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Patent Searching and Data


Title:
PROPHYLACTIC/THERAPEUTIC AGENT FOR LIFESTYLE-RELATED DISEASES
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/136629
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for the screening of a compound having an activity to selectively modulate an androgen receptor.  The method comprises the steps of: contacting a substance to be tested with a prostate cancer cell and measuring the level of expression of mRNA for a prostate-specific antigen or the level of production of the prostate-specific antigen in the prostate cancer cell; and contacting the substance with an adipocyte and measuring the level of expression of mRNA for uncoupling protein-1 or the level of production of uncoupling protein-1 in the adipocyte. Also disclosed is a selective androgen receptor modulator comprising a compound represented by any one formula selected from the structural formulae (I) to (III) as an active ingredient.  Further disclosed is a composition for preventing or treating lifestyle-related diseases, which comprises the selective androgen receptor modulator.

Inventors:
NAWATA HAJIME (JP)
YANASE TOSHIHIKO
NAKAGAWA TAKAYOSHI
Application Number:
PCT/JP2009/058659
Publication Date:
November 12, 2009
Filing Date:
May 08, 2009
Export Citation:
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Assignee:
ASKA PHARM CO LTD (JP)
NAWATA HAJIME (JP)
YANASE TOSHIHIKO
NAKAGAWA TAKAYOSHI
International Classes:
C12Q1/68; A61K31/56; A61K31/57; A61K45/00; A61P1/02; A61P1/16; A61P3/04; A61P3/06; A61P3/10; A61P5/26; A61P9/00; A61P9/12; A61P11/00; A61P19/06; A61P19/10; A61P35/00; A61P43/00; C07J73/00; C12N15/09; G01N33/15; G01N33/50; C07J7/00; C07J71/00
Foreign References:
JP2004517606A2004-06-17
JP2005518404A2005-06-23
Other References:
TSUKAMOTO T. ET AL.: "Sentakuteki Androgen Juyotai Modulator (SARM) -Kaihatsu no Genjo to Tenbo", CLINICAL CALCIUM, vol. 17, no. 9, 2007, pages 120 - 124
GOTO K. ET AL.: "Zenritsusen Gan Chiryo ni Mochiirareru Ko-Androgen-zai no Androgen Receptor ni Taisuru Sayo", PHARMA MEDICA, vol. 17, no. 5, 1999, pages 97 - 103
PIU, F. ET AL.: "Pharmacological characterization of AC-262536, a novel selective androgen receptor modulator", J. STEROID BIOCHEM. MOL. BIOL., vol. 109, no. 1-2, March 2008 (2008-03-01), pages 129 - 137
"Dai 25 Kai The annual meeting of the Japanese Society for Bone and Mineral Research", 2007, article NORIKO YAMAMOTO ET AL.: "Shinki Sentakuteki Androgen Juyotai Chosetsuzai (SARM) no Hone to Zenritsusen ni Okeru in vitro Narabini in vivo deno Sayo no Hika", pages: 286
FAN, W. ET AL.: "Androgen receptor null male mice develop late-onset obesity caused by decreased energy expenditure and lipolytic activity but show normal insulin sensitivity with high adiponectin secretion.", DIABETES, vol. 54, no. 4, 2005, pages 1000 - 1008
Attorney, Agent or Firm:
TSUKUNI, HAJIME (JP)
Hajime Tsukuni (JP)
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Claims:
 下記の工程を含むことを特徴とする、選択的アンドロゲン受容体調節作用を有する化合物のスクリーニング方法:
 (1)培養前立腺癌細胞に被験物質を添加して、当該培養前立腺癌細胞における前立腺特異抗原(PSA)のmRNAの発現レベル又は前立腺特異抗原(PSA)の産生レベルを測定する工程、及び
 (2)培養脂肪細胞に被験物質を添加して、当該培養脂肪細胞における脱共役蛋白質-1(UCP-1)のmRNAの発現レベル又は脱共役蛋白質-1(UCP-1)の産生レベルを測定する工程。
 下記の工程の少なくとも1つをさらに含むことを特徴とする、請求の範囲第1項に記載のスクリーニング方法:
 (a)睾丸摘出動物に被験物質を投与して、当該動物の前立腺の重量の変化を測定する工程、
 (b)睾丸摘出動物に被験物質を投与して、当該動物の前立腺における前立腺特異抗原のmRNAの発現レベル又は前立腺特異抗原の産生レベルを測定する工程、
 (c)睾丸摘出動物に被験物質を投与して、当該動物の肛門挙筋の重量の変化を測定する工程、
 (d)睾丸摘出動物に被験物質を投与して、当該動物の大腿骨の骨密度の変化を測定する工程、
 (e)睾丸摘出動物に被験物質を投与して、当該動物の椎骨の骨密度の変化を測定する工程、
 (f)睾丸摘出動物に被験物質を投与して、当該動物の血漿中のゴナドトロピンの量の変化を測定する工程、
 (g)睾丸摘出動物に被験物質を投与して、当該動物の血漿中のアジポネクチンの量の変化を測定する工程、
 (h)睾丸摘出動物に被験物質を投与して、当該動物の血漿中のインスリンの量の変化を測定する工程、
 (i)睾丸摘出動物に被験物質を投与して、当該動物の血漿中のトリグリセリドの量の変化を測定する工程、
 (j)睾丸摘出動物に被験物質を投与して、当該動物の血漿中のコレステロールの量の変化を測定する工程、
 (k)睾丸摘出動物に被験物質を投与して、当該動物の肝臓及び内臓脂肪におけるステロール制御要素結合蛋白質-1cのmRNAの発現レベルを測定する工程、
 (l)睾丸摘出動物に被験物質を投与して、当該動物の肝臓及び内臓脂肪におけるカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ-1のmRNAの発現レベルを測定する工程、
 (m)睾丸摘出動物に被験物質を投与して、当該動物の肝臓及び内臓脂肪における脂肪酸合成酵素のmRNAの発現レベルを測定する工程、
 (n)被験動物に被験物質及び高脂肪食を投与して、当該動物の体重、骨塩量、脂肪分布、運動量、血清中グルコース濃度及び血清中インスリン濃度から選ばれる少なくとも一つの変化を測定する工程。
 請求の範囲第1又は2項に記載のスクリーニング方法によって得られる選択的アンドロゲン受容体調節作用を有する化合物を有効成分として含有する選択的アンドロゲン受容体調節剤。
 下記式(I)~(III)
 (各式中、R 1 ~R 9 はそれぞれ独立に水素原子又はC 1-4 アルキル基を表し、Xは酸素原子または硫黄原子を表す。)
のいずれかで示される化合物を有効成分として含有する選択的アンドロゲン受容体調節剤。
 下記式(Ia)~(IIIa)
のいずれかで示される化合物を有効成分として含有する選択的アンドロゲン受容体調節剤。
 請求の範囲第3~5項のいずれかに記載の選択的アンドロゲン受容体調節剤を含有することを特徴とする生活習慣病の予防又は治療のための組成物。
 生活習慣病が、肥満、インスリン抵抗性(2型)糖尿病、高脂血症及び高血圧症からなる群より選ばれる少なくとも1つの疾患である請求の範囲第6項に記載の生活習慣病の予防又は治療のための組成物。
 請求の範囲第3~5項のいずれかに記載の選択的アンドロゲン受容体調節剤をヒトに投与して生活習慣病を予防又は治療する方法。
 生活習慣病の予防又は治療のための、請求の範囲第3~5項のいずれかに記載の選択的アンドロゲン受容体調節剤の使用。
 下記式
で示される化合物。
Description:
生活習慣病予防・治療剤

