TAGAMI SHINJI (JP)
US5509346A | 1996-04-23 | |||
JPH05202849A | 1993-08-10 | |||
JPS61153018A | 1986-07-11 | |||
DE2331033A1 | 1975-01-16 | |||
JP2004360810A | 2004-12-24 | |||
JP2005201371A | 2005-07-28 | |||
JP2000234629A | 2000-08-29 | |||
JP2008138637A | 2008-06-19 | |||
JP2009162064A | 2009-07-23 | |||
US5112197A | 1992-05-12 | |||
US5509346A | 1996-04-23 | |||
US5129752A | 1992-07-14 | |||
JP2006200405A | 2006-08-03 | |||
JP2006327988A | 2006-12-07 |
Toshimitsu Ban (JP)
シリンダボア内に往復動可能に挿入されたピストンと、回転主軸とともに回転され該主軸に対し変角可能に支持された斜板と、前記ピストンに連結され前記斜板の回転運動が自身の揺動運動へと変換され該揺動運動を前記ピストンに伝達してピストンを往復動させる揺動板と、該揺動板の回転阻止機構とを備えた揺動板式可変容量圧縮機において、 前記揺動板回転阻止機構を、(a)ハウジング内に回転は阻止されるが軸方向に移動可能に設けられ、動力伝達用に設けられた複数のボールをガイドするための複数のガイド溝を有する内輪と、(b)前記内輪の各ガイド溝に対向する位置に前記ボールをガイドするための複数のガイド溝を有し、外周に前記揺動板が連結されて前記揺動板とともに揺動可能に支持された外輪と、(c)前記内輪および外輪に形成された互いに対向するガイド溝によって保持され、該ガイド溝間で圧縮されることにより動力伝達を行う複数のボールと、を有する機構から構成するとともに、 前記内輪と前記外輪の互いに対向するガイド溝の少なくもいずれか一方を、前記ボールと2点で接触するためのガイド溝横断面プロファイルに沿って形成したことを特徴とする揺動板式可変容量圧縮機。 |
前記揺動板回転阻止機構が、さらに(d)前記揺動板の揺動運動の揺動中心部材として機能し、前記回転主軸上に該回転主軸に対し相対回転および軸方向に移動可能に設けられ、前記内輪に該内輪とともに軸方向に移動可能に係合されたスリーブを有し、前記外輪が該スリーブに揺動可能に支持されている、請求項1に記載の揺動板式可変容量圧縮機。 |
前記外輪が前記揺動板と一体に形成されている、請求項1に記載の揺動板式可変容量圧縮機。 |
前記揺動板回転阻止機構の内輪および外輪の互いに対向するガイド溝が、回転主軸の中心軸に対して30~60度の相対角度をもって形成され、かつ一つのボールガイドを構成する、互いに対向するガイド溝が、内輪の軸と外輪の軸との相対角度がゼロの状態にて主軸に垂直でかつ揺動板の揺動中心を通る平面に対し対称形態になるように配置されている、請求項1に記載の揺動板式可変容量圧縮機。 |
前記揺動板回転阻止機構の複数のボールガイドのうち、隣り合った2つのボールガイドを一対とし、該一対のボールガイドが互いに平行に配置されている、請求項4に記載の揺動板式可変容量圧縮機。 |
前記互いに平行に配置された一対のボールガイドが、回転主軸の中心軸を含む平面に対して対称に配置されている、請求項5に記載の揺動板式可変容量圧縮機。 |
前記互いに平行に配置された一対のボールガイドのうち一方のボールガイドを形成するガイド溝が、その軸が回転主軸の中心軸を含む平面上に位置するように配置されている、請求項5に記載の揺動板式可変容量圧縮機。 |
前記揺動板回転阻止機構の複数のボールガイドのうち、回転主軸を間に回転主軸に対しておおよそ対称に配置された2つのボールガイドを一対とし、該一対のボールガイドが互いに平行に配置されている、請求項4に記載の揺動板式可変容量圧縮機。 |
前記互いに平行に配置された一対のボールガイドが、それらボールガイドを形成するガイド溝の軸が回転主軸の中心軸を含む平面上に位置するように配置されている、請求項8に記載の揺動板式可変容量圧縮機。 |
