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Title:
CAN LID
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/174997
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a can lid with which the safety of the can lid can be ensured after opening and which has excellent corrosion resistance. This can lid 1 is provided with an overlapping layer section 14 formed on at least one among an inner panel part 5 and an outer panel part 7, wherein: a tip section 20 of a folded back part 19 between a second layer 16 and a third layer 17 forms a protective section for a fracture end that is formed on a first layer 15 when opening the can lid 1; and in the axial line direction of the can lid 1, a gap D1 between the second layer 16 and an end section 15A on a score line 4 side in the first layer 15 is smaller than a gap D2 between the second layer 16 and an end section 15B on the side opposite to the score line 4 in the first layer 15.

Inventors:
SHIOTANI MASAHIRO (JP)
HORIE TAICHI (JP)
MIYASHITA RIO (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/003448
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
January 30, 2020
Export Citation:
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Assignee:
DAIWA CAN CO LTD (JP)
International Classes:
B65D17/40; B21D51/44
Foreign References:
JP2006264707A2006-10-05
JPS60204452A1985-10-16
JPH0455941A1992-02-24
JPS54128869U1979-09-07
JP2016078923A2016-05-16
Attorney, Agent or Firm:
WATANABE, Takeo et al. (JP)
Download PDF:
Claims:
\¥0 2020/174997 10 卩(:17 2020 /003448

請求の範囲

[請求項 1 ] 円板状のパネル部と、

前記パネル部の半径方向で前記パネル部の周縁部よりも内側に前記 周縁部に沿って形成された環状のスコア線と、

前記スコア線の内側の部分である内側パネル部と、

前記スコア線の外側の部分である外側パネル部と、

前記内側パネル部に固着された開封操作用のタブと、

前記内側パネル部と前記外側パネル部との少なくともいずれか一方 に、 前記スコア線と隣接しかつ前記パネル部を折り畳んで形成された 重層部とを備え、

前記重層部は、 前記スコア線から前記半径方向に延びる第 1層と、 前記第 1層を前記半径方向で前記スコア線側に折り返して形成された 第 2層と、 前記第 2層を前記半径方向で前記スコア線とは反対側に折 り返して形成された第 3層とを有している缶蓋において、

前記第 2層と前記第 3層との折り返し部の先端部が、 前記缶蓋を開 封することによって前記第 1層に形成された破断端の保護部を成して おり、 かつ、

前記缶蓋の軸線方向で、 前記第 2層と前記第 1層における前記スコ ア線側の端部との間隔が、 前記第 2層と前記第 1層における前記スコ ア線とは反対側の端部との間隔よりも狭い

ことを特徴とする击蓋。

[請求項 2] 請求項 1 に記載の缶蓋において、

前記重層部は、 前記外側パネル部に形成されている

ことを特徴とする击蓋。

[請求項 3] 請求項 1 または 2に記載の缶蓋において、

前記外側パネル部と前記内側パネル部とは、 前記スコア線を境界と して屈曲して形成されている

ことを特徴とする击蓋。 \¥0 2020/174997 1 1 卩(:171? 2020 /003448

[請求項 4] 請求項 1ないし 3のいずれか一項に記載の缶蓋において、

前記缶蓋は、 両面のうちの少なくともいずれか一方の面に耐食性の ある合成樹脂被膜が形成された金属板によって形成されており、 前記合成樹脂被膜は塗膜によって形成されている ことを特徴とする击蓋。

