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Patent Searching and Data


Title:
CARRIER CORE FOR ELECTROPHOTOGRAPHIC DEVELOPER AND METHOD FOR PRODUCING THE SAME, CARRIER AND METHOD FOR PRODUCING THE SAME, AND ELECTROPHOTOGRAPHIC DEVELOPER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/122832
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a carrier core for electrophotographic developers, which is of a spherical form, while having excellent strength. The true density and/or apparent density of the carrier core for electrophotographic developers can be controlled. A method for producing the carrier core for electrophotographic developers, a carrier, a method for producing the carrier, and an electrophotographic developer using the carrier are also disclosed. The carrier core for electrophotographic developers is characterized by containing 3-100% by number of hollow particles having an iron content of 36-78% by weight. A carrier for electrophotographic developers is obtained by coating the surface of the carrier core with a resin. A method for producing the carrier core, a method for producing the carrier, and an electrophotographic developer using the carrier are also disclosed.

Inventors:
AGA KOJI (JP)
SHINMURA ISSEI (JP)
IGARASHI TETSUYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/053676
Publication Date:
October 08, 2009
Filing Date:
February 27, 2009
Export Citation:
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Assignee:
POWDERTECH CO LTD (JP)
AGA KOJI (JP)
SHINMURA ISSEI (JP)
IGARASHI TETSUYA (JP)
International Classes:
G03G9/107; G03G9/10; G03G9/113
Domestic Patent References:
WO2007063933A12007-06-07
WO2007063933A12007-06-07
Foreign References:
JPS57177160A1982-10-30
JPS5823032A1983-02-10
JP2005345675A2005-12-15
JPS617851A1986-01-14
JP2007034249A2007-02-08
JP2005091486A2005-04-07
JPH0689046A1994-03-29
JPS6250839A1987-03-05
JPH07237923A1995-09-12
JP2005029437A2005-02-03
JP2007034249A2007-02-08
Other References:
See also references of EP 2267550A4
Attorney, Agent or Firm:
YOSHIMURA, KATSUHIRO (JP)
Katsuhiro Yoshimura (JP)
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Claims:
鉄の含有量が36~78重量%の中空の粒子を3~100個数%含有することを特徴とする電子写真現像剤用キャリア芯材。
平均粒径が20~150μmである請求項1記載の電子写真現像剤用キャリア芯材。
真比重が2.5~4.75g/cm 3 である請求項1又は2に記載の電子写真現像剤用キャリア芯材。
見掛け密度が1.5~2.6g/cm 3 である請求項1、2又は3記載の電子写真現像剤用キャリア芯材。
磁化が5~95Am 2 /kg(emu/g)である請求項1~4のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア芯材。
芯材の外径(平均粒径)をd 1 、芯材内部に存在する中空部の外径をd 2 とした時に0.10<d 2 /d 1 <0.90である請求項1~5のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア芯材。
請求項1~6のいずれかに記載のキャリア芯材の表面に樹脂を被覆してなる電子写真現像剤用キャリア。
キャリア芯材原料をバインダーと共に調製して得られた造粒物を、大気中で溶射してフェライト化し、次いで急冷凝固することを特徴とする電子現像剤用キャリア芯材の製造方法。
上記造粒物の見掛け密度が0.4~1.0g/cm 3 である請求項8記載の電子現像剤用キャリア芯材の製造方法。
上記キャリア芯材原料の鉄成分原料としてFeOOHを用いる請求項8又は9記載の電子現像剤用キャリア芯材の製造方法。
上記造粒物中のバインダーの含有量が固形分換算で0.8~3.5重量%である請求項8、9又は10記載の電子現像剤用キャリア芯材の製造方法。
請求項8~11のいずれかの製造方法によって得られキャリア芯材の表面に樹脂を被覆することを特徴とする電子現像剤用キャリアの製造方法。
請求項7記載のキャリアとトナーとからなる電子写真現像剤。
Description:
電子写真現像剤用キャリア芯材 びその製造方法、キャリア及びその製造方 並びに該キャリアを用いた電子写真現像剤

 本発明は、複写機、プリンター等に用い れる二成分系電子写真現像剤に使用される 子写真現像剤用キャリア芯材及びその製造 法、キャリア及びその製造方法、並びに該 ャリアを用いた電子写真現像剤に関する。

 電子写真現像方法は、現像剤中のトナー 子を感光体上に形成された静電潜像に付着 せて現像する方法であり、この方法で使用 れる現像剤は、トナー粒子とキャリア粒子 らなる二成分系現像剤及びトナー粒子のみ 用いる一成分系現像剤に分けられる。

 こうした現像剤のうち、トナー粒子とキ リア粒子からなる二成分系現像剤を用いた 像方法としては、古くはカスケード法等が 用されていたが、現在では、マグネットロ ルを用いる磁気ブラシ法が主流である。

 二成分系現像剤において、キャリア粒子 、現像剤が充填されている現像ボックス内 おいて、トナー粒子と共に攪拌されること よって、トナー粒子に所望の電荷を付与し さらにこのように電荷を帯びたトナー粒子 感光体の表面に搬送して感光体上にトナー を形成するための担体物質である。マグネ トを保持する現像ロール上に残ったキャリ 粒子は、この現像ロールから再び現像ボッ ス内に戻り、新たなトナー粒子と混合・攪 され、一定期間繰り返して使用される。

 二成分系現像剤は、一成分系現像剤とは なり、キャリア粒子はトナー粒子と混合・ 拌され、トナー粒子を帯電させ、さらに搬 する機能を有しており、現像剤を設計する の制御性が良い。従って、二成分系現像剤 高画質が要求されるフルカラー現像装置及 画像維持の信頼性、耐久性が要求される高 印刷を行う装置等に適している。

 このようにして用いられる二成分系現像 においては、画像濃度、カブリ、白斑、階 性、解像力等の画像特性が、初期の段階か 所定の値を示し、しかもこれらの特性が耐 期間中に変動せず、安定に維持されること 必要である。これらの特性を安定に維持す ためには、二成分系現像剤中に含有される ャリア粒子の特性が安定していることが必 になる。

 二成分系現像剤を形成するキャリア粒子 して、従来は、表面を酸化被膜で覆った鉄 あるいは表面を樹脂で被覆した鉄粉等の鉄 キャリアが使用されていた。このような鉄 キャリアは、磁化が高く、導電性も高いこ から、ベタ部の再現性のよい画像が得られ すいという利点がある。

 しかしながら、このような鉄粉キャリア 真比重が約7.8と重く、また磁化が高すぎる とから、現像ボックス中におけるトナー粒 との攪拌・混合により、鉄粉キャリア表面 のトナー構成成分の融着、いわゆるトナー ペントが発生しやすくなる。このようなト ースペントの発生により有効なキャリア表 積が減少し、トナー粒子との摩擦帯電能力 低下しやすくなる。