本発明は、揺動板式可変容量圧縮機に関 、とくに、新規な揺動板の回転阻止機構を み込んだ揺動板式可変容量圧縮機に関する
回転主軸とともに回転され主軸に対し変 可能に支持された斜板の回転運動を揺動板 揺動運動に変換し、該揺動運動を、揺動板 連結されたピストンに伝達してピストンを 復動させるようにした揺動板式可変容量圧 機が知られている。この揺動板式可変容量 縮機においては、ピストンに連結された揺 板の回転は阻止される必要があるので、そ ための揺動板の回転阻止機構が組み込まれ 。揺動板の回転阻止機構に関しては、小型 や耐久性の向上、静粛性の向上、加工の容 化、コストダウン等を目指して様々な改善 試みられている。
例えば、特許文献1、3、4には、揺動板回 阻止機構としてバーフィールドタイプの等 ジョイントを設けた構造が記載されている 、この構造では、揺動部品および斜板は、 動板回転阻止機構として設置されたバーフ ールドタイプ等速ジョイントの外輪に支持 れ、等速ジョイント内部部品のケージ(動力 伝達を行う複数のボールの位置を規制するケ ージ)、さらに等速ジョイントの内輪を介し 最終的に主軸に支持されているため、介在 る部品の数が多く累積ガタが大きくなって 振動、騒音、耐久性の面で不十分であると う問題がある。
また、特許文献1、3、4に記載されるバー ィールドタイプ等速ジョイント機構は、理 的には複数のボールで内外輪間の回転動力 達を行う構造であるが、現実的には複数の ールの均等で連続的な接触を得ることは難 く、特定のボールの接触圧力が上がってし う。また、内外輪間の回転動力伝達は、ケ ジを挟んでそれぞれ内外輪に形成されたボ ルガイド溝により、ボールのせん断方向に われるため、動力伝達方向に対してボール ガイド溝との接触面が大きな傾きを持つこ になる。このため、所定の動力の伝達を行 際に、垂直抗力として発生する接触荷重が くなる。したがって、十分な伝達能力を確 するにはボールサイズ(ボール径)を十分に きくとる必要があり、これらの理由より、 なる小型化は難しく、小容量圧縮機には適 が難しい。
また、特許文献2、3、4に記載される内部 構における圧縮機の回転主軸の支持は、主 構部に対して片側に設けられているため(片 持ち支持されているため)、主軸の振れ回り 大きくなり、耐久性、振動、騒音面で不利 ある。
また、特許文献3、4に記載される圧縮機 では、等速ジョイントの内輪を回転阻止し 状態で摺動により軸方向に移動可能に支持 るため、ハウジングに設置された主軸の剛 を十分に確保するためには主軸を太くする 要があり、主軸の重量が大きくなって製品 量の増加につながるという問題がある。
また、特許文献3、4に記載される等速ジ イント機構は、動力伝達として作用する複 のボールの位置を規制するための溝の加工 複雑であり、コスト的に不利であるという 題もある。
さらに、特許文献2に記載される圧縮機構 では、主機構部の主軸による径方向の支持が 無く、揺動部の径方向の遊びが大きくなりや すく、この遊びによって耐久性、振動、騒音 面で問題となるおそれがある。
上記のような従来技術における問題点に 目し、先に本出願人により、揺動板回転阻 機構として設置される等速ジョイントの内 の径方向および回転方向のガタを小さく抑 ながら、動力伝達用として作用する複数の ールの均等で連続的な接触を実現すること 可能とした、小型で、良好な耐久性、静粛 を有し、かつ加工が容易で安価な等速ジョ ントを用いた揺動板式可変容量圧縮機が提 されている(特願2006-327988号)。
この提案では、揺動板の回転阻止機構と て、(a)ハウジング内に回転は阻止されるが 方向に移動可能に設けられ、内径部におい 軸受を介して回転主軸を相対回転および軸 向に相対移動可能に支持するとともに、動 伝達用に設けられた複数のボールをガイド るための複数のガイド溝を有する内輪と、( b)揺動板の揺動運動の揺動中心部材として機 し、回転主軸上に回転主軸に対し相対回転 よび軸方向に移動可能に設けられ、前記内 に該内輪とともに軸方向に移動可能に係合 れたスリーブと、(c)前記内輪の各ガイド溝 対向する位置に前記ボールをガイドするた の複数のガイド溝を有し、前記スリーブに 動可能に支持され、外周に揺動板を固定支 し、かつ、斜板を軸受を介して回転可能に 持する外輪と、(d)前記内輪および外輪に形 された互いに対向するガイド溝によって保 され、該ガイド溝間で圧縮されることによ 動力伝達を行う複数のボールと、を有する 構が提供されている。
