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Title:
WORKING VEHICLE, CONTROL DEVICE FOR WORKING VEHICLE, AND CONTROL METHOD FOR WORKING VEHICLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/116248
Kind Code:
A1
Abstract:
A working vehicle having improved working efficiency. A working vehicle (1) in which the output of an engine (101) is distributed to a travel system (103) and a hydraulic device system (104) has a loading work detection section (211) for detecting whether or not the working vehicle is being engaged in loading work using a working device (51), a clutch (110) included in the travel system (103) and connected to a distributor (102), a maximum-output characteristics control section (2203) which, when it is detected that the working vehicle is being engaged in loading work, selects second engine-maximum-output characteristics of first and second engine-maximum-output characteristics, and an operating-oil amount control section (212) for reducing the clutch pressure of the clutch (110) when it is detected that the working vehicle is being engaged in loading work. The maximum output torque, in a predetermined engine speed range, of the first engine-maximum-output characteristics is less than that of the second engine-maximum-output characteristics.

Inventors:
SAITO YOSHIAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/001087
Publication Date:
September 24, 2009
Filing Date:
March 11, 2009
Export Citation:
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Assignee:
KOMATSU MFG CO LTD (JP)
SAITO YOSHIAKI (JP)
International Classes:
E02F9/20; B60W10/02; B60W10/04; E02F9/22
Domestic Patent References:
WO2007043290A12007-04-19
Foreign References:
JPS63265730A1988-11-02
JP2001152921A2001-06-05
JPH11181841A1999-07-06
JP2843002B21999-01-06
JP2006521238A2006-09-21
JP2001146928A2001-05-29
Other References:
See also references of EP 2287405A4
Attorney, Agent or Firm:
WILLFORT INTERNATIONAL (JP)
Patent business corporation Wil photograph international patent firm (JP)
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Claims:
 エンジン(101)と、
 作業機(51)と、
 走行系(103)と、
 前記作業機(51)を作動するシリンダ(128)を備える油圧装置系(104)と、
 前記エンジン(101)からの出力を前記走行系(103)と前記油圧装置系(104)とに分配する分配器(102)と、
 前記作業機(51)を使用した積込み作業中か否かを検出する積込み作業検出部(211)と、
 前記走行系(103)に含まれている、前記分配器(102)に接続されたクラッチ(110)と、
 積込み作業中が検出された場合に、第二のエンジン最大出力特性と、所定のエンジン回転数範囲における最大出力トルクが前記第二のエンジン最大出力特性よりも低い第一のエンジン最大出力特性とのうち、前記第二のエンジン最大出力特性を選択する最大出力特性制御部(2203)と、
 積込み作業中が検出された場合に、前記クラッチ(110)のクラッチ圧を低下させる作動油量制御部(212)と
を備える作業車両。
 前記作動油量制御部(212)が、積込み作業中が検出された場合に、前記クラッチ(110)のクラッチ圧を低下させることに加えて、以下の(A)及び/又は(B):
(A)前記シリンダ(128)に作動油を供給する第一のポンプ(120)を含んだ一以上のポンプのうちの前記第一のポンプ(120)から供給される作動油の流量を増加させる;
(B)前記第一のポンプ(120)から供給される作動油に加えて、前記一以上のポンプに含まれる第二のポンプ(121)からも前記シリンダ(118)に作動油を供給させる;
を行う
請求項1記載の作業車両。
 前記積込み作業検出部(211)は、ブームレバー(126)が前記ブーム(51)を上昇させるべく操作され、前記ブーム(51)の角度が所定角度以上である場合に、積込み作業中と判断する、
請求項1又は2に記載の作業車両。
 第一乃至第三の条件グループのうちの少なくとも2つの条件グループがあり、各条件グループは、積込み作業中であることの少なくとも一つの条件を含み、
 前記第一の条件グループは、オペレータの意思の表れに関する条件のグループであり、
 前記第二の条件グループは、前記作業機の位置に関する条件のグループであり、
 前記第三の条件グループは、前記走行系の状態に関する条件のグループであり、
 前記積込み作業検出部(211)は、前記第一乃至第三の条件グループのうちの少なくとも2つの条件グループから1つずつ選択された各条件が満たされている場合に、積込み作業中であると検出する、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の作業車両。
 前記作業機(51)は、車体(2)の一側に回動可能に設けられるブーム(51)であり、
 前記シリンダ(128)は、前記ブーム(51)を回動させるためのブームシリンダ(128)であり、
 前記第一の条件グループは、以下の(a)及び(b)の条件:
(a)ブームレバー(126)が前記ブーム(51)を上昇させるべく操作された;
(b)前記ブームシリンダ(128)の伸長速度が正の値である;
のうちの少なくとも一つを含む、
請求項4に記載の作業車両。
 前記作業機(51)は、車体(2)の一側に回動可能に設けられるブーム(51)であり、
 前記第二の条件グループは、以下の(c)及び(d)の条件:
(c)前記ブーム(51)の角度が所定角度以上である;
(d)前記ブーム(51)の角度が所定の最大角度未満である;
のうちの少なくとも一つを含む、
請求項4又は5に記載の作業車両。
 前記第三の条件グループは、以下の(e)乃至(h)の条件:
(e)クラッチ(13)の入力回転数と出力回転数とのブレーキオフ時での比が所定値以上である、又は、ブレーキオン時である;
(f)トランスミッション(112)に設定される速度段が所定の速度段である;
(g)トランスミッション(112)に設定される走行レンジが後進から前進に切り替わった;
(h)車速が所定の速度以上である;
のうちの少なくとも一つを含む、
請求項4乃至6のうちのいずれか1項に記載の作業車両。
 エンジン(101)と、作業機(51)と、クラッチ(110)を有する走行系(103)とを備えた作業車両(1)の制御装置(200)であって、
 前記作業機(51)を使用した積込み作業中か否かを検出する積込み作業検出部(211)と、
 積込み作業中が検出された場合に、第二のエンジン最大出力特性と、所定のエンジン回転数範囲における最大出力トルクが前記第二のエンジン最大出力特性よりも低い第一のエンジン最大出力特性とのうち、前記第二のエンジン最大出力特性を選択する最大出力特性制御部(2203)と
 積込み作業中が検出された場合に、前記クラッチ(110)のクラッチ圧を低下させる作動油量制御部(212)と、
を備える、作業車両の制御装置。
 エンジン(101)と、作業機(51)と、クラッチ(110)を有する走行系(103)とを備えた作業車両(1)の制御方法であって、
 前記作業機(51)を使用した積込み作業中か否かを検出するステップと、
 積込み作業中が検出された場合に、第二のエンジン最大出力特性と、所定のエンジン回転数範囲における最大出力トルクが前記第二のエンジン最大出力特性よりも低い第一のエンジン最大出力特性とのうち、前記第二のエンジン最大出力特性を選択するステップと、
 積込み作業中が検出された場合に、前記クラッチ(110)のクラッチ圧を低下させるステップと、
を有する、作業車両の制御方法。
Description:
作業車両、作業車両の制御装置 及び作業車両の制御方法