 また、樹脂被覆鉄粉キャリアでは、耐久 のストレスにより表面の樹脂が剥離し、高 電性で絶縁破壊電圧が低い芯材(鉄粉)が露 することにより、電荷のリークが生ずるこ がある。このような電荷のリークにより、 光体上に形成された静電潜像が破壊され、 タ部にハケスジ等が発生し、均一な画像が られにくい。これらの理由から、酸化被膜 粉及び樹脂被覆鉄粉等の鉄粉キャリアは、 在では使用されなくなってきている。

 近年は、鉄粉キャリアに代わって真比重 5.0程度と軽く、また磁化も低いフェライト キャリアとして用いたり、さらに表面に樹 を被覆した樹脂コートフェライトキャリア 多く使用されており、現像剤寿命は飛躍的 伸びてきた。

 このようなフェライトキャリアの製造方 としては、フェライトキャリア原料を所定 混合した後、仮焼、粉砕し、造粒後に焼成 行うのが一般的であり、条件によっては仮 を省略する場合がある。

 しかし、このようなフェライトキャリア 製造方法にあっては、種々な問題がある。 体的には、フェライト化反応により磁化を じさせる行程である焼成工程は、一般にト ネルキルンが使用されており、原料をコウ に充填して焼成するので、粒子間の影響に り、形状が異形になり易く、特に小粒径の ェライト粒子になるほど顕著であり、焼成 、ブロック状になり解砕時に割れ欠けが発 し、異形粒子の混入がある。しかも、小粒 のフェライト粒子を製造する場合には、粉 を強化しないと形状の良好なものができな 。さらには、焼成時間は、昇温時間、最高 度保持時間及び降温時間を含めると12時間 度を要し、かつ焼成後にブロック状になっ ものを解砕しなければならず、生産安定性 良好でないといった問題がある。

 また、このような焼成方法で製造したキ リアコア(芯)材は、割れ欠け粒子だけでな 、粒子が変形した異形粒子が多く存在する めに、樹脂被膜を形成しても、均一な被膜 形成するのが困難である。樹脂被膜は粒子 面で窪み部分では厚くなり、凸部分では薄 なってしまう。樹脂被膜の厚みが薄い部分 、ストレスによりキャリア芯材の露出が早 なり、リーク現象や帯電量分布の広がりの 因になり、高品位の画質を長期間安定させ ことが困難であった。

 割れ欠け防止及び異形粒子の低減を図る めには、焼成時の粒子間の凝集を防ぐこと 必要であり、そのために焼成温度を低めで 成すると焼成後の解砕ストレスも小さくな 、割れ欠け粒子及び異形粒子等の低減が可 である。

 しかしながら、この場合には、粒子の表 性がポーラスになり、樹脂のしみ込み等に り帯電の立ち上がりが悪くなり、また不必 のしみ込み部分の樹脂が多くなり、経済的 も劣り、品質、コストの両面で好ましくな 。

 このような課題を解決するため、新たな ェライトキャリアの製造方法が提案されて る。例えば特許文献1(特開昭62-50839号公報) は、フェライト形成用原料として配合した 属酸化物からなる配合物をして高温の火炎 囲気中を通過せしめ、これにより配合物を 瞬にしてフェライト化させるフェライトキ リアの製造方法が記載されている。

 しかし、この製造方法においては、酸素 /燃焼ガスの比が3以下で行われており、フ ライト原料によっては焼成が困難となる。 た、近年のキャリアの小粒径化に対応した 例えば20~50μm程度の小粒径であるフェライト の製造には適したものではなく、球状の均質 なフェライト粒子は得られない。

 また、特許文献2(国際公開2007-63933号公報) には、上記のような溶射法を用い、可燃性ガ ス燃焼炎として燃焼ガスと酸素を用い、燃焼 ガスと酸素の容量比を1:3.5~6.0とした樹脂コー トフェライトキャリアの製造方法が記載され 、このようにして製造される樹脂コートフェ ライトキャリアは、キャリア芯材表面が樹脂 被膜との接着強度を向上させるための細筋状 のシワ模様である凹凸を備えるとされている 。

 この特許文献2に記載されているように、 従来の溶射方法により生成される真球状の粒 子の特徴は流動性は良いものの見掛け密度は 重いものしか生成できない。そのため流動性 が良くても攪拌ストレスが強ければトナーが 現像器中で破壊されることが懸念される。

 一方、特許文献3(特開平7-237923号公報)に 、フェライト含有中空粒子が記載されてい 。この中空粒子は、焼成等の熱処理を行わ に、中空粒子を得るものであるが、数μm~数 μmの中空粒子を得るものではない。また、 の用途は、例えば一体構造を有するハニカ 担体にウォッシュコートし、乾燥し、必要 応じて焼成し、二酸化炭素固定化触媒とし 使用できるとされており、電子現像剤用キ リア芯材に用いるものではない。

 特許文献4(特開2005-29437号公報)には、フェ ライト中空粒子の製造方法について記載され 、焼成時に消失するアクリル樹脂粒子にフェ ライト原料となる微粉をコーティングし、本 焼成を行うことで中空フェライト粒子を得て いるが中空を形成するためのアクリル樹脂が 必須となる。また、通常の電気炉での焼成に なるため粒子同士の焼成時における合一、融 着等が懸念される。さらに、その用途として 、電磁波遮蔽材料が挙げられているが、電子 現像剤用キャリア芯材に用いるものではない 。

 特許文献5(特開2007-34249号公報)には、見掛け 密度が2.0g/cm 3 以下で、見掛け密度/真密度が一定範囲にあ 中空構造を有する電子写真現像剤用キャリ 芯材が記載されている。この特許文献5には 仮焼時に炭酸ガス・水蒸気等を発生させる とで焼成前粒子に細孔を形成させることが 載されている。また、比重の軽いシリカ粉 添加することで低比重を実現しようとして る。このように細孔を形成することで見掛 密度及び/又は真比重を制御する方法では球 状で平滑な表面を得ることはきわめて難しい 。また、比重の軽い添加剤を用いることで見 掛け密度や真比重を制御は可能ではあるが添 加剤が粒子の内部及び表面に存在するため、 粒子の特性に影響を与えることが懸念される 。特に特許文献5に記載の方法で製造された 子の対負帯電トナーに対する帯電性は含有 るシリカが負帯電性のため極めて悪いもの なる。

 上述の特許文献3~5は、いずれも中空の粒 を開示したものであるが、予め中空を形成 るための物質を添加しておく必要があり、 の物質が焼成条件によっては残りやすいと う問題があった。また、各々の中空の粒子 は、上述したような問題があった。

