Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
COMPOSITE MATERIAL, PHOTOELECTRIC CONVERSION MATERIAL, DYE-SENSITIZED SOLAR CELL, DYE-SENSITIZED SOLAR CELL DEVICE, MANUFACTURING METHOD FOR PHOTOELECTRIC CONVERSION DEVICE, AND METHOD OF ANALYZING OXYGEN TITANIUM CRYSTAL STRUCTURE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/110618
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided are a composite material and the like, which can realize a highly efficient photoelectric conversion material and the like. One aspect of the invention is a dye-sensitized solar cell device (10) that is characterized by comprising: a first substrate (11), a first conductive layer (12) formed on top of the first substrate; a Pt catalyst layer formed on top of the first conductive layer; an electrolyte layer (13) formed on top of the Pt catalyst layer; a dye adsorption metal oxide layer (14), formed on top of the electrolyte layer, where 7, 7, 8, 8- tetracyanoquinodimethane is adsorbed by anatase-type titanium oxide; a second conductive layer (15) formed on top of the dye adsorption metal oxide layer; and a second substrate (16) formed on top of the second conductive layer. The structure makes it possible to obtain a highly efficient dye-sensitized solar cell device, which can efficiently convert light over a broad wavelength range.

Inventors:
SEGAWA HIROSHI (JP)
FUJISAWA JUN-ICHI (JP)
KUBO TAKAYA (JP)
UCHIDA SATOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/054345
Publication Date:
September 11, 2009
Filing Date:
March 07, 2009
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
UNIV TOKYO (JP)
NIPPON OIL CORP (JP)
SEGAWA HIROSHI (JP)
FUJISAWA JUN-ICHI (JP)
KUBO TAKAYA (JP)
UCHIDA SATOSHI (JP)
International Classes:
H01M14/00; C01G23/04; C09B23/00; C09B57/00; C09B67/02; H01L31/04
Foreign References:
JP2002110260A2002-04-12
Other References:
JUN'ICHI FUJISAWA ET AL.: "TCNE, TCNQ, TCNAQ o Zokanzai ni Mochiita Shikiso Zokan Taiyo Denchi", CSJ: THE CHEMICAL SOCIETY OF JAPAN KOEN YOKOSHU, vol. 88TH, no. 1, 12 March 2008 (2008-03-12), pages 556, XP008139291
BRADLEY W.SMUCKER ET AL.: "Structural, Magnetic, and Optoelectronic Properties of (Diimine) (dithiolato)platinum(II) and -palladium(II) Complexes and Their Charge-Transfer Adducts with Nitrile Acceptors", INORGANIC CHEMISTRY, vol. 42, no. 15, 21 June 2003 (2003-06-21), pages 4714 - 4723, XP008139287
B. W. SMUCKER; J. M. HUDSON; M. A. OMARY; K. R. DUNBR, INORGANIC CHEMISTRY, vol. 42, 2003, pages 4714
See also references of EP 2249430A4
Attorney, Agent or Firm:
TATEISHI, Takuya (JP)
Takuya Tateishi (JP)
Download PDF:
Claims:
下記一般式(1)から(13C)のいずれかで表される化合物又はその還元体塩が金属酸化物に吸着している複合材料であって、
前記金属酸化物に吸着していない前記化合物が示す紫外から近赤外線領域に観測される吸収スペクトルと異なる波長領域に、吸収が観測できることを特徴とする複合材料。
[式中、Rは脂肪族基、芳香族基、または複素環基を表す。]
[式中、R 1 ~R 4 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 6 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[R 1 ~R 12 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[R 1 ~R 6 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよいが、1つ以上のシアノ基を有する。]
[R 1 、R 2 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよいが、1つ以上のシアノ基を有する。]
[R 1 ~R 10 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよいが、1つ以上のシアノ基を有する。]
[R 1 ~R 4 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[R 1 、R 2 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
C 60  (13C)
[C 60 はフラーレン分子、フラーレン分子には置換基が結合されていてもよく、その置換基は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基であり、これらは置換基で置換されてもよい。]
一般式(1)から(13C)の置換基の脂肪族基の炭素数、芳香族基の炭素数及び複素環基の炭素数は30以下であることを特徴とする請求項1記載の複合材料。
下記式(i)から(xvi)のいずれかで表される化合物又はその還元体塩が金属酸化物に吸着していることを特徴とする複合材料。
下記式(a)から(f)のいずれかで表される化合物又はその還元体塩が金属酸化物に吸着していることを特徴とする複合材料。
前記金属酸化物は酸化チタンであることを特徴とする請求項1記載の複合材料。
前記金属酸化物はアナターゼ型酸化チタンであることを特徴とする請求項1記載の複合材料。
下記一般式(1)から(13C)のいずれかで表される化合物又はその還元体塩が半導体に吸着している複合材料であって、
前記半導体に吸着していない前記化合物が示す紫外から近赤外線領域に観測される吸収スペクトルと異なる波長領域に、吸収が観測できることを特徴とする複合材料。
[式中、Rは脂肪族基、芳香族基、または複素環基を表す。]
[式中、R 1 ~R 4 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 6 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[R 1 ~R 12 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[R 1 ~R 6 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよいが、1つ以上のシアノ基を有する。]
[R 1 、R 2 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよいが、1つ以上のシアノ基を有する。]
[R 1 ~R 10 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよいが、1つ以上のシアノ基を有する。]
[R 1 ~R 4 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[R 1 、R 2 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
C 60  (13C)
[C 60 はフラーレン分子、フラーレン分子には置換基が結合されていてもよく、その置換基は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基であり、これらは置換基で置換されてもよい。]
請求項1から7のいずれかに記載の複合材料を有する光電変換材料。
請求項1から7のいずれかに記載の複合材料を有する色素増感太陽電池。
第1基板と、
前記第1基板上に形成された第1導電性層と、
前記第1導電性層上に形成されたPt触媒層と、
前記Pt触媒層上に形成された電解質層と、
前記電解質層上に形成され、7,7,8,8-テトラシアノキノジメタンがアナターゼ型酸化チタンに吸着している色素吸着金属酸化物層と、
前記色素吸着金属酸化物層上に形成された第2導電性層と、
前記第2導電性層上に形成された第2基板と
を備えることを特徴とする色素増感太陽電池素子。
下記一般式(1)から(13C)のいずれかで表される化合物又はその還元体塩を金属酸化物に吸着させ、色素吸着金属酸化物層を形成する工程と、
前記色素吸着金属酸化物層を2つの電極間に配置する工程と
を有し、
前記金属酸化物に吸着していない前記化合物が示す紫外から近赤外線領域に観測される吸収スペクトルと異なる波長領域に、前記色素吸着金属酸化物層の吸収が観測できる光電変換素子を製造する光電変換素子製造方法。
[式中、Rは脂肪族基、芳香族基、または複素環基を表す。]
[式中、R 1 ~R 4 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 6 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[R 1 ~R 12 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[R 1 ~R 6 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよいが、1つ以上のシアノ基を有する。]
[R 1 、R 2 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよいが、1つ以上のシアノ基を有する。]
[R 1 ~R 10 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよいが、1つ以上のシアノ基を有する。]
[R 1 ~R 4 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[R 1 、R 2 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
C 60  (13C)
[C 60 はフラーレン分子、フラーレン分子には置換基が結合されていてもよく、その置換基は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基であり、これらは置換基で置換されてもよい。]
下記一般式(1)から(13C)のいずれかで表される化合物又はその還元体塩を酸化チタンに吸着させることによって前記酸化チタンの結晶構造の情報を得ることを特徴とする酸化チタン結晶構造分析方法。
[式中、Rは脂肪族基、芳香族基、または複素環基を表す。]
[式中、R 1 ~R 4 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 6 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[R 1 ~R 12 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[R 1 ~R 6 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよいが、1つ以上のシアノ基を有する。]
[R 1 、R 2 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよいが、1つ以上のシアノ基を有する。]
[R 1 ~R 10 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよいが、1つ以上のシアノ基を有する。]
[R 1 ~R 4 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
[R 1 、R 2 は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換基で置換されてもよい。]
C 60  (13C)
[C 60 はフラーレン分子、フラーレン分子には置換基が結合されていてもよく、その置換基は、互いに同一であってもよいし、異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はハロゲン基であり、これらは置換基で置換されてもよい。]
電子受容性有機分子が金属酸化物に吸着している複合材料であって、
前記電子受容性有機分子は、前記金属酸化物の電子伝導体の最もエネルギの低い準位よりも、真空準位からのエネルギ差が大きい最低非占有準位を有し、
前記金属酸化物に吸着していない前記電子受容性有機分子が示す紫外から近赤外線領域に観測される吸収スペクトルと異なる波長領域に、吸収が観測できることを特徴とする複合材料。
Description:
複合材料、光電変換材料、色素 感太陽電池、色素増感太陽電池素子、光電 換素子製造方法、及び、酸化チタン結晶構 分析方法

