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Title:
BRAKE SYSTEM, BRAKE CONTROL DEVICE, BRAKE CONTROL METHOD, AND BRAKE CONTROL PROGRAM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/175179
Kind Code:
A1
Abstract:
A parking brake control device temporarily stops power supply to an electric motor and then, after a temporary stop time has lapsed, recommences power supply to the electric motor as required. The parking brake control device then ends holding (application) of braking force when hold end conditions for ending the holding of the braking force are met. In such cases, the parking brake control device determines the hold end conditions on the basis of changes in vehicle state, when power supply has been temporarily stopped. The hold end conditions are determined using, as the vehicle state, changes in fluid pressure applied to a piston.

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Inventors:
SUZUKI SOTA (JP)
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FURUKAWA KIMIHISA (JP)
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KOBUNE TATSURO (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/005742
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
February 14, 2020
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Assignee:
HITACHI AUTOMOTIVE SYSTEMS LTD (JP)
International Classes:
B60T7/12; B60T13/74
Foreign References:
JP2016124408A2016-07-11
JP2014046824A2014-03-17
Attorney, Agent or Firm:
ONO, Shinjiro et al. (JP)
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Claims:
\¥0 2020/175179 48 卩(:17 2020 /005742

請求の範囲

[請求項 1 ] 車両に搭載されるブレーキシステムであって、

液圧によってピストンを推進して制動部材を被制動部材に押圧する 液圧制動装置と、

電動機から伝達される推力によって前記ピストンを推進して前記制 動部材を前記被制動部材に押圧し、 制動力を保持する電動ブレーキ装 置と、

制動力を保持する場合に、 前記ピストンに推力が発生する区間にお いて前記電動機への電力供給を一時的に停止させたあとに前記電動機 への電力供給を再開し、 制動力の保持を完了させる保持完了条件が成 立したときに制動力の保持を完了させる制御装置と、 を備え、 前記制御装置は、 前記電力供給が一時的に停止されているときに、 前記車両の車両状態の変化に基づき、 前記保持完了条件を決定する、 ブレーキシステム。

[請求項 2] 請求項 1記載のブレーキシステムであって、

前記制御装置は、 制動力の保持を開始するときの前記ピストンに付 与されている液圧に応じて前記電動機への電力供給を一時的に停止さ せるための電流閾値を変更する、 ブレーキシステム。

[請求項 3] 請求項 1記載のブレーキシステムであって、

前記車両状態は、 前記ピストンに付与されている液圧であり、 前記制御装置は、 前記ピストンに付与されている液圧の変化により 前記保持完了条件を決定する、 ブレーキシステム。

[請求項 4] 請求項 3記載のブレーキシステムであって、

前記制御装置は、 電力供給が一時的に停止されている間の液圧の変 化量が大きいほど電力供給の再開後の電力供給時間が長くなるように 前記保持完了条件を決定する、 ブレーキシステム。

[請求項 5] 車両に搭載されるブレーキ制御装置であって、

液圧または電動機から伝達される推力によってピストンを推進して 〇 2020/175179 49 卩(:171? 2020 /005742

芾 I」動部材を被制動部材に押圧するブレーキ機構における前記電動機を 制御する制御部を有し、

前記制御部は、 前記ブレーキ機構の制動力を保持する制御指令に応 じて前記電動機を駆動し、 前記ピストンに推力が発生している電流上 昇の際に、 前記電動機への電力供給を一時的に停止させたあとに前記 電動機への電力供給を再開し、 制動力の保持を完了させる保持完了条 件が成立したときに制動力の保持を完了させ、

前記電動機への電力供給を一時的に停止しているときに、 前記車両 の車両状態の変化に基づき、 前記保持完了条件を決定する、 ブレーキ 制御装置。

[請求項 6] 請求項 5記載のブレーキ制御装置であって、

前記制御部は、 制動力の保持を開始するときに、 前記ブレーキ機構 へ付加される液圧を取得し、 当該取得した液圧に応じて前記電動機へ の電力供給を一時的に停止させるための電流閾値を設定する、 ブレー キ制御装置。

[請求項· 7] 請求項 5記載のブレーキ制御装置であって、

前記制御部は、 前記車両状態として、 前記ピストンに付与されてい る液圧を取得し、 当該液圧の変化に基づいて前記保持完了条件を設定 する、 ブレーキ制御装置。

[請求項 8] 請求項 7記載のブレーキ制御装置であって、

前記制御部は、 電力供給が一時的に停止されている間の液圧の変化 量が大きいほど電力供給の再開後の電力供給時間が長くなるように、 前記保持完了条件を設定する、 ブレーキ制御装置。

[請求項 9] 液圧または電動機から伝達される推力によってピストンを推進して 芾 I」動部材を被制動部材に押圧するブレーキ機構における前記電動機を 制御するブレーキ制御方法であって、

前記ブレーキ機構の制動力を保持する制御指令に応じて前記電動機 への電流供給を開始するステップと、 〇 2020/175179 50 卩(:171? 2020 /005742

前記ピストンに推力が発生している電流上昇の際に、 前記電動機へ の電力供給を一時的に停止させるステップと、

前記電動機への電力供給を一時的に停止しているときに、 前記ブレ —キ機構が搭載された車両の車両状態の変化に基づき、 制動力の保持 を完了させる保持完了条件を設定するステップと、 前記電動機への電力供給を一時的に停止させた後、 前記電動機への 電力供給を再開するステップと、

前記保持完了条件が成立したときに制動力の保持を完了させるステ ップと、 を含む、 ブレーキ制御方法。

[請求項 10] 請求項 9記載のブレーキ制御方法であって、 前記ブレーキ制御方法 は、

前記電動機への電流供給を開始するときに、 前記ブレーキ機構へ付 加される液圧を取得し、 当該取得した液圧に応じて前記電動機への電 力供給を一時的に停止させるための電流閾値を設定するステップをさ らに含む、 ブレーキ制御方法。

[請求項 1 1 ] 請求項 9記載のブレーキ制御方法であって、

前記保持完了条件を設定するステップにおいて、 前記車両状態とし て、 前記ピストンに付与されている液圧が取得され、 当該液圧の変化 に基づいて前記保持完了条件が設定される、 ブレーキ制御方法。

[請求項 12] 請求項 1 1記載のブレーキ制御方法であって、

前記保持完了条件を設定するステップにおいて、 前記電力供給が一 時的に停止されている間の液圧の変化量が大きいほど電力供給の再開 後の電力供給時間が長くなるように、 前記保持完了条件が設定される 、 ブレーキ制御方法。

[請求項 13] 液圧または電動機から伝達される推力によってピストンを推進して 制動部材を被制動部材に押圧するブレーキ機構における前記電動機を 制御するブレーキ制御装置に実行させるブレーキ制御プログラムであ つて、 〇 2020/175179 51 卩(:171? 2020 /005742

前記ブレーキ機構の制動力を保持する制御指令に応じて前記電動機 への電流供給を開始するステップと、

前記ピストンに推力が発生している電流上昇の際に、 前記電動機へ の電力供給を一時的に停止させるステップと、

前記電動機への電力供給を一時的に停止しているときに、 前記ブレ —キ機構が搭載された車両の車両状態の変化に基づき、 制動力の保持 を完了させる保持完了条件を設定するステップと、 前記電動機への電力供給を一時的に停止させた後、 前記電動機への 電力供給を再開するステップと、

前記保持完了条件が成立したときに制動力の保持を完了させるステ ップと、 を実行するブレーキ制御プログラム。

[請求項 14] 請求項 1 3記載のブレーキ制御プログラムであって、 前記ブレーキ 制御プログラムは、

前記電動機への電流供給を開始するときに、 前記ブレーキ機構へ付 加される液圧を取得し、 当該取得した液圧に応じて前記電動機への電 力供給を一時的に停止させるための電流閾値を設定するステップをさ らに実行する、 ブレーキ制御プログラム。

[請求項 15] 請求項 1 3記載のブレーキ制御プログラムであって、

前記保持完了条件を設定するステップにおいて、 前記車両状態とし て、 前記ピストンに付与されている液圧が取得され、 当該液圧の変化 に基づいて前記保持完了条件が設定される、 ブレーキ制御プログラム

[請求項 16] 請求項 1 5記載のブレーキ制御プログラムであって、

前記保持完了条件を設定するステップにおいて、 前記電力供給が一 時的に停止されている間の液圧の変化量が大きいほど電力供給の再開 後の電力供給時間が長くなるように、 前記保持完了条件が設定される 、 ブレーキ制御プログラム。

Description:
\¥0 2020/175179 1 ?<:17 2020 /005742 明 細 書

発明の名称 :

ブレ _ キシステム、 ブレ _ キ制御装置、 ブレ _ キ制御方法およびブレ _ キ 制御プログラム

技術分野

[0001 ] 本発明は、 自動車等の車両に制動力を付与するブレーキ システム、 ブレー キ制御装置、 ブレーキ制御方法およびブレーキ制御プログ ラムに関する。 背景技術

[0002] 自動車等の車両には、 各車輪側の液圧ブレーキ (液圧制動装置) に向けて 液圧 (ブレーキ液圧) を供給することにより、 車両に制動力を付与するブレ —キシステムが搭載されている。 ここで、 液圧ブレーキは、 例えばディスク ブレーキであれば、 キヤリバのシリンダ内に外部から液圧を供給 することに より、 ピストンを介してブレーキパッ ド (制動部材) をディスクロータ (被 制動部材) に押圧して制動力を発生させる。

[0003] このようなディスクブレーキとして、 例えば、 車両走行時に液圧に基づい て制動力を発生させるだけでなく、 車両の停車、 駐車時、 必要に応じて走行 時に、 電動モータ (電動機) の駆動 (回転) に基づいて制動力を発生させる 電動パーキングブレーキ機能付きの液圧式デ ィスクブレーキが知られている (特許文献 1) 。

先行技術文献

特許文献

[0004] 特許文献 1 :特開 2 0 1 5 - 4 7 9 4 5号公報 (特許第 6227333号公報)

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005] 従来技術の場合、 パーキングブレーキのアプライ (制動付与) のときに、 車両状態の変化 (例えば、 液圧の変動) に伴って、 電動モータの駆動に基づ 〇 2020/175179 2 卩(:171? 2020 /005742

く推力が過剰 (過大) になる可能性がある。

課題を解決するための手段

[0006] 本発明の目的は、 アプライのとき (即ち、 電動モータの駆動に基づいて制 動力を保持するとき) に、 車両状態の変化 (例えば、 液圧の変動) に伴って 推力が過剰または不足することを抑制できる ブレーキシステム、 ブレーキ制 御装置、 ブレーキ制御方法およびブレーキ制御プログ ラムを提供することに ある。

[0007] 本発明の一実施形態による車両に搭載される ブレーキシステムは、 液圧に よってピストンを推進して制動部材を被制動 部材に押圧する液圧制動装置と 、 電動機から伝達される推力によって前記ピス トンを推進して前記制動部材 を前記被制動部材に押圧し、 制動力を保持する電動ブレーキ装置と、 制動力 を保持する場合に、 前記ビストンに推力が発生する区間において 前記電動機 への電力供給を一時的に停止させたあとに前 記電動機への電力供給を再開し 、 制動力の保持を完了させる保持完了条件が成 立したときに制動力の保持を 完了させる制御装置と、 を備え、 前記制御装置は、 前記電力供給が一時的に 停止されているときに、 前記車両の車両状態の変化に基づき、 前記保持完了 条件を決定する。

[0008] また、 本発明の一実施形態による車両に搭載される ブレーキ制御装置は、 液圧または電動機から伝達される推力によっ てピストンを推進して制動部材 を被制動部材に押圧するブレーキ機構におけ る前記電動機を制御する制御部 を有し、 前記制御部は、 前記ブレーキ機構の制動力を保持する制御指 令に応 じて前記電動機を駆動し、 前記ピストンに推力が発生している電流上昇 の際 に、 前記電動機への電力供給を一時的に停止させ たあとに前記電動機への電 力供給を再開し、 制動力の保持を完了させる保持完了条件が成 立したときに 制動力の保持を完了させ、 前記電動機への電力供給を一時的に停止して いる ときに、 前記車両の車両状態の変化に基づき、 前記保持完了条件を決定する

[0009] また、 本発明の一実施形態によるブレーキ制御方法 は、 液圧または電動機 〇 2020/175179 3 卩(:171? 2020 /005742

から伝達される推力によってピストンを推 進して制動部材を被制動部材に押 圧するブレーキ機構における前記電動機を制 御する方法であって、 前記ブレ _キ機構の制動力を保持する制御指令に応じ 前記電動機への電流供給を開 始するステップと、 前記ピストンに推力が発生している電流上昇 の際に、 前 記電動機への電力供給を一時的に停止させる ステップと、 前記電動機への電 力供給を一時的に停止しているときに、 前記ブレーキ機構が搭載された車両 の車両状態の変化に基づき、 制動力の保持を完了させる保持完了条件を設 定 するステップと、 前記電動機への電力供給を一時的に停止させ た後、 前記電 動機への電力供給を再開するステップと、 前記保持完了条件が成立したとき に制動力の保持を完了させるステップと、 を含む。

[0010] また、 本発明の一実施形態によるブレーキ制御プロ グラムは、 液圧または 電動機から伝達される推力によってピストン を推進して制動部材を被制動部 材に押圧するブレーキ機構における前記電動 機を制御するブレーキ制御装置 に実行させるプログラムであって、 前記ブレーキ機構の制動力を保持する制 御指令に応じて前記電動機への電流供給を開 始するステップと、 前記ピスト ンに推力が発生している電流上昇の際に、 前記電動機への電力供給を一時的 に停止させるステップと、 前記電動機への電力供給を一時的に停止して いる ときに、 前記ブレーキ機構が搭載された車両の車両状 態の変化に基づき、 制 動力の保持を完了させる保持完了条件を設定 するステップと、 前記電動機へ の電力供給を一時的に停止させた後、 前記電動機への電力供給を再開するス テップと、 前記保持完了条件が成立したときに制動力の 保持を完了させるス テップと、 を実行する。

[001 1 ] 本発明の一実施形態によれば、 電動機の駆動に基づいて制動力を保持する とき (アプライのとき) に、 車両状態の変化 (例えば、 液圧の変動) に伴っ て推力が過剰または不足することを抑制でき る。

図面の簡単な説明

[0012] [図 1 ]第 1の実施形態によるブレーキシステムが搭載 れた車両の概念図。

[図 2]図 1中の後輪側に設けられた電動パーキングブ ーキ機能付のディスク 〇 2020/175179 4 卩(:171? 2020 /005742

ブレーキを拡大して示す縦断面図。

[図 3]図 1中のパーキングブレーキ制御装置を後輪側 ィスクブレーキ等と共 に示すブロック図。

[図 4]図 1中のパーキングブレーキ制御装置による制 処理を示す流れ図。

[図 5]図 4中の 「八」 、 「巳」 に続く処理を示す流れ図。

[図 6]図 5中の 3 9の 「△?判定処理」 を示す流れ図。

[図 7]液圧 とアプライー時停止電流閾値 I 8リ 3㊀との関係の一例を示す 特性線図。

[図 8]液圧の変化量△ と再通電時間 1 との関係の一例を示す特性線図。 [図 9]第 1の実施形態によるモータ電流丨、 液圧 の時間変化の一例を示す特 性線図。