Description:
\¥0 2020/174997 1 卩(:17 2020 /003448 明 細 書

発明の名称 : 击蓋

技術分野

[0001 ] この発明は、 全面開ロタイプの缶蓋に関し、 特に、 開蓋後における破断端 を安全にした缶蓋に関するものである。

背景技術

[0002] この種の缶蓋の一例が特開 2 0 0 6— 2 6 4 7 0 7号公報や特公平 4 _ 5

5 9 4 1号公報あるいは特開昭 6 0— 2 0 4 4 5 2号公報に記載されている 。 特開 2 0 0 6— 2 6 4 7 0 7号公報に記載された缶蓋は、 内容物に対する 耐食性のある樹脂被膜が形成された金属板に よって構成されている。 その缶 蓋は円板状のパネル部を備え、 パネル部の外周部に易破断線であるスコア線 が環状に形成されている。 パネル部の半径方向でスコア線より内側の内 側パ ネル部が開口片となっている。 その内側パネル部の外周縁部と、 半径方向で スコア線より外側の外側パネル部の内周縁部 とのそれぞれに、 パネル部を 2 回、 折り畳んで重層部が形成されている。 それらの重層部における 2つの折 り返し部のうち、 スコア線側に位置する折り返し部がいわゆる 保護部となっ ており、 それらの保護部に、 缶蓋を開封することによって生じた破断端が 接 近して配置されるように各重層部が構成され ている。 具体的には、 缶蓋の軸 線方向への各重層部の潰し量を大きくするこ とによって各重層部の高さが可 及的に低く設定されている。 また、 内側パネル部と外側パネル部とは、 ほぼ 同 _ の平面上に形成されている。

[0003] 特公平 4— 5 5 9 4 1号公報や特開昭 6 0— 2 0 4 4 5 2号公報に記載さ れた缶蓋では、 パネル部の半径方向で外周部は、 その中央部に対して容器の 内側に傾斜して形成されている。 その外周部にパネル部の外形に倣った環状 のスコア線が形成されている。 また、 特公平 4— 5 5 9 4 1号公報に記載さ れた缶蓋では、 缶蓋を開封することによって生じた破断端を 保護するループ 部が、 パネル部の半径方向でスコア線を挟んだ両側 にそれぞれに形成されて \¥0 2020/174997 2 卩(:171? 2020 /003448

いる。 特開昭 6 0— 2 0 4 4 5 2号公報に記載された缶蓋では、 パネル部の 半径方向でスコア線よりも外側部分に上記の ループ部が形成されている。 そ れらのループ部は、 特開 2 0 0 6— 2 6 4 7 0 7号公報に記載された重層部 と同様に、 パネル部を 2回、 折り畳んで構成されており、 それらのループ部 における 2つの折り返し部のうち、 スコア線側に位置する折り返し部がいわ ゆる保護部となっている。

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004] 特開 2 0 0 6— 2 6 4 7 0 7号公報に記載されているように、 缶蓋を開封 することによって生じた破断端と保護部とし て機能する折り返し部とを接近 して配置するために、 缶蓋の軸線方向への各重層部の潰し量を大き くすると 、 重層部の変形に追従して樹脂被膜が変形する ことができず、 樹脂被膜に割 れや亀裂などの欠損が生じる可能性がある。 特に、 このような欠損が缶蓋の 内面に生じると、 缶蓋の内面品位が低下し、 また、 露出した金属板と内容物 とが接触して金属板が腐食する可能性がある 。 一方、 重層部の潰し量を小さ くすると、 保護部として機能する折り返し部から破断端 が離隔してしまい、 安全性が低下する可能性がある。 なお、 特公平 4 - 5 5 9 4 1号公報および 特開昭 6 0— 2 0 4 4 5 2号公報に記載された缶蓋であっても、 パネル部を 折り畳んでループ部を形成し、 そのループ部の折り返し部によって破断端を 保護するように構成されているため、 特開 2 0 0 6 _ 2 6 4 7 0 7号公報と 同様の課題がある。

[0005] この発明は、 上記の技術的課題に着目してなされたもので あって、 開封後 における缶蓋の安全性を確保できると共に、 耐食性が良好な缶蓋を提供する ことを目的とするものである。

課題を解決するための手段

[0006] この発明は、 上記の目的を達成するために、 円板状のパネル部と、 前記パ ネル部の半径方向で前記パネル部の周縁部よ りも内側に前記周縁部に沿って 形成された環状のスコア線と、 前記スコア線の内側の部分である内側パネル \¥0 2020/174997 3 卩(:171? 2020 /003448

