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Title:
X-RAY GENERATOR EMPLOYING HEMIMORPHIC CRYSTAL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/057493
Kind Code:
A1
Abstract:
An X-ray generator comprises a container (1) for maintaining a high vacuum or low pressure gas atmosphere internally, a hemimorphic crystal (4), temperature raising/lowering means (3, 5-7), and a metal target (8) for generating X-rays. In this X-ray generator the metal target (8) has a pointed protrusion protruding toward the hemimorphic crystal (4). When X-rays are generated by raising/lowering the temperature of the hemimorphic crystal (4) by using the temperature raising/lowering means (3, 5-7), the intensity of an electric field formed between the hemimorphic crystal (4) and the metal target (8) increases at the pointed end of the protrusion and thus the intensity of X-rays generated through collision of electrons against the metal target (8) increases. Consequently, an X-ray generator employing a hemimorphic crystal, which is capable of generating X-rays with practically sufficient intensity can be provided.

Inventors:
ITO YOSHIAKI (JP)
YOSHIKADO SHINZO (JP)
NAKANISHI YOSHIKAZU (JP)
FUKAO SHINJI (JP)
NAKAMURA TORU (JP)
ITO SHIGEO (JP)
TONEGAWA TAKESHI (JP)
FUJIMURA YOHEI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/069119
Publication Date:
May 07, 2009
Filing Date:
October 22, 2008
Export Citation:
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Assignee:
UNIV KYOTO (JP)
DOSHISHA (JP)
ASAHI ROENTGEN IND CO LTD (JP)
FUTABA DENSHI KOGYO KK (JP)
ITO YOSHIAKI (JP)
YOSHIKADO SHINZO (JP)
NAKANISHI YOSHIKAZU (JP)
FUKAO SHINJI (JP)
NAKAMURA TORU (JP)
ITO SHIGEO (JP)
TONEGAWA TAKESHI (JP)
FUJIMURA YOHEI (JP)
International Classes:
H01J35/08; G21K5/08; H01J35/00; H01J35/06; H01J35/16; H05G2/00
Domestic Patent References:
WO2006103822A12006-10-05
Foreign References:
JP2005174556A2005-06-30
JP2005285575A2005-10-13
US3840748A1974-10-08
Other References:
BROWNRIDGE J.D. ET AL.: "Investigations of pyroelectric generation of x rays", JOURNAL OF APPLIED PHYSICS, vol. 86, no. 1, 1 July 1999 (1999-07-01), pages 640 - 647
BROWNRIDGE J.D. ET AL.: "X-ray fluoresced high-Z (up to Z = 82) K x rays produced by LiNb03 and LiTa03 pyroelectric crystal electron accelerators", APPLIED PHYSICS LETTERS, vol. 85, no. 7, 16 August 2004 (2004-08-16), pages 1298 - 1300
BROWNRIDGE J.D. ET AL.: "Pressure dependence of energetic (?160 keV) focused electron beams arising from heated or cooled (LiNb03) pyroelectric crystals", APPLIED PHYSICS LETTERS, vol. 83, no. 7, 18 August 2003 (2003-08-18), pages 1477 - 1479
Attorney, Agent or Firm:
MINORI Patent Profession Corporation (200 Takamiya-cho, Oike-dori,Takakura Nishi-iru,Nakagyo-ku, Kyoto-shi, Kyoto 35, JP)
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Claims:
 内部に高真空または低圧ガス雰囲気を維持する容器と、
 前記容器内に配置された異極像結晶と、
 前記異極像結晶の温度を昇降させる温度昇降手段と、
 前記容器内における、前記温度昇降手段によって熱励起された前記異極像結晶から生じる電界の到達範囲内に配置され、前記異極像結晶からの電子線の照射を受けるX線発生用金属ターゲットと、を備えたX線発生装置において、
 前記金属ターゲットは、前記異極像結晶から間隔をあけてこれに対向して配置されるとともに、前記異極像結晶に向かってのびる先の尖った突起を少なくとも1つ有し、前記突起の先端部において前記異極像結晶から生じる電界の強度が増大するようになっていることを特徴とするX線発生装置。
 前記金属ターゲットの突起の先端部は、前記金属ターゲットのそれ以外の部分とは異なる少なくとも1種類の金属またはそれらの合金から形成されていることを特徴とする請求項1に記載のX線発生装置。
 前記金属ターゲットは、円錐状、または角錐状、または斜めにカットされた先端面を有する柱状、または尖った先端を有する刃状や棒状に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のX線発生装置。
 前記温度昇降手段は、
 前記異極像結晶の温度を測定する温度センサーと、
 前記異極像結晶の加熱および冷却を繰り返し行うことができる加熱・冷却手段と、
 前記温度センサーからの温度検出信号に基づき、前記加熱・冷却手段の動作を制御する制御手段と、を有していることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載のX線発生装置。
 前記容器の壁がX線を透過させない材料から形成され、前記壁に前記金属ターゲットから照射されたX線を外部に照射させるX線透過窓が備えられていることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかに記載のX線発生装置。
Description:
異極像結晶を用いたX線発生装置

