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Patent Searching and Data


Title:
CONDUCTIVE REEL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/060767
Kind Code:
A1
Abstract:
A reel (100) is constituted of an adapter (101) having a shaft hole (104), a tubular core portion (102) for holding the adapter (101) on the inner circumferential side, and two disc type flange portions (103) formed radially around the axis of the core portion (102). The adapter (101) is composed of a material different from those of the core portion (102) and the flange portion (103) and having an abrasion loss by 1000-cycle Taber abrasion test (load: 1 kgf, abrasion ring: CS-17) of 15 mg or less. A conductive reel which can suppress generation of dust from a part likely to generate dust is thereby provided.

Inventors:
KUDOSE SATORU
Application Number:
PCT/JP2008/069647
Publication Date:
May 14, 2009
Filing Date:
October 29, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SHARP KK (JP)
KUDOSE SATORU
International Classes:
H01L21/60; B65H75/14
Foreign References:
JP2005217019A2005-08-11
JPH08310735A1996-11-26
JP2002280424A2002-09-27
JPH0678365U1994-11-04
JP2004075385A2004-03-11
JP2005075536A2005-03-24
Attorney, Agent or Firm:
HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK (2-6 Tenjinbashi 2-chome Kita, Kita-ku, Osaka-sh, Osaka 41, JP)
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Claims:
 第1の軸穴を有する第1の取付部と、
 内周側にて上記第1の取付部を保持する円筒型のコア部と、
 上記コア部の各端部から、上記コア部の軸を中心として放射円状に形成されている円板型の2つのフランジ部とにより構成され、
 上記第1の取付部の材料は、上記コア部および上記フランジ部の材料とは異なる、1000サイクルのテーバー磨耗試験(荷重1kgf,磨耗輪CS-17)による磨耗損失量が15mg以下の材料であることを特徴とする導電性リール。
 上記第1の取付部の材料は、ポリアセタール樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の導電性リール。
 上記第1の取付部、上記コア部、および上記フランジ部の材料には高分子材料が練り込まれており、上記第1の取付部、上記コア部、および上記フランジ部の表面抵抗値は10 7 ω以上かつ10 10 ω以下に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の導電性リール。
 上記コア部の直径は、120mm以上かつ130mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の導電性リール。
 上記コア部は、
 外形をなす中空円状の外形円筒部と、
 上記外形円筒部の内周側にあって、上記外形円筒部の軸に上記第1の取付部の第1の軸穴が略一致するように上記第1の取付部を差し込んで保持する取付筒部と、
 上記外形円筒部と上記取付筒部とを接続する複数のリブとにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載の導電性リール。
 上記第1の取付部の第1の軸穴に着脱自在な、当該第1の軸穴よりも小さい直径の第2の軸穴を有する第2の取付部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の導電性リール。
 上記第2の取付部の材料には高分子材料が練り込まれており、上記第2の取付部の表面抵抗値は10 7 ω以上かつ10 10 ω以下に設定されていることを特徴とする請求項6に記載の導電性リール。
 上記第1の取付部の第1の軸穴には、複数のキー溝が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の導電性リール。
 上記コア部の外周面には、長手方向が該コア部の軸方向に沿った少なくとも1つのスリットが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の導電性リール。
 上記スリットの幅は、2mm以上かつ6mm以下であることを特徴とする請求項9に記載の導電性リール。
 上記フランジ部には、上記コア部の軸方向に開口した複数の開口部が左右対称に設けられており、
 上記フランジ部の強度は2.7N以上であり、かつ、上記複数の開口部の合計した面積は、上記フランジ部における上記コア部の軸方向に垂直な外側の表面の面積の25%~30%であることを特徴とする請求項1に記載の導電性リール。
 上記フランジ部における上記コア部の軸方向に垂直な外側の表面の面積が、115551mm 2 以上117515mm 2 以下である場合、
 上記1つの開口部の面積は、8000mm 2 以上であることを特徴とする請求項11に記載の導電性リール。
 上記第1の取付部、上記コア部、および上記フランジ部は、グレー系の色であることを特徴とする請求項1に記載の導電性リール。
Description:
導電性リール

 本発明は、シャフトと擦れて発塵し易い 所の発塵を抑制した導電性リールに関する のである。

 従来、フィルム実装型の半導体装置であ TAB(Tape Automated Bonding)テープやCOF(Chip on Fil m)テープなどの長尺な半導体実装回路テープ 、リールに巻き取った状態とされることが い。例えば、製造工程では、実装装置へ半 体実装回路テープを供給するために、半導 実装回路テープをリールに巻き付けて、そ リールをシャフトに取り付けシャフトを回 させることにより順次繰り出している。ま 、出荷・搬送工程では、半導体実装回路テ プをリールに巻き取った状態に梱包して搬 している。