部と、 前記スコア線の外側の部分である外側パネル 部と、 前記内側パネル部 に固着された開封操作用のタブと、 前記内側パネル部と前記外側パネル部と の少なくともいずれか一方に、 前記スコア線と隣接しかつ前記パネル部を折 り畳んで形成された重層部とを備え、 前記重層部は、 前記スコア線から前記 半径方向に延びる第 1層と、 前記第 1層を前記半径方向で前記スコア線側に 折り返して形成された第 2層と、 前記第 2層を前記半径方向で前記スコア線 とは反対側に折り返して形成された第 3層とを有している缶蓋において、 前 記第 2層と前記第 3層との折り返し部の先端部が、 前記缶蓋を開封すること によって前記第 1層に形成された破断端の保護部を成してお 、 かつ、 前記 缶蓋の軸線方向で、 前記第 2層と前記第 1層における前記スコア線側の端部 との間隔が、 前記第 2層と前記第 1層における前記スコア線とは反対側の端 部との間隔よりも狭いことを特徴としている 。

[0007] この発明では、 前記重層部は、 前記外側パネル部に形成されていてよい。

[0008] この発明では、 前記外側パネル部と前記内側パネル部とは、 前記スコア線 を境界として屈曲して形成されていてよい。

[0009] この発明では、 前記缶蓋は、 両面のうちの少なくともいずれか一方の面に 耐食性のある合成樹脂被膜が形成された金属 板から形成されており、 前記合 成樹脂被膜は塗膜によって形成されていてよ い。

発明の効果

[0010] この発明によれば、 パネル部を三層に折り畳んで重層部が形成さ れており

、 その三層のうち、 第 2層と第 3層との折り返し部の先端部が、 缶蓋を開封 することによって生じた第 1層の破断端に被さった状態になることによ 前 記破断端の保護部として機能するようになっ ている。 具体的には、 内側パネ ル部と外側パネル部との少なくともいずれか 一方に、 重層部が形成されてい る。 外側パネル部に重層部が形成されている場合 と、 内側パネル部に重層部 が形成されている場合と、 あるいは外側パネル部と内側パネル部との両 方に 重層部が形成されている場合とのいずれの場 合であっても、 軸線方向で第 2 層と第 1層におけるスコア線側の端部との間隔が、 第 2層と第 1層における \¥0 2020/174997 4 卩(:171? 2020 /003448

スコア線とは反対側の端部との間隔よりも 狭く設定されている。 つまり、 缶 蓋を開封することによって生じた第 1層の破断端のいわゆる保護性を特には 損なうことなく、 各折り返し部の曲率半径を大きく したり、 重層部の全体の 潰し量を小さく したりすることができる。 その結果、 缶蓋の内面に割れや亀 裂などの欠損が生じにくくなり、 内面に欠損が生じることによる内面品位の 低下を抑制できると共に、 缶蓋の耐食性を向上できる。 また、 先端部と第 1 層の破断端とが接近しているため、 つまり、 上記の破断端は先端部によって 保護されるため、 破断端に指などが単独で接触しにくくなり、 安全性が向上 する。

図面の簡単な説明

[001 1] [図 1]この発明に係る缶蓋の一例を示す正面図 ある。

[図 2]この発明に係る击蓋をその中心を通る直 に沿って切断した断面図であ る。

[図 3]この発明に係る击蓋の外周部の一部を拡 して示す断面図である。 発明を実施するための形態

[0012] つぎに、 この発明に係る缶蓋を具体例に基づいて説明 する。 その缶蓋は果 物や魚肉、 野菜などの食品を内容物として充填する図示 しない缶容器の開口 部を密封するものである。 上記の缶蓋は、 内容物を取り出しやすく、 また、 缶容器を開封して缶蓋の開口片を取り除いた 後に、 缶容器を器として使用で きるようにするために、 缶蓋のほぼ全面を開口できるように構成され たいわ ゆるフルオープンタイプの缶蓋である。 さらに、 上記の缶蓋は、 内容物と接 触することによる腐食を抑制するために、 少なくとも内容物と接触する内面 に、 耐食性のある合成樹脂被膜が施されたアルミ ニウムやスチール、 あるい は、 アルミ合金等の従来知られている金属板を素 材としており、 その金属板 からプレス成形される。 なお、 上述した击容器は、 &胴に底部が _ 体に構成 されているツーピース缶や、 缶胴と底部とは別体として構成されているス リ —ピース缶であってよい。 合成樹脂被膜は従来知られている耐食性のあ る合 成樹脂被膜と同様に構成されており、 一例として、 ポリエステル系樹脂であ \¥0 2020/174997 5 卩(:171? 2020 /003448