この提案により、揺動板式可変容量圧縮 の小型化、耐久性、静粛性の向上、加工性 向上、コストダウン等が可能になったが、 の提案機構にも、さらに改善されるべき余 が残されている。すなわち、上記先の提案 造においては、揺動板の回転阻止は、内外 に形成された互いに対向するガイド溝間に 在されるボールは、斜板の傾斜角に応じた 度で交差されるた両ガイド溝によって保持 れることになるが、両ガイド溝ともそれら 横断面形状が基本的に円弧形状であるため 溝横断面内においてボールの位置が定まり くい形態となっている。溝横断面内におけ ボールの位置の変動は、圧縮されるボール 介して両ガイド溝間、つまり、内外輪間で われる動力伝達特性を変動させるおそれが り、安定した動力伝達性能が損なわれるお れがある。
そこで本発明の課題は、先に本出願人に り提案した、特有の等速ジョイント機構を いた新しい揺動板回転阻止機構における残 れた問題点に着目し、該回転阻止機構にお る上記内外輪間のボール保持構造を改良し 安定して所望の動力伝達を行わせることが 能な揺動板式可変容量圧縮機を提供するこ にある。
上記課題を解決するために、本発明に係る
動板式可変容量圧縮機は、シリンダボア内
往復動可能に挿入されたピストンと、回転
軸とともに回転され該主軸に対し変角可能
支持された斜板と、前記ピストンに連結さ
前記斜板の回転運動が自身の揺動運動へと
換され該揺動運動を前記ピストンに伝達し
ピストンを往復動させる揺動板と、該揺動
の回転阻止機構とを備えた揺動板式可変容
圧縮機において、
前記揺動板回転阻止機構を、(a)ハウジング
に回転は阻止されるが軸方向に移動可能に
けられ、動力伝達用に設けられた複数のボ
ルをガイドするための複数のガイド溝を有
る内輪と、(b)前記内輪の各ガイド溝に対向
る位置に前記ボールをガイドするための複
のガイド溝を有し、外周に前記揺動板が連
されて前記揺動板とともに揺動可能に支持
れた外輪と、(c)前記内輪および外輪に形成
れた互いに対向するガイド溝によって保持
れ、該ガイド溝間で圧縮されることにより
力伝達を行う複数のボールと、を有する機
から構成するとともに、
前記内輪と前記外輪の互いに対向するガイ
溝の少なくもいずれか一方を、前記ボール
2点で接触するためのガイド溝横断面プロフ
ァイルに沿って形成したことを特徴とするも
のからなる。ここで、外輪は、斜板を軸受を
介して回転可能に支持する構造とすることが
できる。あるいは、斜板を軸受を介して、揺
動板に回転可能に支持させる構造とすること
もできる。また、内輪は、内径部において前
記回転主軸を相対回転および軸方向に相対移
動可能に支持することができる。
このように構成された揺動板の回転阻止 構においては、まず、回転阻止機構の外輪 揺動板とともに揺動可能に支持され、内輪 よび外輪に形成された互いに対向するガイ 溝おおびガイド溝間に保持されるボールを して、揺動板回転阻止機構が構成される。 して、内輪がハウジング内に軸方向移動可 に支持され、かつ回転阻止されており、こ 内輪の内径部により、例えば内径部に設置 れた軸受により、回転主軸、例えば回転主 の後端が支持されるようになっている。し がって、回転主軸は、圧縮主機構部を挟ん 両側で回転可能に支持(つまり、両持ち支持 )されることになり、容易に十分に高い剛性 確保でき、主軸の振れ回りも小さく抑える とが可能になって、主軸の小径化、信頼性 向上、振動、騒音の低減が可能になる。ま 、回転主軸の振れ回りが小さく抑えられる め、該主軸とともに回転される斜板の振れ 小さく抑えることも可能になり、回転部全 の回転バランスを向上できる。また、内輪 よび外輪に形成された互いに対向するガイ 溝の形態を最適化することにより、ガイド 間に保持されるボールの均等で連続的な接 が可能となり、信頼性の向上、振動、騒音 低減が可能になる。さらに、ボールのガイ 溝は、離間した一対のガイド溝間でボール 両ガイド溝の交点の動きに伴って転動でき ようにすればよく、溝自体には複雑な形状 要求されず、加工も容易になって、コスト にも有利になる。この本発明に係る構成に いては、基本的に、動力伝達用として作用 る複数のボールは、ボールを挟み込んで向 合ったガイド溝間で圧縮方向に支持され動 伝達を行う。これにより、実態の接触面積 十分に大きく確保でき、接触面圧を低減す ことが可能になって、信頼性の面で有利と る。また、接触面圧が低減されるためボー の球径を小さくすることも可能になり、回 阻止機構全体の小型化も可能となる。
