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Title:
WORKING VEHICLE AND METHOD OF CONTROLLING WORKING VEHICLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/034890
Kind Code:
A1
Abstract:
A working vehicle and a method of controlling the working vehicle, in which a loss of drive force in a brake device is minimized and the occurrence of overheat of the brake device is suppressed. The working vehicle (1) has a brake device (5a, 5b), a lubrication oil supply section (6), and a control section (7). The control section (7) can perform first control for controlling, based on the temperature of a brake disc, the amount of supply of lubrication oil to the brake device (5a, 5b). When the brake device (5a, 5b) is in an applied state, the control section (7) sets the amount of supply of the lubrication oil to a predetermined first supply amount. Further, when the brake device (5a, 5b) has been switched from the applied state to a not applied state, the control section (7) determines, in the first control, a change from the first supply amount to a second supply amount that is less than the first supply amount, where the determination is made based on the temperature of the brake disc.

Inventors:
KURE KAZUKI (JP)
SUZUKI KAZUYUKI (JP)
YAMAMOTO SHIGERU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/065854
Publication Date:
March 19, 2009
Filing Date:
September 03, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KOMATSU MFG CO LTD (JP)
KURE KAZUKI (JP)
SUZUKI KAZUYUKI (JP)
YAMAMOTO SHIGERU (JP)
International Classes:
F16D65/853; B60T5/00; F16D67/04
Foreign References:
JPH0471829U1992-06-25
JPS5334054A1978-03-30
JPH1172129A1999-03-16
Other References:
See also references of EP 2187081A4
Attorney, Agent or Firm:
SHINJYU GLOBAL IP (1-4-19 Minamimori-machi,Kita-k, Osaka-shi Osaka 54, JP)
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Claims:
 出力軸と共に回転する回転部材と車体側に固定された固定部材とが圧接することによって制動力を生じさせ、且つ、前記回転部材を潤滑油によって冷却可能なブレーキ装置と、
 前記潤滑油を前記ブレーキ装置に供給する潤滑油供給部と、
 前記回転部材の温度に基づいて前記ブレーキ装置への前記潤滑油の供給量を制御する第1制御を実行可能な制御部と、
を備え、
 前記制御部は、前記ブレーキ装置が、前記回転部材と前記固定部材とが圧接された制動状態である場合は、前記潤滑油の供給量を所定の第1供給量とし、前記ブレーキ装置が制動状態から非制動状態に切り替えられた場合には、前記第1制御において、前記回転部材の温度に基づいて前記潤滑油の供給量の前記第1供給量から前記第1供給量より少ない第2供給量への変更を判断する、
作業車両。
 前記制御部は、前記第1制御において、前記回転部材の温度が所定の目標温度より低い場合に前記潤滑油の供給量を前記第1供給量から前記第2供給量に低減する、
請求項1に記載の作業車両。
 前記制御部は、前記ブレーキ装置が制動状態から非制動状態に切り替えられた場合には、前記第1制御において、前記第1供給量の潤滑油の供給により前記回転部材の温度が所定の目標温度に下降するまでに要する潤滑油供給時間を算出し、前記ブレーキ装置が制動状態から非制動状態に切り替えられた時点から前記潤滑油供給時間が経過した場合に、前記潤滑油の供給量を前記第1供給量から前記第2供給量に低減する、
請求項1に記載の作業車両。
 前記制御部は、前記第1制御において、前記ブレーキ装置が制動状態から非制動状態に切り替えられた時点から前記潤滑油供給時間が経過する前に前記ブレーキ装置が非制動状態から制動状態に切り換えられた場合は、その後に、前記ブレーキ装置が制動状態から非制動状態に切り換えられた時点からの前記潤滑油供給時間を再算出する、
請求項3に記載の作業車両。
 前記出力軸に伝達される動力を変速するトランスミッションをさらに備え、
 前記制御部は、前記トランスミッションの速度段が所定の高速速度段である場合には、前記第1制御を実行可能とし、前記トランスミッションの速度段が前記高速速度段より変速比が大きい低速速度段である場合には、前記回転部材の温度および前記ブレーキ装置の制動状態・非制動状態に関わらず所定量の前記潤滑油を前記ブレーキ装置に供給する第2制御を行う、
請求項1に記載の作業車両。
 前記回転部材の回転数を検知する回転数検知部をさらに備え、
 前記制御部は、前記回転部材の回転数が所定値を越えている場合には、前記第1制御を実行可能とし、前記回転部材の回転数が前記所定値以下である場合には、前記回転部材の温度および前記ブレーキ装置の制動状態・非制動状態に関わらず所定量の前記潤滑油を前記ブレーキ装置に供給する第2制御を行う、
請求項1に記載の作業車両。
 前記制御部は、前記回転部材の温度を計算によって求める、
請求項1に記載の作業車両。
 出力軸と共に回転する回転部材と車体側に固定された固定部材とが圧接することによって制動力を生じさせ、且つ、前記回転部材を潤滑油によって冷却可能なブレーキ装置と、
 前記潤滑油を前記ブレーキ装置に供給する潤滑油供給部と、
 前記固定部材の温度に基づいて前記ブレーキ装置への前記潤滑油の供給量を制御する第1制御を実行可能な制御部と、
を備え、
 前記制御部は、前記ブレーキ装置が、前記回転部材と前記固定部材とが圧接された制動状態である場合は、前記潤滑油の供給量を所定の第1供給量とし、前記ブレーキ装置が制動状態から非制動状態に切り替えられた場合には、前記第1制御において、前記固定部材の温度に基づいて前記潤滑油の供給量の前記第1供給量から前記第1供給量より少ない第2供給量への変更を判断する、
作業車両。
 出力軸と共に回転する回転部材と車体側に固定された固定部材とが圧接することによって制動力を生じさせ、且つ、前記回転部材を潤滑油によって冷却可能なブレーキ装置と、前記潤滑油を前記ブレーキ装置に供給する潤滑油供給部と、前記ブレーキ装置への前記潤滑油の供給量を制御する制御部とを備える作業車両の制御方法であって、
 前記制御部が前記回転部材の温度を把握するステップと、
 前記制御部が前記回転部材の温度に基づいて前記ブレーキ装置への前記潤滑油の供給量を制御するステップと、
を備える作業車両の制御方法。
 出力軸と共に回転する回転部材と車体側に固定された固定部材とが圧接することによって制動力を生じさせ、且つ、前記回転部材を潤滑油によって冷却可能なブレーキ装置と、前記潤滑油を前記ブレーキ装置に供給する潤滑油供給部と、前記ブレーキ装置への前記潤滑油の供給量を制御する制御部とを備える作業車両の制御方法であって、
 前記制御部が前記回転部材の温度を計算によって求めるステップと、
 前記ブレーキ装置が、前記回転部材と前記固定部材とが圧接された制動状態である場合は、前記潤滑油の供給量を所定の第1供給量とし、前記ブレーキ装置が制動状態から非制動状態に切り替えられた場合には、前記回転部材の温度に基づいて前記潤滑油の供給量の前記第1供給量から前記第1供給量より少ない第2供給量への変更を判断するステップと、
を備える作業車両の制御方法。
Description:
作業車両および作業車両の制御 法

