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Title:
X-RAY CT APPARATUS, AND ITS METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/022625
Kind Code:
A1
Abstract:
In an X-ray CT apparatus (1) and an X-ray CT method, the thickness of an inspection object is computed on the basis of the number of transmission X-rays in a specific energy range set by the upper and lower K-absorption ends of an X-ray contrast media acting as the inspection object, and a CT image is reconstituted on the basis of the computed thickness of the inspection object. These X-ray CT apparatus (1) and X-ray CT method can create the X-ray CT image stably independently of the magnitude of the inspection object and the X-ray tube voltage (or the energy distribution of the X-ray).

Inventors:
KANNO IKUO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/064229
Publication Date:
February 19, 2009
Filing Date:
August 07, 2008
Export Citation:
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Assignee:
UNIV KYOTO (JP)
KANNO IKUO (JP)
International Classes:
A61B6/03
Foreign References:
JP2004223158A2004-08-12
JP2007071602A2007-03-22
Other References:
AKIO UESAKA ET AL.: "B30 Iodine Zoeizai o Mochiita X-sen Toka Satsueiho ni Okeru Denryu Sokuteiho to Energy Sokuteiho no Hikaku", ATOMIC ENERGY SOCIETY OF JAPAN '2007 NEN HARU NO NENKAI' ( 2007 NEN 3 GATU 27-29 NICHI, NAGOYA UNIVERSITY, 2007, pages 71
IKUO KANNO: "Teihibaku Satsuei no Tameno Filter X-sen o Mochiita Energy Sabunho", IONIZING RADIATION, vol. 32, no. 1, 2006, pages 49 - 59
See also references of EP 2189115A4
Attorney, Agent or Firm:
KOTANI, Etsuji et al. (2-2 Nakanoshima,2-chome, Kita-ku,Osaka-sh, Osaka 05, JP)
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Claims:
 被検体にX線を照射するX線照射部と、
 前記被検体を介して前記X線照射部と対向し、前記被検体を透過した透過X線のうちの前記被検体の内部の検査対象物に応じた特定のエネルギ範囲における前記透過X線の個数を測定するX線測定部と、
 前記X線測定部で測定した前記透過X線の個数に基づいて前記検査対象物の厚さを演算する厚さ演算部と、
 前記厚さ演算部で演算された前記検査対象物の厚さに基づいてCT画像を再構成する画像再構成部とを備え、
 前記検査対象物は、X線造影剤であり、
 前記特定のエネルギ範囲は、前記X線造影剤のK吸収端上下に設定されること
 を特徴とするX線CT装置。
 前記厚さ演算部は、前記検査対象物のK吸収端よりも小さい所定のエネルギ範囲における透過X線の個数と、前記検査対象物のK吸収端よりも大きい所定のエネルギ範囲における透過X線の個数との比に基づいて前記検査対象物の厚さを演算すること
 を特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
 前記X線測定部は、前記被検体を透過した透過X線から付与されたエネルギによって電荷を発生する検出媒体と、前記検出媒体における前記透過X線の入射端からの距離が互いに異なる位置で、前記検出媒体に設置された複数の電極とを備えること
 を特徴とする請求項1または請求項2に記載のX線CT装置。
 前記X線測定部は、前記被検体を透過した透過X線の進行方向に並べられた複数の検出媒体から成り、前記透過X線から付与されたエネルギによって個々の前記検出媒体において電荷を発生するとともに、前記検出媒体が前記透過X線の吸収体ともなるため、個々の前記検出媒体に前記透過X線が到達するまでに透過する吸収体の厚さが異なること
 を特徴とする請求項1または請求項2に記載のX線CT装置。
 前記X線造影剤は、ヨウ素造影剤、バリウム造影剤および金造影剤のうちのいずれかであること
 を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のX線CT装置。
 前記X線照射部は、X線をフィルタに透過させたフィルタX線を被検体に照射すること
 を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のX線CT装置。
 被検体にX線を照射するX線照射工程と、
 前記被検体を透過した透過X線のうちの前記被検体の内部の検査対象物に応じた特定のエネルギ範囲における前記透過X線の個数を測定するX線測定工程と、
 前記X線測定部で測定した前記透過X線の個数に基づいて前記検査対象物の厚さを演算する厚さ演算工程と、
 前記厚さ演算工程で演算された前記検査対象物の厚さに基づいてCT画像を再構成する画像再構成工程とを備え、
 前記検査対象物は、X線造影剤であり、
 前記特定のエネルギ範囲は、前記X線造影剤のK吸収端上下に設定されること
 を特徴とするX線CT方法。
 
Description:
X線CT装置および該方法

 本発明は、X線CT装置およびX線CT方法に関 、特に、透過X線のエネルギ情報に基づいて CT画像を生成するX線CT装置およびX線CT方法に する。

 X線透過撮影による画像診断やX線CT(Computed  Tomography)撮影による画像診断は、被検体内 の例えば癌や潰瘍等の病変を発見すること できることから、有効な診断方法として利 されている。これら画像診断では、被検体 透過したX線の線量(または被検体で吸収され たX線の線量)が測定され、その線量の増減を 像に表すことによってX線画像が生成されて いる。生体を構成する元素は、例えば水素、 窒素、酸素およびカルシウム等の比較的軽い 元素であるため、X線の吸収係数が小さい。 のため、生体を被検体とした場合に鮮明なX 画像を生成するためには、被検体に照射す X線の線量を多くする必要があり、被検体の 被曝が問題となる。