 本発明は、前立腺を刺激することなく、 肪細胞、骨、筋肉等に対してアンドロゲン 用を示す化合物を有効成分として含有する 選択的アンドロゲン受容体調節剤(Selective A ndrogen Receptor Modulator:SARM)に関する。

 アンドロゲンは、性分化の促進及び雄性 現型の誘導において種々の機能を果たす。 性において、これらの作用を仲介する高活 な内因性アンドロゲンは、テストステロン( testosterone:T)及び5α-ジヒドロテストステロン(d ihydrotestosterone:DHT)である。

 男性における血漿Tレベルは、20歳代初めか 加齢と共にほぼ年1%の割合で直線的に徐々 減少していく(Metabolism,  46 , 410-413、J. Clin. Endocrinol. Metab.,  86 , 724-731、J. Clin. Endocrinol. Metab.,  87 , 589-598)。バイオアベイラブルTの減少は、身 体脂肪分布の変化、エネルギー消費の減少、 筋力及び骨密度の減少、身体機能の低下、性 機能の低下、憂うつな気分になることに関係 していると考えられている(J. Gerontol.,  57A , M76-M99、Endocrine Rev.,  26 , 833-876、Med. Hypoth.,  60 , 448-452、J. Alzheiners Dis.,  5 , 267-269、Cell Mol. Life Sci.,  62 , 281-292)。高齢男性におけるこのようなアン ロゲン不足状態は、しばしば男性更年期又 遅発型生殖機能不全(late-onset hypogonadism:LOH) 呼ばれる。注射薬、経口薬、そしてより最 では経皮製剤を用いたアンドロゲン治療が 長い間、様々な男性障害に用いられてきた いくつかの臨床試験が、高齢男性に生理学 用量のTを補充すると、除脂肪体重の有意な 増加、脂肪組織の減少、そして筋力及び骨密 度の増加をもたらすことを示している(J. Clin . Endocrinol. Metab.,  84 , 2647-2653、Am. J. Physiol. Endocrinol. Metab.,  282 , E601-E607、J. Am. Med. Assoc.,  288 , 2282-2292、Am. J. Physiol. Endocrinol. Metab.,  284 , E120-E128、J. Clin. Endocrinol Metab.,  90 , 678-688、J. Clin. Endocrinol. Metab.,  90 , 1502-1510)。

 しかしながら、高齢男性へのT補充療法(testo sterone replacement therapy:TRT)は、潜在的な副作 、例えば、前立腺の過刺激、ヘマトクリッ の上昇、肝機能不全および睡眠時無呼吸症 群等への危惧から、しばしば制限される(Am. J. Med.,  110 , 563-572、J. Am. Geriat. Soc.,  51 , 101-115、N. Engl. J. Med.,  350 , 482-492、J. Clin. Endocrinol. Metab.,  89 , 4789-4796、Ann. Rev. Med.,  56 , 117-137)。なかでも、前立腺の過剰刺激は、 在性で無症状の良性前立腺過形成(benign pros tate hypertrophy:BPH)或いは前立腺癌を誘導して まうことが懸念される。そのため、疾患に じた明確な組織特異性をもつ化合物を開発 る事が極めて重要になる。そのような化合 は、選択的アンドロゲン受容体調節剤(selecti ve androgen receptor modulator:SARM)と呼ばれ(J. Clin . Endocrinol. Metab.,  84 , 3459-3462)、ステロイド治療法の場合に一般 に付随して起こる前立腺、肝臓又は赤血球 対する有害作用を伴うことなく、特に高齢 性において、筋力及び筋肉の機能を維持又 改善し、骨密度を増加させて骨粗鬆症及び/ は骨折を予防し、抗肥満作用を示し、イン リン感受性を改善して抗糖尿病作用及び/又 は抗高脂血症作用を示し、抗痴呆作用を示し 、性欲及び性機能を改善する可能性を有して いる。

 アンドロゲン受容体(Androgen Receptor:AR)は転 因子であり、かつ核内レセプターファミリ のメンバーである。ARは、前立腺及び精嚢、 男女外部生殖器、精巣、卵巣、皮膚、心筋、 骨格筋、肝臓、脳皮質及び脳皮質下領域等の 、生殖組織及び非生殖組織に広く分布してい る。このようなARの広範囲にわたる分布にか わらず、天然リガンドであるジヒドロテス ステロンと合成ARリガンドとでは異なる作 を示す。これは、各組織や細胞のタイプに って、細胞核内に存在している共役因子(コ クチベーター、コレプレッサー)のタイプ及 び濃度が異なるためであり、コアクチベータ ー又はコレプレッサーの結合による複合体形 成に違いが生ずる結果、ARが特定組織におい 個々の遺伝子を選択的に制御することにな 。最近では、リガンドが結合して形成され リガンド-核内受容体とコアクチベーター又 はコレプレッサーとの複合体による転写制御 機構が詳細に解明されている。リガンドの構 造が異なればリガンド-核内受容体の三次元 造が異なり、コアクチベーター又はコレプ ッサーとの結合も異なることとなる。した って、異なる組織や細胞において様々な転 制御を引き起こす特定の部分的アゴニスト 性を有するSARMは、独自の活性プロフィール もつ新規治療薬としての開発が期待される
 これまでに、既知ARアンタゴニストである カルタミドおよびフルタミドから出発して 前立腺には作用しないが、筋肉又は骨に作 する化合物が報告されている(J. Med. Chem.,  49 , 7596-7599)。その他に、SARMとしての化合物も 々知られている(例えば、特開2007-211024号公 、特表2007-526336号公報、特表2008-501800号公報 等)。SARMの作用目的は様々であるが、例えば 骨減少症又は骨粗鬆症である高齢男性に対 ては、標的部位がその男性の骨であり、且 骨および筋肉に明瞭な作用をもちつつ前立 や他の性付属器官に対する活性が低い、よ 同化作用的なSARMが望ましい。

 本発明の目的は、前立腺を刺激すること く前立腺以外の組織に対してアンドロゲン 用を示す化合物を見出すためのスクリーニ グ方法を提供することである。また、本発 の別の目的は、前立腺を刺激することなく 立腺以外の組織に対してアンドロゲン作用 示す化合物を有効成分として含有するSARMを 提供することである。更に、本発明の別の目 的は、このSARMを含有することを特徴とする 活習慣病の予防又は治療のための組成物を 供することである。

