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Title:
METHOD OF CLASSIFYING PROTEINS, METHOD OF DISSOLVING PROTEINS, METHOD OF FRACTIONATING AND COLLECTING NON-ANIMAL FIBER AND PROTEINS ORIGINATING IN ANIMAL FIBER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/119596
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a method of collecting proteins from an animal fiber wherein the operation can be easily conducted at a low production cost with the use of neither chemicals such as an oxidant, a reductant or a surfactant nor enzymes. In a dissolving step, an animal fiber is dissolved by using urea in a molten state to give an animal fiber solution. In the subsequent separation step, water and an organic solvent such as alcohol are added to the animal fiber solution and the proteins thus precipitated are collected. Alternatively, the animal fiber solution is dialyzed and thus urea is removed in the separation step so that the proteins can be fractionated into water-soluble proteins and water-insoluble proteins followed by collection. Also, it is possible to fractionate a mixture comprising an animal fiber with a synthetic fiber or an animal fiber with a plant fiber and separate the individual fibers as single fibers.

Inventors:
TANAHASHI MITSUHIKO (JP)
MURATE HIROTAKA (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/055842
Publication Date:
October 01, 2009
Filing Date:
March 24, 2009
Export Citation:
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Assignee:
UNIV GIFU (JP)
TANAHASHI MITSUHIKO (JP)
MURATE HIROTAKA (JP)
International Classes:
C07K14/78; C07K1/14
Foreign References:
JP2002114798A2002-04-16
JP2000234268A2000-08-29
Other References:
KATOH, K. ET AL.: "Novel approach to fabricate keratin sponge scaffolds with controlled pore size and porosity", BIOMATERIALS, vol. 25, 2004, pages 4255 - 4262
KATOH, K. ET AL.: "Preparation and physicochemical properties of compression- molded keratin films", BIOMATERIALS, vol. 25, 2004, pages 2265 - 2272
TONIN, C. ET AL.: "THERMAL AND STRUCTURAL CHARACTERIZATION OF POLY (ETHYLENE-OXIDE)/ KERATIN BLEND FILMS", JOURNAL OF THERMAL ANALYSIS AND CALORIMETRY, vol. 89, no. 2, 2007, pages 601 - 608
Attorney, Agent or Firm:
AOYAMA, Yo (JP)
Aoyama Sun (JP)
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Claims:
 溶融した尿素によって動物性繊維を溶解して動物性繊維溶液とする溶解工程と、該動物性繊維溶液からタンパク質を分離する分離工程とを含むことを特徴とするタンパク質の分別方法。
 前記溶解工程は尿素が溶融状態となる温度以上であって200℃以下の温度で行なうことを特徴とする請求項1又は2記載のタンパク質の分別方法。
 前記分離工程は動物性繊維溶液に水を加えて動物性繊維水溶液とした後、有機溶媒を加えてタンパク質を沈殿させて採取することを特徴とする請求項1又は2記載のタンパク質の分別方法。
 前記分離工程は動物性繊維溶液に水を加えてタンパク質を沈殿して採取することを特徴とする請求項1又は2記載のタンパク質の分別方法。
 前記分離工程は動物性繊維溶液を水で透析して尿素を除去することにより非水溶性タンパク質と水溶性タンパク質とに分別して採取することを特徴とする請求項1又は2記載のタンパク質の分別方法。
 溶融状態の尿素によって動物性繊維を溶解することを特徴とするタンパク質の溶解方法。
 動物性繊維と非動物性繊維とからなる繊維素材を溶融状態の尿素で処理することによって動物性繊維を溶解させ、非動物性繊維のみを分別採取することを特徴とする非動物性繊維の分別方法。
 請求項1乃至6のいずれか1項の分別方法によって得られた動物性繊維由来のタンパク質。
Description:
タンパク質の分別方法、タンパ 質の溶解方法、非動物性繊維の分別採取方 及び動物性繊維由来のタンパク質

 本発明は、羊毛等の獣毛、羽毛、毛髪、 等の動物性繊維からケラチンやフィブロイ タンパク質を採取する方法、タンパク質の 解方法、及び非動物性繊維の分別採取方法 関する。