 本発明は、作業車両および作業車両の制 方法に関する。

 出力軸と共に回転する回転部材と車体側 固定された固定部材とが圧接することによ て制動力を生じさせるブレーキ装置では、 擦によって回転部材が発熱する。このため 回転部材と固定部材との間に潤滑油を流す とによって、回転部材を冷却し、回転部材 温度上昇を抑制することが行われる。

 ここで、ブレーキ装置が、回転部材と固 部材とが圧接されていない非制動状態であ 場合にも、回転部材と固定部材との間に多 の潤滑油が介在している場合、出力軸の駆 力の一部が回転部材から潤滑油に伝わるこ によって、駆動力のロスが生じる恐れがあ 。

 このような駆動力のロスを防止するため、 許文献1に記載の技術では、ブレーキ装置が 制動状態である場合に潤滑油の供給量を増大 させ、ブレーキ装置が非制動状態である場合 には供給量を低減させる潤滑油回路が設けら れている。

特開昭53-034054号公報

 しかし、ブレーキ装置では、制動状態か 非制動状態に切り替えられたときに、回転 材の温度が十分に低下していない場合があ 。このような場合、上記のようにブレーキ 置の制動状態・非制動状態の切替に応じて 滑油の供給量が切り換えられると、回転部 の温度が高い状態でも潤滑油の供給量が低 されてしまい、回転部材がオーバーヒート る恐れがある。また、このようなオーバー ートを防止するためには、潤滑油の供給量 多量に設定する必要があり、この場合、駆 力のロスを抑制する効果が低減してしまう

 本発明の課題は、ブレーキ装置における 動力のロスを抑制することができると共に オーバーヒートの発生を抑えることができ 作業車両および作業車両の制御方法を提供 ることにある。

 第1発明に係る作業車両は、ブレーキ装置 と、潤滑油供給部と、制御部とを備える。ブ レーキ装置は、出力軸と共に回転する回転部 材と車体側に固定された固定部材とが圧接す ることによって制動力を生じさせ、且つ、回 転部材を潤滑油によって冷却可能な装置であ る。潤滑油供給部は、潤滑油をブレーキ装置 に供給する。制御部は、回転部材の温度に基 づいてブレーキ装置への潤滑油の供給量を制 御する第1制御を実行可能である。そして、 御部は、ブレーキ装置が、制動状態である 合は、潤滑油の供給量を所定の第1供給量と 、ブレーキ装置が制動状態から非制動状態 切り替えられた場合には、上記の第1制御に おいて、回転部材の温度に基づいて潤滑油の 供給量の第1供給量から第1供給量より少ない 2供給量への変更を判断する。なお、制動状 態とは、回転部材と固定部材とが圧接される ことにより、制動力を生じさせる状態である 。

 この作業車両では、ブレーキ装置が、制 状態である場合には、比較的多量の第1供給 量の潤滑油がブレーキ装置に供給される。こ れにより、高い冷却能力を確保することがで きる。また、ブレーキ装置が、制動状態から 非制動状態に切り替えられた場合には、潤滑 油が常に第2供給量に低減されるのではなく 上記の第1制御において、回転部材の温度に づいて潤滑油の供給量の第1供給量から第2 給量への変更が判断される。これにより、 転部材の温度の低下が十分ではない場合に 第1供給量を維持し、回転部材の温度が十分 低下した場合に第2供給量に低減させること ができる。これにより、常時、多量の潤滑油 がブレーキ装置に供給される場合と比べて、 ブレーキ装置における駆動力のロスを抑制す ることができる。また、ブレーキ装置の制動 状態・非制動状態の切替に応じて供給量が増 減される場合と比べて、回転部材の冷却を適 切に行うことができ、オーバーヒートの発生 を抑えることができる。

 第2発明に係る作業車両は、第1発明の作 車両であって、制御部は、第1制御において 回転部材の温度が所定の目標温度より低い 合に潤滑油の供給量を第1供給量から第2供 量に低減する。