るポリエチレンテレフタレート樹脂の塗膜 によって構成されている。

[0013] 図 1は、 この発明に係る缶蓋 1の一例を示す正面図である。 図 2は、 この 発明に係る缶蓋 1 をその中心を通る直線に沿って切断した断面 図である。 図 1および図 2に示すように、 缶蓋 1は円板状のパネル部 2を備えており、 パ ネル部 2の外周部の全体には、 缶蓋 1 を図示しない缶胴に巻き締めるための フランジ部 3が形成されている。 パネル部 2のうち、 缶蓋 1の半径方向でフ ランジ部 3よりも内側には、 パネル部 2の円周方向の全周に亙って易破断線 であるスコア線 4が形成されている。 パネル部 2のうち、 スコア線 4によっ て区画された内側部分がこの発明の内側パネ ル部に相当する開口片 5となっ ている。 半径方向で開口片 5の上面における一方側に偏って缶蓋 1の開封操 作用のタブ 6が取り付けられている。 パネル部 2のうち、 スコア線 4の外側 部分とフランジ部 3との間の部分が外側パネル部 7となっている。

[0014] ここでスコア線 4の形状および開口片 5の形状について説明すると、 スコ ア線 4は所定の残厚が生じるようにパネル部 2に形成した V字状断面の切り 込み線もしくは窪み線であって、 破断がスムーズに進行するように滑らかな 曲線として形成されている。 このスコア線 4はパネル部 2から開口片 5を除 去できるようにするために、 パネル部 2の外形に倣った環状に形成されてい る。 したがって、 スコア線 4に沿って破断を進行させて開口片 5を除去する ことによって生じる開口部の形状は開口片 5の外形と同様の形状になる。 な お、 スコア線 4は缶蓋 1の外面に形成されている。 これにより、 パネル部 2 にスコア線 4を形成することによる缶蓋 1の内面の合成樹脂被膜の損傷を抑 制することができる。

[0015] タブ 6はテコ作用によってスコア線 4の一部に破断を生じさせ、 その後に 開口片 5を引き上げることによってスコア線 4に沿って破断を進行させて缶 蓋 1から開口片 5を切り離すものである。 したがって、 タブ 6の一方の端部 には、 開封操作時にタブ 6を引き上げるために指を掛ける指掛け部 8が形成 されており、 他方の端部には、 開口片 5を押し下げてスコア線 4の一部に破 断を生じさせる押し下げ部 9が形成されている。 指掛け部 8はここに示す例 \¥0 2020/174997 6 卩(:171? 2020 /003448

では、 環状に形成されている。 押し下げ部 9は開口片 5におけるスコア線 4 の近傍にまで延びており、 スコア線 4の近傍の開口片 5に接触もしくは可及 的に接近して設けられている。 また、 タブ 6の長さ方向で押し下げ部 9側に 貫通孔が形成されている。 これに対してパネル部 2における貫通孔に対応す る箇所に、 パネル部 2の外面側に突出したリベッ ト部 1 0が形成されている 。 貫通孔にリベッ ト部 1 〇を揷入し、 貫通孔から突出したリベッ ト部 1 〇の 上部をカシメることにより、 パネル部 2にタブ 6が取り付けられている。

[0016] また、 パネル部 2には、 当該パネル部 2の剛性を向上させるビード部 1 1 が形成されている。 ビード部 1 1は、 図 1 に示す例では、 スコア線 4に沿い かつ押し下げ部 9側に開口した円弧状であって、 缶蓋 1の外面側にパネル部 2から突出して形成されている。 パネル部 2における指掛け部 8に対応する 箇所には、 つまり、 缶蓋 1の高さ方向で指掛け部 8の下側には、 缶蓋 1の内 面側に窪んでおり、 指掛け部 8に指を掛けやすくする指掛け用凹部 1 2が形 成されている。 さらに、 缶蓋 1の開口初期操作時におけるタブ 6の引き上げ を容易にするための補助スコア線 1 3が、 半径方向でリベッ ト部 1 0の内側 に形成されている。 補助スコア線 1 3は、 図 1 に示すように、 リベッ ト部 1 0の外周に沿って湾曲した部分から図 1の横方向 (パネル部 2の円周方向) に円弧状に延びている。