 本発明は、作業車両、作業車両の制御装 、及び作業車両の制御方法に関する。

 例えば、作業車両としてのホイールロー では、エンジン出力を作業用動力及び走行 動力として使用する。ホイールローダでは 作業機のバケットで土砂等の積載物をすく 上げ、バケットをブームで持ち上げて、ト ックの荷台等に積み込む。積載物が満載さ たバケットを速やかに上昇させることによ 、作業効率を高めることができる。

 そこで、従来技術では、積込み作業時に オペレータはブレーキペダルとアクセルペ ルとを同時に操作する。これにより、低速 行しつつ、油圧ポンプの回転数を上昇させ 、作業機に供給される作動油の量を増加さ る(特許文献1)。なお、左右の駆動輪の回転 差に応じてクラッチの係合度を制御するよ にした技術も知られている。

特表2006-521238号公報

特開2001-146928号公報

 従来技術では、作業機に供給する作動油 を増加させるためにアクセルペダルとブレ キペダルを同時に操作する必要があり、操 性の点で改善の余地がある。また、走行系 配分された動力を、ブレーキにより熱に変 て捨てるという無駄が生じている。作業車 の中には通常のブレーキペダルとは別に、 レーキ機能とクラッチ操作機能を併せ持つ 殊なブレーキペダルを備えるものがある。 のような特殊なブレーキペダルを備えてい 作業車両でも、作業機側に動力をまわす為 、クラッチ操作の際に特殊なブレーキペダ を操作するので、ブレーキによる動力のロ が生じる。

 本発明は、上記問題に着目してなされた ので、その目的は、作業効率を向上できる うにした作業車両、作業車両の制御装置、 び作業車両の制御方法を提供することにあ 。

 本発明の他の目的は、後の説明から明ら になるであろう。

 この欄の記述において、カッコ内の符号 、添付の図面に記載の要素との対応関係を 示するものであるが、これは、単なる説明 ための例示にすぎず、本発明の技術的範囲 限定する趣旨ではない。

 本発明の第一の観点に従う作業車両(1)は エンジン(101)と、作業機(51)と、走行系(103) 、前記作業機(51)を作動するシリンダ(128)を える油圧装置系(104)と、前記エンジン(101)か の出力を前記走行系(103)と前記油圧装置系(1 04)とに分配する分配器(102)と、前記作業機(51) を使用した積込み作業中か否かを検出する積 込み作業検出部(211)と、前記走行系(103)に含 れている、前記分配器(102)に接続されたクラ ッチ(110)と、積込み作業中が検出された場合 第一と第二のエンジン最大出力特性のうち 二のエンジン最大出力特性を選択する最大 力特性制御部(2203)と、積込み作業中が検出 れた場合に前記クラッチ(110)のクラッチ圧 低下させる作動油量制御部(212)とを備える。 第一のエンジン最大出力特性は、所定のエン ジン回転数範囲における最大出力トルクが前 記第二のエンジン最大出力特性よりも低い特 性である。

 第二の観点では、前記作動油量制御部(212) 、積込み作業中が検出された場合に、前記 ラッチ(110)のクラッチ圧を低下させることに 加えて、以下の(A)及び/又は(B):
(A)前記シリンダ(128)に作動油を供給する第一 ポンプ(120)を含んだ一以上のポンプのうち 前記第一のポンプ(120)から供給される作動油 の流量を増加させる;
(B)前記第一のポンプ(120)から供給される作動 に加えて、前記一以上のポンプに含まれる 二のポンプ(121)からも前記シリンダ(118)に作 動油を供給させる;
を行う。

 第三の観点では、前記第一又は第二の観 において、前記積込み作業検出部(211)は、 ームレバー(126)が前記ブーム(51)を上昇させ べく操作され、前記ブーム(51)の角度が所定 度以上である場合に、積込み作業中と判断 る。

 第四の観点では、前記第一乃至第三の観 のいずれかにおいて、第一乃至第三の条件 ループのうちの少なくとも2つの条件グルー プがある。各条件グループは、積込み作業中 であることの少なくとも一つの条件を含む。 前記第一の条件グループは、オペレータの意 思の表れに関する条件のグループである。前 記第二の条件グループは、前記作業機の位置 に関する条件のグループである。前記第三の 条件グループは、前記走行系の状態に関する 条件のグループである。前記積込み作業検出 部(211)は、前記第一乃至第三の条件グループ うちの少なくとも2つの条件グループから1 ずつ選択された各条件が満たされている場 に、積込み作業中であると検出する。

 第五の観点では、前記第四の観点において 前記作業機(51)は、車体(2)の一側に回動可能 に設けられるブーム(51)である。前記シリン (128)は、前記ブーム(51)を回動させるための ームシリンダ(128)である。前記第一の条件グ ループは、以下の(a)及び(b)の条件:
(a)ブームレバー(126)が前記ブーム(51)を上昇さ せるべく操作された;
(b)前記ブームシリンダ(128)の伸長速度が正の である;
のうちの少なくとも一つを含む。

 第六の観点では、前記第四又は第五の観点 おいて、前記作業機(51)は、車体(2)の一側に 回動可能に設けられるブーム(51)である。前 第二の条件グループは、以下の(c)及び(d)の 件:
(c)前記ブーム(51)の角度が所定角度以上であ ;
(d)前記ブーム(51)の角度が所定の最大角度未 である;
のうちの少なくとも一つを含む。