本発明は、複合材料、特に、光電変換材料 、色素増感太陽電池、色素増感太陽電池素子 、光電変換素子製造方法、及び、酸化チタン 結晶構造分析方法に関する。

有機系太陽電池の作製には、高真空や高温 プロセスを多用することがなく、低コスト原 料を用いることが可能なため、光発電用途ひ いては次世代の低コスト太陽電池として、い わゆるグレッツェルタイプ(湿式)色素増感太 電池は、特に注目されている。

グレッツェルタイプ色素増感太陽電池は、 透明導電性基板上に焼結した酸化チタンなど の金属ナノ粒子層に色素を吸着させた光電変 換電極、Ptやカーボン材料の薄膜を形成した 電性基板からなる対向電極、及び、それら 極でヨウ素などのレドックス対を含む電解 層を挟んだ構造をしている。この色素増感 陽電池の光電変換効率は、色素の太陽光吸 能に大きく依存する。グレッツェルタイプ 素増感太陽電池では、11%(1cm角サイズ)と、 機系太陽電池としては最も高い光電変換効 が報告されているが、実用化に向けてはさ なる高効率化が必要である。

また、このグレッツェルタイプ色素増感太 陽電池で用いられているRu金属錯体は、希少 属であるRuを含むため、高性能かつ低コス である色素の開発が望まれてきた。一般に 酸化チタンなどの金属酸化物表面のOH基を利 用して、色素を化学吸着させる方法を用いる ため、色素にはCOOH基やPOOH基といった官能基 導入が必要となり、色素合成のステップが えるため、合成コスト増につながる場合も った。

太陽電池については既に多くの研究がなさ れてきていたが、上述のように、さらなる商 業化のためにはまだ乗り越えなければならな い多くの壁があった。

B. W. Smucker, J. M. Hudson, M. A. Omary,and  K. R. Dunbr, Inorganic Chemistry, 42, 4714(2003).

本発明は、上述の背景技術に鑑みてなされ たものであり、高い効率の光電変換材料など を実現できる複合材料などを提供することを 目的とする。

この発明によれば、上述の目的を達成する ために、特許請求の範囲に記載のとおりの構 成を採用している。以下、この発明を詳細に 説明する。

本発明の第1の側面は、
下記一般式(1)から(13C)のいずれかで表される 合物又はその還元体塩が金属酸化物に吸着 ている複合材料であって、
前記金属酸化物に吸着していない前記化合物 が示す紫外から近赤外線領域に観測される吸 収スペクトルと異なる波長領域に、吸収が観 測できることを特徴とする複合材料。
[式中、Rは脂肪族基、芳香族基、または複素 基を表す。]
[式中、R 1 ~R 4 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 6 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[R 1 ~R 12 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[R 1 ~R 6 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよいが、1つ以上のシアノ を有する。]
[R 1 、R 2 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよいが、1つ以上のシアノ を有する。]
[R 1 ~R 10 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよいが、1つ以上のシアノ を有する。]
[R 1 ~R 4 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[R 1 、R 2 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
C 60  (13C)
[C 60 はフラーレン分子、フラーレン分子には置換 基が結合されていてもよく、その置換基は、 互いに同一であってもよいし、異なってもよ く、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環 基又はハロゲン基であり、これらは置換基で 置換されてもよい。]
にある。

本構成によれば、高い効率の光電変換材料 などを実現できる複合材料が得られる。

本発明の第2の側面は、
一般式(1)から(13C)の置換基の脂肪族基の炭素 、芳香族基の炭素数及び複素環基の炭素数 30以下であることを特徴とする請求項1記載 複合材料。
にある。

本発明の第3の側面は、
下記式(i)から(xvi)のいずれかで表される化合 又はその還元体塩が金属酸化物に吸着して ることを特徴とする複合材料。

本構成によれば、高い効率の光電変換材料 などを実現できる複合材料が得られる。

本発明の第4の側面は、
下記式(a)から(f)のいずれかで表される化合物 又はその還元体塩が金属酸化物に吸着してい ることを特徴とする複合材料。
にある。

本構成によれば、高い効率の光電変換材料 などを実現できる複合材料が得られる。

本発明の第5の側面は、
前記金属酸化物は酸化チタンであることを特 徴とする請求項1記載の複合材料。
にある。

本構成によれば、高い効率の光電変換材料 などを実現できる複合材料が得られる。

本発明の第6の側面は、
前記金属酸化物はアナターゼ型酸化チタンで あることを特徴とする請求項1記載の複合材 。
にある。

本構成によれば、幅広い波長に渡って光を 効率よく変換できる高い効率の光電変換材料 などを実現できる複合材料が得られる。

本発明の第7の側面は、
下記一般式(1)から(13C)のいずれかで表される 合物又はその還元体塩が半導体に吸着して る複合材料であって、
前記半導体に吸着していない前記化合物が示 す紫外から近赤外線領域に観測される吸収ス ペクトルと異なる波長領域に、吸収が観測で きることを特徴とする複合材料。
[式中、Rは脂肪族基、芳香族基、または複素 基を表す。]
[式中、R 1 ~R 4 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 6 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[R 1 ~R 12 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[R 1 ~R 6 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよいが、1つ以上のシアノ を有する。]
[R 1 、R 2 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよいが、1つ以上のシアノ を有する。]
[R 1 ~R 10 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよいが、1つ以上のシアノ を有する。]
[R 1 ~R 4 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[R 1 、R 2 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
C 60  (13C)
[C 60 はフラーレン分子、フラーレン分子には置換 基が結合されていてもよく、その置換基は、 互いに同一であってもよいし、異なってもよ く、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環 基又はハロゲン基であり、これらは置換基で 置換されてもよい。]
にある。