[図 10]第 2の実施形態による制御処理 (図 4中の 「八」 、 「巳」 に続く処理 ) を示す流れ図。

[図 1 1]図 1 0中の 3 2 1の 「△?判定処理」 を示す流れ図。

[図 12]第 2の実施の形態によるモータ電流 I、 液圧 の時間変化の一例を示 す特性線図。

[図 13]キヤリバ液圧真値に対する制御認識値の 延による液圧誤差を示す説 明図 (時間変化の特性線図) 。

発明を実施するための形態

[0013] 以下、 実施形態によるブレーキシステムおよびブレ ーキ制御装置を、 4輪 自動車に搭載した場合を例に挙げ、 添付図面に従って説明する。 なお、 図 4 、 図 5、 図 6、 図 1 0、 図 1 1 に示す流れ図の各ステップは、 それぞれ 「3 」 という表記を用いる (例えば、 ステップ 1 = 「3 1」 とする) 。

[0014] 図 1ないし図 9は、 第 1の実施形態を示している。 図 1 において、 車両の ボディを構成する車体 1の下側 (路面側) には、 例えば左右の前輪 2 ( !_

, [¾) と左右の後輪 3 ([¾ !_ , とからなる合計 4個の車輪が設けら れている。 車輪 (各前輪 2、 各後輪 3) は、 車体 1 と共に車両を構成してい る。 車両には、 制動力を付与するためのブレーキシステムが 搭載されている 〇 2020/175179 5 卩(:171? 2020 /005742

。 以下、 車両のブレーキシステムについて説明する。

[0015] 前輪 2および後輪 3には、 それぞれの車輪 (各前輪 2、 各後輪 3) と共に 回転する被制動部材 (回転部材) としてのディスクロータ 4が設けられてい る。 前輪 2用のディスクロータ 4は、 液圧式のディスクブレーキである前輪 側ディスクブレーキ 5により制動力が付与される。 後輪 3用のディスクロー 夕 4は、 電動パーキングブレーキ機能付の液圧式のデ ィスクブレーキである 後輪側ディスクプレーキ 6により制動力が付与される。

[0016] 左右の後輪 3に対応してそれぞれ設けられた一対 (一組) の後輪側ディス クプレーキ 6は、 液圧によりブレーキパッ ド 6〇 (図 2参照) をディスクロ —夕 4に押圧して制動力を付与する液圧式のブレ キ機構である。 図 2に示 すように、 後輪側ディスクブレーキ 6は、 例えば、 キャリアと呼ばれる取付 部材 6 と、 ホイルシリンダとしてのキャリバ 6巳と、 制動部材 (摩擦部材 、 摩擦パッ ド) としての一対のブレーキパッ ド 6(3と、 押圧部材としてのピ ストン 6 0とを備えている。 この場合、 キヤリパ 6巳とピストン 6 0は、 液 圧によってビストン 6 0を推進してブレーキパッ ド 6〇をディスクロータ 4 に押圧するシリンダ機構 (液圧制動装置) を構成している。

[0017] 取付部材 6 は、 車両の非回転部に固定され、 ディスクロータ 4の外周側 を跨いで形成されている。 キャリパ 6巳は、 取付部材 6八にディスクロータ 4の軸方向への移動を可能に設けられている キャリバ 6巳は、 シリンダ本 体部 6巳 1 と、 爪部 6巳 2と、 これらを接続するブリッジ部 6巳 3とを含ん で構成されている。 シリンダ本体部 6巳 1 には、 シリンダ (シリンダ穴) 6 巳 4が設けられており、 シリンダ 6巳 4内にはピストン 6 0が揷嵌されてい る。 ブレーキパッ ド 6〇は、 取付部材 6八に移動可能に取付けられ、 ディス クロータ 4に当接可能に配置されている。 ピストン 6 0は、 ブレーキパッ ド 6〇をディスクロータ 4に押圧する。

[0018] ここで、 キャリバ 6巳は、 ブレーキペダル 9の操作等に基づいてシリンダ

6巳4内に液圧 (ブレーキ液圧) が供給 (付加) されることにより、 ブレー キパッ ド 6〇をピストン 6 0で推進する。 このとき、 ブレーキパッ ド 6〇は 〇 2020/175179 6 卩(:171? 2020 /005742

、 キヤリパ 6巳の爪部 6巳 2とピストン 6 0とによりディスクロータ 4の両 面に押圧される。 これにより、 ディスクロータ 4と共に回転する後輪 3に制 動力が付与される。

[0019] さらに、 後輪側ディスクブレーキ 6は、 電動アクチユエータ 7と回転直動 機構 8とを備えている。 電動アクチユエータ 7は、 電動機としての電動モー 夕 7 と、 該電動モータ 7 の回転を減速する減速機 (図示せず) 等を含ん で構成されている。 電動モータ 7八は、 ピストン 6 0を推進するための推進 源 (駆動源) となるものである。 回転直動機構 8は、 ブレーキパッ ド 6〇の 押圧力を保持する保持機構 (押圧部材保持機構) を構成している。

[0020] この場合、 回転直動機構 8は、 電動モータ 7八の回転をピストン 6 0の軸 方向の変位 (直動変位) に変換すると共に該ピストン 6 0を推進する回転直 動部材 8 を含んで構成されている。 回転直動部材 8 は、 例えば、 雄ねじ が形成された棒状体からなるねじ部材 8 1 と、 雌ねじ穴が内周側に形成さ れた推進部材となる直動部材 8 2とにより構成されている。 回転直動機構 8は、 電動モータ 7八の回転をビストン 6口の軸方向の変位に変換すると共 に、 電動モータ 7八により推進したピストン 6 0を保持する。 即ち、 回転直 動機構 8は、 電動モータ 7八によりピストン 6 0に推力を与え、 該ピストン 6 0によりブレーキパッ ド 6〇を推進してディスクロータ 4を押圧し、 該ピ ストン 6口の推力を保持する。

[0021 ] このように、 後輪側ディスクブレーキ 6は、 回転直動機構 8および電動モ —夕 7八を備えている。 回転直動機構 8および電動モータ 7八は、 電動ブレ —キ機構 (電動ブレーキ装置) を構成している。 電動ブレーキ機構は、 電動 モータ 7 の回転力を減速機と回転直動機構 8とを介して推力に変換し、 ブ レーキパッ ド 6(3を押圧するピストン 6 0に推力を作用させて制動力の保持 または解除をする。 即ち、 電動ブレーキ機構は、 電動モータ 7八で駆動され る回転直動機構 8により推進されるビストン 6 0が、 ブレーキパッ ド 6〇を ディスクロータ 4に押圧し、 電動モータ 7八の停止によりブレーキパッ ド 6 〇を押圧位置で保持する。 〇 2020/175179 7 卩(:171? 2020 /005742

[0022] 電動ブレーキ機構 (電動ブレーキ装置) を構成する回転直動機構 8および 電動モータ 7八は、 シリンダ機構 (液圧制動装置) を構成するキャリバ 6巳 およびピストン 6 0と、 後述のパーキングブレーキ制御装置 2 4と共に、 ブ レーキシステムを構成している。 電動ブレーキ機構 (電動ブレーキ装置) は 、 電動モータ 7八から伝達される推力によってピストン 6 0を推進してブレ —キパッ ド 6(3をディスクロータ 4に押圧し、 制動力を保持する。

[0023] 後輪側ディスクブレーキ 6は、 ブレーキペダル 9の操作等に基づいて発生 するブレーキ液圧によりピストン 6 0を推進させ、 ブレーキパッ ド 6〇でデ ィスクロータ 4を押圧することにより、 車輪 (後輪 3) 延いては車両に制動 力を付与する。 これに加えて、 後輪側ディスクブレーキ 6は、 後述するよう に、 パーキングブレーキスイッチ 2 3からの信号等に基づく作動要求に応じ て、 電動モータ 7八により回転直動機構 8を介してピストン 6 0を推進させ 、 車両に制動力 (パーキングブレーキ、 必要に応じて補助ブレーキ) を付与 する。

[0024] 即ち、 後輪側ディスクブレーキ 6は、 電動モータ 7八を駆動し、 回転直動 部材 8八によりビストン 6 0を推進することにより、 ブレーキパッ ド 6〇を ディスクロータ 4に押圧して保持する。 この場合、 後輪側ディスクブレーキ 6は、 パーキングブレーキ (駐車ブレーキ) を付与するためのアプライ要求 となるパーキングブレーキ要求信号 (アプライ要求信号) に応じて、 ピスト ン 6 0を電動モータ 7八で推進して車両の制動を保持することが 能となっ ている。 これと共に、 後輪側ディスクプレーキ 6は、 ブレーキペダル 9の操 作に応じて、 液圧源 (後述のマスタシリンダ 1 2、 必要に応じて液圧供給装 置 1 6) からの液圧供給により車両の制動が可能とな っている。

[0025] このように、 後輪側ディスクプレーキ 6は、 電動モータ 7八によりディス クロータ 4にブレーキパッ ド 6〇を押圧し該ブレーキパッ ド 6〇の押圧力を 保持する回転直動機構 8を有し、 かつ、 電動モータ 7八による押圧とは別に 付加される液圧によりディスクロータ 4にブレーキパッ ド 6(3を押圧可能に 構成されている。 〇 2020/175179 8 卩(:171? 2020 /005742

[0026] 一方、 左右の前輪 2に対応してそれぞれ設けられた一対 (一組) の前輪側 ディスクブレーキ 5は、 パーキングブレーキの動作に関連する機構を 除いて 、 後輪側ディスクブレーキ 6とほぼ同様に構成されている。 即ち、 図 1 に示 すように、 前輪側ディスクブレーキ 5は、 取付部材 (図示せず) 、 キヤリバ 5八、 ブレーキパッ ド (図示せず) 、 ピストン 5巳等を備えているが、 パー キングブレーキの作動、 解除を行うための電動アクチュエータ 7 (電動モー 夕 7八) 、 回転直動機構 8等を備えていない。 しかし、 前輪側ディスクブレ —キ 5は、 ブレーキペダル 9の操作等に基づいて発生する液圧によりピ ト ン 5巳を推進させ、 車輪 (前輪 2) 延いては車両に制動力を付与する点で、 後輪側ディスクブレーキ 6と同様である。 即ち、 前輪側ディスクブレーキ 5 は、 液圧によりブレーキパッ ドをディスクロータ 4に押圧して制動力を付与 する液圧式のブレーキ機構 (液圧ブレーキ) である。

[0027] なお、 前輪側ディスクブレーキ 5は、 後輪側ディスクブレーキ 6と同様に 、 電動パーキングブレーキ機能付のディスクブ レーキとしてもよい。 また、 実施形態では、 電動パーキングブレーキ装置として、 電動パーキング機構を 備えた液圧式のディスクブレーキ 6を用いている。 しかし、 これに限定され ず、 電動パーキングブレーキ装置は、 例えば、 電動パーキング機構を備えた 液圧式のドラムブレーキ、 電動ドラム式のパーキング機構を備えた液圧 式の ディスクプレーキ、 電動モータでケーブルを引っ張ることにより パーキング ブレーキをアプライ作動させるケーブルブラ ー式の電動パーキング機構を備 えた液圧式のディスクブレーキまたはドラム ブレーキ等を用いてもよい。 即 ち、 電動パーキングブレーキ装置は、 電動モータ (電動アクチュエータ) の 駆動に基づいて摩擦部材 (パッ ド、 シュー) を回転部材 (ロータ、 ドラム) に押圧 (推進) し、 その押圧力の保持と解除とを行うことができ る電動パー キング機構を備えた構成であれば、 各種の電動パーキングブレーキ装置を用 いることができる。

[0028] 車体 1のフロントボード側には、 ブレーキペダル 9が設けられている。 ブ レーキペダル 9は、 車両のブレーキ操作時に運転者 (ドライバ) によって踏 〇 2020/175179 9 卩(:171? 2020 /005742

込み操作される。 各ディスクブレーキ 5 , 6は、 ブレーキペダル 9の操作に 基づいて、 常用ブレーキ (サービスブレーキ) としての制動力の付与および 解除が行われる。 ブレーキペダル 9には、 ブレーキランプスイッチ、 ペダル スイッチ (ブレーキスイッチ) 、 ペダルストロークセンサ等のブレーキ操作 検出センサ (ブレーキセンサ) 1 0が設けられている。

[0029] ブレーキ操作検出センサ 1 0は、 ブレーキペダル 9の踏込み操作の有無、 または、 その操作量を検出し、 その検出信号を巳 3(3制御装置 1 7に出力す る。 ブレーキ操作検出センサ 1 0の検出信号は、 例えば、 車両データバス 2 0、 または、 制御装置 1 7とパーキングブレーキ制御装置 2 4とを接 続する通信線 (図示せず) を介して伝送される (パーキングブレーキ制御装 置 2 4に出力される) 。

[0030] ブレーキペダル 9の踏込み操作は、 倍力装置 1 1 を介して、 油圧源 (液圧 源) として機能するマスタシリンダ 1 2に伝達される。 倍力装置 1 1は、 ブ レーキペダル 9とマスタシリンダ 1 2との間に設けられた負圧ブースタ (気 圧倍力装置) または電動ブースタ (電動倍力装置) として構成されている。 倍力装置 1 1は、 ブレーキペダル 9の踏込み操作時に、 踏力を増力してマス タシリンダ 1 2に伝える。

[0031 ] このとき、 マスタシリンダ 1 2は、 マスタリザーバ 1 3から供給 (補充) されるブレーキ液により液圧を発生させる。 マスタリザーバ 1 3は、 ブレー キ液が収容された作動液タンクとなるもので ある。 ブレーキペダル 9により 液圧を発生する機構は、 上記の構成に限られるものではなく、 ブレーキぺダ ル 9の操作に応じて液圧を発生する機構、 例えば、 ブレーキバイワイヤ方式 の機構等であってもよい。

[0032] マスタシリンダ 1 2内に発生した液圧は、 例えば一対のシリンダ側液圧配 管 1 4 , 1 4巳を介して、 液圧供給装置 1 6 (以下、 £ 3 0 1 6という) に送られる。 巳 1 6は、 各ディスクプレーキ 5 , 6とマスタシリンダ 1 2との間に配置されている。 巳3〇 1 6は、 マスタシリンダ 1 2からシリン ダ側液圧配管 1 4 , 1 4巳を介して出力される液圧を、 ブレーキ側配管部 〇 2020/175179 10 卩(:171? 2020 /005742

1 5八, 1 5巳, 1 50, 1 50を介して各ディスクブレーキ 5, 6に供給 する。 即ち、 巳3〇 1 6は、 ブレーキペダル 9の操作に応じた液圧 (ブレー キ液圧) を、 各車輪 (各前輪 2、 各後輪 3) に設けられたディスクブレーキ 5, 6 (キヤリバ 5八, 6巳) へ供給するものである。 これにより、 車輪 ( 各前輪 2、 各後輪 3) のそれぞれに対して相互に独立して制動力を 付与する ことができる。

[0033] ここで、 £301 6は、 液圧ブレーキ (前輪側ディスクブレーキ 5、 後輪 側ディスクブレーキ 6) の液圧を制御する液圧制御装置である。 このために 、 £301 6は、 複数の制御弁と、 ブレーキ液圧を加圧する液圧ポンプと、 該液圧ポンプを駆動する電動モータと、 余剰のブレーキ液を一時的に貯留す る液圧制御用リザーバ (いずれも図示せず) とを含んで構成されている。 巳 301 6の各制御弁および電動モータは、 巳3(3制御装置 1 7と接続されて おり、 巳3〇 1 6は、 巳 3〇制御装置 1 7を含んで構成されている。

