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Title:
ANTICORROSIVE COATING COMPOSITION AND PROCESS FOR PRODUCING MEMBER WITH ANTICORROSIVE COATING FILM USING THE COMPOSITION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/093319
Kind Code:
A1
Abstract:
An anticorrosive coating composition which contains no harmful metal compound, e.g., chromium compound, at all and can form a thin film which is less apt to crack even when baked at a high temperature. The composition comprises, based on the whole composition, 5-40 mass% organosilicon compound, 0.05-5.0 mass% organic titanate compound, 20-60 mass% one or more metallic powders selected from the group consisting of a zinc powder, zinc alloy powder, and aluminum powder, and 10-60 mass% organic solvent. The anticorrosive coating composition is applied and then heated to 200-400°C to thereby form a coating film having excellent anticorrosive properties.

Inventors:
SUZUKI TOSHIMICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/050964
Publication Date:
July 30, 2009
Filing Date:
January 24, 2008
Export Citation:
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Assignee:
YUKEN KOGYO CO LTD (JP)
SUZUKI TOSHIMICHI (JP)
International Classes:
C09D1/00; B32B15/08; C09D5/10; C23C26/00; B05D7/24
Domestic Patent References:
WO2003085171A12003-10-16
Foreign References:
JP2004501233A2004-01-15
JP2002115084A2002-04-19
JPH1158599A1999-03-02
JP3636203B12005-04-06
JPH11293200A1999-10-26
JP2004359800A2004-12-24
Other References:
See also references of EP 2246396A4
Attorney, Agent or Firm:
HIROSE, Shoichi (4-2 Nihonbashi Honcho 4-chom, Chuo-ku Tokyo 23, JP)
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Claims:
 全組成物に基づいて、5~40質量%の有機ケイ素化合物、0.05~5.0質量%の有機チタネート化合物、亜鉛粉末、亜鉛合金粉末およびアルミニウム粉末からなる群から選ばれる一種または二種以上の20~60質量%の金属粉末、ならびに10~60質量%の有機溶剤を含有すること
を特徴とする防錆塗料組成物。
 前記有機ケイ素化合物が、炭素数が3以下のアルキル基を有するテトラアルキルシリケート化合物およびそのオリゴマーからなる群から選ばれた一種または二種以上の化合物である請求項1記載の防錆塗料組成物。
 前記有機チタネート化合物が、一般式Ti(X) 4 で表される有機化合物およびそのオリゴマーであって、Xは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、およびtert-ブトキシの炭素数4以下のアルコキシ基、ラクテート、トリエタノールアミネート、アセチルセトネート、アセトアセテート、およびエチルアセトアセテートを含むキレート性置換基、ならびに水酸基からなる群から選ばれた一種または二種以上の官能基である請求項1または2記載の防錆塗料組成物。
 前記金属粉末が鱗片状である請求項1から3のいずれかに記載の防錆塗料組成物。
 請求項1から4のいずれかに記載される防錆塗料組成物を、金属表面を有する部材の当該金属表面を含む表面に塗布する塗布工程と、
 当該塗布された防錆塗料組成物を200~400℃に加熱して防錆塗膜を形成する加熱工程と
を備えることを特徴とする防錆塗膜を有する部材の製造方法。
 前記防錆塗膜が形成される表面が鉄鋼部材の表面である請求項5記載の防錆塗膜を有する部材の製造方法。
Description:
防錆塗料組成物およびその組成 を用いた防錆塗膜を有する部材の製造方法

 本発明は、クロム等の有害金属を含まな 防錆塗料組成物およびその組成物を用いた 錆塗膜を有する部材の製造方法に関する。 しくは、たとえば精密機器や自動車のプレ 成形用鋼板に適用可能なほどの薄膜であっ も耐食性に優れる塗膜を形成できる塗料組 物およびその組成物を用いた防錆塗膜を有 る部材の製造方法に関する。

 鉄鋼などの金属の表面を有する部材の防 を目的とする塗料として、亜鉛粉末とクロ 酸とを主成分とする防錆塗料が多用されて た。この塗料は、6価クロムの持つ不働態化 作用によって亜鉛粉末を長期間安定に保つこ とができ、液の保存安定性に優れている。ま た、この亜鉛粉末を含有する塗料からなる塗 膜は、周知の亜鉛による犠牲防食作用が有効 に働いて、下地の鉄鋼等の金属の腐食を防止 するため、優れた防錆効果が得られる。