本構成によれば、高い効率の光電変換材料 などを実現できる複合材料が得られる。

本発明の第8の側面は、
請求項1から7のいずれかに記載の複合材料を する光電変換材料。
にある。

本発明の第9の側面は、
請求項1から7のいずれかに記載の複合材料を する色素増感太陽電池。
にある。

本発明の第10の側面は、
第1基板と、
前記第1基板上に形成された第1導電性層と、
前記第1導電性層上に形成されたPt触媒層と、
前記Pt触媒層上に形成された電解質層と、
前記電解質層上に形成され、7,7,8,8-テトラシ ノキノジメタンがアナターゼ型酸化チタン 吸着している色素吸着金属酸化物層と、
前記色素吸着金属酸化物層上に形成された第 2導電性層と、
前記第2導電性層上に形成された第2基板と
を備えることを特徴とする色素増感太陽電池 素子。
にある。

本構成によれば、幅広い波長に渡って光を 効率よく変換できる高い効率の色素増感太陽 電池素子が得られる。

本発明の第11の側面は、
下記一般式(1)から(13C)のいずれかで表される 合物又はその還元体塩を金属酸化物に吸着 せ、色素吸着金属酸化物層を形成する工程 、
前記色素吸着金属酸化物層を2つの電極間に 置する工程と
を有し、
前記金属酸化物に吸着していない前記化合物 が示す紫外から近赤外線領域に観測される吸 収スペクトルと異なる波長領域に、前記色素 吸着金属酸化物層の吸収が観測できる光電変 換素子を製造する光電変換素子製造方法。
[式中、Rは脂肪族基、芳香族基、または複素 基を表す。]
[式中、R 1 ~R 4 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 6 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[R 1 ~R 12 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[R 1 ~R 6 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよいが、1つ以上のシアノ を有する。]
[R 1 、R 2 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよいが、1つ以上のシアノ を有する。]
[R 1 ~R 10 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよいが、1つ以上のシアノ を有する。]
[R 1 ~R 4 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[R 1 、R 2 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
C 60  (13C)
[C 60 はフラーレン分子、フラーレン分子には置換 基が結合されていてもよく、その置換基は、 互いに同一であってもよいし、異なってもよ く、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環 基又はハロゲン基であり、これらは置換基で 置換されてもよい。]
にある。

本構成によれば、高い効率の光電変換素子 が得られる。

本発明の第12の側面は、
下記一般式(1)から(13C)のいずれかで表される 合物又はその還元体塩を酸化チタンに吸着 せることによって前記酸化チタンの結晶構 の情報を得ることを特徴とする酸化チタン 晶構造分析方法。
[式中、Rは脂肪族基、芳香族基、または複素 基を表す。]
[式中、R 1 ~R 4 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 6 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[式中、R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[R 1 ~R 12 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[R 1 ~R 6 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよいが、1つ以上のシアノ を有する。]
[R 1 、R 2 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよいが、1つ以上のシアノ を有する。]
[R 1 ~R 10 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよいが、1つ以上のシアノ を有する。]
[R 1 ~R 4 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
[R 1 、R 2 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。]
C 60  (13C)
[C 60 はフラーレン分子、フラーレン分子には置換 基が結合されていてもよく、その置換基は、 互いに同一であってもよいし、異なってもよ く、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環 基又はハロゲン基であり、これらは置換基で 置換されてもよい。]
にある。

本構成によれば、酸化チタンのアナターゼ 型やルチル型といった結晶構造に関する情報 をシンプルな方法で得ることができる。

本発明の第13の側面は、
電子受容性有機分子が金属酸化物に吸着して いる複合材料であって、
前記電子受容性有機分子は、前記金属酸化物 の電子伝導体の最もエネルギの低い準位より も、真空準位からのエネルギ差が大きい最低 非占有準位を有し、
前記金属酸化物に吸着していない前記電子受 容性有機分子が示す紫外から近赤外線領域に 観測される吸収スペクトルと異なる波長領域 に、吸収が観測できることを特徴とする複合 材料
にある。

本構成によれば、有用な光電変換材料など を得ることができる。

なお、脂肪族基とは、その脂肪族部位は直 鎖または分岐鎖で飽和であっても不飽和であ っても良く、例えばアルキル基、アルケニル 基、アルキニル基を表し、これらは無置換で あっても置換基を有していてもよい。芳香族 基又は複素環基とは、単環であっても縮合環 であっても良く、無置換であっても置換基を 有していてもよい。ハロゲンとは、例えば、 フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アスタチンで あり、典型元素17族の元素である。

還元体塩を形成する場合には、例えば、上 述の化合物が電子を受容することによって還 元される場合がある。

吸着には、静電気力、ファンデルワールス 力などにより吸着する物理吸着と、配位結合 、共有結合などによる化学吸着が含まれる。

上述のように、金属酸化物などに吸着して いない上述の化合物が示す紫外から近赤外線 領域に観測される吸収スペクトルと異なる波 長領域に、複合材料の吸収が観測できること が好ましい。この複合材料の新たな吸収は、 紫外から近赤外線領域でなくともよいが、紫 外から近赤外線領域にあればさらに好ましい 。また、この複合材料の新たな吸収は、金属 酸化物などに吸着していない上述の化合物が 示す紫外から近赤外線領域に観測される吸収 スペクトルよりも長波長側に観測されればさ らに好ましい。ここで、紫外から近赤外線領 域とは、例えば、200nm以上3000nm以下の波長の 域である。

なお、紫外から近赤外線領域における吸収 スペクトル測定で、複合材料が示す吸収スペ クトルの長波長側の裾は、金属酸化物などに 吸着していない上述の化合物が示す吸収スペ クトルの長波長側の裾よりも、長波長側で観 測されることも好ましい。また、紫外から近 赤外線領域における吸収スペクトル測定で、 複合材料が示す吸収スペクトルは、金属酸化 物などに吸着していない上述の化合物が示す 吸収スペクトルよりも、長波長側で現れるこ とが好ましい。

