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Title:
COMPRESSION-MOLDED ARTICLES OF VEGETABLE MATERIAL AND PROCESS FOR PRODUCTION OF THE ARTICLES
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/146370
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To provide compression-molded articles of vegetable material suitable for the housing of electronic appliances which articles can be produced either without using a resin made from petroleum or by using a reduced amount of the resin and have high mechanical strength; and a process for the production of the articles. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] A process which comprises pulverizing wood or bamboo into woodflour having a mean particle size of 5 to 100μm, placing the woodflour in the first metal mold (11), subjecting the woodflour to the first compression molding under the conditions of, e.g., 160°C and pressure of 30MPa to form a provisional molded body (12), dipping the provisional molded body (12) in a flame retardant (13) to impregnate the surface of the body (12) with the flame retardant (13), placing the resulting body (12) in the second metal mold (14), and subjecting the body (12) to the second compression molding under the conditions of, e.g., 200°C and pressure of 100MPa. In the process, lignin or hemicellulose precipitates from the woodflour and acts as an adhesive, whereby the particles of the woodflour are strongly bonded to each other and thereby unified to form a compression-molded article (15) having a prescribed shape.

Inventors:
KIMURA KOICHI (JP)
NAKAMURA TAKAMITSU (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/060990
Publication Date:
December 04, 2008
Filing Date:
May 30, 2007
Export Citation:
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Assignee:
FUJITSU LTD (JP)
KIMURA KOICHI (JP)
NAKAMURA TAKAMITSU (JP)
International Classes:
B27N3/02
Foreign References:
JP2007008000A2007-01-18
JP2004261967A2004-09-24
JP2003011109A2003-01-15
JP2001244645A2001-09-07
JP2006182994A2006-07-13
JP2888153B21999-05-10
JP2580522B21997-02-12
JP2007008000A2007-01-18
EP0573695A11993-12-15
US5017319A1991-05-21
US20060091577A12006-05-04
EP0161766A11985-11-21
US4751034A1988-06-14
Other References:
See also references of EP 2153957A4
Attorney, Agent or Firm:
OKAMOTO, Keizo (4F 11-7, Nihonbashi Ningyo-cho 3-chome, Chuo-k, Tokyo 13, JP)
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Claims:
植物粉砕物と、
 前記植物粉砕物から析出させた接着成分とを有することを特徴とする圧縮成型品。
前記植物粉砕物は、木又は竹を粉砕したものであることを特徴とする請求項1に記載の圧縮成型品。
難燃剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の圧縮成型品。
植物粉砕物と、
 前記植物粉砕物から析出させた接着成分とを有することを特徴とする電子機器。
植物を粉砕して植物粉砕物を得る工程と、
 前記植物粉砕物を加熱しながら圧力を加えることにより前記植物粉砕物由来の接着成分を析出させる加圧成型工程と
 を有することを特徴とする圧縮成型品の製造方法。
前記植物粉砕物は、木又は竹を粉砕したものであることを特徴とする請求項5に記載の圧縮成型品の製造方法。
前記植物粉砕物に無機物又は植物繊維を添加することを特徴とする請求項5又は6に記載の圧縮成型品の製造方法。
前記植物粉砕物に、可塑剤、耐候性改良剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、顔料、着色剤、帯電防止剤、香料、発泡剤、抗菌剤及び抗カビ剤の少なくとも一種を添加することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の圧縮成型品の製造方法。
前記植物粉砕物の平均粒径が100μm以下であることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載の圧縮成型品の製造方法。
前記加圧成型工程における温度を160℃以上、250℃以下とすることを特徴とする請求項5乃至9のいずれか1項に記載の圧縮成型品の製造方法。
前記加圧成型工程における成型圧力を50Pa以上、500Pa以下とすることを特徴とする請求項5乃至10のいずれか1項に記載の圧縮成型品の製造方法。
前記植物粉砕物に難燃剤を含浸させた後、前記加圧成型工程を実施することを特徴とする請求項5乃至11のいずれか1項に記載の圧縮成型品の製造方法。
植物を粉砕して植物粉砕物を得る工程と、
 前記植物粉砕物に圧力を加えて仮成型体とする第1の加圧成型工程と、
 前記仮成型体を、加熱しながら圧力を加え、前記植物粉砕物由来の接着成分を析出させる第2の加圧成型工程と
 を有することを特徴とする圧縮成型品の製造方法。
前記第1の加圧成型工程と前記第2の加圧成型工程との間に、前記仮成型体の表面に難燃剤を含浸させる難燃剤含浸工程を有することを特徴とする請求項13に記載の圧縮成型品の製造方法。
前記植物粉砕物は、木又は竹を粉砕したものであることを特徴とする請求項13又は14に記載の圧縮成型品の製造方法。
前記第2の加圧成型工程における温度を160℃以上、250℃以下とすることを特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載の圧縮成型品の製造方法。
前記第2の加圧成型工程における成型圧力を50Pa以上、500Pa以下とすることを特徴とする請求項13乃至16のいずれか1項に記載の圧縮成型品の製造方法。
前記第2の加圧成型工程における加熱温度は、前記第1の加圧成型工程における温度よりも高いことを特徴とする請求項13乃至17のいずれか1項に記載の圧縮成型品の製造方法。
前記第2の加圧成型工程における圧力は、前記第1の加圧成型工程における圧力よりも高いことを特徴とする請求項13乃至18のいずれか1項に記載の圧縮成型品の製造方法。
木片を所定の形状に加工する工程と、
 加工後の前記木片を加熱しながら圧力を加えることにより前記木片から植物由来の接着成分を析出させる加圧成型工程と
 を有することを特徴とする圧縮成型品の製造方法。
                                                                                