 本発明は、異極像結晶(焦電結晶とも呼ば れる)を用いたX線発生装置に関するものであ 。

 ニオブ酸リチウム(LiNbO 3 )やタンタル酸リチウム(LiTaO 3 )等の異極像結晶を用いたX線発生装置は、高 電源装置を必要としないので、小型軽量で 搬性に優れており、従来のX線管に代わるX 源として期待されている(例えば、特許文献1 参照)。

 そして、従来の異極像結晶を用いたX線発 生装置では、異極像結晶の温度昇降によって 発生する電子を箔状のターゲットに衝突させ 、X線を結晶とターゲットの中心を結ぶ直線 向に取り出すようになっている。

 しかし、このX線発生装置の発生X線の強 はあまり大きくなく、例えば、X線撮影やX線 分析等に応用するのに十分な強度のX線を得 ことができなかった。

特開2005-174556号公報

 したがって、本発明の課題は、実用上十 な強度のX線を発生し得る、異極像結晶を用 いたX線発生装置を提供することにある。

 上記課題を解決するため、本発明は、内 に高真空または低圧ガス雰囲気を維持する 器と、前記容器内に配置された異極像結晶 、前記異極像結晶の温度を昇降させる温度 降手段と、前記容器内における、前記温度 降手段によって熱励起された前記異極像結 から生じる電界の到達範囲内に配置され、 記異極像結晶からの電子線の照射を受けるX 線発生用金属ターゲットと、を備えたX線発 装置において、前記金属ターゲットは、前 異極像結晶から間隔をあけてこれに対向し 配置されるとともに、前記異極像結晶に向 ってのびる先の尖った突起を少なくとも1つ し、前記突起の先端部において前記異極像 晶から生じる電界の強度が増大するように っていることを特徴とするX線発生装置を構 成したものである。

 上記構成において、前記金属ターゲットの 起の先端部は、前記金属ターゲットのそれ 外の部分とは異なる少なくとも1種類の金属 またはそれらの合金から形成されていてもよ い。
 また、前記金属ターゲットは、円錐状、ま は角錐状、または斜めにカットされた先端 を有する柱状、または尖った先端を有する 状や棒状に形成されていてもよい。

 また、前記温度昇降手段は、前記異極像結 の温度を測定する温度センサーと、前記異 像結晶の加熱および冷却を繰り返し行うこ ができる加熱・冷却手段と、前記温度セン ーからの温度検出信号に基づき、前記加熱 冷却手段の動作を制御する制御手段と、を していることが好ましい。
 また、好ましくは、前記容器の壁がX線を透 過させない材料から形成され、前記壁に前記 金属ターゲットから照射されたX線を外部に 射させるX線透過窓が備えられている。