 毛髪、羊毛等の獣毛や羽毛にはケラチン ンパク質が、絹にはフィブロインとセリシ のタンパク質が含まれている。このため、 来より動物性繊維(本明細書において動物性 繊維とは獣毛、毛髪の他、鳥類の羽毛も含む ものとする)からケラチンやフィブロイン等 溶液化して取り出し、医薬品やタンパク質 薬等に利用しようとする試みがなされてい 。

 例えば特許文献1では、過酸化水素にアン モニアを添加した水溶液中に、獣毛を常圧下 で室温~50℃で10~30分浸漬処理し、さらに密閉 態で130~200℃で30~60分加圧熱処理を行ない、 物性繊維を水可溶化してケラチンを取り出 方法が記載されている。

 また、特許文献2では、尿素とチオ尿素と の混合溶媒に還元剤を加えた溶液で動物性繊 維を処理してケラチンタンパク質を溶出させ 、さらに残渣からキューティクル部位を採取 する技術が開示されている。

 また、特許文献3では、低級脂肪族アルコ ールと水との混合溶媒に、臭化リチウム等の アルカリ金属塩とアミノ酢酸やEDTA等の錯形 剤とを添加した液で絹を溶解する技術が開 されている。この方法によれば、高濃度の フィブロイン溶液を短時間で調製すること できる。

 さらに、特許文献4では、羽毛を加圧下でガ ラス転移点まで加熱して軟化させ、アルカリ を添加しプロテアーゼで部分的に加水分解し た後、親水性の置換基で化学修飾したり、尿 素やアルコールの水溶液に溶解させたりして 、羽毛ケラチン溶液を得る方法が開示されて いる。この方法で得られるケラチン溶液は、 β型ケラチンの分子構造が保持されていると う特徴を有している。

特開2000-234268号公報

特開2002-114798号公報

特開平7-173192号公報

特開2005-120286号公報

 しかし、上記従来の動物性繊維からタン ク質を採取する方法では、酸化剤、還元剤 界面活性剤等の多くの薬品を用いたり、プ テアーゼ等の酵素を用いたりするため、そ ら薬剤の除去に長い時間が必要であり、か 、長時間かけても除去が困難な成分もある いう問題がある。また、タンパク質の採取 複雑な操作が必要で、ひいては製造コスト 高いものとなっていた。

 本発明は、上記従来の実情に鑑みてなさ たものであり、動物性繊維からのタンパク の分別方法において、酸化剤や還元剤や界 活性剤や酵素を使用することなく、操作が 単で製造コストも低廉な方法を提供するこ を課題とする。

 本発明者らは、従来から動物性繊維の溶 に用いられている尿素に注目した。しかし 従来の尿素を用いたタンパク質の抽出では 尿素水溶液に酸化剤、還元剤や界面活性剤 どの薬剤を用いるため、これらの薬剤の除 が困難であるという問題がある。一方、こ らの薬剤を用いず、5~8Mの濃厚な尿素水溶液 だけで動物性繊維を処理しても、タンパク質 の採取は収率が悪かった。そこで、尿素を水 溶液ではなく、溶融状態にして動物性繊維を 処理したところ、動物性繊維タンパク質を完 全に溶解することができることを見出し、本 発明を完成するに至った。

 すなわち、本発明のタンパク質の分別方 は、溶融状態の尿素によって動物性繊維を 解して動物性繊維溶液とする溶解工程と、 動物性繊維溶液からタンパク質を分離する 離工程とを含むことを特徴とする。

 本発明のタンパク質の分別方法では、溶 工程において、尿素水溶液ではなく、溶融 た尿素を動物性繊維の溶媒として用いる。 明者らの試験結果によれば、溶融した尿素 動物性繊維を溶解する能力が、尿素水溶液 り遥かに高い。このため、特に酸化剤や還 剤や界面活性剤など薬剤を用いなくても、 物性繊維を短時間で充分に溶解することが きる。このため、タンパク質採取に要する 剤の費用を低廉とすることができ、それら 除去も不要となる。さらには、得られるタ パク質の2次構造に関するダメージが少ない 。例えば発明者らは、羊毛を溶解する場合、 その採取されるタンパク質であるケラチンの 分子量は75000Daと高く、2次構造が再生されて ることを確認している。また、動物性繊維 単に溶融した尿素によって溶解させるだけ タンパク質が抽出できるため、溶解工程の 作が簡単となる。本発明において、尿素を 融する方法としては特に限定はなく、熱に る溶融の他、電磁波による溶融等も含まれ 。また、動物性繊維に対する尿素の量は重 比で3~20倍が好ましく、7~12倍が特に好まし 。尿素の割合が動物性繊維に対して3倍未満 は動物性繊維が尿素溶融液に浸しきれず、 分的にしか溶解せず時間がかかる。また、 素の割合が動物性繊維に対して20倍以上で 溶解できるが、再沈殿等による回収が困難 なり、コストもかかる。