 ユーザ側で半導体実装回路テープが使用 れた後、空になったリールは回収される。 して、回収された使用後のリールは、洗浄 程を経て洗浄された後、リユースされる。 浄工程では、まず、リールは洗浄液に浸け れる。そして、超音波洗浄された後、エア ローにより乾燥される。

 ところが、従来のリールでは、シャフト 嵌め込む軸穴を有するコア部が、内部に空 を含む密閉形状となっていたため、洗浄工 において、コア部に液が溜まってしまい、 燥性が良くなかった。

 そこで、例えば、特許文献1に、コア部を 骨組み形状にしたテープリールが記載されて いる。図14に、特許文献1に記載のテープリー ル500の概略形状を示す。図14に示すように、 ープリール500のコア部501は、指を掛けて掴 ための指掛け部502が形成された骨組み形状 なっている。このようなコア部501とするこ により、洗浄工程における洗浄および乾燥 効率を上げて、リユース性を向上している

 ところで、特許文献1に記載のテープリール 500に限らず、従来のリールは、コストおよび 成型作業性の面から、ポリスチレン(PS)やア リロニトリルブタジエンスチレン(ABS)などの プラスチック材により成型されている。また 、リールは半導体実装回路テープを巻き取っ て使用するので、製品保護のため帯電しては ならない。それゆえ、プラスチック材にカー ボンが練り込まれている。カーボンの使用は 、導電性を好適に付与し、成型時の作業性お よび品質の安定性を高めている。

日本国公開特許公報「特開2004-75385号公 (平成16年3月11日公開)」

 しかしながら、従来のリールは、シャフト 対して抜き差しする際に、シャフトと接触 る部分が擦れて発塵するという問題点を有 ている。従来のリールに使用しているプラ チック材は削れカスが発生し易く、発塵し 異物は、抵抗値が10 3 ω~10 4 ω程度のカーボンを含んでいるため、巻き取 ている半導体実装回路テープの配線に付着 ると、非常に高い確率でリーク不良が発生 る。

 本発明は、上記従来の問題点に鑑みなさ たものであって、その目的は、発塵し易い 所の発塵を抑制することができる導電性リ ルを提供することにある。

 本発明の導電性リールは、上記課題を解 するために、第1の軸穴を有する第1の取付 と、内周側にて上記第1の取付部を保持する 筒型のコア部と、上記コア部の各端部から 上記コア部の軸を中心として放射円状に形 されている円板型の2つのフランジ部とによ り構成され、上記第1の取付部の材料は、上 コア部および上記フランジ部の材料とは異 る、1000サイクルのテーバー磨耗試験(荷重1kg f,磨耗輪CS-17)による磨耗損失量が15mg以下の材 料であることを特徴としている。

 従来、軸穴にシャフトを抜き差しする際 軸部にシャフトが擦れて削れカスが生じ易 った。そして、この削れカスはカーボンを んでいるため、巻き取っているTABテープの 線に付着すると、非常に高い確率でリーク 良が発生していた。

 これに対し、本実施の形態のリールでは シャフトが抜き差しされる第1の軸穴を有す る第1の取付部が、1000サイクルのテーバー磨 試験による磨耗損失量が15mg以下の材料によ り作製されている。この材料は、発塵しにく い材質を有しているので、シャフトを抜き差 ししても発塵しにくい。よって、シャフトと 擦れて発塵し易い箇所の発塵を抑制すること が可能となる。

 また、本発明の導電性リールは、上記第1 の取付部の材料は、ポリアセタール樹脂であ ることが望ましい。ポリアセタール樹脂は、 上記1000サイクルのテーバー磨耗試験による 耗損失量が13mgである。また、ポリアセター 樹脂は成型性にも優れている。

 また、本発明の導電性リールは、上記第1の 取付部、上記コア部、および上記フランジ部 の材料には高分子材料が練り込まれており、 上記第1の取付部、上記コア部、および上記 ランジ部の表面抵抗値は10 7 ω以上かつ10 10 ω以下に設定されていることが好ましい。こ により、発塵してしまった異物がTABテープ 配線に付着したとしても、リーク不良が発 することを防止することが可能となる。