[0017] 図 3は、 この発明に係る缶蓋の外周部の一部を拡大し て示す断面図である 。 図 3に示すように、 外側パネル部 7には、 パネル部 2を折り畳んで重層部 1 4が形成されている。 重層部 1 4はスコア線 4から半径方向で外側に延び る下層 1 5と、 下層 1 5をスコア線 4側に折り返して下層 1 5の上側に位置 する中間層 1 6と、 中間層 1 6をスコア線 4とは反対に折り返して中間層 1 6の上側に位置する上層 1 7とによって構成されている。 上層 1 7に滑らか に連続してフランジ部 3が形成されている。 なお、 下層 1 5がこの発明の第 1層に相当し、 中間層 1 6がこの発明の第 2層に相当し、 上層 1 7がこの発 明の第 3層に相当している。

[0018] 下層 1 5と開口片 5とはスコア線 4を境界あるいは屈曲点として屈曲して \¥0 2020/174997 7 卩(:171? 2020 /003448

形成されている。 具体的には、 下層 1 5は開口片 5に対して図示しない缶容 器の内側に傾斜して形成されている。 つまり、 下層 1 5と開口片 5とは同一 平面もしくは同一の直線上に形成されていな い。 中間層 1 6と上層 1 7と開 口片 5とは、 図 3に示す例では、 互いにほぼ平行に設定されている。 下層 1 5と中間層 1 6とは第 1折り返し部 1 8によって滑らかに接続されており、 中間層 1 6と上層 1 7とは第 2折り返し部 1 9によって滑らかに接続されて いる。 したがって、 軸線方向における下層 1 5と中間層 1 6との間隔は、 半 径方向で内側から外側に向かって次第に広く なっている。 また、 軸線方向に おける重層部 1 4の厚さあるいは高さは、 半径方向で内側から外側に向かっ て次第に高くなっている。 各折り返し部 1 8 , 1 9の曲率半径はほぼ同じ曲 率半径に設定され、 または、 第 1折り返し部 1 8の曲率半径が第 2折り返し 部 1 9の曲率半径よりも大きく設定されている。

[0019] 第 2折り返し部 1 9の先端部 2 0は、 スコア線 4の上側であって、 半径方 向でスコア線 4とほぼ同一の半径位置、 もしくは、 半径方向でスコア線 4よ り僅かに外側に位置している。 第 2折り返し部 1 9の先端部 2 0は、 要は、 缶蓋 1 を開封することによって生じた下層 1 5の内周縁部 1 5八に形成され る破断端に被さった状態になるように構成さ れている。 そして、 図 3に示す ように、 缶蓋 1の軸線方向において、 下層 1 5の内周縁部 1 5八は、 下層 1 5の外周縁部 1 5巳よりも先端部 2 0側つまり中間層 1 6に接近して構成さ れている。 そのため、 前記軸線方向で下層 1 5の内周縁部 1 5と中間層 1 6 との間隔 0 1は、 下層 1 5の外周縁部 1 5と中間層 1 6との間隔 0 2よりも 狭い。 言い換えれば、 下層 1 5と中間層 1 6とによって形成される空間にお ける前記軸線方向の高さは、 前記半径方向で内側から外側に向かって次第 に 高くなっている。 なお、 第 2折り返し部 1 9が、 この発明の第 2層と第 3層 との折り返し部に相当しており、 第 2折り返し部 1 9の先端部 2 0が、 この 発明の保護部に相当している。

[0020] ついで、 上記構成の缶蓋 1の作用について説明する。 図示しない缶容器を 開封するために、 タブ 6の指掛け部 8に指を掛けてタブ 6を引き起こすと、 \¥0 2020/174997 8 卩(:171? 2020 /003448