 発明者は、被検体の被曝量を低減するX線 撮像方法を特許文献1(D1)で提案し、この提案 たX線撮像方法に好適な放射線検出器を特許 文献2(D2)および特許文献3(D3)で提案した。

 この特許文献1(D1)に開示のX線撮像方法は X線を被検体に照射して被検体を透過してき た透過X線を用いた被検体内部を検査するX線 像方法であって、前記透過X線のエネルギ情 報の内、前記被検体内部の検査対象物に応じ た特定のエネルギ範囲の情報を利用して前記 検査対象物を評価する過程を有するものであ る。このX線撮像方法では、特定のエネルギ 囲における透過X線のエネルギ情報が利用さ ているので、被検体に照射されるX線の線量 を少なくすることが可能であり、被検体の被 曝量を低減することが可能である。

 また、特許文献2(D2)に開示の放射線検出 は、透過X線が入射する方向に検出媒体が複 個並べられており、ここで、前記透過X線の 入射方向から個々の前記検出媒体に1、2、3、 ・・・と番号を付けると、入射した透過X線 ら付与されたエネルギによって個々の前記 出媒体1、2、3、・・・において電荷を発生 るが、前記検出媒体1、2、3、・・・のそれ れが前記透過X線の吸収体ともなるため、前 透過X線が個々の前記検出媒体1、2、3、・・ ・に到達するまでに通過する前記吸収体の厚 さが異なることによって、入射した透過X線 吸収される前記検出媒体1、2、3、・・・の 号が前記透過X線のエネルギに応じて異なる すなわち、低エネルギのX線やガンマ線は、 前記透過X線が入射する側の前記検出媒体1お び検出媒体2などで吸収され易い一方で、高 エネルギのX線やガンマ線は、大きい番号の 記検出媒体(入射端から離れた位置部分)まで 到達し、そこの検出媒体で吸収される。この ような現象に基づき個々の前記検出媒体1、2 3、・・・から出力される電流を計測するこ とによって、高計数率の放射線の検出とエネ ルギ情報の収集とを同時に行うことが可能と なる。

 また、特許文献3(D3)に開示の半導体放射 検出器は、化合物半導体であるInSbを母材と た単結晶を用いた放射線検出器であって、 純物を人工的にドープしない高純度InSb単結 晶が用いられ、この高純度InSb単結晶にダイ ード特性を持たせた半導体素子が作製され 所定の温度で動作するものである。この半 体放射線検出器では、高エネルギ分解能で 射線を検出することが可能となる。

 ところで、生体を被検体とした場合に鮮 なX線画像を生成するために、X線の吸収係 がより大きい例えばヨウ素やバリウム等の 影剤が生体に投与される場合がある。この うな場合に、生体が大きいためにX線の透過 が長くなると、生体によるX線の吸収を無視 することができず、このため、造影剤の効果 が小さくなってしまう。また、前記X線の線 を多くする場合では、一般にX線管に印加さ る電圧(X線管電圧)を高くすることによって われ、生体に照射されるX線は、高エネルギ 成分が多くなる。このため、造影剤に吸収さ れるX線が少なくなってしまう。

 また、前記特許文献1(D1)には、特許文献1(D1) に開示のX線撮像方法をCTに適用可能である旨 が記載されているが([0078]段落)、その具体的 構成の開示はなく、また、その作用効果と てX線の被曝量の低減しか予定されない。

特開2004-223158号公報

特開2007-071602号公報

特開2004-228482号公報

 本発明は、上述の事情に鑑みて為された 明であり、その目的は、被検体の大きさやX 線管電圧(X線のエネルギ分布)に依存すること なく安定的にX線CT画像を生成することができ るX線CT装置およびX線CT方法を提供することで ある。

 本発明にかかるX線CT装置およびX線CT方法 は、X線造影剤のK吸収端上下に設定される 定のエネルギ範囲における透過X線の個数に づいて検査対象物の厚さが演算され、この 算された検査対象物の厚さに基づいてCT画 が再構成される。したがって、このようなX CT装置およびX線CT方法は、被検体の大きさ X線管電圧(X線のエネルギ分布)に依存するこ なく安定的にX線CT画像を生成することが可 となる。

本発明の一実施形態におけるX線CT装置 構成を示すブロック図である。 前記実施形態における一実施例の構成 示す図である。 実施例におけるヨウ素厚さとX線管電圧 とを変化させた場合における透過X線のエネ ギスペクトルを示す図である。 実施例における直径20cmの水ファントム でX線管電圧を変化させた場合における透過X のカウント比φ1/φ2を示す図である。 実施例における直径30cmの水ファントム でX線管電圧を変化させた場合における透過X のカウント比φ1/φ2を示す図である。 実施例における測定値に基づく水ファ トムのX線CT画像を示す図である。 実施例における水ファントム(直径20cm) 中心を通る径方向の直線(図6のAA線)に沿っ CT値を示す図である。 実施例における水ファントム(直径10cm 30cm)の中心を通る径方向の直線(図6のAA線)に ったCT値を示す図である。 比較例における直径20cmの水ファントム でX線管電圧を変化させた場合における透過X を電流として測定した結果を示す図である 比較例における直径30cmの水ファント でX線管電圧を変化させた場合における透過X 線を電流として測定した結果を示す図である 。 比較例における測定値に基づく水ファ ントムのX線CT画像を示す図である。 比較例における水ファントム(直径20cm) の中心を通る径方向の直線(図11のBB線)に沿っ たCT値を示す図である。 比較例における水ファントム(直径10cm 30cm)の中心を通る径方向の直線(図11のBB線) 沿ったCT値を示す図である。