本発明によれば、高い効率の光電変換材料 などを実現できる複合材料などが得られる。

本発明のさらに他の目的、特徴又は利点は 、後述する本発明の実施の形態や添付する図 面に基づく詳細な説明によって明らかになる であろう。

色素増感太陽電池の断面構造である。 TCNQおよびTCNQ溶液への浸漬処理を行っ 酸化チタンの吸収スペクトルである。 TCNQを用いた光電変換素子のIPCEスペク ルである。 TCNEおよびTCNE溶液への浸漬処理を行っ 酸化チタンの吸収スペクトルである。 TCNEを用いた光電変換素子のIPCEスペク ルである。 TCNQ-F 4 およびTCNQ-F 4 溶液への浸漬処理を行った酸化チタンの吸収 スペクトルである。 TCNQ-F 4 を用いた光電変換素子のIPCEスペクトルであ 。 TCNAQ及びTCNAQ溶液への浸漬処理を行った 酸化チタンの吸収スペクトルである。 TCNAQを用いた光電変換素子のIPCEスペク ルである。 メチルビオロゲンのアセトニトリル溶 液に浸漬した後の酸化チタンの吸収スペクト ルである。 太陽電池セルのIPCEを300nmから1100nmの範 囲で計測した結果を示す図である。 ソーラーシミュレーターを用いて、擬似太陽 光源(AM1.5, 100mW/cm 2 )を照射し、太陽電池セルの電流電圧特性を 定した結果を示す図である。 クロラニルのアセトニトリル溶液に浸 漬した後の酸化チタンの吸収スペクトルであ る。 太陽電池セルのIPCEを300nmから1100nmの範 囲で計測した結果を示す図である。 ソーラーシミュレーターを用いて、擬似太陽 光源(AM1.5, 100mW/cm 2 )を照射し、太陽電池セルの電流電圧特性を 定した結果を示す図である。 TCNQを用いた光電変換素子のIPCEスペク ルのLiI濃度依存性である。 アナターゼ、ルチル型TiO 2 へのTCNQ吸着前後の酸化チタン色変化を示す である。 アナターゼとルチルが混合した酸化チ タンをTCNQ溶液に浸漬した時の色変化を示す である。

符号の説明

10 色素増感太陽電池素子
11 ガラス基板
12 導電性層
13 電解質層
14 色素吸着金属酸化物層
15 透明導電性層
16 ガラス基板

以下、本発明の実施の形態について図面を 参照しながら詳細に説明する。

[概要]

本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、シ アノ基を有する有機分子と金属酸化物などと からなる界面複合体が、それぞれの吸収領域 と異なる、可視領域から近赤外領域に渡る幅 広い光吸収を示すことを見出した。シアノ基 を有する有機分子の例としては、テトラシア ノキノジメタン(TCNQ)など多数の化合物を例示 することができる。

本実施形態によれば、シアノ基を有する有 機分子は、テトラシアノキノジメタンなどを Ru金属錯体として使用する場合よりも、大幅 色素材料のコスト低減が可能な、汎用性の い市販の有機分子を用いることができ、さ なる製造コストの低減が可能となる。

以下、本実施形態について詳細に説明する 。

[化合物など]

所定の間隔を隔てて対面する光透過性を有 する導電性基板上に半導体層と光増感色素と を有する光電変換電極と導電性基板上にPtな の触媒層を有する電極を対向させ、これら 板間に電解質層を設置し,これら基板間の周 縁部をシールした構成の色素増感型太陽電池 において、光増感色素が、可視から近赤外領 域に掛け幅広い吸収を示す。

図1は、色素増感太陽電池素子の断面構造 例を示す図である。色素増感太陽電池素子10 では、ガラス基板11、Pt薄膜付き導電性層12、 電解質層13、色素吸着金属酸化物層14、透明 電性層15、ガラス基板16が下から順に積層さ ている。この色素増感太陽電池素子では、 ラス基板11とガラス基板16とが所定の間隔を 隔てて対面している。一方のガラス基板16は 光透過性を有する導電性基板15上に、半導 と有機分子とを備え、光電変換を行なう色 吸着金属酸化物層14を有し、対面するガラス 基板11は、その上に形成された導電性基板12 に触媒層を有し、これら基板間に電解質層13 を設置し,これら基板間の周縁部にシール材 設置して,セルを形成している。

また,本実施形態にかかる有機分子の一般式 、例えばR(CN) n (nは2以上の整数)で表される。複数の有機分 を混合して使うこともできる。好ましくは ジシアノ基を有する有機分子が挙げられる 具体的には以下に示す分子を挙げることが きる。

また、上述の化合物と重複するものも含め、 例えば、下記の化合物は酸化チタンへの吸着 させた状態において着色が確認されており、 上述の化合物と同様の効果を奏すると考えら れる。

さらに、下記の一般式で表される化合物及び その還元体塩もまた同等の骨格又は置換基を 有するため、上述の化合物と同様の効果を奏 すると考えられる。
Rは、脂肪族基、芳香族基、又は複素環基を す。なお、この化合物は、上述の化合物(i)~( ix)に対する一般式に当たる。
R 1 ~R 4 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。なお、この化合物は 、(ii)~(vii)に対する一般式に当たる。

ここで、脂肪族基の炭素数は1以上30以下が 好ましく、さらには1以上20以下が好ましい。 また、芳香族基又は複素環基の炭素数は6以 30以下が好ましく、さらには1以上20以下が好 ましい。以下の一般式でも同様である。

R 1 ~R 6 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。なお、この化合物は 、上述の化合物(viii)に対する一般式に当たる 。
R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。なお、この化合物は 、上述の化合物(ix)に対する一般式に当たる
R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。
R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。
R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。
R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。
R 1 ~R 12 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。
R 1 ~R 6 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよいが、1つ以上のシアノ を有する。なお、この化合物は、上述の化 物(x)に対する一般式に当たる。
R 1 、R 2 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。なお、この化合物は 、上述の化合物(xi)に対する一般式に当たる
R 1 ~R 8 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよいが、1つ以上のシアノ を有する。なお、この化合物は、(xii)に対す る一般式に当たる。
R 1 ~R 10 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよいが、1つ以上のシアノ を有する。
R 1 ~R 4 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。
R 1 、R 2 は、互いに同一であってもよいし、異なって もよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複 素環基又はハロゲン基を表し、これらは置換 基で置換されてもよい。
C 60  (13C)
C 60 はフラーレン分子、フラーレン分子には置換 基が結合されていてもよく、その置換基は、 互いに同一であってもよいし、異なってもよ く、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環 基又はハロゲン基であり、これらは置換基で 置換されてもよい。

フラーレン分子の例としては、下記のC 60 、その少なくとも一部が置換されたC 60 誘導体などを挙げることができる。

[その他の実施形態]

有機分子を金属酸化物に吸着させる方法、 又は、有機分子を金属酸化物上に配置する方 法としては、有機分子を溶解した溶液に金属 酸化物を浸漬させる方法や、有機分子溶液を スプレー法、スピンコート法、ドクターブレ ード法、グラビア印刷法などの印刷手法など 一般的な湿式膜形成プロセスを用いて塗布す ることができる。また、有機分子を抵抗加熱 や電子線加熱による蒸着法や分子線エピタキ シなど乾式法を用いることができる。さらに 、浸漬法を用いる場合は、有機分子の濃度は 用いる有機分子と溶媒により最適な値を適宜 選択することになるが、例えば、0.1mM以上10mM 以下であり、好ましくは、0.5mM以上5mM以下で る。また、浸漬時間は、10分以上200時間以 であるが、好ましくは、10時間以上100時間以 下である。また、例えば、色素溶液への浸漬 する際の温度は、0℃以上100℃以下であるが 好ましくは、10℃以上50℃以下である。