 第七の観点では、前記第四乃至第六の観点 いずれかにおいて、前記第三の条件グルー は、以下の(e)乃至(h)の条件:
(e)クラッチ(13)の入力回転数と出力回転数と ブレーキオフ時での比が所定値以上である 又は、ブレーキオン時である;
(f)トランスミッション(112)に設定される速度 が所定の速度段である;
(g)トランスミッション(112)に設定される走行 ンジが後進から前進に切り替わった;
(h)車速が所定の速度以上である;
のうちの少なくとも一つを含む。

 第七の観点では、作業車両が、エンジン( 101)と、作業機(51)と、クラッチ(110)を有する 行系(103)とを備える。その作業車両の制御装 置が、前記作業機(51)を使用した積込み作業 か否かを検出する積込み作業検出部(211)と、 積込み作業中が検出された場合に前記第一と 第二のエンジン最大出力特性のうち第二のエ ンジン最大出力特性を選択する最大出力特性 制御部(2203)と、積込み作業中が検出された場 合に前記クラッチ(110)のクラッチ圧を低下さ る作動油量制御部(212)とを備える。この制 装置は、作業車両に取り付けられている装 であっても良いし、作業車両と通信可能に 隔に存在する装置(例えばサーバマシン)であ っても良い。

 第八の観点では、作業車両が、エンジン( 101)と、作業機(51)と、クラッチ(110)を有する 行系(103)とを備える。この作業車両の制御方 法は、前記作業機(51)を使用した積込み作業 か否かを検出するステップと、積込み作業 が検出された場合に前記第一と第二のエン ン最大出力特性のうち第二のエンジン最大 力特性を選択するステップと、積込み作業 が検出された場合に前記クラッチ(110)のクラ ッチ圧を低下させるステップとを有する。

 上述した第一乃至第八の観点のうちの少 くとも一つにおける作業車両は、例えば、 下の構成であっても良い。すなわち、クラ チ(110)が、分配器(102)を介してエンジン(101) 接続される。走行系(103)が、例えば、クラ チ(110)の他に、クラッチ(110)から出力される 動力を指定される速度段に応じて駆動輪に 達するトランスミッション(112)を有する。 圧装置系(103)は、例えば、分配器(102)を介し 駆動される1以上のポンプと、車体(2)の一側 に回動可能に設けられるブーム(51)と、この ーム(51)の一側に回動可能に設けられるバケ ト(52)と、ブーム(51)を回動させるためのブ ムシリンダ(128)と、バケット(52)を回動させ ためのバケットシリンダ(129)と、ブームレバ ー(126)及びバケットレバー(125)の操作量に応 て、ブームシリンダ(128)及びバケットシリン ダ(129)に前記ポンプのうちの第1ポンプ(120)か 吐出される作動油を供給する第1制御弁(123) 、この第1制御弁(123)を介してブームシリン (128)に作動油を供給可能な前記ポンプのう の第2ポンプ(121)とを備える。

 前述した積込み作業検出部(211)、最大出 特性制御部(2203)及び作動油量制御部(212)のう ちの少なくとも一つは、手段であっても良く 、ハードウェア、コンピュータプログラム又 はそれらの組み合わせ(例えば一部をコンピ ータプログラムにより実現し残りをハード ェアで実現すること)により構築することが きる。コンピュータプログラムは、所定の ロセッサに読み込まれて実行される。また コンピュータプログラムがプロセッサに読 込まれて行われる情報処理の際、適宜に、 モリ等のハードウェア資源上に存在する記 域が使用されてもよい。また、コンピュー プログラムは、CD-ROM等の記録媒体から計算 にインストールされてもよいし、通信ネッ ワークを介して計算機にダウンロードされ もよい。

 本発明によれば、積込み作業の状態を自 的に検出して、エンジン出力を自動的に高 力に変えられるため、通常走行のときより 大きい出力トルクを油圧装置系(104)に提供 ることができる。これにより、積込み作業 の作業効率を高めることができる。

本発明の第1実施例に係る作業車両の全 体構成を示す説明図である。 ホイールローダの側面図である。 コントローラの機能を模式的に示す説 図である。 Pモード最大出力特性とEモード最大出 特性とをそれぞれ表す線図である。 積込み作業時の様子を示す説明図であ 。 ホイールローダの作業工程を示す説明 である。 積込み作業時のブームの姿勢を定義す ための説明図である。 積込み作業検出処理のフローチャート ある。 本発明の第2実施例に係るコントローラ の機能を模式的に示す説明図である。 クラッチ指令圧を設定するためのテー ブルである。 ポンプの吐出量を設定するためのテー ブルである。 作業機に供給する作動油量を増加させ る処理のフローチャートである。 本発明の第3実施例に係る積込み作業 出処理のフローチャートである。 本発明の第4実施例に係る積込み作業 出処理のフローチャートである。 本発明の第5実施例に係る積込み作業 出処理のフローチャートである。 本発明の第6実施例に係る積込み作業 出処理のフローチャートである。 本発明の第7実施例に係る積込み作業 出処理のフローチャートである。 本発明の第8実施例に係る積込み作業 出処理のフローチャートである。 本発明の第9実施例に係る積込み作業 出処理のフローチャートである。 本発明の第10実施例に係る積込み作業 出処理のフローチャートである。

符号の説明

 1:ホイールローダ、5:作業機、11:掘削対象

 以下、図を参照しながら、本発明の幾つ の実施例を詳細に説明する。

 以下、本発明の実施例を、作業車両とし のホイールローダに適用した場合を例に挙 て説明する。但し、本実施例は、ホイール ーダ以外の他の作業車両にも適用すること できる。

 図1は、ホイールローダの全体構成を模式 的に示す説明図である。ホイールローダは、 機械構造100と制御構造(以下、コントローラ 呼ぶ)200とに大別される。先に機械構造100に いて説明し、次にコントローラ200について 明する。

 機械構造100は、例えば、エンジン101と、 ンジン101の出力を走行系103及び油圧装置系1 04に分配する出力分配器(PTO:Power Take Off)102と 、ホイールローダ1を走行させるための走行 103と、主に作業機5を駆動するための油圧装 系104とを備えている。

 ここで、図2を参照する。図2は、ホイー ローダ1の側面図である。ホイールローダ1は 、車体2と、車体2の前後に設けられる左右一 のタイヤ3と、車体2の後方に設けられる機 室4と、車体2の前方に設けられる作業機5と 車体2の中央部に設けられる運転室6とを備え ている。