 本発明者らは、多くの合成ARリガンドおよ デヒドロエピアンドロステロン(dehydroepiandros terone:DHEA)誘導体の中から、SARM活性をもつ化 物を探索すべく、まず、前立腺癌細胞の前 腺特異抗原(prostate specific antigen:PSA)発現レ ルを刺激しない化合物をスクリーニングし 。次に、第二スクリーニングマーカーとし 、エネルギー消費や脂質代謝に関連する脱 役タンパク質-1(uncoupling protein-1:UCP-1)を選択 た。UCP-1は、エネルギー基質酸化をミトコ ドリアATP産生から脱共役化させ、その結果 熱的エネルギー消費をもたらし、体重を減 させると考えられる(J. Appl. Physiol.,  92 , 2187-2198)。本発明者らは、先に、アンドロ ン受容体ノックアウト(androgen receptor knockout :ARKO)雄性マウスではUCP-1のmRNAの発現が著しく 低下しており、エネルギー消費抑制による遅 発型肥満を示すこと、また、DHT-ARがUCP-1発現 対する直接刺激作用を有することを見出し いる(Diabetes,  54 , 1000-1008)。この知見に基づき、第二スクリ ニングとして、被験化合物についてのUCP-1発 現作用を試験した。その結果、脂質代謝に有 益な作用を有する化合物をいくつか見出すこ とが出来た。

 さらに、これらの化合物について、前立 重量の変化、前立腺における前立腺特異抗 のmRNAの発現レベル又は前立腺特異抗原の産 生レベル、肛門挙筋重量の変化、大腿骨骨密 度の変化、椎骨骨密度の変化、血漿中ゴナド トロピンの量の変化、血漿中アジポネクチン の量の変化、血漿中インスリンの量の変化、 血漿中トリグリセリドの量の変化、血漿中コ レステロールの量の変化、肝臓及び内臓脂肪 におけるステロール制御要素結合蛋白質-1cの mRNAの発現レベル、内臓脂肪におけるカルニ ンパルミトイルトランスフェラーゼ-1のmRNA 発現レベル、肝臓及び内臓脂肪における脂 酸合成酵素のmRNAの発現レベル、並びに高脂 食を与えたときの体重、骨塩量、脂肪分布 運動量、血清中グルコース濃度及び血清中 ンスリン濃度の変化を測定し、化合物が有 る更なる作用を検討した。

 かくして、本発明によれば、下記の工程を むことを特徴とする、選択的アンドロゲン 容体調節作用を有する化合物のスクリーニ グ方法:
 (1)培養前立腺癌細胞に被験物質を添加して 当該培養前立腺癌細胞における前立腺特異 原(PSA)のmRNAの発現レベル又は前立腺特異抗 (PSA)の産生レベルを測定する工程、及び
 (2)培養脂肪細胞に被験物質を添加して、当 培養脂肪細胞における脱共役蛋白質-1(UCP-1) mRNAの発現レベル又は脱共役蛋白質-1(UCP-1)の 産生レベルを測定する工程。
が提供され、さらには、上記(1)及び(2)に加え て下記の工程:
 (a)睾丸摘出動物に被験物質を投与して、当 動物の前立腺の重量の変化を測定する工程
 (b)睾丸摘出動物に被験物質を投与して、当 動物の前立腺における前立腺特異抗原のmRNA の発現レベル又は前立腺特異抗原の産生レベ ルを測定する工程、
 (c)睾丸摘出動物に被験物質を投与して、当 動物の肛門挙筋の重量の変化を測定する工 、
 (d)睾丸摘出動物に被験物質を投与して、当 動物の大腿骨の骨密度の変化を測定する工 、
 (e)睾丸摘出動物に被験物質を投与して、当 動物の椎骨の骨密度の変化を測定する工程
 (f)睾丸摘出動物に被験物質を投与して、当 動物の血漿中のゴナドトロピンの量の変化 測定する工程、
 (g)睾丸摘出動物に被験物質を投与して、当 動物の血漿中のアジポネクチンの量の変化 測定する工程、
 (h)睾丸摘出動物に被験物質を投与して、当 動物の血漿中のインスリンの量の変化を測 する工程、
 (i)睾丸摘出動物に被験物質を投与して、当 動物の血漿中のトリグリセリドの量の変化 測定する工程、
 (j)睾丸摘出動物に被験物質を投与して、当 動物の血漿中のコレステロールの量の変化 測定する工程、
 (k)睾丸摘出動物に被験物質を投与して、当 動物の肝臓及び内臓脂肪におけるステロー 制御要素結合蛋白質-1cのmRNAの発現レベルを 測定する工程、
 (l)睾丸摘出動物に被験物質を投与して、当 動物の肝臓及び内臓脂肪におけるカルニチ パルミトイルトランスフェラーゼ-1のmRNAの 現レベルを測定する工程、
 (m)睾丸摘出動物に被験物質を投与して、当 動物の肝臓及び内臓脂肪における脂肪酸合 酵素のmRNAの発現レベルを測定する工程、
 (n)被験動物に被験物質及び高脂肪食を投与 て、当該動物の体重、骨塩量、脂肪分布、 動量、血清中グルコース濃度及び血清中イ スリン濃度から選ばれる少なくとも一つの 化を測定する工程、
の少なくとも1つをさらに含むことを特徴と る、選択的アンドロゲン受容体調節作用を する化合物のスクリーニング方法が提供さ る。

 さらに、本発明には、上記(1)及び(2)のス リーニング方法、又は上記(1)及び(2)にさら 上記(a)~(n)の少なくとも1つを加えたスクリ ニング方法によって得られる選択的アンド ゲン受容体調節作用を有する化合物を有効 分として含有する選択的アンドロゲン受容 調節剤も包含される。

 また、本発明によれば、下記式(I)~(III)

 (各式中、R 1 ~R 9 はそれぞれ独立に水素原子又はC 1-4 アルキル基を表し、Xは酸素原子または硫黄 子を表す。)
のいずれかで示される化合物を有効成分とし て含有する選択的アンドロゲン受容体調節剤 が提供され、さらに、下記式(Ia)~(IIIa)
のいずれかで示される化合物を有効成分とし て含有する選択的アンドロゲン受容体調節剤 が提供される。

 本発明によれば、本発明のスクリーニン 方法によって得られる選択的アンドロゲン 容体調節作用を有する化合物、上記式(I)~(II I)のいずれかで示される化合物又は上記式(Ia) ~(IIIa)のいずれかで示される化合物を有効成 として含有する選択的アンドロゲン受容体 節剤を含有することを特徴とする生活習慣 の予防又は治療のための組成物、更には、 該生活習慣病が、肥満、インスリン抵抗性(2 型)糖尿病、高脂血症及び高血圧症からなる より選ばれる少なくとも1つの疾患である生 習慣病の予防又は治療のための組成物が提 される。

 さらに、本発明によれば、本発明のスク ーニング方法によって得られる選択的アン ロゲン受容体調節作用を有する化合物、上 式(I)~(III)で示される化合物又は上記式(Ia)~(I IIa)で示される化合物を有効成分として含有 る選択的アンドロゲン受容体調節剤をヒト 投与して生活習慣病を予防又は治療する方 が提供される。特に、本発明の予防又は治 方法の好ましい実施態様においては、前立 が作用を受けない。