特開昭62-50839号公報

国際公開2007-63933号公報

特開平7-237923号公報

特開2005-29437号公報

特開2007-34249号公報

 電子写真現像剤用キャリア芯材には、真 状で、強度に優れていることが望まれてい 。また、真球状を保ったまま真密度及び/又 は見掛け密度を制御できるキャリア芯材が要 望され、このようなキャリア芯材の表面に樹 脂を被覆し、キャリアとし、トナーと共に現 像剤とした場合には、現像器におけるトナー との攪拌において、トナーに対するストレス を軽減することができる。

 従って、本発明の目的は、真球状で、強 に優れ、かつ真密度及び/又は見掛け密度を 制御できる電子写真現像剤用キャリア芯材及 びその製造方法、キャリア及びその製造方法 、並びに該キャリアを用いた電子写真現像剤 を提供することにある。

 本発明者らは、上記のような課題を解決 べく鋭意検討した結果、上記目的は、中空 粒子を一定範囲以上有するキャリア芯材に って達成され、このようなキャリア芯材は 射法により製造できることを知見し、本発 に至った。

 すなわち、本発明は、鉄の含有量が36~78 量%の中空の粒子を3~100個数%含有することを 徴とする電子写真現像剤用キャリア芯材を 供するものである。

 本発明に係る電子写真現像剤用キャリア 材は、平均粒径が20~150μmであることが望ま い。

 本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯 は、真比重が2.5~4.75g/cm 3 であることが望ましい。

 本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯 は、見掛け密度が1.5~2.6g/cm 3 であることが望ましい。

 本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯 は、磁化が5~95Am 2 /kg(emu/g)であることが望ましい。

 本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯 は、芯材の外径(平均粒径)をd 1 、芯材内部に存在する中空部の外径をd 2 とした時に0.10<d 2 /d 1 <0.90であることが望ましい。

 本発明は、キャリア芯材の表面に樹脂を 覆してなる電子写真現像剤用キャリアを提 するものである。

 本発明は、キャリア芯材原料をバインダ と共に調製して得られた造粒物を、大気中 溶射してフェライト化し、次いで急冷凝固 ることを特徴とする電子現像剤用キャリア 材の製造方法を提供するものである。

 本発明に係る電子現像剤用キャリア芯材の 造方法において、上記造粒物の見掛け密度 0.4~1.0g/cm 3 であることが望ましい。

 本発明に係る電子現像剤用キャリア芯材 製造方法において、上記キャリア芯材原料 鉄成分原料としてFeOOHを用いることが望ま い。

 本発明に係る電子現像剤用キャリア芯材 製造方法において、上記造粒物中のバイン ーの含有量が固形分換算で0.8~3.5重量%であ ことが望ましい。

 本発明は、上記電子現像剤用キャリア芯 の製造方法によって得られキャリア芯材の 面に樹脂を被覆することを特徴とする電子 像剤用キャリアの製造方法を提供するもの ある。

 本発明は、上記キャリアとトナーとから る電子写真現像剤を提供するものである。

 本発明に係る電子写真現像剤用キャリア 材及びキャリアは、真球状で、強度に優れ かつ真密度及び/又は見掛け密度を制御でき る。また、本発明の製造方法によって、上記 キャリア芯材及びキャリアを好適に生産でき る。そして、上記キャリアを用いた電子写真 現像剤は現像器におけるトナーとの攪拌にお いて、トナーに対するストレスを軽減するこ とができる。

 以下、本発明を実施するための最良の形 について説明する。

 <本発明に係る電子写真現像剤用キャリア 芯材>
 本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯 は、鉄の含有量が36~78重量%の中空の粒子を3 ~100個数%、好ましくは3~60個数%、より好まし は3~40個数%含有する。鉄の含有量が36重量%よ りも小さい場合には鉄が主成分ではなくなる ことを意味している。最も鉄を含有する鉄酸 化物はFeOとなるので78重量%よりも大きくなる ことはない。中空の粒子が3個数%よりも小さ 場合には、中空の粒子を含まない通常の芯 粒子と変わらず、本発明の効果が得られな 。中空の粒子の割合は、芯材粒子の断面をS EMにより写真を倍率200倍にて撮影し、1視野に 含まれる中空粒子/1視野に含まれる全粒子数 して求められる。また、Feの含有量、並び 後述するMg及びTiの含有量は、下記により測 される。

 (Fe、Mg及びTiの含有量)
 キャリア芯材0.2gを秤量し、純水60mlに1モル/ lの塩酸20ml及び1モル/lの硝酸20mlを加えたもの を加熱し、キャリア芯材を完全溶解させた水 溶液を準備し、ICP分析装置(島津製作所製ICPS- 1000IV)を用いてFe、Mg及びTiの含有量を測定し 。

 本発明に係る電子写真現像剤用キャリア 材は、平均粒径が20~150μmであることが望ま く、20~100μmであることがより望ましく、25~1 00μmであることが最も望ましい。平均粒径が2 0μmよりも小さい場合には本発明の製造方法 生成することはきわめて難しい。平均粒径 150μmよりも大きい粒子を電子写真用キャリ 芯材として使用したキャリアは、画質が悪 なるので好ましくない。平均粒径は下記に り測定される。

 (平均粒径)
 平均粒径は、レーザー回折散乱法により測 した。装置として日機装株式会社製マイク トラック粒度分析計(Model9320-X100)を用いた。 屈折率は2.42とし、25±5℃、湿度55±15%の環境 で測定を行った。ここで言う平均粒径(メジ ン径)とは、体積分布モード、ふるい下表示 での累積50%粒子径である。キャリアサンプル の分散は、分散液として0.2%ヘキサメタリン ナトリウム水溶液を用い、超音波工業社製 ルトラソニックホモジナイザー(UH-3C)にて1分 間の超音波処理とした。

 本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯 は、真比重が2.5~4.75g/cm 3 であることが望ましく、3.5~4.75g/cm 3 であることがより望ましく、3.8~4.75g/cm 3 であることが最も望ましい。真比重が4.75g/cm 3 より大きいものは通常の芯材粒子と変わらな いので、本発明の効果が得られない。真比重 が2.5g/cm 3 よりも小さい場合には、たとえ中空粒子が生 成できても粒子の強度が劣るため電子写真用 キャリア芯材として使用できない。真比重は 、下記により測定される。

 (真比重)
 真比重は、JIS R9301-2-1に準拠して、ピクノ ーターを用いて測定した。ここで、溶媒と てメタノールを用い、温度25℃にて測定を行 った。

 本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯 は、見掛け密度が1.5~2.6g/cm 3 であることが望ましく、1.6~2.55g/cm 3 であることがより望ましく、1.65~2.50g/cm 3 であることが最も望ましい。見掛け密度が1.5 g/cm 3 よりも小さい場合にはたとえ中空粒子が生成 できても粒子の強度が劣るため電子写真用キ ャリア芯材として使用できない。2.6g/cm 3 よりも大きい場合には通常の芯材粒子と変わ らない。見掛け密度は下記により測定される 。