 以下、本発明に係る実施の一形態を図面 基づいて説明する。なお、各図において同 の符号を付した構成は、同一の構成である とを示し、その説明を省略する。

 (実施形態の構成)
 図1は、本発明の一実施形態におけるX線CT装 置の構成を示すブロック図である。図1にお て、X線CT装置1は、X線照射部11と、X線測定部 12と、処理部13と、画像記憶部14と、操作部15 、画像表示部16とを備えて構成される。

 X線照射部11は、X線を照射する装置であり 、例えば、X線を生成して放射するX線管111と X線管111にX線を生成させるべく、商用電源 の入力電圧を所定の電圧値に昇圧してこの 圧した電圧の電力をX線管111に供給するX線電 源回路112と、X線管111から放射されるX線の放 タイミングや放射量等を制御すべく、処理 13の制御に従ってX線電源回路112を制御する 源制御回路113とを備えて構成される。X線管 111は、例えば、X線電源回路112から供給され 電力の高電圧(X線管電圧)が陰極と陽極との に印加され、陰極のフィラメントから放出 れた電子が陽極に衝突することによってX線 放射する装置である。

 X線測定部12は、被検体Hを介してX線照射 11と対向するように配置され、被検体Hを透 した透過X線のうちの被検体Hの内部の検査対 象物に応じた特定のエネルギ範囲における透 過X線の個数を測定する装置である。X線測定 12には、X線照射部11から被検体Hに向けて照 されたX線が被検体Hを介して入射される。 なわち、X線照射部11から照射されたX線のう の被検体Hを透過したX線(透過X線)がX線測定 12に入射される。X線測定部12は、例えば、 射するX線のエネルギとその数とを検出するX 線検出器121と、X線検出器121の出力を増幅す 前置増幅回路122と、前置増幅回路122の出力 さらに増幅する主増幅回路123と、主増幅回 123の出力をアナログ信号からディジタル信 へ変換するアナログディジタル変換回路(AD 換回路)124と、AD変換回路124の出力を積分す 積分回路125とを備えて構成される。積分回 125は、検査対象物(例えばX線造影剤等)のK吸 端よりも小さい所定のエネルギ範囲φ1に対 するエネルギ領域のX線の数を積分する第1 分回路125-1と、検査対象物のK吸収端よりも きい所定のエネルギ範囲φ2に対応するエネ ギ領域のX線の数を積分する第2積分回路125-2 を備えて構成される。このように積分回路1 25は、検査対象物のK吸収端上下に設定される 所定のエネルギ範囲におけるX線の個数を積 する。すなわち、積分回路125は、エネルギ において検査対象物のK吸収端における上側 よび下側にそれぞれ設定される、各所定の ネルギ範囲におけるX線の個数をそれぞれ積 分する。

 また例えば、X線測定部12は、入射するX線 を電流として測定するX線検出器121と、X線検 器121の出力を増幅する前置増幅回路122と、 置増幅回路122の出力をアナログ信号からデ ジタル信号へ変換するアナログディジタル 換回路(AD変換回路)124と、図略のエネルギ分 布導出部と、前記エネルギ分布導出部の出力 を積分する積分回路125とを備えて構成される 。X線測定器121は、複数の検出素子がX線の入 方向に並べられており、各検出素子から出 された電流をそれぞれに接続された前置増 回路122が増幅し、アナログディジタル変換 路124が数値化する。前記エネルギ分布導出 によって、これらの数値化された電流値が 析され、入射X線エネルギ分布が導出される 。そして、前記エネルギ分布導出部を介して 、積分回路125は、検査対象物のK吸収端上下 設定される所定のエネルギ範囲におけるX線 個数を積分する。

 X線検出器121は、エネルギを測定でき、計 数率が高いものが好ましい。このようなX線 出器121としては、例えば、特許文献2(D2)に開 示の検出器が好ましく、例えば、入射したX から付与されたエネルギによって電荷を発 する検出媒体と、前記検出媒体における前 X線の入射端からの距離が互いに異なる位置 、当該検出媒体に設置された複数の電極と 備えて構成される。より具体的には、X線検 出器121は、X線の入射方向に沿って延設され 長方形のシリコン板と、X線の入射端からX線 の入射方向に沿ってこのシリコン板の一方主 面上に形成された第1ないし第4電極と、第1な いし第4電極にそれぞれ接続された第1ないし 4ダイオードとを備え、シリコン板が接地さ れている。なお、電極は、4個に限定される のではなく、複数であってよい。X線検出器1 21の材料は、シリコンに限らず、例えば、半 体、CdTe、InSbおよびシンチレータ等の放射 検出器の母材として利用されている公知の 料でよい。また、X線検出器121は、シリコン と該シリコン板の表裏の主面上に形成され 2つの電極により形成されたシリコン検出器 をX線の進行方向に複数並べて構成されても い。また、X線検出器121は、被検体を透過し 透過X線の進行方向に並べられた複数の検出 媒体から成り、前記透過X線から付与された ネルギによって個々の前記検出媒体におい 電荷を発生するとともに、前記検出媒体が 記透過X線の吸収体ともなるため、個々の前 検出媒体に前記透過X線が到達するまでに透 過する吸収体の厚さが異なるものである。こ れら構成のX線検出器121によれば、電流測定 X線CT装置の場合と同等の処理速度で、被検 を透過したX線のうち、被検体の内部の検査 象物に応じた特定のエネルギ範囲における 過X線の個数を測定することができ、CT画像 描画することが可能となる。したがって、 り実用的なX線CT装置1が提供される。