そして、上記揺動板回転阻止機構におけ 内外輪間のボールの保持構造に関し、内輪 外輪の互いに対向するガイド溝の少なくも ずれか一方を、ボールと2点で接触するため のガイド溝横断面プロファイルに沿って形成 することにより、ボールは少なくもいずれか 一方のガイド溝に溝横断面内において2点で 持され、該溝横断面に対する相対的な位置 動が抑えられて、ボールは安定して所望の 置に保持されることになる。その結果、溝 断面内におけるボールの不安定な挙動のお れは完全に除去され、内外輪間で所望の動 伝達が行われることになる。
この本発明に係る揺動板式可変容量圧縮 においては、上記揺動板回転阻止機構にお る内輪が、直接回転主軸上を軸方向にスラ ドする構造とすることも可能であり、スリ ブを介してスライドする構造とすることも 能である。後者の場合には、例えば、上記 動板回転阻止機構が、さらに(d)上記揺動板 揺動運動の揺動中心部材として機能し、上 回転主軸上に該回転主軸に対し相対回転お び軸方向に移動可能に設けられ、上記内輪 該内輪とともに軸方向に移動可能に係合さ たスリーブを有し、上記外輪が該スリーブ 揺動可能に支持されている構成とすればよ 。
このような本発明に係る揺動板式可変 量圧縮機においては、上記揺動板の回転阻 機構における外輪が揺動板と一体に形成さ ている構成とすることが可能である。この 体化により、部品点数のさらなる削減が可 になり、かつ、製造、組立コスト的にも有 になる。
また、本発明に係る揺動板式可変容量 縮機においては、上記回転阻止機構の内輪 よび外輪の互いに対向するガイド溝が、回 主軸の中心軸に対して30~60度の相対角度をも って形成され、かつ一つのボールガイドを構 成する、互いに対向するガイド溝が、内輪の 軸と外輪の軸との相対角度がゼロの状態にて 主軸に垂直でかつ揺動板の揺動中心を通る平 面に対し対称形態になるように配置されてい る構成とすることが可能である。互いに対向 するガイド溝が、所定の範囲内の交差角をも って配置され、かつ、互いに交差する方向に 形成された両ガイド溝が、揺動板の揺動中心 を通る平面に対し対称形態に配置されること で、ガイド溝間に保持されているボールが、 両ガイド溝に対して均等にかつ連続的に接触 することが可能になり、この部位での振動、 騒音の大幅な低減が可能になるとともに、信 頼性の大幅な向上が可能になる。
また、この構成においては、上記回転阻 機構の複数のボールガイドのうち、隣り合 た2つのボールガイドを一対とし、該一対の ボールガイドが互いに平行に配置されている 構成とすることができる。このような構成と することにより、回転阻止機構部の回転方向 ガタは、内、外輪に設置された一組のガイド 溝底間距離とボール球径の関係で概ね決まる ため、ガイド溝底とボールとの実態のクリア ランスの設定、管理が容易になり、適正なク リアランスの設定によりガタを小さく抑える ことが可能となる。
そしてこの構成においては、上記互いに 行に配置された一対のボールガイドが、回 主軸の中心軸を含む平面に対して対称に配 されている構成とすることもできるし、上 互いに平行に配置された一対のボールガイ のうち一方のボールガイドを形成するガイ 溝が、その軸が回転主軸の中心軸を含む平 上に位置するように配置されている構成と ることもできる。前者の構成では、回転方 を選ばない回転阻止機構として構成できる ともに、ボールの接触荷重の低減をはかる とが可能になり、後者の構成では、特定の 力伝達方向に特定してさらに接触荷重を低 することが可能になる。
また、上記揺動板回転阻止機構において 、複数のボールガイドのうち、回転主軸を に回転主軸に対しておおよそ対称に配置さ た2つのボールガイドを一対とし、該一対の ボールガイドが互いに平行に配置されている 構成とすることもできる。この構成により、 回転阻止機構部における回転方向ガタは、内 、外輪に設置された一組のガイド溝底間距離 とボール球径の関係で概ね決まることから、 対称に配置された2つのボールガイドを互い 平行に配置しておくことにより、両ボール イドにおける実態のクリアランスを所望の リアランスに同時に設定、管理することが 能になる。その結果、このクリアランスの 定、管理が容易になって、ガタを小さく抑 ることが可能となる。