 (見掛け密度)
 見掛け密度の測定は、JIS-Z2504(金属粉の見掛 け密度試験法)に従って測定される。

 本発明に係る電子写真現像剤用キャリア 材において、比重は粒子内部に存在する中 の大きさで決めることができ、粒子表面の 凸の影響は極めて少ないだけでなく常に平 な粒子表面を持つことができる。さらに、 孔が多数存在する粒子はそのままでは機械 な強度が極めて弱く、例えば電子写真現像 用キャリア芯材として使用するためには樹 を大量に流し込む(充填)等の処理が必須と るが、本発明に係る中空粒子においては卵 同様に外側が硬い殻(シェル)となっており、 強度的にも強い構造をとることができる。

 また、焼成条件次第では内部の中空部と 子外側を粒子の強度を落とさず、また、粒 表面の凹凸があまり無い状態で粒子内部に 在する中空部と粒子の外側を細孔でつなぐ ともできる。そのため真比重を通常のフェ イト粒子と同様に保ったままで見掛け密度 制御することもできる。中空部と粒子外側 つながっていても表面付近の細孔を樹脂等 塞ぐことで粒子の見掛け密度だけでなく真 重を制御することもできる。

 本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯 は、5K・1000/4π・A/mにおける磁化が5~95Am 2 /kg(emu/g)であることが望ましい。鉄が主成分 なり、マグネタイトを超えることはないの 、磁化が95Am 2 /kgを超えることはない。また、磁化が5Am 2 /kg(emu/g)よりも小さい場合は十分に熱が粒子 伝わっていない可能性があり、電子写真用 で使用するには強度が不足する粒子となっ いることを意味しているので好ましくない 磁化は、下記により測定される。

 (磁化)
 磁化は、振動試料型磁気測定装置(型式:VSM-C 7-10A(東英工業社製))を用いた。測定試料は、 径5mm、高さ2mmのセルに詰めて上記装置にセ トした。測定は、印加磁場を加え、最大5K 1000/4π・A/m(5KOe)まで掃引した。次いで、印加 磁場を減少させ、記録紙上にヒステリシスカ ーブを作製した。このカーブのデータより磁 化を求めた。

 本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯 は、Mg12重量%以下及び/又はTi12重量%以下を 有することが望ましい。Mgが12重量%よりも多 い場合はMgがフェライトとして取り込まれな ためMgOとして粒子表面及び/又は粒子内部に 残り、空気中の水分及び炭酸ガスと反応しMg( OH) 2 やMgCO 3 となり、環境依存性が悪くなる。Tiが12重量% りも多い場合はTiO 2 がFe 2 TiO 5 及び/又はFeTiO 3 とならずTiO 2 のみが粒子表面及び/又は粒子内部に存在す ため負帯電性トナーに対して帯電特性を悪 させる原因となるため良くない。このMg及び Tiの含有量は、上記した方法によって測定さ る。

 本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯 は、芯材の外径をd 1 、芯材内部に存在する中空部の外径をd 2 とした時に0.1<d 2 /d 1 <0.9であることが望ましく、0.1<d 2 /d 1 <0.8であることがより望ましく、0.1<d 2 /d 1 <0.65であることが最も望ましい。d 2 /d 1 が0.10以下の場合は、中空部が小さく通常の 材粒子と変わらない。d 2 /d 1 が0.90以上の場合は、たとえ中空粒子が生成 きても粒子の強度が劣るため電子写真現像 用キャリア芯材として使用できない。これ d 1 及びd 2 は、粒子断面のSEM写真の測定による。なお、 粒子断面は必ずしも芯材粒子の中心部(最大 )の部分が観察できるものではなく、中心部 らずれたところを観察する可能性があるの 注意が必要である。さらに、中空部は必ず も芯材粒子の中心部に生成されるとは限ら 、中心部からずれて観察されること及び/又 は中空部が2個以上の複数個生成している場 にも注意が必要である。具体的には、下記 よって測定される。

 (芯材の外径d 1 及び中空部の外径d 2 )
 粒子断面についてはエポキシ系樹脂にキャ ア芯材を包埋させたのち、樹脂を硬化させ 樹脂中にキャリア芯材が分散したままの状 で固定するようにした後、回転研磨機で上 キャリア芯材を包埋させた樹脂組成物を研 することでキャリア芯材断面をSEMにて写真 影するための試料を作製した。作製した撮 用試料はSEM(日本電子社製JSM-6060A)にて適度 倍率にてサンプリングする粒子が200~300個に るように複数の視野を撮影し、得られた画 は日本電子社製画像ビューアーソフトウエ (SmileView)の測長モードで芯材粒子の外径(最 径)及び芯材内部に中空部がある粒子につい ては中空部の外径(最大径)を測定し、それぞ の平均を芯材粒子の外径(最大径)d 1 及び中空部の外径(最大径)d 2 とした。

 本発明に係る電子写真現像剤用キャリア 材の形状係数SF-1は、100~120である。溶射法 使っている場合に形状係数SF-1が120を超える とはない。この形状係数SF-1は、下記によっ て測定される。

 (形状係数SF-1)
 日本電子社製JSM-6060Aを用い、加速電圧は20kV とし、キャリアSEMを450倍視野にて、粒子が重 ならないように分散させて撮影し、その画像 情報を、インターフェースを介してメディア サイバネティクス社製画像解析ソフト(Image-Pr o PLUS)に導入して解析を行い、Area(面積)及び ェレ径(最大)を求め、下記式より算出し得 れた値である。キャリアの形状が球形に近 ほど100に近い値となる。形状指数SF-1は、1粒 子毎に算出し、100粒子の平均値をそのキャリ アの形状指数SF-1とした。

 本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯 の比表面積は、0.065~0.65m 2 /gであることが望ましく、0.08~0.6m 2 /gであることがより望ましく、0.1~0.6m 2 /gであることが最も望ましい。比表面積が0.06 5m 2 /g未満では、粒子表面における凹凸がほとん ない状態を意味しており樹脂被覆を行った の樹脂のアンカー効果が得られにくく、現 剤として使用した場合に被覆した樹脂がは れやすくなる可能性があり帯電特性や抵抗 変化する原因となるため良くない。0.65m 2 /gを超えると、粒子内部の中空部が1つ又は複 数の細孔で粒子の外部とつながることを意味 し、樹脂被覆する際に被覆樹脂が粒子内部の 中空部に含浸し所望の被覆量で粒子表面を被 覆できなくなる可能性がある。この比表面積 は、下記によって測定される。

