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Patent Searching and Data


Title:
COLORING COMPOSITION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/081859
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a coloring composition containing (A) a pigment dispersion composed of a pigment having an average particle diameter of 0.1-0.5 μm, a polymer dispersant containing a hydrophobic group and an ionic group as indispensable components and an aqueous medium, and (B) a crosslinking agent. The coloring composition is characterized in that a crosslinking reaction is caused between the polymer dispersant and the crosslinking agent at the time of coloring, thereby fixing the pigment onto fibers.

Inventors:
KITAGAWA YOSUKE (JP)
SASAKI OSAMU (JP)
INOUE DAISUKE (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/073185
Publication Date:
July 02, 2009
Filing Date:
December 19, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MATSUI SHIKISO KAGAKU KOGYOSHO (JP)
KITAGAWA YOSUKE (JP)
SASAKI OSAMU (JP)
INOUE DAISUKE (JP)
International Classes:
C09B67/42; C09B67/20; C09D11/00; C09D17/00; D06P1/44; D06P1/54; D06P1/58; D06P5/02
Foreign References:
JP2004210877A2004-07-29
JPS5789680A1982-06-04
JP2006299018A2006-11-02
Attorney, Agent or Firm:
KUZUWA, Kiyoshi (KUZUWA & PARTNERS T & T Bldg.,8-21, Tomihisa-cho, Shinjuku-k, Tokyo 67, JP)
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Claims:
(A)平均粒子径が0.1~0.5μmの顔料、疎水基とイオン性基を必須成分とする高分子型分散剤及び水性媒体からなる顔料分散体と(B)架橋剤を配合した着色用組成物であって、該組成物は、着色時に、該高分子型分散剤と架橋剤との間で架橋反応が生起して、顔料を繊維上に固着させるという特性を有する着色用組成物。
 顔料と高分子型分散剤の配合割合(重量)が1.0:0.1~2.0である請求項1記載の着色用組成物。
 イオン性基が、陰イオン性基又は陽イオン性基である請求項1又は2記載の着色用組成物。
 陰イオン性基が、カルボキシル基、スルホン酸基、スルホニル基、又はリン酸基である請求項3記載の着色用組成物。
 陽イオン性基が、1級から3級のアミノ基又は4級アンモニウム塩基である請求項3記載の着色用組成物。
 疎水基及びイオン性基を必須成分とする高分子型分散剤の重量平均分子量が、2,000~50,000である請求項1、2、3、4又は5記載の着色用組成物。
 架橋剤が、オキサゾリン化合物、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、エポキシ樹脂化合物、エチレン尿素化合物、エチレンイミン化合物、メラミン系化合物、有機酸ジヒドラジド化合物、ジアセトンアクリルアミド化合物、カルボジイミド化合物、シランカップリング化合物からなる架橋基を含有するものである請求項1、2、3、4、5又は6記載の着色用組成物。
 請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の着色用組成物における顔料分散体と架橋剤の配合が、レジューサーの存在下に行われたものである着色インキ。
 請求項8記載の顔料分散体と架橋剤の配合が、湿潤剤、柔軟化剤、又は固着剤からなる添加剤の一種以上の存在下に行われたものである請求項8記載の着色インキ。
 請求項8又は9記載の着色インキで着色した着色繊維。
 請求項10記載の着色繊維が、着色後、ワックス、金属石ケン、シリコーン、又はエマルジョン樹脂により全面にパディングする後処理を行ったものである請求項10記載の着色繊維。
Description:
着色用組成物

 本発明は、着色用組成物に関するもので る。

 従来、繊維の着色用に用いる着色剤には染 と顔料のいずれかがある。染料による着色 、繊維種により構造の異なる染料(着色剤) 即ち、綿、麻などのセルロース繊維には反 性染料又は直接性染料、ウールやシルクな の動物性繊維には酸性染料、ナイロン繊維 は酸性染料又は分散染料、ポリエステル繊 には分散染料、アクリル繊維にはカチオン 料等が使用される。
 繊維種に応じて、これらの染料を選択し、 々な染色法により染色されている。例えば 液流染色機、ウィンス染色機などによる吸 染色を行う浸染染色方法、水に溶解させた 料液に繊維を浸漬するパディング染色方法 水溶性糊料に染料液を配合して繊維上にス リーン捺染する染色方法、コンマコーター どによるコーティング方法などがある。

 しかし、染料による染色は、浸染染色方 (長時間水中で加熱処理を行い、その後、水 洗する)を除き、染色後、染料を固着するた に着色した繊維をスチーム加熱(蒸し)して、 その後、余剰の染料を水洗ソーピングなどの 工程により洗浄する。このように、染料によ る繊維の着色は、工程が複雑で装置と手間が かかる問題を有し、且つ、大量の水を必要と し、排水などの環境問題も有する。しかし反 面、染料で染色された着色布は、風合いが柔 軟であり、衣料品としては品質的に好まれて いる。

 一方、顔料による着色は、着色剤としての 料と分散剤としての親水基と親油基を持つ 可溶性の陰イオン性又は非イオン性の界面 性剤を水中で混合した後、ガラスビーズ、 ルコニアビーズ、チタニアビーズ、ステン ス球などと共にアトライターやミル機で微 散したものが着色剤として用いられている
 この水分散した着色剤を、顔料固着用のエ ルジョン樹脂を配合したレジューサーによ 希釈し、着色顔料インクとして、繊維上に ディング、コーティング、又はスクリーン により捺染し顔料を固着させ、その後、必 に応じ乾熱処理を行い、着色布を得る方法 ある。

 よって、顔料による着色方法は、染料に る着色方法と異なり、繊維種による着色剤 選定を必要とせず、また、加工方法も、複 なスチーム加熱(蒸し)工程や水洗工程が不 であり、極めて簡略的に繊維に着色し顔料 固着することができる加工方法である。

 しかしながら、顔料による着色方法は、着 布の洗濯堅牢性、摩擦堅牢性などの堅牢性 保持するために固着剤として大量のエマル ョン樹脂を用いなければならないため、着 布の風合いが堅くなり、衣料品としての品 は染料で染色された着色布に劣るものであ 。
 又、着色加工中の作業性の面においても、 マルジョン樹脂が水分の揮発により乾燥し しまい、パディング中に機械を汚す、コー ィング中に乾燥膜の混入や機械を汚す、ス リーン捺染中に版の目詰まりや膜張りが起 る、又は着色顔料インクが増粘するなどの 題を有している。