 また、本発明の導電性リールは、上記コ 部の直径は、120mm以上かつ130mm以下であるこ とが好ましい。従来、長尺方向の幅が大きい 半導体チップを実装しているTABテープを巻き 取る際にコア部の直径が小さい場合は、TABテ ープの反りが大きく、半導体チップ際に樹脂 クラックが発生するため、緩衝用のエンボス テープを始めに余分に巻いていた。このため 、エンボステープの使用量が多くなるので、 コスト優位性がなかった。

 これに対し、上記の構成によれば、長尺 向の幅が大きい半導体チップを実装してい TABテープを巻き取る際においても、TABテー の反りを抑制し、半導体チップ際での樹脂 ラックの発生を抑制することが可能となる また、エンボステープの使用量を低減する とも可能となるので、コスト優位性を図る とも可能となる。

 また、本発明の導電性リールは、上記コ 部は、外形をなす中空円状の外形円筒部と 上記外形円筒部の内周側にあって、上記外 円筒部の軸に上記第1の取付部の第1の軸穴 略一致するように上記第1の取付部を差し込 で保持する取付筒部と、上記外形円筒部と 記取付筒部とを接続する複数のリブとによ 構成されていることが好ましい。これによ 、コア部の内周側は、軸方向に沿って空間 区分された骨組み構造となっているので、 ールをリユースするための洗浄工程におけ 洗浄性および乾燥性を向上することが可能 なる。

 また、本発明の導電性リールは、上記第1 の取付部の第1の軸穴に着脱自在な、当該第1 軸穴よりも小さい直径の第2の軸穴を有する 第2の取付部をさらに備えることが好ましい

 上記の構成によれば、第1の軸穴の直径よ りも小さい直径のシャフトにリールを取り付 けたい場合、そのシャフトの直径に適合した 第2の取付部を第1の取付部の第1の軸穴に装着 することにより、リールを取り付けることが 可能となる。よって、第2の取付部を備える とにより、種々のシャフトに対応可能とな ので、ユーザの使用環境に応じてリールを 用することが可能となる。また、第2の取付 は着脱自在となっているので、着脱の手間 掛からない。

 また、本発明の導電性リールは、上記第2の 取付部の材料には高分子材料が練り込まれて おり、上記第2の取付部の表面抵抗値は10 7 ω以上かつ10 10 ω以下に設定されていることが好ましい。こ により、発塵してしまった異物がTABテープ 配線に付着したとしても、リーク不良が発 することを防止することが可能となる。

 また、本発明の導電性リールは、上記第1 の取付部の第1の軸穴には、複数のキー溝が 成されていることが好ましい。これにより シャフトの外周面に位置決めリブが設けら ている場合、シャフトの挿入性を良くする とが可能となる。また、キー溝が1箇所であ と、回転時の応力が集中し易く、リールが けることがあるが、複数設けることにより リール回転時の応力の1極集中を避け、応力 を分散させ、リールの欠けを防止することが 可能となる。

 また、本発明の導電性リールは、上記コ 部の外周面には、長手方向が該コア部の軸 向に沿った少なくとも1つのスリットが形成 されていることが好ましい。これにより、こ のスリットにTABテープおよびエンボステープ を重ねて入れて、固定してから巻き始めるこ とにより、TABテープおよびエンボステープを コア部に巻き易くすることが可能となる。

 また、TABテープおよびエンボステープを リットに入れて留まるようにするためには 本発明の導電性リールは、上記スリットの は、2mm以上かつ6mm以下であることが望まし 。これは、TABテープおよびエンボステープ 足した総厚に応じている。

 また、本発明の導電性リールは、上記フ ンジ部には、上記コア部の軸方向に開口し 複数の開口部が左右対称に設けられており 上記フランジ部の強度は2.7N以上であり、か つ、上記複数の開口部の合計した面積は、上 記フランジ部における上記コア部の軸方向に 垂直な外側の表面の面積の25%~30%であること 好ましい。

 従来、フランジ部の開口領域が大きかっ ので、フランジ部の強度が弱くなり反りが じ易かった。反りが生じると、TABテープの きズレという不具合が発生するため望まし ない。これに対し、上記の構成によれば、 口部を設けてTABテープをコア部に着脱する の作業領域(例えば、手を入れたりする動作 )を確保するとともに、強度を確保しながら りを均一にすることが可能となる。