 ところが、近年、6価クロムの有害性によ る環境汚染、人体への健康被害が懸念される ようになり、6価クロム等の有害金属を法的 使用規制する動きが加速している。こうし 流れを受け、多くの業界において6価クロム の有害金属を全く使用しないことが検討さ ている。そのため、防錆塗料の分野でもク ム等の有害金属を全く含まない塗料が強く まれている。

 このようなクロムを含まない防錆塗料の 例としては、亜鉛粉末とバインダー成分を 機溶剤に分散または溶解させた種類の塗料 即ち、ジンクリッチペイントがある。この ンクリッチペイントのバインダー成分には 機系と無機系とがある。耐久性の観点から 有機ケイ素化合物をバインダーとする無機 のほうが優れており、たとえば船舶や橋梁 重防食塗装において下塗り剤として用いら ている。

 ところが、無機系ジンクリッチペイント 膜中に空隙部(ボイド)が発生しやすく、ま 塗膜の厚さを制御しにくい。このような欠 を克服すべく、以下のような技術が開示さ ている。

 特許文献1には、長径が20~30μmのウイスカ 状の炭酸カルシウムを追加含有させる技術 開示されている。この技術において、添加 たウイスカーは被膜のクラック発生を防止 る機能を有する。

 また、特許文献2には、重量平均分子量/ 平均分子量の比が40以下であるアルキルシリ ケート樹脂を用い、塗料のモルホリンゲルタ イムが60秒以下であるジンクリッチペイント 開示されている。このような塗料は硬化時 が早く、それがゆえにクラックが進展して 隙とつながる現象が抑制されると説明され いる。

 特許文献1には、長径が20~30μmのウイスカ 状の炭酸カルシウムを追加含有させる技術 開示されている。この技術において、添加 たウイスカーは被膜のクラック発生を防止 る機能を有する。

 また、特許文献2には、重量平均分子量/数 均分子量の比が40以下であるアルキルシリケ ート樹脂を用い、塗料のモルホリンゲルタイ ムが60秒以下であるジンクリッチペイントが 示されている。このような塗料は硬化時間 早く、それがゆえにクラックが進展して空 とつながる現象が抑制されると説明されて る。

特開平11-293200号公報

特開2004-359800号公報

 上記の特許文献に開示される技術は、厚 のジンクリッチペイントとしては確かに有 ではあるものの、10μm程度の薄膜を安定に 成可能であって、なおかつその塗膜が高い 食性を有するような塗料を提供することは きていない。

 このような薄膜で高い耐食性を有する塗 の主たる用途は、事務機器、電気機器、自 車などであり、具体的には、ボルトやナッ などの締結部品、クランプ、クリップ等の め具、プレート、ハウジング、ヒンジ、パ ル等のプレス成形品などが挙げられる。こ らの部材は、組み付け精度が厳しいにもか わらず、加工時や組み付け時に強いせん断 を受ける場合が多いため、塗膜自体の強度 密着力に高いレベルが求められている。

 かかる要求に応えるひとつの有効な手段 塗膜の高温での焼き付けである。しかしな ら、従来技術に係るジンクリッチペイント 300℃程度の高温で焼き付けようとすると、 インダーとなる有機ケイ素化合物が急激に 縮し、上記のような特許文献に開示される 術を用いても塗膜内のクラック進展を止め ことができず、被処理部材内にも破断が発 する場合すらある。

 したがって、クロム等の有害な金属化合 を全く使用せずに、高温で焼き付け処理を ってもクラックが発生しにくい薄膜を形成 能な防錆塗料を提供することは重要な技術 題である。

 本発明は、上記の課題を克服する防錆塗料 成物を提供することおよびその防錆塗料組 物を用いた防食塗膜を有する部材を製造す 方法を提供することを目的とする。
 本発明によれば、非水系のバインダーと金 粉末とを含み、非水系のバインダーとして 機ケイ素化合物と有機チタネート化合物と 含む溶液を使用することにより、上記課題 解決することができる。