 また例えば、X線検出器121は、特許文献3(D 3)に開示の検出器が好ましく、例えば、化合 半導体であるInSbを母材とした単結晶を用い た放射線検出器であって、不純物を人工的に ドープしない高純度InSb単結晶に表面障壁層 形成されることによってダイオード特性を ち、動作温度が2K以上50K以下とされる。また 例えば、X線検出器121は、化合物半導体であ InSbを母材とした単結晶を用いた放射線検出 であって、不純物を人工的にドープしない 純度InSb単結晶にpn接合が形成されることに ってダイオード特性を持ち、動作温度が2K 上115K以下とされる。また例えば、X線検出器 121は、化合物半導体であるInSbを母材とした 結晶を用いた放射線検出器であって、InSb単 晶にGeをドープしたp型InSb単結晶に、pn接合 形成されることによってダイオード特性を ち、動作温度が4.2K以上115K以下とされる。

 そして、X線照射部11とX線測定部12とは、 検体HのCT画像を生成するために、所定の角 間隔で全方向の被検体Hの透過X線を測定す く、図略の駆動機構によって被検体Hに対し 回転移動するように構成されている。

 処理部13は、X線CT装置1の各部を制御する とによってX線CT装置1全体の動作を制御する 装置であり、例えば、マイクロプロセッサお よびその周辺回路を備えて構成され、機能的 に、システム制御部131、厚さ演算部132および 画像再構成部133を備えている。

 システム制御部131は、X線照射部11との間 制御信号を送受信することによってX線照射 部11のX線照射動作を制御すると共に、X線測 部12との間で制御信号を送受信することによ ってX線測定部12のX線測定動作を制御する。 ステム制御部131の制御によって、X線照射部1 1によってX線が被検体Hに向けて照射され、被 検体Hを透過した透過X線がX線測定部12によっ 測定され、その測定出力が処理部13に入力 れる。

 厚さ演算部132は、X線測定部12で測定した 記特定のエネルギ範囲における透過X線の個 数に基づいて被検体H内の検査対象物の厚さ 演算する。

 画像再構成部133は、所定のCT画像化法を いて厚さ演算部132で演算された検査対象物 厚さに基づいて被検体HのCT画像(CT画像デー )を再構成する。例えば、画像再構成部133は 厚さ演算部132で演算された検査対象物の厚 を投影データとして、投影データと所定の 構成関数とをコンボリューション(convolution) し(畳み込み)、この結果を逆投影(backprojection) することによって、被検体HのCT画像(CT画像デ ータ)を生成する。所定の再構成関数(フィル )は、例えば、臨床目的により各種用意され 、診断目的や被検体Hの診断部位等により適 に選択される。

 画像記憶部14は、処理部13の画像再構成部133 で生成されたCT画像(CT画像データ)を記憶する 装置であり、例えば、比較的大容量の記憶容 量を備えるハードディスク装置である。また 例えば、画像記憶部14は、例えばCD-R(Compact Di sc Recordable)やDVD-R(Digital
Versatile Disc Recordable)等の記録媒体との間で ータを書き込みおよび/または読み込みを行 装置であり、例えば、CD-RドライブやDVD-Rド イブ等である。

 操作部15は、X線CT装置1を操作するための 種操作指示を入力するための装置である。

 画像表示部16は、処理部13の画像再構成部 133で生成されたCT画像を表示する装置であり 例えばCRTディスプレイ、LCD、有機ELディス レイまたはプラズマディスプレイ等の表示 置である。

 次に、本実施形態の動作について説明す 。

 (実施形態の動作)
 例えば、ヨウ素造影剤、バリウム造影剤お び金造影剤等のX線造影剤のうちの例えば診 断目的や診断部位に応じた適宜な造影剤が被 検体Hに投与される。そして、ユーザによっ 操作部15から撮影開始の指示が入力されると 、処理部13のシステム制御部131の制御によっ 、X線照射部11が制御され、X線照射部11からX 線が被検体Hに向けて照射され、そして、X線 定部12が制御され、被検体Hを透過した透過X 線がX線測定部12で測定される。すなわち、X 照射部11では、システム制御部13から制御信 が入力されると、電源制御回路113がX線電源 回路112を制御することによって所定のタイミ ングで所定の電圧の電力がX線電源回路112か X線管111へ供給され、X線管111が被検体Hに向 てX線を照射する。被検体Hに向けて照射され たX線は、被検体Hを通過してX線測定部12に入 される。X線測定部12では、被検体Hを透過し た透過X線がX線検出器121に入射され、透過X線 がX線検出器121で検出される。X線検出器121か の検出出力は、前置増幅回路122および主増 回路123で増幅され、AD変換回路124でAD変換さ れる。AD変換回路124でAD変換されたディジタ 出力は、積分回路125の第1および第2積分回路 125-1、125-2にそれぞれ入力され、第1および第2 積分回路125-1、125-2でそれぞれ積分され、処 部13に入力される。

 被検体Hに対してX線照射部11およびX線測 部12を所定の角度ずつずらしながらこのよう な上記動作が実行され、所定の角度間隔で全 方向における被検体Hの透過X線のデータが処 部13に入力される。