 溶解工程における溶融状態の尿素への動 性繊維の溶解機構については、次のように えられる。すなわち、動物性繊維は、例え 羊毛は水分15%(公定水分率)を除いた絶乾状 で、82%がケラチン(ハードケラチン45.5%、ソ トケラチン36.5%)、16%がケラチン以外のタン ク質、2%が脂質からなる。それらタンパク質 は、主にジスルフィド結合と水素結合とで分 子間結合をしている。尿素は、その水素結合 を切断しタンパク質を変性させると説明され る。すなわち、溶融状態の尿素が、溶媒とし て水素結合を切断するとともに、タンパク質 中のフリーのアミノ基やカルボキシル基など と反応して尿素が化学結合し、溶融尿素への 溶解性を向上していると考えられる。さらに は、尿素の分解で発生したアンモニアがタン パク質の結晶領域に侵入し、タンパク質分子 間を広げ、その中へ尿素分子が浸入すること を容易にし、タンパク質の溶解を促進するこ とができると推定される。また、動物性繊維 が絹の場合には、ケラチンと比較して絹の繊 維はフィラメント状であり、フィブロインタ ンパク質はβ構造で平面的に分子間水素結合 形成しており、結晶性が高く、特に表層は く結晶が連なったスキン層を形成している このため、絹を溶解するには、180℃という い温度と50分という長時間が必要であった

 こうして、溶解工程において得られた動 性繊維溶液を、次の分離工程でタンパク質 尿素とに分離する。その方法は、特に限定 されないが、動物性繊維溶液に尿素の凝固 防止するために少量の水を加えて、有機溶 (例えばメタノールやエタノール等のアルコ ール)中に分散させ、尿素はその溶媒に溶解 、それに溶解しないタンパク質を沈殿させ ろ別やデカンテーションにより採取するこ ができる。

 また、溶解工程において得られた動物性 維溶液から水による透析によって尿素を除 し、高分子であるタンパク質を残すという 法で分離工程を行うこともできる。透析法 用いた分離工程では、尿素しか含まれてい いため他の化学薬品を加えた方法に比べて 析時間も短縮できる。その過程で水に溶け くい一部の非水溶性タンパク質が沈殿し、 溶性タンパク質が水に溶解した状態で残る このため、非水溶性タンパク質と水溶性タ パク質とをろ別によって分取することがで る。また、残った水溶性タンパク質は、そ ろ液を凍結乾燥、自然乾燥、加熱乾燥やス レードライなどの乾燥法を用いて、微粉末 や固体として採取することができる。動物 繊維が毛髪や羊毛等の獣毛や羽毛の場合に 、ケラチンタンパク質が主成分として含ま ているため、非水溶性タンパク質にはシス イン由来のイオウ分が多いハードケラチン 主成分であると考えられ、水溶性タンパク には硫黄分が少ないソフトケラチンがその 成分であると考えられる。また、絹繊維で る絹糸、絹紡糸等は、フィブロインとセリ ンタンパク質とからなり、衣服として用い 場合、希アルカリの精錬工程によってセリ ンを除き、光沢があるフィブロインにして いている。そのセリシンが存在する蚕の繭 用いた場合でも、溶融尿素によって完全に 解が可能であり、水を加えることによって 水溶性のセリシンと非水溶性のフィフロイ に分別が可能となる。セリシンを除去した 糸または絹織物を使用した場合でも、溶融 素に溶解することが可能であり、シルクタ パク質の微粉末化が可能となる。

 溶解工程における温度としては、動物性 維の種類に応じて適宜選択すればよいが、 素を溶融状態となる温度以上とすることが 要である。例えば、毛髪、羊毛や鶏の羽毛 は150℃程度が好ましく、絹では180℃程度が ましい。ただし、温度が高すぎると、タン ク質の熱変性の原因となったり、尿素の分 が速くなりすぎるため、200℃以下が好まし 、特に好ましい温度範囲は140℃以上180℃以 である。