 さらにまた、本発明によれば、下記式
で示される化合物が提供される。

図1は、AR-GFPをトランスフェンクションしたLN CaP細胞を10 -7 Mのジヒドロテストステロンで処理し、これ レーザー共焦点蛍光顕微鏡で観察した画像 ある。 図2は、AR-GFPをトランスフェンクションしたLN CaP細胞を10 -5 Mの式(I)の化合物で処理し、これをレーザー 焦点蛍光顕微鏡で観察した画像である。 図3は、AR-GFPをトランスフェンクションしたNI H-3T3-L1細胞を10 -7 Mのジヒドロテストステロンで処理し、これ レーザー共焦点蛍光顕微鏡で観察した画像 ある。 図4は、AR-GFPをトランスフェンクションしたNI H-3T3-L1細胞を10 -5 Mの式(I)の化合物で処理し、これをレーザー 焦点蛍光顕微鏡で観察した画像である。 図5は、9週齢のB6マウスに高脂肪食又は 高脂肪食+式(Ia)の化合物を16週間にわたり投 したときの、対照群、高脂肪食群及び高脂 食+式(Ia)の化合物群それぞれの外観の写真で あり、左が対照群、中央が高脂肪食群、右が 高脂肪食+式(Ia)の化合物群である。 図6は、9週齢のB6マウスに高脂肪食又は 高脂肪食+式(Ia)の化合物を16週間にわたり投 したときの、対照群、高脂肪食群及び高脂 食+式(Ia)の化合物群それぞれの内臓脂肪の写 真であり、左が対照群、中央が高脂肪食群、 右が高脂肪食+式(Ia)の化合物群である。

 本明細書において、「選択的アンドロゲ 受容体調節剤」における「選択的」とは、 体内アンドロゲンが有する作用のうちのい つかの好ましい作用を有し且ついくつかの ましくない作用を有さないことを言う。し して、本発明の選択的アンドロゲン受容体 節剤において、好ましい作用としては、例 ば、脂肪細胞における脱共役蛋白質-1のmRNA 発現レベル又は脱共役蛋白質-1の産生レベ を高める作用、筋肉の重量を増加させる作 、骨密度を増加させる作用、インスリン感 性状態を高める作用、血漿中トリグリセリ レベルを低下させる作用、肝臓及び/又は内 脂肪におけるカルニチンパルミトイルトラ スフェラーゼ-1のmRNAの発現レベルを上昇さ る作用、前立腺の重量を減少させる作用等 挙げられ、好ましい作用を複数有すること できる。また、本発明の選択的アンドロゲ 受容体調節剤における好ましくない作用と ては、例えば、前立腺癌細胞における前立 特異抗原のmRNAの発現レベル又は前立腺特異 抗原の産生レベルを高める作用、前立腺組織 における前立腺特異抗原のmRNAの発現レベル は前立腺特異抗原の産生レベルを高める作 、前立腺の重量を増加させる作用、血漿中 ナドトロピンレベルを増加させる作用、血 中及び/又は血清中インスリンレベルを増加 せる作用、肝臓及び/又は内臓脂肪における ステロール制御要素結合タンパク質-1cのmRNA 発現レベルを上昇させる作用、肝臓及び/又 内臓脂肪における脂肪酸合成酵素のmRNAの発 現レベルを上昇させる作用、体重を増加させ る作用、内臓脂肪を増加させる作用、血清中 グルコース濃度を上昇させる作用等が挙げら れる。ここで、本発明の選択的アンドロゲン 受容体調節剤において、好ましくない作用を いくつか有していてもかまわないが、少なく とも前立腺癌細胞における前立腺特異抗原の mRNAの発現レベル又は前立腺特異抗原の産生 ベルを高める作用を有さないことが好まし 。さらに、「選択的アンドロゲン受容体調 剤」における「調節」とは、アゴニスト作 、アンタゴニスト作用に加えて、何ら作用 及ぼさない場合をも包含する。

 生活習慣病は、「食習慣、運動習慣、休 、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・ 行に関与する疾患群」と定義され、その中 は、例えば、肥満、インスリン抵抗性(2型) 尿病、高脂血症(家族性を除く)、高血圧症 高尿酸血症、循環器疾患(先天性を除く)、大 腸癌(家族性を除く)、肺扁平上皮癌、慢性気 支炎、肺気腫、アルコール性肝障害、骨粗 症、歯周病等の疾患が含まれる。これらの 患のうち、本発明の選択的アンドロゲン受 体調節剤は、肥満、インスリン抵抗性(2型) 尿病、高脂血症、高血圧症の予防又は治療 対して特に有効である。

 前記式(Ia)の化合物は、例えば、Journal of Ch emical Research,  7 , 417-419(2006)等に記載されており、当該文献 記載されている製造方法等に従い、前記式(I )の化合物を容易に製造することが出来る。 た、前記式(IIa)の化合物は、例えば、Journal  of Medicinal Chemistry,  28 , 233-239(1985)等に記載されており、当該文献 記載されている製造方法等に従い、前記式(I I)の化合物を容易に製造することが出来る。 記式(IIIa)の化合物は新規な化合物であるが 例えば、以下の方法(a)に述べるような方法 すなわち、下記式(IIIb)の化合物における水 基をメチル化することにより容易に製造す ことができる。反応条件等の詳細について 、後記実施例1を参照されたい。なお、下記 方法(a)における出発物質である式(IIIb)の化合 物は、例えば、国際公開WO 92/17489号公報の製 造例29等に記載されており、当該文献に記載 れている製造方法等に従い、前記式(III)の 合物を容易に製造することが出来る。

方法(a):

 本発明のスクリーニング方法によって得 れる選択的アンドロゲン受容体調節作用を する化合物、特に前記式(Ia)~(IIIa)の化合物 有する、LNCaP細胞に対する作用及びNIH-3T3-L1 胞に対する作用、並びに種々の組織に対す 作用は、以下に述べる実験によって示すこ ができる。

(1)転写活性の測定:
1)プラスミドの構築
 プラスミドpCMV-hARを、本発明者らが先に報 した方法(J. Biol. Chem.,  282 , 7329-7338)に基づき構築した。また、レポー ープラスミドであるPGL3-PSA(ヒト)及びPGL3-UCP-1 (マウス)も、本発明者らが先に報告した方法( Diabetes,  54 , 1000-1008)に基づき構築した。なお、pRL-SV40は 商業的に入手した。

2)細胞の培養
 NIH-3T3-L1マウス前駆脂肪細胞を、10%ウシ胎児 血清を加えたDulbeccoの改良型Eagle培地(Sera Labo ratories社製)で培養した。また、ヒト前立腺癌 細胞株LNCapを、10%ウシ胎児血清を加えたRPMI 1 640培地(Sigma社製)で培養した。なお、この二 類の細胞株は、American Type Culture Collection(Ma nassas社)から得た。

3)トランスフェクション
 Effecteneトランスフェクションキット(Qiagen社 製)及びFugene HDキット(Roche Diagnostics社製)を いて、上記2)のNIH-3T3-L1細胞に対し、24ウェル プレート中でpCMV-hAR、pRL-SV40及びPGL3-UCP-1(マウ ス)を共トランスフェクションした。また、 記2)のLNCaP細胞に対し、同様にpCMV-hAR、pRL-SV40 及び PGL3-PSA(ヒト)を共トランスフェクション した。