[0034] 巳 3〇 1 6の各制御弁の開閉と電動モータの駆動は、 巳 3〇制御装置 1 7 により制御される。 即ち、 巳 3(3制御装置 1 7は、 巳3(31 6の制御を行う 巳 3〇用コントロールユニッ ト (巳 3〇用巳〇 II) である。 巳 3〇制御装置 1 7は、 マイクロコンピュータを含んで構成され、 £301 6 (の各制御弁 のソレノイ ド、 電動モータ) を電気的に駆動制御する。 この場合、 巳3〇制 御装置 1 7は、 例えば、 £301 6の液圧供給を制御し、 かつ、 £301 6 の故障を検出する演算回路、 電動モータおよび各制御弁を駆動する駆動回 路 (いずれも図示せず) 等が内蔵されている。

[0035] 巳 3(3制御装置 1 7は、 £301 6の各制御弁 (のソレノイ ド) 、 液圧ポ ンプ用の電動モータを個別に駆動制御する。 これにより、 巳 3(3制御装置 1 7は、 ブレーキ側配管部 1 5八_ 1 50を通じて各ディスクブレーキ 5, 6 に供給するブレーキ液圧 (ホイールシリンダ液圧) を減圧、 保持、 増圧また は加圧する制御を、 それぞれのディスクブレーキ 5, 6毎に個別に行う。

[0036] この場合、 巳 3(3制御装置 1 7は、 巳 3(31 6を作動制御することにより 、 例えば以下の ( 1) _ (8) 等の制御を実行することができる。 (1) 車 〇 2020/175179 1 1 卩(:171? 2020 /005742

両の制動時に接地荷重等に応じて各車輪 2 , 3に適切に制動力を配分する制 動力配分制御。 (2) 制動時に各車輪 2 , 3の制動力を自動的に調整して各 車輪 2 , 3のロック (スリップ) を防止するアンチロックブレーキ制御 (液 圧八巳3制御) 。 (3) 走行中の各車輪 2 , 3の横滑りを検知してブレーキ ペダル 9の操作量に拘わらず各車輪 2 , 3に付与する制動力を適宜自動的に 制御しつつ、 アンダーステアおよび才ーバーステアを抑制 して車両の挙動を 安定させる車両安定化制御。 (4) 坂道 (特に上り坂) において制動状態を 保持して発進を補助する坂道発進補助制御。 (5) 発進時等において各車輪 2 , 3の空転を防止するトラクシヨン制御。 (6) 先行車両に対して一定の 車間を保持する車両追従制御。 (7) 走行車線を保持する車線逸脱回避制御 。 (8) 車両進行方向の障害物との衡突を回避する障 害物回避制御 (自動ブ レーキ制御、 衝突被害軽減ブレーキ制御) 。

[0037] £ 3 0 1 6は、 運転者のブレーキ操作による通常の動作時に おいては、 マ スタシリンダ 1 2で発生した液圧を、 ディスクプレーキ 5 , 6 (のキヤリバ 5八, 6巳) に直接供給する。 これに対し、 例えば、 アンチロックブレーキ 制御等を実行する場合は、 増圧用の制御弁を閉じてディスクブレーキ 5 , 6 の液圧を保持し、 ディスクブレーキ 5 , 6の液圧を減圧するときには、 減圧 用の制御弁を開いてディスクブレーキ 5 , 6の液圧を液圧制御用リザーパに 逃がすように排出する。

[0038] さらに、 車両走行時の安定化制御 (横滑り防止制御) 等を行うため、 ディ スクプレーキ 5 , 6に供給する液圧を増圧または加圧するとき 、 供給用の 制御弁を閉弁した状態で電動モータにより液 圧ボンプを作動させ、 該液圧ポ ンプから吐出したブレーキ液をディスクブレ ーキ 5 , 6に供給する。 このと き、 液圧ポンプの吸込み側には、 マスタシリンダ 1 2側からマスタリザーバ 1 3内のブレーキ液が供給される。

[0039] 巳 3〇制御装置 1 7には、 車両電源となるバッテリ 1 8 (ないしエンジン によって駆動されるジェネレータ) からの電力が、 電源ライン 1 9を通じて 給電される。 図 1 に示すように、 巳3(3制御装置 1 7は、 車両データバス 2 〇 2020/175179 12 卩(:171? 2020 /005742

0に接続されている。 なお、 巳3〇 1 6の代わりに、 公知の八巳 3ユニッ ト を用いることも可能である。 さらに、 巳3〇 1 6を設けずに (即ち、 省略し ) 、 マスタシリンダ 1 2とブレーキ側配管部 1 5八_ 1 5 0とを直接的に接 続することも可能である。

[0040] 車両データバス 2 0は、 車体 1 に搭載されたシリアル通信部としての〇八 八「68 1|/\/0「1〇 を構成している。 車両に搭載された多数の電 子機器 (例えば、 巳 3〇制御装置 1 7、 パーキングブレーキ制御装置 2 4等 を含む各種の巳(3 II) は、 車両データバス 2 0により、 それぞれの間で車両 内の多重通信を行う。 この場合、 車両データバス 2 0に送られる車両情報と しては、 例えば、 ブレーキ操作検出センサ 1 0、 イグニッションスイッチ、 シートべルトセンサ、 ドアロックセンサ、 ドア開センサ、 着座センサ、 車速 センサ、 操舶角センサ、 アクセルセンサ (アクセル操作センサ) 、 スロッ ト ルセンサ、 エンジン回転センサ、 ステレオカメラ、 ミリ波レーダ、 勾配セン サ (傾斜センサ) 、 シフトセンサ (トランスミッションデータ) 、 加速度セ ンサ (◦センサ) 、 車輪速センサ、 車両のピッチ方向の動きを検知するピッ チセンサ等からの検出信号 (出力信号) による情報 (車両情報) が挙げられ る。

[0041 ] さらに、 車両データバス 2 0に送られる車両情報としては、 ホイルシリン ダ液圧 ( /〇液圧) を検出する /〇圧カセンサ 2 1、 マスタシリンダ液圧

2 2からの検出信号 (情報) も挙 げ 圧カセンサ 2 2は、 例えば、 ブ レーキ操作検出センサ 1 〇と同様に、 巳 3〇制御装置 1 7に接続されている 。 圧カセンサ 2 2の検出信号は、 /〇液圧 、 1\/1/〇液圧の情報として、 巳 3(3制御装置 1 7から車両データバス 2 0に送 られる。 車両に搭載された多数の電子機器 (各種の巳(3 11) は、 \/\//0液圧、 液圧を含む各種の車両情報を、 車両データバス 2 0を通じて入手するこ とができる。 なお、 /〇圧カセンサ 2 1および/または 圧カセンサ 2 2は、 パーキングブレーキ制御装置 2 4に直接接続してもよい。 〇 2020/175179 13 卩(:171? 2020 /005742

[0042] 次に、 パーキングブレーキスイッチ 2 3およびパーキングブレーキ制御装 置 2 4について説明する。

[0043] 車体 1内には、 運転席 (図示せず) の近傍となる位置に、 電動パーキング ブレーキのスイッチとしてのパーキングブレ ーキスイッチ ( <巳_ 3 \^/)

2 3が設けられている。 パーキングブレーキスイッチ 2 3は、 運転者によっ て操作される操作指示部となるものである。 パーキングブレーキスイッチ 2 3は、 運転者の操作指示に応じたパーキングブレー キの作動要求 (保持要求 となるアプライ要求、 解除要求となるリリース要求) に対応する信号 (作動 要求信号) を、 パーキングブレーキ制御装置 2 4へ伝達する。 即ち、 パーキ ングブレーキスイッチ 2 3は、 電動モータ 7八の駆動 (回転) に基づいてピ ストン 6 0延いてはブレーキパッ ド 6〇をアプライ作動 (保持作動) または リリース作動 (解除作動) させるための作動要求信号 (保持要求信号となる アプライ要求信号、 解除要求信号となるリリース要求信号) を、 パーキング ブレーキ制御装置 2 4に出力する。 パーキングブレーキ制御装置 2 4は、 パ —キングブレーキ用コントロールユニッ ト (パーキングブレーキ用巳〇 II) である。

[0044] 運転者によりパーキングブレーキスイッチ 2 3が制動側 (アプライ側) に 操作されたとき、 即ち、 車両に制動力を付与するためのアプライ要求 (制動 保持要求) があったときは、 パーキングブレーキスイッチ 2 3からアプライ 要求信号 (パーキングブレーキ要求信号、 アプライ指令) が出力される。 こ の場合は、 後輪側ディスクブレーキ 6の電動モータ 7 に、 該電動モータ 7 八を制動側に回転させるための電力が、 パーキングブレーキ制御装置 2 4を 介して給電される。 このとき、 回転直動機構 8は、 電動モータ 7八の回転に 基づいてピストン 6 0をディスクロータ 4側に推進 (押圧) し、 推進したピ ストン 6 0を保持する。 これにより、 後輪側ディスクブレーキ 6は、 パーキ ングブレーキ (ないし補助ブレーキ) としての制動力が付与された状態、 即 ち、 アプライ状態 (制動保持状態) となる。

[0045] 一方、 運転者によりパーキングブレーキスイッチ 2 3が制動解除側 (リリ 〇 2020/175179 14 卩(:171? 2020 /005742

—ス側) に操作されたとき、 即ち、 車両の制動力を解除するためのリリース 要求 (制動解除要求) があったときは、 パーキングブレーキスイッチ 2 3か らリリース要求信号 (パーキングブレーキ解除要求信号、 リリース指令) が 出力される。 この場合は、 後輪側ディスクブレーキ 6の電動モータ 7八に、 該電動モータ 7八を制動側とは逆方向に回転させるための 力が、 パーキン グブレーキ制御装置 2 4を介して給電される。 このとき、 回転直動機構 8は 、 電動モータ 7八の回転によりピストン 6 0の保持を解除する (ピストン 6 口による押圧力を解除する) 。 これにより、 後輪側ディスクブレーキ 6は、 パーキングブレーキ (ないし補助ブレーキ) としての制動力の付与が解除さ れた状態、 即ち、 リリース状態 (制動解除状態) となる。

[0046] パーキングブレーキは、 例えば車両が所定時間停止したとき (例えば、 走 行中に減速に伴って、 車速センサの検出速度が 5 未満の状態が所定 時間継続したときに停止と判断) 、 エンジンが停止したとき、 シフトレバー を (パーキング) に操作したとき、 ドアが開いたとき、 シートべルトが解 除されたとき等、 パーキングブレーキ制御装置 2 4でのパーキングブレーキ のアプライ判断ロジックによる自動的なアプ ライ要求に基づいて、 自動的に 付与 (才一トアプライ) することができる。 また、 パーキングブレーキは、 例えば車両が走行したとき (例えば、 停車から増速に伴って、 車速センサの 検出速度が 6 / 以上の状態が所定時間継続したときに走行と 判断) 、 アクセルペダルが操作されたとき、 クラッチペダルが操作されたとき、 シフ トレバーが 、 1\]以外に操作されたとき等、 パーキングブレーキ制御装置 2 4でのパーキングブレーキのリリース判断ロ ックによる自動的なリリース 要求に基づいて、 自動的に解除 (才一トリリース) することができる。 才一 トアプライ、 才一トリリースは、 パ _ キングブレ _ キスイッチ 2 3が故障し たときに、 自動的に制動力の付与または解除を行うスイ ッチ故障時補助機能 として構成することができる。

[0047] さらに、 車両の走行時にパーキングブレーキスイッチ 2 3の操作があった 場合、 より具体的には、 走行中に緊急的にパーキングブレーキを補助 ブレー 〇 2020/175179 15 卩(:171? 2020 /005742

キとして用いる等の動的パーキングブレー キ (動的アプライ) の要求があっ た場合は、 例えば、 パーキングブレーキスイッチ 2 3の操作に応じて巳 1 6による制動力の付与と解除を行うようにす ことができる。 この場合は 、 例えば、 パーキングブレーキ制御装置 2 4は、 パーキングブレーキスイッ チ 2 3の操作に応じた制動指令 (例えば、 液圧要求信号、 目標液圧信号) を 、 車両データバス 2 0または前記通信線を介して、 巳 3(3制御装置 1 7に出 力する。 これにより、 巳3〇 1 6は、 パーキングブレーキ制御装置 2 4から 制動指令に基づいて、 パーキングブレーキスイッチ 2 3が制動側に操作され ている間 (制動側への操作が継続している間) 液圧による制動力を付与し、 その操作が終了すると液圧による制動力の付 与を解除する。

[0048] 一方、 車両の走行時にパーキングブレーキスイッチ 2 3の操作があった場 合に、 £ 3 0 1 6による制動力の付与と解除に代えて、 例えば、 後輪側ディ スクプレーキ 6の電動モータ 7八の駆動による制動力の付与と解除を行う うにすることができる。 この場合は、 例えば、 パーキングブレーキ制御装置 2 4は、 パーキングブレーキスイッチ 2 3が制動側に操作されている間 (制 動側への操作が継続している間) 制動力を付与し、 その操作が終了すると制 動力の付与を解除する。 このとき、 パーキングブレーキ制御装置 2 4は、 車 輪 (各後輪 3) の状態、 即ち、 車輪がロック (スリップ) するか否かに応じ て、 自動的に制動力の付与と解除 ( 巳 3制御) を行う構成とすることがで きる。

[0049] 制御装置 (ブレーキ制御装置) としてのパーキングブレーキ制御装置 2 4 は、 後輪側ディスクブレーキ 6 (液圧制動装置、 電動ブレーキ装置) と共に 、 ブレーキシステムを構成している。 パーキングブレーキ制御装置 2 4は、 電動モータ 7八の駆動を制御する。 即ち、 パーキングブレーキ制御装置 2 4 は、 後輪側ディスクブレーキ 6における電動モータ 7八の駆動を制御する制 御部を有している。 このために、 図 3に示すように、 パーキングブレーキ制 御装置 2 4は、 マイクロコンピュータ等によって構成される 演算回路 (〇 II) 2 5およびメモリ 2 6を有している。 パーキングブレーキ制御装置 2 4 〇 2020/175179 16 卩(:171? 2020 /005742

には、 バッテリ 1 8 (ないしエンジンによって駆動されるジェネ レータ) か らの電力が電源ライン 1 9を通じて給電される。

[0050] パーキングブレーキ制御装置 2 4は、 後輪側ディスクブレーキ 6 , 6の電 動モータ 7 , 7 の駆動を制御し、 車両の駐車、 停車時 (必要に応じて走 行時) に制動力 (パーキングブレーキ、 補助ブレーキ) を発生させる。 即ち 、 パーキングブレーキ制御装置 2 4は、 左右の電動モータ 7八, 7八を駆動 することにより、 ディスクプレーキ 6 , 6をパーキングブレーキ (必要に応 じて補助ブレーキ) として作動 (アプライ · リリース) させる。 このために 、 パーキングブレーキ制御装置 2 4は、 入力側がパーキングブレーキスイッ チ 2 3に接続され、 出力側は各ディスクブレーキ 6 , 6の電動モータ 7八,

7八に接続されている。 そして、 パーキングブレーキ制御装置 2 4は、 運転 者の操作 (パーキングブレーキスイッチ 2 3の操作) の検出、 電動モータ 7 八, 7八の駆動可否判定、 電動モータ 7八, 7八の停止の判定等を行うため の演算回路 2 5と、 電動モータ 7八, 7八を制御するためのモータ駆動回路 2 8 , 2 8とを内蔵している。