用いる溶媒としては、色素を溶解しかつ半 導体層を溶解しなければ特に制限されること はなく、メタノール、エタノール、1-プロパ ール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブ ノール、t-ブタノールなどのアルコール、 セトニトリル、プロピオニトリル、メトキ プロピオニトリル、グルタロニトリルなど ニトリル系溶媒、ベンゼン、トルエン、o-キ シレン、m-キシレン、p-キシレン、ペンタン ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘ タン、アセトン、メチルエチルケトン、ジ チルケトン、2-ブタノン、ジエチルエーテル 、テトラヒドロフラン、エチレンカーボネー ト、プロピレンカーボネート、ニトロメタン 、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ シド、ヘキサメチルホスホアミド、ジメトキ シエタン、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラク トン、スルホラン、ジメトキシエタン、アジ ポニトリル、メトキシアセトニトリル、ジメ チルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジ メチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホ ラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル 、リン酸トリプロピル、リン酸エチルジメチ ル、リン酸トリブチル、リン酸トリペンチル 、リン酸トリへキシル、リン酸トリヘプチル 、リン酸トリオクチル、リン酸トリノニル、 リン酸トリデシル、リン酸トリス(トリフフ ロメチル)、リン酸トリス(ペンタフロロエチ ル)、リン酸トリフェニルポリエチレングリ ール、ポリエチレングリコール等が使用可 である。

本実施形態の光電変換素子において、用いら れる半導体層としては、特に限定されないが 、例えば、SnO 2 、TiO 2 、WO 3 、ZnOであり、複数の組み合わせであってもよ い。特に好ましくはTiO 2 、ZnO、SnO 2 であり、最も好ましくはTiO 2 、ZnOである。

本実施形態に用いる半導体は単結晶でも多 結晶でも良い。結晶系としては、アナターゼ 型、ルチル型、ブルッカイト型などが主に用 いられるが、好ましくはアナターゼ型である 。半導体層の形成には公知の方法を用いるこ とができる。

半導体層の形成方法としては、上記半導体 のナノ粒子分散液、ゾル溶液等を、公知の方 法により基板上に塗布することで得ることが 出来る。この場合の塗布方法としては特に限 定されずキャスト法による薄膜状態で得る方 法、スピンコート法、ディップコート法、バ ーコート法のほか、スクリーン印刷法を始め とした各種の印刷方法を挙げることができる 。

半導体層の厚みは任意であるが0.5μm以上、 50μm以下、好ましくは1μm以上30μm以下である

導電性を有する基板としては、導電性のない 基板に導電性層を形成したものや基板自体が 導電性を有する基板でも良い。また、材質、 厚さ、寸法、形状等は目的に応じて適宜選択 することができる。基板には金、銀、銅など の金属のほか、例えば無色あるいは有色ガラ ス等が用いられる。また、無色あるいは有色 の透明性を有する樹脂でも良い。これらの樹 脂としては、具体的には、ポリエチレンテレ フタレートなどのポリエステル、ポリアミド 、ポリスルホン、ポリエーテルサルホン、ポ リエーテルエーテルケトン、ポリフェニレン サルファイド、ポリカーボネート、ポリイミ ド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレ ン、トリ酢酸セルロース、ポリメチルペンテ ンなどが挙げられる。なお、本実施形態にお ける基板とは、例えば、常温において平滑な 面を有するものであり、その面は平面あるい は曲面であってもよく、また応力によって変 形するものであってもよい。また、基板に導 電性を付与するために、表面には、例えば金 、銀、クロム、銅、タングステンなどの金属 薄膜、金属酸化物からなる導電膜を配しても 良い。金属酸化物としては、例えば、インジ ウム、錫や亜鉛などの金属酸化物に、他の金 属元素を微量ドープしたIndium Tin Oxide(ITO(In 2 O 3 :Sn))、Fluorine doped Tin Oxide(FTO(SnO 2 :F))、Aluminum doped Zinc Oxide(AZO(ZnO:Al))などが好 適なものとして用いられる。

導電膜としては、例えば、10nm~2μm,好まし は100nm~1μmの膜厚であり,また、シート抵抗は 、例えば、0.5~100ω/sq、好ましくは2~50ω/sqであ る。これらの導電膜は、真空蒸着法、イオン プレーティング法、CVD法、電子ビーム真空蒸 着法、スパッタリング法等の公知の方法で基 板上に作製することができる。

次に、透明導電性基板について説明する。

透明導電性基板は、例えば、透明基板上に 透明電極層を積層させて製造される。透明基 板としては、特に限定されず、材質、厚さ、 寸法、形状等は目的に応じて適宜選択するこ とができ、例えば無色あるいは有色ガラス、 網入りガラス、ガラスブロック等が用いられ る他、無色あるいは有色の透明性を有する樹 脂でも良い。具体的には、ポリエチレンテレ フタレートなどのポリエステル、ポリアミド 、ポリスルホン、ポリエーテルサルホン、ポ リエーテルエーテルケトン、ポリフェニレン サルファイド、ポリカーボネート、ポリイミ ド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレ ン、トリ酢酸セルロース、ポリメチルペンテ ンなどが挙げられる。なお、本実施形態にお ける透明とは、例えば30~100%の透過率を有す ことであり、また、本実施形態における基 とは、例えば、常温において平滑な面を有 るものであり、その面は平面あるいは曲面 あってもよく、また応力によって変形する のであってもよい。

液体系の電解質としては特に限定されるも のではなく、例えば、溶媒、可逆な電気化学 的酸化還元特性を示す物質(溶媒に可溶なも )およびさらに必要に応じて支持電解質を基 的成分として構成される。

溶媒としては、一般に電気化学セルや電池 に用いられる溶媒であればいずれも使用する ことができる。具体的には、無水酢酸、メタ ノール、エタノール、テトラヒドロフラン、 プロピレンカーボネート、ニトロメタン、ア セトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメ チルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミ ド、エチレンカーボネート、ジメトキシエタ ン、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、 スルホラン、ジメトキシエタン、プロピオン ニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリ ル、メトキシアセトニトリル、ジメチルアセ トアミド、メチルピロリジノン、ジメチルス ルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、リ ン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸 トリプロピル、リン酸エチルジメチル、リン 酸トリブチル、リン酸トリペンチル、リン酸 トリへキシル、リン酸トリヘプチル、リン酸 トリオクチル、リン酸トリノニル、リン酸ト リデシル、リン酸トリス(トリフフロロメチ )、リン酸トリス(ペンタフロロエチル)、リ 酸トリフェニルポリエチレングリコール、 びポリエチレングリコール等が使用可能で る。特に、プロピレンカーボネート、エチ ンカーボネート、ジメチルスルホキシド、 メトキシエタン、アセトニトリル、γ-ブチ ラクトン、スルホラン、ジオキソラン、ジ チルホルムアミド、ジメトキシエタン、テ ラヒドロフラン、アジポニトリル、メトキ アセトニトリル、メトキシプロピオニトリ 、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジ ン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸ト エチルが好ましい。

また、溶媒として常温溶融塩類も用いるこ とができる。ここで、常温溶融塩とは、例え ば、溶媒成分が含まれないイオン対のみから なる常温において溶融している(即ち液状の) オン対からなる塩であり、融点が20℃以下 あり、20℃を越える温度で液状であるイオン 対からなる塩を示すものである。