 この作業車両では、第1制御において、回 転部材の温度が所定の目標温度より低い温度 まで低下した場合に潤滑油の供給量が第1供 量から第2供給量に低減される。これにより 回転部材の温度に対して精度よく潤滑油の 給量を変更することができる。

 第3発明に係る作業車両は、第1発明の作 車両であって、制御部は、第1制御において ブレーキ装置が制動状態から非制動状態に り替えられた場合には、第1供給量の潤滑油 の供給により回転部材の温度が所定の目標温 度に下降するまでに要する潤滑油供給時間を 算出し、ブレーキ装置が制動状態から非制動 状態に切り替えられた時点から潤滑油供給時 間が経過した場合に、潤滑油の供給量を第1 給量から第2供給量に低減する。

 この作業車両では、第1制御において、ブ レーキ装置が制動状態から非制動状態に切り 替えられた場合には、潤滑油供給時間が経過 するまで第1供給量の潤滑油が供給される。 のため、ブレーキ装置が非制動状態である 合でも高い冷却能力で回転部材を冷却する とができる。また、潤滑油供給時間が経過 た場合に、潤滑油の供給量が第1供給量から 2供給量に低減されることにより、ブレーキ 装置での駆動力のロスを抑えることができる 。

 第4発明に係る作業車両は、第3発明の作 車両であって、制御部は、第1制御において ブレーキ装置が制動状態から非制動状態に り替えられた時点から潤滑油供給時間が経 する前にブレーキ装置が非制動状態から制 状態に切り換えられた場合は、その後に、 レーキ装置が制動状態から非制動状態に切 換えられた時点からの潤滑油供給時間を再 出する。

 この作業車両では、回転部材の温度が十 に低下していない状態でブレーキ装置が制 状態にされると、その後にブレーキ装置が 動状態から非制動状態に切り換えられた時 からの潤滑油供給時間が改めて算出される これにより、ブレーキ操作が断続的に繰り された場合でも、回転部材を十分に冷却す ことができる。

 第5発明に係る作業車両は、第1発明の作 車両であって、出力軸に伝達される動力を 速するトランスミッションをさらに備える そして、制御部は、トランスミッションの 度段が所定の高速速度段である場合には、 1制御を実行可能とし、トランスミッション 速度段が高速速度段より変速比が大きい低 速度段である場合には、回転部材の温度お びブレーキ装置の制動状態・非制動状態に わらず所定量の潤滑油をブレーキ装置に供 する第2制御を行う。

 この作業車両では、トランスミッション 速度段が、駆動力のロスが比較的大きい高 速度段である場合に、上記の第1制御が実行 可能とされる。これによって、駆動力のロス を抑える効果をさらに向上させることができ る。また、トランスミッションの速度段が、 駆動力のロスが比較的少ない低速速度段であ る場合には、第2制御が行われる。第2制御で 、回転部材の温度およびブレーキ装置の制 状態・非制動状態に関わらず所定量の潤滑 がブレーキ装置に供給されるため、回転部 の冷却能力を向上させることができる。

 第6発明に係る作業車両は、第1発明の作 車両であって、回転部材の回転数を検知す 回転数検知部をさらに備える。そして、制 部は、回転部材の回転数が所定値を越えて る場合には、第1制御を実行可能とし、回転 材の回転数が前記所定値以下である場合に 、回転部材の温度およびブレーキ装置の制 状態・非制動状態に関わらず所定量の潤滑 をブレーキ装置に供給する第2制御を行う。

 この作業車両では、回転部材の回転数が 較的高回転数である場合に、上記の第1制御 が実行可能とされる。これによって、駆動力 のロスを抑える効果をさらに向上させること ができる。また、回転部材の回転数が比較的 低回転数である場合には、第2制御が行われ 。第2制御では、回転部材の温度およびブレ キ装置の制動状態・非制動状態に関わらず 定量の潤滑油がブレーキ装置に供給される め、回転部材の冷却能力を向上させること できる。

 第7発明に係る作業車両は、第1発明の作 車両であって、制御部は、回転部材の温度 計算によって求める。

 この作業車両では、回転部材の温度が、 ンサ等の検知手段によって直接的に検出さ るのではなく、計算によって求められる。 のため、回転部材の動作に耐えうる耐久性 高い温度センサを設ける必要が無く、ブレ キ装置を安価に構成することができる。

 第8発明に係る作業車両は、ブレーキ装置 と、潤滑油供給部と、制御部とを備える。ブ レーキ装置は、出力軸と共に回転する回転部 材と車体側に固定された固定部材とが圧接す ることによって制動力を生じさせ、且つ、回 転部材を潤滑油によって冷却可能な装置であ る。潤滑油供給部は、潤滑油をブレーキ装置 に供給する。制御部は、固定部材の温度に基 づいてブレーキ装置への潤滑油の供給量を制 御する第1制御を実行可能である。そして、 御部は、ブレーキ装置が、制動状態である 合は、潤滑油の供給量を所定の第1供給量と 、ブレーキ装置が制動状態から非制動状態 切り替えられた場合には、上記の第1制御に おいて、固定部材の温度に基づいて潤滑油の 供給量の第1供給量から第1供給量より少ない 2供給量への変更を判断する。なお、制動状 態とは、回転部材と固定部材とが圧接される ことにより、制動力を生じさせる状態である 。