 ここで、被検体Hに照射されるX線は、被 体Hの被曝量を低減するために、例えばラン ン等で構成されたフィルタを透過したフィ タX線であることが好ましい。フィルタを透 過することによって白色X線に比べて所定の ネルギ成分(例えばランタンフィルタでは高 ネルギ成分)のX線の強度が減衰するため、 検体Hの被曝量が低減される。

 そして、処理部13の厚さ演算部132は、こ ら透過X線のデータから被検体H内におけるX 造影剤等の検出対象物の厚さを演算する。 の演算は、前記特許文献1(D1)や前記特許文献 2(D2)等に開示されており、大略、次のように われる。

 まず、X線管から発生しn種類の物質を透 した後におけるX線スペクトルψ(E)は、X線管 ターゲットの原子番号をZ、X線管電圧をE0(kV )、物質iの減衰係数をμi、物質iの密度をρi、 物質iの厚さをxi、定数をcとすると、式1によ て与えられる。

 ψ(E)=c×Z×((E0-E)/E)×exp(-σ(μi(E)/ρi)ρi×xi)(た だし、σは、i=1からi=nまでの和を求める。)   ・・・(式1)

 所定のエネルギ範囲におけるX線のカウン ト数の積分値φは、式1に基づいて数値積分を 行うと、式2によって与えられる。

 φ=φ0×exp(-σai×xi)(ただし、σは、i=1からi=n までの和を求める。)   ・・・(式2)

 ここで、φ0は、透過する物質iの厚さが全 て0の場合の値、すなわち、白色X線のカウン 数のこの積分範囲における積分値であり、a iは、積分範囲および物質iに依存する定数で る。

 また、積分範囲をn個、被検体H中の物質 m種類とすると、n個の連立方程式が得られる が、被検体HにX線造影剤が投与され、被検体H が生体である場合では、被検体Hを通過するX は、生体に多量に存在する水とこのX線造影 剤とによって主に吸収され、被検体Hを通過 るに従って減衰する。したがって、被検体H 投与されたX線造影剤が存在する部分(X線造 剤の厚さ)は、未知の物質が水とX線造影剤 けであるから、積分範囲を2個とって式2から 得られる連立方程式を解くことによって求め られる。ここで、2個の積分範囲は、X線造影 のK吸収端の上/下(前/後)のエネルギにおい X線の吸収が増大/減少するため、K吸収端を んだ上下のエネルギ領域が選択され、X線造 剤のK吸収端の上下に所定のエネルギ範囲で それぞれ設定される。例えば、ヨウ素造影剤 の場合では、ヨウ素のK吸収端が33.2keVである とから、2個の積分範囲は、33.2KeVよりも小 い所定のエネルギ範囲φ1および33.2KeVよりも きい所定のエネルギ範囲φ2にそれぞれ設定 れる。所定のエネルギ範囲は、任意でよい 、エネルギ範囲が広過ぎるとX線造影剤の有 無に敏感ではなくなる一方、エネルギ範囲が 狭過ぎるとそのエネルギ範囲にあるX線の数 少なくなって統計精度が好ましくない。

 このように厚さ演算部132は、検査対象物 K吸収端よりも小さい所定のエネルギ範囲φ1 における透過X線の個数と、検査対象物のK吸 端よりも大きい所定のエネルギ範囲φ2にお る透過X線の個数との比φ1/φ2から検査対象 の厚さを求めることができる。より具体的 は、厚さ演算部132は、検査対象物のK吸収端 りも小さい所定のエネルギ範囲φ1に対応す エネルギ領域におけるX線の数の積分値と、 検査対象物のK吸収端よりも大きい所定のエ ルギ範囲φ2に対応するエネルギ領域におけ X線の数の積分値との比から検査対象物の厚 を求めることができる。

 一例を挙げると、フィルタX線エネルギ差 分法によるCT測定の場合では、比φ1/φ2は、式 3のように与えられ、これを検査対象物以外 領域である空気の結果について規格化する 、比φ1/φ2は、式4のように与えられる。

 ここで、ψ(E n )は、エネルギE n のX線スペクトルであり、上バー付きのμ I (E n )および上バー付きのμ W (E n )は、それぞれ、エネルギ範囲E n のX線に対するヨウ素および水の平均減衰係 であり、t I およびt w は、それぞれ、ヨウ素および水の厚さである 。

 そして、処理部13の画像再構成部133は、 定のCT画像化法を用いて厚さ演算部132で演算 された検査対象物の厚さに基づいて被検体H CT画像(CT画像データ)を再構成する。例えば 画像再構成部133は、厚さ演算部132で演算さ た検査対象物の厚さを投影データとして、 影データと所定の再構成関数とをコンボリ ーションし(畳み込み)、この結果を逆投影す ることによって、被検体HのCT画像(CT画像デー タ)を生成する。より具体的には、従来の測 法である透過X線を電流として測定する場合 は、その電流値を投影データとしてCT画像 生成するが、本実施形態では、この電流値 代わりに、検査対象物のK吸収端よりも小さ 所定のエネルギ範囲φ1における透過X線の個 数と、検査対象物のK吸収端よりも大きい所 のエネルギ範囲φ2における透過X線の個数と 比φ1/φ2を投影データとしてCT画像を生成す 。

 被検体HのCT画像(CT画像データ)が生成され ると、処理部13は、必要に応じて被検体HのCT 像を画像表示部16に表示する。また、処理 13は、必要に応じて被検体HのCT画像データを 画像記憶部14に記憶する。