 車体2は、後部車体21と、前部車体22と、 部車体21と前部車体22とを連結する連結部23 を備える。後部車体21と前部車体22との間に 、左右一対のステアリングシリンダ130が設 られている。オペレータが、運転室6内のス テアリングレバー127(図1参照)を操作すると、 この操作に応じて、一方のステアリングシリ ンダ130のシリンダロッドが伸長し、他方のス テアリングシリンダ130のシリンダロッドが縮 小する。これにより、ホイールローダ1は、 路を変えることができる。

 機械室4は、エンジン101や各ポンプ120等を 収容する。作業機5は、前部車体22から前方に 延びるようにして回動可能に設けられるブー ム51と、このブーム51の先端に回動可能に設 られるバケット52とを備える。ホイールロー ダ1は、ブーム51を上下方向に回動させるため のブームシリンダ128と、バケット52を回動さ るためのバケットシリンダ129とを備えてい 。

 図1に戻る。走行系103は、例えば、モジュ レーションクラッチ(以下、「クラッチ」と 呼ぶ)110と、トルクコンバータ111と、トラン ミッション112と、アクスル113とを備えてい 。クラッチ110は、接続、切り離しだけでな 、滑らせることも考慮されたクラッチであ 。クラッチ110の接続や切離し等は、例えば 油圧によって制御される。具体的には、例 ば、コントローラ200から指定された油圧で クラッチ110が制御される。以下、クラッチ1 10に対する圧力(油圧)を、「クラッチ圧」と う。説明の便宜上、図中では、クラッチを Mod/C」、トルクコンバータを「T/C」、トラン スミッションを「T/M」とそれぞれ略記する。 エンジン101から出力された動力(回転トルク) 、クラッチ110、トルクコンバータ111、トラ スミッション112及びアクスル113を介して、 イヤ3に伝達される。

 油圧装置系104は、例えば、ローダポンプ1 20と、スイッチポンプ121と、ステアリングポ プ122と、メインバルブ123と、ロードセンシ グ(ステアリング)バルブ(図中、CLSS:Closed Cen ter Load Sensing System)124と、バケットレバー125 と、ブームレバー126と、ステアリングレバー 127と、ブームシリンダ128と、バケットシリン ダ129と、ステアリングシリンダ130と、補機用 ポンプ131と、補機132とを備える。

 ここで、ローダポンプ120は「第1ポンプ」 に、スイッチポンプ121は「第2ポンプ」に、 インバルブ123は「第1制御弁」に、それぞれ 応する。なお、ロードセンシングバルブ124 、「第2制御弁」と呼ぶこともできる。

 ローダポンプ120は、ブームシリンダ128及 バケットシリンダ129に作動油を供給するた のポンプである。ステアリングポンプ122は ステアリングシリンダ130に作動油を供給す ためのポンプである。スイッチポンプ121は ステアリングシリンダ130、または、ブーム リンダ128及びバケットシリンダ129のいずれ に、作動油を供給するためのポンプである 各ポンプ120,121,122は、例えば、それぞれ斜 型油圧ポンプとして構成され、それぞれの 板の角度は、コントローラ200からの制御信 により制御される。

 ロードセンシングバルブ124は、負荷に応 て、スイッチポンプ121から吐出される作動 の供給先及び供給量を機械的に制御する。 ードセンシングバルブ124は、ステアリング ルブと呼ぶこともできる。通常の走行時に 、スイッチポンプ121から吐出される作動油 、ロードセンシングバルブ124を介して、ス アリングシリンダ130に供給される。即ち、 行時において、スイッチポンプ121は、ステ リングポンプ122を支援し、ステアリングシ ンダ130の作動のために働く。なお、本実施 では、ロードセンシングバルブ(あるいはス テアリングバルブ)124の一例として、CLSSバル を採用しているが、本発明はCLSSバルブ以外 の他のバルブを用いた構成にも適用すること ができる。

 これに対し、作業時には、スイッチポン 121から吐出される作動油は、ロードセンシ グバルブ124及びメインバルブ123を介して、 ームシリンダ128に供給されるようになって る。即ち、積込み作業時において、スイッ ポンプ121は、ローダポンプ120を支援し、ブ ムシリンダ128を作動させるために働く。

 バケットレバー125は、バケット52を操作 るための装置である。ブームレバー126は、 ーム51を操作するための装置である。ステア リングレバー127は、ステアリングシリンダ130 を操作するための装置である。各レバー125,12 6,127は、例えば、オペレータにより操作され 操作部と、操作部の操作量に応じてパイロ ト圧を制御するパイロット圧制御弁とを備 て構成される。メインバルブ123は、バケッ レバー125またはブームレバー126から入力さ るパイロット圧に応じて、ローダポンプ120( または、ローダポンプ120及びスイッチポンプ 121の両方)から吐出される作動油を、ブーム リンダ128やバケットシリンダ129に供給する

 補機132とは、例えば、油圧モータで駆動 る冷却ファン等のような装置である。補機 ポンプ131は、補機132に作動油を供給するた のポンプである。

 機械構造100内の所定位置には、各種セン 140が設けられている。各種センサ140は、後 するセンサ141~149(図3参照)の総称である。各 種センサ140により検出された各種状態は、電 気信号としてコントローラ200に入力される。

 コントローラ200は、例えば、演算部(例え ばCPU(Central Processing Unit))210と、記憶部(例え メモリ)220と、入出力インターフェース部230 とを備えた電子回路として構成される。演算 部210は、記憶部220からプログラム221を読み込 み実行することで、積込み作業検出部211と、 出力制御部1212とを備えた装置となることが きる。

 積込み作業検出部211は、後述するように 込み作業中であるか否かを検出する機能で る。出力制御部1212は、エンジン101、及び/ は、エンジン出力の伝達系の状態(ホイール ーダ1内の負荷装置へエンジン出力を伝える 伝達系の状態)を制御する機能である。

 記憶部220は、例えば、プログラム221と、 ラメータ222及びテーブル223を記憶する記憶 置である。演算部210は、前述したように、 憶部220からプログラム221を読み込むことに り、積込み作業中であるか否かを検出した 、エンジン101、及び/又は、エンジン出力の 伝達系の状態(ホイールローダ1内の負荷装置 エンジン出力を伝える伝達系の状態)を制御 したりする。パラメータ222とは、積込み作業 検出部211や出力制御部1212によって使用され 閾値や設定値である。テーブル223とは、積 み作業検出部211や出力制御部1212によって使 されるテーブルである。