 この作業車両では、ブレーキ装置が、制 状態である場合には、比較的多量の第1供給 量の潤滑油がブレーキ装置に供給される。こ れにより、高い冷却能力を確保することがで きる。また、ブレーキ装置が、制動状態から 非制動状態に切り替えられた場合には、潤滑 油が常に第2供給量に低減されるのではなく 上記の第1制御において、固定部材の温度に づいて潤滑油の供給量の第1供給量から第2 給量への変更が判断される。これにより、 定部材の温度の低下が十分ではない場合に 第1供給量を維持し、固定部材の温度が十分 低下した場合に第2供給量に低減させること ができる。これにより、常時、多量の潤滑油 がブレーキ装置に供給される場合と比べて、 ブレーキ装置における駆動力のロスを抑制す ることができる。また、ブレーキ装置の制動 状態・非制動状態の切替に応じて供給量が増 減される場合と比べて、回転部材の冷却を適 切に行うことができ、オーバーヒートの発生 を抑えることができる。

 第9発明に係る作業車両の制御方法は、出 力軸と共に回転する回転部材と車体側に固定 された固定部材とが圧接することによって制 動力を生じさせ、且つ、回転部材を潤滑油に よって冷却可能なブレーキ装置と、潤滑油を ブレーキ装置に供給する潤滑油供給部と、ブ レーキ装置への潤滑油の供給量を制御する制 御部とを備える作業車両の制御方法であって 、制御部が回転部材の温度を把握するステッ プと、制御部が回転部材の温度に基づいてブ レーキ装置への潤滑油の供給量を制御するス テップと、を備える。

 この作業車両の制御方法では、ブレーキ 置への潤滑油の供給量が、回転部材の温度 基づいて制御される。これにより、常時、 量の潤滑油がブレーキ装置に供給される場 と比べて、ブレーキ装置における駆動力の スを抑制することができる。また、ブレー 装置の制動状態・非制動状態の切替に応じ 供給量が増減される場合と比べて、回転部 の冷却を適切に行うことができ、オーバー ートの発生を抑えることができる。

 第10発明に係る作業車両の制御方法は、 力軸と共に回転する回転部材と車体側に固 された固定部材とが圧接することによって 動力を生じさせ、且つ、回転部材を潤滑油 よって冷却可能なブレーキ装置と、潤滑油 ブレーキ装置に供給する潤滑油供給部と、 レーキ装置への潤滑油の供給量を制御する 御部とを備える作業車両の制御方法であっ 、制御部が回転部材の温度を計算によって めるステップと、ブレーキ装置が、回転部 と固定部材とが圧接された制動状態である 合は、潤滑油の供給量を所定の第1供給量と 、ブレーキ装置が制動状態から非制動状態 切り替えられた場合には、回転部材の温度 基づいて潤滑油の供給量の第1供給量から第 1供給量より少ない第2供給量への変更を判断 るステップと、を備える。

 この作業車両の制御方法では、ブレーキ 置が、制動状態である場合には、比較的多 の第1供給量の潤滑油がブレーキ装置に供給 される。これにより、高い冷却能力を確保す ることができる。また、ブレーキ装置が、制 動状態から非制動状態に切り替えられた場合 には、潤滑油が常に第2供給量に低減される ではなく、回転部材の温度に基づいて潤滑 の供給量の第1供給量から第2供給量への変更 が判断される。これにより、回転部材の温度 の低下が十分ではない場合には第1供給量を 持し、回転部材の温度が十分に低下した場 に第2供給量に低減させることができる。こ により、常時、多量の潤滑油がブレーキ装 に供給される場合と比べて、ブレーキ装置 おける駆動力のロスを抑制することができ 。また、ブレーキ装置の制動状態・非制動 態の切替に応じて供給量が増減される場合 比べて、回転部材の冷却を適切に行うこと でき、オーバーヒートの発生を抑えること できる。

作業車両の概略システム構成図。 ブレーキ装置の構成を示す断面図。 作業車両の制御フローチャート。 本発明の作業車両の制御内容を示すタ ミングチャート。 従来の作業車両の制御内容を示すタイ ングチャート。

符号の説明

 1     作業車両
 5a,5b ブレーキ装置
 6     潤滑油供給部
 7     制御部
 10    トランスミッション
 20    ブレーキディスク(回転部材)
 21    固定プレート(固定部材)
 42    ベベルギヤ回転数センサ(回転数検 部)

 <第1実施形態>
  〔構成〕
 本発明の第1実施形態に係る作業車両1の概 システム構成図を図1に示す。この作業車両1 は、例えばブルドーザであり、エンジン2、 力伝達機構3、一対の走行装置4a,4b、一対の レーキ装置5a,5b、潤滑油供給部6、各種の操 部32-35、各種のセンサ41-43、制御部7などを備 えている。

  〔エンジン2〕
 エンジン2は、ディーゼルエンジンであり、 図示しない燃料噴射ポンプからの燃料の噴射 量が調整されることにより、エンジン2の出 が制御される。具体的には、実際のエンジ 回転数が制御部7によって設定されたエンジ 回転数になるように、負荷に応じてエンジ 回転数と燃料噴射量とが調整される。エン ン2からの駆動力は、動力取出装置8を介し 、動力伝達機構3や、後述する油圧ポンプ30 分配される。

  〔動力伝達機構3〕
 動力伝達機構3は、エンジン2からの駆動力 一対の走行装置4a,4bに伝達する機構であり、 トルクコンバータ9、トランスミッション10、 ベベルギヤ11、横軸12、一対の操向クラッチ13 a,13b、一対の出力軸14a,14bなどを有する。

 トルクコンバータ9は、エンジン2からの 動力をトランスミッション10に伝達する。

 トランスミッション10は、エンジン2から 力軸14a,14bに伝達される駆動力を変速するた めの装置であり、駆動力をトルクコンバータ 9からベベルギヤ11に伝達する。トランスミッ ション10は、制御部7からの制御信号によって 制御されることにより、前進と後進と切り替 える。また、トランスミッション10は、制御 7からの制御信号によって制御されることに より、速度段の切替を行う。例えば、前進1~3 速および後進1~3速の切り替えが可能である。 トランスミッション10から出力されたエンジ 2の駆動力は、ベベルギヤ11に伝達される。