 このようにX線CT装置1では、特定のエネル ギ範囲φ1、φ2における透過X線の個数に基づ て検査対象物(例えばX線造影剤等)の厚さが 算され、この演算された検査対象物の厚さ 基づいて被検体HのCT画像が再構成される。 のため、本実施形態にかかるX線CT装置1は、 検体Hの大きさやX線管電圧(X線のエネルギ分 布)に依存することなく、検査対象物の厚さ 対して一定のCT値を得ることができ、安定的 に被検体HのX線CT画像を生成することができ 。そして、X線のビームハードニングに対し 略不感であり、X線の吸収係数が比較的高い 物質のCT画像を生成する場合でもアーチファ トが軽減される。

 (実施例および比較例)
 次に、本発明の実施例およびその比較例に いて説明する。

 図2は、前記実施形態における一実施例の 構成を示す図である。実施例は、シミュレー ション計算によって行われた。実施例の構成 は、図2に示すように、X線を照射するX線照射 部21と、X線を測定するX線測定部22と、生体を 模した水ファントム23とを備えて構成される 水ファントム23は、所定長の直径を持つ円 状であり、その中心に直径1cmのヨウ素領域23 1が形成されている。このヨウ素領域231内に 影剤として様々な濃度のヨウ素が充填され 。そして、水ファントム23は、X線照射部21と X線測定部22とを結ぶ直線と直交する直線上を 移動する。このX線照射部21とX線測定部22とを 結ぶ直線と直交する直線は、x軸とされる。X 照射部21は、薬事法によって規定されてい 厚さ2mmのアルミニウムフィルタ211を通過し 後に、厚さ100μmのランタンフィルタ212を通 したX線(フィルタX線)を照射する。

 図3は、実施例におけるヨウ素厚さとX線 電圧とを変化させた場合における透過X線の ネルギスペクトルを示す図である。図3の横 軸は、keV単位で表すフォトンエネルギであり 、その縦軸は、X線測定部で検出されるX線の ウント数である。図3の実線は、ヨウ素厚さ が0μmである場合(水である場合)を示し、破線 は、ヨウ素厚さが30μmである場合を示し、そ て、一点鎖線は、ヨウ素厚さが60μmである 合を示す。ヨウ素厚さは、水に混入したヨ 素の濃度から、X線進行方向について水1cm当 りに存在するヨウ素の量を計算した値であ 。図3(A)、(B)および(C)は、X線照射部21におけ るX線管(不図示)のX線管電圧がそれぞれ50kV、6 5kVおよび80kVである場合を示す。したがって X線照射部21から水ファントム23に照射される X線は、図3(A)、(B)、(C)の順で高エネルギ成分 含有率が高くなる。

 図3(A)、(B)および(C)を見ると分かるように 、ヨウ素厚さが0μmである場合ではもちろん ウ素の略K吸収端でカウント数の落ち込みは く、ヨウ素厚みが30μmである場合およびヨ 素厚みが60μmである場合ではヨウ素の略K吸 端でカウント数の落ち込みが見られ、そし 、その落ち込みは、ヨウ素厚み60μmの場合の 方がヨウ素厚み30μmの場合よりも大きい。

 図4および図5は、実施例におけるX線管電 を変化させた場合における透過X線のカウン ト比φ1/φ2の変化を示す図である。φ1は、ヨ 素のK吸収端33.2keVよりも小さいエネルギ範囲 27.4keV~33.2keVにおけるカウント数であり、φ2は 、ヨウ素のK吸収端33.2keVよりも大きいエネル 範囲33.2keV~38.9keVにおけるカウント数である 図4および図5の横軸は、mm単位で表すx軸上 位置であり、その縦軸は、対数表示のカウ ト比φ1/φ2である。X線照射部21とX線測定部22 を結ぶ直線とx軸との交点とをx軸の座標原 として、水ファントム23の中心をx軸の座標 点に一致させている。図4は、水ファントム2 3の直径が20cmである場合を示し、図5は、水フ ァントムの直径が30cmである場合を示す。図4( A)および図5(A)は、X線照射部21のX線管電圧が50 kVである場合を示し、図4(B)および図5(B)は、X 照射部21のX線管電圧が65kVである場合を示し 、そして、図4(C)および図5(C)は、X線照射部21 X線管電圧が80kVである場合を示す。

 上述したようにカウント比(計数比)φ1/φ2 基づいて水ファントム23内のヨウ素領域231 ヨウ素厚さが計算され、ヨウ素領域231のX線C T画像が生成される。

 図4の(A)ないし(C)をそれぞれ比較すると分 かるように、カウント比φ1/φ2がX線照射部21 X線管電圧に依存していないことが理解され 。すなわち、カウント比φ1/φ2は、X線照射 21から水ファントム23に向けて照射されるX線 のエネルギ分布に依存していない。そして、 ヨウ素(ヨウ素造影剤)による吸収が対数表示 おいてヨウ素厚さに比例していることも理 される。すなわち、ヨウ素厚さ60μmの場合 おけるヨウ素による吸収効果は、対数表示 おいて、ヨウ素厚さ30μmの場合におけるヨウ 素による吸収の約2倍となっている。また、 のことは、図5の(A)ないし(C)をそれぞれ比較 ることによっても理解される。