 本発明によれば、異極像結晶の熱励起に って異極像結晶から金属ターゲットに向か 電界が生じたとき、この電界は金属ターゲ トの突起の先端部で非常に強くなる。その 果、電界放出によって、金属ターゲットの の尖った先端部から電子が放出され、異極 結晶の表面に蓄積される。そして、金属タ ゲットから異極像結晶に向かう電界が生じ とき、このときも上記と同様、電界は金属 ーゲットの突起の先端部で非常に強くなり 容器内が高真空に維持される場合には、電 放出電子が金属ターゲットに向けて衝突せ められ金属ターゲットからX線が発生する。 また、容器内に低圧ガス雰囲気が維持される 場合には、上記異極像結晶表面に蓄積された 電子が残留ガス原子・分子の電離による電子 やイオンとともに金属ターゲットに向けて衝 突せしめられ、金属ターゲットからX線が発 する。こうして、本発明によれば、異極像 晶から金属ターゲットに向かい、または金 ターゲットから異極像結晶に向かう電界の 度を強めたことにより、発生するX線の強度 増大させることができる。

本発明による異極像結晶を用いたX線発 生装置の概略構成を示した図である。 金属ターゲットの変形例の図である。 本発明の実施例の概略構成を示した図 ある。 比較例の概略構成を示した図である。 本発明の実施例と比較例の発生X線の強 度を比較したグラフである。

符号の説明

1 容器
2 X線透過窓
3 ペルチェ素子
4 異極像結晶
5 温度センサー
6 制御部
7 電源部
8 金属ターゲット

 以下、添付図面を参照して本発明の好まし 実施例について説明する。図1は、本発明の 1実施例による異極像結晶を用いたX線発生装 の概略構成を示した断面図である。図1を参 照して、本発明のX線発生装置は、内部に、 えば、高真空、あるいは、窒素、ネオンま はヘリウム等の低圧ガス雰囲気(1~10 -4 Pa)を維持する容器1を備えている。この実施 では、容器1は、X線を透過させない材料から 形成され、両端開口が閉じられた円筒形状を 有している。容器1の形状はこれに限定され 、任意の形状の容器が使用可能である。容 1の周壁には、例えばBeまたはX線透過性プラ チックから形成されたX線透過窓2が備えら ている。

 また、容器1内の底部にはペルチェ素子3 配置されている。ペルチェ素子3の電極3a、3b は、容器1の底壁に気密シールされた状態で り付けられ、底壁を貫通している。ペルチ 素子3は、この実施例では、異極像結晶の加 および冷却を繰り返し行う加熱・冷却手段 して機能するだけでなく、異極像結晶支持 段としても機能する。そして、ペルチェ素 3の上側の基板上に、異極像結晶4が接合、 持される。この場合、異極像結晶は、常温 自発的に分極しており、一方の端面側に正 電気面が、他方の端面側に負の電気面が生 ているが、この実施例では、異極像結晶4が 負の電気面4aを上向きにしてペルチェ素子3 基板上に配置される。なお、異極像結晶4を その正の電気面が上向きになるように配置し てもよい。

 異極像結晶4としては、LiNbO 3 やLiTaO 3 等の公知の異極像結晶を用いることができる 。異極像結晶4の形状や大きさは限定されな が、この実施例では、異極像結晶4は、直径 10mm、厚さ約5mmの円柱形状を有している。

 容器1の外部には、ペルチェ素子3に電力 供給する、例えば電池からなる電源部7と、 源部7からペルチェ素子3に供給される電流 切り換えて、ペルチェ素子3の基板上面を発 面または吸熱面として機能させる制御部6が 配置される。また、異極像結晶4の適当な位 に温度センサー5が取付けられ、制御部6は、 温度センサー5の検出信号に基づき、ペルチ 素子3の動作を制御し得るようになっている

 そして、これらペルチェ素子3、温度セン サー5、電源部7および制御部6から、異極像結 晶4の温度を昇降させる温度昇降手段が構成 れる。温度昇降手段3、5~7は、異極像結晶4の 温度を、種々の温度勾配で、種々の周期で、 あるいは非周期的に昇降させることができる 。この場合、各温度昇降過程毎に、温度の上 昇時間と下降時間は同じであることが好まし く、また、室温と、異極像結晶4のキューリ 点以下の適当な高温度との間で温度の昇降 繰り返されることが好ましい。