4)LNCaP細胞におけるPSAプロモーター-ルシフェ ーゼ活性に対する作用の測定
 上記3)で共トランスフェクションしたLNCaP細 胞を、トランスフェクションの24時間後、さ に、デキストランチャーコールで処理した1 0%ウシ胎児血清及び被験化合物(少量のDMSOに 解したもの)を含むDMEM又はRPMI 1640中で24時間 培養した。その後、ホタルルシフェラーゼ及 びRenillaルシフェラーゼの活性を、Dual-Luciferas eレポーターアッセイシステム(Promega社製)を いて、Minilumat LB9507(Berthold Technologies社)の手 順書に従って24ウェルプレートにおいてアッ イした。各被験化合物についてのPSAプロモ ター-ルシフェラーゼ活性に対する値を下記 表1に示す。なお、ホタルルシフェラーゼ活 の値はRenillaの内部標準に沿って標準化し、 対ルシフェラーゼ活性として示した。
 上記表1に示すように、PSAプロモーター活性 は、10 -7 M又は10 -8 Mのジヒドロテストステロンによってほぼ9倍 激されるが、式(Ia)~(IIIa)の化合物はPSAプロ ーター活性をほとんど上昇させなかった。

(2)細胞内mRNA発現レベルの測定:
1)トータルRNAの抽出
 上記(1)-3)で共トランスフェクションしたLNCa P細胞及びNIH-3T3-L1細胞をそれぞれ6ウェルプレ ートで培養した後、デキストランチャーコー ルで処理した10%ウシ胎児血清及び被験化合物 (少量のDMSOに溶解したもの)を含むEMEM又はRPMI 1640中で24時間培養した。その後、ISOGEN(和光 薬製)を使ってそれぞれトータルRNAを抽出し た。

2)リアルタイムPCR
 上記1)で得たそれぞれのトータルRNAについ 、各5μgを、SuperScript IIIキット(Invitrogen社製) を用いて第1鎖cDNAに逆転写し、最終容積を20μ Lとした。LNCaP細胞におけるPSA mRNA及びNIH-3T3-L 1細胞におけるUCP-1 mRNAの発現を定量化するた めに、LightCycler FastStart DNA Master SYBR Green I (Roche Diagnostic社製)を用いてリアルタイムPCR 実施した。PCRは、20μLの反応混合液中で、次 の条件で実施した:95℃、3秒間の変性、60℃、 10秒間のアニーリング、そして72℃、25秒間の 延伸を50サイクル。同時に内部標準として、 -アクチンのmRNAも増幅した。各標的転写物の ためのフォワード/リバースプライマーの配 を、下記表2に示す。各転写物に関するリア タイムPCRの値は、β-アクチンに対する相対 として計算した。

3)各mRNAの発現レベル
 LNCaP細胞におけるPSA mRNA及びNIH-3T3-L1細胞に けるUCP-1 mRNAの発現レベルを、下記表3に示 。
 上記表3より、式(Ia)~(IIIa)の化合物は、PSA mR NAレベルに影響を与えることなく、エネルギ 消費に関係するUCP-1 mRNAレベルを上昇させ ことがわかる。

(3)GFP-ARの核内局在化の検討:
 本発明者らによるこれまでの研究から、リ ンドが誘導する核内(subnuclear)のフォーサイ( ドット)形成は、核内レセプターの転写活性 機能と密接に関連していることがわかって る(Diabetes,  54 , 1000-1008、J. Med. Chem., 49, 7596-7599、J. Biol. Chem.,  276 , 28395-28401、Mol. Endocrinol.,  16 , 694-706、Mol. Endocrinol.,  18 , 127-141)。ジヒドロテストステロンは250~400個 の微細で明瞭に分離している核内ARフォーサ (ドット)形成を誘導し、このプロセスに伴 てステロイドレセプターコアクチベータ-1(SR C-1)、TIF-2及びCBP(CREB-結合タンパク質)のよう コアクチベーターが動員される。ARはヒドロ キシフルタミドのような抗アンドロゲンと結 合するが、これらとはフォーサイ(ドット)を 成しないことから、核内における、アゴニ トが結合したステロイドホルモン受容体の 瞭なフォーサイ(ドット)形成が、転写活性 態の指標となる。式(Ia)の化合物について、G FP(green fluorescence protein:緑色蛍光タンパク質) -ARの核内局在化を検討した。

 NIH-3T3-L1細胞およびLNCaP細胞を35-mmのガラス に培養し(2×10 5 細胞/皿;旭テクノグラス社製)、Fugene HDキッ (Roche Diagnostics社製)を用いて、hAR-GFPプラス ドを2μg/皿の割合でトランスフェクションし た。24時間培養した後、細胞をジヒドロテス ステロン又は式(Ia)の化合物で処理し、3時 後にLSM 510 META顕微鏡(Carl Zeiss社製)を使っ 観察した。

 LNCaP細胞内にGFP-ARをトランスフェクション ると、GFP-ARは細胞質内に拡散して分布して たが、ジヒドロテストステロン(10 -7 M)で処理すると、急速に核内に移行し、フォ サイ(ドット)を形成した(図1)。一方、これ 式(Ia)の化合物(10 -5 M)で処理すると、この場合もGFP-ARは核内に移 したが、明瞭なフォーサイ(ドット)を形成 ることはなく、核内で拡散した分布パター を示した(図2)。

 さらに、同じ実験をGFP-ARをトランスフェク ョンしたNIH-3T3-L1細胞についても行った。こ の場合、ジヒドロテストステロン(10 -7 M)も式(Ia)の化合物(10 -5 M)も共にGFP-ARを核へ移行させ、核内でフォー イ(ドット)を形成させた(図3及び4)。

 この実験より、ジヒドロテストステロン 式(Ia)の化合物はともにARにリガンド結合し LNCaP細胞では異なる働きをするが、NIH-3T3-L1 駆脂肪細胞では同様に働いており、PSAまた UCP-1の発現に対するこれらARリガンドの作用 が同じでないことがわかる。

 なお、シングル蛍光タンパク質イメージ グを行うために、空冷ファイバーカップル アルゴンレーザーからの波長488nmのレーザ を使って、GFP蛍光を励起した。論理的な細 内相互作用を観察するためには、トランス ェクションしたタンパク質の発現レベルを ッチングさせる必要があるところ、共トラ スフェクションを行うと、各AR-GFPプラスミ の量はモルベースで等しかった。目的タン ク質の発現レベルが適切である細胞を顕微 下で選択した。LSM画像をTIFファイルとして クスポートし、Adobe Illustrator及びAdobe Photosh op(Adobe Systems社製)を用いて最終画像を作成し た。

(4)化合物の男性化作用の検討:
 ORXラットへの化合物投与における前立腺重 の変化を指標として、化合物の男性化作用 検討した。

1)ラットの処理
 11週齢の雄性SD(Sprague-Dawley)ラット(320~340g、Ch arles River Japan社より購入)を、12時間の明暗 期が維持され、温度および湿度が管理され 状態の室内で、市販の標準的な齧歯類用飼 及び水を自由に摂取させて1週間飼育した。
 飼育後、エーテル麻酔をかけて、両側の睾 を摘出(orchiectomized:ORX)又はシャム処理した 麻酔から覚めた後、動物をそれぞれ3-5匹の 験群に割り付けた。手術翌日から被験化合 注射液(被験化合物を少量のDMSOに溶解し、動 物実験用のオリーブオイルで希釈して(オリ ブオイル95%及びDMSO5%)被験化合物注射液とし もの)を1日1回、0.1ml /100g体重の割合で皮下 射した。21日後、ラットを腹部動脈から全 血して安楽死させ、腹側の前立腺および肛 挙筋を切り出し、重量測定後、RNA抽出のた にRNAlater(ナカライテスク社製)に浸した。ま 、右大腿骨から柔組織を取り除き、75%エタ ールに浸してから骨塩密度測定向けに保存 た。さらに、肝臓および内臓脂肪組織も集 、RNA抽出に備えてRNAlaterに浸した。