 また、十分な作業領域を確保するためには 本発明の導電性リールは、上記フランジ部 おける上記コア部の軸方向に垂直な外側の 面の面積が、115551mm 2 以上117515mm 2 以下である場合、上記1つの開口部の面積は 8000mm 2 以上であることが望ましい。

 また、本発明の導電性リールは、上記第1 の取付部、上記コア部、および上記フランジ 部は、グレー系の色であることが好ましい。 これにより、汚れが目立たないようにするこ とにより、過剰検査を防止することが可能と なる。よって、リユース率を少しでも向上さ せることが可能となる。

 以上のように、本発明の導電性リールは 第1の軸穴を有する第1の取付部と、内周側 て上記第1の取付部を保持する円筒型のコア と、上記コア部の各端部から、上記コア部 軸を中心として放射円状に形成されている 板型の2つのフランジ部とにより構成され、 上記第1の取付部の材料は、上記コア部およ 上記フランジ部の材料とは異なる、1000サイ ルのテーバー磨耗試験(荷重1kgf,磨耗輪CS-17) よる磨耗損失量が15mg以下の材料である、と いう構成である。

 それゆえ、シャフトが抜き差しされる第1 の軸穴を有する第1の取付部が、1000サイクル テーバー磨耗試験による磨耗損失量が15mg以 下の材料により作製されている。この材料は 、発塵しにくい材質を有しているので、シャ フトを抜き差ししても発塵しにくい。よって 、シャフトと擦れて発塵し易い箇所の発塵を 抑制することができる導電性リールを実現す るという効果を奏する。

本発明における導電性リールの実施の 形態を示す正面図である。 上記導電性リールの実施の一形態を示 側面図である。 上記導電性リールにおけるアダプタの 成を示す正面図である。 上記導電性リールにおけるコア部の構 を画像にて示す正面図である。 リールのコア部へのTABテープの巻き取 を説明するための模式図である。 リールのコア部への他のTABテープの巻 取りを説明するための模式図である。 上記導電性リールにおけるコア部の他 構成を示す正面図である。 上記導電性リールにおけるフランジ部 他の構成を示す正面図である。 上記導電性リールに出荷ラベルを貼っ とき示す正面図である。 上記導電性リールにおける中芯部材の 構成を画像にて示す平面図である。 本発明における導電性リールの製造工 程を示す図である。 上記導電性リールにおける、リールの コア部の直径と巻き取るテープの厚みとの組 合せに応じた、半導体チップの限界幅を示す 表である。 上記リールのコア部の直径と、半導体 チップの限界幅との関係を示すグラフである 。 従来のリールの構成を示す斜視図であ る。 図4に示したコア部を示す正面図であ 。 図4に示したコア部を示す側面図であ 。 図10に示した中芯部材を示す正面図で る。

符号の説明

 100 リール(導電性リール)
 101 アダプタ(第1の取付部)
 102 コア部
 103 フランジ部
 104 軸穴(第1の軸穴)
 105 キー溝
 106 アダプタ取付部(取付筒部)
 107,109 リブ
 108 スリット
 110~112 窓部(開口部)
 120 中芯部材(第2の取付部)
 121 軸穴(第2の軸穴)
 150 出荷ラベル
 200,210 TABテープ
 201,211 半導体チップ

 本発明の一実施形態について図面に基づ て説明すれば、以下の通りである。

 図1は、本実施の形態のリール100の一構成 例を示す正面図である。図2は、本実施の形 のリール100の一構成例を示す側面図である

 本実施の形態のリール100は、フィルム実 型の半導体チップが実装されたTABテープを き取るリールであり、巻き取ったTABテープ 保護を目的として、導電性が付与された導 性リールである。リール100は、図1および図 2に示すように、シャフトを抜き差しする軸 104(第1の軸穴)を有するアダプタ101(第1の取付 部)、内周側にてアダプタ101を保持し、外周 でTABテープを巻き取るコア部102、および、 ア部102の各端部(各端辺)から、コア部102の軸 を中心として放射円状に形成されている2つ フランジ部103により構成されている。

 図3は、アダプタ101の一構成例を示す図で ある。

 アダプタ101は、ポリアセタール(POM)樹脂 らなる。ポリアセタール樹脂は、摩擦係数 低く(0.35以下)、耐摩耗性・成形性に優れ、 塵量の少ない特性(材質)を有している。但し これに限らず、アダプタ101は、発塵しにくい 特性(材質)を有する材料として、1000サイクル のテーバー磨耗試験(荷重1kgf,CS-17輪)による磨 耗損失量が15mg以下の材料であってもよい。 記テーバー磨耗試験による磨耗損失量は、AB S樹脂が22mgであり、ポリアセタール樹脂が13mg である。