 本発明が一態様として提供する防錆塗料 成物は、全組成物に基づいて、5~40質量%の 機ケイ素化合物、0.05~5.0質量%の有機チタネ ト化合物、亜鉛粉末、亜鉛合金粉末および ルミニウム粉末からなる群から選ばれる一 または二種以上の20~60質量%の金属粉末、な びに10~60質量%の有機溶剤を含有する。

 本発明が別の一態様として提供する防錆 膜を有する部材の製造方法は、金属表面を する部材のその金属表面を含む表面に上記 防錆塗料組成物を塗布する塗布工程と、そ 塗布された塗料組成物を200~400℃に加熱して 塗膜を形成する加熱工程とを備える。

 上記の本発明に係る防錆塗料組成物および/ または製造方法における好ましい態様は次の (a)~(d)のとおりである。
 (a)上記の防錆塗料組成物における有機ケイ 化合物が、炭素数が3以下のアルキル基を有 するテトラアルキルシリケート化合物および そのオリゴマーからなる群から選ばれた一種 または二種以上の化合物である。

 (b)上記の防錆塗料組成物における有機チタ ート化合物が、一般式Ti(X) 4 で表される有機化合物およびそのオリゴマー であって、Xは、メトキシ、エトキシ、プロ キシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブ キシ、およびtert-ブトキシの炭素数4以下の ルコキシ基、ラクテート、トリエタノール ミネート、アセチルセトネート、アセトア テート、およびエチルアセトアセテートを むキレート性置換基、ならびに水酸基から る群から選ばれた一種または二種以上の官 基である。

 (c)上記の防錆塗料組成物における金属粉末 鱗片状である。
 (d)上記の防錆塗膜が形成される表面は鉄鋼 材の表面である。
 本発明の防錆塗料組成物はクロム等の有害 金属化合物を含有していない。このため、 境汚染や人体への健康被害を心配する必要 ない。しかも、ポットライフが長く、取り いが容易である。

 また、表面性状が良好な10μm程度の薄膜 形成することが可能であり、この薄膜に対 て高温で焼き付け処理を行っても膜中に大 なクラックが発生しにくい。したがって、 膜でありながら耐食性に優れた防錆塗膜が 易に形成される。

 本発明に係る防錆塗料組成物は、有機ケイ 化合物と、有機チタネート化合物と、所定 金属粉末と、有機溶剤とを含み、必要に応 て少量の添加剤を含む。
 以下、これらの成分、防錆塗料組成物の調 方法、およびこの防錆塗料組成物を用いた 錆塗膜の製造方法について詳しく説明する なお、以下の防錆塗料組成物の説明におい 、%は特に指定しない限り全防錆塗料組成物 に基づく質量%である。

 (1)有機ケイ素化合物
 本発明の防錆塗料組成物におけるバインダ 成分としては、高温での焼付け処理でも大 なクラックが発生しにくくなるように、有 ケイ素化合物および有機チタネート化合物 使用する。

 このうち、有機ケイ素化合物は、アルコキ シランおよびその加水分解物からなる群か 選ばれた一種または二種以上とする。アル キシシランは、(X’)Si(X”) 3 なる一般式で表される化合物であることが好 ましい。

 ここで、X’は、ヒドロキシ基、メトキシ 、エトキシ、イソプロポキシ、等の低級アル コキシ基、メチル、エチル、等の低級アルキ ル基;ビニル基、等の低級アルケニル基;およ γ-グリシドキシプロピル、γ-メタクリロキ プロピル、γ-メルカプトプロピル、等の官 基含有低級アルキル基から選ばれる。X”は 、ヒドロキシ基ならびにメトキシ、エトキシ 、イソプロポキシ、等のアルコキシ基から選 ばれ、3個のX”は同一でも異なっていてもよ 。

 アルコキシシランの具体例としては、テ ラメトキシシラン、テトラエトキシシラン メチルトリメトキシシラン、メチルトリエ キシシラン、ビニルトリメトキシシラン、 ニルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシ ロピルトリメトキシシラン、等が挙げられ が、それに限られるものではない。シラン ップリング剤として市販されている各種の ルコキシシランを使用してもよい。

 これらのアルコキシシランの中でも、テ ラメトキシシラン、テトラエトキシシラン テトラプロポキシシランなどのテトラアル キシシランまたはこれらのオリゴマーが好 しく、特に好ましいのは炭素数が3以下のテ トラアルコキシシランまたはこれらのオリゴ マーである。焼き付け処理によって縮合反応 を起こした際に、三次元架橋構造の塗膜を形 成することができ、塗膜強度が向上しやすい 。また、縮合する際の体積収縮が比較的少な いため、クラックが成長しにくい。