 (比表面積)
 比表面積は、島津製作所社製比表面積測定 置GEMINI2360を用いて測定した。測定試料を測 定用セルに約10~15g入れ、精密天秤で正確に秤 量し、秤量し終えたら、装置付帯のガスポー トにて200℃で60分間真空吸引熱処理を行った 次いで、測定ポートに試料をセットし、測 を開始した。測定は10点法で行い、測定終 時に試料の重量を入力すると、BET比表面積 自動的に算出される。
 測定用セル:球形外形1.9cm(3/4インチ)、長さ3. 8cm(1-1/2インチ)、セル長さ15.5(6.1インチ)、容 12.0cm 3 、サンプル容量約6.00cm 3
 環境:温度;10~30℃、湿度;相対湿度で20~80% 結 露なし

 本発明に係る電子写真現像剤用キャリア 材は、表面が酸化処理されていることが望 しい。この酸化処理によって形成される酸 被膜の厚さは、0.1nm~5μmであることが好まし い。0.1nm未満であると、酸化被膜層の効果が さく、5μmを超えると、磁化が低下したり、 高抵抗になりすぎるため、現像能力が低下す る等の不具合が発生し易くなる。また、必要 に応じて、酸化処理の前に還元を行ってもよ い。

 <本発明に係る電子写真現像剤用キャリア >
 本発明に係る電子写真現像剤用キャリアは 上記キャリア芯材の表面に樹脂を被覆して る。

 本発明に係る電子写真現像剤用樹脂被覆 ャリアは、樹脂被膜量が、キャリア芯材に して0.1~10重量%が望ましい。被膜量が0.01重 %未満ではキャリア表面に均一な被膜層を形 することが難しく、また10重量%を超えると ャリア同士の凝集が発生してしまい、歩留 り低下等の生産性の低下と共に、実機内で 流動性あるいは帯電量等の現像剤特性変動 原因となる。

 ここに用いられる被膜形成樹脂は、組み わせるトナー、使用される環境等によって 宜選択できる。その種類は特に限定されな が、例えば、フッ素樹脂、アクリル樹脂、 ポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド ミド樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリ ステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ア キッド樹脂、フェノール樹脂、フッ素アク ル樹脂、アクリル-スチレン樹脂、シリコー ン樹脂、あるいはアクリル樹脂、ポリエステ ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポ リアミドイミド樹脂、アルキッド樹脂、ウレ タン樹脂、フッ素樹脂等の各樹脂で変性した 変性シリコーン樹脂等が挙げられる。使用中 の機械的ストレスによる樹脂の脱離を考慮す ると、熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。 具体的な熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹 脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、不飽 和ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹 脂、アルキッド樹脂及びそれらを含有する樹 脂等が挙げられる。

 また、キャリアの電気抵抗や帯電量、帯 速度をコントロールすることを目的に、被 形成樹脂中に導電性剤を添加することがで る。導電性剤はそれ自身の持つ電気抵抗が いことから、添加量が多すぎると急激な電 リークを引き起こしやすい。従って、添加 としては、被膜形成樹脂の固形分に対し0.25 ~20.0重量%であり、好ましくは0.5~15.0重量%、特 に好ましくは1.0~10.0重量%である。導電性剤と しては、導電性カーボンや酸化チタン、酸化 スズ等の酸化物、各種の有機系導電剤が挙げ られる。

 また、上記被膜形成樹脂中には、帯電制 剤を含有させることができる。帯電制御剤 例としては、トナー用に一般的に用いられ 各種の帯電制御剤や、各種シランカップリ グ剤が挙げられる。これは被膜形成によっ 芯材露出面積を比較的小さくなるように制 した場合、帯電付与能力が低下することが るが、各種の帯電制御剤やシランカップリ グ剤を添加することにより、コントロール きるためである。使用できる帯電制御剤や ップリング剤の種類は特に限定されないが ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、有 機金属錯体、含金属モノアゾ染料等の帯電制 御剤、アミノシランカップリング剤やフッ素 系シランカップリング剤等が好ましい。

 <本発明に係る電子写真現像剤用キャリア 芯材及びキャリアの製造方法>
 次に、本発明に係る電子写真現像剤用樹脂 覆キャリアの製造方法について説明する。

 本発明に係る電子写真現像剤用キャリア 材の製造方法は、キャリア芯材原料をバイ ダーと共に調製して得られた造粒物を、大 中で溶射してフェライト化し、次いで急冷 固し、キャリア芯材を得る。

 キャリア芯材原料を用いて造粒物を調製 る方法は、特に制限はなく、従来公知の方 が採用することができ、乾式による方法を いても湿式による方法を用いてもよい。

 適度な中空の粒子を得るためには、上記造 物の見掛け密度は0.4~1.0g/cm 3 であることが望ましい。見掛け密度が0.4g/cm 3 よりも小さい場合には中空の部分が大きくな りすぎる可能性が有り、粒子が壊れやすくな る可能性がある。1.0g/cm 3 よりも大きい場合には十分な中空の部分が形 成できず中空の粒子が得られない可能性があ る。この見掛け密度は、上記した方法によっ て測定される。

 本発明の製造方法では、キャリア芯材原料 鉄成分原料としてFeOOHを用いることが望ま い。FeOOHは、体積変化が大きいため、所望の 中空粒子が得られる。これに対して、Fe 2 O 3 、Fe 3 O 4 では体積変化がFeOOHに比べて小さいため中空 粒子が得られない可能性が高い。

 中空粒子が生成可能になるには焼成にお る体積変化の大きい原料を使用し、焼成時 粒子を膨張させ、焼成後まで中空状態を維 できる程度の炭酸ガス及び/又は水蒸気等の ガスを発生させる必要がある。ここで言う体 積変化の大きい原料とは原料粒子そのものが 焼成することで収縮する度合いが大きいもの 及び/又は焼成時に結晶構造が大きく変化す ことで収縮することを意味している。この からキャリア芯材用原料の鉄原料としてはFe OOH(ゲーサイト及び/又はレピッドクロサイト) が最適である。

 キャリア原料と共に用いられるバインダ の含有量は、上記造粒物中に固形分換算で0 .8~3.5重量%であることが望ましい。このよう 量のバインダーを用いることにより、中空 粒子が得られる。バインダーの含有量が固 分換算で0.8重量%未満では、溶射時に中空部 形成し、維持するためのガスが十分発生し いため中空の粒子は得られ難く、3.5重量%を 超えると、溶射時に中空部を形成し、維持す るためのガスが過剰となり中空部が大きくな りすぎて粒子が破壊されるので中空粒子が得 られにくくなる。ここに用いられるバインダ ーとしては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポ ビニルピロリドン(PVP)等が用いられる。