 また、アダプタ101には、高分子材料が練り まれており、静電対策のために、表面抵抗 (導電性)が10 7 ω~10 10 ω、好ましくは10 8 ω~10 9 ωに調整(設定)されている。これにより、発 してしまった異物がTABテープに付着するこ によって発生するリーク不良を防止してい 。

 また、アダプタ101は、図3に示すように、 シャフト径に適合した軸穴104、および軸穴104 に4箇所形成されたキー溝105を少なくとも設 ており、その他の内周側の形状は、成型性 良い形状であれば特に限定されない。シャ トは、一般的には1インチシャフトが使用さ ているので、これに嵌合するような径で軸 104は形成されている。また、シャフトの外 面には、位置決めのリブが1箇所形成されて いる。

 キー溝105は、シャフトのリブが挿入され 箇所である。キー溝105は、90度間隔で4箇所 れているが、これに限らず、2箇所以上設け ればよい。これにより、シャフトの挿入性を 良くすることが可能となる。また、キー溝105 が1箇所であると、回転時の応力が集中し易 、リールが欠けることがあるが、2箇所以上 けることにより、リール回転時の応力の1極 集中を避けて応力を分散させ、リールの欠け を防止することが可能となる。

 図4は、コア部102の一構成例を画像にて示 す図である。図15は、図4に示したコア部102を 示す正面図である。図16は、図4に示したコア 部102を示す側面図である。

 コア部102には、一般的に使用されているP SやABSなどの樹脂を使用する。これにより、 型作業性を維持するとともに、コストの増 を抑えることができる。但し、コア部102の 料としては、ポリカーボネート(PC)、ポリブ レンテレフタレート(PBT)、またはポリプロ レン(PP)などの樹脂であってもよい。

 また、コア部102には、高分子材料が練り込 れており、静電対策のために、表面抵抗値 10 7 ω~10 10 ω、好ましくは10 8 ω~10 9 ωに調整されている。これにより、発塵して まった異物がTABテープに付着することによ て発生するリーク不良を防止している。

 例えば具体的に、コア部102の材料として 、東レのトヨラックパレルが用いられる。 ヨラックパレルは、ABS樹脂と制電性ポリマ とのアロイ材である。また、制電性ポリマ の成分は、ポリエーテルエステルアミド樹 (ナイロン6とポリエチレングリコール共重 体)である。制電性ポリマーを筋状に分散さ 連続層を形成することにより、電荷の漏洩 路を効率よく作りだし、導電性を付与して る。

 また、コア部102は、外見は円筒型の形状 有しており、この外周面にTABテープが巻き けられる。コア部102の直径は105mm~130mmであ 。この範囲内において小さい方の値を用い ば、TABテープを巻いたときに半導体チップ のダメージを与える危険性があり、一方大 い方の値を用いれば、TABテープの巻き取り は減少するが、TABテープを巻いたときに半 体チップへのダメージを与える危険性が減 する。なお、コア部102の直径が130mmを超える ものは、TABテープの巻き取り量が減少するた め、生産性が悪化するので好ましくない。

 従来、コア部102の直径は105mmであった。 の場合、図5に示すように、長尺方向の幅が い半導体チップ201が実装されているTABテー 200は、コア部102の径が小さくても(105mm)、品 質上問題なく巻くことができる。しかし、図 6に示すように、長尺方向の幅が長い半導体 ップ211が実装されているTABテープ210を巻く 合、コア部102の径が小さい(105mm)と、TABテー 210の反りが大きくなり、半導体チップ211際 樹脂クラックが発生し易い。このため、製 へダメージを与える危険性がある。コア部1 02の直径が105mmの場合の、ダメージを与えな 半導体チップの長尺方向の幅は、12.1mmが限 値である(但し、半導体チップの厚みが0.63mm エンボス部を含めた総厚にあたる山高さが1 .1mmの場合)。この解決策として、従来では、 衝材として使用するエンボステープを始め 余分に巻いていたが、エンボステープの使 量が多くなるので、コスト優位性がなかっ 。