 上記の有機ケイ素化合物の含有量は、全 錆塗料組成物の5~40%とすることが望ましい 5%未満の場合には塗膜強度が低くなる傾向が 見られ、さらに少ない含有量になると金属粉 末同士の間に明らかな空隙部(ボイド)が発生 るようになって耐食性も低下するようにな 。一方、40%よりも過剰に含有させると、相 的に防錆塗膜中の金属粉末の分散濃度が低 するため、耐食性が低下する傾向が見られ ようになる。また、積層される金属粉末の なり面積が少なくなることから、クラック 展の抑制機能が低下する可能性を生ずる。 に好ましい範囲は10~35%である。

 (2)有機チタネート化合物
 本発明に係る防錆塗膜は、塗膜特性の向上 目的で、有機チタネート化合物を有する。 機チタネート化合物は一般式としてTi(X) 4 で表される有機化合物およびそのオリゴマー を意味する。ここで、Xは、水酸基、低級ア コキシ基、およびキレート性置換基から選 れ、4個のXは同一であってもよいし異なって いてもよい。

 低級アルコキシ基は、メトキシ、エトキ 、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ イソブトキシ、tert-ブトキシ、等の炭素数6 下、好ましくは4以下のアルコキシ基を意味 する。

 キレート性置換基とは、キレート形成能 持つ有機化合物から誘導された基を意味す 。そのような有機化合物としては、アセチ アセトン等のβ-ジケトン、アセト酢酸等の ルキルカルボニルカルボン酸およびそのエ テル、乳酸等のヒドロキシ酸、トリエタノ ルアミン等のアルカノールアミン、等が例 される。キレート性置換基の具体例として 、ラクテート、アンモニウムラクテート、 リエタノールアミネート、アセチルアセト ート、アセトアセテート、エチルアセトア テート、等がある。

 本発明に係る防錆塗膜において、この有 チタネート化合物は後述するように少量含 させることで高い性能を示す。すなわち、 温での焼付け処理を受けたときに、添加さ た有機チタネート化合物が硬化剤あるいは 媒として機能し、有機ケイ素化合物の三次 的な架橋反応を促進する。このため、バイ ダー成分の硬化速度が速まり、クラックの 展が抑制される。

 また、有機ケイ素化合物と金属粉末との 学的な結合、および有機ケイ素化合物と被 理部材の表面にある金属との化学的な結合 この有機チタネート化合物の存在によって 進され、結合強度が高まる。このため、金 粉末とバインダーとの界面剥離や、被処理 材とバインダーとの界面剥離が抑制され、 ラックの進展が抑制される。

 有機チタネート化合物の含有量は、0.05~5. 0%とすることが好ましい。有機チタネート化 物が少なすぎるとその効果が得られなくな て防錆塗膜が形成される被処理部材に至る どの大きなクラックが入りやすくなる。こ ため、防錆塗膜の耐食性が低下する傾向を す。一方、過剰になると、防錆塗料組成物 大気中の湿度を吸収して加水分解しやすく る。このため、そのポットライフが短くな 傾向を示す。クラック進展抑制およびポッ ライフ確保を両立させる観点で、有機チタ ート化合物の含有量のさらに好ましい範囲 0.1~3.5%であり、0.1~2%であれば特に好ましい

 (3)金属粉末
 本発明に係る防錆塗膜に含有される金属粉 は、従来からジンクリッチ防錆塗料に使用 れている、亜鉛粉末、亜鉛合金金属粉末、 よびアルミニウム粉末からなる群から選ば た一種または二種以上からなる。亜鉛合金 例としては、Zn-Ni、Zn-Sn、Zn-Fe、Zn-Al、Zn-Al-Mg 、等が挙げられる。

 防錆塗料組成物における金属粉末の含有 は、20~60%の範囲内とすることが好ましく、 り好ましく30~50%である。含有量が多すぎる 防錆塗料組成物の薄膜状での塗布が難しく ると共に、防錆塗膜の強度が低下する。逆 、含有量が少なすぎるとクラックが進展し すくなったり、塗膜全体の耐食性が低下し りする。