 造粒物の調製方法の一例を挙げると、原 料を適量秤量した後、水を加えて粉砕しス リーを作製し、作製したスラリーをスプレ ドライヤーで造粒し、分級して所定粒径の 粒物を調製する。造粒物の粒径は、得られ キャリアの粒径を考慮すると20~50μm程度が ましい。また、他の例としては、原材料を 量秤量した後、混合し、乾式粉砕を行い、 原材料を粉砕分散させ、その混合物をグラ ュレーターで造粒し、分級して所定粒径の 粒物を調製する。

 このようにして調製された造粒物を大気中 溶射する。溶射には、可燃性ガス燃焼炎と て燃焼ガスと酸素が用いられ、燃焼ガスと 素の容量比は1:3.5~6.0である。可燃性ガス燃 炎の酸素の割合が燃焼ガスに対して3.5未満 は、溶融が充分ではなく、酸素の割合が燃 ガスに対して6.0を超えると、フェライト化 困難となる。例えば燃焼ガス10Nm 3 /hrに対して酸素35~60Nm 3 /hrの割合で用いられる。

 上記溶射に用いられる燃焼ガスとしては プロパンガス、プロピレンガス、アセチレ ガス等が用いられるが、特にプロパンガス 好適に用いられる。また、造粒物搬送ガス 、窒素、酸素又は空気が用いられる。造粒 流速は、20~60m/secが好ましい。

 ここにおいて、溶射に用いられるバーナ のフレーム温度を1500~3000℃、フレーム通過 間を10秒以内とすることが望ましい。

 粒子の中空状態を維持するためには焼成 の粒子表面に発生する表面張力につりあう あるいは粒子を収縮させない程度の力が必 であるが、粒子内部にガスの発生源は限ら ているため、焼成は短時間で終了させる必 があり、焼成方法としては溶射が最適であ 。

 発生するガスの種類としては炭酸ガス及 /又は水蒸気が設備及び作業者への影響がな いので最適であり、炭酸ガスの発生源として は原料中又は/及びバインダー等の添加剤に まれる炭酸ガス及び水分が挙げられる。そ ため原料としては各種炭酸塩、含水酸化物 び又は水酸化物が最適である。添加剤とし はバインダー等を使用することが好ましい

 ガスの発生量が少ない場合は十分は膨張 がなく、表面張力が勝るので中空の粒子は 成できない。ガスの発生量が多すぎる場合 は粒子が破裂してしまい、目標としている 子よりも微粒の中空でない粒子しか生成で なくなってしまう。

 このようにして溶射して得られた粒子は 大気中又は水中に投入され、急冷凝固され 。

 その後、回収し、乾燥、分級を行いキャ ア芯材を得る。分級方法としては、既存の 力分級、メッシュ濾過法、沈降法など用い 所望の粒径に粒度調整する。乾式回収を行 場合は、サイクロン等で回収することも可 である。

 このようにして製造された電子写真現像 用キャリア芯材は、表面に細孔は存在する のの通常の焼成温度を下げて細孔を多数生 した粒子とは異なり、比表面積の増加が最 限に抑えられるため環境依存性を最小限に どめることもできる。

 その後、必要に応じて、表面を低温加熱 ることで酸化被膜処理を施し、電気抵抗調 を行うことができる。酸化被膜処理は、一 的なロータリー式電気炉、バッチ式電気炉 を用い、例えば、300~700℃で熱処理を行う。

 本発明の電子写真現像剤用キャリアは、 記キャリア芯材の表面に、上記した樹脂を 覆し、樹脂被膜を形成する。被覆する方法 しては、公知の方法、例えば刷毛塗り法、 動床によるスプレードライ方式、ロータリ ライ方式、万能攪拌機による液浸乾燥法等 より被覆することができる。被覆率を向上 せるためには、流動床による方法が好まし 。

 樹脂をキャリア芯材に被覆後、焼き付けす 場合には、外部加熱方式又は内部加熱方式 いずれでもよく、例えば固定式又は流動式 気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉で よく、もしくはマイクロウェーブによる焼 付けでもよい。
UV硬化樹脂を用いる場合は、UV加熱器を用い 。焼き付けの温度は使用する樹脂により異 るが、融点又はガラス転移点以上の温度は 要であり、熱硬化性樹脂又は縮合架橋型樹 等では、充分硬化が進む温度まで上げる必 がある。

 <本発明に係る電子写真現像剤>
 次に、本発明に係る電子写真用現像剤につ て説明する。

 本発明に係る電子写真用現像剤は、上記 子写真現像剤用キャリアとトナーとからな 。

 本発明の電子写真現像剤を構成するトナ 粒子には、粉砕法によって製造される粉砕 ナー粒子と、重合法により製造される重合 ナー粒子とがある。本発明ではいずれの方 により得られたトナー粒子を使用すること できる。

 粉砕トナー粒子は、例えば、結着樹脂、 電制御剤、着色剤をヘンシェルミキサー等 混合機で充分に混合し、次いで、二軸押出 等で溶融混練し、冷却後、粉砕、分級し、 添剤を添加後、ミキサー等で混合すること より得ることができる。

 粉砕トナー粒子を構成する結着樹脂とし は特に限定されるものではないが、ポリス レン、クロロポリスチレン、スチレン-クロ ロスチレン共重合体、スチレン-アクリル酸 ステル共重合体、スチレン-メタクリル酸共 合体、さらにはロジン変性マレイン酸樹脂 エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びポリ レタン樹脂等を挙げることができる。これ は単独又は混合して用いられる。

 荷電制御剤としては、任意のものを用い ことができる。例えば正荷電性トナー用と ては、ニグロシン系染料及び4級アンモニウ ム塩等を挙げることができ、また、負荷電性 トナー用としては、含金属モノアゾ染料等を 挙げることができる。

 着色剤(色剤)としては、従来より知られ いる染料、顔料が使用可能である。例えば カーボンブラック、フタロシアニンブルー パーマネントレッド、クロムイエロー、フ ロシアニングリーン等を使用することがで る。その他、トナーの流動性、耐凝集性向 のためのシリカ粉体、チタニア等のような 添剤をトナー粒子に応じて加えることがで る。

 重合トナー粒子は、懸濁重合法、乳化重 法、乳化凝集法、エステル伸長重合法、相 乳化法といった公知の方法で製造されるト ー粒子である。このような重合法トナー粒 は、例えば、界面活性剤を用いて着色剤を 中に分散させた着色分散液と、重合性単量 、界面活性剤及び重合開始剤を水性媒体中 混合攪拌し、重合性単量体を水性媒体中に 化分散させて、攪拌、混合しながら重合さ た後、塩析剤を加えて重合体粒子を塩析さ る。塩析によって得られた粒子を、濾過、 浄、乾燥させることにより、重合トナー粒 を得ることができる。その後、必要により 燥されたトナー粒子に機能付与のため外添 を添加することもできる。