 このような顔料による着色に関するものと ては、例えば、平均粒子径200nm以下の顔料 子と、バインダーポリマー粒子を含む着色 組成物からなるものが知られている(特許文 1)。
 上記の公知方法は、微細化した顔料粒子及 バインダーポリマー粒子を用いてることに り、着色被覆層を薄くし、繊維構造体の風 いを維持、向上し、被覆層の空隙を抑制し 、堅牢度を高めることを目的とするもので るが、この方法は、顔料粒子として微細な のを用いるため、着色加工時等の再凝集の 止や微細化手段等に工夫を加える必要があ 等の点で、簡便な方法とは言い難い。

 以上のように、染料による着色は、着色布 品質(風合い、堅牢性)は優れているが、繊 種による染料の選定が必要であり、工程効 や設備、資源消費などに問題がある。
 一方、顔料による着色は、繊維種による染 の選定が不要で工程も簡便なものであるが 作業性等に問題を有しており、着色布の品 (風合い)に劣るものが多いという問題を抱 ている。
 よって、作業性に問題がなく、着色布の品 (風合い)にも優れた、顔料による着色法の 発が待たれている。

特開2006-299018号公報

 本発明の課題は、作業性に問題がなく、 色布の品質(風合い等)にも優れた、顔料に る着色法を提供することにある。

 本発明者らは、上記問題を解決するため 意研究を重ねたところ、顔料による繊維の 色において、顔料分散液中の高分子型分散 を着色時に架橋剤で架橋して、顔料を繊維 に固着させると、優れた品質の着色布が得 れることを知り、更に研究を重ねた結果、 発明を完成するに至った。

 本発明は、以下の発明から構成されるもの ある。
1.(A)平均粒子径が0.1~0.5μmの顔料、疎水基とイ オン性基を必須成分とする高分子型分散剤及 び水性媒体からなる顔料分散体と(B)架橋剤を 配合した着色用組成物であって、該組成物は 、着色時に、該高分子型分散剤と架橋剤との 間で架橋反応が生起して、顔料を繊維上に固 着させるという特性を有する着色用組成物。
2.顔料と高分子型分散剤の配合割合(重量)が1. 0:0.1~2.0である上記1記載の着色用組成物。

3.イオン性基が、陰イオン性基又は陽イオン 基である上記1又は2記載の着色用組成物。
4.陰イオン性基が、カルボキシル基、スルホ 酸基、スルホニル基、又はリン酸基である 記3記載の着色用組成物。
5.陽イオン性基が、1級から3級のアミノ基又 4級アンモニウム塩基である上記3記載の着色 用組成物。

6.疎水基及びイオン性基を必須成分とする高 子型分散剤の重量平均分子量が、2,000~50,000 ある上記1、2、3、4又は5記載の着色用組成 。
7.架橋剤が、オキサゾリン化合物、イソシア ート化合物、ブロックイソシアネート化合 、エポキシ樹脂化合物、エチレン尿素化合 、エチレンイミン化合物、メラミン系化合 、有機酸ジヒドラジド化合物、ジアセトン クリルアミド化合物、カルボジイミド化合 、シランカップリング化合物からなる架橋 を含有するものである上記1、2、3、4、5又 6記載の着色用組成物。

8.上記1、2、3、4、5、6又は7記載の着色用組成 物における顔料分散体と架橋剤の配合が、レ ジューサーの存在下に行われたものである着 色インキ。
9.上記8記載の顔料分散体と架橋剤の配合が、 湿潤剤、柔軟化剤、又は固着剤からなる添加 剤の一種以上の存在下に行われたものである 請求項8記載の着色インキ。

10.上記8又は9記載の着色インキで着色した着 繊維。
11.上記10記載の着色繊維が、着色後、ワック 、金属石ケン、シリコーン、又はエマルジ ン樹脂により全面にパディングする後処理 行ったものである請求項10記載の着色繊維

 本発明は、以下の知見に基づいてなされた のである。
 1)従来の顔料を着色剤として用いる方法の 題点
 従来の顔料による繊維の着色は、非イオン 界面活性剤又は陰イオン性界面活性剤を分 剤として用い顔料を水分散したものを着色 とし、それをレジューサーとエマルジョン 脂により適量希釈配合して着色インクとし 繊維上に吸尽、パディング、コーティング スクリーン・ローラー捺染で着色し、乾燥 せ、必要に応じて、熱処理を行うことで着 布とすることができる。

 しかし、下記に記す問題点を有していた。
 (問題点1)
従来の顔料分散剤は、非イオン性界面活性剤 、或いは、陰イオン性界面活性剤が通常使用 されており、これらの界面活性剤は、着色時 には繊維との親和性の悪さから顔料の固着を 阻害し、又繊維布に残った界面活性剤はその 水溶性のために繊維布の洗濯堅牢性、摩擦堅 牢性などを悪化させている。

 (問題点2)
 従来の顔料分散体を用いた着色インクは、 料を固着するためのエマルジョン樹脂を大 に用いることで繊維布の洗濯堅牢性、摩擦 牢性などを確保している。
しかし、大量のエマルジョン樹脂を用いるこ とで、繊維布の風合いが硬くなり、品質を低 下させている。

 (問題点3)
 着色インク中の大量のエマルジョン樹脂は 加工中にインク中の水分が蒸発してエマル ョン樹脂が固化(水不溶化)し、パディング コーティングでは機械を汚す、膜が張る、 化した異物が着色布に付着して品質を低下 せる等の問題が生じる。また、スクリーン 染やローラー捺染では、版の目詰まり、或 は、インクの増粘等の問題が生じ作業性が くなる欠点を有している。

 (問題点4)
 問題点3の大量のエマルジョン樹脂による作 業性の問題の改善として、従来、湿潤剤を着 色インク中に配合することで乾燥速度を遅ら せていたが、作業性の問題を払拭する程の多 量の湿潤剤の添加は着色布の堅牢性を大きく 低下させるため、問題解決には至っていない 。

 2)解決法
 上記の問題は、以下の方法により、解決す ことが分かった。
 (解決法1)
 顔料分散剤として疎水基とイオン性基をも 高分子型分散剤を使用し、顔料の固着(着色 )時に架橋剤により高分子型分散剤のイオン 基を架橋させることにより、親水性であっ イオン性基を封鎖する。このことにより、 散剤は非水溶性となり、従来の界面活性剤 用いた分散剤のように繊維布の洗濯堅牢性 摩擦堅牢性などを悪化させることはなくな た。

 (解決法2)
 架橋剤を用いて高分子型分散剤のイオン性 を架橋させることにより、分散剤が非水溶 となり、更に樹脂化して大きな高分子体と ることで、顔料の固着剤としての機能を有 ることとなる。このことより、従来の顔料 散体を用いた着色インクのように、大量の マルジョン樹脂を用いることなく、繊維布 洗濯堅牢性、摩擦堅牢性などを確保できる
 また、大量のエマルジョン樹脂を用いない で、繊維布の風合いが硬くなることもなく 通気性があるものとなり、染料で着色され 着色布と遜色ない優れた品質の着色布を得 ことができる。