 図2に示すように、ベベルギヤ11に伝えら た動力は、横軸12および操向クラッチ13aを して出力軸14aに伝えられる。操向クラッチ13 aは、クラッチピストン15によってクラッチデ ィスク16を皿バネにより圧接、また油圧によ 切断することによりON/OFFを行う。なお、図2 では、一対の操向クラッチ13a,13bのうち一方 操向クラッチ13aのみを図示しているが、他 の操向クラッチ13bも同様の構造である。ま 、左右一対の操向クラッチ13aと左右一対の レーキ装置5a,5bとで、作業車両1の操向装置 構成している。

  〔一対の走行装置4a,4b〕
 一対の走行装置4a,4bは、図1に示すように、 れぞれ、スプロケット17a,17bと、スプロケッ ト17a,17bに巻回される履帯18a,18bとを有してい 。スプロケット17a,17bは、動力伝達機構3の 力軸14a,14bに連結されており、エンジン2から の駆動力は、動力伝達機構3を介してスプロ ット17a,17bにそれぞれ伝達される。スプロケ ト17a,17bが回転駆動されると、スプロケット 17a,17bに巻回された履帯18a,18bが駆動され、こ により作業車両1が走行する。

  〔一対のブレーキ装置5a,5b〕
 一対のブレーキ装置5a,5bのうち一方のブレ キ装置5aの構造を図2に示す。なお、他方の レーキ装置5bも同様の構造である。このブレ ーキ装置5aは、いわゆる湿式多板式のブレー 装置であり、複数のブレーキディスク20(回 部材)と、複数の固定プレート21(固定部材) 、ブレーキピストン22とを有している。ブレ ーキディスク20は固定プレート21の間にそれ れ配置されており、横軸12および出力軸14aと 共に回転する複数のブレーキディスク20と、 体側に固定された固定プレート21とが圧接 れることによって制動力が発生する。なお このブレーキ装置5aは、ブレーキピストン22 油圧がかけられていない状態において、皿 ネの付勢力によってブレーキディスク20と 定プレート21とが圧接された制動状態となる 。また、ブレーキピストン22に油圧がかけら ることによって、ブレーキピストン22が皿 ネの付勢力に抗してブレーキディスク20と固 定プレート21とを離反させる。これにより、 レーキ装置5aが非制動状態となる。

 ブレーキ装置5aの制動状態・非制動状態 切り替えが繰り返えされると、ブレーキデ スク20に摩擦熱が発生する。このブレーキ装 置5aでは、後述する潤滑油供給部6から供給さ れる潤滑油によって、ブレーキディスク20の 滑および冷却を行うことができる。図2に示 すように、潤滑油供給部6から供給される潤 油は、矢印のように潤滑油供給路23を通り、 ブレーキ用供給路24aとクラッチ用供給路24bと の二つの経路に分岐する。なお、図2では、 レーキ用供給路24aとクラッチ用供給路24bと 重なって配置されており、ブレーキ用供給 24aは、クラッチ用供給路24bの後方に位置し いる。ブレーキ用供給路24aに送られた潤滑 は、ブレーキ用供給口25を通り、ブレーキデ ィスク20の隙間を通ってブレーキディスク20 潤滑および冷却する。また、クラッチ用供 路24bに送られた潤滑油は、クラッチ用供給 26を通り、クラッチディスク16の隙間を通っ クラッチディスク16を潤滑および冷却する ブレーキディスク20の隙間を通った潤滑油お よびクラッチディスク16の隙間を通った潤滑 は、図示しない回収経路を通って潤滑油供 部6に回収される。

  〔潤滑油供給部6〕
 潤滑油供給部6は、図1に示すように、油圧 ンプ30と、流量切替弁31とを有しており、潤 油をブレーキ装置5a,5bに供給する。

 油圧ポンプ30は、動力取出装置8を介して 達されるエンジン2からの駆動力によって駆 動される固定容量ポンプであり、上述したブ レーキ装置5a,5bを冷却するための潤滑油を吐 する。

 流量切替弁31は、制御部7からの制御信号 よって制御される電磁弁であり、ブレーキ 置5a,5bに供給される潤滑油の供給量を切り える。流量切替弁31は、油圧ポンプ30から吐 された潤滑油の全量(以下、「第1供給量」 呼ぶ)をブレーキ装置5a,5bに供給する第1状態 、油圧ポンプ30から吐出された潤滑油を第1 給量より少ない第2供給量に減量してブレー キ装置5a,5bに供給する第2状態とに切り替え可 能である。流量切替弁31が非励磁状態である 合には、バネの付勢力によって流量切替弁3 1は第1状態とされる。流量切替弁31が励磁状 である場合には、流量切替弁31は第2状態と れる。

  〔各種の操作部32-35〕
 各種の操作部32-35は、図示しない運転室に 装されており、オペレータによって操作さ ることにより作業車両1に各種の動作を行わ ることができる。また、これらの操作部32-3 5による操作内容は、操作信号として制御部7 送られる。操作部32-35には、スロットル操 部32、変速操作部33、ステアリング操作部34 ブレーキ操作部35などがある。

 スロットル操作部32は、エンジン回転数 変更を指示するためのものである。スロッ ル操作部32によって指定されたエンジン回転 数は制御部7に入力され、制御部7はエンジン 転数が指定された回転数になるようにエン ン2を制御する。