 そして、図4と図5とを比較すると分かる うに、カウント比φ1/φ2の対数表示の変化が ウ素厚さの変化に比例していることが理解 れる。

 図6は、実施例における測定値に基づく水 ファントムのX線CT画像を示す図である。図6 は、白色から黒色になるに従ってヨウ素厚 が高いことを示している。図7および図8は、 実施例における水ファントムの中心を通る径 方向の直線(図6のAA線)に沿ったCT値を示す図 ある。図7および図8の横軸は、mm単位で表すx 軸上の位置であり、その縦軸は、CT値である 図7(A)、(B)および(C)は、X線照射部21のX線管 圧がそれぞれ50kV、65kVおよび80kVである場合 示す。そして、図7は、水ファントム23の直 が20cmである場合を示し、図8(A)および(B)は、 X線管電圧が65kVであって、水ファントム23の 径がそれぞれ10cmおよび30cmである場合を示す 。

 図6ないし図8を見ると分かるように、CT値 がX線照射部21のX線管電圧に依存しないこと よび水ファントム23の大きさに依存しないこ とが理解される。したがって、カウント比φ1 /φ2に基づいて生成されるX線CT画像は、X線の ームハードニングに無関係であり、造影剤 撮影が可能である。

 一方、後述の比較例の図9および図10で示 ように、従来の測定法である透過X線を電流 として測定しその電流の増減によってX線CT画 像を形成する場合では、電流値がX線照射部21 のX線管電圧に依存すると共に水ファントム23 の大きさに依存しており、一方、透過X線の 数に基づいてX線CT画像を形成する場合では 上述したように、カウント比φ1/φ2がX線照射 部21のX線管電圧に依存することなく、水ファ ントム23の大きさにも依存することがない。 して、後述の比較例の図11ないし図13で示す ように、透過X線の線量の増減によってX線CT 像を形成する場合では、CT値がX線照射部21の X線管電圧に依存すると共に水ファントム23の 大きさに依存しており、一方、透過X線の個 によってX線CT画像を形成する場合では、上 したように、CT値がX線照射部21のX線管電圧 依存することなく、水ファントム23の大きさ にも依存することがない。したがって、X線CT 画像を形成する上で、透過X線の個数に基づ てX線CT画像を形成する場合の方が透過X線の 量、すなわち電流値、の増減によってX線CT 像を形成する場合よりも優れている。

 なお、上述の実施例では、造影剤としてヨ 素を用いた場合の結果について説明したが 他の造影剤、例えば、バリウム造影剤や金 影剤等についても同様の結果が得られる。 こで、バリウムのK吸収端は、37.4keVであり そして、金のK吸収端は、80.7keVである。金造 影剤については、例えば、「J F HAINFELD,D N  SLATKIN,T M FOCELLA and H M SMILOWITZ,”Gold nanopar ticles:a new
X-ray contrast agent”,The British Journal of Radiolo gy,79(2006),248-253」等に開示されている。

 比較例として図2に示す構成で透過X線の 量の増減によってX線CT画像を形成する場合 ついて以下に説明する。

 図9および図10は、比較例におけるX線管電 圧を変化させた場合における透過X線を電流 して測定した結果を示す図である。図9およ 図10の横軸は、mm単位で表すx軸上の位置で り、その縦軸は、対数表示の電流値である X線照射部21とX線測定部22とを結ぶ直線とx軸 の交点とをx軸の座標原点として、水ファン トム23の中心をx軸の座標原点に一致させてい る。図9は、水ファントム23の直径が20cmであ 場合を示し、図10は、水ファントムの直径が 30cmである場合を示す。図9(A)および図10(A)は X線照射部21のX線管電圧が50kVである場合を示 し、図9(B)および図10(B)は、X線照射部21のX線 電圧が65kVである場合を示し、そして、図9(C) および図10(C)は、X線照射部21のX線管電圧が80k Vである場合を示す。

 図9および図10は、それぞれ図4および図5 対応している。図9の(A)ないし(C)をそれぞれ 較すると分かるように、X線照射部21のX線管 電圧が高くなるに従って電流値の変化が小さ くなっており、電流値がX線照射部21のX線管 圧に依存していることが理解される。すな ち、電流値は、X線照射部21から水ファント 23に向けて照射されるX線のエネルギ分布に 存している。また、このことは、図10の(A)な いし(C)をそれぞれ比較することによっても理 解される。

 そして、図9と図10とを比較すると分かる うに、水ファントム23の大きさが大きくな に従って電流値の変化が小さくなっており 電流値が水ファントム23の大きさに依存して いることが理解される。

 図11は、比較例における測定値に基づく ファントムのX線CT画像を示す図である。図11 では、黒色から白色になるに従ってヨウ素厚 さが厚いことを示している。図12および図13 、比較例における水ファントムの中心を通 径方向の直線(図11のBB線)に沿ったCT値を示す 図である。図12および図13の横軸は、mm単位で 表すx軸上の位置であり、その縦軸は、CT値で ある。図12(A)、(B)および(C)は、X線照射部21のX 線管電圧がそれぞれ50kV、65kVおよび80kVである 場合を示す。そして、図12は、水ファントム2 3の直径が20cmである場合を示し、図13(A)およ (B)は、X線管電圧が65kVであって、水ファント ム23の直径がそれぞれ10cmおよび30cmである場 を示す。