 (解決法3)
 従来の顔料分散体を用いた着色インクに用 ていた大量のエマルジョン樹脂は、着色加 中に固化し、作業性に様々な悪影響を与え いた。本発明は大量のエマルジョン樹脂を いることなく加工できるため、着色加工中 樹脂が固化することもなく、作業性が大幅 改善された。

 (解決法4)
 本発明は、大量のエマルジョン樹脂を用い ことなく加工できるため、エマルジョン樹 の乾燥速度を遅らせるための湿潤剤は必要 いか、又は少量で良くなるため、着色布の 牢性に悪影響を与えることもなくなった。

 以上の解決法に基づいた、本発明の着色性 成物は、顔料、疎水基並びにイオン性基を 須成分とする高分子型分散剤及び水性媒体 ら構成される顔料分散体と架橋剤を配合し なるものであって、着色時に、高分子型分 剤のイオン性基を架橋剤で架橋して、非水 性にするとともに、更なる高分子化により 着性を高めて、顔料を繊維上に固着させる いう特性を有する点に特徴を有するもので る。
本発明の着色用組成物から製造した着色繊維 製品は、風合い、洗濯堅牢性、摩擦堅牢性、 捺染作業性の何れにおいても優れているとい う特段の効果を奏する。

 本発明の着色性組成物は、顔料分散剤とし 用いた高分子型分散剤を架橋剤で架橋させ 、顔料固着成分としても使用する、即ち、 分子型分散剤に対して2つの機能を発揮させ るという、今までにない合理的な手段を採用 することにより、上記のような高品質の着色 繊維製品の製造を可能としたものである。
 このように、本発明の優れた効果は、疎水 とイオン性基を必須成分とする高分子型分 剤と架橋剤の併用による相乗効果によりも らされたものであり、両者の何れが欠けて 、本発明の目的は達成し得ないことからみ 、本発明の構成の選択には格別の意義があ ことが分かる。

 以下、本発明を更に詳細に説明する。
 本発明の着色用組成物は、顔料、疎水基と オン性基を必須成分とする高分子型分散剤 び水性媒体から構成される顔料分散体と架 剤を配合した着色用組成物であって、該組 物は、着色時に、高分子型分散剤のイオン 基と架橋剤との間で架橋反応が生起して、 料を繊維上に固着させるという特性を有す 点に特徴を有するものであり、該着色用組 物を用いて、高品質の着色繊維を製造する とができる。
 本発明の着色組成物は、顔料分散体と架橋 を配合したものであるが、該配合をレジュ サーの存在下に行うことにより、着色イン を調製した後、繊維を着色インキで着色し 着色繊維を効率よく製造することができる

1.着色用組成物
 本発明の着色用組成物は、以下の(A)顔料及 高分子型分散剤を有効成分とする顔料分散 と(B)架橋剤を配合したものである点に特徴 有する。
 顔料分散体の有効成分である、顔料と高分 型分散剤の配合割合(重量)は、1.0:0.1~2.0とす るのがよい。
 また、顔料分散体と架橋剤の配合割合(重量 )は、1:0.5以上とするのがよい。

(A)顔料分散体
 本顔料分散体は、以下の、(1)顔料、(2)高分 型分散剤、及び(3)水性媒体から製造される
 (1)顔料
 本発明の顔料は、平均粒子径が0.1~0.5μmのも のを用いることが必要であり、該範囲を逸脱 すると、所期の目的を達成することができな い。
 本発明の顔料分散体に用いる顔料としては 有機顔料、無機顔料を問わず、繊維製品の 色剤として用いることのできる顔料であれ 、何れも使用することができる。

 例えば、黒色顔料としてのカーボンブラ ク、酸化鉄黒顔料など、赤色顔料としての ナクリドン系顔料、クロムフタール系顔料 アゾ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料 アンスラキノン系顔料など、黄色顔料とし のアゾ系顔料、イミダゾロン系顔料、チタ 黄色顔料など、オレンジ顔料としてのイン ンスレン系顔料、アゾ系顔料など、青色系 料としてのフタロシアニン系顔料、群青、 青など、緑色顔料としてのフタロシアニン 顔料など、紫色顔料としてのジオキサジン 顔料、キナクリドン系顔料など、白色顔料 しての酸化チタン、アルミニウムシリケー 、酸化ケイ素などを用いることができるが 必ずしもこれ等に限定されるものではない

 (2)高分子型分散剤
 本発明に用いる高分子型分散剤は、疎水基 イオン性基を必須成分とする高分子型分散 であり、以下の特性を有する。
 1)分散性
 顔料分散体時に顔料表面に吸着し水となじ せ(濡れさせる)、機械的作用により摩砕さ た顔料微粒子を静電反発(斥力)や立体反発に より微粒子の再凝集を防止し、沈降生成の抑 制の機能を有する。

 2)架橋性
 着色時には、架橋剤の作用により架橋し、 着剤としての機能を有するものである。

 3)分子量
 高分子型分散剤は、顔料に対して、分散効 の最適な分子量があり、その分子量を超え 大きくなると顔料と顔料の間での橋渡しを き起こし顔料の凝集を招く。
 一方、最適な分子量よりも小さいと顔料か の脱着が起こりやすく分散剤としての効果 小さくなる。又、分子量が小さくなると架 させた後の固着剤としての効果が弱くなる
 従って、本高分子型分散剤としては、重量 均分子量が2,000~50,000のものを用いるのがよ 。

 4)構造(形態)
 本発明の高分子型分散剤は、必須成分とし 、疎水基(電気的に中性の非極性物質で水と 親和性が低い)とイオン性基(電気的にイオン の極性物質で、水との親和性が高い)からな り、その構造は、直鎖又は分岐したものいず れでもよく、ランダム、交互、周期、ブロッ クのいずれの構造でもよく、幹と枝の構造が デザインされたグラフトポリマーであっても よい。
 高分子型分散剤は、水性媒体に配合した状 が、水溶液、ディスパージョン、エマルジ ンのいずれのものでも用いることができる
 本発明は、イオン性基を架橋剤により架橋 せることに特徴があるが、必須成分の疎水 とイオン性基の他に含有している基をイオ 性基と併せて架橋させてもよい。

 5)形成法
 本発明の高分子型分散剤は、疎水基含有単 体とイオン性基含有単量体とを共重合させ ことにより製造できる。尚、それぞれの単 体は一種類のみでも、又は二種類以上用い もよい。