Description:
植物材料を用いた圧縮成型品及 その製造方法

 本発明は、主原料として木又は竹等の植 の粉砕物を用いた圧縮成型品及びその製造 法に関し、特に電子機器の筐体に好適な圧 成型品及びその製造方法に関する。

 近年、石油に代表される化石資源が大量 費されており、それらの化石資源の枯渇が 惧されている。また、化石資源の大量消費 ともなって多量の二酸化炭素が発生してお 、それが地球温暖化の原因になっていると 摘されている。現在、多くの製品に石油系 脂が使用されているが、上記の問題に鑑み 、石油系樹脂に替えてポリ乳酸等の植物系 脂を用いる動きが世界的に盛んになってい 。

 ポリ乳酸はトウモロコシ等の植物から作 れ、廃棄後は土中の微生物により水と二酸 炭素に分解される。また、ポリ乳酸を焼却 た場合も、水と二酸化酸素とが生成される これらの二酸化炭素は光合成により植物に り込まれ、植物の成長に使用される。この うに、ポリ乳酸等の植物系樹脂は、環境に さしい循環型の素材である。

 近年、ノート型パソコン(PC)や携帯電話等 の電子機器の筐体にもポリ乳酸等の植物系樹 脂を使用することが提案されている(例えば 特許文献1)。しかし、ポリ乳酸等の植物系樹 脂は、一般的に曲げ強さ等の剛性は高いもの の、アイゾット衝撃強度等の耐衝撃性が十分 でなく、荷重たわみ温度等の耐熱性も低いた め、単体で電子機器の筐体に用いることは困 難である。そのため、植物系樹脂と石油系樹 脂とを混合した樹脂を用いて電子機器の筐体 を形成することが検討されている(例えば、 許文献2)。

 その他、植物材料を用いた部材として、 質ボード(パーティクルボードとも呼ばれる )がある(例えば、特許文献3,4)。木質ボードは 、木材を破砕したもの、木材を薄く紙状にし たもの、又は古紙等(以下、「破砕物等」と う)に接着剤(結合剤)を含浸させて圧縮・積 したものであり、比較的硬くて剛性が高い いう特徴がある。但し、木質ボードには、 油系の接着剤や溶剤が使用されており、そ 割合が30%を超えるものもある。また、木質 ードは、原料の破砕物等の大きさのばらつ が大きく、精密な加工には不向きである。 に、ノート型パソコン等の電子機器の筐体 はUL規格に規定される難燃性が要求されるた め、木質ボードをそのまま電子機器の筐体に 使用することは困難である。