 防錆塗料組成物の原料としての金属粉末 形状は、防錆塗膜の厚さを薄くしても高い 食性を有するように、鱗片形状であること 好ましい。鱗片状であることによって、防 塗膜中で金属粉末が厚み方向に積層する構 をとることが実現される。この積層構造は バインダー成分の重合に起因する収縮によ て防錆塗膜中にクラックが発生しても、そ 進展を抑制し、被処理部材が露出するよう 大きなクラックの発生を防止する。

 鱗片形状の金属粉末の平均厚さが防錆塗 の平均厚さの1/200~1/2であって、かつ金属粉 の長径(鱗片形状の最長部分の長さ)の平均 が、金属粉末の平均厚さに対して1/20~10倍で ることが好ましい。防錆塗料組成物の塗布 件によって塗膜の厚さにばらつきが発生す ような条件であっても、後述する加熱処理 よって焼付けたときにクラックが発生する とが安定的に抑制される。金属粉末の平均 さのより好ましい範囲は防錆塗膜の平均厚 の1/200~1/10であり、1/200~1/20であれば特に好 しい。金属粉末の長径の平均値のより好ま い範囲は金属粉末の平均厚さの1/10~5倍であ 、2/5~2倍であれば特に好ましい。

 塗膜が例えば10μm程度の場合には、この ましい範囲の金属粉末とは、鱗片形状の平 厚さが0.05~5μmであって、長径の平均値が0.5~1 00μmである。より好ましい範囲の金属粉末と 、鱗片形状の平均厚さが0.05~1μm、長径の平 値が1~50μmである。特に好ましい範囲の金属 粉末とは、鱗片形状の平均厚さが0.05~0.5μm、 径の平均値が4~20μmの範囲である。

 鱗片形状の平均厚さが上記の範囲よりも さい場合には防錆塗料組成物の調製におけ 攪拌・混練作業の際に破壊されやくすくな ことが懸念される。金属粉末が破壊される 、鱗片形状が維持されず、積層構造が得ら にくくなる可能性がある。一方、上記範囲 りも大きい場合には防錆塗膜の厚み方向に 数の金属粉末が積層される構造が得られに くなり、クラックの進展を抑制する効果が 少する傾向を示すことが懸念される。

 長径の平均値が上記の範囲よりも小さい 合には、防錆塗膜内で鱗片状金属粉末が積 された構造を得にくくなって、クラック進 の抑制効果が小さくなる傾向を示すことが 念される。一方、上記の範囲よりも大きい 合には防錆塗膜内で金属粉末の分布が疎と ってしまう可能性がある。

 防錆塗料組成物における金属粉末が複数 類から構成される場合の組成比率は特に制 されないが、耐食性をより重視する場合に 亜鉛粉末または亜鉛合金粉末を含むことが ましい。外観特性の向上などの観点からア ミニウム粉末の比率を高めることが有利な 合があるが、この場合であっても、亜鉛粉 または亜鉛合金粉末を含むことが耐食性の 点からは好ましい。

 (4)有機溶剤
本発明の防錆塗料組成物は、塗布作業にあた って有機溶剤を含有させると被処理部材への 液なじみがよく、密着性が高い塗膜を得るこ とが実現される。また、有機溶剤を含有させ ることにより、塗料化に際して添加される各 種の成分の分散性が向上する。このため防錆 塗料組成物の均一性が高まる。

 好適な有機溶剤としては、メタノール、 タノール、プロパノール、イソプロパノー 、ブタノール、ヘキサノール、メトキシブ ノール、メトキシメチルブタノール等のア コール類;これらのアルコール類の酢酸エス テル、プロピオン酸エステル等のエステル類 ;エチレングリコール、ジエチレングリコー 、トリエチレングリコール、ポリエチレン リコール、プロピレングリコール、ジプロ レングリコール、トリプロピレングリコー などのグリコール類;およびこれらのグリコ ルのモノメチルエーテル、モノエチルエー ル、モノブチルエーテルなどのエーテル類 例示される。また、トルエン、キシレン、 ネラルスピリット、ソルベントナフサなど 炭化水素類を使用してもよい。これらは、 独でも数種類の混合物として用いてもよい