 上記の疎水基含有単量体及びイオン性基含 単量体としては、以下のものがある。
(疎水基含有単量体)
 疎水基含有単量体としては、例えば、スチ ン系単量体、フェニル基含有(メタ)アクリ ート類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル 類、アルキルビニルエーテル類、(メタ)アク ロニトリル等のビニル単量体;ポリイソシア ネートとポリオール又はポリアミン等から形 成されるウレタン基含有ビニル単量体;エピ ロルヒドリンとビスフェノール等から形成 れるエポキシ基含有ビニル単量体;多価カル ン酸とポリアルコール等を単量体から形成 れるエステル基含有ビニル単量体;オルガノ ポリシロキサン等から形成されるシリコーン 基含有ビニル単量体などが挙げられる。

 次に、イオン性基には、陰イオン性基と イオン性基があるが、これらのイオン性基 与える単量体としては、以下のものがある

(陰イオン性基含有単量体)
 陰イオン性基含有単量体として、以下の不 和カルボン酸単量体、不飽和スルホン酸単 体、不飽和リン酸単量体、又はこれらの無 物や塩等を用いることができる。
 不飽和カルボン酸単量体としては、例えば (メタ)アクリル酸、クロトン酸、ソルビン 、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、不 和ジカルボン酸のモノアルキルエステル等 たはそれらの無水物及び塩などが挙げられ 。
 不飽和スルホン酸単量体としては、例えば スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2 -アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン 、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシアルキルの 酸エステル等、又はそれらの塩等が挙げら る。
不飽和リン酸単量体としては、例えば、ビニ ルホスホン酸、(メタ)アクリル酸ヒドロキシ ルキル(炭素数2~6)の燐酸エステル、(メタ)ア クリル酸アルキルホスホン酸類等が挙げられ る。

(陽イオン性基含有単量体)
 陽イオン性基含有単量体として、以下の、 飽和アミン含有単量体、不飽和アンモニウ 塩含有単量体等を用いることができる。
 不飽和アミン含有単量体としては、例えば, ビニルアミン、アリルアミン、ビニルピリジ ン、メチルビニルピリジン、N,N-ジアルキル ミノスチレン、N,N-ジアルキルアミノアルキ (メタ)アクリレート、ジアルキルアミノエ ルビニルエーテル等が挙げられる。
 不飽和アンモニウム塩含有単量体としては 上記不飽和3級アミン含有単量体を4級化剤 4級化させたもの等が挙げられる。

(その他)
 高分子型分散剤の形成法としては、上記の 重合法によるもの以外に、例えば、イオン 基を予め導入したウレタン形成基含有単量 をウレタン重合、又はイオン性基を予め導 したエポキシ形成基含有単量体をエポキシ 合するなどの方法も採用することができる
 また、基幹の高分子を重合形成した後、目 のイオン性基を導入することで、本発明の 分子分散剤と得ることもできる。

 なお、本発明の高分子型分散剤は、必須 分の疎水基とイオン性基の外に、その他の 分を含有していてもよく、例えば、イオン を伴わない、ヒドロキシル基やアミド基を つポリエチレンオキサイド、ポリオールや ドロキシアルキルエステル類含有単量体、 クリルアミド、ヒドロキシアルキルアクリ ート、酢酸ビニル、ビニルアルコール、N- チルメタクリルアミド、N-イソプロピルアク リルアミド、N-ビニルピロリドン等を単量体 して共重合させることができる。

 (3)水性媒体
 本水性媒体としては、水や水溶性有機溶剤 を用いることができる。
 水溶性有機溶剤としては、例えば、メタノ ル、エタノール、n-プロパノール、iso-プロ ノール、n-ブタノール、iso-ブタノール、t- タノール、トリメチロールプロパン、エチ ングリコール、ジエチレングリコール、ト エチレングリコール、ポリエチレングリコ ル、プロピレングリコール、ブチレングリ ール、1,2,6-ヘキサントリオ-ル、チオグルコ ル、ヘキシレングリコール、グリセリン、 グリセリン、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロ リドン、1,5-ペンタンジオ-ル、エチレングリ ールモノエチルエーテル、エチレングリコ ルモノブチルエーテル等が挙げられる。

 (4)顔料分散体の調製
 上記の(1)顔料、(2)高分子型分散剤、(3)水性 体を混合し、ガラスビーズ、ジルコニアビ ズ、チタニアビーズなどを用いてミル分散 で処理することで顔料分散体が得られ、平 粒径0.1~0.5μmとするのが着色濃度、鮮明性、 堅牢性に優れ好ましい。平均粒径0.1μm未満の ものは分散に長時間を要し、顔料の凝集によ る作業上の問題や着色濃度が低下する問題が 生じる恐れがあり、平均粒径0.5μm以上のもの は着色濃度に乏しく、不鮮明の着色剤となり 、また、着色布の堅牢性が悪く好ましくない 。

 また、これ等顔料分散体には、必要に応じ 潤剤としてのグリコール溶剤、例えば、エ レングリコール、プロピレングリコール、 エチレングリコール、グリセリン、ポリエ レングリコールなどや、尿素、ヒアルロン 、ショ糖などを添加することができる。
 その他に、分散助剤としての非イオン性界 活性剤や陰イオン界面活性剤を添加するこ ができるが、これ等の、界面活性剤は、本 明の顔料分散体としての性能を低下させる め、多量に配合することは好ましくない。

(B)架橋剤
 本発明の架橋剤は、顔料分散剤として疎水 とイオン性基をもつ高分子型分散剤のイオ 性基を架橋させることにより、親水性であ イオン性基を封鎖し、高分子型分散剤を非 溶性の大きな樹脂様高分子体とすることで 顔料の固着剤としての機能を生じさせるも である。

 上記のように、分散剤の親水性であるイオ 性基を架橋により疎水性としたため、耐水 が向上して、従来の界面活性剤を用いた分 剤のように繊維布の洗濯堅牢性、摩擦堅牢 などを悪化させることはなくなり、分散剤 固着剤の機能を有するために、従来の顔料 散体を用いた着色インクのように、大量の マルジョン樹脂を用いることなく顔料の固 が可能となり、繊維布の洗濯堅牢性、摩擦 牢性などを確保できる。
 従って、大量のエマルジョン樹脂を用いな ことで、繊維布の風合いが硬くなることも く、通気性があるものとなり高品位の着色 が得られることになる。

 架橋剤としては、オキサゾリン化合物、 ソシアネート化合物、ブロックイソシアネ ト化合物、エポキシ樹脂化合物、エチレン 素化合物、エチレンイミン化合物、メラミ 系化合物、有機酸ジヒドラジド化合物、ジ セトンアクリルアミド、カルボジイミド、 ランカップリング剤からなる架橋基を含有 る化合物であれば、特に限定されない。こ らの架橋剤は複数併用して用いることもで る。