 本発明において対象となる動物性繊維と ては特に限定はなく、毛髪、羊毛等の獣毛 羽毛、絹等を原料とすることができる。

 また、動物性繊維が溶融状態の尿素に溶 することを利用して、動物性繊維と非動物 繊維とからなる繊維素材から非動物性繊維 みを分別採取することができる。すなわち 本発明の非動物性繊維の分別採取方法は、 物性繊維と非動物性繊維とからなる繊維素 を溶融状態の尿素で処理することによって 物性繊維を溶解させ、非動物性繊維のみを 別採取することを特徴とする。

 この方法によって、例えば羊毛-ポリエステ ルの混紡製品を処理すれば、羊毛のみが溶解 除去され、ポリエステルのみが残る。このた め、混紡製品からポリエステルのみを採取す ることができ、リサイクル原料等に利用する ことができる。また、こうして溶出させた羊 毛ケラチンを、薬品・化粧品分野、羊毛製品 再利用等の分野に利用することができる。
また、動物性繊維を含む繊維のブレンド形態 はどのようなものであってもよく、混紡、交 撚、交織等、繊維の混合状態に依存しない。 また、混紡製品は動物性繊維と合成繊維の組 み合わせのみならず、動物性繊維と植物性繊 維等との分離にも同様に利用することができ る。

実施例1で得られた水溶性タンパク質及び非 溶性タンパク質及び原料の羊毛の固体 13 C-NMRスペクトルである。

 以下、本発明を具体化した実施例を詳細 述べる。

-各種動物性繊維から透析法によるケラチン 採取-
(実施例1)
 実施例1では、原料として羊毛繊維を用いた 。
<溶解工程>
 尿素10gをビーカーに計り採り、油浴上で150 に加熱して溶融する。そして、その中に市 の羊毛繊維(日本毛織株式会社製)1g(公定水 15%含む)を入れ、20分間の加熱を行い、全て 溶解させて動物性繊維溶液を得た。

<分離工程>
 溶解工程で得られた動物性繊維溶液に水を5 ml加えて、セルロース製透析チューブ(孔径2.4 nm・分子量12000以下カット品)に充填し、水に る透析を行なった。約2日間の透析を行なっ た後、内容物をろ過して沈殿物とろ液とに分 けた。そして、沈殿物を水洗し、加熱乾燥を させることで非水溶性ケラチン(0.10g)を得た また、ろ液を凍結乾燥してスポンジ状の水 性ケラチン(0.53g)を得た。なお、ろ液を乾燥 る時に凍結乾燥のみならず、自然乾燥した 合と加熱乾燥した場合も実施したが、これ は透明薄褐色の膜状物となった。

(実施例2)
 実施例2では、原料として毛髪(日本人10歳男 子)を用いた。その他の条件は実施例1と同様 あり、説明を省略する。

(実施例3)
 実施例3では、原料としてブロイラーの羽毛 を用い、溶解工程の加熱時間を10分間とした その他の条件は実施例1と同様であり、説明 を省略する。

(実施例4)
 実施例4では、絹糸(シナノケンシ株式会社 )を希アルカリによって精錬してセリシンを 去したものについて、溶解工程の加熱温度 180℃とし、加熱時間を50分間とした。その の条件は実施例1と同様であり、説明を省略 る。

(実施例5)
 実施例5では、絹糸(シナノケンシ株式会社 )を精錬処理することなくそのまま試験に供 た。その他の条件は実施例4と同様であり、 説明を省略する。

-評 価-
(1)溶解割合
 上記のようにして得られた非水溶性タンパ 質及び水溶性タンパク質の溶解割合を表1に 示す。この表から分かるように、実施例1~5の 動物性繊維をいずれも溶解させることができ た。

 このように、尿素単独で動物性繊維を溶 することができたのは、尿素がタンパク質 子間の水素結合を切断するためであると考 られる。なお、絹については加熱温度180℃ 他の実施例よりも高温とし、加熱時間を50 間と長くしたのは、絹フィブロインは2次構 がβ構造で平面的に分子間水素結合を形成 、強固な構造を形成ししているため、他の 物性繊維よりも温度と時間を必要としたと 想される。

