、スリーブ24cの外周に形成 れた略凸球面54cとの間に本発明で目標とす クリアランスを形成されることになる。こ クリアランスを適切に設定することにより 揺動運動のための摺動部分の端部部分での 大面圧の発生を効果的に防止でき、焼きつ や摩耗の発生を除去して、耐久性、静粛性 優れた圧縮機を実現できる。

 このように、本発明に係る新規な遥動板 転阻止機構21において、さらに、遥動部材 して機能する外輪30a、30b,30cの内周に形成さ た略凹球面と、遥動中心部材として機能す スリーブ24a、24b,24cの外周に形成された略凸 球面との間に、軸方向断面プロファイルにて 相対的な形状差が適切に設けられ、略凹球面 と略凸球面との接触部の軸方向両端部にいく にしたがって両面間のクリアランスが大きく なるように所望の形状差が設定されることに より、球面同士の接触による揺動運動のため の摺動部分の端部(接触面端部)での面圧が緩 されて、この端部部分で過大面圧が発生す ことが防止される。この摺動部分は回転部 の中心部に位置するため、前述の如く十分 潤滑を安定して得ることは難しいかも知れ いが、上記の如く過大面圧の発生が防止さ ることにより、焼きつきや摩耗の発生が確 に防止されることになり、この摺動部分に いて優れた耐久性と静粛性が実現されるこ になる。その結果、圧縮機全体としても、 れた耐久性と静粛性が実現される。

 本発明では、図1~図5に示した実施態様と 別の実施形態として、例えば図9に示すよう に、一対のボールガイド61のうち主に外輪動 伝達方向62に作用する側の一方のボールガ ド63、換言すれば、該ボールガイド63におけ ガイド溝の軸64を、回転主軸5の中心軸5aを む平面65上にオフセットすることにより、特 定の動力伝達方向に限定してさらに接触荷重 を低減することが可能である。なお、図9に いて、符号66は内輪動力伝達方向を示してい る。

 また、図10(A)または(B)に示すように(図10(A )および図10(B)は互いに異なる例を示している 。)、複数のボールガイドのうち、回転主軸5 間に回転主軸5に対しておおよそ対称に配置 された2つのボールガイドを一対とし、該一 のボールガイド71が互いに平行に配置されて いる構成、換言すれば、該一対のボールガイ ド71を構成する内輪27、外輪30に形成されたガ イド溝の軸72が互いに平行に配置されている 成、とすることもできる。このような構成 より、回転阻止機構部における回転方向ガ は、内輪27、外輪30に設置された一組のガイ ド溝底間距離とボール球径の関係で概ね決ま ることから、対称に配置された2つのボール イドを互いに平行に配置しておくことによ 、両ボールガイドにおけるクリアランスを 望のクリアランスに同時に設定、管理する とが可能になる。その結果、このクリアラ スの設定、管理が容易になって、ガタを小 く抑えることが可能となる。

 また、この一対のボールガイドが互いに 行に配置されている構成においては、例え 図11(A)または(B)に示すように(図11(A)および 11(B)は互いに異なる例を示している。)、互 に平行に配置された一対のボールガイド81が 、それらボールガイドを形成するガイド溝の 軸82が回転主軸5の中心軸5aを含む平面83上に 置するように配置されている構成とするこ ができる。このような構成とすれば、動力 達方向を選ばずにボール接触荷重が最小と る。なお、図11(B)では、外輪が一体形成され た揺動板84の場合の構成が例示されている。

 本発明に係る揺動板式可変容量圧縮機は あらゆる分野で使用される揺動板式可変容 圧縮機に適用でき、とくに小型化、信頼性 向上、耐久性、静粛性の改善、コストダウ の要求が高い車両用の分野、中でも、車両 空調装置に用いて好適なものである。