また、可逆な電気化学的酸化還元特性を示す 物質は、例えば、いわゆるレドックス材と称 されるものが挙げられるが、特にその種類を 制限するものではない。かかる物質としては 、例えば、フェロセン、p-ベンゾキノン、7,7, 8,8-テトラシアノキノジメタン、N,N,N’,N’-テ トラメチル-p-フェニレンジアミン、テトラチ アフルバレン、チアントラセン、p-トルイル ミン等を挙げることができる。また、LiI、N aI、KI、CsI、CaI 2 、4級イミダゾリウムのヨウ素塩、テトラア キルアンモニウムのヨウ素塩、Br 2 とLiBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBr 2 などの金属臭化物などが挙げられ、また、Br 2 とテトラアルキルアンモニウムブロマイド、 ビピリジニウムブロマイド、臭素塩、フェロ シアン酸―フェリシアン酸塩などの錯塩、ポ リ硫化ナトリウム、アルキルチオール-アル ルジスルフィド、ヒドロキノン-キノン、ビ ロゲン色素などを挙げることができる。

レドックス材は、酸化体、還元体のどちらか 一方のみを用いてもよいし、酸化体と還元体 を適当なモル比で混合し、添加することもで きる。また、電気化学的応答性を示すように 、これら酸化還元対を添加するなどしても良 い。そのような性質を示す材料としては、ハ ロゲンイオン、SCN - 、ClO 4 - 、BF 4 - 、CF 3 SO 3 - 、(CF 3 SO 2 ) 2 N - 、(C 2 F 5 SO 2 ) 2 N - 、PF 6 - 、AsF 6 - 、CH 3 COO - 、CH 3 (C 6 H 4 )SO 3 - 、および(C 2 F 5 SO 2 ) 3 C - から選ばれる対アニオンを有するフェロセニ ウムなどのメタロセニウム塩などのほか、ヨ ウ素、臭素、塩素などのハロゲン類を用いる こともできる。

また、可逆な電気化学的酸化還元特性を示 す物質として、レドックス性常温溶融塩類も 用いることができる。ここで、レドックス性 常温溶融塩とは、例えば、溶媒成分が含まれ ないイオン対のみからなる常温において溶融 している(即ち液状の)イオン対からなる塩で り、例えば、融点が20℃以下であり、20℃を 越える温度で液状であるイオン対からなる塩 を示すものであって、かつ可逆的な電気化学 的酸化還元反応を行うことができるものであ る。

レドックス性常温溶融塩はその1種を単独 使用することができ、また2種以上を混合し も使用することもできる。

可逆な電気化学的酸化還元特性を示す物質 の使用量は、溶媒に溶解する限りにおいては 、特に限定されるものではないが、溶媒に対 して、例えば、1質量%~50質量%、好ましくは3 量%~30質量%であることが望ましい。

また、必要に応じて加えられる支持電解質 としては、電気化学の分野又は電池の分野で 一般に使用される塩類、酸類、アルカリ類、 常温溶融塩類が使用できる。

塩類としては、特に制限はなく、例えば、 アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無 機イオン塩、4級アンモニウム塩、環状4級ア モニウム塩、4級ホスホニウム塩などが使用 でき、特にヨウ化リチウム等のLi塩が好まし 。

なお、リチウム塩を電解質に添加する場合 の濃度としては、金属酸化物および有機分子 の種類に対して、適量は範囲が存在する。例 えば、酸化チタンにTCNQを吸着させた光電変 層を用いて、光電変換素子を作製する場合 電解液中に1.0~2.0mol/L添加すると光電変換効 の向上が確認される。

また、電解質としては、前記のような液体 系でもよいが,高分子固体電解質(イオン伝導 フィルム)を使用してもよい。高分子固体電 解質としては、特に好ましいものとして、高 分子マトリックスに、少なくとも可逆な電気 化学的酸化還元特性を示す物質を含有し、所 望により可塑剤をさらに含有するものが挙げ られる。また、これらに加え、所望によりさ らに前記した支持電解質や常温溶融塩などの 他の任意成分を含有させてもよい。

高分子マトリックスとして使用できる材料 としては、高分子マトリックス単体で、ある いは可塑剤の添加や、支持電解質の添加、ま たは可塑剤と支持電解質の添加によって固体 状態またはゲル状態が形成されれば特に制限 は無く、一般的に用いられるいわゆる高分子 化合物を用いることができる。

上記高分子マトリックスとしての特性を示 す高分子化合物としては、ヘキサフロロプロ ピレン、テトラフロロエチレン、トリフロロ エチレン、エチレン、プロピレン、アクリロ ニトリル、塩化ビニリデン、アクリル酸、メ タクリル酸、メチルアクリレート、エチルア クリレート、メチルメタクリレート、スチレ ン、フッ化ビニリデンなどのモノマーを重合 または共重合して得られる高分子化合物を挙 げることができる。またこれらの高分子化合 物は単独で用いても良く、また混合して用い ても良い。これらの中でも、特にポリフッ化 ビニリデン系高分子化合物が好ましい。

上述の有機化合物が増感色素としてカバー しきれない領域の(太陽)光吸収を補うために の増感色素と組み合わせて用いる事ができ 。ここにおいて他の増感色素としてはアゾ 色素、キナクリドン系色素、ジケトピロロ ロール系色素、スクワリリウム系色素、シ ニン系色素、メロシアニン系色素、トリフ ニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポ フィン系色素、クロロフィル系色素、ルテ ウム錯体系色素、インジゴ系色素、ペリレ 系色素、ジオキサジン系色素、アントラキ ン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタ シアニン系色素等、およびその誘導体等が げられる。これらの増感色素はその構造中 無機半導体多孔質体表面に吸着することが きるような官能基を有していることも好ま い。その理由としては、光励起された色素 励起電子を無機半導体多孔質体の伝導帯に 速に伝えることができることがあげられる ここでいう、官能基とは、カルボキシル基 ヒドロキシ基、ヒドロキサム酸基、スルホ 酸基、ホスホン酸基、およびホスフィン酸 等があげられるが、無機半導体多孔質体表 に増感色素を吸着し、色素の励起電子を無 半導体多孔質体の伝導帯に迅速に伝える役 を有する置換基であればこれに限らない。

また、上述の有機化合物は、光電変換用増 感色素として吸着基を介して無機半導体多孔 質体表面に吸着することによって無機半導体 多孔質体が増感された光電変換材料を形成し てもよい。無機半導体は一般的に一部の領域 の光に対して光電変換機能を有しているが、 この表面が増感色素を吸着することによって 可視光および/又は近赤外光領域までの光電 換も可能となる。無機半導体多孔質体の材 としては主に無機酸化物、特に金属酸化物 用いられるが、増感色素を吸着することに って光電変換機能を有する無機半導体多孔 体ならこれに限らない。無機半導体として シリコン、ゲルマニウム、III族‐V族系半導 、金属カルコゲニド等が挙げられる。本発 で用いられる無機酸化物多孔質体としては 酸化チタン、酸化スズ、酸化タングステン 酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化ニオブ、 化鉄、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化 トロンチウム、酸化タンタル、酸化アンチ ン、酸化ランタノイド、酸化イットリウム 酸化バナジウム等の多孔質体を挙げること できるが、これらの表面が増感色素を吸着 ることによって可視光および/又は近赤外光 領域までの光電変換が可能となるものであれ ばこれに限らない。無機酸化物多孔質体表面 が増感色素によって増感されるためには無機 酸化物の伝導帯が増感色素の光励起順位から 電子を受け取りやすい位置に存在することが 望ましい。このため前記無機酸化物多孔質体 の中でも酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、 酸化ニオブ等が特に用いられる。さらに、価 格や環境衛生性等の点から、酸化チタンが特 に用いられる。本発明においては前記無機酸 化物多孔質体から一種又は複数の種類を選択 して組み合わせることができる。