開口片 5のうち、 スコア線 4よりも内側の部分に押し下げ部 9が押し当てら れる。 そして、 押し下げ部 9を支点とし、 リベッ ト部 1 0を作用点とした第 2種のテコ作用によってリベッ ト部 1 0の近傍に形成された補助スコア線 1 3に破断が生じる。 タブ 6を更に引き起こすと、 リベッ ト部 1 0を支点とし 、 押し下げ部 9を作用点とした第 1種のテコ作用が生じ、 押し下げ部 9の近 傍のスコア線 4に破断が生じると共に、 開口片 5の一部が押し下げ部 9によ って缶容器の内側に折り曲げられる。 これに続いて、 軸線方向で缶蓋 1の上 側にタブ 6を持ち上げると、 スコア線 4に沿って破断が次第に進行し、 つい には缶蓋 1から開口片 5が切り離される。 こうして缶蓋 1のほぼ全面が開封 される。

[0021 ] このように、 この発明の缶蓋 1では、 スコア線 4の溝幅を広げるようにス コア線 4を変形させてある状態からスコア線 4に破断を生じさせて缶蓋 1 を 開封する。 そのため、 従来に比較して小さい荷重でスコア線 4を破断させる ことができる。 つまり、 開封しやすく、 いわゆる開蓋性を向上させた缶蓋 1 を得ることができる。 また、 軸線方向において、 下層 1 5の内周縁部 1 5八 は下層 1 5の外周縁部 1 5巳よりも中間層 1 6に接近させて構成されている 。 そのため、 缶蓋 1 を開封すると、 上記の先端部 2 0は、 開封によって生じ た下層 1 5の内周縁部 1 5 に形成された破断端に被さった状態になる。 先 端部 2 0がいわゆる保護部として機能するため、 上記の破断端に直接、 指な どが触れにくくなり、 開封後の缶容器の安全性が向上する。 なお、 上記の破 断端に指が触れるとしても、 それらは互いに接近して設けられているため 、 指との接触面積が増大することとなり、 破断端による指などの損傷を抑制で きる。

[0022] さらに、 上記構成の缶蓋 1では、 図 3に示すように、 缶蓋 1の軸線方向で 、 中間層 1 6と下層 1 5の内周縁部 1 5八との間隔 0 1が、 中間層 1 6と下 層 1 5の外周縁部 1 5巳との間隔 0 2よりも狭くなるように構成されている 。 換言すると、 軸線方向における下層 1 5と中間層 1 6との間隔は、 半径方 向で内側から外側に向かって次第に広くなっ ている。 そのため、 先端部 2 0 \¥0 2020/174997 9 卩(:171? 2020 /003448

による破断端の保護性を損なわない範囲で 、 第 1折り返し部 1 8の曲率半径 と第 2折り返し部 1 9の曲率半径とをそれぞれ大きくすることが きる。 そ の結果、 金属板や合成樹脂被膜の変形量やひずみを小 さくできるので、 金属 板や合成樹脂被膜の割れや亀裂などの欠損が 生じにくくなり、 缶蓋 1の内面 品位が向上する。 また、 金属板の露出が抑制されるから缶蓋 1の耐食性を向 上できる。 なお、 スコア線 4の破断端のうち、 開口片 5に形成される破断端 は開口片 5と共に取り除かれるため、 特には問題とならない。

[0023] この発明は上述した実施形態に限定されない のであって、 この発明の目的 を達成する範囲で適宜に変更してよい。 例えば、 半径方向で開口片 5の外周 縁部に、 開口片 5に形成されるスコア線 4の破断端を保護する重層部 1 4が 形成されていてもよい。 その場合には、 半径方向で第 2層と第 3層との折り 返し部の先端部が、 第 1層におけるスコア線 4側の端部と半径方向で同じ位 置、 もしくは、 半径方向でスコア線 4より僅かに内側に位置していればよい 。 第 2層と第 3層との折り返し部の先端部は、 要は、 缶蓋 1 を開封すること によって第 1層におけるスコア線 4側の端部に形成される破断端に、 被さっ た状態になるように構成されていればよい。