 なお、架橋剤は、その反応性のため、着 インク中で徐々に硬化が進行する、いわゆ ポットライフが生じるため、着色加工の直 に配合される。ただし、官能基をブロック プロテクトされている架橋剤は、インク中 硬化が進行することがないため、下記で述 るレジューサー中に予め配合して用いるこ もできる。

2.着色インク
 着色インクは、繊維を着色するためのイン であり、上記の着色組成物を、以下のレジ ーサーに配合することにより得ることがで る。

(1)レジューサー
 本発明の着色組成物を用いて、そのまま繊 に着色することは顔料濃度や粘度の関係で きない。そのため、着色組成物を加工方法 応じた粘度のレジューサーにより任意に希 して加工方法に適した顔料濃度をもつ着色 ンクとして用いる。
 本発明中のレジューサーとは、水性の希釈 のことを指し、ターペンを含むターペンレ ューサー、又はターペンを含まないターペ レスレジューサーの何れも使用することが きる。

 ターペンレジューサーは、水とターペンを イオン界面活性剤により乳化し、糊状とし ものであり、非イオン界面活性剤の種類を えること、及び、水とターペンの比率を変 ることで、加工方法に応じた様々な粘性と 度のレジューサーが得られる。
 また、ターペンレスレジューサーは、カル キシメチルセルロース、ヒドロキシエチル ルロース、メチルセルロース、アルギンな の水溶性糊料を水に溶解させたもの、又は アルカリ可溶型の架橋されたアクリル樹脂 アルカリ増粘型のアクリル酸ポリマー等を で任意に希釈し糊状としたものを用いるこ ができ、その種類や濃度により様々な粘性 粘度のレジューサーが得られる。ターペン スレジューサーには着色布の堅牢性の点か 水溶性糊料ではなく樹脂型の増粘剤を用い ことが好ましい。

(2)着色インクの調製
 着色インクの粘度、粘性は、加工方法に準 た調整が必要であり、概ねパディング法で 、100~1,000mPa/s、ローラー捺染では、1,000~5,000 mPa/s、スクリーン捺染では、3,000~100,000mPa/s、 イフコーティングでは、1,000~5,000mPa/sに調整 したインキを用いる。通常、この粘度は、予 めレジューサーの粘度を調整しておくことに よりもたらされる。
 また、着色インクに占める着色組成物の量 、着色組成物の顔料濃度や必要とするイン 濃度により異なるが、0.1~20重量%の配合がよ い。

 着色インクには、下記の添加剤等を適時配 することができる。その場合の配合は、予 レジューサーに混合していてもよく、着色 ンクに後から添加してもよい。
 1)固着剤
 固着剤として樹脂エマルジョンを少量配合 ることにより、堅牢度をより向上させる事 できる。
 顔料は、本発明の分散剤の架橋により固着 れているため、従来の顔料インクのように 量の樹脂エマルジョンを配合する必要はな 、又、着色布の品質や作業性の観点からも 色インクに対して10重量%以上の配合は好ま くなく、堅牢度が保たれる最小の量に留め のがよい。
 固着剤として配合する樹脂エマルジョンと ては、特に限定するものではないが、アク ル酸エステル樹脂エマルジョン、ウレタン 脂エマルジョン、EVA樹脂エマルジョン、シ コーン/アクリル樹脂エマルジョン、ポリエ ステル樹脂エマルジョンなどを用いることが でき、着色布の風合いを柔らかくするために 、これ等の樹脂エマルジョンのガラス転移点 が0℃以下であることが好ましい。

 2)湿潤剤
 着色時の作業性改善のために、必要に応じ 湿潤剤として、親水性溶剤又は尿素を配合 ることで、インクの乾燥を遅らすことがで る。
 親水性溶剤としては、例えば、エチレング コール、ジエチレングリコール、プロピレ グリコール、グリセリン、ポリエチレング コールなどが挙げられる。
 本発明の着色インクは、固着剤として、大 の樹脂エマルジョンが必要ではないので、 潤剤は、従来の顔料インクに比べ、少量で 的を達することができる。

 3)可塑剤
 着色布の風合いの柔らかさをより得るため 、可塑剤を添加することができる。
 可塑剤としては、特に限定されるものでは いが、シリコーンオイル、芳香族エステル 、脂肪族エステル類、鉱油、植物油、動物 、パラフィンなどを用いることができる。 従来の顔料着色では、固着剤として、大量 樹脂エマルジョンを配合しているため風合 が硬く、それを柔軟化するため、着色イン に可塑剤を大量に配合していた。
 これに対して、本発明の着色は、固着剤と て、大量の樹脂エマルジョンが必要ではな ので、風合いは柔らかいものであるが、よ 一層の柔軟性を得るため、可塑剤を少量配 することで、染料による着色に劣らない品 の着色布が得られる。

4)その他
 通常、着色インクに用いられる公知慣用の 種添加剤を添加してもよく、例えば、スベ 性の向上させるためのワックス類や金属石 類、シリコーンオイル、耐光性を向上させ ための紫外線吸収剤や酸化防止剤、PH調整 ためのアンモニア水、アミン類、有機酸、 機酸、繊維への浸透性を向上させるための 透剤、硬化を促進させるための硬化触媒な を添加することもできる。

3.着色加工
 (1)着色方法
 繊維を着色するための着色方法としては、 色インクに繊維を浸漬しマングル等で絞り 燥固着させるパディング法、凹版を用いて 色インクを繊維上に着色し乾燥固着させる ーラー捺染法、スクリーン版で着色インク 繊維上にプリント捺染し乾燥固着させるス リーン捺染法等がある。

 なお、スクリーン捺染法には、加工機種 して、オートスクリーン捺染機、ハンドス リーン捺染機、ロータリー捺染機、円形自 捺染機、楕円形自動捺染機等がある。

 また、着色インクを繊維上に全面コーテ ングし乾燥固着するコーティング法があり コーティング機械としては、ナイフコータ 、ワイヤーコーター、コンマコーターなど ある。

 また、セルロース繊維をカチオン化剤によ 予め前処理し、その後、本発明の顔料分散 をイオン吸着させる吸尽染色法があり、染 機械としては、パドル型染色機、ドラム型 色機、ウィンス型染色機、液流染色機など 用いることができる。
 なお、着色方法は、例示した方法に限定さ るものではなく、本発明の着色組成物を用 た繊維の着色が可能な方法であれば、何れ 方法も適用できる。