 入出力インターフェース部230は、各種セ サ140、クラッチ110、トランスミッション112 各ポンプ120~122,131等の間で電気信号を送受 るための回路である。演算部210は、入出力 ンターフェース部230を介して、各種センサ14 0からの信号を受領する。また、演算部210は 入出力インターフェース部230を介して、ク ッチ110や各ポンプ120~122,131に制御信号を出力 する。なお、上述したコントローラ200の構成 は、本発明の理解及び実施に必要な程度で構 造を簡素化して示しており、本発明は、上述 の構成に限定されない。

 図3は、コントローラ200の機能に着目した 説明図である。コントローラ200には、各種セ ンサ140を構成する、センサ141~149が接続され 。走行レンジセンサ141は、トランスミッシ ン112に設定される走行レンジが、前進(F)、 ュートラル(N)、後進(R)のいずれであるかを 出する。走行レンジセンサ141によって、ト ンスミッション112に設定される速度段を検 することもできる。走行レンジセンサ141は センサとして構成される必要はない。コン ローラ200内のトランスミッション制御回路 らトランスミッション112に向けて出力され 信号を利用すれば、走行レンジや速度段を ることができる。

 ブームレバー操作量センサ142は、ブーム バー126の操作方向及び操作量を検出する。 ーム角度センサ143は、ブーム51の角度を検 する。エンジン回転数センサ144は、エンジ 101の回転数を検出する。クラッチ出力回転 センサ145は、クラッチ110から出力される回 数(クラッチ110の出力軸回転数)を検出する。 トランスミッション出力回転数センサ146は、 トランスミッション112から出力される回転数 (トランスミッション112の出力軸回転数)を検 する。ブレーキペダル操作量センサ147は、 転室6内のブレーキ(例えばブレーキペダル) 操作量を検出する。アクセル操作量センサ1 48は、運転室6内のアクセル(例えばアクセル ダル)の操作量(以下、「アクセル開度」とも 言う)を検出する。「車速検出部」の一例と ての車速計149は、作業車両1の車体速度を検 する。

 コントローラ200内の積込み作業検出部211 、各センサ141~149からの信号を適宜利用する ことにより、積込み作業中であるか否かを判 定する。

 出力制御部1212が、最大出力特性制御部220 3を有する(具体的には、例えば、プログラム2 21に、最大出力特性制御プログラムが含まれ )。最大出力特性制御部2203は、積込み作業 出部211で積込み作業中が検出されている場 、Pモード最大出力特性とEモード最大出力特 性とのうちPモード最大出力特性を選択する

 出力制御部1212は、選択した制御モード(P ード又はEモード)に対応した最大出力特性(P モード最大出力特性又はEモード最大出力特 )にエンジン101の最大出力特性が一致するよ な制御を実行する。具体的には、例えば、 力制御部1212は、検出されたエンジン回転数 におけるエンジン出力トルクを、選択した最 大出力特性におけるそのエンジン回転数での 最大出力トルクを超えないよう、燃料噴射量 を制御する。

 図4は、Pモード最大出力特性とEモード最 出力特性とをそれぞれ表す線図である。最 出力特性は、各エンジン回転数での各エン ン最大出力トルクで定義されるエンジン性 である。

 Pモード最大出力特性は、図4において実 で示されており、Pモードおいて出力可能な エンジン回転数での各エンジン最大出力ト クで定義される。なお、「Pモード」とは、 パワーモードのことであり、燃費よりもパワ ーを優先した制御モードである。

 Eモード最大出力特性は、図4において実 と点線の組合せで示されており、Eモードに いて出力可能な各エンジン回転数での各エ ジン最大出力トルクで定義される。図4から 分かるように、Eモード最大出力特性は、所 のエンジン回転数範囲(例えば図4に記載のR1 らR2の範囲)における最大出力トルクが、Pモ ード最大出力特性よりも低い。また、Eモー 最大出力特性によれば、Eモードにおいて出 可能な最大エンジン回転数は、Pモードにお いて出力可能な最大エンジン回転数よりも低 い。なお、「Eモード」とは、エコノミーモ ドのことであり、パワーよりも燃費を優先 た制御モードである。

 この例では、選択可能な最大出力特性は Pモード最大出力特性とEモード最大出力特 の2つであるが、3つ以上であっても良い。ま た、一つの最大出力特性が多段階又は無段階 に変わることにより、複数の最大出力特性が 得られても良い。また、最大出力特性は、図 4に例示したような折れ線に限らず、全部又 一部が曲線であっても良い。

 図5は、積込み作業の様子を示す説明図で ある。オペレータは、ブーム51をダンプトラ ク10の荷台の上方まで持ち上げて、バケッ 52をダンプ方向に回動させることにより、バ ケット52内の積載物をダンプトラック10の荷 に落下させる。

 図6は、ホイールローダ1の作業の流れを 式的に示す説明図である。ホイールローダ1 、土砂等の掘削対象11を掘削して、ダンプ ラック10のような運搬部に積み込むという定 形化された作業を繰り返す。

 第1作業工程P1では、オペレータは、バケ ト52を地面に近い位置まで下げた状態で、 イールローダ1を掘削対象11に向けて走行さ る。オペレータは、バケット52を掘削対象11 突入させた後、バケット52をチルト方向に 動させて、バケット52に積載物を収容する。

 第2作業工程P2では、オペレータは、積載 を収容したバケット52を地面から所定量だ 持ち上げて、ホイールローダ1を走行姿勢に 、後進する。

 第3作業工程P3では、オペレータは、ブー 51を上昇させながら、ダンプトラック10に接 近し、図5に示すように、バケット52内の積載 物をダンプトラック10の荷台に投下する。つ り、この第3作業工程P3で、積込み作業が行 れる。本実施例のような積込み作業は、ブ ム51を上昇させながらダンプトラック10に接 近することが行われることから、「ダンプア プローチ」と呼ぶこともできる。

 第4作業工程P4では、オペレータは、ブー 51を下降させつつホイールローダ1を後進さ る。その後、再び第1作業工程P1に移行する

 図7は、積込み作業が開始された初期状態 におけるブーム51の角度を模式的に示す説明 である。ブーム51の回動支点を通り、地面( 平面)Hに対して平行となる場合を基準線A1-A1 とし、ブーム51の回動支点とバケット52の回 支点とを結ぶ線をA2-A2とする。A1-A1とA2-A2の す角をブーム角度θbとする。ブーム51が基準 線A1-A1よりも下側にθ1だけ回動した状態を、 イナス、上側に回動した状態をプラスとし 、この実施例では、積込み開始の初期状態 して検出する。θ1の値は、例えば、-10度で る。しかし、この値は一例であって、本発 を限定するものではない。