[0051 ] パーキングブレーキ制御装置 2 4は、 運転者のパーキングブレーキスイッ チ 2 3の操作による作動要求 (アプライ要求、 リリース要求) 、 パーキング ブレーキのアプライ · リリースの判断ロジックによる作動要求、 八巳3制御 による作動要求に基づいて、 左右の電動モータ 7 , 7 を駆動し、 左右の ディスクブレーキ 6 , 6のアプライ (保持) またはリリース (解除) を行う 。 このとき、 後輪側ディスクブレーキ 6では、 各電動モータ 7 の駆動に基 づいて、 回転直動機構 8によるピストン 6 0およびブレーキパッ ド 6〇の保 持または解除が行われる。 このように、 パーキングブレーキ制御装置 2 4は 、 ピストン 6 0 (延いてはブレーキパッ ド 6〇) の保持作動 (アプライ) ま たは解除作動 (リリース) のための作動要求信号に応じて、 ピストン 6 0 ( 延いてはブレーキパッ ド 6〇) を推進するべく電動モータ 7八を駆動制御す る。

[0052] 図 3に示すように、 パーキングブレーキ制御装置 2 4の演算回路 2 5には 〇 2020/175179 17 卩(:171? 2020 /005742

、 記憶部としてのメモリ 2 6に加えて、 パーキングブレーキスイッチ 2 3、 車両データバス 2 0、 電圧センサ部 2 7、 モータ駆動回路 2 8、 電流センサ 部 2 9等が接続されている。 車両データバス 2 0からは、 パーキングブレー キの制御 (作動) に必要な車両の各種状態量、 即ち、 各種車両情報を取得す ることができる。 また、 パーキングブレーキ制御装置 2 4は、 車両データパ ス 2 0または前記通信線を介して、 巳 3(3制御装置 1 7を含む各種巳(3 IIに 情報や指令を出力することができる。

[0053] なお、 車両データバス 2 0から取得する車両情報は、 その情報を検出する センサをパーキングブレーキ制御装置 2 4 (の演算回路 2 5) に直接的に接 続することにより取得する構成としてもよい 。 また、 パーキングブレーキ制 御装置 2 4の演算回路 2 5は、 車両データバス 2 0に接続された他の制御装 置 (例えば巳 3(3制御装置 1 7) から前述の判断ロジックや 巳 3制御に基 づく作動要求が入力されるように構成しても よい。 この場合は、 前述の判断 ロジックによるパーキングブレーキのアプラ イ · リリースの判定や八巳 3の 制御を、 パーキングブレーキ制御装置 2 4に代えて、 他の制御装置、 例えば 巳 3(3制御装置 1 7で行う構成とすることができる。 即ち、 巳 3(3制御装置 1 7にパーキングブレーキ制御装置 2 4の制御内容を統合することが可能で ある。

[0054] パーキングブレーキ制御装置 2 4は、 例えばフラッシュメモリ、

等からなる記憶部としてのメモリ 2 6を備えている。 メモリ 2 6には、 前述のパーキングブレーキのアプライ · リリースの判断口 ジックや八巳 3の制御のプログラムが格納されている。 これに加え、 メモリ 2 6には、 後述の図 4ないし図 6に示す処理フローを実行するための処理プ ログラム、 即ち、 電動パーキングブレーキのアプライ時の制御 処理に用いる 処理プログラムが格納されている。 また、 メモリ 2 6には、 後述の図 7に示 す液圧 とアプライー時停止電流閾値丨 3 リ 3 6との関係、 図 8に示す液 圧の変化量△ と再通電時間 1: 「㊀との関係も格納されている。

[0055] なお、 実施形態では、 パーキングブレーキ制御装置 2 4を巳 3〇制御装置 〇 2020/175179 18 卩(:171? 2020 /005742

1 7と別体としたが、 パーキングブレーキ制御装置 2 4と巳 3 <3制御装置 1 7とを一体に (即ち、 1個の制動用制御装置により一体に) 構成してもよい 。 この場合、 巳3(3制御装置 1 7内にパーキングブレーキ制御装置 2 4の機 能が統合され、 後輪側ディスクブレーキ 6 , 6やパーキングスイッチ 2 3が 巳 3(3制御装置 1 7に接続される。 また、 巳 3(3制御装置 1 7には、 後述の 図 4ないし図 6に示されるブレーキ制御プログラムが格納 れ、 巳 3〇制御 装置 1 7がブレーキ制御装置として、 電動ブレーキ装置に対するブレーキ制 御を実行することになる。 パーキングブレーキ制御装置 2 4は、 左右で 2つ の後輪側ディスクブレーキ 6 , 6を制御するようにしているが、 左右の後輪 側ディスクプレーキ 6 , 6毎に設けるようにしてもよく、 この場合には、 そ れそれのパーキングブレーキ制御装置 2 4を後輪側ディスクブレーキ 6に一 体的に設けることもできる。

[0056] 図 3に示すように、 パーキングブレーキ制御装置 2 4には、 電源ライン 1

9からの電圧を検出する電圧センサ部 2 7、 左右の電動モータ 7八, 7八を それぞれ駆動する左右のモータ駆動回路 2 8 , 2 8、 左右の電動モータ 7八 , 7八のそれぞれのモータ電流を検出する左右 電流センサ部 2 9 , 2 9等 が内蔵されている。 これら電圧センサ部 2 7、 モータ駆動回路 2 8、 電流セ ンサ部 2 9は、 それぞれ演算回路 2 5に接続されている。 これにより、 パー キングブレーキ制御装置 2 4の演算回路 2 5では、 駐車ブレーキのアプライ またはリリースを行うときに、 電流センサ部 2 9により検出される電動モー 夕 7八の電流値 (の変化) に基づいて、 電動モータ 7八の駆動の停止の判定 (アプライ完了の判定、 リリース完了の判定) 等を行うことができる。 なお 、 図示の例では、 電圧センサ部 2 7は、 電源電圧を検出 (計測) する構成と しているが、 例えば、 電圧センサ部 (電圧センサ) は、 電動モータ 7八, 7 八の端子間電圧を左右独立して計測する構成 としてもよい。

[0057] ところで、 前述の特許文献 1のブレーキシステムは、 液圧に応じて電流閾 値を補正することにより、 電動モータの駆動に基づいて発生する推力が 過剰 になることを抑制する。 即ち、 電動パーキングブレーキは、 キヤリバに液圧 〇 2020/175179 19 卩(:171? 2020 /005742

が付加されている状態でアプライをすると 、 ビストンが電動モータによる推 力のみならず液圧によっても推進され、 液圧解除後のピストン推力 (以下、 保持推力という) が過剰になる可能性がある。 これを抑制するために、 電動 モータの駆動に基づいて発生する推力を、 液圧に応じて調整することにより 、 この推力を抑制する制御が有効である。 しかし、 例えば、 液圧情報の遅延 により、 制御で用いる液圧 (制御認識液圧) が実際のキヤリバ内の液圧 (実 キヤリバ液圧、 キヤリバ液圧真値) と乖離している場合に、 制御認識液圧に 基づいて電動モータによる推力を制御すると 、 保持推力が不足する可能性が ある。 これに対して、 特許文献 1では、 液圧に対する電動モータの推力制御 量に予めマージンを設けて推力を高めに発生 させることで、 保持推力が不足 することを抑制している。 即ち、 特許文献 1では、 電流閾値を補正するとき に、 液圧の動特性を考慮したマージンを設けるこ とにより、 推力の不足を抑 制している。

[0058] より詳しくは、 図 1 3に示すように、 キヤリバ液圧真値に対して制御認識 液圧は、 例えば〇 (車両データバス 2 0) 経由で受信 (取得) すること による通信遅れ、 フィルタによる遅延に伴って、 液圧が変動したときに誤差 (液圧誤差) が発生する可能性がある。 特許文献 1 によれば、 液圧の急減圧 による液圧誤差を予め考慮し、 液圧に対する電動モータによる推力の制御量 にマージンを設けることで、 保持推力の不足を防いでいる。

[0059] この技術によれば、 急減圧時の推力の不足を抑制できると考えら れる。 し かし、 例えば、 液圧変動がない場合には、 マージン (オフセッ ト) 分の推力 を不必要に発生させることとなり、 推力抑制効果が低くなる可能性がある。 _方で、 液圧の急増圧時には、 液圧に対する推力抑制量が不足し、 保持推力 が過大となる可能性がある。 また、 アプライ時には、 電動モータによりビス トンが推進されて液室 (キヤリパ内の液圧室) が拡大するため、 必然的に液 圧の変動が発生する。 このため、 アプライ時に液圧が変動しても、 推力の過 不足 (過剰、 不足) を抑制できることが望まれている。

[0060] そこで、 第 1の実施形態では、 液圧に応じて電動モータ 7八の駆動による 〇 2020/175179 20 卩(:171? 2020 /005742

推力を調整する際に、 液圧を精度よく検出し、 過剰な保持推力を抑制できる ように、 次の構成を採用している。 即ち、 第 1の実施形態では、 アプライの 途中、 即ち、 アプライ時の推力発生中に、 電動モータ 7八に対する通電を一 時停止する。 このとき、 通電一時停止中を含む範囲での液圧変化から 、 液圧 の遅延によるキヤリバ液圧真値と制御認識液 圧の誤差を推定する。 そして、 この誤差を考慮した液圧の変化に基づいて、 通電一時停止後の電動モータ 7 八の再駆動の要否 (増し締めの要否) 、 電動モータ 7 の再駆動量 (増し締 め量) を決定する。 この場合、 例えば、 液圧の変化が減圧のときは、 推力減 少となるので、 増し締め量 (再通電時間) を増大させる。 これに対して、 液 圧の変化が増圧のときは、 増し締め量 (再通電時間) を減少させる、 または 、 増し締めしない (再通電時間を〇とする) 。 これにより、 液圧情報の遅延 に起因する推力のばらつきを低減することで 、 過剰な保持推力を抑制するこ とができる。 即ち、 電動モータ 7八による推力を液圧に応じて調整 (抑制) するときに、 液圧を精度よく検出し (液圧誤差を回避できるように検出し)

、 液圧変動による保持推力が過剰となることを 抑制できる。 この結果、 キヤ リバ 6巳 (液圧制動装置) 、 電動モータ 7八 (電動ブレーキ装置) の小型、 軽量化を図ることができる。

[0061 ] このために、 第 1の実施形態では、 パーキングブレーキ制御装置 2 4 (の 制御部) は、 制動力を保持する場合に、 ピストン 6 0に推力が発生する区間 において、 電動モータ 7八への電力供給を一時的に停止させる。 即ち、 パー キングブレーキ制御装置 2 4 (の制御部) は、 制動力を保持するパーキング ブレーキ要求信号 (制御指令) に応じて、 電動モータ 7八を駆動し、 ピスト ン 6口に推力が発生している電流上昇の際に、 電動モータ 7八への電力供給 を一時的に停止させる。 この場合に、 一時停止時間は、 液圧情報の遅延時間 より長い時間 (かつ、 例えば、 1〜 2秒より短い時間) に設定されている。 なお、 一時停止時間経過後は、 車両状態の変化 (液圧の変化) に応じて、 通 電を再開してからアプライを終了 (完了) する場合と、 通電を再開せずにア プライを終了 (完了) する場合とがある。 以下の説明では、 通電を再開しな 〇 2020/175179 21 卩(:171? 2020 /005742

い場合も含めて、 一時停止とする。 例えば、 一時停止時間経過するまで、 よ り具体的には、 保持完了条件である通電再開後の電力供給時 間 (再通電時間 「 6) が決定するまでは、 通電を再開しない場合も含めて、 一時停止に相 当するものとする。

[0062] パーキングブレーキ制御装置 2 4 (の制御部) は、 パーキングブレーキス イッチ 2 3または前述のパーキングブレーキの作動判 ロジックによるパー キングブレーキ要求信号 (制御指令) に応じて、 電動モータ 7八の駆動を開 始する。 この場合、 パーキングブレーキ制御装置 2 4は、 先ず、 電動モータ 7八の駆動を一時停止する電流閾値 (アプライー時停止電流閾値丨 3リ 3 6) に達するまで電動モータ 7八を駆動する。 電流閾値 (アプライー時停止 電流閾値 I 3リ 3㊀) は、 電動モータ 7八の駆動によりピストン 6 0に推 力が発生する区間で、 電動モータ 7八の電力供給を停止できるように設定さ れている。 これにより、 パーキングブレーキ制御装置 2 4は、 ピストン 6 0 に推力が発生する区間において電動モータ 7八への電力供給を一時的に停止 することができる。

[0063] ここで、 パーキングブレーキ制御装置 2 4は、 電動モータ 7八を駆動して いるときおよび一時停止しているときに、 後輪側デイスクプレーキ 6の液圧 情報、 即ち、 キヤリバ 5八内の液圧 (の変化) を検出ないし推定 (算出) する。 なお、 キヤリバ 5八内の液圧 としては、 /〇圧カセンサ 2 1 により 検出される /〇液圧 /〇、 1\/1/〇圧カセンサ 2 2により検出される 1\/1/〇 液圧 1\/1/〇、 1\/1/〇液圧 1\/1/〇から算出される /〇液圧 /〇等、 液 圧 に直接的に対応する液圧 ( /〇、 1\/1/〇 を用いることができ る他、 液圧 を推定できる情報 (状態量) 3を用いることができる。 実施の 形態では、 液圧 として、 1\/1/〇圧カセンサ 2 2により検出される 1\/1/〇液圧 1\/1/〇を用いる。

[0064] パーキングブレーキ制御装置 2 4は、 パーキングブレーキ要求信号により 電動モータ 7八を駆動し始めたあと、 キヤリバ 5八内の液圧

に応じて電動モータ 7八の駆動を一時停止する電流閾値 (アプライ 〇 2020/175179 22 卩(:171? 2020 /005742

一時停止電流閾値丨 p a u s e) を決定する。 具体的には、 電動モータ 7 A を駆動しているときに、 図 7に示す液圧 Pとアプライー時停止電流閾値丨 p a u s eとの関係 (実線の特性線 3 1) に基づいて、 アプライー時停止電流 閾値 I p a u s eを、 そのとき (現在の制御周期) の液圧 Pに対応する値に 決定する。 そして、 パーキングブレーキ制御装置 24は、 電動モータ 7 Aの 電流値 (モータ電流丨) が、 そのときの液圧 Pに対応したアプライー時停止 電流閾値丨 p a u s eになった (超えた) ときに、 電動モータ 7 Aの駆動を 一時停止する (制動一時保持状態とする) 。

[0065] このように、 パーキングブレーキ制御装置 24は、 制動力の保持を開始す るときのビストン 5 Bに付与されている液圧 Pに応じて、 電動モータ 7 Aへ の電力供給を一時的に停止させるための電流 閾値であるアプライー時停止電 流閾値丨 p a u s e (以下、 一時停止電流閾値丨 p a u s eともいう) を変 更する。 即ち、 パーキングブレーキ制御装置 24 (の制御部) は、 制動力の 保持を開始するときに、 後輪側デイスクプレーキ 6へ付加される液圧 Pを取 得し、 当該取得した液圧 Pに応じて電動モータ 7 Aへの電力供給を一時的に 停止させるためのアプライー時停止電流閾値 丨 p a u s eを設定する。 図 7 に示すように、 一時停止電流閾値丨 p a u s e 、 液圧 Pが小さくなる程大 きな値として設定されている。 このため、 液圧 Pが小さいときは、 大きな一 時停止電流閾値丨 p a u s eで電動モータ 7 Aの駆動を一時的に停止させる ことができる。 一方、 液圧 Pが大きいときは、 小さな一時停止電流閾値丨 p a u s eで電動モータ 7 Aの駆動を一時的に停止させることができる これ により、 電動モータ 7 Aの駆動中の液圧 Pに応じた適切な一時停止電流閾値 I p a u s eで、 電動モータ 7 Aの駆動を一時的に停止させることができる