この構成においては、上記互いに平行に 置された一対のボールガイドが、それらボ ルガイドを形成するガイド溝の軸が回転主 の中心軸を含む平面上に位置するように配 されていることが好ましい。一対のボール イドが回転主軸の中心軸を含む平面上に設 されていると、動力伝達方向を選ばずにボ ル接触荷重の最小化が可能になる。
このように、本発明に係る揺動板式可変 量圧縮機によれば、従来の等速ジョイント 用いた揺動板回転阻止機構に比べ、ガタを さく抑えながら、動力伝達用として作用す 複数のボールの均等で連続的な接触を実現 ることができ、小型で、優れた耐久性、静 性を有し、回転バランスが良く、かつ加工 容易で安価な回転阻止機構を実現でき、従 技術では達成できなかった優れた性能の揺 板式可変容量圧縮機を提供できる。そして この圧縮機の揺動板回転阻止機構における 外輪間でのボール保持部において、内外輪 互いに対向するガイド溝の少なくもいずれ 一方を、ボールと2点で接触するためのガイ ド溝横断面プロファイルに沿って形成するこ とにより、ボールを少なくもいずれか一方の ガイド溝に2点支持させ、ボールの位置変動 抑えて安定して所望の位置に保持させ、そ によって内外輪間でより安定した所望の動 伝達を行わせることが可能になる。
以下に、本発明の望ましい実施の形態を、
面を参照しながら説明する。
まず、本発明に係る揺動板式可変容量圧縮
における新しい揺動板回転阻止機構の理解
ために、この揺動板式可変容量圧縮機全体
基本構成例について図1~図5を参照して説明
、次に、この基本構成例に対し、本発明に
り改良した構造、とくに内外輪のガイド溝
でのボール保持構造について、図6、図7を
照して説明する。
図1は、本発明における揺動板回転阻止機 構を備えた揺動板式可変容量圧縮機の基本構 成の一例を示しており、その最大吐出容量時 の運転状態における全体構造を示している。 図2は、図1の揺動板式可変容量圧縮機の最小 出容量時の運転状態を示しており、図3は、 図1の基本構成例に係る揺動板式可変容量圧 機における、揺動板回転阻止機構を含む要 を分解斜視図にて示している。
図1、図2において、揺動板式可変容量圧 機1は、ハウジングとして、中央部に配置さ たハウジング2と、その両側に配置されたフ ロントハウジング3およびリアハウジング4を し、ハウジング2部分からフロントハウジン グ3を貫通して延びる位置までにわたって、 部から回転駆動動力が入力される回転主軸5 設けられている。回転主軸5には、ロータ6 主軸5と一体回転可能に固定されており、ロ タ6には、ヒンジ機構7を介して、斜板8が変 可能にかつ回転主軸5とともに回転可能に連 結されている。各シリンダボア9内にはそれ れピストン10が往復動可能に挿入されており 、ピストン10は、コネクティングロッド11を して揺動板12に連結されている。斜板8の回 運動が揺動板12の揺動運動へと変換され、該 揺動運動がコネクティングロッド11を介して ストン10に伝達されることにより、ピスト 10が往復動される。リアハウジング4内に形 された吸入室13から被圧縮流体(例えば、冷 ガス)が、ピストン10の往復動に伴って、バ ブプレート14に形成された吸入孔15(吸入弁は 図示略)を通してシリンダボア9に吸入され、 入された被圧縮流体が圧縮された後、圧縮 体が吐出孔16(吐出弁は図示略)を通して吐出 室17内に吐出され、そこから外部回路へと送 れる。
上記揺動板12は、回転が阻止された状態 揺動運動する必要がある。以下に、この揺 板12の回転阻止機構を主体に、上記圧縮機1 残りの部位について、図1~図3を参照しなが 説明する。