 ブーム51の回動支点とバケット52の回動支 点とを結ぶ線A2-A2が、基準線A1-A1からθ1だけ 時計回りに回動した位置よりも上側に位置 る場合に、積込み作業の開始であると判定 ることができる。このようにして、本実施 では、走行時におけるブーム51の角度以上の 、ブーム51の上昇を検出する。

 なお、図7に示す定義は一例であって、本 発明はこれに限定されない。例えば、後述す るように、SAE(Society of Automotive Engineers)規格 で定義されている「Carry Position」を用いるこ ともできる。

 図8は、積込み作業中であるか否かを検出 するための処理を示すフローチャートである 。以下の各フローチャートは、本発明の理解 及び実施に必要な程度で処理の概要を示す。 積込み作業検出部211は、以下の各条件が全て 満たされた場合に、積込み作業(図6中の工程P 3)が開始されたと判定する。

 第1条件として、積込み作業検出部211は、 ブームレバー126が上昇方向に操作されたか否 かを判定する(S10)。上昇方向の操作とは、ブ ム51を上昇させるための操作を意味する。 込み作業では、ブーム51を持ち上げる必要が あるため、ブームレバー126が上昇方向に操作 されたか否かが判定される。

 第2条件として、積込み作業検出部211は、 ブーム角度θbが予め設定される所定角度θ1よ りも大きいか否かを判定する(S11)。θ1は、例 ば、-10度に設定される。積込み作業では、 ーム51を上昇させながらダンプトラック10に 近づいていくため、ブーム51の角度θbが走行 始時の角度よりも大きくなったか否かを判 する。

 第3条件として、積込み作業検出部211は、 ブーム角度θbが予め設定される上限角度θmax りも小さいか否かを判定する(S12)。ブーム51 が既に上限まで上昇している場合、今以上の 作動油を必要としないため、ブーム角度θbが 上限値θmaxよりも小さいことを確認する。

 第4条件として、積込み作業検出部211は、 ブレーキオフ時の速度比がR1よりも大きいか または、ブレーキがオン状態であるかの、 ずれかの場合であるかを判定する(S13)。ブ ーキオフ時とは、ブレーキペダルが操作さ ていない場合を意味する。速度比とは、ト クコンバータ111の出力回転数をトルクコン ータ111の入力回転数で除算した値である。 ラッチ110の入力回転数とクラッチ110の出力 転数との比であってもよい。ブレーキがオ 状態とは、ブレーキペダルが操作されてブ ーキが効いている状態である。

 ブレーキオフ時の速度比がR1(R1は、一例 して0.3に設定される)よりも小さい場合(速度 比<R1)は、ホイールローダ1が加速中の場合 または、図6に示す掘削作業中(工程P1)の場 のいずれかである。この場合、作業機に分 する油量は少なくて良い。

 積込み作業検出部211は、上記4条件が全て 満たされた場合に、積込み作業中であると判 定する(S14)。

 積込み作業中であると判定された場合、 述したように、最大出力特性制御部2203が、 Pモード最大出力特性とEモード最大出力特性 のうちPモード最大出力特性を選択する。

 以上、この第1実施例によれば、ブームレ バー操作量やブーム角度等の所定のパラメー タの変化に基づいて、積込み作業の状態を自 動的に検出することができる。

 また、この第1実施例によれば、積込み作 業中であることを積極的に検出するための条 件(S10,S11)と、誤検出を防止するための条件(S1 2,S13)との全てを満たした場合に、積込み作業 の開始であると判定する。従って、より高い 信頼性で積込み作業の開始を判定することが できる。

 また、この第1実施例によれば、積込み作 業中が検出されている場合に、Pモード最大 力特性とEモード最大出力特性のうち、Pモー ド最大出力特性が選択される。このため、積 込み作業中に、通常走行(例えば、図6を参照 て説明した第2作業工程P2)のときよりも大き い出力トルクを油圧装置系104に提供すること ができる。

 以下、第1実施例との相違点を主に説明し 、第1実施例との共通点については説明を省 或いは簡略する。

 本発明の第2実施例では、積込み作業中が 検出されている場合、Pモード最大出力特性 選択に代えて又は加えて、油量増加制御が われる。以下、積込み作業中が検出されて る場合にPモード最大出力特性選択と油量増 制御択の両方が行われる場合を例に採り、 実施例について詳述する。

 図9は、本発明の第2実施例におけるコン ローラ1200の機能に着目した説明図である。

 出力制御部2212は、ブームシリンダ128に供 給する作動油の量を増加させる油量増加出力 制御部212を有する。油量増加出力制御部212は 、積込み作業中であることが検出されると、 ローダポンプ120の斜板の角度を大きくするこ とにより、及び/又は、クラッチ110のクラッ 圧を低下させることにより、ブームシリン 128に供給される作動油の量を増加させる。

 油量増加出力制御部212は、例えば、斜板 度制御部212Aと、クラッチ圧制御部212Bとを える。斜板角度制御部212Aは、斜板の角度を 御するための制御信号を出力する。クラッ 圧制御部212Bは、クラッチ110のクラッチ圧を 制御するための制御信号を出力する。以下、 ローダポンプ120の斜板の角度を制御するため の制御信号を、「斜板角度制御信号」と言い 、クラッチ圧を制御するための制御信号を、 「クラッチ圧制御信号」と言い、クラッチ圧 制御信号で指定されているクラッチ圧を、「 クラッチ指令圧」と言う。

 積込み作業時に、斜板角度制御部212Aは、 ローダポンプ120から吐出される作動油の流量 を増加させるべく、より大きな斜板角度を指 定した斜板角度制御信号を出力する。斜板角 度制御部212Aとは異なる他の斜板角度制御部 ら他の斜板角度制御信号が出力されている 合、斜板角度制御部212Aからの斜板角度制御 号と上記他の斜板角度制御信号のうち、い れか大きい方の斜板角度を表す斜板角度制 信号が選択されてローダポンプ120に入力さ る。