[0066] この場合、 一時停止電流閾値丨 p a u s e 、 電動モータ 7 Aの駆動に基 づいてピストン 6 Dに推力が発生する区間であることを判定で るように、 その最小値丨 pm i nは、 電動モータ 7 Aが空走している区間 (直動部材 8 A 2がビストン 6 Dに当接する前の区間) の電流値 (例えば、 1〜 3 A程度 〇 2020/175179 23 卩(:171? 2020 /005742

) よりも高い値 (例えば、 5八程度) に設定されている。 また、 液圧 が 0 IV! 3のときの一時停止電流閾値丨 0は、 例えば、 液圧 が 0 IV! 3の状 態のまま電動モータ 7八の駆動のみによって付与すべき最終的な 力 (車両 の停止を維持できる推力) に対応する電流値と同等以下に設定すること がで きる。

[0067] パーキングブレーキ制御装置 2 4 (の制御部) は、 電動モータ 7八への電 力供給を一時的に停止させたあと、 一時停止時間経過後に、 必要に応じて、 電動モータ 7八への電力供給を再開する。 そして、 パーキングブレーキ制御 装置 2 4は、 制動力の保持を完了させる保持完了条件が成 立したときに制動 力の保持 (アプライ) を完了させる。 この場合に、 パーキングブレーキ制御 装置 2 4 (の制御部) は、 電力供給が一時的に停止されているときに、 車両 状態の変化に基づき、 保持完了条件を決定する。 即ち、 第 1の実施形態では 、 電力供給を一時的に停止しているときの車両 状態の変化、 より具体的には 、 一時停止中および/または一時停止前後の車 状態の変化に基づいて、 電 力供給を一時停止した後の保持完了条件を決 定する。 保持完了条件は、 車両 状態として、 ピストン 6口に付与されている液圧の変化により決定 れる。 即ち、 パーキングブレーキ制御装置 2 4 (の制御部) は、 車両状態として、 ピストン 6口に付与されている液圧の変化を取得し、 当該液圧の変化に基づ いて、 電力供給を一時停止した後の保持完了条件を 決定する。

[0068] 例えば、 保持完了条件は、 電力供給が一時的に停止されている間の液圧 の 変化量が大きいほど、 電力供給の再開後の電力供給時間を長くする 。 即ち、 パーキングブレーキ制御装置 2 4 (の制御部) は、 電力供給が一時的に停止 されている間の液圧の変化量が大きいほど電 力供給の再開後の電力供給時間 を長くなるように、 保持完了条件を設定する。 より具体的には、 電力供給が 一時的に停止されている間の液圧の低下量 (減圧量) が大きいほど、 電力供 給の再開後の電力供給時間を長くする。 _方、 電力供給が一時的に停止され ている間の液圧の上昇量 (増圧量) が大きいほど、 電力供給の再開後の電力 供給時間を短く、 または、 〇にする (再開しない) 。 パーキングブレーキ制 〇 2020/175179 24 卩(:171? 2020 /005742

御装置 2 4は、 車両状態 (液圧) の変化に基づいて決定した保持完了条件を 成立させるベく、 必要に応じて電動モータ 7 の駆動を再開し、 決定した保 持完了条件で電動モータ 7八を停止する。

[0069] ここで、 液圧の変化が減圧 (急減圧) の場合を考える。 この場合、 パーキ ングブレーキ制御装置 2 4が認識する液圧値の誤差、 即ち、 遅延に伴う制御 認識値の液圧誤差は、 制御認識値が実際の液圧値である真値よりも 遅れて低 下することにより発生する。 このため、 液圧の変化が減圧のときに、 制御認 識値は、 真値よりも大きくなる。 そこで、 この場合には、 パーキングブレー キ制御装置 2 4は、 減圧時の制御認識液圧の遅延により発生する 液圧誤差 ( 制御認識値 >真値) を通電一時停止中に検出し、 後述の図 8に基づいて通電 再開後の電力供給時間 (再通電時間 「 6) を決定する。 具体的には、 通電 再開後の電力供給時間 (再通電時間 を長くする (増し締め量を増加 させる) ことで、 推力の不足を回避する。 これにより、 電動モータ 7八の推 力抑制量に対するマージンを低減することが 可能となり、 保持推力の抑制効 果を高めることができる。

[0070] _方、 液圧の変化が増圧 (急増圧) の場合を考える。 この場合、 遅延に伴 う制御認識値の液圧誤差は、 制御認識値が真値よりも遅れて増加すること に より発生する。 このため、 液圧の変化が増圧のときに、 制御認識値は、 真値 よりも小さくなる。 そこで、 この場合には、 パーキングブレーキ制御装置 2 4は、 増圧時の制御認識液圧の遅延により発生する 液圧誤差 (制御認識値 < 真値) を通電一時停止中に検出し、 後述の図 8に基づいて通電再開後の電力 供給時間 (再通電時間 1 「 6) を決定する。 具体的には、 通電再開後の電力 供給時間 (再通電時間 「 6) を短く (増し締め量を減少) 、 または、 0に する (増し締めしない) ことで、 推力が過剰になることを回避する。 これに より、 保持推力の抑制効果を高めることができる。

[0071 ] さらに、 パーキングブレーキ制御装置 2 4は、 通電を一時停止した状態の 液圧 を用いて液圧変動を検知する。 このため、 電動モータ 7八によりビス トン 6 0が推進する (液圧室が拡大する) ことによる液圧変動がない状況で 〇 2020/175179 25 卩(:171? 2020 /005742

液圧を監視することができる。 これにより、 液圧検出精度を向上でき、 この 面からも、 保持推力の抑制効果を高めることができる。 このようなパーキン グブレーキを作動 (アプライ) させるときのパーキングブレーキ制御装置 2 4による電動モータ 7八のアプライ制御 (図 4ないし図 6の制御処理) に関 しては、 後で詳しく述べる。

[0072] 第 1の実施形態による 4輪自動車のブレーキシステムは、 上述の如き構成 を有するもので、 次に、 その作動について説明する。

[0073] 車両の運転者がブレーキペダル 9を踏込み操作すると、 その踏力が倍力装 置 1 1 を介してマスタシリンダ 1 2に伝達され、 マスタシリンダ 1 2によっ てブレーキ液圧が発生する。 マスタシリンダ 1 2内で発生したブレーキ液圧 は、 シリンダ側液圧配管 1 4八, 1 4巳、 £ 3 0 1 6およびブレーキ側配管 部 1 5八, 1 5巳, 1 5 0 , 1 5 0を介して各ディスクブレーキ 5 , 6に供 給され、 左右の前輪 2と左右の後輪 3とにそれぞれ制動力が付与される。

[0074] この場合、 各ディスクプレーキ 5 , 6では、 キヤリパ 5八, 6巳内のブレ —キ液圧の上昇に従ってピストン 5巳, 6 0がブレーキパッ ド 6〇 (後輪 3 側のみ図示) に向けて摺動的に変位し、 ブレーキパッ ド 6〇がディスクロー 夕 4 , 4に押し付けられる。 これにより、 ブレーキ液圧に基づく制動力が付 与される。 一方、 ブレーキ操作が解除されたときには、 キヤリバ 5八, 6巳 内へのブレーキ液圧の供給が停止されること により、 ピストン 5巳, 6 0が ディスクロータ 4 , 4から離れる (後退する) ように変位する。 これによっ て、 ブレーキパッ ド 6(3がディスクロータ 4 , 4から離間し、 車両は非制動 状態に戻される。

[0075] 次に、 車両の運転者がパーキングブレーキスイッチ 2 3を制動側 (アブラ イ側) に操作したときは、 パーキングブレーキ制御装置 2 4から左右の後輪 側ディスクブレーキ 6の電動モータ 7八に給電が行われ、 電動モータ 7八が 回転駆動される。 後輪側ディスクブレーキ 6では、 電動モータ 7 の回転運 動が回転直動機構 8により直線運動に変換され、 回転直動部材 8 によりピ ストン 6 0が推進する。 これにより、 ブレーキパッ ド 6〇によりディスクロ 〇 2020/175179 26 卩(:171? 2020 /005742

—夕 4が押圧される。 このとき、 回転直動機構 8 (直動部材 8 A 2) は、 例 えば、 螺合による摩擦力 (保持力) により制動状態を保持される。 これによ り、 後輪側ディスクブレーキ 6は、 パーキングブレーキとして作動 (アプラ イ) される。 即ち、 電動モータ 7 Aへの給電を停止した後にも、 回転直動機 構 8により、 ビストン 6 Dは制動位置に保持される。

[0076] 一方、 運転者がパーキングブレーキスイッチ 2 3を制動解除側 (リリース 側) に操作したときには、 パーキングブレーキ制御装置 2 4から電動モータ 7 Aに対してモータが逆転するように給電され 。 この給電により、 電動モ —夕 7 Aがパーキングブレーキの作動時 (アプライ時) と逆方向に回転され る。 このとき、 回転直動機構 8による制動力の保持が解除され、 ピストン 6 Dがディスクロータ 4から離れる方向に変位することが可能にな 。 これに より、 後輪側ディスクブレーキ 6は、 パーキングブレーキとしての作動が解 除 (リリース) される。

[0077] 次に、 パーキングブレーキ制御装置 2 4の演算回路 2 5で行われるアブラ イ制御処理について、 図 4ないし図 6を参照しつつ説明する。 なお、 図 5は 、 図 4に続く処理である。 図 6は、 図 5中の S 9の 「A P判定処理」 に対応 する。 図 4ないし図 6の制御処理は、 例えば、 パーキングブレーキ制御装置 2 4に通電している間、 所定の制御周期 (例えば、 1 O msec) で繰り返し実 行される。 なお、 これらの処理は、 電動モータ 7 Aを制御するブレーキ制御 方法であると共に、 ブレーキ制御プログラムとしてブレーキ制御 装置である パーキングブレーキ制御装置 2 4により実行される。

[0078] E C U (E lect ron i c Cont ro l Un i t) であるパーキングブレーキ制御装置 2 4が起動すると、 図 4のアプライ制御処理が開始される。 パーキングブレー キ制御装置 2 4は、 処理ルーチンが開始されると、 S 1で、 アプライ作動中 フラグが〇 Nであるか否かを判定する。 アプライ作動中フラグは、 アプライ 作動中であるか否かを判定するための判定フ ラグである。 アプライ作動中フ ラグは、 アプライ作動中、 即ち、 電動モータ 7 Aの駆動の一時停止を含む、 アプライを開始してから完了するまでの間に 〇 Nとなる。 具体的には、 後述 〇 2020/175179 27 卩(:171? 2020 /005742

の S 3の処理で〇 Nとなり、 S 1 5 (図 5) の処理で〇 F Fとなる。

[0079] S 1 T 「N〇」 、 即ち、 アプライ作動中フラグが〇 F Fであると判定され た場合は、 S 2に進む。 S 1で 「YES」 、 即ち、 アプライ作動中フラグが 〇 Nであると判定された場合は、 S4に進む。 S 2では、 アプライ指令 (制 御指令) があるか否かを判定する。 この S 2では、 パーキングブレーキスイ ツチ 23やパーキングブレーキのアプライ判断ロジ ク等からアプライ指令 が出力されたか否かを判定する。 S 2で 「YES」 、 即ち、 アプライ指令あ りと判定された場合は、 S 3に進む。 一方、 S 2で 「N0」 、 即ち、 アブラ イ指令なしと判定された場合は、 リターンする。 即ち、 図 4の 「B」 、 図 5 の 「B」 、 図 5のリターンを介して図 4のスタートに戻り、 S 1以降の処理 を繰り返す。

[0080] S 3では、 アプライ作動中フラグを ONにする。 また、 電動モータ 7 Aを アプライ方向に駆動する。 S 3で、 アプライ作動中フラグを〇 Nにすると共 に、 電動モータ 7 Aのアプライ方向への駆動を開始したら、 S4に進む。 S 3は、 後輪側ディスクブレーキ 6の制動力を保持する制御指令 (アプライ指 令) に応じて電動モータ 7 Aへの電力供給を開始するステツプに相当す 。 このとき、 即ち、 S 3では、 電動モータ 7 Aの駆動を開始したときに、 タイ マ (突入電流経過判定用タイマ) のカウントを開始する。 S4では、 突入電 流マスク時間が経過したか否かを判定する。 突入電流マスク時間は、 電動モ —夕 7 Aをアプライ方向に作動を開始してからの時 であり、 突入電流が十 分収束する時間を設定する。 S4で 「N0」 、 即ち、 突入電流経過判定用夕 イマによる経過時間が突入電流マスク時間を 経過していないと判定された場 合は、 リターンする。 これは、 続く S 6でアプライー時停止電流閾値 I p a u s eを決定するときに、 突入電流の影響を受けにくくする、 即ち、 突入電 流により電流値がアプライー時停止電流閾値 丨 p a u s eまたはアプライ完 了電流閾値丨 c u tを超えてアプライー時停止またはアプライ 了を誤検知 してしまうことを抑制するためである。 一方、 S4で 「YES」 、 即ち、 突 入電流マスク時間が経過したと判定された場 合は、 S 5に進む。 〇 2020/175179 28 卩(:171? 2020 /005742

[0081 ] 3 5では、 アプライー時停止フラグが〇 1\1であるか否かを判定する。 アブ ライー時停止フラグは、 アプライ作動中に通電を一時停止したか否か を判定 するための判定フラグであり、 電動モータ 7八への電力供給を一時的に停止 すると〇1\1になる。 具体的には、 後述の 3 7の処理で〇1\1となり、 3 1 5の 処理で〇 となる。

[0082] 3 5で 「N 0」 、 即ち、 アプライー時停止フラグが〇 1\!でない (〇 で ある) と判定された場合は、 3 6に進む。 3 5で 「丫巳3」 、 即ち、 アブラ イー時停止フラグが〇1\1であると判定された 場合は、 3 8に進む。 3 6では 、 モータ電流丨が一時停止電流閾値丨 8リ 3㊀を上回った (超えた) か否 かを判定する。 ここで、 一時停止電流閾値丨 3リ 3 6は、 図 7に示すマッ プ (特性線図) を用いて決定する。 即ち、 3 6では、 3 6に進んだときの液 圧値 、 具体的には、 〇 (車両データバス 2 0) 経由で受信 (取得) し た液圧 圧カセンサ 2 2の 1\/1/〇液圧 1\/1/〇 から、 図 7に実線で 示す特性線 3 1 に基づいて、 一時停止電流閾値丨 3リ 3㊀を設定 (決定) する。 そして、 「3 6に進んだときの液圧 に対応する一時停止電流閾値 I 8リ 3㊀」 と 「現時点 (3 6に進んだとき) のモータ電流値丨」 とを比較 し、 モータ電流丨が一時停止電流閾値丨 3リ 3 6よりも大きいか否かを判 定する。 3 6は、 電動モータ 7 への電流供給を開始するときに、 後輪側デ ィスクプレーキ 6へ付加される液圧を取得し、 当該取得した液圧に応じて電 動モータ 7八への電力供給を一時的に停止させるため 電流閾値を設定する ステップに相当する。