以下に実施例を挙げ、本実施形態を具体的 に説明するが、本実施形態はこれらになんら 制限されるものではない。

[実施例1]

―光電変換層作製―
表面抵抗値10ω/sqの15mm×25mmサイズのFTO膜付き ラス基板上に,SOLARONIXS社製のチタニアペー トTi-Nanoxide T/SPをスクリーン印刷法により塗 布し120℃で3分間乾燥させた。塗布した基板 、500℃で30分焼成した。焼成後のチタニア半 導体層の膜厚を触針式膜厚計で計測したとこ ろ20μmであることが分かった。TCNQ(7,7,8,8-テト ラシアノキノジメタン)で表される有機分子 アセトニトリル溶液(濃度:3mM)を調製し、前 酸化チタン基板を190時間浸漬させることで 光電変換電極を作製した。

―光電変換層評価―
図2は、TCNQのアセトニトリル溶液の吸収スペ トル(a)とアセトニトリル溶液に浸漬した後 酸化チタンの吸収スペクトル(b)を示す図で る。図において、実線は拡散反射差分スペ トルを、破線は、アセトニトリル中の吸収 ペクトルを表す。この酸化チタンの吸収ス クトルは、TCNQのアセトニトリル溶液の吸収 スペクトルと異なり、可視から近赤外に渡り 、吸収を示した。なお、色素溶液に浸漬し、 着色した酸化チタン基板は、光散乱性を有す るため、吸収スペクトルは、以下の要領で測 定を行った。色素溶液に浸漬する前の拡散反 射スペクトル(R TiO2 (λ))を、積分球を装着した自記分光光度計(V-5 70、日本分光)を用いて測定した。同様に色素 溶液に浸漬した後の酸化チタン基板の拡散反 射スペクトル(R TiO2-dye (λ))を計測した。それらを用いて、次式より 収スペクトルを求めた。

―太陽電池セル作製―
直径0.7mmの電解液注入孔を2つ有するFTO膜付き ガラス基板上に膜厚1nmでPtを成膜した対向電 の周囲にハイミラン(膜厚30μm)を配置し、前 記光電極と合わせた後に、前記電解液注入孔 より、2.0mol/Lのヨウ化リチウムと0.025mol/Lのヨ ウ素を含むアセトニトリル溶液を挿入し、色 素増感太陽電池セルを作製した。

―太陽電池特性評価―
図3は、TCNQを用いた光電変換素子のIPCEスペク トルである。上述の方法で得たセルのIPCE(inci dent-photon conversion efficiency)を300nmから1100nmの 囲で計測した。その結果、図に示す通り、 外から800nmに渡り、光吸収に対応した領域 、高いIPCEを得ることができた。

また、ソーラーシミュレーターを用いて、擬 似太陽光源(AM1.5, 100mW/cm 2 )を照射し、太陽電池セルの電流電圧特性を 定した。他の化合物の場合も含め、得られ 太陽電池特性を表1及び表2に示す。測定時に よってデータに多少のばらつきがあるものの 、表に示すとおり、例えばTCNQの場合には2.2% 光電変換効率が得られた。

[実施例2]

―光電変換層作製―
有機分子TCNQを有機分子TCNEに変更した以外は 実施例1と同様に光電変換層を作製した。図 4にTCNEのアセトニトリル溶液の吸収スペクト (a)とアセトニトリル溶液に浸漬した後の酸 チタンの吸収スペクトル(b)を示した。図に いて、実線は拡散反射差分スペクトル、破 はアセトニトリル中の吸収スペクトルであ 。この酸化チタンの吸収スペクトルは、TCNE のアセトニトリル溶液の吸収スペクトルと異 なり、可視域から吸収を示した。

―太陽電池セル作製―
実施例1と同様な手法で、太陽電池セルを作 した。

―太陽電池性能評価―
太陽電池セルのIPCE(incident-photon conversion effic iency)を300nmから1100nmの範囲で計測した。その 果、図5に示す通り、紫外から700nmに渡り、 吸収に対応した領域で、高いIPCEを得ること ができた。

また、ソーラーシミュレーターを用いて、擬 似太陽光源(AM1.5, 100mW/cm 2 )を照射し、太陽電池セルの電流電圧特性を 定した。得られた太陽電池では0.85%の光電変 換効率が得られた。

[実施例3]

―光電変換層作製―
有機分子TCNQを有機分子TCNQ-F 4 に変更した以外は、実施例1と同様に光電変 層を作製した。図6にTCNQ-F 4 のアセトニトリル溶液の吸収スペクトル(a)と アセトニトリル溶液に浸漬した後の酸化チタ ンの吸収スペクトル(b)を示した。この酸化チ タンの吸収スペクトルは、TCNQ-F 4 のアセトニトリル溶液の吸収スペクトルと異 なり、可視から近赤外に渡り、吸収を示した 。

―太陽電池セル作製―
実施例1と同様な手法で、太陽電池セルを作 した。

―太陽電池性能評価―
太陽電池セルのIPCE(incident-photon conversion effic iency)を300nmから1100nmの範囲で計測した。その 果、図7に示す通り、紫外から650nmに渡り、 吸収に対応した領域で、高いIPCEを得ること ができた。

また、ソーラーシミュレーターを用いて、擬 似太陽光源(AM1.5, 100mW/cm 2 )を照射し、太陽電池セルの電流電圧特性を 定した。得られた太陽電池特性を表1に示す 、1.2%の光電変換効率が得られた。

[実施例4]

―光電変換層作製―
有機分子TCNQを有機分子TCNAQに変更した以外は 、実施例1と同様に光電変換層を作製した。 8にTCNAQのアセトニトリル溶液の吸収スペク ル(a)とアセトニトリル溶液に浸漬した後の 化チタンの吸収スペクトル(b)を示した。図 おいて、実線は拡散反射差分スペクトル、 線はアセトニトリル中の吸収スペクトルを す。この酸化チタンの吸収スペクトルは、TC NAQのアセトニトリル溶液の吸収スペクトルと 異なり、可視から近赤外に渡り、吸収を示し た。

―太陽電池セル作製―
実施例1と同様な手法で、太陽電池セルを作 した。

―太陽電池性能評価―
太陽電池セルのIPCE(incident-photon conversion effic iency)を300nmから1100nmの範囲で計測した。その 果、図9に示す通り、紫外から約900nmに渡り 光電変換特性を示した。

また、ソーラーシミュレーターを用いて、擬 似太陽光源(AM1.5, 100mW/cm 2 )を照射し、太陽電池セルの電流電圧特性を 定した。得られた太陽電池特性を表1に示す 、1.6%の光電変換効率が得られた。