 一方、積込み作業時に、クラッチ圧制御 212Bは、エンジン101の出力を作業機5側に多 配分させるべく、クラッチ圧を低下させる ラッチ圧制御信号を出力する。クラッチ圧 御部212Bとは異なる他のクラッチ圧制御部か 他のクラッチ圧制御信号が出力されている 合、クラッチ圧制御部212Bからのクラッチ圧 制御信号と上記他のクラッチ圧制御信号との うち、いずれか小さい方のクラッチ圧を指定 した制御信号が選択されてクラッチ110に入力 される。例えば、特殊なブレーキ(このよう 特殊ブレーキは、左ブレーキとも呼ばれる )を搭載する作業車両の場合、特殊なブレー によるクラッチ指令圧が、上記他のクラッ 圧制御信号の1つに該当する。

 図10は、クラッチ指令圧を制御するため 使用されるテーブルT1を示す。図10及び図11 示すテーブルT1,T2は、図1に示したテーブル22 3の一例である。図10中の横軸はブームレバー 126の操作量(%)を示し、図10中の縦軸はクラッ 指令圧(kg/cm^2)を示す。ブームレバー操作量 、ブーム51を上昇させる場合のレバー操作 である。図中の太い実線はアクセルペダル 操作量が0%の場合を示し、図中の一点鎖線は アクセルペダルの操作量が100%の場合を示す アクセルペダルの操作量が0%よりも多く、100 %よりも少ない範囲内では、実線で示す0%の特 性と一点鎖線で示す100%の特性から補間して められる値を使用する。

 ブームレバー操作量が0~50%の範囲では、 ラッチ指令圧を高くして、エンジン101の出 を走行系により多く分配する。ブームレバ 操作量が50%を超えた場合、ブームレバー操 量に応じてクラッチ指令圧を低下させる。 クセルペダルの操作量が多くなるほど、ク ッチ指令圧が低下する割合が大きくなるよ に設定されている。即ち、本実施例では、 クセルペダルの操作量が大きくなるほど、 ラッチ110を滑らせて、エンジン101の出力を 業機5側により多く配分させる。左ブレーキ のクラッチ操作時は、左ブレーキによるク ッチ圧指令値とテーブルT1から求められる 令値とを比較し、いずれか低い方の指令値 採用する。

 図11は、ローダポンプ120の斜板の角度を 御するために使用されるテーブルT2を示す。 図11中の横軸はブームレバー操作量(%)を、図1 1中の縦軸は目標流量(%)を、それぞれ示す。 ームレバー操作量は、ブーム51を上昇させる 場合の操作量である。目標流量は、最大流量 に対する割合で示されている。ブームレバー 操作量が大きくなるほど、ローダポンプ120に 要求される流量が大きくなるように設定され ている。

 図12は、作動油量を増加させるための処 を示すフローチャートである。積込み作業 出部211が積込み作業中であると判定すると(S 20:YES)、油量増加出力制御部212が、以下に述 る複数の油量増加処理を実行する。

 第1の油量増加処理では、油量増加出力制 御部212のクラッチ圧制御部212Bは、図10に示す テーブルT1を用い、ブームレバー操作量及び クセルペダル操作量に応じて、クラッチ指 圧を決定する(S21)。ここで決定されるクラ チ指令圧は、現在のクラッチ圧よりも低い である。クラッチ圧制御部212Bは、クラッチ1 10に、決定したクラッチ指令圧を指定したク ッチ圧制御信号を出力する(S21)。クラッチ 令圧を低下させることにより、油圧装置系 分配されるエンジン動力が増加する。それ より、ブームシリンダ128に供給される油量 増加させることができる。

 第2の油量増加処理では、油量増加出力制 御部212の斜板角度制御部212Aは、図11に示すテ ーブルT2を用いて、ブームレバー操作量に応 た目標流量を検出し、検出された目標流量 実現するための斜板角度を設定し、ローダ ンプ120に斜板角度制御信号を出力する(S22) これにより、ブームシリンダ128に供給され 油量を増加させることができる。

 第3の油量増加処理では、斜板角度制御部 212Aは、スイッチポンプ121からの吐出量が増 するように、斜板角度を設定し、スイッチ ンプ121に制御信号を出力する(S23)。斜板角度 制御部212Aは、例えば、「スイッチポンプ121 斜板角度(%)=ロードセンシングバルブ124によ 決定される斜板角度(%)+ブームレバー操作量 に応じた加算分(%)」という算出式に基づいて 、スイッチポンプ121の斜板角度を設定できる 。

 ロードセンシングバルブによる斜板角度 は、ステアリングシリンダ130の操作のため 必要と判断された流量に対応する斜板角度 ある。ブームレバー操作量に応じた加算分 は、ローダポンプ120を支援するために必要 判断された流量に対応する斜板角度である 上述の算出式の右辺の合計が100%を超えた場 合、スイッチポンプ121の斜板角度は100%に制 される。

 第4の油量増加処理では、斜板角度制御部 212Aは、補機用ポンプ131から吐出される作動 の流量が低下するように、補機用ポンプ131 斜板角度を設定し、補機用ポンプ131に制御 号を出力する(S24)。もしも、補機用ポンプ131 がポンプ用クラッチを介して出力分配器102に 接続されている場合、斜板角度制御部212Aは 斜板角度の制御に代えて、ポンプ用クラッ の係合を解除させることができる。これに り補機用ポンプ131に分配されていた出力が ーダポンプ120に分配される。

 このように、第1~第4の油量増加処理を実 することにより、積込み作業中に、ブーム リンダ128により多量の作動油を供給するこ ができ、ブーム51の上昇速度を高めること できる。

 本実施例では、第1~第4の油量増加処理を れぞれ実行する場合を述べたが、本発明は れに限らない。例えば、油量増加出力制御 212は、第1の油量増加処理(S21)または第2の油 量増加処理(S22)のいずれかのみを実行する構 でもよい。コントローラ200は、第1、第2、 3の油量増加処理(S21,S22,S23)を実行してもよい し、第1と第2の油量増加処理(S21,S22)だけを実 してもよいし、第1と第3の油量増加処理(S21, S23)あるいは第2と第3の油量増加処理(S22,S23)だ けを実行してもよい。