 異極像結晶4は、定常状態においても分極 していて、その電荷量と等量で異符号の電荷 が結晶表面に吸着しているため、常時は電気 的に中性である。そして、異極像結晶4が加 及び冷却を繰り返されると、その温度変化 伴って結晶内部の自発分極が増減し、表面 着電荷がその変化に追従できなくなって、 気的な中和が破られ、結晶の周囲に強い電 を生じさせる。こうして、温度昇降手段3、5 ~7によって異極像結晶4の温度が昇降せしめら れると、異極像結晶4からまたはこれに向か て電界が生じる。

 そして、容器1内であって、異極像結晶4か 生じる電界の到達範囲内に、X線発生用金属 ーゲット8が異極像結晶4から間隔をあけて 置される。この場合、金属ターゲット8およ 異極像結晶4間の間隔が変化すると、発生す るX線の強度が変化する。
 この実施例では、金属ターゲット8は、円錐 形状を有していて、その先端が異極像結晶4 対向し、かつその傾斜した外周面が容器1のX 線透過窓2に対向するようにして、容器1の内 上壁面に取り付けられる。金属ターゲット 円錐形の場合、発生するX線の強度は円錐の 中心角に依存し、中心角が90°のとき、円錐 先端部での電界強度が最大となり、X線強度 最大になる。

 金属ターゲット8の形状はこれに限定されず 、異極像結晶4に向かってのびる先の尖った 起を少なくとも1つ有する任意の形状の金属 ーゲットが使用可能であり、例えば、図2(A) のような四角錐形、図2(B)のような楔形、図2( C)のような斜めにカットされた先端面を有す 円柱状、または図2(D)のような円錐形の先端 を有する棒状の金属ターゲット8を用いるこ ができる。
 金属ターゲット8としては、発生させるべき X線の性質、用途に応じて適当な材料を選択 ることができる。例えば、本発明のX線発生 置をX線分析装置に適用する場合には、分析 目的に適合するAl、Mg、Cu等を使用することが できる。
 また、金属ターゲット8の突起の先端部を、 それ以外の部分とは異なる少なくとも1種類 金属またはそれらの合金から形成すること できる。この場合には、点状のX線源が形成 れる。

 次に、本発明のX線発生装置の動作方法につ いて説明する。以下の説明では、装置の容器 内に低圧ガス雰囲気が維持されている。
 異極像結晶4は、定常状態においても分極し ていて、その電荷量と等量で異符号の電荷が 結晶表面に吸着しているため、常時は電気的 に中性である。異極像結晶4の温度が上昇せ められると、負の電気面4aでは、自発分極が 小さくなり、よって、負の電荷の表面電荷密 度が減少するが、負の電気面4aに吸着してい 正の電荷量はすぐには減少しない。その結 、負の電気面4aは正に帯電し、異極像結晶4 ら金属ターゲット8に向かう強い電界が生じ る。そして、この電界は金属ターゲット8の 端の突起部において非常に強くなる。

 この電界により、容器中の残留ガス等の ス原子・分子が電離されて、正イオンと電 が生成され、また、金属ターゲット8の先端 から電界放出によって電子が放出される。こ れらの電子は、異極像結晶4の負の電気面4aに 衝突するか、あるいは、負の電気面4aに吸着 ている正イオン(外部から見ると、自発分極 の負極に吸着しているので電気的に中性にな っている)に吸着される。電子が異極像結晶4 負の電気面4aに衝突すると、制動輻射によ て、異極像結晶4の特性X線及び連続X線が発 する。

 次に、異極像結晶4の温度が下降せしめら れると、負の電気面4aでは、自発分極が大き なり、よって負の電荷の表面電荷密度が増 するが、負の電気面4aに吸着している正の 荷量はすぐには増加しない。その結果、表 は負に帯電し、金属ターゲット8から異極像 晶4に向かう強い電界が生じる。この場合に も、電界は金属ターゲット8の先端の突起部 おいて非常に強くなる。