2)前立腺重量の変化
 上記で測定した前立腺重量を、下記表4に示 す。
 シャム処理群に比べると、精巣除去により 立腺の重量は劇的に減少したが、ジヒドロ ストステロンの投与で用量に依存して増加 た。しかし、式(Ia)の化合物を投与したラッ トの前立腺重量は1~10mg/kg体重の用量では増加 せず、式(Ia)の化合物がジヒドロテストステ ンのような男性化作用を有していないこと 示している。
 さらに、以下のように、化合物投与におけ ORXラット前立腺中のPSA mRNA発現レベルも測 した。

3)組織mRNA測定のためのリアルタイムPCR
 ORXラットの各組織内のトータルRNAを、RNeasy Mini KitまたはRNeasy Fiberous Tissue Mini Kit(Qiage n社製)を用いて単離した。このうち、1μgのト ータルRNAをQuantiaTect Reverse Transcription Kit(Qiag en社製)を用いて逆転写にかけた。次にcDNAを LightCycler(Roche Diagnostics社製)を用いてリアル イムPCR分析にかけ、各種転写物を定量化し 。なお、PCRは、SYBR Premix Ex Taq(タカラバイ オテクノロジー社製)を用い、次の条件で、20 μlの反応混合液中で行った:95℃、5秒間の変 、60℃、20秒間のアニーリング、そして72℃25 秒間の延伸を50サイクル。また、内部標準と て、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロ ナーゼ(GAPDH)mRNAも同時に増幅し、各転写物 リアルタイムPCRの値をGAPDHに対する相対比と して計算した。各標的転写物についてのフォ ワード/リバースプライマーの配列を、下記 5に示す。

4)ORXラット前立腺中のPSA mRNA発現レベル
 前記(4)-1)で得たORXラット前立腺中のPSA mRNA 現レベルを、上記(4)-3)の方法により測定し 。その結果を、下記表6に示す。
 PSA mRNAレベルは、精巣除去によってシャム 理群に比べ劇的に減少したが、ジヒドロテ トステロンの投与によってシャム処理ラッ に比べて約1.8倍増加した。一方、式(Ia)の化 合物で処理した群では、PSA mRNAレベルに変化 は見られなかった。

 上記の結果及び前記(4)-2)の結果より、天 のARリガンドであるジヒドロテストステロ とは対照的に、式(Ia)の化合物は、前立腺重 およびPSA発現の刺激に関して男性化の作用 ほとんど有していないことがわかる。なお 各化合物処理群の間に体重に違いは見られ かった。また、全てのラットで、体重は3週 間の試験期間中に徐々に増加した。

(5)化合物の同化作用の検討:
 前記(4)-1)で処理したORXラットにおける肛門 筋の重量並びに大腿骨及び椎骨の骨密度(bon e mineral density:BMD)の変化を指標として、化合 物の同化作用を検討した。

1)肛門挙筋重量の変化
 肛門挙筋は、ラットの直腸を囲んで局在し いる典型的な骨格筋であり、男性ステロイ ホルモンに感受性であると考えられている 肛門挙筋は、正常雄ラットに比べ精巣除去 ットで相当小型化するが、アンドロゲンを 与することによって正常重量まで回復させ ことができることは、よく知られている(J. Pharmacol. Exp. Ther.,  91 , 38-44)。前記(4)-1)で得たORXラットの肛門挙筋 重量の測定結果を下記表7に示す。
 また、肛門挙筋におけるペルオキシゾーム 殖(peroxisome proliferator)活性化因子レセプタ -デルタ(PPARδ)mRNAの発現レベルの測定も行っ 。これは、この核レセプターが骨格筋での 肪酸のβ-酸化およびエネルギー消費に関係 ていることが示されているからである(Proc. Natl. Acad. Sci. USA,  100 , 15924-15929)。この結果も併せて下記表7に示 。なお、測定は前記と同様の方法により行 た。
 予想どおり、精巣除去により、シャム処理 に比べて肛門挙筋の重量は減少した。この 少は1及び10mg/kgのジヒドロテストステロン 投与によって回復し、さらにシャム処理ラ トの場合の重量を超えて増加した。一方、 (Ia)の化合物では、10mg/kgの用量において、シ ャム処理群で観察されたものと同程度まで肛 門挙筋の重量を有意に増加させた。この結果 は、式(Ia)の化合物が、ORXラットではジヒド テストステロンと同様に、筋肉に対して同 活性を有していることを示している。
 また、精巣除去によって肛門挙筋中のPPARδm RNAの発現は増加したが、ジヒドロテストステ ロンはこの発現を用量に依存して抑制した。 しかし、興味深いことに、式(Ia)の化合物は 10mg/kgの用量でこの発現を高めた。

2)大腿骨及び椎骨の骨密度
 前記(4)-1)で処理したORXラットの大腿骨及び 骨の骨端海綿骨のBMDを、Scan Xmate-A100S(コム キャンテクノ社製)を用いて測定した。その 結果を下記表8に示す。
 局所での精巣テストステロンからエストロ ンへの変換が骨量の維持に寄与することは く知られている。しかし、ジヒドロテスト テロン-アンドロゲン受容体系の骨に対する 直接作用もまた、ARKOマウスでは骨吸収が増 して骨消失を示すものの雌はこれを示さな という事実からも、明らかにされている(Proc . Natl. Acad. Sci.,  100 , 9416-9421)。

 大腿骨BMDは、精巣除去により517.1mg/cm 3 (シャム)から465.3mg/cm 3 へと若干減少した。ジヒドロテストステロン は、精巣除去によって低下したこの値を、10m g/kgの用量で473.6mg/cm 3 にまで増加させたが、シャム群のレベルまで 回復させるには至らなかった。式(Ia)の化合 もまた、BMDの値を用量に依存して上昇させ 30mg/kgの用量で475.9mg/cm 3 まで増加させた。ただし、この数値は統計的 に有意ではなかった。

 椎骨BMDは、精巣除去によって770.8mg/cm 3 (シャム)から762.7mg/cm 3 まで僅かに減少した。ジヒドロテストステロ ンは椎骨BMDには影響を及ぼさなかったが、式 (Ia)の化合物はBMDを用量に依存して増加させ 傾向を示し、30mg/kgの用量でBMDは775.1mg/cm 3 まで増加した。ただし、この値も統計的に有 意なものではなかった。

 上記の結果及び前記(5)-1)の結果より、式( Ia)の化合物は、ORXラットにおいて、ジヒドロ テストステロンと同様に、いくつかの同化活 性傾向を有することが示された。

(6)血漿中ゴナドトロピンレベルの 測定:
 前記(4)-1)で処理したORXラットの血漿中のLH びFSHの濃度を測定して、脳下垂体に対する 合物の作用の特徴を調べた。測定結果を下 表9に示す。

 精巣除去は、シャム処理群に比べ、LHお びFSHのレベルを大きく上昇させた。ジヒド テストステロンは、視床下部-脳下垂体-生殖 腺について十分に解明されているフィードバ ックメカニズムによって、脳下垂体からのゴ ナドトロピン分泌を抑制し、LHレベルを抑制 たが、これに対し、式(Ia)の化合物は抑制せ ず、むしろLHレベルを用量に依存して増加さ た。