 さらに、この重合トナー粒子を製造する 際しては、重合性単量体、界面活性剤、重 開始剤、着色剤以外に、定着性改良剤、帯 制御剤を配合することができ、これらによ 得られた重合トナー粒子の諸特性を制御、 善することができる。また、水性媒体への 合性単量体の分散性を改善するとともに、 られる重合体の分子量を調整するために連 移動剤を用いることができる。

 上記重合トナー粒子の製造に使用される 合性単量体に特に限定はないが、例えば、 チレン及びその誘導体、エチレン、プロピ ン等のエチレン不飽和モノオレフィン類、 化ビニル等のハロゲン化ビニル類、酢酸ビ ル等のビニルエステル類、アクリル酸メチ 、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル メタクリル酸エチル、メタクリル酸2-エチ ヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエス ル及びメタクリル酸ジエチルアミノエステ 等のα-メチレン脂肪族モノカルボン酸エス ル類等を挙げることができる。

 上記重合トナー粒子の調製の際に使用さ る着色剤(色材)としては、従来から知られ いる染料、顔料が使用可能である。例えば カーボンブラック、フタロシアニンブルー パーマネントレッド、クロムイエロー及び タロシアニングリーン等を使用することが きる。また、これらの着色剤はシランカッ リング剤やチタンカップリング剤等を用い その表面が改質されていてもよい。

 上記重合トナー粒子の製造に使用される 面活性剤としては、アニオン系界面活性剤 カチオン系界面活性剤、両イオン性界面活 剤及びノニオン系界面活性剤を使用するこ ができる。

 ここで、アニオン系界面活性剤としては オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油等の脂肪 塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫 アンモニウム等のアルキル硫酸エステル、 デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の ルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナ タレンスルホン酸塩、アルキルリン酸エス ル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮 物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エス ル塩等を挙げることができる。また、ノニ ン性界面活性剤としては、ポリオキシエチ ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン 肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリ リン、脂肪酸エステル、オキシエチレン-オ キシプロピレンブロックポリマー等を挙げる ことができる。さらに、カチオン系界面活性 剤としては、ラウリルアミンアセテート等の アルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアン モニウムクロライド、ステアリルトリメチル アンモニウムクロライド等の第4級アンモニ ム塩等を挙げることができる。また、両イ ン性界面活性剤としては、アミノカルボン 塩、アルキルアミノ酸等を挙げることがで る。

 上記のような界面活性剤は、重合性単量 に対して、通常は0.01~10重量%の範囲内の量 使用することができる。このような界面活 剤は、単量体の分散安定性に影響を与える ともに、得られた重合トナー粒子の環境依 性にも影響を及ぼす。上記範囲内の量で使 することは単量体の分散安定性の確保と重 トナー粒子の環境依存性を低減する観点か 好ましい。

 重合トナー粒子の製造には、通常は重合 始剤を使用する。重合開始剤には、水溶性 合開始剤と油溶性重合開始剤とがあり、本 明ではいずれをも使用することができる。 発明で使用することができる水溶性重合開 剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過 酸アンモニウム等の過硫酸塩、水溶性パー キサイド化合物を挙げることができ、また 油溶性重合開始剤としては、例えば、アゾ スイソブチロニトリル等のアゾ系化合物、 溶性パーオキサイド化合物を挙げることが きる。

 また、本発明において連鎖移動剤を使用 る場合には、この連鎖移動剤としては、例 ば、オクチルメルカプタン、ドデシルメル プタン、tert-ドデシルメルカプタン等のメ カプタン類、四臭化炭素等を挙げることが きる。

 さらに、本発明で使用する重合トナー粒 が、定着性改善剤を含む場合、この定着性 良剤としては、カルナバワックス等の天然 ックス、ポリプロピレン、ポリエチレン等 オレフィン系ワックス等を使用することが きる。

 また、本発明で使用する重合トナー粒子 、帯電制御剤を含有する場合、使用する帯 制御剤に特に制限はなく、ニグロシン系染 、4級アンモニウム塩、有機金属錯体、含金 属モノアゾ染料等を使用することができる。

 また、重合トナー粒子の流動性向上等の めに使用される外添剤としては、シリカ、 化チタン、チタン酸バリウム、フッ素微粒 、アクリル微粒子等を挙げることができ、 れらは単独であるいは組み合わせて使用す ことができる。

 さらに、水性媒体から重合粒子を分離す ために使用される塩析剤としては、硫酸マ ネシウム、硫酸アルミニウム、塩化バリウ 、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩 ナトリウム等の金属塩を挙げることができ 。

 上記のようにして製造されたトナー粒子 平均粒径は、2~15μm、好ましくは3~10μmの範 内にあり、重合トナー粒子の方が粉砕トナ 粒子よりも、粒子の均一性が高い。トナー 子が2μmよりも小さくなると、帯電能力が低 しカブリやトナー飛散を引き起こしやすく 15μmを超えると、画質が劣化する原因とな 。

 上記のように製造されたキャリアとトナ とを混合し、電子写真現像剤を得ることが きる。キャリアとトナーの混合比、即ちト ー濃度は、3~15%に設定することが好ましい 3%未満であると所望の画像濃度が得にくく、 15%を超えると、トナー飛散やかぶりが発生し やすくなる。

 上記のように混合された本発明に係る電 写真現像剤は、有機光導電体層を有する潜 保持体に形成されている静電潜像を、バイ ス電界を付与しながら、トナー及びキャリ を有する二成分現像剤の磁気ブラシによっ 反転現像する現像方式を用いたデジタル方 のコピー機、プリンター、FAX、印刷機等に 用することができる。また、磁気ブラシか 静電潜像側に現像バイアスを印加する際に DCバイアスにACバイアスを重畳する方法であ る交番電界を用いるフルカラー機等にも適用 可能である。

 以下、実施例等に基づき本発明を具体的 説明する。

 キャリア芯材原料としてFeOOHを用い、固形 50%となるように水とバインダー成分と分散 を加え、ビーズミルで2時間粉砕後、スプレ ドライヤーにて造粒した。このとき、バイ ダーとしてPVAを使用し、全固形分の1.0重量% となるように10%水溶液のPVAを添加した。得ら れた造粒物を40kg/hrの供給速度でプロパン5Nm 3 /hr、酸素25Nm 3 /hrが供給されるフレームを通過させて本焼成 物を得た。得られた焼成物を、分級、磁力選 鉱を行い平均粒径38.23μmの中空の粒子を含有 るキャリア芯材を得た。なお、フレームへ 造粒物の供給は窒素ガスを用いた気流輸送 行い、窒素ガス気流の供給速度は11.5Nm 3 /hrとした。

 キャリア芯材原料としてFeOOH及びTiO 2 をそれぞれ2モル及び1モルのモル比になるよ に秤量した以外は、実施例1と同様にして平 均粒径37.61μmの中空の粒子を含有するキャリ 芯材を得た。