 このとき、電界は異極像結晶4の温度上昇時 の電界と逆向きなので、金属ターゲット8か 電子は放出されない。一方、この電界によ 、ガス原子・分子が電離して電子が生成さ る。また、電子が吸着した正イオンが電界 よって再び電離して、正イオンと電子の状 に戻る。これらの電子が金属ターゲット8に けて加速され、金属ターゲット8に衝突し、 制動輻射によって、金属ターゲット8を形成 る物質に固有の特性X線及び連続X線が発生す る。こうして、本発明によれば、異極像結晶 4から金属ターゲット8に向かい、または金属 ーゲット8から異極像結晶4に向かう電界の 度を強めたことにより、非常に強いX線を発 させることができる。
 また、この場合、金属ターゲット8の電子衝 突面が傾斜しているので、X線は電子の衝突 向に対して横向きに照射され、X線透過窓2を 通って外部に照射される。そして、従来の箔 状の金属ターゲットの場合と異なり、発生す るX線が金属ターゲット中を通過して吸収さ ることがないので、X線強度はより大きくな 。

 異極像結晶4の温度がさらに下降すると、 異極像結晶4は、再び定常状態に戻り、分極 電荷量と等量で異符号の電荷が結晶表面に 着し、電気的に中和状態となる。

 上記説明において、容器内が高真空に維 される場合には、容器内に残留ガスが殆ど 在せず、よって、容器内には、それらのガ 原子・分子の電離による正イオンおよび電 が生じない点が、低圧ガス雰囲気が容器内 維持される場合と異なるだけである。

 次に、この実施例によるX線発生装置の作用 効果を確認すべく実験を行った。
(実施例)
 図3に示すように、両端開口が閉じられた内 径d=16mmの円筒状のステンレス製容器1を準備 、容器1内にペルチェ素子3を配置するととも に、ペルチェ素子3の上側基板上に、直径a=10m m、厚さb=5mmの円柱形状のニオブ酸リチウム単 結晶4を、その負の電気面4aが上向きになるよ うにして配置した。さらに、直径d=16mmの底面 を有し、高さh=8mmの円錐形のCu製ターゲット8( 中心角90°)を、容器1の内側上壁面に取り付け た。そして、異極像結晶4と、銅製ターゲッ 8の先端との距離sが17.5mmとなるように配置し た。また、容器1の周壁には、銅製ターゲッ 8の傾斜した周面に対向する位置に、直径10mm の円形のBe製X線透過窓2を設けた。

(比較例)
 図4に示すように、実施例と同じ円筒状のス テンレス製容器1を準備し、容器1内には、実 例と同じペルチェ素子3を配置するとともに 、その上側基板上に実施例と同じ異極像結晶 4を負の電気面4aが上向きになるようにして配 置した。さらに、異極像結晶4の負の電気面4a から距離L1=16mm離れた位置に、金属ターゲッ 8’として直径16mmの銅箔を配置した。また、 容器1の上壁に実施例と同じBe製X線透過窓2を けた。この場合、X線透過窓2および金属タ ゲット8’間の距離L2は11mmとした。

 実施例及び比較例のそれぞれについて、容 内を高真空(10 -4 Pa)に維持し、ペルチェ素子に対して2V‐1Aの 力を供給することによって、異極像結晶4の 度を5~80℃の範囲で昇降させ、発生するX線 強度(cps)を測定した。測定結果を図5のグラ に示す。図5のグラフ中、縦軸はX線の強度(cp s)を示し、横軸は温度昇降の繰り返し回数を している。図5のグラフから、実施例では、 比較例と比べて、発生するX線の強度が約1桁 きいことがわかる。

 こうして、本発明によれば、金属ターゲ トを円錐形としたことによって、従来の箔 の金属ターゲットの場合よりも強いX線を得 ることができることがわかった。しかも、こ の場合、従来例では、X線を異極像結晶の中 と金属ターゲットの中心を結ぶ直線方向に か照射できなかったのに対し、本発明によ ば、X線を異極像結晶の中心と金属ターゲッ の中心を結ぶ直線方向に対して横向きに照 することができる。したがって、本発明に るX線発生装置を、小型X線撮影装置や小型 光X線分析装置のX線源として使用することに よって設計の自由度が増大する。