 変速操作部33は、トランスミッション10の 速度段の切替を指示するためのものである。 この作業車両1では、前進・後進のそれぞれ おいて、第1速から第3速までの速度段の切替 が可能である。オペレータが変速操作部33を 作すると、制御部7は、変速操作部33によっ 指定された速度段にトランスミッション10 切り替える。これにより、オペレータは、 動で速度段の切替を行うことができる。な 、制御部7による判断によって自動的にトラ スミッション10の変速が行われてもよい。

 ステアリング操作部34は、作業車両1の前 ・後退の切替、直進・旋回の切替、旋回方 の切替を指示するためのものである。オペ ータは、ステアリング操作部34を操作する とによりトランスミッション10の前進状態お よび後進状態を切り替えることができる。ま た、オペレータは、ステアリング操作部34を 作することにより、作業車両1の直進・旋回 の切替、旋回方向の切替、旋回速度の調整を 行うことができる。具体的には、ステアリン グ操作部34からの操作信号に応じて、制御部7 が、一対の操向クラッチ13a,13bおよび一対の レーキ装置5a,5bの制御を行うことにより、上 記操向の切替が行われる。例えば、両方の操 向クラッチ13a,13bがONにされ、且つ、両方のブ レーキ装置5a,5bが非制動状態にされると、作 車両1は直進する。この状態から、一方の操 向クラッチ13aがOFFにされると、作業車両1は 旋回する。また、一方の操向クラッチ13aがOF Fにされ、且つ、OFFにされた操向クラッチ13a 同じ側のブレーキ装置5aが制動状態にされる と、車両は信地旋回する。上記と逆方向に旋 回する場合は、操向クラッチ13bがOFFにされ、 ブレーキ装置5bが制動状態にされる。また、 方の操向クラッチ13a,13bがOFFにされ、両方の ブレーキ装置5a,5bが制動状態にされると車両 停止する。

 ブレーキ操作部35は、作業車両1の減速を 示するためのものである。ブレーキ操作部3 5が操作されると、制御部7は、ブレーキ操作 35の操作量に応じてブレーキ装置5a,5bの制動 力を制御する。これにより、オペレータは、 ブレーキ操作部35を操作することによって、 業車両1を減速・停止させることができる。

 なお、図示していないが、この作業車両1 は、ブレードなどの作業機と、作業機を駆動 するための油圧シリンダおよび油圧シリンダ に圧油を供給する作業機用油圧ポンプなどを 備えており、図示しない作業機操作部が操作 されることにより、作業機による各種の作業 を行うことができる。

  〔各種のセンサ41-43〕
 各種のセンサには、エンジン回転数センサ4 1、ベベルギヤ回転数センサ42、潤滑油温度セ ンサ43などがある。

 エンジン回転数センサ41は、エンジン2の 際のエンジン回転数を検出する。

 ベベルギヤ回転数センサ42は、ベベルギ 11の回転数を検出する。なお、ベベルギヤ回 転数センサ42によって検出されたベベルギヤ1 1の回転数からブレーキ装置5a,5bのブレーキデ ィスク20の回転数が求められるため、ベベル ヤ回転数センサ42は、ブレーキディスク20の 回転数を検知する回転数検知部として機能す る。

 潤滑油温度センサ43は、潤滑油の温度を 出する。

 これらのセンサ41-43によって検出された 報は、検出信号として制御部7に入力される

  〔制御部7〕
 制御部7は、マイクロコンピュータや数値演 算プロセッサ等の演算処理装置やメモリーな どによって構成されている。制御部7は、操 部32-35からの操作信号、各種のセンサ41-43か の検出信号、制御部7に記憶されている制御 データなどに基づいて、エンジン2、動力伝 機構3、ブレーキ装置5a,5b、潤滑油供給部6な の制御を行う。ここで、制御部7は、ブレー キディスク20の温度に基づいてブレーキ装置5 a,5bへの潤滑油の供給量を制御する第1制御と ブレーキディスク20の温度およびブレーキ 置5a,5bの制動状態・非制動状態に関わらず所 定量の潤滑油をブレーキ装置5a,5bに供給する 2制御とを選択的に実行することができる。 以下、制御部7が行うブレーキ装置5a,5bへの潤 滑油の供給量の制御について、図3のフロー ャートおよび図4のタイミングチャートに基 いて詳細に説明する。なお、図3のフローチ ャートで示される制御は、作業車両1のエン ン起動後に、常時、繰り返して実行される

 〔潤滑油の供給量の制御〕
 まず、第1ステップS1において、トランスミ ション10の速度段が前進の第1速であるか否 が判断される。ここでは、変速操作部33か 制御部7に送られた操作信号に基づいて、ト ンスミッション10の速度段が検知される。 ランスミッション10の速度段が前進の第1速 ある場合には、第4ステップS4に進む。

 第4ステップS4では、流量切替弁31が第1状 にされ、第1供給量の潤滑油がブレーキ装置 5a,5bに供給される。このように、トランスミ ション10の速度段が前進の第1速である場合 は、ブレーキディスク20の温度およびブレ キ装置5a,5bの制動状態・非制動状態に関わら ず所定量の潤滑油をブレーキ装置5a,5bに供給 る第2制御が行われる。

 第1ステップS1において、トランスミッシ ン10の速度段が前進第1速の低速速度段では い場合、すなわち、前進第2速、第3速の高 速度段である場合又は後進第1速~第3速であ 場合は、第2ステップS2に進む。

 第2ステップS2では、ブレーキ装置5a,5bが 動状態であるか否かが判断される。ブレー 装置5a,5bの少なくとも一方が制動状態である 場合には、第3ステップS3に進む。