揺動板12の回転阻止機構21は、(a)ハウジン グ2内に回転は阻止されるが軸方向に移動可 に設けられ、内径部において軸受22(ラジア 軸受)を介して回転主軸5を相対回転および軸 方向に相対移動可能に支持するとともに、動 力伝達用に設けられた複数のボール25をガイ するための複数のガイド溝26を有する内輪27 と、(d)揺動板12の揺動運動の揺動中心部材と て機能し、回転主軸5上に軸受23(ラジアル軸 受)を介して回転主軸に対し相対回転および 方向に移動可能に設けられ、内輪27に該内輪 27とともに軸方向に移動可能に係合されたス ーブ24と、(b)内輪27の各ガイド溝26に対向す 位置にボール25をガイドするための複数の イド溝28を有し、スリーブ24に揺動可能に支 され、外周に揺動板12を固定連結され、か 、斜板8を軸受29(ラジアル軸受)を介して回転 可能に支持する外輪30と、(c)内輪27および外 30に形成された互いに対向するガイド溝26、2 8によって保持され、該ガイド溝26、28間で圧 されることにより動力伝達を行う複数のボ ル25と、を有する機構から構成されている 揺動板12と斜板8との間、および、ロータ6と ロントハウジング3との間には、それぞれ、 スラスト軸受31、32が介装されている。また 内輪27はハウジング9内に軸方向移動可能に 持されるが、回転阻止されている。回転阻 の手段としては、キーやスプライン等一般 な回転規制手段を用いればよい(図示略)。さ らに、内輪27の内径部に設置された軸受22に り回転主軸5の後端が支持されているが、回 主軸5は圧縮主機構部を挟んでフロントハウ ジング3側でも軸受33(ラジアル軸受)を介して 転可能に支持されているので、両側で径方 に支持(両持ち支持)されている。
上記のように構成された揺動板12の回転 止機構21においては、外輪30は球面接触を介 てスリーブ24に揺動可能に支持され、スリ ブ24は回転主軸5に回転可能にかつ軸方向に 動可能に支持されていることにより、回転 軸5と揺動機構部全体との間の径方向ガタを さくすることが可能であり、信頼性の向上 振動、騒音の低減が可能となる。
また、上記態様では、回転主軸5は、内輪 27の内径部に設置された軸受22と、圧縮主機 部を挟んでフロントハウジング3側に設けら た軸受33とで両持ち支持されているので、 較的小径の主軸5であっても十分に高い剛性 確保でき、主軸5の振れ回りも小さく抑える ことが可能であり、容易に小型化をはかるこ とが可能になるとともに、信頼性の向上、振 動、騒音の低減が可能となる。また、回転主 軸5の振れ回りが小さく抑えられる結果、回 主軸5とともに回転される回転部位全体の振 回りも小さく抑えられ、回転部全体の回転 ランスは極めて良くなる。なお、上記の構 においては、回転主軸5を後方に延長し、軸 受を介してハウジング2に直接支持される構 に置き換えることも可能である。
また、上記実施態様では、内輪27の内径 に形成された球面(凹球面)と、スリーブ24の 径側に形成された球面(凸球面)との係合に り、両者の間で相互支持が行われており、 の支持部のクリアランスを調整することに り、動力伝達用として作用する複数のボー のガイド溝位置のバラツキによる内、外輪 相対的な振れ回りを吸収することが可能で り、それによって一層ボール25の均等で連続 的な接触が可能となり、信頼性、振動、騒音 面で一層有利となっている。
なお、上記実施態様では、外輪30と揺動 12とを別部材に構成し、それらを互いに固定 することとしたが、これらは一体に形成する こともできる。この一体化により、更なる部 品点数の削減と、組立の容易化をはかること ができる。
図4は、揺動板12の回転阻止機構21におい 、内、外輪の相対角度がゼロの状態を示し いる。図4(A)に示すように、回転阻止機構21 内輪27および外輪24に形成されるガイド溝26 28が回転主軸5の中心軸に対して相対角度(30~6 0度の範囲内の相対角度)をもって配置されて る。そして、一つのボールガイド41を構成 、互いに対向する、内輪27に形成されたガイ ド溝26(ガイド溝26の軸は42で表示)と外輪30に 成されたガイド溝28(ガイド溝28の軸は43で表 )とが、内輪27の軸と外輪30の軸との相対角 がゼロの状態にて回転主軸5に垂直でかつ揺 板12の揺動中心を通る平面44に対し対称形態 になるように配置されている。このガイド溝 26の軸42とガイド溝28の軸43との交点上にボー 25が規制、支持される。また、図4(B)に示す うに、回転阻止機構21の複数のボールガイ 41のうち、隣り合った2つのボールガイドを 対とし、該一対のボールガイド45におけるそ れぞれのボールガイド41が、換言すれば、こ 部分における内、外輪に形成されたガイド の軸46が、互いに平行に配置されている構 とすることができる。