[実施例5]

―光電変換層作製―
表面抵抗値10ω/sqの15mm×25mmサイズのFTO膜付き ラス基板上に,SOLARONIXS社製のチタニアペー トTi-Nanoxide
T/SPをスクリーン印刷法により塗布し120℃で3 間乾燥させた。塗布した基板を、500℃で30 焼成した。焼成後のチタニア半導体層の膜 を触針式膜厚計で計測したところ20μmである ことが分かった。メチルビオロゲンのアセト ニトリル溶液(濃度:3mM)を調製し、前記酸化チ タン基板を190時間浸漬させることで、光電変 換電極を作製した。

―光電変換層評価―
図10は、メチルビオロゲンのアセトニトリル 液に浸漬した後の酸化チタンの吸収スペク ルである。吸収スペクトルは実施例1と同様 な方法で求めた。

―太陽電池性能評価―
図11は、太陽電池セルのIPCE(incident-photon conver sion efficiency)を300nmから1100nmの範囲で計測し 結果を示す図である。その結果、図に示す り、紫外から700nmに渡り、光吸収に対応した 領域で、高いIPCEを得ることができた。

図12は、ソーラーシミュレーターを用いて、 似太陽光源(AM1.5, 100mW/cm 2 )を照射し、太陽電池セルの電流電圧特性を 定した結果を示す図である。得られた太陽 池では0.1%の光電変換効率が得られた。

[実施例6]

―光電変換層作製―
表面抵抗値10ω/sqの15mm×25mmサイズのFTO膜付き ラス基板上に,SOLARONIXS社製のチタニアペー トTi-Nanoxide
T/SPをスクリーン印刷法により塗布し120℃で3 間乾燥させた。塗布した基板を、500℃で30 焼成した。焼成後のチタニア半導体層の膜 を触針式膜厚計で計測したところ20μmである ことが分かった。クロラニルのアセトニトリ ル溶液(濃度:3mM)を調製し、前記酸化チタン基 板を190時間浸漬させることで、光電変換電極 を作製した。

―光電変換層評価―
図13は、クロラニルのアセトニトリル溶液に 漬した後の酸化チタンの吸収スペクトルで る。吸収スペクトルは実施例1と同様な方法 で求めた。

―太陽電池性能評価―
図14は、太陽電池セルのIPCE(incident-photon conver sion efficiency)を300nmから1100nmの範囲で計測し 結果を示す図である。その結果、図に示す り、紫外から750nmに渡り、光吸収に対応した 領域で、高いIPCEを得ることができた。

図15は、ソーラーシミュレーターを用いて、 似太陽光源(AM1.5, 100mW/cm 2 )を照射し、太陽電池セルの電流電圧特性を 定した結果を示す図である。得られた太陽 池では0.12%の光電変換効率が得られた。

[その他の実施例]

―支持電解質の濃度変化―
図16は有機化合物としてTCNQを使用し、電解質 内の支持電解質(ヨウ化リチウム)を変化させ 場合のIPCEスペクトルを示す図である。図か らわかるように、ヨウ化リチウムの濃度をお おきくすることによってより高いIPCEと広い 長域で光電変換特性を示した。

[アナターゼ型とルチル型との割合決定]
酸化チタンには、アナターゼ型及びルチル型 の結晶構造がある。

ジシアノ基を有する分子をアナターゼ型酸 化チタンに吸着させると、それぞれの吸収領 域と異なる、可視領域から近赤外領域に渡る 幅広い光吸収が生じた。一方、ルチル型酸化 チタンの場合は、それほど幅広い光吸収は生 じなかった。

図17はアナターゼ、ルチル型TiO 2 へのTCNQ吸着前後の酸化チタンの色変化を示 。浸漬溶液の構成は、TCNQ(中性)/CH 3 CNであった。

図18はアナターゼとルチルが混合した酸化チ ンのTCNQ(7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン) 液に浸漬した時の色変化を示す。図では、 ナターゼ含量の異なる各試料へTCNQが吸着し いる様子を示している。浸漬溶液の構成は TCNQ(中性)/CH 3 CNであった。アナターゼの割合は着色度合い 反映されている。これによって、アナター ・ルチル比依存性がわかることになる。

これら溶液の吸収スペクトルから酸化チタ ンの結晶構造が判別できると考えられる。つ まり、これら溶液の吸収スペクトルを慎重に 測定すると、アナターゼ型とルチル型との割 合を決定できると考えられる。また、これら の結果は、アナターゼ型酸化チタンと上述の シアノ化合物とを組み合わせることが、幅広 い光吸収を実現するにはたいへん優れている ことを示していると考えられる。

[酸化還元電位など]

金属酸化物としては、酸化チタン、アナタ ーゼ型酸化チタンなどが好ましいが、例えば アナターゼ型酸化チタンの場合には、電気化 学実験により測定される還元電位は約-0.7Vと る。したがって、光電変換材料として複合 料を使用する場合には、電子受容性有機分 の、電気化学実験により測定される還元電 は、約-0.7V以上が好ましい。同様に、金属 化物に吸着し、新物質を形成するためには 電子移動を伴うので、電子受容性有機分子 、前記金属酸化物の電子伝導体の最もエネ ギの低い準位よりも、真空準位からのエネ ギ差が大きい最低非占有準位を有すること 好ましい。なお、酸化還元電位は、試料と 持電解質(テトラフルオロホウ酸テトラ-n-ブ ルアンモニウム等)を溶媒(アセトニトリル )に溶解し、作用極(白金等)と対極(白金等)と 参照電極(飽和カロメル電極、標準水素電極 銀-塩化銀電極等)を用いて電流-電圧測定を うことで見積もることができる。

[まとめ]

上述のように、本実施形態によれば、汎用 性能が高く、低コストである有機分子を用い て、より広範囲な光吸収を可能とする新規な 光電変換層を有する光電変換素子を提供する ことができる。また、本実施形態の光電変換 層を用いることで、高効率で、より安価な材 料コスト、製造コストで作製可能な光電変換 素子を提供することが可能となる。さらに、 アナターゼ型酸化チタンと上述のシアノ化合 物とを組み合わせれば、幅広い光吸収が実現 される。これらの事項は、高効率の光電変換 デバイス、高効率の太陽電池などを実現する にあたって大きな技術的貢献を成し遂げる可 能性を秘めるものである。

[権利解釈など]

以上、特定の実施形態を参照しながら、本 発明について説明してきた。しかしながら、 本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実 施形態の修正又は代用を成し得ることは自明 である。すなわち、例示という形態で本発明 を開示してきたのであり、本明細書の記載内 容を限定的に解釈するべきではない。本発明 の要旨を判断するためには、冒頭に記載した 特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。

また、この発明の説明用の実施形態が上述 の目的を達成することは明らかであるが、多 くの変更や他の実施例を当業者が行うことが できることも理解されるところである。特許 請求の範囲、明細書、図面及び説明用の各実 施形態のエレメント又はコンポーネントを他 の1つまたは組み合わせとともに採用しても い。特許請求の範囲は、かかる変更や他の 施形態をも範囲に含むことを意図されてお 、これらは、この発明の技術思想および技 的範囲に含まれる。