[0083] ここで、 図 7に示すように、 一時停止電流閾値丨 3リ 3 6は、 〇八1\1 ( 車両データバス 2 0) 経由で取得した液圧 (マスタシリンダ液圧) が高く なるほど、 低く設定している。 ただし、 無負荷状態での電流で一時停止を誤 判定しないように、 下限値丨 丨 n未満には抑制しない。 下限値丨 丨 nは 、 制動力 (推力) が発生する (直動部材 8八 2がピストン 6 0に当接して推 力が発生する) のが確実な電流値、 換言すれば、 電動モータ 7八の駆動によ りピストン 6 0に推力が発生するのが確実な電流値に対応 ている。 下限値 〇 2020/175179 29 卩(:171? 2020 /005742

丨 !11丨 は、 制動力が発生する前の空走期間の電流値 (空走電流丨 0、 例え ば 1 八~ 3八) よりも高い値 (例えば 5八程度) として設定されている。

[0084] また、 図 7では、 実線の特性線 3 1は、 誤差を考慮しない理想的な液圧 と一時停止電流閾値丨 3リ 3 6との関係である破線の特性線 3 2に対して 、 X軸方向に 〇分オフセッ トさせている。 即ち、 一時停止電流閾値丨 3 リ 3㊀の算出にオフセッ ト 0を持たせている。 このオフセッ ト 〇 (マー ジン) は、 「遅延以外の要因」 により液圧 に生じる推力減少方向の液圧誤 差 (液圧認識値が真値より大) よりも大きく設定している。 これにより、 「 遅延以外の要因」 による誤差によって推力が不足することを抑 制している。 ここで、 「遅延」 は、 例えば、 車両データバス 2 0による通信遅れ、 液圧 の処理を行う電子機器 (コントロールユニッ ト : 巳 3〇制御装置 1 7、 パー キングブレーキ制御装置 2 4) の計算遅れ (処理遅れ) が挙げられる。 実施 の形態では、 オフセッ ト 〇は、 このような遅延を含まない、 「遅延以外の 要因」 による誤差、 例えば、 圧カセンサ 2 2の不可避的な検出誤差 ( センサ誤差) による液圧誤差よりも大きく設定している。

[0085] 3 6で 「丫巳 3」 、 即ち、 モータ電流丨が _ 時停止電流閾値丨 8リ 3㊀ よりも大きいと判定された場合は、 3 7に進む。 3 6で 「N 0」 、 即ち、 モ —夕電流丨が一時停止電流閾値丨 3 ㊀以下であると判定された場合は 、 リターンする。 3 7では、 アプライー時停止フラグを〇 1\!とし、 電動モー 夕 7八に対する通電を一時停止する。 3 7は、 ピストン 6 0に推力が発生し ている電流上昇の際に、 電動モータ 7 への電力供給を一時的に停止させる ステップに相当する。 また、 その時点 (3 7に進んだ時点、 図 9では時点 1) での〇 (車両データバス 2 0) 経由で取得した液圧

を液圧 1 として記憶する。 3 7または 3 5の 「丫巳 3」 に続く 3 8では、 アプライー時停止フラグが〇 1\1となってから予め設定したアプライ 一時停止時間が経過しているか否かを判定す る。 3 8で 「丫巳3」 、 即ち、 アプライー時停止時間が経過していると判定 された場合には、 図 4の 「八」

、 図 5の 「八」 を介して、 図 5の 3 9に進む。 3 8で 「N 0」 、 即ち、 アプ 〇 2020/175179 30 卩(:171? 2020 /005742

ライー時停止時間が経過していないと判定 された場合には、 リターンする。 ここで、 アプライー時停止時間は、 液圧 の遅延時間より長い時間を設定し ている。 これにより、 続く 39の八 判定処理にて、 液圧 の遅延による誤 差発生を判定できるようにしている。

[0086] 39では、 判定処理を行う。 3 判定処理は、 図 5に示す処理 である。 3 判定処理では、 通電一時停止中の液圧の変化量 ( 2- 1) に基づいて、 通電再開後の電力供給時間 (再通電時間 1 を決 定する。 即ち、 39では、 電力供給を一時停止しているときの液圧の変 化量 △ に基づいて、 通電一時停止時間の経過後に再度通電を行う か否かを含む 再通電時間 1 を決定する。 38で 「丫巳3」 と判定され 39、 即ち、 図 6の 39 _ 1 に進むと、 39- 1では、 再通電時間 1: 「 6が算出済みか否か を判定する。 39— 1で 「N0」 、 即ち、 再通電時間 I 「 6 が算出されてい ないと判定された場合には、 39-2に進む。 39- 1で 「丫巳3」 、 即ち 、 再通電時間 「 6 が算出済みと判定された場合には、 図 6のリターンを介 して図 5の 31 0に進む。 再通電時間 「 6は、 電力供給の再開後に電動モ —夕 7八に電力を供給する時間 (電力供給時間) である。

[0087] 39 _ 2では、 その時点 (39— 2に進んだ時点、 図 9では時点 1 2) で の〇 (車両データバス 20) 経由で受信した液圧

) を液圧 2として記憶する。 39-2では、 37で記憶した液圧 1 と 3 9 _ 2で記憶した 2の液圧差、 即ち、 液圧の変化量 (= 2- 1) を 算出する。 ここで、 △?>0 ( 2> 1) のときは、 液圧 は増大中であ り、 △?<0 ( 2< 1) のときは、 液圧 は減少中である。 △? = 0の ときは、 液圧 が変化していない (液圧 が一定である) 。 39 _ 2で、 液 圧の変化量八 を算出したら、 39— 3に進む。

[0088] 39— 3では、 再通電時間 I を決定 (算出) する。 39— 3は、 電動 モータ 7八への電力供給を一時的に停止していると に、 車両状態の変化に 基づき、 保持完了条件を設定するステップに相当する 。 保持完了条件である 再通電時間 1 は、 例えば、 図 8に示すマップ (特性線図) を用いて決定 〇 2020/175179 31 卩(:171? 2020 /005742

(算出) する。 即ち、 S 9— 3では、 図 8に示す再通電時間 t r eと変化量 △ Pとの関係 (実線の特性線 4 1) に基づいて、 直前の S 9-2で算出した 液圧の変化量△ Pから再通電時間 t r eを決定する。 ここで、 図 8に示すよ うに、 変化量 APが液圧変化閾値 APm a Xより小さいとき (増圧の変化が 小さいとき、 0のとき、 減圧の変化のとき) 、 再通電時間 t 「 6は0より大 きくなる。 この場合、 変化量△ Pが液圧変化閾値△ P m a Xに対して小さく なるほど (減圧側ほど) 、 再通電時間 t r eが長くなる (再通電による増し 締め量が増大する) 。 一方、 変化量△ Pが液圧変化閾値△ P m a x以上のと き (増圧の変化が大きいとき) 、 再通電時間 t r eは 0となる (再通電され ず、 増し締めされない) 。 これにより、 変化量 APが (減圧側に) 大きい程 、 再通電後の電力供給時間を長く している。 APm a xは、 例えば、 アプラ イー時停止電流閾値丨 p a u s eと変化量△ Pとの関係で、 通電一時停止後 に必要な再通電 (増し締め) を行うことができるように設定することがで き る。 S 9— 3は、 車両状態として、 ピストン 6 Dに付与されている液圧の変 化を取得し、 当該液圧の変化に基づいて保持完了条件を設 定するステップに 相当する。 また、 S 9— 3は、 電力供給が一時的に停止されている間の液圧 の変化量が大きいほど電力供給の再開後の電 力供給時間を長くなるように、 保持完了条件を設定するステップに相当する 。

[0089] S 9— 3に続く S 9— 4では、 S 9— 3で算出した再通電時間 t r eが 0 より大きい (t r e>0) か否かを判定する。 S 9— 4で 「YES」 、 即ち 、 再通電時間 t r eが 0よい大きいと判定された場合は、 再通電が必要な場 合に対応する。 この場合は、 図 6のリターンを介して図 5の S 1 0に進む。 これに対して、 S 9— 4で 「N0」 、 即ち、 再通電時間 t r eが 0である ( t r e = 0) と判定された場合は、 再通電が必要ない場合に対応する。 この 場合は、 S 9 - 5でアプライ完了フラグを〇 Nにしてから、 図 6のリターン を介して図 5の S 1 0に進む。

[0090] 図 5に示すように、 S 9に続く S 1 0では、 アプライ完了フラグが〇 Nで あるか否かを判定する。 S 1 0で 「YES」 、 即ち、 アプライ完了フラグが \¥0 2020/175179 32 卩(:17 2020 /005742

〇1\1であると判定された場合には、 3 1 5に進む。 3 1 0で 「N 0」 、 即ち 、 アプライ完了フラグが〇1\1ではないと判定さ れた場合には、 3 1 1 に進む

[0091 ] 3 1 1では、 一時停止していた電動モータ 7八が再通電中か否かを判定す る。 3 1 1で 「丫巳3」 、 即ち、 電動モータ 7八が再通電中であると判定さ れた場合には、 3 1 3に進む。 3 1 1で 「N 0」 、 即ち、 電動モータ 7八が 再通電中ではないと判定された場合には、 3 1 2に進む。 3 1 2では、 電動 モータ 7八に対する通電を再開し、 3 1 3に進む。 このとき、 即ち、 3 1 2 では、 通電を再開したときに、 タイマ (通電再開タイマ) のカウントを開始 する。 3 1 2は、 電動モータ 7八への電力供給を一時的に停止させた後、 電 動モータ 7八への電力供給を再開するステップに相当 る。

[0092] 3 1 3では、 通電を再開してからの経過時間 (通電再開タイマのカウント 時間) が、 図 6の 3 9 _ 3で算出した再通電時間 I 「 6 を超えたか否かを判 定する。 言い換えれば、 3 1 3では、 制動力の保持を完了 (電動モータ 7八 を停止) させるための保持完了条件、 より具体的には、 電力供給が一時的に 停止されているときに決定した保持完了条件 が成立したか否かを判定する。

3 1 3で 「丫巳 3」 、 即ち、 電動モータ 7八に対する通電を再開してからの 時間 (通電再開タイマのカウント時間) が、 再通電時間 「 6を経過した ( 保持完了条件が成立した) と判定された場合には、 3 1 4に進む。 3 1 3で 「N 0」 、 即ち、 電動モータ 7八に対する通電を再開してからの時間 (通電 再開タイマのカウント時間) が、 再通電時間 「 6を超えていない (保持完 了条件が不成立) と判定された場合は、 リターンする。

[0093] 3 1 4では、 電動モータ 7八の再駆動 (再通電) を停止すべく、 アプライ 完了フラグを〇1\1にし、 3 1 5に進む。 3 1 5では、 各タイマ (突入電流経 過判定用タイマ、 通電再開タイマ) 、 フラグ (アプライ作動中フラグ、 アブ ライー時停止フラグ、 プライ完了フラグフラグ) をクリアする。 即ち、 各夕 イマを 0にすると共に各フラグを〇 にする。 また、 3 1 5では、 電動モ —夕 7八に対する通電を停止 (通電一時停止中も含めて完全に停止) する。 〇 2020/175179 33 卩(:171? 2020 /005742

即ち、 3 1 5では、 制動力の保持を完了 (アプライを完了) させ、 リターン する。 3 1 5は、 制動力の保持を完了させる保持完了条件が成 立したときに 制動力の保持を完了させるステップに相当す る。

[0094] 次に、 図 9は、 パーキングブレーキ制御装置 2 4により図 4ないし図 6に 示す処理を行ったときのタイムチヤート (アプライ時のモータ電流丨 と液圧 の時間変化) の一例を示している。 図 9では、 一定の液圧が付与された状 態で、 電動モータ 7八の駆動に基づいてピストン 6 0が推進することにより 液圧室が拡大し、 この液圧室の拡大に伴って液圧が低下する場 合を示してい る。 なお、 例えば、 ブレーキペダル 9の操作等に基づき、 液圧 が変化 (低 下) する場合も同様に考えることができる。 また、 液圧 は、 パーキングブ レーキ制御装置 2 4が〇 (車両データバス 2 0) 経由で認識する液圧 ( 制御認識液圧) を示している。

[0095] 図 9に示すように、 パーキングブレーキ制御装置 2 4は、 アプライ指令が あると、 電動モータ 7八に電力を供給し、 電動モータ 7八をアプライ方向に 駆動する。 このとき、 電動モータ 7八は、 停止状態から駆動状態に移行する ため、 一度大きな突入電流が発生し、 その後低下して一定の値 (電流値丨 0 ) に維持される。 電流が一定 (電流値丨 0) のときは、 直動部材 8八 2がピ ストン 6口に当接する前の空走期間に対応する。 直動部材 8 2がピストン 6 0に当接すると、 モータ電流丨が上昇し始める。 ここからピストン 6 0に 推力が発生する区間が始まり、 ピストン 6 0への伝達推力の増大に伴って、 モータ 7八に供給される電流が上昇していく。 このとき、 ピストン 6 0の推 進による液圧室の拡大に伴って、 液圧 が低下する。 この場合、 パーキング ブレーキ制御装置 2 4が認識する液圧 は、 前述の遅延に伴って、 モータ電 流丨が上昇し始めたあとに低下し始める。

[0096] パーキングブレーキ制御装置 2 4は、 図 4の 3 6の処理により、 「そのと きの液圧 」 と 「図 7の特性線 3 1」 とに基づいて、 アプライ中に電動モー 夕 7八を一時的に停止するアプライー時停止電 閾値丨 3リ 3 6を設定す る。 時点 1で、 モータ電流丨が、 そのときの液圧 に応じたアプライー時 〇 2020/175179 34 卩(:171? 2020 /005742

停止電流閾値丨 3リ 3 6を上回ると、 電動モータ 7八への電力供給を停止 する。 これにより、 電動モータ 7八の回転が停止する。 このとき、 液圧 の 低下は、 直ちに停止せず、 遅延により、 時点 1 1 よりも遅れて停止する。 パ —キングブレーキ制御装置 2 4は、 アプライー時停止時間が経過した時点 I 2で、 図 6の 3 9 - 2および 3 9 - 3の処理により、 「電動モータ 7八を停 止したときの液圧 1 とアプライー時停止時間が経過したときの液 圧 2と の差厶 (= ? 2 - 1) 」 と 「図 8の特性線 4 1」 とに基づいて、 再通電時 間 I (保持完了条件) を決定する。 パーキングブレーキ制御装置 2 4は 、 再通電時間 「 6 が 0よりも大きいときは、 アプライー時停止時間が経過 した時点 2で、 電動モータ 7八に対する通電を再開する。 パーキングブレ —キ制御装置 2 4は、 通電を再開してから再通電時間 1 6 が経過すると、 電動モータ 7八に対する通電 (再通電) を停止し、 アプライ処理を終了する 。 なお、 再通電時間 「 6が 0のときは、 通電を再開しないことが保持完了 条件となるため、 アプライー時停止時間が経過した時点 2でアプライ処理 が終了する。 これにより、 電動モータ 7八の一時停止中 (より具体的には、 一時停止前後) の液圧の変化量八 (= 9 2 - 9 1) に基づいて、 通電の再開 の要否を含む再通電時間を決定し、 必要に応じて再通電することにより推力 の過不足を抑制できる。