 (2)熱処理
 着色インクを用いて繊維を着色した着色布 、着色組成物の高分子型分散剤を架橋剤に り架橋硬化させる。着色布は乾燥の後、室 においても架橋反応は徐々に進行するが、 り架橋硬化を促進させるため熱処理を行う とが好ましく、通常100℃~180℃で3~10分間の 処理を行うことで目的を達する。

 (3)後処理
着色布に後処理剤を全面にパディング処理す ることで、風合いの柔軟性や堅牢性(特に摩 堅牢性)が向上した着色布を得ることができ 。
 柔軟化を目的とした後処理剤としては、カ オン系・アニオン系・非イオン系界面活性 、ジメチルシリコーンオイル、アミノシリ ーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオ ル、ヒドロキシ変性シリコーンオイル、脂 酸、脂肪酸アマイド、鉱物油、植物油、動 油、可塑剤などが挙げられる。

 また、着色繊維表面のスベリ性を向上さ る目的の後処理剤としては、金属石鹸、パ フィンワックス、カルナバワックス、マイ ロスタリンワックス、ジメチルシリコーン イル、アミノシリコーンオイル、カルボキ 変性シリコーンオイル、ヒドロキシ変性シ コーンオイルなどが挙げられる。

 パディング処理は、これ等後処理剤を水 媒にミキサー攪拌により乳化、熱乳化、又 分散したものに、着色布を浸漬しマングル で絞り乾燥、熱処理を加えて処理する。

 また、後処理剤中に固着剤として樹脂エマ ジョンを少量配合することにより、着色布 摩擦堅牢性を向上させることができる。後 理剤に対しての配合量は5%未満が好ましく 5%以上配合すると着色布の風合いの柔らかさ が損なわれるため好ましくない。
 後処理剤に固着剤として配合する樹脂エマ ジョンとしては、特に限定するものではな が、アクリル酸エステル樹脂エマルジョン ウレタン樹脂エマルジョン、EVA樹脂エマル ョン、シリコーン/アクリル樹脂エマルジョ ン、ポリエステル樹脂エマルジョンなどを用 いることができ、着色布の風合いを柔らかく するために、これ等の樹脂エマルジョンのガ ラス転移点が0℃以下であることが好ましい

4.繊維製品
 本発明の着色組成物(インキ)が適用し得る 維製品としては、以下のものがある。
 生地布帛(繊維種)としては、ナイロン、ポ エステル、アクリロニトリル等の合成繊維 アセテート、レーヨン等の半合成繊維、綿 絹、毛等の天然繊維、及びこれらの混合繊 、織物、編み物、不織布等が挙げられる。
 衣料品としては、Tシャツ、トレーナー、ジ ャージ、パンツ、スウェットスーツ、ワンピ ース、寝具、ハンカチ、ブラウス等が挙げら れる。

 本発明の着色用組成物から製造した着色 維製品は、風合い、洗濯堅牢性、摩擦堅牢 、捺染作業性の何れの特性においても、優 た効果を奏するので、本発明の着色用組成 には高い価値がある。

 以下、実施例等を挙げて本発明を更に詳 に説明するが、本発明はこれらのものに限 されない。なお、実施例等にいう「部」は 特に断らない限り、「重量部」を意味する

(実施例1)
 <顔料分散体の調整>
 アゾ系赤色有機顔料(C.I.ピグメントレッド15 0)25部、イオン性基としてカルボキシル基、 水基としてフェニル基を持つ重量平均分子 8,500の高分子型分散剤(ジョンクリル62:BASFジ パン(株)製)25部、プロピレングリコール 5 、水 45部を混合し、アトライター(0.6mm径の ラスビーズ、バッチ式分散機)にて48時間分 し、0.285μmの赤色顔料分散体1を得た。

 <レジューサーの調整>
 水 95部とポリアクリル樹脂系増粘剤(アル プリントPTF:チバスペシャリティケミカル(株 )製)2.5部を均一に攪拌混合させて、ターペン スレジューサー(レジューサー1)を得た。

 <着色インクの調整>
 上記の赤色顔料分散体1 5部、上記のレジュ ーサー1 95部、ブロックイソシアネート系架 剤(フィクサーN:(株)松井色素化学工業所製)3 部を配合して、スクリーン捺染用着色インク 1を得た。

 <着色方法>
上記スクリーン捺染用着色インクを100メッシ ュの水玉柄のスクリーン型を用いて綿ニット 上にハンドプリントし、乾燥機にて100℃で乾 燥した後、130℃で3分間の熱処理を行って、 色の水玉模様の着色布を得た。

(実施例2)
 <顔料分散体の調整>
 アゾ系赤色有機顔料(C.I.ピグメントレッド15 0)25部、イオン性基としてカルボキル基、疎 基としてフェニル基を持つ重量平均分子量16 ,500の高分子型分散剤(ジョンクリルHPD96:BASFジ ャパン(株)製)25部、プロピレングリコール 5 、水 45部を混合し、ビーズミル(0.3mm径のジ ルコニアビーズ、連続式分散機)にて3時間分 し、0.238μmの赤色顔料分散体2を得た。

 <着色インクの調整>
 実施例1の赤色顔料分散体1を上記で得た赤 顔料分散体2に代えた以外は、全て実施例1と 同様にして、スクリーン捺染用着色インク2 得た。
 <着色方法>
実施例1の着色インク1を、上記の着色インク2 に代えた以外は、全て実施例1と同様にして 赤色の水玉模様の着色布を得た。

(実施例3)
 <顔料分散体の調整>
 実施例1の顔料分散体1の調整において、ア ライターによる分散時間を24時間に短くし、 次いでビーズミル(0.1mm径のジルコニアビーズ 、連続式分散機)にて2時間分散した以外は、 て実施例1と同様にして、0.185μmの赤色顔料 散体3を得た。

 <着色インクの調整>
 実施例1の赤色顔料分散体1を上記で得た赤 顔料分散体3に代えた以外は、全て実施例1と 同様にして、スクリーン捺染用着色インク3 得た。
 <着色方法>
 実施例1の着色インク1を、上記の着色イン 3に代えた以外は、全て実施例1と同様にして 、赤色の水玉模様の着色布を得た。

(実施例4)
 <顔料分散体の調整>
 アゾ系赤色有機顔料(C.I.ピグメントレッド15 0)25部、イオン性基としてカルボキル基、疎 基としてフェニル基を持つ重量平均分子量8, 500の高分子型分散剤(ジョンクリル62:BASFジャ ン(株)製)10部、イオン性基としてカルボキ 基、疎水基として飽和ポリエステル基を持 重量平均分子量10,000の高分子型分散剤(ペス ジンA-210:(株)高松油脂製)15部、プロピレン リコール 5部、水 45部を混合し、アトライ ー(0.6mm径のガラスビーズ、バッチ式分散機) にて48時間分散し、0.296μmの赤色顔料分散体4 得た。