 上述したように、従来は、植物材料のみで 度が高くかつ加工精度が高い成型品を製造 ることは困難であり、植物材料を使用する 合も多くの石油系樹脂が必要であった。そ ため、石油系樹脂を使用しない、又は石油 樹脂の使用量が少なくてすむ成型品及びそ 製造方法が要望されている。

特開2001-244645号公報

特開2006-182994号公報

特許第2888153号

特許第2580522号

 本発明の目的は、石油系樹脂を使用しな 、又は石油系樹脂の使用量が少なくてすみ 機械強度が高く、電子機器の筐体に好適な 物材料を用いた圧縮成型品及びその製造方 を提供することにある。

 本発明の一観点によれば、植物粉砕物と 前記植物粉砕物から析出させた接着成分と 有することを特徴とする圧縮成型品が提供 れる。

 また、本発明の他の観点によれば、植物 粉砕して植物粉砕物を得る工程と、前記植 粉砕物を加熱しながら圧力を加えることに り前記植物粉砕物由来の接着成分を析出さ る加圧成型工程とを有することを特徴とす 圧縮成型品の製造方法が提供される。

 更に、本発明の他の観点によれば、植物 粉砕して植物粉砕物を得る工程と、前記植 粉砕物に圧力を加えて仮成型体とする第1の 加圧成型工程と、前記仮成型体を、加熱しな がら圧力を加え、前記植物粉砕物由来の接着 成分を析出させる第2の加圧成型工程とを有 ることを特徴とする圧縮成型品の製造方法 提供される。

 本発明においては、例えば木又は竹等の 物を粉砕して原料となる粉砕物とする。そ て、この粉砕物を型に入れ、例えば160~250℃ の温度に加熱しながら30MPa~300MPaの圧力で圧縮 して成型品を製造する。この圧縮工程におい て、粉砕物からリグニンやヘミセルロース等 の成分が軟化した状態で析出し、これらの成 分が天然の接着剤として働いて粉砕物が相互 に強固に結合して一体化され、所定の形状の 圧縮成型品が得られる。

 このようにして製造した圧縮成型品は、 油系の接着剤等を含有せず、廃棄後は自然 戻り、環境を破壊することがない。また、 量であるとともに機械的強度が高く、寸法 度も良好である。

 なお、圧縮成型品の強度を向上させるた に、粉砕物に無機物や植物性繊維を添加し もよい。また、必要に応じて、可塑剤、耐 性改良剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定 、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、顔料、着 剤、帯電防止剤、香料、発泡剤、抗菌剤及 抗カビ剤を添加してもよく、石油系接着剤 を添加してもよい。

 更に、難燃性とするために、粉砕物又は 砕物を仮成型して得た仮成型体に難燃剤を 浸させ、その後加圧成型工程を実施しても い。

図1は、本発明の第1の実施形態に係る 縮成型品の製造方法を示すフローチャート ある。 図2は、第1の実施形態に係る圧縮成型 の製造方法を工程順に示す模式図である。 図3は、第1の本実施形態に係る圧縮成 品をノート型パソコンの筐体用部品(蓋部)に 採用した例を示す斜視図である。 図4は、第1の実施形態に係る圧縮成型 を携帯電話の筐体用部品に採用した例を示 図である。 図5は、本発明の第2の実施形態に係る 縮成型品の製造方法を示すフローチャート ある。

 以下、本発明の実施形態について、添付 図面を参照して説明する。

 (第1の実施形態)
 図1は本発明の第1の実施形態に係る圧縮成 品の製造方法を示すフローチャート、図2は じくその製造方法を工程順に示す模式図で る。

 まず、原料として、木又は竹(以下、「木 材等」という)を粉砕して、粒径(平均粒径)が 例えば5~100μmの粉砕物(以下、「木粉」ともい う)を得る(ステップS11)。原料となる木や竹の 種類は特に限定するのものではないが、杉( ぎ)、檜(ひのき)、ブナ、桐(きり)、欅(けや )、楓(かえで)、桑(くわ)、楠(くすのき)、楢( なら)、楡(にれ)、竹の心材又は表皮等を使用 することができる。また、複数種類の木材等 の粉砕物を混合して使用してもよい。