[0097] 以上のように、 第 1の実施形態では、 電動モータ 7八への電力供給を一時 停止しているときに、 制動力の保持を完了させる保持完了条件 (再通電時間 「 6) を、 車両状態 (液圧 ) の変化に基づいて決定する。 これにより、 車両状態 (液圧 ) の変化に対応した保持完了条件 (再通電時間 1 「 6) で 、 制動力の保持を完了させることができる。 この場合に、 電力供給を一時停 止することにより、 車両状態の情報 (例えば、 液圧情報) の遅延による影響 (誤差) を抑制して、 そのときの車両状態 (の変化) に応じた適切な制動力 で保持を完了させることができる。 この結果、 電動モータ 7八の駆動に基づ いて制動力を保持するときの車両状態 (液圧 ) の変化に伴う推力の過不足 (過剰、 不足) を抑制することができる。 〇 2020/175179 35 卩(:171? 2020 /005742

[0098] 第 1の実施形態では、 液圧 に応じて電動モータ 7八への電力供給を一時 的に停止させるためのアプライー時停止電流 閾値丨 3リ 3㊀を変更する。 このため、 電動モータ 7八への電力供給の一時停止を、 液圧 に応じた適切 なアプライー時停止電流閾値丨 3リ 3 6で行うことができる。 即ち、 推力 が過剰になる前に電力供給を一時停止できる 。 そして、 一時停止していると きの車両状態 (液圧 ) の変化に基づき電力供給の再開が必要なとき は、 電 力供給を再開することで、 推力が不足することを抑制できる。

[0099] 第 1の実施形態では、 制動力の保持を完了させる保持完了条件を液 圧 の 変化により決定する。 このため、 液圧 の変化に対応した保持完了条件 (再 通電時間 I 「 6) で制動力の保持を完了させることができる。 しかも、 保持 完了条件 (再通電時間 「 6) は、 電力供給が一時的に停止されている間の 液圧 の変化量 が大きいほど、 より具体的に、 液圧 が減圧側に大きく 変化するほど (減圧量が大きくなるほど) 、 電力供給の再開後の電力供給時 間である再通電時間 「 6を長く している。 このため、 推力が過剰になるこ とを抑制すべく、 推力が低い状態で電力供給を一時停止しても 、 制動力の保 持を完了したときの推力の不足を抑制できる 。

[0100] 次に、 図 1 0ないし図 1 2は、 第 2の実施形態を示している。 第 2の実施 形態の特徴は、 アプライ中に電力供給を一時的に停止してい るときに、 「電 力供給を再開して所定の電流閾値に達してか ら電力供給を停止することによ りアプライを終了する」 か 「再開せずにアプライを終了する」 かを決定する ことにある。 なお、 第 2の実施形態では、 第 1の実施形態と同一の構成要素 に同 _ の符号を付し、 その説明を省略する。

[0101 ] 第 2の実施形態も、 第 1の実施形態と同様に、 電力供給が一時的に停止さ れているときに、 車両状態 (液圧) の変化に基づき、 アプライを完了させる 保持完了条件を決定する。 前述の第 1の実施形態では、 アプライ中の通電一 時停止の前後の圧力差に基づいて、 通電一時停止後の再通電時間 1: 「 6 (保 持完了条件) を決定する。 これに対して、 第 2の実施形態では、 アプライ中 の通電一時停止前後の圧力差に基づいて、 通電一時停止後に通電再開をする 〇 2020/175179 36 卩(:171? 2020 /005742

か否かを決定する。 この場合、 保持完了条件として、 「電力供給を再開して アプライ完了電流閾値丨 〇リ Iに達したときに電力供給を停止することに り保持完了とする」 か 「電力供給を再開せずに保持完了とする」 かを決定す る。

[0102] ここで、 第 2の実施形態では、 電力供給を一時的に停止するときに、 前述 の図 7に示したマップと同様のマップ (図示せず) に基づきアプライー時停 止電流閾値丨 3リ 3㊀を決定する。 この場合、 第 2の実施形態では、 オフ セッ ト 〇は、 液圧 に生じるセンサ誤差等の遅延以外の要因によ る推力減 少方向の液圧誤差 (液圧認識値が真値より大) だけでなく、 常用域で発生す る遅延による液圧誤差よりも大きく設定して いる。 即ち、 第 2の実施形態の オフセッ ト 0は、 第 1の実施の形態の図 7に示すオフセッ ト 0よりも大 きい値となっている。 このため、 第 2の実施形態での液圧 とアプライー時 停止電流閾値丨 8リ 3㊀との関係は、 例えば、 第 1の実施形態の図 7の特 性線 3 1 を全体として右側に平行移動した特性線とし て設定することができ る。 これにより、 増し締め頻度を下げつつ、 推力不足を抑制することができ る。 また、 例えば、 液圧 が 0 IV! 3のときの一時停止電流閾値丨 〇も、 図 7の特性線 3 1の一時停止電流閾値丨 0よりも大きくすることができる

[0103] また、 第 2の実施形態では、 電力供給が一時的に停止されているときに、 車両状態である液圧 の変化に基づき電力供給を再開すると決定し た場合は 、 再開後に電動モータ 7八の電流値 (モータ電流丨) が、 アプライ完了電流 閾値丨 〇リ 1:になった (超えた) ときに、 電動モータ 7八の駆動を停止する 。 アプライ完了電流閾値丨 〇リ 1:は、 電力供給を再開したのちの電流閾値、 即ち、 再開した電力供給を停止してアプライ完了と する電流閾値である。 ア プライ完了電流閾値丨 〇リ 1:は、 例えば、 液圧 が 0 1\/1 3のときに電動モ —夕 7八の駆動によって必要な推力 (車両の停止を維持できる推力) を付与 することができる電流閾値丨 1113乂として設定することができる。 これにより、 遅延による液圧誤差発生時の推力不足を回避 することができる。 〇 2020/175179 37 卩(:171? 2020 /005742

[0104] このような制御処理を行うために、 パーキングブレーキ制御装置 24のメ モリ 26には、 図 4、 図 1 0、 図 1 1 に示す処理フローを実行するための処 理プログラムが格納されている。 なお、 図 1 0は、 図 4に続く処理である。 図 1 1は、 図 1 0中の 32 1の 「△?判定処理」 に対応する。 図 4の制御処 理については、 第 1の実施形態で説明したため、 その説明を省略する。 また 、 図 1 0中の 31 0、 31 1、 31 2、 31 4, 31 5の処理は、 前述の図 5中の 31 0、 31 1、 31 2、 31 4, 31 5の処理と同様であり、 図 1 1中の 32 1 -2、 32 1 -4は、 図 6中の 39-2、 39-5の処理と同 様であるため、 その説明を省略する。

[0105] 38 (図 4) の 「丫巳 3」 に続く 32 1 (図 1 0) では、 △ 判定処理を 行う。 32 1の△ 判定処理は、 図 1 1 に示す処理である。 32 1の八 判 定処理では、 通電一時停止中の液圧の変化量△ (92 91) に基づいて、 通電一時停止時間の経過後に再通電を行うか 否かを判定する。 具体的には、

38 (図 4) で 「丫巳 3」 と判定され図 1 0の 32 1、 即ち、 図 1 1の 32 1 — 1 に進むと、 32 1 - 1では、 変化量△ が算出済みか否かを判定する 。 32 1 — 1で 「丫巳3」 、 即ち、 変化量△ が算出済みであると判定され た場合には、 図 1 1のリターンを介して図 1 0の 31 0に進む。 32 1 - 1 で 「N0」 、 即ち、 変化量八 が算出済みでないと判定された場合には、 3 2 1 - 2を介して 32 1 -3に進む。

[0106] 32 1 _ 3では、 通電一時停止中の変化量

より小さい か否かを判定する。 なお、 液圧変化閾値△ 018 Xは、 液圧誤差マージンであるオフセツ ト 0より小さく設定する。 32 1 —3で 「丫巳3」 、 即ち、 変化量 が液圧変化閾値

小さい と判定された場合には、 図 1 1のリターンを介 して図 1 0の 31 0に進む。 32 1 —3で 「N0」 、 即ち、 変化量 圧変化閾値△ 3 X以上である と判定された場合に は、 32 1 _ 4に進む。

[0107] ここで、 32 1 —3で 「丫巳 3」 、 即ち、 通電一時停止中の変化量△? ( 〇 2020/175179 38 卩(:171? 2020 /005742

液圧変化) が液圧変化閾値△ 3 Xより小さいと判定された場合は、 液圧 誤差がマージン 〇を上回る可能性がある。 このため、 3 2 1 — 3では、 マ —ジン 0を上回るか否かを検出 (判定) し、 上回る場合にはこれ以降の処 理で通電を再開 (増し締め) する。 一方、 3 2 1 —3で 「N 0」 、 即ち、 通 電一時停止中の変化量△ (液圧変化) が液圧変化閾値△ P m a X以上であ ると判定された場合は、 3 2 1 - 4の処理でアプライ完了フラグを〇 1\1にし 、 これ以降の処理で通電が再開 (増し締め) されないようにする。 このよう に、 3 2 1 —3では、 アプライを終了 (完了) させる保持完了条件が決定さ れる。

[0108] 図 1 0の 3 2 2では、 通電再開後突入電流マスク時間が経過してい るか否 かを判定する。 通電再開後突入電流マスク時間は、 3 1 2で通電を再開して からの時間であり、 通電再開の突入電流が十分収束する時間を設 定する。 3 2 2で 「丫巳3」 、 即ち、 通電再開後突入電流マスク時間が経過してい ると 判定された場合には、 3 2 3に進む。 3 2 2で 「N 0」 、 即ち、 通電再開後 突入電流マスク時間が経過していないと判定 された場合には、 リターンする

[0109] 3 2 3では、 モータ電流丨がアプライ完了電流閾値丨 〇リ を上回ってい る (丨 >丨 〇リ 1:) か否かを判定する。 即ち、 3 2 3では、 電力供給が一時 的に停止されているときに決定した保持完了 条件が成立しているか否かを判 定する。 3 2 3で 「N 0」 、 即ち、 モータ電流丨がアプライ完了電流閾値 I 〇リ 1:以下 (丨 £ 丨 〇リ 1:) であると判定された場合には、 保持完了条件が 不成立であるため、 リターンする。 3 2 3で 「丫巳3」 、 即ち、 モータ電流 Iがアプライ完了電流閾値丨 〇リ を上回っている (丨 >丨 〇リ 1:) と判定 された場合には、 保持完了条件は成立しているため、 3 1 4を介して 3 1 5 に進む。

[01 10] 図 1 2は、 パーキングブレーキ制御装置 2 4により図 4、 図 1 0、 図 1 1 に示す処理を行ったときのタイムチヤート (アプライ時のモータ電流丨 と液 圧 の時間変化) の一例を示している。 時点 1 1で、 モータ電流丨がそのと 〇 2020/175179 39 卩(:171? 2020 /005742

きの液圧 に応じたアプライー時停止電流閾値丨 3リ 3 ㊀を上回ることに より、 電動モータ 7八への電力供給が一時的に停止する。 第 2の実施形態で は、 パーキングブレーキ制御装置 2 4は、 アプライー時停止時間が経過した 時点 2で、 図 1 1の 3 2 1 - 2および 3 2 1 - 3の処理により、 「電動モ —夕 7八を停止したときの液圧 1 とアプライー時停止時間が経過したとき の液圧 (= ? 2 - 1) 」 に基づいて、 保持完了条件を決定す る。

[01 1 1 ] 具体的には、 パーキングブレーキ制御装置 2 4は、 変化量 が液圧変化 3 Xより小さいときは、 アプライー時停止時間経過後に通電を再 開してモータ電流丨がアプライ完了電流閾値 丨 〇リ Iを超えることを保持完 了条件として決定する。 パーキングブレーキ制御装置 2 4は、 アプライー時 停止時間が経過した時点 2で、 電動モータ 7八に対する通電を再開する。 パーキングブレーキ制御装置 2 4は、 モータ電流丨が電流閾値丨 〇 1を上 回ると、 電動モータ 7八に対する通電 (再通電) を停止し、 アプライ処理を 終了する。 なお、 液圧 の変化量 が液圧変化閾値八 3 Xより大きい ときは、 通電を再開しないことが保持完了条件となる ため、 アプライー時停 止時間が経過した時点 2でアプライ処理が終了する。 これにより、 電動モ —夕 7八の一時停止中 (より具体的には、 一時停止前後) の液圧の変化量△ (= 2 - 1) に基づいて、 通電の再開の要否を決定し、 必要に応じて再 通電することにより推力の過不足を抑制でき る。

[01 12] 第 2の実施形態は、 上述の如き図 4、 図 1 0、 図 1 1の処理に基づいて電 力供給の一時的な停止を含むアプライ処理を 行うもので、 その基本的作用に ついては、 第 1の実施形態によるものと格別差異はない。 即ち、 第 2の実施 形態も、 第 1の実施形態と同様に、 アプライ完了時の推力の過不足を抑制で きる。

[01 13] なお、 各実施形態では、 パーキングブレーキ制御装置 2 4により、 〇八 (車両データバス 2 0) 経由で液圧 を受信し、 こ の液圧 を用いてアプライ制御処理を行う構成とした 場合を例に挙げて説明 〇 2020/175179 40 卩(:171? 2020 /005742

した。 しかし、 これに限らず、 例えば、 巳 3〇制御装置 1 7により電動パー キングブレーキを制御する (アプライ制御処理を行う) 場合等、 〇八!\1を経 由せずに巳 3(3 1 6の認識マスタ液圧を受信できる場合には、 その液圧値に 基づいて制御 (アプライ制御) をしてもよい。

[01 14] 各実施形態では、 液圧 として

げて説明した。 しかし、 これに限らず、 例えば、 液圧 として /〇液圧 等、 以外の液圧を用いてもよい。 各実施形態では 、 車両状態として液圧 を用いる場合を例に挙げて説明した。 しかし、 これ に限らず、 車両状態として、 例えば、 ブレーキペダルの操作量、 倍力装置の 入力部材 (入カロッ ド) の変位量、 電動倍力装置の電動モータの回転量、 マ スタシリンダのピストンの変位量等、 液圧以外の車両状態 (車両状態量) を 用いてもよい。

[01 15] 各実施形態では、 通電一時停止時 (時点 1 1) から再開時 (時点 1 2) で の液圧差により変化量 を算出する (かつ、 変化量△ に基づいて保持完 了条件を決定する) 構成とした場合を例に挙げて説明した。 しかし、 これに 限らず、 例えば、 通電一時停止前または通電停止後の液圧値を 参照してもよ い (通電一時停止前または通電停止後の液圧値 に基づいて、 保持完了条件を 決定してもよい) 。 これにより、 液圧変化を液圧情報の遅延時間が大きい場 合にアプライー時停止時間が過剰に長くなる ことを回避できる。 また、 通電 一時停止中の判定区間の最大液圧と最小液圧 との差を変化量△ としてもよ い。 これにより、 液圧情報が真値より大きくなることによる推 力不足への口 バスト性を向上できる。