 第3ステップS3では、ブレーキディスク温度

が算出される。ここでは、以下のようにして ブレーキディスク温度

が算出される。

 単位時間当たりのブレーキディスク20の発 量  

 単位時間当たりのブレーキディスク20の放 量

 単位時間当たりのブレーキディスク20の蓄 量  

とすると、
 

である。

 なお、

について、Tは、ブレーキトルクであり、 レーキディスク径、ブレーキディスク20の枚 数、ブレーキディスク20の摩擦係数などのブ ーキディスク20の諸元データと、ブレーキ ィスク20の圧接力とから算出される。ブレー キディスク20の諸元データは、予め制御部7に 記憶されている。ブレーキディスク20の圧接 は、ブレーキ操作部35やステアリング操作 34からの操作信号に基づいて算出される。ま た、Nは、ブレーキディスク20の回転数であり 、ベベルギヤ回転数センサ42が検出したベベ ギヤ11の回転数から算出される。

 また、

について、

は、エンジン起動後、n回目に算出されたブ ーキディスク20の温度である。

は、潤滑油の温度である。

は、潤滑油の供給量である。

 上記(1)式の

を比熱cで除して時間tで積分することにより ブレーキディスク温度の変化量

が求まる。

 すなわち、
 

である。なお、ブレーキディスク温度の初期 値tr(0)は、潤滑油温度

に等しいと見なす。

 なお、ブレーキ装置5a,5bが制動状態である 合は、

であり、ブレーキ装置5a,5bが非制動状態であ 場合は、

である。

 これより、ブレーキディスク温度

が算出され、制御部7によってブレーキディ ク温度が把握される。なお、このブレーキ ィスク温度

は、次回のブレーキディスク温度

の演算に用いられる。

 次に、第4ステップS4において、流量切替 31が第1状態とされる。これにより、図4の期 間T1,T3,T5,T7,T9,T12のように、第1供給量Q1の潤滑 油がブレーキ装置5a,5bに供給される。すなわ 、ブレーキ装置5a,5bが制動状態である場合 は、ブレーキディスク20の発熱量が比較的大 きいため、多量の潤滑油がブレーキ装置5a,5b 供給されることにより、ブレーキ装置5a,5b 冷却能力が高められる。

 第2ステップS2において、ブレーキ装置5a,5 bの両方が非制動状態である場合は、第5ステ プS5に進む。

 第5ステップS5では、ブレーキディスク温度

が算出される。ここでは、上記の第3ステッ S3と同様にしてブレーキディスク温度

が算出される。

 次に、第6ステップS6において、第5ステップ S5で算出されたブレーキディスク温度

が所定の目標温度αより小さいか否かが判 される。

 ブレーキディスク温度

が目標温度αより低くない場合には、第4ス テップS4に進み、第1供給量の潤滑油がブレー キ装置5aに供給される。すなわち、図4におけ る期間T2,T4,T6,T8,T10,T13のように、ブレーキ操 部35からの操作信号(ブレーキ信号)がオフに っており、ブレーキ装置5a,5bが非制動状態 なっていても、ブレーキディスク温度が十 に低下していない場合には、第1供給量の潤 油が供給されることにより、高い冷却能力 維持される。

 ブレーキディスク温度

が所定の目標温度αより低い場合には、第7 ステップS7に進み、第2供給量の潤滑油がブレ ーキ装置5aに供給される。すなわち、図4にお ける期間T11,T14のように、ブレーキ操作部35か らのブレーキ信号がオフになっており、すな わち、ブレーキ装置5aが非制動状態であり、 つ、ブレーキディスク温度が十分に低下し いる場合には、潤滑油の供給量が第2供給量 Q2に低減される。これにより、ブレーキ装置5 a,5bにおける駆動力のロスが抑えられる。

 なお、ブレーキ装置5aは、上記のような ジティブブレーキではなく、ネガティブブ ーキであってもよい。

 このように、ブレーキ装置5a,5bが制動状 から非制動状態に切り替えられた場合には 第5ステップS5~第7ステップS7において、ブレ キディスク温度に基づいて潤滑油の供給量 制御する第1制御が行われる。

  〔特徴〕
 この作業車両1では、ブレーキ装置5a,5bが制 状態である場合には、比較的多量の潤滑油 ブレーキ装置5a,5bに供給されることにより 高い冷却能力が維持される。また、ブレー 装置5a,5bが制動状態から非制動状態に切り替 えられても、ブレーキディスク温度が高い間 は、高い冷却能力が維持される。そして、ブ レーキディスク温度が十分に低下した場合に 潤滑油の供給量が低減される。

 これにより、常時、多量の潤滑油がブレ キ装置5a,5bに供給される場合と比べて、ブ ーキ装置5a,5bにおける駆動力のロスを抑制す ることができる。

 また、ブレーキ装置5a,5bの制動状態・非 動状態の切替に応じて供給量が増減される 合は、図5に示すように、ブレーキ信号がオ になるとブレーキディスク20の温度が十分 下がっていない状態でも潤滑油の供給量が 減されてしまう。このため、断続的にブレ キ操作部35が操作されてブレーキ装置5a,5bの 動状態と非制動状態との切替が短時間に繰 返されると、実線L2で示すように、ブレー ディスク温度が上昇して、オーバーヒート 発生してしまう。

 しかし、この作業車両1では、ブレーキ装 置5a,5bが制動状態から非制動状態に切り替え れても、ブレーキディスク温度が十分に低 するまで高い冷却能力が維持されるため、 レーキディスク20の冷却を適切に行うこと でき(図4の実線L1および図5の波線L1参照)、オ ーバーヒートの発生を抑えることができる。