 電子機器の筐体を作成する場合、加工精 及び均一性を確保するために、上述したよ に木粉の平均粒径は5~100μmとすることが好 しい。しかし、用途によってはこの範囲か 外れる粒径としてもよい。

 次に、図2(a)に示すように、木粉を第1の 型11内に充填し、金型温度を例えば100~250℃ 圧力を例えば30MPa~300MPaとして、第1の加圧成 工程を実施する(ステップS12)。この第1の加 成型工程は木粉同士を緩く結合した状態に 成型する工程であり、成型体として形状を 持できる程度の温度条件及び圧力条件で実 する。第1の加圧成型工程における温度条件 及び圧力条件が高すぎると、次の難燃剤含浸 工程で成型体に難燃剤を含浸させることがで きなくなるという問題が発生する。以下、第 1の加圧成型工程で成型された成型体を仮成 体12という。

 次に、仮成型体12を第1の金型11から取り し、その表面に難燃剤を含浸させる(ステッ S13)。この難燃剤含浸工程では、例えば図2(b )に示すように、仮成型体12を液状の難燃剤13 に浸漬すればよい。また、難燃剤を加熱し の蒸気を仮成型体12に接触させることによ 、仮成型体12の表面に難燃剤を含浸させても よい。難燃剤は仮成型体12の表面近傍で濃度 最も高くなるように浅く含浸させればよく 中心部まで難燃剤を浸透させる必要はない

 難燃剤としては、例えばホウ素系の水溶 を使用することができる。ホウ素系難燃剤 は、例えばポリホウ酸ナトリウム(ホウ酸イ オン重合体塩)及びホウ酸亜鉛等がある。ホ 素系以外の難燃剤としては、例えばリン酸 ステル又はトリアジン化合物等の有機系難 性がある。リン酸エステルとしては、例え 、トリフェニルホスフェート、トリクレジ ホスフェート、トリキシレニルホスフェー 又はポリリン酸アンモニウム等が使用でき 。また、トリアジン化合物としては、例え 、メラミンシアヌレート、トリスイソシア レート等が使用できる。

 次に、図2(c)に示すように、表面に難燃剤 を含浸させた仮成型体12を第2の金型14内に配 し、第1の加圧成型工程よりも高い条件で第 2の加圧成型工程を実施する。第2の加圧成型 程における金型温度は例えば160~250℃であり 、成型圧力は例えば50~500Paである(ステップS14 )。

 この第2の加圧成型工程では、仮成型体12 構成する木粉からリグニンやヘミセルロー 等の成分が軟化した状態で析出する。そし 、これらの成分が天然の接着剤(バインダ) して働き、第2の金型14内の木粉が相互に強 に結合して一体化され、所定の形状の圧縮 型品15が得られる。この第2の加圧成型工程 おける金型温度及び成型圧力は原料として いる木材等の種類や用途に応じて適宜決定 ればよいが、上述したように木粉から接着 となる成分が析出して金型内の木粉が一体 する温度及び圧力に設定することが必要で る。

 次いで、図2(d)に示すように、第2の金型14 から圧縮成型品15を取り出す。このようにし 製造された圧縮成型品15は機械的強度が高 、寸法精度も良好である。また、比重を1以 にすることも可能である。更に、原料とし 植物のみを使用しているため環境に対する 荷が小さい。更にまた、難燃剤を含むこと より燃えにくいという性質を有している。

 なお、圧縮成型品15の剛性をより一層向 させるために、原料となる木粉に無機材料 例えば炭素繊維、ガラス繊維、又はガラス レーム、ガラスビーズ、タルク若しくはマ カ等のケイ酸塩等を添加してもよい。これ の無機材料に替えて、ケナフ又はマニラ麻 の植物系繊維を添加してもよい。また、必 に応じて原料となる木粉に、可塑剤、耐候 改良剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤 紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、顔料、着色 、帯電防止剤、香料、発泡剤、抗菌剤又は カビ剤等を添加してもよい。これらの添加 の選択にあたっては、生物に対して無害で って燃焼により有毒ガスを発生しないなど 環境に対する負荷が小さいものを選択する とが好ましい。