 有機溶剤の含有量は、作業環境によって 変動するものであるが、10~60%とすることが ましく、より好ましくは20~30%である。この 囲を超えると、薄膜化しにくくなったり、 膜中で金属粉末が積層構造を作りにくくな たりして、他の成分の含有量との関係もあ が所望の塗膜を得にくくなる場合もありう 。

 (5)その他の添加剤
 本発明の防錆塗料組成物には、必要に応じ 、塗料に一般に使用されている各種の添加 を含有させることができる。そのような添 剤としては、増粘剤、防錆顔料、コロイド シリカ微粒子、等が挙げられる。

 増粘剤の例として、脂肪酸アミド、ポリア イド、酸化ポリエチレン、ヒドロキシプル ルセルロース、さらにはケイ酸塩系の無機 粘剤等が挙げられる。
 防錆顔料の例として、リン酸亜鉛、リン酸 グネシウム、モリブデン酸亜鉛、リンモリ デン酸アルミニウム等が挙げられる。

 コロイド状シリカ微粒子とは、粒径が約1 μm以下の微細なゾル状のシリカ粒子であり、 上述したケイ素化合物と同様に、塗膜の耐食 性と塗膜強度を改善する効果がある。コロイ ド状シリカ微粒子の例としては、コロイダル シリカを有機溶媒に分散させたオルガノシリ カゾル(たとえば日産化学工業株式会社製ス ーテックス)、フュームドシリカ(気相シリカ )、等が挙げられる。

 その他、湿潤剤、消泡剤、等の慣用の塗料 添加剤も本発明の防錆塗膜に含有させるこ ができる。
 これらの他の添加剤の含有量は、合計で0.1~ 10%の範囲とすることが好ましい。0.1%未満の 合には添加剤の効果が得られないおそれが り、10%を超えると主剤である金属粉末やバ ンダー成分の含有量が相対的に低下し、基 特性である耐食性が低下する傾向を示すこ が懸念される。

 なお、以上に述べた、本発明の防錆塗料組 物を構成する各成分は、いずれも一種また 二種以上を使用することができる。
 (6)防錆塗料組成物の調整、防錆塗膜の製造 法等
 本発明の防錆塗料組成物は、上述した各成 を十分に攪拌・混合して、金属粉末を液中 均一に分散させることにより調製される。

 この防錆塗料組成物が適用される被処理 材は金属表面を有する部材であればいかな ものでもよい。金属系材料でもよいし、金 系材料と例えば樹脂および/またはセラミッ クスとの複合材料であってその表面の少なく とも一部が金属であるものでもよい。あるい は、樹脂部材など非金属部材であって少なく とも一部の表面がめっき処理などにより金属 化されているものでもよい。このような部材 の中でも鉄系材料、すなわち鋼材を含むもの であることが好ましい。鋼材の表面は、ショ ットブラスト処理、リン酸塩塗膜処理、等の 塗装の密着性向上および/または耐食性向上 ための塗装前処理として広く使われる処理 施されたものでもよい。あるいは、電気亜 めっき処理もしくは電気亜鉛合金(Zn-Sn、Zn-Fe 、Zn-Niなど)めっき処理、または溶融亜鉛めっ き処理、溶融亜鉛合金めっき処理もしくは合 金化溶融亜鉛めっき処理(以下、これらを総 して「亜鉛系めっき処理」という。)が鋼材 表面に施されていてもよい。ただし、本発 に係る複合塗膜は優れたバリア効果を有す ので、鋼材そのままの表面が処理対象であ ても、亜鉛系めっき処理が施された表面が 理対象の場合と同様の耐食性が実現される したがって、生産性が重視される場合など 、鋼材そのままの表面を処理対象とした方 むしろ有利である。

 部材の形態にも特に制限されず、鋼材を にして説明すれば、鋼板、棒材、鋼管、型 から、成形品、さらにはボルト、等の小物 材まで、あらゆる形態の部材に対して適用 能である。

 被処理部材への防錆塗料組成物の塗布は 例えば、ロール塗布、スプレー、刷毛塗り スピンコート、浸漬(ディッピング)等の常 により行うことができ、その部材の形態に じて適当な塗布方法を選択すればよい。塗 は、加熱処理後に形成される塗膜厚みが2~30 mの範囲となるように行うことが好ましい。 食性および密着性または二次加工性の両立 観点から塗膜厚みは5~20μmとすることがさら に好ましく、7~15μmとすれば特に好ましい。 お、この塗布工程における防錆塗料組成物 液温は特に制限されない。通常は常温で行 ばよい。