 キャリア芯材原料としてFeOOH、Mg(OH) 2 及びTiO 2 をそれぞれ16.5モル、3.5モル及び2.5モルのモ 比になるように秤量した以外は、実施例1と 様にして平均粒径38.45μmの中空の粒子を含 するキャリア芯材を得た。

 キャリア芯材原料としてFeOOH、Mg(OH) 2 及びTiO 2 をそれぞれ14.5モル、3.5モル及び1.5モルのモ 比になるように秤量した以外は、実施例1と 様にして平均粒径38.11μmの中空の粒子を含 するキャリア芯材を得た。

 キャリア芯材原料としてFeOOH、Mg(OH) 2 及びTiO 2 をそれぞれ8.7モル、2モル及び0.5モルのモル になるように秤量した以外は、実施例1と同 にして平均粒径37.68μmの中空の粒子を含有 るキャリア芯材を得た。

 キャリア芯材原料としてFeOOH、Mg(OH) 2 及びTiO 2 をそれぞれ6.7モル、1モル及び0.1モルのモル になるように秤量した以外は、実施例1と同 にして平均粒径37.31μmの中空の粒子を含有 るキャリア芯材を得た。

 キャリア芯材原料としてMg成分原料をMg(OH) 2 からMgCO 3 に変えた以外は、実施例3と同様にして平均 径39.13μmの中空の粒子を含有するキャリア芯 材を得た。

 溶射条件のプロパン及び酸素の供給量をそ ぞれ9.5Nm 3 /hr、47.5Nm 3 /hrに変えた以外は、実施例3と同様にして平 粒径35.01μmの中空の粒子を含有するキャリア 芯材を得た。

 溶射条件のプロパン及び酸素の供給量をそ ぞれ7Nm 3 /hr、35Nm 3 /hrに変えた以外は、実施例3と同様にして平 粒径37.89μmの中空の粒子を含有するキャリア 芯材を得た。

 溶射条件のプロパン及び酸素の供給量をそ ぞれ6Nm 3 /hr、30Nm 3 /hrに変えた以外は、実施例3と同様にして平 粒径35.74μmの中空の粒子を含有するキャリア 芯材を得た。

 溶射条件のプロパン及び酸素の供給量をそ ぞれ4Nm 3 /hr、20Nm 3 /hrに変えた以外は、実施例3と同様にして平 粒径37.42μmの中空の粒子を含有するキャリア 芯材を得た。

 溶射条件の粉体供給量を30kg/hrに変えた以 外は、実施例3と同様にして平均粒径34.22μmの 中空の粒子を含有するキャリア芯材を得た。

 溶射条件の粉体供給量を70kg/hrに変えた以 外は、実施例3と同様にして平均粒径40.38μmの 中空の粒子を含有するキャリア芯材を得た。

 造粒物の平均粒径を79.88μmに変えた以外 、実施例3と同様にして平均粒径97.51μmの中 の粒子を含有するキャリア芯材を得た。

 造粒物の平均粒径を29.65μmに変えた以外 、実施例3と同様にして平均粒径28.22μmの中 の粒子を含有するキャリア芯材を得た。

比較例

[比較例1]
 キャリア芯材原料としてFe成分原料をFeOOHか らFe 2 O 3 に変えた以外は、実施例1と同様にして平均 径33.22μmの中空の粒子を含有しないキャリア 芯材を得た。

[比較例2]
 キャリア芯材原料としてFe成分原料をFeOOHか らFe 3 O 4 に変えた以外は、実施例1と同様にして平均 径35.34μmの中空の粒子を含有しないキャリア 芯材を得た。

[比較例3]
 バインダー量を0.1重量%に変えた以外は、実 施例1と同様にして平均粒径9.71μmの中空の粒 を含有しないキャリア芯材を得た。

[比較例4]
 バインダー量を5.0重量%に変えた以外は、実 施例1と同様にして平均粒径3.41μmの中空の粒 を含有しないキャリア芯材を得た。

[比較例5]
 溶射条件の粉体供給量を100kg/hrに変えた以 は、実施例1と同様にして平均粒径43.21μmの 空の粒子を含有するキャリア芯材を得た。

[比較例6]
 溶射条件の粉体供給量を5kg/hrに変えた以外 、実施例1と同様にして平均粒径31.02μmの中 の粒子を含有するキャリア芯材を得た。

 実施例1~15及び比較例1~6の製造条件(仕込み ル数、Fe及びMgの形態、バインダー量、造粒 の見掛け密度及び平均粒径、溶射条件)を表 1に示す。また、実施例1~15及び比較例1~6によ 得られたキャリア芯材の化学分析結果を表2 に示すと共に、各種特性値(真比重、見掛け 度、BET比表面積、平均粒径、芯材の外径d 1 、中空部の外径d 2 、中空部の外径d 2 と芯材の外径d 1 の比、中空粒子の割合、SF-1及び磁化)を表3に 示す。また、実施例8により得られたキャリ 芯材粒子の断面SEM写真を図1に示す。

 表3に示されるように、実施例1~15におい は中空粒子を含有する芯材粒子を得ること 出来たが、鉄源をFeOOHでないものに変えた比 較例1及び2では中空粒子を含有する芯材粒子 得られなかった。比較例3はバインダー量が 少なく、溶射工程において中空粒子を維持す るだけの炭酸ガス及び水蒸気が得られず中空 粒子を含有する芯材粒子を得られなかった。 比較例4はバインダー量が多く、溶射工程に いての炭酸ガス及び水蒸気の生成量が多く 空部が膨張しすぎて破裂し、その破片が球 化し、中空粒子を含有する芯材粒子は得ら なかった。比較例5は原料の供給速度が速く 溶射工程で十分は熱を与えることが出来な ったため中空粒子は生成したもののその含 率が少ないだけでなく、原料のバインダー 分だけが除去された粒子が大量に混入し、 ャリア芯材として使えないものとなった。 較例6は溶射工程で過剰に熱を与えられ炭酸 ガスや水蒸気が一度に粒子の中空部から抜け ることで中空粒子は生成したもののその含有 率が少なく従来の中空粒子を含有しない芯材 粒子と変わらない結果となった。

 本発明に係る電子写真現像剤用キャリア 材及びキャリアは、真球状で、強度に優れ かつ真密度及び/又は見掛け密度を制御でき る。また、本発明の製造方法によって、上記 キャリア芯材及びキャリアを好適に生産でき る。そして、上記キャリアを用いた電子写真 現像剤は現像器におけるトナーとの攪拌にお いて、トナーに対するストレスを軽減するこ とができる。

 従って、本発明は、特に高画質の要求さ るフルカラー機並びに画像維持の信頼性及 耐久性の要求される高速機の分野に広く使 可能である。

実施例8により得られたキャリア芯材粒 子の断面SEM写真である。