 これに対し、特に、コア部102の直径を120m m以上かつ130mm以下にすることにより、ダメー ジを与えない半導体チップの長尺方向の幅の 限界値を、12.1mm以上かつ13.4mm以下の範囲(但 、半導体チップの厚みが0.63mm、エンボス部 含めた総厚にあたる山高さが1.1mmの場合)と ることが可能となる。これにより、図6に示 ような長尺方向の幅が長い半導体チップ211 実装されているTABテープ210においても、反 を抑制し、半導体チップ211際での樹脂クラ クの発生を抑制するので、流動可能となる また、エンボステープの使用量を低減する とも可能となるので、コスト優位性を図る とが可能となる。さらに、巻きグセを回避 ることも可能となる。ゆえに、設計に応じ 、コア部102の直径は120mm~130mm範囲から決定 ればよい。

 また、コア部102は、図4に示すように、内 周側は、アダプタ101が嵌め込まれ取り付けら れる(差し込んで保持する)部分であるアダプ 取付部106(取付筒部)、および、外周面を構 する円筒状の部分(外形円筒部)とアダプタ取 付部106とを接続し、アダプタ取付部106を保持 するように設けられた複数のリブ107が形成さ れている骨組み構造(中空構造)となっている

 アダプタ取付部106は、コア部102の軸方向 貫通する筒型となっており、アダプタ101を り付けた際、アダプタ101の軸穴104の軸とコ 部102の軸とが略一致するような位置に設け れている。リブ107は、アダプタ取付部106に ダプタ101が取り付けられ、アダプタ101にシ フトを挿入してリール100を回転させる際、 壊しないような強度を有する構造となって る。

 このように、コア部102は骨組み構造とな ていることにより、樹脂の使用量を削減す ことが可能になるとともに、液が溜まらな ような形状・構造となっているので、リユ スするための洗浄工程(異物除去工程)にお て、薬液、温水、およびエアブローでの洗 効率が上がり、洗浄性および乾燥性を向上 ることが可能となる。

 また、リブ107は、上記強度を有するもの あれば形状(構造)は図4に示す限りではなく 例えば、図7に示すように、コア部102の軸方 向に沿って見たときが十字形状のリブ109でも よい。また、樹脂使用量の削減および洗浄性 ・乾燥性の向上を求めなければ、リブは、上 記強度を有するものであれば密閉した形状で もよい。

 また、コア部102の外周面には、長手方向 コア部102の軸方向に沿った4箇所以上のスリ ット108が設けられている。このスリット108に TABテープおよびエンボステープを入れて、固 定してから巻き始めることにより、TABテープ およびエンボステープをコア部102に巻き易く することが可能となる。スリット108の幅は、 2.0mm~6.0mmである。これは、TABテープおよびエ ボステープを入れたときに、その2つの総厚 で留まるような幅となっている。

 フランジ部103は、コア部102と一体成型され 。これにより、フランジ部103は、上述した ア部102の材料と同じ材料からなる。ゆえに フランジ部103も、静電対策のために、表面 抗値が10 7 ω~10 10 ω、好ましくは10 8 ω~10 9 ωに調整されている。これにより、発塵して まった異物がTABテープに付着することによ て発生するリーク不良を防止している。

 フランジ部103は、図1に示すように、円板 型の外形を有しており、その内部に開口した 4つの窓部110(開口部)が設けられている。窓部 110は、例えば、フランジ部103の軸方向に垂直 な外側の表面の領域を6つに区分する場合、 のうちの4つの区分に窓部110が、左右対称に るように設けられている。

 この窓部110は、TABテープをコア部102に巻 付ける際の作業領域(例えば、手を入れたり する動作)となる開口部であるので、材料コ トの面からも広く確保しておくことが望ま いが、従来、フランジ部の開口領域が大き ったので、フランジ部の強度が弱くなり反 が生じ易かった。反りが生じると、TABテー の巻きズレが発生するので好ましくない。

 それゆえ、作業領域を確保するとともに フランジ部103の強度を確保し反りを均一に るために、4つの窓部110を左右対称に設ける とともに、フランジ部103の強度を2.7N以上と 、かつ、4つの窓部110の合計した面積を、フ ンジ部103の軸方向に垂直な外側の表面にお る面積の25%~30%とする。窓部110の面積がフラ ンジ部103の上記面積の25%よりも小さくなった 場合は、樹脂の使用量が多くなり、コストア ップにつながるので好ましくない。また、窓 部110の面積がフランジ部103の上記面積の30%よ りも大きくなった場合は、フランジ部103の強 度が確保できなくなるので好ましくない。