 図11ないし図13を見ると分かるように、CT がX線照射部21のX線管電圧に依存することお よび水ファントム23の大きさに依存すること 理解される。

 本明細書は、上記のように様々な態様の 術を開示しているが、そのうち主な技術を 下に纏める。

 一態様におけるX線CT装置は、被検体にX線 を照射するX線照射部と、前記被検体を介し 前記X線照射部と対向し、前記被検体を透過 た透過X線のうちの前記被検体の内部の検査 対象物に応じた特定のエネルギ範囲における 前記透過X線の個数を測定するX線測定部と、 記X線測定部で測定した前記透過X線の個数 基づいて前記検査対象物の厚さを演算する さ演算部と、前記厚さ演算部で演算された 記検査対象物の厚さに基づいてCT画像を再構 成する画像再構成部とを備える。そして、他 の一態様にかかるX線CT方法は、被検体にX線 照射するX線照射工程と、前記被検体を透過 た透過X線のうちの前記被検体の内部の検査 対象物に応じた特定のエネルギ範囲における 前記透過X線の個数を測定するX線測定工程と 前記X線測定部で測定した前記透過X線の個 に基づいて前記検査対象物の厚さを演算す 厚さ演算工程と、前記厚さ演算工程で演算 れた前記検査対象物の厚さに基づいてCT画像 を再構成する画像再構成工程とを備える。

 このような構成のX線CT装置およびX線CT方 では、前記特定のエネルギ範囲における透 X線の個数に基づいて検査対象物の厚さが演 算され、この演算された検査対象物の厚さに 基づいてCT画像が再構成される。このため、 発明にかかるX線CT装置およびX線CT方法は、 検体の大きさやX線管電圧(X線のエネルギ分 )に依存することなく安定的にX線CT画像を生 成することができる。なお、X線造影剤には 将来、開発される造影剤も含む。

 また、他の一態様では、上述のX線CT装置 おいて、好ましくは、前記検査対象物は、X 線造影剤であり、前記特定のエネルギ範囲は 、前記X線造影剤のK吸収端上下に設定される とである。

 この構成によれば、特定のエネルギ範囲 X線造影剤のK吸収端上下(K吸収端前後)に設 されるので、被検体内のX線造影剤が定量的 分析され、より鮮明なX線CT画像を生成する とが可能である。

 また、他の一態様では、これら上述のX線 CT装置において、好ましくは、前記厚さ演算 は、前記検査対象物のK吸収端よりも小さい 所定のエネルギ範囲における透過X線の個数 、前記検査対象物のK吸収端よりも大きい所 のエネルギ範囲における透過X線の個数との 比に基づいて前記検査対象物の厚さを演算す ることである。

 この構成によれば、検査対象物の厚さを り適切に演算することが可能となる。

 また、他の一態様では、これら上述のX線 CT装置において、好ましくは、前記X線測定部 は、前記被検体を透過した透過X線から付与 れたエネルギによって電荷を発生する検出 体と、前記検出媒体における前記透過X線の 射端からの距離が互いに異なる位置で、前 検出媒体に設置された複数の電極とを備え ことである。

 また、他の一態様では、これら上述のX線 CT装置において、好ましくは、前記X線測定部 は、前記被検体を透過した透過X線の進行方 に並べられた複数の検出媒体から成り、前 透過X線から付与されたエネルギによって個 の前記検出媒体において電荷を発生すると もに、前記検出媒体が前記透過X線の吸収体 ともなるため、個々の前記検出媒体に前記透 過X線が到達するまでに透過する吸収体の厚 が異なることである。ここで、前記複数の 出媒体は、同じ材質の材料から構成されて 良く、また、異なる材質の材料から構成さ ても良い。特に、異なる材質の材料の検出 体を用いることによって、X線測定部は、好 な結果をもたらす。

 これらの構成によれば、電流測定のX線CT 置の場合と同等の処理速度で、被検体を透 したX線のうち、被検体の内部の検査対象物 に応じた特定のエネルギ範囲における透過X の個数を測定することができ、CT画像を描画 することが可能となる。したがって、実用的 なX線CT装置が提供される。

 また、他の一態様では、これら上述のX線 CT装置において、好ましくは、前記X線造影剤 は、ヨウ素造影剤、バリウム造影剤および金 造影剤のうちのいずれかであることである。

 この構成によれば、X線造影剤がヨウ素造 影剤である場合では、被検体の血管が造影さ れ、被検体の血管を造影したCT画像が生成さ る。ヨウ素造影剤は、例えば、血流の観察 好適である。また例えば、ヨウ素造影剤は 血管の比較的豊富な組織を強調するので、 えば癌などの腫瘍の有無の診断に好適であ 。X線造影剤がバリウム造影剤である場合で は、被検体の消化器系を造影することができ 、被検体の消化器を造影したCT画像が生成さ る。X線造影剤が金造影剤である場合では、 金造影剤が癌組織に集まる結果、被検体の癌 組織を造影することができ、被検体の癌組織 を造影したCT画像が生成される。

 また、他の一態様では、これら上述のX線 CT装置において、好ましくは、前記X線照射部 は、X線をフィルタに透過させたフィルタX線 被検体に照射することである。

 この構成によれば、フィルタによってX線 の一部がカットされるので、被検体の被曝量 が軽減される。

 この出願は、2007年8月15日に出願された日 本国出願特願2007-211948を基礎とするものであ 、その内容は、本願に含まれるものである

 本発明を表現するために、上述において 面を参照しながら実施形態を通して本発明 適切且つ十分に説明したが、当業者であれ 上述の実施形態を変更及び/又は改良するこ とは容易に為し得ることであると認識すべき である。従って、当業者が実施する変更形態 又は改良形態が、請求の範囲に記載された請 求項の権利範囲を離脱するレベルのものでな い限り、当該変更形態又は当該改良形態は、 当該請求項の権利範囲に包括されると解釈さ れる。