 以上、第2実施例によれば、積込み作業時 に、ブームシリンダ128に供給する作動油の流 量が増加される。従って、ブーム51の上昇速 を高めて、積込み作業に要する時間を短縮 ることができ、作業効率を改善することが きる。また、積込み作業の開始時に自動的 ブームシリンダ128への作動油の流量を増加 せるため、オペレータは、ブレーキペダル 操作する等のような余計な操作を行う必要 なく、積込み作業時の操作性が向上する。

 また、この第2実施例では、積込み作業中 であることが検出されると、第1~第4の油量増 加処理(S21~S24)を実行する。従って、より多く の作動油をブームシリンダ128に供給して、ブ ーム51を速やかに上昇させることができる。

 以下、積込み作業を検出する処理の変形 を説明する。すなわち積込み作業検出部211 変形例である。第3実施例乃至第10実施例は 第1実施例、第2実施例の変形例に該当する

 図13に示すように、第3実施例では、積込 作業検出部211は、ブームレバー126が上昇方 に操作されたか否か(S10)と、ブーム角度θb 所定値θ1よりも大きいか否か(S11)をそれぞれ 判定し、両方の条件が成立した場合に積込み 作業中であると判定する(S14)。

 このように構成される本実施例も前記第1 実施例、第2実施例と同様の効果を奏する。 実施例では、積込み作業を検出する処理が 1実施例、第2実施例よりも簡略化されている ため、第1実施例、第2実施例に比べて制御プ グラムを簡素化することができる。

 図14に示すように、第4実施例では、積込 作業検出部211は、第1実施例で述べた第1条 (S10)及び第4条件(S13)をそれぞれ判定し、両条 件が成立した場合に、積込み作業中であると 判定する(S14)。このように構成される本実施 も前記第3実施例と同様の効果を奏する。

 図15に示すように、第5実施例では、積込 作業検出部211は、ブーム角度θbが所定値θ1 りも大きいか否か(S11)と、速度段が前進2速 設定されているか否か(S15)をそれぞれ判定 、両方の条件が成立した場合に積込み作業 であると判定する(S14)。積込み作業時には、 バケット52に積載物を収容した状態でダンプ ラック10に近づくため、トランスミッショ 112は前進2速に設定されることが多い。

 しかし、本発明は前進2速に限定されない 。即ち、S15では、予め設定されている所定の 速度段であるか否かを判定する。本実施例で は、所定の速度段の一例として、2速を挙げ 。このように構成される本実施例も前記第3 施例と同様の効果を奏する。

 図16に示すように、第6実施例では、積込 作業検出部211は、ブーム角度θbが所定値θ1 りも大きいか否か(S11)と、走行レンジが後 から前進に切り替わったか否か(S16)を判定し 、両方の条件が成立した場合に積込み作業中 であると判定する(S14)。

 図6に示すように、作業工程P2から作業工 P3に移行する場合は、後進から前進に走行 ンジが切り替わるため、走行レンジの変化 積込み作業開始を検出するための情報の一 として利用することができる。このように 成される本実施例も前記第3実施例と同様の 果を奏する。

 図17に示すように、第7実施例では、積込 作業検出部211は、ブーム角度θbが所定値θ1 りも大きいか否か(S11)と、ブーム51の角速度 が0よりも大きいか否か(S17)をそれぞれ判定し 、両方の条件が成立した場合に積込み作業中 であると判定する(S14)。

 積込み作業時には、ダンプトラック10に けて走行しながら、同時にブーム51を持ち上 げていく。ブーム51は、ブームシリンダ128の リンダロッドが伸長することにより、上方 回動する。ブームシリンダ128のシリンダロ ドの伸長に応じて、ブームシリンダ128は、 の基端側の回動支点を中心に時計回りに回 する。従って、ブーム角度センサ143からの 出信号に基づいて、ブーム51の角速度を求 ることにより、ブーム51が上昇中であるか否 かを判別できる。

 このように構成される本実施例も前記第3 実施例と同様の効果を奏する。なお、ブーム 51の角速度は、ブームシリンダ128の角速度と て検出することもできる。また、角速度に えて、ブームシリンダ128のシリンダロッド 伸長速度が0以上であるか否かを判定する構 成でもよい。シリンダロッドの伸長速度は、 ブームシリンダ128の角速度から算出してもよ いし、シリンダロッドの変位量を直接検出す るリニアセンサを用いてシリンダロッドの伸 長速度を算出してもよい。

 図18に示すように、第8実施例では、積込 作業検出部211は、走行レンジが後進から前 に切り替わったか否か(S16)と、ブーム51の角 速度が0以上であるか否か(S17)とをそれぞれ判 定し、両方の条件が成立した場合に、積込み 作業中であると判定する(S14)。このように構 される本実施例も前記第3実施例と同様の効 果を奏する。

 図19に示すように、第9実施例では、図8中 のS11に代えて、積込み作業検出部211は、ブー ム角度θbが、「Carry Position」になったか否か を判定する(S11A)。「Carry Position」はSAE規格や ISO規格でも定義されているため、S11Aは、「SA EまたはISO規格に定める「Carry Position」にな たか否かを判定する」と言い換えてもよい このように構成される本実施例も前記第3実 例と同様の効果を奏する。

 図20に示すように、第10実施例では、図15 のS15に代えて、積込み作業検出部211は、車 Vが、予め設定されている所定速度V1を上回 ているか否かを判定する(S18)。ブーム角度θ bがθ1を上回り(S11:YES)、かつ、車速VがV1を上 っている場合は、積込み作業中であると判 することができる。

 以上、本発明の幾つかの実施例を説明し が、これらの実施例は本発明の説明のため 例示にすぎず、本発明の範囲をこれらの実 例にのみ限定する趣旨ではない。本発明は その要旨を逸脱することなく、その他の様 な態様でも実施することができる。

 例えば、実施例では、積込み作業中であ ことを検出するための情報として、ブーム バーが上昇方向に操作されたか、ブーム角 が所定値以上か、ブーム角度が「Carry Positi on」になったか、ブーム角度が上限角度未満 あるか、ブレーキオフ時の速度比が所定値 上であるか、所定の速度段か、走行レンジ 後進から前進に切り替わったか、ブームの 速度(ブームシリンダ角速度)が所定値以上 、を例示的に列挙した。そして、実施例で 、例示列挙された情報(パラメータ)を好適に 結合させる例を複数説明した。本発明は、実 施例として明示された結合に限られず、他の 結合も本発明の範囲に含まれる。

 また、例えば、上述した複数の実施例の ちの二以上の実施例が組み合わされても良 。