 更に、ジヒドロテストステロンの1又は10m g/kg投与により、FSHレベルは非処理のコント ールに観察されるレベルにまで抑制された 、式(Ia)の化合物は、1又は10mg/kg用量では、FS Hに何の影響も及ぼさなかった。

(7)血漿中アジポネクチンレベルの 測定:
 血漿テストステロンのレベルは、ORXラット は低く(≦0.1ng/ml)、シャム処理群では正常(1. 275ng/ml)であり、ラットの精巣除去が成功した こと及び今回の研究結果が信頼できることを 示している。

 脂肪細胞に由来する血漿タンパク質である ジポネクチンは、血漿中に豊富に存在して り、最近そのインスリン感受性作用および アテローム発生作用から、大きな注目を集 ている(Natl. Med.,  8 , 731-737、J. Biol. Chem.,  278 , 2461-2468、Biochem. Biophys. Res. Commun.,  257 , 79-83)。テストステロンは、ヒトおよびラッ トにおいて、脂肪細胞からのアジポネクチン の分泌を阻害すること、及び精巣除去が、マ ウスでは血漿中アジポネクチン濃度を上昇さ せること、特に高分子量(HMW)型のアジポネク ンの濃度を上昇させることが報告されてい (J. Biol. Chem.,  280 (18), 18073-18080、J. Androl.,  26 , 85-92)。

 本発明者らは、前記(4)-1)で処理したORXラッ についてトータル血漿中アジポネクチンレ ルを測定した。また同時に、血漿中インス ンレベルも測定した。これらの結果を下記 10に示す。

 精巣除去は血漿アジポネクチンのレベル 有意に上昇させたが、この上昇は1又は10mg/k g用量のジヒドロテストステロンの投与によ て、シャム処理ラットのレベルにまで抑制 れた。これに対し、式(Ia)の化合物はアジポ クチンレベルにこのような抑制作用を示さ かった。

 一方、ジヒドロテストステロンも式(Ia)の 化合物もインスリンレベルを上昇させたが、 この作用は式(Ia)の化合物による処理群では 度であった。この結果より、式(Ia)の化合物 ジヒドロテストステロンに比べて、よりイ スリン高感受性状態にする作用を有するこ が示唆される。

(8)血漿中トリグリセリド及びコレ ステロールレベルの測定:
 前記(4)-1)で処理したORXラットの代謝プロフ ールを特徴付けるために、血漿中トリグリ リド及びコレステロールレベルを測定した その結果を下記表11に示す。

 血漿トリグリセリドレベルは、通常は、肝 でのVLDL-トリグリセリドを含むトリグリセ ドに富むリポタンパク質の合成と分泌のバ ンス、ならびにインスリン依存的な形でト グリセリドを加水分解する末梢リポタンパ 質リパーゼ(LPL)活性による血管からのクリア ランスによって決定される。そのため、イン スリン耐性およびその続発症であるインスリ ン過剰症は、高トリグリセリド血症を伴うこ とが多いが、これは、この疾患状態が、肝臓 において主にSREBP-1cの活性化を介してVLDL-ト グリセリドの合成を促進すること(Prog. Lipid.  Res.,  40 , 439)、及び末梢LPL活性の低下によりトリグ セリドに富むリポタンパク質を血中に蓄積 せるためである。

 今回の試験において、ジヒドロテストス ロンはトリグリセリドレベルを上げ、コレ テロールのレベルを下げた。一方、式(Ia)の 化合物は、驚くべきことにトリグリセリドレ ベルを大幅に下げたが、コレステロールにつ いては、ジヒドロテストステロンの作用とは 対照的に、何らの作用も有していなかった。 これは、インスリン感受性に対する式(Ia)の 合物の全体的便益作用によって部分的に説 することができる。

(9)肝臓及び内臓脂肪におけるSREBP- 1c、FAS及びCPT-1のmRNAレベルの測定:
 肝臓および脂肪細胞での脂質形成遺伝子の 現は、動物の脂質ホメオスタシス制御に必 な役割を果たしているステロール制御要素 合タンパク質-1c(SREBP-1c)を含む複数の転写因 子によって制御されることが知られている。 SREBP-1cは、コレステロール、脂肪酸、トリグ セリド、およびリン脂質の生合成に関わる3 0を超える遺伝子の発現を直接活性化するこ が示されている(J. Clin. Invest.,  109 , 1125-1131)。カルニチンパルミトイルトラン フェラーゼ-1(CPT-1)は、ミトコンドリア内膜 横切るカルニチン依存的輸送の重要な酵素 あり、その欠損は、脂肪酸のβ-酸化の速度 下をもたらす。また、脂肪酸合成酵素(FAS)は SREBP-1cが標的とする脂肪酸合成酵素である。

 被験化合物が有するトリグリセリド低下 用のメカニズムを調べるため、前記(4)-1)で 理したORXラットの肝臓及び内臓脂肪におけ SREBP-1c、FAS及びCPT-1のmRNAレベルを測定した これに加えて、肝臓におけるインスリンレ プター基質-2(IRS-2)のmRNAレベルも測定した。 れらの結果を下記表12~15に示す。

 上記表12~14に見られるように、肝臓と内 脂肪の両方について似た結果が得られた。SR EBP-1cのmRNAレベルは、両組織とも式(Ia)の化合 で処理した群の方が低かった。FASのmRNAレベ ルもまた、式(Ia)の化合物処理によって低下 た(表12及び13)。これによって脂肪形成が抑 されたが、その一方で、CPT-1のmRNAレベルは ジヒドロテストステロンと比べて式(Ia)の化 物の方が高く(表14)、脂肪分解をより活性化 した。このように、SREBP-1cおよびFASの発現減 およびCPT-1の発現増加が、式(Ia)の化合物処 による血漿トリグリセリドレベル低下の一 である可能性がある。

 インスリンレセプター基質は、活性化され インスリンレセプターによってリン酸化さ る一群のタンパク質であり、IRS-2は、9つあ この群のメンバーの一つである(Nature,  377 , 173-177)。マウス視床下部およびβ-細胞にお るIRS-2欠損が、2型糖尿病様症状を引き起こ ことが最近示された(J. Clin. Invest.,  114 , 917-927)。IRS-2はまた、β-細胞の増殖/生存を 進することも知られている(Nature,  391 , 900-904)。

 上記表15に示すように、肝臓でのSREBP-1c下 流遺伝子の発現、すなわちIRS-2のmRNAレベルが 式(Ia)の化合物処理によって増加したが、ジ ドロテストステロン処理では減少した。式(I a)の化合物が誘導したSREBP-1c発現の抑制は、 臓でのIRS-2 mRNAの増加と密接に関連している と考えられる。また、式(Ia)の化合物は、こ IRS-2のアップレギュレーションメカニズムを 通して、肝臓でのインスリン感受性作用も発 揮している可能性がある。

 式(Ia)の化合物による血清トリグリセリドレ ベルの低下は、骨格筋におけるPPARδのアップ レギュレーションの点からも説明できる。PPA Rδの活性化は、骨格筋の脂肪酸酸化に関連す る遺伝子のアップレギュレーションと、ミト コンドリアの脱共役をもたらす。選択的PPARδ アゴニストは、トリグリセリドレベルを下げ 、HDLコレステロールレベル及びインスリン感 受性を上げ、食事誘導肥満を防止することが 示されている(Am. J. Physiol. Endocrinol. Metab.,  293 , E1256-E1264)。