 塗布後の加熱処理(焼付け)は、200~400℃で うことが好ましく、250~350℃であれば特に好 ましい。処理時間は塗膜厚さにも依存するが 、2~30μmの範囲であれば、10~120分間の範囲と ることが好ましい。加熱処理により、有機 イ素化合物が有機チタネート化合物を硬化 または触媒として縮合反応して、多量の金 粉末を含む塗膜が被処理部材の表面に形成 れる。

 なお、この加熱処理に先立って、乾燥の めに予備加熱を行ってもよい。予備加熱を うことにより、その後の加熱処理での温度 ばらつきが抑制される。このことは耐食性 向上に寄与する。したがって、特に複合塗 の品質向上を求める場合には予備加熱を行 ことが有効となる可能性がある。予備加熱 度は80℃~120℃の範囲とすることが好ましく 100℃~120℃とすれば特に好ましい。予備加熱 時間は塗膜厚さにより適宜決定されるべきも のであるが、2~30μmの範囲であれば、5~20分間 することが好ましい。ただし、本発明は、 のような予備加熱処理を行わない場合でも った場合と同等の耐食性が得られるため、 程の追加による生産性の低下の影響が重視 れる場合には、むしろこのような予備加熱 行わないほうが有利である。

 以下に実施例を用いて本発明をさらに詳し 説明するが、本発明の範囲はこれらの実施 によっていかなる意味においても制限され い。
 鱗片状の亜鉛粉末を以下のようにして作成 た。平均粒径5μmの金属亜鉛粉末100重量部を ミネラルスピリット200重量部中に分散させ、 さらに少量の脂肪酸を加えて、金属亜鉛粉末 の分散濃度が約30重量%のスラリーとした。こ のスラリーをビーズミル(アシザワ・ファイ テック株式会社製スターミルZRS)で粉砕処理 、処理後のスラリーを減圧下で蒸発乾燥さ て、径の分布の中心値が10μm、厚さの分布 中心値が0.3μmの鱗片状亜鉛粉末を得た。

 鱗片状のアルミ粉末は東洋アルミニウム 式会社製アルペースト0200M(平均径10μm、平 厚み0.2μm)を用い、比較例として用いた粒状 亜鉛粉末は堺化学工業株式会社製亜鉛末#1( 均粒径5.0μmの球状)であった。

 表1に示した配合(質量部)に従って、塗料用 速攪拌機を用いて各成分を一緒に3時間攪拌 して、塗料組成物AおよびBを調整した。
 次に、あらかじめ脱脂・洗浄した軟鋼板に バーコーターにより各塗料を塗布し、280℃ 30分の加熱処理を行って、膜厚10μmの防錆塗 を形成した。

 なお、各原料についての詳細情報は以下の おりである。
 エチルポリシリケート:コルコート株式会社 製エチルシリケート40
 ブチルチタネートダイマー:松本製薬工業株 式会社製オルガチックスTA-22
 チタンエチルアセトアセテート:松本製薬工 業株式会社製オルガチックスTC-750

 この防錆処理鋼板の耐食性の評価を、JIS- Z 2371に規定する塩水噴霧試験を用い、50時間 おきに外観検査することで行った。赤錆が発 生しているか否かを目視レベルで判定し、共 試された鋼板の1%以上に赤錆が認められた段 で皮膜の耐食性の上限と判断した。

 また、塗料のポットライフは、塗料を調整 25℃湿度65%の状態で保管し、塗料のゲル化 進行して明らかな粘度上昇が見られるまで 時間を測定して得た。
 表1からわかるように、本発明に従って有機 チタネート化合物を含有する実施例1~3の塗料 は、膜厚が10μmであるにもかかわらず、きわ て高い防錆特性を示した。一方、有機シラ 化合物だけを使用している比較例1および2 塗料では、実施例のような高温での加熱処 が困難であり、そのため10μmの厚さでは最大 でも400時間程度の耐食性しか得られなかった 。

 また、本実施例にかかる塗料のポットラ フは、媒質に水を用いる比較例(比較例1)に べてきわめて長くなった。