(2)固体 13 C-NMR測定
 実施例1で得られた水溶性ケラチン及び非水 溶性ケラチンについて、固体 13 C-NMR測定を行なった。また、比較として原料 羊毛についても測定を行なった。結果を図1 に示す。原料の羊毛では174ppm及び176ppmに2種 のカルボニル基(C=O)の炭素のピークが現れた 。そのうち174ppmのピークはケラチンタンパク 質の2次構造がβ-シート構造に基づくもので り、176ppmのピークはケラチンタンパク質のα -へリックスに基づくものである。これに対 、水溶性ケラチンでは174ppmのピークと176ppm ピークとがほぼ同等になっていることから 水溶性ケラチンはα-へリックス構造(ソフト ラチンと考えられる)とβ-シートのケラチン タンパク質(ハードケラチンと考えられる)と 等量混合物と考えられる。一方、非水溶性 ラチンでは174ppmのピークが顕著に現れてお 、176ppmのピークは不明確となっている。こ ことから、非水溶性ケラチンは主にβ-シー のケラチン(ハードケラチンと考えられる) らなっていると考えられる。それら以外の ークについては、25ppmのピークがCH 2,3 -C、55ppmのピークがCH 2,3 -N又はCH 2,3 -S又はCH 2,3 -O、130ppmのピークがC=Cにそれぞれ帰属する。
 以上の固体 13 C-NMR測定結果から、実施例1では、変性し溶解 したケラチンが、その可逆性により再生され 、分子内水素結合等の結合は維持されている ことが示された。

-各種動物性繊維からアルコール投入法によ タンパク質の採取-
(実施例6)
<溶解工程>
 尿素10gをビーカーに計り採り、油浴上で150 に加熱して溶融する。そして、その中に市 の羊毛繊維(日本毛織株式会社製)1gを入れ、 20分間の加熱を行い、全てを溶解させて動物 繊維溶液を得た。

<分離工程>
 溶解工程で得られた動物性繊維溶液に水を1 0ml加えて尿素の固化を防止した後、50mlのメ ノール中に投入してタンパク質を析出させ 。その後、ろ別し、沈殿物はメタノール及 水で洗った後、加熱乾燥させ、ろ液は真空 燥させてタンパク質粉末を得た。

-羊毛-ポリエステル混紡織物から羊毛の分別 取-
(実施例7)
 実施例7では、羊毛-ポリエステル混紡織物 ついて、尿素による溶解試験を行なった。 なわち、尿素20gをビーカーに計り採り、油 上で150℃に加熱して溶融する。そして、そ 中に、羊毛50%-ポリエステル50%混紡織物2gを れ、20分間の加熱を行い、羊毛を溶解させた 。

 ろ別により織物残渣とろ液とに分け、ろ をメタノール中に投入し、タンパク質を沈 させた。その後、ろ別し、アルコールで洗 た後、真空乾燥させてタンパク質粉末を得 。また、ろ別によって分離した織物残渣を 洗し、乾燥させた後、実体顕微鏡で観察し ところ、羊毛繊維は消滅し、ポリエステル 維のみが残っていた。

 上述のように、羊毛-ポリエステル混紡(50 %・50%)織物を溶融した尿素に浸漬するだけで ポリエステル混紡繊維からポリエステルの を採取することができる。また、抽出され タンパク質も分別回収することができる。 たがって、この方法を用いれば、繊維製品 棄物からタンパク質と非動物繊維とを分離 収することが可能となり、繊維製品のリサ クル利用が可能となる。

(実施例8)
 綿-絹(80%、20%)との交撚繊維を用いた織物に いて、尿素による溶解試験を行なった。そ 他の条件は実施例7と同様である。その結果 、実施例7と同様、動物性繊維のみ溶解し、 物性繊維である綿を分離回収することがで た。

 この発明は、上記発明の実施例の説明に ら限定されるものではない。特許請求の範 の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到で る範囲で種々の変形態様もこの発明に含ま る。

 本発明のタンパク質の分別方法によれば 動物性繊維から、溶融させた尿素でタンパ 質を採取することができ、純粋なタンパク が得られる。このため、人工皮膚などのメ ィカル分野、医薬品・化粧品分野、動物性 維製品再利用等の分野に適用できる。




 
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