 また、フランジ部103の軸方向に垂直な外側 表面における面積が、115551mm 2 ~117515mm 2 である場合、上記作業領域を十分に確保する ために、1つの窓部110の面積は、8000mm 2 以上とすることが好ましい。さらに、窓部110 を設けない箇所(ベタ部)を左右対称に設けて り量を1.5mm以内に収めることが望ましい。

 また、窓部110は、その形状および数は図1 に示す限りではなく、例えば、図8に示すよ な形状の窓部111および窓部112であっても良 。また、フランジ部103には、図9に示すよう 、出荷の際に、TABテープの情報を示す出荷 ベル150(例えば、50mm×100mm)が貼り付けられる 。このため、フランジ部103には、出荷ラベル 150を貼付可能な領域をベタ部として残してお くことが望ましい。

 以上のように、本実施の形態のリール100 、シャフトを抜き差しする軸穴104を有する ダプタ101、内周側にてアダプタ101を保持し 外周面でTABテープを巻き取るコア部102、お び、コア部102の各端部から、コア部102の軸 中心として放射円状に形成されている2つの フランジ部103により構成されており、アダプ タ101の材料は、コア部102およびフランジ部103 の材料とは異なるポリアセタール樹脂である 、という構成である。

 従来、軸穴にシャフトを抜き差しする際、 部にシャフトが擦れて削れカスが生じ易か た。そして、この削れカスは、抵抗値が10 3 ω~10 4 ω程度のカーボンを含んでいるため、巻き取 ているTABテープの配線に付着すると、非常 高い確率でリーク不良が発生していた。

 これに対し、本実施の形態のリール100で 、シャフトが抜き差しされる軸穴104を有す アダプタ101が、ポリアセタール樹脂により 製されている。ポリアセタール樹脂は、発 しにくい特性(材質)を有しているので、シ フトが抜き差しされても、削れカスが発生 にくい。よって、シャフトと擦れて発塵し い箇所の発塵を抑制することができるリー 100を実現することが可能となる。

 なお、発塵を抑制するという観点からは コア部102およびフランジ部103もポリアセタ ル樹脂により作製することが考えられる。 かしながら、ポリアセタール樹脂は、成型 の樹脂の収縮率が1.6~2.0%と大きいため、大 な製品を成型する場合には、変形および波 ちなどが顕著に発生し、安定して成型する とが難しい。これに対し、本実施の形態の ール100では、ポリアセタール樹脂の使用は 小型なアダプタ101の部分のみとしているの 、成形性に問題はない。コア部102およびフ ンジ部103は安定して成型することが可能で る。

 また、リール100を取り付けるシャフトは 一般的には1インチシャフトが使用されてい るが、シャフトの形状は多岐にわたって存在 している。それゆえ、ユーザ使用環境での個 々のシャフト形状に対応するために、専用の 中芯部材を使用することができる。

 図10は、アダプタ101部の軸穴104に嵌め込 れているときの、中芯部材120の一構成例を 像にて示す図である。図17は、図10に示した 芯部材120を示す正面図である。

 中芯部材120(第2の取付部)は、アダプタ101 の軸穴104に嵌め込まれて使用されるもので り、アダプタ101部の軸穴104に着脱自在な構 を有している。例えば、中芯部材120の外周 にテーパを付け、固定するようにしている

 中芯部材120は、ポリアセタール樹脂からな 。また、中芯部材120には、高分子材料が練 込まれており、静電対策のために、表面抵 値が10 7 ω~10 10 ω、好ましくは10 8 ω~10 9 ωに調整されている。これにより、発塵して まった異物がテープに付着することによっ 発生するリーク不良を防止している。

 また、中芯部材120は、図10に示すように シャフトの形状に適合した軸穴121(第2の取付 部)を少なくとも設けており、その他の内周 の形状は、成型性が良い形状であればよい 軸穴121は、例えば、φ8mm両羽根付きシャフト や、φ8mm片羽で短いシャフトに嵌合するよう 形状で形成されている。

 このように、アダプタ101部の軸穴104の直 よりも小さい直径のシャフトにリール100を り付けたい場合、そのシャフトの形状に適 した軸穴121を有する中芯部材120をアダプタ1 01部の軸穴104に装着することにより、リール1 00を取り付けることが可能となる。よって、 芯部材120を備えることにより、種々のシャ トに対応可能となるので、ユーザの使用環 に応じてリールを使用することが可能とな 。また、中芯部材120は着脱自在となってい ので、着脱手間は掛からず、作業性の向上 図ることが可能となる。