 <着色インクの調整>
 実施例1の赤色顔料分散体1を上記で得た赤 顔料分散体4に代えた以外は、全て実施例1と 同様にして、スクリーン捺染用着色インク4 得た。
 <着色方法>
 実施例1の着色インク1を、上記の着色イン 4に代えた以外は、全て実施例1と同様にして 、赤色の水玉模様の着色布を得た。

(実施例5)
 <顔料分散体の調整>
 アゾ系赤色有機顔料(C.I.ピグメントレッド15 0)25部、イオン性基としてカルボキル基、疎 基としてフェニル基を持つ重量平均分子量8, 500の高分子型分散剤(ジョンクリル62:BASFジャ ン(株)製)10部、イオン性基としてカルボキ 基、疎水基としてウレタン基を持つ重量平 分子量5,500の高分子型分散剤(フレックス300:( 株)第一工業製薬製)15部、プロピレングリコ ル 5部、水 45部を混合し、アトライター(0.5 mm径のガラスビーズ、バッチ式分散機)にて48 間分散し、0.256μmの赤色顔料分散体5を得た

 <着色インクの調整>
 実施例1の赤色顔料分散体1を上記で得た赤 顔料分散体5に代えた以外は、全て実施例1と 同様にして、スクリーン捺染用着色インク4 得た。
 <着色方法>
 実施例1の着色インク1を、上記の着色イン 5に代えた以外は、全て実施例1と同様にして 、赤色の水玉模様の着色布を得た。

(実施例6)
 <レジューサーの調整>
 水 95部とポリアクリル樹脂系増粘剤(アル プリントPTF:チバスペシャリティケミカル(株 )製)2.5部、アセチルクエン酸トリブチル(ATBC: エン酸系可塑剤)3部を均一に攪拌混合させ 、ターペンレスレジューサー(レジューサー2 )を得た。

 <着色インクの調整>
 実施例1のレジューサー1を上記で得たレジ ーサー2に代えた以外は、全て実施例1と同様 にして、スクリーン捺染用着色インク6を得 。
 <着色方法>
実施例1の着色インク1を、上記の着色インク6 に代えた以外は、全て実施例1と同様にして 赤色の水玉模様の着色布を得た。

(実施例7)
 <着色インクの調整>
 実施例1のレジューサー1を実施例6で得たレ ューサー2に、実施例1の架橋剤のフィクサ Nをエチレンイミン系架橋剤(フィクサーF:(株 )松井色素化学工業所製)にそれぞれ代えた以 は、全て実施例1と同様にして、スクリーン 捺染用着色インク7を得た。
 <着色方法>
 実施例1の着色インク1を、上記の着色イン 7に代えた以外は、全て実施例1と同様にして 、赤色の水玉模様の着色布を得た。

(実施例8)
 <着色インクの調整>
 実施例1のレジューサー1 95部を92部に減量 て、固着剤としてのアクリル樹脂エマルジ ン(マツミンゾールMR50:(株)松井色素化学工業 所製)3部を配合した以外は、全て実施例1と同 様にして、スクリーン捺染用着色インク8を た。
 <着色方法>
 実施例1の着色インク1を、上記の着色イン 8に代えた以外は、全て実施例1と同様にして 、赤色の水玉模様の着色布を得た。

(実施例9)
 <着色インクの調整>
 実施例1のレジューサー1を実施例6で得たレ ューサー2に代え、固着剤としてのマツミン ゾールMR50 3部を配合した以外は、全て実施 1と同様にして、スクリーン捺染用着色イン 9を得た。
 <着色方法>
 実施例1の着色インク1を、上記の着色イン 9に代えた以外は、全て実施例1と同様にして 、赤色の水玉模様の着色布を得た。

(実施例10)
 <着色インクの調整>
 実施例1のレジューサー1 95部を90部に減量 て、湿潤剤としてのエチレングリコール 5 を配合した以外は、全て実施例1と同様にし 、スクリーン捺染用着色インク10を得た。
 <着色方法>
 実施例1の着色インク1を、上記の着色イン 10に代えた以外は、全て実施例1と同様にし 、赤色の水玉模様の着色布を得た。

(実施例11)
 <レジューサーの調整>
 水 55部、非イオン性界面活性剤(エマルゲ 905:(株)花王製)3部、非イオン性界面活性剤( マコールR-600:(株)松井色素化学工業所製)2部 ターペン 45部を均一に攪拌混合させターペ ンレジューサー(レジューサー3)を得た。

 <着色インクの調整>
 実施例1のレジューサー1を上記で得たレジ ーサー3に代えた以外は、全て実施例1と同様 にして、スクリーン捺染用着色インク11を得 。
 <着色方法>
 実施例1の着色インク1を、上記の着色イン 11に代えた以外は、全て実施例1と同様にし 、赤色の水玉模様の着色布を得た。

(実施例12)
 <後処理剤の調整>
 シリコーンエマルジョン(ワッカーフィニッ シュCT-14:旭化成ワッカーシリコン(株))5部、  95部を均一に攪拌混合させて、後処理剤1を 得た。

 <後処理>
 実施例6と同様に着色インク6を調整し、加 (100メッシュの水玉柄のスクリーン型を用い 綿ニット上にハンドプリント)した後、上記 の後処理剤1をパディングし、直ちにマング を用いてピックアップ率70%で絞り、乾燥機 て100℃で乾燥した後、130℃で3分間の熱処理 行い、赤色の水玉模様の着色布を得た。

(実施例13)
 <後処理剤の調整>
 ワッカーフィニッシュCT-14 5部、マツミン ールMR50(固着剤) 3部、水 92部を均一に攪拌 合させて、後処理剤2を得た。

 <着色インクの調整・スクリーン捺染方法 による加工・後処理加工>
 実施例7と同様に着色インク7を調整し、加 (100メッシュの水玉柄のスクリーン型を用い 綿ニット上にハンドプリント)した後、上記 の後処理剤2をパディングし、直ちにマング を用いてピックアップ率70%で絞り、乾燥機 て100℃で乾燥した後、130℃で3分間の熱処理 行い、赤色の水玉模様の着色布を得た。

(実施例14)
 実施例9と同様に着色インク9を調整し、加 (100メッシュの水玉柄のスクリーン型を用い 綿ニット上にハンドプリント)した後、実施 例13に用いた後処理剤2をパディングし、直ち にマングルを用いてピックアップ率70%で絞り 、乾燥機にて100℃で乾燥した後、130℃で3分 の熱処理を行い、赤色の水玉模様の着色布 得た。