この構成により、前 の如く、回転阻止機構部の回転方向ガタは 内、外輪に設置された一組のガイド溝底間 離とボール球径の関係で概ね決まるため、 態のクリアランスの設定、管理が容易とな 、適正なクリアランスの設定によりガタを さく抑えることが可能となる。そして、動 伝達用として作用する複数のボール25は、各 ボール25を挟み込んで向き合ったガイド溝26 28間で圧縮方向に支持され動力伝達を行う。 ボール25は、向き合ったガイド溝26、28に抱き 抱えられるように保持されて両ガイド溝26、2 8に接触するので、ボール25とそれぞれのガイ ド溝26、28間の接触面積を十分に大きく確保 きるようになり、接触面圧を低減すること 可能になって、信頼性、振動、静粛性の面 極めて有利な構造となる。また、ボール25の 球径を小さくすることも可能で、回転阻止機 構全体の小型化が可能となる。
また、回転主軸5を中心としたモーメント として与えられるボール25にかかる負荷は、 接触面の垂直抗力として発生する。モーメ トの方向に対する接触面法線の傾きが小さ ほど、接触荷重が小さくなり、上記の如く 行に配置された一対のボールガイド45が、 5に示すように、回転主軸5の中心軸5aを含む 面47に対し対称に配置されていることによ 、換言すれば、内、外輪に形成された2組の イド溝の軸46が回転主軸5の中心軸5aを含む 面47に対し対称に配置されていることにより 、回転方向を選ばない回転阻止機構として、 ボール接触荷重を最小とすることが可能であ る。
本発明においては、揺動板回転阻止機構2 1における内輪27と外輪30の互いに対向するガ ド溝26、28の少なくもいずれか一方を、ボー ル25と2点で接触するためのガイド溝横断面プ ロファイルに沿って形成したボール保持構造 に改良されている。この改良に係るボール保 持構造は、例えば図6、図7に示すように構成 れる。図6に示す形態では、外輪または内輪 51aと、内輪または外輪52aに、それぞれ、ガイ ド溝53a、54aが形成され、これらガイド溝53a、 54a間にボール25が保持された状態が、溝横断 内で表示されている。本形態では、外輪ま は内輪51a側のガイド溝53aの横断面内におけ 溝両側部分が、断面にてストレート状に延 るガイド溝断面ストレート部55aに形成され 両側のガイド溝断面ストレート部55a間部分 、ボール25の曲率半径rよりも小さな曲率半 の円弧に形成されている。したがって、ボ ル25は、ガイド溝53aに対しては、その横断 内において、円弧形成部からガイド溝断面 トレート部55aに移行する部位あるいはその 傍にて、2点の接触点56で接触されることに る。したがって、このガイド溝53aの横断面 ロファイルは、本発明で言う「ボールと2点 接触するためのガイド溝横断面プロファイ 」に相当している。一方、他方のガイド溝5 4aは、本形態では、横断面内において、ほぼ 体にわたってボール25の曲率半径rよりも大 な曲率半径の円弧を形成するガイド溝断面 率半径部57に構成されており、ボール25は、 ガイド溝54aに対しては、その横断面内におい て、1点の接触点58にて接触されることになる 。
図7に示す形態においては、外輪または内 輪51bと、内輪または外輪52bに、それぞれ、ガ イド溝53b、54bが形成され、これらガイド溝53b 、54b間にボール25が保持された状態が、溝横 面内で表示されている。本形態では、ガイ 溝54b側の構成は、図6に示した形態と実質的 に同じであるが、ガイド溝53b側においては、 横断面内における溝両側部分が、ボール25の 率半径rよりも大きな曲率半径の円弧を形成 するガイド溝断面曲率半径部55bに構成されて おり、両側のガイド溝断面曲率半径部55b間部 分は、ボール25の曲率半径rよりも小さな曲率 半径の円弧に形成されている。したがって、 ボール25は、ガイド溝53bに対しては、その横 面内において、曲率半径が変化する部位あ いはその近傍にて、2点の接触点56で接触さ ることになる。したがって、このガイド溝5 3bの横断面プロファイルもまた、本発明で言 「ボールと2点で接触するためのガイド溝横 断面プロファイル」に相当している。