 また、本実施の形態のリールは、アダプ 101、コア部102、フランジ部103、および中芯 材120は、グレー系の色であることが望まし 。通常、樹脂の自然色は白色または乳白色 ある。これを色づけせずそのまま使用する とにより、コストを抑制できるとともに、 れが認識し易いので、交換時期が分かり易 、品質を確保することが可能となる。

 しかしながら、リールを使用する工程に っては、非常に汚い環境の場合もあり、リ ース不可能なこともある。そこで、リユー 率を少しでも向上させるために、過剰検査 防止を目的として、汚れが目立たないよう 、グレー系の色にする。この場合、成型時 、溶かした樹脂に顔料を混ぜて色度数を上 ることにより、樹脂をグレー系の色にする とができる。

 次に、本実施の形態のリール100の製造工 について説明する。

 図11は、リール100の製造工程を示す図で る。

 本実施の形態のリール100の製造工程は、 ア部102およびフランジ部103を含むリール本 の作製工程と、アダプタ101および中芯部材1 20の作製工程とに分けられ、それぞれの部材 作製した後、アダプタ101をコア部102のアダ タ取付部106に取り付ける工程を含んでいる

 リール本体の作製工程では、まず、コア 102およびフランジ部103の材料となる樹脂チ プを準備する(ステップS11)。続いて、樹脂 ップを金型に投入して溶かし一体成型する( テップS12)。これにより、コア部102およびフ ランジ部103を含むリール本体が作製される。 なお、成型は、金型への樹脂供給を2箇所設 成型する2液成型でもよい。これにより、生 性を向上することが可能となる。また、コ 部102およびフランジ部103は、一体成型に限 ず、個々に成型した後接合して作製しても い。

 アダプタ101および中芯部材120の作製工程 は、まず、アダプタ101および中芯部材120の 料となる樹脂チップを準備する(ステップS21 )。続いて、樹脂チップを金型に投入して溶 し成型する(ステップS22)。これにより、アダ プタ101および中芯部材120が作製される。なお 、アダプタ101および中芯部材120は個々に成型 される。また、成型は2液成型でもよい。

 各作製工程にて、リール本体とアダプタ1 01とを作製後、コア部102のアダプタ取付部106 アダプタ101を取り付ける。これにより、リ ル100が完成する。なお、アダプタ101は着脱 能なように取り付けられる。これにより、 ダプタ101部分のみの交換に対応することが 能となる。中芯部材120は、使用時およびユ ザへの出荷時などにおいて、適宜アダプタ1 01に取り付けるか、同封して一緒に出荷すれ よい。

 図1に示したリール100において、コア部102 の直径に対して、コア部102に巻き取るTABテー プの半導体チップの長尺方向の幅がどの程度 のときまで、TABテープはダメージを受けない のかを検証した。なお、実際にTABテープをリ ール100に巻き取る際には、TABテープの保護を 目的とする緩衝用のエンボステープを一緒に 巻くため、本実施例においてもエンボステー プを一緒に巻きとる検証をした。

 TABテープは、フィルムの厚みが38+8μm(46μm )、半導体チップの厚みが0.63mmである。エン ステープは、エンボス加工によりエンボス が形成されており、フィルムの厚みが0.125mm ある。エンボステープは、エンボス部を含 た総厚にあたる山高さが、1.1mm、1.2mmの場合 を用いた。リール100は、コア部102の直径が105 mmから5mm毎に130mmまでのものを用いた。

 そして、上記条件に基づいて、半導体チ プの限界幅wを、以下の式により算出した。

 w=2×√(N 2 -M 2 )
(N:「コア半径+エンボス部を含めた総厚にあ る山高さ」(mm)、M:「コア半径+エンボステー のフィルムの厚み+半導体チップの厚み」(mm ))
 図12に各結果を示す。また、図12に示した結 果データに基づいたグラフを図13に示す。図1 3を参照すると、点々がついた領域の範囲が 品にダメージを与える範囲とわかる。また コア部102の直径が130mmを超える斜線の領域は 、生産性が悪化する範囲である。

 本発明は上述した実施形態に限定される のではなく、請求項に示した範囲で種々の 更が可能である。すなわち、請求項に示し 範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わ て得られる実施形態についても本発明の技 的範囲に含まれる。

 本発明は、TABテープを巻き取り、シャフ に取り付けて使用する導電性リールに好適 用いることができるだけでなく、導電性リ ルの製造方法に関する分野、上記導電性リ ルにて用いる部材の製造に関する分野にも く用いることができる。




 
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