 また、この作業車両1では、トランスミッ ション10が、ブレーキ装置5a,5bでの駆動力の 制効果の高い高速速度段である場合に、上 の第1制御が実行可能とされ、ブレーキ装置5 a,5bでの駆動力の抑制効果が低い低速速度段 は、上記の第1制御は行われない。このため トランスミッション10が低速速度段である 合のブレーキ装置5a,5bの冷却能力をより向上 させることができる。

 また、ブレーキディスク20は高速で回転 るため、ブレーキディスク温度を温度セン によって直接的に測定する場合には、耐久 の高い高価な温度センサが必要となる。ま 、ブレーキディスク20に隣接する固定プレー ト21に温度センサを取り付け、測定された固 プレート21の温度をブレーキディスク温度 して代用することによっても、ブレーキデ スク温度を求めることが可能である。制動 態では固定プレート21とブレーキディスク20 が密着しているからである。しかし、この 合も高価な温度センサが必要となる。これ 対して、この作業車両1では、制御部7は、 レーキディスク温度を計算によって求めて るため、制御部7は、安価な構成でブレーキ ィスク温度を把握することができる。

 <第2実施形態>
 上記の実施形態では、第6ステップS6におい 、ブレーキディスク温度

が所定の目標温度αより小さいか否かが判断 れているが、第1供給量の潤滑油の供給によ りブレーキディスク温度が目標温度に下降す るまでに要する潤滑油供給時間が算出され、 ブレーキ装置5a,5bが制動状態から非制動状態 切り替えられた時点から潤滑油供給時間が 過した場合に、潤滑油の供給量が第1供給量 から第2供給量に低減されてもよい。例えば 図4において、期間T13に相当する時間が潤滑 供給時間として算出され、期間T12の終了時 (図4のP1参照)から潤滑油供給時間(T13)が経過 したときに、潤滑油の供給量が第1供給量Q1か ら第2供給量Q2に低減される。この場合、潤滑 油供給時間(T13)は、例えば、図4の時点P1にお る潤滑油温度Tp1を期間T13で一定と見なして 第5ステップS5で算出されたブレーキディス 温度

と目標温度αとより算出することができる

 また、この場合、ブレーキ装置5a,5bが制 状態から非制動状態に切り替えられた時点 ら潤滑油供給時間が経過する前にブレーキ 置5a,5bが非制動状態から制動状態に切り換え られた場合は、その後に、ブレーキ装置5a,5b 制動状態から非制動状態に切り換えられた 点からの潤滑油供給時間が再算出される。 れにより、ブレーキ操作部35が断続的に操 された場合でも、適切な潤滑油供給時間を 保することができる。

 <第3実施形態>
 上記の実施形態では、第1ステップS1におい 、トランスミッション10の速度段が前進の 1速であるか否かが判断され、トランスミッ ョン10の速度段が前進の第1速である場合に 、第1制御が行われず第2制御が行われる。 かし、上記の判断に代えて又は上記の判断 併せて以下のような判断が行われてもよい

 すなわち、ブレーキディスク20の回転数 所定値を越えているか否かが判断され、ブ ーキディスク20の回転数が所定値を越えてい る場合には第1制御が実行可能とされ、ブレ キディスク20の回転数が所定値以下である場 合には、第2制御が行われてもよい。

 この場合も、ブレーキ装置5a,5bでの駆動 の抑制効果の高い場合に、第1制御が実行可 とされ、ブレーキ装置5a,5bでの駆動力の抑 効果が低い場合には第1制御は行われず第2制 御が行われる。これにより、ブレーキ装置5a, 5bの冷却能力をより向上させることができる

 <他の実施形態>
 (a)
 ブレーキディスク温度の算出方法は、上記 ものに限られず、他の手法によって算出さ てもよい。例えば、日本国特許公開公報-特 開平11-72129号に記載のブレーキ摩擦材の温度 定方法が用いられてもよい。

 また、固定プレート21の温度がブレーキ ィスク温度として求められてもよい。

 (b)
 上記の実施形態では、トランスミッション1 0の速度段が前進第1速である場合に第2制御が 行われているが、他の速度段においても第2 御が行われるような制御が行われてもよい 例えば、前進第1速および前進第2速において 第2制御が行われてもよい。また、全ての速 段において第1制御が行われてもよい。換言 れば、少なくともブレーキ装置5a,5bが非制 状態であり、回転部材が高速回転する高次 速度段(例えば前進第3速)である場合におい 第1制御を行うことにより、駆動力のロスを 分に抑制することができる。

 (c)
 上記の実施形態では、第2供給量は少量の供 給量とされているが、第2供給量がゼロとさ てもよい。

 (d)
 上記の実施形態では、一対のブレーキ装置5 a,5bの少なくとも一方が制動状態である場合 は第2制御が行われ、一対のブレーキ装置5a,5 bの両方が非制動状態である場合に第1制御が 行可能とされている。しかし、ブレーキ装 5a,5bのそれぞれについて独立して潤滑油の 給量を変更可能として、供給量の変更が独 して判断されてもよい。

 (e)
 上記の実施形態では、潤滑油の第1供給量Q1 ら第2供給量Q2への低減はステップ状に制御 れているが、漸減するように制御されても い。

 (f)
 上記の実施形態では、作業車両1としてブル ドーザが例示されているが他の作業車両に本 発明が適用されてもよい。

 本発明は、ブレーキ装置における駆動力の スを抑制することができると共に、オーバ ヒートの発生を抑えることができる効果を し、作業車両および作業車両の制御方法と て有用である。