 ところで、前記表3において、ジヒドロテス トステロン及び式(Ia)の化合物はNIH-3T3-L1細胞 おけるUCP-1の転写レベルを上げることを示 た。したがって、ラット内蔵脂肪におけるUC P-1 mRNAレベルも確認のために測定した。測定 結果を下記表16に示す。

 式(Ia)の化合物には、UCP-1 mRNAレベルを上 る傾向が僅かに見られたが、それは有意で なかった。また、ジヒドロテストステロン UCP-1のmRNAレベルにはほとんど影響しなかっ 。

(10)内臓脂肪の蓄積に対する化合 の影響:
 9週齢のB6マウスを10匹ずつ、対照群、高脂 食群及び高脂肪食+式(Ia)の化合物群に振り分 け、16週間にわたり飼育、観察した。この間 式(Ia)の化合物を1日おきに10mg/Kg皮下注射し また、体重を週に1回測定し、さらに、食事 摂取量を4週間に1回測定した。

 16週後、マウスの体重、骨塩量、脂肪分布 び運動量を測定した後、採血し、最後に屠 して各臓器を採取した。16週後の各群におけ る体重、血清中グルコース濃度及び血清中イ ンスリン濃度の平均値を下記表17に示す。

 まず、体重については、高脂肪食群に対し 高脂肪食+式(Ia)の化合物群の体重が有意に なかった。この結果より、式(Ia)の化合物に 体重増加抑制効果があることが示唆される なお、各群における食事摂取量の平均値の 移を下記表18に示す。食事摂取量は、各群 おいて有意差はなかった。

 次に、血清中グルコース濃度及び血清中 ンスリン濃度についても、高脂肪食による 加を式(Ia)の化合物は有意に抑制している。 これらの値の上昇を抑制することは、糖尿病 などの生活習慣病の予防及び/又は治療に効 的である。

 また、16週間飼育後のマウスに対する血糖 荷試験も行った。マウスを5匹/群に分け、1g/ Kgを注入し、経時的に血糖値を測定した。そ 結果を下記表19に示す。

 ところで、上記の体重増加抑制効果は、1 6週後の各群のマウスの外観において典型的 現れている。図5は16週後の各群のマウスを べて撮影したものであるが、高脂肪食+式(Ia) の化合物群のマウス(写真右)は、高脂肪食群( 中央)よりも通常食群(写真左)に近い外観を呈 している。

 しかし驚くべきは、図6に示すように、高 脂肪食群と高脂肪食+式(Ia)の化合物群との間 内臓脂肪の蓄積に顕著な差が見られたこと ある。すなわち、高脂肪食群(中央)では内 脂肪が著名に増加するが、高脂肪食+式(Ia)の 化合物群(写真右)における内臓脂肪は通常食 (写真左)とほぼ同じであった。これにより 式(Ia)の化合物が持つ著名な内臓脂肪増加抑 効果が明らかとなった。

 上記のように、本発明のSARMは、前立腺を刺 激することも、また視床下部-脳下垂体-生殖 を抑制することもなく、筋肉の発達を促し 内臓脂肪の蓄積を抑制し、肝臓、脂肪組織 び筋肉におけるインスリン感受性を高める 用を有する。糖尿病及びアテローム性動脈 化の治療又は予防にとってインスリン感受 の向上やトリグリセリドの低下が必須の標 である(Circulation,  100 , 475-482)ことから、本発明のSARMは、有望な生 活習慣病の予防・治療薬として期待される。
 本発明のSARMは、無毒性の添加剤と共に、固 体形態(例えば、錠剤、硬カプセル剤、軟カ セル剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、丸剤、ト ーチ錠など)、半固体形態(例えば、坐剤、軟 膏など)又は液体形態(例えば、注射剤、乳剤 懸濁液、ローション、スプレーなど)のいず れかの製剤形態に調製して用いることができ る。上記製剤に使用しうる無毒性の添加物と しては、例えば、でん粉、ゼラチン、ブドウ 糖、乳糖、果糖、マルトース、炭酸マグネシ ウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、 メチルセルロース、カルボキシメチルセルロ ース又はその塩、アラビアゴム、ポリエチレ ングリコール、p-ヒドロキシ安息香酸アルキ エステル、シロップ、エタノール、プロピ ングリコール、ワセリン、カーボワックス グリセリン、塩化ナトリウム、亜硫酸ナト ウム、リン酸ナトリウム、クエン酸等が挙 られる。該製剤は、また、治療学的に有用 他の薬剤を含有することもできる。

 該製剤中における選択的アンドロゲン受 体調節作用を有する化合物の含有量は、そ 剤形、投与形態等に応じて異なるが、一般 、固体及び半固体形態の場合には0.1~50重量% の含有率で、そして液体形態の場合には0.05~1 0重量%の濃度で含有することができる。

 また、本発明における選択的アンドロゲ 受容体調節作用を有する化合物の投与量は 対象とするヒトをはじめとする温血動物の 類、対象とする疾患の種類、投与経路、症 の軽重、医師の診断等により広範に変える とができるが、一般には、1日あたり0.01~5mg/ kg、好適には0.02~2mg/kgの範囲内とすることが きる。しかし、上記の如く患者の症状の軽 、医師の診断等に応じて、上記範囲の下限 りも少ない量又は上限よりも多い量を投与 ることはもちろん可能である。上記投与量 1日1回又は数回に分けて投与することができ る。

 以下、実施例及び製剤例により本発明を らに具体的に説明する。

実施例1
 16a-ホモ-16a-オキサエストラ-5-エン-3β-メト サイド(式(IIIa)の化合物)の合成:
 40%水素化ナトリウム50mgをベンゼン3mlで2回 い、DMSO 0.5mlを加え室温で30分撹拌した。こ に3-OH体50mgのDMSO 0.5ml溶液を滴下し、30分攪 した。ヨウ化メチルを0.2ml加え15分攪拌後、 氷水を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩 水及び水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウム で乾燥し、酢酸エチルを減圧下にて留去した 。残渣を薄層クロマトグラフィー(展開溶媒: ロロホルム)で精製し、表題化合物38.9mgを得 た。
  1 H-NMR(CDCl 3 , δ):0.94-1.09(4H, m), 0.998(3H, s), 1.001(3H, s), 1 .27(1H, dt, J=12.7, 3.4Hz), 1.32-1.62(7H, m), 1.85-1.9 7(2H, m), 2.03-2.20(2H, m), 2.40(1H, ddd, J=2.3, 4.6,  13.1Hz), 2.98(1H, d, J=10.8Hz), 3.01-3.12(1H, m), 3. 33-3.42(2H, m), 3.36(3H, s), 4.02-4.08(1H, m), 5.34-5. 39(1H, m).
MS(m/z): 304(M + ).

実施例2
 活性成分を70μm以下の粒度に粉砕し、それ でん粉、乳糖及びカルボキシメチルセルロ スカルシウムを加えてよく混合する。10%の ん粉のりを上記混合粉体に加えて攪拌混合 、顆粒を製造する。乾燥後粒径を1000μm前後 整粒し、これにタルク及びステアリン酸マ ネシウムを混合し、打錠する。