このように、内外輪間のボール25の保持 造に関し、内外輪の互いに対向するガイド の少なくもいずれか一方を、ボールと2点で 触するためのガイド溝横断面プロファイル 沿って形成することにより、ボール25は少 くもいずれか一方のガイド溝に溝横断面内 おいて2点で支持されることになり、該溝横 面に対する相対的な位置変動が抑えられて ボール25は安定して所望の位置に保持され ことになる。その結果、溝横断面内におけ ボール25の不安定な挙動のおそれは完全に除 去されて、内外輪間で所望の動力伝達が行わ れることになる。したがって、安定した動作 が確実に得られる揺動板回転阻止機構が達成 されることになる。
本発明では、図1~図5に示した基本構成例 は別の実施形態として、例えば図8に示すよ うに、一対のボールガイド61のうち主に外輪 力伝達方向62に作用する側の一方のボール イド63、換言すれば、該ボールガイド63にお るガイド溝の軸64を、回転主軸5の中心軸5a 含む平面65上にオフセットすることにより、 特定の動力伝達方向に限定してさらに接触荷 重を低減することが可能である。なお、図8 おける66は、内輪動力伝達方向を示している 。
また、図9(A)または(B)に示すように、複数 のボールガイドのうち、回転主軸5を間に回 主軸5に対しておおよそ対称に配置された2つ のボールガイドを一対とし、該一対のボール ガイド71が互いに平行に配置されている構成 換言すれば、該一対のボールガイド71を構 する内輪27、外輪30に形成されたガイド溝の 72が互いに平行に配置されている構成、と ることもできる。この構成により、回転阻 機構部における回転方向ガタは、内輪27、外 輪30に設置された一組のガイド溝底間距離と ール球径の関係で概ね決まることから、対 に配置された2つのボールガイドを互いに平 行に配置しておくことにより、両ボールガイ ドにおけるクリアランスを所望のクリアラン スに同時に設定、管理することが可能になる 。その結果、このクリアランスの設定、管理 が容易になって、ガタを小さく抑えることが 可能となる。
また、この一対のボールガイドが互いに 行に配置されている構成においては、例え 図10(A)または(B)に示すように、互いに平行 配置された一対のボールガイド81が、それら ボールガイドを形成するガイド溝の軸82が回 主軸5の中心軸5aを含む平面83上に位置する うに配置されている構成とすることができ 。このような構成とすれば、動力伝達方向 選ばずにボール接触荷重が最小となる。な 、図10(B)では、外輪が一体形成された揺動板 84の場合の構成が例示されている。
本発明に係る揺動板式可変容量圧縮機は あらゆる分野で使用される揺動板式可変容 圧縮機に適用でき、とくに小型化、信頼性 向上、耐久性、静粛性の改善、コストダウ の要求が高い車両用の分野、中でも、車両 空調装置に用いて好適なものである。
1 揺動板式可変容量圧縮機
2 ハウジング
3 フロントハウジング
4 リアハウジング
5 回転主軸
5a 中心軸
6 ロータ
7 ヒンジ機構
8 斜板
9 シリンダボア
10 ピストン
11 コネクティングロッド
12 揺動板
13 吸入室
14 バルブプレート
15 吸入孔
16 吐出孔
17 吐出室
21 揺動板の回転阻止機構
22、23、29、33 軸受(ラジアル軸受)
24 スリーブ
25 ボール
26 内輪のガイド溝
27 内輪
28 外輪のガイド溝
30 外輪
31、32 スラスト軸受
41 ボールガイド
42、43 ガイド溝の軸
44 揺動中心を通る平面
45 一対のボールガイド
46 内、外輪に形成されたガイド溝の軸
47 回転主軸の中心軸を含む平面
51a、51b 外輪または内輪
52a、52b 内輪または外輪
53a、53b、54a、54b ガイド溝
55a ガイド溝断面ストレート部
55b ガイド溝断面曲率半径部
56,58 接触点
57 ガイド溝断面曲率半径部
61 一対のボールガイド
62 外輪動力伝達方向
63 一方のボールガイド
64 ガイド溝の軸
65 回転主軸の中心軸を含む平面
66 内輪動力伝達方向
71 一対のボールガイド
72 ガイド溝の軸
81 一対のボールガイド
82 ガイド溝の軸
83 回転主軸の中心軸を含む平面
84 外輪が一体形成された揺動板
r ボールの曲率半径
Next Patent: METHOD FOR MANUFACTURING MULTILAYER PRINTED WIRING BOARD