 更に、必要に応じて、原料となる木粉に 油系の樹脂等を混合してもよい。但し、そ 場合は環境の負荷を考慮して、植物系材料 比率を25%以上、より好ましくは50%以上とす のがよい。

 本実施形態によれば、木材加工時に出る 材や大量発生している竹等を有効利用する とができる。また、本実施形態によれば、 物材料のみ又は植物材料と少量の添加剤の で圧縮成型品を製造できるので、圧縮成型 に木材の質感を残すことや、比重を1以下に することが可能である。更に、本実施形態に より作製された圧縮成型品は、機械的強度が 高く、寸法精度が良好であり、軽量であると ともに難燃性を有するので、ノート型パソコ ンや携帯電話等の電子機器の筐体に好適であ る。図3に、本実施形態に係る圧縮成型品を ート型パソコンの筐体用部品(蓋部)に採用し た例を示す。また、図4に、本実施形態に係 圧縮成型品を携帯電話の筐体用部品に採用 た例を示す。

 以下、本実施形態の方法により実際に圧 成型品を製造し、その特性を調べた結果に いて説明する。

 (試験片の作製)
 まず、上述した方法により、アメリカ材料 験協会(ASTM:American Society for Testing and Mater ial)の工業規格に規定されている曲げ試験片 作製した。すなわち、原料として、秋田杉 粉砕して平均粒径が約10μmの木粉を得た。こ の木粉を第1の金型内に充填し、三庄インダ トリー社製の加熱プレス機を用いて、成型 度が160℃、成型圧力が30MPa、プレス時間が3 間の条件で第1の加圧成型工程を実施し、仮 型体を得た。

 次に、仮成型体を第1の金型から取り出し 、ポリホウ酸ナトリウムの水溶液(難燃剤)に1 0分間浸漬して、表面に難燃剤を含浸させた その後、仮成型体を乾燥炉に入れて乾燥さ た。

 次いで、仮成型体を第2の金型に入れ、三 庄インダストリー社製の加熱プレス機を用い て、成型温度が200℃、成型圧力が100MPa、プレ ス時間が3分間の条件で第2の加圧成型工程を 施した。これにより、サイズが12.7mm×64mm×3. 2mmのASTM曲げ試験片(圧縮成型品)を得た。

 (曲げ強さの測定)
 次に、上記の曲げ試験片を用いて、曲げ強 を測定した。具体的には、インストロン社 の万能試験機(INSTORON5581)を使用し、試験片 大きさ以外は日本工業規格(JIS K 7203)に準拠 して、曲げ弾性率を測定した。なお、曲げ試 験片は5個作成し、それらの試験片の曲げ弾 率をそれぞれ測定した後、曲げ弾性率測定 規格に沿って最大値及び最小値のものを除 して平均値を算出し、それを曲げ弾性率と て採用した。

 その結果、第1の実施形態により作製され た試験片の曲げ弾性率は6GPaであった。一般 に電子機器の筐体材料には3GPa~6GPaの曲げ弾 率が必要とされており、上記の試験から第1 実施形態により製造された圧縮成型品が電 機器の筐体に要求される曲げ弾性率を有す ことが確認された。

 (難燃性の測定)
 次に、UL94規格の難燃性試験に基づき、第1 実施形態により作製された上記の試験片の 燃性を調べた。すなわち、試験片を垂直に 持し、その試験片の下端にガスバーナーの をあてて10秒間保持し、その後ガスバーナー の炎を試験片から離した。 そして、炎が消 たときには直ちに試験片にガスバーナーの を10秒間あてた。