[01 16] 第 2の実施形態では、 アプライ完了電流閾値 I 〇リ Iは、 液圧 によらず —定 (例えば、 液圧 が 0 1\/1 3のときに電動モータ 7八によって必要な推 力を付与することができる電流閾値 | 乂) として設定した場合を例に挙げて 説明した。 しかし、 これに限らず、 例えば、 アプライ完了電流閾値丨 を、 図 7に示すアプライー時停止電流閾値 I のように、 液圧が高 いほど低くなるように設定してもよい。 これにより、 遅延による液圧誤差発 〇 2020/175179 41 卩(:171? 2020 /005742

生時でも推力抑制効果を得ることができる 。

[01 17] 各実施形態では、 アプライ中に電力供給を一時的に停止してい るときに保 持完了条件 (アプライ完了条件) を決定し、 この保持完了条件が成立したと きに制動力の保持を完了 (アプライを完了) させる構成とした場合を例に挙 げて説明した。 この場合に、 電力供給の一時的な停止は、 アプライ途中の一 時的な停止、 即ち、 アプライを開始してからアプライが完了する までの間の 電力供給の一時的な停止に対応する。 これに対して、 このような電力供給の 一時的な停止を含むアプライが完了した後に 、 必要に応じて、 再アプライ ( 再保持、 リクランプ) を行ってもよい。 例えば、 アプライ完了後の熱収縮に 伴う制動力の低下等を考慮して、 アプライ完了から所定時間経過後 (例えば 、 制動部材、 被制動部材の温度が低下する数分後) に、 再アプライ (再保持 、 リクランプ) を行ってもよい。 アプライ完了から再アプライを行うまでの 時間 (再アプライ開始時間) は、 アプライー時停止時間には相当しない。

[01 18] 各実施形態では、 後輪側ディスクブレーキ 6を電動パーキングブレーキ機 能付の液圧式ディスクプレーキとすると共に 、 前輪側ディスクプレーキ 5を 電動パーキングブレーキ機能が付いていない 液圧式ディスクブレーキとした 場合を例に挙げて説明した。 しかし、 これに限らず、 例えば、 後輪側ディス クプレーキ 6を電動パーキングブレーキ機能が付いてい い液圧式ディスク ブレーキとすると共に、 前輪側ディスクブレーキ 5を電動パーキングブレー キ機能付の液圧式ディスクブレーキとしても よい。 さらに、 前輪側ディスク ブレーキ 5と後輪側ディスクプレーキ 6との両方を、 電動パーキングブレー キ機能付の液圧式ディスクブレーキとしても よい。 要するに、 車両の車輪の うち少なくとも左右一対の車輪のブレーキを 電動パーキングブレーキにより 構成することができる。

[01 19] 各実施形態では、 液圧制動装置として液圧式のディスクブレー キ、 即ち、 後輪側ディスクブレーキ 6を例に挙げて説明した。 しかし、 これに限らず、 液圧制動装置は、 例えば、 液圧式のドラムブレーキ等、 各種の液圧制動装置 を用いてもよい。 各実施形態では、 電動ブレーキ装置として、 電動モータ 7 〇 2020/175179 42 卩(:171? 2020 /005742

八と回転直動機構 8とを備える構成とした場合を例に挙げて説 した。 しか し、 これに限らず、 電動機とラチェッ ト機構とを備える構成等、 各種の電動 ブレーキ装置 (電動ブレーキ機構、 電動パーキング機構) を用いてもよい。 即ち、 電動パーキングブレーキ機能付の液圧式ディ スクブレーキ、 電動パー キングブレーキ機能付の液圧式ドラムブレー キ、 ディスクブレーキにドラム 式の電動パーキングブレーキを設けたドラム インディスクブレーキ、 電動モ —夕でケーブルを引っ張ることによりパーキ ングブレーキの保持を行う構成 等、 液圧制動装置と電動ブレーキ装置とにより構 成される各種の電動パーキ ングブレーキ装置を採用することができる。 さらに、 各実施形態は例示であ り、 異なる実施形態で示した構成の部分的な置換 または組み合わせが可能で あることは言うまでもない。

[0120] 以上説明した実施形態に基づくブレーキシス テム、 ブレーキ制御装置、 ブ レーキ制御方法およびブレーキ制御プログラ ムとして、 例えば下記に述べる 態様のものが考えられる。

[0121 ] 第 1の態様としては、 車両に搭載されるブレーキシステムであって 、 液圧 によってピストンを推進して制動部材を被制 動部材に押圧する液圧制動装置 と、 電動機から伝達される推力によって前記ピス トンを推進して前記制動部 材を前記被制動部材に押圧し、 制動力を保持する電動ブレーキ装置と、 制動 力を保持する場合に、 前記ビストンに推力が発生する区間において 前記電動 機への電力供給を一時的に停止させたあとに 前記電動機への電力供給を再開 し、 制動力の保持を完了させる保持完了条件が成 立したときに制動力の保持 を完了させる制御装置と、 を備え、 前記制御装置は、 前記電力供給が一時的 に停止されているときに、 前記車両の車両状態の変化に基づき、 前記保持完 了条件を決定する。

[0122] この第 1の態様によれば、 電動機への電力供給を一時停止しているとき に 、 制動力の保持を完了させる保持完了条件を、 車両状態の変化に基づいて決 定する。 これにより、 車両状態の変化に対応した保持完了条件で、 制動力の 保持を完了させることができる。 この場合に、 電力供給を一時停止すること 〇 2020/175179 43 卩(:171? 2020 /005742

により、 車両状態の情報 (例えば、 液圧情報) の遅延による影響 (誤差) を 抑制して、 そのときの車両状態 (の変化) に応じた適切な制動力で保持を完 了させることができる。 この結果、 電動機の駆動に基づいて制動力を保持す るときの車両状態の変化に伴う推力の過不足 (過剰、 不足) を抑制すること ができる。

[0123] 第 2の態様としては、 第 1の態様において、 前記制御装置は、 制動力の保 持を開始するときの前記ピストンに付与され ている液圧に応じて前記電動機 への電力供給を一時的に停止させるための電 流閾値を変更する。 この第 2の 態様によれば、 電動機への電力供給の一時停止を、 液圧に応じた適切な電流 閾値で行うことができる。 即ち、 推力が過剰になる前に電力供給を一時停止 できる。 そして、 一時停止しているときの車両状態の変化に基 づき電力供給 の再開が必要なときは、 電力供給を再開することで、 推力が不足することを 抑制できる。

[0124] 第 3の態様としては、 第 1の態様において、 前記車両状態は、 前記ピスト ンに付与されている液圧であり、 前記制御装置は、 前記ピストンに付与され ている液圧の変化により前記保持完了条件を 決定する。 この第 3の態様によ れば、 液圧の変化に対応した保持完了条件で、 制動力の保持を完了させるこ とができる。

[0125] 第 4の態様としては、 第 3の態様において、 前記制御装置は、 電力供給が 一時的に停止されている間の液圧の変化量が 大きいほど電力供給の再開後の 電力供給時間が長くなるように前記保持完了 条件を決定する。 この第 4の態 様によれば、 例えば、 液圧が減圧側に大きく変化するほど (減圧量が大きい ほど) 電力供給の再開後の電力供給時間を長くする ことで、 推力の不足を抑 制できる。 この場合、 推力が過剰になることを抑制すべく、 推力が低い状態 で電力供給を一時停止しても、 制動力の保持を完了したときの推力の不足を 抑制できる。

[0126] 第 5の態様としては、 車両に搭載されるブレーキ制御装置であって 、 液圧 または電動機から伝達される推力によってピ ストンを推進して制動部材を被 〇 2020/175179 44 卩(:171? 2020 /005742

制動部材に押圧するブレーキ機構における 前記電動機を制御する制御部を有 し、 前記制御部は、 前記ブレーキ機構の制動力を保持する制御指 令に応じて 前記電動機を駆動し、 前記ピストンに推力が発生している電流上昇 の際に、 前記電動機への電力供給を一時的に停止させ たあとに前記電動機への電力供 給を再開し、 制動力の保持を完了させる保持完了条件が成 立したときに制動 力の保持を完了させ、 前記電動機への電力供給を一時的に停止して いるとき に、 前記車両の車両状態の変化に基づき、 前記保持完了条件を決定する。 こ の第 5の態様によれば、 電動機の駆動に基づいて制動力を保持すると きの車 両状態の変化に伴う推力の過不足 (過剰、 不足) を抑制することができる。

[0127] 第 6の態様としては、 第 5の態様において、 前記制御部は、 制動力の保持 を開始するときに、 前記ブレーキ機構へ付加される液圧を取得し 、 当該取得 した液圧に応じて前記電動機への電力供給を 一時的に停止させるための電流 閾値を設定する。 この第 6の態様によれば、 電動機への電力供給の一時停止 を、 液圧に応じた適切な電流閾値で行うことがで きる。

[0128] 第 7の態様としては、 第 5の態様において、 前記制御部は、 前記車両状態 として、 前記ピストンに付与されている液圧を取得し 、 当該液圧の変化に基 づいて前記保持完了条件を設定する。 この第 7の態様によれば、 液圧の変化 に対応した保持完了条件で、 制動力の保持を完了させることができる。

[0129] 第 8の態様としては、 第 7の態様において、 前記制御部は、 電力供給が一 時的に停止されている間の液圧の変化量が大 きいほど電力供給の再開後の電 力供給時間が長くなるように、 前記保持完了条件を設定する。 この第 8の態 様によれば、 制動力の保持を完了したときの推力の不足を 抑制できる。

[0130] 第 9の態様としては、 液圧または電動機から伝達される推力によっ てビス トンを推進して制動部材を被制動部材に押圧 するブレーキ機構における前記 電動機を制御するブレーキ制御方法であって 、 前記ブレーキ機構の制動力を 保持する制御指令に応じて前記電動機への電 流供給を開始するステップと、 前記ピストンに推力が発生している電流上昇 の際に、 前記電動機への電力供 給を一時的に停止させるステップと、 前記電動機への電力供給を一時的に停 〇 2020/175179 45 卩(:171? 2020 /005742

止しているときに、 前記ブレーキ機構が搭載された車両の車両状 態の変化に 基づき、 制動力の保持を完了させる保持完了条件を設 定するステップと、 前 記電動機への電力供給を一時的に停止させた 後、 前記電動機への電力供給を 再開するステップと、 前記保持完了条件が成立したときに制動力の 保持を完 了させるステップと、 を含む。 この第 9の態様によれば、 電動機の駆動に基 づいて制動力を保持するときの車両状態の変 化に伴う推力の過不足 (過剰、 不足) を抑制することができる。

[0131 ] この第 1 0の態様としては、 第 9の態様において、 ブレーキ制御方法は、 前記電動機への電流供給を開始するときに、 前記ブレーキ機構へ付加される 液圧を取得し、 当該取得した液圧に応じて前記電動機への電 力供給を一時的 に停止させるための電流閾値を設定するステ ップをさらに含む。 この第 1 0 の態様によれば、 電動機への電力供給の一時停止を、 液圧に応じた適切な電 流閾値で行うことができる。

[0132] 第 1 1の態様としては、 第 9の態様において、 前記保持完了条件を設定す るステップにおいて、 前記車両状態として、 前記ピストンに付与されている 液圧が取得され、 当該液圧の変化に基づいて前記保持完了条件 が設定される 。 この第 1 1の態様によれば、 液圧の変化に対応した保持完了条件で、 制動 力の保持を完了させることができる。

[0133] 第 1 2の態様としては、 第 1 1の態様において、 前記保持完了条件を設定 するステップにおいて、 前記電力供給が一時的に停止されている間の 液圧の 変化量が大きいほど電力供給の再開後の電力 供給時間が長くなるように、 前 記保持完了条件が設定される。 この第 1 2の態様によれば、 制動力の保持を 完了したときの推力の不足を抑制できる。

[0134] 第 1 3の態様としては、 液圧または電動機から伝達される推力によっ てピ ストンを推進して制動部材を被制動部材に押 圧するブレーキ機構における前 記電動機を制御するブレーキ制御装置に実行 させるブレーキ制御プログラム であって、 前記ブレーキ機構の制動力を保持する制御指 令に応じて前記電動 機への電流供給を開始するステップと、 前記ビストンに推力が発生している 〇 2020/175179 46 卩(:171? 2020 /005742

電流上昇の際に、 前記電動機への電力供給を一時的に停止させ るステップと 、 前記電動機への電力供給を一時的に停止して いるときに、 前記ブレーキ機 構が搭載された車両の車両状態の変化に基づ き、 制動力の保持を完了させる 保持完了条件を設定するステップと、 前記電動機への電力供給を一時的に停 止させた後、 前記電動機への電力供給を再開するステップ と、 前記保持完了 条件が成立したときに制動力の保持を完了さ せるステップと、 を実行する。 この第 1 3の態様によれば、 電動機の駆動に基づいて制動力を保持すると き の車両状態の変化に伴う推力の過不足 (過剰、 不足) を抑制することができ る。

[0135] 第 1 4の態様によれば、 第 1 3の態様において、 ブレーキ制御プログラム は、 前記電動機への電流供給を開始するときに、 前記ブレーキ機構へ付加さ れる液圧を取得し、 当該取得した液圧に応じて前記電動機への電 力供給を一 時的に停止させるための電流閾値を設定する ステップをさらに実行する。 こ の第 1 4の態様によれば、 電動機への電力供給の一時停止を、 液圧に応じた 適切な電流閾値で行うことができる。

[0136] 第 1 5の態様としては、 第 1 3の態様において、 前記保持完了条件を設定 するステップにおいて、 前記車両状態として、 前記ピストンに付与されてい る液圧が取得され、 当該液圧の変化に基づいて前記保持完了条件 が設定され る。 この第 1 5の態様によれば、 液圧の変化に対応した保持完了条件で、 制 動力の保持を完了させることができる。

[0137] 第 1 6の態様としては、 第 1 5の態様において、 前記保持完了条件を設定 するステップにおいて、 前記電力供給が一時的に停止されている間の 液圧の 変化量が大きいほど電力供給の再開後の電力 供給時間が長くなるように、 前 記保持完了条件が設定される。 この第 1 6の態様によれば、 制動力の保持を 完了したときの推力の不足を抑制できる。

[0138] なお、 本発明は上記した実施形態に限定されるもの ではなく、 様々な変形 例が含まれる。 例えば、 上記した実施形態は本発明を分かりやすく説 明する ために詳細に説明したものであり、 必ずしも説明した全ての構成を備えるも 〇 2020/175179 47 卩(:171? 2020 /005742

のに限定されるものではない。 また、 ある実施形態の構成の一部を他の実施 形態の構成に置き換えることが可能であり、 また、 ある実施形態の構成に他 の実施形態の構成を加えることも可能である 。 また、 各実施形態の構成の一 部について、 他の構成の追加 ·削除 ·置換をすることが可能である。

[0139] 本願は、 201 9年2月 26日付出願の日本国特許出願第 201 9— 03

2701号に基づく優先権を主張する。 201 9年 2月 26日付出願の日本 国特許出願第 201 9-032701号の明細書、 特許請求の範囲、 図面、 および要約書を含む全開示内容は、 参照により本願に全体として組み込まれ る。

符号の説明

[0140] 4 ディスクロータ (被制動部材) 6 後輪側ディスクブレーキ (ブレ

—キ機構) 6巳 キヤリバ (液圧制動装置) 60 ブレーキパッ ド (制 動部材) 60 ピストン (液圧制動装置) 7八 電動モータ (電動ブレ

—キ装置、 電動機) 8 回転直動機構 (電動ブレーキ装置) 24 パー キングブレーキ制御装置 (制御装置、 ブレーキ制御装置)