(比較例1)
 <顔料分散体の調整>
 アゾ系赤色有機顔料(C.I.ピグメントレッド15 0)25部、非イオン界面活性剤(エマルゲン911:( )花王製)15部、プロピレングリコール 5部、  55部を混合し、アトライター(0.6mm径のガラ スビーズ、バッチ式分散機)にて48時間分散し 、0.305μmの赤色顔料分散体6を得た。

 <着色インクの調整>
 実施例1の赤色顔料分散体1を上記で得た赤 顔料分散体6に代えた以外は、全て実施例1と 同様にして、スクリーン捺染用着色インク12 得た。
 <着色方法>
 実施例1の着色インク1を、上記の着色イン 12に代えた以外は、全て実施例1と同様にし 、赤色の水玉模様の着色布を得た。

(比較例2)
 <顔料分散体の調整>
 アゾ系赤色有機顔料(C.I.ピグメントレッド15 0)25部、陰イオン界面活性剤(ハイテノールN-17 :第一工業製薬(株)製)18部、プロピレングリコ ール 5部、水 52部を混合し、アトライター(0 .6mm径のガラスビーズ、バッチ式分散機)にて4 8時間分散し、0.298μmの赤色顔料分散体7を得 。

 <着色インクの調整>
 実施例1の赤色顔料分散体1を上記で得た赤 顔料分散体7に代えた以外は、全て実施例1と 同様にして、スクリーン捺染用着色インク13 得た。
 <着色方法>
 実施例1の着色インク1を、上記の着色イン 13に代えた以外は、全て実施例1と同様にし 、赤色の水玉模様の着色布を得た。

(比較例3)
 <着色インクの調整>
 実施例1のブロックイソシアネート系架橋剤 (フィクサーN)3部を配合しないこと以外は、 て実施例1と同様にして、スクリーン捺染用 色インク14を得た。
 <着色方法>
 実施例1の着色インク1を、上記の着色イン 14に代えた以外は、全て実施例1と同様にし 、赤色の水玉模様の着色布を得た。

(比較例4)
 <着色インクの調整>
 比較例1のレジューサー1 95部を65部に減量 て、固着剤としてのアクリル樹脂エマルジ ン(マツミンゾールMR50)30部を配合した以外は 、全て比較例1と同様にして、スクリーン捺 用着色インク15を得た。
 <着色方法>
 実施例1の着色インク1を、上記の着色イン 15に代えた以外は、全て実施例1と同様にし 、赤色の水玉模様の着色布を得た。

(比較例5)
 <着色インクの調整>
 比較例2の赤色顔料分散体7 5部、実施例6の ジューサー2 65部、固着剤としてのアクリ 樹脂エマルジョン(マツミンゾールMR50)30部、 ブロックイソシアネート系架橋剤(フィクサ N)3部を配合して、スクリーン捺染用着色イ ク16を得た。
 <着色方法>
 実施例1の着色インク1を、上記の着色イン 16に代えた以外は、全て実施例1と同様にし 、赤色の水玉模様の着色布を得た。

(比較例6)
 <顔料分散体の調整>
 実施例1の顔料分散体1の調整において、ア ライターによる分散時間を20時間に短くした 以外は、全て実施例1と同様にして、0.623μmの 赤色顔料分散体8を得た。

 <着色インクの調整>
 実施例1の赤色顔料分散体1を上記で得た赤 顔料分散体8に代えた以外は、全て実施例1と 同様にして、スクリーン捺染用着色インク17 得た。
 <着色方法>
 実施例1の着色インク1を、上記の着色イン 17に代えた以外は、全て実施例1と同様にし 、赤色の水玉模様の着色布を得た。

(参考例1)
 <着色インクの調整>
 赤色反応性染料(C.I.リアクティブレッド120)5 部、カルボキシメチルセルロース(ファイン ムLV-2:(株)第一工業製薬製)5部、エチレング コール5部、重炭酸ナトリウム 3部、水 82部 を混合してスクリーン捺染用着色インク18と た。

 <着色方法>
 上記スクリーン捺染用着色インク18を100メ シュの水玉柄のスクリーン型を用いて綿ニ ト上にハンドプリントし、乾燥機にて100℃ 乾燥した後、100℃で15分間のスチーム処理を 行って、次いで、水洗、ソーピング処理を順 に行って、赤色の水玉模様の着色布を得た。

 以上の実施例、比較例及び参考例の評価は 以下の表1~6に示す。
 着色布の評価は、以下の方法で行った。
 捺染作業性     :染料での捺染(参考例1) 100とした時の相対評価
 風合い       :手触りによる評価(未処理 布を100とした時の相対評価
 洗濯堅牢度     :JIS L-1029 103法5回の評価 (5級法)
 湿摩擦堅牢度    :JIS L-0829 学振型摩擦試 験(5級法)
 粒度        :粒度分布計(HORIBA LA-700)に 測定

 なお、参考例1の結果は、以下のとおりであ る。
 風合い     :100
 捺染作業性   :100
 洗濯堅牢度   :  4
 摩擦堅牢度(乾):  4
 摩擦堅牢度(湿):  3

 以上の表1~6の結果から、以下のことがいえ 。
(1)顔料分散剤として、本発明の高分子型分散 剤の代わりに、従来の低分子型界面活性剤を 用いた場合には、風合いや捺染作業性は良い が、洗濯堅牢度や摩擦堅牢度は悪化する(比 例1、2)。
(2)上記の場合、固着剤として、通常の樹脂固 着剤を通常量用いた場合には、洗濯堅牢度や 摩擦堅牢度は向上するが、風合が硬くなり、 作業性が悪化する(比較例4、5)。

(3)本発明の高分子型分散剤に、架橋剤を作用 させない場合は、堅牢度が得られない(比較 3)。
(4)本発明の高分子型分散剤により分散された 顔料の粒度が本発明の範囲外のものを用いる と、捺染作業性や風合いはよいが、堅牢度が 悪化する(比較例6)。

(5)本発明の高分子型分散剤により分散された 着色顔料分散体を架橋剤により架橋させる技 術により、染料により着色された着色布と遜 色ない風合いの柔軟な繊維布が得られる。ま た、スクリーン捺染中にスクリーン紗の目詰 まりやインクの増粘が起こることなく捺染作 業性は良好であり、各堅牢度も優れた着色布 が得られた。
(実施例1~14、参考例1)
 以上のことから、本発明の疎水基及びイオ 性基を必須成分とする高分子型分散剤と架 剤の併用には、格別の意義があることが分 る。

 本発明の着色用組成物により、優れた品 の着色繊維製品を製造することが可能とな ので、その価値は大である。