 UL94規格では、1回目及び2回目の接炎後の 炎燃焼持続時間と、2回目の接炎後の有炎燃 焼持続時間及び無炎燃焼持続時間の合計と、 5個の試験片の有炎燃焼持続時間の合計と、 焼滴下物(ドリップ)の有無とを調べ、その結 果により等級(V-0,V-1,V-2)を決定する。

 等級V-0は、1回目及び2回目の接炎後の有 燃焼時間がいずれも10秒以内であること、2 目の接炎後の有炎燃焼持続時間と無炎燃焼 間との合計が30秒以内であること、5個の試 片の有炎燃焼時間の合計が50秒以内であるこ と、及び燃焼落下物がないことが要求される 。

 また、等級V-1は、1回目及び2回目の接炎 の有炎燃焼時間がいずれも30秒以内であるこ と、2回目の接炎後の有炎燃焼持続時間と無 燃焼時間との合計が60秒以内であること、5 の試験片の有炎燃焼時間の合計が250秒以内 あること、及び燃焼滴下物がないことが要 される。

 更に、等級V-2は、1回目及び2回目の接炎 の有炎燃焼時間がいずれも30秒以内であるこ と、2回目の接炎後の有炎燃焼持続時間と無 燃焼時間との合計が60秒以内であること、及 び5個の試験片の有炎燃焼時間の合計が250秒 内であることが要求される。等級V-2では、 焼滴下物が許容される。なお、試験片が燃 尽きたときは、等級V-0、V-1、V-2のいずれに 該当しない。

 UL94規格の難燃性試験を実施した結果、第 1の実施形態により作製された試験片は、ガ バーバーの炎をあててもバーナーを離すと ぐに炎が消え、燃焼滴下物が発生せず、V-0 当の難燃性を有することが確認された。

 (第2の実施形態)
 図5は、本発明の第2の実施形態に係る圧縮 型品の製造方法を示すフローチャートであ 。

 まず、原料となる木又は竹を粉砕して、 均粒径が約500μmの粉砕物を得る(ステップS21 )。

 次に、粉砕物の表面に難燃剤を含浸させ (ステップS22)。例えばホウ素系難燃剤の水 液に粉砕物を浸漬して、粉砕物の表面に難 剤を含浸させる。この場合、難燃剤は粉砕 の表面に浅く含浸させればよく、粉砕物を 燃剤に浸漬する時間は短時間でよい。

 次いで、難燃剤を含浸させた粉砕物を金 に入れ、加圧成型工程を実施する(ステップ S23)。この加圧成型工程における金型温度は えば160~250℃とし、成型圧力は例えば50~500Pa する。この加圧成型工程においては、木又 竹の粉砕物から植物由来のリグニンやヘミ ルロース等の成分が軟化した状態で析出し これらの成分が接着剤として働いて金型内 粉砕物が一体化され、所定の形状の圧縮成 品が得られる。その後、金型から圧縮成型 を取り出す。このようにして、圧縮成型品 完成する。

 なお、本実施形態では原料として木又は の粉砕物を使用するものとしたが、木又は の粉砕物に、炭素繊維、ガラス繊維、植物 繊維、可塑剤、耐候性改良剤、酸化防止剤 熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤 離型剤、顔料、着色剤、帯電防止剤、香料 発泡剤、抗菌剤又は抗カビ剤等を添加して 料としてもよい。

 本実施形態により製造された圧縮成型品 おいても、原料として植物のみ又は植物と 量の添加剤のみを使用しているので、環境 対する負荷が小さい。また、本実施形態に り製造された圧縮成型品は難燃剤を含んで るので、燃えにくいという性質を有してい 。

 なお、上記第1及び第2の実施形態ではいず も植物粉砕物を型に入れて加圧成型して圧 成型品を製造する場合について説明したが 所望の形状に近似の形状に切り出し又は削 出した木片を用い、この木片を加熱しなが 圧縮してリグニンやヘミセルロース等の植 由来の接着成分を析出させ、製品となる圧 成型品を製造してもよい。この場合、植物 来の接着成分により植物繊維同士が強固に 合され、強度が高い圧縮成型品を得ること できる。また、石油系の樹脂等が不要であ 、環境に対する負荷が小さい。